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特表2022-551489がん治療のためのリン脂質エーテルアナログの分割投与
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-09
(54)【発明の名称】がん治療のためのリン脂質エーテルアナログの分割投与
(51)【国際特許分類】
   A61K 51/04 20060101AFI20221202BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221202BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20221202BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20221202BHJP
   A61K 31/685 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
A61K51/04 100
A61P35/00
A61P35/02
A61P35/04
A61K31/685
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521412
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(85)【翻訳文提出日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 US2020055037
(87)【国際公開番号】W WO2021072235
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】62/913,522
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517171163
【氏名又は名称】セレクター・バイオサイエンシズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ジャロッド ロングカー
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA12
4C084MA52
4C084MA55
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA40
4C086GA13
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】
がんの治療のための131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの分割投与(fractionated dosing)レジメンが、本明細書に開示されている。投与レジメンは、単一の投与サイクルまたは複数の投与サイクルを含んでいてもよい。本明細書に記載の放射線療法は、対象の医学的理由によって必要とされる2つのサイクルの間の遅延を伴って、第一の投与サイクルおよび第二の投与サイクルに従って投与してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、対象におけるがんの治療のための方法:
a) 分割用量(fractionated dose)として、有効量の131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩を投与する工程。
【請求項2】
前記131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、単一の投与サイクル(dosing cycle)に従って投与され、ここで該単一の投与サイクルは、以下を含む、または以下からなる、請求項1に記載の方法:
1日目に投与される第一の単回投与;
13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、または18日目に投与される第二の単回投与;
55日目、56日目、57日目、58日目、59日目、60日目、61日目、62日目、63日目、64日目、または65日目に投与される第三の単回投与;および
第三の単回投与の後に投与される、任意の第四の単回投与。
【請求項3】
前記単一の投与サイクルは、第一の単回投与を1日目に1回投与し、第二の単回投与を15日目(1日目から14日後)に1回投与し、第三の単回投与を60日目(1日目から59日後)に1回投与し、および任意で75日目(1日目から74日後)に1回、第四の単回投与を行う、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、以下に従って投与される、請求項1に記載の方法:
1日目に投与される第一の単回投与、および13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、または18日目に投与される第二の単回投与を含むか、またはそれらからなる第一の投与サイクル;および
55~190日目のいずれか一日に投与される第三の単回投与、および第三の単回投与の後に投与される、第四の単回投与を含むか、またはそれらからなる第二の投与サイクル。
【請求項5】
前記第二の単回投与は15日目(1日目から14日後)に投与され、前記第三の単回投与は57~180日目(1日目から56~179日後)のいずれか一日に投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第三の単回投与は70~180日目のいずれか一日に投与される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第四の単回投与は、前記第三の単回投与の7~14日後に投与される、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記対象はヒトである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、前記対象のがん細胞に対して選択的である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、1mCi/メートル2(m2)~100mCi/m2の用量範囲(dose range)で投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記用量は、前記対象の体重1kgあたり1mCi~100mCiである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記がんは、多発性骨髄腫、リンパ腫、神経芽細胞腫、肉腫、白血病、転移性腫瘍、肝臓がん、肺がん、脳がん、膵臓がん、メラノーマがん(melanoma cancer)、腺がん、びまん性内在性橋膠腫(DIPG)、小児リンパ腫、または乳がんである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記がんは、分割線量放射線(fractionated dose radiation)に適している、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
化学療法、免疫療法、細胞療法、放射線増感療法、放射線防護療法(radioprotective therapy)、外照射療法(external beam radiation)、腫瘍切除、切除療法、および冷(低温(cryo))、熱(温熱)、高周波、およびマイクロ波に基づく局所理学療法からなる群から選択される別のがん療法をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、前記第一の単回投与として1日目に、および前記第二の単回投与として15日目(1日目から14日後)に、および前記第三の単回投与として60日目(1日目から59日後)に、および任意で前記第四の単回投与として75日目(1日目から74日後)に、1mCi/メートル2(m2)~100mCi/m2の用量範囲で投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、前記第一の単回投与として1日目に、および前記第二の単回投与として15日目(1日目から14日後)に、および前記第三の単回投与として57~180日目(1日目から56~179日後)のいずれか一日に、および任意で前記第四の単回投与として前記第三の単回投与の後に、1mCi/メートル2(m2)~100mCi/m2の用量範囲で投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記第三の単回投与は、70~180日目のいずれか一日に投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記用量は、前記対象の体重1kgあたり1mCi~100mCiである、および前記第一の単回投与として1日目に、および前記第二の単回投与として15日目(1日目から14日後)に、および前記単回投与として60日目(1日目から59日後)に、および任意で前記第四の単回投与として75日目(1日目から74日後)に投与される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記用量は、前記対象の体重1kgあたり1mCi~100mCiである、および前記第一の単回投与として1日目に、および前記第二の単回投与として15日目(1日目から14日後)に、および前記第三の単回投与として57~180日目(1日目から56~179日後)のいずれか一日に、および任意で前記第四の単回投与として前記第三の単回投与の後に投与される、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記第三の単回投与は、70~180日目のいずれか一日に投与される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2019年10月10日に出願された米国仮特許出願第62/913,522号の利益および優先権を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、がんの治療のための特定の投与サイクル(dosing cycle)における、放射性標識リン脂質アナログの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
様々なモデルシステムにおける放射性標識リン脂質エーテルアナログの選択的保持は、放射性医薬化合物の比較的迅速なクリアランスおよび/または非標的組織における該化合物の蓄積に関連する問題による制約を受けてきた。非標的組織の取り込みは、たとえば、投与された放射能への放射線感受性組織の過度の曝露を引き起こすことにより、放射性医薬品療法の有効性を低下させる可能性がある。
【0004】
腫瘍性組織に対するその特異性および結合力を依然として保持しながら、非標的組織からの迅速なクリアランスならびに血漿中の延長された半減期を示す放射性医薬には、当技術分野における重要なニーズが依然として存在する。そのような薬剤は、悪性腫瘍組織の部位特異的根絶のための細胞毒性剤の担体として役立つはずである。
【0005】
現在、がん細胞を優先的に標的とする化合物はほとんどない。そのような化合物の一つがCLR1404である。一般的に、CLR1404は、いくつかの腫瘍治療モダリティの治療反応をモニタリングするために使用される、有望な新しい腫瘍選択的画像診断薬である。次の構造
【0006】
【化1】
【0007】
を有する第二世代のリン脂質エーテル(「PLE」)アナログである放射性ヨウ素化CLR1404は、55/60個の異種移植片、同所性およびトランスジェニックがん、およびがん幹細胞由来の動物モデルにおいて顕著な腫瘍選択性を示し、このことがコア分子を抗がん剤送達媒体の理想的なプラットフォームにする。米国特許第8535641号;米国特許出願公開第2014/0030187号、およびWeichert,J.P.et al.,Alkylphosphocholine analogs for broad-spectrum cancer imaging and therapy, Sci Transl Med,2014,Jun 11,6(240),240ra75;(それらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、対象におけるがんの治療のための方法に関する。本方法は、有効量の131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩を投与することを含んでもよく、ここで、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、分割用量(fractionated dose)としてとして投与してもよい。131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、単一の投与サイクル(dosing cycle)または複数の投与サイクルに従って投与することができる。一部の実施形態では、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、単一の投与サイクルに従って投与することができ、ここで単一の投与サイクルは、1日日に投与される第一の単回投与;13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、または18日目に投与される第二の単回投与、55日目、56日目、57日目、58日目、59日目、60日目、61日目、62日目、63日目、64日目、または65日目に投与される第三の単回投与;および第三の単回投与の後に投与される、任意の第四の単回投与を含むか、またはそれらからなっていてもよい。一部の実施形態では、単一の投与サイクルは、第一の単回投与を1日目に1回投与し、第二の単回投与を15日目(1日目から14日後)に1回投与し、第三の単回投与を60日目(1日目から59日後)に1回投与し、および任意で75日目(1日目から74日後)に1回、第四の単回投与を行ってもよい。一部の実施形態では、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、1日目に投与される第一の単回投与、および13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、または18日目に投与される第二の単回投与を含むか、またはそれらからなる第一の投与サイクル;および55~190日目のいずれか一日に投与される第三の単回投与、および第三の単回投与の後に投与される、第四の単回投与を含むか、またはそれらからなる第二の投与サイクルに従って投与することができる。一部の実施形態では、第二の単回投与は15日目(1日目から14日後)に投与され、第三の単回投与は57~180日目(1日目から56~179日後)のいずれか一日に投与することができる。一部の実施形態では、第三の単回投与は70~180日目のいずれか一日に投与することができる。一部の実施形態では、第四の単回投与は、第三の単回投与の7~14日後に投与される。一部の実施形態では、対象はヒトであってもよい。一部の実施形態では、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、対象のがん細胞に対して選択的であってもよい。一部の実施形態では、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、1mCi/メートル2(m2)~100mCi/m2の用量範囲(dose range)で投与してもよい。一部の実施形態では、用量は、対象の体重1kgあたり1mCi~100mCiであってもよい。一部の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、リンパ腫、神経芽細胞腫、肉腫、白血病、転移性腫瘍、肝臓がん、肺がん、脳がん、膵臓がん、メラノーマがん(melanoma cancer)、腺がん、びまん性内在性橋膠腫(DIPG)、小児リンパ腫、または乳がんであってもよい。一部の実施形態では、がんは、分割線量放射線(fractionated dose radiation)に適していてもよい。一部の実施形態では、本方法は、化学療法、免疫療法、細胞療法、放射線増感療法、放射線防護療法(radioprotective therapy)、外照射療法(external beam radiation)、腫瘍切除、切除療法、および冷(低温(cryo))、熱(温熱)、高周波、およびマイクロ波に基づく局所理学療法からなる群から選択される別のがん療法をさらに含んでもよい。一部の実施形態では、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、第一の単回投与として1日目に、および第二の単回投与として15日目(1日目から14日後)に、および第三の単回投与として60日目(1日目から59日後)に、および任意で第四の単回投与として75日目(1日目から74日後)に、1mCi/メートル2(m2)~100mCi/m2の用量範囲で投与することができる。一部の実施形態では、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、第一の単回投与として1日目に、および第二の単回投与として15日目(1日目から14日後)に、および第三の単回投与として57~180日目(1日目から56~179日後)のいずれか一日に、および任意で第四の単回投与として第三の単回投与の後に、1mCi/メートル2(m2)~100mCi/m2の用量範囲で投与することができる。一部の実施形態では、第三の単回投与は、70~180日目のいずれか一日に投与することができる。一部の実施形態では、用量は、対象の体重1kgあたり1mCi~100mCiであってもよく、および第一の単回投与として1日目に、および第二の単回投与として15日目(1日目から14日後)に、および単回投与として60日目(1日目から59日後)に、および任意で第四の単回投与として75日目(1日目から74日後)に投与することができる。一部の実施形態では、用量は、対象の体重1kgあたり1mCi~100mCiであってもよく、および第一の単回投与として1日目に、および第二の単回投与として15日目(1日目から14日後)に、および第三の単回投与として57~180日目(1日目から56~179日後)のいずれか一日に、および任意で第四の単回投与として第三の単回投与の後に投与することができる。一部の実施形態では、第三の単回投与は、70~180日目のいずれか一日に投与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、用量群ごとの個々の腫瘍体積を示している。図1Aは、媒体のみ(生理食塩水)での治療後の経時的な腫瘍体積を示している。図1Bは、50μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの単回投与による治療後の経時的な腫瘍体積を示している。図1Cは、50μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの複数回投与(1日目および8日目)による治療後の経時的な腫瘍体積を示している。図1Dは、100μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの単回投与による治療後の経時的な腫瘍体積を示している。図1Eは、ボルテゾミブの複数回投与(1、4、8、および11日目)による治療後の経時的な腫瘍体積を示している。
図2図2は、媒体のみ、50μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの単回投与、50μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの複数回投与(1日目および8日目)、100μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの単回投与、およびボルテゾミブの複数回投与(1、4、8、および11日目)による治療後の経時的な平均腫瘍体積を示す。
図3図3は、媒体のみ、50μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの単回投与、50μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの複数回投与(1日目および8日目)、100μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの単回投与、およびボルテゾミブの複数回投与(1、4、8、および11日目)による治療後のOPM-2マウスモデルの生存率を示している。
図4図4は、媒体のみ、50μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの単回投与、50μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの複数回投与(1日目および8日目)、100μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの単回投与、およびボルテゾミブの複数回投与(1、4、8、および11日目)による治療後の、図3のOPM-2マウスモデルの平均体重変化を示している。
図5図5は、媒体のみ、50μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの単回投与、50μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの複数回投与(1日目および8日目)、100μCiの131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンの単回投与、およびボルテゾミブの複数回投与(1、4、8、および11日目)による治療後の腫瘍倍加時間を示す。
図6図6は、OPM-2モデルシステムにおけるCLR 311(131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリン)の分割投与(fractionated dosing)を示している。
図7図7は、2つの投与サイクルが存在する分割投与スケジュールを示している。用量1は1日目に与えられ、用量2は15日目(1日目から14日後)に与えられ、用量3(第二のサイクルの開始として)は57~180日目(それぞれ1日目から56~179日後)の間の任意の日に開始することができ、および用量4は任意であり、用量3が与えられてから14日後である、71~194日目(それぞれ1日目から70日および193日)の間の任意の日に開始することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
本開示は、がんの治療のためのCLR1404の投与のための投与レジメンを提供する。 本明細書に記載されるように、CLR1404の分割投与は、十分に許容され、CLR1404の単一の等用量よりも良好に許容される。放射性ヨウ素化CLR1404、第二世代リン脂質エーテル(「PLE」)アナログは、次の構造:
【0011】
【化2】
【0012】
で表され、ここでIはヨウ素の放射標識体である(例:122I、123I、124I、125I、131I等)。本開示はまた、CLR1404の分割投与レジメンを介したがんの治療のための方法を提供する。本明細書に記載されるように、CLR1404は、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンであるCLR131であってもよい。
【0013】
1. 定義
本明細書で使用される「含む(comprise(s))」、「含む(include(s))」、「有する(having)」、「有する(has)」、「できる」、「含む(contain(s))」という用語、およびそれらの変形は、追加の行為または構造の可能性を排除しない、制限のない移行句、用語、または単語であることを意図している。単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈で明確に指示されていない限り、複数形の言及を含む。本開示はまた、明示的に記載されているかどうかにかかわらず、本明細書に提示される実施形態または要素を「含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」、および「本質的になる(consisting essentially of)」、他の実施形態を企図する。
【0014】
本明細書における数値範囲の列挙については、同じ程度の精度でその間にある各数値が明示的に企図されている。たとえば、6~9の範囲では、6と9に加えて、7および8の数字が企図され、6.0~7.0の範囲では、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、および7.0の数字が明示的に企図されている。
【0015】
本明細書で使用される場合、「約」または「ほぼ」という用語は、当業者によって決定される特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味し、これは、値がどのように測定または決定されるか、すなわち測定システムの制限に部分的に依存する。たとえば、「約」は、当技術分野の慣行に従って、3以内または3を超える標準偏差を意味することができる。あるいは、「約」は、所与の値の最大20%、好ましくは最大10%、より好ましくは最大5%、およびより好ましくはさらに最大1%の範囲を意味することができる。あるいは、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、この用語は、値の10倍以内(within an order of magnitude)、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味することができる。
【0016】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾が生じた場合は、定義を含む本文書が優先される。本明細書に記載されているものと同様または同等の方法および材料を本開示の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本明細書に開示される材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、制限することを意図するものではない。
【0017】
本明細書で使用される場合、「治療する」という用語は、がんの進行または再発を低減、抑制、および阻害することを含む、予防的ならびに障害の寛解的治療を含む。本明細書で使用される場合、「減少する(reducing)」、「抑制する」および「阻害する」という用語は、減少(lessening)または減少する(decreasing)というそれらの一般的に理解されている意味を有する。本明細書で使用される場合、「進行」という用語は、範囲または重症度が増加すること、進行すること、増殖すること、または悪化することを意味する。本明細書で使用される場合、「再発(recurrence)」および「再発(recurrent)」という用語は、寛解後の疾患の再発を指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「投与する」という用語は、患者、組織、器官、または細胞を本開示の抗がん化合物と接触させることを指す。本明細書で使用される場合、投与は、in vitro(すなわち、試験管内)またはin vivo(すなわち、生物、たとえば、ヒトの細胞または組織内)で達成することができる。特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の化合物および/または組成物を患者または対象に投与することを包含する。本明細書で同等に使用される「患者」または「対象」は、以下のいずれかである哺乳動物、好ましくはヒトを指す: (1)CLR1404(たとえば、CLR31(131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリン(CLR131)またはその塩)の投与により治療可能(remediable)または治療可能(treatable)な障害を有する、または(2)CLR1404(たとえば、CLR31(131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリン(CLR131)またはその塩)の投与により予防することができる障害にかかりやすい
【0019】
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、疾患または障害の徴候または症状の予防、減少、改善または除去を含むがこれらに限定されない有益な結果等、所望の生物学的効果に影響を与えるのに十分な量を指す。したがって、医薬組成物または方法の各有効成分の総量は、意味のある対象の利益を示すのに十分である。したがって、「有効量」は、それが投与されている状況に依存する。有効量は、一つまたは複数の予防的投与または治療的投与で投与することができる。
【0020】
本明細書で使用される場合、「がん」という用語は、転移することができる細胞の制御されていない分裂から生じる任意の疾患を指す。
【0021】
「悪性腫瘍細胞」および「がん細胞」という用語は、本明細書全体を通して交換可能に使用される。「悪性腫瘍幹細胞」および「がん幹細胞」という用語は、本明細書全体を通して交換可能に使用される。
【0022】
本明細書で互換的に使用される「対象」および「患者」は、哺乳動物(たとえば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット、およびマウス、非ヒト霊長類(たとえば、カニクイザル(cynomolgous)またはアカゲザル、チンパンジー等のサル)およびヒト)を含むがこれらに限定されない任意の脊椎動物を指す。一部の実施形態では、対象は、ヒトまたは非ヒトであってもよい。対象または患者は、他の治療法を受けている途中であってもよい。
【0023】
「治療する」、「治療すること」または「治療」はそれぞれ、本明細書において互換的に使用され、疾患の進行、またはそのような用語が適用されるそのような疾患の1つ以上の症状を逆転、緩和、または阻害することを記載する。対象の状態に応じて、この用語はまた、疾患を予防することを指し、疾患の発症を予防すること、または疾患に関連する症状を予防することを含む。治療は、急性または慢性のいずれかの方法で行うことができる。この用語はまた、疾患に罹患する前に、そのような疾患に関連する疾患または症状の重症度を軽減することを指す。罹患前の疾患のそのような予防または重症度の軽減は、疾患に罹患している投与の時点ではない対象への本開示の抗体または医薬組成物の投与を指す。「予防すること」はまた、疾患またはそのような疾患に関連する1つまたは複数の症状の再発を予防することを指す。「治療」および「治療的に」は、「治療すること」が上記で定義されるように、治療する行為を指す。
【0024】
本開示の化合物の「治療有効量」という句は、任意の医学的治療に適用可能な合理的な利益/リスク比で、障害を治療するのに十分な量の化合物を意味する。しかしながら、本開示の化合物および組成物の毎日の総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されよう。特定の患者に対する特定の治療上有効な用量レベルは、たとえば、治療される障害および障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全体的な健康、性別、および食事;投与時間、投与経路、および使用される特定の化合物の排泄速度;治療期間;使用される特定の化合物と組み合わせて、または同時に使用される薬物を含む様々な要因に依存するであろう。
【0025】
本開示は、有機酸および無機酸、たとえば、クエン酸および塩酸とのアミノ置換化合物の薬学的に許容される塩の使用を含む。適切な薬学的に許容される塩は、たとえば、アルキルホスホコリンアナログの溶液を、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、またはリン酸等の薬学的に許容される酸の溶液と混合することによって形成することができる酸付加塩を含むが、これらに限定されない。本開示はまた、本明細書に記載の化合物のアミノ置換基のN-オキシドも含む。薬学的に許容される塩は、フェノール化合物から無機塩基、たとえば水酸化ナトリウムで処理することによって調製することもできる。また、フェノール化合物のエステルは、脂肪族および芳香族カルボン酸、たとえば、酢酸および安息香酸エステルで作製することができる。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、主剤(base compound)と実質的に同じ医薬効果を達成する、主剤から製剤化された化合物を指す。
【0026】
本開示は、抗がん化合物の誘導体をさらに含む。「誘導体」という用語は、エーテル誘導体、酸誘導体、アミド誘導体、エステル誘導体等を含むが、これらに限定されない。さらに、本開示は、抗腫瘍化合物の水和物を利用する方法をさらに含む。「水和物」という用語は、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物等を含むが、これらに限定されない。
【0027】
本開示は、抗がん化合物の代謝産物をさらに含む。「代謝産物」という用語は、代謝または代謝プロセスによって別の物質から生成される任意の物質を意味する。
【0028】
2. 本開示の化合物
本開示の例示的な化合物は、放射性ヨウ素化リン脂質エーテルアナログであるCLR1404である。放射性ヨウ素化リン脂質エーテルアナログは、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩であってもよい。本開示の化合物の選択的腫瘍標的化の基礎は、ほとんどの正常細胞の原形質膜と比較したがん細胞の原形質膜の違いにある。具体的には、がん細胞膜は「脂質ラフト」に非常に富んでいる。がん細胞は、健康な細胞よりも5倍から10倍多くの脂質ラフトを有する。脂質ラフトは、高濃度のコレステロールおよびスフィンゴ脂質を含む膜リン脂質二重層の特殊な領域であり、細胞表面および細胞内シグナル伝達分子(たとえば、増殖因子およびサイトカイン受容体、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)/Akt生存経路)を組織化する働きをする。データは、脂質ラフトがPLEの入り口として機能することを示唆している。がん細胞対非がん細胞に対するこれらの化合物の顕著な選択性は、コレステロールに対するPLEの高い親和性およびがん細胞におけるコレステロールに富む脂質ラフトの豊富さに起因する。脂質ラフトが果たす極めて重要な役割は、脂質ラフトの構造の破壊ががん細胞へのPLEの取り込みを抑制するという事実によって強調されている。脂質ラフトの形成が阻止されると、PLEの取り込みが60%減少することが示されている。
【0029】
55を超える異種移植片および自発腫瘍モデルで得られた結果は、本明細書に記載の化合物が腫瘍において選択的な取り込みおよび長期の保持を受けることを普遍的に示している。化合物は肝臓である程度代謝されるため、本発明者らは、肝臓のバックグラウンド放射性レベルが高いため、肝腫瘍モデルでの以前の化合物評価を回避した。
【0030】
様々な腫瘍モデルで得られた結果は、CLR1404、たとえば131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンが、がん細胞およびがん幹細胞によって隔離され、選択的に保持されることを示している。本明細書に記載の化合物は、最大20日間、がん細胞に留まることが示されている。化合物は、リンパ節に見られるものを含む解剖学的位置に関係なく、原発性病変および転移性病変の両方に局在する。
【0031】
3. 本開示の組成物
別の態様では、本開示は、本開示の化合物(たとえば、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリン)を1つまたは複数の薬学的に許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物を提供する。好ましい態様では、医薬組成物は、Kolliphor(登録商標)ELを含まない(KolliphorはBASFSEの登録商標である)。Kolliphor(登録商標)ELは、以前はCremophor(登録商標)ELとして知られていました(CremophorはBASFSEの登録商標である)。
【0032】
本開示の治療用組成物中の有効成分の実際の投与量レベルは、特定の患者、組成物、および投与様式に対して所望の治療応答を達成するのに有効な量の活性化合物を得るように変えることができる。選択される投与量レベルは、特定の化合物の活性、投与経路、治療される状態の重症度、および治療される患者の状態および以前の病歴に依存する。
【0033】
本開示はまた、1つ以上の薬学的に許容される担体と一緒に処方された本開示の化合物を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、固体または液体形態での経口投与、非経口投与、または直腸投与のために特別に製剤化することができる。
【0034】
本明細書に記載の組成物および化合物を対象に投与するために、任意の投与経路が適切であり得る。化合物および組成物は、静脈内注射を介して対象に投与することができる。開示された化合物および組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下、直腸、または経皮等の任意の他の適切な全身送達を介して対象に投与することができる。本開示の化合物および組成物は、経口、直腸、非経口、大槽内、膣内、経皮(たとえば、パッチを使用)、経粘膜、舌下、肺、腹腔内、局所(粉末、軟膏またはドロップによる)、頬側または経口または鼻スプレーとして、対象、たとえばヒトおよび他の哺乳動物に投与することができる。本明細書で使用される「非経口(parenteral)」または「非経口(parenterally)」という用語は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内注射および注入を含む投与様式を指す。
【0035】
別の態様では、本開示は、本開示の成分および生理学的に許容される希釈剤を含む医薬組成物を提供する。本開示は、とりわけ、非経口注射、鼻腔内送達、固形または液体形態での経口投与、直腸または局所投与のために、本明細書で集合的に希釈剤と呼ばれる1つ以上の生理学的に忍容される、または許容される希釈剤、担体、アジュバント、または媒体と共に組成物に製剤化された上記の1つ以上の化合物を含む。
【0036】
非経口注射に適した組成物は、生理学的に許容される無菌の水溶液または非水溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、および無菌の注射可能な溶液または分散液に再構成するための無菌の粉末を含み得る。適切な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒または媒体の例は、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール等)、植物油(オリーブ油等)、オレイン酸エチル等の注射可能な有機エステル、およびそれらの適切な混合物を含む。
【0037】
これらの組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分配剤等のアジュバントを含むこともできる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等によって確実にすることができる。等張剤、たとえば糖、塩化ナトリウム等を含めることも望ましい場合がある。注射可能な剤形の長期吸収は、吸収を遅らせる薬剤、たとえば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらすことができる。
【0038】
懸濁液は、活性化合物に加えて、たとえば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタヒドロキシアルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物等の懸濁剤を含んでもよい。
【0039】
注射可能なデポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリド等の生分解性ポリマーにおいて化合物または組成物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。ポリマーに対する薬物の比率および使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出の速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)を含む。デポー注射可能な製剤はまた、体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルジョンに薬物を閉じ込めることによって調製される。
【0040】
注射可能な製剤は、たとえば、細菌保持フィルターを通して濾過することによって、または滅菌水または他の滅菌注射可能媒体に使用直前に溶解または分散することができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。
【0041】
経口投与用の固形剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤を含む。そのような固体剤形において、活性化合物は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム等の少なくとも1つの不活性で薬学的に許容される賦形剤または担体、および/または a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびクエン酸等の充填剤または増量剤; (b)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシア等の結合剤; c)グリセロール等の保湿剤; d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウム等の崩壊剤; e)パラフィン等の溶液遅延剤; f)第四級アンモニウム化合物等の吸収促進剤; g)セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール等の湿潤剤; h)カオリンおよびベントナイト粘土等の吸収剤;および i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物等の滑沢剤と混合してもよい。カプセル、錠剤および丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含んでもよい。
【0042】
同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルの充填剤として使用することができる。
【0043】
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、腸溶コーティングおよび医薬製剤分野で周知の他のコーティング等のコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。それらは、任意選択で乳白剤を含んでもよく、また、それらが有効成分のみ、または優先的に、腸管の特定の部分において、任意選択で、遅延して放出するような組成物であってもよい。使用できる包埋組成物の例は、高分子物質およびワックスを含む。
【0044】
活性化合物はまた、適切な場合、上記の賦形剤の1つまたは複数と共にマイクロカプセル化された形態であり得る。
【0045】
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容される乳濁剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤を含む。活性化合物に加えて、液体剤形は、たとえば、水または他の溶媒、可溶化剤、およびエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に綿実、落花生、コム、胚芽、オリーブ、ヒマシ油、ゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタン等の脂肪酸エステル、およびそれらの混合物等の当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含んでもよい。
【0046】
不活性希釈剤に加えて、任意の経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤および芳香剤等のアジュバントを含んでもよい。
【0047】
直腸または膣投与用の組成物は、好ましくは、本開示の化合物を、室温で固体であるが体温で液体であり、したがって直腸または膣腔で溶けて活性化合物を放出する、カカオバター、ポリエチレングリコール、または坐剤ワックス等の適切な非刺激性賦形剤または担体と混合することによって調製できる坐剤である。
【0048】
本開示の化合物はまた、リポソームの形態で投与することができる。当技術分野で知られているように、リポソームは一般にリン脂質または他の脂質物質に由来する。リポソームは、水性媒体に分散された単層または多層の水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができる、生理学的に許容され、代謝可能な脂質を使用することができる。リポソーム形態の本組成物は、本開示の化合物に加えて、安定剤、防腐剤、賦形剤等を含んでもよい。好ましい脂質は、別々にまたは一緒に使用される天然および合成のリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成する方法は当技術分野で知られている。たとえば、以下参照のPrescott, Ed.; Methods in Cell Biology ,Volume XIV, Academic Press, New York, N.Y. (1976),p.33を参照されたい。そのような組成物は、物理的状態、溶解性、安定性、in vivo放出の速度、およびin vivoクリアランスの速度に影響を与えるであろう。
【0049】
本開示の一方法では、医薬組成物を制御放出システムで送達することができる。たとえば、化合物または組成物は、静脈内注入、埋め込み型浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソーム、または他の投与様式を使用して投与することができる。一つの実施形態では、ポンプを使用することができる(Langer, supra; Sefton, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201 (1987); Buchwald et al., Surgery 88:507 (1980); Saudek et al., N. Engl. J. Med. 321:574 (1989)を参照)。別の実施形態では、高分子材料を使用することができる。さらに別の実施形態では、制御放出システムは、治療標的、たとえば肝臓の近くに配置することができ、したがって、全身用量のほんの一部しか必要としない(たとえば、Goodson, in Medical Applications of Controlled Release, supra, vol. 2, pp. 115-P8 (1984)を参照)。他の制御放出システムは、Langerによるレビューで議論されている(Science 249:1527-1533 (1990))。
【0050】
別の態様では、本開示は、本開示の化合物の有効量を対象に投与することを含む、対象の疾患または状態を治療する方法に関する。
【0051】
一般に、本開示は、任意の特定の疾患または状態の治療に限定されず、そのメカニズムが本開示の化合物によって影響を受ける可能性がある任意の疾患または状態の治療を包含する。
【0052】
4. 分割投与
別の態様では、本開示は、がんの治療におけるCLR1404の使用のための分割投与レジメンを提供する。CLR1404は、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリン(CLR131)であってもよい。本明細書で使用される場合、放射線療法の「分割(fraction)」または「分割(fractionation)」は、放射線療法の総線量を、ある期間にわたって送達されるいくつかのより少ない線量に分割することである。総線量を分割して、たとえば、正常細胞が回復する時間を確保し、総投与量を分割して、正常細胞が回復する時間を確保し、ある治療中に細胞周期の比較的放射線耐性のある段階にあった腫瘍細胞が、次の分割投与が行われる前に周期の感受性段階に循環できるようにすることができる。または、低酸素腫瘍細胞が分割投与間で再酸素化できるようにして、腫瘍細胞の死滅を改善する。個々の分割線量の合計値は、処方された放射線療法のほぼ総線量になってもよい。
【0053】
用量は、メートル2(m2)当たりまたは体重当たり(たとえば、kg)に基づいて投与することができる。131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、たとえば、1mCi/メートル2(m2)~100mCi/m2;5mCi/メートル2(m2)~90mCi/m2;10mCi/メートル2(m2)~80mCi/m2;20mCi/メートル2(m2)~70mCi/m2;30mCi/メートル2(m2)~60mCi/m2;または40mCi/メートル2(m2)~50mCi/m2の用量範囲(dose range)で投与することができる。用量は、たとえば10mCi/メートル2(m2)、20mCi/メートル2(m2)、30mCi/メートル2(m2)、40mCi/メートル2(m2)、50mCi/メートル2(m2)、60mCi/メートル2(m2)、70mCi/メートル2(m2)、80mCi/メートル2(m2)、90mCi/メートル2(m2)、または100mCi/メートル2(m2)であってもよい。
【0054】
131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、たとえば、1mCi~100mCi/kg;5mCi~90mCi/kg;10mCi~80mCi/kg;20mCi~70mCi/kg;30mCi~60mCi/kg;または40mCi~50mCi/kgの用量範囲で投与することができる。用量は、たとえば10mCi/kg、20mCi/kg、30mCi/kg、40mCi/kg、50mCi/kg、60mCi/kg、70mCi/kg、80mCi/kg、90mCi/kg、または100mCi/kgであってもよい。
【0055】
一態様では、化合物または組成物は、それを必要とする対象に、2つ以上の分割での分割用量として投与される。別の実施形態では、化合物または組成物は、超分割療法において分割用量として投与される。別の態様では、化合物または組成物は、加速分割療法において分割用量として投与される。
【0056】
特定の実施形態では、本開示の方法および組成物は、がんを治療するために有用である。送達モダリティ/レジメンは、たとえば、従来の分割療法、超分割、低分割、および加速分割を含む。
【0057】
一実施形態では、治療レジメンは、超分割療法である。超分割では、臨床的に許容されるレベルの長期組織損傷を維持しながら、より高い腫瘍線量が照射される。1日の線量は変化しないか、わずかに増加するが、分割あたりの線量は減少し、全体的な治療時間は一定に保たれる。
【0058】
一実施形態では、治療レジメンは、加速分割療法である。加速分割療法では、分割あたりの線量は変化しないが、1日の線量は増加し、治療の合計時間は短縮される。
【0059】
一実施形態では、治療レジメンは、連続的な超分割加速放射線療法(CHART)療法である。(CHART)療法において、短縮された期間内に複数の日用分割が投与される集中的な治療スケジュール。
【0060】
放射線療法の分割線量は、間隔を置いて投与することができる。一部の実施形態では、放射線療法の分割線量は、単一サイクルの間隔で投与することができる。特定の実施形態では、分割線量は、分、時間、または週、たとえば1~26週間、たとえば約1~15週間、たとえば2~12週間にわたって投与される。特定の実施形態では、分割線量は、約15週間未満、たとえば、約14週間未満、たとえば、約13週間未満、たとえば、約12週間未満、たとえば、約11週間未満、たとえば、約10週間未満、たとえば、約9週間未満、たとえば、約8週間未満、たとえば、約7週間未満、たとえば、約6週間未満、たとえば、約5週間未満、たとえば、約4週間未満の期間にわたって投与される。特定の実施形態では、累積外部照射は、細胞を殺すための治療上有効な量の放射線である。
【0061】
CLR1404(たとえば、CLR131、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリン)の分割用量は、単回投与として1日目に1回投与し、ふたたび単回投与として15日目(1日目から14日後)に1回投与し、ふたたび単回投与として60日目(1日目から59日後)に1回投与し、および任意でふたたび単回投与として75日目(1日目から74日後)に1回、投与することができる。1日目に1回単回投与、ふたたび14日後に単回投与、およびふたたび1日目から59日後に単回投与、および場合によっては1日目から74日後に単回投与するCLR1404(たとえば、CLR131、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリン)の分割用量は、単一の投与サイクルであってもよい。単一の投与サイクルは、1日目に投与される第一の単回投与;13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、または18日目に投与される第二の単回投与;および55日目、56日目、57日目、58日目、59日目、60日目、61日目、62日目、63日目、64日目、または65日目に投与される第三の単回投与を含む、またはそれらからなる。第二の単回投与が可能である1日目の後の間隔は、12、13、14、15、16、または17日であってもよい。特定の実施形態では、間隔は14日であってもよい。第三の単回投与が可能である1日目の後の間隔は、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、または64日であってもよい。特定の実施形態では、間隔は59日であってもよい。一部の実施形態では、投与サイクルは、70日目、71日目、72日目、73日目、74日目、75日目、76日目、77日目、78日目、79日目、または80日目に投与される第四の単回投与をさらに含む。4回目の単回投与が可能となる1日目の後の間隔は、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、または79日であってもよい。特定の実施形態では、間隔は74日であってもよい。単一の投与サイクルは、3回の単回投与を含むか、またはそれらからなっていてもよい。単回投与サイクルは、4回の単回投与を含むか、またはそれらからなっていてもよい。第四の単回投与は任意である。第四の単回投与は、患者の成績および/または以前の投与に対する患者の反応に応じて投与することができる。
【0062】
本明細書に記載の放射線療法の分割用量は、別々の投与サイクルで間隔を置いて投与することができる。一部の実施形態では、放射線療法の分割線量は、2つ以上の投与サイクルで投与することができる。たとえば、本明細書に記載の放射線療法の分割線量は、第一の投与サイクルおよび第二の投与サイクルに従って投与することができる。2つの投与サイクルを有する投与レジメンは、対象の医学的理由(たとえば、健康または安全状態のために記載された治療を投与することができない)によって必要とされる2つのサイクルの間の遅延を含んでもよい。たとえば、単一の投与サイクルにおける第三の投与は、約10~120日間遅延することができ、そして遅延後に投与されて、第二の投薬サイクルを開始することができる。
【0063】
第一の投与サイクルは、1日目に投与される第一の単回投与および13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、または18日目に投与される第二の単回投与を含むか、またはそれらからなっていてもよい。第二の単回投与が可能である1日目の後の間隔は、12、13、14、15、16、または17日であってもよい。特定の実施形態では、間隔は14日であってもよい。第二の投与サイクルは、55~190日目のいずれかに投与される第三の単回投与を含むか、またはそれらからなっていてもよい。第三の単回投与が可能である1日目の後の間隔は、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、または189日であってもよい。特定の実施形態では、間隔は56日であってもよい。一部の実施形態では、第二の投与サイクルは、第四の単回投与をさらに含む。第四の投与は任意であり、第三の投与後に開始することができる。第四の投与は、第三の投与後7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18日目に開始することができる。一部の実施形態では、第四の単回投与は、第三の投与が投与された後7~18日である、62~208日のいずれか1日に投与することができる。一部の実施形態では、第四の単回投与は、第三の投与が投与された後12~18日である70~208日のいずれか1日に投与することができる。一部の実施形態では、第四の単回投与は、第三の投与が投与されてから7~14日後である、62~204日のいずれか1日に投与することができる。第四の単回投与が可能である1日目の後の間隔は、5、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、または204日であってもよい。特定の実施形態では、間隔は70日であってもよい。第一の投与サイクルは、2回の単回投与(第一および第二の単回投与)を含むか、またはそれらからなっていてもよい。第二の投与サイクルは、1回の単回投与(第三の単回投与)を含むか、またはそれからなっていてもよい。第二の投与サイクルは、2回の単回投与(第三および第四の単回投与)を含むか、またはそれらからなっていてもよい。第四の単回投与は、患者の成績および/または以前の投与に対する患者の反応に応じて投与することができる。検査所見の異常(例:WBC<3000/μL;ANC<1500/μL;ヘモグロビン<8g/dL;推定糸球体濾過率<30mL/分/1.73m2;ALT>3×ULN;ビリルビン>1.5×ULN)、倦怠感、便秘、または皮膚潰瘍等の医学的理由により、第三の単回投与または第二の投与サイクルの開始が遅れる場合がある。
【0064】
2回の投与サイクルを有する投与レジメンにおいて、たとえば、CLR1404(たとえば、CLR311、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリン)の分割用量は、1日目に1回、第一の投与として、およびふたたび15日目(1日目から14日後)に第二の単回投与として、およびふたたび57、60、90、120、150、または180日目(それぞれ、1日目から56、69、89、119、149、または179日後)に第三の単回投与として、および任意でふたたび71、84、104、134、164、または194日目(それぞれ、1日目から70、83、103、133、163、または193日後)に第四の単回投与として投与されてもよく、第四の単回投与が存在する場合は、第三の単回投与が投与されてから14日後に投与される。1日目に1回、単回投与として投与され、およびふたたび14日目に単回投与として投与されるCLR1404(たとえば、CLR131、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリン)の分割用量は、第一の投与サイクルであってもよい。1日目から56、69、89、119、149、または179日後に単回投与として、および任意でふたたび1日目から70、83、103、133、163、または193日後に単回投与として投与されるCLR1404(たとえば、CLR131、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリン)の分割用量は、第二の投与サイクルであってもよい。
【0065】
a. 併用療法
一部の化学療法剤は、本明細書に記載されるように、CLR1404ベースの放射線療法、たとえば、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンベースの療法の効果を増強し得る。一態様では、本開示の態様および実施形態は、既存の化学療法モダリティとの併用療法として利用することができる。併用(順次または同時)療法は、同時投与または同時処方であってもよい。
【0066】
たとえば、CLR1404ベースの治療に加えて、患者が2つ以上の放射線療法の形態を受けるこれらの実施形態では、患者は、1つ以上の追加の放射線療法の一形態を同時に、順番に、同時に分割線量で、または連続して分割線量で、交互の(alternating)分割線量で、および/またはそれらの任意の組み合わせで受けることができる。特定の実施形態では、術中放射線療法は、外科手術の前、最中、および/または後に投与され、第二の放射線療法の形態は、外科手術の数時間後、および/または外科手術の数日後、および/または外科手術の数週間後等、後の時間に投与される。術中照射および/または第二の放射線の形態は、CLR-1404ベース(たとえば、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩)であってもよい。特定の実施形態では、患者は、外科手術に至る外科手術の数時間前、外科手術の数日前、および/または外科手術の数週間前等に、放射線療法、たとえば、CLR-1404ベースの療法(たとえば、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩)で治療される。
【0067】
CLR-1404(たとえば、CLR131、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリン)ベースの放射線療法は、1つまたは複数の他の療法と組み合わせることができ、ここでCLR1404療法によるがんの縮小は、同時に、その後、または別の治療の前に行われる。たとえば、他の治療は、放射線療法、化学療法、腫瘍切除、切除療法、および/または冷(低温(cryo))、熱(温熱)、高周波、およびマイクロ波に基づく局所理学療法であってもよい。CLR1404ベースの放射線療法は、温熱療法、すなわち熱の使用と組み合わせて使用することができる。特定の実施形態では、熱および放射線の組み合わせは、いくつかの腫瘍の応答を増加させることができる。
【0068】
CLR-1404(たとえば、CLR131、131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリン)ベースの放射線療法と組み合わせて、放射線増感剤は、追加の薬剤と組み合わせて投与することができる。たとえば、ニトロイミダゾールは、標的化剤、化学療法剤、または第二の放射線増感剤等の追加の薬剤と組み合わせて投与することができる。標的化薬剤は、抗体等のがん細胞を標的とするための任意の適切な薬剤を含む。ニトロイミダゾールは、共有結合または非共有結合を介して標的化剤に結合することができる。たとえば、2-ニトロイミダゾール等のニトロイミダゾールは、生分解性リンカー等のリンカーを介して標的化剤に結合することができる。あるいは、ニトロイミダゾールは、イオン相互作用を介して標的化剤に結合することができる。特定の実施形態では、本開示の放射線増感剤および追加の薬剤は、リポソーム内に包まれていてもよい。これらの化学療法剤は、それらの作用機序によって、たとえば、以下の群に分類することができる: 代謝拮抗剤/抗がん剤、たとえばピリミジンアナログ(5-フルオロウラシル、フロクスウリジン、カペシタビン、ゲムシタビンおよびシタラビン)およびプリンアナログ、葉酸アンタゴニストおよび関連する阻害薬(メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、および2-クロロデオキシアデノシン(クラドリビン));ビンカアルカロイド(ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビノレルビン)、タキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、エポチロン、およびナベルビン、エピジポドフィロトキシン(テニポシド)等の天然産物を含む抗増殖/抗有糸分裂剤、DNA損傷剤(アクチノマイシン、アムサクリン、アントラシクリン、ブレオマイシン、ブスルファン、カンプトテシン、カルボプラチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、シトキサン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、ヘキサメチルメラミン、オキサリプラチン、イホスファミド、メルファラン、メルクロレタミン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ニトロソウレア、パクリタキセル、プリカマイシン、プロカルバジン、テニポシド、トリエチレンチオホスホルアミドおよびエトポシド(VP16));ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、イダルビシン、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、およびマイトマイシン等の抗生物質;酵素(L-アスパラギンを全身的に代謝し、独自にアスパラギンを合成する能力を持たない細胞を除去するL-アスパラギナーゼ);抗血小板薬;ナイトロジェンマスタード(メクロレタミン、シクロホスファミドおよびアナログ、メルファラン、クロラムブシル)、エチレンイミンおよびメチルメラミン(ヘキサメチルメラミンおよびチオテパ)、アルキルスルホネート(ブスルファン)、ニトロソウレア(カルムスチン(BCNU)およびアナログ、ストレプトゾシン)、trazene(ダカルバジニン(DTIC))等の抗増殖/抗有糸分裂アルキル化剤;葉酸アナログ(メトトレキサート)等の抗増殖/抗有糸分裂代謝拮抗剤;白金配位錯体(シスプラチン、カルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシウレア、ミトタン、アミノグルテチミド;ホルモン、ホルモンアナログ(エストロゲン、タモキシフェン、ゴセレリン、ビカルタミド、ニルタミド)、およびアロマターゼ阻害剤(レトロゾール、アナストロゾール);抗凝固剤(ヘパリン、合成ヘパリン塩および他のトロンビン阻害剤);血栓溶解薬(組織プラスミノーゲン活性化因子、ストレプトキナーゼおよびウロキナーゼ等)、アスピリン、COX-2阻害剤、ジピリダモール、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ;抗遊走剤(antimigratory agent);抗分泌剤(ブレベルジン);免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス(FK-506)、シロリムス(ラパマイシン)、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル);抗血管新生化合物(TNP-470、ゲニスタイン)および増殖因子阻害剤(血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤、線維芽細胞増殖因子(FGF)阻害剤、表皮増殖因子(EGF)阻害剤);アンジオテンシン受容体遮断薬;一酸化窒素ドナー;アンチセンスオリゴヌクレオチド;抗体(トラスツズマブ);細胞周期阻害剤および分化誘導剤(トレチノイン);mTOR阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤(ドキソルビシン(アドリアマイシン)、アムサクリン、カンプトテシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エニポシド、エピルビシン、エトポシド、イダルビシン、イリノテカン(CPT-11)およびミトキサントロン、トポテカン、イリノテカン)、コルチコステロイド(コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、およびプレドニゾロン);増殖因子シグナル伝達キナーゼ阻害剤;ミトコンドリア機能障害誘導物質、およびカスパーゼ活性化因子;クロマチン破壊剤。
【0069】
放射線防護剤は、本明細書に記載の方法と組み合わせて患者に投与することができる。放射線防護剤(Radioprotector)は、放射線防護剤(radioprotectant)とも呼ばれ、放射線療法によって引き起こされる損傷から正常な(非がん性の)細胞を保護する薬剤である。これらの薬剤は、放射線に曝露された正常細胞の修復を促進する。例示的な放射線防護剤は、アミホスチンを含む。
【0070】
特定の実施形態では、本開示の方法は、サルモネラ菌またはその遺伝子操作されたバリアント等の細菌の投与をさらに含む。研究によると、放射線療法とサルモネラ菌との併用は、特に好中球と呼ばれる炎症細胞の存在下で腫瘍抑制の有効性を高めることが示されている。ニトロイミダゾールとサルモネラ菌等の細菌およびCLR1404ベースの放射線療法とを組み合わせた治療法は、腫瘍抑制を強化する可能性がある。
【0071】
本開示の放射線増感剤は、1つまたは複数の生理学的に許容される担体または賦形剤を使用して、従来の方法で製剤化することができる。たとえば、本開示の化合物およびそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物は、たとえば、注射(たとえば、皮下、筋肉内、非経口)、吸入またはガス注入(口または鼻のいずれかを介して)または経口、口腔内、頬側、舌下、経皮、経鼻、非経口または直腸投与による投与のために製剤化することができる。一実施形態では、本開示の化合物は、腫瘍細胞が存在する部位、すなわち特定の組織、器官、または体液(たとえば、血液、脳脊髄液等)に局所的に投与することができる。典型的には、本開示の化合物および組成物は静脈内投与される。
【0072】
b. がん
本開示の化合物および組成物で治療することができるがんは、任意のがんであってもよい。本明細書に記載の化合物および組成物で治療できるがんは、以下を含むが、これらに限定されない: 多発性骨髄腫、リンパ腫、転移性がん、肉腫、神経芽細胞腫、白血病、男性乳がんを含む乳がん;腺がん、びまん性内在性橋膠腫(DIPG)、小児リンパ腫、肛門がん、虫垂がん、肝外胆管がん、消化管カルチノイド腫瘍、結腸がん、食道がん、胆嚢がん、胃がん、胃腸間質腫瘍(「GIST」)を含む消化/胃腸がん、膵島細胞腫瘍、成人原発性肝がん、小児肝がん、膵臓がん、直腸がん、小腸がん、および胃(胃)[stomach (gastric)]がん;膵臓腺がん、副腎皮質がん、膵臓神経内分泌腫瘍、メルケル細胞がん、非小細胞肺神経内分泌腫瘍、小細胞肺神経内分泌腫瘍、副甲状腺がん、褐色細胞腫、下垂体腫瘍および甲状腺がんを含む内分泌および神経内分泌がん;眼内黒色腫および網膜芽細胞腫を含む眼のがん;膀胱がん、腎臓(腎細胞)がん、陰茎がん、前立腺がん、腎盂移行上皮がんおよび尿管がん、精巣がん、尿道がんおよびウィルムス腫瘍を含む泌尿生殖器がん;小児中枢神経系がん、小児頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、および精巣がんを含む胚細胞がん;子宮頸がん、子宮内膜がん、妊娠性絨毛腫瘍、上皮性卵巣がん、卵巣胚細胞腫瘍、子宮肉腫、膣がん、および外陰がんを含む婦人科がん;下咽頭がん、喉頭がん、唇および口腔がん、原発不明の転移性頸部扁平上皮がん(metastatic squamous neck cancer with occult primary)を含む婦人科がん;口腔がん、上咽頭がん、中咽頭がん、副鼻腔および鼻腔がん、副甲状腺がん、咽頭がん(pharyngeal cancer)、唾液腺がん、および咽頭がん(throat cancer)を含む頭頸部がん;成人急性リンパ芽球性白血病、小児急性リンパ芽球性白血病、成人急性骨髄性白血病、小児急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、およびヘアリー細胞白血病を含む白血病;AIDS関連リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、成人ホジキンリンパ腫、小児ホジキンリンパ腫、妊娠中のホジキンリンパ腫、菌状息肉症、成人非ホジキンリンパ腫、小児非ホジキンリンパ腫、妊娠中の非ホジキンリンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、Sezary症候群、およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症を含むリンパ腫;ユーイング肉腫、骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫、小児横紋筋肉腫および軟部肉腫を含む筋骨格がん(musculoskeletal cancer);成人脳腫瘍、小児脳腫瘍、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胚芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、神経芽細胞腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫を含む神経がん(neurological cancer);非小細胞肺がん、小細胞肺がん、悪性中皮腫、胸腺腫および胸腺がんを含む呼吸器/胸部がん;およびカポジ肉腫、黒色腫、および扁平上皮がんを含む皮膚がん。多発性骨髄腫(MM)は、固形組織ではなく循環血液細胞(すなわち、プラズマB細胞)で発生するがんの一種である。多発性骨髄腫は、血液悪性腫瘍の15%、すべてのがんの1%を占める、普遍的に致命的な疾患である。診断からの生存期間の中央値は5~7年である。ボルテゾミブおよびレナリドマイド等の新薬は治療に対する反応の増加を示すが、患者は必然的に再発し、治療に対して抵抗性になる。
【実施例
【0073】
5. 実施例
例示の目的で提示され、本開示の範囲を限定することを意図していない、以下の実施例を参照することによって、上記はよりよく理解することができる。本開示は、以下の非限定的な例によって示される複数の態様を有する。
【0074】
実施例1
OPM-2細胞株(ヒト多発性骨髄腫)は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC、メリーランド州ロックビル)から購入し、10%ウシ胎児血清を補充したマッコイ5a培地で維持した。約5~7週齢のメスのCB17 SCIDマウスに、1×107個の生細胞(~100μLのダルベッコPBS中)を右脇腹に皮下注射した。腫瘍サイズが所定のサイズ(約150~200mm3)に達したときに研究を開始した。マウスに飲料水中の0.1%の濃度のヨウ化カリウムを投与して、注射の3日前に製剤中の遊離ヨウ化物の可能性を排除し、注射後2週間まで継続した。マウスをランダムに用量群に割り当てた。研究の過程で、腫瘍体積をノギスで測定した。腫瘍倍加時間の計算 TDT=D×log(2)/log(1+r/100)、ここでDは測定間の日数であり、R=増殖率;r/100==(V2-V1/V1)×100%である。統計分析:一元配置分散分析、ダネットの検定。
【0075】
【表1】
【0076】
実施例2
CLR 311の反復/分割投与は、忍容性が高く、単一の等用量よりも忍容性が良好であった。CLR 131のすべての用量は、この多発性骨髄腫のモデルで顕著な抗腫瘍活性を示した。単回投与の注入は、ボルテゾミブと同様のMMの同様の阻害をもたらす。分割投与は、26日目以降で対照と比較して腫瘍体積の統計的に有意な減少をもたらす。分割投与は、52日目で他のすべての治療と比較して統計的に有意な腫瘍体積の減少をもたらす(p<0.05)。腫瘍の倍加時間は、他のすべての治療と比較して、分割投与で著しく増加した。分割投与は、統計的に有意な延命効果をもたらした。
【0077】
実施例3
表2に示されるように、分割投与(コホート5)は、単回ボーラス投与(コホート4)よりも患者に送達されたミリキュリーの実際の線量によって測定されるように、18%多くの薬物を提供した。しかし、より多くの薬剤が患者に提供されたとしても、有害事象の平均グレードは低下し、グレードの中央値は同じままであった。さらに、有効性評価では、単回ボーラス投与と分割投与レジメンの間の改善も示された。全生存期間の中央値は6.5ヶ月(ボーラス投与)から7.4ヶ月(分割投与)に増加し、分割投与群の全生存期間の中央値の評価はまだ継続中である。平均無増悪生存期間は、それぞれ2.8ヶ月から2.9ヶ月に増加した。これも、無増悪生存期間の評価が継続中である。有効性の代替マーカーの平均減少は、単回ボーラス投与の経験を受けた患者のコホート間で大きく、分割投与を受けた患者の平均40%の減少に対して代替マーカーでは平均29%の減少であった。
【0078】
投与は、ミリキュリー/平方メートル(mCi/m2)で表される体表面積またはBSAに基づく。患者は、1日目に31.25mCi/m2の30分間の単回注入を受けるか、1日目に15.625mCi/m2の30分間の分割注入用量を受け、その後8日目に繰り返された。
【0079】
【表2】
【0080】
特定の態様の前述の記載は、他者が当業者のスキルの範囲内で知識を適用することにより、過度の実験なしに、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、特定の態様等の様々な用途に容易に改変および/または適応できるように、本開示の一般的な性質を完全に明らかにする。したがって、そのような適合および改変は、本明細書に提示される教示およびガイダンスに基づいて、開示された態様と同等の意味および範囲内にあることが意図されている。本明細書の言い回しまたは用語は、限定ではなく、説明を目的とするものであり、したがって本明細書の用語または言い回しは、教示およびガイダンスに照らして当業者によって解釈されるものであると理解されたい。
【0081】
本開示の幅および範囲は、上記の例示的な態様のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの同等物に従ってのみ定義されるべきである。
【0082】
本出願で引用されるすべての刊行物、特許、特許出願、および/または他の文書は、個々の刊行物、特許、特許出願、および/または他の文書の場合がすべての目的のために参照により組み込まれることが個別に示されるのと同程度に、すべての目的のためにその全体が参照により組み込まれる。
【0083】
完全性の理由から、開示の様々な態様は、以下の番号が付けられた節に示されている:
【0084】
節1. 以下の工程を含む、対象におけるがんの治療のための方法: a) 分割用量(fractionated dose)として、有効量の131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩を投与する工程。
【0085】
節2. 131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、単一の投与サイクル(dosing cycle)に従って投与され、ここで該単一の投与サイクルは、以下を含む、または以下からなる、節1に記載の方法: 1日目に投与される第一の単回投与; 13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、または18日目に投与される第二の単回投与; 55日目、56日目、57日目、58日目、59日目、60日目、61日目、62日目、63日目、64日目、または65日目に投与される第三の単回投与;および 第三の単回投与の後に投与される、任意の第四の単回投与。
【0086】
節3. 単一の投与サイクルは、第一の単回投与を1日目に1回投与し、第二の単回投与を15日目(1日目から14日後)に1回投与し、第三の単回投与を60日目(1日目から59日後)に1回投与し、および任意で第四の単回投与を75日目(1日目から74日後)に1回投与する、節2に記載の方法。
【0087】
節4. 131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、以下に従って投与される、節1に記載の方法: 1日目に投与される第一の単回投与、および13日目、14日目、15日目、16日目、17日目、または18日目に投与される第二の単回投与を含むか、またはそれらからなる第一の投与サイクル;および 55~190日目のいずれか一日に投与される第三の単回投与、および第三の単回投与の後に投与される、第四の単回投与を含むか、またはそれらからなる第二の投与サイクル。
【0088】
節5. 第二の単回投与は15日目(1日目から14日後)に投与され、第三の単回投与は57~180日目(1日目から56~179日後)のいずれか一日に投与される、節4に記載の方法。
【0089】
節6. 第三の単回投与は70~180日目のいずれか一日に投与される、節5に記載の方法。
【0090】
節7. 第四の単回投与は、第三の単回投与の7~14日後に投与される、節4~6のいずれか一つに記載の方法。
【0091】
節8. 対象はヒトである、節1~7のいずれか一つに記載の方法。
【0092】
節9. 131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、対象のがん細胞に対して選択的である、節1~8のいずれか一つに記載の方法。
【0093】
節10. 131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、1mCi/メートル2(m2)~100mCi/m2の用量範囲(dose range)で投与される、節1~9のいずれか一つに記載の方法。
【0094】
節11. 用量は、対象の体重1kgあたり1mCi~100mCiである、節1~9のいずれか一つに記載の方法。
【0095】
節12. がんは、多発性骨髄腫、リンパ腫、神経芽細胞腫、肉腫、白血病、転移性腫瘍、肝臓がん、肺がん、脳がん、膵臓がん、メラノーマがん(melanoma cancer)、腺がん、びまん性内在性橋膠腫(DIPG)、小児リンパ腫、または乳がんである、節1~11のいずれか一つに記載の方法。
【0096】
節13. がんは、分割線量放射線(fractionated dose radiation)に適している、節1~12のいずれか一つに記載の方法。
【0097】
節14. 化学療法、免疫療法、細胞療法、放射線増感療法、放射線防護療法(radioprotective therapy)、外照射療法(external beam radiation)、腫瘍切除、切除療法、および冷(低温(cryo))、熱(温熱)、高周波、およびマイクロ波に基づく局所理学療法からなる群から選択される別のがん療法をさらに含む、節1~13のいずれか一つに記載の方法。
【0098】
節15. 131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、第一の単回投与として1日目に、および第二の単回投与として15日目(1日目から14日後)に、および第三の単回投与として60日目(1日目から59日後)に、および任意で第四の単回投与として75日目(1日目から74日後)に、1mCi/メートル2(m2)~100mCi/m2の用量範囲で投与される、節10に記載の方法。
【0099】
節16. 131I標識18-(p-ヨード-フェニル)オクタデシルホスホコリンまたはその塩は、第一の単回投与として1日目に、および第二の単回投与として15日目(1日目から14日後)に、および第三の単回投与として57~180日目(1日目から56~179日後)のいずれか一日に、および任意で第四の単回投与として第三の単回投与の後に、1mCi/メートル2(m2)~100mCi/m2の用量範囲で投与される、節10に記載の方法。
【0100】
節17. 第三の単回投与は、70~180日目のいずれか一日に投与される、節16に記載の方法。
【0101】
節18. 用量は、対象の体重1kgあたり1mCi~100mCiである、および第一の単回投与として1日目に、および第二の単回投与として15日目(1日目から14日後)に、および単回投与として60日目(1日目から59日後)に、および任意で第四の単回投与として75日目(1日目から74日後)に投与される、節11に記載の方法。
【0102】
節19. 用量は、対象の体重1kgあたり1mCi~100mCiである、および第一の単回投与として1日目に、および第二の単回投与として15日目(1日目から14日後)に、および第三の単回投与として57~180日目(1日目から56~179日後)のいずれか一日に、および任意で第四の単回投与として第三の単回投与の後に投与される、節11に記載の方法。
【0103】
節20. 第三の単回投与は、70~180日目のいずれか一日に投与される、節19に記載の方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】