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特表2022-551320エレベータ制動装置を操作するための作動ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-08
(54)【発明の名称】エレベータ制動装置を操作するための作動ユニット
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/18 20060101AFI20221201BHJP
【FI】
B66B5/18 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521676
(86)(22)【出願日】2020-10-12
(85)【翻訳文提出日】2022-06-01
(86)【国際出願番号】 EP2020078608
(87)【国際公開番号】W WO2021069739
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】202019105584.7
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521209395
【氏名又は名称】ウィター ホールディング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】WITTUR HOLDING GMBH
【住所又は居所原語表記】Rohrbachstr.26-30 85259 Wiedenzhausen (DE)
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(72)【発明者】
【氏名】クリーナー,カール
(72)【発明者】
【氏名】ホルザー,レネ
(72)【発明者】
【氏名】ラスウルム,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ラッシュバチャー,レオポルド
(72)【発明者】
【氏名】シュワイガーレナー,ルーカス
【テーマコード(参考)】
3F304
【Fターム(参考)】
3F304CA13
3F304DA45
3F304EA18
(57)【要約】
乗りかごに据え付け可能な作動基体(3)と、作動器(5)と、接触機構(6)と、接触機構(6)をエレベータ制動装置(2)と接続可能にする連結部材(7)とを有する、エレベータ制動装置(2)を操作するための作動ユニット(1)であって、作動ユニット(1)は、その作動器(5)が接触機構(6)を、非作動状態ではガイドレール(9)から距離を取って保持し、作動状態ではレール(9)と摩擦接続的に接触させるように、構成されており、その結果接触機構(6)は、乗りかごとガイドレール(9)との間で相対的に動く場合には、作動基体(3)とガイドレール(9)との間の間隙に沿って動き、連結部材(7)を連行し、かつ、連結部材(7)の動きによって、エレベータ制動装置(2)が自動的に反応するようにし、作動ユニット(1)は別体でもしくはエレベータ制動装置(2)から距離を置いて乗りかごに据え付け可能であり、連結部材(7)を介してのみエレベータ制動装置(2)と接続している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗りかごに据え付け可能な作動基体(3)と、作動器(5)と、接触機構(6)と、該接触機構(6)をエレベータ制動装置(2)と接続可能にする連結部材(7)とを有する、エレベータ制動装置(2)を操作するための作動ユニット(1)であって、該作動ユニット(1)は、その作動器(5)が前記接触機構(6)を、非作動状態ではガイドレール(9)から距離を取って保持し、作動状態では前記ガイドレール(9)と摩擦接続的に接触させるように、構成されており、その結果前記接触機構(6)は、乗りかごと前記ガイドレール(9)との間で相対的に動く場合には、前記作動基体(3)と前記ガイドレール(9)との間の間隙に沿って動き、前記連結部材(7)を連行し、かつ、前記連結部材(7)の動きによって、前記エレベータ制動装置(2)が自動的に反応するようにする作動ユニット(1)において、該作動ユニット(1)は別体でもしくは前記エレベータ制動装置(2)から距離を置いて乗りかごに据え付け可能であり、前記連結部材(7)を介してのみ前記エレベータ制動装置(2)と接続していることを特徴とする作動ユニット(1)。
【請求項2】
前記接触機構(6)は、前記連結部材(7)を連行せずにある特定の分だけ動くことができるように、前記連結部材(7)と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の作動ユニット(1)。
【請求項3】
前記連結部材(7)は長穴(23)を備え、該長穴(23)を介して前記連結部材(7)は、好適にはボルト(8)を使って前記接触機構(6)と接続されており、その結果前記連結部材(7)は、前記接触機構(6)と前記連結部材(7)とを接続する前記ボルト(8)が、前記長穴(23)の上端部に到達して初めて、前記接触機構(6)に連行されることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の作動ユニット(1)。
【請求項4】
前記作動基体(3)の滑走面(12)であって、前記接触機構(6)が前記ガイドレール(9)と接触している場合に前記接触機構(6)が前記滑走面(12)に沿って滑走し、かつ、前記作動器(5)に隣接する滑走面(12)は、予応力がかかったバネ(13)を使って、前記ガイドレール(9)の方向に押され、かつ前記滑走面(12)は、前記接触機構(6)が、前記作動基体(3)と前記ガイドレール(9)との間の間隙の適当な一部分の中にある場合、前記接触機構(6)に前記ガイドレール(9)の方向に力を加えることを特徴とする請求項1に記載の作動ユニット(1)。
【請求項5】
前記作動器(5)は、作動状態から非作動状態へ移行し、かつ、その逆に移行するために回転運動させられるロッカーアーム(5)であり、該ロッカーアーム(5)は、前記接触機構(6)のためのホルダ(14)を備え、該ホルダ(14)は作動状態で、前記ガイドレール(9)に対して平行な上への動きを除く、前記接触機構(6)のあらゆる並進運動を防ぐことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)。
【請求項6】
電磁石(16)は、前記作動器(5)を非作動ポジションへ動かして、その場所で保持し、同時に、前記電磁石(16)にもはや電力供給されなくなるとすぐに、バネ(13)が前記作動器(5)に作用して、該作動器(5)が作動ポジションへ旋回することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)。
【請求項7】
前記電磁石(16)の電機子(19)はタペット(20)と接続されており、該タペット(20)は、前記電機子(19)が前記電磁石(16)のコイル(21)によって引きつけられると、前記作動器(5)を非作動ポジションへ押してその場所で保持することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)。
【請求項8】
前記接触機構(6)はローラ(6)であり、該ローラ(6)は、起動状態で、そのローラ側面(22)の一方でガイドレール(9)上を転動し、そのローラ側面(22)の他方で前記作動基体(3)上を転動することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)。
【請求項9】
前記接触機構(6)は制動フラットパッドであリ、該制動フラットパッドは、起動状態で前記ガイドレール(9)に対して当接し、同時に、リニア軸受好適にはリニア転がり軸受の形状のリニア軸受を介して、前記作動基体(3)に対して当接し、かつ、前記制動フラットパッドと前記ガイドレール(9)との間の滑り摩擦力によって連行されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)。
【請求項10】
前記接触機構(6)はプラスチックから成り、あるいは、プラスチック好適にはショアA硬度6580のポリウレタンでコーティングされていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)。
【請求項11】
前記連結部材(7)は、前記エレベータ制動装置(2)で旋回可能であり、好適にはその制動楔(11)に関節接合可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)。
【請求項12】
構造が異なるエレベータ制動装置(2)を作動させるための、請求項1から11のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)の使用法。
【請求項13】
ガイドレール(9)に沿って可動な乗りかごと、速度超過あるいは異常な走行状態の場合にエレベータ制動装置(2)を、好ましくは該エレベータ制動装置(2)に直接作用して該エレベータ制動装置(2)が反応するようにする電気信号によって作動させる調速機とを有するエレベータにおいて、該エレベータは、請求項1から11のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)を、少なくとも1つより良好には少なくとも2つ備えることを特徴とするエレベータ。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のおいて書きに記載の、エレベータ制動装置を操作するための作動ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータは通常であれば、エレベータ制動装置が具備されており、当該エレベータ制動装置は、走行速度が許容範囲を超える高速の場合に、乗りかごにブレーキをかける、もしくは捕捉する。許容範囲を超える高速で乗りかごが加速する原因としては、たとえば、駆動装置もしくはその制動装置の制御の機能欠陥あるいはロープの破損が問題となる。
【0003】
その際エレベータ制動装置の作動は、様々なやり方で行われ得る。作動ユニットが純粋に機械的なものであれば、制動装置の起動はしばしば、シャフト内に据え付けられた調速機によって行われる。そのような作動ユニットでは、内含する調速機ロープがエレベータシャフト内に取り付けられており、当該調速機ロープは、調速機とテンションローラとによって逆向きに方向転換される。調速機ロープは、一箇所でエレベータかご室の制動装置もしくは制動装置の制動機構と接続されており、それに応じて、エレベータかご室が動く際に、エレベータかご室に連行される。それから、走行速度が許容範囲を超える高速であれば、調速機は、調速機ロープにブレーキをかける。それによって調速機ロープはエレベータシャフト内で、エレベータかご室やそれに固定された制動機構よりもゆっくりと動くので、調速機ロープは、制動機構に張力を加える。これによって、制動装置が起動する。
【0004】
しかしながら、純粋に機械的なそのような作動ユニットには、たとえば、調速機が汚れている場合の故障の起こりやすさ、あるいは、据え付け時の費用が比較的高いことのような様々な欠点がある。
【0005】
機械的な作動ユニットの欠点ゆえに、電磁式の作動器への傾向が高まっていることが、見て取れる。しかしながら、そのような作動器は通例、各エレベータ制動装置用に個別に開発されるので、作動ユニットと制動装置とを各々組み合わせるためには、別々に安全性認定が行われなくてはならない。
【従来技術】
【0006】
現代のエレベータでは、シャフトは普通、規則的な距離を置いて設けられたセンサ、あるいはそれどころか完全なシャフトコピー(Schachtkopierung)が具備されており、これらは速度超過を検出する。速度超過の場合には、主に電磁気に基づく作動ユニットに信号が送信される。これらの作動ユニットは普通、停電の場合に自動的に制動プロセスを作動させるように、構成されている。
【0007】
電磁式作動ユニットが具備されている典型的なエレベータ制動装置は、たとえば特許文献1に記述される。そこでは、エレベータかご室のための制動装置が示され、その制動機構は、エレベータかご室にブレーキをかける必要がない限りは、非起動位置で保持機構によって保持される。その際保持機構は電磁石であり、当該電磁石は、制動ローラとして実施される制動機構を引きつけ、それによって、エレベータのガイドレールと接触するのを防ぐ。許容範囲を超える高速度が測定されるとすぐに、あるいは別の理由でエレベータにブレーキをかけなくてはならなくなるとすぐに、電磁石のスイッチが切られ、制動機構は圧縮バネによって、ガイドレールの方向に押される。そこで制動ローラはガイドレールを転動し、ガイドレールと、同様に制動装置の部材である圧力体との間の楔形間隙内に入り込む。その際、摩擦面が具備された制動ローラは、エレベータかご室にブレーキをかける。制動機構を再びその制動ポジションから非起動ポジションへ移すために、電磁石が起動される。それによって制動機構は、圧縮バネの作用に逆らって、ガイドレールともはや接触しないポジションに再び移される。しかしながら、電磁石が制動機構を引きつけることが可能になる前に、制動機構を楔形間隙から押し出さなくてはならない。そのために、エレベータかご室は通例、少しばかり戻される。
【0008】
しかしながら、この制動装置には、比較的強い電磁石が必要である。なぜなら、旋回運動学に基づいて、磁石と制動機構との間に比較的大きな空隙が存在するからである。
【0009】
電磁式の作動ユニットを有する類似のエレベータ制動装置は、ヨーロッパ特許公報の特許文献2から知られている。しかしながらそこでは、制動機構は、同様に電磁石と圧縮バネとから成る作動ユニットによって、直接的には操縦されない。その代わりに電磁石と圧縮バネは、制動機構をガイドするガイド要素に作用する。ガイド要素と電磁石との間の空隙は、特許文献1の制動装置よりも小さいので、明らかに低性能の電磁石を用いることができる。
【0010】
先に記述された、エレベータ制動装置と作動ユニットとの組み合わせは通例、各負荷範囲と速度範囲のために費用をかけて開発され、認定されなくてはならない全く新しいユニットである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2006/077243号
【特許文献2】欧州特許第1902993号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
これに鑑みて、本発明の課題は、これまでは調速機ロープを使って機械的に操作されたもしくは作動したエレベータ制動装置を電気的に作動させることができる、多目的に利用可能な作動ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に従えば、この問題は、製品請求項として作成されたメイン請求項の特徴によって、解決される。
【0014】
それに応じて、乗りかごに据え付け可能な作動基体と、作動器と、ガイドレールとの摩擦接触によって操作力を生成するための接触機構と、連結部材とを有する、エレベータ制動装置を操作するための作動ユニットが、意図されている。
【0015】
その際接触機構は、好ましくは後により詳細に記述されるやり方で、連結部材を介してエレベータ制動装置と接続可能である。
【0016】
作動ユニットは、その作動器が接触機構を、非作動状態ではガイドレールから距離を取って保持し、作動状態ではレールと摩擦接続的に接触させるように、構成されている。乗りかごとガイドレールとの間で相対的に動く場合には、摩擦接続的にレールと接触している接触機構は、作動基体とガイドレールとの間の間隙に沿って動く。その際接触機構は連結部材を連行し、連結部材の動きによって、エレベータ制動装置が自動的に反応するようにする。作動ユニットには、作動ユニットは別体でもしくはエレベータ制動装置から距離を置いて乗りかごに据え付け可能であり、連結部材を介してのみエレベータ制動装置と接続しているという特徴がある。
【0017】
作動ユニットは、作動基体と作動器とがガイドレール近くにあるように、エレベータの乗りかごに据え付けられる。その際ガイドレールとの距離は、作動器が非作動状態で、接触機構とガイドレールとの間の接触を妨げるように、選択される。
【0018】
接触機構とガイドレールとの間で接触が起こらない限り、接触機構は、エレベータの乗りかごと同時にエレベータシャフトを通って動く。従って、乗りかごと接触機構の速度と移動方向は、同じである。
【0019】
すでに冒頭で記述されたように、現代のエレベータは通例エレベータシャフト内に、乗りかごの速度が許容範囲を超える高速であると検出するセンサあるいはシャフトコピーを備える。乗りかごの速度が許容範囲を超える高速であると検出されるとすぐに、あるいは、たとえば停電のような別の問題でエレベータ制動装置の起動が必要となるとすぐに、作動器が起動され、すなわち作動状態へ移される。その際作動器は、接触機構がガイドレールと接触するポジションを取る。接触機構と作動器もしくは作動基体は、その間接触したままである。
【0020】
接触機構が同時にガイドレールおよび作動器と接触するとすぐに、接触機構は摩擦によって、乗りかごよりもゆっくりとエレベータシャフトを通って動く。その結果として、乗りかごが下方に動くと、接触機構は乗りかごに対して上へ動く。
【0021】
それから、一端部で接触機構と接続されている連結部材と、連結部材の別の端部で連結部材と接続されている、エレベータ制動装置の制動楔とは、同様に乗りかごに対して上へ動く。しかしながら、乗りかごに据え付けられたエレベータ制動装置はさらに、乗りかごと同時にエレベータシャフト内を下へ動くので、制動楔はエレベータ制動装置に対しても上へ動く。
【0022】
その結果として制動楔は、連結部材を介してエレベータ制動装置に伝達される接触機構の移動によって、制動ポジションへ移され、当該制動ポジションから、エレベータ制動装置が自動的に反応し、最終的に乗りかごにブレーキをかける。
【0023】
それにもかかわらず、根本的な機能原理から見て、制動楔が実際に行うように接触機構がガイドレールと相互作用しても、制動楔との根本的な相違がある。制動楔とは異なって、接触機構それ自体は、乗りかごにブレーキをかけるあるいはほんの少しだけでなくそれ以上にブレーキをかける制動作用をレールで発揮しない。接触機構は単に、エレベータ制動装置の始動に必要な、力によるサーボ効果をもたらすだけである。乗りかごの速度を落とす制動力を発生させるこの機能はむしろ、連結部材によって操作された、少なくとも1つの制動楔、制動ローラあるいはブレーキエキセントリックを有するエレベータ制動装置に委ねられている。
【0024】
別体での据え付けとは、作動ユニットがエレベータ制動装置から完全に独立して乗りかごに着脱可能となるような固定と理解される。距離を置いた据え付けとは、作動ユニットとエレベータ制動装置との間の直接的な接触が、好適には主に両側が回転可能に関節接合された引張ロッドのように形成された連結部材のみを介して行われ、作動ユニットとエレベータ制動装置の別体のハウジングは、互いに直接的、物理的に接触しない据え付けと理解される。
【0025】
作動ユニットが別体でもしくはエレベータ制動装置から距離を置いて乗りかごに据え付け可能であることによって、ある特定の作動ユニットを、様々なエレベータ制動装置に用いることができる。エレベータ制動装置と作動ユニットとの間の距離は、連結部材の長さによって決定される。
【0026】
連結部材を介する作動ユニットとエレベータ制動装置との間の接続は、好適には解除可能なので、作動ユニットの個々のコンポーネントあるいは作動ユニット全体あるいはエレベータ制動装置の個々のコンポーネントあるいはエレベータ制動装置全体を交換することができる。好ましくは、接続もしくは接続を可能にする作動ユニットの手段は、異なるエレベータ制動装置を、作動ユニットによって作動させる目的のために、作動ユニットに繋げることができるという性質を持っているが、作動ユニットに何らかの構造上の変更を行う必要はない。いずれにしても、それぞれ新たな認定を必要とする構造上の変更は必要ない。それにもかかわらず、好適には、変更あるいはいずれにせよ新たな認定を必要とする変更を、エレベータ制動装置にも行う必要はない。
【0027】
「ガイドレール」という言葉は、好適には、エレベータシャフト内に延在する乗りかごのガイドレールを意味する。しかしながらこの言葉は、「制動レール」と呼ばれ得る、エレベータシャフト内に取り付けられた付加的なレールも含んでいる。
【0028】
「非作動状態」という言葉は、接触機構とガイドレールとの間の接触が不可能な、作動器のポジションを意味する。
【0029】
「作動状態」という言葉は、作動器がガイドレールの方向に動いて接触機構がガイドレールに当接する、作動器のポジションを意味する。
【0030】
エレベータ制動装置の「制動楔」という言葉は、典型的には、エレベータ制動装置とガイドレールとの間の楔形間隙にはめ込まれることによって制動プロセスを作動させる、エレベータ制動装置の可動要素を意味する。その際、「楔」がローラであって、ローラがはめ込まれる間隙内で楔作用を発揮するローラのことであるか、あるいは回転時に垂直抗力の増加を引き起こすエキセントリックのことであるとも考えられ得る。
【0031】
「制動ポジション」という言葉は、制動楔のポジションを意味しており、乗りかごが停止するまで、当該ポジションから制動楔が、乗りかごの動きによって、エレベータ制動装置とガイドレールとの間の楔形間隙に自動的にますます深く押し込まれる。
【0032】
エレベータ制動装置の「自動的な反応」という言い回しは、エレベータ制動ポジションの制動楔が制動ポジションにある場合の状態を意味する。
【好ましい形態の可能性】
【0033】
本発明の効果あるいは利用可能性をさらに改善させるように、本発明を形作るための一連の可能性がある。
【0034】
それで特に好ましいのは、乗りかごが捕捉された状態からリセット運動をする際に、接触機構が、作動基体とガイドレールとの間の間隙の中へそれに沿って動き、その際に、接触機構が連結部材を使って、エレベータ制動装置の制動楔を、完全に解放された待機ポジションへ動かすのに十分な力を、逆走行時に制動楔にいずれにせよ現れる力とともにかけるように、作動ユニットを構成することである。
【0035】
制動プロセスの間、乗りかごと乗りかごに固定されたエレベータ制動装置とが下方に動くことで、制動楔は、エレベータ制動装置の基体とガイドレールとの間の間隙内に引き込まれる。その際、制動楔がガイドレールとエレベータ制動装置の基体との間の間隙内で挟まれて、乗りかごが完全に停止した場合の状態は、捕捉と呼ばれる。
【0036】
捕捉状態から乗りかごを再び運転させるために、乗りかごを逆方向に動かして、制動楔(あるいは複数の制動楔)を再び間隙から離す。逆方向に動かすことによって、制動楔は再び間隙から引き抜かれる。制動楔は依然として連結部材によって接触機構と接続しているので、たとえば作動器がすでに再び電磁石によって引きつけられて非作動ポジションへ移されていたがために、接触機構が一時的に、定義されたように待機ポジションへ転動して動くのに十分な摩擦接続がもはやなかったとしても、接触機構は、制動楔のリセット運動によって、再び完全に待機ポジションへ移動させられる。もはや接触しなくなるまで、制動楔が楔間隙から運ばれて初めて、制動楔は再び連結部材を介して接触機構に掛着し、その動きで再び降下するか、あるいは重力の影響で接触機構と一緒に待機ポジションへ戻る。
【0037】
「完全に解放された待機ポジション」という言い回しは、制動楔がガイドレールと接触していない、制動装置の状態を描写している。
【0038】
好ましいさらなる一実施形態において、接触機構は、連結部材を連行せずにある特定の分だけ動くことができるように、連結部材と接続されている。
【0039】
この形態は、本発明に係る作動ユニットが、スタンバイ時に電力消費を減らすために電圧をかけないように切り替えられ、それから、場合によってはより長時間にわたるスタンバイ運転の後に、ポジション変更もしくはわずかなポジション変更が起こる場合に、特に有利である。例として挙げれば、とりわけ高層建築物のエレベータで重要となる温度変化である。純粋に例として挙げれば、建物が25階建てであり、1階でスタンバイポジションにある乗りかごが、50メートル以上の長さがある昇降索に掛着している場合である。対応する長さ変化は、温度変化が10℃の場合でもかなりのものである。
【0040】
それで、作動ユニットが電力供給されない状態にある間、保持箇所からのわずかな離脱運動も、補整できる。そのような離脱運動は、乗りかごが保持箇所で非常に大きな負荷をかけられるかあるいは負荷を解かれて、それゆえ乗りかごの重量が決定的に変化した場合に、起こり得る。
【0041】
このため、特別な予防措置を講じなければ、乗りかごがわずかに降下することで、エレベータ制動装置の制動楔は、制動楔に配設された楔形間隙に少なくとも少しばかり引き入れられる。これによって、問題なく走行を続けることが妨げられる。
【0042】
接触機構が、連結部材を連行せずにある特定の分だけ並進運動できることによって、エレベータ制動装置は、すぐにはその自動ロック式の捕捉ポジションに移行しなくて済む。それで、乗りかごの振動あるいはその他の放置可能な乗りかごの動きは、害にはならない。その結果として、乗りかごのリセット運動は、そのような無害な動きの後では必要なく、作動器を再び非作動ポジションに動かせば十分である。ある特定の分だけの接触機構の「並進」運動とは、連結部材に対する動きを意味している。
【0043】
理想的には連結部材は長穴を備え、当該長穴を介して連結部材は、好適にはボルトを使って接触機構と接続されている。その際連結部材は、接触機構と連結部材とを接続するボルトが、長穴の上端部に到達して初めて、接触機構に連行される。
【0044】
ここで問題となっている実施形態は好適には、連結部材の長穴に沿ってガイドされるボルトが、接触機構に備わることで実現される。その際接触機構とボルトと長穴は、作動器の非作動状態で、ボルトが長穴の下部領域にあるように、互いに位置決めされなくてはならない。ボルトが接触機構によってある特定の分だけ上へ動いた後、ボルトは長穴の上端部に当接する。接触機構とボルトとが連結部材に対してさらに上へ動くことで、連結部材はボルトによって、一緒に上へ引っ張られることになる。
【0045】
その際ボルトは理想的には、接触機構から離れた方を向いている端部に、長穴の直径よりも大きい直径を備える。ボルトは、より小さい直径を備える端部で、最初に長穴を通ってそれから接触機構を通ってガイドされ、続いて、接触機構に対して軸方向に位置がずれるのを防ぐ保護リングで保護される場合、接触機構は連結部材に対しても、軸方向での許容できない変位に対して保護されている。
【0046】
好適には、作動基体の滑走面であって、接触機構がガイドレールと接触している場合に接触機構が当該滑走面に沿って滑走し、かつ、作動器に隣接する滑走面は、予応力がかかったバネを使って、ガイドレールの方向に押される。接触機構が、作動基体とガイドレールとの間の間隙の適当な一部分の中にある場合、それによって滑走面は、接触機構に力を加える。
【0047】
接触機構とガイドレールとの間の摩擦が小さすぎれば、事情によっては、接触機構は、連結部材および連結部材を介して制動装置の制動楔も、乗りかごに対して上へ連行することができなくなり、作動ユニットの残りの部分に引っ張られてガイドレールに沿って滑ることになりかねない。これによって、最悪の場合、エレベータ制動装置が作動しなくなる。
【0048】
接触機構の間の摩擦は、一方の摩擦係数と、他方の接触機構をガイドレールに押しつける垂直抗力とに依存しているので、垂直抗力を上げるのが合理的である。これは、作動器に隣接する、作動ユニットの基体の領域を、予応力がかかった1つあるいは複数のバネを使って、ガイドレールの方向に押すことによって、遂行できる。接触機構が、バネによってガイドレールの方向に押された領域の滑走面を通過すると、接触機構もガイドレールの方向に押される。それで、接触機構とガイドレールとの間の摩擦が大きくなる。
【0049】
作動器に隣接する、作動ユニットの基体の滑走面を、油圧あるいは空気圧の要素を使って、ガイドレールの方向に押すことも考えられ得る。
【0050】
その際「滑走面」という言葉は、バネに支持された領域の、ガイドレールに対向する表面を意味し、この面に沿って接触機構が滑走する。
【0051】
その際「沿って滑走する」という言葉は、接触機構がローラとして実施される場合には転動を意味してよく、接触機構が制動パッドとして実施される場合には沿って滑動することを意味してよい。
【0052】
理想的には作動器は、作動状態から非作動状態へ移行し、かつ、その逆に移行するために回転運動させられるロッカーアームである。しかも作動器はホルダを備え、当該ホルダは作動状態で、ガイドレールに対して平行な上への動きを除く、接触機構のあらゆる並進運動を防ぐ。
【0053】
作動器は非作動状態で、接触機構とガイドレールとの間の接触を防がなくてはならない。そのために、非作動状態で接触機構が載置されるホルダを、作動器に具備することが提案される。ホルダとは、理想的には鉢状あるいは溝状の部材の一部であり、ローラが前後に揺動してその際事情によってはガイドレールと接触してしまうのを防ぐ。
【0054】
ロッカーアームとして実施される作動器は、回転ポイントとして使われるボルト周りに回転可能に支承される。回転ポイントには作用しない力がロッカーアームに加えられると、ロッカーアームは、回転ポイント周りの回転運動を始める。それから、ロッカーアームがガイドレールの方向に回転運動すると、作動器の少なくとも一部は、ガイドレールの方向に動く。接触機構を有するホルダが、ガイドレールの方向に回転する作動器の一部の領域内にあれば、接触機構はガイドレールと接触させられる。これは、作動器を非作動ポジションから作動ポジションへ移すために、費用のかかるリニアガイドを必要としないという利点を呈する。
【0055】
好ましいさらなる一実施形態において、電磁石は、作動器を非作動ポジションへ動かして、その場所で保持する。同時に、電磁石にもはや電力供給されなくなるとすぐに、バネが作動器に作用して、作動器が作動ポジションへ旋回する。
【0056】
さらなる力が作動器を作動ポジションへ動かそうとするのに対し、作動器が電磁石によって、能動的に非作動ポジションで保持される場合、乗りかごが動いている間に停電とそれに伴う電磁石の停止が起これば、作動ユニットが自動的に作動し、続いてエレベータ制動装置が作動する。電磁石を空気圧、油圧あるいは、停電時にはもはや作動器に力を加えないユニットによって、能動的に非作動ポジションで保持することも可能である。
【0057】
作動器を作動ポジションへ移す要素が、圧縮バネあるいは引張バネとして行使される場合、これには、永久的に力が作動器に加えられ、電子機器あるいは制御装置の漏電あるいは欠陥ゆえの機能不全が排除されるという利点を呈する。
【0058】
電磁石とバネ要素両方が同じポイントもしくは同じ高さで作用する場合、バネ力は磁力よりも小さいということに留意すべきである。なぜなら、さもないと作動器は、長時間作動ポジションで保持されるからである。作動器が、ある特定の回転ポイント周りに回転して作動状態あるいは非作動状態になるロッカーアームとして実施されるのであれば、同じ力でより大きなトルクを生成するために、電磁石をバネよりも回転ポイントから遠く離して作用させることが提案される。
【0059】
好適には、電磁石の電機子はタペットと接続されており、当該タペットは、電機子が電磁石のコイルによって引きつけられると、作動器を非作動ポジションへ押してその場所で保持する。
【0060】
電磁石と作動器との間に大きすぎる空隙を作ることなく、構造空間の形成する上での自由を得るために、電磁石に電力供給された状態で作動器を押すタペットを、電磁石に具備することが提案される。そのために理想的には、タペットが電磁石の電機子と溶接、螺合あるいは圧着されることによって、あるいは、孔の中で軸方向に位置がずれないように保護リングで保護されることによって、タペットは電磁石の電機子に取り付けられる。タペットのポジションは、電磁石の電機子がコイルによって引きつけられると、タペットが作動器に対して圧力をかけるように、選択される。タペットを介して電機子に不都合なモーメントを加えないようにするために、タペットを電機子の長手軸に対して同軸に電磁石を通ってガイドすることが合理的である。
【0061】
その際タペットは理想的には、アルミニウムのような、弾性のない軽量の材料から成る軸である。
【0062】
好ましいさらなる一実施形態において、接触機構はローラであり、当該ローラは、起動状態で、そのローラ側面の一方でガイドレール上を転動し、そのローラ側面の他方で作動基体上を転動する。
【0063】
接触機構がローラとして実施される場合には、接触機構は、ガイドレールと接触機構との間の摩擦が十分に大きなものであれば、起動状態でガイドレールを転動する。これによって、乗りかごが下方に動く際に、接触機構は、過度に摩滅することなく乗りかごに対して上へ動く。その結果として、制動パッドとして実施される接触機構とは対照的に、ローラとして実施される接触機構はより長期間用いることができる。
【0064】
その際「起動状態」という言葉は、接触機構がガイドレールと接触している時の状態を意味する。つまりそれは、作動器が作動する時点の状態のことである。
【0065】
好ましいさらなる一実施形態において、接触機構は、制動フラットパッドである。制動フラットパッドは、起動状態でガイドレールに対して当接する。同時に制動フラットパッドは、リニア軸受好適にはリニア転がり軸受の形状のリニア軸受を介して、作動基体に対して当接する。制動フラットパッドとガイドレールとの間の滑り摩擦力によって、制動フラットパッドは連行される。
【0066】
このため、作動状態から非作動状態になるために、作動器は、ガイドレールに対して垂直に動く必要がある。作動状態において、つまり、作動器がガイドレールの方向に動いて制動パッドがガイドレールと接触すると、制動パッドとガイドレールとの間に摩擦が生じる。制動パッドが、バネによってガイドレールの方向に押される滑走面とガイドレールとの間の間隙内に入る前に、制動パッドに不必要な摩耗が生じないようにするために、制動パッドが片側で当接するリニア軸受が、作動器に具備されている。制動パッドが、バネでガイドレールの方向に押される滑走面とガイドレールとの間の間隙内に入るまで、ガイドレールと制動パッドとの間の滑り摩擦によって、制動パッドは作動器に対して上へ動く。そこで、バネによって制動パッドに加えられる垂直抗力によって、ガイドレールと制動パッドとの間の摩擦が、明らかに高まる。その際制動パッドは、制動パッドと接続された連結部材を連行し、連結部材の下端部に取り付けられたエレベータ制動装置の制動楔を制動ポジションへ移す。
【0067】
理想的には接触機構は、プラスチック好適にはショアA硬度65-80のポリウレタンでコーティングされている。
【0068】
できる限り摩滅を小さくしながら、ガイドレールと接触機構との間の理想的な摩擦係数を保証するために、接触機構にポリウレタンのようなプラスチックを具備させることが提案される。
【0069】
接触機構がローラであれば、ローラ側面の領域だけにこの材料を具備することが有利であるが、他方で、ローラの強度を高く保つために、ローラの残りの部分は金属から成る。
【0070】
好適には連結部材は、エレベータ制動装置で旋回可能であり、好適にはその制動楔に関節接合可能である。
【0071】
そのために提案されるのは、連結部材と接触機構との間の接続および連結部材と制動楔との間の接続を、連結部材に対して回転可能に支承されているボルトを介して構築することである。それによって、連結部材が傾くあるいは曲がるのを防ぐ。
【0072】
さらに言及すべきは、少なくとも1つの本発明に係る作動ユニットを有するエレベータ全体もしくは垂直エレベータのために、独自の保護も望まれるということである。
【0073】
その上、構造が異なるエレベータ制動装置を作動させるための本発明に係る作動ユニットの使用法に、独自の保護も請求される。その際エレベータ制動装置は、好ましくは変更されないまま、あるいは、エレベータ制動装置に新たな許可あるいは認定が必要ない限りは変更されないままである。それによって作動させられる上記のエレベータ制動装置は、典型的には構造が完全に異なっており、同一の構成で単に寸法が異なるだけの変形形態ではない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1】非作動ポジションにある作動ユニットと、エレベータ制動装置とである。
図2】接触機構がガイドレールと接触した作動ユニットと、エレベータ制動装置とである。
図3】エレベータ制動装置の起動直前の状態にある作動ユニットと、エレベータ制動装置とである。
図4】制動ポジションにあるエレベータ制動装置と作動ユニットとである。
図5図1に示されたポジションにある作動ユニットの断面図とエレベータ制動装置とである。
図6図2に示されたポジションにある作動ユニットの断面図とエレベータ制動装置とである。
図7図3に示されたポジションにある作動ユニットの断面図とエレベータ制動装置とである。
図8】エレベータ制動装置が起動中の作動ユニットの断面図とエレベータ制動装置とである。
図9図4に示されたポジションにある作動ユニットの断面図とエレベータ制動装置とである。
図10】作動器の起動のために備わっている電磁石の断面図である。
図11】非起動ポジションにあるエレベータ制動装置の断面図である。
図12】乗りかごフレームの垂直キャリア内への、本発明に係る構成の好ましい組み込み法の図解である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
本発明に係る装置の機能方法は、例示的に図1から図11に基づいて記述される。
【0076】
図1において、請求されたような作動ユニット1が、エレベータ制動装置2と一緒に表わされる。その際作動ユニット1とエレベータ制動装置2は両方とも、エレベータの乗りかごに固定されているが、しかしながらここでは、当該乗りかごは表わされない。本件の場合では、作動ユニット1は、エレベータ制動装置2の上部に設けられている。作動ユニット1とエレベータ制動装置2は、見ての通り、構造上完全に互いに分離している。それらのハウジングは、好適には互いに距離を置いている。いずれにせよこれらは、機能的に完全に互いに分離している。
【0077】
物質的かつ通例は機能的性質を唯一接続するのは、ロッドのように形成され、ここでは好適には連結式に一端部が作動ユニット1に関節接合され、好適には連結式に別の端部がエレベータ制動装置もしくはその制動楔に関節接合された連結部材7であり、当該連結部材7は、ほとんどの場合2つのハウジングの間の隔たりを架橋する。
【0078】
エレベータ制動装置2は、ここに記載された実施例において、エレベータもしくはエレベータに付随する乗りかごが許容範囲を超えた高速でもしくはコントロールされずに下方に走行するのにブレーキをかけるために、利用される。
【0079】
作動ユニット1の機能方法および作動ユニット1とエレベータ制動装置2との相互作用を説明する前に、特許法上完全を期するために以下において、エレベータ制動装置2が作動ユニット1とともにどのように使用されるのか、エレベータ制動装置2の機能方法に簡単に言及しなくてはならない。
【0080】
このためにエレベータ制動装置2が、図11に断面図で表わされる。作動ユニット1とは異なって、エレベータ制動装置2は多くの場合、乗りかごに対して横方向に移動可能にもしくは遊動的に乗りかごに固定されており、据え付けられた状態でその基体30でガイドレール9を握持する。その際エレベータ制動装置2は、図11に示された非作動ポジションで、ガイドレール9と接触していない。基体30はレール9の片側で、制動可能ポジションで制動楔11を保持し、他方で、キャリアプレート24に取り付けられた制動パッド25はレール9の向かい合う側で、制動可能ポジションで保持される。エレベータ制動装置2を制動ポジションへ移すために、制動楔11は、たとえばリニア玉軸受27に沿って、ガイドレール9と基体30との間の狭くなっていく間隙内を上へ動く必要がある。
【0081】
エレベータ制動装置2が横方向に移動可能にもしくは遊動的に乗りかごに固定されているので、制動パッド25もガイドレール9と接触し、その結果ガイドレール9は、制動楔11と制動パッド25とによって抱持される。事情によってはエレベータ内にいる人物に怪我をさせてしまうような長すぎる遅延を回避するために、ここで示されるように、エレベータ制動装置2の制動力リミッタとして、しばしば板バネ26が備わっている。
【0082】
乗りかごとひいてはエレベータ制動装置2とが同時に下方に動けば、ガイドレール9と基体30との間の間隙内に制動楔11が自主的にさらに引き入れられることになる。それで制動プロセスは、自動ロック式である。
【0083】
制動プロセスを作動させることができるようにするために、たとえば制動機構もしくは制動楔11に孔28が備わっており、当該孔28内に、作動ユニット1の連結部材7と接続するためのボルト29が打ち込まれる。つまり連結部材7が上方に動けば、作動ユニット1とエレベータ制動装置2とが据え付けられた状態で、エレベータ制動装置2は自動的に反応することになる。
【0084】
作動ユニット1が、エレベータ制動装置2よりも(規則的にファクタ5以上、主にファクタ10以上)小さい摩擦力を加えることがポイントである。これによって、作動ユニット1の機能はほぼ、たとえば制動楔を、制動楔がそこから自動的に引き入れられるポジションへ移すことによって、エレベータ制動装置を反応させることにとどまっている。
【0085】
図3においてよく認識できるのは、主にロッドのように実施される連結部材7が好ましくは、接触機構6を固定するための接続延長部に片側が接続するC字型の形状をしていることである。このやり方で、連結部材は後方からエレベータ制動装置2の内部に係合し、その制動楔11を動かす。これについては、容易に理解可能に図解している図12を参照のこと。
【0086】
図1で示された作動ユニット1の状態において、作動ユニット1の接触機構6は、エレベータのガイドレール9と接触していない。それで、連結部材7を介して作動ユニット1と接続されているエレベータ制動装置2が起動するのを防ぎ、エレベータは、正常運転時には上下に動く。
【0087】
乗りかごの降下速度が許容範囲を超える高速であると検出されると、作動ユニット1は、図2で示されたポジションへ移される。そのために、ここではローラ6として実施されている接触機構6が、ガイドレール9の方向に動かされて、その結果接触機構6のローラ側面22は、ガイドレール9と接触する。初めのうちは乗りかごおよび乗りかごに接している作動ユニット1の残りの部分と同じ降下速度の接触機構6は、それからガイドレール9に沿って転動する。それで、乗りかごと作動ユニット1の残りの部分とに対して見て、接触機構6は、上へ動く。その際接触機構6は、ボルト8によって、連結部材7の長穴23に沿ってガイドされる。ボルト8は、接触機構6に背向する端部の直径が、長穴23の直径よりも大きい。それで、接触機構6のボルトは、軸方向に位置がずれないように保護されているので、許容できない程軸方向に長穴23から接触機構6が離れないように、据え付けられた状態で保障されている。
【0088】
作動ユニット1の残りの部分に対して見て、接触機構6が上方に動くので、接触機構6もしくはボルト8はそれからすぐに、連結部材7の長穴23の上端部に当接する。
【0089】
この状態は、図3で表わされる。接触機構6のボルト8が長穴23の上端部に当接するとすぐに、接触機構6が乗りかごに対して上へ向いてさらに動くことで、連結部材7も、乗りかごおよび乗りかごと接続されたエレベータ制動装置2に対して上へ向いて動く。
【0090】
それによって、エレベータ制動装置2の制動楔11は、ガイドレール9とエレベータ制動装置2の基体30との間の間隙内に上へ引っ張られ、それで、乗りかごがさらに下方に動くことで、エレベータ制動装置2が自動的に反応することになる。
【0091】
図4において、制動プロセス中の作動ユニット1とエレベータ制動装置2とのポジションが示されている。
【0092】
作動ユニット1の内部におけるプロセスは、図5から図9に基づいて説明される。その際作動ユニット1はそれぞれ、断面図で表わされる。
【0093】
図5において作動ユニット1は、図1と同じポジションにある。
【0094】
接触機構6は、非作動状態にある作動器5のホルダ14に載置されている。作動器5は好ましくは、ロッカーアームの形状をしており、主にT字の形状である。回転ポイント23はほぼ、T字の両アームがその縦棒と交わるところにある。T字の縦棒は、ホルダ14を形成する。
【0095】
作動器5は非起動状態で、ガイドレール9に対して適当な距離があるので、接触機構6は、ガイドレールと接触しない。
【0096】
作動器5はこのポジションで、電磁石16によって保持される。そのために、電磁石16はタペット20と接続されており、当該タペット20は、電磁石16に電力供給される限り、アームすなわち作動器5の下端部に対して圧力をかける。同時に圧縮バネ15が、タペット20の作用に逆らって、同様に作動器5の下端部に作用する。その際作動器5の回転ポイント31周りのバネ15のトルクは、回転ポイント31周りのタペット20のトルクよりも小さい。本実施例において、これは、バネがタペット20よりも近くで回転ポイント31に作用し、バネ15の力が、電磁石16によってタペット20に加えられる力よりも小さいかあるいはせいぜい同じであることによって、達成される。しかしながら、バネ15とタペット20に、回転ポイント31から同じ距離で作動器5に作用させることも考えられ得、そうであればバネ力は磁力もしくはタペット力よりも小さくなくてはならない。
【0097】
乗りかごの速度が許容範囲を超える高速であると検出されるとすぐに、電磁石16にはそれ以上電力供給されない。それから電磁石16はもはやタペット20に、作動器5を非作動ポジションに保持させておけないので、作動器5は、接触機構6がガイドレール9に当接するまで、圧縮バネ15のバネ力によって回転ポイント31周りに時計回りに回転する。そうすれば作動器5は、作動ポジションにある。この状態は、図6図2とによって示される。
【0098】
図7において、図3と同じポジションの作動ユニット1が示される。
【0099】
図7で注目すべきはまた、接触機構6がここでは作動器5を、作動器5に作用するバネ15の力に逆らって、再び非作動ポジションの方向に旋回させたことを、図7が示していることである。この旋回は好ましくは、タペット20に背向する、T字型の作動器の別のアームに沿って接触機構が滑走し、その際ガイドレール上の向かい合う支持に基づいて、このアームを接触機構もしくはその中心から離れるように押すことによって、行われる。これによって主に、任意的に小さな磁石とともに働くために利用され得る保持磁石の空隙が小さくなる。しかしこの旋回は、さらに別の効果も有する。作動器が非作動ポジションの方向に動くことによって、圧縮バネは再び圧縮される。それによって、作動器に応力がかかる。それで、作動直後に接触要素に十分な垂直抗力を確実に印加できるので、非起動の待機ポジションから離れれば、てこ比がより不利になるという事実にもかかわらず、規定通りのさらなる移動に必要な摩擦力を得ることになる。
【0100】
ちょうど今言及された作動器の旋回の過程で、接触機構6もしくはここで接触機構6を好ましく形成するローラはすでに、下方に動く乗りかごに対して、連結部材7の長穴23の長さ分だけ上へ動いた。その際、接触機構6を連結部材7と接続するボルト8は、長穴23の上端部に当接する。接触機構6は、作動器5の上端部つまり、予応力がかかった圧縮バネ13が具備された作動基体3の滑走面12のすぐ手前にある。滑走面12は通例、滑走面12に対向するT字型の作動器5のアームと一列になることができるので、少なくともほぼ一直線に並んだ経路ができて、この経路に沿って接触機構6が動くことができるように、設けられている。
【0101】
乗りかごがさらに下方に動く場合、もしくは作動ユニット1の残りの部分に対して接触機構6がさらに上方に動く場合、接触機構6は、作動基体3の滑走面12とガイドレール9との間の間隙内に入る。滑走面12は、作動基体3のハウジング4に支持されている予応力がかかった圧縮バネ13によって、ガイドレール9の方向に押される。その結果として接触機構6も、間隙を通過する際にガイドレール9の方向に押され、それによって、ローラ側面22とガイドレール9との間の摩擦が明らかに高まる。
【0102】
ローラ側面22は理想的には、ポリウレタンおよび/あるいはショアA硬度65-80の材料から成る。それによって、高い摩擦が保証される。
【0103】
騒音レベルが高いという理由でそれほど好ましくはないバージョンでは、代替的に、側面が鋼鉄製のローラも考えられ得る。この変形形態は好ましくは、油が塗られたレール表面でも摩擦を確保するために、刻み目を付けて形成されている。
【0104】
接触機構6とガイドレール9との間の摩擦を高めることによって、スリップすることなく、かつ、作動ユニット1の残りの部分に下へ引っ張られることなしに、接触機構6がさらに転動し、作動ユニット1の残りの部分に対して上へ動くことが保障される。接触機構6がボルト8を介して、連結部材7も、乗りかごに対して上へ連行するので、エレベータ制動装置2の制動楔11も上へ動き、それによって、エレベータ制動装置2が自動的に反応することになる。
【0105】
制動プロセス中は、接触機構6は滑走面12の上部にあり、負荷をかけられることなく自由に動くことができる。その際重力は無視される。この状態は、図9図4とによって表わされる。
【0106】
エレベータ制動装置2が乗りかごに完全にブレーキをかけた後、乗りかごを少しばかり上へ運ぶことによって、制動楔11を再び制動ポジションから初期ポジションへ移すことができる。それによって制動楔11は、制動楔11に対向する基体とガイドレールとの間の楔形間隙から下へ向かって解放される。これによって、接触機構6が、作動ユニット1の残りの部分に対して下へ動き、その際、ボルト8が連結部材7の長穴23の下端部に当接するとすぐに、連結部材7を連行することになる。その結果として制動楔11は同様に、エレベータ制動装置2の残りの部分に対して下へ動く。
【0107】
接触機構6が、滑走面12とガイドレール9との間の間隙を通過した後、接触機構6は重力によって、再び初期ポジションに降下し、作動器5のホルダ14に置かれたままになる。しかしこれは、保持磁石がすでに予め電力供給されており、それゆえ作動器5をすでに再び非作動ポジションに戻したかもしくは少なくともそこで保持した場合にのみ当てはまる。さもなければ接触機構6は、今度は戻る途中で、好ましくは適当に傾斜した作動器5の角部に再び衝突する。その結果接触機構6は、作動器5を非作動ポジションの方向に押し戻すので、保持磁石の空隙が十分に小さくなって、再び電力供給された保持磁石が、バネ力に逆らって作動器を非作動ポジションで保持できるようになる。
【0108】
図10において、電磁石16が断面図で表わされる。タペット20は、主に圧着によって、電磁石の電機子19と接続されている。タペット20は、コイル21とコイル21を取り囲むハウジング17と電磁石16を取り囲むハウジング18とを通って軸方向に突き出て、作動器5に作用することができる。ハウジング18は、左側に貫通孔を備えており、電磁石16に電力供給されないと、当該貫通孔を通ってタペット20が突き出る。
【0109】
典型的には本発明に係る構成は、省電力で運転される。乗りかごが長時間待機ポジションに留まり続ければ、保持磁石の電力供給が止められるので、接触機構はガイドレールと当接することになる。
【0110】
従来の機械的なエレベータ制動装置の作動法と比較して、本発明に係る作動ユニット1を使った作動法は、同期が必要ないという利点を呈する。むしろ構造上保障されるのは、作動ユニットを電気的に同時に操作すれば、特別に同期せずとも、結果的に同期反応を伴うということである。同期が行われなければ結果的に、主に乗りかごの下部の領域において構造空間をかなり削減できる。これは、シャフトピットもしくはシャフトヘッドをより小さくするという要望にはっきりと応えるものである。
【符号の説明】
【0111】
1 作動ユニット
2 エレベータ制動装置
3 作動基体
4 作動基体のハウジング
5 作動器、ロッカーアーム
6 接触機構、ローラ
7 連結部材
8 連結部材と接触機構とを接続するためのボルト
9 ガイドレール
10 割り当てなし
11 制動楔
12 作動基体の滑走面
13 バネ
14 ロッカーアームの、接触機構のためのホルダ
15 作動器に作用するバネ
16 電磁石
17 コイル周りのハウジング
18 電磁石周りのハウジング
19 電磁石の電機子
20 タペット
21 電磁石のコイル
22 接触機構のローラ側面
23 連結部材の長穴
24 制動パッドのためのキャリアプレート
25 エレベータ制動装置の制動パッド
26 エレベータ制動装置の板バネ
27 エレベータ制動装置内のリニア玉軸受
28 制動楔内の孔
29 連結部材と制動楔とを接続するためのボルト
30 エレベータ制動装置の基体
31 作動器の回転ポイント
32 乗りかごフレームの垂直キャリア



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-06-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗りかごに据え付け可能な作動基体(3)と、作動器(5)と、接触機構(6)と、該接触機構(6)をエレベータ制動装置(2)と接続可能にする連結部材(7)とを有する、エレベータ制動装置(2)を操作するための作動ユニット(1)であって、該作動ユニット(1)は、その作動器(5)が前記接触機構(6)を、非作動状態ではガイドレール(9)から距離を取って保持し、作動状態では前記ガイドレール(9)と摩擦接続的に接触させるように、構成されており、その結果前記接触機構(6)は、乗りかごと前記ガイドレール(9)との間で相対的に動く場合には、前記作動基体(3)と前記ガイドレール(9)との間の間隙に沿って動き、前記連結部材(7)を連行し、かつ、前記連結部材(7)の動きによって、前記エレベータ制動装置(2)が自動的に反応するようにする作動ユニット(1)において、該作動ユニット(1)は別体でもしくは前記エレベータ制動装置(2)から距離を置いて乗りかごに据え付け可能であり、前記連結部材(7)を介してのみ前記エレベータ制動装置(2)と接続していることを特徴とする作動ユニット(1)。
【請求項2】
前記接触機構(6)は、前記連結部材(7)を連行せずにある特定の分だけ動くことができるように、前記連結部材(7)と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の作動ユニット(1)。
【請求項3】
前記連結部材(7)は長穴(23)を備え、該長穴(23)を介して前記連結部材(7)は、好適にはボルト(8)を使って前記接触機構(6)と接続されており、その結果前記連結部材(7)は、前記接触機構(6)と前記連結部材(7)とを接続する前記ボルト(8)が、前記長穴(23)の上端部に到達して初めて、前記接触機構(6)に連行されることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の作動ユニット(1)。
【請求項4】
前記作動基体(3)の滑走面(12)であって、前記接触機構(6)が前記ガイドレール(9)と接触している場合に前記接触機構(6)が前記滑走面(12)に沿って滑走し、かつ、前記作動器(5)に隣接する滑走面(12)は、予応力がかかったバネ(13)を使って、前記ガイドレール(9)の方向に押され、かつ前記滑走面(12)は、前記接触機構(6)が、前記作動基体(3)と前記ガイドレール(9)との間の間隙の適当な一部分の中にある場合、前記接触機構(6)に前記ガイドレール(9)の方向に力を加えることを特徴とする請求項1に記載の作動ユニット(1)。
【請求項5】
前記作動器(5)は、作動状態から非作動状態へ移行し、かつ、その逆に移行するために回転運動させられるロッカーアーム(5)であり、該ロッカーアーム(5)は、前記接触機構(6)のためのホルダ(14)を備え、該ホルダ(14)は作動状態で、前記ガイドレール(9)に対して平行な上への動きを除く、前記接触機構(6)のあらゆる並進運動を防ぐことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)。
【請求項6】
電磁石(16)は、前記作動器(5)を非作動ポジションへ動かして、その場所で保持し、同時に、前記電磁石(16)にもはや電力供給されなくなるとすぐに、バネ(13)が前記作動器(5)に作用して、該作動器(5)が作動ポジションへ旋回することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)。
【請求項7】
前記電磁石(16)の電機子(19)はタペット(20)と接続されており、該タペット(20)は、前記電機子(19)が前記電磁石(16)のコイル(21)によって引きつけられると、前記作動器(5)を非作動ポジションへ押してその場所で保持することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)。
【請求項8】
前記接触機構(6)はローラ(6)であり、該ローラ(6)は、起動状態で、そのローラ側面(22)の一方でガイドレール(9)上を転動し、そのローラ側面(22)の他方で前記作動基体(3)上を転動することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)。
【請求項9】
前記接触機構(6)は制動フラットパッドであリ、該制動フラットパッドは、起動状態で前記ガイドレール(9)に対して当接し、同時に、リニア軸受好適にはリニア転がり軸受の形状のリニア軸受を介して、前記作動基体(3)に対して当接し、かつ、前記制動フラットパッドと前記ガイドレール(9)との間の滑り摩擦力によって連行されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)。
【請求項10】
前記接触機構(6)はプラスチックから成り、あるいは、プラスチック好適にはショアA硬度65-80のポリウレタンでコーティングされていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)。
【請求項11】
前記連結部材(7)は、前記エレベータ制動装置(2)で旋回可能であり、好適にはその制動楔(11)に関節接合可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)。
【請求項12】
構造が異なるエレベータ制動装置(2)を作動させるための、請求項1から11のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)の使用法。
【請求項13】
ガイドレール(9)に沿って可動な乗りかごと、速度超過あるいは異常な走行状態の場合にエレベータ制動装置(2)を、好ましくは該エレベータ制動装置(2)に直接作用して該エレベータ制動装置(2)が反応するようにする電気信号によって作動させる調速機とを有するエレベータにおいて、該エレベータは、請求項1から11のいずれか1項に記載の作動ユニット(1)を、少なくとも1つより良好には少なくとも2つ備えることを特徴とするエレベータ。
【国際調査報告】