(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-08
(54)【発明の名称】バッテリースウェリング検査装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/48 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
H01M10/48 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520755
(86)(22)【出願日】2021-03-03
(85)【翻訳文提出日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 KR2021002633
(87)【国際公開番号】W WO2021187777
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】10-2020-0034628
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ド-ユル
(72)【発明者】
【氏名】コ、ドン-ワン
(72)【発明者】
【氏名】リー、キ-ヨン
【テーマコード(参考)】
5H030
【Fターム(参考)】
5H030AA06
5H030AS06
5H030FF32
(57)【要約】
本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置は、板状で構成された下板と、板状で構成され、下板と対面して位置するように構成された上板と、下板の一部及び上板の一部が固定結合するように構成された固定フレームと、下板に固定結合し、ヘッドが上板に向かうように位置し、ヘッドに加えられる圧力を各々測定するように構成された複数の圧力測定素子と、上面が扁平形状で構成され、上面が上板に対面し、下面の少なくとも一部が複数の圧力測定素子の各々のヘッドに付着されるように構成された複数の加圧部材と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状で構成された下板と、
板状で構成され、前記下板と対面して位置するように構成された上板と、
前記下板の一部及び前記上板の一部が固定結合するように構成された固定フレームと、
前記下板に固定結合し、ヘッドが前記上板に向かうように位置し、前記ヘッドに加えられる圧力を各々測定するように構成された複数の圧力測定素子と、
上面が扁平形状で構成され、前記上面が前記上板に対面し、下面の少なくとも一部が前記複数の圧力測定素子の各々の前記ヘッドに付着されるように構成された複数の加圧部材と、を含む、バッテリースウェリング検査装置。
【請求項2】
前記複数の圧力測定素子の一部は、
前記ヘッドの少なくとも一部が傾いた形態で構成された、請求項1に記載のバッテリースウェリング検査装置。
【請求項3】
前記複数の圧力測定素子の一部は、
前記ヘッドの少なくとも一部が曲面の形態で構成された、請求項2に記載のバッテリースウェリング検査装置。
【請求項4】
前記複数の加圧部材の一部は、
前記下面の中央部が前記ヘッドと付着されるように構成された、請求項2に記載のバッテリースウェリング検査装置。
【請求項5】
前記複数の加圧部材の一部は、
前記上面が前記上板と所定の間隔を隔てて対面するように構成された、請求項1に記載のバッテリースウェリング検査装置。
【請求項6】
前記固定フレームは、
前記上面と前記上板との間隔が調節可能に構成された、請求項5に記載のバッテリースウェリング検査装置。
【請求項7】
前記複数の加圧部材の一部は、
前記上面及び前記下面を備える板状で構成された胴体部と、
前記胴体部の少なくとも一部から下方へ突出した形態で構成されたレッグ部と、を含む、請求項1に記載のバッテリースウェリング検査装置。
【請求項8】
前記複数の加圧部材の一部は、
前記胴体部と前記レッグ部との角度が変更可能に構成された、請求項7に記載のバッテリースウェリング検査装置。
【請求項9】
前記レッグ部は、
前記胴体部の少なくとも一部と結合し、ヒンジ回動が可能に構成された、請求項7に記載のバッテリースウェリング検査装置。
【請求項10】
一端が前記下板に付着され、他端が前記レッグ部に付着されるように構成された弾性部材をさらに含む、請求項7に記載のバッテリースウェリング検査装置。
【請求項11】
前記胴体部は、
圧力が加えられる位置に対応するように前記ヘッドを中心に傾くように構成され、
前記レッグ部は、
前記胴体部が傾いた程度によって収縮または膨張する前記弾性部材によって上方または前記下方へ移動可能に構成された、請求項10に記載のバッテリースウェリング検査装置。
【請求項12】
一端が前記下板に付着され、前記レッグ部が挿入されるように内部に中空または溝が形成されるように構成された支持部材をさらに含む、請求項10に記載のバッテリースウェリング検査装置。
【請求項13】
前記弾性部材は、
前記中空または前記溝の内部に位置するように構成された、請求項12に記載のバッテリースウェリング検査装置。
【請求項14】
前記下板の上面を複数の区域に区画するように前記下板の上面から上方へ突出した形態で構成されたガイド部材をさらに含む、請求項1に記載のバッテリースウェリング検査装置。
【請求項15】
前記複数の圧力測定素子と連結され、前記複数の圧力測定素子の各々から測定された圧力値を受信し、前記上板と前記複数の加圧部材との間にバッテリーセルが介在された場合、受信した複数の圧力値に基づいて前記バッテリーセルのスウェリング分布及び前記バッテリーセルの部位別スウェリング程度のうち少なくとも一つを判断するように構成された制御部をさらに含む、請求項1に記載のバッテリースウェリング検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリースウェリング検査装置に関し、より詳しくは、バッテリーセルのスウェリング検査が可能なバッテリースウェリング検査装置に関する。
【0002】
本出願は、2020年3月20日出願の韓国特許出願第10-2020-0034628号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートブックPC、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能バッテリーについての研究が活発に進行しつつある。
【0004】
現在、商用化したバッテリーとしては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどがあり、このうち、リチウムバッテリーは、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリー効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなバッテリーは、充電及び放電過程または高温状態で内部にガスが発生して脹れ上がるスウェリング(Swelling)が発生し得る。バッテリーはスウェリングによって火事または爆発の危険があるため、バッテリーのスウェリング挙動を正確に検査することが重要である。
【0006】
従来には複数のロードセルを用いてバッテリーのスウェリングを検査する装置が開示された(特許文献1)。特許文献1を参照すると、第1板、複数のロードセル、第2板、被測定物(バッテリーセル)及び第3板が積層され、第1板、第2板及び第3板は、複数の締結部材によって固定される。特に、バッテリーセルと複数のロードセルとの間に備えられた第2板が締結部材によって固定されることから、バッテリーセルの部位別スウェリング圧力が複数のロードセルに伝達されるのに損失が大きく発生するしかない構造である。即ち、特許文献1は、締結部材によってスウェリング圧力による第2板の動きが拘束されるため、バッテリーセルのスウェリングを正確に検査できないという限界がある。
【0007】
また、特許文献1の
図9を参照すると、第2板が複数の部分平板から構成され、各部分平板は連結部によって相互に連結される構造が開示されている。部分平板が相互に連結されているため、いずれか一つの部分平板に加えられるスウェリング圧力が他の部分平板にも影響を及ぼすという問題がある。
【0008】
また、特許文献1の複数の部分平板は、弾性または軟性を有する材質から形成された連結部によって相互に拘束される。即ち、いずれか一つの部分平板にスウェリング圧力が加えられると、このようなスウェリング圧力は下方に位置したロードセルのみに向かって伝達されるのではなく、連結部によって分散するという問題がある。
【0009】
上述した問題を考慮すると、特許文献1に開示されたバッテリーセル圧力測定装置によって測定されるバッテリーセルの圧力は、不正確であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2017-0042082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数の圧力測定素子の各々が、対応するバッテリーセルの部位別圧力を独立的に測定することができるバッテリースウェリング検査装置を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一面によるバッテリースウェリング検査装置は、板状で構成された下板と、板状で構成され、下板と対面して位置するように構成された上板と、下板の一部及び上板の一部が固定結合するように構成された固定フレームと、下板に固定結合し、ヘッドが上板に向かうように位置し、ヘッドに加えられる圧力を各々測定するように構成された複数の圧力測定素子と、上面が扁平形状で構成され、上面が上板に対面し、下面の少なくとも一部が複数の圧力測定素子の各々のヘッドに付着されるように構成された複数の加圧部材を含み得る。
【0014】
圧力測定素子は、ヘッドの少なくとも一部が傾いた形態で構成され得る。
【0015】
圧力測定素子は、ヘッドの少なくとも一部が曲面の形態で構成され得る。
【0016】
加圧部材は、下面の中央部がヘッドと付着されるように構成され得る。
【0017】
加圧部材は、上面が上板と所定の間隔を隔てて対面するように構成され得る。
【0018】
固定フレームは、上面と上板との間隔が調節可能に構成され得る。
【0019】
加圧部材は、上面及び下面を備える板状で構成された胴体部と、胴体部の少なくとも一部から下方へ突出した形態で構成されたレッグ部と、を含み得る。
【0020】
加圧部材は、胴体部とレッグ部との角度が変更可能に構成され得る。
【0021】
レッグ部は、胴体部の少なくとも一部と結合し、ヒンジ回動が可能に構成され得る。
【0022】
本発明の他面によるバッテリースウェリング検査装置は、一端が下板に付着され、他端がレッグ部に付着されるように構成された弾性部材をさらに含み得る。
【0023】
胴体部は、圧力が加えられる位置に対応するようにヘッドを中心に傾くように構成され得る。
【0024】
レッグ部は、胴体部が傾いた程度によって収縮または膨張する弾性部材によって上方または下方へ移動可能に構成され得る。
【0025】
なお、本発明のさらに他面によるバッテリースウェリング検査装置は、一端が下板に付着され、レッグ部が挿入されるように内部に中空または溝が形成されるように構成された支持部材をさらに含み得る。
【0026】
弾性部材は、中空または溝の内部に位置するように構成され得る。
【0027】
本発明のさらに他面によるバッテリースウェリング検査装置は、下板の上面を複数の区域に区画するように下板の上面から上方へ突出した形態で構成されたガイド部材をさらに含み得る。
【0028】
本発明のさらに他面によるバッテリースウェリング検査装置は、複数の圧力測定素子と連結され、複数の圧力測定素子の各々から測定された圧力値を受信し、上板と加圧部材との間にバッテリーセルが介在された場合、受信した複数の圧力値に基づいてバッテリーセルのスウェリング分布及びバッテリーセルの部位別スウェリング程度のうち少なくとも一つを判断するように構成された制御部をさらに含み得る。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一面によると、バッテリーセルのスウェリング分布及び/またはバッテリーセルの部位別スウェリング程度をより正確に測定することができる。
【0030】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は請求範囲の記載から当業者により明らかに理解されるだろう。
【0031】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置を概略的に示したブロック図である。
【
図2】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置を概略的に示した図である。
【
図3】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置の圧力測定素子を示した図である。
【
図4】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置において、圧力測定素子と加圧部材の分解斜視図である。
【
図5】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置において、圧力測定素子と加圧部材の結合斜視図である。
【
図6】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置において、加圧部材の他の実施例を示した図である。
【
図7】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置を概略的に示した図である。
【
図8】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置において、加圧部材の一実施例を示した図である。
【
図9】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置において、加圧部材をより具体的に示した図である。
【
図10】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置において、加圧部材が傾いた状態を示した図である。
【
図11】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置において、弾性部材がさらに含まれた実施例を概略的に示した図である。
【
図12】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング装置において、支持部材がさらに含まれた実施例を概略的に示した図である。
【
図13】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング装置において、支持部材がさらに含まれた実施例を概略的に示した図である。
【
図14】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング装置において、支持部材がさらに含まれた実施例を概略的に示した図である。
【
図15】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置に置いて、ガイド部材がさらに含まれた実施例を概略的に示した図である。
【
図16】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置に置いて、ガイド部材がさらに含まれた実施例を概略的に示した図である。
【
図17】本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置を用いたバッテリーセルのスウェリング検査結果を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0034】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0035】
また、本発明に関連する公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨をぼやかすと判断される場合、その説明を省略する。
【0036】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちいずれか一つを残りと区別する目的として使用され、このような用語によって構成要素が限定されることではない。
【0037】
なお、明細書の全体にかけて、ある部分が、ある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反する記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0038】
また、明細書に記載の「制御部」のような用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を示し、これはハードウェアやソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの結合せにより具現され得る。
【0039】
さらに、明細書の全体に亘って、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(接続)」されている場合のみならず、その中間に他の素子を介して「間接的に(接続)」されている場合も含む。
【0040】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。
【0041】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100を概略的に示したブロック図である。
図2は、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100を概略的に示した図である。
【0042】
本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100は、バッテリーセル10のスウェリングを検査するための装置であって、スウェリング分布及び/またはスウェリング程度を検査することができる。
【0043】
ここで、バッテリーセル10は、負極端子及び正極端子を備え、物理的に分離可能な一つの独立したセルを意味する。一例で、パウチ型リチウムポリマーセル一つがバッテリーセとして看做され得る。
【0044】
一般的に、バッテリーセル10の体積が脹れ上がるバッテリースウェリングは、バッテリーセル10の中央部のみならず、周辺部でも発生し得る。ここで、周辺部とは、中央部を除いた領域を指す。したがって、バッテリースウェリング検査装置100は、スウェリングによるバッテリーセル10の圧力分布(スウェリング分布)及び/またはスウェリングによるバッテリーセル10の部位別圧力の大きさ(スウェリング程度)を検査できる。
【0045】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100は、下板110、上板120、固定フレーム130、圧力測定素子140及び加圧部材150を含み得る。
【0046】
下板110は、板状で構成され得る。
【0047】
具体的には、下板110は、複数の圧力測定素子140が付着されるように板状で構成され得る。例えば、
図2の実施例において、下板110は、平板状の形態で構成され得る。
【0048】
上板120は、板状から構成され、下板110と対面して位置するように構成され得る。
【0049】
具体的には、上板120は、平板状で構成され、上板120の下面がバッテリーセル10の上面と接触し得る。
【0050】
望ましくは、上板120とバッテリーセルと10は、着脱可能である。例えば、バッテリーセル10のスウェリング検査が行われるとき、上板120の下面にバッテリーセル10の上面が付着され得る。そして、バッテリーセル10のスウェリング検査が終了すると、バッテリーセル10は上板120から分離され得る。
【0051】
また、上板120と下板110との間にバッテリーセル10が介在されるため、上板120と下板110は相互に対面するように位置し得る。
【0052】
例えば、
図2の実施例において、上板120と下板110は、相互に対面するように位置し、上板120と下板110との間にバッテリーセル10が備えられ得る。
【0053】
固定フレーム130は、下板110の一部及び上板120の一部が固定結合するように構成され得る。
【0054】
具体的には、固定フレーム130は、上板120及び下板110が搖れたり回転したりしないように、上板120及び下板110を固定し得る。
【0055】
圧力測定素子140は、複数個が備えられ得る。そして、複数の圧力測定素子140は、下板110に固定結合し得る。
【0056】
ここで、バッテリースウェリング検査装置100に備えられる圧力測定素子140の個数は制限されないが、より多い個数の圧力測定素子140が備えられると、スウェリング検査の正確度が向上する。以下では、説明の便宜のために、9個の圧力測定素子140が備えられたと仮定して説明する。
【0057】
また、複数の圧力測定素子140は相互に一定の間隔で離隔しており、下板110に固定結合し得る。
【0058】
例えば、複数の圧力測定素子140が下板110の一部に偏って固定結合した場合、バッテリーセル10のスウェリング分布が正確に測定されないことがある。したがって、複数の圧力測定素子140は、所定の間隔を隔てて下板110に配置され得る。
【0059】
圧力測定素子140は、ヘッド141が上板120に向かうように位置し、ヘッド141に加えられる圧力を各々測定するように構成され得る。
【0060】
図3は、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100の圧力測定素子140を示した図である。
【0061】
図3を参照すると、圧力測定素子140は、ヘッド141とボディー142を含み得る。そして、圧力測定素子140は、ヘッド141に加えられる圧力を測定するように構成され得る。例えば、圧力測定素子140としてロードセルが適用され得る。
【0062】
具体的には、バッテリーセル10のスウェリングが発生すると、複数の圧力測定素子140の各々のヘッド141にスウェリング圧力が加えられ得る。複数の圧力測定素子140の各々は、ヘッド141に加えられたスウェリング圧力を測定し得る。この場合、複数の圧力測定素子140は、圧力を測定する過程で相互に影響を与えないため、バッテリーセル10でスウェリングが発生する位置によって複数の圧力測定素子140により測定されるスウェリング圧力は相違し得る。
【0063】
加圧部材150は、複数個が備えられ得る。望ましくは、加圧部材150の個数は、複数の圧力測定素子140の個数に対応し得る。
【0064】
加圧部材150は、上面が扁平状で構成され、上面が上板120に対面するように構成され得る。
【0065】
具体的には、加圧部材150と上板120との間には、バッテリーセル10が介在され得る。加圧部材159の上面がバッテリーセル10と接触するとき、バッテリーセル10のスウェリング圧力が加圧部材150に加えられるように加圧部材150の上面は扁平に構成され得る。
【0066】
例えば、
図2の実施例において、加圧部材150の上面と上板120との間にバッテリーセル10が介在されて固定され得る。
【0067】
加圧部材150は、下面の少なくとも一部が複数の圧力測定素子140の各々のヘッド141に付着されるように構成され得る。
【0068】
例えば、圧力測定素子140のヘッド141と加圧部材150とは相互に付着可能な磁性体から形成され得る。より望ましくは、圧力測定素子140のヘッド141の上端と、加圧部材150の下面の中央部は、磁性体から形成され得る。したがって、磁性によって、加圧部材150の下面の中央部が圧力測定素子140のヘッド141の上端に付着され得る。また、加圧部材150は、圧力測定素子140のヘッド141に着脱可能である。
【0069】
図4は、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100において、圧力測定素子140と加圧部材150の分解斜視図である。
図5は、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100において、圧力測定素子140と加圧部材150の結合斜視図である。
【0070】
図4及び
図5を参照すると、複数の加圧部材150は、対応する圧力測定素子140に付着され得る。即ち、複数の加圧部材150と複数の圧力測定素子140は、一対一に相互に対応し得る。
【0071】
例えば、加圧部材150の下面(-z方向の面)の中央部がヘッド141の上端(+z方向の上端)に付着され得る。望ましくは、加圧部材150は、上面(+z方向面)が下板110と平行に圧力測定素子140のヘッド141に付着され得る。
【0072】
そして、
図5を参照すると、複数の加圧部材150は相互に所定の距離で離隔して位置し得る。
【0073】
例えば、第1加圧部材150は、第1圧力測定素子140aに対応し、第2加圧部材150は、第2圧力測定素子140bに対応すると仮定する。第1加圧部材150にバッテリーのスウェリング圧力が加えられた場合、第1加圧部材150は、第1圧力測定素子140aのヘッド141にスウェリング圧力を伝達し得る。即ち、スウェリング圧力によって第1加圧部材150へ下方(-z方向)の圧力が加えられ、このスウェリング圧力は、第1加圧部材150を通じて第1圧力測定素子140aのヘッド141へ伝達され得る。第1加圧部材150及び第2加圧部材150は、相互に所定の距離で離隔して相互に接触しないため、第1加圧部材150に加えられたスウェリング圧力は、第2加圧部材150に直接的な影響を及ぼさない。
【0074】
圧力測定素子140は、ヘッド141の少なくとも一部が傾いた形態で構成され得る。
【0075】
具体的には、加圧部材150にスウェリング圧力が加えられると、加圧部材150は、加えられたスウェリング圧力によって押圧され得る。また、加圧部材150は、スウェリング圧力が加えられた位置に対応するように傾き得る。
【0076】
例えば、加圧部材150の中央部から外れた位置でスウェリング圧力が加えられる場合、加圧部材150は、ヘッド141の上端を中心にして傾き得る。即ち、加圧部材150の下面の中央部(ヘッド141の上端に付着された部分)が支点(Supporting point)として作用し得る。
【0077】
図5を参照すると、圧力測定素子140のボディー142は、下板110に固定結合し、圧力測定素子140のヘッド141は、上下方向へ動き得る。例えば、
図5において、ヘッド141は、上方(+z方向)及び下方(-z方向)へ動き得る。したがって、前述した例示のように加圧部材150が傾く過程で加圧部材150に加えられる力が圧力測定素子140のヘッド141へよく伝達されるように、加圧部材150が付着される圧力測定素子140のヘッド141の上端(+z方向の上端)の一部は傾いた形態で構成され得る。
【0078】
例えば、圧力測定素子140のヘッド141の少なくとも一部は角形または曲面形態で構成され得る。望ましくは、圧力測定素子140は、ヘッド141の少なくとも一部が曲面形態で構成され得る。
【0079】
したがって、加圧部材150にスウェリング圧力が加えられて加圧部材150が傾くとき、圧力測定素子140のヘッド141の形状によって加圧部材150の動きが拘束されることが最小化できる。即ち、圧力測定素子140のヘッド141は、加圧部材150が傾きやすい形態で構成されるため、加えられる圧力に応じて加圧部材150が容易に傾くことができる。
【0080】
また、加圧部材150の胴体部151と圧力測定素子140のヘッド141の上端が磁性体から形成され、加圧部材150は、傾いた後、元の形態に戻りやすく構成され得る。
【0081】
図6は、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100において、加圧部材150の他の実施例を示した図である。
【0082】
図6を参照すると、加圧部材150の下面の中央部には圧力測定素子140のヘッド141に対応する溝が備えられ得る。望ましくは、加圧部材150の下面溝の曲率は圧力測定素子140のヘッド141の上端の曲率以下であり得る。
【0083】
例えば、加圧部材150の下面の溝と圧力測定素子140のヘッド141の上端とが相互に磁性によって付着され得る。そして、加圧部材150にスウェリング圧力が加えられる場合、加圧部材150は、圧力測定素子140のヘッド141によって容易に傾き得る。
【0084】
図7は、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100を概略的に示した図である。
【0085】
図7を参照すると、加圧部材150は、上面が上板120と所定の間隔を隔てて対面するように構成され得る。
【0086】
このために、固定フレーム130は、上面と上板120との間隔が調節可能に構成され得る。
【0087】
具体的には、固定フレーム130は、下板110及び上板120が結合した位置が調節されるように構成され得る。望ましくは、バッテリーセル10が加圧部材150と上板120との間に固定されるように、固定フレーム130から下板110及び上板120が固定結合する位置が調節され得る。これによって、加圧部材150の上面と上板120の下面との間隔が調節可能になる。
【0088】
例えば、
図7の実施例において、固定フレーム130は、下板110及び上板120が固定される位置を垂直方向(z方向)へ調節可能に構成され得る。
【0089】
もし、加圧部材150の上面と上板120の下面と間隔が調節不可能な場合、検査対象になるバッテリーセル10の種類が限定されるという問題がある。
【0090】
したがって、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100は、下板110と上板120との間隔が調節可能に構成された固定フレーム130を備え、多様な厚さ(例えば、
図7において、バッテリーセル10のz方向の長さ)を有するバッテリーセル10のスウェリングの検査が可能であるという長所がある。
【0091】
図8は、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100において、加圧部材150の一実施例を示した図である。
【0092】
加圧部材150は、胴体部151とレッグ部152を含み得る。
【0093】
胴体部151は、上面及び下面を備える板状で構成され得る。そして、レッグ部152は、胴体部151の少なくとも一部から下方へ突出した形態で構成され得る。
【0094】
例えば、
図8の実施例において、胴体部151は、上面(+z方向の面)と下面(-z方向の面)を備える板状で構成され得る。そして、レッグ部152は、胴体部151の一部から下方(-z方向)へ突出し得る。
【0095】
例えば、傾いた加圧部材150と隣接する加圧部材150が相互に接触する場合、傾いた加圧部材150に対応する圧力測定素子140にバッテリーセル10のスウェリング圧力が正確に伝達されないことがある。この場合、複数の圧力測定素子140によって検査されるバッテリーセル10のスウェリング分布の正確度が低くなり得る。したがって、いずれか一つの加圧部材150が回転されても、隣接する加圧部材150と接触しないように、複数の圧力測定素子140は相互に所定の間隔を隔てて下板110に配置され得る。
【0096】
望ましくは、加圧部材150は、胴体部151とレッグ部152との角度が変更可能に構成され得る。
【0097】
図9は、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100において、加圧部材150をより具体的に示した図である。
図10は、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100において、加圧部材150が傾いた状態を示した図である。
【0098】
具体的には、
図9は、加圧部材150が傾いていない状態であり、
図10は、スウェリング圧力Fによって加圧部材150が傾いている状態である。
【0099】
図9を参照すると、加圧部材150が傾く前に胴体部151とレッグ部152との角度はA1゜及びB1゜であり得る。そして、
図10を参照すると、加圧部材150にスウェリング圧力Fが加えられて加圧部材150が回転されると、胴体部151とレッグ部152との角度がA2゜及びB2゜に変更され得る。
【0100】
具体的には、レッグ部152は、胴体部151の少なくとも一部と結合し、ヒンジ回動可能に構成され得る。
【0101】
即ち、レッグ部152と胴体部151は、ヒンジピン153によって相互に結合し得る。そして、レッグ部152と胴体部151は、ヒンジピン153を軸にして回動可能に結合し得る。これによって、加圧部材150の胴体部151が傾いても、レッグ部152は下方(-z方向)に向かい得る。
【0102】
また、
図7を参照すると、レッグ部152と胴体部151は、ヒンジ回動が可能に構成されているため、複数の加圧部材150のうち一部の胴体部151が傾いても、複数の加圧部材150のレッグ部152は相互に接触しなくなる。即ち、加圧部材150のレッグ部152がいつも下方(-z)に向かうことができるため、下板110に配置される複数の加圧素子の配置間隔をより狭く設定することが可能になる。
【0103】
したがって、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100は、下板110にはより多い個数の加圧素子を配置することで、バッテリーセル10のスウェリング分布及び/またはスウェリング程度がより正確に検査できる。
【0104】
図11は、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100において、弾性部材160がさらに含まれた実施例を概略的に示した図である。具体的には、
図11は、バッテリースウェリング検査装置100において、一つの圧力測定素子140、一つの加圧部材150と弾性部材160のみを概略的に示した図である。但し、
図11の構造は、
図7の実施例にも適用可能であることに留意する。
【0105】
図11を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100は、弾性部材160をさらに含み得る。
【0106】
弾性部材160は、一端が下板110に付着され、他端がレッグ部152に付着されるように構成され得る。
【0107】
より具体的には、胴体部151は、圧力が加えられる位置に対応するようにヘッド141を中心にして傾くように構成され得る。即ち、胴体部151は圧力が加えられる位置に対応するように、ヘッド141を中心にして回転され得る。
【0108】
そして、レッグ部152は、胴体部151が傾いた程度によって収縮または膨張する弾性部材160によって上方(+z方向)または下方(-z方向)へ移動可能に構成され得る。
【0109】
例えば、
図9の実施例のように、スウェリング圧力が一時的に加えられた後にも加圧部材150が傾いた状態を維持し続けると、以後に加えられるスウェリング圧力が加圧部材150を介して圧力測定素子140に正確に伝達されないことがある。
【0110】
一方、
図11を参照すると、加圧部材150にスウェリング圧力が加えられて胴体部151が傾くと、弾性部材160は収縮または膨張し得る。そして、スウェリング圧力がなくなると、弾性部材160の弾性力によって傾いた加圧部材150が元の位置へ容易に戻り得る。
【0111】
したがって、バッテリースウェリング検査装置100は、下板110と加圧部材150とを連結する弾性部材160をさらに備え、加圧部材150に加えられるスウェリング圧力が消滅したとき、加圧部材150を元の状態に容易に戻し得る。これによって、バッテリーセル10が複数回の充電及び放電するスウェリング検査過程で、バッテリーセル10のスウェリング分布及び/またはスウェリング程度をより正確に検査することができる。
【0112】
図12~
図14は、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング装置において、支持部材170がさらに含まれた実施例を概略的に示した図である。
【0113】
具体的には、
図12及び
図13は、バッテリースウェリング検査装置100において、一つの圧力測定素子140、一つの加圧部材150、弾性部材160及び支持部材170のみを概略的に示した図である。
【0114】
より具体的には、
図12は、加圧部材150に二つのレッグ部152が備えられ、支持部材170が二つ備えられた実施例である。
図13は、加圧部材150に4個のレッグ部152が備えられ、支持部材170が4個備えられた実施例である。
【0115】
また、
図14は、複数の加圧部材150の各々にレッグ部152が二つずつ備えられ、各々のレッグ部152が支持部材170に挿入されたバッテリースウェリング検査装置100の一実施例を示した図である。
【0116】
図12~
図14を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100は、支持部材170をさらに含み得る。
【0117】
支持部材170は、一端が下板110に付着され、レッグ部152が挿入されるように内部に中空または溝が形成されるように構成され得る。
【0118】
支持部材170の内部にレッグ部152が挿入され、レッグ部152は支持部材170の内部のみで動くことができるため、加圧部材150の胴体部151が回転しても隣接するレッグ部152との接触が遮断できる。
【0119】
本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100は、支持部材170をさらに備えることで、下板110に配置される複数の圧力測定素子140の間隔(具体的には、複数の加圧部材150同士の間隔)をより狭く設定することができる。これによって、下板110に配置可能な圧力測定素子140の個数が増加するため、バッテリーセル10のスウェリング分布及び/またはスウェリング程度をより正確に検査することができる。
【0120】
望ましくは、弾性部材160は、中空または溝の内部に位置するように構成され得る。
【0121】
例えば、
図12の実施例において、支持部材170の内部には中空が形成され得る。そして、弾性部材160は、支持部材170の中空の内部に備えられ、一端が下板110の上面(+z方向面)に付着され、他端が中空に挿入されたレッグ部152の下面(-z方向面)に付着され得る。
【0122】
他の例で、支持部材170の内部には溝が形成され得る。この場合、弾性部材160は、支持部材170の溝に装着され、一端が支持部材170の溝の上面(+z方向面)に付着され、他端が溝に挿入されたレッグ部152の下面(-z方向面)に付着され得る。
【0123】
即ち、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100は、隣接する加圧部材150との接触を防止するための支持部材170をさらに含み、複数の圧力測定素子140が各々測定するバッテリーセル10のスウェリング圧力の正確度を向上させることができる。
【0124】
また、バッテリースウェリング検査装置100は、支持部材170の内部に弾性部材160を備えることで、加圧部材150の胴体部151が回転された後、元の位置へより容易に戻るようにし得る。
【0125】
図15及び
図16は、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100において、ガイド部材180がさらに含まれた実施例を概略的に示した図である。
【0126】
図15及び
図16を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100は、ガイド部材180をさらに含み得る。
【0127】
ガイド部材180は、下板110の上面(+z方向の面)を複数の区域に区画するように下板110の上面から上方(+z方向)へ突出した形態で構成され得る。
【0128】
ガイド部材180は、下板110に一体型で構成されるか、または下板110と別に構成され、下板110に付着され得る。例えば、
図15及び
図16の実施例は、ガイド部材180と下板110が各々構成され、ガイド部材180が下板110に付着された実施例である。
【0129】
図15及び
図16を参照すると、下板110の上面は、ガイド部材180によって複数の区域に区画され得る。そして、各々の区域には圧力測定素子140及び加圧部材150が備えられ得る。また、前述した多様な実施例を参照すると、各々の区域には弾性部材160または支持部材170の少なくとも一つがさらに備えられ得る。
【0130】
本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100は、ガイド部材180をさらに備えることで、複数の加圧部材150同士の接触を予め防止可能な長所がある。
【0131】
一方、バッテリーセル10のスウェリング程度がひどくてバッテリーセル10の体積変化が大きいと、弾性部材160の変形力が弾性限界(Elastic limit)を超過することが発生し得る。即ち、加圧部材150の胴体部151が過度に回転されると、一部の弾性部材160は、弾性限界を超過するように膨張し得る。このような場合、弾性限界を超過するように膨張した弾性部材160は、塑性変形(Plastic deformation)され得る。したがって、このような弾性部材160を用いては、これ以上バッテリーセル10のスウェリング分布及び/またはスウェリング程度を正確に測定できないという問題がある。
【0132】
例えば、
図16の実施例において、加圧部材150の上面は、ガイド部材180の上面から所定の長さL2で突出し得る。そして、バッテリーセル10のスウェリングが発生すると、バッテリーセル10の体積が増加して加圧部材150を押圧し得る。ここで、上板120と下板110は、固定フレーム130によって搖れたり、または回転したりしないように固定されるため、増加したバッテリーセル10の体積だけ加圧部材150にスウェリング圧力が加えられ得る。
【0133】
このような問題を未然に防止するために、ガイド部材180の高さL2は、弾性部材160の弾性限度を考慮して決定され得る。
【0134】
即ち、ガイド部材180は、バッテリーセル10の体積が一定水準以上に増加することを防止することで、加圧部材150が一方向へ過度に回転されて弾性部材160が弾性限度を超過するように膨張することを防止できる。
【0135】
望ましくは、ガイド部材180の高さは、弾性部材160の弾性限度及び下板110の上面から加圧部材150の上面までの高さ(L1+L2)を考慮して決定され得る。
【0136】
より望ましくは、ガイド部材180の高さは、弾性部材160の弾性限度、下板110の上面から加圧部材150の上面までの高さ(L1+L2)及びバッテリーセル10の最大膨張程度を総合的に考慮して決定され得る。
【0137】
したがって、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100は、弾性部材160の破損を防止して検査装置のメインテナンス費用を節約できるという長所がある。
【0138】
また、バッテリースウェリング検査装置100は、弾性部材160の破損可能性を飛躍的に低めることができるので、バッテリーセル10のスウェリング分布及び/またはスウェリング程度をより正確に検査可能であるという長所がある。
【0139】
図1を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100は、制御部190をさらに含み得る。
【0140】
ここで、制御部190は、本発明で行われる多様な制御ロジッグを実行するために当業界に知られたプロセッサ、ASIC(application specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)、他のチップセット、論理回路、レジスター、通信モデム、データ処理装置などを選択的に含み得る。また、制御ロジッグがソフトウェアとして具現されるとき、制御部190は、プログラムモジュールの集合として具現され得る。この際、プログラムモジュールはメモリーに保存され、制御部190によって実行され得る。メモリーは、制御部190の内部または外部にあってもよく、公知の多様な手段で制御部190と接続され得る。
【0141】
制御部190は、複数の圧力測定素子140と接続され、複数圧力測定素子140の各々から測定された圧力値を受信するように構成され得る。
【0142】
例えば、制御部190は、複数の圧力測定素子140と有線で通信可能に接続され得る。そして、制御部190は、複数の圧力測定素子140から測定された圧力値を受信し得る。即ち、制御部190は、複数の圧力測定素子140各々が測定したバッテリーセル10のスウェリング圧力値を受信し得る。
【0143】
また、制御部190は、上板120と加圧部材150との間にバッテリーセル10が介在された場合、受信した複数の圧力値に基づいてバッテリーセル10のスウェリング分布またはバッテリーセル10の部位別スウェリング程度のうち少なくとも一つを判断するように構成され得る。
【0144】
例えば、
図7の実施例において、第1圧力測定素子140aは、バッテリーセル10の第1部位の圧力値を測定し得る。そして、第2圧力測定素子140bは、バッテリーセル10の第2部位の圧力値を測定し、第3圧力測定素子140cは、バッテリーセル10の第3部位の圧力値を測定し得る。以下では、
図7の実施例に基づいて説明するが、
図14及び
図16の実施例においても同一に適用可能であることに留意する。
【0145】
制御部190は、第1圧力測定素子140aから第1圧力値を受信し得る。そして、制御部190は、第2圧力測定素子140bから第2圧力値を受信し、第3圧力測定素子140cから第3圧力値を受信し得る。
【0146】
制御部190は、第1圧力値、第2圧力値及び第3圧力値を各々基準にして、バッテリーセル10の第1部位、第2部位及び第3部位に対するスウェリング分布を判断し得る。
【0147】
また、制御部190は第1圧力値と基準圧力値との第1圧力差値を算出し、第2圧力値と基準圧力値との第2圧力差値を算出し、第3圧力値と基準圧力値との第3圧力差値を算出し得る。
【0148】
制御部190は、第1圧力差値、第2圧力差値及び第3圧力差値を予め設定された複数の圧力区間に対応させ、バッテリーセル10の第1部位、第2部位及び第3部位各々のスウェリング程度を判断し得る。
【0149】
ここで、複数の圧力区間は、正常区間、警告区間及び危険区間に予め設定され得る。そして、複数の圧力区間は、制御部190の内部メモリーまたは外部メモリーに保存され得る。
【0150】
例えば、複数の圧力区間中、第1圧力差値は危険区間に属し、第2圧力差値は警告区間に属し、第3圧力差値は正常区間に属すると仮定する。制御部190は、バッテリーセル10の第1部位のスウェリング程度が危険水準であり、第2部位のスウェリング程度が警告水準であり、第3部位のスウェリング程度が正常水準であると判断し得る。
【0151】
より望ましくは、制御部190は、バッテリーセル10の部位別スウェリング分布を先に判断した後、スウェリングが発生したと判断されたバッテリーセル10の部位のみのスウェリング程度を判断するように構成され得る。
【0152】
前述した実施例において、制御部190がバッテリーセル10の第1部位及び第2部位でスウェリングが発生したことに判断したと仮定する。制御部190は、バッテリーセル10の第1部位の第1圧力差値を予め設定された複数の圧力区間に対応させ、第1部位のスウェリング程度を判断し得る。また、制御部190は、バッテリーセル10の第2部位の第2圧力差値を予め設定された複数の圧力区間に対応させ、バッテリーセル10の第2部位のスウェリング程度を判断し得る。ここで、制御部190は、受信した複数の圧力値と基準圧力値との大きさを比較して、受信した圧力値が基準圧力値以上であれば、スウェリングが発生しと判断し得る。
【0153】
即ち、本発明の他の実施例によるバッテリースウェリング検査装置100は、バッテリーセル10のスウェリング分布及び/またはバッテリーセル10の部位別スウェリング程度を判断し得る。したがって、バッテリーセル10でスウェリングが発生した部位を具体的に特定することができる。
【0154】
また、バッテリースウェリング検査装置100は、バッテリーセル10の部位別スウェリング程度を具体的に判断できるため、バッテリーセル10のスウェリングが発生した原因を分析するための情報を提供できるという長所がある。
【0155】
例えば、バッテリースウェリング検査装置100から得られたバッテリーセル10のスウェリング分布及び部位別スウェリング程度に基づいて、スウェリングの原因がガス生成による圧力上昇であるか、または異物の流入による圧力上昇であるかが区分され得る。
【0156】
図17は、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100を用いたバッテリーセル10のスウェリング検査結果を概略的に示した図である。
【0157】
図17に示したバッテリーセル10のスウェリング分布を参照すると、9個に区画されたバッテリーセル10の部位(A~I)のうち-y方向における部位でスウェリングの程度が最もひどいと判断し得る。即ち、
図7の実施例において、最も-y方向に位置した三つの圧力測定素子140のうち第2圧力測定素子140bに対応するバッテリーセル10の部位Hでスウェリングが最もひどく発生したことが分かる。
【0158】
このように、本発明の一実施例によるバッテリースウェリング検査装置100は、バッテリーセル10の部位別スウェリング分布を用いて、バッテリーセル10のどの部位でスウェリングが最もひどく発生するかを検査できる。
【0159】
以上で説明した本発明の実施例は、必ずしも装置及び方法を通じて具現されることではなく、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じて具現され得、このような具現は、本発明が属する技術分野における専門家であれば、前述した実施例の記載から容易に具現できるはずである。
【0160】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0161】
また、上述の本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想から脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であるため、上述の実施例及び添付された図面によって限定されず、多様な変形が行われるように各実施例の全部または一部を選択的に組み合わせて構成可能である。
【国際調査報告】