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▶ エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-09
(54)【発明の名称】揮発性物質ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/00 20060101AFI20221202BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20221202BHJP
   A61L 9/14 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
B65D85/00 A
B65D83/00 F
A61L9/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518292
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 US2020050703
(87)【国際公開番号】W WO2021061433
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】16/579,489
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(72)【発明者】
【氏名】ハシク、 セバスチャン、 ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ピーパー、 グレゴリー、 ジー.
(72)【発明者】
【氏名】キュサティス、 キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】ウォルカー、 ジェームス、 ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ダビス、 ブライアン、ティー.
(72)【発明者】
【氏名】オーディウェイ、 ティモシー、 アール.
【テーマコード(参考)】
3E068
4C180
【Fターム(参考)】
3E068AA40
3E068AB10
3E068CC01
3E068CC16
3E068DE11
3E068EE40
4C180AA02
4C180AA03
4C180AA07
4C180AA13
4C180AA18
4C180AA19
4C180GG08
4C180HH10
4C180HH14
4C180HH19
4C180JJ01
4C180LL06
(57)【要約】
揮発性物質ディスペンサは、プリント回路基板を収容するベースと、ベースと結合され、プラットフォーム、及びプラットフォームから延びるスタンドを含むスタンドアセンブリと、スタンドから延びて円形の圧電素子を含むマニホールドとを含む。ディスペンサは、スタンドアセンブリと結合されて排気筒を画定するシュラウドと、芯を含んでマニホールドから着脱可能に結合されるリフィルとをさらに含む。マニホールドは、マニホールドから上方に延びる円筒状壁を含み、ばねは、マニホールド内に配置されて円筒状壁と同軸であり、ばねの上端部は、円筒状壁を被覆し、ばねの下端部は、圧電素子に対して力を加える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性物質ディスペンサであって、
プリント回路基板を収容するベースと、
1つ以上の固定機構を介して前記ベースと結合され、プラットフォーム、前記プラットフォームから延びるスタンド、及び前記スタンドから延びるマニホールドを含むスタンドアセンブリと、
前記マニホールドと着脱可能に結合され、芯の直径DWを画定する芯を含むリフィルと、
を含み、
前記マニホールドは、開口のアレイを画定する圧電素子を収容し、
前記アレイは、アレイの直径DAを画定し、
前記芯の直径及び前記アレイの直径の比率(DW/DA)は、1.0より大きい、
揮発性物質ディスペンサ。
【請求項2】
前記ベースは、低電圧電源と電気的に結合することができる低電圧ポートをさらに含む、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項3】
複数のLEDが前記プリント回路基板と結合される、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項4】
前記複数のLEDは、第1の色及び第2の色を表示するように構成される、請求項3に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項5】
前記マニホールドは、シャーシ及びクラウンを含み、前記クラウンは、チャネルを画定する円筒状壁を含み、
前記スタンドアセンブリに結合されるシュラウドであって、前記シュラウドは、前記チャネルと同軸である排気筒を画定する、
請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項6】
前記圧電素子は圧電板を含み、
前記圧電板はドームを含み、前記開口のアレイは、前記ドームに沿って全体的に配置される、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項7】
前記開口のアレイは、円形アレイに配置される、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項8】
前記プリント回路基板に沿って配置される制限スイッチをさらに含み、
前記制限スイッチは、シュラウドが前記スタンドアセンブリと結合されていない場合、前記圧電素子の作動を防止する、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項9】
揮発性物質ディスペンサであって、
プリント回路基板を含むベースと、
前記ベースと結合され、プラットフォーム、前記プラットフォームから延びるスタンド、及び前記スタンドから延びるマニホールドを含み、前記マニホールドは、円形の圧電素子を含む、スタンドアセンブリと、
前記スタンドアセンブリと結合されて排気筒を画定するシュラウドと、
芯を含んで前記マニホールドと着脱可能に結合されるリフィルと、
を含み、
前記マニホールドは、前記マニホールドから延びる円筒状壁を含み、
ばねが前記マニホールド内に配置され、前記ばねは前記円筒状壁と同軸であり、
前記ばねの上端部は前記円筒状壁を被覆し、前記ばねの下端部は前記圧電素子に対して力を加える、
揮発性物質ディスペンサ。
【請求項10】
前記ばねは、約0.5mmから約0.6mmの間の直径を有するばねワイヤを有する、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項11】
第1タブ及び第2タブは、リフィルを収容するために前記マニホールドから懸垂した、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項12】
前記第1タブ及び前記第2タブは、内側に延び、前記リフィルのリムと係合することができる第1係止部及び第2係止部を含む、請求項11に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項13】
前記ばねは、前記リフィルが前記マニホールド内に挿入されるときに、リフィルの頭部に力が加えられるようにする、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項14】
前記圧電素子は開口のアレイを画定し、前記アレイはアレイの直径DAを画定し、
芯の直径DW及び前記アレイの直径DAの比(DW/DA)は約1.1である、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項15】
前記マニホールドは、頭部キャビティを画定し、
複数のリブは、前記マニホールドから前記頭部キャビティに延びる、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項16】
前記マニホールドは、シャーシと、前記シャーシに対してスナップフィットするクラウンとを含む、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項17】
複数のリブは、前記シュラウドの底面と物理的に係合する前記クラウンの側面に沿って延びる、請求項16に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項18】
揮発性物質ディスペンサであって、
側壁を画定し、前記側壁から突出する少なくとも1つのボタン及び低電圧ポートを含み、プリント回路基板を収容するベースと、
前記ベースと結合されるスタンドアセンブリと、
前記ベースの上端部から延びる下端部を含む円錐台状の側壁を有し、排気筒を画定するシュラウドと、
芯を含み、前記スタンドアセンブリと着脱可能に結合されるリフィルと、
を含み、
前記少なくとも1つのボタンは、前記低電圧ポートから180度オフセットして配置される、
揮発性物質ディスペンサ。
【請求項19】
前記スタンドアセンブリのマニホールド内のばねをさらに含み、
前記ばねは、前記芯と前記圧電素子との間の連続的な接触を保持するために圧電素子と係合するように作動し、
前記ばねは、0.5mm~0.6mmの間の直径を有するばねワイヤを有する、
請求項18に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項20】
前記圧電素子は、アレイの直径DAを有する開口のアレイを画定し、
前記芯は、芯の直径DWを画定し、
前記芯の直径及び前記アレイの直径の比(DA/DW)は、1.0より大きい、請求項18に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年9月23日に出願された米国出願第16/579,489号からの優先権の利益を主張し、その内容は、全体が参照として本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般に揮発性物質を放出するための揮発性物質ディスペンサに関し、より詳細には、圧電素子及び発光アセンブリを有する揮発性物質ディスペンサに関する。
【0003】
様々な揮発性物質ディスペンサが当技術分野で知られており、それらのほとんどが様々な異なる機構によって周囲の環境に香りを伝達する。例えば、一部のディスペンサは、香りを含む揮発性物質を周囲の環境で噴霧する一方で、他のディスペンサは、香りを含む揮発性物質を周囲の環境に蒸発させることができる。このような揮発性物質ディスペンサは、一般にその内部にリフィルが挿入されたハウジングを含む。リフィルは、一般に揮発性物質を入れるための容器を含み、揮発性物質は、芳香化学物質、水、溶媒、界面活性剤、アルコール、及び/又はその他の成分などの様々な成分を含み得る。一部のリフィルには、揮発性物質と接触し、揮発性物質をリフィルの外に運ぶために、リフィルの外に延びる芯(wick)を含む。他のリフィルには、半透膜を介して放出されるゲル状の物質が含まれる。リフィルのタイプに関係なく、リフィルは、加熱器、圧電素子、エアゾール作動装置、及び/又は揮発性物質の伝達を助けることができる任意の他の拡散要素を有する揮発性物質ディスペンサに挿入してもよい。
【0004】
しかしながら、多くの従来技術のディスペンサは、揮発性物質を均一に又は正確に投与する方式で放出しない。さらに、多くのディスペンサは、揮発性物質ディスペンサによって放出される又は放出された揮発性物質の量又は分量に関するユーザへの視覚的フィードバックを含まない。このように、ユーザに調整可能な視覚的フィードバックを提供しながら、揮発性物質を正確に放出する機構を有する揮発性物質ディスペンサが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、揮発性物質ディスペンサは、プリント回路基板を収容するベース、及び1つ以上の固定機構を介してベースと結合されるスタンドアセンブリを含む。スタンドアセンブリは、プラットフォーム、プラットフォームから延びるスタンド、及びスタンドから延びるマニホールドを含む。リフィルは、マニホールドと着脱可能に結合され、リフィルは、芯の直径DWを画定する芯を含む。マニホールドは、開口のアレイを画定する圧電素子を収容し、アレイは、アレイの直径DAを画定する。芯の直径及びアレイの直径の比率(DW/DA)は、1.0より大きい。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、ベースは、低電圧電源と電気的に結合することができる低電圧ポートをさらに含む。いくつかの実施形態によれば、複数のLEDがプリント回路基板と結合される。いくつかの実施形態によれば、複数のLEDは、第1の色及び第2の色を表示するように構成される。いくつかの実施形態によれば、マニホールドは、シャーシ及びクラウンを含み、クラウンは、チャネルを画定する円筒状壁を含み、シュラウド(覆い)は、スタンドアセンブリに結合されてチャネルと同軸である排気筒を画定する。いくつかの実施形態によれば、圧電素子は圧電板を含み、圧電板はドームを含み、開口のアレイはドームに沿って全体的に配置される。いくつかの実施形態によれば、開口のアレイは、円形アレイに配置される。いくつかの実施形態によれば、ディスペンサは、プリント回路基板(PCB)に沿って配置される制限スイッチをさらに含み、制限スイッチは、シュラウドがスタンドアセンブリと結合されていない場合、圧電素子の作動を防止する。
【0007】
別の態様によれば、揮発性物質ディスペンサは、プリント回路基板を含むベースと、ベースと結合されるスタンドアセンブリとを含む。スタンドアセンブリは、プラットフォーム、プラットフォームから延びるスタンド、及びスタンドから延びるマニホールドを含み、マニホールドは、円形の圧電素子を含む。ディスペンサは、スタンドアセンブリと結合されて排気筒を画定するシュラウド、及び芯を含んでマニホールドと着脱可能に結合されるリフィルをさらに含む。マニホールドは、マニホールドから延びる円筒状壁を含む。ばねは、マニホールド内に配置され、円筒状壁と同軸である。ばねの上端部は円筒状壁を被覆し、ばねの下端部は圧電素子に対して力を加える。
【0008】
いくつかの実施形態では、ばねは約0.5mmから約0.6mmの間の直径を有するばねワイヤを有する。いくつかの実施形態では、第1タブ及び第2タブは、リフィルを収容するためにマニホールドから懸垂している。いくつかの実施形態では、第1タブ及び第2タブは、内側に延び、リフィルのリムと係合することができる第1係止部及び第2係止部を含む。いくつかの実施形態では、ばねは、リフィルがマニホールド内に挿入されるときに、リフィルの頭部に力が加えられるようにする。いくつかの実施形態では、圧電素子は開口のアレイを画定し、アレイはアレイの直径DAを画定し、芯の直径DW及びアレイの直径DAの比(DW/DA)は約1.1である。いくつかの実施形態では、マニホールドは、頭部キャビティを画定し、複数のリブは、マニホールドから頭部キャビティに延びる。いくつかの実施形態では、マニホールドは、シャーシと、シャーシに対してスナップフィットするクラウンとを含む。いくつかの実施形態では、複数のリブは、シュラウドの底面と物理的に係合するクラウンの側面に沿って延びる。
【0009】
また別の態様によれば、揮発性物質ディスペンサは、側壁を画定し、側壁から突出する少なくとも1つのボタン及び低電圧ポートを含み、プリント回路基板を収容するベースを含む。ディスペンサは、ベースと結合されるスタンドアセンブリをさらに含む。シュラウドは、ベースの上端部から延びる下端部を含む円錐台状の側壁を有し、排気筒を画定する。リフィルは、芯を含み、スタンドアセンブリに着脱可能に結合される。少なくとも1つのボタンは、低電圧ポートから180度オフセットして配置される。
【0010】
いくつかの実施形態では、ディスペンサは、スタンドアセンブリのマニホールド内のばねをさらに含み、ばねは、芯と圧電素子との間の連続的な接触を保持するために圧電素子と係合するように作動する。ばねは、0.5mm~0.6mmの間の直径を有するばねワイヤを有する。いくつかの実施形態では、圧電素子は、アレイの直径DAを有する開口のアレイを画定する。芯は芯の直径DWを画定し、芯の直径及びアレイの直径の比(DA/DW)は1.0より大きい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示による揮発性物質ディスペンサの正面、上面、及び右側等角図である。
図2図1の揮発性物質ディスペンサの正面図である。
図3図1の揮発性物質ディスペンサの背面図である。
図4図1の揮発性物質ディスペンサの左側面図である。
図5図1の揮発性物質ディスペンサの上面図である。
図6図1の揮発性物質ディスペンサの底面図である。
図7図1の揮発性物質ディスペンサから、明確にするためにシュラウドが取り外された状態の内部スタンド及びベースの正面、上面、及び右側等角図である。
図8図7のスタンド及びベースの右側面図である。
図9図7のスタンド及びベースの正面図である。
図10図1の揮発性物質ディスペンサと共に使用されるリフィルの正面、上面、及び右側等角図である。
図11図10のリフィルからキャップが取り外された状態の正面、上面、及び右側等角図である。
図12図11の12-12線に沿ったリフィルの側断面図である。
図13図5の13-13線に沿った揮発性物質ディスペンサの断面図である。
図14図5の14-14線に沿った揮発性物質ディスペンサの断面図である。
図15】圧電素子を含む、図1の揮発性物質ディスペンサの様々な電子部品の正面、平面及び左側面等角図である。
図16】プリント回路基板及び図15に示される電子部品の一部の上面図である。
図17図16に示される圧電素子の正面、上面、及び右側等角図である。
図18A図17の18-18線に沿った圧電素子の断面図である。
図18B図17の圧電素子に沿って形成される開口の円形アレイの概略図である。
図18C図17の圧電素子に沿って形成される開口の楕円形アレイの概略図である。
図19図14の内部スタンドの上部の詳細図である。
図20図10のリフィルがスタンドのマニホールド内に挿入された図19の内部スタンドの上部の詳細図である。
図21】様々な厚さを有するばねの様々な試験結果を示す線グラフである。
図22】圧電素子と結果的な香りの出力に対するばね力を比較した様々な試験結果を示す線グラフである。
図23図10のリフィルが図7のスタンド及びベースの頭部キャビティに挿入される状態を示す、図7のスタンド及びベースの正面、右側面、及び上面図である。
図24】リフィルが係合する配置に挿入された状態を示す、図23のスタンド及びベースの正面、右側面、及び上面図である。
図25】シュラウドがベースに係合した状態を示す、図23のスタンド及びベースの正面、右側面、及び上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、揮発性物質ディスペンサ又はディフューザ及びそれらから揮発性物質を放出する方法に関する。本開示は、多くの異なる形態で具体化することができるが、いくつかの特定の実施形態は、本開示が開示原理の例示的なものに過ぎず、例示された実施形態に本開示を限定することを意図しない。本明細書全般にわたり、「約」及び「概略」という用語は、各用語が先行する数値の±5%値の範囲を指し示す。
【0013】
本明細書に開示された揮発性物質ディスペンサ又はディフューザは、液体香料の微小液滴を生成し、周囲の環境に放出するために圧電エンジンを使用する多重感覚装置である。揮発性物質ディスペンサは、交換可能なフレグランスオイルボトル又はリフィルを収容するように構成される。ディスペンサは、低電圧で動作するようにさらに構成され、発光する光の形態でユーザに視覚的なフィードバックを提供する香り強度セレクターを特徴とする。ディスペンサは、シュラウド、スタンドアセンブリ、並びにコントロールボタン、電源コネクタ、ライト、及び圧電エンジン(piezo engine)をまとめて収容するベースを含む。シュラウドは、主に装飾用であり、光透過シェード(light transmission shade)を提供する。揮発性物質ディスペンサを初めて使用する前に、フレグランスオイルボトル又はリフィルをスタンドアセンブリに挿入するためにシュラウドを取り外す。
【0014】
さらに、本明細書に開示される揮発性物質ディスペンサは、試験を通じてシステム性能及び一貫性を向上させることが見出された圧電板と芯の界面(piezo plate-to-wick interface)に対する改善を含む。具体的には、試験により圧電板と芯の上端部の下方接触力に基づく感度と一貫性の変化が明らかになった。例えば、一定の力は、より一貫した出力と最小化された変動を提供する。試験を通じて、力の違いにより圧電板の負荷条件が変化した結果として出力速度に変動が生じる可能性があることも確認された。圧電板に対する過度に高い下向きの荷重は、圧電板の機械的振動の振幅が減衰し、液滴の出力を最小化し得る。逆に、過度に軽い下向きの力は、圧電板と芯の界面の接触を制限し、非減衰的な高出力を招くことが確認された。これは、このような状況では圧電板と芯との間の接触が完全に失われる可能性があるためと考えられる。
【0015】
図を参照すると、図1図7は、本開示の様態を具体化する揮発性物質ディスペンサ50を示す。ディスペンサ50は、リフィル52(図10図12参照)を収容し、リフィル52から水及び/又はフレグランスオイルの形態で揮発性物質を分配するように構成し得る。特に、図1及び図2に示すように、ディスペンサ50は、シュラウド又はカバー54及びベース56を含む。シュラウド54は、ベース56の上端部60と接する下端部58を画定する。シュラウド54の側壁62は、下端部58からリップ64に向かってシュラウド54の上端部66まで上方に延びる。シュラウド54の側壁62は、断面で見たときに円錐台状の下側部(lower portion)68、及びスプライン形状の上側部(upper portion)70を画定する。複数の隆起又はデザイン特徴部72は、シュラウド54の外面74に沿って提供される。任意の数のデザイン特徴部72は、シュラウド54の外面74に沿って提供され得る。シュラウド54の下側部68及び上側部70は、丸みを帯びた肩部76で交差し、そこから上側部70は、ディスペンサ50の中央長手方向軸80(図2)を中心とする排気筒78に向かって延びる。排気筒78は、リップ64内の部分として画定される。いくつかの実施形態では、シュラウド54及びベース56は、ポリプロピレン(PP)を含むが、シュラウド54及びベース56は、多種多様なポリマー材料を含み得る。
【0016】
図1及び図2を引き続き参照すると、上側部70に沿った側壁62は、肩部76からリップ64に向かって延びる。図1を参照すると、シュラウド54のフランジ84は、リップ64から長手方向軸に向かって排気筒78の内に下向きに延びる。フランジ84がリップ64から下向きに延びる角度は、図13及び図14の断面図に最もよく示されている。特に図2を参照すると、排気筒78は、様々な直径を画定し得るが、排気筒78は、下端部58で取られたシュラウド54の最も広い直径D2の約30%である直径D1を有することが示されている。いくつかの実施形態では、直径D1は、直径D2の約5%から約60%の間、又は直径D2の約10%から約45%の間、又は直径D2の約15%から約35%の間であり得る。いくつかの実施形態では、直径D1は、直径D2の約10%、又は約20%、又は約30%、又は約40%、又は約50%である。
【0017】
図1及び図2を引き続き参照すると、ベース56はまた、ベース56の上端部60から底壁92に向かって下向きに延びる側壁90を画定する。複数の脚94は、底壁92から下向きに延び、ディスペンサ50が平らな表面(図示せず)上に置けるようにするために提供される。ベース56の側壁90は、一般に湾曲しており、上端部60から長手方向軸80に向かって下向き及び内向きに延びる。ベース56の側壁90は、側壁90の一部に沿って曲率半径を画定することができる。また、第1ボタン96、第2ボタン98及び第3ボタン100は、ベース56から外向きに、長手方向軸80から遠ざかる方向に延びる。第1ボタン96、第2ボタン98、及び第3ボタン100は、様々な目的に使用することができ、以下で説明するように、様々な異なる機能を有することができる。
【0018】
図2を参照すると、第1ボタン96、第2ボタン98、及び第3ボタン100は、ディスペンサ50のベース56に沿って提供され得る。第1ボタン96は、ユーザがディスペンサ50をオン/オフにすることを可能にする電源ボタンであってもよい。第2ボタン98は、ユーザがディスペンサ50の設定を循環することを可能にする香り強度の調節ボタンであってもよい。例えば、ユーザは、低設定、中設定、及び高設定の間で切り替えし得る。複数の光インジケータ102は、第2ボタン98に隣接するか又はその下にあるベース56を介して見ることができる。光インジケータ102は、選択された設定の強度又は強度に関する視覚的なフィードバックをユーザに提供し得る。図示した実施形態では、3つの光インジケータ102が存在する。低設定が選択されると、光インジケータ102の1つが発光してもよく、中設定が選択されると、光インジケータ102の2つが発光してもよく、高設定が選択されると、3つの光インジケータ102が発光してもよい。第3ボタン100は、ユーザによって押さえられると、様々な光の明るさの設定及び色の設定を循環させることができる光調節ボタンであってもよい。
【0019】
ユーザは、個人の好みに基づいて光及び/又は色のオプションを選択できる。さらに、いくつかの実施形態では、第1ボタン96を介してオンにされた後、ディスペンサ50は、所定の時間、例えば8時間の間動作し、その後、所定の時間、例えば16時間の間スリープモードに入ってもよい。ディスペンサ50は、ユーザが第1ボタン96を介して手動でオフにしない限り、毎24時間ごとにこのサイクルを繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、ディスペンサ50は、特定の期間後に、例えば、7回の24時間サイクル、即ち1週間後にディスペンサ50を非活性化する自動遮断機能を含む。いくつかの実施形態では、制限スイッチ(図示せず)は、ベース56に沿って提供され、シュラウド54がベース56と係合するときにのみディスペンサ50が活性化するようにしてもよい。
【0020】
ここで、図3を参照すると、ディスペンサ50の背面が示されている。背面図に示されるように、ディスペンサ50は、USBコード(図示せず)などの低電圧ワイヤの低電圧電気コネクタを収容するための低電圧ソケット又はポート104をさらに含む。いくつかの実施形態では、ディスペンサ50に電力が提供されるようにするために、電気プロング(prong)、コード、又は他の適切な電気コネクタがディスペンサ50と電気的に結合し得る。図4は、ディスペンサ50の左側面を示す。ボタン96,98,100、及びポート104は、ベース56の側壁90から外側に延びて、側壁90の間断をもたらす。その結果、ベースの側壁90は、回転対称であるが、ベース56全体は、第2ボタン98及びポート104を二等分する平面13-13(図5参照)に関して対称である。追加的な特徴は、シュラウド54及び/又はベース56内又はそれに沿って提供され得る。さらに、1つ以上の側壁(図示せず)を画定する追加的な本体がベース56とシュラウド54との間、上、又は下に提供され得る。
【0021】
ここで、図5を参照すると、ディスペンサ50の上面図が示されている。長手方向軸80に沿って中央に位置する排気筒78がより詳細に示されている。圧電アセンブリ110は、長手方向軸80に沿って中央に位置する排気筒78内に示されている。環状圧電素子112はまた、排気筒78を介して見ることができ、圧電素子112は、圧電アセンブリ110の円形リムを画定する。圧電素子112は、ディスペンサ50が作動するときにリフィル内の揮発性液体が放出される中央開口114を含む。ディスペンサ50が作動すると、揮発性物質の流れが、以下で詳細に論じられるように、シュラウド54の排気筒78を介してディスペンサ50から外部に放出される。
【0022】
ここで、図6を参照すると、ベース56の底壁92がより詳細に示されている。複数の脚94は、底壁92から延びる。複数の脚94は、円形及び細長い脚が交互に配置された、ほぼ円形の形状で提供される。脚94の代替的な構成又は形状を考慮できるが、いくつかの実施形態では、脚94に加えて追加の構造が含まれてもよい。また、いくつかの実施形態では、ディスペンサ50を直立構成に保持脚94又は他のタイプの安定機構がない。図6にさらに示すように、第2ボタン98及びポート104は、長手方向軸80を中心に互いに180度オフセットして提供される。また、第1ボタン96、第2ボタン98、及び第3ボタン100もまた、互いに等間隔に配置されている。ポート104及びボタン96,98,100の代替構成もまた企図される。
【0023】
図7図9を参照すると、明確にするためにシュラウド54が取り外されたディスペンサ50のスタンドアセンブリ116が示されている。スタンドアセンブリ116は、プラットフォーム118、スタンド120、リフィルシャーシ122、及びクラウン124を含む。リフィルシャーシ122及びクラウン124は、リフィル52及び圧電アセンブリ110を保持するマニホールド126を画定する。プラットフォーム118は、ベース56から上方に延び、ベース56の側壁90から嵌め込まれている。複数の保持突起128は、プラットフォーム118から外側に延び、これは、ベース56と結合されるとき、シュラウド54と係合するように動作する。保持突起128は、シュラウド54をベース56と結合する保持機構の一形態である。代替の保持機構には、スナップフィット、摩擦嵌合、又は締り嵌めをもたらす要素を含み得る。プラットフォーム118は、複数のファスナ130(図13を参照)を介してベース56と永久的に結合され、そのチャネルは、組立後に脚94によって覆われる。ファスナ130は、固定機構の一形態であり、その追加的な例には、リベット、釘、ボルト、又はケーブルが含まれる。
【0024】
プラットフォーム118は、コーナー134まで上方に延びる外側円筒面132を画定する。傾斜面136は、プラットフォーム118の中央部140内に画定されたウェル(well)138に向かってコーナー134から内向き及び下向きに延びる。スロット142は、プラットフォーム118の前方部144に沿って傾斜面136内に画定される。スロット142は、リフィル52が作動可能な構成に挿入するのを助けるために含まれ得る。ウェル138は、リフィル52又は他の構成要素を保持するのを助ける追加の特徴を含み得る。例えば、プラットフォーム118のウェル138は、キャップ146(図10を参照)がリフィル52から取り外された後に、リフィル52のキャップ146を保持するようなサイズ及び形状であってもよい。
【0025】
さらに、図7図9を参照すると、スタンドアセンブリ116は、プラットフォーム118からプラットフォーム118の後方部148に沿って上方に延びるスタンド120を含む。スタンドアセンブリ116は、プラットフォーム118からマニホールド126に向かって上方に延びる一体型の部品を含み、これは、内側に延び、長手方向軸80と整列する。スタンドアセンブリ116の要素はまた、ポリプロピレン又は他のタイプのポリマー材料を含み得る。上述のように、マニホールド126は、クラウン124及びクラウン124から下方に延びるリフィル又はシャーシ122を含む。シャーシ122は、リフィル52の環状リム152(図11を参照)を保持するために下向きに懸垂する第1タブ及び第2タブ150を含む。以下でより詳細に論じられるように、第1タブ及び第2タブ150は、リフィル52がシャーシ122の横に挿入されるとき、リフィルのリム152がタブ150と係合するまで外側に曲がるように形成され得る。
【0026】
リフィル52は、ユーザがリフィル52をつかみ、リフィルを横方向に引き下げることによってタブ150から取り外すことができる。いくつかの実施形態では、リフィル52の挿入と取り外しに必要な力は、単に横方向の挿入と取り外しを可能にするのに十分な小ささである。しかし、いくつかの実施形態では、リフィル52は、タブ150を圧迫してタブ150を外側に偏向することによって取り外すことができ、そのようにしてリム152との係合を解放してもよい。いくつかの実施形態では、リフィル52は、マニホールド126から取り外すために、リフィルを回転させてねじ山154(図11を参照)が下向きに回転及び並進してクラウン124から離れるように係合が解放されてもよい。リフィル52をシャーシ122から解放するために押すことができる1つ以上のボタン(図示せず)などの代替の取り外し機構が実装されてもよい。
【0027】
図7図9を引き続き参照すると、クラウン124は、シャーシ122から上方に延び、上面158で終端するほぼ円錐台状の側面156を画定する。複数のリブ160は、側面156に沿って放射状に配置され、これは、シュラウド54の底面162(図13参照)との物理的結合を助けるように形成され得る。リブ160は、長手方向軸80を中心に離隔している。円筒状壁164は、クラウン124の上面158から上方に延びて、円筒状壁164は、長手方向軸80と同軸の中心を有する。円筒状壁164は、シュラウド54によって画定される排気筒78とも同軸を有する。円筒状壁164は、第2ボタン98及びポート104と位置合わせされ、すなわち、平面13-13(図5参照)は、円筒状壁164、第2ボタン98、及びポート104の全てを介して延びる。シュラウド54は、設計特徴部72にかかわらず、一般に半径方向対称を含むが、プラットフォーム118、スタンド120、及びマニホールド126は、第2ボタン98と交差し、長手方向軸80を介して延びる平面13-13に関して対称であることを特徴とし得る。
【0028】
ここで、図10図12を参照すると、リフィル52がより詳細に示されている。リフィル52は、キャップ146と、本体172、肩部174、及び頭部176を画定する容器170とを含む。本体172は、その底壁180から肩部174まで上方に延びる円筒状外壁178を含む。頭部176は、肩部174から上方に延びて縁部182を画定する。頭部176は、肩部174で本体172に結合する。リフィル52は、リフィル52の首部184に沿って配置されたねじ山154(図11及び図12を参照)とねじ式で結合されるキャップ146をさらに含む。図12を参照すると、容器170は、内部に揮発性物質を保持し、容器170は、ディスペンサ50内に保持されるように構成される。芯ホルダ又はプラグ186は、芯188を支持するために首部184内に配置され、芯188の第1端部が揮発性物質と接触し、芯188の第2端部が首部184を介して容器170の外部に延びる。例示的な実施形態では、芯188は、棒状に束ねられて圧出された繊維の形態に形成されてもよい。
【0029】
図12を引き続き参照すると、芯188は、ロープ又は1つ以上の綿コード(cotton cords)で形成してもよい。芯188は、上部芯192及び下部芯194を含む。上部芯192は、下部芯194とは異なる特性を有するが、いくつかの実施形態では、上部芯192及び下部芯194は同一の特性を有する。好ましい実施形態では、上部芯192は柔軟及び/又は繊維状であり、一方、下部芯194は上部芯192よりも焼結型又はより剛性であり得る。上部芯192は、上部芯192が圧電アセンブリ110内に変形を可能にする特性を有してもよい。下部芯194は、底壁180に隣接して離隔して配置された下端部196を含み、上部芯192と係合する上端部198を有する。上部芯192は、下部芯194の上端部198にある芯キャビティ200内に内包される。上部の反った又は傾斜面202は、芯キャビティ200の内周を取り囲む。上部傾斜面202は、リフィル52の組み立て中に、芯キャビティ200内の上部芯192の位置合わせを助けることができる。上部芯192は、プラグ186によってぴったりと保持され、容器170の外部上方に延びる遠位端部204を有する。芯188は、任意の適切な形状又は適切な材料で形成され得るが、上部芯192は、好ましくは下部芯194よりも柔軟である。プラグ186は、締り嵌め、摩擦嵌合、又はプラグ186が首部184内の所定の位置に保持する他の適切な方式によってリフィル52の首部184内に保持される。
【0030】
図12を引き続き参照すると、容器170の肩部174は、頭部176の縁部182及び首部184まで上方に延びる。ねじ山154は、首部184を取り囲んで、それから外側に延びる。環状リム152はまた、縁部182をとり囲み、リフィル52をシャーシ122の従属タブ150と係合させるために使用され得る。リフィル52の底壁180は、一般に凹状であり、芯188に向かって上方に延びる。空気穴208(図11を参照)がプラグ186内に設けられ、液体(図示せず)がリフィル52から周囲の大気に放出されるときに、空気がリフィル52のキャビティ210内に入るのを可能にする。リフィル52を具体的に説明して示されているが、任意のタイプのリフィルが本明細書に記載されているディスペンサの変形と共に使用され得ることが企図される。例えば、可撓性容器を備えたリフィルが利用され得る。さらに、伝達システム(例、芯)は、互いに異なってもよく、及び/又は容器170のサイズ及び/又は形状は、本明細書に記載されているものと異なってもよい。
【0031】
容器170に配置された揮発性物質は、周辺に放出されるように構成された任意のタイプの揮発性物質であり得る。例えば、容器170内の物質は、洗浄剤、殺虫剤、昆虫忌避剤、昆虫誘引剤、消毒剤、かび又はかび防止剤、香料、消毒剤、空気清浄剤、アロマセラピー芳香剤、消臭剤、肯定的な芳香性揮発性物質、芳香剤、脱臭剤など、及びこれらの組み合わせを含む。添加剤、例えば、芳香剤及び/又は防腐剤が揮発性物質に含まれ得る。実際、任意の流体が容器170内に提供され得る。
【0032】
ここで、図13及び図14の断面図を参照すると、ディスペンサ50の内部構成要素がより詳細に示されている。図13を参照すると、ベース56は、ファスナ130の1つを介してスタンドアセンブリ116と接続されていることが示されている。ファスナ130は、スタンドアセンブリ116が固定された後、脚94の1つによって視界から遮られたファスナチャネル214内に配置される。本実施形態では、ベース56とスタンドアセンブリ116を固定する3つのファスナ130が存在するが、図13の断面図には、単一のファスナ130のみが示されている。
【0033】
プリント回路基板(PCB)216は、ベース56とスタンドアセンブリ116との中間に示されている。複数の発光ダイオード(LED)218は、PCB216と電気的に結合して示され、複数のLED218は、PCB216の上に配置されている。いくつかの実施形態では、複数のLED218は、PCB216の上下に配置されている。いくつかの実施形態では、複数のLED218のいくつかは、ディスペンサ50の前面、後面、及び側面に隣接して配置されている。上述のように、LED218は、選択された設定に応じてシュラウド54を介して光を放出するために使用されることが意図され、ユーザの好みに基づいて変化し得る。LED218は、代替的にディスペンサ50内の任意の適所に配置され得る。1つ以上のLED218は、ディスペンサ50がオン又はオフであることを示し、警告を提供し、及び/又はユーザに任意の他の適切なインジケータを提供してもよい。上述のように、LED218の色及び/又は明るさは、シュラウド54を介して放出される光の所望の明るさ及び/又は色に応じて調整されてもよい。
【0034】
例えば、LED218の1番目は、ディスペンサ50が「低」設定にあるときに第1の色を発光してもよく、LED218の2番目のものは、ディスペンサが「中間」設定にあるときに第2の色を発光してもよく、LED218の3番目のものは、ディスペンサが「高」設定にあるときに第3の色を発光してもよい。3番目のLED218は、高設定でそれ自体が発光してもよく、光が追加されて、1番目のLED218、2番目のLED218、及び3番目のLED218の全てが高設定で発光し、これらは同じ又は異なる色及び/又は強度を有してもよい。代替的に、1番目のLED218は、ディスペンサ50が接続されているがオンになっていないときに発光してもよく、2番目のLED218は、ディスペンサ50が接続されてオンになっているときに発光してもよい。ディスペンサ50は、シュラウド54又はシュラウド54の半透明部分に1つ以上の個別の開口部を含み、それぞれのLED218によって照射された光の通過を可能にする。
【0035】
図13を引き続き参照すると、第2ボタン98は、ベース56を介して突出していることが示されている。第2ボタン98が示され、以下にて参照されるが、第1ボタン96及び第3ボタン100は、同一の設定及び機能を有する。第2ボタン98は、スイッチ220に隣接して示され、スイッチ220は、ディスペンサ50の様々な設定の間で調整されるように作動可能である。スイッチ220は、押されたときに、ディスペンサ50をオン又はオフにする、放出される芳香剤の量を調節する、又は1つ以上のLED218の色又は明るさを調節するなどの機能を開始できる押しボタンであってもよい。図13に示されるスイッチ220は、図16に示される複数のスイッチ220のうちの1つである。スイッチ220は、同じスイッチであってもよく、異なるスイッチであってもよい。
【0036】
ディスペンサ50は、特定スイッチを有するものとして開示されているが、当業者は、ディスペンサが任意の数のスイッチを含んでもよく、及び/又は任意の適切なタイプのスイッチ、例えば、タイミングスイッチ、オン/オフスイッチ、設定スイッチ、アセンブリ内の加熱器又はファンなどの他の構成要素を制御するスイッチ、及び/又は任意の他の適切なスイッチを含んでもよいことを理解するであろう。
【0037】
図13を引き続き参照すると、スタンドアセンブリ116が断面で示され、その中に配置された構成要素が示されている。PCB216に沿って配置された端子224からスタンド120を通ってシャーシ122内に延びるワイヤチューブ222が示されている。端子224及びスタンドアセンブリ116のクラウン124内に配置された圧電アセンブリ110と電気的に接続された第1及び第2ワイヤ226は、ワイヤチューブ222内に配置されている。スタンド120は、クラウン124と固定的に結合されているシャーシ122と固定的に結合される。スタンド120、シャーシ122、及びクラウン124は、全て別個の構成要素であり、スナップフィット、摩擦嵌合、締り嵌め、接着、又は他の結合方法によって互いに結合することができる。上述のように、スタンド120、シャーシ122、及びクラウン124は、ポリプロピレン又は他のポリマー材料を含んでもよい。ワイヤ226は、クラウン124内に配置された圧電アセンブリ110と電気的に結合される。ワイヤチューブガイド228は、スタンド120内にさらに配置され、スタンド120内にワイヤチューブ222を保持するように配置される。ワイヤチューブガイド228は、静的構成でワイヤチューブ222を保持するカットアウトを有する水平の部分を含み得る。図13にさらに示すように、圧電アセンブリ110は、長手方向軸80に沿って中央に配置される。スタンド120、シャーシ122、プラットフォーム118、ベース56、及びシュラウド54は、ポリマーを含むものとして示されているが、他のタイプの材料が企図される。
【0038】
図13を引き続き参照すると、複数のリフィル保持リブ230は、タブ150がリフィル52に沿ってリム152と所定の位置に固定されるまでシャーシ122内に沿って配置され、リフィル52の首部184を上方にシャーシ122内の位置にガイドするのに使用され得る。圧電アセンブリ110に対して力を加えるために使用されるばね232が示されている。ばね232は、圧電アセンブリ110に対して一定の力を加え、リフィル52がユーザによってシャーシ122内に配置されるまで圧電アセンブリ110を静的構成に保持する。ユーザがリフィル52をディスペンサ50内に挿入すると、圧電アセンブリ110は上方に移動し、ばね232が圧縮される。ばね232は、ワイヤ直径を有するばねワイヤ234を画定し、これについては、以下でより詳細に説明する。タブ150のうちの1つもまた図示され、タブ150は、リフィル52がシャーシ122内に挿入されるときに、長手方向軸80から離れて外向きに平行移動し、リフィル52がシャーシ122の内部の所定の位置に固定されているときに、リム152と係合するように内側にスナップバックするように構成された(図20を参照)内側従属係止部(inwardly-depending catch)236を含む。圧電アセンブリ110は、リフィルキャビティの上に配置され、リフィル52がシャーシ122内に挿入されるときに、芯188の遠位端部204を収容するように構成される。
【0039】
ここで、図14を参照すると、ディスペンサ50の他の断面図が示されている。ワイヤガイド228及びワイヤ226が断面で示され、複数のLED218がPCB216の上に配置されて示されている。さらに、リフィル52の頭部176のプロファイルを部分的に画定し、シャーシ122内にリフィル52をぴったりと収容するように構成された追加のリフィルガイドリブ230が示されている。ばね232は、上端部242及び下端部244を含む。圧電アセンブリ110も図14に示され、ばね232の下端部244の下に配置される。ばね232の下端部は、圧電アセンブリ110に固定して取り付けられてもよく、又は分離して互いに物理的に接触するように配置してもよい。
【0040】
ばね232の下端部244は、圧電アセンブリ110を収容するように形成され、圧電アセンブリ110は、次にリフィル52がそれに係合したときに上部芯194を収容するように成形される。ばね232の上端部242は、クラウン124の円筒状壁164を被覆して固定されている。シャーシ122は、クラウン124の内部レッジ252と係合する外部レッジ250を含む。シャーシ122及びクラウン124は、互いにスナップフィットされるが、シャーシ122及びクラウン124は、接着剤、ファスナ、締り嵌め又は摩擦嵌合などを介して、別の方法で共に結合され得る。ファスナチャネル214のうち2つを画定するファスナ壁254もまた図14に明確に示され、ファスナ壁254は、ベース56の底壁92とプラットフォーム118との間に延びる。
【0041】
図15を参照すると、プリント回路基板(PCB)216、ワイヤガイド222、及び圧電アセンブリ110が等角図で示されている。コントローラ246及びタイマ248は、PCB216に沿って概略的に示されている。コントローラ246は、マイクロコントローラであってもよく、PCB216内又はPCB216に沿って配置されてもよい。コントローラ246はまた、PCB216と電気的に結合された別個の部品であってもよい。タイマ248は、PCB216内又はPCB216に沿って配置されてもよく、又は別個の構成要素であってもよい。タイマ248は、ディスペンサ50が作動すると時間を測定するのに使用され、一方、コントローラ246は、ボタン96,98,100から命令を受信して、圧電アセンブリ110、タイマ248、及び/又はLED218を作動させるように動作可能である。上述のように、PCB216は、明確にするために図15で削除されたベース56とプラットフォーム118との間に配置される。
【0042】
LED218、ボタン96,98,100、スイッチ220、及びワイヤ226は、図15に明確に示されている。制限スイッチ256がさらに示されており、これは、シュラウド54がベース56に固定されているという信号をコントローラ246に提供し、シュラウド54がベース56に固定されるまでディスペンサ50を作動させないようにする。いくつかの実施形態では、制限スイッチ256がないこともある。端子224は、PCB216に沿って配置されることがさらに示されている。抵抗器、トランジスタ、コンデンサ、プロセッサ、コントローラ、及びリレーなどの他の電気的構成要素がPCB216に沿って又は内部にさらに配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の電池(図示せず)をケーシング(図示せず)内に封入してもよく、PCB216及びディスペンサ50の他の電気的構成要素に電力を提供するためにPCB216に電気的に接続してもよい。
【0043】
図16を参照すると、PCB216の上面図が、明確にするためにワイヤガイド222及び圧電アセンブリ110が取り外された状態で示されている。スイッチ220がより詳細に示され、第1ボタン96、第2ボタン98、及び第3ボタン100のそれぞれに隣接して位置することが示されている。さらに、3つのLED218の3つのセットが、PCB216に沿って三角形の構成をなすようにそれぞれ詳細に示されている。LED218の異なるセットは、異なる色の光を発してもよく、又は同じ色の光を発してもよい。また、LED218は、互いに同じ強度又は異なる強度を有し得る。ポート104は、第2ボタン98の反対側の端部にあるPCB216に沿ってさらに示されている。PCB216は、一般に円形のプロファイルを有するが、PCB216は、シュラウド54のプロファイル内に安全に保持されることを可能にする任意のプロファイルを有してもよい。
【0044】
ここで、図17を参照すると、圧電アセンブリ110は、ワイヤ226及びワイヤガイド222の上端部とともに詳細に示されている。圧電アセンブリ110は、圧電板260及び上面262の周囲を取り囲む圧電素子112を含む。圧電板は、SUS316L鋼であり得るステンレス鋼を含んでもよい。圧電素子112が通電されると、圧電板260が膨張及び収縮し、それにより揮発性物質を周囲の環境に放出する。圧電板260は、一般に凹状で円形の形状である中央ドーム264をさらに含む。圧電アセンブリ110は、開口部266を含み、その少なくとも一部は、中央ドーム264に沿って延びる。例示的な実施形態では、圧電板260の開口部266は、約3ミクロンから約9ミクロンの間、又は約5から7ミクロンの間、又は約6.5ミクロンの直径又は少なくとも1つの幅寸法を有する複数のオリフィス268を含む。他の例示的な実施形態では、圧電板260は、約3ミクロンから約5ミクロンの間の直径を有する複数のオリフィスを含む。
【0045】
図17図18Aを参照すると、圧電アセンブリ110は、使用時に芯188に隣接して位置する。例示的な実施形態では、圧電素子112は、リングに形成されてもよく、セラミックで製造されてもよい。代替の例示的な一実施形態では、圧電アセンブリ110は、任意の適切な形状に形成されてもよく、及び/又は圧電特性を有し、印加された電界に応答して材料を寸法的に変化させる任意の適切な材料で製造されてもよい。適切な材料の実例には、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)又はメタニオブ酸鉛(PN)が含まれるが、これらに限定されない。特定の圧電素子が説明されているが、任意のアクチュエータ、例えば、圧電振動メッシュアクチュエータ、圧電定常波アクチュエータ、圧電振動針、又は任意の適切な圧電アクチュエータを使用してもよい。
【0046】
図18B及び図18Cを参照すると、圧電板260に沿った複数のオリフィス268は、本質的に円形のアレイ269を画定し得る。オリフィスのアレイ269は、図266に示すようにドーム264全体に沿って画定され得る。アレイ269は、図18Cに示すように、代替的にドーム264の一部のみに沿って配置され得るか、又はドーム264を越えて延び得る。アレイ269は、代替の構成を有することができ、三角形、四角形、楕円又は多角形の形状であってもよい。また、オリフィス268は、円形(図18B)、長方形又は正方形(図18C)、又は、他の形状であってもよい。図18B及び図18Cに概略的に示されるオリフィス268は、オリフィス268の実際のサイズ又は実際の数を表さず、むしろオリフィス268は、本明細書に記載の寸法を定義し得ることに留意されたい。
【0047】
いくつかの実施形態では、アレイ269は、約0.5mmから約10.0mmの間、又は約1.0mmから約9.0mmの間、又は約2.0mmから約8.0mmの間、又は約3.0mmから約7.0mmの間の直径又は少なくとも1つの幅寸法を有する。図12を再び参照すると、芯の直径DW及びアレイの直径DA(図18を参照)は、約1.0から約3.0の間のDA/DWの比を画定し得る。いくつかの実施形態では、比率は約1.1である。いくつかの実施形態では、芯の直径DWは、約3.0mmから約5.5mmの間、又は約3.5mmから約4.0mmの間、又は約3.8mmである。いくつかの実施形態では、アレイの直径DAは、約3.0mmから約6.0mmの間、又は約4.0mmから約5.0mmの間、又は約4.5mmである。芯の直径の比率は、ディスペンサ50によって放出される揮発性物質のプルーム(plume)の精度及び一貫性に影響を及ぼし得る。例えば、約1.1のDW/DAの比率を有することは、ディスペンサ50からの揮発性物質の再現性のある正確な放出を生成することが見出された。いくつかの実施形態では、アレイ269は、約100から約400オリフィス、又は約150から約350のオリフィス、又は約316のオリフィス、又は約200のオリフィスを含んでもよい。
【0048】
図19図20を参照すると、スタンドアセンブリ116の上端の詳細図が、それぞれリフィルが挿入されていない場合、及び挿入されている場合として示されている。図19を参照すると、圧電アセンブリ110がより詳細に示されている。いくつかの実施形態では、ローディングフォーム(loading foam)などの軟質材料が圧電アセンブリ110の底面に沿って提供されてもよい。ディスペンサ50が作動するときに生成された揮発性物質のプルームの精度又は一貫性を助けるために、圧電アセンブリ110の底面に沿って追加の材料が提供されてもよい。追加の材料はまた、ばね232、芯188、及び/又は圧電板260によって引き起こされ得る減衰効果を増強又は低減するために提供されてもよい。
【0049】
ばね232の上端部242は、円筒状壁164を被覆するように示され、ばね232の下端部244は、圧電アセンブリ110と接触して力を加えていることが示されている。シャーシ122は、シャーシ122と一体であり、圧電アセンブリ110が固定される表面を画定する圧電プラットフォーム270をさらに含む。圧電プラットフォーム270は、圧電アセンブリ110を所定の位置に保持し、圧電アセンブリ110が圧電プラットフォーム270よりも遠くに変位するのを防ぐ。圧電プラットフォーム270は、一般に円形であり、その中央部に開口272を含み、これにより、芯188の遠位端部204は、シャーシ122内に挿入されたときに、圧電アセンブリ110と物理的に接触して係合する。ばね232は、リフィル52がシャーシ122内に挿入されたときに、リフィル52に対して反対の力を提供するように配置される。以下に述べるように、芯188が圧電アセンブリ110と係合すると、ばね232が圧縮され、圧電アセンブリ110は、圧電プラットフォーム270の上方に距離Xだけ変位する。この変位については、以下で詳しく説明する。
【0050】
図20を参照すると、リフィル52は、マニホールド126に挿入されて示されている。リフィル52がシャーシ122のリフィルキャビティ240に挿入されているためにばね232が圧縮され、従って、ばね232は、圧縮された構成で示されている。さらに図20を参照すると、リフィル52のリム152もまた、タブ150の係止部236と係合して示され、芯188の遠位端部204は、圧電アセンブリ110の下面276(図18を参照)と物理的に接触して示されている。図20に示されるばね232の圧縮は、ディスペンサ50に使用されるばねのサイズ及びタイプの結果であり、以下で説明するように、様々な要因に基づいて選択され得る。ばね232が圧縮されて芯232によって加えられる力のために圧電アセンブリ110が上方に並進され、タブ150の係止部236がリフィル52のリム152と係合することの他には、リフィル52がマニホールド126の内に挿入されるときに、マニホールド126の他の要素は移動又は操作されない。図20は、作動状態のリフィル52を示し、圧電アセンブリ110に電気パルスを提供することによって、ディスペンサ50を作動させて揮発性物質を放出させることができる。
【0051】
例示的な実施形態ではまた、上述のように、芯188と圧電アセンブリ110との間に吸水性材料(図示せず)が含まれ得る。吸水性材料は、フェルトパッド及び/又は脱脂綿(cotton wool)であってもよい。他の例示的な実施形態では、吸水性材料は、ベロアパッド、綿布、シェニール糸、シェニール織物、ポリエステル布、ペーパータオル、合成布、合成不織布材料、綿球又は綿棒、これらの組み合わせ、又は他の適切な吸収性材料で形成してもよい。吸水性材料は、ネブライザーアセンブリ(nebulizer assembly)の構成要素であってもよく、取り付けられるか、又はリフィル52の芯188と連通してもよい。
【0052】
作動中、圧電アセンブリ110は揮発性物質を放出するために、連続的又は断続的に作動する。より具体的には、振動電界が圧電素子112に印加され、これにより、圧電板260が半径方向に膨張及び収縮する。膨張及び収縮により、圧電板260は軸方向(ディスペンサ50の長手方向軸に沿って)に振動し、圧電板260のオリフィス内に保持された揮発性物質が円筒状壁164によって画定されるチャネル280及びシュラウド54の排気筒78を通って圧電アセンブリ110から離れるように強制される。
【0053】
図21のグラフを参照すると、ばねの3つの個別のグループが、上記のディスペンサ50のばね232として試験され、その結果が図に示されている。3つのばねのグループは、0.50mmの直径を有するばねワイヤ226、0.55mmの直径を有するばね、及び0.60mmの直径を有するばねを含む。グラフは、ミリメートル(mm)で測定されたばね圧縮距離に対してニュートン(N)で測定されたばね力を示している。ばね圧縮距離は、上記の距離Xであり、即ち芯188が圧電アセンブリ110を上方に並進させた後の圧電プラットフォーム270と圧電アセンブリ110との間の距離である。グラフは、3つのばねのそれぞれに対する最小値、平均値、及び最大値をさらに示している。試験では、結果として生じる力の出力(N)を記録しながら、ばねを1.0mmから8.0mmまで繰り返し圧縮した。0.50mm、0.55mm、0.60mmの3つの異なるばね直径は、互いに異なる結果を達成し、結果は、7.0mmの圧縮で3つのばねのそれぞれが測定されたばね力の非線形増加を示したことを示唆する。
【0054】
いくつかの実施形態では、ばね232は、約7mmから約20mmの間、又は約10mmから約17mmの間、又は約13mmの非圧縮高さを有し得る。また、いくつかの実施形態では、ばね232は、約2回転から約10回転の間、又は約3回転から約7回転の間、又は約4.5回転を有し得る。好ましい実施形態では、ばね232は、約0.6mmのばねワイヤ直径、約13mmの非圧縮高さを有し、約4.5回転を含む。
【0055】
ここで、図22のグラフを参照すると、サイクル当たりのミリグラム(mg/サイクル)で測定された芳香剤の出力に対してニュートン(N)で測定されたばね力が示されている。グラフは、図21に示された試験の結果を示している。試験の結果は、ばねが圧電板260に対してより低い圧縮力を誘発するときにディスペンサ50がより大量の芳香剤を放出することを示唆している。芳香剤の放出パターンは、第1の線形領域284及び第2の線形領域286に単純化することができる。第1の領域284は、0.6Nから0.9Nの間で発生し、約-25mg/サイクル/Nの傾きを有する。第2の領域286は、0.9Nから2.0Nの間で発生し、約-8.33mg/サイクル/Nの傾きを有する。結果は、より低いばね力を受けたときに、フレグランスデバイスがより大量の芳香剤を放出することを示唆している。その結果、所望の出力範囲に応じて、ディスペンサ50で使用するための特定のばねが識別され得る。そのために、第1の線形領域284内で芳香剤の出力を達成したい場合には、0.50mm又は0.55mmのばねが使用され、第2の線形領域286内で芳香剤の出力を達成したい場合には、0.60mmのばねが使用される可能性が高い。
【0056】
試験に基づくとき、より柔軟な材料を備えた上部芯192を有することは、圧電アセンブリ110に対して力を加えるばね232の変位を少なくし、その結果、揮発性物質のより予測可能な放出をもたらす結果を有する。線形領域内で動作する場合、放出されたプルームの変動性は予測可能であるが、ばね232の力変位が非線形である場合、放出速度の変動性は著しく増加する。圧電アセンブリ110に対してばね232によって加えられる力の量は、揮発性物質の放出速度と直接的な関係関係があることも確認された。力が低いほど、圧電アセンブリ110はチャネル280内でより多く跳ね上がることができる。
【0057】
図23図25を参照すると、リフィル52をスタンドアセンブリ116に挿入し、ディスペンサ50を組み立てる方法が示されている。図23を参照すると、リフィル52は、その頭部176がマニホールド126に挿入されるように配置される。リフィル52の底壁180は、プラットフォーム118のスロット142を通ってスライドされ、リフィル52が上部に移動することによって頭部176がマニホールド126内に挿入されるようにする。図24を参照すると、リフィル52のリム152がタブ150の係止部236と係合すると、リフィル52は、マニホールド126内に固定されていることを特徴付けることができる。リフィル52のキャップ146は、リフィル52が使用される間、キャップ146を固く保持するためにウェル138内に挿入され得る。図25を参照すると、シュラウド54は、ベース56と位置合わせされ、ベース56に係る突起128がシュラウド54の底面162に沿った特徴部と係合するまで回転する。シュラウド54は、代替的に別の方法でベース56と係合することができる。シュラウド54がベース56と結合されると、電源コード(図示せず)の一端がポート104に接続され、他端が電源アダプタ、ラップトップ、又は他の低電圧の出力端などの電源に接続される。
【0058】
図25を引き続き参照すると、第1ボタン96は電源ボタン、第2ボタン98は香り強度ボタンであり、第3ボタン100はライトボタンである。ディスペンサをオンにするために、第1ボタン96を一回押してもよい。ディスペンサ50は、第1ボタン96が押されると、芳香剤の放出を開始する。第2ボタン98及び第3ボタン100を押して、香り強度及び/又はライト方式の好みをカスタマイズすることができる。ディスペンサ50の作動中、芯188が圧電板260と接触させることが好ましい。芯188が圧電板260と接触していない場合、特に水性の芳香性揮発性物質において、ディスペンサ50が適切に機能しない可能性、及び/又は揮発性物質を全く放出しない可能性がある。
【0059】
本明細書に記載の任意の実施形態は、他の実施形態に関連して開示される構造又は方法論のいずれかを含むように変更してもよい。さらに、前面、後面、上部、下部、垂直、水平などの方向性の用語は、本明細書全体で使用され得るが、そのような用語は限定的ではなく、本明細書では互いに異なる要素の相対的な方向を伝えるために使用されることを理解されたい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
ディスペンサは、通常、芳香剤、脱臭剤、殺虫剤、殺菌剤、香水などのリフィル容器に保管されている様々な揮発性物質を放出するために使用される。圧電エンジンは、揮発性物質を揮発させてから周辺に放出し、人が介入することなく、例えば、継続的に又は所定のスケジュールに従って、内容物を放出することを可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2022-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性物質ディスペンサであって、
プリント回路基板(PCB)を収容するベースと、
1つ以上の固定機構を介して前記ベースと結合され、プラットフォーム、前記プラットフォームから延びるスタンド、及び前記スタンドから延びるマニホールドを含むスタンドアセンブリと、
前記マニホールドと着脱可能に結合され、芯の直径DWを画定する芯を含むリフィルと、
を含み、
前記マニホールドは、圧電素子を含む圧電アセンブリを収容し、開口のアレイを画定し、
前記開口のアレイの最も外側の開口は、アレイの直径DAを画定し、
前記芯の直径及び前記アレイの直径の比率(DW/DA)は、1.0より大きい、
揮発性物質ディスペンサ。
【請求項2】
前記ベースは、電源と電気的に結合することができるポートをさらに含む、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項3】
複数の発光ダイオード(LED)が前記プリント回路基板と結合される、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項4】
前記複数のLEDは、第1色及び第2色を表示するように構成される、請求項3に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項5】
前記マニホールドは、シャーシ及びクラウンを含み、前記クラウンは、チャネルを画定する円筒状壁を含み、
前記スタンドアセンブリに結合されるシュラウドであって、前記シュラウドは、前記チャネルと同軸である排気筒を画定する、
請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項6】
前記圧電素子は圧電板を含み、
前記圧電板はドームを含み、前記開口のアレイは、前記ドームに沿って全体的に配置される、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項7】
前記開口のアレイは、円形アレイに配置される、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項8】
前記プリント回路基板に沿って配置される制限スイッチをさらに含み、
前記制限スイッチは、シュラウドが前記スタンドアセンブリと結合されていない場合、前記圧電素子の作動を防止する、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項9】
揮発性物質ディスペンサであって、
プリント回路基板を含むベースと、
前記ベースと結合され、プラットフォーム、前記プラットフォームから延びるスタンド、及び前記スタンドから延びるマニホールドを含み、前記マニホールドは、円形の圧電素子を含む、スタンドアセンブリと、
前記スタンドアセンブリと結合されて排気筒を画定するシュラウドと、
芯を含んで前記マニホールドと着脱可能に結合されるリフィルと、
を含み、
前記マニホールドは、前記マニホールドから延びる円筒状壁を含み、
ばねが前記マニホールド内に配置され、前記ばねは前記円筒状壁と同軸であり、
前記ばねの上端部は前記円筒状壁を被覆し、前記ばねの下端部は前記圧電素子に対して力を加える、
揮発性物質ディスペンサ。
【請求項10】
前記ばねは、約0.5mmから約0.6mmの間の直径を有するばねワイヤを有する、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項11】
第1タブ及び第2タブは、リフィルを収容するために前記マニホールドから懸垂した、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項12】
前記第1タブ及び前記第2タブは、内側に延び、前記リフィルのリムと係合することができる第1係止部及び第2係止部を含む、請求項11に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項13】
前記ばねは、前記リフィルが前記マニホールド内に挿入されるときに、リフィルの頭部に力が加えられるようにする、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項14】
前記圧電素子は開口のアレイを画定し、前記アレイはアレイの直径DAを画定し、
芯の直径DW及び前記アレイの直径DAの比(DW/DA)は約1.1である、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項15】
前記マニホールドは、頭部キャビティを画定し、
複数のリブは、前記マニホールドから前記頭部キャビティに延びる、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項16】
前記マニホールドは、シャーシと、前記シャーシに対してスナップフィットするクラウンとを含む、請求項9に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項17】
複数のリブは、前記シュラウドの底面と物理的に係合する前記クラウンの側面に沿って延びる、請求項16に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項18】
揮発性物質ディスペンサであって、
第1側壁を画定し、前記側壁から突出する少なくとも1つのボタン及びポートを含み、プリント回路基板を収容するベースと、
前記ベースと結合されるスタンドアセンブリと、
前記ベースの上端部から延びる下端部を含む第2側壁を有し、排気筒を画定するシュラウドと、
芯を含み、前記スタンドアセンブリと着脱可能に結合されるリフィルと、
を含み、
前記少なくとも1つのボタンは、前記ポートから180度オフセットして配置される、
揮発性物質ディスペンサ。
【請求項19】
前記スタンドアセンブリのマニホールド内のばねをさらに含み、
前記ばねは、前記芯と前記圧電素子との間の連続的な接触を保持するために圧電素子と係合するように作動し、
前記ばねは、0.5mm~0.6mmの間の直径を有するばねワイヤを有する、
請求項18に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【請求項20】
前記圧電素子は、アレイの直径DAを有する開口のアレイを画定し、
前記芯は、芯の直径DWを画定し、
前記芯の直径及び前記アレイの直径の比(DA/DW)は、1.0より大きい、請求項18に記載の揮発性物質ディスペンサ。
【国際調査報告】