(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-09
(54)【発明の名称】湾曲したツールアセンブリ付き外科用ステープリングデバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20221202BHJP
A61B 17/285 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
A61B17/072
A61B17/285
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506791
(86)(22)【出願日】2019-08-02
(85)【翻訳文提出日】2022-02-02
(86)【国際出願番号】 CN2019099046
(87)【国際公開番号】W WO2021022407
(87)【国際公開日】2021-02-11
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ジアンフェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, シニ
(72)【発明者】
【氏名】アハメド, サイード
(72)【発明者】
【氏名】シュー, シュンホン
(72)【発明者】
【氏名】レン, ピン
(72)【発明者】
【氏名】ハズラ, マノジット
(72)【発明者】
【氏名】ヴァラダン, スリダラン
(72)【発明者】
【氏名】グオ, ジーナン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC26
4C160CC29
4C160MM32
(57)【要約】
外科用ステープリングデバイスは、U字形フレーム(60)、アンビルアセンブリ(62)、およびカートリッジアセンブリ(64)を有する、ツールアセンブリを含む。U字形フレーム(60)は、近位横断部分(66)、長手方向部分(70)、および遠位横断部分(68)を有する。U字形フレーム(60)の遠位横断部分(68)および近位横断部分(66)、ならびにカートリッジアセンブリ(64)は、第1の軸を画定する第1の直線部分、第2の軸を画定する第2の直線部分、および第3の軸を画定する第3の直線部分を含み、第1の軸が、細長本体の長手方向軸(X)を横断している、共通の形状を有する。第1の曲率半径が、第1の直線部分と第2の直線部分との間に定義され、その結果、第1の軸および第2の軸が角度βを画定し、第2の曲率半径が、第2の直線部分と第3の直線部分との間に定義され、その結果、第2の軸および第3の軸が角度Ωを画定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープリングデバイスであって、
長手方向軸を画定する細長本体であって、前記細長本体が、近位部分および遠位部分を有する、細長本体と、
前記細長本体の前記遠位部分上に支持されているツールアセンブリであって、前記ツールアセンブリが、アンビルアセンブリ、カートリッジアセンブリ、およびU字形フレームを含み、前記U字形フレームが、前記長手方向軸を横断して延在する遠位フレーム部分、前記長手方向軸を横断して延在する近位フレーム部分、および前記遠位フレーム部分と前記近位フレーム部分との間に延在する長手方向フレーム部分を有し、前記アンビルアセンブリが、前記遠位フレーム部分上に支持されたアンビルプレートを含む、ツールアセンブリと、を備え、
前記カートリッジアセンブリが、前記近位フレーム部分と前記遠位フレーム部分との間に支持されており、前記カートリッジアセンブリが前記アンビルアセンブリから離間している後退位置から、前記カートリッジアセンブリが前記アンビルアセンブリと並置されている前進位置まで、前記アンビルアセンブリに対して移動可能であり、前記カートリッジアセンブリが、空洞を画定するハウジング、前記空洞内に配置されたステープルプッシャ、前記空洞内に配置されたナイフホルダ、前記ナイフホルダ上に支持されたナイフ、および位置合わせピンを含み、前記ナイフが、側縁、および前記長手方向軸を横断する方向に延在する刃先を含み、
前記位置合わせピンが、前記長手方向フレーム部分から離間した位置で前記カートリッジアセンブリの前記ハウジング内に支持されており、前記位置合わせピンが、前記ハウジング内に埋め込まれた後退位置と、前記ハウジングから前記アンビルアセンブリと係合するように延在する前進位置との間で移動可能であり、前記位置合わせピンが、前記U字形フレームの前記長手方向部分に面するガイド面を含み、前記ガイド面が、前記長手方向部分に向かって角度が付けられている遠位部分を有し、前記ナイフが、前記ハウジング内に埋め込まれた後退位置から、前記ハウジングから延在する前進位置まで移動可能であり、前記ナイフの前記側縁のうちの第1の側縁が、前記位置合わせピンの前記ガイド面に沿って移動し、その結果、前記ナイフの前記第1の側縁の、前記ガイド面の前記遠位部分との係合が、前記ナイフの前記第1の側縁を圧縮するように配置されている、外科用ステープリングデバイス。
【請求項2】
前記ツールアセンブリが、前記U字形フレームの前記長手方向部分上に支持されているガイドプレートを含み、前記ガイドプレートが、前記U字形フレームの前記長手方向部分から離れて内側に角度が付けられ、前記位置合わせピンに向かって遠位部分を含む、ガイド面を有し、前記ナイフの前記側縁のうちの第2の側縁が、前記ガイドプレートの前記ガイド面に沿って移動し、その結果、前記ナイフの前記第2の側縁の、前記ガイドプレートの前記ガイド面の前記遠位部分との係合が、前記ナイフの前記第2の側縁を圧縮するように配置されている、請求項1に記載の外科用ステープリングデバイス。
【請求項3】
前記ナイフが、前記ナイフの前記第1の側縁上に第1の翼、および前記ナイフの前記第2の側縁上に第2の翼を有し、前記第1の翼が、前記位置合わせピンの前記ガイド面と係合するように配置されており、前記第2の翼が、前記ガイドプレートの前記ガイド面と係合するように配置されている、請求項2に記載の外科用ステープリングデバイス。
【請求項4】
ハンドルアセンブリをさらに含み、前記細長本体が、前記ハンドルアセンブリから遠位方向に延在する、請求項1に記載の外科用ステープリングデバイス。
【請求項5】
前記アンビルアセンブリが、前記ツールアセンブリの前記U字形フレームの前記遠位フレーム部分上に支持されているアンビルプレートおよび切断プレートを含み、前記アンビルプレートが、ステープルを受容および変形するように配置されており、前記切断プレートが、前記ナイフと係合するように配置されている、請求項1に記載の外科用ステープリング装置。
【請求項6】
前記切断プレートが、前記遠位フレーム部分と前記アンビルプレートとの間に挟まれており、前記アンビルプレートが、前記ナイフの前記アンビルプレートへの通過を容易にするためのナイフスロットを画定する、請求項5に記載の外科用ステープリングデバイス。
【請求項7】
前記切断プレートが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料、ポリオキシメチレン(POM)材料、およびポリフェニルスルホン材料(PPSU)からなる群から選択されるプラスチック材料から形成されている、請求項6に記載の外科用ステープリングデバイス。
【請求項8】
外科用ステープリングデバイスであって、
長手方向軸を画定する細長本体であって、前記細長本体が、近位部分および遠位部分を有する、細長本体と、
前記細長本体の前記遠位部分上に支持されているツールアセンブリであって、前記ツールアセンブリが、アンビルアセンブリ、カートリッジアセンブリ、およびU字形フレームを含み、前記U字形フレームが、前記長手方向軸を横断して延在する遠位フレーム部分、前記長手方向軸を横断して延在する近位フレーム部分、および前記遠位フレーム部分と前記近位フレーム部分との間に延在する長手方向フレーム部分を有し、前記アンビルアセンブリが、前記遠位フレーム部分上に支持されたアンビルプレートを含む、ツールアセンブリと、を備え、
前記カートリッジアセンブリが、前記近位フレーム部分と前記遠位フレーム部分との間に支持されており、前記カートリッジアセンブリが前記アンビルアセンブリから離間している後退位置から、前記カートリッジアセンブリが前記アンビルアセンブリと並置されている前進位置まで、前記アンビルアセンブリに対して移動可能であり、前記カートリッジアセンブリが、空洞を画定するハウジング、前記空洞内に配置されたステープルプッシャ、前記空洞内に配置されたナイフホルダ、前記ナイフホルダ上に支持されたナイフ、および位置合わせピンを含み、前記ナイフが、側縁、および前記長手方向軸を横断する方向に延在する刃先を含み、
前記位置合わせピンが、前記長手方向フレーム部分から離間した位置で前記ハウジング内に支持されており、前記位置合わせピンが、前記ハウジング内に埋め込まれた後退位置と、前記ハウジングから前記アンビルアセンブリと係合するように延在する前進位置との間で移動可能であり、
前記ツールアセンブリが、前記U字形フレームの前記長手方向部分上に支持されているガイドプレートを含み、前記ガイドプレートが、前記U字形フレームの前記長手方向部分から離れて内側に角度が付けられ、前記位置合わせピンに向かって遠位部分を含む、ガイド面を有し、前記ナイフの前記側縁のうちの第1の側縁が、前記ガイドプレートの前記ガイド面に沿って移動し、その結果、前記ナイフの前記第1の側縁の、前記ガイド面の前記遠位部分との係合が、前記ナイフの前記第1の側縁を圧縮するように配置されている、外科用ステープリングデバイス。
【請求項9】
ハンドルアセンブリをさらに含み、前記細長本体が、前記ハンドルアセンブリから遠位方向に延在する、請求項8に記載の外科用ステープリングデバイス。
【請求項10】
前記アンビルアセンブリが、前記ツールアセンブリの前記U字形フレームの前記遠位フレーム部分上に支持されたアンビルプレートおよび切断プレートを含み、前記アンビルプレートが、ステープルを受容および変形するように配置されており、前記切断プレートが、前記ナイフと係合するように配置されている、請求項8に記載の外科用ステープリング装置。
【請求項11】
切断プレートが、前記遠位フレーム部分と前記アンビルプレートとの間に挟まれており、前記アンビルプレートが、前記ナイフの前記アンビルプレートへの通過を容易にするためのナイフスロットを画定する、請求項10に記載の外科用ステープリングデバイス。
【請求項12】
前記切断プレートが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料、ポリオキシメチレン(POM)材料、およびポリフェニルスルホン材料(PPSU)からなる群から選択されるプラスチック材料から形成されている、請求項10に記載の外科用ステープリングデバイス。
【請求項13】
カートリッジアセンブリであって、
空洞、複数のステープル受容ポケット、およびナイフスロットを画定するハウジングであって、前記ハウジングが、前記空洞を画定する内壁を含み、前記内壁が、第1の傾斜アバットメントを有する、ハウジングと、
前記ステープル受容ポケットの各々内に配置されたステープルと、
前記ハウジングによって画定された前記空洞内で、後退位置から前進位置へ移動可能に配置されたプッシャであって、前記プッシャは、前記後退位置から前記前進位置への前記空洞内の前記プッシャの移動が、ステープル受容スロットから前記ステープルを押し進めるように、前記ステープル受容スロット内に受容されているフィンガを有する、プッシャと、
前記ハウジングによって画定された前記空洞内で、後退位置から前進位置へ移動可能に配置されたナイフホルダであって、前記後退位置から前記前進位置への前記ナイフホルダの移動が、ナイフを前記ハウジング内に埋め込まれた位置から前記ハウジングの前記ナイフスロットから延在する位置まで前進させるように、前記ナイフホルダが前記ナイフを支持しており、前記ナイフホルダが、遠位突起および近位突起を含む一対の長手方向に離間した突起を有する本体を含み、前記ナイフホルダの発射される前の位置では、前記遠位突起は、前記第1の傾斜アバットメントと係合して、前記ハウジングの前記空洞内での前記ナイフホルダの前進を妨げ、前記ナイフホルダの発射後の後退位置では、前記第1の傾斜アバットメントは、前記ナイフホルダの前記遠位突起と前記近位突起との間に配置されている、ナイフホルダと、を備える、カートリッジアセンブリ。
【請求項14】
前記ハウジングが、第1の長手方向スロットを画定し、前記遠位および前記近位突起は、前記ナイフホルダがその前進位置にあるときに前記第1の長手方向スロット内に配置されている、請求項13に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項15】
前記遠位および前記近位突起が、弾性アーム上に支持されている、請求項14に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項16】
前記近位突起が、先細の遠位および近位面を含み、前記遠位突起が、先細の遠位面および近位肩を含み、前記近位肩が、前記第1の長手方向スロットの近位端で前記ハウジングと係合して、前記ハウジング内での前記ナイフホルダのさらなる近位移動を妨げるように構成されている、請求項15に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項17】
外科用ステープリングデバイスであって、
長手方向軸を画定し、近位部分および遠位部分を有する、細長本体と、
前記細長本体の前記遠位部分上に支持されているツールアセンブリであって、前記ツールアセンブリが、U字形フレーム、アンビルアセンブリ、およびカートリッジアセンブリを含み、前記U字形フレームが、近位横断部分、長手方向部分、および遠位横断部分を有し、前記アンビルアセンブリが、前記遠位横断部分上に支持されており、前記カートリッジアセンブリが、前記近位横断部分上に支持されている、ツールアセンブリと、を備え、
前記U字形フレームの前記遠位横断部分および前記近位横断、ならびに前記カートリッジアセンブリが、第1の軸を画定する第1の直線部分、第2の軸を画定する第2の直線部分、および第3の軸を画定する第3の直線部分を含む、共通の形状を有し、前記第1の軸が、前記細長本体の前記長手方向軸を横断しており、第1の曲率半径が、前記第1の直線部分と前記第2の直線部分との間に定義され、その結果、前記第1の軸および前記第2の軸が角度βを画定し、第2の曲率半径が、前記第2の直線部分と前記第3の直線部分との間に定義され、その結果、前記第2の軸および前記第3の軸が角度Ωを画定する、外科用ステープリングデバイス。
【請求項18】
前記第1の軸が、前記長手方向軸に対して垂直である、請求項17に記載の外科用ステープリングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.技術分野
本開示は、外科用ステープリングデバイス、より具体的には、体内器官へのアクセスを改善するための湾曲したツールアセンブリを含む外科用ステープリングデバイスを対象とする。
【背景技術】
【0002】
2.背景
外科用ステープリングデバイスは、組織の切開および縫合を促進し、患者への外傷を最小限に抑えるために、様々な外科的処置中に一般的に使用される。患者の直腸または結腸の一部が切除される低位前方切除術(LAR)などの特定の手順では、腹腔内の身体器官へのアクセスは人体構造によって制限される。そのような手順では、体内器官にアクセスするように特別に構成されたツールアセンブリを含む外科用ステープリングデバイスの使用が有利である。
【0003】
外科的処置中の特定の身体器官へのアクセスを改善するように構成された外科用ステープリングデバイスに対する、当技術分野での継続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様は、細長本体およびツールアセンブリを有する外科用ステープリングデバイスを対象とする。細長本体細長本体は、長手方向軸を画定し、近位部分および遠位部分を含む。ツールアセンブリは、細長本体の遠位部分上に支持されており、アンビルアセンブリ、カートリッジアセンブリ、およびU字形フレームを含む。U字形フレームは、長手方向軸を横断して延在する遠位フレーム部分、長手方向軸を横断して延在する近位フレーム部分、および遠位フレーム部分と近位フレーム部分との間に延在する長手方向フレーム部分を有する。アンビルアセンブリは、遠位フレーム部分上に支持されており、アンビルプレートを含む。カートリッジアセンブリは、近位フレーム部分と遠位フレーム部分との間に支持されており、カートリッジアセンブリがアンビルアセンブリから離間している後退位置から、カートリッジアセンブリがアンビルアセンブリと並置されている前進位置まで、アンビルアセンブリに対して移動可能である。カートリッジアセンブリは、空洞を画定するハウジング、空洞内に配置されたステープルプッシャ、空洞内に配置されたナイフホルダ、ナイフホルダ上に支持されたナイフ、および位置合わせピンを含む。ナイフは、側縁、および長手方向軸を横断する方向に延在する刃先を含む。位置合わせピンは、長手方向フレーム部分から離間した位置でカートリッジアセンブリのハウジング内に支持されており、ハウジング内に埋め込まれた後退位置と、ハウジングからアンビルアセンブリと係合するように延在する前進位置との間で移動可能である。位置合わせピンは、U字形フレームの長手方向部分に面し、かつ長手方向部分に向かって角度が付けられている遠位部分を有する、ガイド面を含む。ナイフは、ハウジング内に埋め込まれた後退位置から、ハウジングから延在する前進位置まで移動可能であり、ナイフの側縁のうちの第1の側縁が、位置合わせピンのガイド面に沿って移動し、その結果、ナイフの第1の側縁の、ガイド面の遠位部分との係合が、ナイフの第1の側縁を圧縮するように配置されている。
【0005】
実施形態では、ツールアセンブリは、U字形フレームの長手方向部分上に支持されているガイドプレートを含み、ガイドプレートは、U字形フレームの長手方向部分から離れて内側に角度が付けられ、位置合わせピンに向かって遠位部分を含む、ガイド面を有し、ナイフの側縁のうちの第2の側縁が、ガイドプレートのガイド面に沿って移動し、その結果、ナイフの第2の側縁の、ガイドプレートのガイド面の遠位部分との係合が、ナイフの第2の側縁を圧縮するように配置されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、ナイフは、ナイフの第1の側縁上に第1の翼、およびナイフの第2の側縁上に第2の翼を有し、第1の翼が、位置合わせピンのガイド面と係合するように配置されており、第2の翼が、ガイドプレートのガイド面と係合するように配置されている。
【0007】
特定の実施形態では、ステープリングデバイスは、ハンドルアセンブリを含み、細長本体は、ハンドルアセンブリから遠位方向に延在する。
【0008】
実施形態では、アンビルアセンブリは、ツールアセンブリのU字形フレームの遠位フレーム部分上に支持されたアンビルプレートおよび切断プレートを含む。アンビルプレートは、ステープルを受容および変形するように配置されており、切断プレートは、ナイフと係合するように配置されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、切断プレートは、遠位フレーム部分とアンビルプレートとの間に挟まれており、アンビルプレートは、ナイフのアンビルプレートへの通過を容易にするためのナイフスロットを画定する。
【0010】
特定の実施形態では、切断プレートは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料、ポリオキシメチレン(POM)材料、およびポリフェニルスルホン材料(PPSU)からなる群から選択されるプラスチック材料から形成されている。
【0011】
本開示の別の態様は、ハウジング、プッシャ、ナイフホルダ、ナイフ、およびステープルを含むカートリッジアセンブリを対象としている。ハウジングは、空洞、複数のステープル受容ポケット、およびナイフスロットを画定し、空洞を画定する内壁を含む。内壁は、第1の傾斜アバットメントを有する。ステープルは、ステープル受容ポケットの各々内に配置されている。プッシャは、ハウジングによって画定される空洞内で、後退位置から前進位置へ移動可能に配置されており、後退位置から前進位置への空洞内のプッシャの移動が、ステープル受容スロットからステープルを押し進めるように、ステープル受容スロット内に受容されているフィンガを有する。ナイフホルダは、ハウジングによって画定された空洞内で、後退位置から前進位置へ移動可能に配置されており、後退位置から前進位置へのナイフホルダの移動が、ナイフをハウジング内に埋め込まれた位置からハウジングのナイフスロットから延在する位置まで前進させるように、ナイフを支持する。ナイフホルダは、遠位突起および近位突起を含む一対の長手方向に離間した突起を有する本体を含む。ナイフホルダの発射される前の位置では、遠位突起は、第1の傾斜アバットメントと係合して、ハウジングの空洞内でのナイフホルダの前進を妨げ、ナイフホルダの発射後の後退位置では、第1の傾斜アバットメントは、ナイフホルダの遠位突起と近位突起との間に配置されている。
【0012】
実施形態では、ハウジングは、第1の長手方向スロットを画定し、遠位および近位突起は、ナイフホルダがその前進位置にあるときに、第1の長手方向スロット内に配置されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、遠位および近位突起は、弾性アーム上に支持されている。
【0014】
特定の実施形態では、近位突起は、先細の遠位および近位表面を含み、遠位突起は、先細の遠位面および近位肩を含み、近位肩は、第1の長手方向スロットの近位端でハウジングと係合して、ハウジング内でのナイフホルダのさらなる近位移動を妨げるように構成されている。
【0015】
本開示の別の態様は、細長本体およびツールアセンブリを含む外科用ステープリングデバイスを対象としている。細長本体は、長手方向軸を画定し、近位部分および遠位部分を有する。ツールアセンブリは、細長本体の遠位部分上に支持されており、U字形フレーム、アンビルアセンブリ、およびカートリッジアセンブリを含む。U字形フレームは、近位横断部分、長手方向部分、および遠位横断部分を有する。アンビルアセンブリは、遠位横断部分上に支持されており、カートリッジアセンブリは、近位横断部分上に支持されている。U字形フレームの遠位横断部分および近位横断、ならびにカートリッジアセンブリは、第1の軸を画定する第1の直線部分、第2の軸を画定する第2の直線部分、および第3の軸を画定する第3の直線部分を含む、共通の形状を有する。第1の軸は、細長本体の長手方向軸を横断している。第1の曲率半径は、第1の直線部分と第2の直線部分との間に定義され、その結果、第1の軸および第2の軸が角度βを画定し、第2の曲率半径は、第2の直線部分と第3の直線部分との間に定義され、その結果、第2の軸および第3の軸が角度Ωを画定する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の外科用ステープリングデバイスの様々な実施形態は、本明細書において図面を参照して以下に説明される。
【
図1】ツールアセンブリが非クランプ位置にあり、位置合わせピンが後退位置にある、本開示のステープリングデバイスの例示的な実施形態の側面斜視図である。
【
図2】
図1に示すステープリングデバイスの、細長本体およびツールアセンブリの分解組立図である。
【
図4】カートリッジアセンブリを透視図で示している、
図2に示すステープリングデバイスのクランプスライドアセンブリの側面斜視図である。
【
図6】
図1に示すステープリングデバイスの遠位端からの斜視図である。
【
図6A】
図1に示すステープリングデバイスのツールアセンブリの正面図である。
【
図7】ツールアセンブリが非クランプ位置にあり、位置合わせピンが前進位置にある、
図1に示すステープリングデバイスのツールアセンブリの側面図である。
【
図8】
図2に示すステープリングデバイスの、位置合わせピンプッシャの遠位端および位置合わせピンの側面斜視図である。
【
図9】
図8の切断線9-9に沿って切り取られた断面図である。
【
図10】
図9に示す細部の指示領域の拡大図である。
【
図11】
図7の切断線11-11に沿って切り取られた断面図である。
【
図13】
図12の切断線13-13に沿って切り取られた断面図である。
【
図14】
図2に示すステープリングデバイスのカートリッジアセンブリのナイフの側面斜視図である。
【
図15】
図2に示す細部の指示領域の拡大図である。
【
図16】
図6の切断線16-16に沿って切り取られた断面図である。
【
図17】組織の周りにクランプされたクランプ位置および発射位置における、
図1に示すステープリングデバイスのツールアセンブリの側面斜視図である。
【
図18】
図17の切断線18-18に沿って切り取られた断面図である。
【
図19】
図17の切断線19-19に沿って切り取られた断面図である。
【
図20】
図17に示すツールアセンブリのアンビルアセンブリの切断プレートの近位端からの斜視図である。
【
図21】
図20に示す切断プレートの遠位端からの斜視図である。
【
図22】
図17の切断線22-22に沿って切り取られた断面図である。
【
図23】
図17に示すツールアセンブリの切断プレートの代替の実施形態の近位端からの斜視図である。
【
図24】
図23の切断線24-24に沿って切り取られた断面図である。
【
図25】
図17に示すツールアセンブリの切断プレートの別の代替の実施形態の近位端からの斜視図である。
【
図26】アンビルアセンブリおよび
図25に示す切断プレートを含む、
図17に示すツールアセンブリの第1のジョーを通って切り取られた断面図である。
【
図27】
図2に示すステープリングデバイスのロックアウト部材の側面斜視図である。
【
図28】カートリッジアセンブリが取り外され、ロックアウト部材がロック位置にある、
図1に示すステープリングデバイスのツールアセンブリのフレームの側面斜視図である。
【
図29】
図28の切断線29-29に沿って切り取られた断面図である。
【
図30】部品が分離されている、
図2に示すステープリングデバイスの、スラストバーの遠位部分、ナイフホルダ、およびプッシャの側面斜視図である。
【
図31】ナイフホルダおよびプッシャを支持している、
図30に示すスラストバーの遠位部分の側面斜視図である。
【
図33】
図31に示すナイフホルダに結合されたスラストバーの側面斜視断面図である。
【
図34】
図1に示すステープリングデバイスのカートリッジアセンブリの側面斜視図である。
【
図35】ナイフホルダがカートリッジアセンブリのハウジングに挿入されたときの、
図1に示すステープリングデバイスのカートリッジアセンブリを通って切り取られた断面図である。
【
図36】カートリッジアセンブリが発射される前の非クランプ位置にある、
図35に示すカートリッジアセンブリを通って切り取られた断面図である。
【
図36A】発射される前の非クランプ位置にある、
図1に示すステープリングデバイスのツールアセンブリの側面斜視図である。
【
図38】カートリッジアセンブリが発射される前の位置にある、
図36Aに示すカートリッジアセンブリの第1の部分を通って切り取られた側面断面図である。
【
図39】カートリッジアセンブリが発射される前の位置にある、
図36Aに示すカートリッジアセンブリの第2の部分を通って切り取られた側面断面図である。
【
図40】発射される前の位置の、
図1に示すステープリングデバイスのツールアセンブリの側面斜視図である。
【
図42】カートリッジアセンブリが発射位置にある、
図39に示すカートリッジアセンブリの第1の部分を通って切り取られた側面断面図である。
【
図43】カートリッジアセンブリが発射位置にある、
図40に示すカートリッジアセンブリの第2の部分を通って切り取られた側面断面図である。
【
図44】発射されたクランプされていないクランプ位置における、
図1に示すステープリングデバイスのツールアセンブリの側面斜視図である。
【
図46】カートリッジアセンブリが発射された非クランプ位置にある、カートリッジアセンブリの第1の部分を通って切り取られた側面断面図である。
【
図47】カートリッジアセンブリが発射された非クランプ位置にある、カートリッジアセンブリの第2の部分を通って切り取られた側面断面図である。
【
図48】スラストバーがナイフホルダから分離されているときの、
図1に示すステープリングデバイスの、スラストバーおよびカートリッジアセンブリのナイフホルダの側面斜視断面図である。
【
図49】本開示のステープリングデバイスの代替の実施形態のツールアセンブリを通る側面斜視部分断面図である。
【
図50】
図49に示すステープリングデバイスのクランプスライドアセンブリおよびカートリッジアセンブリの側面斜視図である。
【
図51】クランプスライドアセンブリからカートリッジアセンブリを取り外した状態の、
図49に示すステープリングデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで、本開示の外科用ステープリングデバイスについて、図面を参照して詳細に説明し、図面では、同様の参照番号は、いくつかの図の各々において同一または対応する要素を示す。しかしながら、開示される実施形態は、本開示の単なる例示に過ぎず、様々な形態で具体化され得ることを理解されたい。周知の機能または構成は、本開示を不必要に詳細に記述して本開示が不明瞭になることがないように、詳細には記載されていない。それゆえに、本明細書で開示される特定の構造的および機能的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、かつ本開示を実質的に任意の適切で詳細な構造で様々に用いるために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0018】
本明細書では、「近位」という用語は概して、臨床医に近い方のデバイスの当該部分を指すために使用されるのに対し、「遠位」という用語は概して、臨床医から遠い方のデバイスの当該部分を指すために使用される。さらに、「約」および「実質的に」という用語は、識別されたパラメータの90~110パーセントを指すために使用される。さらに、「臨床医」という用語は、概して、医師、看護師、および支援要員を含む医療従事者を指すために使用される。
【0019】
本開示の外科用ステープリングデバイスは
図1にステープリングデバイス10として全体的に示されており、ハンドルアセンブリ12と、ハンドルアセンブリ12から遠位方向に延在する細長本体14と、細長本体14の遠位部分上に支持されているツールアセンブリ16と、を含む。細長本体14は、長手方向軸「X」を画定する。ハンドルアセンブリ12は、静止ハンドル20を画定しかつ可動トリガ22を支持する、ハウジング18を含む。実施形態では、可動トリガ22は、ハウジング18によって支持され、非作動位置と作動位置との間で静止ハンドル20に向かって旋回して、ツールアセンブリ16を操作する。ハンドルアセンブリ12はまた、ハウジング18の各側面上で支持され、かつハウジング18に沿って移動可能であり位置合わせピンプッシャ30を前進および後退させる、ボタン26を支持する(
図2)。ハンドルアセンブリ12はまた、ツールアセンブリ16をクランプ位置から非クランプ位置に移動させるために押すことができる解放ボタン28を含む。好適なハンドルアセンブリ12のより詳細な説明については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,817,508号(「’508特許」)を参照されたい。
【0020】
図2を参照すると、ステープリングデバイス10は、第1のフレーム部材32aおよび第2のフレーム部材32bを含む、フレームアセンブリ32(
図1)を含む。フレーム部材32a、32bはステンレス鋼などの剛性材料で形成されており、ハンドルアセンブリ12の一部を形成する近位部分36と、細長本体14の一部を形成する遠位細長部分38と、を含む。フレームアセンブリ32の遠位細長部分38の各々の、遠位端部分40は、ツールアセンブリ16が細長本体14の遠位端部分40上に支持されるように、ツールアセンブリ16に結合されるように適合されている。実施形態では、以下でさらに詳細に説明されるように、フレーム部材32a、32bが互いに離間するように固定されて、位置合わせピンプッシャ30を含むステープリングデバイス10の様々な構成要素を受容する長手方向スロット44(
図5)を画定するように、フレーム部材32a、32bの端部を一緒に連結するために、リベット42が使用される。
【0021】
図2~5を参照すると、ステープリングデバイス10は、第1のクランプスライド部材52aおよび第2のクランプスライド部材52bを含む、クランプスライドアセンブリ52(
図4)を含む。クランプスライド部材52aおよび52bは、リベットなどを使用して互いに離間して一緒に固定されて、長手方向くぼみ54を画定する。クランプスライド部材52aおよび52bは、クランプスライドアセンブリ52の長手方向くぼみ54の遠位部分が、長手方向くぼみ54の近位部分の幅よりも広い幅を有するカートリッジ受容空洞56(
図4)を画定するように、外側に階段状になっている遠位端部分53を有する。
【0022】
クランプスライドアセンブリ52は、フレーム部材32a、32bによって画定される長手方向スロット44(
図5)内に受容される。クランプスライド部材52a、52bの各々は、非作動位置と作動位置との間の可動トリガ22(
図1)の移動がフレームアセンブリ32によって画定される長手方向スロット44(
図5)内のクランプスライドアセンブリ52の長手方向の移動を引き起こすように、ハンドルアセンブリ12に結合されている近位端部分58を含む。ハンドルアセンブリ12とクランプスライドアセンブリ52との間の相互作用のより詳細な説明については、’508特許を参照されたい。
【0023】
図5~7および15も参照すると、ツールアセンブリ16は、実質的にU字形のフレーム60、アンビルアセンブリ62、およびカートリッジアセンブリ64を含む。フレーム60は、近位横断部分66、遠位横断部分68、および近位横断部分66と遠位横断部分68とを相互接続している長手方向部分70を含む。近位および遠位横断部分66および68は、それぞれ、長手方向軸「X」(
図1)を横断している軸(
図6)に沿って湾曲している。より具体的には、近位および遠位横断部分66および68は、それぞれ、互いにかつカートリッジアセンブリ64の形状に対応する形状を有し、第1の直線部分69a(
図6A)、第2の直線部分69b、および第3の直線部分69cを含む。
図6Aに示すように、第1の直線部分69aは、ステープリングデバイス10の長手方向軸Xを実質的に横断している軸Lに沿って延在し、第2の直線部分69bは、第1の直線部分69aに対して角度βを画定する軸Mに沿って延在し、第3の直線部分69cは、第2の直線部分69bに対して角度Ωを画定する軸Nに沿って延在している。第1の曲率半径は、第1の直線部分69aと第2の直線部分69bとの間に定義され、第2の曲率半径は、第2の直線部分69bと第3の直線部分69cとの間に定義される。実施形態では、角度βは約92度~約178度であり、角度Ωは約92度~約178度である。いくつかの実施形態では、角度βは約120度であり、角度Ωは約120度である。ツールアセンブリ16の本開示の構成は、人体の骨盤構造へのより大きいアクセスを提供する。
【0024】
ツールアセンブリ16のフレーム60の遠位横断部分68は、アンビルアセンブリ62(
図5)を支持する。実施形態では、アンビルアセンブリ62は、切断プレート76およびアンビルプレート78(
図2)を含む。アンビルプレート78は、ナイフスロット78aを画定する。切断プレート76およびアンビルプレート78は、以下でさらに詳細に説明されるように、位置合わせピン120を受容する位置合わせピンボア79(
図13)を画定する。切断プレート76(
図2)およびアンビルプレート78は、フレーム60の遠位横断部分68の形状に対応する形状を有する。切断プレート76は、切断プレート76がフレーム60の遠位横断部分68上で受容および支持されるように、フレーム60の遠位横断部分68を受容する遠位空洞80(
図2)を画定する。アンビルプレート78は、切断プレート76がアンビルプレート78とフレーム60の遠位横断部分68との間に挟まれるように、切断プレート76の上部に配置されている。実施形態では、アンビルプレート78はフランジ82(
図2)を含み、フレーム60の遠位横断部分68および切断プレート76は、切り欠き84および84aを画定する。フランジ82は、切り欠き84および84a内に固定され、アンビルアセンブリ62をフレーム60の遠位横断部分68に固定する。
【0025】
ツールアセンブリ16はまた、ガイドプレート86およびロックアウトアセンブリ88(
図2)を含む。ガイドプレート86(
図7)は、遠位横断部分68と近位横断部分66との間の、ツールアセンブリ16のフレーム60の長手方向部分70上に配置されている。実施形態では、ガイドプレート86は、リベット90、ねじなどを使用してフレーム60の長手方向部分70に固定されており、U字形フレーム60の長手方向部分70とは反対側を向くガイド面86aを含む。他の構成が想定されるが、ガイド面86aは実質的に平坦であり得る。
【0026】
ガイド面86aの遠位部分87は、ツールアセンブリ16のフレーム60の長手方向部分70から離れて内側に角度が付けられている。実施形態では、ガイドプレート86は、ヘッド部分89aおよびベース部分89bを含む(
図15)。ヘッド部分89aは、ベース部分89bを備えるT字形を画定し、カートリッジアセンブリ64の下部に受容されて、カートリッジアセンブリ64の後退位置と前進位置との間の移動をガイドする。
【0027】
図15は、ロックアウト部材92およびバイアス部材94を含む、ロックアウトアセンブリ88を示している。ロックアウト部材92は、バイアス部材取り付け台93(
図27)を含む。実施形態では、ロックアウト部材92は、旋回部材96の周りで、ツールアセンブリ16のU字形フレーム68の長手方向部分70に回転可能に取り付けられている。ロックアウト部材92は、ロック位置(
図28)とロック解除位置との間で旋回することができる。実施形態では、バイアス部材94(
図15)は、以下で詳細に説明されるように、バイアス部材取り付け台93と係合した第1の端部を含み、かつツールアセンブリ16のU字形フレーム60内に配置されてロックアウト部材92をロック位置に押し進める、ねじりばねを含む。
【0028】
図2~5は、ハウジング98、ナイフホルダ100、刃先102aを有するナイフ102(
図14)、プッシャ104、および複数のステープル106(
図16)を含む、カートリッジアセンブリ64を示している。ハウジング98は、空洞、複数のステープル受容ポケット98a(
図5)、およびナイフスロット108を画定する。ステープル受容ポケット98aの各々は、ステープル106(
図16)を受容する。
【0029】
プッシャ104は、ハウジング98の空洞内に配置されており、プッシャ104がハウジング98内の後退位置から前進位置に移動させられてステープル106をカートリッジアセンブリ64から排出するときに、ステープル受容ポケット98a内に受容されるフィンガ104aを含む。ナイフホルダ100は、ナイフ102を支持しており、カートリッジアセンブリ64のハウジング98内で移動可能であり、その結果、ナイフ102は、以下でさらに詳しく説明されるように、ステープリングデバイス10の発射中に、ハウジング98内のナイフスロット108(
図5)を通って移動可能である。
【0030】
実施形態では、ナイフ102は、ナイフホルダ100内に画定されたくぼみ110(
図32)に受容されてナイフ102をナイフホルダ100に固定する、近位部分102aを含む。ナイフ102は、ナイフホルダ100のくぼみ110内へのナイフ102の固定を容易にするためのタブ112(
図14)を含み得る。いくつかの実施形態では、複数のステープル受容ポケット98aが列に整列されており、ナイフスロット108(
図32)がステープルの列の間に配置されている。特定の実施形態では、2列以上のステープルがナイフスロット108の各側面上に配置されている(
図5)。ナイフホルダ100およびプッシャ104は、以下でさらに詳しく説明されるように、カートリッジアセンブリ64のハウジング98内で後退位置から前進位置に移動可能であり、ステープル106をハウジング98から排出し、ナイフ102をナイフスロット108を通して前進させる。
【0031】
図2および7~13を参照すると、カートリッジアセンブリ64はまた、フレーム60の長手方向部分70およびガイドプレート86から離間した位置でカートリッジアセンブリ64のハウジング98内に支持されている、位置合わせピンアセンブリ116を含む。位置合わせピンアセンブリ116は、位置合わせピン120および位置合わせピン結合部材122を含む。位置合わせピン120は、直径が減少した遠位ヘッド部分126を有する実質的にD字形の本体124、およびカートリッジアセンブリ64がクランプスライドアセンブリ52のカートリッジ受容空洞56(
図4)内に受容されるときにツールアセンブリ16のフレーム60の長手方向部分70に面する、ガイド面128を含む。実施形態では、ガイド面128は実質的に平坦であり、遠位方向にフレーム60の長手方向部分70に向かって角度が付けられた遠位部分130を含む。いくつかの実施形態では、平面128の遠位部分130は、位置合わせピン120の長手方向軸との角度£(
図10)を画定し、£は、約2度~約10度である。
【0032】
結合部材122は、位置合わせピン120の近位端に固定されており、ベース134および近位方向に延在する弾性フィンガ136を含む。実施形態では、ベース134は、位置合わせピン120の近位端を受容して位置合わせピン120をベース134に固定するボア138(
図9)を画定し、フィンガ136は、下方に延在する突起138を含む。下方に延在する突起138は、角度が付けられた遠位および近位表面140を含み、位置合わせピンプッシャ30の遠位端部分に係合または結合するように構成されている。より具体的には、位置合わせピンプッシャ30の遠位端部分は、カートリッジアセンブリ64がクランプスライドアセンブリ(
図4)のカートリッジ受容空洞56内に受容されて、位置合わせピンプッシャ30を位置合わせピン120に結合するとき、カートリッジアセンブリ64のハウジング98内の、弾性フィンガ136の突起138と結合部材134のベース134との間に受容されるように配置されている、フィンガ30aを含む。
【0033】
ステープリングデバイス10は、
図2に示されており、かつハンドルアセンブリ12(
図1)内に受容されている近位部分142a(
図2)と、ナイフホルダ100と係合して移動可能である遠位部分142bと、を有する、スラストバー142をさらに含む。スラストバー142は、スラストバー142をナイフホルダ100に結合するために、以下でさらに詳細に説明されるように、ナイフホルダ100と係合するように構成されている遠位端部分142bを有する。
【0034】
位置合わせピンプッシャ30は、スラストバー142を受容する細長スロット144(
図8)を画定する。細長スロット144は、臨床医がスラストバー142の作動前に位置合わせピン120を前進させることを可能にするために、スラストバー142とは独立して位置合わせピンプッシャ30の長手方向の移動を容易にするように、構成および寸法が定められている。’508特許に詳細に記載されているように、位置合わせピンプッシャ30は、手動または自動で前進させて、位置合わせピン120をアンビルアセンブリ62と係合させて前進させることができる。位置合わせプッシャ30を手動で前進させると、位置合わせピンプッシャはスラストバー142とは独立して移動する。位置合わせピンプッシャ30の前進位置では、位置合わせピン120の遠位ヘッド部分126は、位置合わせピンボア79(
図14)およびアンビルアセンブリ62の切断プレート76およびアンビルプレート78中を通って延在し、ツールアセンブリ16内の位置合わせピン120とガイドプレート86との間で組織を閉じ込め、ステープリングデバイス10の操作中にツールアセンブリ16に安定性を提供する。実施形態では、遠位ヘッド部分126および位置合わせピンボア79は、締まりばめを有するように寸法が定められている。
【0035】
図11~19を参照すると、カートリッジアセンブリ64が、クランプスライドアセンブリ52の遠位部分によって画定されるカートリッジ受容空洞56に挿入され、クランプスライドアセンブリ52が、可動トリガ22(
図1)の作動によって後退位置から前進位置に移動する場合、カートリッジアセンブリ64は、アンビルアセンブリ62に対して、非クランプ位置からクランプ位置に移動させられ、カートリッジアセンブリ64をアンビルアセンブリ62と並置した位置に配置する。この操作は、’508特許に詳細に記載されている。スラストバー142がナイフホルダ100に結合されると、スラストバー142の前進は、カートリッジハウジング98内の、アンビルアセンブリ62に向かうナイフホルダ100の対応する前進およびナイフ102の対応する前進を引き起こす。
【0036】
ナイフ102は、翼148、150を有する本体146(
図14)を含む。翼148は、ガイドプレート86(
図19)のガイド面86aに沿って乗るように配置されており、翼150は、位置合わせピン120のガイド面128(
図17)に沿って乗るように配置されている。実施形態では、ナイフ102の翼148および150と、位置合わせのガイドプレート86およびガイド面128との間の係合は、それぞれ、翼148および150の変形を引き起こす。上記のように、ガイドプレート86のガイド面86aは、フレーム60の長手方向部分70から離れて内側に角度が付けられ、位置合わせピン120に向かって遠位部分87(
図19)を含む。同様に、位置合わせピン120のガイド面128は、フレーム60の長手方向部分70およびガイドプレート86に向かって角度が付けられている、遠位部分130を含む。ガイドプレート86および位置合わせピン120のガイド面86、128の角度が付けられた部分は、ナイフ102と位置合わせピン120、およびナイフ102とガイドプレート86との間に隙間が存在しないことを確実にする。これは、ツールアセンブリ16内に閉じ込められた組織がナイフ102によって完全に切開されることを確実にする。
【0037】
図20~22を参照すると、アンビルプレート78(
図22)は、カートリッジアセンブリ64がクランプ位置にあるときに、カートリッジアセンブリ64のハウジング98内の湾曲したナイフスロット108と位置合わせされた湾曲したナイフスロット154を画定する。実施形態では、切断プレート76は、ナイフ102がアンビルプレート78中の湾曲したナイフスロット154を通過した後、ナイフ102の刃先102a(
図14)を受容するように配置されている。切断プレート76は、アンビルプレート78中のナイフスロット154と位置合わせされた、湾曲した隆起156を有する本体76aを含み得る。同様に、切断プレート76は、切断プレート76の遠位空洞80内の湾曲した隆起156の反対側の切断プレート76の反対側に、凹面を含み得る。実施形態では、切断プレート76は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料、ポリオキシメチレン(POM)材料、またはポリフェニルスルホン材料(PPSU)などの、プラスチック材料から形成されている。いくつかの実施形態では、切断プレート76は、他の製造方法が想定されるが、射出成形によって形成されている。切断プレート76は、ナイフ102との係合時に局所的および構造的に変形する材料で形成されるべきである。切断プレート76の局所的な変形は、ナイフ102と切断プレート76の表面との間に隙間が存在しないことを確実にし、組織をきれいに切断することを容易にする。構造変形は、ステープリングデバイス10を発射するのに必要な発射力を制限する。
【0038】
図23および24は、大まかに切断プレート176として示されている、本開示の切断プレートの代替の実施形態を示している。切断プレート176は、上記のようなプラスチック材料で形成された本体176aを含む。本体176aは、くぼみ180および位置合わせピンボア179を画定する。くぼみ180は、ツールアセンブリ16のU字形フレーム60の遠位横断部分68を受容するように構成されており、位置合わせピンボア179は、位置合わせピン120(
図18)を受容するように配置されている。本体176aは、アンビルプレート78中のナイフスロット108と位置合わせされた、隆起した隆起184を含む中央部分182を含む。隆起184を除いて、中央部分182は、実質的に均一な厚さを有する。
【0039】
図25および26は、大まかに切断プレート276として示されている、本開示の切断プレートの別の代替の実施形態を示している。切断プレート276は、切断プレート176と同様であり、位置合わせピンボア279およびくぼみ280を画定する本体276aを含む。くぼみ280は、ツールアセンブリ16のフレーム60の遠位横断部分68(
図5)を受容するように構成されており、位置合わせピンボア279は、位置合わせピン120(
図18)を受容するように配置されている。本体276aは、フレーム60の長手方向部分70からさらに離間した切断プレート276の端部286が、フレーム60の長手方向部分70に近い本体276aの部分よりも大きい厚さを有するように、移行部分284を通って増加する厚さを有する中央部分282を含む。上記の説明から明らかなように、ツールアセンブリ16のアンビルアセンブリ62は、フレーム60の遠位横断部分68上に片持ち梁方式で支持されている。フレーム60の長手方向部分70から離間した場所での切断プレート276の厚さの増加は、長手方向部分70から離間した場所でアンビルアセンブリ62にさらなる支持を提供し、ステープリングデバイス10の発射中の、アンビルアセンブリ62の変形またはたわみを制限する。
【0040】
図16および17を簡単に参照すると、非クランプ位置(
図16)において、ステープル106を含むカートリッジアセンブリ64が、ツールアセンブリ16を用いて矢印「X」で示される方向にクランプスライドアセンブリ52のカートリッジ受容空洞56(
図4)に装填されるとき、スラストバー142はナイフホルダ100と係合し、カートリッジアセンブリ64のプッシャ104はロックアウト部材92と係合して、ロックアウト部材92を
図16の矢印「A」で示される方向に、ロック解除位置まで回転させる。ロック解除位置では、ロックアウト部材92は、スラストバー142の下方に、下方へ離間している。したがって、ステープリングデバイス10の可動トリガ22(
図1)が作動されてクランプスライドアセンブリ52をクランプ位置(
図17)に前進させると、スラストバー142は、ロックアウト部材92を越えて遠位方向に移動し、ツールアセンブリ16を作動させ、ナイフ102およびプッシャ104を前進させて、組織をステープリングして切断することができる。
【0041】
図27~29を参照すると、カートリッジアセンブリ64がクランプスライドアセンブリ52のカートリッジ受容空洞56から取り外されるか、またはプッシャ104(
図16)がその前進位置すなわち発射位置(
図39)に移動させられると、ロックアウトアセンブリ88のバイアス部材94は、ロックアウト部材92を旋回部材96の周りで
図28の矢印「B」によって示される方向に回転させて、ロック部材92を越えるスラストバー142の遠位移動を妨げる位置にする。スラストバー142がその前進位置からその後退位置に向かって下がって移動する間に、スラストバー142がロックアウト部材92と係合すると、ロックアウト部材92が、そのロック解除位置に戻る矢印「C」で示される方向に旋回部材96の周りを回転し、スラストバー142がロックアウト部材92を近位方向に通り越すことができるようになることに留意されたい。ただし、ロックアウト部材142は、フレーム60の長手方向部分70中に形成されたくぼみ162(
図29)に受容される停止部材160を含む。くぼみ162は、ロックアウト部材92がロック位置にあるときに、スラストバー142の遠位移動を防ぐために、所定の地点を越えて方向「B」にロックアウト部材92が回転するのを防ぐように、寸法が定められている。より具体的には、ロックアウト部材92がバイアス部材94(
図15)によってロック位置に押し進められると、スラストバー142の再前進は、ロックアウト部材92によって防止される。
【0042】
図30~34を参照すると、スラストバー142の遠位部分142bは、第1および第2の離間した開口170を画定し、ナイフホルダ100は、互いに横方向に離間した、2対の弾性フィンガ172を含む。弾性フィンガ172の各対は、カートリッジアセンブリ64がクランプスライドアセンブリ52のカートリッジ受容空洞56内に装填されるとき、スラストバー142の開口170のうちの1つと位置合わせされる。弾性フィンガ172は、カートリッジアセンブリ64がツールアセンブリ16に装填されるときにスラストバー142の遠位部分142bを通り越し、スラストバー142(
図31)中の開口170内にスナップし、スラストバー142をナイフホルダ100に結合する、内側に延在する突起174(
図33)を含む。弾性フィンガ172の各々は、カートリッジアセンブリ64のハウジング98の内壁に係合する、正反対に対向するスペーサ172aを含み、操作中に弾性フィンガ172の突起174が、ステープリングデバイス10のスラストバー142中の開口170から外れないことを確実にする。
【0043】
いくつかの実施形態では、ナイフホルダ100は、少なくとも1つの保持突起302および弾性アーム306を含む、本体300を含む。少なくとも1つの保持突起303は、先細の遠位面302a(
図32)および近位肩302bを含む。弾性アーム306は、一対の長手方向に離間した突起308aおよび308bを有する(
図32)。実施形態では、突起308bは、突起308aの近位方向に配置されており、先細の遠位および近位表面310を含む。対照的に、突起308aは、突起308bの遠位方向に配置されており、先細の遠位面312および近位肩すなわち停止表面314を含む。これらの突起308a、308bの各々は、以下でさらに詳細に説明される。実施形態では、プッシャ104は本体320を含み、本体320は、外側に突出しプッシャ104の片側または両側に配置されている、1つ以上の離間した突起またはバンプ322を有する。
【0044】
図34は、カートリッジアセンブリ64のハウジング98を示している。実施形態では、カートリッジアセンブリ64のハウジング98は、第1の長手方向スロット336、第2の長手方向スロット338、および第3の長手方向スロット340を画定する。仕切りまたはブリッジ342は、第1の長手方向スロット336を横切って延在し、スロット336を近位部分336aおよび遠位部分336bに分割する。カートリッジアセンブリ64のハウジング98の内壁は、傾斜アバットメント346(
図35)および347(
図36)を含む。傾斜アバットメント346および347は、それぞれ、近位方向に面している傾斜表面346a、347aを有する。傾斜アバットメント346の遠位端は、第3の長手方向スロット340の近位端によって画定され、傾斜アバットメント347の遠位端は、第2の長手方向スロット338の近位端によって画定される。
【0045】
カートリッジアセンブリ64の組み立て中に、
図35の矢印「K」によって示されるように、ナイフホルダ100がカートリッジアセンブリ64のハウジング98の近位端を通して挿入されると、ナイフホルダ100の本体300上に形成された保持突起302の先細の遠位面302aが、傾斜アバットメント346の近位方向に面している傾斜表面346aと係合し、傾斜アバットメント346を通り越し、第3の長手方向スロット346内にスナップする。長手方向スロット346内の保持突起302の受容は、カートリッジハウジング98内のナイフホルダ100を保持する。
【0046】
図36~39は、発射される前の位置にあるカートリッジアセンブリ64を示している。この位置では、ナイフホルダ100の本体300の保持突起302は、第3の長手方向スロット340の近位端内に受容されており、カートリッジアセンブリ64のハウジング98内でのナイフホルダ100の近位移動を防ぐ。プッシャ104の本体320上に形成された突起322は、第1の長手方向スロット336(
図37)の近位部分336a内に受容されている。この位置では、第1の長手方向スロット336を横切って延在する仕切り342は、突起322(
図39)と係合して、カートリッジハウジング98内のプッシャ104の遠位移動を妨げる。これは、カートリッジアセンブリ64の輸送および保管中のプッシャ104の不注意な移動を防ぐ。
【0047】
発射される前の位置では、ナイフホルダ100上の弾性アーム306の突起308bの先細の遠位表面は、カートリッジアセンブリ64のハウジング98の内壁上に形成された傾斜アバットメント347(
図38)と係合し、ハウジング98内のナイフホルダ100の遠位移動を妨げる。この係合は、カートリッジアセンブリ64の輸送および保管中のナイフホルダ100の不注意な移動を防ぐ。
【0048】
図40~43は、発射位置にあるカートリッジアセンブリ64を示している。より具体的には、可動トリガ22(
図1)が作動されてスラストバー142(
図2)を前進させてカートリッジアセンブリ64からステープル106を発射すると、スラストバー142は、カートリッジアセンブリ64のハウジング98内のナイフホルダ100を、その後退位置からその前進位置に前進させる。ナイフホルダ100がハウジング98内でその後退位置からその前進位置に向かって移動すると、ナイフホルダ100はプッシャ104と係合し、ハウジング98内でプッシャ104を前進させる。ナイフホルダ100がその前進位置に向かって移動すると、ナイフホルダ100の弾性アーム306上に形成された離間した突起308aおよび308bは、ハウジング98の内面上に形成された傾斜アバットメント347を通り越し、ハウジング98(
図41)中に形成された第2の長手方向スロット338内にスナップする。ナイフホルダ100(
図41および42)の前進位置では、突起308aおよび308bは、第2の長手方向スロット338に配置されている。さらに、ナイフホルダ100の本体300上に形成された保持突起302は、第3の長手方向スロット340の近位端部分から第3の長手方向スロット340の遠位端部分に移動する(
図41)。ナイフホルダ100がカートリッジアセンブリ64のハウジング98内を移動すると、ナイフホルダ100に支持されているナイフ102は、カートリッジアセンブリ64のハウジング98中のナイフスロット108を通って、アンビルアセンブリ62の切断プレート76と係合して前進させられ、カートリッジアセンブリ64とアンビルアセンブリ62との間に配置された組織を切断する。
【0049】
プッシャ104がカートリッジアセンブリ64のハウジング98内のナイフホルダ100によって移動させられると、プッシャ104の本体320上の突起322は、第1の長手方向スロット336の近位端部分から第1の長手方向スロット336の遠位端部分に移動する(
図41)。プッシャ104がその前進位置に向かって移動すると、プッシャ104のフィンガ104aは、ステープル106(
図16)をアンビルアセンブリ62内に前進させて、組織内にステープルを形成する。
【0050】
図44~47は、カートリッジアセンブリ64が発射され、スラストバー142が後退させられた後のカートリッジアセンブリ64を示している。スラストバー142が後退させられると、ナイフホルダ100の弾性フィンガ172上の突起174(
図48)によってスラストバー142に結合されたナイフホルダ100もまた、カートリッジアセンブリ64のハウジング98内に後退させられる。ナイフホルダ100がハウジング98内に後退させられると、ナイフホルダ100上の突起308bは、ハウジング98の内壁に形成された傾斜アバットメント347と係合しかつ通り越し、その結果、突起308bは傾斜アバットメント表面347の近位側上に配置され、突起308aは傾斜アバットメント表面347の遠位側上に配置される(
図46)。突起308aおよび308bと傾斜アバットメント表面347との係合は、刃先102aを含むナイフ102がハウジング98内に埋め込まれるように、ナイフホルダ100をカートリッジアセンブリ64のハウジング98内の後退位置に保持する。
【0051】
ナイフホルダ100がカートリッジアセンブリ64のハウジング98内に後退させられると、ナイフホルダ100の本体300上の保持突起302は、突起302の近位肩302bが、第3の長手方向スロット340の近位端を画定するハウジング98の一部と係合して、カートリッジアセンブリ64(
図47)のハウジング98内のナイフホルダ100の近位移動をさらに防止するように、第3の長手方向スロット340内を移動する。
【0052】
図48を参照すると、スラストバー142が完全に後退位置に移動させられると、スラストバー142はナイフホルダ100から分離することとなり、クランプスライドアセンブリ52のカートリッジ受容空洞56からのカートリッジアセンブリ64の取り外しを容易にする。これは、スラストバー142がその完全な後退位置に到達する前に、突起302の近位肩302bがハウジング98と係合することによってナイフホルダ100の近位移動が停止されるために起こる。
【0053】
図49~52は、大まかにステープリングデバイス10’として示されている、本開示のステープリングデバイスの代替の実施形態を示している。ステープリングデバイス10’は、以下で詳細に説明するカートリッジアセンブリ64’およびツールアセンブリ16’のU字形フレーム60’への変更を除いて、すべての点でステープリングデバイス10と実質的に同様である。
【0054】
ツールアセンブリ16’のU字形フレーム60’は、近位横断部分66’、遠位横断部分68’、および近位横断部分66’と遠位横断部分68’とを相互接続している長手方向部分70’を含む。U字形フレーム60’の長手方向部分70’は、離間した長手方向スロット73’を画定する。カートリッジアセンブリ64’は、カートリッジアセンブリ64’がステープリングデバイス10’のクランプスライドアセンブリ52’のカートリッジ受容空洞56’(
図50)内に装填されたときに、長手方向スロット73’内に受容されるように配置されているリブ99’を支持または含む、ハウジング98’を含む。カートリッジアセンブリ64’がアンビルアセンブリ62に対して非クランプ位置からクランプ位置に移動させられると、カートリッジアセンブリ64’のハウジング98’のリブ99’が長手方向スロット73’内をスライドして、ガイドし、カートリッジアセンブリ64’に剛性を提供する。
【0055】
当業者であれば、本明細書において具体的に説明され、添付の図面に例示されるデバイスおよび方法が非限定的かつ例示的な実施形態であることを理解することができるであろう。一例示的な実施形態に関連して例示または記載される要素および特徴は、別の要素および特徴と、本開示の範囲から逸脱することなく組み合わせられ得ることが想到される。同様に、当業者であれば、上述の実施形態に基づく本開示のさらなる特徴および利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除いて、具体的に図示および記載されているものによって限定されるべきではない。
【国際調査報告】