(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-08
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20221201BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20221201BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502380
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(85)【翻訳文提出日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 KR2021012102
(87)【国際公開番号】W WO2022050813
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0113743
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0064734
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、チェミン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA06
4B162AA07
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC34
4B162AD06
4B162AD08
4B162AD12
4B162AD15
4B162AD20
4B162AD22
4B162AD23
(57)【要約】
本発明の一実施例は、エアロゾル生成装置において、エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成させる加熱部と、制御部と、を含み、制御部は、加熱部の温度が既設定の基準温度まで上昇するようにフィードバック制御を使用せず、加熱部に供給される電流を制御し、加熱部が基準温度まで加熱されれば、加熱部の温度と目標温度との差値に基づいて、加熱部が基準温度から目標温度までさらに加熱されるようにフィードバック制御を使用して電流を制御する、エアロゾル生成装置を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
エアロゾル生成基質を加熱する加熱部と、
制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記加熱部が既設定の基準温度まで加熱されるようにフィードバック制御を使用せずに前記加熱部に供給される電流を制御し、
前記加熱部が前記基準温度まで加熱されれば、前記加熱部の温度と目標温度との差値に基づいて、前記加熱部が前記基準温度から目標温度までさらに加熱されるようにフィードバック制御を使用して前記電流を制御する、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記加熱部が前記基準温度まで加熱されるまで、前記加熱部に供給される電流を既設定の基準電流以下に制限する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記基準電流の値は、4アンペアである、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記加熱部に供給される電流を、前記加熱部の温度を一定速度以上に上昇させるための最小電流以上に制御する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記最小電流の値は、1アンペアである、請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
既設定の範囲内で前記基準電流を設定する、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記既設定の範囲は、1アンペア~4アンペアである、請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記基準温度は、
前記目標温度より30℃~200℃低い、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記基準温度は、
前記基準電流に基づいて決定される、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記基準温度は、
前記基準電流が大きくなるほどさらに低くなる、請求項9に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記加熱部が前記基準温度まで加熱されれば、比例積分微分(PID)制御方式で前記電流を制御する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記加熱部の加熱開始時点から前記加熱部の温度が前記目標温度に到逹するまで、前記加熱部の温度が単調に上昇するように前記電流を制御する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項13】
エアロゾル生成装置の加熱部に供給される電力を制御する方法であって、
電源オンになれば、フィードバック制御を使用せず、前記加熱部に供給される電流を制御する段階と、
前記加熱部が既設定の基準温度まで加熱されれば、前記加熱部の温度と目標温度との差値に基づいて、前記加熱部が前記基準温度から前記目標温度までさらに加熱されるようにフィードバック制御を使用して前記電流を制御する段階と、を含む、エアロゾル生成装置の加熱部に供給される電力を制御する方法。
【請求項14】
前記加熱部が前記基準温度まで加熱されるまで、前記加熱部に供給される前記電流を既設定の基準電流以下に制限する、請求項13に記載のエアロゾル生成装置の加熱部に供給される電力を制御する方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法を実行させるためのプログラムを保存しているコンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置に係り、さらに具体的に、バッテリ損傷を防止することができるエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、従来の燃焼型シガレットの代替品に係わる需要が増加している。例えば、燃焼なしにシガレットまたは液体保存部内に含まれたエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルを生成するエアロゾル生成装置に係わる需要が増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのようなエアロゾル生成装置に搭載されるヒータは、PID(Proportional-Integral-Derivative)制御方式によってヒータが加熱されうる。但し、そのような場合にバッテリに過負荷が発生しうる。したがって、バッテリの損傷を防止することができるエアロゾル生成装置が必要である。
【0004】
本発明の技術的課題は、上述したところに限定されず、以下の例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施例による装置は、エアロゾル生成装置であって、エアロゾル生成基質を加熱する加熱部と、制御部と、を含み、前記制御部は、前記加熱部が既設定の基準温度まで加熱されるようにフィードバック制御を使用せずに前記加熱部に供給される電流を制御し、前記加熱部が前記基準温度まで加熱されれば、前記加熱部の温度と目標温度との差値に基づいて、前記加熱部が前記基準温度から目標温度までさらに加熱されるように、フィードバック制御を使用して前記電流を制御する。
【0006】
前記装置において、前記制御部は、前記加熱部が前記基準温度まで加熱されるまで、前記加熱部に供給される電流を既設定の基準電流以下に制限することができる。
【0007】
前記装置において、前記基準電流の値は、4アンペア(ampere)でもある。
【0008】
前記装置において、前記制御部は、前記加熱部に供給される電流を、前記加熱部の温度を一定速度以上に上昇させるための最小電流以上に制御することができる。
【0009】
前記装置において、前記最小電流の値は、1アンペア(ampere)でもある。
【0010】
前記装置において、前記制御部は、既設定の範囲内で前記基準電流を設定することができる。
【0011】
前記装置において、前記既設定の範囲は、1アンペア~4アンペアでもある。
【0012】
前記装置において、前記基準温度は、前記目標温度よりも30℃~200℃低い。
【0013】
前記装置において、前記基準温度は、前記基準電流に基づいて決定されうる。
【0014】
前記装置において、前記基準温度は、前記基準電流が大きくなるほどさらに低くもなる。
【0015】
前記装置において、前記制御部は、前記加熱部が前記基準温度まで加熱されれば、比例積分微分(proportional-integrate-derivative)(PID)制御方式で前記電流を制御することができる。
【0016】
前記装置において、前記制御部は、前記加熱部の加熱開始時点から前記加熱部の温度が前記目標温度に到逹するまで、前記加熱部の温度が単調に(monotonically)上昇するように前記電流を制御することができる。
【0017】
前記技術的課題を解決するための本発明の他の一実施例による方法は、エアロゾル生成装置の加熱部に供給される電力を制御する方法であって、電源オンになれば、フィードバック制御を使用せず、前記加熱部に供給される電流を制御する段階;及び前記加熱部が既設定の基準温度まで加熱されれば、前記加熱部の温度と目標温度との差値に基づいて、前記加熱部が前記基準温度から前記目標温度までさらに加熱されるように、フィードバック制御を使用して前記電流を制御する段階;を含む。
【0018】
前記方法において、フィードバック制御を使用せずに制御する段階は、前記加熱部が前記基準温度まで加熱されるまで前記加熱部に供給される前記電流を既設定の基準電流以下に制限するように制御することができる。
【0019】
本発明の一実施例は、前記方法を具現するためのプログラムを保存しているコンピュータ可読記録媒体を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるエアロゾル生成装置は、電流のリップル成分によってエアロゾル生成装置のバッテリ損傷を防止することができる。
【0021】
また、本発明によるエアロゾル生成装置は、ヒータの温度が目標温度を急激に超えて媒質が炭化され、ユーザに不快感を誘発するオーバーシュート現象を防止し、ユーザに満足しうる喫煙経験を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図3】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図6】一実施例によるエアロゾル生成装置の内部ブロック図である。
【
図7】一実施例による電流制限方法を説明するための図面である。
【
図8】一実施例による予熱方法を説明するための図面である。
【
図9】一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【
図10】他の一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0024】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載の「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいは、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0025】
ここで、使用されたように、要素のリストに先行される「~のうち、少なくとも1つ」のような表現は、要素の全体リストを修飾するものであり、そのリストの個別要素を修飾するものではない。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくとも1つ」のような表現は、a単独、b単独、c単独、a及びb、a及びc、b及びc、または、a、b、及びcを含むと理解されねばならない。
【0026】
ある要素や層が「上に」、「上方に」、「連結された」または「結合された」と言及されるとき、その要素や層は、他の要素や層に直接(または直ぐ)上に、上方に、連結または結合されており、または介入する要素または層が存在するようにも理解される。逆に、ある要素が他の要素または層に「直接上に」、「直接上方に」、「直接連結されて」または「直接結合されて」いると記載された場合、他の要素や層の介入がないということを意味する。同じ図面番号は、明細書全般にわたって同じ構成要素を示す。
【0027】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態によって具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0029】
図1ないし
図3は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【0030】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12及びヒータ13を含む。
図2及び
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、蒸気化器14をさらに含む。また、エアロゾル生成装置1の内部空間には、シガレット2が挿入されうる。
【0031】
図1ないし
図3に図示されたエアロゾル生成装置1には、本実施例と係わる構成要素が図示されている。したがって、
図1ないし
図3に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置1にさらに含まれるということを、本実施例と係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0032】
また、
図2及び
図3には、エアロゾル生成装置1にヒータ13が含まれていると図示されているが、必要によって、ヒータ13は省略されうる。
【0033】
図1には、バッテリ11、制御部12、及びヒータ13が一列に配置されていると図示されている。また、
図2には、バッテリ11、制御部12、蒸気化器14及びヒータ13が一列に配置されていると図示されている。また、
図3には、蒸気化器14及びヒータ13が並列に配置されていると図示されている。しかし、エアロゾル生成装置1の内部構造は、
図1ないし
図3に図示されたところに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置1の設計によって、バッテリ11、制御部12、ヒータ13、及び蒸気化器14の配置は変更されうる。
【0034】
シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13及び/または蒸気化器14を作動させ、エアロゾルを発生させうる。ヒータ13及び/または蒸気化器14によって発生したエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達される。
【0035】
必要によって、シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13を加熱することができる。
【0036】
バッテリ11は、エアロゾル生成装置1の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11は、ヒータ13または蒸気化器14が加熱されるように電力を供給し、制御部12の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11は、エアロゾル生成装置1に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0037】
制御部12は、エアロゾル生成装置1の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12は、バッテリ11、ヒータ13及び蒸気化器14だけではなく、エアロゾル生成装置1に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル生成装置1の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置1が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0038】
制御部12は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0039】
ヒータ13は、バッテリ11から供給された電力によって加熱されうる。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置1に挿入されれば、ヒータ13は、シガレットの外部に位置することができる。したがって、加熱されたヒータ13は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0040】
ヒータ13は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ13には、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータ13が加熱されうる。しかし、ヒータ13は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱可能なものであれば、制限なしに該当されうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置1に既に設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0041】
一方、他の例として、ヒータ13は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ13には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタを含んでもよい。
【0042】
例えば、ヒータ13は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってシガレット2の内部または外部を加熱することができる。
【0043】
また、エアロゾル生成装置1には、ヒータ13が複数個配置されうる。この際、複数個のヒータ13は、シガレット2の内部に挿入されるように配置され、シガレット2の外部に配置されうる。また、複数個のヒータ13のうち、一部は、シガレット2の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット2の外部に配置されうる。また、ヒータ13の形状は、
図1ないし
図3に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0044】
蒸気化器14は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達されうる。すなわち、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置1の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達するように構成されうる。
【0045】
例えば、蒸気化器14は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含んでもよいが、それに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置1に含まれてもよい。
【0046】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器14から/に脱/付着されるように作製され、蒸気化器14と一体として作製されうる。
【0047】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、または、ビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0048】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素として伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス・ファイバー、多孔性セラミックのような芯(wick)でもあるが、それらに限定されない。
【0049】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどでもあるが、それらに限定されない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達して液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0050】
例えば、蒸気化器14は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、その限りではない。
【0051】
一方、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、ヒータ13及び蒸気化器14以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置1は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、少なくとも1つのセンサ(例えば、パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット挿入感知センサなど)を含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、シガレット2が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が流出される構造によっても作製される。
【0052】
図1ないし
図3には、図示されていないが、エアロゾル生成装置1は、別途のクレードルと共に、システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1のバッテリ11の充電に用いられうる。または、クレードルとエアロゾル生成装置1が結合された状態でヒータ13が加熱されうる。
【0053】
シガレット2は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、シガレット2は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分されうる。または、シガレット2の第2部分にもエアロゾル生成物質が含まれうる。例えば、顆粒状またはカプセル状に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されうる。
【0054】
エアロゾル生成装置1の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置1の内部に第1部分の一部だけ挿入され、また第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されうる。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込むことができる。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0055】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置1に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置1に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、シガレット2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてシガレット2の内部に流入されうる。
【0056】
以下、
図4及び
図5を参照して、シガレット2の例を説明する。
【0057】
【0058】
図4を参照すれば、シガレット2は、タバコロッド21及びフィルタロッド22を含む。
図1ないし
図3を参照して上述した第1部分21は、タバコロッド21を含み、第2部分22は、フィルタロッド22を含む。
【0059】
図4には、フィルタロッド22が単一セグメントであると図示されているが、それに限定されない。すなわち、フィルタロッド22は、複数のセグメントによっても構成されうる。例えば、フィルタロッド22は、エアロゾルを冷却させるセグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングするセグメントを含んでもよい。また、必要によって、フィルタロッド22には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0060】
シガレット2は、少なくとも1枚のラッパ24によって包装されうる。ラッパ24には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。一例として、シガレット2は、1枚のラッパ24によって包装されうる。他の例として、シガレット2は、2枚以上のラッパ24によって二重包装されうる。例えば、第1ラッパ241によってタバコロッド21が包装され、ラッパ242、243、244によってフィルタロッド22が包装されうる。そして、単一ラッパ245によってシガレット2全体が再包装されうる。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントによって構成されているならば、それぞれのセグメントがラッパ242、243、244によって個別的に包装されうる。
【0061】
タバコロッド21は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それらに限定されない。また、タバコロッド21は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド21には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド21に噴射されることで添加することができる。
【0062】
タバコロッド21は、多様にも作製されうる。例えば、タバコロッド21は、シート(sheet)によって作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド21は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド21は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウム箔のような金属箔でもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド21を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド21に伝達される熱を均一に分散させてタバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、これにより、タバコ味を向上させうる。また、タバコロッド21を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が行える。この際、図示されていないが、タバコロッド21は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0063】
フィルタロッド22は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド22の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド22は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド22は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0064】
また、フィルタロッド22には、少なくとも1つのカプセル23が含まれる。ここで、カプセル23は、香味を発生させる機能を遂行し、エアロゾルを発生させる機能を遂行してもよい。例えば、カプセル23は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル23は、球状または円筒状を有してもよいが、それに制限されない。
【0065】
図5を参照すれば、シガレット3は、前端プラグ33をさらに含んでもよい。前端プラグ33は、タバコロッド31において、フィルタロッド32に向かわない一側に位置することができる。前端プラグ33は、タバコロッド31がフィルタロッド32から離脱することを防止し、喫煙中にタバコロッド31から液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置(
図1ないし
図3の1)に流れて行くことを防止することができる。
【0066】
フィルタロッド32は、第1セグメント321及び第2セグメント322を含んでもよい。ここで、第1セグメント321は、
図4のフィルタロッド22の第1セグメントに対応し、第2セグメント322は、
図4のフィルタロッド22の第3セグメントに対応しうる。
【0067】
シガレット3の直径及び全長は、
図4のシガレット2の直径及び全長に対応しうる。例えば、前端プラグ33の長さは、約7mm、タバコロッド31の長さは、約15mm、第1セグメント321の長さは、約12mm、第2セグメント322の長さは、約14mmでもあるが、それに限定されない。
【0068】
シガレット3は、少なくとも1枚のラッパ35によって包装されうる。ラッパ35には、外部空気が流入されるか内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。例えば、第1ラッパ351によって前端プラグ33が包装され、第2ラッパ352によってタバコロッド31が包装され、第3ラッパ353によって第1セグメント321が包装され、第4ラッパ354によって第2セグメント322が包装されうる。そして、第5ラッパ355によってシガレット3全体が再包装されうる。
【0069】
また、第5ラッパ355には、少なくとも1つの穿孔36が形成されうる。例えば、穿孔36は、タバコロッド31を取り囲む領域に形成されうるが、それに制限されない。穿孔36は、
図2及び
図3に図示されたヒータ13によって形成された熱をタバコロッド31の内部に伝達する役割を遂行することができる。
【0070】
また、第2セグメント322には、少なくとも1つのカプセル34が含まれる。ここで、カプセル34は、香味を発生させる機能を遂行し、エアロゾルを発生させる機能を遂行してもよい。例えば、カプセル34は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル34は、球状または円筒状を有してもよいが、それに制限されない。
【0071】
図6は、一実施例によるエアロゾル生成装置の内部ブロック図である。
【0072】
図6を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、入力部110、出力部120、感知部130、インターフェース部140、加熱部150、バッテリ160、メモリ170及び制御部180を含んでもよい。
図6のエアロゾル生成装置100は、
図1ないし
図3のエアロゾル生成装置1に対応しうる。また、
図6のバッテリ160は、
図1ないし
図3のバッテリ11に対応し、
図6の制御部180は、
図1ないし
図3の制御部12に対応しうる。
【0073】
入力部110は、ユーザ入力を受信することができる。例えば、入力部110は、ボタン状にも設けられるが、これに制限されない。
【0074】
入力部110は、ユーザ入力を受信した場合、ユーザ入力に対応する制御信号を制御部180に伝送することができる。制御部180は、制御信号に基づいてエアロゾル生成装置100の内部構成を制御することができる。例えば、制御部180は、制御信号に基づいて加熱部150を加熱することができる。
【0075】
出力部120は、エアロゾル生成装置100と係わる視覚情報及び/または触覚情報を出力することができる。そのために出力部120は、ディスプレイ(図示せず)、振動モータ(図示せず)などを含んでもよい。
【0076】
感知部130は、加熱部150の温度を測定する温度感知部131及び加熱部150に供給される電流を測定する電流感知部132を含んでもよい。温度感知部131は、少なくともいずれか1つの温度センサを含み、温度センサは、加熱部150と隣接して配置されうる。電流感知部132は、少なくとも1つのシャント(shunt)抵抗を含んでもよいが、これに制限されない。
【0077】
実施例によって、感知部130は、ユーザのパフを感知するためのパフセンサをさらに含んでもよい。
【0078】
インターフェース部140は、エアロゾル生成装置100に連結される多様な種類の外部デバイスと通信するための通路の役割を遂行することができる。例えば、インターフェース部140は、外部デバイスと連結可能なポート(port)を備え、エアロゾル生成装置100は、ポートを通じて外部デバイスと連結されうる。エアロゾル生成装置100は、外部デバイスと連結された状態で、外部デバイスとデータとを交換することができる。
【0079】
インターフェース部140は、外部電源を供給される通路の役割を遂行してもよい。例えば、インターフェース部140は、外部電源と連結可能なポートを備え、エアロゾル生成装置100は、外部電源と連結された状態で、外部電源から外部電源を供給されうる。
【0080】
加熱部150は、電気抵抗性ヒータまたは誘導加熱式ヒータでもある。加熱部150が電気抵抗性ヒータである場合、加熱部150は、導電性トラックを含んでもよい。加熱部150は、導電性トラックに印加された電流によって加熱されうる。加熱部150が誘導加熱式ヒータである場合、加熱部150は、導電性コイル及びサセプタを含んでもよい。導電性コイルに電流が印加される場合、導電性コイルによって発生する変動磁場によってサセプタが加熱されうる。
【0081】
バッテリ160は、制御部180の制御によって加熱部150に電力を供給することができる。バッテリ160は、リチウムイオンバッテリであるが、それに制限されない。
【0082】
メモリ170は、エアロゾル生成装置100の動作のための情報を保存することができる。一実施例において、メモリ170は、温度プロファイル及び温度フィードバック制御区間が始まる基準温度に係わる情報を保存することができる。
【0083】
制御部180は、バッテリ160が加熱部150に供給する電流パルスの周波数及び/またはデューティーサイクル(duty cycle)を調整することで、加熱部150に供給される電力を制御することができる。例えば、制御部180は、パルス幅変調(pulse width modulation)を通じて電流パルスの周波数及びデューティーサイクルを増加させて加熱部150に供給される電力を増加させうる。
【0084】
制御部180は、加熱部150に対する目標温度を設定することができる。例えば、目標温度は、335℃でもある。また、制御部180は、加熱部150の温度及び目標温度の差値に基づいて加熱部150の温度を制御することができる。すなわち、制御部180は、加熱部150の温度情報に基づいてフィードバック制御を遂行することができる。
【0085】
具体的に、制御部180は、加熱部150の温度及び目標温度の差値、差値を経時的に積分した積分値及び差値を経時的に微分した微分値を介したフィードバック制御方式によって加熱部150に供給される電力を制御することができる。
【0086】
例えば、制御部180は、PID(Proportional-Integral-Derivative)制御方式で加熱部150の温度を制御することができる。PID制御の係数は、加熱部150の温度が最適に制御されるように実験的に予め設定されうる。制御部180は、設定されたPID制御の係数によって加熱部150の温度が目標温度に到逹するように加熱部150の温度を制御することができる。
【0087】
一方、加熱初期からPID制御方式で加熱部150を加熱する場合、電流のリップル(ripple)成分によってバッテリ160の過負荷が発生しうる。また、電流のリップル(ripple)成分は、PID(Proportional-Integral-Derivative)ノイズとして作用し、バッテリ160の深刻な損傷を引き起こしうる。
【0088】
本開示のエアロゾル生成装置100は、前述した問題点を解決するために、PID制御方式を通じて加熱部150の温度を目標温度まで上昇させる前に、電流制限方式で加熱部150を加熱することができる。
【0089】
具体的に、制御部180は、加熱初期に加熱部150に供給される電流を制限することができる。制御部180は、加熱部150に供給される電流を既設定の基準電流以下に制限することができる。基準電流は、1A(ampere)ないし4A範囲内で設定されうる。基準電流の下限を1Aに設定する理由は、加熱部150を加熱するために要求される最小電流が1Aであるためである。また、基準電流の上限を4Aに設定する理由は、バッテリ160の定格電流が6Aであり、加熱部150を除いた残り構成の要求電流の和が2Aであるためである。例えば、基準電流は、1.95Aに設定されうる。
【0090】
制御部180は、加熱部150の温度が既設定の基準温度に到逹するまで電流制限方式で加熱部150を加熱することができる。基準温度は、加熱部150のオーバーシュート(overshoot)制御如何に基づいて設定されうる。例えば、基準温度は、目標温度よりも30℃~200℃低く設定されうる。例えば、基準電流が1.95Aである場合、基準温度は、目標温度よりも35℃低く設定されうる。
【0091】
一方、基準電流が増加するほど加熱部150の温度が早く上昇することができる。したがって、オーバーシュートを考慮するとき、基準電流が増加するほど、基準温度は、さらに低くもなる。例えば、基準電流が1.95Aより大きく設定される場合、基準温度は、目標温度の35℃以上低く設定されうる。
【0092】
前述したように、本発明によるエアロゾル生成装置100は、制御部180が加熱部150の加熱初期区間で加熱部150に供給される電流を調節することにより、電流のリップル成分によって誘発されるバッテリ160の損傷が防止され、さらに具体的に、制御部180は、電流を基準電流以下に制限する。
【0093】
図7は、一実施例による電流制限方法を説明するための図面である。
【0094】
図7を参照すれば、電流感知部132は、加熱部150に供給される電流を感知することができる。電流感知部132は、電流情報を制御部180に伝送することができる。
【0095】
制御部180は、電流情報に基づいて加熱部150に供給される電流を制限することができる。
【0096】
図7に示されたように、本開示のエアロゾル生成装置100は、別途の電流制限回路なしにも、制御部180の制御によって加熱部150に供給される電流を制限することができる。
【0097】
図8は、一実施例による予熱方法を説明するための図面である。
【0098】
図8には、加熱部150の温度820及び加熱部150に供給される電流810が図示されている。
図8を参照すれば、制御部180は、予熱区間及び喫煙区間で加熱部150に供給される電力を制御することができる。
【0099】
予熱区間は、加熱部150の温度がエアロゾル生成物質からエアロゾルが生成される目標温度Ttまで加熱される区間を意味することができる。加熱部150が誘導加熱式ヒータである場合、加熱部150の温度820は、エアロゾル生成基質と直接接触するサセプタの温度を意味することができる。喫煙区間は、加熱部150の温度が目標温度Ttに保持される区間を意味することができる。
【0100】
目標温度Ttは、エアロゾル生成基質の種類によって互いに異なるように設定されうる。例えば、目標温度Ttは、335℃に設定されうる。
【0101】
制御部180は、予熱区間で加熱部150の温度が短時間内に目標温度Ttまで到逹するように加熱部150に供給される電力を制御することができる。
【0102】
制御部180は、電流制限区間(すなわち、予熱開始時間及び第1時間t1の間の区間)で加熱部150に供給される電流を既設定の基準電流irs以下に制限することができる。基準電流irsは、1A~4A範囲内で設定されうる。例えば、基準電流irsは、1.95Aに設定されうる。
【0103】
制御部180は、加熱部150に供給される電流を制限した状態で、温度感知部131から加熱部150の温度情報を受信することができる。制御部180は、加熱部150の温度が既設定の基準温度Trに到逹するまで電流制限方式で加熱部150を加熱することができる。基準温度Trは、加熱部150のオーバーシュート制御を考慮して、(目標温度Tt-200℃)~(目標温度Tt-30℃)範囲内で設定されうる。例えば、基準電流irsが1.95Aである場合、基準温度Trは、目標温度Ttより35℃低い300℃に設定されうる。
【0104】
第1時間t1に加熱部150の温度が基準温度Trに到逹した場合、電流制限区間は、終了し、加熱部150の温度が目標温度Ttまで加熱される温度フィードバック制御区間が始まる。温度フィードバック制御区間で、制御部180は、加熱部150の温度及び目標温度Ttの差値に基づいてフィードバック制御を遂行することができる。制御部180は、PID制御方式で加熱部150の温度を制御することができる。制御部180は、設定されたPID制御の係数によって加熱部150の温度が目標温度Ttに到逹するように加熱部150の温度を制御することができる。
【0105】
一方、電流制限区間を第1予熱区間、温度フィードバック区間を第2予熱区間と名付けることもできる。
【0106】
第2時間t2に既設定の予熱区間が終了した場合、制御部180は、喫煙区間に切り替え、加熱部150の温度を目標温度Ttに保持させうる。
【0107】
図9は、一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【0108】
図9を参照すれば、制御部180は、加熱部150に供給される電流を既設定の基準電流以下に制限することができる(S910)。基準電流は、1A~4A範囲内で設定されうる。例えば、基準電流は、1.95Aに設定されうる。
【0109】
制御部180は、加熱部150の温度が基準温度に到逹したか否かを決定することができる(S920)。制御部180は、加熱部150の温度が基準温度未満である場合、電流制限方式を保持することができる。
【0110】
制御部180は、加熱部150の温度が基準温度以上である場合、加熱部150の温度及び目標温度の差値に基づいて、フィードバック制御を遂行することができる(S930)。すなわち、制御部180は、PID制御の係数によって加熱部150の温度が目標温度に到逹するように加熱部150の温度を制御することができる。
【0111】
図10は、他の一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【0112】
図10は、前述した
図9のフローチャートから派生されうる実施例を具体的に説明するための図面であって、以下、
図9で既に説明した内容との重複説明は省略する。
【0113】
まず、制御部180は、エアロゾル生成装置100の電源オンになれば、加熱部150に供給される電流を最小電流及び基準電流の間に設定する(S1010)。ここで、最小電流は、加熱部150の温度を一定速度以上に上昇させるのに必要な最小電流である。例えば、最小電流は、前述した基準電流範囲の下限値である1Aにもなる。また、段階S1010において基準電流は、4Aにもなる。
【0114】
段階S1010において制御部180は、加熱部150に供給される電流が4Aを超えないように制御することで、電流のリップル成分を最小化し、バッテリの損傷を防止することができる。同時に、制御部180は、加熱部150が少なくとも一定以上の予熱速度に加熱されるように、加熱部150に供給される電流の大きさを最小1A以上に制御することができる。制御部180は、経験的または実験的に決定された情報に基づき、加熱部150に供給される電流を、最小電流以上基準電流以下の範囲で適切に設定し、前述したように基準電流は、1.95Aにもなる。
【0115】
次いで、制御部180は、段階S1030で選択された基準電流に基づいて基準温度を設定する(S1030)。前述した
図6及び
図8の説明において、基準温度は、目標温度よりも30℃~200℃低く設定されうる。例えば、加熱部150の目標温度が335℃であれば、加熱部150の基準温度は、135℃~305℃の間で選択された値にもなる。この際、制御部180が135℃~305℃の間で基準温度を選択するとき、基準となる指標のうち1つは、基準電流であり、特に、基準電流が大きくなるほど制御部180によって設定される基準温度はさらに低くなる。段階S1030において、基準電流と基準温度との関係を数式で整理すれば、数式1の通りである。
【0116】
【0117】
数式1は、制御部180によって設定される基準温度と基準電流との相関関係を数式で示す。数式1において、Trは、基準温度の大きさ、irsは、基準電流の大きさ、kは、比例定数をそれぞれ意味する。数式1は、反比例関係を示す。すなわち、基準電流がさらに大きくなるほど基準温度はさらに低くなる。定数kは、加熱部150のオーバーシュート(overshoot)を防止するように(すなわち、加熱部150が目標温度を超えて過熱されないように)決定されうる。加熱部150のオーバーシュート(overshoot)が防止されることにより、不快な喫煙経験をもたらすエアロゾル生成物質の炭化現象が防止されうる。
【0118】
次いで、制御部180は、S1010での設定値に対応する電流が加熱部150に供給されるようにバッテリ160を制御し、加熱部150の温度を段階S1030で設定した基準温度まで上昇させる(S1050)。
【0119】
制御部180は、加熱部150の温度がS1030で設定した基準温度に到逹したか否赤を判断する(S1070)。段階S1070において、加熱部150の温度が基準温度に到逹したならば、制御部180は、加熱部150の温度が目標温度に到逹するまでPID方式で加熱部150の温度が上昇するように制御する(S1090)。段階S1030ないし段階S1070を経て、加熱部150の温度は、リップル電流(ripple current)を発生させないだけではなく、オーバーシュートも生じないように、加熱部150の最初温度から目標温度まで単調に(monotonically)上昇する。これにより、本発明によるエアロゾル生成装置100は、バッテリの損傷を防止することで、エアロゾル生成装置100の安定性を向上させ、ユーザに満足な喫煙感を提供することができる。
【0120】
本開示のエアロゾル生成装置100は、予熱初期区間でPID制御方式ではない電流制限方式によって加熱部150に供給される電力を制御することにより、電流のリップル成分が減少する。したがって、バッテリ160の過負荷が防止され、EMFノイズによるバッテリ160の損傷が防止される。
【0121】
以上で説明された本発明による実施例は、コンピュータ上で多様な構成要素を通じて実行可能なコンピュータプログラムの形態にも具現され、このようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読媒体に記録されうる。この際、媒体は、ハードディスク、フロッピィーディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM及びDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気光媒体(magneto-optical medium)、及びROM、RAM、フラッシュメモリのようなプログラム命令語を保存し、行うように特別に構成されたハードウェア装置を含んでもよい。
【0122】
一方、前記コンピュータプログラムは、本発明のために特別に設計されて構成されたものであるか、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知されて使用可能なものでもある。コンピュータプログラムの例には、コンパイラーによって作られるような機械語コードだけではなく、インタープリターなどを使用してコンピュータによって実行される高級言語コードも含まれうる。
【0123】
本発明で説明する特定実行は、一実施例であって、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものではない。明細書の簡潔さのために、従来の電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、前記システムの他の機能的な側面の記載は省略されうる。また、図面に図示された構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結及び/または物理的または回路的連結を例示的に示したものであって、実際装置では、代替可能であるか、追加される多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路連結としても現れる。また、「必須な」、「重要に」のように具体的な言及がない場合、本発明の適用のために、必ずしも必要な構成要素ではないことにもなる。
【0124】
本発明の明細書(特に、特許請求の範囲において)において、「前記」の用語、及びこれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数の両方に該当するものでもある。また、本発明において範囲(range)を記載した場合、前記範囲に属する個別的な値を適用した発明を含むものであって(これに反対となる記載がなければ)、発明の詳細な説明に前記範囲を構成する各個別的な値を記載したものと同一である。最後に、本発明による方法を構成する段階について明白に順序を記載するか、反対となる記載がなければ、前記段階は、適当な順序で行われる。必ずしも前記段階の記載順序によって、本発明が限定されるものではない。本発明において全ての例または例示的な用語(例えば、など)の使用は、単に本発明を詳細に説明するためのものであって、特許請求の範囲によって限定されない以上、前記例または例示的な用語によって、本発明の範囲が限定されるものではない。また、当業者は、多様な修正、組合わせ及び変更が付け加えられた特許請求の範囲またはその均等物の範疇内で設計条件及びファクタによっても構成されうる。
【国際調査報告】