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特表2022-551472顕微鏡および関連する装置、方法ならびにコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-09
(54)【発明の名称】顕微鏡および関連する装置、方法ならびにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/36 20060101AFI20221202BHJP
   G02B 21/06 20060101ALI20221202BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
G02B21/36
G02B21/06
G01N21/64 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521321
(86)(22)【出願日】2020-10-07
(85)【翻訳文提出日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2020078153
(87)【国際公開番号】W WO2021069512
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】19202503.9
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516114695
【氏名又は名称】ライカ インストゥルメンツ (シンガポール) プライヴェット リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Leica Instruments (Singapore) Pte. Ltd.
【住所又は居所原語表記】12 Teban Gardens Crescent, Singapore 608924, Singapore
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルゲ テメリス
【テーマコード(参考)】
2G043
2H052
【Fターム(参考)】
2G043AA01
2G043EA01
2G043FA01
2G043LA03
2H052AA09
2H052AB24
2H052AB27
2H052AC14
2H052AC30
2H052AF14
(57)【要約】
実施例は、顕微鏡および顕微鏡のための装置、方法ならびにコンピュータプログラムに関する。顕微鏡は、複数の波長帯域において有機組織の試料に照明を提供する発光モジュールを含む。顕微鏡は、複数の波長帯域のうちの相互に分離された複数の波長帯域の光に独立して感応するように構成された1つ以上の撮像センサモジュールを含む。顕微鏡は、処理モジュールを備え、処理モジュールは、第1の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第1のサブセットの光が有機組織の試料に向けて放出され、第2の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第2のサブセットの光が有機組織の試料に向けて放出されるように、発光モジュールを制御するように構成されている。第1のサブセットの波長帯域と第2のサブセットの波長帯域とは少なくとも部分的に異なる。処理モジュールは、1つ以上の撮像センサモジュールを使用して、第1の動作モードおよび第2の動作モードで放出された光に基づいて、相互に分離された複数の波長帯域の各々において反射撮像および蛍光撮像を実行するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡(100;510)であって、前記顕微鏡(100;510)は、
複数の波長帯域において有機組織の試料(150)に照明を提供する発光モジュール(120)と、
前記複数の波長帯域のうちの相互に分離された複数の波長帯域の光に独立して感応するように構成された第1の撮像センサモジュール(130a)および第2の撮像センサモジュール(130b)であって、前記第1の撮像センサモジュールは、前記相互に分離された複数の波長帯域のうちの第3のサブセットの波長帯域の光に感応するように構成されており、前記第2の撮像センサモジュールは、前記相互に分離された複数の波長帯域のうちの第4のサブセットの波長帯域の光に感応するように構成されており、前記第3のサブセットの波長帯域および前記第4のサブセットの波長帯域の各々は、2つ以上の波長帯域を含む第1の撮像センサモジュールおよび第2の撮像センサモジュールと、
処理モジュール(114)と、
を備え、
前記処理モジュール(114)は、
第1の動作モードにおいて前記複数の波長帯域のうちの第1のサブセットの光が前記有機組織の試料(150)に向けて放出され、第2の動作モードにおいて前記複数の波長帯域のうちの第2のサブセットの光が前記有機組織の試料(150)に向けて放出され、前記第1のサブセットの波長帯域と前記第2のサブセットの波長帯域とが少なくとも部分的に異なるように、前記発光モジュール(120)を制御し、
前記第1の撮像センサモジュールおよび前記第2の撮像センサモジュールを使用して、前記第1の動作モードおよび前記第2の動作モードで放出された光に基づいて、前記相互に分離された複数の波長帯域の各々において反射撮像および蛍光撮像を実行する、
ように構成されている、
顕微鏡(100;510)。
【請求項2】
前記処理モジュール(114)は、前記第1の撮像センサモジュール(130a)を使用して、前記第1の動作モードで反射撮像を実行し、前記第2の動作モードで蛍光撮像を実行するように構成されている、
請求項1記載の顕微鏡。
【請求項3】
前記処理モジュール(114)は、前記第2の撮像センサモジュール(130b)を使用して、前記第1の動作モードで蛍光撮像を実行し、前記第2の動作モードで反射撮像を実行するように構成されている、
請求項1または2記載の顕微鏡。
【請求項4】
前記顕微鏡は、前記相互に分離された複数の波長帯域のうちの前記第4のサブセットの波長帯域のうちの1つの波長を有する光から、前記第3のサブセットの波長帯域のうちの1つの波長を有する光を分離するように構成されたポリクロイックミラー(140)を備える、
請求項1から3までのいずれか1項記載の顕微鏡。
【請求項5】
前記複数の波長帯域のうちの前記第1のサブセットは、前記相互に分離された複数の波長帯域のうちの前記第3のサブセットの波長帯域を含み、前記複数の波長帯域のうちの前記第2のサブセットは、前記相互に分離された複数の波長帯域のうちの前記第4のサブセットの波長帯域を含む、
請求項1から4までのいずれか1項記載の顕微鏡。
【請求項6】
前記第1の撮像センサモジュールおよび前記第2の撮像センサモジュールは、前記相互に分離された複数の波長帯域のうちの異なる波長帯域に感応するように構成されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の顕微鏡。
【請求項7】
前記処理モジュール(114)は、前記動作モードのうちの1つにおいて前記相互に分離された複数の波長帯域の外側の波長帯域の光が前記発光モジュール(120)によって放出されるように前記発光モジュール(120)を制御するように構成されている、
請求項1から6までのいずれか1項記載の顕微鏡。
【請求項8】
前記処理モジュール(114)は、前記動作モードのうちの1つにおいて前記相互に分離された複数の波長帯域の各々の光が前記発光モジュール(120)によって放出されるように前記発光モジュール(120)を制御するように構成されている、
請求項1から7までのいずれか1項記載の顕微鏡。
【請求項9】
前記発光モジュール(120)は、前記複数の波長帯域を相互に分離して放出するように構成されたマルチスペクトル発光モジュール(120)である、
請求項1から8までのいずれか1項記載の顕微鏡。
【請求項10】
前記発光モジュール(120)は、2つ以上の光学フィルタを使用して、前記複数の波長帯域を相互に分離して放出するように構成されている、
請求項9記載の顕微鏡。
【請求項11】
前記発光モジュール(120)は、複数の個々の光源を使用して、前記複数の波長帯域を相互に分離して放出するように構成されている、
請求項9記載の顕微鏡。
【請求項12】
顕微鏡(100;510)のための装置(110)であって、前記装置(110)は、
インタフェース(112)と、
処理モジュール(114)と、
を備え、
前記インタフェース(112)は、複数の波長帯域において有機組織の試料(150)の照明を提供する発光モジュール(120)と通信し、前記顕微鏡の前記複数の波長帯域のうちの相互に分離された複数の波長帯域の光に独立して感応するように構成された第1の撮像センサモジュール(130a)および第2の撮像センサモジュール(130b)と通信し、前記第1の撮像センサモジュールは、前記相互に分離された複数の波長帯域のうちの第3のサブセットの波長帯域の光に感応するように構成されており、前記第2の撮像センサモジュールは、前記相互に分離された複数の波長帯域のうちの第4のサブセットの波長帯域の光に感応するように構成されており、前記第3のサブセットの波長帯域および前記第4のサブセットの波長帯域の各々は、2つ以上の波長帯域を含み、
前記処理モジュール(114)は、
第1の動作モードにおいて前記複数の波長帯域のうちの第1のサブセットの光が前記有機組織の試料(150)に向けて放出され、第2の動作モードにおいて前記複数の波長帯域のうちの第2のサブセットの光が前記有機組織の試料(150)に向けて放出され、前記第1のサブセットの波長帯域と前記第2のサブセットの波長帯域とが少なくとも部分的に異なるように、前記発光モジュール(120)を制御し、
前記第1の撮像センサモジュールおよび前記第2の撮像センサモジュールを使用して、前記第1の動作モードおよび前記第2の動作モードで放出された光に基づいて、前記相互に分離された複数の波長帯域の各々において反射撮像および蛍光撮像を実行する、
ように構成されている、
装置(110)。
【請求項13】
顕微鏡(100;510)のための方法であって、前記方法は、
第1の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第1のサブセットの光が有機組織の試料(150)に向けて放出され、第2の動作モードにおいて前記複数の波長帯域のうちの第2のサブセットの光が前記有機組織の試料(150)に向けて放出され、前記第1のサブセットの波長帯域と前記第2のサブセットの波長帯域とが少なくとも部分的に異なり、発光モジュール(120)が前記複数の波長帯域において前記有機組織の試料(150)の照明を提供するのに適するように、発光モジュール(120)を制御する(210)ステップと、
第1の撮像センサモジュール(130a)および第2の撮像センサモジュール(130b)を使用して、前記第1の動作モードおよび前記第2の動作モードで放出された光に基づいて、相互に分離された複数の波長帯域の各々において反射撮像および蛍光撮像を実行する(220)ステップと、
を含み、
前記第1の撮像センサモジュール(130a)および前記第2の撮像センサモジュール(130b)は、前記相互に分離された複数の波長帯域の光に独立して感応するように構成されており、前記第1の撮像センサモジュールは、前記相互に分離された複数の波長帯域のうちの第3のサブセットの波長帯域の光に感応するように構成されており、前記第2の撮像センサモジュールは、前記相互に分離された複数の波長帯域のうちの第4のサブセットの波長帯域の光に感応するように構成されており、前記第3のサブセットの波長帯域および前記第4のサブセットの波長帯域の各々は、2つ以上の波長帯域を含む、
方法。
【請求項14】
プロセッサ上で実行される際に、請求項13記載の方法を実行するためのプログラムコードを有する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、顕微鏡および顕微鏡のための装置、方法ならびにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡は、種々の撮像モードにおいて撮像するために使用することができる。例えば、顕微鏡は2つのセンサを含むことができ、そのうちの一方は蛍光撮像に使用され、もう一方は反射撮像に使用される。2つの撮像センサモジュールは、異なる波長帯域での撮像のために使用することができる。かかる顕微鏡は、通常、光源を含んでおり、光源は、それぞれのセンサによって、例えば、反射として(すなわち、放出されたものと同じ波長で)、または蛍光として(すなわち、放出された光の波長とは異なる波長で)捕捉可能となる光を放出するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
センサがより多用途に使用される、顕微鏡の改善されたコンセプトに対する要望が存在しうる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この要望は、本開示の実施形態によって対処される。
【0005】
本開示の実施形態は、顕微鏡を提供する。顕微鏡は、複数の波長帯域において有機組織の試料に照明を提供する発光モジュールを備える。顕微鏡は、複数の波長帯域のうちの相互に分離された複数の波長帯域の光に独立して感応するように構成された1つ以上の撮像センサモジュールを備える。顕微鏡は、処理モジュールを備え、処理モジュールは、第1の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第1のサブセットの光が有機組織の試料に向けて放出され、第2の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第2のサブセットの光が有機組織の試料に向けて放出されるように、発光モジュールを制御するように構成されている。第1のサブセットの波長帯域と第2のサブセットの波長帯域とは少なくとも部分的に異なる。処理モジュールは、1つ以上の撮像センサモジュールを使用して、第1の動作モードおよび第2の動作モードで放出された光に基づいて、相互に分離された複数の波長帯域の各々において反射撮像および蛍光撮像を実行するように構成されている。
【0006】
相互に分離された複数の波長帯域の光に感応しうる1つ以上の撮像センサモジュールを利用し、発光モジュールが適切な方法で光を提供する場合、実施形態は、単一の撮像センサを使用して同じ波長帯域で反射撮像および蛍光撮像を実行し、撮像の多用途性を向上させることができる。さらに、複数の撮像センサモジュールが使用される場合、波長帯域の異なる組み合わせが使用されて、例えば同時に、蛍光および反射撮像の両方において波長帯域の全てがカバーされうるため、多用途性をさらに向上させることができる。これは、異なる波長帯域の光を異なる動作モードで放出しうる発光モジュールによって可能となる。
【0007】
本開示の一実施形態は、顕微鏡のための装置に関する。装置は、例えば照明および撮像に関して顕微鏡を制御するために使用されうる。装置は、複数の波長帯域において有機組織の試料の照明を提供する発光モジュールとの通信のためのインタフェースを備える。インタフェースはさらに、顕微鏡の複数の波長帯域のうちの相互に分離された複数の波長帯域の光に独立して感応するように構成された1つ以上の撮像センサモジュールとの通信にとって好適である。装置は、処理モジュールを備え、処理モジュールは、第1の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第1のサブセットの光が有機組織の試料に向けて放出され、第2の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第2のサブセットの光が有機組織の試料に向けて放出されるように、発光モジュールを制御するように構成されている。第1のサブセットの波長帯域と第2のサブセットの波長帯域とは少なくとも部分的に異なる。処理モジュールは、1つ以上の撮像センサモジュールを使用して、第1の動作モードおよび第2の動作モードで放出された光に基づいて、相互に分離された複数の波長帯域の各々において反射撮像および蛍光撮像を実行するように構成されている。
【0008】
本開示の一実施形態は、顕微鏡のための対応する方法に関する。本方法は、第1の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第1のサブセットの光が有機組織の試料に向けて放出され、第2の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第2のサブセットの光が有機組織の試料に向けて放出されるように、発光モジュールを制御することを含む。第1のサブセットの波長帯域と第2のサブセットの波長帯域とは少なくとも部分的に異なる。発光モジュールは、複数の波長帯域において有機組織の試料の照明を提供するのに適している。本方法は、1つ以上の撮像センサモジュールを使用して、第1の動作モードおよび第2の動作モードで放出された光に基づいて、相互に分離された複数の波長帯域の各々において反射撮像および蛍光撮像を実行することを含む。1つ以上の撮像センサモジュールは、(例えば、顕微鏡の複数の波長帯域のサブセットである)相互に分離された複数の波長帯域の光に独立して感応するように構成されている。本開示の一実施形態は、プロセッサ上で実行される際に本方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムに関する。
【0009】
装置および/または方法のいくつかの実施例を、単に例示として、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1a】顕微鏡および顕微鏡用装置の実施形態のブロック図を示す図である。
図1b】顕微鏡および顕微鏡用装置の実施形態のブロック図を示す図である。
図2】顕微鏡のための方法の一実施形態のフローチャートを示す図である。
図3】顕微鏡等の光学撮像システムの概略図を示す図である。
図4】一実施形態による異なる照明スペクトルおよび撮像モードの表を示す図である。
図5】顕微鏡およびコンピュータシステムを含むシステムの概略図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、いくつかの実施例が示されている添付図面を参照して、種々の実施例をより完全に説明する。図面において、線、層および/または領域の厚さは、明確にするために誇張されている場合がある。
【0012】
したがって、さらなる実施例につき種々の修正および代替が可能であるが、いくつかの特定の実施例を図示し、以下に詳細に説明する。しかしながら、この詳細な説明は、さらなる実施例を記載する特定の形態に限定するものではない。さらなる実施例は、本開示の範囲内にある全ての修正形態、等価形態および代替形態を網羅しうる。同一または類似の番号は、図面の説明全体を通して同一または類似の要素を指し、これらは、同一または類似の機能性を提供しながら、互いに比較した場合、同一のまたは修正された形態で実現されうる。
【0013】
ある要素が別の要素に「接続されている」または「結合されている」と言及される場合、その要素は直接に接続もしくは結合されていてもよいし、または1つ以上の介在要素を介して接続もしくは結合されていてもよいことが理解されるであろう。2つの要素AおよびBが「または」を使用して結合されている場合、これは、別段の明示的または暗示的な定義がないかぎり、全ての可能な組み合わせ、すなわちAのみ、Bのみ、ならびにAおよびBを開示していると解釈されるべきである。同じ組み合わせについての代替的な表現は「AおよびBのうちの少なくとも1つ」または「Aおよび/またはB」である。同じことが、必要な変更を加えた上で、2つを超える要素の組み合わせにも当てはまる。
【0014】
特定の実施例を説明する目的で、本明細書で使用する用語は、さらなる実施例の限定を意図するものではない。単数形、例えば“a”、“an”および“the”が使用されており、かつ単一の要素のみを使用することが必須であると明示的にも暗示的にも定義されていない場合には常に、さらなる実施例として同じ機能を実装するために複数の要素を使用することができる。同様に、ある機能が複数の要素を使用して実現されるものとして以下に説明される場合、さらなる実施例として単一の要素または処理エンティティを使用して同じ機能を実現することができる。用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」および/または「含んでいる(including)」が用いられる場合、記載の特徴、整数、ステップ、動作、プロセス、行為、要素および/または構成要素の存在が規定されるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、プロセス、行為、要素、構成要素および/またはこれらの任意の群の存在または追加が排除されないこともさらに理解されるであろう。
【0015】
別段の定義がないかぎり、全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、実施例が属する技術分野の通常の意味で本明細書において使用される。
【0016】
図1aおよび図1bは、顕微鏡100の実施形態のブロック図を示している。顕微鏡100は、複数の波長帯域で有機組織の試料150に照明を提供する発光モジュール120を含む。顕微鏡100は、複数の波長帯域のうちの相互に分離された複数の波長帯域の光に独立して感応するように構成された1つ以上の撮像センサモジュール130a;130bをさらに含む。顕微鏡100は、例えばインタフェース112を介して発光モジュール120および1つ以上の撮像センサモジュール130a,130bに結合された処理モジュール114をさらに含む。図1aおよび図1bは、処理モジュール114と、処理モジュール114に結合されたインタフェース112と、を含む装置110の実施形態をさらに示している。インタフェース112は、発光モジュール120および1つ以上の撮像センサモジュール130a;130bとの通信に適している。処理モジュールは、第1の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第1のサブセットの光が有機組織の試料150に向けて放出され、第2の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第2のサブセットの光が有機組織の試料150に向けて放出されるように、発光モジュール120を制御するように構成されている。第1のサブセットの波長帯域と第2のサブセットの波長帯域とは少なくとも部分的に異なる。処理モジュール114は、1つ以上の撮像センサモジュール130a;130bを使用して、第1の動作モードおよび第2の動作モードで放出された光に基づいて、相互に分離された複数の波長帯域の各々において反射撮像および蛍光撮像を実行するように構成されている。図1bは、図1aの顕微鏡および/または装置の可能な実装形態を示しており、ポリクロイックミラー等の光学素子140および2つの撮像センサモジュール130a;130bが使用されている。
【0017】
実施形態は、顕微鏡もしくは顕微鏡のための装置、方法、またはコンピュータプログラムに関する。概して、顕微鏡は、人間の目(だけ)では見えないほど小さな対象物を検査するのに適した光学機器である。例えば、顕微鏡は、有機組織の試料等の対象物を光学的に拡大することができる。現代の顕微鏡では、光学倍率は、図1aおよび/または図1bの顕微鏡100の1つ以上の撮像センサモジュール130a,130b等のカメラまたは撮像センサのために提供されることが多い。換言すれば、顕微鏡100は、有機組織の試料上のビューを拡大するために使用される1つ以上の光学拡大構成要素をさらに含むことができる。例えば、顕微鏡100は、実験室で使用するための顕微鏡、例えばペトリ皿内の有機組織の試料を検査するために使用されうる顕微鏡であってよい。代替的に、顕微鏡100は、手術用顕微鏡システム、例えば手術処置中に使用される顕微鏡の一部であってもよい。実施形態は、顕微鏡に関連して説明するが、より一般的には発光モジュールおよび1つ以上の撮像センサモジュールを含む任意の光学デバイスにも適用されうる。したがって、装置110は、より一般的な用語では、かかる光学デバイスにも適している。
【0018】
顕微鏡は、発光モジュール120を含む。発光モジュール120は、複数の波長帯域における有機組織の試料の照明を提供するのに適しており、かつ/または照明を提供するように構成されている。例えば、複数の波長帯域は、複数の波長帯域のうちの2つ以上の波長帯域からなる連続波長帯域としてではなく、相互に分離された、すなわち重複しない、かつ/または個々の波長帯域として定義される複数の波長帯域であってよい。例えば、発光モジュール120は、複数の波長帯域の外側の波長における発光、例えば複数の波長帯域の間にある波長における発光を遮断するように構成されていてよい。換言すれば、発光モジュール120は、複数の波長帯域を相互に分離して放出するように構成されたマルチスペクトル発光モジュール120であってよい。
【0019】
同様の考察が、相互に分離された複数の波長帯域に適用される。例えば、相互に分離された複数の波長帯域は、重複しない波長帯域であってよく、かつ/または相互に分離された複数の波長帯域のうちの2つ以上を含む連続的な波長帯域としてではなく、個々の波長帯域として定義されていてもよい。例えば、1つ以上の撮像センサモジュールは、相互に分離された複数の波長帯域の外側にある波長の光を無視するように構成されていてよい。少なくともいくつかの実施形態では、1つ以上の撮像センサモジュールは、相互に分離された複数の波長帯域の外側の光をフィルタリングするための2つ以上の光学(帯域通過)フィルタを含みうる。それぞれのフィルタは、それぞれのフィルタモジュールの一部であってもよいし、または全ての撮像センサモジュールと有機組織の試料との間に配置されてもよい。例えば、2つ以上の帯域通過フィルタが、有機組織の試料150と1つ以上の撮像センサモジュール130a;130bとの間に配置されるポリクロイックミラー140によって実装されてもよい。
【0020】
例えば、発光モジュールは、放出光を生成するための(正確に)1つの、または複数の個々の光源を含んでいてよい。例えば、発光モジュールは、1つの、例えば正確に1つの広帯域光源と、複数の帯域通過フィルタと、を含んでいてよく、これらは、組み合わされて、複数の波長帯域において有機組織の試料に照明を提供するのに適している。例えば、発光モジュール120は、2つ以上の光学フィルタ(すなわち、複数の波長帯域のうちの波長帯域の数に一致する数の複数の光学フィルタ)を用いて、複数の波長帯域を相互に分離して放出するように構成されていてよい。例えば、2つ以上の光学フィルタは光学帯域通過フィルタであってよく、光学帯域通過フィルタの通過帯域は複数の波長帯域と一致する。例えば、2つ以上のフィルタは発光モジュール120の一部であってもよい。
【0021】
代替的に、発光モジュール120は、複数の光源を用いて複数の波長帯域を相互に分離して放出するように構成されていてもよい。例えば、複数の個々の光源は、それぞれ複数の波長帯域のうちのある波長帯域(のみ)の光を放出するように構成された複数のLED(発光ダイオード)であってよい。複数の個々の光源の各々は、複数の波長帯域のうちのある波長帯域に同調されうる。いくつかの実施形態では、複数の個々の光源に加えて、2つ以上の光学フィルタを使用して、相互に分離された状態で複数の波長帯域を放出することができ、例えば複数の波長帯域をより正確に定義することができる。
【0022】
実施形態では、発光モジュールによって放出された光に影響を与えうる複数の異なる動作モードが使用される。例えば、複数の異なる動作モードは、少なくとも上述の第1の動作モードおよび第2の動作モードを含む。処理モジュール114は、第1の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第1のサブセットの光が有機組織の試料150に向けて放出され、第2の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第2のサブセットの光が有機組織の試料150に向けて放出されるように、発光モジュール120を制御するように構成されている。例えば、各動作モードは、発光モジュールに、放出されるべき波長帯域の異なるサブセット(または組み合わせ/順列)を放出させうる。これに関連して、1つの波長帯域のサブセットは、1つ以上の波長帯域を含みうる。換言すれば、波長帯域の各サブセットは、複数の波長帯域のうちの1つ以上の光を含みうる(または当該1つ以上の光から構成されうる)(かつ1つ以上の波長帯域の外側にある波長の光を含まない)。波長帯域の異なるサブセットは少なくとも部分的に異なっていてよく、例えば、部分的に異なっていてもよいし、または完全に異なっていてもよい。波長帯域の2つのサブセットは、両方のサブセットに含まれる少なくとも1つの波長帯域を共有する場合、部分的に異なる。波長帯域の2つのサブセットは、波長帯域を共有しない場合、すなわち2つのサブセットの波長帯域が重複しない場合、完全に異なる。実施形態では、第1のサブセットの波長帯域と第2のサブセットの波長帯域とは部分的に異なっていてよく、またはこれらが完全に異なっていてもよい。
【0023】
例えば、以下では、第1のサブセットおよび第2のサブセットが完全に異なる第1の動作モードおよび第2の動作モードの組み合わせが示される。処理モジュール114は、動作モードのうちの1つにおいて、例えば第1の動作モードにおいて、相互に分離された複数の波長帯域の外側の波長帯域の光(のみ)が発光モジュール120によって放出されるように、発光モジュール120を制御するように構成されうる。例えば、この波長帯域は、図3および図4において波長帯域「0」として示されうる。この波長帯域は、相互に分離された複数の波長帯域のうちの1つではないので、蛍光撮像のためにのみ、すなわち相互に分離された複数の波長帯域の各々での蛍光撮像を実行するために使用することができる。付加的に(または代替的に)、処理モジュール114は、動作モードのうちの1つにおいて、例えば第2の動作モードにおいて、相互に分離された複数の波長帯域の各々の光が発光モジュール120によって放出されるように、発光モジュール120を制御するように構成されうる。例えば、この動作モードでは、相互に分離された複数の波長帯域の各々での反射撮像が実行されうる。これらの2つの動作モードは、相互に分離された複数の波長帯域の各々において反射撮像または蛍光撮像が同時に実行されうるエッジケースを表している(例えば、図4の参照符号460および480を参照)。
【0024】
いくつかの動作モードでは、相互に分離された複数の波長帯域のうちの1つ以上が反射撮像のために使用され、1つ以上の他の波長帯域が蛍光撮像のために使用される、混合モードが適用されうる。例えば、相互に分離された複数の波長帯域は、第3のサブセットの波長帯域および第4のサブセットの波長帯域を含みうる。第3のサブセットおよび第4のサブセットは、互いに不連続であってもよいし、または相互に分離された複数の波長帯域全体を含んでもよい。換言すれば、複数の異なる波長帯域の各波長帯域は、第3のサブセットまたは第4のサブセットの一部であってよい。いくつかの実施形態では、第3のサブセットまたは第4のサブセットのいずれかが、相互に分離された複数の波長帯域の外側の波長帯域と関連して使用されうる。処理モジュール114は、動作モードのうちの1つにおいて、例えば第1の動作モードまたは第3の動作モードにおいて、第3のサブセットの波長帯域の光(のみ)が発光モジュール120によって放出され、動作モードのうちの1つにおいて、例えば第2の動作モードまたは第4の動作モードにおいて、第4のサブセットの波長帯域の光(のみ)が発光モジュール120によって放出されるように、発光モジュール120を制御するように構成されうる。いくつかの実施形態では、第3のサブセットの波長帯域および第4のサブセットの波長帯域の各々は、異なる波長帯域の同時記録を可能にする2つ以上の波長帯域を含みうる。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のサブセットが第3のサブセットに等しくてよくもしくは第3のサブセットを含んでよく、かつ/または第2のサブセットが波長帯域の第4のサブセットに等しくてよくもしくは波長帯域の第4のサブセットを含んでもよい。換言すれば、複数の波長帯域のうちの第1のサブセットは、相互に分離された複数の波長帯域のうちの第3のサブセットの波長帯域を含む(または対応する)ことができる。複数の波長帯域のうちの第2のサブセットは、相互に分離された複数の波長帯域のうちの第4のサブセットの波長帯域を含むことができる。これにより、波長帯域の第1のサブセット/第3のサブセットと波長帯域の第2のサブセット/第4のサブセットとの間の関連付けを提供することができ、これを用いて、1つ以上の撮像センサモジュールを使用した撮像を実行することができる。
【0026】
要約すると、発光モジュールが次の各光、すなわち
(1)相互に分離された複数の波長帯域の全ての光、
(2)相互に分離された複数の波長帯域外の波長帯域のみの光、
(3)第3のサブセットの波長帯域の光および任意選択的に、相互に分離された複数の波長帯域の外側にある波長帯域、
(4)第4のサブセットの波長帯域の光および任意選択的に、相互に分離された複数の波長帯域の外側にある波長帯域、
を放出するように制御される、4つの異なる動作モードを区別することができる。
【0027】
例えば、制御モジュールは、上記の動作モードのうちの2つ以上を適用するように構成されていてよい。すなわち、第1の動作モードおよび第2の動作モードは、上記の動作モード(1)~(4)の中から選択されうる。さらに、第3の動作モード、または第3の動作モードおよび第4の動作モードが使用されてもよい。例えば、3つの動作モードを使用する場合、(3)を第1の動作モードとして使用し、(4)を第2の動作モードとして使用し、(2)を第3の動作モードとして使用することができる。4つの動作モードを用いる場合、図4に示すように動作モード(1)~(4)の全てを用いてもよい。
【0028】
一般的に、各動作モードは、1つ以上の撮像センサモジュールを用いた単一の記録を実行するために使用することができる。例えば、1つの動作モード内で、相互に分離された複数の波長帯域の全てが1つ以上の撮像センサモジュールを使用して(実質的に)同時に、すなわち最大で1秒(または最大で0.5秒、最大で0.3秒、最大で0.1秒)以内に記録されうる。異なる動作モードは、連続的に、すなわち順次に、使用することができる。例えば、第1の動作モード、第2の動作モードならびに任意に第3の動作モードおよび第4の動作モードが、この順序で使用されうる。代替的に、別の順序が選択されてもよい。
【0029】
顕微鏡は、1つ以上の撮像センサモジュール130a;130bを含む。1つ以上の撮像センサモジュールは、複数の波長帯域のうちの相互に分離された複数の波長帯域の光に独立して感応するように構成される。換言すれば、1つ以上の撮像センサモジュールは、相互に分離された複数の波長帯域のうちの各波長帯域が1つ以上の撮像センサモジュールの出力において区別可能となる(または別々に出力される)よう、相互に分離された複数の波長帯域の光に感応するように構成することができる。例えば、1つ以上の撮像センサモジュールは、相互に分離された複数の波長帯域の各々について別個のセンサ測定値を出力することが可能でありうる。
【0030】
いくつかの実施形態では、図1bに示されているように、1つ以上の撮像センサモジュールは、第1の撮像センサモジュール130aおよび第2の撮像センサモジュール130bを含みうる。代替的に、図1aに示すように、顕微鏡100は、単一の撮像センサモジュール130aを含んでもよい。処理モジュール114は、第1の撮像センサモジュールおよび第2の撮像センサモジュールを使用して、第1の動作モードおよび第2の動作モードで放出された光に基づいて、相互に分離された複数の波長帯域の各々において反射撮像および蛍光撮像を実行するように構成されうる。2つのセンサモジュールを使用することにより、センサモジュールの各々は、相互に分離された複数の波長帯域のうちの1つのサブセットに感応するだけでよく、より高い柔軟性が可能となり、かつ/またはそれぞれの撮像センサモジュールの構築が容易となる。例えば、第1の撮像センサモジュールおよび第2の撮像センサモジュールは、相互に分離された複数の波長帯域のうちの異なる波長帯域に感応するように構成されてよい。したがって、同じ波長帯域の光を冗長的に測定するために使用される回路を含まなくてよく、高い柔軟性が可能にとなり、かつ/またはそれぞれの撮像センサモジュールの構築が容易となる。例えば、第1の撮像センサモジュールおよび第2の撮像センサモジュールの各々は、それぞれ他方の撮像センサモジュールが感応しない1つ以上の波長帯域の光のみに感応するように構成されてよい。
【0031】
例えば、第1の撮像センサモジュールは、相互に分離された複数の波長帯域のうちの第3のサブセットの波長帯域の光(のみ)に感応するように構成されうる。第2の撮像センサモジュールは、相互に分離された複数の波長帯域のうちの第4のサブセットの波長帯域の光(のみ)に感応するように構成されうる。第1の撮像センサモジュールおよび第2の撮像センサモジュールは、ともに、測定する波長帯域を重複させることなく、相互に分離された複数の波長帯域全体をカバーすることができる。例えば、第1の撮像センサモジュールは、波長帯域の第3のサブセットの各波長帯域について別個のセンサ測定値を出力するように構成されていてよい。第2の撮像センサモジュールは、波長帯域の第4のサブセットの各波長帯域について別個のセンサ測定値を出力するように構成されていてよい。一般的に、1つ以上の撮像センサモジュールは、APS(アクティブピクセルセンサ)ベースまたはCCD(電荷結合素子)ベースの撮像センサモジュールでありうる。例えば、APSベースの撮像センサモジュールでは、光検出器およびピクセルの能動増幅器を使用して、各ピクセルにおいて光が記録される。APSベースの撮像センサモジュールは、多くの場合、CMOS(相補的金属酸化膜半導体)またはS-CMOS(Scientific CMOS)技術に基づいている。CCDベースの撮像センサモジュールでは、入射光子が半導体-酸化物界面で電子電荷へ変換され、続いてこの電子電荷がセンサ撮像モジュールの制御回路によって撮像センサモジュール内の容量性ビン間を移動して撮像を実行する。
【0032】
処理モジュールは、1つ以上の撮像センサモジュール130a;130bを使用して、第1の動作モードおよび第2の動作モードで放出された光に基づいて、相互に分離された複数の波長帯域の各々において反射撮像および蛍光撮像を実行するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1の動作モードで放出される光が反射撮像を実行するために使用され、第2の動作モードで放出される光が、例えば上記で紹介した動作モード(1)および(2)が選択される場合、相互に分離された複数の波長帯域(の全て)において蛍光撮像を実行するために使用される。例えば、処理モジュール114は、第1の撮像センサモジュール130aおよび第2の撮像センサモジュール130bを使用して、第1の動作モードで反射撮像を実行し、第2の動作モードで蛍光撮像を実行するように(またはその逆に)構成されうる。これは、反射画像と蛍光画像との間にわずかな遅延を伴って、それぞれ同時に撮影される反射画像および蛍光画像をもたらしうる。代替的に、上記で紹介したように混合モードを使用することもでき、この場合、第1の動作モードおよび第2の動作モードの両方において、性能および反射撮像が実行される。この場合、反射画像/蛍光画像内にわずかな遅延が存在しうるが、一方または他方の全体的な遅延は存在しない。例えば、処理モジュール114は、第1の撮像センサモジュール130aを使用して、第1の動作モードで反射撮像を実行し、第2の動作モードで蛍光撮像を実行するように構成されてよい。処理モジュール114は、第2の撮像センサモジュール130bを使用して、第1の動作モードで蛍光撮像を実行し、第2の動作モードで反射撮像を実行するように(またはその逆に)構成されてもよい。
【0033】
上記で紹介したように、例えば、各波長で撮影される反射画像/蛍光画像の数を増やすために、両方のアプローチを選択することができる。例えば、処理モジュール114は、第1の撮像センサモジュール130aおよび第2の撮像センサモジュール130bを使用して、第1の動作モードで反射撮像を実行し、第2の動作モードで蛍光撮像を実行し、第1の撮像センサモジュール130aを使用して、第3の動作モードで反射撮像を実行し、第4の動作モードで蛍光撮像を実行し、第2の撮像センサモジュール130bを使用して、第3の動作モードで蛍光撮像を実行し、第4の動作モードで反射撮像を実行するように構成されていてよい。いずれの場合も、動作モードの番号付けは異なる動作モードを区別するために使用しているのみであり、例えば動作モードの別の順序が所望される場合には変更されうる。
【0034】
2つ(またはそれ以上)の異なる撮像センサモジュールが使用される場合、有機組織の試料から生じる光は、ポリクロイックミラーを使用してセンサモジュール間で分配することができる。一般的に、ポリクロイックミラーは、複数の波長帯域の光を選択的に反射または入射するように構成された光学素子である(したがって、「ポリクロイック」なる用語は「複数の色を有する」を表す)。この場合、顕微鏡は、ポリクロイック140を含むことができ、ポリクロイック140は、第1の撮像センサモジュールによって使用される光を第2の撮像センサモジュールによって使用される光から分離するように構成されている。例えば、ポリクロイックミラー140は、相互に分離された複数の波長帯域のうちの第4のサブセットの波長帯域のうちの1つの波長を有する光から、第3のサブセットの波長帯域のうちの1つの波長を有する光を分離するように構成されていてよい。ポリクロイックミラーは、第3のサブセットの波長帯域のうちの1つの波長を有する光がポリクロイックミラーに入射し(またはそこで反射され)、第1の撮像センサモジュールに(再)配向されるように構成および配置することができる。ポリクロイックミラーは、第4のサブセットの波長帯域のうちの1つの波長を有する光がポリクロイックミラーによって反射され(またはそこへ入射し)、第2の撮像センサモジュールに向けて(再)配向されるように構成および配置することができる。代替的に、ポリクロイックミラーに代えて、全スペクトルが両方の撮像センサモジュールに配向されるように、光の波長にかかわらず、有機組織の試料から生じる光を部分的に反射するのに適した半透明ミラーを使用してもよい。
【0035】
インタフェース112は、情報を受信および/または送信するための1つ以上の入力および/または出力に対応することができ、この情報は、モジュール内、モジュール間、または異なるエンティティのモジュール間の指定されたコードによるデジタル(ビット)値でありうる。例えば、インタフェース12は、情報を受信および/または送信するように構成されたインタフェース回路を含みうる。いくつかの実施形態では、処理モジュール114は、1つ以上の処理ユニット、1つ以上の処理デバイス、プロセッサ等の任意の処理手段、コンピュータ、またはこれに応じて適応化されたソフトウェアとともに動作可能なプログラマブルハードウェア構成要素を使用して実装することができる。換言すれば、処理モジュール114の上述した機能がソフトウェアに実装され、次いで当該ソフトウェアが1つ以上のプログラム可能なハードウェア構成要素上で実行されうる。かかるハードウェア構成要素は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ等を含みうる。
【0036】
顕微鏡または顕微鏡のための装置のさらなる詳細および態様につき、提案しているコンセプトまたは上記もしくは下記の1つ以上の実施例(例えば、図2図4)に関連して言及する。顕微鏡または顕微鏡のための装置は、提案されるコンセプトの1つ以上の態様、または上記もしくは下記の1つ以上の実施例に対応する1つ以上の追加の任意選択の特徴を含みうる。
【0037】
図2は、顕微鏡、例えば図1aおよび/または図1bの顕微鏡100のための対応する方法、例えばコンピュータ実装方法の一実施形態のフローチャートを示している。顕微鏡の態様を装置の文脈で説明してきたが、これらの態様は対応する方法の説明も表しており、装置の特性または機能的特徴は方法ステップまたは方法ステップの特徴に対応することが明らかである。本方法は、第1の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第1のサブセットの光が有機組織の試料150に向けて放出され、第2の動作モードにおいて複数の波長帯域のうちの第2のサブセットの光が有機組織の試料150に向けて放出されるように、発光モジュール120を制御すること(210)を含む。第1のサブセットの波長帯域と第2のサブセットの波長帯域とは少なくとも部分的に異なる。発光モジュール120は、複数の波長帯域における有機組織の試料150の照明を提供するのに適している。本方法は、1つ以上の撮像センサモジュールを使用して、第1の動作モードおよび第2の動作モードで放出された光に基づき、相互に分離された複数の波長帯域の各々において反射撮像および蛍光撮像を実行すること(220)を含む。1つ以上の撮像センサモジュール130a;130bは、顕微鏡100の複数の波長帯域のうちの1つのサブセットである相互に分離された複数の波長帯域の光に独立して感応するように構成される。上述した図1a/図1bの顕微鏡100に関連して説明した特徴は、図2の方法にも同様に適用することができる。
【0038】
本方法のさらなる詳細および態様につき、提案された内容または上記もしくは下記の1つ以上の実施例(例えば、図1a/図1b、図3または図4)に関連して言及する。本方法は、提案されるコンセプトの1つ以上の態様、または上記もしくは下記の1つ以上の実施例に対応する1つ以上の追加の任意選択的な特徴を含みうる。
【0039】
少なくともいくつかの実施形態は、例えば、マルチセンサカメラにおいて、異なるパラメータを有する複数の画像を取り込むための複数の撮像センサモジュールの使用に関する。少なくともいくつかの実施形態の目的は、手術用顕微鏡のような撮像デバイス内の複数の撮像センサモジュールの存在の利用を改善することでありうる。
【0040】
いくつかの撮像デバイスは、CCD、CMOSおよびSCMOS等の複数の撮像センサモジュールを採用しうる。これは、反射または蛍光といった性質の異なる複数の画像を同時に取り込むことが有効であるためである。例えば、複数の画像を同時に取り込み、反射および蛍光画像を同時に取り込むことによって、色および可視擬似色が達成されうる。この場合、例えば、センサの機能を変更することなく、各センサを1つのタイプの画像を取り込むことに特化させることができる。ただし、いくつかのセンサが果たす機能が必ずしも必要ではない場合がある。例えば、蛍光撮像が必要とされない場合、特化型センサは利用されないままである。実施形態では、異なる機能を実行するために設置された撮像センサモジュールを目的に応じて利用する手法が提案される。
【0041】
図3は、顕微鏡等の光学撮像システムの概略図を示しており、当該システムは、グラフ310(x軸は波長を示し、y軸は振幅を示す)に示されているような波長帯域0~6のサブセットにおいて物体に照明を提供するように構成された発光モジュール120と、組織から到来してポリクロイックミラー140で分割された光を記録するための2つの撮像センサモジュール130a;130bと、を含む。グラフ320はセンサ130aの感度を示しており、グラフ330はセンサ130bの感度を示している(x軸は波長を示し、y軸はそれぞれの波長で入射する光に対する感度を示す)。図3に示されているように、センサ130aは波長帯域1、3および5において感度を有し、センサ130bは波長帯域2、4および6において感度を有する。光学撮像システムが医療用途で使用される場合、各波長帯域は組織の特定のタイプまたは状態(例えば、異なる組織タイプ、健康な組織、病理組織)を示しうる。したがって、図3は、マルチスペクトル撮像センサのスペクトル帯域を示しうる。図3において、発光モジュール120は、(センサ130aの波長帯域と一致する)波長帯域1、3および5の光を放出するように構成される。図3において、センサ130aは照明光と同じ帯域を受光し、そのため反射光を検出することができる。センサ130bは照明スペクトルに相補的な感度曲線を有しており、そのため、蛍光のみを検出する。
【0042】
照明スペクトルを変更して異なるスペクトル帯域で照明することにより、センサ130aおよび130bは、依然として同じスペクトル帯域に感応しうるが、その帯域における光は異なる性質(反射/蛍光)のものである。照明スペクトル帯域の調整は、例えば干渉多重帯域通過フィルタを(発光モジュール120において)使用することによって、またはLED(発光ダイオード)等の複数(この場合7つ)の単色光源からなるマルチスペクトル光源を使用することによって行うことができる。
【0043】
実施形態では、組織に向けて放出される光を変化させることで、撮像センサモジュールの使用法を改善することができる。図4は、発光モジュール120を使用して実装することができ、撮像センサモジュール130a;130bにおける異なる撮像モード(すなわち、測定されたスペクトル帯域の結果的性質)をもたらしうる、異なる照明スペクトルの表を示している。図4において、表の左側410は、発光モジュールによって放出される波長帯域0~6 440を示している。例えば、図1a/図1bに関連して使用される場合、波長帯域0で放出される光は、相互に分離された複数の波長帯域の外側にある波長帯域の光であってよい。波長帯域1~6は、相互に分離された複数の波長帯域に対応しうる。右側420は、組織が左側410に示されるスペクトルを使用して照明されるときに、それぞれのセンサ430(A=130a;B=130b)で使用される撮像モード(R=反射、F=蛍光)を示している。図1a/図1bに関連して示したように、撮像センサモジュール130a;130bは、相互に分離された複数の波長帯域1~6(のみ)をカバーしている。参照符号450~480は、発光モジュールの異なる動作モードにおいて取得可能な異なるスペクトルを示している。例えば、参照符号450のスペクトルは図1a/図1bの動作モード(3)で放出される光に対応しうるものであり、参照符号460のスペクトルは図1a/図1bの動作モード(1)で放出される光に対応しうるものであり、参照符号470のスペクトルは動作モード(4)に加えて相互に分離された複数の波長帯域の外側にある波長帯域0で放出される光に対応しうるものであり、参照符号480のスペクトルは動作モード(2)で放出される光に対応しうるものである。下方の表は、参照符号410において4つの異なる照明スペクトル(そのうち少なくとも460;470および480は過去に使用されていない)を要約しており、参照符号420において反射または蛍光のどちらが使用されているかを要約している。図4の例では、参照符号450のスペクトルは、反射で測定された3つのスペクトル帯域および蛍光で測定された3つのスペクトル帯域を生じさせており、参照符号460のスペクトルは、反射で測定された6つのスペクトル帯域を生じさせており、参照符号470のスペクトルは、反射で測定された3つのスペクトル帯域および蛍光で測定された3つのスペクトル帯域を生じさせており、参照符号480のスペクトルは、蛍光で測定された6つのスペクトル帯域を生じさせている。
【0044】
図3および/または図4に関連して示されるコンセプトのさらなる詳細および態様は、提案のコンセプトまたは上記もしくは下記の1つ以上の実施例(例えば、図1a/図1bおよび/または図2)に関連して説明される。図3および/または図4に関連して示されるコンセプトは、提案のコンセプトの1つ以上の態様、または上記もしくは下記の1つ以上の実施例に対応する1つ以上の追加の任意選択の特徴を含みうる。
【0045】
いくつかの実施形態は、図1図4のうちの1つ以上に関連して説明したシステムを含む顕微鏡に関する。代替的に、顕微鏡は、図1図4のうちの1つ以上に関連して説明したようなシステムの一部であってもよいし、またはこれに接続されていてもよい。図5は、本明細書に記載の方法を実行するように構成されたシステム500の概略図を示している。システム500は、顕微鏡510とコンピュータシステム520とを含んでいる。顕微鏡510は、撮像するように構成されており、かつコンピュータシステム520に接続されている。コンピュータシステム520は、本明細書に記載された方法の少なくとも一部を実施するように構成されている。コンピュータシステム520は、機械学習アルゴリズムを実行するように構成されていてもよい。コンピュータシステム520と顕微鏡510は別個の存在物であってもよいが、1つの共通のハウジング内に一体化されていてもよい。コンピュータシステム520は、顕微鏡510の中央処理システムの一部であってもよく、かつ/またはコンピュータシステム520は、顕微鏡510のセンサ、アクター、カメラまたは照明ユニット等の、顕微鏡510の従属部品の一部であってもよい。
【0046】
コンピュータシステム520は、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスを備えるローカルコンピュータデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータまたは携帯電話)であってもよく、または分散コンピュータシステム(例えば、ローカルクライアントおよび/または1つまたは複数のリモートサーバファームおよび/またはデータセンター等の様々な場所に分散されている1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスを備えるクラウドコンピューティングシステム)であってもよい。コンピュータシステム520は、任意の回路または回路の組み合わせを含んでいてもよい。1つの実施形態では、コンピュータシステム520は、任意の種類のものとすることができる、1つまたは複数のプロセッサを含んでいてもよい。本明細書で使用されるように、プロセッサは、例えば、顕微鏡または顕微鏡部品(例えばカメラ)のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、グラフィックプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マルチコアプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または任意の他の種類のプロセッサまたは処理回路等のあらゆる種類の計算回路を意図していてもよいが、これらに限定されない。コンピュータシステム520に含まれうる他の種類の回路は、カスタム回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等であってもよく、例えばこれは、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、双方向無線機および類似の電子システム等の無線装置において使用される1つまたは複数の回路(通信回路等)等である。コンピュータシステム520は、ランダムアクセスメモリ(RAM)の形態のメインメモリ等の特定の用途に適した1つまたは複数の記憶素子を含みうる1つまたは複数のストレージデバイス、1つまたは複数のハードドライブおよび/またはコンパクトディスク(CD)、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(DVD)等のリムーバブルメディアを扱う1つまたは複数のドライブ等を含んでいてもよい。コンピュータシステム520はディスプレイ装置、1つまたは複数のスピーカーおよびキーボードおよび/またはマウス、トラックボール、タッチスクリーン、音声認識装置を含みうるコントローラ、またはシステムのユーザーがコンピュータシステム520に情報を入力すること、およびコンピュータシステム520から情報を受け取ることを可能にする任意の他の装置も含んでいてもよい。
【0047】
本明細書で使用されるように、用語「および/または(かつ/または)」は、関連する記載項目のうちの1つまたは複数の項目のあらゆる全ての組み合わせを含んでおり、「/」として略記されることがある。
【0048】
いくつかの態様を装置の文脈において説明してきたが、これらの態様が、対応する方法の説明も表していることが明らかであり、ここではブロックまたは装置がステップまたはステップの特徴に対応している。同様に、ステップの文脈において説明された態様は、対応する装置の対応するブロックまたは項目または特徴の説明も表している。ステップの一部または全部は、例えば、プロセッサ、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータまたは電子回路等のハードウェア装置(またはハードウェア装置を使用すること)によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、極めて重要なステップのいずれか1つまたは複数が、そのような装置によって実行されてもよい。
【0049】
一定の実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装されうる。この実装は、非一過性の記録媒体によって実行可能であり、非一過性の記録媒体は、各方法を実施するために、プログラマブルコンピュータシステムと協働する(または協働することが可能である)、電子的に読取可能な制御信号が格納されている、デジタル記録媒体等であり、これは例えば、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROMおよびEPROM、EEPROMまたはFLASHメモリである。したがって、デジタル記録媒体は、コンピュータ読取可能であってもよい。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法が実施されるように、プログラマブルコンピュータシステムと協働することができる、電子的に読取可能な制御信号を有するデータ担体を含んでいる。
【0051】
一般的に、本発明の実施形態は、プログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品として実装可能であり、このプログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行される際にいずれかの方法を実施するように作動する。このプログラムコードは、例えば、機械可読担体に格納されていてもよい。
【0052】
別の実施形態は、機械可読担体に格納されている、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを含んでいる。
【0053】
したがって、換言すれば、本発明の実施形態は、コンピュータ上で実行される際に本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0054】
したがって、本発明の別の実施形態は、プロセッサによって実行される際に本明細書に記載のいずれかの方法を実施するために、格納されているコンピュータプログラムを含んでいる記録媒体(またはデータ担体またはコンピュータ読取可能な媒体)である。データ担体、デジタル記録媒体または被記録媒体は、典型的に、有形である、かつ/または非一過性である。本発明の別の実施形態は、プロセッサと記録媒体を含んでいる、本明細書に記載されたような装置である。
【0055】
したがって、本発明の別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号シーケンスである。データストリームまたは信号シーケンスは例えば、データ通信接続、例えばインターネットを介して転送されるように構成されていてもよい。
【0056】
別の実施形態は、処理手段、例えば、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するように構成または適合されているコンピュータまたはプログラマブルロジックデバイスを含んでいる。
【0057】
別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するために、インストールされたコンピュータプログラムを有しているコンピュータを含んでいる。
【0058】
本発明の別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを(例えば、電子的にまたは光学的に)受信機に転送するように構成されている装置またはシステムを含んでいる。受信機は、例えば、コンピュータ、モバイル機器、記憶装置等であってもよい。装置またはシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信機に転送するために、ファイルサーバを含んでいてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックデバイス(例えばフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)が、本明細書に記載された方法の機能の一部または全部を実行するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイは、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためにマイクロプロセッサと協働してもよい。一般的に、有利には、任意のハードウェア装置によって方法が実施される。
【符号の説明】
【0060】
100 顕微鏡
110 顕微鏡のための装置
112 インタフェース
114 処理モジュール
120 発光モジュール
130a 撮像センサモジュール
130b 撮像センサモジュール
140 ポリクロイックミラー
150 有機組織の試料
210 発光モジュールを制御する
220 1つ以上の撮像センサモジュールを使用する
310 照明のグラフ
320 センサAのセンサ感度のグラフ
330 センサBのセンサ感度のグラフ
410 発光モジュールが放出する光の波長帯域
420 波長帯域におけるセンサA/Bの撮像モード
430 センサAまたはセンサB
440 波長帯域
450,460,470,480 光スペクトルおよび対応する撮像モード
500 システム
510 顕微鏡
520 コンピュータシステム
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】