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特表2022-551525N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶溶媒和形
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  • 特表-N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶溶媒和形 図1
  • 特表-N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶溶媒和形 図2
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  • 特表-N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶溶媒和形 図6
  • 特表-N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶溶媒和形 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-09
(54)【発明の名称】N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶溶媒和形
(51)【国際特許分類】
   C07D 495/04 20060101AFI20221202BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20221202BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20221202BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20221202BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221202BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221202BHJP
【FI】
C07D495/04 105Z
C07D495/04 CSP
A61K31/519
A61P15/00
A61P13/10
A61P35/00
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521570
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(85)【翻訳文提出日】2022-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2020078475
(87)【国際公開番号】W WO2021069700
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】62/913,606
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519112689
【氏名又は名称】ミオバント サイエンシズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】ヤグシュ、カルステン
(72)【発明者】
【氏名】ハーツ、クリスティアーン クラウス
(72)【発明者】
【氏名】シュロット、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ヴラホヴァ、ペティンカ アイ.
(72)【発明者】
【氏名】スターンウェイス、スヴェン
【テーマコード(参考)】
4C071
4C086
【Fターム(参考)】
4C071AA01
4C071BB01
4C071CC02
4C071CC21
4C071DD40
4C071EE13
4C071FF05
4C071GG03
4C071GG05
4C071HH08
4C071JJ01
4C071JJ05
4C071KK16
4C071LL01
4C086AA03
4C086AA04
4C086CB26
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA81
4C086ZB26
4C086ZC41
(57)【要約】
本開示は、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶溶媒和形に関する。本開示はまた、開示された結晶形を作製する方法、該結晶形を含む医薬組成物およびキット、並びにそれらの投与を含む治療の方法および使用に関する。
【化1】

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物1のForm XIIIとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形。
【請求項2】
5.6°、5.9°、9.1°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θからなる群から選択される少なくとも3つのピークを含むX線パワー(power)回折パターンを特徴とする、請求項1の結晶形。
【請求項3】
5.6°、5.9°、9.1°、11.4°、14.1°、18.0°、19.1°、および21.5°2θ±0.2°2θからなる群から選択される少なくとも5つのピークを含むX線パワー(power)回折パターンを特徴とする、請求項1の結晶形。
【請求項4】
5.6°、5.9°、9.1°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θにピークを含むX線パワー(power)回折パターンを特徴とする、請求項1の結晶形。
【請求項5】
X線パワー(power)回折パターンが、18.0°、19.1°、および21.5°±0.2°2θからなる群から選択される1つ以上のピークを含む、請求項4の結晶形。
【請求項6】
図1に示すパターンと実質的に同じXRPDパターンを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項の結晶形。
【請求項7】
約32℃と約120℃との間で約8.6%の連続的な重量損失を示す熱重量分析(TG)サーモグラムを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項の結晶形。
【請求項8】
図2に示すパターンと実質的に同じTGサーモグラムを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項の結晶形。
【請求項9】
約99℃と約101℃との間での融解の開始を特徴とする、請求項1~8のいずれか一項の結晶形。
【請求項10】
約100℃での融解の開始を特徴とする、請求項1~9のいずれか一項の結晶形。
【請求項11】
約105℃と約107℃との間に吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項の結晶形。
【請求項12】
約106℃に吸熱ピークを含むDSCサーモグラムを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項の結晶形。
【請求項13】
図3に示すパターンと実質的に同じDSCサーモグラムを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項の結晶形。
【請求項14】
以下:
a)5.6°、5.9°、9.1°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θからなる群から選択される少なくとも3つのピークを含むXRPDパターン;
b)DSCによって測定した約100℃での融解の開始;および
c)DSCによって測定した約106℃での吸熱ピーク
の少なくとも2つを有することを特徴とする、請求項1の結晶形。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項の結晶形および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか一項の結晶形を調製する方法であって、前記方法が:
a)室温でDMSO中に、化合物1のForm Iとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形を懸濁させること;
b)工程a)から生じた白色の懸濁液を単離すること;および
c)沈殿した固体を該白色の懸濁液から単離して、化合物1のForm XIIIを得ること
を含む、方法。
【請求項17】
請求項1~14のいずれか一項の結晶形を調製する方法であって、前記方法が:
a)室温でDMSO中に、化合物1のForm Iとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形を懸濁させること;
b)工程a)から生じた白色の懸濁液を単離すること;
c)該白色の懸濁液を約15℃から約30℃から約15℃、約10℃から約30℃から約10℃、および約5℃から約35℃から約5℃の一連の温度サイクルに供すること;および
d)沈殿した固体を該白色の懸濁液から単離して、化合物1のForm XIIIを得ること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2019年10月10日付で出願された米国特許出願62/913,606号の継続出願であり、その全体の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、本明細書において化合物1とも呼ばれる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶溶媒和形(crystalline solvated forms)に関する。本開示はまた、開示された結晶形を作製する方法、該結晶形を含む医薬組成物およびキット、並びにそれらの投与を含む治療の方法および使用に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
化合物1である、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素は、子宮筋腫に伴う多量の月経出血および他の症状、子宮内膜症に伴う疼痛および他の症状、並びに前立腺癌を含むさまざまな状態を治療するのに有用な新しい医薬品として開発されている、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)拮抗薬である。化合物1はまた、他の疾患または障害を治療するのにも有用であり得る。例えば、米国特許第7,300,935号、米国特許第8,058,280号、米国特許第8,735,401号、米国特許第9,346,822号、WO2018060501、およびWO2018060463を参照されたい。
【0004】
化合物1および化合物1を調製する方法は、米国特許第7,300,935号、米国特許第8,058,280号、米国特許第8,735,401号、米国特許第9,346,822号、および米国特許第9,758,528号に記載されている。
【0005】
参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,758,528号は、化合物1および特定の合成中間体、並びに化合物1の2つの結晶形:化合物1のテトラヒドロフラン(THF)溶媒和物の結晶および化合物1の無水形の結晶(本明細書においては化合物1のForm Iと呼ばれる)を製造する方法を記載する。参考までに、米国特許第9,758,528号において詳述されているように、化合物1のForm Iは、約7.4°、8.9°、9.9°、12.1°、16.6°、17.3°、22.2°、22.8°、および27.4°2θにピークを有するXRPDパターンによって特徴付けられ得る。
【0006】
化合物1のForm Iはまた、本出願の図4に表すXRPDパターンによって特徴付けられ得る。化合物1のForm Iは、約189℃で融解し始め、約197℃で分解し始める。化合物1のForm Iは、DSCによる約237℃の発熱ピークと、TGによる約245℃の分解を示す。図5および6は、それぞれ、化合物1のForm Iの熱重量分析(TG)および示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。
【発明の概要】
【0007】
概要
本開示の一面は、化合物1のForm XIIIとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形に関する。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、5.6°、5.9°、9.1°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θからなる群から選択される少なくとも3つのピークを含むX線パワー(power)回折パターンによって特徴付けられる。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、5.6°、5.9°、9.1°、11.4°、14.1°、18.0°、19.1°、および21.5°2θ±0.2°2θからなる群から選択される少なくとも5つのピークを含むX線パワー(power)回折パターンによって特徴付けられる。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、5.6°、5.9°、9.1°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θにピークを含むX線パワー(power)回折パターンによって特徴付けられる。特定のそのような実施態様においては、X線パワー(power)回折パターンは、18.0°、19.1°、および21.5°±0.2°2θからなる群から選択される1つ以上のピークを含む。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、図1に示すパターンと実質的に同じXRPDパターンによる。
【0008】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、約32℃と約120℃との間で約8.6%の連続的な重量損失を示す熱重量分析サーモグラムによって特徴付けられる。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、図2に示すパターンと実質的に同じTGサーモグラムによって特徴付けられる。
【0009】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、約99℃と約101℃との間での融解の開始によって特徴付けられる。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、約100℃での融解の開始によって特徴付けられる。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、約105℃と約107℃との間に吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、約106℃に吸熱ピークを含むDSCサーモグラムによって特徴付けられる。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、図3に示すパターンと実質的に同じDSCサーモグラムによって特徴付けられる。
【0010】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、以下:
a)5.6°、5.9°、9.1°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θからなる群から選択される少なくとも3つのピークを含むXRPDパターン;
b)DSCによって測定した約100℃での融解の開始;および
c)DSCによって測定した約106℃での吸熱ピーク
の少なくとも2つを有することによって特徴付けられる。
【0011】
本開示の一面は、本開示の結晶形および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0012】
本開示の別の一面は、化合物1のForm XIIIを調製する方法に関し、前記方法は:
a)室温でDMSO中に、化合物1のForm Iとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形を懸濁させること;
b)工程a)から生じた白色の懸濁液を単離すること;および
c)沈殿した固体を該白色の懸濁液から単離して、化合物1のForm XIIIを得ること
を含む。
【0013】
本開示の別の一面は、化合物1のForm XIIIを調製する方法に関し、前記方法は:
a)室温でDMSO中に、化合物1のForm Iとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形を懸濁させること;
b)工程a)から生じた白色の懸濁液を単離すること;
c)該白色の懸濁液を約15℃から約30℃から約15℃、約10℃から約30℃から約10℃、および約5℃から約35℃から約5℃の一連の温度サイクルに供すること;および
d)沈殿した固体を該白色の懸濁液から単離して、化合物1のForm XIIIを得ること
を含む。
【0014】
いくつかの実施態様においては、約15℃から約30℃から約15℃の6つの温度サイクルがある。いくつかの実施態様においては、約10℃から約30℃から約10℃の6つの温度サイクルがある。いくつかの実施態様においては、約5℃から約35℃から約5℃の8つの温度サイクルがある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、化合物1のForm XIIIの粉末X線回折パターンを表す。
図2図2は、化合物1のForm XIIIの熱重量分析(TG)サーモグラムを表す。
図3図3は、化合物1のForm XIIIの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを表す。
図4図4は、化合物1のForm Iの粉末X線回折パターンを示す。米国特許第9,758,528号の図2より引用。
図5図5は、化合物1のForm IのTGサーモグラムを表す。
図6図6は、化合物1のForm IのDSCサーモグラムを表す。
図7図7は、化合物1のForm XIIIのH NMRスペクトル(400MHz)を表す。H NMR収集の溶媒は、DMSOであった。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
本明細書において記載されているのは、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素(化合物1)の結晶溶媒和物形(crystalline solvate forms)、前記結晶形を作製する方法、前記結晶形を含む医薬組成物およびキット、並びにそれらの投与を含む治療の方法および使用である。化合物1の化学構造は、以下のとおりである。
【0017】
【化1】
【0018】
一般情報
冠詞「a」および「an」は、本開示においては、冠詞の文法的対象の1つまたは複数を(すなわち、少なくとも1つ)を指すのに使用される。例として、「要素」は、1つの要素または複数の要素を意味する。
【0019】
用語「および/または」は、本開示においては、他に指示されない限り、「および」または「または」のいずれかを意味するのに使用される。
【0020】
本開示の結晶形
Form XIIIは、化合物1の結晶ジメチルスルホキシド(DMSO)溶媒和物である。本明細書において使用される用語「溶媒和物」は、化合物1および溶媒によって形成される、化学量論的溶媒和物およびチャンネル型溶媒和物などの非化学量論的溶媒和物を含む。適切な溶媒の例は、DMSOを含み得るが、これに限定されない。
【0021】
化合物1のForm XIII
本開示は、化合物1のForm XIIIとして特徴付けられる化合物1の結晶形を提供する。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、DMSO溶媒和物である。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、5.6°、5.9°、9.1°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θからなる群から選択される少なくとも3つのピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、5.6°、5.9°、9.1°、11.4°、14.1°、18.0°、19.1°、および21.5°2θ±0.2°2θからなる群から選択される少なくとも5つのピークを含むXRPDパターンによって特徴付けられる。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、5.6°、5.9°、9.1°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θにピークを有するXRPDパターンによって特徴付けられる。特定のそのような実施態様においては、XRPDパターンは、18.0°、19.1°、および21.5°±0.2°2θからなる群から選択される1つ以上のピークを有する。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、図1に示すパターンと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる。
【0022】
化合物1のForm XIIIはまた、熱重量分析(TG)によって特徴付けられ得る。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、約32℃と約120℃との間で約8.6%の連続的な重量損失を示すTGサーモグラムによって特徴付けられる。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、図2に示すパターンと実質的に同じTGサーモグラムによって特徴付けられる。
【0023】
化合物1のForm XIIIはまた、示差走査熱量測定(DSC)によって特徴付けられ得る。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、約99℃と約101℃との間での融解の開始によって特徴付けられる。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、約100℃での融解の開始によって特徴付けられる。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、約105℃と約107℃との間に吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、約106℃に吸熱ピークを含むDSCサーモグラムによって特徴付けられる。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、図3に示すパターンと実質的に同じDSCサーモグラムによって特徴付けられる。
【0024】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、以下:
a)5.6°、5.9°、9.1°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θからなる群から選択される少なくとも3つのピークを含むXRPDパターン;
b)DSCによって測定した約100℃での融解の開始;および
c)DSCによって測定した約106℃での吸熱ピーク
の少なくとも2つを有することによって特徴付けられる。
【0025】
いくつかの実施態様においては、XRPDパターンは、5.6°、5.9°、9.1°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θにピークを含む。いくつかの実施態様においては、XRPDパターンは、5.6°、5.9°、および9.1°2θ±0.2°2θにピークを含む。いくつかの実施態様においては、XRPDパターンは、5.6°、5.9°、および11.4°2θ±0.2°2θにピークを含む。いくつかの実施態様においては、XRPDパターンは、5.6°、5.9°、および14.1°2θ±0.2°2θにピークを含む。いくつかの実施態様においては、XRPDパターンは、9.1°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θにピークを含む。いくつかの実施態様においては、XRPDパターンは、5.9°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θにピークを含む。いくつかの実施態様においては、XRPDパターンは、5.6°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θにピークを含む。いくつかの実施態様においては、XRPDパターンは、5.9°、9.1°、および11.4°2θ±0.2°2θにピークを含む。いくつかの実施態様においては、XRPDパターンは、5.6°、9.1°、および11.4°2θ±0.2°2θにピークを含む。いくつかの実施態様においては、XRPDパターンは、5.6°、9.1°、および14.1°2θ±0.2°2θにピークを含む。いくつかの実施態様においては、XRPDパターンは、5.9°、9.1°、および14.1°2θ±0.2°2θにピークを含む。いくつかの実施態様においては、XRPDパターンは、18.0°、19.1°、および21.5°±0.2°2θからなる群から選択される1つ以上のピークを含む。
【0026】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIの単結晶構造は、1~5分子のDMSOおよび1分子の化合物1を有する。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIの単結晶構造は、1分子のDMSOおよび1分子の化合物1を有する。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIの単結晶構造は、2分子のDMSOおよび1分子の化合物1を有する。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIの単結晶構造は、2.5分子のDMSOおよび1分子の化合物1を有する。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIの単結晶構造は、3分子のDMSOおよび1分子の化合物1を有する。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIの単結晶構造は、4分子のDMSOおよび1分子の化合物1を有する。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIの単結晶構造は、5分子のDMSOおよび1分子の化合物1を有する。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIの単結晶構造は、5分子のDMSOおよび2分子の化合物1を有する。
【0027】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、化合物1のForm XIII中に存在する化合物1の総重量に対して約1重量%から約10重量%のDMSOを有する。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、化合物1のForm XIII中に存在する化合物1の総重量に対して約7重量%から約9重量%のDMSOを有する。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、、化合物1のForm XIII中に存在する化合物1の総重量に対して約8重量%から約9重量%のDMSOを有する。いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、化合物1のForm XIII中に存在する化合物1の総重量に対して約8.6重量%のDMSOを有する。
【0028】
いくつかの実施態様においては、本明細書において開示される化合物IのForm XIIIは、表1にリストするピークを有するXRPDパターンによって特徴付けられ得る。全てのピークリストは、°2θ±0.2°2θである。
【0029】
【表1】
【0030】
化合物1の結晶Form XIIIの不純物プロファイル
化合物1のForm XIIIの製造を通して、化合物1の結晶形の純度は、増加し得る。従って、高純度の化合物1のForm XIIIおよびForm Iを、取得し得る。U-1、U-2、およびU-3などの不純物は、化合物1の所望の結晶形(例えば、Form IおよびXIII)において最小化し得る。
【0031】
化合物1のForm XIIIの水性純度を、表2に要約する。
【0032】
【表2】
【0033】
表2において示されるように、化合物1のForm XIIIは、高い純度および不純物U-1、U-2、およびU-3の低い含有量を有することが示されている。医薬品グレードの化合物を作製する場合、不純物は不活性であり得、有毒であり得または他の望ましくない効果を有し得るため、それらの量を最小化するかまたは特定の限界以下に制御することが、望ましく、いくつかの一面においては必要とされる。米国特許第9,758,528号には、化合物1のテトラヒドロフラン(THF)溶媒和物形が、化合物1のForm Iの製造における中間体として開示されている。Form IのTHF溶媒和物と比較した、化合物1のForm XIIIのより高い純度は、より高い純度の化合物1のForm Iの製造を可能にし得る。
【0034】
開示の結晶形の調製
化合物1のForm XIIIは、化合物1のForm Iの合成または製造中に使用し得る。化合物1のForm Iおよび化合物1のForm Iを調製する方法は、特に合成および結晶化法に関して、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,758,528号に記載されている。化合物1のForm IのXRPDパターンを、図4に表す。結晶化前の化合物1を調製する方法は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,300,935号、米国特許第8,058,280号、米国特許第8,735,401号、および米国特許第9,346,822号に記載されている。
【0035】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを使用することによって作製し得る。例えば、化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約35℃+/-5℃の温度でDMSO:EtOH(1.7:1.2)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約35℃+/-5℃で約4日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実施態様においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0036】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約35℃+/-5℃の温度でDMSO:EtOH(1.7:5.5)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約35℃+/-5℃で約6日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実施態様においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0037】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約25℃+/-5℃の温度でDMSO:EtOH(1.7:5.5)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約25℃+/-5℃で約11日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実施態様においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0038】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約25℃+/-5℃の温度でDMSO:EtOH(1.7:8.6)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約25℃+/-5℃で約17日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実施態様においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0039】
例えば、化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約35℃+/-5℃の温度でDMSO:THF:EtOH(1.7:0.11:1.2)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約35℃+/-5℃で約4日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実施態様においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0040】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約35℃+/-5℃の温度でDMSO:THF:EtOH(1.7:0.11:5.5)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約35℃+/-5℃で約6日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実施態様においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0041】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約25℃+/-5℃の温度でDMSO:THF:EtOH(1.7:0.11:5.5)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約25℃+/-5℃で約11日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実施態様においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0042】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約25℃+/-5℃の温度でDMSO:THF:EtOH(1.7:0.11:8.6)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約25℃+/-5℃で約17日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実施態様においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0043】
本開示は、化合物1のForm XIIIを調製する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、化合物1のTHF溶媒和物形(米国特許第9,758,528号を参照)をDMSOを含有する容器に加え、該固体は溶解しない。固体から固体への形態転移は、当技術分野において知られている。いかなる特定の理論にも拘束されることなく、化合物1のTHF溶媒和物形は、例えば、固体から固体への変換を介して、本明細書において記載される化合物1のForm XIIIに変換し得る。固体を容器から回収して、化合物1のForm XIIIを得る。
【0044】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIは、化合物1のForm Iを使用して調製する。特定のそのような実施態様においては、化合物1のForm Iは、室温でDMSO中に懸濁させ、得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物のForm XIIIを得る。いくつかの実施態様においては、DMSO中の化合物1のForm Iの混合物に、少量の化合物1のForm XIIIを播種する。
【0045】
いくつかの実施態様においては、化合物1のForm XIIIを調製する方法は、化合物1のForm Iを室温でDMSO中に懸濁させること;DMSO中の化合物1のForm Iの懸濁液から生じた白色の懸濁液を単離すること;該白色の懸濁液を約15℃から約30℃から約15℃、約10℃から約30℃から約10℃、および約5℃から約35℃から約5℃の一連の温度サイクルに供すること;および沈殿した固体を該白色の懸濁液から単離して、化合物1のForm XIIIを得ることを含む。いくつかの実施態様においては、約15℃から約30℃から約15℃の6つの温度サイクルがある。いくつかの実施態様においては、約10℃から約30℃から約10℃の6つの温度サイクルがある。いくつかの実施態様においては、約5℃から約35℃から約5℃の8つの温度サイクルがある。いくつかの実施態様においては、DMSO中の化合物1のForm Iの混合物に、少量の化合物1のForm XIIIを播種する。
【0046】
医薬組成物
開示した化合物1の結晶Form XIIIは、それ自体で使用し得るが、対象に投与する場合、一般に、化合物1のForm XIIIが薬学的に許容される担体と一緒になった医薬組成物の形態で投与されるであろう。適切な医薬組成物の選択および調製のための慣用の手順は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「Pharmaceuticals-The Science of Dosage Form Designs,” M. E. Aulton,Churchill Livingstone,1988に記載されている。
【0047】
本開示において使用される用語「担体」は、担体、賦形剤、および希釈剤を包含し得、本開示の結晶形などの医薬品を、対象のある器官または身体の一部から、別の器官または身体の一部に運搬または輸送することに関与する、液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料などの、材料、組成物またはビヒクルを意味し得る。担体は、所望の剤形の適合性および放出プロファイル特性に基づいて選択すべきである。例示的な担体材料は、例えば、結合剤、懸濁剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定剤、潤滑剤、湿潤剤、希釈剤、噴霧乾燥分散液等を含む。例えば、Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pa. 1975を参照されたい。
【0048】
いくつかの実施態様においては、本開示は、本明細書において開示される1つ以上の結晶形を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、本明細書において開示される1つの結晶形のみを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、化合物1のForm XIIIを含む医薬組成物を提供する。他の実施態様においては、本開示は、本明細書において開示される2つの結晶形を含む医薬組成物を提供する。例えば、化合物1を含む医薬組成物は、化合物1のForm Iおよび化合物1のForm XIIIを含み得る。
【0049】
いくつかの実施態様においては、本開示は、化合物1のForm XIIIおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、化合物1のForm IおよびForm XIII並びに薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0050】
投与の様式に応じて、医薬組成物は、全ての重量パーセントが総組成に基づく、約0.05から約99重量%(重量パーセント)、より具体的には約0.05から約80重量%、さらにより具体的には約0.10から約70重量%、および一層より具体的には約0.10から約50重量%の1つ以上の開示した結晶形を含むであろう。いくつかの実施態様においては、医薬組成物は、経皮的に、経粘膜的に、または局所的に(例えば、皮膚にまたは粘膜に)投与される。いくつかの実施態様においては、医薬組成物は、膣坐剤として投与される。
【0051】
本開示の医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体と一緒に処方される、治療有効量の1つ以上の開示した結晶形を含み得る。薬学的に許容される担体の例は、ラクトース、デキストロース、マンニトール、グルコースおよびスクロースなどの糖;とうもろこし、小麦またはジャガイモに由来するでん粉などのでん粉およびグリコール酸でん粉ナトリウムなどの他の医薬品グレードのでん粉;セルロース、およびカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、および微結晶性セルロースなどのその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝溶液;ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;着色剤;放出剤;コーティング剤;甘味料、香味剤および芳香剤;防腐剤および抗酸化剤を含む。
【0052】
治療の方法および使用
本開示は、有効量の、本明細書において記載される、1つ以上の結晶形、または前記1つ以上の結晶形を含む1つ以上の医薬組成物を投与し、それによってそれを必要とする対象における障害を治療することを含む、該障害を治療する方法を提供する。
【0053】
本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、障害は、ホルモン依存性状態である。ホルモン依存性状態は、性ホルモン依存性癌(例えば、前立腺癌、子宮癌、乳癌、および卵巣癌)、性ホルモン依存性癌の骨転移、前立腺肥大、子宮筋腫(hysteromyoma(uterine fibroids))、腺筋腫、子宮線維腫、思春期早発症、無月経、月経前症候群、月経困難症、多房性卵巣症候群、多嚢胞性卵巣症候群、にきび、不妊症、一過性熱感、子宮内膜症、腺筋症、多量の月経出血、およびこれらの状態に伴う症状を含み得る。そのような症状は、貧血、不規則な期間(irregular periods)、斑点、炎症、疼痛、倦怠感、尿路閉塞、頻尿、失禁、便秘、不安、睡眠障害、生活の質の低下、日常生活動作の困難、女性の性機能障害、およびうつを含み得る。本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、ホルモン依存性状態は、前立腺癌、子宮癌、乳癌、または卵巣癌である。化合物1が治療に有用である追加の障害は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,300,935号、米国特許第8,058,280号、米国特許第8,735,401号、米国特許第9,346,822号、W02018060501、およびW02018060463に記載されている。
【0054】
本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、ホルモン依存性状態は、前立腺癌である。本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、ホルモン依存性状態は、子宮癌である。本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、ホルモン依存性状態は、乳癌である。本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、ホルモン依存性状態は、卵巣癌である。本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、ホルモン依存性状態は子宮筋腫である。本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、ホルモン依存性状態は、子宮筋腫に伴う多量の月経出血である。本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、ホルモン依存性状態は、子宮筋腫に伴う疼痛または他の症状である。本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、ホルモン依存性状態は、子宮内膜症である。本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、ホルモン依存性状態は、子宮内膜症に伴う疼痛である。本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、ホルモン依存性状態は、腺筋症である。本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、ホルモン依存性状態は、多量の月経出血である。
【0055】
「患者」または「対象」は、哺乳動物である。哺乳動物の例は、ヒトを含む哺乳綱の任意のメンバー;チンパンジー、サル、ヒヒ、およびアカゲザルなどの非ヒト霊長類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、およびブタ;ウサギ、イヌ、およびネコ;並びにラット、マウス、およびモルモットなどの齧歯類を含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施態様においては、患者または対象は、ヒトである。
【0056】
本開示の1つ以上の結晶形または医薬組成物に関連して使用するときの用語「有効量」または「治療有効量」は、所望の生物学的結果を提供するのに十分な量の該1つ以上の結晶形または医薬組成物を指し得る。その結果は、障害の兆候、症状、若しくは原因の低下および/若しくは緩和、または生物学的システムの任意の他の所望の変化であり得る。例えば、治療的使用についての「有効量」は、障害において臨床的に有意な減少を提供するために必要とされる、本明細書において開示される1つ以上の結晶形を含む1つ以上の医薬組成物の量であり得る。任意の個々の場合における適切な「有効量」は、日常的な実験を使用して当業者によって決定し得る。
【0057】
本明細書において使用される用語「治療する」または「治療」またはそれらの同族語は、障害の発症の延期;および/または発症するであろう若しくは発症すると予想されるそのような症状の重症度を低下させることを示すことを意味する。すなわち、これらの用語は、既存の障害症状を改善すること;追加の症状を予防すること;症状の根本的な原因を改善すること若しくは予防すること;障害を抑制すること、例えば、障害の発症を阻止すること;障害を緩和すること;障害の退行を引き起こすこと;障害によって引き起こされる症状を緩和すること;または障害の症状を停止すること若しくは軽減することを含み得る。
【0058】
本開示において使用される用語「投与された」、「投与」、または「投与すること」は、本開示の1つ以上の結晶形または医薬組成物のいずれかを対象に直接投与することを指し得る。
【0059】
本開示は、有効量の化合物1のForm XIIIを投与し、それによりそれを必要とする対象における障害を治療することを含む、該障害を治療する方法を提供する。本開示は、有効量の化合物1のForm IおよびXIIIの混合物を投与し、それによりそれを必要とする対象における障害を治療することを含む、該障害を治療する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、障害は、ホルモン依存性状態である。
【0060】
本開示は、有効量の本開示の1つ以上の医薬組成物を投与し、それによってそれを必要とする対象における障害を治療することを含む、該障害を治療する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、有効量の、本明細書において開示される1つ以上の結晶形を含む1つ以上の医薬組成物を投与し、それによってそれを必要とする対象における障害を治療することを含む、該障害を治療する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、有効量の、化合物1のForm XIIIを含む1つ以上の医薬組成物を投与し、それによってそれを必要とする対象における障害を治療することを含む、該障害を治療する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、有効量の、化合物1のForm IおよびXIIIの混合物を含む1つ以上の医薬組成物を投与し、それによってそれを必要とする対象における障害を治療することを含む、該障害を治療する方法を提供する。いくつかの実施態様においては、障害は、ホルモン依存性状態である。
【0061】
本開示は、それを必要とする対象における障害を治療することにおける使用のための、本開示の1つ以上の結晶形または本開示の1つ以上の医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様においては、1つ以上の結晶形は、化合物1のForm XIIIを含む。いくつかの実施態様においては、1つ以上の結晶形は、化合物1のForm IおよびXIIの混合物である。いくつかの実施態様においては、本開示の1つ以上の医薬組成物は、本明細書において開示される1つ以上の結晶形を含む。いくつかの実施態様においては、本開示の1つ以上の医薬組成物は、化合物1のForm XIIIを含む。いくつかの実施態様においては、本開示の1つ以上の医薬組成物は、化合物1のForm IおよびXIIIの混合物を含む。いくつかの実施態様においては、障害は、ホルモン依存性状態である。
【0062】
本開示は、それを必要とする対象における障害を治療するための本開示の1つ以上の結晶形の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、それを必要とする対象における障害を治療するための化合物1のForm XIIIの使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、それを必要とする対象における障害を治療するための化合物1のForm IおよびXIIIの混合物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、障害は、ホルモン依存性状態である。
【0063】
本開示は、それを必要とする対象における障害を治療するための本開示の1つ以上の医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、それを必要とする対象における障害を治療するための、本明細書において開示される1つ以上の結晶形を含む1つ以上の医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、それを必要とする対象における障害を治療するための、化合物1のForm XIIIを含む1つ以上の医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、それを必要とする対象における障害を治療するための、化合物1のForm IおよびXIIIの混合物を含む1つ以上の医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、障害は、ホルモン依存性状態である。
【0064】
本開示は、障害を治療するための薬剤の製造における本開示の1つ以上の結晶形の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、障害を治療するための薬剤の製造における化合物1のForm XIIIの使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、障害を治療するための薬剤の製造における化合物1のForm IおよびXIIの混合物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、障害は、ホルモン依存性状態である。
【0065】
本開示は、障害を治療するための薬剤の製造における本開示の1つ以上の医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、障害を治療するための薬剤の製造における、本明細書において開示される1つ以上の結晶形を含む1つ以上の医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、障害を治療するための薬剤の製造における、化合物1のForm XIIIを含む1つ以上の医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、障害を治療するための薬剤の製造における、化合物1のForm IおよびXIIIの混合物を含む1つ以上の医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、障害は、ホルモン依存性状態である。
【0066】
本開示は、障害を治療するための薬剤としての本開示の1つ以上の結晶形の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、障害を治療するための薬剤としての化合物1のForm XIIIの使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、障害を治療するための薬剤としての化合物1のForm IおよびXIIIの混合物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、障害は、ホルモン依存性状態である。
【0067】
本開示は、障害を治療するための薬剤としての本開示の1つ以上の医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、障害を治療するための薬剤としての、本明細書において開示される1つ以上の結晶形を含む1つ以上の医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、障害を治療するための薬剤としての、化合物1のForm XIIIを含む1つ以上の医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、本開示は、障害を治療するための薬剤としての、化合物1のForm IおよびXIIIの混合物を含む1つ以上の医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施態様においては、障害は、ホルモン依存性状態である。
【0068】
本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、本開示の1つの医薬組成物のみを、該方法または使用において使用する。本開示の方法および使用のいくつかの実施態様においては、本開示の1つの結晶形のみを、該方法または使用において使用する。
【0069】
本明細書において述べる治療的使用については、投与される投与量は、もちろん、用いられる1つ以上の結晶形または医薬組成物、投与の様式、所望の治療および示された障害で異なるであろう。例えば、本開示の1つ以上の結晶形の1日投与量は、吸入する場合、体重1キログラムあたり約0.05マイクログラム(μg/kg)から体重1キログラムあたり約100マイクログラム(μg/kg)の範囲であり得る。あるいは、1つ以上の結晶形または医薬組成物を経口投与する場合、その場合は本開示の1つ以上の結晶形の1日投与量は、体重1キログラムあたり約0.01マイクログラム(μg/kg)から体重1キログラムあたり約100ミリグラム(mg/kg)の範囲であり得る。
【0070】
しかしながら、本開示の1つ以上の結晶形または医薬組成物の1日あたりの総使用量は、妥当な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されるであろうことが理解されるであろう。任意の特定の患者についての特定の治療上有効な用量レベルは、治療される障害および障害の重症度;用いられる特定の結晶形の活性;用いられる特定の医薬組成物;患者の年齢、体重、一般的な健康、性別および食事;投与の時間、投与の経路、および用いられる特定の結晶形の排泄の速度;治療の期間;用いられる特定の結晶形と組み合わせてまたは同時に使用する薬物;並びに医学分野においてよく知られている同様の要因を含むさまざまな要因に依存するであろう。当業者である医師または獣医は、障害の進行を治療する、それに対抗する、またはそれを阻止するために必要とされる、治療有効量の、本明細書において開示される1つ以上の結晶形または医薬組成物を、容易に決定し、処方することができる。
【0071】
併用療法
いくつかの実施態様においては、本明細書において記載される1つ以上の結晶形または医薬組成物は、単独で使用し得るか、または1つ以上の他の治療剤若しくは医薬組成物と一緒に若しくは共同で投与し得るか、または組み合わせて使用し得る。共同の投与または組合せの使用は、第二の化合物、結晶形、または医薬組成物を、以前に投与した化合物、結晶形、または医薬組成物が身体中でまだ効力がある間に投与するような、2つ以上の異なる化合物、結晶形、または医薬組成物の任意の形態の投与を指し得る。例えば、異なる化合物、結晶形、または医薬組成物を、同じ製剤または別個の製剤のいずれかで、同時に、連続して、または治療の個々の成分の別個の投与のいずれかで投与し得る。いくつかの実施態様においては、異なる化合物、結晶形、または医薬組成物を、互いに、約1時間、約12時間、約24時間、約36時間、約48時間、約72時間、または約1週間以内に投与することができる。すなわち、そのような治療を受ける個人は、異なる化合物、結晶形、または医薬組成物の複合効果から利益を得ることができる。
【0072】
いくつかの実施態様においては、1つ以上の本開示の結晶形または医薬組成物は、本開示の方法または使用において、本開示の1つ以上の他の結晶形または医薬組成物と組み合わせて使用される。特定のそのような実施態様においては、本開示の1つ以上の他の結晶形または医薬組成物の組合せは、本明細書においてリストされる障害の1つ以上を治療する方法において使用される。
【0073】
いくつかの実施態様においては、本開示の1つ以上の結晶形または医薬組成物は、エストラジオールまたは対応する量のエストラジオール同等物と組み合わせて使用される。いくつかの実施態様においては、本開示の1つ以上の結晶形または医薬組成物は、プロゲスチンと組み合わせて使用される。いくつかの実施態様においては、本開示の1つ以上の結晶形または医薬組成物は、エストラジオールまたは対応する量のエストラジオール同等物、およびプロゲスチンと組み合わせて使用される。いくつかの実施態様においては、プロゲスチンは、酢酸ノルエチンドロンである。
【0074】
いくつかの実施態様においては、本明細書において提供される1つ以上の結晶形若しくは医薬組成物の組合せ、または他の既知の薬剤若しくは医薬組成物および本明細書において提供される1つ以上の結晶形若しくは医薬組成物の組合せは、本開示の方法および使用において有用である医薬組成物および医薬品に処方される。本開示はまた、本明細書においてリストされる障害の1つ以上の治療におけるそのような組合せの使用を提供する。
【0075】
本開示のいくつかの実施態様においては、本開示の1つ以上の結晶形または医薬組成物を、治療量以下の用量で投与し、ここで、治療量以下の用量は、単独で投与された場合、本明細書においてリストされる障害の1つを治療するのに不十分であろう用量である。
【0076】
キット
いくつかの実施態様においては、本開示はまた、本開示の少なくとも1つの結晶形または医薬組成物を充填した1つ以上の容器を含む医薬パッケージまたはキットを提供する。そのような容器には、医薬製品または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関が定める形式の通知を任意に添付し得、この通知は、(a)ヒト投与用の製造、使用または販売の政府機関による承認、(b)使用の指示、またはその両方を反映する。
【0077】
上記は、本明細書において記載される結晶形、医薬組成物、方法、および使用のいずれにも適用される。この開示は、そのような結晶形、医薬組成物、方法、および使用(単独または組合せでの)の特徴と、このセクションにおいて説明されるさまざまなキットについて説明される特徴との任意の組合せを具体的に企図する。
【0078】
本明細書において記載されるものと類似のまたは同等の方法および材料を本開示の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および材料を、本明細書において記載する。本開示の他の特徴、目的、および利点は、記述からおよび特許請求の範囲から明らかであるであろう。明細書および添付の特許請求の範囲においては、文脈が他に明確に指示しない限り、単数形はまた、複数形を含む。他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術および科学用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において引用される全ての特許および刊行物は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0079】
本明細書において記載される各実施態様は、単独でまたは任意の1つ以上の他の実施態様と組み合わせ得る。
【0080】
列挙した実施態様
本開示のいくつかの実施態様は、実施態様Iのものを含む。
【0081】
実施態様I-1. 化合物1のForm XIIIとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形。
【0082】
実施態様I-2. 5.6°、5.9°、9.1°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θからなる群から選択される少なくとも3つのピークを含むX線パワー(power)回折パターンによって特徴付けられる、実施態様I-1の結晶形。
【0083】
実施態様I-3. 5.6°、5.9°、9.1°、11.4°、14.1°、18.0°、19.1°、および21.5°2θ±0.2°2θからなる群から選択される少なくとも5つのピークを含むX線パワー(power)回折パターンによって特徴付けられる、実施態様I-1の結晶形。
【0084】
実施態様I-4. 5.6°、5.9°、9.1°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θにピークを含むX線パワー(power)回折パターンによって特徴付けられる、実施態様I-1の結晶形。
【0085】
実施態様I-5. X線パワー(power)回折パターンが18.0°、19.1°、および21.5°±0.2°2θからなる群から選択される1つ以上のピークを含む、実施態様I-4の結晶形。
【0086】
実施態様I-6. 図1に示すパターンと実質的に同じXRPDパターンによって特徴付けられる、実施態様I-1からI-5のいずれか1つの結晶形。
【0087】
実施態様I-7. 約32℃と約120℃との間で約8.6%の連続的な重量損失を示す熱重量分析(TG)サーモグラムによって特徴付けられる、実施態様I-1からI-6のいずれか1つの結晶形。
【0088】
実施態様I-8. 図2に示すパターンと実質的に同じTGサーモグラムによって特徴付けられる、実施態様I-1からI-7のいずれか1つの結晶形。
【0089】
実施態様I-9. 約99℃と約101℃との間での融解の開始によって特徴付けられる、実施態様I-1からI-8のいずれか1つの結晶形。
【0090】
実施態様I-10. 約100℃での融解の開始によって特徴付けられる、実施態様I-1からI-9のいずれか1つの結晶形。
【0091】
実施態様I-11. 約105℃と約107℃との間に吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる、実施態様I-1からI-10のいずれか1つの結晶形。
【0092】
実施態様I-12. 約106℃に吸熱ピークを含むDSCサーモグラムによって特徴付けられる、実施態様I-1からI-11のいずれか1つの結晶形。
【0093】
実施態様I-13. 図3に示すパターンと実質的に同じDSCサーモグラムによって特徴付けられる、実施態様I-1からI-12のいずれか1つの結晶形。
【0094】
実施態様I-14. 以下:
a)5.6°、5.9°、9.1°、11.4°および14.1°2θ±0.2°2θからなる群から選択される少なくとも3つのピークを含むXRPDパターン;
b)DSCによって測定した約100℃での融解の開始;および
c)DSCによって測定した約106℃での吸熱ピーク
の少なくとも2つを有することによって特徴付けられる、実施態様I-1の結晶形。
【0095】
実施態様I-15. 1つ以上の、実施態様I-1からI-14のいずれか1つの結晶形、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【0096】
実施態様I-16. 実施態様I-15の医薬組成物であって、該医薬組成物が、化合物1のForm Iとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形を含む、医薬組成物。
【0097】
実施態様I-17. 有効量の、1つ以上の、実施態様I-1からI-14のいずれか1つの結晶形を、それを必要とする対象に投与することを含む、該対象における障害を治療する方法。
【0098】
実施態様I-18. 実施態様I-17の方法であって、該方法が、有効量の、化合物1のForm Iとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形を対象に投与することを含む、方法。
【0099】
実施態様I-19. 有効量の実施態様I-15またはI-16の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、該対象における障害を治療する方法。
【0100】
実施態様I-20. 障害がホルモン依存性状態である、実施態様I-17からI-19のいずれか1つの方法。
【0101】
実施態様I-21. ホルモン依存性状態が、性ホルモン依存性癌、前立腺癌、子宮癌、乳癌、卵巣癌、性ホルモン依存性癌の骨転移、前立腺肥大、子宮筋腫、腺筋腫、子宮線維腫、思春期早発症、無月経、月経前症候群、月経困難症、多房卵巣症候群、多嚢胞性卵巣症候群、にきび、不妊症、一過性熱感、子宮内膜症、腺筋症、または多量の月経出血である、実施態様I-20の方法。
【0102】
実施態様I-22. ホルモン依存性状態が前立腺癌、子宮癌、乳癌、または卵巣癌である、実施態様I-20またはI-21の方法。
【0103】
実施態様I-23. ホルモン依存性状態が前立腺癌である、実施態様I-20からI-22のいずれか1つの方法。
【0104】
実施態様I-24. ホルモン依存性状態が子宮癌である、実施態様I-20からI-22のいずれか1つの方法。
【0105】
実施態様I-25. ホルモン依存性状態が乳癌である、実施態様I-20からI-22のいずれか1つの方法。
【0106】
実施態様I-26. ホルモン依存性状態が卵巣癌である、実施態様I-20からI-22のいずれか1つの方法。
【0107】
実施態様I-27. ホルモン依存性状態が子宮筋腫である、実施態様I-20またはI-21の方法。
【0108】
実施態様I-28. ホルモン依存性状態が子宮筋腫に伴う多量の月経出血である、実施態様I-20の方法。
【0109】
実施態様I-29. ホルモン依存状態が子宮筋腫に伴う疼痛または他の症状である、実施態様I-20の方法。
【0110】
実施態様I-30. ホルモン依存性状態が子宮内膜症である、実施態様I-20またはI-21の方法。
【0111】
実施態様I-31. ホルモン依存性状態が腺筋症である、実施態様I-20またはI-21の方法。
【0112】
実施態様I-32. ホルモン依存状態が多量の月経出血である、実施態様I-20またはI-21の方法。
【0113】
実施態様I-33. 実施態様I-17からI-33のいずれか1つの方法であって、該方法が、エストラジオールまたは対応する量のエストラジオール同等物を対象に投与することを含む、方法。
【0114】
実施態様I-34. 実施態様I-17からI-33のいずれか1つの方法であって、該方法が、プロゲスチンを対象に投与することを含む、方法。
【0115】
実施態様I-35. 実施態様I-17からI-33のいずれか1つの方法であって、該方法が、エストラジオール、または対応する量のエストラジオール同等物、およびプロゲスチンを対象に投与することを含む、方法。
【0116】
実施態様I-36. プロゲスチンが酢酸ノルエチンドロンである、実施態様I-34またはI-35の方法。
【0117】
実施態様I-37. それを必要とする対象における障害を治療することに使用するための、1つ以上の、実施態様I-1からI-14のいずれか1つの結晶形。
【0118】
実施態様I-38. 実施態様I-37の使用のための1つ以上の結晶形であって、該使用のための1つ以上の結晶形が、それを必要とする対象における障害を治療することに使用するための、化合物1のForm Iとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形を含む、使用のための1つ以上の結晶形。
【0119】
実施態様I-39. 障害がホルモン依存性状態である、実施態様I-37またはI-96の使用のための1つ以上の結晶形。
【0120】
実施態様I-40. ホルモン依存性状態が、性ホルモン依存性癌、前立腺癌、子宮癌、乳癌、卵巣癌、性ホルモン依存性癌の骨転移、前立腺肥大、子宮筋腫、腺筋腫、子宮線維腫、思春期早発症、無月経、月経前症候群、月経困難症、多房卵巣症候群、多嚢胞性卵巣症候群、にきび、不妊症、一過性熱感、子宮内膜症、腺筋症、または多量の月経出血である、実施態様I-39の使用のための1つ以上の結晶形。
【0121】
実施態様I-41. ホルモン依存性状態が前立腺癌、子宮癌、乳癌、または卵巣癌である、実施態様I-39またはI-40の使用のための1つ以上の結晶形。
【0122】
実施態様I-42. ホルモン依存性状態が前立腺癌である、実施態様I-39からI-41のいずれか1つの使用のための1つ以上の結晶形。
【0123】
実施態様I-43. ホルモン依存性状態が子宮癌である、実施態様I-39からI-41のいずれか1つの使用のための1つ以上の結晶形。
【0124】
実施態様I-44. ホルモン依存性状態が乳癌である、実施態様I-39からI-41のいずれか1つの使用のための1つ以上の結晶形。
【0125】
実施態様I-45. ホルモン依存性状態が卵巣癌である、実施態様I-39からI-41のいずれか1つの使用のための1つ以上の結晶形。
【0126】
実施態様I-46. ホルモン依存性状態が子宮筋腫である、実施態様I-39またはI-40の使用のための1つ以上の結晶形。
【0127】
実施態様I-47. ホルモン依存性状態が子宮筋腫に伴う多量の月経出血である、実施態様I-39の使用のための1つ以上の結晶形。
【0128】
実施態様I-48. ホルモン依存性状態が子宮筋腫に伴う疼痛または他の症状である、実施態様I-39の使用のための1つ以上の結晶形。
【0129】
実施態様I-49. ホルモン依存性状態が子宮内膜症である、実施態様I-39またはI-40の使用のための1つ以上の結晶形。
【0130】
実施態様I-50. ホルモン依存性状態が腺筋症である、実施態様I-39またはI-40の使用のための1つ以上の結晶形。
【0131】
実施態様I-51. ホルモン依存性状態が多量の月経出血である、実施態様I-39またはI-40の使用のための1つ以上の結晶形。
【0132】
実施態様I-52. 実施態様I-37からI-51のいずれか1つの使用のための1つ以上の結晶形であって、該使用のための1つ以上の結晶形が、エストラジオールまたは対応する量のエストラジオール同等物と組み合わせて使用される、使用のための1つ以上の結晶形。
【0133】
実施態様I-53. 実施態様I-37からI-51のいずれか1つの使用のための1つ以上の結晶形であって、該使用のための1つ以上の結晶形が、プロゲスチンと組み合わせて使用される、使用のための1つ以上の結晶形。
【0134】
実施態様I-54. 実施態様I-37からI-51のいずれか1つの使用のための1つ以上の結晶形であって、該使用のための1つ以上の結晶形が、エストラジオール、または対応する量のエストラジオール同等物、およびプロゲスチンと組み合わせて使用される、使用のための1つ以上の結晶形。
【0135】
実施態様I-55. プロゲスチンが酢酸ノルエチンドロンである、実施態様I-53またはI-54の使用のための1つ以上の結晶形。
【0136】
実施態様I-56. それを必要とする対象における障害を治療することに使用するのための、実施態様I-15またはI-16の医薬組成物。
【0137】
実施態様I-57. 障害がホルモン依存性状態である、実施態様I-56の使用のための医薬組成物。
【0138】
実施態様I-58. ホルモン依存性状態が、性ホルモン依存性癌、前立腺癌、子宮癌、乳癌、卵巣癌、性ホルモン依存性癌の骨転移、前立腺肥大、子宮筋腫、腺筋腫、子宮線維腫、思春期早発症、無月経、月経前症候群、月経困難症、多房卵巣症候群、多嚢胞性卵巣症候群、にきび、不妊症、一過性熱感、子宮内膜症、腺筋症、または多量の月経出血である、実施態様I-57の使用のための医薬組成物。
【0139】
実施態様I-59. ホルモン依存性状態が前立腺癌、子宮癌、乳癌、または卵巣癌である、実施態様I-57またはI-58の使用のための医薬組成物。
【0140】
実施態様I-60. ホルモン依存性状態が前立腺癌である、実施態様I-57からI-59のいずれか1つの使用のための医薬組成物。
【0141】
実施態様I-61. ホルモン依存性状態が子宮癌である、実施態様I-57からI-59のいずれか1つの使用のための医薬組成物。
【0142】
実施態様I-62. ホルモン依存性状態が乳癌である、実施態様I-57からI-59のいずれか1つの使用のための医薬組成物。
【0143】
実施態様I-63. ホルモン依存性状態が卵巣癌である、実施態様I-57からI-59のいずれか1つの使用のための医薬組成物。
【0144】
実施態様I-64. ホルモン依存性状態が子宮筋腫である、実施態様I-57またはI-58の使用のための医薬組成物。
【0145】
実施態様I-65. ホルモン依存性状態が子宮筋腫に伴う多量の月経出血である、実施態様I-57の使用のための医薬組成物。
【0146】
実施態様I-66. ホルモン依存性状態が子宮筋腫に伴う疼痛または他の症状である、実施態様I-57の使用のための医薬組成物。
【0147】
実施態様I-67. ホルモン依存性状態が子宮内膜症である、実施態様I-57またはI-58の使用のための医薬組成物。
【0148】
実施態様I-68. ホルモン依存性状態が腺筋症である、実施態様I-57またはI-58の使用のための医薬組成物。
【0149】
実施態様I-69. ホルモン依存性状態が多量の月経出血である、実施態様I-57またはI-58の使用のための医薬組成物。
【0150】
実施態様I-70. 実施態様I-56からI-69のいずれか1つの使用のための医薬組成物であって、該使用のための医薬組成物が、エストラジオールまたは対応する量のエストラジオール同等物と組み合わせて使用される、使用のための医薬組成物。
【0151】
実施態様I-71. 実施態様I-56からI-69のいずれか1つの使用のための医薬組成物であって、該使用のための医薬組成物が、プロゲスチンと組み合わせて使用される、使用のための医薬組成物。
【0152】
実施態様I-72. 実施態様I-56からI-69のいずれか1つの使用のための医薬組成物であって、該使用のための医薬組成物が、エストラジオール、または対応する量のエストラジオール同等物、およびプロゲスチンと組み合わせて使用される、使用のための医薬組成物。
【0153】
実施態様I-73. プロゲスチンが酢酸ノルエチンドロンである、実施態様I-71またはI-72の使用のための医薬組成物。
【0154】
実施態様I-74. それを必要とする対象における障害を治療するための、1つ以上の、実施態様I-1からI-14のいずれか1つの結晶形の使用。
【0155】
実施態様I-75. 実施態様I-74の使用であって、該使用が、それを必要とする対象における障害を治療するための、化合物1のForm Iとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形の使用を含む、使用。
【0156】
実施態様I-76. それを必要とする対象における障害を治療するための、実施態様I-15またはI-16の医薬組成物の使用。
【0157】
実施態様I-77. 障害を治療するための薬剤の製造における、1つ以上の、実施態様I-1からI-14のいずれか1つの結晶形の使用。
【0158】
実施態様I-78. 実施態様I-77の使用であって、該使用が、障害を治療するための薬剤の製造における、化合物1のForm Iとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形の使用を含む、使用。
【0159】
実施態様I-79. 障害を治療するための薬剤の製造における、実施態様I-15またはI-16の医薬組成物の使用。
【0160】
実施態様I-80. 障害を治療するための薬剤としての、1つ以上の、実施態様I-1からI-14のいずれか1つの結晶形の使用。
【0161】
実施態様I-81. 実施態様I-80の使用であって、該使用が、障害を治療するための薬剤としての、化合物1のForm Iとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形の使用を含む、使用。
【0162】
実施態様I-82. 障害を治療するための薬剤としての、実施態様I-15またはI-16の医薬組成物の使用。
【0163】
実施態様I-83. 障害がホルモン依存性状態である、実施態様I-74からI-82のいずれか1つの使用。
【0164】
実施態様I-84. ホルモン依存性状態が、性ホルモン依存性癌、前立腺癌、子宮癌、乳癌、卵巣癌、性ホルモン依存性癌の骨転移、前立腺肥大、子宮筋腫、腺筋腫、子宮線維腫、思春期早発症、無月経、月経前症候群、月経困難症、多房卵巣症候群、多嚢胞性卵巣症候群、にきび、不妊症、一過性熱感、子宮内膜症、腺筋症、または多量の月経出血である、実施態様I-83の使用。
【0165】
実施態様I-85. ホルモン依存性状態が前立腺癌、子宮癌、乳癌、または卵巣癌である、実施態様I-83またはI-84の使用。
【0166】
実施態様I-86. ホルモン依存性状態が前立腺癌である、実施態様I-83からI-85のいずれか1つの使用。
【0167】
実施態様I-87. ホルモン依存性状態が子宮癌である、実施態様I-83からI-85のいずれか1つの使用。
【0168】
実施態様I-88. ホルモン依存性状態が乳癌である、実施態様I-83からI-85のいずれか1つの使用。
【0169】
実施態様I-89. ホルモン依存性状態が卵巣癌である、実施態様I-83からI-85のいずれか1つの使用。
【0170】
実施態様I-90. ホルモン依存性状態が子宮筋腫である、実施態様I-83またはI-84の使用。
【0171】
実施態様I-91. ホルモン依存状態が子宮筋腫に伴う多量の月経出血である、実施態様I-83の使用。
【0172】
実施態様I-92. ホルモン依存性状態が子宮筋腫に伴う疼痛または他の症状である、実施態様I-83の使用。
【0173】
実施態様I-93. ホルモン依存性状態が子宮内膜症である、実施態様I-83またはI-84の使用。
【0174】
実施態様I-94. ホルモン依存性状態が腺筋症である、実施態様I-83またはI-84の使用。
【0175】
実施態様I-95. ホルモン依存状態が多量の月経出血である、実施態様I-83またはI-84の使用。
【0176】
実施態様I-96. 実施態様I-74からI-95のいずれか1つの使用であって、該使用が、障害を治療するためのエストラジオールまたは対応する量のエストラジオール同等物の使用を含む、使用。
【0177】
実施態様I-97. 実施態様I-74からI-95のいずれか1つの使用であって、該使用が、障害を治療するためのプロゲスチンの使用を含む、使用。
【0178】
実施態様I-98. 実施態様I-74からI-95のいずれか1つの使用であって、該使用が、障害を治療するためのエストラジオール、または対応する量のエストラジオール同等物、およびプロゲスチンの使用を含む、使用。
【0179】
実施態様I-99. プロゲスチンが酢酸ノルエチンドロンである、実施態様I-97またはI-98の使用。
【0180】
実施態様I-100. 実施態様I-1からI-14のいずれか1つの結晶形を調製する方法であって、前記方法が:
a)室温でDMSO中に、化合物1のForm Iとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形を懸濁させること;
b)工程a)から生じた白色の懸濁液を単離すること;および
c)沈殿した固体を該白色の懸濁液から単離して、化合物1のForm XIIIを得ること
を含む、方法。
【0181】
実施態様I-101. 実施態様I-1からI-14のいずれか1つの結晶形を調製する方法であって、前記方法が:
a)室温でDMSO中に、化合物1のForm Iとして特徴付けられる、N-(4-(1-(2,6-ジフルオロベンジル)-5-((ジメチルアミノ)メチル)-3-(6-メトキシ-3-ピリダジニル)-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-N’-メトキシ尿素の結晶形を懸濁させること;
b)工程a)から生じた白色の懸濁液を単離すること;
c)該白色の懸濁液を約15℃から約30℃から約15℃、約10℃から約30℃から約10℃、および約5℃から約35℃から約5℃の一連の温度サイクルに供すること;並びに
d)沈殿した固体を該白色の懸濁液から単離して、化合物1のForm XIIIを得ること
を含む、方法。
【実施例
【0182】
実施例の一般的な方法
X線粉末回折(XRPD)
X線粉末回折図は、Optix長高精度焦点源を使用して生成したCu放射線の入射ビームを使用して、PANalytical製のX’Pert PRO MPD回折計を用いた。楕円傾斜多層ミラーを使用して、Cu Kα X線を試験片を通して検出器上に集中させた。分析の前に、ケイ素試験片(NIST SRM 640e)を分析して、Si 111のピーク位置を検証した。サンプルの試験片を、3μm厚のフィルム間に挟み、透過幾何配置で分析した。ビームストップ、短い散乱線除去エクステンション、および散乱線除去ナイフエッジを使用して、大気によって生じたバックグラウンドを最小化した。入射ビームおよび回折ビーム用のソラースリットを使用して、軸方向の発散からの広がりを最小化した。回折パターンは、試験片から240mmに位置する走査式位置感知検出器(X’Celerator)およびData Collectorソフトウェアv. 2.2bを使用して収集した。図および表の両方におけるx軸(°2θ)に沿ったピークの位置を、私有のソフトウェア(TRIADS(商標) v2.1)を使用して決定した。ピーク位置のばらつきは、X線粉末回折のばらつきに関するUSPの議論(United States Pharmacopeia,USP 42-NF 37 through S1,<941>,Characterization of Crystalline and Partially Crystalline Solids by X-Ray Powder Diffraction(XRPD),official from 8/1/2019)で概説されている推奨に基づいて、±0.2°2θ以内で与えられる。d-spaceリストについて、d-spacingを計算するために使用する波長は、Cu-Kα1波長である、1.5405929Åであった(Phys. Rev. A56(6) 4554-4568(1997))。
【0183】
示差走査熱量計(DSC)
示差走査熱量測定は、Mettler-Toledo DSC3+示差走査熱量計を使用して実施した。タウラグ(tau lag)調整は、インジウム、スズ、および亜鉛を用いて実施する。温度およびエンタルピーは、オクタン、サリチル酸フェニル、インジウム、スズ、および亜鉛で調整する。次いで調整は、オクタン、サリチル酸フェニル、インジウム、スズ、および亜鉛で検証する。サンプルを、密閉したアルミニウムDSCパンに置き、重量を正確に記録した。パンの蓋に穴を開け、次いでDSCセル中に挿入した。サンプルパンとして構成される計量したアルミニウムパンを、セルの参照側に置いた。データを、10℃/分で-30℃から350℃まで収集した。
【0184】
熱重量分析(TG)
TG分析は、TA Instrument Q5000熱重量分析器を使用して実施した。温度較正は、ニッケルおよびAlumel(商標)を使用して実施した。サンプルを、白金パンに置き、TG炉に挿入した。炉を、窒素パージ下で10℃/分の速度で350℃に加熱した。
【0185】
Form XIII化合物1の調製および特性評価
化合物1のForm I
本開示は、化合物1のForm Iを調製する方法を提供する。
【0186】
方法1:化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを使用することによって作製し得る。例えば、化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約35℃+/-5℃の温度でDMSO:EtOH(1.7:1.2)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約35℃+/-5℃で約4日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実験においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0187】
方法2:化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約35℃+/-5℃の温度でDMSO:EtOH(1.7:5.5)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約35℃+/-5℃で約6日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実験においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0188】
方法3:化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約25℃+/-5℃の温度でDMSO:EtOH(1.7:5.5)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約25℃+/-5℃で約11日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実験においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0189】
方法4:化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約25℃+/-5℃の温度でDMSO:EtOH(1.7:8.6)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約25℃+/-5℃で約17日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実験においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0190】
方法5:化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約35℃+/-5℃の温度でDMSO:THF:EtOH(1.7:0.11:1.2)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約35℃+/-5℃で約4日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実験においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0191】
方法6:化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約35℃+/-5℃の温度でDMSO:THF:EtOH(1.7:0.11:5.5)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約35℃+/-5℃で約6日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実験においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0192】
方法7:化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約25℃+/-5℃の温度でDMSO:THF:EtOH(1.7:0.11:5.5)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約25℃+/-5℃で約11日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実験においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0193】
方法8:化合物1のForm Iは、化合物1のForm XIIIを約25℃+/-5℃の温度でDMSO:THF:EtOH(1.7:0.11:8.6)中に懸濁させることによって作製し得る。混合物は、約25℃+/-5℃で約17日間維持する。得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm Iを得る。いくつかの実験においては、混合物に、少量の化合物1のForm Iを播種する。
【0194】
化合物1のForm XIII
本開示は、化合物1のForm XIIIを調製する方法を提供する。
【0195】
方法1:容器を、DMSO(1.4V)で満たした。次いで化合物1のTHF溶媒和物形(米国特許第9,758,528号を参照)を加えた(1.0当量)。固体は、溶液中で溶解しなかった。固体を回収して、化合物1のForm XIIIを得た。
【0196】
方法2:化合物1、Form Iの透明な溶液を、周囲温度でDMSO中で調製したとき、自発的沈殿が起こった。得られた白色の濃い懸濁液の一部を、6サイクルの15℃から約30℃から約15℃、6サイクルの約10℃から約30℃から約10℃、および8サイクルの5℃から約35℃から約5℃を含む一連の温度サイクル実験に供した。生成した針状粒子のいくつかは、単結晶の品質およびサイズを有していた。Crystal16(商標)を使用して、温度サイクル実験を実施した。いくつかの実験においては、懸濁液に、少量の化合物1のForm XIIIを播種する。
【0197】
方法3:化合物1のForm Iを室温でDMSO中に懸濁させ、6~17日後、得られた懸濁液から沈殿した固体を回収して、化合物1のForm XIIIを得る。いくつかの実験においては、懸濁液に、少量の化合物1のForm XIIIを播種する。
【0198】
化合物1のForm XIIIのXRPD特性評価
本明細書において開示される化合物1の結晶Form XIIIについてのXRPDデータを、上記で詳述したように収集した。化合物1のForm XIIIについてのXRPDパターンを、図1で詳述する。このXRPDパターン中に存在するピークは、上記の表1にリストする。全てのピークリストは、°2θ±0.2°2θである。化合物1のForm XIIIの単結晶構造は、1分子の化合物1と2.5分子のDMSO(すなわち2分子の化合物1と5分子のDMSO)が結合していることが判明した。
【0199】
化合物1のForm XIIIの熱分析(DSCおよびTG)
本明細書において開示される化合物1のForm XIIIについてのDSCおよびTGデータを、上記で詳述したように収集した。化合物1のForm XIIIについてのTGサーモグラムを、図2で詳述する。化合物1のForm XIIIについてのDSCサーモグラムを、図3で詳述する。化合物1のForm XIIIのDSCおよびTGにおける熱イベントを、以下の表で詳述する。
【0200】
【表3】
【0201】
化合物1のForm XIII中に存在する不純物の特性評価
化合物1のForm XIII中に存在する不純物U-1、U-2、およびU-3の量を、HPLCによって決定した。化合物1のForm XIIIの水性純度を、以下の表に要約する。
【0202】
【表4】
【0203】
HPLCデータは、Empartソフトウェアを有するAlliance(商標) HPLCシステムを含むWater-systemを使用して収集した。使用したカラムは、Inertsil ODS-4、4.6mm×150mm、3μm(GL Sciences Corp.)であった。HPLC法は、以下のとおりであった。
【0204】
【表5】
【0205】
【表6】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】