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特表2022-551178往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-07
(54)【発明の名称】往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機
(51)【国際特許分類】
   B01D 33/00 20060101AFI20221130BHJP
   B30B 9/12 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
B01D33/00 Z
B30B9/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521649
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(85)【翻訳文提出日】2022-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2019110540
(87)【国際公開番号】W WO2021068183
(87)【国際公開日】2021-04-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522143047
【氏名又は名称】▲徳▼威林克▲汚▼泥▲処▼理公司
【氏名又は名称原語表記】DEWLINK SLUDGE TREATMENT LTD
【住所又は居所原語表記】Unit A1, Hortonwood 10 Telford, Shropshire TF1 7ES, United Kingdom
(71)【出願人】
【識別番号】522143058
【氏名又は名称】▲陳▼君豪
【氏名又は名称原語表記】CHAN, Kwan Hao
【住所又は居所原語表記】Unit A1, Hortonwood 10 Telford, Shropshire TF1 7ES, United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100198650
【弁理士】
【氏名又は名称】小出 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼君豪
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116BB11
4D116BC53
4D116BC75
4D116DD06
4D116DD07
4D116QA55C
4D116QA55F
4D116QA57C
4D116QA57F
4D116QB49
4D116VV12
(57)【要約】
支持フレーム(9)と、支持フレーム(9)と組み立てられたろ過キャビティ(1)と、支持フレーム(9)に取り付けられ、ろ過キャビティ(1)内を貫通するスパイラルシャフト(2)と、支持フレーム(9)に取り付けられた駆動装置(3)と、を含み、ろ過キャビティ(1)の両端には、供給口(101)と排出路(102)が設けられる往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機であって、ろ過キャビティ(1)は、第1の閉可動リングシート群(4)と、第1の閉可動リングシート群(4)の運動状態と一致しない第2の閉リングシート群と、を含み、2組の閉リングシート群は交互に積層されてろ過キャビティ(1)を形成し、2組の閉リングシート群のうち、少なくとも一方の群の閉リングシート群の隣接する2つの閉リングシートの間にガスケット(6)が設けられ、ガスケット(6)の厚さが他方の組の閉リングシートの厚さよりも厚く、これにより隣接する閉リングシートの間にろ過隙間が形成され、第1の閉可動リングシート群(4)は、閉リングシートの間に貫通された第1の連結機構(7)によって一体的に連結され、駆動装置(3)は、第1の伝動装置(8)を介して、第1の閉可動リングシート群(4)の閉可動リングシートを全方位に同一円周軌跡で往復運動させることにより、第1の閉可動リングシート群(4)と支持フレーム(9)及び隣接する第2の閉可動リングシート群との間に相対的な変位を生じさせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フレーム(9)と、前記支持フレーム(9)と組み立てられたろ過キャビティ(1)と、前記支持フレーム(9)に取り付けられ、前記ろ過キャビティ(1)内を貫通するスパイラルシャフト(2)と、前記支持フレーム(9)に取り付けられた駆動装置(3)とを含み、前記ろ過キャビティ(1)の両端には、供給口(101)と排出路(102)が設けられる往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機であって、前記ろ過キャビティ(1)は、
第1の閉可動リングシート群(4)と、第1の閉可動リングシート群(4)の運動状態と一致しない第2の閉リングシート群と、を含み、2組の閉リングシート群は交互に積層されてろ過キャビティ(1)を形成し、2組の閉リングシート群のうち、少なくとも一方の群の閉リングシート群の隣接する2つの閉リングシートの間にガスケット(6)が設けられ、ガスケット(6)の厚さが他方の組の閉リングシートの厚さよりも厚く、これにより、隣接する閉リングシートの間にろ過隙間が形成され、
前記第1の閉可動リングシート群(4)は、閉リングシートの間に貫通された第1の連結機構(7)によって一体的に連結され、前記駆動装置(3)は、第1の伝動装置(8)を介して、前記第1の閉可動リングシート群(4)の閉可動リングシートを全方位に同一円周軌跡で往復運動させることにより、前記第1の閉可動リングシート群(4)と前記支持フレーム(9)及び隣接する前記第2の閉リングシート群との間に相対的な変位を生じさせ、ろ過隙間の通過性をより良好にし、ろ過面積を増大させる、ことを特徴とする往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機。
【請求項2】
前記第1の連結機構(7)は、支持フレーム逃し孔(10)及び前記第1の閉可動リングシート群(4)の第1の閉可動リングシート挿通孔(40)に貫通し、前記第1の閉可動リングシート群(4)を一体的に連結して同期運動を実現するための少なくとも2本の第1の連動軸(11)を含み、
前記第1の伝動装置(8)は、前記駆動装置(3)と組み立てられ、前記駆動装置(3)と同期して運動可能な少なくとも2本の第1の伝動軸(12)と、前記第1の伝動軸に套設されるとともに、前記第1の閉可動リングシート群(4)の間にバランスよく設けられた第1の連動リングシート(13)と、前記第1の連動リングシート(13)と前記第1の伝動軸(12)との間に設けられ、前記第1の可動リングシート群のすべての可動リングシートを全方位に同一円周軌跡で往復運動させるための第1の偏心機構(14)とを含み、
前記第1の連動リングシート(13)には第1の連動リングシート挿通孔(41)が設けられ、前記第1の連動軸(11)は前記第1の閉可動リングシート挿通孔(40)及び前記第1の連動リングシート挿通孔(41)を貫通している、ことを特徴とする請求項1に記載の往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機。
【請求項3】
第1の偏心機構(14)は、前記第1の伝動軸(12)に固定して取り付けられ、第1の連動リングシート取付孔(42)内に位置し、第1の軸受け(47)を介して前記第1の連動リングシート取付孔(42)の内壁に当接し、前記第1の伝動軸(12)が回転するときに前記第1の連動リングシート(13)を同一円周軌跡で往復運動させる第1の偏心輪(15)と、前記第1の連動リングシート(13)の第1の取付タブ(49)に固着され、前記第1の連動リングシート取付孔(42)の両側に位置し、前記第1の偏心輪(15)を前記第1の連動リングシート取付孔(42)に限定するための第1の制限シート(16)とを含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機。
【請求項4】
前記第2の閉リングシート群は、運動状態で静止している閉固定リングシート群(17)であり、前記閉固定リングシート群(17)の全ての固定リングシートには、2つ以上の固定孔(18)と、前記固定孔(18)間に貫通され、前記固定リングシートを前記支持フレーム(9)に固定して組み立てるための固定軸(46)とが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機。
【請求項5】
前記第2の閉リングシート群は、第2の閉可動リングシート群(5)であり、前記第2の閉可動リングシート群(5)は、閉リングシートの間に貫通された第2の連結機構(19)によって一体的に連結され、前記駆動装置(3)は、第2の伝動装置(20)を介して、前記第2の閉可動リングシート群(5)の閉可動リングシートを全方位に同一円周軌跡で往復運動させることにより、前記第2の閉可動リングシート群(5)と前記支持フレーム(9)及び隣接する前記第1の閉可動リングシート群(4)との間に相対的な変位を生じさせ、ろ過間隙の通過性をより良好にし、ろ過の面積を増大させ、
前記第2の連結機構(19)は、支持フレーム逃し孔(10)及び前記第2の閉可動リングシート挿通孔(43)に貫通し、前記第2の閉可動リングシート群(5)を一体的に連結し、同期運動を実現するための少なくとも2本の第2の連動軸(22)を含み、
前記第2の伝動装置(20)は、前記駆動装置(3)と組み立てられ、前記駆動装置(3)と同期して運動可能な少なくとも2本の第2の伝動軸(23)と、前記第2の伝動軸(23)に套設されるとともに、前記第2の閉可動リングシート群(5)の間にバランスよく設けられた第2の連動リングシート(24)と、前記第2の連動リングシート(24)と前記第2の伝動軸(23)の間に設けられ、前記第2の可動リングシート群のすべての可動リングシートを全方位に同一円周軌跡で往復運動させるための第2の偏心機構(25)とを含み、
前記第2の伝動軸(23)は、前記第1の伝動軸(12)を共用することができ、前記第2の連動リングシート(24)には第2の連動リングシート挿通孔(44)が設けられ、前記第2の連動軸(22)は、前記第2の閉可動リングシート挿通孔(43)及び第2の連動リングシート挿通孔(44)を貫通し、
前記第2の偏心機構(25)は、
前記第2の伝動軸(23)に固定して取り付けられ、前記第2の連動リングシート取付孔(44)内に位置し、第2の軸受け(48)を介して前記第2の連動リングシート取付孔(44)の内壁に当接し、前記第2の伝動軸(23)が回転するときに前記第2の連動リングシート(24)を同一の円周軌跡で往復運動させる第2の偏心輪(26)と、前記第2の連動リングシート(24)の第2の取付タブ(50)に固着され、前記第2の連動リングシート取付孔(44)の両側に位置し、前記第2の偏心輪(26)を前記第2の連動リングシート取付孔(44)に限定するための第2の制限シート(27)とを含み、
前記第1の偏心輪(15)と前記第2の偏心輪(26)の偏心方向は角度をなす、ことを特徴とする請求項1に記載の往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機。
【請求項6】
第1の偏心輪(15)と第2の偏心輪(26)の偏心方向がなす角度は0度であり、両者の偏心距離が一致しない、ことを特徴とする請求項5に記載の往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機。
【請求項7】
前記駆動装置(3)は、
前記支持フレーム(9)に設けられ、前記排出路(102)の一方の側に位置するギアボックス(30)と、
前記ギアボックス(30)内に設けられ、前記スパイラルシャフト(2)を回転駆動するための第2の歯車群(32)と、
前記ギアボックス(30)内に設けられ、前記伝動装置を回転駆動するための第3の歯車群(33)と、
前記ギアボックス(30)の前記ろ過キャビティ(1)から離れた側に設けられ、前記ギアボックス(30)内に延在して前記第2の歯車群(32)と組み立てられ、前記第2の歯車群(32)を運動駆動するための第2の動力源(34)と、
前記支持フレーム(9)の前記ろ過キャビティ(1)から離れた側に設けられ、前記ギアボックス(30)内に延在して前記第3の歯車群(33)と組み立てられ、前記第3の歯車群(33)を運動駆動するための第3の動力源(35)とを含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機。
【請求項8】
前記駆動装置(3)は、排出路(102)側と供給口(101)側の両方に設けられ、回転数と回転方向が同じな動力を伝動軸に出力して、設備大型化時の駆動負荷を軽減する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機。
【請求項9】
前記スパイラルシャフト(2)は、平行に2本設けられ、前記スパイラルシャフト(2)の回転方向が逆であり、共同に材料を押し進みながら、前記スパイラルシャフト(2)に付着した材料を相互に掻き取り、材料の押し進みを円滑にするためのものである、ことを特徴とする請求項1に記載の往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機。
【請求項10】
混合タンクと、予備濃縮機能付き撹拌装置とを含み、前記混合タンク内には、前記予備濃縮機能付き撹拌装置が設けられている予備濃縮機能付き混合タンクであって、
前記予備濃縮機能付き撹拌装置は、駆動装置(3)と、請求項1~5のいずれか1項に記載のろ過キャビティ(1)と、撹拌羽根と、ろ液案内キャビティ(36)とを含み、
前記駆動装置(3)は、駆動モータ(37)と、中心軸(38)と、中心軸(38)と組み立てられた歯車群(39)とを含み、前記ろ液案内キャビティ(36)は、前記ろ過キャビティ(1)の底部に位置し、前記ろ液案内キャビティ(36)と前記ろ過キャビティ(1)の内部が互いに貫通しており、前記中心軸(38)は、前記ろ過キャビティ(1)及び前記ろ液案内キャビティ(36)の内部を貫通している、ことを特徴とする予備濃縮機能付き混合タンク。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固液分離装置の技術分野に関し、具体的には、往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機に関する。
【背景技術】
【0002】
固液分離機は主に汚泥の脱水に用いられる。従来技術による積層スパイラル式汚泥脱水機は、固定リングと可動リングを積層したろ過キャビティであり、固定リングが支柱に固定され、固定状態を維持し、可動リングの移動により固定リングとの間に重なり位置が変化し、ろ過隙間が目詰まりしないようにする。しかし、可動リングはろ過キャビティ内のスパイラルシャフトによって駆動され、持続して接触しながら作動するため、スパイラルシャフトと可動リングの間に摩耗が生じる。且つ、ろ過キャビティ内にはスパイラルシャフトが1本しかないので、ケーキングや絡まりの起こりやすい汚泥がキャビティ内に詰まって、設備の安定な運転に悪影響を与えることになる。
【0003】
中国発明特許201720385178.1において、振り子運動を伴う多軸積層スパイラル式固液分離装置が開示されており、この固液分離装置において、ろ過キャビティは固定リングと可動リングが交互に積層されたものであり、キャビティ内には2本以上のスパイラルシャフトが並設され、可動リングの一端の偏心装置による駆動と他端の案内装置による制限により、可動リングがスパイラルシャフトと接触しないときに、固定リングに対する変位や重なり面積の変化を生じ、これにより、固定リングと可動リングの間のろ過隙間の目詰まりを回避し、また、ケーキングや絡まりの起こりやすい汚泥がキャビティ内に詰まるという技術的難問を解決できる。しかし、この構造の駆動方式では、偏心装置付きの駆動端と制限を行う案内端との間に、制限孔内の摩擦抵抗により、作動中に可動リングの変形を招き、しかも、設備が大きいほど、可動リングシートが大きくなり、リングシートの中空スパンが大きくなり、両端が対向して押しつぶされ、可動リングシートの変形や破断を招きやすい。また、両端の運動軌跡が一致しない、すなわち、制限端が上下直線運動を行い、動き支配端が左右の振り子運動を行うため、ろ過キャビティの上半部の通過性が劣り、ろ過の効果や効率に悪影響を与える。また、運動軌跡が無秩序であるので、リングシートが不規則的かつ不均一に設計され、この結果、リングシートの強度に悪影響を与える一方、ろ過の効果や効率に一定の影響を与える。また、位置決め軸の制限孔内の自由な直線運動を可能とするために、位置決め軸と制限孔との間に必ず摩耗が生じる。
【0004】
そのため、多くの面で、改善する余裕がある。
【発明の概要】
【0005】
従来技術の欠陥及び欠点に対して、本発明の第1の目的は、可動シートを全方位に同一円周軌跡で往復運動させ、それに隣接する閉リングシートを変位させることができ、これにより、相対的な変位の程度を効果的かつ安定的に大きくすることができ、ろ過隙間の通過性を確保し、ろ過面積を増大し、ろ過効率が高く、ろ過効果が高く、駆動力の分布が均一で、運転安定性が高く、耐用年数が長いという利点がある往復運動可能な積層式固液分離機を提供することである。
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の技術的解決手段を採用する。支持フレームと、前記支持フレームと組み立てられたろ過キャビティと、前記支持フレームに取り付けられ、前記ろ過キャビティ内を貫通するスパイラルシャフトと、前記支持フレームに取り付けられた駆動装置とを含み、前記ろ過キャビティの両端には、供給口と排出路が設けられる往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機であって、前記ろ過キャビティは、
第1の閉可動リングシート群と、第1の閉可動リングシート群の運動状態と一致しない第2の閉リングシート群と、を含み、2組の閉リングシート群は交互に積層されてろ過キャビティを形成し、2組の閉リングシート群のうち、少なくとも一方の群の閉リングシート群の隣接する2つの閉リングシートの間にガスケットが設けられ、ガスケットの厚さが他方の組の閉リングシートの厚さよりも厚く、これにより、隣接する閉リングシートの間にろ過隙間が形成され、
前記第1の閉可動リングシート群は、閉リングシートの間に貫通された第1の連結機構によって一体的に連結され、前記駆動装置は、第1の伝動装置を介して、前記第1の閉可動リングシート群の閉可動リングシートを全方位に同一円周軌跡で往復運動させることにより、前記第1の閉可動リングシート群と前記支持フレーム及び隣接する前記第2の閉リングシート群との間に相対的な変位を生じさせ、ろ過隙間の通過性をより良好にし、ろ過面積を増大させる。
【0007】
前記第1の連結機構は、支持フレーム逃し孔及び前記第1の閉可動リングシート群の第1の閉可動リングシート挿通孔に貫通し、前記第1の閉可動リングシート群を一体的に連結して同期運動を実現するための少なくとも2本の第1の連動軸を含み、
前記第1の伝動装置は、前記駆動装置と組み立てられ、前記駆動装置と同期して運動可能な少なくとも2本の第1の伝動軸と、前記第1の伝動軸に套設されるとともに、前記第1の閉可動リングシート群の間にバランスよく設けられた第1の連動リングシートと、前記第1の連動リングシートと前記第1の伝動軸との間に設けられ、前記第1の可動リングシート群のすべての可動リングシートを全方位に同一円周軌跡で往復運動させるための第1の偏心機構とを含み、
前記第1の連動リングシートには第1の連動リングシート挿通孔が設けられ、前記第1の連動軸は前記第1の閉可動リングシート挿通孔及び前記第1の連動リングシート挿通孔を貫通している。
【0008】
第1の偏心機構は、前記第1の伝動軸に固定して取り付けられ、第1の連動リングシート取付孔内に位置し、第1の軸受けを介して前記第1の連動リングシート取付孔の内壁に当接し、前記第1の伝動軸が回転するときに前記第1の連動リングシートを同一円周軌跡で往復運動させる第1の偏心輪と、前記第1の連動リングシートの第1の取付タブに固着され、前記第1の連動リングシート取付孔の両側に位置し、前記第1の偏心輪を前記第1の連動リングシート取付孔に限定するための第1の制限シートとを含む。
【0009】
前記第2の閉リングシート群は、運動状態で静止している閉固定リングシート群であり、前記閉固定リングシート群の全ての固定リングシートには、2つ以上の固定孔と、前記固定孔間に貫通され、前記固定リングシートを前記支持フレームに固定して組み立てるための固定軸とが設けられている。
【0010】
前記第2の閉リングシート群は、第2の閉可動リングシート群であり、前記第2の閉可動リングシート群は、閉リングシートの間に貫通された第2の連結機構によって一体的に連結され、前記駆動装置は、第2の伝動装置を介して、前記第2の閉可動リングシート群の閉可動リングシートを全方位に同一円周軌跡で往復運動させることにより、前記第2の閉可動リングシート群と前記支持フレーム及び隣接する前記第1の閉可動リングシート群との間に相対的な変位を生じさせ、ろ過間隙の通過性をより良好にし、ろ過の面積を増大させ、
前記第2の連結機構は、支持フレーム逃し孔及び前記第2の閉可動リングシート群の第2の閉可動リングシート挿通孔に貫通し、前記第2の閉可動リングシート群を一体的に連結し、同期運動を実現するための少なくとも2本の第2の連動軸を含み、
前記第2の伝動装置は、前記駆動装置と組み立てられ、前記駆動装置と同期して運動可能な少なくとも2本の第2の伝動軸と、前記第2の伝動軸に套設されるとともに、前記第2の閉可動リングシート群の間にバランスよく設けられた第2の連動リングシートと、前記第2の連動リングシートと前記第2の伝動軸の間に設けられ、前記第2の可動リングシート群のすべての可動リングシートを全方位に同一円周軌跡で往復運動させるための第2の偏心機構とを含み、
前記第2の伝動軸は、前記第1の伝動軸を共用することができ、前記第2の連動リングシートには第2の連動リングシート挿通孔が設けられ、前記第2の連動軸は、前記第2の閉可動リングシート挿通孔及び第2の連動リングシート挿通孔を貫通し、
前記第2の偏心機構は、
前記第2の伝動軸に固定して取り付けられ、前記第2の連動リングシートの第2の連動リングシート取付孔内に位置し、第2の軸受けを介して前記第2の連動リングシート取付孔の内壁に当接し、前記第2の伝動軸が回転するときに前記第2の連動リングシートを同一の円周軌跡で往復運動させる第2の偏心輪と、前記第2の連動リングシートの第2の取付タブに固着され、前記第2の連動リングシート取付孔の両側に位置し、前記第2の偏心輪を前記第2の連動リングシート取付孔に限定するための第2の制限シートとを含み、
前記第1の偏心輪と前記第2の偏心輪の偏心方向は角度をなす。
【0011】
第1の偏心輪と第2の偏心輪の偏心方向がなす角度は0度であり、両者の偏心距離が一致しない。
【0012】
前記駆動装置は、
前記支持フレームに設けられ、前記排出路の一方の側に位置するギアボックスと、
前記ギアボックス内に設けられ、前記スパイラルシャフトを回転駆動するための第2の歯車群と、
前記ギアボックス内に設けられ、前記伝動装置を回転駆動するための第3の歯車群と、
前記ギアボックスの前記ろ過キャビティから離れた側に設けられ、前記ギアボックス内に延在して前記第2の歯車群と組み立てられ、前記第2の歯車群を運動駆動するための第2の動力源と、
前記支持フレームの前記ろ過キャビティから離れた側に設けられ、前記ギアボックス内に延在して前記第3の歯車群と組み立てられ、前記第3の歯車群を運動駆動するための第3の動力源とを含む。
【0013】
前記駆動装置は、排出路側と供給口側の両方に設けられ、回転数と回転方向が同じな動力を伝動軸に出力して、設備大型化時の駆動負荷を軽減する。
【0014】
前記スパイラルシャフトは、平行に2本設けられ、前記スパイラルシャフトの回転方向が逆であり、共同に材料を押し進みながら、前記スパイラルシャフトに付着した材料を相互に掻き取り、材料の押し進みを円滑にするためのものである。
【0015】
上記の技術的解決手段を採用すると、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0016】
1、設置された伝動装置を通じて閉可動リングシート群を全方位に同一円周軌跡で往復運動させることにより、可動リングシートがその隣接する閉固定リングシートに対して全方位に、同期、等距離、均一な変位を行い、それによって、ろ過面積を効果的に増大して、ろ過効果を高め、ろ過隙間のスムーズ性を確保する。
【0017】
2、閉可動リングシート群の連動リングシートの二箇所ないし複数箇所に伝動装置を設置することができ、これにより、連動リングシートが運動時に力を均等に受けることができ、このように、連動リングシートと可動リングシートの相互の押圧による変形や破損を回避するだけでなく、可動リングシートの内壁から外輪までの距離を小さく設計し、ろ過経路を短くし、ろ過効果を効果的に高めることができ、また、超大型の固液分離設備の製造にも有利である。
【0018】
3、伝動軸は駆動装置と支持フレームに固定して組み立てられるので、摩耗と変形のリスクを回避し、運転安定性を向上させ、機械の寿命を延長する。
【0019】
4、ろ過キャビティは偏心輪の方向や偏心距離が異なる2組の閉可動リングシートで構成されると、ろ液の案内や材料の剪断に関与する可動リングシートの数は多く、ろ過隙間は通過性がより良好になり、ろ液を排出する手段はより多様化し、ろ過の効果及びろ過の効率を高めるのに有利である。
【0020】
5、ギアボックスの一方の側に設けられた第2の動力源により第2の歯車群を駆動してスパイラルシャフトを回転させることにより、材料が供給口から排出路側へ移動するように駆動され、また、ギアボックスにおいて第2の動力源と同じ側の第3の動力源が設けられることによって、第3の歯車群を駆動して伝動装置を運動させ、それにより、ろ過のためにろ過キャビティにろ過隙間を発生させ、このように、回転軸の回転数と運動キャビティによる隙間の発生速度が互いに干渉しないようにし、固液分離の効率をさらに確保し、且つ、ギアボックスが排出路側に設けられることにより、運転駆動の安定性を確保する。
【0021】
6、ろ過キャビティの両端、すなわち排出路側と供給口側に設けることで、伝動軸の回転数や回転方向を同じものとする動力を出力することができ、これは、超大型の固液分離設備の製造に有利である。
【0022】
また、従来技術の欠陥及び欠点に対して、本発明の第2の目的は、ろ過効率が高く、ろ過効果が良く、ろ過効果が安定で、予備濃縮効果が良く、運転安定性が良く、寿命が長いという利点を有する予備濃縮機能付き混合タンクを提供することである。
【0023】
上記目的を達成するために、本発明が採用する技術的解決手段は以下のとおりである。混合タンクと、予備濃縮機能付き撹拌装置とを含み、前記混合タンク内には、前記予備濃縮機能付き撹拌装置が設けられている予備濃縮機能付き混合タンクであって、
前記予備濃縮機能付き撹拌装置は、駆動装置と、上記したろ過キャビティと、撹拌羽根と、ろ液案内キャビティとを含み、
前記駆動装置は、駆動モータと、中心軸と、中心軸と組み立てられた歯車群とを含み、前記ろ液案内キャビティは、前記ろ過キャビティの底部に位置し、前記ろ液案内キャビティと前記ろ過キャビティの内部が互いに貫通しており、前記中心軸は、前記ろ過キャビティ及び前記ろ液案内キャビティの内部を貫通している。
【0024】
上記の技術的解決手段を採用すると、本発明の有益な効果は、以下のとおりである。設置されたろ過キャビティにおける閉可動リングシートが全方位に同一円周軌跡で往復運動を行いながら、可動リングシートを隣接するリングシートに対して全方位に、同期、等距離、均一な変位を生じさせることにより、ろ過面積を効果的に増加させ、ろ過効果を高め、ろ過隙間の円滑性を確保し、ろ過効率が高く、ろ過効果が高く、ろ過効果が安定し、予備濃縮効果が高く、運転安定性が良く、寿命が長いという利点を有する。
【0025】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に使用する必要のある図面を簡単に説明するが、明らかに、以下に説明する図面は、本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な努力を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施例1の第1種の全体構造模式図である。
図2図1の細部Aに対応する拡大図である。
図3図1の支持フレーム、第1の動力源、第1の歯車群、第1の伝動軸、及びスパイラルシャフトに対応する構造模式図である。
図4図1の第1の伝動装置に対応する解体図である。
図5図1の第1の閉可動リングシート、第1の閉固定リングシート及び第1の連動リングシートに対応する構造模式図である。
図6】実施例1の第2種の全体構造模式図である。
図7図6の細部Bに対応する拡大図である。
図8図6の第1の伝動装置に対応する解体図である。
図9図6の第2の伝動装置に対応する解体図である。
図10図6の第1の閉可動リングシート、第2の閉可動リングシート、第1の連動リングシート、及び第2の連動リングシートに対応する構造模式図である。
図11】実施例1の第3種の全体構造模式図である。
図12図11の細部Cに対応する拡大図である。
図13図11の第1の閉可動リングシート群、第2の閉可動リングシート群及び第1の閉固定リングシート群に対応する全体構造模式図である。
図14】実施例1のギアボックス、第2の歯車群、第3の歯車群、第2の動力源及び第3の動力源の構造模式図である。
図15】実施例2の全体構造模式図である。
図16】実施例2の第1の閉可動リングシート群、第1の閉固定リングシート群及び第1の連動リングシートの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【0028】
この具体的な実施例は、本発明を解釈するものにすぎず、本発明を限定するものではなく、当業者は、本明細書を閲覧した後、必要に応じて本実施例に対して進歩性のない補正をすることができるが、本発明の請求項の範囲内であれば特許法の保護を受ける。
【0029】
実施例1
本実施例は、往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機に関し、図1図5に示すように、支持フレーム9と、支持フレーム9と組み立てられたろ過キャビティ1と、支持フレーム9に取り付けられ、ろ過キャビティ1内を貫通するスパイラルシャフト2と、支持フレーム9に取り付けられた駆動装置3とを含む。また、ろ過キャビティ1の両端には、供給口101と排出路102とが設けられている。好ましくは、スパイラルシャフト2は平行に2本設けられ、スパイラルシャフト2の回転方向が逆であり、スパイラルシャフト2は共同に材料を押し進みながら、スパイラルシャフト2に付着した材料を相互に掻き取り、材料の押し進みを円滑にするためのものである。
【0030】
図1図5に示すように、ろ過キャビティ2は、第1の閉可動リングシート群4と、第1の閉可動リングシート群4の運動状態と一致しない第2の閉リングシート群とを含む。2組の閉リングシート群は交互に積層されてろ過キャビティを形成する。2組の閉リングシート群のうち、少なくとも一方の群の閉リングシート群の隣接する2つの閉リングシートの間にガスケット6が設けられ、このガスケット6の厚さが他方の群の閉リングシートの厚さよりも厚く、これにより、隣接する閉リングシートの間にろ過用隙間が形成される。
【0031】
具体的には、図1図5に示すように、第1の閉可動リングシート群4は、閉リングシートの間に貫通された第1の連結機構7によって一体的に連結される。駆動装置3は、第1の伝動装置8を介して、第1の閉可動リングシート群4の閉可動リングシートを全方位に同一円周軌跡で往復運動させることにより、第1の閉可動リングシート群4と支持フレーム9及び隣接する第2の閉リングシート群との間に相対的な変位を生じさせ、ろ過隙間の通過性をより良好にし、ろ過面積を増大させる。
【0032】
さらに、図1図5に示すように、第1の連結機構7は、支持フレーム逃し孔10及び第1の閉可動リングシート群4の第1の閉可動リングシート挿通孔40に貫通し、第1の閉可動リングシート群4を一体的に連結して同期運動を実現するための少なくとも2本の第1の連動軸11を含む。本実施例では、第1の連動軸11は2本設けられており、他の実施例では、3本、4本、5本等設けられている。
【0033】
図1図5に示すように、第1の伝動装置8は、少なくとも2本の第1の伝動軸12と、第1の連動リングシート13と、第1の偏心機構14とを含む。第1の伝動軸12は、支持フレーム挿通孔51を貫通して駆動装置3と組み立てられ、駆動装置3と同期して移動可能である。第1の連動リングシート13は第1の伝動軸12に套設され、第1の連動リングシート13は第1の伝動軸12に固定して組み立てられるとともに、第1の閉可動リングシート群4の間にバランスよく設けられる。第1の偏心機構14は、第1の連動リングシート13と第1の伝動軸12との間に設けられており、第1の可動リングシート群4の全ての可動リングシートを同一の円周軌跡で往復運動させるためのものである。
【0034】
好ましくは、第1の連動リングシート13に第1の連動リングシート挿通孔41が設けられ、第1の連動軸11は第1の閉可動リングシート挿通孔40及び第1の連動リングシート挿通孔41を貫通している。
【0035】
具体的には、図1図5に示すように、第1の偏心機構14は、第1の偏心輪15と、第1の制限シート16とを含む。第1の偏心輪15は、第1の伝動軸12に固定して取り付けられ、第1の連動リングシート取付孔41内に位置し、第1の偏心輪15は、第1の軸受け47を介して第1の連動リングシート取付孔42の内壁に当接し、第1の伝動軸12が回転するときに第1の連動リングシート13を同一円周軌跡で往復運動させる。第1の制限シート16は、第1の連動リングシート13の第1の取付タブ49に固着され、第1の連動リングシート取付孔42の両側に位置しており、第1の偏心輪15を第1の連動リングシート取付孔42に限定するためのものである。
【0036】
本実施例では、第2の閉リングシート群は、運動状態で静止している閉固定リングシート群17である。閉固定リングシート群17の固定リングシートにはいずれも2以上の固定孔18が設けられ、固定軸46は固定孔18の間に貫通しており、閉固定リングシート群17を支持フレーム9に固定して組み立てるためのものである。
【0037】
他の実施例では、図5~13に示すように、第2の閉リングシート群は第2の閉可動リングシート群5である。第2の閉可動リングシート群5は、閉リングシート間に貫通された第2の連結機構19によって一体的に連結される。駆動装置3は、第2の伝動装置20を介して、第2の閉可動リングシート群5の閉可動リングシートを全方位に同一円周軌跡で往復運動させることにより、第2の閉可動リングシート群5と支持フレーム9及び隣接する第1の閉可動リングシート群4との間に相対的な変位を生じさせ、ろ過隙間の通過性をより良好にし、ろ過面積を増大させる。
【0038】
ここで、図5図13に示すように、第2の連結機構19は、支持フレーム逃し孔10、及び第2の閉可動リングシート群5の第2の閉可動リングシート挿通孔43に貫通し、第2の閉可動リングシート群5を一体的に連結して同期運動を実現するための少なくとも2本の第2の連動軸22を含む。
【0039】
具体的には、図5図13に示すように、第2の伝動装置20は、少なくとも2本の第2の伝動軸23と、第2の連動リングシート24と、第2の偏心機構25とを含む。
【0040】
第2の伝動軸23は、支持フレーム挿通孔51を貫通して駆動装置3と組み立てられ、駆動装置3と同期して移動可能である。第2の連動リングシート24は第2の伝動軸23に套設され、第2の連動リングシート24は第2の連動軸22に固定して組み立てられるとともに、第2の閉可動リングシート群5の間にバランスよく設けられる。第2の偏心機構25は、第2の連動リングシート24と第2の伝動軸23との間に設けられており、第2の閉可動リングシート群5の全ての可動リングシートを同一円周軌跡で往復運動させるためのものである。
【0041】
好ましくは、第2の伝動軸23は第1の伝動軸12を共用することができ、第2の連動リングシート24には第2の連動リングシート挿通孔44が設けられ、第2の連動軸22は第2の閉可動リングシート挿通孔43及び第2の連動リングシート挿通孔44を貫通している。
【0042】
図5図13に示すように、第2の偏心機構25は、第2の偏心輪26と、第2の制限シート27とを含む。第2の偏心輪26は、第2の伝動軸23に固定して取り付けられ、第2の連動リングシート取付孔45内に位置し、第2の偏心輪26は、第2の軸受け48を介して第2の連動リングシート取付孔45の内壁に当接する。第2の偏心輪26は、第2の伝動軸23が回転するときに、第2の連動リングシート24を同一円周軌跡で往復運動させる。第2の制限シート27は、第2の連動リングシート24の第2の取付タブ50に固着され、第2の連動リングシート取付孔45の両側に位置しており、第2の偏心輪26を第2の連動リングシート取付孔45に限定するためのものである。
【0043】
なお、本実施例においても、第1の偏心機構14を含み、第1の偏心輪15と第2の偏心輪26の偏心方向が角度をなす。あるいは、第1の偏心輪15と第2の偏心輪26の偏心方向の角度は0度であるが、両者の偏心距離は一致しない。
【0044】
図1図3に示すように、駆動装置3は、第1の動力源28と、第1の歯車群29と、ギアボックス30とを含む。ギアボックス30は、支持フレーム9に設けられ、排出路102側に位置する。第1の歯車群29はギアボックス30内に設けられ、第1の歯車群29は、第1の動力源28の駆動により、ギア同士の噛み合いを通じて伝動を行い、第1の伝動軸12及び第1の連動軸11を運動駆動し、これにより第1の偏心機構14を運動駆動する。好ましくは、第1の歯車群29には互いに噛み合う6つの歯車が設けられ、これにより、ろ過キャビティ内のスパイラルシャフト2の回転数が同じであり、回転方向が反対するとともに、第1の閉可動リングシート群4を運動駆動する第1の伝動軸12の回転数と回転方向が一致する。
【0045】
他の実施例では、図14に示すように、駆動装置3は、ギアボックス30と、第2の歯車群32と、第3の歯車群33と、第2の動力源34と、第3の動力源35とを含む。
【0046】
ギアボックス30は、支持フレーム9に設けられ、排出路102側に位置する。第2の歯車群32は、ギアボックス30内に設けられており、スパイラルシャフト2を駆動して回転数が同じであり回転方向が反対するように運動させるためのものである。第3の歯車群33は、ギアボックス30内に設けられており、第1の伝動装置8を回転駆動して、回転数と回転方向が一致する運動を第1の閉可動リングシート群4に発生させるためのものである。第2の動力源34は、ギアボックス30のろ過キャビティ1から遠い側に設けられ、ギアボックス30内に延在して第2の歯車群32と組み立てられており、第2の歯車群32を運動駆動するためのものである。第3の動力源35は、支持フレーム9のろ過キャビティから遠い側に設けられ、ギアボックス30内に延在して第3の歯車群33と組み立てられており、第3の歯車群33を運動駆動するためのものである。
【0047】
あるいは、駆動装置3は、排出路102側と供給口101側の両方に設けられ、回転数と回転方向が同じな動力を伝動軸に出力し、設備大型化時の駆動負荷を軽減する。
【0048】
なお、固液分離機の作動の流れは以下のとおりである。凝集済み材料が往復運動可能な積層スパイラル式固液分離機の供給口からろ過キャビティに入り、ろ過キャビティ内の回転方向が反対の2本のスパイラルシャフトによって前へ継続して押し進められ、絡まりやケーキングの起こりやすい材料でも、2本のスパイラルシャフトが相互に掻き取られることによりスムーズに前進する。材料の搬送過程において、ろ過キャビティは、閉可動リングシートの往復運動により、隣接する閉リングシートに対して変位し、ろ過隙間の目詰まりを回避し、ろ液はろ過隙間を通ってろ過キャビティの内部から外部に排出され、従来技術によるろ液回収タンクに回収され得る。脱水された材料は、最終的に排出路から排出される。
【0049】
実施例2
実施例1に基づき、本実施例は、混合タンクと、予備濃縮機能付き撹拌装置とを含み、、混合タンク内には予備濃縮機能付き撹拌装置が設けられる予備濃縮機能付き混合タンクを提供し、予備濃縮機能付き撹拌装置は、駆動装置3と、上記したろ過キャビティ1と、撹拌羽根と、ろ液案内キャビティ36とを含み、駆動装置は、駆動モータ37と、中心軸38と、中心軸38と組み立てられる歯車群39と、を含み、ろ液案内キャビティ36は、ろ過キャビティ1の底部に位置し、ろ液案内キャビティ36とろ過キャビティ1の内部が互いに貫通しており、中心軸38は、ろ過キャビティ1及びろ液案内用キャビティ36の内部を貫通している。
【0050】
なお、予備濃縮機能付き混合タンクの作動の流れは以下のとおりである。予備濃縮装置付き混合タンク内で、凝集済み材料が混合タンクの上部のろ過キャビティに投入され、ろ過キャビティは、閉可動リングシートの往復運動により、隣接する閉リングシートに対して変位し、ろ過隙間の目詰まりを回避し、ろ液がろ過隙間を通ってろ過キャビティの外側から内側に排出され、ろ過キャビティに貫通するろ液案内キャビティを通って排出することができる。一方、混合タンク内に残された材料の濃度が高くなり、これにより、予備濃縮効果が得られる。
【0051】
以上は、本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、限定するものではない。当業者が本発明の技術的解決手段に対して行ったその他の修正又は同等置換は、本発明の技術的解決手段の主旨及び範囲から逸脱しない限り、本発明の請求項の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0052】
1、ろ過キャビティ
101、供給口
102、排出路
2、スパイラルシャフト
3、駆動装置
4、第1の閉可動リングシート群
5、第2の閉可動リングシート群
6、ガスケット
7、第1の連結機構
8、第1の伝動装置
9、支持フレーム
10、支持フレーム逃し孔
11、第1の連動軸
12、第1の伝動軸
13、第1の連動リングシート
14、第1の偏心機構
15、第1の偏心輪
16、第1の制限シート
17、閉固定リングシート群
18、固定孔
19、第2の連結機構
20、第2の伝動装置
22、第2の連動軸
23、第2の伝動軸
24、第2の連動リングシート
25、第2の偏心機構
26、第2の偏心輪
27、第2の制限シート
28、第1の動力源
29、第1の歯車組
30、ギアボックス
32、第2の歯車群
33、第3の歯車組
34、第2の動力源
35、第3の動力源
36、ろ液案内キャビティ
37、駆動モータ
38、中心軸
39、歯車群
40、第1の閉可動リングシート挿通孔
41、第1の連動リングシート挿通孔
42、第1の連動リングシート取付孔
43、第2の閉可動リングシート挿通孔
44、第2の連動リングシート挿通孔
45、第2の連動リングシート取付孔
46、固定軸
47、第1の軸受け
48、第2の軸受け
49、第1の取付タブ
50、第2の取付タブ
51、支持フレーム挿通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】