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特表2022-551303プロセス制御オートメーション設備での使用のための多機能スイッチ及びそのようなプロセス制御オートメーション設備
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  • 特表-プロセス制御オートメーション設備での使用のための多機能スイッチ及びそのようなプロセス制御オートメーション設備 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-08
(54)【発明の名称】プロセス制御オートメーション設備での使用のための多機能スイッチ及びそのようなプロセス制御オートメーション設備
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/46 20060101AFI20221201BHJP
   G05B 19/05 20060101ALI20221201BHJP
   G06F 9/48 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
H04L12/46 100Z
G05B19/05 N
G06F9/48 300Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521077
(86)(22)【出願日】2020-10-13
(85)【翻訳文提出日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 EP2020078742
(87)【国際公開番号】W WO2021074128
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】102019127551.2
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594070612
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Phoenix Contact GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Flachsmarktstrasse 8, D-32825 Blomberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, マルティン
【テーマコード(参考)】
5H220
5K033
【Fターム(参考)】
5H220BB11
5H220CC09
5H220CX05
5H220JJ12
5K033AA09
5K033BA03
5K033DB18
5K033DB25
5K033EC01
(57)【要約】
本発明は、とりわけ、プロセス制御オートメーション設備(10)での使用のための多機能スイッチ(30)であって、制御ユニット(31)、多数のポート(40-43;50-52)、並びに、スイッチ機能を実行するための第1のプログラム、並びに、制御装置機能を実行するための第2のプログラム及び/又はルータ機能を実行するための第3のプログラムを記憶可能な記憶装置(32)、を有し、前記制御ユニット(31)は、前記第1のプログラムの実行下でスイッチ機能を、並びに、前記第2のプログラムの実行下で制御装置機能を及び/又は前記第3のプログラムの実行下でルータ機能を、実行するように設計されている、多機能スイッチに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス制御オートメーション設備(10)での使用のための多機能スイッチ(30)であって、
制御ユニット(31)、
多数のポート(40-43;50-52)、並びに、
スイッチ機能を実行するための第1のプログラム、並びに、制御装置機能を実行するための第2のプログラム及び/又はルータ機能を実行するための第3のプログラムを記憶可能な記憶装置(32)、を有し、
前記制御ユニット(31)は、前記第1のプログラムの実行下でスイッチ機能を、並びに、前記第2のプログラムの実行下で制御装置機能を及び/又は前記第3のプログラムの実行下でルータ機能を、実行するように設計されている、多機能スイッチ。
【請求項2】
前記制御ユニット(31)は、それぞれ実行されるべきプログラムに応じて、前記ポート(40-43;50-52)のうちの少なくともいくつかを、対応する実行されるべき機能に割り当てるように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の多機能スイッチ。
【請求項3】
前記多機能スイッチ(30)にPoDL技術によってエネルギーを供給するための外部エネルギー供給装置(20)が接続可能なSPEベースのインターフェース(34)によって特徴付けられる、請求項1又は2に記載の多機能スイッチ。
【請求項4】
前記多機能スイッチ(30)は、取り付けレール(70)への取り付けのためのモジュールとして設計されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の多機能スイッチ。
【請求項5】
前記多機能スイッチ(30)は、バスシステム(80)を介して、フィールド機器との通信のための入力及び/又は出力モジュール(60、90)に電気的に接続されていることを特徴とする、請求項4に記載の多機能スイッチ。
【請求項6】
第2のプログラムとして安全志向ではない制御装置機能を、第4のプログラムとして安全志向の制御装置機能を、それぞれ前記記憶装置(32)に記憶可能であり、前記制御ユニット(31)は、前記第4のプログラムの実行下で安全志向の制御装置機能を実行するように設計されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の多機能スイッチ。
【請求項7】
前記多機能スイッチ(30)は、高速スイッチとして、特にギガビット・イーサネット(登録商標)・スイッチとして設計されており、前記多数のポート(40-43)のうちの少なくともいくつかは、それぞれ、少なくとも100Mbit/sの伝送速度でデータを送信及び伝送するように設計された、高速ポートとして設計されており、前記制御ユニット(31)は、前記第1のプログラムの実行下でスイッチ機能を実行すると共に、少なくとも100Mbit/sのデータ伝送速度でデータを前記高速ポート(40-43)の間で伝送するように設計されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の多機能スイッチ。
【請求項8】
バスシステム(80)、前記バスシステム(80)に電気的に接続可能な請求項1~7のいずれか1項に記載の多機能スイッチ(30)、及び、前記バスシステム(80)に電気的に接続可能な入力及び/又は出力モジュール(60、90)を含む、プロセス制御オートメーション設備(10)。
【請求項9】
前記バスシステム(80)は、取り付けレール(70)に配置されるように設計されたSPEベースのバスシステムであることを特徴とする、請求項8に記載のプロセス制御オートメーション設備。
【請求項10】
前記多機能スイッチ(30)は、前記第2のプログラムの実行下で前記制御ユニット(31)によって前記オートメーション設備(10)を制御するように設計されていることを特徴とする、請求項8又は9に記載のプロセス制御オートメーション設備。
【請求項11】
前記多機能スイッチ(30)のSPEベースのインターフェース(34)に接続可能な、SPEベースのインターフェース(21)を有する外部エネルギー供給装置(20)であって、PoDL技術によって、特に前記多機能スイッチ(30)にエネルギーを供給するように設計された外部エネルギー供給装置(20)によって特徴付けられる、請求項8~10のいずれか1項に記載のプロセス制御オートメーション設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセス制御オートメーション設備での使用のための多機能スイッチ、及び、このようなプロセス制御オートメーション設備に関する。
【背景技術】
【0002】
工業的なオートメーション技術においては、とりわけ、モジュール式に構築されたプロセス制御オートメーション設備が使用され、当該設備は、外部エネルギー供給装置に加えて、通常、ルータ、スイッチ、製造プロセスを制御するための例えばプログラマブルロジックコントローラ(speicherprogrammierbare Steuerung (SPS))の形態の制御装置、並びに、複数の入力及び/又は出力モジュールを有することができる。全ての構成要素はモジュール式に設計され、空間的に互いに分離された状態で取り付けレールの上に据え付けることができる。従来のオートメーション設備においては、制御装置と入力及び/又は出力モジュールとの間の通信は、第1のバスシステム、例えばAXIOバスを介して行われ、制御装置、スイッチ及びルータの間の通信は、第2のバスシステム、例えばイーサネット(登録商標)を介して実行される。外部エネルギー供給装置は、通常、ケーブルを介して、ルータ、スイッチ及び制御装置に、必要に応じて入力及び/又は出力モジュールに、接続される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の根底には、ケーブル配線の労力軽減、所要スペースの縮小、及び、通信の簡略化を可能とする、多機能スイッチ及びプロセス制御オートメーション設備を提供するという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の核となる思想は、本来のスイッチ機能に加えて、少なくとも1つの更なる機能、すなわち、仮想マシンとして多機能スイッチに記憶されインストールされ得る制御装置機能及び/又はルータ機能を実行することができる、多機能スイッチを提供することに見ることができる。ここで、スイッチ機能は、好ましくはOSIレイヤ参照モデルのレイヤ2に実装され、ルータ機能は、OSIレイヤ参照モデルのレイヤ3に実装されている点に、留意されたい。制御装置機能は、例えば、従来のプログラマブルロジックコントローラ(SPS)の全てのタスクを引き受ける。
【0005】
上述した技術課題は、請求項1の特徴によって、及び、請求項8の特徴によって、解決される。
【0006】
有利な発展形態は下位請求項の主題である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明によるプロセス制御オートメーション設備を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明が、以下において、図1と関連する実施例に基づいて、詳細に説明される。
【0009】
図1には、例示的なプロセス制御オートメーション設備10が示されており、当該設備は、例えば、外部エネルギー供給装置20と、多機能スイッチ30と、例えばセンサ及び/又はアクチュエータのようなフィールド機器の接続のための少なくとも1つの入力及び/又は出力モジュール60と、を有することができる。例示的なオートメーション設備20は、好ましくはセーフティクリティカルなプロセスを制御するための安全志向のフィールド機器100、101を接続可能な、入力及び/又は出力モジュール60に加えて、好ましくはセーフティクリティカルではないプロセスを制御するための安全志向ではないフィールド機器110及び111を接続可能な、入力及び/又は出力モジュール90を有する。エネルギー供給装置20、多機能スイッチ30並びに入力及び/又は出力モジュール60及び90は、モジュール式に設計することができ、特に、バスシステム80を介して電気的に互いに接続されるように計画することができる。バスシステム80は、取り付けレール70、例えばトップハットレールに配置することができ、この場合、エネルギー供給装置20、多機能スイッチ30、並びに、少なくとも2つの入力及び/又は出力モジュール60及び90は、トップハットレール70への取り付けのために設計され得る。
【0010】
多機能スイッチ30は制御ユニット31を有し、当該制御ユニットは、好ましくはマイクロコントローラとして、及び特に500MHzの又は更に高速な制御ユニットとして、設計され得る。制御ユニット31は、とりわけ、多機能スイッチ30をスイッチとして、好ましくはイーサネット・スイッチ又はギガビット・イーサネット・スイッチとして動作させるように設計されている。更に、多機能スイッチ30は、多数のポート40-43及び50-52を有し、当該ポートには、用途又は実装に応じて、例えば、少なくとも1つのネットワークセグメント及び/又は例えばインターネットのような他の通信ネットワークを接続することができる。例えば、ポート40-43及び50-52は、RJ-45コネクタとして設計されている。しかしながら、ポートは、物理的に異なる態様で構成することもできる。ポート40-43及び50-52は、例えば高速バスである内部バックプレーン33を介して、電気的に接続され得る。高速バス33には、好ましくは多機能スイッチ30の制御ユニット31及び通信インターフェース34も接続されており、それを介して、多機能スイッチ30は、例えばバスシステム80に接続され得る。更に、多機能スイッチ30には、記憶装置32が実装されており、当該記憶装置には、スイッチ機能を実行するための第1のプログラムが保存されている。第1のプログラムは、好ましくは、多機能スイッチ30をスイッチとして動作させるファームウェアであることができる。
【0011】
多機能スイッチ30は、好ましくは、特に、スイッチ機能を実行するときに、例えばポート40-43のような複数の高速ポートをサポートし得る、高速スイッチとして設計され得る点に、留意されたい。用語「高速」は、ここでは、i)例えばポート40-43のような高速ポートが、互いに独立して、それぞれデータを、少なくとも100Mbit/s、好ましくは1Gbit/s、2.5Gbit/s、5Gbit/s、10Gbit/s、25Gbit/s、50Gbit/s、100Gbit/s以上のデータ伝送速度で送受信できること、及び、ii)多機能スイッチ30が、データを、好ましくはルーティングテーブルに反応して、例えばポート40-43のような高速ポート間で相応したデータ伝送速度で伝送するように設計されていること、を意味する。このために、多機能スイッチ30は、好ましくは、例えば高速ポートを接続する上述した高速バス33のような適切な高速伝送装置と、例えば上述した500MHz制御ユニットのような十分に高速で動作する制御ユニット31と、を有する。更に、データフレームを記憶するために十分な記憶容量を有する中間メモリを実装することができる。中間メモリは、記憶装置32の一部であってもよいし、又は、多機能スイッチ30内の別個のメモリとして実装されていてもよい。
【0012】
好ましくは、多機能スイッチ30は、例えば52ギガビット・イーサネット・ポートをサポートすることができるタイプVSC7449-01のような、ギガビット・イーサネット・スイッチとして設計され得る。その場合、対応する数の高速ポートを、多機能スイッチ30に実装することができる。これに関連して、更に、スイッチ機能、特に高速スイッチ機能が、上で例示的に説明したように、PC内の純粋な仮想スイッチとしては実装され得ない点に、留意されたい。むしろ、この場合、上で例示的に指摘したハードウェア及び性能を有するスイッチが、使用されなければならない。換言すれば:特に、多機能スイッチによって実行されるべきスイッチ機能が、その必要な性能を決定する。更に、先に例示的に説明した多機能高速スイッチは、オートメーション技術の分野において工業的な用途を実行するように設計され得る点に、留意されたい。
【0013】
更に、記憶装置32には、少なくとも1つの更なるプログラム、すなわち、安全志向の制御装置機能を実行するための第2のプログラム、及び/又は、ルータ機能を実行するための第3のプログラム、及び/又は、安全志向ではない制御装置機能を実行するための第4のプログラムが、記憶されている。特に、第2、第3及び/又は第4のプログラムは、それぞれ、アプリとして記憶装置32にダウンロードされ、多機能スイッチ30にインストールされ得る点に、留意されたい。各アプリは、例えば仮想の安全志向の制御装置、仮想の安全志向ではない制御装置、又は、仮想のルータである、仮想マシン内で実行される。アプリは、例えばポート40に接続され得る外部コンピュータを介して、又は、アプリストアから直接的に、ダウンロードすることができる。
【0014】
制御ユニット31は、記憶装置32に記憶されたプログラムにアクセスすることができる。それは、例えば、同様に記憶装置32に記憶され得るオペレーティングシステムに応じて、第1のプログラムの実行下でスイッチ機能を、及び/又は、第2のプログラムの実行下で安全志向の制御装置機能を、及び/又は、第3のプログラムの実行下でルータ機能を、及び/又は、第4のプログラムの実行下で安全志向ではない制御装置機能を、それぞれ実行するように設計されている。換言すれば:第1、第2、第3及び第4のプログラムは、インストールされている限り、同時に又は時間的に互いに別々に、実行され得る。
【0015】
有利な実装によれば、多機能スイッチ30にオペレーティングシステムが記憶されており、当該オペレーティングシステムにおいてスイッチ機能又は第1のプログラムが実行され、当該第1のプログラムによって、更なるプログラム又はアプリ及び/又はポートも利用可能になる点に、留意されたい。
【0016】
プロセス制御オートメーション設備10の特徴は、特に多機能スイッチ30、及び、本例では入力及び/又は出力モジュール60及び90が、共通のバスシステム、ここではバスシステム80を介して、互いに通信できる点に見ることができる。好ましくは、バスシステム80は、シングル・ペア・イーサネット技術に基づくSPEベースのバスシステムである。この場合、通信インターフェース34は、SPEベースのインターフェースとして設計されており、当該インターフェースは、バスシステム80の相補的なSPEベースのインターフェース81に、電気的に接続され得る。
【0017】
同様に、安全志向の入力及び/又は出力モジュール60は、SPEベースのインターフェース62を有し、当該インターフェースは、バスシステム80の更なるSPEベースの相補的なインターフェース82に電気的に接続され得る。入力及び/又は出力モジュール60は、複数のSPEベースのインターフェース61-61を有することができ、当該インターフェースには、SPEベースの安全志向のフィールド機器110、101が直接接続され得る。この場合、通信プロトコル変換を行う必要のあるゲートウェイは、不要である。
【0018】
同様に、安全志向ではない入力及び/又は出力モジュール90は、SPEベースのインターフェース92を有し、当該インターフェースは、バスシステム80の更なるSPEベースの相補的なインターフェース83に電気的に接続され得る。入力及び/又は出力モジュール90は、複数のSPEベースのインターフェース91-91を有することができ、当該インターフェースには、SPEベースの安全志向ではないフィールド機器110、111が直接接続され得る。この場合も、通信プロトコル変換を行う必要のあるゲートウェイは、不要である。
【0019】
有利な構成によれば、多機能スイッチ30の、及び、必要に応じて、入力及び/又は出力モジュール60及び90に接続可能なフィールド機器の、エネルギー供給は、いわゆるPoDL技術によって行うことができる。ここで、略語PoDLは、「Power over Data Line」を表す。PoDL技術によって、外部エネルギー供給装置20は、エネルギーを、SPEベースのバスシステム80を介して、多機能スイッチ30並びに入力及び/又は出力モジュール60及び90に伝送することができる。
【0020】
このために、エネルギー供給装置20は、SPEベースのインターフェース21を有し、当該インターフェースは、バスシステム80の更なる相補的なSPEベースのインターフェース84に電気的に接続され得る。エネルギー供給装置20は、好ましくは、直流電圧、例えば24Vの直流電圧を供給することができる。
【0021】
図1に例示的に示されたプロセス制御オートメーション設備10は、エネルギー供給装置20が、エネルギーに加えて、例えば診断データのようなデータも、バスシステム80を介して多機能スイッチ30に伝送できることを、可能にする。多機能スイッチ30が、例えば仮想の安全志向の制御装置として動作する場合、すなわち、制御ユニット31が第2のプログラムを実行する場合、エネルギー供給装置20の診断データは、制御ユニット31が、例えば制御装置機能に関わる第2のプログラムを実行する限り、例えば、入力及び/又は出力モジュール60に接続された安全志向のフィールド機器を確実に制御するために、多機能スイッチ30によって評価及び処理され得る。
【0022】
多機能スイッチ30の動作原理が、以下において、例示的に説明される。
【0023】
エネルギー供給装置20が、例えばエネルギー供給装置20の誤動作を示す診断データを、インターフェース21及び84を介して、バスシステム80並びにインターフェース81及び34を介して、並びに、高速バス33を介して、制御ユニット31に伝送すると仮定する。制御ユニット31は、診断データが伝送されたことを検知するように設計されている。エネルギー供給装置20から受信した診断データに反応して、制御ユニット31は、記憶装置32に格納された第2のプログラム、すなわち安全志向の仮想のSPSの機能を実行する。1つの可能なシナリオは、診断データに反応して、対応する制御データが、制御ユニット31から、高速バス33並びにインターフェース34及び81を介して、並びに、バスシステム80を介して並びにインターフェース82及び62を介して、それぞれの安全志向のアクチュエータに供給されることにより、制御ユニット31が、入力及び/又は出力モジュール60に接続された全ての安全志向のアクチュエータ(図示せず)を安全な状態に移行させることを、意図している。
【0024】
別の例示的なシナリオによれば、図1に示されたプロセス制御オートメーション設備10が、ポート50に接続されたインターネットと通信することになることが、意図され得る。この場合、制御ユニット31は、記憶装置32に委ねられたルータ機能を実行し、多機能スイッチ30に、ポート50を介したインターネットとプロセス制御オートメーション設備10との間の通信を進めさせる。
【0025】
例えば、入力及び/又は出力モジュール60に接続された安全志向のセンサ、例えばセンサ100によって生成された測定データが、インターネットに格納されることになることが、考えられる。このために、測定データは、センサ100からバスシステム80を介して多機能スイッチ30に伝送され、続いて、仮想のルータとして動作する制御ユニット31の制御下でポート50を介してインターネットに伝送される。
【0026】
更に、多機能スイッチ30の制御ユニット31が、例えば同時に仮想のルータとして及び仮想の安全志向の制御装置として動作することが、考えられる。仮想の安全志向の制御装置として機能する制御ユニット31は、例えばアクチュエータ101を安全な状態で動作させるために、センサ100から受信した測定データを評価し、対応する制御データを、入力及び/又は出力モジュール60に接続された所定の安全志向のアクチュエータ、例えばアクチュエータ101に転送するように、構成されている。
【0027】
上記態様の少なくともいくつかが、以下で再び要約される。
【0028】
プロセス制御オートメーション設備10での使用のための多機能スイッチ30が提供され、前記多機能スイッチ30は以下の特徴を有することができる:
マイクロコントローラとして設計され得る制御ユニット31、
多数のポート又はインターフェース40-43及び50-52、並びに
スイッチ機能を実行するための第1のプログラム、並びに、制御装置機能を実行するための第2のプログラム及び/又はルータ機能を実行するための第3のプログラムを記憶可能な記憶装置32。
ここで、前記制御ユニット31は、前記第1のプログラムの実行下でスイッチ機能を、並びに、前記第2のプログラムの実行下で制御装置機能を及び/又は前記第3のプログラムの実行下でルータ機能を、実行するように設計されている。
【0029】
有利には、制御ユニット31は、それぞれ実行されるべきプログラムに応じて、ポートのうちの少なくともいくつかを、対応する実行されるべき機能に割り当てるように設計されている。
【0030】
実用的には、多機能スイッチ30は、SPEベースのインターフェース34を有することができ、当該インターフェースには、PoDL技術によって多機能スイッチにエネルギーを供給するための外部エネルギー供給装置20が接続可能である。
【0031】
好ましくは、多機能スイッチ30は、取り付けレール70への取り付けのためのモジュールとして設計されている。
【0032】
有利な構成によれば、多機能スイッチ30は、バスシステム70を介して、フィールド機器100、101又は110、111と通信するために、少なくとも1つの入力及び/又は出力モジュール60、90に電気的に接続可能である。
【0033】
第2のプログラムとして安全志向ではない制御装置機能を、第4のプログラムとして安全志向の制御装置機能を、それぞれ記憶装置32に記憶することができ、その場合、制御ユニット31は、第4のプログラムの実行下で安全志向の制御装置機能を実行するように設計されている。
【0034】
多機能スイッチ30は、好ましくは高速スイッチとして、特にギガビット・イーサネット・スイッチとして、設計され得る。多数のポート40-43及び50-52のうちの少なくともいくつかのポート40-43は、高速ポートとして設計することができ、それらは、それぞれ、データを、少なくとも100Mbit/sの、好ましくは1Gbit/s、2.5Gbit/s、5Gbit/s、10Gbit/s、25Gbit/s、50Gbit/s、100Gbit/s以上の伝送速度で送信及び伝送するように設計することができ、制御ユニット31は、第1のプログラムの実行下でスイッチ機能を実行すると共に、データを、高速ポート40-43の間で、少なくとも100Mbit/sの、好ましくは1Gbit/s、2.5Gbit/s、5Gbit/s、10Gbit/s、25Gbit/s、50Gbit/s、100Gbit/s以上のデータ伝送速度で、特にルーティングテーブルに反応して、伝送するように設計することができる。
【0035】
別の態様によれば、以下の特徴を有するプロセス制御オートメーション設備10が意図されている:
バスシステム80、前記バスシステム80に電気的に接続可能な上記説明による多機能スイッチ30、並びに、前記バスシステム80に電気的に接続可能な少なくとも1つの入力及び/又は出力モジュール60、90。
【0036】
バスシステム80は、有利には、取り付けレール70に配置されるように設計されたSPEベースのバスシステムである。
【0037】
多機能スイッチ30は、有利には、第2のプログラムの実行下で制御ユニット31によってオートメーション設備10を制御するように設計されている。
【0038】
有利には、オートメーション設備10は、SPEベースのインターフェース21を有する外部エネルギー供給装置20を含むことができ、それは、多機能スイッチ30のSPEベースのインターフェース34に接続可能であり、外部エネルギー供給装置20は、PoDL技術によって、特に多機能スイッチ30にエネルギーを供給するように設計されている。
【0039】
記憶装置32に例えばアプリとして記憶可能なプログラムは、例えば仮想のルータ、仮想の安全志向の制御装置、仮想の安全志向ではない制御装置のような仮想マシンである点に、留意されたい。換言すれば:多機能スイッチ30は、スイッチとしての本来のタスクに加えて、少なくとも仮想マシンの機能を実行する。
図1
【国際調査報告】