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特表2022-551249画像処理方法、画像処理用コマンドの生成方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-08
(54)【発明の名称】画像処理方法、画像処理用コマンドの生成方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 3/40 20060101AFI20221201BHJP
   G06T 3/00 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G06T3/40
G06T3/00 775
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520212
(86)(22)【出願日】2020-11-24
(85)【翻訳文提出日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 CN2020131057
(87)【国際公開番号】W WO2022021695
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】202010765242.5
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522123315
【氏名又は名称】地平▲線▼(上海)人工智能技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】シェン、ジュンジー
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ジェンジャン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェンジュン
【テーマコード(参考)】
5B057
【Fターム(参考)】
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CC03
5B057CD05
5B057CE09
5B057CH20
5B057DA08
5B057DB02
5B057DB09
(57)【要約】
【課題】画像処理方法、画像処理用コマンドの生成方法及び装置に関する。
【解決手段】当該方法は、ROI画像を取得した場合、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法、第1の分割データ及び取得されたROI画像に基づいて分割して複数の画像ブロックを取得し、第1の画像寸法を第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法の各々が、いずれも画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法とマッチングされるようにするステップ(201)と、各画像ブロックに対して画像変倍を行って複数の変倍画像ブロックを取得し、複数の変倍画像ブロックの複数の画像寸法と複数の画像寸法とが1対1に対応してマッチングされるようにするステップ(202)と、複数の変倍画像ブロックを画像処理モデルに順次入力するステップ(203)と、を含む。当該方法では、画像変倍モジュールの出力に限界があっても、視覚的画像処理技術に関連する後続のプロセスの正常的な実行を確保する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ROI画像を取得した場合、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法、第1の分割データおよび取得されたROI画像に基づいて分割して複数の画像ブロックを取得し、前記第1の画像寸法を前記第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法の各々が、いずれも画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法とマッチングされるようにするステップと、
前記複数の画像ブロックの各々に対して画像変倍を行って、複数の変倍画像ブロックを取得し、前記複数の変倍画像ブロックの複数の画像寸法と前記第1の画像寸法を前記第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法とが、1対1に対応してマッチングされるようにするステップと、
前記複数の変倍画像ブロックを前記画像処理モデルに順次入力するステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法、第1の分割データおよび取得されたROI画像に基づいて分割して複数の画像ブロックを取得する前記ステップは、
取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たす場合、取得されたROI画像を分割対象のROI画像とし、そうでない場合、取得されたROI画像に基づいて画像調整を行って、前記指定の画像アライメント条件を満たす分割対象のROI画像を取得するステップと、
前記第1の画像寸法、前記第1の分割データおよび前記分割対象のROI画像の第2の画像寸法に基づいて、第2の分割データを決定するステップと、
前記第2の分割データに従って、前記分割対象のROI画像を分割して複数の画像ブロックを取得するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の画像寸法、前記第1の分割データおよび前記分割対象のROI画像の第2の画像寸法に基づいて、第2の分割データを決定する前記ステップは、
前記第1の分割データに基づいて、前記第1の画像寸法を有するテンプレート画像のプリセット方向での各分割位置を決定するステップと、
前記分割対象のROI画像の第2の画像寸法における前記プリセット方向の寸法と、前記第1の画像寸法における前記プリセット方向の寸法との比例関係を決定するステップと、
前記比例関係と、前記テンプレート画像の前記プリセット方向での各分割位置とに基づいて、前記分割対象のROI画像の前記プリセット方向での各分割位置を決定するステップと、
前記分割対象のROI画像の前記プリセット方向での各分割位置に基づいて、第2の分割データを決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法が、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法とマッチングしていない場合、前記ハードウェア出力寸法および前記第1の画像寸法に基づいて、前記第1の画像寸法を有するテンプレート画像に対する分割方式情報を決定し、前記分割方式情報は、前記テンプレート画像を複数の画像ブロックに分割するために用いられ、かつ前記複数の画像ブロックの各画像寸法が、いずれも前記ハードウェア出力寸法とマッチングされるようにするステップと、
前記分割方式情報に基づいて、第1の分割データを取得するステップと、
前記第1の分割データに基づいて、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像処理方法を実行するための画像処理用コマンドを生成するステップと、を含むことを特徴とする画像処理用コマンドの生成方法。
【請求項5】
前記ハードウェア出力寸法および前記第1の画像寸法に基づいて、前記第1の画像寸法を有するテンプレート画像に対する分割方式情報を決定する前記ステップは、
画像変倍モジュールが前記プリセット方向での寸法の値の約数を指定した場合、前記約数と前記第1の画像寸法における前記プリセット方向の寸法の値との積である第1の積を計算するステップと、
前記第1の積に基づいて、前記第1の画像寸法を有するテンプレート画像上の各分割位置を決定するステップと、
決定された各分割位置に基づいて、前記第1の画像寸法を有するテンプレート画像に対する分割方式情報を決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の積に基づいて、前記第1の画像寸法を有するテンプレート画像上の各分割位置を決定する前記ステップは、
前記第1の目標値と前記第2の目標値との積と前記第1の積とがプリセット関係を満たすように、前記第1の積に基づいて、第1の目標値および第2の目標値を決定するステップと、
前記テンプレート画像の前記プリセット方向において、決定された各分割位置により分割される各寸法区間の寸法の値が、いずれも前記第2の目標値の整数倍となるように、前記第2の目標値に基づいて、前記第1の画像寸法を有するテンプレート画像上の各分割位置を決定するステップと、を含み、
前記方法は、
前記第1の目標値を記録するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ROI画像を取得した場合、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法、第1の分割データおよび取得されたROI画像に基づいて分割して複数の画像ブロックを取得し、前記第1の画像寸法を前記第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法の各々が、いずれも画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法とマッチングされるようにする分割モジュールと、
前記分割モジュールによって取得された前記複数の画像ブロックの各々に対して画像変倍を行って複数の変倍画像ブロックを取得し、前記複数の変倍画像ブロックの複数の画像寸法と前記第1の画像寸法を前記第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法とが1対1に対応してマッチングされるようにする画像変倍モジュールと、
前記画像変倍モジュールによって取得された前記複数の変倍画像ブロックを前記画像処理モデルに順次入力する入力モジュールと、を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法が、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法とマッチングしていない場合、前記ハードウェア出力寸法および前記第1の画像寸法に基づいて、前記第1の画像寸法を有するテンプレート画像に対する分割方式情報を決定し、前記分割方式情報は、前記テンプレート画像を複数の画像ブロックに分割するために用いられ、前記複数の画像ブロックの各々の画像寸法が、いずれも前記ハードウェア出力寸法とマッチングされるようにする決定モジュールと、
前記決定モジュールによって決定された前記分割方式情報に基づいて、第1の分割データを取得する取得モジュールと、
前記取得モジュールによって取得された前記第1の分割データに基づいて、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像処理方法を実行するための画像処理用コマンドを生成する生成モジュールと、を含むことを特徴とする画像処理用コマンドの生成装置。
【請求項9】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像処理方法を実行するか、または、請求項4~6のいずれか一項に記載の画像処理用コマンドの生成方法を実行することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項10】
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能なコマンドを記憶するメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記メモリから前記実行可能なコマンドを読み取って、このコマンドを実行して、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像処理方法を実行するか、または、請求項4~6のいずれか一項に記載の画像処理用コマンドの生成方法を実行することを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2020年07月31日に中国特許庁に提出された、出願番号がCN202010765242.5であり、発明の名称が「画像処理方法、画像処理用コマンドの生成方法および装置」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全ては援用により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、画像処理の技術分野に関し、特に、画像処理方法、画像処理用コマンドの生成方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
視覚的画像処理技術を用いる場合、全画像検出が終わると、特定のタスクに対する関心領域(Regionof Interest、ROI)画像が生成され、その後、画像変倍モジュールによってROI画像に対して画像変倍を行い、変倍によって取得された画像を画像処理モデルに入力して処理することができる。多くの場合、画像変倍モジュールの出力に限界があるため、画像変倍モジュールは、ROI画像の一部に対しては変倍処理を行わず、エラープロンプトを出力するだけであり、これにより、視覚的画像処理技術に関連する後続のプロセスが正常的に実行できなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、上記の技術的課題を解決するためになされたものである。本開示の実施例は、画像処理方法、画像処理用コマンドの生成方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例の一態様に係る画像処理方法は、
ROI画像を取得した場合、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法、第1の分割データおよび取得されたROI画像に基づいて分割して複数の画像ブロックを取得し、前記第1の画像寸法を前記第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法の各々が、いずれも画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法とマッチングされるようにするステップと、
前記複数の画像ブロックの各々に対して画像変倍を行って、複数の変倍画像ブロックを取得し、前記複数の変倍画像ブロックの複数の画像寸法と前記第1の画像寸法を前記第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法とが、1対1に対応してマッチングされるようにするステップと、
前記複数の変倍画像ブロックを前記画像処理モデルに順次入力するステップと、を含む。
【0006】
本開示の実施例の別の態様に係る画像処理用コマンドの生成方法は、
画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法が、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法とマッチングしていない場合、前記ハードウェア出力寸法および前記第1の画像寸法に基づいて、前記第1の画像寸法を有するテンプレート画像に対する分割方式情報を決定し、前記分割方式情報は、前記テンプレート画像を複数の画像ブロックに分割するために用いられ、前記複数の画像ブロックの各々の画像寸法が、いずれも前記ハードウェア出力寸法とマッチングされるようにするステップと、
前記分割方式情報に基づいて、第1の分割データを取得するステップと、
前記第1の分割データに基づいて、上記画像処理方法を実行するための画像処理用コマンドを生成するステップと、を含む。
【0007】
本開示の実施例の別の態様に係る画像処理装置は、
ROI画像を取得した場合、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法、第1の分割データおよび取得されたROI画像に基づいて分割して複数の画像ブロックを取得し、前記第1の画像寸法を前記第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法の各々が、いずれも画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法とマッチングされるようにする分割モジュールと、
前記分割モジュールによって取得された前記複数の画像ブロックの各々に対して画像変倍をそれぞれ行って複数の変倍画像ブロックを取得し、前記複数の変倍画像ブロックの複数の画像寸法と前記第1の画像寸法を前記第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法とが、1対1に対応してマッチングされるようにする画像変倍モジュールと、
前記画像変倍モジュールによって取得された前記複数の変倍画像ブロックを前記画像処理モデルに順次入力する入力モジュールと、を含む。
【0008】
本開示の実施例の別の態様に係る画像処理用コマンドの生成装置は、
画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法が、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法とマッチングしていない場合、前記ハードウェア出力寸法および前記第1の画像寸法に基づいて、前記第1の画像寸法を有するテンプレート画像に対する分割方式情報を決定し、前記分割方式情報は、前記テンプレート画像を複数の画像ブロックに分割するために用いられ、前記複数の画像ブロックの各々の画像寸法が、いずれも前記ハードウェア出力寸法とマッチングされるようにする決定モジュールと、
前記決定モジュールによって決定された前記分割方式情報に基づいて、第1の分割データを取得する取得モジュールと、
前記取得モジュールによって取得された前記第1の分割データに基づいて、上記画像処理方法を実行するための画像処理用コマンドを生成する生成モジュールと、を含む。
【0009】
本開示の実施例の別の態様に係る、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、前記コンピュータプログラムが、上記画像処理方法、または、上記画像処理用コマンドの生成方法を実行する。
【0010】
本開示の実施例の別の態様に係る電子機器は、
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能なコマンドを記憶するメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記メモリから前記実行可能なコマンドを読み取って、前記コマンドを実行して、上記画像処理方法を実行するか、または、上記画像処理用コマンドの生成方法を実行する。
【発明の効果】
【0011】
本開示の上記実施例に係る画像処理方法、画像処理用コマンドの生成方法、装置、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体および電子機器によれば、ROI画像を取得した場合、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法、第1の分割データおよび取得されたROI画像に基づいて分割して複数の画像ブロックを取得することができる。その後、複数の画像ブロックの各々に対して画像変倍を行って複数の変倍画像ブロックを取得することができる。複数の変倍画像ブロックの複数の画像寸法と第1の画像寸法を第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法とが、1対1に対応してマッチングされるため、複数の変倍画像ブロックの各々の画像寸法がいずれもハードウェア出力寸法とマッチングされ、各変倍画像ブロックは、いずれも画像変倍モジュールから正常的に出力されることができ、その後、複数の変倍画像ブロックを画像処理モデルに正常的に順次入力すればよい。これから分かるように、本開示の実施例では、画像変倍モジュールの出力に限界があっても、第1の分割データの利用に、画像分割操作及び画像変倍操作を組み合わせて、画像変倍モジュールから複数の変倍画像ブロックを正常的に出力させ、複数の変倍画像ブロックを画像処理モデルに提供して正常的な処理を行うことができることにより、視覚的画像処理技術に関連する後続のプロセスの正常的な実行を確保することができる。
【0012】
以下では、図面および実施例により、本開示の技術的解決手段についてより詳細に説明する。
【0013】
本開示の上記および他の目的、特徴や利点は、本開示の実施例についての図面を併せてのより詳細な説明によって明らかになる。図面は、本開示の実施例に対するさらなる理解を提供するために用いられるとともに、本明細書の一部を構成し、本開示の実施例と共に本開示を解釈するために用いられものであり、本開示を限定するものではない。図面において、同じ参照符号は一般的に同じ部材やステップを示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の実施例の総体的原理図である。
図2】本開示の例示的な実施例に係る画像処理方法の概略フローチャートである。
図3】本開示の実施例における動作段階の分割の概略図である。
図4】本開示の別の例示的な実施例に係る画像処理方法の概略フローチャートである。
図5A】関連技術における視覚的画像処理技術を実現するためのシステムのワークフローチャートである。
図5B】本開示の実施例における視覚的画像処理技術を実現するためのシステムのワークフローチャートである。
図6】本開示の例示的な実施例に係る画像処理用コマンドの生成方法の概略フローチャートである。
図7】本開示の別の例示的な実施例に係る画像処理用コマンドの生成方法の概略フローチャートである。
図8】本開示の実施例の別の総体的原理図である。
図9】本開示の例示的な実施例に係る画像処理装置の概略構成図である。
図10】本開示の別の例示的な実施例に係る画像処理装置の概略構成図である。
図11】本開示の例示的な実施例に係る画像処理用コマンドの生成装置の概略構成図である。
図12】本開示の別の例示的な実施例に係る画像処理用コマンドの生成装置の概略構成図である。
図13】本開示の例示的な実施例に係る電子機器の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の例示的な実施例について詳細に説明する。説明された実施例は本開示の実施例の一部に過ぎず、本開示のすべての実施例ではなく、本開示は例示的な実施例に限定されるものではない。
【0016】
なお、特に特定的な説明がない限り、これらの実施例に記載された部材およびステップの相対配置、数式および値は本開示の範囲を限定するものではない。
【0017】
当業者であれば、本開示の実施例における「第1」、「第2」などの用語は、異なるステップ、機器やモジュールなどを区別するために用いられるのであり、いかなる特定の技術的意味を表すものでもなく、それらの間の必然的な論理的順序を表すものでもないことを理解できる。「複数」とは、2つ以上を意味し、「少なくとも1つ」とは、1つ、2つまたは2つ以上を意味する。
【0018】
本開示の実施例に言及されるいずれか1つの部材、データや構造は、明確な限定がないかまたは文脈において逆の示唆が与えられる場合、一般に、1つまたは複数と理解され得ることも理解されたい。
【0019】
また、本開示において「および/または」という用語は、関連オブジェクトの関連関係を説明するためのものにすぎず、三種類の関係が存在することを表し、たとえば、Aおよび/またはBは、Aのみが単独で存在する場合、AとBとが同時に存在する場合、Bのみが単独で存在する場合との3つの場合を表すことができる。本開示において、符号「/」は、一般に、前後関連するオブジェクトが「または」の関係であることを示す。
【0020】
本開示の各実施例に対する説明は、各実施例間の相違点を強調し、その同一または類似の点は互いに参照することができ、簡潔にするために、詳細な説明を省略したことも理解されたい。また、図面に示されている各部分の寸法は、説明の便宜上、実際の比例関係に従って描かれたものではない。
【0021】
以下、少なくとも1つの例示的な実施例に対する説明は、実際には例示的なものに過ぎず、本開示およびその応用または使用に対するいかなる限定ではない。当業者に知られている技術、方法および機器について詳細な説明を行わないが、適切な場合、当該技術、方法および機器は明細書の一部と見なされ得る。
【0022】
なお、以下の図面において、同様の符号および文字は同様の項目を表しており、ある項目が1つの図面において一旦定義されると、それ以降の図面においては更なる説明を要しない。
【0023】
本開示の実施例は、多くの他の汎用または専用のコンピューティングシステム環境または構成と共に操作可能な端末機器、コンピュータシステム、サーバなどの電子機器に適用されることができる。端末機器、コンピュータシステム、サーバなどの電子機器と共に使用されるのに適した周知の端末機器、コンピューティングシステム、環境および/または構成の例として、パーソナルコンピュータシステム、サーバコンピュータシステム、シンクライアント、シッククライアント、ハンドヘルドまたはラップトップ機器、マイクロプロセッサベースに基づくシステム、セットトップボックス、プログラム可能な家電機器、ネットワークパソコン、小型コンピュータシステム、大型コンピュータシステム、および上記いずれか1つのシステムを含む分散型クラウドコンピューティング技術環境などを含むが、これらに限定されない。
【0024】
端末機器、コンピュータシステム、サーバなどの電子機器は、コンピュータシステムによって実行されるコンピュータシステム実行可能なコマンド(プログラムモジュールなど)の一般的なコンテキストで記載されることができる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データタイプを実現するルーチン、プログラム、目標プログラム、コンポーネント、論理、データ構造などを含むことができる。コンピュータシステム/サーバは、分散型クラウドコンピューティング環境において実施されることができ、タスクは、分散型クラウドコンピューティング環境において、通信ネットワークを介して接続された遠隔処理機器によって実行される。プログラムモジュールは、分散型クラウドコンピューティング環境において、記憶機器を含むローカルまたは遠隔コンピューティングシステムの記憶媒体上に配置されてもよい。
【0025】
[出願の概要]
視覚的画像処理技術は、人工知能(Artificial Intelligence、AI)視覚的画像処理システムによって実現されることができ、当該システムによって実行される操作は、画像取得、画像信号処理(Image Signal Processing、ISP)、画像ピラミッド生成、全画像検出、ROI処理、後処理、結果出力などを含むことができる。
【0026】
全画像検出が終わると、特定のタスクに対するROI画像が生成され、例えば、顔検出のタスクに対するROI画像(全画像から検出された顔画像)、歩行者検出のタスクに対するROI画像などが生成され、全画像検出により生成されたROI画像は、ROI処理が画像処理モデルによって実行されるように、画像処理モデルに提供される必要があり、ここで、画像処理モデルは、畳み込みニューラルネットワークモデル(CNN)であることができる。
【0027】
全画像検出により生成されたROI画像は、システムの動作中に生成されるため、事前に位置及び寸法を予測することはできず、モデル設計者の設定により、画像処理モデルは、一般に入力される画像に対して要求(例えば、入力される画像に対する寸法の要求)があるため、全画像検出により生成されたROI画像を当該寸法の要求と一致するように変倍する必要がある。具体的には、ROI画像の変倍は、画像変倍モジュールまたはResizerモジュールと称されるハードウェアモジュールによって実現されることができる。理論的に、画像変倍モジュールの入力寸法は、全画像検出により生成されたROI画像の寸法であり、画像変倍モジュールの出力寸法は、画像処理モデルが入力される画像に対する寸法の要求と一致する。
【0028】
なお、実際の状況では、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field -Programmable Gate Array、FPGA)、グラフィックスプロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)または特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)のうちのどれから構成されるAI視覚的画像処理システムにおいても、画像変倍モジュールのハードウェアリソースは有限的であり、画像変倍モジュールの出力に限界があり、この場合、画像変倍モジュールは、一部のROI画像に対しては変倍処理を行わず、エラープロンプトを出力するだけであり、これにより、視覚的画像処理技術に関連する後続のプロセスを正常的に実行できなくなる。
【0029】
[例示的なシステム]
図1に示すように、本開示の実施例は、主に、コンパイル段階および動作段階との2つの段階を含む。コンパイル段階では、本開示の実施例に係る画像処理方法を実行するためのコマンドを生成するように、本開示の実施例に係る画像処理用コマンドの生成方法を実行することができ、動作段階では、画像変倍モジュールの出力に限界があるため、視覚的画像処理技術に関連する後続のプロセスが正常的に実行できなくなるという問題を解決するように、全画像検出によって取得された任意のROI画像に対して、コンパイル段階で生成されたコマンドに基づいて、本開示の実施例に係る画像処理方法を実行することができる。
【0030】
[例示的な方法]
図2は、本開示の例示的な実施例に係る画像処理方法の概略フローチャートである。図2に示す方法は、ステップ201、ステップ202、およびステップ203を含み、以下、各ステップについてそれぞれ説明する。
【0031】
ステップ201:ROI画像を取得した場合、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法、第1の分割データおよび取得されたROI画像に基づいて分割して複数の画像ブロックを取得し、第1の画像寸法を第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法の各々が、いずれも画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法とマッチングされるようにする。
【0032】
ステップ201では、まず、全画像検出によってROI画像を取得することができる。具体的には、図3の左側に示す全画像に対して検出を行うことにより、図3の高さ寸法がhである画像を取得することができる。
【0033】
ROI画像を取得した後、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法、およびコンパイル段階で決定された第1の分割データを取得することができ、第1の画像寸法を第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法の各々は、いずれも画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法とマッチングする。
【0034】
なお、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法は、画像処理モデルの入力画像に対する寸法要求を表し、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法は、244×244であることができる。画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法は、画像変倍モジュールによって出力可能な最大画像寸法を表し、画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法は、128×72であることができる。いずれか1つの画像寸法が画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法とマッチングするということは、当該画像寸法が画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法よりも小さいこと(たとえば、画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法が128×72であることに対し、当該画像寸法が76×76であること)を意味する。
【0035】
具体的な例において、第1の画像寸法は、図3の右側に示す高さ寸法がHの画像の画像寸法であり、第1の分割データは、第1の画像寸法を、ROI の画像寸法、ROI の画像寸法、ROI の画像寸法、ROI の画像寸法、ROI の画像寸法、ROI の画像寸法と6つの画像寸法に分割するために用いられる。画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法が128×72である場合、ROI からROI の画像寸法は、いずれも128×72よりも小さい必要がある。
【0036】
第1の画像寸法および第1の分割データを取得した後、第1の画像寸法、第1の分割データおよび取得されたROI画像に基づいて、分割オブジェクトと、分割オブジェクトをどのように分割するかとを決定し、この決定結果に基づいて実際の分割を行って複数の画像ブロックを取得することができる。第1の画像寸法を第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法がN個の画像寸法であると、実際の分割によって取得された複数の画像ブロックは、N個の画像ブロックであることができ、N個の画像寸法とN個の画像ブロックとの間は、1対1に対応することができる。
【0037】
ステップ202:複数の画像ブロックの各々に対して画像変倍を行って複数の変倍画像ブロックを取得し、複数の変倍画像ブロックの複数の画像寸法と第1の画像寸法を第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法とが、1対1に対応して一致されるようにする。
【0038】
ステップ202では、画像変倍モジュールを呼び出して、複数の画像ブロックの各々に対して画像変倍を行うことができ、変倍時、いずれか1つの画像ブロックの変倍によって取得された変倍画像ブロックの画像寸法と、第1の画像寸法を第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法とが、当該画像ブロックと対応性を有する画像寸法と一致するように確保する必要がある。
【0039】
再度図3を例にすると、第1の分割データは、第1の画像寸法をROI からROI の6つの画像寸法に分割するために用いられ、ステップ201で分割して取得された複数の画像ブロックは、ROI00 からROI05 であり、画像変倍モジュールを呼び出して、ROI00 をROI の画像寸法に、ROI01 をROI の画像寸法に、ROI02 をROI の画像寸法に、ROI03 をROI の画像寸法に、ROI04 をROI の画像寸法に、およびROI05 をROI の画像寸法に変倍することができ、それにより、ROI00 からROI05 の各々に対応する変倍画像ブロックを取得し、このように、合計6つの変倍画像ブロックを取得ることができる。
【0040】
ステップ203:複数の変倍画像ブロックを画像処理モデルに順次入力する。
【0041】
ステップ203では、複数の変倍画像ブロックを画像処理モデルに順次入力することができ、画像処理モデルは、各変倍画像ブロックをそれぞれ処理して、各変倍画像ブロックの処理結果を取得することができ、例えば、顔検出処理または歩行者検出処理などを行うことができ、各変倍画像ブロックの処理結果は、最終的な処理結果を構成することができる。複数の変倍画像ブロックの複数の画像寸法は、第1の画像寸法を第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法と1対1に対応して一致するため、最終的な処理結果は、画像処理モデルがある第1の画像寸法の画像を処理した結果に相当し、最終的な処理結果は、後続の視覚的画像処理技術に関連する他のプロセスに使用されることができる。
【0042】
本開示の実施例では、ROI画像を取得した場合、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法、第1の分割データおよび取得されたROI画像に基づいて分割して複数の画像ブロックを取得することができる。その後、複数の画像ブロックの各々に対して画像変倍をそれぞれ行うことにより、複数の変倍画像ブロックを取得することができる。複数の変倍画像ブロックの複数の画像寸法は、第1の画像寸法を第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法と1対1に対応して一致するため、複数の変倍画像ブロックの各々の画像寸法は、いずれもハードウェア出力寸法とマッチングし、各変倍画像ブロックは、いずれも画像変倍モジュールから正常的に出力されることができ、その後、複数の変倍画像ブロックを画像処理モデルに正常的に順次入力させればよい。よって、本開示の実施例では、画像変倍モジュールの出力に限界があっても、第1の分割データの利用に画像分割操作及び画像変倍操作を組み合わせて、画像変倍モジュールから複数の変倍画像ブロックを正常的に出力させ、複数の変倍画像ブロックを画像処理モデルに提供して正常的な処理を行うことができることにより、視覚的画像処理技術に関する後続のフローの正常的な実行を確保することができる。
【0043】
図4に示すように、上記図2に示す実施例に加えて、ステップ201は、ステップ2011、ステップ2022およびステップ2023を含む。
【0044】
ステップ2011:取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たす場合、取得されたROI画像を分割対象のROI画像とし、そうでない場合、取得されたROI画像に基づいて画像調整を行って、指定の画像アライメント条件を満たす分割対象のROI画像を取得する。
【0045】
ここで、ROI画像を取得した後、取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たすか否かを決定することができ、以下、具体的な決定方法について例を挙げて紹介する。
【0046】
具体的な一実施形態では、当該方法は、
画像変倍モジュールによって指定された、プリセット方向の寸法の値の約数と、第1の画像寸法におけるプリセット方向の寸法の値とに基づいて決定される第1の目標値を取得するステップと、
取得されたROI画像のプリセット方向の寸法の値が第1の目標値の整数倍であるか否かを判断して第1の判断結果を取得するステップと、
第1の判断結果に基づいて、取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たすか否かを決定するステップと、をさらに含む。
【0047】
なお、第1の目標値は、コンパイル段階で、画像変倍モジュールによって指定された、プリセット方向の寸法の値の約数と、第1の画像寸法におけるプリセット方向の寸法の値とに基づいて決定される値であることができ、当該値は、ユーザアライメント要求(区別の便宜上、以下、それを第1のユーザアライメント要求と称し、第1のユーザアライメント要求を寸法アライメント要求と見なすことができる)を表すために用いられ、ここで、ユーザアライメントは、user_alignmentと称することもできる。第1の目標値の具体的な決定プロセスは、以下のコンパイル段階での対応する部分の説明を参照すればよく、ここでは詳しく説明しない。
【0048】
ここで、プリセット方向には、幅方向および高さ方向のうちの少なくとも1つが含まれることができ、幅方向および高さ方向に対する演算処理プロセスは、類似しているため、本開示の実施例では、プリセット方向が高さ方向である場合についてのみ説明し、この場合、プリセット方向の寸法は、具体的には、高さ寸法である。
【0049】
このような実施形態では、ランタイムアプリケーションプログラムインタフェース(Runtime Application Programming Interface、Runtime API)を呼び出してコンパイル段階で決定された第1の目標値を取得し、取得されたROI画像の高さ寸法が第1の目標値の整数倍であるか否かを判断して第1の判断結果を取得することができる。第1の判断結果が、取得されたROI画像の高さ寸法が第1の目標値の整数倍であることを特徴付ける場合、取得されたROI画像が第1のユーザアライメント要求を満たすと見なすことができ、実際に分割時、取得されたROI画像が正確に分割されるため、取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たすと判断することができ、そうでない場合、取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たさないと判断することができる。
【0050】
このような実施形態では、第1の目標値に基づいて、取得されたROI画像が第1のユーザアライメント条件を満たすか否かを正確に評価することができ、それにより、取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たすか否かを確実に決定することができる。
【0051】
具体的な別の実施形態では、当該方法は、
取得されたROI画像上のプリセット位置の座標を取得するステップと、
プリセット位置の座標が画像変倍モジュールによって指定された座標属性を所持しているか否かを判断して第2の判断結果を取得するステップと、
第2の判断結果に基づいて、取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たすか否かを決定するステップと、をさらに含む。
【0052】
なお、画像変倍モジュールによって指定された座標属性は、別のユーザアライメント要求(区別の便宜上、以下、それを第2のユーザアライメント要求と称し、第2のユーザアライメント要求は、寸法アライメント要求と見なすことができる)を表すことができる。選択的に、画像変倍モジュールによって指定される座標属性は、プリセット位置の座標が偶数であることができ、ここで、プリセット位置は、左上隅位置、右上隅位置、または他の位置であることができる。
【0053】
このような実施形態では、取得されたROI画像上のプリセット位置の座標を取得した後、プリセット位置の座標が画像変倍モジュールによって指定された座標属性を所持しているか否かを判断して第2の判断結果を取得することができる。第2の判断結果が、プリセット位置の座標が画像変倍モジュールによって指定された座標属性を所持していることを特徴付ける場合、取得されたROI画像が第2のユーザアライメント条件を満たすと見なすことができ、取得されたROI画像が画像変倍モジュールによって正常的に処理されるため、取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たすと判断することができ、そうでない場合、取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たさないと判断することができる。
【0054】
このような実施形態では、取得されたROI画像上のプリセット位置の座標に基づいて、取得されたROI画像が第2のユーザアライメント条件を満たすか否かを正確に評価することができ、それにより、取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たすか否かを確実に決定することができる。
【0055】
なお、取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たすか否かを決定する上記2つの実施形態は、互いに組み合わされてもよく、たとえば、取得されたROI画像の高さ寸法が第1の目標値の整数倍でありかつ取得されたROI画像が画像変倍モジュールによって指定された座標属性を所持している場合、取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たすと決定することができ、そうでない場合、取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たさないと決定することができる。
【0056】
取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たすと決定した後、決定結果が「はい」である場合、取得されたROI画像を分割対象のROI画像とすることができ、決定結果が「いいえ」である場合、取得されたROI画像を基に画像調整を行って、指定の画像アライメント条件を満たす分割対象のROI画像を取得することができる。決定結果が「いいえ」である場合については、取得されたROI画像の全画像での位置に対して、全画像から新たなROI画像を取って分割対象のROI画像としてもよいし、取得されたROI画像を少々トリミングし、トリミングされたROI画像を分割対象のROI画像としてもよい。
【0057】
ステップ2012:第1の画像寸法、第1の分割データおよび分割対象のROI画像の第2の画像寸法に基づいて、第2の分割データを決定する。
【0058】
具体的な一実施形態では、ステップ2012は、
第1の分割データに基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像のプリセット方向での各分割位置を決定するステップと、
分割対象のROI画像の第2の画像寸法におけるプリセット方向の寸法と、第1の画像寸法におけるプリセット方向の寸法との比例関係を決定するステップと、
比例関係と、テンプレート画像のプリセット方向での各分割位置とに基づいて、分割対象のROI画像のプリセット方向での各分割位置を決定するステップと、
分割対象のROI画像のプリセット方向での各分割位置に基づいて、第2の分割データを決定するステップと、を含む。
【0059】
ここで、第1の分割データには、高さ方向での各分割位置の座標情報が含まれてもよく、および/または、第1の分割データには、高さ方向に分割された各寸法区間の比例関係(たとえば、3:3:2、3:4:3など)が含まれてもよい。このように、第1の分割データに基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像の高さ方向での各分割位置を容易かつ確実に決定することができる。
【0060】
ここで、分割対象のROI画像の高さ寸法と、第1の画像寸法における高さ寸法との比例関係を決定することもできる。分割対象のROI画像は、図3の左側に示す高さ寸法がhである画像であり、第1の画像寸法を有するテンプレート画像は、図3の右側に示す高さ寸法がHである画像であると仮定すると、決定された比例関係は、h/Hとなる。
【0061】
テンプレート画像の高さ方向での各分割位置、および分割対象のROI画像の高さ寸法と第1の画像寸法における高さ寸法との比例関係を決定した後、決定された比例関係に従って、テンプレート画像の高さ方向での各分割位置を分割対象のROI画像にマッピングして、分割対象のROI画像の高さ方向におけるマッピング位置を取得し、取得された各マッピング位置をそれぞれ分割対象のROI画像の高さ方向での分割位置とすることができる。
【0062】
再度図3を例にすると、テンプレート画像の高さ方向での分割位置は2つであり、それぞれ位置P11および位置P12であると、位置P11を分割対象のROI画像にマッピングし、対応するマッピング位置が位置P21であり、位置P12を分割対象のROI画像にマッピングし、対応するマッピング位置が位置P22であることができる。なお、位置P11および位置P12によって、HがH、H、H-H-Hという3つの区間に分割され、位置P11および位置P12によって、hがh、h、h-h-hという3つの区間に分割され、比例関係に従ってマッピングするため、hとhは、h=Hh/H、h=Hh/Hを満たす。
【0063】
分割対象のROI画像の高さ方向での各分割位置を決定した後、これに基づいて第2の分割データを決定することができる。選択的に、第2の分割データには、各分割位置の分割対象のROI画像の高さ方向での分割位置座標情報が含まれてもよく、および/または、第2の分割データには、分割対象のROI画像の高さ方向に分割された各寸法区間の比例関係(たとえば、h:h:h-h-h)が含まれてもよい。
【0064】
このような実施形態では、第1の分割データに基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像上の分割位置を正確かつ確実に特定することができ、さらに分割対象のROI画像と第1の画像寸法との比例関係と組み合わせて、分割対象のROI画像上の分割位置を正確かつ確実に特定し、それに基づいて第2の分割データを取得することができる。
【0065】
ステップ2013:第2の分割データに従って、分割対象のROI画像を分割して複数の画像ブロックを取得する。
【0066】
分割対象のROI画像の高さ方向での各分割位置は、第2の分割データと密接に関連しているため、第2の分割データに従って、高さ方向での各分割位置で分割することができ、同様の方式に従って、幅方向についても分割することができるため、高さ方向および幅方向の分割に基づいて、複数の画像ブロックを取得することができる。
【0067】
本開示の実施例では、まず、取得されたROI画像に基づいて、指定の画像アライメント条件を満たす分割対象のROI画像を取得し、その後どのように分割するかを指示するための第2の分割データを決定し、その後、第2の分割データに従って、分割対象のROI画像を実際に分割することができ、このように、分割対象は、ユーザアライメント条件を満たすものであり、実際に分割する際に利用される分割データは、分割対象に適合しているため、分割操作が正確かつ効率的に実行されることを確保することができる。
【0068】
なお、関連技術では、図5Aに示すように、AI視覚的画像処理システムのワークフローは、次のとおりである。まず、画像収集、ISP、画像ピラミッドの生成および全画像検出を順次行って特定のタスクに対するROI画像を生成し、次に、全画像検出により生成されたROI画像を画像変倍モジュールに提供する前に、全画像検出により生成されたROI画像を画像変倍モジュールで変倍して取得される変倍画像(ROI′で示されると仮定する)が限界を満たすか否かを予測し、限界を満たす場合、全画像検出により生成されたROI画像を画像変倍モジュールに送信して変倍操作を実行してROI′を取得し、画像処理モデルがROI′の処理を行い、その後、後処理および結果出力などの操作が実行され、限界を満たさない場合、エラーメッセージ、告知信号または警告信号等のエラープロンプトを出力する。関連技術において、画像変倍モジュールの出力に限界がある状況に対し、プロンプト信号を出力するだけであり、効果的な解決手段を採用していない。
【0069】
関連技術に比べ、本開示の実施例では、図5Bに示すように、AI視覚的画像処理システムのワークフローには、相違点があり、具体的には、次のとおりである。ROI′が限界を満たさないと予測された場合、アライメント処理(上述したユーザアライメント条件を満たすように)、および分割処理(たとえば、画像変倍モジュールが出力可能な寸法に複数個分割する)を実行することができる。従って、本開示の実施例では、画像変倍モジュールの出力に限界がある場合に、視覚的画像処理技術に関する後続のフローの正常的な実行を確保することができる。
【0070】
本開示の実施例に係るいずれか1つの画像処理方法は、データ処理能力を所持している任意の適切な機器によって実行されることができ、端末装置およびサーバなどを含むが、これらに限定されない。または、本開示の実施例に係るいずれか1つの画像処理方法は、プロセッサによって実行されることができ、たとえば、プロセッサは、メモリに記憶されている対応するコマンドを呼び出して、本開示の実施例において言及されるいずれか1つの画像処理方法を実行する。以下では、その説明を省略する。
【0071】
図6は、本開示の一例示的な実施例に係る画像処理用コマンドの生成方法の概略フローチャートである。図6に示す方法は、ステップ601、ステップ602、およびステップ603を含み、以下、各ステップについてそれぞれ説明する。
【0072】
ステップ601:画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法が、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法とマッチングしていない場合、ハードウェア出力寸法および第1の画像寸法に基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像に対する分割方式情報を決定し、分割方式情報は、テンプレート画像を複数の画像ブロックに分割するために用いられ、複数の画像ブロックの各画像寸法が、いずれもハードウェア出力寸法とマッチングされるようにする。
【0073】
なお、画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法は、画像変倍モジュールによって出力可能な最大の画像寸法を表し、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法は、画像処理モデルの入力画像に対する寸法要求を表すことができ、画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法と画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法とがマッチングしていないということは、画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法が画像処理モデルがサポートする第1の画像寸よりも小さいこと(たとえば、画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法が128×72であることに対し、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法が244×244であること)を意味し、いずれか1つの画像寸法と画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法とがマッチングするということは、当該画像寸法が画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法よりも小さいことを意味する。
【0074】
画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法と、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法とがマッチングしていていない場合、ハードウェア出力寸法および第1の画像寸法に基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像(たとえば図3の右側に示す高さ寸法Hの画像)をどのように分割するかを決定し、分割して取得された複数の画像ブロックの各画像寸法がいずれも画像拡大縮小モジュールのハードウェア出力寸法とマッチングすることを確保することができ、それにより対応する分割方式情報を取得する。
【0075】
選択的に、分割方式情報には、幅方向の各分割位置座標情報と高さ方向での各分割位置座標情報とが含まれてもよく、および/または、分割方式情報には、幅方向に分割された各寸法区間の比例関係、および高さ方向に分割された各寸法区間の比例関係が含まれてもよい。
【0076】
選択的に、分割方式情報を決定する際に、画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法および画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法に加えて、テンプレート画像を使用する特定のコマンドタイプ、テンプレート画像のメモリ内の記憶位置、実行時にコンパイラのメモリに対する割り当ておよび管理規則などの他の因子を参照してもよい。
【0077】
ステップ602:分割方式情報に基づいて、第1の分割データを取得する。
【0078】
ここで、分割方式情報に含まれているすべての情報のデータをそのまま第1の分割データとしてもよく、或いは、分割方式情報から一部の情報を抽出し、抽出された一部の情報を含むデータを第1の分割データとしてもよく、たとえば、分割方式情報に分割位置座標情報及び寸法区間の比例関係が同時に含まれている場合、分割方式情報から分割位置座標情報を抽出し、抽出された分割位置座標情報を含むデータを第1の分割データとしてもよい。
【0079】
ステップ603:第1の分割データに基づいて、画像処理方法(具体的には、上記実施例に開示の画像処理方法)を実行するための画像処理用コマンドを生成する。
【0080】
なお、ステップ601~ステップ603は、いずれもコンパイラによって実行されることができる。
【0081】
本開示の実施例では、画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法が、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法とマッチングしていない場合、ハードウェア出力寸法および第1の画像寸法に基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像に対する分割方式情報を決定し、分割方式情報に基づいて第1の分割データを取得し、その後、第1の分割データに基づいて、上記画像処理方法を実行するための画像処理用コマンドを生成することができる。従って、画像変倍モジュールの出力に限界があっても、上記画像処理方法を実行することにより、第1の分割データ利用に画像分割操作及び画像変倍操作を組み合わせて、視覚的画像処理技術に関する後続のフローの正常的な実行を確保することができる。
【0082】
図7示すように、上記図6に示す実施例に加えて、ステップ601は、ステップ6011、ステップ6012およびステップ6013を含む。
【0083】
ステップ6011:画像変倍モジュールがプリセット方向での寸法の値の約数を指定した場合、約数と第1の画像寸法におけるプリセット方向の寸法の値との積である第1の積を計算する。
【0084】
ここで、プリセット方向には、幅方向および高さ方向のうち少なくとも1つが含まれることができ、幅方向および高さ方向に対する演算処理プロセスは、類似しているため、本開示の実施例では、プリセット方向が高さ方向である場合のみについて説明し、この場合、プリセット方向での寸法は、具体的に高さ寸法である。
【0085】
ここで、画像変倍モジュールが指定する高さ寸法の約数は、cで表されることができ、第1の画像寸法の値は、図3におけるHで表されることができ、第1の積は、cHで表されることができ、ここで、cは、画像変倍モジュールのハードウェアアライメント要求と見なすことができる。
【0086】
ステップ6012:第1の積に基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像上の各分割位置を決定する。
【0087】
具体的な一実施形態では、
ステップ6012は、
第1の目標値と第2の目標値との積と第1の積とがプリセット関係を満たすように、第1の積に基づいて、第1の目標値および第2の目標値を決定するステップと、
テンプレート画像のプリセット方向において、決定された各分割位置により分割される各寸法区間の寸法の値が、いずれも第2の目標値の整数倍となるように、第2の目標値に基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像上の各分割位置を決定するステップと、を含む。
【0088】
当該方法は、
第1の目標値を記録するステップをさらに含む。
【0089】
なお、いずれか1つの積と第1の積とがプリセット関係を満たすということは、いずれか1つの積と第1の積とが等しいことを意味する。
【0090】
このような実施形態では、第1の積に基づいて第1の目標積および第2の目標積を決定した後、第1の目標データを記録することができ、これにより、動作段階で、記録された第1の目標値を取得し、第1の目標データに基づいて指定の画像アライメント条件関連の判断を行うことができる。また、第2の目標値に基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像上の各分割位置を決定し、決定の際に、テンプレート画像の高さ方向において、決定された各分割位置により分割された各寸法区間の寸法の値がいずれも第2の目標値の整数倍であることを確保する必要があり、たとえば、図3において、H、H、H-H-Hは、いずれも第2の目標値の整数倍であることを確保する必要がある。
【0091】
図3が以下の条件を満たすと仮定すると、
(1)HおよびHがAアライメントを満たす場合、H=nA、H=nA、すなわちHおよびHが両方ともAの整数倍であり、
(2)hがaアライメントを満たす場合、h=na、すなわちhはaの整数倍であり、
(3)hが少なくとも画像変倍モジュールのハードウェアアライメント要求を満たす場合、h=nc、すなわちhはcの整数倍であり、
(4)画像変倍モジュールは、左側に示す高さ寸法hの画像に対して等比変倍を行う。
このように、
【数1】
が得られ、
さらに、
【数2】
のように簡略化され、
およびnは、制御不能な正の整数であるため、hがcアライメントを満たすことを確保するためには、nが正の整数であることを確保する必要があり、したがって、
【数3】
が正の整数であることを確保しなければならず、アライメント要求が最も厳しい場合、n=n=n=1であり、このようにすると、上記式をさらに簡略化してaA=cHを取得することができる。
【0092】
なお、Aは、コンパイラ分割点(分割位置に対応する点)の寸法アライメント値と見なすことができ、aは、画像変倍モジュールに提供されるROI画像(たとえば、上記分割対象のROI画像)の寸法アライメント値と見なすことができ、上記式の逆推によって分かるように、コンパイラ分割点の寸法アライメント値Aとユーザが画像変倍モジュールに提供するROI画像の寸法アライメント値aとの積が、画像変倍モジュールのハードウェアアライメント要求cと画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法における対応する方向の寸法(ここで、具体的には高さ方向の寸法H)との積と等しい(当該積はcHで示され、当該積は上記の第1の積に相当する)と、テンプレート画像上の分割位置が分割対象のROI画像にマッピングされたときに、分割対象のROI画像上の分割位置が寸法アライメント要求を満たす(具体的にはaアライメントを満たす)ことを確保することができ、これにより、分割対象のROI画像がaアライメントを満たすと、分割対象のROI画像を正確かつ効率的に計算することができる。
【0093】
これに鑑みて、aを第1の目標値とし、Aを第2の目標値とすることにより、動作段階で、分割対象のROI画像が正確に分割され、分割された各画像ブロックが寸法アライメント要求を満たすこと、すなわち、分割された各画像ブロックの高さ寸法がいずれも第1の目標値とするaの整数倍であることを確保することができる。
【0094】
ステップ6013:決定された各分割位置に基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像に対する分割方式情報を決定する。
【0095】
各分割位置が決定された後、対応する分割位置座標情報を取得し、取得された分割位置座標情報を含む分割方式情報を取得することができる。また、各寸法区間の比例関係を取得し、取得された比例関係を含む分割方式情報を取得することも勿論である。
【0096】
本開示の実施例では、画像変倍モジュールがプリセット方向の寸法の値の約数を指定した場合、第1の積(すなわち、上記cH)の計算を行い、第1の積をアドバイス情報として、適切な第1の目標値および第2の目標値を決定することで、動作段階で画像の分割が正確に行えることを保するとともに、分割結果が寸法アライメント要求を満たすことを確保することができる。
【0097】
選択的な例では、第1の積に基づいて、第1の目標値および第2の目標値を決定するステップは、
少なくとも1つの基準パラメータセットにおける各基準パラメータセットがいずれも2つの値を含み、いずれか1つの基準パラメータセットにおける2つの値の積と第1の積とがプリセット関係を満たすように、第1の積に基づいて、少なくとも1つの基準パラメータセットを決定するステップと、
少なくとも1つの基準パラメータセットから第1の基準パラメータセットを選択するステップと、
第1の基準パラメータセットにおける1つの値を第1の目標値とし、第1の基準パラメータセットにおける別の値を第2の目標値とするステップと、を含む。
【0098】
ここで、まず、少なくとも1つの基準パラメータセットを決定することができ、各基準パラメータセットはいずれも2つの値を含み、いずれか1つの基準パラメータセットにおける2つの値の積と第1の積とが等しい。選択的に、少なくとも1つの基準パラメータセットは、第1の積を因数分解することによって取得される。
【0099】
続いて、少なくとも1つの基準パラメータセットから第1の基準パラメータセットを選択することができる。選択的に、設定ルールに従って、少なくとも1つの基準パラメータセットから1つの基準パラメータセットを選択して第1の基準パラメータセットとすることができ、この場合、少なくとも1つの基準パラメータセットから第1の基準パラメータセットを選択するステップは、
少なくとも1つの基準パラメータセットにおける各基準パラメータセットの合計アライメントコスト値をそれぞれ計算するステップと、
対応する合計アライメントコスト値の最も小さい基準パラメータセットを選択して第1の基準パラメータセットとするステップと、を含む。
【0100】
ここで、各基準パラメータセットの合計アライメントコスト値をそれぞれ計算することができ、合計アライメントコスト値は、コンパイラのアライメントコスト値およびユーザのアライメントコスト値を含むことができる。次に、各基準パラメータセットの合計アライメントコスト値の大きさを比較することで、対応する合計アライメントコスト値の最も小さい基準パラメータセットを選出することができ、その後、選出された基準パラメータセットを第1の基準パラメータセットとすればよい。
【0101】
本実施形態では、合計アライメントコスト値の最も小さい基準パラメータセットを第1の基準パラメータセットとすることにより、コンパイラとユーザとの両方が対応するアライメント要求を満たす場合にコストを最小にすることを確保することができる。
【0102】
第1の基準パラメータセットを選択する実施形態は、これに限定されず、たとえば、第少なくとも1つの基準パラメータセットから1つの基準パラメータセットをランダムに選択して1の基準パラメータセットとすることも勿論である。
【0103】
第1の基準パラメータセットを選択した後、第1の目標値および第2の目標値を容易に決定することができる。第1の基準パラメータセットは、少なくとも1つの基準パラメータセットから選択され、少なくとも1つの基準パラメータセットは、積に基づいて決定されるため、コンパイラおよびユーザの両方が対応するアライメント要求を満たすことを確保することができる。
【0104】
選択的な一例では、少なくとも1つの基準パラメータセットにおける各基準パラメータセットの合計アライメントコスト値をそれぞれ計算するステップは、
少なくとも1つの基準パラメータセットにおけるいずれか1つに含まれる2つの値のうちの大きい値に基づいて、テンプレート画像のプリセット方向での各分割位置を決定し、各分割位置のアライメントコスト値を計算するステップと、
計算によって取得された各アライメントコスト値の合計を計算して、いずれか1つの基準パラメータセットの合計アライメントコスト値を取得するステップと、を含む。
【0105】
ここで、少なくとも1つの基準パラメータセットにおけるいずれか1つの基準パラメータセット(基準パラメータセットSと仮定する)に対し、先にそれに含まれている2つの値のうちの大きい値(A′と仮定する)を決定することができ、次に、A′を利用してテンプレート画像の高さ方向での各分割位置を決定することができ、決定の際に、テンプレート画像の高さ方向において、決定された各分割位置により分割された各寸法区間の寸法の値がいずれもA′の整数倍であることを確保する必要があり、その後、テンプレート画像の高さ方向での各分割位置のアライメントコスト値を計算することができる。
【0106】
具体的な一実施形態では、各分割位置のアライメントコスト値を計算するステップは、
いずれか1つの分割位置の座標におけるプリセット方向の座標を取得するステップと、
取得した座標といずれか1つの基準パラメータセットに含まれている2つの値のうちの大きい値との余り結果を計算するステップと、
第1の積といずれか1つの基準パラメータセットに含まれている2つの値のうちの大きい値との比率を計算するステップと、
比率とプリセット値との間の差分値を計算するステップと、
プリセット調整因子に基づいて、余り結果および差分値に対して加重合計を行って、いずれか1つの分割位置のアライメントコスト値を取得するステップと、を含む。
【0107】
ここで、プリセット値は、1、2、3、またはその他の値であってもよく、プリセット調整因子は、pで示され得る。
【0108】
引続き、いずれか1つの基準パラメータセットが基準パラメータセットSであり、いずれか1つの基準パラメータセットに含まれている2つの値のうちの大きい値がA′である場合を例とし、A′を用いて決定されたテンプレート画像の高さ方向において、ある分割位置の座標における高さ方向の座標がyであると仮定すると、yとA′との余り結果を計算することができ、余り結果は、roi.y%A′で示され得る。また、第1の積cHとA′との比率を計算し、比率とプリセット値(1と仮定する)との差分値を計算することができ、差分値が
【数4】
で示され得る。その後、プリセット調整因子pに基づいて、余り結果roi.y%A′および差分値
【数5】
に対して加重合計を行うことができ、具体的には、加重合計を行う時に、pを余り結果roi.y%A′の重みとし、p-1を差分値
【数6】
の重みとして、ある分割位置のアライメントコスト値を取得することができ、当該分割位置のアライメントコスト値は、f(A′)で示され得、当該分割位置のアライメントコスト値は、コスト関数
【数7】
を用いて計算して取得することができる。
【0109】
なお、上記コスト関数において、「+」の前の演算項は、コンパイラのアライメントコスト値であり、「+」の後の演算項は、理論上最悪の場合のユーザのアライメントコスト値であり、上記コスト関数を利用して、単一の分割位置のアライメントコスト値を正確かつ確実に決定することができる。
【0110】
A′を用いてテンプレート画像の高さ方向でのG個の分割位置を決定したと仮定すると、上記方式に従って、G個の分割位置の各分割位置のアライメントコスト値をそれぞれ計算して、G個のアライメントコスト値を取得することができ、その後、G個のアライメントコスト値の合計を計算し、当該合計を基準パラメータセットSの合計アライメントコスト値とすることができる。なお、後続的に、各基準パラメータセットの合計アライメントコスト値を比較することができ、基準パラメータセットSの合計アライメントコスト値が最小である場合、基準パラメータセットSを第1の基準パラメータセットとし、この場合、A′は、上記第2の目標値またはAであり、
【数8】
は、上記第2の目標値またはaであることができる。
【0111】
本開示の実施例では、アライメントコスト値の合計を求めることにより、各基準パラメータセットの合計アライメントコスト値を容易かつ確実に取得することができ、それにより、合理的な第1の目標値と第2の目標値とを決定するに寄与する。
【0112】
なお、コンパイラがアライメントのために過多のコストを払わないように、ヒューリスティック手法を使用して適切なAを検索する試みも可能である。たとえば、4という値から始めて、順番に試み、それに基づいてテンプレート画像を分割する際に、コンパイラおよびユーザの両方が対応するアラインメント要求を満たすか否かを決定し、満たす場合、当該値を基に、8、16、32などと倍にして、比較的大きい値が対応するアラインメント要求を満たすことができるか否かを試み続け、32以下でかつアラインメント要求を満たすことができる最大値を検索することができる。
【0113】
具体的な一例では、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法が66×68であり、すなわち幅寸法が66であり、高さ寸法が68であり、一方、画像変倍モジュールは、入力画像の左上隅座標、高さ寸法、および幅寸法のすべてが偶数であることを要求し、分割の際に、コンパイラ分割点の寸法アライメント値A、および画像変倍モジュールに提供されるROI画像の寸法アライメント値aは、aA=2*66=132を満たすべきである。
【0114】
コンパイラが2(すなわち、Aの値=2)アライメントを満たす場合、ユーザは、66(すなわち、a=66)アライメントを満たす必要があり、コンパイラが4アライメントを満たす場合、ユーザは、33アライメントを満たす必要があり、コンパイラが12アライメントを満たす場合、ユーザは、11アライメントを満たす必要があることが容易に分かる。選択的に、ヒューリスティック手法を使用して適切なAを検索する場合、Aは、具体的に4であることができ、すなわちコンパイラが4アライメントを満たし、ユーザが33アライメントを満たす。
【0115】
選択的な一例では、図8に示すように、コンパイル段階では、画像変倍モジュールが満たす必要のあるアライメント要求(たとえば、左上隅座標、高さ寸法、および幅寸法がいずれも偶数である要求など)、画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法、および画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法をコンパイラに提供する必要があり、コンパイラは、これらに基づいて、コンパイラが満たす必要のあるアライメントAを計算するとともに、ユーザが満たす必要のあるアライメントaを計算してaを記録し、第1の画像寸法のテンプレート画像を分割して、第1の分割データを取得する。動作段階では、ユーザは、Runtime APIを介してaを取得することができ、次に、対応するアライメント処理を行って、分割対象のROI画像を取得して後続処理を行うことができ、それにより、分割対象のROI画像に対する正確かつ有効な分割を確保することができる。
【0116】
以上によれば、本開示の実施例では、コンパイラは、画像変倍モジュールのハードウェア限界および画像処理モデルの入力要求を分析し、どのようにして比較的低いコストでハードウェア限界を満たすかを計算し、コンパイラは、分割およびアライメント戦略も提供して、合理的な分割およびアライメントを行うことができ、画像変倍モジュールのハードウェアリソースに限界がある状況で、AI視覚的画像処理システム全体が正確かつ効率的に動作することを確保して、ユーザの使用体験をより良く確保することができる。
【0117】
本開示の実施例に係るいずれか1つの画像処理用コマンドの生成方法は、データ処理能力を所持している任意の適切な機器によって実行されることができ、端末装置およびサーバなどを含むが、これらに限定されない。または、本開示の実施例に係るいずれか1つの画像処理用コマンドの生成方法は、プロセッサによって実行されることができ、たとえば、プロセッサは、メモリに記憶されている対応するコマンドを呼び出して、本開示の実施例において言及されるいずれか1つの画像処理用コマンドの生成方法を実行する。以下では、その説明を省略する。
【0118】
[例示的な装置]
図9は、本開示の別の例示的な実施例に係る画像処理装置の概略構成図である。図9に示す装置は、分割モジュール901と、画像変倍モジュール902と、入力モジュール903と、を含む。
【0119】
分割モジュール901は、ROI画像を取得した場合、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法、第1の分割データおよび取得されたROI画像に基づいて分割して複数の画像ブロックを取得し、第1の画像寸法を第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法の各々が、いずれも画像変倍モジュール902のハードウェア出力寸法とマッチングされるようにする。
【0120】
画像変倍モジュール902は、分割モジュール901によって取得された複数の画像ブロックの各々に対して画像変倍を行って複数の変倍画像ブロックを取得し、複数の変倍画像ブロックの複数の画像寸法と第1の画像寸法を第1の分割データに基づいて分割して取得された複数の画像寸法とが、1対1に対応して一致されるようにする。
【0121】
入力モジュール903は、画像変倍モジュール902によって取得された複数の変倍画像ブロックを画像処理モデルに順次入力するために用いられる。
【0122】
選択的な一例では、図10に示すように、分割モジュール901は、
取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たす場合、取得されたROI画像を分割対象のROI画像とし、そうでない場合、取得されたROI画像に基づいて画像調整を行って、指定の画像アライメント条件を満たす分割対象のROI画像を取得するための第1の取得サブモジュール9011と、
第1の画像寸法、第1の分割データおよび第1の取得サブモジュール9011によって取得された分割対象のROI画像の第2の画像寸法に基づいて、第2の分割データを決定するための決定サブモジュール9012と、
決定サブモジュール9012によって決定された第2の分割データに従って、第1の取得サブモジュール9011によって取得された分割対象のROI画像を分割して複数の画像ブロックを取得するための第2の取得サブモジュール9013と、を含む。
【0123】
選択的な一例では、決定サブモジュール9012は、
第1の分割データに基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像のプリセット方向での各分割位置を決定するための第1の決定ユニットと、
分割対象のROI画像の第2の画像寸法におけるプリセット方向の寸法と、第1の画像寸法におけるプリセット方向の寸法との比例関係を決定するための第2の決定ユニットと、
第2の決定ユニットによって決定された比例関係と、第1の決定ユニットによって決定されたテンプレート画像のプリセット方向での各分割位置とに基づいて、分割対象のROI画像のプリセット方向での各分割位置を決定するための第3の決定ユニットと、
第3の決定ユニットによって決定された分割対象のROI画像のプリセット方向での各分割位置に基づいて、第2の分割データを決定するための第4の決定ユニットと、を含む。
【0124】
選択的な一例では、
図10に示すように、当該装置は、
画像変倍モジュール902によって指定された、プリセット方向の寸法の値の約数と、第1の画像寸法におけるプリセット方向の寸法の値とに基づいて決定される第1の目標値を取得するための第1の取得モジュール904と、
取得されたROI画像のプリセット方向の寸法の値が第1の取得モジュール904によって取得された第1の目標値の整数倍であるか否かを判断して第1の判断結果を取得するための第2の取得モジュール905と、
第2の取得モジュール905によって取得された第1の判断結果に基づいて、取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たすか否かを決定するための第1の決定モジュール906と、をさらに、含む。
【0125】
図10に示すように、当該装置は、
取得されたROI画像上のプリセット位置の座標を取得するための第3の取得モジュール907と、
第3の取得モジュール907によって取得されたプリセット位置の座標が画像変倍モジュール902によって指定された座標属性を所持しているか否かを判断して第2の判断結果を取得するための第4の取得モジュール908と、
第4の取得モジュール908によって取得された第2の判断結果に基づいて、取得されたROI画像が指定の画像アライメント条件を満たすか否かを決定するための第2の決定モジュール909と、をさらに含む。
【0126】
図11は、本開示の一例示的な実施例に係る画像処理用コマンドの生成装置の概略構成図である。図11に示す装置は、決定モジュール1101と、取得モジュール1102と、生成モジュール1103と、を含む。
【0127】
決定モジュール1101は、画像変倍モジュールのハードウェア出力寸法が、画像処理モデルがサポートする第1の画像寸法とマッチングしていない場合、ハードウェア出力寸法および第1の画像寸法に基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像に対する分割方式情報を決定し、分割方式情報は、テンプレート画像を複数の画像ブロックに分割するために用いられ、複数の画像ブロックの各々の画像寸法が、いずれもハードウェア出力寸法とマッチングされるようにする。
【0128】
取得モジュール1102は、決定モジュール1101によって決定された分割方式情報に基づいて、第1の分割データを取得するために用いられる。
【0129】
生成モジュール1103は、取得モジュール1102によって取得された第1の分割データに基づいて、上記画像処理方法を実行するための画像処理用コマンドを生成するために用いられる。
【0130】
選択的な一例では、図12に示すように、決定モジュール1101は、
画像変倍モジュールがプリセット方向の寸法の値の約数を指定した場合、約数と第1の画像寸法におけるプリセット方向の寸法の値との積である第1の積を計算するための計算サブモジュール11011と、
計算サブモジュール11011によって計算された第1の積に基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像上の各分割位置を決定するための第1の決定サブモジュール11012と、
第1の決定サブモジュール11012によって決定された各分割位置に基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像に対する分割方式情報を決定するための第2の決定サブモジュール11013と、を含む。
【0131】
選択的な一例では、
第1の決定サブモジュール11012は、
第1の目標値と第2の目標値との積と第1の積とがプリセット関係を満たすように、第1の積に基づいて、第1の目標値および第2の目標値を決定するための第5の決定ユニットと、
テンプレート画像のプリセット方向において、決定された各分割位置により分割される各寸法区間の寸法の値が、いずれも第2の目標値の整数倍となるように、第5の決定ユニットによって決定された第2の目標値に基づいて、第1の画像寸法を有するテンプレート画像上の各分割位置を決定するための第6の決定ユニットと、を含む。
【0132】
当該装置は、
第5の決定ユニットによって決定された第1の目標値を記録するための記録モジュールをさらに含む。
【0133】
選択的な一例では、第5の決定ユニットは、
少なくとも1つの基準パラメータセットにおける各基準パラメータセットがいずれも2つの値を含み、いずれか1つの基準パラメータセットにおける2つの値の積と第1の積とがプリセット関係を満たすように、第1の積に基づいて、少なくとも1つの基準パラメータセットを決定するための第1の決定サブユニットと、
第1の決定サブユニットによって決定された少なくとも1つの基準パラメータセットから第1の基準パラメータセットを選択するための選択サブユニットと、
選択サブユニットによって選択された第1の基準パラメータセットにおける1つの値を第1の目標値とし、選択サブユニットによって選択された第1の基準パラメータセットにおける別の値を第2の目標値とするための第2の決定サブユニットと、を含む。
【0134】
選択的な一例では、選択サブユニットは、具体的に、
少なくとも1つの基準パラメータセットにおける各基準パラメータセットの合計アライメントコスト値をそれぞれ計算し、対応する合計アライメントコスト値の最も小さい基準パラメータセットを選択して第1の基準パラメータセットとする。
【0135】
選択的な一例では、選択サブユニットは、具体的に、
少なくとも1つの基準パラメータセットにおけるいずれか1つに含まれる2つの値のうちの大きい値に基づいて、テンプレート画像のプリセット方向での各分割位置を決定し、各分割位置のアライメントコスト値を計算し、取得された各アライメントコスト値の合計を計算して、いずれか1つの基準パラメータセットの合計アライメントコスト値を取得する。
【0136】
選択的な一例では、選択サブユニットは、具体的に、
いずれか1つの分割位置の座標におけるプリセット方向の座標を取得し、取得した座標といずれか1つの基準パラメータセットに含まれている2つの値のうちの大きい値との余り結果とを計算し、第1の積といずれか1つの基準パラメータセットに含まれている2つの値のうちの大きい値との比率を計算し、比率とプリセット値との間の差分値を計算し、プリセット調整因子に基づいて、余り結果および差分値に対して加重合計を行って、いずれか1つの分割位置のアライメントコスト値を取得する。
【0137】
[例示的な電子機器]
以下、図13を参照しながら本開示の実施例に係る電子機器について説明する。当該電子機器は、第1の機器および第2の機器のいずれか一方または両方であってもよく、これらの機器とは独立したスタンドアロン機器であってもよく、当該スタンドアロン機器は、第1の機器および第2の機器と通信して、これらの機器から収集された入力信号を受信することができる。
【0138】
図13は、本開示の実施例に係る電子機器のブロック図を示す。
【0139】
図13に示すように、電子機器1300は、1つまたは複数のプロセッサ1301と、メモリ1302と、を含む。
【0140】
プロセッサ1301は、中央処理装置、またはデータ処理能力および/またはコマンド実行能力を所持している他の形態の処理装置であることができ、電子機器1300内の他の構成を制御して、所望の機能を実行することができる。
【0141】
メモリ1302は、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリなどの様々な形態のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む1つまたは複数のコンピュータプログラム製品を含むことができる。前記揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/またはキャッシュメモリ(cache)を含むことができる。前記不揮発性メモリは、たとえば、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードディスク、フラッシュメモリなどを含むことができる。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、1つまたは複数のコンピュータプログラムコマンドが記憶されることができ、プロセッサ1301は、前記プログラムコマンドを実行することにより、上述した本開示の各実施例における画像処理方法または画像処理用コマンドの生成方法を実現することができる。また、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、入力信号、信号成分、ノイズ成分等の様々なコンテンツも格納されることができる。
【0142】
一例では、電子機器1300は、バスシステムおよび/または他の形態の接続機構(図示せず)を介して互に接続されている入力装置1303および出力装置1304をさらに、含むことができる。
【0143】
たとえば、電子機器1300が第1の機器または第2の機器である場合、入力装置1303は、マイクロフォンまたはマイクロフォンアレイであることができる。電子機器1300がスタンドアロン機器である場合、入力装置1303は、第1の機器または第2の機器から収集された入力信号を受信するための通信ネットワークコネクタであることができる。
【0144】
また、入力装置1303は、たとえば、キーボードやマウスなどがさらに含むことができる。出力装置1304は、決定された距離情報、方向情報などを含む様々な情報を外部に出力することができる。出力装置1304は、たとえば、ディスプレイ、スピーカ、プリンタ、通信ネットワークおよびそれらに接続される遠隔出力機器などをさらに含むことができる。
【0145】
説明の簡略化のために、図13には、電子機器1300内の構成の一部のみが示されており、バスや入出力インタフェースなどの構成は省略された。このほか、具体的な応用状況に応じて、電子機器1300は、任意の適切な他の構成をさらに含むことができる。
【0146】
[例示的なコンピュータプログラム製品およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体]
本開示の実施例は、上記の方法および機器以外に、コンピュータプログラムコマンドを含むコンピュータプログラム製品であることもでき、前記コンピュータプログラムコマンドがプロセッサによって実行されると、プロセッサが本明細書の上記「例示的な方法」に記載の本開示の様々な実施例に係る画像処理方法または画像処理用コマンドの生成方法におけるステップを実行する。
【0147】
前記コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせであり、本開示の実施例の操作を実行するためのプログラムコードを作成することができ、前記プログラミング言語は、Java(登録商標)、C++(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」言語または類似のプログラミング言語などの通常の手続き型プログラミング言語を含む。プログラムコードは、完全にユーザコンピューティングデバイス上で実行されることもできるし、一部的にユーザコンピューティングデバイス上で実行されることもできるし、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行されることもできるし、一部がユーザコンピューティングデバイス上で実行されかつ一部はリモートコンピューティングデバイス上で実行されることもできるし、完全にリモートコンピューティングデバイスまたはサーバ上で実行されることもできる。
【0148】
また、本開示の実施例は、コンピュータプログラムコマンドが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であることもでき、前記コンピュータプログラムコマンドがプロセッサによって実行されると、プロセッサが本明細書の上記「例示的な方法」に記載の本開示の様々な実施例に係る画像処理方法または画像処理用コマンドの生成方法におけるステップを実行する。
【0149】
前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、1つまたは複数の読み取り可能な媒体の任意の組み合わせを採用することができる。読み取り可能な媒体は、読み取り可能な信号媒体または読み取り可能な記憶媒体であることができる。読み取り可能な記憶媒体は、電気、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体のシステム、装置、またはデバイス、あるいはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、1つまたは複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、コンパクトディスク(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または上記の任意の適切な組み合わせを含むことができる。
【0150】
以上、具体的な実施例と併せて本開示の基本原理を説明したが、本開示において言及された利点、長所、効果は、例示に過ぎず、限定するためのことではない。それらの利点、長所、効果は、本開示の様々な実施例において不可欠なことである。また、上記開示の具体的な細部は、作用を例示して容易に理解させるためのことであり、限定するためのことではなく、上記細部は、本開示が必ず上記具体的な細部によって実現されると限定するためのことではない。
【0151】
本明細書における様々な実施例は、逐次的な方式で説明され、各実施例では、他の実施例との相違点を中心に説明し、各実施例間の同一または類似の部分は、互に参照すればよい。システムに係る実施例については、基本的に方法の実施例に対応するため、比較的簡単に説明したが、関連する箇所は方法の実施例の説明の一部を参照すればよい。
【0152】
本開示に係るデバイス、装置、機器、システムのブロック図は、単なる例示に過ぎず、必ずブロック図に示される方式で接続、配置、構成されることを要求または暗示することを意図していない。当業者であれば、これらのデバイス、装置、機器、システムを任意の方法で接続、配置、構成してもよいことが分かる。「含む」、「備える」、「有する」などの用語は、オープン型語彙であり、「を含むが、それらに限定されない」ということを意味し、それと互換的に使用され得る。本明細書に使用される「または」と「および」という用語は、「および/または」という用語を指し、文脈上で明らかに別の意味を示さない限り、それらと互換的に使用され得る。本明細書に使用される「ような」という単語は、「・・・ような・・・が、これに限定されない」というフレーズを意味し、それと互換的に使用され得る。
【0153】
いろいろな方式によって本開示の方法および装置を実現することができる。たとえば、本開示の方法および装置は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアの任意の組み合わせによって実現されることができる。前記方法のステップに用いられる上述の順序は、単に説明するためのものにすぎず、本開示の方法のステップは、特に明記されない限り、上記で具体的に説明した順序に限定されない。また、いくつかの実施例では、本開示は、記録媒体に記録されたプログラムによって実施され、これらのプログラムは、本開示に係る方法を実現するための機械読み取り可能なコマンドを含む。従って、本開示は、本開示に係る方法を実行するためのプログラムを格納する記録媒体も含む。
【0154】
なお、本開示の装置、機器および方法において、各部材またはステップは、分解および/または再組合せしてもよい。これらの分解および/または再組合せは、本開示の等価解決手段と見なすことができる。
【0155】
開示された態様についての上記の説明は、当業者が本開示を作成または使用することを可能にするために提供される。当業者にとって、これらの態様に対する様々な修正は明らかであり、本明細書に定義された一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の態様に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書に示された態様に制限されることを意図しておらず、本明細書に開示された原理および新規特徴と一致する最も広い範囲に従う。
【0156】
例示および説明の目的のために、上記の説明を提示した。さらに、この説明は、本開示の実施例を本明細書に開示されている形態に限定することを意図していない。以上、複数の例示的な態様および実施例を説明したが、当業者であれば、それらの特定の変形、修正、変更、追加、およびサブセットを認識することができる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】