(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-09
(54)【発明の名称】フリップトップ式クロージャ
(51)【国際特許分類】
B65D 43/24 20060101AFI20221202BHJP
【FI】
B65D43/24 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521368
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2022-06-06
(86)【国際出願番号】 US2020053502
(87)【国際公開番号】W WO2021071716
(87)【国際公開日】2021-04-15
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517319813
【氏名又は名称】クロージャー・システムズ・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】CLOSURE SYSTEMS INTERNATIONAL INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【氏名又は名称】村瀬 成康
(72)【発明者】
【氏名】ミガス,エレミヤ
(72)【発明者】
【氏名】レナーツ,マリナ
(72)【発明者】
【氏名】モーリン,ジェレミー
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AB01
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB03
3E084DB13
3E084FA02
3E084GA06
3E084GB06
3E084GB08
3E084KA13
3E084KA16
(57)【要約】
フリップトップ式クロージャ(10)は第1及び第2のポリマー製クロージャ部(12、14)を含む。第1のクロージャ部(12)は、上壁部(22)と密封機構(24)と環状スカート部(30)とを含む。第2のクロージャ部(14)は不正開封明示バンド(40)を含む。クロージャ部(12、14)は脆弱な線によって取り付けられている。クロージャ部(12、14)はさらにヒンジ(16)によって取り付けられている。ヒンジ(16)は、ロッキングタブ(50)と可撓性タブ(52)と連結セグメント(54a、54b)とを含む。閉位置においてロッキングタブ(50)は、クロージャ(10)の中心から、可撓性タブ(52)および連結セグメント(54a、54b)よりも外方に延びている。フリップトップ式クロージャ(10)が開位置に移動する間、ロッキングタブ(50)は可撓性タブ(52)を移動させて可撓性タブ(52)を通過し、それによりフリップトップ式クロージャ(10)は完全に開いた位置でロックされる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリップトップ式クロージャであって、
ポリマー製上壁部と、前記ポリマー製上壁部から下方に延びる密封機構と、ポリマー製環状スカート部とを含む第1のクロージャ部と、
ポリマー製不正開封明示バンドを含む第2のクロージャ部と、
を備え、
前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とは脆弱な線によって取り付けられており、
前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とはさらにヒンジを介して取り付けられており、前記ヒンジは前記クロージャを開位置と閉位置との間で移動させる補助となり、前記ヒンジはポリマー製ロッキングタブとポリマー製可撓性タブと複数のポリマー製連結セグメントとを含み、前記閉位置において前記ロッキングタブは前記フリップトップ式クロージャの中心から、前記可撓性タブおよび前記複数の連結セグメントよりも外方に延びており、
前記フリップトップ式クロージャが前記開位置に移動する間、前記ロッキングタブは前記可撓性タブを移動させて前記可撓性タブを通過するように構成されており、それにより前記フリップトップ式クロージャが完全に開いた位置でロックされ、前記ロッキングタブは前記完全に開いた位置で容器の口部に接するように構成されている、
フリップトップ式クロージャ。
【請求項2】
前記密封機構は第1の端部と、前記第1の端部よりも前記ポリマー製上壁部から離れた位置にある第2の端部とを含み、前記ポリマー製連続プラグシールは前記第2の端部に少なくとも1つの係合バンプを含むことにより、前記フリップトップ式クロージャを前記閉位置に嵌める補助となる、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項3】
前記クロージャは概して円筒形状であり、一体型のクロージャである、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項4】
前記複数の連結セグメントは2つの連結セグメントであり、前記2つの連結セグメントの間に前記ロッキングタブと前記可撓性タブとが配置されている、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項5】
前記可撓性タブは、前記容器の外向き突出部に接するように構成された内向き突出部を含み、それにより前記フリップトップ式クロージャと前記容器とが固定される、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項6】
前記第1のクロージャ部は、前記ポリマー製上壁部から下方に延びることにより前記容器の前記口部に前記フリップトップ式クロージャを位置決めする補助となるポリマー製上係止部をさらに含む、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項7】
前記第1のクロージャ部は、前記容器の前記口部を外側から密封する補助となるポリマー製外シールをさらに含む、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項8】
ポリオレフィンを含む、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項9】
前記ヒンジは少なくとも約200度フリップするように構成されている、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項10】
前記ヒンジは少なくとも約225度フリップするように構成されている、請求項9に記載のクロージャ。
【請求項11】
前記ヒンジは最大約235度フリップするように構成されている、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項12】
前記ヒンジは約200度と約225度との間の角度だけフリップするように構成されている、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項13】
前記密封機構はポリマー製連続プラグシールである、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項14】
前記第1のクロージャ部は、前記ポリマー製環状スカート部から延びて、前記フリップトップ式クロージャを前記開位置と前記閉位置との間で移動させる補助となる強制開封タブをさらに含む、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項15】
前記ロッキングタブは前記ヒンジの他の部分よりも高い位置にある部分を含む、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項16】
パッケージであって、
開口部を規定するネック部を有し、前記ネック部上に外向き突出部を有する容器と、
前記容器の前記ネック部に固定されるように構成されたフリップトップ式クロージャであって、前記フリップトップ式クロージャは第1のクロージャ部と第2のクロージャ部とを含み、前記第1のクロージャ部はポリマー製上壁部と、前記ポリマー製上壁部から下方に延びる密封機構と、ポリマー製環状スカート部とを含み、前記第2のクロージャ部はポリマー製不正開封明示バンドを含む、フリップトップ式クロージャと、
を備え、
前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とは脆弱な線によって取り付けられており、
前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とはさらにヒンジを介して取り付けられており、前記ヒンジは前記クロージャを開位置と閉位置との間で移動させる補助となり、前記ヒンジはポリマー製ロッキングタブとポリマー製可撓性タブと複数のポリマー製連結セグメントとを含み、前記閉位置において前記ロッキングタブは前記フリップトップ式クロージャの中心から、前記可撓性タブおよび前記複数の連結セグメントよりも外方に延びており、
前記フリップトップ式クロージャが前記開位置に移動する間、前記ロッキングタブは前記可撓性タブを移動させて前記可撓性タブを通過するように構成されており、それにより前記フリップトップ式クロージャが完全に開いた位置でロックされ、前記ロッキングタブは前記完全に開いた位置で前記容器の前記ネック部に接するように構成されている、
パッケージ。
【請求項17】
前記可撓性タブは、前記容器の外向き突出部に接することにより前記フリップトップ式クロージャと前記容器とを固定するように構成された内向き突出部を含む、請求項16に記載のパッケージ。
【請求項18】
前記第1のクロージャ部は、前記ポリマー製上壁部から下方に延びることにより前記容器の口部に前記フリップトップ式クロージャを位置決めする補助となるポリマー製上係止部と、前記容器の前記口部を外側から密封する補助となるポリマー製外シールとをさらに含む、請求項16に記載のパッケージ。
【請求項19】
前記ヒンジは少なくとも約200度フリップするように構成されている、請求項16に記載のパッケージ。
【請求項20】
前記ヒンジは少なくとも約225度フリップするように構成されている、請求項19に記載のパッケージ。
【請求項21】
前記ヒンジは最大約235度フリップするように構成されている、請求項16に記載のパッケージ。
【請求項22】
フリップトップ式クロージャであって、
ポリマー製上壁部と、前記ポリマー製上壁部から下方に延びる密封機構と、ポリマー製環状スカート部とを含む第1のクロージャ部と、
ポリマー製不正開封明示バンドを含む第2のクロージャ部と、
を備え、
前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とは脆弱な線によって取り付けられており、
前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とはさらにヒンジを介して取り付けられており、前記ヒンジは前記クロージャを開位置と閉位置との間で移動させる補助となり、前記ヒンジはポリマー製ロッキングタブとポリマー製可撓性タブと複数のポリマー製連結セグメントとを含み、前記閉位置において前記ロッキングタブは前記フリップトップ式クロージャの中心から、前記可撓性タブおよび前記複数の連結セグメントよりも外方に延びており、
前記フリップトップ式クロージャが前記開位置に移動する間、前記ロッキングタブは前記可撓性タブを移動させて前記可撓性タブを通過するように構成されており、それにより前記前記フリップトップ式クロージャが完全に開いた位置でロックされ、前記ロッキングタブは前記完全に開いた位置で前記可撓性タブに接するように構成されている、
フリップトップ式クロージャ。
【請求項23】
前記第1のクロージャ部は、前記ポリマー製上壁部から下方に延びることにより容器の口部に前記フリップトップ式クロージャを位置決めする補助となるポリマー製上係止部と、前記容器の前記口部を外側から密封する補助となるポリマー製外シールとをさらに含む、請求項22に記載のクロージャ。
【請求項24】
前記ヒンジは少なくとも約200度フリップするように構成されている、請求項22に記載のクロージャ。
【請求項25】
前記ヒンジは少なくとも約225度フリップするように構成されている、請求項24に記載のクロージャ。
【請求項26】
前記ヒンジは最大約235度フリップするように構成されている、請求項22に記載のクロージャ。
【請求項27】
前記密封機構はポリマー製連続プラグシールである、請求項22に記載のクロージャ。
【請求項28】
前記ロッキングタブは前記ヒンジの他の部分よりも高い位置にある部分を含む、請求項22に記載のクロージャ。
【請求項29】
パッケージであって、
開口部を規定するネック部を有し、前記ネック部上に外向き突出部を有する容器と、
前記容器の前記ネック部に固定されるように構成されたフリップトップ式クロージャであって、前記フリップトップ式クロージャは第1のクロージャ部と第2のクロージャ部とを含み、前記第1のクロージャ部はポリマー製上壁部と、前記ポリマー製上壁部から下方に延びる密封機構と、ポリマー製環状スカート部とを含み、前記第2のクロージャ部はポリマー製不正開封明示バンドを含む、フリップトップ式クロージャと、
を備え、
前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とは脆弱な線によって取り付けられており、
前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とはさらにヒンジを介して取り付けられており、前記ヒンジは前記クロージャを開位置と閉位置との間で移動させる補助となり、前記ヒンジはポリマー製ロッキングタブとポリマー製可撓性タブと複数のポリマー製連結セグメントとを含み、前記閉位置において前記ロッキングタブは前記フリップトップ式クロージャの中心から、前記可撓性タブおよび前記複数の連結セグメントよりも外方に延びており、
前記フリップトップ式クロージャが前記開位置に移動する間、前記ロッキングタブは前記可撓性タブを移動させて前記可撓性タブを通過するように構成されており、それにより前記フリップトップ式クロージャが完全に開いた位置でロックされ、前記ロッキングタブは前記完全に開いた位置で前記可撓性タブに接するように構成されている、
パッケージ。
【請求項30】
前記可撓性タブは、前記容器の外向き突出部に接することにより前記フリップトップ式クロージャと前記容器とを固定するように構成された内向き突出部を含む、請求項29に記載のパッケージ。
【請求項31】
フリップトップ式クロージャであって、
第1のクロージャ部と第2のクロージャ部とを備え、
前記第1のクロージャ部は、
ポリマー製上壁部と、
前記ポリマー製上壁部から下方に延びるポリマー製連続プラグシールと、
ポリマー製環状スカート部と、
前記ポリマー製環状スカート部から延びて、前記フリップトップ式クロージャを開位置と閉位置との間で移動させる補助となる強制開封タブと、
を含み、
前記第2のクロージャ部は、
ポリマー製不正開封明示バンドを含み、
前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とは脆弱な線によって取り付けられており、
前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とはさらにヒンジを介して取り付けられており、前記ヒンジは前記クロージャを前記開位置と前記閉位置との間で移動させる補助となり、前記ヒンジはポリマー製ロッキングタブとポリマー製可撓性タブと複数のポリマー製連結セグメントとを含み、前記閉位置において前記ロッキングタブは前記フリップトップ式クロージャの中心から、前記可撓性タブおよび前記複数の連結セグメントよりも外方に延びており、
前記フリップトップ式クロージャが前記開位置に移動する間、前記ロッキングタブは前記可撓性タブを移動させて前記可撓性タブを通過するように構成されており、それにより前記フリップトップ式クロージャが完全に開いた位置でロックされ、前記ロッキングタブは前記完全に開いた位置で容器の口部に接するように構成されている、
フリップトップ式クロージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は2019年10月7日に出願された米国仮特許出願第62/911,449号に基づく優先権を主張しており、その全体を参考のため本明細書中に援用する。
【0002】
本発明は概してパッケージ用ポリマー製クロージャに関し、特に不正開封明示要素を有するヒンジ型フリップトップ式ポリマー製クロージャに関する。
【背景技術】
【0003】
ポリマー製クロージャは長年に亘って多くの用途で容器に用いられてきた。容器に用いられてきたポリマー製クロージャの一種として不正開封明示ポリマー製クロージャがある。不正開封明示クロージャは、それが開封された場合に目に見える指示物をユーザに提供することにより不正開封を防止または抑制する目的で用いられる。この目に見える指示物は、典型的には不正開封明示要素が壊された場合にクロージャを2つの部分に分割する。
【0004】
不正開封明示要素は、フリップトップ式クロージャであるポリマー製クロージャに用いられてきた。いくつかのフリップトップ式クロージャは、蓋を含む上部不正開封明示要素と基部の底面上にある下部不正開封明示要素とを有する。これらのフリップトップ式クロージャの潜在的欠点は、上部不正開封明示要素がクロージャの他の部分から分離していること、および/または不正開封される蓋然性が高いことである。たとえば上部不正開封明示要素は、クロージャの他の部分から分離して捨てることが可能な「プルアウェイ」または「ブレークアウェイ」型要素であり得る。これらの上部不正開封明示要素は不正開封される蓋然性が比較的高い外付け要素である。
【0005】
上部不正開封明示要素がクロージャの他の部分から分離されて2つの部分になる場合、フリップトップ式クロージャの一部がクロージャの他の部分および容器と共にリサイクルされる蓋然性は低い。2つ以上の部分に分割可能な不正開封明示要素を有する容器は非常に多いため、このことは環境面での懸念を生む。
【0006】
フリップトップ式クロージャに関する別の問題点は、ユーザが容器の中味にアクセスしている間、いかにしてクロージャを開いたままにするかということである。フリップトップ式クロージャがまだ複数の部分に分割されてない状態でこれを達成することが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これら上記の環境面での懸念を解決し、同時に、ユーザが容器の中味にアクセスしている間クロージャを開いたままにし、さらにクロージャに望まれる特性のすべてを有する、不正開封明示要素付きフリップトップ式クロージャを提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態によると、フリップトップ式クロージャは、第1のクロージャ部と第2のクロージャ部とを含む。前記第1のクロージャ部は、ポリマー製上壁部と、前記ポリマー製上壁部から下方に延びる密封機構と、ポリマー製環状スカート部とを含む。前記第2のクロージャ部は、ポリマー製不正開封明示バンドを含む。前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とは脆弱な線によって取り付けられている。前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とはさらにヒンジを介して取り付けられている。前記ヒンジは前記クロージャを開位置と閉位置との間で移動させる補助となる。前記ヒンジはポリマー製ロッキングタブとポリマー製可撓性タブと複数のポリマー製連結セグメントとを含む。前記閉位置において前記ロッキングタブは前記フリップトップ式クロージャの中心から、前記可撓性タブおよび前記複数の連結セグメントよりも外方に延びている。前記フリップトップ式クロージャが前記開位置に移動する間、前記ロッキングタブは前記可撓性タブを移動させて前記可撓性タブを通過するように構成されており、それにより前記フリップトップ式クロージャが完全に開いた位置でロックされ、前記ロッキングタブは前記完全に開いた位置で容器の口部に接するように構成されている、
【0009】
一実施形態によると、パッケージは、容器とフリップトップ式クロージャとを含む。前記容器は、開口部を規定するネック部を有する。前記容器は、前記ネック部上に外向き突出部を有する。前記フリップトップ式クロージャは、前記容器の前記ネック部に固定されるように構成されている。前記フリップトップ式クロージャは第1のクロージャ部と第2のクロージャ部とを含む。前記第1のクロージャ部はポリマー製上壁部と、前記ポリマー製上壁部から下方に延びる密封機構と、ポリマー製環状スカート部とを含む。前記第2のクロージャ部はポリマー製不正開封明示バンドを含む。前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とは脆弱な線によって取り付けられている。前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とはさらにヒンジを介して取り付けられている。前記ヒンジは前記クロージャを開位置と閉位置との間で移動させる補助となる。前記ヒンジはポリマー製ロッキングタブとポリマー製可撓性タブと複数のポリマー製連結セグメントとを含む。前記閉位置において前記ロッキングタブは前記フリップトップ式クロージャの中心から、前記可撓性タブおよび前記複数の連結セグメントよりも外方に延びている。前記フリップトップ式クロージャが前記開位置に移動する間、前記ロッキングタブは前記可撓性タブを移動させて前記可撓性タブを通過するように構成されており、それにより前記フリップトップ式クロージャが完全に開いた位置でロックされ、前記ロッキングタブは前記完全に開いた位置で前記容器の前記ネック部に接するように構成されている。
【0010】
一実施形態によると、フリップトップ式クロージャは、第1のクロージャ部と第2のクロージャ部とを含む。前記第1のクロージャ部は、ポリマー製上壁部と、前記ポリマー製上壁部から下方に延びる密封機構と、ポリマー製環状スカート部とを含む。前記第2のクロージャ部は、ポリマー製不正開封明示バンドを含む。前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とは脆弱な線によって取り付けられている。前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とはさらにヒンジを介して取り付けられている。前記ヒンジは前記クロージャを開位置と閉位置との間で移動させる補助となる。前記ヒンジはポリマー製ロッキングタブとポリマー製可撓性タブと複数のポリマー製連結セグメントとを含む。前記閉位置において前記ロッキングタブは前記フリップトップ式クロージャの中心から、前記可撓性タブおよび前記複数の連結セグメントよりも外方に延びている。前記フリップトップ式クロージャが前記開位置に移動する間、前記ロッキングタブは前記可撓性タブを移動させて前記可撓性タブを通過するように構成されており、それにより前記前記フリップトップ式クロージャが完全に開いた位置でロックされ、前記ロッキングタブは前記完全に開いた位置で前記可撓性タブに接するように構成されている。
【0011】
別の実施形態によると、パッケージは、容器と、フリップトップ式クロージャとを含む。前記容器は、開口部を規定するネック部を有する。前記容器は、前記ネック部上に外向き突出部を有する。前記フリップトップ式クロージャは、前記容器の前記ネック部に固定されるように構成されている。前記フリップトップ式クロージャは第1のクロージャ部と第2のクロージャ部とを含む。前記第1のクロージャ部はポリマー製上壁部と、前記ポリマー製上壁部から下方に延びる密封機構と、ポリマー製環状スカート部とを含む。前記第2のクロージャ部はポリマー製不正開封明示バンドを含む。前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とは脆弱な線によって取り付けられている。前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とはさらにヒンジを介して取り付けられている。前記ヒンジは前記クロージャを開位置と閉位置との間で移動させる補助となり、前記ヒンジはポリマー製ロッキングタブとポリマー製可撓性タブと複数のポリマー製連結セグメントとを含む。前記閉位置において前記ロッキングタブは前記フリップトップ式クロージャの中心から、前記可撓性タブおよび前記複数の連結セグメントよりも外方に延びている。前記フリップトップ式クロージャが前記開位置に移動する間、前記ロッキングタブは前記可撓性タブを移動させて前記可撓性タブを通過するように構成されており、それにより前記フリップトップ式クロージャが完全に開いた位置でロックされ、前記ロッキングタブは前記完全に開いた位置で前記可撓性タブに接するように構成されている。
【0012】
一実施形態によると、フリップトップ式クロージャは、第1のクロージャ部と第2のクロージャ部とを含む。前記第1のクロージャ部は、ポリマー製上壁部と、前記ポリマー製上壁部から下方に延びるポリマー製連続プラグシールと、ポリマー製環状スカート部と、前記ポリマー製環状スカート部から延びて、前記フリップトップ式クロージャを開位置と閉位置との間で移動させる補助となる強制開封タブとを含む。前記第2のクロージャ部は、ポリマー製不正開封明示バンドを含む。前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とは脆弱な線によって取り付けられている。前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とはさらにヒンジを介して取り付けられている。前記ヒンジは前記クロージャを開位置と閉位置との間で移動させる補助となる。前記ヒンジはポリマー製ロッキングタブとポリマー製可撓性タブと複数のポリマー製連結セグメントとを含む。前記閉位置において前記ロッキングタブは前記フリップトップ式クロージャの中心から、前記可撓性タブおよび前記複数の連結セグメントよりも外方に延びている。前記フリップトップ式クロージャが前記開位置に移動する間、前記ロッキングタブは前記可撓性タブを移動させて前記可撓性タブを通過するように構成されており、それにより前記フリップトップ式クロージャが完全に開いた位置でロックされ、前記ロッキングタブは前記完全に開いた位置で容器の口部に接するように構成されている。
【0013】
上記サマリーは本発明の各実施形態を表したり全ての局面を表したりすることを意図したものではない。本発明のさらなる特徴および利点は以下の詳細な説明および図面から明らかである。
【0014】
本発明のその他の利点は以下の詳細な説明を読み図面を参照することによって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】
図1Aは、一実施形態による閉位置にあるフリップトップ式クロージャを上から見た斜視図である。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【
図2A】
図2Aは、一実施形態による閉位置にあるパッケージであって、
図1Aのフリップトップ式クロージャと容器とを含むパッケージを上から見た斜視図である。
【0021】
【0022】
【
図3A】
図3Aは、
図2Aの2B-2B線に概して沿った模式的断面図であって、3つの異なる位置(位置A-C)を示す図である(明瞭化のためにクロージャ内の要素は省略している)。
【0023】
【
図3B】
図3Bは、
図3A中の領域3Bの拡大図であって、位置Aにおけるロッキングタブと可撓性タブと容器の口部との相互作用を示す図である。
【0024】
【
図3C】
図3Cは、
図3A中の領域3Bの拡大図であって、位置Bにおけるロッキングタブと可撓性タブと容器の口部との相互作用を示す図である。
【0025】
【
図3D】
図3Dは、
図3A中の領域3Bの拡大図であって、位置Cにおけるロッキングタブと可撓性タブと容器の口部との相互作用を示す図である。
【0026】
【
図4A】
図4Aは、
図2Aの2B-2B線に概して沿った模式的断面図であって、4つの異なる位置(位置C-EおよびA)を示す図である(明瞭化のためにクロージャ内の要素は省略している)。
【0027】
【
図4B】
図4Bは、
図4A中の領域4Bの拡大図であって、位置Dにおけるロッキングタブと可撓性タブと容器の口部との相互作用を示す図である。
【0028】
【
図4C】
図4Cは、
図4A中の領域4Bの拡大図であって、位置Eにおけるロッキングタブと可撓性タブと容器の口部との相互作用を示す図である。
【0029】
【
図5A】
図5Aは、別の実施形態による、開位置でのロッキングタブと可撓性タブと容器の口部との相互作用を示す拡大図である。
【0030】
【
図5B】
図5Bは、さらなる別の実施形態による、開位置でのロッキングタブと可撓性タブと容器の口部との相互作用を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は様々な改変および変更をすることができるが、特定の実施形態を図面に示す例によって示し、本明細書に詳細に説明する。但し本発明を本明細書に開示する特定の形態に限定する意図はなく、むしろ本発明は添付の請求の範囲に規定する本発明の思想および範囲に含まれるすべての改変、均等物および変更を含むことを意図していると理解されたい。
【0032】
図1Aから
図1Eは、本発明の一実施形態によるポリマー製フリップトップ式クロージャ10を示す。クロージャは、製品を収容する容器またはボトル上に載置されるように構成されている。製品は典型的には液体であるが、固体または液体と固体との組み合わせであってもよい。
図1Aから
図1Eのポリマー製フリップトップ式クロージャ10は概して円筒形状を有している。フリップトップ式クロージャは、容器から分離しない状態を維持して環境廃棄物を減らす補助となるように構成されており、しかも望ましい不正開封明示要素を提供し且つユーザが容器の中味にアクセスしている間は開いた位置に維持される。
【0033】
図1Aから
図1Eをさらに参照する。ポリマー製フリップトップ式クロージャ10は、第1のクロージャ部または蓋12と第2のクロージャ部または基部14とを含む。フリップトップ式クロージャ10は一体型(one-piece)のクロージャである。第1のクロージャ部12と第2のクロージャ部14とはヒンジ16を介して接続されている。
【0034】
図1Eに最も判りやすく示すように第1のクロージャ部12は、ポリマー製上壁部22とポリマー製連続プラグシール24とポリマー製上係止部26とポリマー製外シール28とポリマー製環状スカート部30と強制開封タブ32とを含む。第2のクロージャ部14は、ポリマー製不正開封明示バンド40を含む。
【0035】
図1Eに示すように、ポリマー製連続プラグシール24はポリマー製上壁部22から下方に延びており、内側密封機構を提供している。フリップトップ式クロージャ10が閉位置にあるとき、連続プラグシール24はポリマー製環状スカート部30の内面30aから離れている。一実施形態では、ポリマー製連続プラグシールは係合バンプを含み得る。ポリマー製連続プラグシール24は第1の端部24aと第2の端部24bとを含む。第2の端部24bは第1の端部24aよりもポリマー製上壁部22から離れた位置にある。ポリマー製連続プラグシール24は第2の端部24bに少なくとも1つの係合バンプ24cを含んでおり、それにより第1のクロージャ部12を容器に嵌める補助となる。フリップトップ式クロージャ10が閉位置に嵌ったときに係合バンプ24cが耳に聞こえる音を出してユーザに知らせることが望ましい。
【0036】
ポリマー製上係止部26はポリマー製上壁部22から下方に延びている。フリップトップ式クロージャ10が
図1Eに示すような閉位置にあるとき、ポリマー製上係止部26はポリマー製環状スカート部30の内面30aから離れている。容器の口部とクロージャとが互いにロックされたとき、ポリマー製上係止部26は明確な係止を提供する補助となる。このように、容器の口部とクロージャとが互いに配置されたとき、上係止部26は容器の口部とクロージャとを位置決めする補助となる。上係止部26は典型的には連続している。別の実施形態では、上係止部は非連続であってもよいと考えられる。
【0037】
ポリマー製外シール28はポリマー製上壁部22から下方に延びており、外側密封機構を提供している。フリップトップ式クロージャ10が
図1Eに示すような閉位置にあるとき、ポリマー製外シール28はポリマー製環状スカート部30の内面30aから離れている。
【0038】
別の実施形態では、フリップトップ式クロージャは他の密封機構を含み得る。たとえばクロージャは、クロージャを密封するポリマー製ライニング材を含み得る。この実施形態では、クロージャは別々の部分から形成されるが、密封機構が異なる以外は上記の一体型クロージャとして機能する。別の実施形態では、クロージャはポリマー製外シールを含み得、連続プラグシールは付いていても付いていなくてもよい。
【0039】
第2のクロージャ部14は、ポリマー製不正開封明示バンド40を含む。ポリマー製不正開封明示バンド40は
図1Dに最も判りやすく示すように、ポリマー製環状スカート部30から下方に延びており、壊れやすい接続部42を介してポリマー製環状スカート部30と少なくとも部分的に取り外し可能に接続されている。壊れやすい接続部42は実質的に容器の縁を囲むように延びている。壊れやすい接続部は典型的にはクロージャの縁の約60%から約90%の部分に亘って延びている。より特定すると、壊れやすい接続部はクロージャの縁の約70%から約90%の部分に亘って延びている。
【0040】
図1Aから
図1Eを再び参照する。クロージャ10のポリマー製不正開封明示バンド40はその底部(すなわちポリマー製上壁部22とは反対側の端部)に配置されている。
図1Aおよび
図1Cから
図1Eより判るように、ポリマー製不正開封明示バンド40は下部の不正開封明示要素である。ポリマー製不正開封明示バンド40は容器と共に作用して、容器の中味に対するアクセスがあったかもしれないことをユーザに示す。より具体的には、ポリマー製不正開封明示バンド40は、ユーザがヒンジ16を介してフリップトップ式クロージャをフリップすることによりパッケージを開封した場合に、環状スカート部30から部分的に分離するように設計されている。
【0041】
第1のクロージャ部12と第2のクロージャ部14とはヒンジ16によって取り付けられている。ヒンジ16はフリップトップ式クロージャ10を開位置と閉位置との間で移動させる補助となる。
図1Aから
図1Eではヒンジ16は閉位置にある。
図3Aから
図3Dおよび
図4Aから
図4Cを参照して後述するように、ヒンジ16は
図3Aの矢印Aに概して沿って閉位置から開位置にフリップし、且つ
図4Aの矢印Bに概して沿って開位置から閉位置にフリップするように構成されている。
図1Eおよび
図3Bに示すように、ヒンジ16はクロージャ10の他の部分よりも外側に配置されている。ヒンジ16はさらにクロージャ10の他の部分よりも高い位置にある。このことは
図1Eに示しており、上面16aがクロージャ10の他の部分よりも高い位置にある。
【0042】
ヒンジ16が閉位置から開位置までフリップまたは回転する角度は、少なくとも約200度または約215度が望ましく、少なくとも約225度または約235度がさらに望ましい。ヒンジ16は最大約215度または約225度フリップまたは回転し得る。ヒンジ16は最大約235度フリップまたは回転するのが望ましい。ヒンジは典型的には約190度から約235度までの範囲の角度だけ、より特定すると約190度から約225度までの範囲の角度だけフリップまたは回転する。
【0043】
図1Cを再び参照する。ヒンジ16はロッキングタブ50と可撓性タブ52と複数の連結セグメント54a、54bとを含む。ロッキングタブ50は後に詳述する下面50a(
図1E)を有する。
図1Eおよび
図3Bに最も判りやすく示すように、閉位置においてロッキングタブ50はフリップトップ式クロージャ10の中心から、可撓性タブ52および複数の連結セグメント54a、54bよりも外側に延びている。ロッキングタブ50は下面50aにさらなる強度と支持を与えるために、ヒンジ16の他の部分よりも上がった又はヒンジ16の他の部分よりも厚い部分50bをさらに含む。このことは
図3Bに最も判りやすく示しており、上がった又は厚い部分50bの高さH1はヒンジ16の他の部分の高さH2より大きい。上がった部分50bはさらに、フリップトップ式クロージャ10を開閉するプロセス中に可撓性タブ52に接する補助となる。この上がった部分50bは、クロージャ10を閉じたときに不正開封明示バンド40がクロージャ10の他の部分から誤って引き抜かれるのを防止または抑制する補助となる。
【0044】
一実施形態では、壊れやすい接続部42は橋状成形(molded-in-bridges)で形成され得る。橋状成形は典型的にはモールド内の要素を用いて形成する。別の実施形態では壊れやすい接続部は、刻み目をつけること又は刻み線(scoring or scored lines)、切り欠き(notches)、破線(leader)、切れ目(nick)またはその他の脆弱な線を用いて形成され得る。脆弱な線は連続的にスリットを形成することにより形成されてもよい。
【0045】
図2Aおよび
図2Bを参照して、パッケージを構成するフリップトップ式クロージャおよび容器の一実施形態であって、本発明を限定しない実施形態を示し説明する。
【0046】
クロージャ10は、
図2Aおよび
図2Bのパッケージ100を形成するために用いられる容器108と共に用いられ得る。容器108は開口部を規定するネック部102を含む。容器108のネック部102は連続外リング110である。連続外リング110は、壊れやすい接続部42が壊されたときに容器108のネック部102上に不正開封明示バンド40を位置づける補助となる。以下に詳述するように、クロージャ10は容器108のネック部102上に載置され、ネック部102にロックされる。
【0047】
本発明のフリップトップ式クロージャは酸素捕捉剤を含み得る。酸素捕捉剤はクロージャ内全体に分布していてもよいし、別の層であってもよい。酸素捕捉剤は、容器の中味にほとんど又は全く影響を与えることなく容器内の酸素を除去する補助となるものであれば、いかなる材料であってもよい。
【0048】
フリップトップ式クロージャは、上記の材料に代えて又は上記の材料に加えて酸素バリア剤を含んでもよい。酸素バリア剤は別の層として加えられてもよいし、クロージャ自体と一体化されてもよい。酸素バリア剤は、酸素がクロージャを介して容器内に入ることを防止または抑制する補助となる。これらの材料はエチレンビニルアルコール(EVOH)を含み得るが、これに限られない。他の酸素バリア剤をクロージャ内で用いてもよいと考えられる。
【0049】
さらに、上記のクロージャ内には他の要素が含まれてもよいと考えられる。たとえば米国特許公開公報第2018/009979号、米国特許公開公報第2017/0349336号、米国特許第9,126,726号、米国特許第9,085,385号、米国特許第8,763,830号、米国特許第8,485,374号、米国特許公開公報第2009/0045158号および米国特許第6,123,212号はすべて、本発明のクロージャに組み込まれ得る要素を含む。これらの文献はその全体を参考のため本明細書中に援用する。
【0050】
上壁部22、連続プラグシール24、上係止部26、外シール28および環状スカート部30はポリマー材料により形成される。上壁部22、連続プラグシール24、上係止部26、外シール28および環状スカート部30は典型的にはオレフィン(たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP))、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはこれらの混合物により形成される。ポリエチレンの一例は高密度ポリエチレン(HDPE)で用いられ得る。上壁部、連続プラグシール、上係止部、外シールおよび環状スカート部は他のポリマー材料で形成されてもよいと考えられる。不正開封明示バンド40は典型的には上壁部22、連続プラグシール24、上係止部26、外シール28および環状スカート部30と同じ材料により形成される。
【0051】
ポリマー材料は、核剤、滑剤、生物ベースの充填剤(たとえば、おがくず、デンプン)および鉱物ベースの充填剤(たとえば、炭酸カルシウム、タルク)など追加の成分を含んでもよいと考えられる。ポリマー材料は消費者リサイクル済み樹脂から形成してもよい。
【0052】
クロージャは典型的には、射出成型、圧縮成形、押出成形またはこれらの組み合わせなどのプロセスによって形成される。
【0053】
容器108もまた典型的にはポリマー材料により形成される。ポリマー製容器の形成に用いられる材料であって本発明を限定しない材料の例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)またはこれらの混合物である。容器は他のポリマー材料またはコポリマー材料により形成されてもよいと考えられる。さらに容器はガラスまたは他の材料により形成されてもよいと考えられる。容器108は典型的には、密閉された酸素バリア層またはこれに組み込まれた酸素バリア材料を有する。
【0054】
容器108を開けてその中の製品にアクセスする一方法によると、まず第1のクロージャ部12を第2のクロージャ部14に対して回転またはフリップさせる。その結果、壊れやすい接続部42を介する破壊および分離が起こる。回転またはフリップは
図3Aに示している。
図3Aでは位置Aが閉位置であり、位置Cが完全に開いた位置である。位置Bは閉位置と開位置との間の中間位置である。
【0055】
矢印Aに沿ってフリップトップ式クロージャ10を移動させ、閉位置から開位置まで少なくとも約200度または約215度、より望ましくは少なくとも約225度または約235度フリップまたは回転させる。ヒンジ16は最大約215度または約225度フリップまたは回転し得る。ヒンジ16は最大約235度フリップまたは回転するのが望ましい。ヒンジは典型的には約190度から約235度までの範囲の角度だけ、より特定すると約190度から約225度までの範囲の角度だけフリップまたは回転する。
【0056】
図3Bに、閉位置(位置A)におけるロッキングタブ50と可撓性タブ52との関係を示す。
図3Bに示すように、ロッキングタブ50の下面50aは、容器108の上面108aの上方にあり上面108aから離れている。この位置(位置A)において、ロッキングタブ50は可撓性タブ52から離れている。ロッキングタブ50と可撓性タブ52との間の距離L1は概して約0.02インチから約0.2インチであり、より特定すると約0.2インチから約0.1インチである。
【0057】
可撓性タブ52は内向き突出部52bを含み、内向き突出部52bは容器108の外向き突出部に接するように構成されており、それによりフリップトップ式クロージャ10と容器108とが固定およびロックされる。内向き突出部と外向き突出部とは連続していてもよいし非連続でもよい。クロージャと容器とは当該分野で公知の他の方法により固定およびロックされてもよいと考えられる。たとえばクロージャと容器とは、連続する折り曲げ型バンド、タブまたはウィングによって固定およびロックされてもよい。
【0058】
フリップトップ式クロージャ10が位置Aから位置B(
図3C)に移動する間に、ロッキングタブ50が可撓性タブ52に接する。ロッキングタブ50が回転し続けると、ロッキングタブ50の側面50cが可撓性タブ52の上面52aに接する。このことは位置Bを示す
図3Cに示す。ロッキングタブ50は、位置Bから位置Cまで回転し続ける間に可撓性タブ52上で回転または回動し、最終的に可撓性タブ52から離れる。
図3Dに示すロッキングタブ50は、容器108の上面108aに接している。
【0059】
図3Dは、ロッキングタブ50が可撓性タブ52から少し離れている様子を示す。ユーザが容器の中味にアクセスすると、ロッキングタブ50はロックされて定位置に嵌り、開位置すなわちフリップした位置に留まる。
【0060】
図4Aから
図4Cは、完全に開いた位置(位置C)ならびに、そこから矢印Bに沿って閉位置に戻る前の位置Dおよび位置Eを示す。
図4B(位置D)は、可撓性タブ52から離れる直前のロッキングタブ50を示す。
図4Bに示すように、ロッキングタブ50が移動している間、可撓性タブ52は容器108から外方に屈曲している。可撓性タブ52のこの外方への撓みを矢印Cの方向によって示す。可撓性タブ52のこの外方への撓みは、ロッキングタブ50が接触するときに強制されるものである。具体的には、ロッキングタブ50からの力F2は可撓性タブ52からの力F1よりも大きく、その結果、可撓性タブ52が外方(すなわち容器108から離れる方向)に撓む。
【0061】
フリップトップ式クロージャ10が位置Dから位置Eに移動する間に、ロッキングタブ50は可撓性タブ52から離れ、可撓性タブ52は
図4Cに示す元の位置すなわち屈曲しない位置に戻る。ある方法では、位置Dから位置Eへの移動中にロッキングタブ50が可撓性タブに接触して可撓性タブを外方に移動させると、可撓性タブ52は元の位置すなわち屈曲しない位置(
図4C)に戻り、それによって耳に聞こえる音またはクリック音が出る。
【0062】
別の実施形態によると、閉位置においてロッキングタブの下面が可撓性タブ52に接触してもよいと考えられる。たとえば
図5Aに容器のネック部102を示す。
図5Aでは、ロッキングタブ150が下面150aと側面150bと上面150dとを有し、上面150dは可撓性タブ152の上面152aに接している。この実施形態でもロッキングタブ150および可撓性タブ152は上記のロッキングタブ50および可撓性タブ52と同様に作用し、開位置との関係のみが異なる。
【0063】
別の実施形態について、
図5Bにロッキングタブ250を示す。ロッキングタブ250は、下面250aと側面250bと上面250dとを有する。上面250dは可撓性タブ252の上面252aと容器108の上面108aとの両方に接している。この実施形態でもロッキングタブ250および可撓性タブ252は上記のロッキングタブ50および可撓性タブ52と同様に作用し、開位置との関係のみが異なる。
【0064】
本発明のポリマー製クロージャは特に比較的大型のクロージャに望ましい。たとえば本発明は、直径26mm、28mmおよび38mmのクロージャと共に用いることができる。このように本発明は、直径が約25mmと約50mmとの間、より特定すると約25mmと約40mmとの間のクロージャに用いるのが望ましい。
【0065】
本発明のポリマー製クロージャは低温での用途にも高温での用途にも望ましい。ポリマー製クロージャは室温充填または低温充填などの低温での用途で用いられ得る。これらの用途は、水、スポーツドリンク、乳製品などの無菌用途、および炭酸ソフトドリンクなどの加圧製品を含む。本発明のプロセスにより形成されたポリマー製クロージャは他の低温の用途に用いてもよいと考えられる。
【0066】
本発明のポリマー製クロージャは、高温充填、殺菌およびレトルト用途などの高温用途に供してもよい。高温用途は概して華氏185度前後の温度で行われ、殺菌を伴う高温充填は概して華氏205度前後の温度で行われる。レトルト用途は典型的には華氏250度より高い温度で行われる。本発明のポリマー製クロージャは他の高温用途に用いることもできると考えられる。
【国際調査報告】