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特表2022-551369ヒータ組立体及びそれを含むエアロゾル生成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-09
(54)【発明の名称】ヒータ組立体及びそれを含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20221202BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20221202BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20221202BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20221202BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20221202BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/20
A24F40/40
A24F40/51
A24F40/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500787
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(85)【翻訳文提出日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 KR2021012094
(87)【国際公開番号】W WO2022050807
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0113746
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0062748
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、チェ ミン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヒョン ソク
(72)【発明者】
【氏名】アン、フィ キョン
(72)【発明者】
【氏名】チュ、ソン ホ
(72)【発明者】
【氏名】パク、サン キョ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC10
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC50
4B162AD06
4B162AD22
4B162AD23
(57)【要約】
エアロゾル生成物品を収容して加熱するためのヒータ組立体は、エアロゾル生成物品が挿入される収容空間、収容空間の少なくとも一部を取り囲み、誘導磁場を発生させるコイル及び収容空間内部に配置され、コイルで発生した誘導磁場によって熱を生成するサセプタ(susceptor)を含み、エアロゾル生成物品が収容空間に完全に挿入された状態でサセプタの遠位端部は、エアロゾル生成物品内のタバコロッド及びフィルタロッドの境界から上流に位置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコロッド及びフィルタロッドを含むエアロゾル生成物品を収容して加熱するためのヒータ組立体であって、
前記エアロゾル生成物品が挿入される収容空間と、
前記収容空間の少なくとも一部を取り囲み、誘導磁場を発生させるコイルと、
前記収容空間の内部に配置され、前記発生した誘導磁場によって熱を生成するサセプタと、を含み、
前記エアロゾル生成物品が前記収容空間に完全に挿入された状態で前記サセプタの遠位端部は、前記エアロゾル生成物品内の前記タバコロッド及び前記フィルタロッドの境界から上流に位置する、ヒータ組立体。
【請求項2】
前記サセプタの遠位端部は、前記境界から0.3~0.7mm離隔される、請求項1に記載のヒータ組立体。
【請求項3】
前記サセプタは、筒状の基底部と、前記基底部の一側末端に形成された針先部を含む、請求項1に記載のヒータ組立体。
【請求項4】
前記サセプタは、270~350℃の温度で発熱する、請求項1に記載のヒータ組立体。
【請求項5】
前記サセプタと互いに異なる素材を含み、前記サセプタ及び前記収容空間の底部と結合され、前記サセプタで発生する熱を吸収する断熱部をさらに含む、請求項1に記載のヒータ組立体。
【請求項6】
前記断熱部は、互いに異なる素材を含む複数個の部材が積層されて形成された、請求項5に記載のヒータ組立体。
【請求項7】
前記サセプタの内部には、前記断熱部が露出されるように第1空洞が形成される、請求項5に記載のヒータ組立体。
【請求項8】
前記第1空洞の内部に位置する断熱部と接触するように配置される温度センサをさらに含む、請求項7に記載のヒータ組立体。
【請求項9】
前記断熱部の内部には、前記サセプタが露出されるように第2空洞が形成される、請求項5に記載のヒータ組立体。
【請求項10】
前記第2空洞の内部に位置するサセプタと接触するように配置される温度センサをさらに含む、請求項9に記載のヒータ組立体。
【請求項11】
前記断熱部は、前記第2空洞と流体連通する開口を含み、
前記サセプタの少なくとも一部は、前記開口を通じて前記第2空洞内に挿入される、請求項9に記載のヒータ組立体。
【請求項12】
前記第2空洞の内部に位置するサセプタの部分と隣接して配置される温度センサをさらに含む、請求項11に記載のヒータ組立体。
【請求項13】
請求項1に記載のヒータ組立体と、
前記ヒータ組立体に電力を供給する電源部と、
前記ヒータ組立体に供給される電力を制御する制御部と、を含む、エアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒータ組立体及びそれを含むエアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、加熱区間の初期に主流煙の温度を減少させうるヒータ組立体及びそれを含むエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させ、エアロゾルを生成させる方法ではない、シガレットまたは液体保存部内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルを生成するエアロゾル生成装置に係わる需要が増加している。
【0003】
電気抵抗式ヒータを用いる伝統的な方式とは異なる新たな加熱方式が提案されている。特に、誘導加熱方式でシガレットを加熱する方式に係わる研究が活発に進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気抵抗式ヒータを使用する大部分のエアロゾル生成装置とは違って、誘導加熱方式を使用するエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品(例えば、シガレット)のタバコロッドを均一に加熱することができる。したがって、誘導加熱方式を使用するエアロゾル生成装置においてヒータの配置に係わる異なるアプローチが必要である。
【0005】
実施例を通じて解決しようとする課題は、上述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は、本明細書及び添付図面から実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例に係わるタバコロッド及びフィルタロッドを含むエアロゾル生成物品を収容して加熱するためのヒータ組立体は、エアロゾル生成物品が挿入される収容空間、収容空間の少なくとも一部を取り囲み、誘導磁場を発生させるコイル及び収容空間内部に配置されてコイルで発生した誘導磁場によって熱を生成するサセプタ(susceptor)を含み、エアロゾル生成物品が収容空間に完全に挿入された状態でサセプタの遠位端部は、エアロゾル生成物品内のタバコロッド及びフィルタロッドの境界から上流に位置する。
【0007】
他の実施例に係わるエアロゾル生成装置は、ヒータ組立体、ヒータ組立体に電力を供給する電源部及び前記ヒータ組立体に供給される電力を制御する制御部を含む。
【0008】
課題の解決手段は、上述したところに制限されず、本明細書全体で通常の技術者によって類推されうる事項をいずれも含んでもよい。
【発明の効果】
【0009】
実施例に係わるヒータ組立体及びそれを含むエアロゾル生成装置によれば、加熱区間の初期に主流煙の温度を低減し、加熱区間の全体にわたって均一な喫味感を保持することができる。
【0010】
実施例の効果は、上述したところに限定されず、後述する構成から類推可能な効果をいずれも含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】誘導加熱方式のエアロゾル生成装置を示す図面である。
図2】エアロゾル生成物品の例を示す図面である。
図3】一実施例に係わるヒータ組立体及びヒータ組立体に挿入されるエアロゾル生成物品の例を示す図面である。
図4A】経時的なサセプタ周囲のタバコロッドの変化を説明するための図面である。
図4B】経時的なサセプタ周囲のタバコロッドの変化を説明するための図面である。
図4C】経時的なサセプタ周囲のタバコロッドの変化を説明するための図面である。
図5】エアロゾル生成物品内でサセプタの配置を説明するための図面である。
図6】一実施例に係わるヒータ組立体のサセプタの配置による主流煙の温度を示す図面である。
図7】他の実施例に係わるヒータ組立体の例を示す図面である。
図8】他の実施例に係わるヒータ組立体の断面図である。
図9】さらに他の実施例に係わるヒータ組立体の断面図である。
図10】さらに他の実施例に係わるヒータ組立体のサセプタと断熱部の断面図、及びサセプタと断熱部の温度分布を例示的に示すグラフである。
図11】さらに他の実施例に係わるヒータ組立体のサセプタと断熱部の断面図、及びサセプタと断熱部の温度分布を例示的に示すグラフである。
図12】さらに他の実施例に係わるヒータ組立体のサセプタと断熱部の断面図、及びサセプタと断熱部の温度分布を例示的に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一実施例に係わるタバコロッド及びフィルタロッドを含むエアロゾル生成物品を収容して加熱するためのヒータ組立体は、エアロゾル生成物品が挿入される収容空間、収容空間の少なくとも一部を取り囲み、誘導磁場を発生させるコイル及び収容空間内部に配置されてコイルで発生した誘導磁場によって熱を生成するサセプタ(susceptor)を含み、エアロゾル生成物品が収容空間に完全に挿入された状態でサセプタの遠位端部は、エアロゾル生成物品内のタバコロッド及びフィルタロッドの境界から上流に位置する。
【0013】
また、前記サセプタの遠位端部は、前記境界から0.3~0.7mm離隔されうる。
【0014】
また、サセプタは、筒状の基底部と、前記基底部の一側末端に形成された針先部を含んでもよい。
【0015】
また、前記サセプタは、270~350℃の温度で発熱することができる。
【0016】
また、前記サセプタと互いに異なる素材を含み、前記サセプタ及び前記収容空間の底部と結合され、前記サセプタで発生する熱を吸収する断熱部をさらに含んでもよい。
【0017】
また、前記断熱部は、互いに異なる素材を含む複数個の部材が積層されて形成されうる。
【0018】
また、前記サセプタの内部には、前記断熱部が露出されるように第1空洞が形成されうる。
【0019】
また、前記第1空洞の内部に位置する断熱部と接触するように配置される温度センサをさらに含んでもよい。
【0020】
また、前記断熱部の内部には、前記サセプタが露出されるように第2空洞が形成されうる。
【0021】
また、前記第2空洞の内部に位置するサセプタと接触するように配置される温度センサをさらに含んでもよい。
【0022】
また、前記断熱部は、前記第2空洞と流体連通する開口を含み、前記サセプタの少なくとも一部は、前記開口を通じて前記第2空洞内に挿入されうる。
【0023】
また、前記第2空洞の内部に位置するサセプタの部分と隣接して配置される温度センサをさらに含んでもよい。
【0024】
他の実施例に係わるエアロゾル生成装置は、ヒータ組立体、ヒータ組立体に電力を供給する電源部及び前記ヒータ組立体に供給される電力を制御する制御部を含む。
【0025】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当該分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0026】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載の「-部」、「-モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それはハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアの結合によって具現されうる。
【0027】
本明細書で使用されたように、「少なくともいずれか1つの」のような表現が配列された構成要素の前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではない全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくともいずれか1つ」という表現は、a、b、c、またはaとb、aとc、bとc、または、aとbとcとを含むものと解釈せねばならない。
【0028】
「シガレット」という用語は、ユーザのためのマウスピースの役割を行うために、エアロゾル生成装置に搭載される消耗品を指称する。シガレットは、伝統的な燃焼式シガレットと類似した形状及び構造を有する。シガレットは、エアロゾル生成装置の作動(例えば、加熱)によって、エアロゾルを生成するエアロゾル生成物質を含んでもよい。または、シガレットは、エアロゾル生成物質を含まず、エアロゾル生成装置に設けられた他の物品(例えば、カートリッジ)で発生したエアロゾルをユーザの口に伝達しうる。
【0029】
「下流」という用語は、喫煙時にエアロゾル生成物品(例えば、シガレット)でユーザの口側にエアロゾルが移動する方向を意味し、「上流」という用語は、反対方向を意味する。「下流」及び「上流」という用語は、エアロゾル生成物品の構成要素の相対的な位置を示すために使用される。例えば、ユーザの口に入るシガレットの一部は、シガレットの下流末端に該当する。
【0030】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態に具現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0032】
図1は、誘導加熱方式のエアロゾル生成装置を示す図面である。
【0033】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、サセプタ110、収容空間120、コイル130、電源部140及び制御部150を含んでもよい。但し、それらに限定されるものではなく、図1に図示される要素以外に他の汎用的な要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれうる。
【0034】
エアロゾル生成装置100は、誘導加熱(induction heating)方式でエアロゾル生成装置100に収容されるエアロゾル生成物品(図2の200)を加熱することで、エアロゾルを生成することができる。誘導加熱方式は、外部磁場によって発熱する磁性体に、周期的に方向が異なる交番磁場(alternating magnetic field)を印加して磁性体から熱を生成する方式を意味する。
【0035】
磁性体に交番磁場が印加される場合、磁性体には、渦流損(eddy current loss)及びヒステリシス損(Hysteresis Loss)によるエネルギー損失が発生し、損失されるエネルギーが熱エネルギーとして磁性体から放出されうる。磁性体に印加される交番磁場の振幅または周波数が大きいほど、磁性体から多くの熱が放出される。エアロゾル生成装置100は、磁性体に交番磁場を印加することで、磁性体を加熱し、それにより、エアロゾル生成物品200が磁性体によって加熱されうる。
【0036】
外部磁場によって発熱する磁性体は、サセプタ(susceptor)でもある。サセプタ110は、切片、薄片またはストリップなどの形状によってエアロゾル生成物品内に含まれる代わりに、エアロゾル生成装置100に配置されうる。
【0037】
サセプタ110は、金属または炭素を含んでもよい。サセプタ110は、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainless steel)及びアルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つを含んでもよい。また、サセプタ110は、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia)のようなセラミック、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような半金属のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0038】
エアロゾル生成装置100は、エアロゾル生成物品200を収容するための収容空間120を含んでもよい。収容空間120は、エアロゾル生成物品200をエアロゾル生成装置100に収容するために、収容空間120の外側に開放される開口を含んでもよい。エアロゾル生成物品200は、収容空間120の開口を通じて収容空間120の外側から収容空間120の内側に向かう方向にエアロゾル生成装置100に収容されうる。
【0039】
収容空間120の底部には、サセプタ110が配置されうる。エアロゾル生成物品200は、サセプタ110がエアロゾル生成物品200(例えば、シガレット)内に挿入されるように収容空間120内に挿入されうる。
【0040】
エアロゾル生成装置100は、サセプタ110に交番磁場を印加するコイル130を含んでもよい。コイル130は、収容空間120に沿って巻線され、サセプタ110に対応する位置に配置されうる。コイル130は、電源部140から電力を供給されうる。
【0041】
コイル130に電力が供給される場合、コイル130内部に磁場が形成されうる。コイル130に電源部140から交流電流が印加される場合、コイル130の内部に形成される磁場は、周期的に方向が異なってもいる。サセプタ110がコイル130の内部に形成され、周期的に方向が異なる交番磁場に露出される場合、サセプタ110が発熱し、エアロゾル生成装置100に収容されるエアロゾル生成物品200が加熱されうる。
【0042】
コイル130によって形成される交番磁場の振幅または周波数が異なる場合、エアロゾル生成物品200を加熱するサセプタ110の温度も異なる。制御部150は、コイル130に供給される電力を制御してコイル130によって形成される交番磁場の振幅または周波数を調整し、それにより、サセプタ110の温度が制御されうる。
【0043】
一例示として、コイル130は、ソレノイド(solenoid)によっても具現される。コイル130は、収容空間120の側面に沿って巻線されるソレノイドでもあり、ソレノイドの内部空間にエアロゾル生成物品200が収容されうる。ソレノイドを構成する導線の材質は、銅(Cu)でもある。但し、それに限定されるものではなく、低い比抵抗値を有し、高い電流が流れるようにする材質として、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、亜鉛(Zn)及びニッケル(Ni)のうち、いずれか1つ、または少なくとも1つを含む合金がソレノイドを構成する導線の材質にもなる。
【0044】
図2は、エアロゾル生成物品の例を示す図面である。
【0045】
図2を参照すれば、エアロゾル生成物品200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含んでもよい。図2には、フィルタロッド220が単一領域で構成されるように図示されているが、それに限定されるものではなく、フィルタロッド220は、複数のセグメントを含んでもよい。例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾルに含まれる特定成分を濾過する第2セグメントを含んでもよい。また、フィルタロッド220には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントがさらに含まれうる。
【0046】
エアロゾル生成物品200は、少なくとも1枚のラッパ240によって包装されうる。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、内部空気が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。一例として、エアロゾル生成物品200は、1枚のラッパ240によって包装されうる。他の例として、エアロゾル生成物品200は、2枚以上のラッパ240によって重畳して包装されうる。具体的に、第1ラッパによってタバコロッド210が包装され、第2ラッパによってフィルタロッド220が包装されうる。ラッパそれぞれによって包装されるタバコロッド210及びフィルタロッド220が結合され、第3ラッパによって結合されたロッドが再包装されうる。
【0047】
タバコロッド210は、エアロゾル生成物質を含んでもよい。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それらに限定されない。タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。タバコロッド210には、メントールまたは保湿剤などの加香液がタバコロッド210に噴射されて添加されうる。
【0048】
タバコロッド210は、多様な方式によっても作製される。例えば、タバコロッド210は、シート(sheet)によって作製され、ストランド(strand)によっても作製される。または、タバコロッド210は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。
【0049】
タバコロッド210は、熱伝導物質によって取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウム箔のような金属箔でもあるが、それに限定されるものではない。タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達される熱を均一に分散させてタバコロッド210に加えられる熱伝導率を向上させ、それにより、タバコロッド210から生成されるエアロゾルの風味が向上しうる。
【0050】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。フィルタロッド220は、多様な形状にも形成される。例えば、フィルタロッド220は、円筒状ロッドでもあり、内部に中空(hollow)を含むチューブ状ロッドでもある。または、フィルタロッド220は、内部に空洞(cavity)を含むリセス(recess)状ロッドでもある。フィルタロッド220が複数のセグメントで構成される場合、複数のセグメントは、互いに異なる形状にも作製される。
【0051】
フィルタロッド220は、フィルタロッド220から香味が発生するように作製されうる。例えば、フィルタロッド220に加香液が噴射され、加香液が塗布される別途の繊維がフィルタロッド220の内部に挿入されうる。
【0052】
フィルタロッド220には、少なくとも1つのカプセル230が含まれうる。カプセル230は、香味を発生させ、エアロゾルを発生させうる。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造によっても形成される。カプセル230は、球状または円筒状を有するが、それに限定されるのではない。
【0053】
フィルタロッド220にエアロゾルを冷却する冷却セグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によって製造されうる。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸だけでも作製される。または、冷却セグメントは、複数の穿孔を含む酢酸セルロースフィルタによっても作製される。但し、それらに限定されるものではなく、冷却セグメントは、エアロゾルを冷却する構造及び物質で構成されうる。
【0054】
図3は、一実施例に係わるヒータ組立体及びヒータ組立体に挿入されるエアロゾル生成物品の例を示す図面である。
【0055】
図3を参照すれば、ヒータ組立体101は、サセプタ110、収容空間120、及びコイル130を含んでもよい。但し、それらに制限されるものではなく、他の汎用的な要素がヒータ組立体101にさらに含まれうる。
【0056】
エアロゾル生成物品200の少なくとも一部は、収容空間120に収容されうる。サセプタ110は、エアロゾル生成物品200が収容空間120に収容されたとき、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されうる。サセプタ110は、エアロゾル生成物品200に挿入されるように、長手方向に延びる構造を有することができる。
【0057】
サセプタ110は、収容空間120の内部に配置され、コイルから印加された可変磁場によって熱を生成する。サセプタ110は、エアロゾル生成物品200の中心部に挿入されるように収容空間120の中心部に位置する。図3において、サセプタ110は、単一個数であると例示されているが、それに制限されるものではなく、サセプタ110は、エアロゾル生成物品200に挿入されるように長手方向に沿って延び、ヒータ組立体101は、互いに平行に配置される複数個のサセプタ110を含んでもよい。
【0058】
エアロゾル生成物品200がヒータ組立体101に完全に挿入された状態(すなわち、収容空間120内に完全に挿入された状態)においてサセプタ110の遠位端部は、エアロゾル生成物品200のタバコロッド210及びフィルタロッド220の境界から既設定の距離ほど離隔されうる。すなわち、サセプタ110の遠位端部は、タバコロッド210とフィルタロッド220との境界から上流に位置してもよい。エアロゾル生成物品200内でサセプタ110の配置に係わる詳細な内容は後述する。
【0059】
コイル130は、収容空間の少なくとも一部を取り囲み、誘導磁場を発生させうる。コイル130は、収容空間120に沿って巻線されて収容空間120の長手方向に延びうる。コイル130は、サセプタ110に対応する位置に配置されうる。コイル130は、サセプタ110に対応する長さを有するように長手方向に沿って延び、サセプタ110に対応する位置に配置されうる。
【0060】
図4A図4B及び図4Cは、経時的なサセプタ周囲のタバコロッドの変化を説明するための図面である。
【0061】
図4Aを参照すれば、エアロゾル生成物品200が挿入された第1時点では、コイル130とサセプタ110とが作動せず、タバコロッド410は、まだ加熱されていないので、タバコロッド410の内部には変化がない。
【0062】
図4Bを参照すれば、第1時点から第1時間が徒過した第2時点でコイル130によってサセプタ110が熱を発生させることで、タバコロッド410は、サセプタ110によって加熱されうる。特に、サセプタ110の周囲に配置された刻みタバコ421は、加熱されて収縮する。これにより、サセプタ110の周囲に配置された刻みタバコ421の密集度が減少しうる(すなわち、サセプタ110の周りのタバコロッド420の孔隙率が増加しうる)。
【0063】
図4Cを参照すれば、第2時点から第2時間が徒過した第3時点でタバコロッド410は、サセプタ110によってさらに加熱される。結果として、第3時点では、サセプタ110の上に熱が伝達されて刻みタバコが熱によって収縮されうる。これにより、空気(及びエアロゾル)流動が円滑な気流ホール431(すなわち、気流パス)がタバコロッド410の上流端部とタバコロッド410及びフィルタロッド220の境界(すなわち、タバコロッド410の下流端部)の間に形成されうる。
【0064】
ここで、気流ホール431は、タバコロッド410から流入された空気がタバコロッド410を通過してフィルタロッド220に伝達されるようにする。気流ホール431は、サセプタの表面から離隔されるように形成されうる。
【0065】
一方、気流ホール431が過度に早く生成される場合、フィルタロッド220に引き込まれる主流煙の温度が急上昇する。ここで、用語「主流煙」は、エアロゾル生成物品を通過してユーザに供給される空気とエアロゾルとの混合物を意味する。フィルタロッド220内の第1セグメントの冷却能は限定的なので、主流煙の温度が高い場合、所望の大きさ以下のエアロゾルが生成される可能性が高い。その場合、霧化量が顕著に減少してしまうという問題がある。一方、高い温度の主流煙は、タバコ物質の移送量を増加させるので、ユーザは、過度に強いタバコ味を経験する可能性が高い。
【0066】
これと関連して、実施例によれば、形成時期、大きさのような気流ホール431の特性を考慮して、サセプタ110を設計することができる。
【0067】
図5は、エアロゾル生成物品内でサセプタの配置を説明するための図面である。
【0068】
図5を参照すれば、サセプタ110がエアロゾル生成物品200に挿入された場合、サセプタ110の遠位末端は、タバコロッド210とフィルタロッド220との境界510の下(すなわち、上流)に位置しうる。
【0069】
サセプタ110の遠位末端と境界510との間の既設定の距離dを0.3mm未満と設定した場合、主流煙の温度減少効果が顕著に減少しうる。一方、設定された距離dを0.7mm超過と設定した場合、タバコロッド210内の気流ホールの形成が困難であり、所望の霧化量を提供することができない。したがって、既設定の距離dは、0.3mm~0.7mm範囲内で設定されうる。加熱区間全体において、均一な喫味感と霧化量を提供するという側面で、既設定の距離dは、0.4mm~0.6mm範囲内で設定されうる。例えば、既設定の距離dは、0.5mmと設定されうる。
【0070】
図6は、一実施例に係わるヒータ組立体のサセプタの配置による主流煙の温度を示す図面である。
【0071】
さらに詳細には、既設定の距離dを0.3mm未満に設定した場合のフィルタロッド220で測定された主流煙の第1温度610、及び既設定の距離dを0.5mmに設定した場合のフィルタロッド220で測定された主流煙の第2温度620が、図6に図示されている。
【0072】
図6に図示された全体時間の長さが加熱区間に該当するが、図6の第1温度610、及び第2温度620のグラフは、ヒータ組立体101が1つのエアロゾル生成物品200を加熱する間、主流煙の温度の経時的な変化を示す。
【0073】
全体加熱区間のうち、時間的に初期に該当する部分、例えば、加熱区間の約2分の1に該当する時間的長さが「加熱区間の初期」に該当し、残りの時間的長さが「加熱区間の後半」に該当する。
【0074】
図6を参照すれば、加熱区間の初期には、第1温度610が第2温度620よりも高い。フィルタロッド220の制限された冷却能によって第1温度610は、霧化量の減少をもたらす。また、第1温度610は、タバコ物質の移送量を増加させるので、ユーザは、過度に強いタバコ味を経験する可能性が高い。
【0075】
一方、加熱区間の後半には、第1温度610が第2温度620より低い。第1温度610は、エアロゾルを発生させる最適温度よりも低いので、加熱区間の後半には、霧化量が顕著に減少しうる。また加熱区間の初期に多量のタバコ物質が移送されたので、加熱区間の後半には、タバコ味が顕著に減少しうる。
【0076】
すなわち、既設定の距離dを0.3mm未満に設定した場合、加熱区間全体において均一な喫味感を提供することができない。一方、既設定の距離dを0.5mmに設定した場合、加熱区間全体において均一な喫味感を提供することができる。
【0077】
従来の電気抵抗性加熱方式のヒータは、電気抵抗線がヒータの内部に配置され、電気抵抗線は、電気を供給されて加熱される。したがって、電気抵抗線が配置された部分のヒータの温度と、配置されていない部分のヒータの温度は、互いに異なってもいる。特に、縫針型の構造を有する電気抵抗性加熱方式のヒータは、ヒータの遠位端部の内部空間が制限され、ヒータの端部に電気抵抗線が配置されない。結果として、ヒータの他の部分の温度に比べて、ヒータの遠位端部の温度が低い。
【0078】
ヒータの遠位端部によって形成される気流ホールは、タバコロッド及びフィルタロッドの境界と近い位置に配置されるので、ヒータの他の部位によって形成される気流ホールに比べて、比較的加熱初期に形成される。したがって、ヒータの遠位端部によって形成される気流ホールは、加熱初期の霧化量と喫味感に重要な影響を与える。ヒータの遠位端部の温度の低い電気抵抗性加熱方式のヒータでは、加熱初期の気流ホールの形成が遅延されるので、ヒータの遠位端部がタバコロッドとフィルタロッドとの境界を物理的に通過するようにヒータを配置することで、タバコロッドとフィルタロッドとの境界を通過して延びる気流ホールを意図的に形成した。
【0079】
一方、実施例に係わるヒータ組立体は、誘導加熱によってヒータの前部分が均一に加熱されるので、サセプタの遠位端部の温度が電気抵抗性ヒータの遠位端部の温度に比べて高い。したがって、サセプタの端部をタバコロッドとフィルタロッドとの境界からタバコロッドの開放された端部に向かう方向に既設定の距離ほど離隔されるように配置しても、加熱初期の気流ホールを形成することができる。
【0080】
その場合、サセプタの加熱によって加熱区間の全体にわたって徐々に気流ホールの個数が増加するので、物理的に気流ホールを形成した場合に比べて、加熱区間全体にわたって均一な霧化量と喫味感とを提供することができる。
【0081】
また、ヒータがフィルタロッドと接触する従来の方式では、フィルタロッドの性能が一部低下してしまうが、実施例によれば、サセプタがタバコロッドにのみ位置するので、フィルタロッドの構造を保存して性能を保持することができる。
【0082】
図7は、他の実施例に係わるヒータ組立体の例を示す図面である。
【0083】
図7を参照すれば、サセプタ110は、円筒状の基底部112と、基底部112の一側末端に形成された針先部113を含んでもよい。図7に示されたサセプタ110の構造は、タバコロッドとフィルタロッドとの境界に形成される気流ホールが針先部113の頂点から近接した地点を始点として徐々に拡張されるようにする。したがって、針先部113は、タバコ物質の急激な消尽を防止し、タバコ物質の移送量を加熱区間の全体においてさらに均一に提供することができる。
【0084】
また、サセプタ110は、270℃~350℃の温度で発熱することができる。サセプタ110が270℃未満の温度で発熱される場合、足りない温度によって十分な量のタバコ物質が移送されず、喫味感が低下してしまう。一方、サセプタ110が350℃超の温度で発熱される場合、気流ホールが過度に早く形成されて加熱区間全体において均一なタバコ物質移送が困難であり、主流煙の温度が高く、所望の大きさのエアロゾルが生成されない。加熱区間の全体においてさらに均一な喫味感と霧化量とを提供するための側面で、サセプタ110は、280℃~320℃の温度に発熱することができる。
【0085】
図8は、他の実施例に係わるヒータ組立体の断面図である。
【0086】
図8を参照すれば、ヒータ組立体101は、サセプタ110と互いに異なる素材を含み、サセプタ110及び収容空間120の内側端部に形成される底面と結合されてサセプタ110で発生する熱を吸収する断熱部170をさらに含んでもよい。
【0087】
断熱部170は、サセプタ110で発生する熱を吸収することができる。サセプタ110は、コイル130で発生した誘導磁場によってサセプタ110の全体領域にわたって均一に熱を生成する。しかし、収容空間120の底部と当接するサセプタ110の下側部位の熱が外部に排出され得ないので、サセプタ110の下側部位の温度が急上昇する。サセプタ110の特定部位の温度が急上昇することにより、加熱区間の全体において均一な喫味感を提供することができない問題が発生してしまう。これと関連して、実施例によれば、サセプタ110と互いに異なる素材を含む断熱部170をサセプタ110及び収容空間120の内側端部に形成される底面に結合してサセプタ110の下側部位の熱を断熱部170に吸収させることで、サセプタ110の特定部位の温度の急上昇を防止することができる。
【0088】
例えば、断熱部170は、サセプタ110よりも熱伝導率の低い錫合金系または非金属系のガラス、セラミックなどの素材を含んでもよいが、それらに制限されない。また、断熱部170は、サセプタ110より比熱の高い素材を含むか、サセプタ110よりも質量が大きくなり、それにより、断熱部17は、サセプタ110よりも大きい熱容量を有することができる。断熱部170の熱容量がサセプタ110の熱容量より大きくなるほど、断熱部170は、サセプタ110で発生した熱をさらに多く保存してサセプタ110の特定部位の急激な温度上昇を防止することができる。
【0089】
また、サセプタ110よりも熱容量が大きい断熱部170を使用する場合、サセプタ110の下側で発生した熱が断熱部170に分散されつつも、大きな熱容量によって断熱部170が高温に加熱されなくなる。したがって、一実施例によるヒータ組立体101を含むエアロゾル生成装置100から電源部140及び制御部150に伝達される熱が低減されることで、装置の性能低下を防止して寿命を増加させうる。また、エアロゾル生成装置100を把持するユーザに熱が伝達されることを防止することができる。
【0090】
図9は、さらに他の実施例に係わるヒータ組立体の断面図である。
【0091】
図9を参照すれば、断熱部170は、互いに異なる素材を含む複数個の部材が積層されて形成されうる。例えば、断熱部170は、サセプタ110と一面が接触する第1部材171、及び第1部材171のサセプタ110の接触面の反対面と接触する第2部材172を含んでもよい。第1部材171の熱伝導率が第2部材172よりさらに低い場合、断熱部170は、熱伝達をさらに効率的に遮断することができる。
【0092】
図9は、断熱部170が2つの部材を含むように図示しているが、断熱部170は、3つ以上の部材が積層された構造によっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0093】
図10は、さらに他の実施例に係わるヒータ組立体のサセプタと断熱部の断面図、及びサセプタと断熱部の温度分布を例示的に示すグラフである。
【0094】
図10を参照すれば、サセプタ110の内部には、第1空洞111が形成され、第1空洞111の内部には、断熱部170が露出されうる。第1空洞111は、収容空間の底部と接触するサセプタ110の面積を減らしてサセプタ110下部の急激な温度上昇をさらに効果的に防止することができる。
【0095】
また、ヒータ組立体101は、第1空洞111の内部に位置し、断熱部170に隣接して配置される温度センサ180をさらに含んでもよい。すなわち、温度センサ180は、サセプタ110と断熱部170とが出合う地点に配置されうる。温度センサ180は、温度情報を収集して制御部150に伝送することができる。制御部150は、温度情報を受信し、コイル130に供給される電力を調節してサセプタ110の均一な加熱を誘導することができる。
【0096】
図10のグラフにおいて、原点は、サセプタ110と接していない断熱部170の一面を意味する。x軸は、サセプタ110と接していない断熱部170の一面からサセプタ110までの距離を意味する。y軸は、サセプタ110または断熱部170の温度を意味する。サセプタ110が加熱されれば、サセプタ110で発生した熱は、x軸座標値が減少する方向に移動する。
【0097】
断熱部170が熱伝導率の低い素材を含めば、断熱部170の温度上昇が抑制されうる。これにより、断熱部170の温度は、サセプタ110と接する面からx軸座標値が小さくなることにより、減少しうる。
【0098】
図11は、さらに他の実施例に係わるヒータ組立体のサセプタと断熱部の断面図、及びサセプタと断熱部の温度分布を例示的に示すグラフである。
【0099】
図11を参照すれば、断熱部170の内部には、第2空洞173が形成され、第2空洞173の内部には、サセプタ110が露出されうる。第2空洞173は、サセプタ110で発生した熱がサセプタ110の下部に凝集されず、第2空洞173に放出させることにより、サセプタ110の下部の急激な温度上昇を防止することができる。
【0100】
また、第2空洞173によってサセプタ110と断熱部170との接触面積が減少し、断熱部170に移動する熱量が減少しうる。サセプタ110と第2空洞173とが接触面に対応するx軸上の地点でx軸座標値が小さくなるほど、断熱部170の温度が低くなる。
【0101】
ヒータ組立体101は、第2空洞173の内部に位置し、サセプタ110に隣接して配置される温度センサ180をさらに含んでもよい。すなわち、温度センサ180は、サセプタ110が第2空洞173と出合う地点に配置されうる。
【0102】
図12は、さらに他の実施例に係わるヒータ組立体のサセプタと断熱部の断面図、及びサセプタと断熱部の温度分布を例示的に示すグラフである。
【0103】
図12を参照すれば、断熱部170の一側に第2空洞173と流体連通する開口174を含み、サセプタ110の少なくとも一部は、開口174を通じて第2空洞173の内部に挿入されうる。
【0104】
第2空洞173は、第2空洞173に挿入されたサセプタ110の部分で発生する熱を第2空洞173の内部に閉じ込める機能を遂行する。すなわち、サセプタ110の下部の熱が第2空洞173の内部に放出されることにより、サセプタ110の下部の正常ではない温度上昇を防止し、他の部分への熱伝達を遮断することができる。
【0105】
図9及び図10のように、x軸は、サセプタ110と接触しない断熱部170の上流端(すなわち、外部表面)を意味する。y軸は、サセプタ110または断熱部170の温度を意味する。X1は、エアロゾル生成物品が挿入されるとき、断熱部170の外面がエアロゾル生成物品と向い合う地点を意味し、X2は、第2空洞173の内部に位置するサセプタ110の上流端(すなわち、底部)を示す。X3は、第2空洞173の底部を示す。
【0106】
X1よりx軸座標値が大きい区間は、サセプタ110のみを含み、X1からX2までの区間は、サセプタ110及び断熱部170を含む。サセプタ110と断熱部170とが接するX1からx軸座標値が減少するほど、サセプタ110及び断熱部170の温度は減少する。X1とX2との間の温度は、第2空洞173の内部に挿入されたサセプタ110から放出される熱によってX2とX3との間の温度よりも高い。X3から断熱部170の上流端(すなわち、外面)に行くほど、温度はx軸座標値が小さくなることにより、減少しうる。
【0107】
ヒータ組立体101は、第2空洞173の内部に位置し、サセプタ110と接触する温度センサ180をさらに含んでもよい。すなわち、温度センサ180は、サセプタ110が断熱部170と出合う地点に配置されうる。
【0108】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということが理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に開示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】