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特表2022-551162基板支持ユニット並びに基板支持ユニットを使用して層を堆積するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-07
(54)【発明の名称】基板支持ユニット並びに基板支持ユニットを使用して層を堆積するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20221130BHJP
   C23C 14/50 20060101ALI20221130BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20221130BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20221130BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
H01L21/68 N
C23C14/50 H
C23C16/458
H01L21/205
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521382
(86)(22)【出願日】2020-09-08
(85)【翻訳文提出日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 EP2020075071
(87)【国際公開番号】W WO2021069167
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】01276/19
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518031387
【氏名又は名称】エヴァテック・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン・ハグマン
(72)【発明者】
【氏名】クラウス・ミュンドレ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・マーク
【テーマコード(参考)】
4K029
4K030
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K029DA03
4K029JA03
4K029KA01
4K029KA09
4K030GA06
4K030GA09
4K030GA12
4K030HA12
4K030KA39
4K030KA41
5F045AA06
5F045AA15
5F045DP15
5F045DP27
5F045DP28
5F045EB08
5F045EM10
5F045GB05
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA01
5F131BA03
5F131BA04
5F131CA18
5F131CA45
5F131CA46
5F131DA05
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA36
5F131DA42
5F131DA43
5F131EA03
5F131EA04
5F131EA14
5F131EA17
5F131EA24
5F131EB67
5F131EB72
5F131EB75
5F131GA05
5F131GA26
5F131GA32
5F131GA66
5F131JA33
5F131KA12
5F131KA16
5F131KA23
5F131KA72
5F131KB12
5F131KB32
(57)【要約】
基板支持ユニットは、第1軸(A1)の周りに回転可能かつ第1駆動部(22)によって駆動されるターンテーブル(2)と、ターンテーブル(2)上に第1軸(A1)を同心として配置される複数の基板キャリアユニット(3)であって、各基板キャリアユニット(3)が、対応する第2軸(A2)の周りに回転可能かつ第2駆動部(31)によって駆動される基板キャリア(34)を備える、基板キャリアユニット(3)と、を備え、全ての第2軸(A2)は、第1軸(A1)と平行である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸(A1)の周りに回転可能かつ第1駆動部(22)によって駆動されるターンテーブル(2)と、
前記ターンテーブル(2)上に前記第1軸(A1)を同心として配置される複数の基板キャリアユニット(3)であって、前記基板キャリアユニット(3)の各々が、対応する第2軸(A2)の周りに回転可能かつ第2駆動部(31)によって駆動される基板キャリア(34)を備える、基板キャリアユニット(3)と、を備え、
全ての前記第2軸(A2)は、前記第1軸(A1)と平行である、基板支持ユニット。
【請求項2】
前記第2駆動部(31)は、真空に適している、請求項1に記載の基板支持ユニット。
【請求項3】
前記第1駆動部(22)及び/又は前記第2駆動部(31)は、ステッピングモータである、請求項1又は2に記載の基板支持ユニット。
【請求項4】
前記ターンテーブル(2)は、1つの前記基板キャリアユニット(3)を受容するための穴(200)を複数有するディスク形状の上方テーブルプレート(20)を備え、
全ての前記穴(200)は、前記第1軸(A1)を同心として共通の直径上に配置される、請求項1~3のいずれか1項に記載の基板支持ユニット。
【請求項5】
前記基板キャリアユニット(3)の各々は、ハウジング(30)を備え、前記ハウジング(30)内には、前記第2駆動部(31)が受容され、前記ハウジング(30)を以て、前記基板キャリアユニット(3)の各々が前記ターンテーブル(2)の対応する前記穴(200)内に配置される、請求項4に記載の基板支持ユニット。
【請求項6】
搭載フランジ(32)が、前記第2駆動部(31)の第1シャフト(310)上に前記第2軸(A2)に沿って摺動可能に配置され、
前記第1シャフト(310)は、前記ハウジング(30)の頂面を突出し、
前記ハウジング(30)の前記頂面は、前記第1シャフト(310)と垂直に延在し、かつ前記上方テーブルプレート(20)の頂面と本質的に面一である、請求項5に記載の基板支持ユニット。
【請求項7】
絶縁体(33)が、前記搭載フランジ(32)と前記基板キャリア(34)との間に配置される、請求項6に記載の基板支持ユニット。
【請求項8】
位置検出システム(35,36)が、前記第1シャフト(310)の反対側で、前記第2駆動部(31)上に配置され、
位置フラグ(35)が、前記第2駆動部(31)の第2シャフト(311)上に配置され、
前記第2シャフト(311)は、前記第1シャフト(310)と共線であり、かつ、前記第2駆動部(31)における前記第1シャフト(310)の反対側で前記第2駆動部(31)から出ており、
前記位置フラグ(35)は、ディスク形状であり、前記第2駆動部(31)の幅を超えて延在し、かつ、少なくとも1つの開口部を備え、前記開口部は、前記第2駆動部(31)の幅を超えて延在する前記ディスクの一部の、周縁の一部にわたって延在し、
リフレクタ(36)が、前記第2駆動部(31)に隣接して前記基板キャリアユニット(3)の前記ハウジング(30)内に配置され、前記リフレクタ(36)は、前記第1軸(A1)及び対応する前記第2軸(A2)の接続線と本質的に垂直に配置され、前記第2軸(A2)と平行に配向され、かつ前記位置フラグ(35)に面する、請求項6又は7に記載の基板支持ユニット。
【請求項9】
上方シールド(23)が、前記基板キャリア(34)の周りに配置され、かつ前記ターンテーブル(2)の頂面を覆い、
前記上方シールド(23)の頂面は、前記基板キャリア(34)の頂面と本質的に面一である、請求項1~8のいずれか1項に記載の基板支持ユニット。
【請求項10】
下方テーブルプレート(24)が、前記第2駆動部(31)の下に配置され、前記ターンテーブル(2)の周縁全体にわたって延在する、請求項1~9のいずれか1項に記載の基板支持ユニット。
【請求項11】
基板リフト(4)が、前記基板キャリア(34)の各々に配置される、請求項1~10のいずれか1項に記載の基板支持ユニット。
【請求項12】
リフタ(5)が、基板ロード位置に、前記ターンテーブル(2)の下に配置され、前記リフタ(5)は、前記基板ロード位置に割り当てられた前記基板リフト(4)の各々と係合することが可能であるように設計される、請求項11に記載の基板支持ユニット。
【請求項13】
レーザセンサ(6)が、基板ロード位置に、前記ターンテーブル(2)の下に配置され、前記第1軸(A1)及び対応する前記第2軸(A2)の接続線と本質的に垂直であり、前記第2軸(A2)と平行に配向され、かつ前記位置フラグ(35)に面し、
前記レーザセンサ(6)から前記接続線の距離は、前記リフレクタ(36)から前記接続線の距離と同一である、請求項8~12のいずれか1項に記載の基板支持ユニット。
【請求項14】
前記第2駆動部(31)の少なくとも2つが、直列に電気的に接続される、請求項1~13のいずれか1項に記載の基板支持ユニット。
【請求項15】
大気中かつ静的な場所に配置される制御ユニット(7)を備え、
直列な前記第2駆動部(31)の各々が、真空フィードスルー(26)と回転フィードスルー(27)とによって前記制御ユニット(7)に接続される、請求項14に記載の基板支持ユニット。
【請求項16】
前記第2駆動部(31)の各々は、温度センサ(312)を備え、
直列な前記第2駆動部(31)の各々の、1つの前記第2駆動部(31)の前記温度センサ(312)は、前記制御ユニット(7)に接続される、請求項14又は15に記載の基板支持ユニット。
【請求項17】
薄膜を基板上に堆積するための装置(1)であって、
プロセスチャンバ(11)と、
前記プロセスチャンバ(11)の第1側の、少なくとも1つの供給部(12)と、
請求項1~16のいずれか1項に記載の基板支持ユニットと、を備え、
前記基板支持ユニットは、前記プロセスチャンバ(11)の前記第1側の反対側に、前記プロセスチャンバ(11)の第2側を画成する、装置(1)。
【請求項18】
前記基板支持ユニットの基板ロード位置に配置される移送モジュール(8)と、
前記基板支持ユニットの反対側で、前記移送モジュール(8)に配置される少なくとも1つのロードモジュール(9)と、を備える、請求項17に記載の装置(1)。
【請求項19】
薄膜を基板上に堆積するためのプロセスであって、
-請求項1~16のいずれか1項に記載の基板支持ユニットを提供するステップと、
-プロセスチャンバ(11)を前記プロセスチャンバ(11)の第1側の少なくとも1つの供給部(12)と共に提供するステップであって、前記基板支持ユニットは、前記プロセスチャンバ(11)の前記第1側の反対側に、前記プロセスチャンバ(11)の第2側を画成する、ステップと、
-前記第1駆動部(22)を用いて、前記基板キャリアユニット(3)のうちの1つを基板ロード位置に配置するステップと、
-対応する前記第2駆動部(31)を用いて、前記基板キャリアユニット(3)の前記基板キャリア(34)を前記基板ロード位置に配向するステップと、
-基板を前記基板キャリア(34)上にロードするステップと、
-配向された薄膜をロードされた前記基板上に堆積させるために、少なくとも1つの前記供給部(12)の影響領域を通過する間、前記第1駆動部(22)を回転させるステップ、又は、
配向されない薄膜をロードされた前記基板上に堆積させるために、少なくとも1つの前記供給部(12)の影響領域を通過する間、前記第1駆動部(22)と前記第2駆動部(31)とを回転させるステップと、を含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板支持ユニット並びに基板支持ユニットを使用して薄膜を堆積するための装置及び方法に関し、より具体的には、複数の基板を支持するように構成される基板支持ユニット並びに基板支持ユニットを使用して薄膜を基板上に堆積するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般には、半導体デバイスは、例えば堆積プロセス、フォトリソグラフィプロセス、エッチングプロセス、及び洗浄プロセスなどの、さまざまなプロセスを通して製造される。これらのプロセスのうち、堆積プロセスは、材料の層を基板上に形成するように実行される。堆積プロセスは、例えば、物理蒸着(PVD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、及び原子層堆積(ALD)プロセスなどを含む。
【0003】
例えば、特許文献1は、回転プレートと、回転プレートに回転可能に搭載された複数の基板キャリアと、を有する基板支持ユニットを開示し、単一の駆動部が、回転プレートの回転と、回転プレート上の基板キャリアの回転と、を駆動している。このようなコンセプトは複雑であり、従って大掛かりなメンテナンスを要する。全ての基板キャリアが互いに堅固に連結されているので、特に1つの基板キャリアのみが交換を必要とするときに、個々の基板キャリアを調整することは、非常に複雑でありかつ時間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0145080号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では、従って、容易なメンテナンス、すなわち容易な支持キャリアの交換を可能にし、かつ基板キャリアの各々の位置決めに関してより正確であるテーブル支持を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1の特徴を有する基板支持ユニットによって解決される。基板支持ユニット並びに前記基板支持ユニットを使用して薄膜を基板上に堆積するための装置及び方法のさらなる実施形態は、さらなる請求項の特徴によって規定される。
【0007】
本発明による基板支持ユニットは、第1軸の周りに回転可能かつ第1駆動部によって駆動されるターンテーブルと、ターンテーブル上に第1軸を同心として配置される複数の基板キャリアユニットであって、各基板キャリアユニットが、対応する第2軸の周りに回転可能かつ第2駆動部によって駆動される基板キャリアを備える、基板キャリアユニットと、を備え、全ての第2軸は、第1軸と平行である。
【0008】
このような設計によって、各基板キャリアは、互いから独立して配向され得、同様にターンテーブルから独立して配向され得る。付加的には、1つの基板キャリアユニットの交換は、容易であり、交換される基板キャリアの配向を他の基板キャリアの配向と同期させる必要がない。従って、交換の労力を削減する。コーティングされる基板は、回転可能キャリア上に直接置かれ得る。基板を中間キャリア上に位置決めし、搭載された基板と共に中間キャリアを、回転可能キャリア上に置くことも可能である。
【0009】
1つの実施形態では、第2駆動部は、真空に適している。このような駆動部は、基板キャリアの非常に近くに導入され得る。より短い伝達距離によって、基板キャリアの位置決め精度が高められ得る。真空に適した駆動部は、脱気プロセスを要求し、より耐熱性の高い構成要素を要求する。付加的には、駆動部が真空に適している場合、周囲から真空への複雑な力伝達は必要ない。
【0010】
1つの実施形態では、第1駆動部及び/又は第2駆動部は、ステッピングモータである。代替的には、第1駆動部及び/又は第2駆動部は、サーボ駆動部であり得る。位置決定が要求される場合、ステッピングモータの操作は、サーボ駆動部よりも少ない電気ケーブルを要求する。
【0011】
1つの実施形態では、ターンテーブルは、1つの基板キャリアユニットを受容するための穴を複数有するディスク形状の上方テーブルプレートを備え、全ての穴は、第1軸を同心として共通の直径上に配置される。このような設計によって、基板キャリアユニットを全ての穴に配置することが可能であり、又は、1つ以上の穴は、カバーによって閉ざされ得る。穴は、ターンテーブルの周縁に均等にまたは不均等に分配され得る。
【0012】
1つの実施形態では、各基板キャリアユニットは、ハウジングを備え、ハウジング内には、第2駆動部が受容され、ハウジングを以て、各基板キャリアユニットがターンテーブルの対応する穴内に配置される。基板キャリアユニットが交換される必要がある場合、基板キャリアユニットは、容易にハウジングと共に取り除かれ、停止時間が削減される。
【0013】
1つの実施形態では、搭載フランジが、第2駆動部の第1シャフト上に第2軸に沿って摺動可能に配置され、第1シャフトは、ハウジングの頂面を突出する。搭載フランジによって、基板キャリアの鉛直位置は、調整され得る。ハウジングの頂面は、第1シャフトと垂直に延在し、かつ上方テーブルプレートの頂面と本質的に面一である。
【0014】
1つの実施形態では、絶縁体が、搭載フランジと基板キャリアとの間に配置される。絶縁体は、搭載フランジ、従って第2駆動部への熱応力を低減する。
【0015】
1つの実施形態では、位置検出システムが、第1シャフトの反対側で、第2駆動部上に配置される。位置フラグが、第2駆動部の第2シャフト上に配置される。第2シャフトは、第1シャフトと共線であり、かつ、第2駆動部における第1シャフトの反対側で第2駆動部から出ている。位置フラグは、ディスク形状であり、第2駆動部の幅を超えて延在し、かつ、少なくとも1つの開口部を備え、開口部は、第2駆動部の幅を超えて延在するディスクの一部の、周縁の一部にわたって延在する。リフレクタが、第2駆動部に隣接して基板キャリアユニットのハウジング内に配置され、リフレクタは、第1軸及び対応する第2軸の接続線と本質的に垂直に配置され、第2軸と平行に配向され、かつ位置フラグに面する。
【0016】
1つの実施形態では、上方シールドが、基板キャリアの周りに配置され、かつターンテーブルの頂面を覆い、上方シールドの頂面は、基板キャリアの頂面と本質的に面一である。シールドは、軽量設計を有し、ターンテーブルへの熱負荷を低減し、かつターンテーブルが操作中にコーティングされることを防止する。シールドは、容易に交換され得、他の場所で容易に洗浄され得る。
【0017】
1つの実施形態では、下方テーブルプレートが、第2駆動部の下に配置され、ターンテーブルの周縁全体にわたって延在する。下方テーブルプレートは、上方テーブルプレートの反対側から基板キャリアユニットを保護する。
【0018】
1つの実施形態では、基板リフトが、各基板キャリアに配置される。基板は、又は中間キャリアと共に基板は、基板キャリアから上昇され得、基板キャリアへ下降され得る。例えば、基板リフトは、ピンを備え、ピンを以て基板が直接上昇され得、又はピンを以て中間キャリアが上昇され得る。3つのピンによって、基板又は中間キャリアは、平面度に関係なく、ピン上に常に安定して位置付けられる。
【0019】
1つの実施形態では、リフタが、基板ロード位置に、ターンテーブルの下に配置される。リフタは、基板ロード位置に割り当てられた各基板リフトと係合するように設計される。これによって、全ての基板を上昇させるために、1つのリフタのみ、すなわち1つのアクチュエータのみが必要とされる。代替的には、基板リフトとリフタとを有する代わりに、ロードロボットが使用され得る。ロードロボットは、水平及び鉛直方向移動を実行することによって、基板を、又は中間キャリアと共に基板を、回転可能基板キャリアへ移送することが可能である。水平方向移動は、直線移動及び/又は枢動移動であり得る。
【0020】
1つの実施形態では、レーザセンサが、基板ロード位置で、ターンテーブルの下に配置される。レーザは、第1軸及び対応する第2軸の接続線と本質的に垂直に位置決めされ、第2軸と平行に配向され、かつ位置フラグに面する。レーザセンサから接続線の距離は、リフレクタから接続線の距離と同一である。このレーザセンサ及びリフレクタの配置によって、基板ロード位置において基板キャリアの位置の最も高い精度が、達成され得る。しかしながら、レーザセンサ及びリフレクタの他の位置もまた、実現され得る。
【0021】
1つの実施形態では、第2駆動部の少なくとも2つが、直列に電気的に接続される。これによって、要求される電気ケーブルの数が削減され得る。より少ない電気ケーブルは、全てのケーブルが回転するターンテーブルから静止ベースまで案内される必要があるため、望ましい。ケーブルがより少ないほど、より少ない回転フィードスルーが要求される。
【0022】
1つの実施形態では、基板支持ユニットは、大気中かつ静的な場所に配置される制御ユニットを備え、直列な第2駆動部の各々が、真空フィードスルーと回転フィードスルーとによって制御ユニットに接続される。このような設計は、気密性に関して真空回転フィードスルーよりもより要求が少ない。
【0023】
1つの実施形態では、各第2駆動部は、温度センサを備える。直列な第2駆動部の各々のうちの1つの第2駆動部の温度センサは、制御ユニットに接続される。このように、回転フィードスルーを通過する必要がある電気ケーブルの数は、削減される。例えば、2つ、3つ、4つ、又は5つの、直列に電気的に接続された第2駆動部が存在する場合、各第2駆動部は、温度センサを備えるが、これらの温度センサのうちの1つのみが、制御ユニットに接続される。
【0024】
基板支持ユニットの上述の実施形態の特徴は、互いに矛盾しない限り、任意の組合せで使用され得る。
【0025】
本発明による、薄膜を基板上に堆積するための装置は、プロセスチャンバと、プロセスチャンバの第1側の、少なくとも1つの供給部と、上記の実施形態のいずれか1つによる基板支持ユニットと、を備える。基板支持ユニットは、プロセスチャンバの第1側の反対側に、プロセスチャンバの第2側を画成する。基板支持ユニットは、下方側を画成し得、供給部は、上方側に配置され得、又は逆であり得る。ターンテーブルの軸が水平に配向される配置を有することも可能であり、従って、基板支持ユニットがプロセスチャンバの1つの横方向側を画成し、供給部が反対側の横方向側を画成する。
【0026】
1つの実施形態では、装置は、基板支持ユニットの基板ロード位置に配置される移送モジュールと、基板支持ユニットの反対側で、移送モジュールに配置される少なくとも1つのロードモジュールと、を備える。基板支持ユニットの反対側で、互いに隣りに配置される2つ以上のロードモジュールを有することも可能である。ロードモジュールでは、単一の基板又はバッチの基板が、中間キャリアと共に、又は中間キャリア無しで配置され得る。移送モジュールは、基板を、又はキャリーされた基板と共に中間キャリアを、少なくとも1つのロードモジュールから基板ロード位置へ、又は直接プロセスチャンバ内へ、移送し得る。
【0027】
本発明による、薄膜を基板上に堆積するためのプロセスは、
-上記の実施形態のいずれか1つによる基板支持ユニットを提供するステップと、
-プロセスチャンバをプロセスチャンバの第1側の少なくとも1つの供給部と共に提供するステップであって、基板支持ユニットは、プロセスチャンバの第1側の反対側に、プロセスチャンバの第2側を画成する、ステップと、
-第1駆動部を用いて、基板キャリアユニットのうちの1つを基板ロード位置に配置するステップと、
-対応する第2駆動部を用いて、前記基板キャリアユニットの基板キャリアを基板ロード位置に配向するステップと、
-基板を前記基板キャリア上にロードするステップと、
-配向された薄膜をロードされた基板上に堆積させるために、少なくとも1つの供給部の影響領域を通過する間、第1駆動部を回転させるステップ、又は、
配向されない薄膜をロードされた基板上に堆積させるために、少なくとも1つの供給部の影響領域を通過する間、第1駆動部と第2駆動部とを回転させるステップと、を含む。
【0028】
本発明の実施形態は、図面を参照して以下でより詳細に説明される。これらは説明のみを目的としたものであり、限定するものとして解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明による基板支持ユニットを用いて薄膜を基板上に堆積するための装置の部分断面図である。
図2図1のターンテーブルの上から見た斜視図である。
図3図1の基板キャリアユニットの断面図である。
図4図1の装置のロード位置の下から見た分解斜視図である。
図5図1の基板支持ユニットの概略接続図である。
図6図1の装置を用いて薄膜を基板上に堆積するための完全なシステムの上から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明による基板支持ユニットを用いて薄膜を基板上に堆積するための装置1の部分断面図を示し、図2は、図1のターンテーブル2の上から見た斜視図を示す。装置1は、少なくとも上方側と横方向側とで、プロセスチャンバを画成するハウジング10を備える。図示された実施形態では、ターンテーブル2は、少なくとも部分的に、プロセスチャンバ11内に配置される。ターンテーブル2は、ハウジング10内に、気密にかつ第1軸A1の周りに回転可能に配置される。プロセスチャンバ11内で、真空が実現され得る。ターンテーブル2のテーブルシャフト21は、気密軸受(tight bearing)210を用いてハウジング10に搭載される。ターンテーブル2は、上方テーブルプレート20と下方テーブルプレート24とをさらに備え、下方テーブルプレート24は、テーブルシャフト21と接続され、上方テーブルプレート20は、下方テーブルプレート24と接続される。双方のテーブルプレートは、完全にプロセスチャンバ11内に配置される。上方テーブルプレート20と下方テーブルプレート24とは、双方とも円形ディスクの形状を有する。上方テーブルプレート20は、円形壁240上に載っており、円形壁240は、下方テーブルプレート24の上面から本質的に垂直に延在する。シーリング241は、円形壁の上面と上方テーブルプレート20の下面との間に配置される。上方テーブルプレート20上では、複数の基板キャリアユニット3が、上方テーブルプレート20の周縁又は第1軸A1の周りに均等に分配されてそれぞれ配置される。各基板キャリアユニット3は、少なくとも基板駆動部31と基板キャリア34とを備える。基板キャリア34は、基板駆動部31上に配置され、かつ第2軸A2の周りに回転可能である。各基板キャリアユニット3と同じ、第1軸A1との横方向距離に、基板をコーティングするための少なくとも1つの供給部12が、供給部12の一側が基板キャリア34に面するように、ハウジング10上に配置される。基板キャリアユニット3は、ターンテーブル2が回転するときに、供給部12の下を通過し得る。上方テーブルプレート20の上方側には、上方シールド23が配置され、基板キャリア34を囲み、かつ上方テーブルプレート20の上面を完全に覆う。基板キャリア34が円形ディスクであるので、上方シールド23の切抜部は、対応するように円形である。各基板キャリアディスク34の横方向側と対応する切抜部との間に、小さいクリアランスが存在する。各基板キャリアユニット3は、電気ケーブルを用いて制御ユニット7と電気的に接続される。電気ケーブルは、真空フィードスルー26と回転フィードスルー27とを通過しており、各基板キャリアユニット3の真空フィードスルー26は、円形壁240に配置され、プロセスチャンバ11を周囲大気から分離する。全ての基板キャリアユニット3のための共通の回転フィードスルー27は、テーブルシャフト21の内側に配置される。ターンテーブル2は、テーブルシャフト21と係合するテーブル駆動部22を用いて回転され得る。ロード/アンロード位置には、基板リフト4とリフタ5とが配置される。基板リフト4は、共通のピンホルダ41上に配置されるピン40を備える。正確なロード位置において、ターンテーブル2と基板キャリアユニット3とは、ピン40が下方テーブルプレート24と上方テーブルプレート20と基板キャリア34との対応する貫通穴を通過し得、かつ基板を基板キャリア34から上昇させ又は基板を基板キャリア34上に下降させ得るように、配置されかつ配向される。基板は、図6に示されるように、移送モジュールによって提供され又は排出される。ターンテーブル2の正確な位置と、ターンテーブル2の配向と、をそれぞれ決定するために、テーブルフラグ25がターンテーブル2の周縁に設けられる。図2の実施形態では、テーブルフラグ25は、下方テーブルプレート24上に配置され、かつ、横方向に外側に向かって、下方テーブルプレート24の周縁を越えて延在する。テーブルフラグ25は、少なくとも1つのスロットを備え、少なくとも1つのスロットは、光学センサと共に、ターンテーブル2の配向の正確な決定を可能にする。
【0031】
図3は、図1の基板キャリアユニット3の断面図を示す。基板キャリアユニット3は、ハウジング30を備え、ハウジング30内には、基板駆動部31が配置される。ハウジング30は、フランジを備え、フランジは、上方テーブルプレート20内の対応する開口部200内に配置される。フランジの上面は、上方テーブルプレート20の上面と本質的に面一である。ハウジング30の、従って基板駆動部31の配向は、第2回転軸A2が上方テーブルプレート20と垂直に延在するような配向である。基板駆動部31は、第1シャフト310を備え、第1シャフト310は、第2軸A2に沿ってハウジング30の上面を越えて延在する。搭載フランジ32は、第1シャフト310上に配置される。搭載フランジ32は、ディスク形状であり、第2軸A2に沿って移動され得、かつ、固定手段、例えば固定ネジによって、第1シャフト上に固定され得る。ディスク形状の絶縁体33は、搭載フランジ32上に配置される。基板キャリア34は、絶縁体33上に配置される。絶縁体33は、低い熱伝導率を有する材料を含む断熱体であり、従って、搭載フランジ32への熱負荷を低減する。基板キャリア34の頂部側には、基板を支持するため又は所定の場所に基板を保持するための隆起部が存在する。隆起部は、点状、線状、又は面状であり得る。例えば、このような隆起部は、リッジであり得る。周縁リッジは、基板キャリア34上での基板の横方向移動を防止し得る。基板駆動部31は、基板駆動部31における第1シャフト310の反対側に第2シャフト311を備える。第2シャフト311は、第2軸A2の周りに回転可能である。ディスク形状の駆動フラグ35は、第2シャフト311上に配置される。駆動フラグ35は、少なくとも1つのスロットを備え、スロットは、駆動フラグ35の周縁領域の一部にわたって延在する。少なくとも1つのスロットの領域では、リフレクタ36が、基板キャリア34に向かう駆動フラグ35の側で、ハウジング30上に配置される。下方テーブルプレート24は、駆動フラグ35の下に配置される。貫通穴は、下方テーブルプレート24に形成され、リフレクタ36に整列される。各基板キャリアユニット3のリフレクタ36は、第1軸A1と垂直な平面内において、第1軸A1と第2軸A2との間の接続線が、第2軸A2とリフレクタ36との間の接続線と本質的に垂直であるように、配置される。
【0032】
図4は、図1の装置1のロード位置の下から見た分解斜視図を示す。1つの基板キャリアユニット3は、基板リフト4、リフタ5、及びロード位置の位置センサ6と整列される。上昇させる前に、ピン40の上方先端は、ターンテーブル2の下方テーブルプレート24の下に位置づけられる。全てのピン40を保持するピンホルダ41は、作動時に、鉛直方向に基板キャリアユニット3に向かってピン40を上昇させ得るリフタ5に接続される。位置センサ6は、レーザビーム60を出射し得、レーザビーム60は、ロード位置において下方テーブルプレート24の貫通穴を通過し、駆動フラグ35のスロットの位置に依存して、基板キャリアユニット3のリフレクタ36に到達し得る。特定の基板キャリアユニット3をロード位置に整列するために、ターンテーブル2は、特定の基板キャリアユニット3がロード位置に来るまで回転され得る。これは、テーブルフラグ25と共に位置センサによって、又はテーブル駆動部22のエンコーダによって達成され得る。引き続き、基板キャリア34は、駆動フラグ35と共に位置センサ6が基板キャリア34の正しい配向を示すまで回転される。その後、基板リフト4は、基板キャリア34に基板をロード又はアンロードするために作動され得る。
【0033】
図5は、図1の基板支持ユニットの概略接続図を示す。図示された実施形態では、5つの基板駆動部31がユニット内に束ねられる。各駆動部31は、第1コイルと、第2コイルと、一体化された温度センサ312と、を備える。各駆動部は、個々の真空フィードスルー26と共通の回転フィードスルー27とによって、制御ユニット7に接続される。第1コイルは、入力電線3100と出力電線3102とに接続され、第2コイルは、入力電線3101と出力電線3103とに接続される。駆動部31が直列に接続されるので、後続の駆動部の入力電線は、先行する駆動部の出力電線に対応する。電気が電線を通って流れるとき、全ての駆動部は、互いに同期して回転する。付加的には、電線の数は、2つの入力電線と2つの出力電線とに削減される。温度センサは、入力電線3120と出力電線3121とに接続される。各ユニットについて、1つの駆動部31の温度センサ312のみが、制御ユニットに接続される。従って、各ユニットについて、駆動部に関する4本の電線及び温度センサ312に関する2本の電線のみが、回転フィードスルー27を通過する必要がある。
【0034】
図6は、図1の装置1を用いて薄膜を基板上に堆積するための完全なシステムの上から見た斜視図を示す。装置1の頂部側には、複数の供給部12が、周縁に配置される。ロード位置に隣接して、移送モジュール8が配置される。移送モジュール8は、装置1にシール接続され、それぞれ、移送モジュール8の内側は、装置1のプロセスチャンバに接続される。移送モジュール8は、既定の配向にコーティングされる基板を配向するための整列部80を備える。移送モジュール8に隣接して、装置1の反対側に、ロードモジュール9が配置される。ロードモジュール9は、移送モジュール8にシール接続される。ロードモジュール9は、図示された実施形態では、2つのロードステーションを備え、ロードステーションでは、コーティングされる基板が、単一で又はバッチでロードされ得る。
【符号の説明】
【0035】
1 装置
10 ハウジング
11 プロセスチャンバ
12 供給部
2 ターンテーブル
20 上方テーブルプレート
200 開口部
201 カバー
21 テーブルシャフト
210 軸受
22 テーブル駆動部
23 上方シールド
24 下方テーブルプレート
25 テーブルフラグ
26 真空フィードスルー
27 回転フィードスルー
3 基板キャリアユニット
30 ハウジング
31 基板駆動部
310 第1シャフト
311 第2シャフト
312 温度センサ
3100 第1供給電線
3101 第2供給電線
3102 第1戻り電線
3103 第2戻り電線
3120 供給電線
3121 戻り電線
32 搭載フランジ
33 絶縁体
34 基板キャリア
35 駆動フラグ
36 リフレクタ
4 基板リフト
40 ピン
41 ピンホルダ
5 リフタ
6 位置センサ
60 レーザビーム
7 制御ユニット
8 移送モジュール
80 整列部
9 ロードモジュール
A1 第1軸
A2 第2軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】