(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-08
(54)【発明の名称】液体用プラスチック容器及びプラスチック容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 77/06 20060101AFI20221201BHJP
B29C 49/22 20060101ALI20221201BHJP
B29C 49/42 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
B65D77/06 H
B29C49/22
B29C49/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521663
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(85)【翻訳文提出日】2022-04-11
(86)【国際出願番号】 EP2020076942
(87)【国際公開番号】W WO2021083591
(87)【国際公開日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】102019129504.1
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510094263
【氏名又は名称】プロテクナ エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロマー ピーター
(72)【発明者】
【氏名】モーゼン ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】エアル カーステン
(72)【発明者】
【氏名】エアル トーマス
【テーマコード(参考)】
3E067
4F208
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AA04
3E067AC01
3E067BA02B
3E067BA08C
3E067BA09C
3E067BB11C
3E067BB14C
3E067BB15B
3E067BC07B
3E067CA24
3E067EB27
3E067FA04
3E067FC01
4F208AG03
4F208AG07
4F208AH55
4F208LA03
4F208LA07
4F208LB01
4F208LD16
4F208LG03
4F208LG06
4F208LW02
4F208LW23
4F208LW25
4F208LW43
(57)【要約】
液体用のプラスチック容器(10)及び液体用のプラスチック容器、特に液体用の輸送及び貯蔵容器のための内部容器を製造する方法であって、格子又は板金からなる外側ジャケット及びパレット型下部構造を備え、プラスチック容器(10)は、ブロー成形によって管状プリフォームからブロー成形された本体として実現され、容器壁(13)の嵌合接続領域(16)に容器取付具(18)を接続するための容器ソケット(17)を有し、容器ソケット(17)は、容器開口部を備え、溶着継手(52)を介して容器取付具(18)の接続フランジ(21)に接続され、容器壁(13)は、第1プラスチック材料からなる内層及び第2プラスチック材料からなる外層を有し、容器ソケット(17)は、容器ソケット(17)の端面が 、少なくとも部分的に、外層の反対側に配置された内層セグメントによって形成され、容器ソケット(17)の溶着接触面が、内層セグメントによって形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体用のプラスチック容器(10)と、特に格子又は板金よりなる外側ジャケットと、パレット式下部構造とを有する液体用の内部容器であって、
前記プラスチック容器(10)は、管状予備成形体からブロー成形によりブロー成形体として実現され、容器壁(13)の嵌合接続領域(16)に容器取付具(18)を接続する容器ソケット(17)を有するとともに、前記容器ソケット(17)には容器開口部(31)が設けられ、溶着継手(52)を介して前記容器取付具(18)の接続フランジ(21)に接続されており、
前記容器壁(13)は、第1プラスチック材料からなる内層(22)と第2プラスチック材料からなる外層(24)とを有し、
前記容器ソケット(17)は、前記容器ソケット(17)の端面(32)が前記外層(24)に対向して配置された内層セグメント(33)により少なくとも一部が形成されるように容器開口部(31)に向かって拡径する長手方向の断面を有し、
前記容器ソケット(17)の溶着接触面(26)が前記内層セグメント(33)により形成されている
ことを特徴とする内部容器。
【請求項2】
前記容器ソケット(17)は、前記溶着接触面(26)が内側円錐(35)の壁面(34)により形成されるように円錐形状であり、
前記内側円錐(35)は前記内層(22)を備え、前記容器取付具(18)の接続フランジ(21)上に形成された外側円錐(36)に溶着される
ことを特徴とする請求項1に記載の内部容器。
【請求項3】
液体用のプラスチック容器(10)を、特に液体用の輸送及び貯蔵容器のための内側容器として製造する方法であり、
格子又は板金からなる外側ジャケット及びパレット型下部構造を含み、
前記プラスチック容器(10)は、ブロー成形によって管状プリフォームからブロー成形された本体として実現され、容器取付具(18)を接続するための容器ソケット(17)を有し、
前記容器ソケット(17)は、容器壁(13)の嵌合接続領域(16)に実現され、容器開口部(31)が設けられ、
前記容器ソケット(17)を製造するために、ブロー成形型の壁凹部(39)に、被覆壁(55)によって閉じられた容器壁(13)の膨張部(37)が実現され、
次に、前記被覆壁(55)を切断することによって、前記容器開口部(31)が形成され、
次に、前記容器ソケット(17)と前記容器取付具(18)の接続フランジ(21)との間の接続部が溶着継手(52)の様式で設けられる、方法であって、
前記容器壁(13)は、第1プラスチック材料から作られた内層(22)と、第2プラスチック材料から作られた外層(24)とを有し、
前記膨張部(37)を形成するために、前記容器壁(13)は、前記容器壁(13)に形成された前記膨張部(37)が前記被覆壁(55)に向かって増加する断面を有するように、前記プラスチック容器(10)のブロー成形中にブロー成形型の拡張する壁凹部(39)内に拡張され、
前記被覆壁(55)が前記容器開口部(31)を形成するために切断されると、内層セグメント(33)によって形成され、前記容器開口部(31)に向かって延びる溶着接触面(26)が設けられる
ことを特徴とする方法。
【請求項4】
前記容器壁(13)が、円錐状に広がる前記壁凹部(39)に拡張される
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記膨張部(37)が、少なくとも2つの膨張ステップで形成され、
前記膨張部(37)の中央部分(50)が、第1膨張ステップで形成され、
前記膨張部の円錐壁部(53)は、前記中央部分が形成されると続いて第2膨張ステップで同心円状に配置される
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記膨張部(37)の前記中央部分(50)が、円筒形である
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記膨張部(37)の前記中央部分(50)とブロー成形体とが同時に形成される
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体用のプラスチック容器に関し、特に、液体用の輸送及び貯蔵容器のための内部容器であって、格子又は板金で作られた外側ジャケットと、パレット型下部構造とを備え、プラスチック容器は、ブロー成形型内の管状プリフォームからブロー成形によってブロー成形された本体として実現され、容器壁の嵌合接続領域に容器取付具を接続するための容器ソケットを有し、容器ソケットは、容器開口部を備え、溶着継手を介して容器取付具の接続フランジに接続される、内部容器に関する。
【背景技術】
【0002】
上述の種類のプラスチック容器は、特許文献1から知られており、前記プラスチック容器は、ホットプレート突合せ溶着継手を介して容器ソケットに接続された容器取付具を有する。公知のプラスチック容器は、ブロー成形によって製造され、容器取付具を接続する役割をする容器ソケットを形成するために、膨張部が、ブロー成形された本体の製造と同時に容器壁の嵌合接続領域に形成され、壁部分が、容器ソケットを形成するために容器開口部を形成するように切削工具によって膨張部から除去される。切削工具の使用後、容器ソケットは、それによって、容器壁に平行な平面内に溶着接触面を形成する外縁を有する容器開口部を備えることになる。その後のミラー溶着又は突合せ溶着の間、加熱ミラーは、容器ソケット上に実現された溶着接触面と容器取付具の接続フランジ上に実現された溶着接触面との両方をそれらの溶着温度まで加熱するために、容器ソケットと反対側に配置された容器取付具の接続フランジとの間にホットプレートとして配置され、溶着接触面は、溶着ミラーが取り外されると、互いに圧接され、溶着継手を形成するように、その位置で冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開1630105号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プラスチック容器の容器ソケットと容器取付具の接続部品との間に溶着継手を形成するための上述の方法は、特に、容器壁が多層構造を有するプラスチック容器においても使用され、その多層構造において、ポリエチレン製の内層は、再生材料製の外層と組み合わされ、2つの層は、例えば、EVOH(エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂)バリア層によって分離される。EVOH層も再生材料からなる再生材料層も、典型的にはポリエチレンからなる容器取付具に接続するために溶着するのに適しておらず、このことは、容器ソケットと容器取付具との間に溶着継手を形成することができるようにするために、容器ソケットの外縁部の領域において外層及びEVOH層を最初に除去しなければならないことを意味する。
【0005】
したがって、本発明の目的は、多層壁構造を有し、溶着継手によって簡単な方法で容器取付具を備えることができるプラスチック容器及びプラスチック容器の製造方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本プラスチック容器は、請求項1の特徴を有する。
【0007】
本発明によれば、容器壁は、第1プラスチック材料で作られた内層と、第2プラスチック材料で作られた外層とを有し、容器ソケットは、容器ソケットの端面が、少なくとも部分的に、外層の反対側に配置された内層セグメントによって形成され、容器ソケットの溶着接触面が、内層セグメントによって形成されるように、容器開口部に向かって広がる長手方向断面を有する。
【0008】
ここで、用語「端面」は、プラスチック容器の正面、すなわち、容器ソケットを有する容器壁に平行な平面への容器ソケットの表面突起として解釈されるべきであり、その結果、内層セグメントは、端面への表面突起を形成し、それにより、容器取付具の接続部品と容器ソケットとの間に溶着接触が確立されるときに、容器ソケットの溶着接触面を形成する。内層セグメントに対する外層の位置が、外層が内層セグメントに対向して配置される、すなわち、内層セグメントとは反対を向くように決められるという事実は、溶着中に、容器取付具の接続フランジと容器壁の外層との間に溶着接触が確立されるのを妨げる。その代わり、本発明による設計は、溶着接点又は容器ソケット上の溶着接触面の形成を内層セグメントに制限する。これにより、溶着継手の品質に悪影響を及ぼす溶着接触が、溶着継手に関連して互換性のない材料間で発生する可能性がないことが保証される。
【0009】
プラスチック容器の特に好ましい実施形態において、容器ソケットは円錐形であり、溶着接触面は、内層が設けられ、容器取付具の接続フランジ上に形成された外側円錐に溶着された内側円錐の壁面によって形成されている。
【0010】
本発明による方法では、第1プラスチック材料で作られた内層と、第2プラスチック材料で作られた外層とを有する容器壁を備えたプラスチック容器のブロー成形中に、容器壁に形成された膨らみが被覆壁に向かって増加する断面を有するように膨らみを形成するために、容器壁がブロー成形型の拡張壁凹部内に拡張され、容器開口を形成するために被覆壁が切断されると、内層セグメントによって形成され、容器開口に向かって延在する溶着接触面が形成される。以下に説明する溶着方法は、特にホットプレート突合せ溶着方法として実施することができる。特にスピン溶着及び振動溶着のような公知の摩擦溶着技術は、有利に使用可能な他の可能な溶着技術である。
【0011】
この種の製造方法は、内側セグメントによって形成された溶着接触面が容器ソケットの端面内に配置されて露出していること、及び、容器取付具の接続フランジと容器ソケットとの間に溶着接触が確立されるときに、内側セグメントと容器取付具の接続フランジとの間に表面接触が形成されていることを確実にする。
【0012】
容器壁が円錐状に広がる壁凹部に拡張され、その結果、上述の円錐状の溶着接触面が得られ、その結果、有利な効果が得られることが特に好ましい。
【0013】
膨張部が少なくとも2つの膨張ステップで形成される場合、膨張部の中央部分は第1膨張ステップで形成され、中央部分と同心円状に配置された膨張部の円錐壁部は、続いて第2膨張ステップで形成され、膨張部の形成中に最大で生じる膨張は、膨張部が単一の膨張ステップで形成される場合と比較して減少させることができ、それに応じて容器壁の膨張から生じる肉厚減少は制限される。したがって、特に内層セグメントが高品質の溶着継手を形成するために必要な材料厚さを有することを確保することができる。
【0014】
膨張部の中央部分が円筒形であれば特に有利であり、円錐の領域で均一な肉厚分布を得ることができる。
【0015】
膨張部の中央部分とブロー成形体とを同時に形成することができると有利であり、これは、2段階膨張法の実施がブロー成形体を製造するためのブロー成形プロセスの必要時間の著しい増加を伴わないことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】パレット容器として実現されると共に、プラスチック容器として実現される内部容器を含む液体容器の斜視図である。
【
図2】プラスチック容器の嵌合接続領域を一部切断した拡大側面図である。
【
図3a】容器ソケットと容器取付具の接続部品との間に形成された溶着継手の拡大詳細図である。
【
図3b】
図3aに示す容器ソケットの正面図である。
【
図4a】ブロー成形によって容器ソケットを製造する第1製造工程を示す図である。
【
図4b】容器ソケットを形成するための膨張部の中央部分を示す図であり、膨張部は、
図4aに示す第1製造ステップでプラスチック容器上に製造されている。
【
図5a】容器ソケットを製造するための第2製造工程を示す図である。
【
図5b】第2製造工程においてプラスチック容器上に製造された容器ソケットを形成するための膨らみを示す図である。
【
図6a】容器取付具がホットプレート突合せ溶着によって容器ソケットにどのように接続されるかの概略図である。
【
図6b】容器取付具がホットプレート突合せ溶着によって容器ソケットにどのように接続されるかの概略図である。
【
図6c】容器取付具がホットプレート突合せ溶着によって容器ソケットにどのように接続されるかの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態をより詳細に説明する。
【0018】
図1は、使い捨て容器として、また再使用可能な容器として使用することができ、この場合には直方体の形状を有し、本実施形態では、プラスチック容器10の頂部にある容器壁13に形成され、キャップ14を備えた充填ネック15と、プラスチック容器10の前部にある容器壁13の嵌合接続領域16にある容器ソケット17とを有するプラスチック容器10を有する輸送及び貯蔵容器を示し、容器ソケット17は、本実施形態ではタッピング取付具として実現される容器取付具18を接続する役割を果たす。
【0019】
輸送及び貯蔵容器を実現するために、プラスチック容器10を支持する本実施形態で平坦な大樽底部として実現される支持底部20を有するパレット式下部構造19上にプラスチック容器10が配置されている。
【0020】
プラスチック容器10は、管状プリフォームからブロー成形され、容器ソケット17は、ブロー成形プロセス中にプラスチック容器10の直方体と共に製造される。
【0021】
図2は、プラスチック容器10をブロー成形して作製した後、容器ソケット17と容器取付具18の接続フランジ21との間に作製した溶着継手52を示す。
図2及び
図3の拡大図に示すように、特に、プラスチック容器10の容器壁13は多層壁構造を有し、HDPE(高密度ポリエチレン)製の内層22は、本実施形態ではバリア層23によって外層24から分離され、本実施形態ではバリア層23はEVOH製である。内層22は、プラスチック容器10内に収容された液体との直接接触のために、特に食品接触の場合には、材料品質に関するより高い要求を満たさなければならないので、内層は、典型的には、HDPEのような規定された組成物の均質な材料から作られる。これとは反対に、使用済みプラスチック容器のプラスチック材料を細断し研削することによって製造される再生材料とも呼ばれる再生材料が、外層24の材料としてしばしば使用される。また、本実施形態で防爆容器として実現されているプラスチック容器10は、外面として導電性材料からなる外面層25を有している。
【0022】
本明細書で使用される外層という用語は、内層とは反対に、プラスチック容器の外側に向かって配置される層を指すが、外層は、必ずしもプラスチック容器の最外層を形成する必要はなく、代わりに、プラスチック容器の外側に向かって配置される別の層(例えば、上記の例として言及した外面層、又は別の機能層若しくは装飾層)を備えることができる。好ましくは、内層は、未使用材料からなり、外層は、ブロー成形体の製造中に生成される製造廃棄物から、又はリサイクルプラスチック容器から生じ得る、粉砕された材料から形成された材料からなる。
【0023】
上述の例示的な実施形態にもかかわらず、内層及び外層は、一方を他方の上に直接配置することもできる。上記の例として述べたバリア層のような機能層を介在させる場合には、機能層と隣接する層との間に結合剤を追加的に設けることができる。
【0024】
図6a~
図6cに示すように、容器ソケット17と容器取付具18の接続フランジ21との間の、
図2及び
図3に示すようなホットプレート突合せ溶着継手52は、第1加熱溶着接触面26及び27が、互いに対向配置される溶着接触面26及び27の間に配置される溶着ミラー28によって柔らかい組織が得られるまで溶かされて容器ソケット17と接続フランジ21とが溶着されるようにして製造される。この目的のために、溶着接触面26及び27は、溶着ミラー28の加熱面29及び30に対して移動され、
図6bに例示されているように、熱伝導によって加熱される。溶着接触面26及び27において必要な溶着温度に達すると、すなわち、一旦、容器ソケット17及び接続フランジ21が溶着接触面26及び27の領域でそれに応じて溶融すると、溶着ミラー28は
図6bに図示されているその介在位置から除去され、溶着接触面26及び27は
図6cに図示されているように、加圧下で互いに動かされるので、溶着継手52を、その後の冷却中に形成されることができる。
【0025】
溶着継手の製造は、溶着接触面26及び27の領域において対応する材料適合性を必要とするので、PE材料からなる容器取付具18は、EVOH材料からなるバリア層23、又は材料が適合しない容器壁13の電気伝導性の外面層25に溶着することができない。
【0026】
図6a~
図6cにホットプレート突合せ溶着継手として図示した溶着継手を確実なものにするために、内層22に加えてバリア層23、外層24及び外面層25を含む容器壁13と接続フランジ21、容器ソケット17との間には、特に
図2及び
図3aに示すように、容器ソケット17が、容器ソケット17に形成された容器開口部3に向かって広がる長手方向断面を有することができ、その結果、
図3bに示す容器ソケット17の端面32、すなわち、
図3bに示す容器ソケット17の正面
図3bにおいて引抜面内に突出した容器ソケット17の表面は、突合せ溶着継手52が製造されるときに溶着接触面26を形成するために、
図3aに示す接続フランジ21の溶着接触面27と直接接触することができる内層セグメント33を有する。容器ソケット17の接触面26を形成する内層セグメント33がこのように配置される場合、バリア層23も外面層25も溶着継手52の製造に悪影響を及ぼすことはない。
【0027】
図2及び
図3に示す例示的な実施形態において、容器ソケット17は円錐形であり、容器ソケット17の溶着接触面26は、容器ソケット17によって形成されて容器取付具18の接続フランジ21上に形成された外側円錐36に溶着される、内側円錐35の壁面34によって形成される。
【0028】
ブロー成形によって容器壁13上に形成された容器ソケット17の製造は、
図4a~
図5cを参照して以下に説明され、容器ソケット17は、容器壁13内に最初に形成された膨張部37に基づいて形成される。
図4aと
図5aの比較によって示されるように、膨張部37は、2つの膨張ステップで生成される。
図4aに示されるように、本実施形態で使用される、ブロー金型の金型壁38内の壁凹部39上に配置された成形型40は、円筒状の内側スライド41と、この円筒状の内側スライド41と同軸に配置された外側スライド42と、内側スライド41のスライド底部43及び44と、半径方向縁部45を除いて壁凹部39の金型底部46を形成する外側スライド42とを有する。
【0029】
図4a及び
図5aに示すように、壁凹部39は、それが金型底部46の方向に金型壁38内に広がるような方法で実現され、それによって、壁凹部39が全体に円錐状になるような方法で金型壁38内に環状のアンダーカット47を形成する。
【0030】
図4aに示すように、第1膨張工程の間、内側スライド41及び外側スライド42は、内側スライド41のスライド底部43が金型底部46の平面内に位置し、外側スライド42のスライド底部44は、アンダーカット47が外側スライド42によって覆われ、円筒状の金型キャビティ49が壁凹部39内に形成されるように、本質的に金型壁面48の平面内に位置する相対位置にある。
【0031】
図4aと
図4bの両図によって示されるように、容器壁13が壁凹部39内に拡張されると、膨張部37の中央部分50が最初に形成される、すなわち、
図5aに示される第2拡張工程において続いて完成される膨張部37の予備成形体であって、第2拡張工程を実行するために、外側スライド42が、そのスライド底部44が内側スライド41のスライド底部43と同一平面になるまで移動される。これは、両方のスライド底部43及び44がここで金型底部46の平面内に配置され、アンダーカット47を含む金型キャビティ51が形成されることを意味する。
【0032】
第2膨張工程では、中央部分50を取り囲み、第1膨張工程の間に外側スライド42によって依然として支持されている容器壁13の嵌合接続領域16の円錐壁部53が膨張され、外側スライド42のスライド底部44の面積と内側スライド41に対する外側スライド42のスライド突起によって形成されたスライド内壁面54の面積の合計に等しい面積を有する壁部53が形成される。この面積は、外側スライド42のスライド底部44とアンダーカット47の表面との和によって形成される壁凹部39の部分表面よりも僅かに小さいだけであるので、
図5aに示される第2膨張工程における膨張は、本質的に、外側スライド42によって支持される壁部53を、金型底部46の半径方向縁部45に、かつ隣接するアンダーカット47に折り畳むようにさせ、壁部53は、限定された程度にしか膨張せず、最も膨張した膨張部37の部分は、金型底部46に接触する膨張部37の被覆壁55の面積において実現される。
【0033】
図5cの分離線によって示されるように、被覆壁55は、容器ソケット17上に容器開口部31を形成するために分離切断によって除去される膨張部37の部分を形成し、これは、完成した容器ソケット17が、容器壁13の周囲の嵌合接続領域16と比較して、容器ソケット17の機能を脅かすほどには減少しない十分な壁厚を有することを意味する。
【国際調査報告】