(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-12
(54)【発明の名称】主光線ウォークオフ補償のためのマイクロLED設計
(51)【国際特許分類】
H01L 33/58 20100101AFI20221205BHJP
H01L 33/46 20100101ALI20221205BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20221205BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20221205BHJP
G02C 11/00 20060101ALN20221205BHJP
【FI】
H01L33/58
H01L33/46
G02B27/02 Z
H04N5/66 103
G02C11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577455
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 US2020052298
(87)【国際公開番号】W WO2021076285
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ, フランソワ ジェラール フランク
(72)【発明者】
【氏名】ザベリン, ワシリー
(72)【発明者】
【氏名】ルトゲン, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー, ウィリアム パードリック
(72)【発明者】
【氏名】ブレル, マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ラウアーマン, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン, ダニエル ブライス
(72)【発明者】
【氏名】マスブレ, デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】グルンドマン, マイケル
【テーマコード(参考)】
2H006
2H199
5C058
5F142
5F241
【Fターム(参考)】
2H006CA00
2H199CA02
2H199CA04
2H199CA12
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA29
2H199CA30
2H199CA33
2H199CA34
2H199CA42
2H199CA43
2H199CA48
2H199CA53
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA83
2H199CA84
2H199CA92
2H199CA93
2H199CA94
2H199CA95
2H199CA96
2H199CA97
5C058AA13
5C058AB01
5C058BA35
5F142AA02
5F142CB23
5F142CB24
5F142DB12
5F142FA50
5F241CA05
5F241CA40
5F241CA74
5F241CB11
5F241CB15
(57)【要約】
本明細書において開示されている技術は、ディスプレイシステムのためのマイクロ発光ダイオード(マイクロLED)に関する。ディスプレイシステムは、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED)のアレイ、マイクロLEDのアレイに光学的に結合され、マイクロLEDのアレイ内のそれぞれのマイクロLEDによって放出された光を抽出するように構成されている出力カプラのアレイ、導波路ディスプレイ、およびマイクロLEDのアレイによって放出され、出力カプラのアレイによって抽出された光を導波路ディスプレイへと結合するように構成されているディスプレイオプティクスを含む。出力カプラのアレイ内のそれぞれの出力カプラは、マイクロLEDのアレイ内のそれぞれのマイクロLEDによって放出された光の主光線を異なるそれぞれの方向へ向けるように構成されている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体材料、および発光方向に垂直であるまたは内側に傾いている側壁を含むメサ構造、および
前記メサ構造の後面上の背面反射器
を含むマイクロ発光ダイオード(マイクロLED)と、
前記マイクロLEDの上にあり、前記マイクロLEDによって放出された光を抽出するように構成されているマイクロレンズと、
を備えるデバイスであって、
前記マイクロレンズの横サイズは、前記メサ構造の横サイズの80%以上であり、
前記マイクロレンズの焦点と前記メサ構造の上部表面との間の距離は、前記メサ構造における前記半導体材料の厚さの0.8倍から1.25倍の間である、デバイス。
【請求項2】
a)前記マイクロレンズは、前記マイクロLEDから、ゼロ以上である水平変位だけずれている、あるいは
b)第2のマイクロレンズ、くさび、プリズム、粗面、反射防止コーティング、回折光学要素、またはフォトニック結晶のうちの少なくとも1つをさらに含む、あるいは
c)前記マイクロレンズは、球面マイクロレンズ、非球面マイクロレンズ、またはトロイダルマイクロレンズを含む、あるいは
d)前記マイクロレンズは、半導体材料、SiO
2、TiO
2、SiN、HfO、もしくはAlNを含む誘電材料、あるいはポリマーを含む、あるいは
e)前記マイクロLEDは、前記メサ構造の前記側壁上のメサ反射器をさらに含む
のいずれか1つの、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
マイクロLEDの1次元アレイまたは2次元アレイを含むマイクロLEDのアレイと、
前記マイクロLEDのアレイに光学的に結合されているマイクロレンズのアレイと、をさらに備え、前記マイクロレンズのアレイ内のそれぞれのマイクロレンズは、前記マイクロLEDのアレイ内の対応するマイクロLEDによって放出された光の主光線を、異なるそれぞれの方向へ向けるように構成されている、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記マイクロレンズのアレイ内のそれぞれのマイクロレンズは、前記対応するマイクロLEDからの異なるそれぞれの水平変位を特徴とする、請求項3に記載にデバイス。
【請求項5】
半導体材料、および発光方向に外側に傾いている側壁を含むメサ構造、ならびに
前記メサ構造の後面上の背面反射器
を含むマイクロ発光ダイオード(マイクロLED)と、
前記マイクロLEDの上にあり、前記マイクロLEDによって放出された光を抽出するように構成されているマイクロレンズと、
を備えるデバイスであって、
前記マイクロレンズの横サイズは、前記メサ構造の横サイズの80%以上であり、
前記マイクロレンズの焦点と前記メサ構造の上部表面との間の距離は、前記メサ構造における前記半導体材料の厚さの1.2倍から4倍の間である、デバイス。
【請求項6】
a)前記マイクロLEDは、前記メサ構造の前記側壁上にコンフォーマルに形成されているメサ反射器をさらに備え、あるいは
b)前記マイクロLEDは、60°未満、30°から50°の間、15°から30°の間、または15°未満の半値幅発光角を特徴とする
のいずれ1つの、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記マイクロレンズは、前記マイクロLEDから、ゼロ以上である水平変位だけずれている、請求項5に記載のデバイス。
【請求項8】
第2のマイクロレンズ、くさび、プリズム、粗面、反射防止コーティング、回折光学要素、またはフォトニック結晶のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項5に記載のデバイス。
【請求項9】
前記マイクロレンズは、半導体材料、SiO
2、TiO
2、SiN、HfO、もしくはAlNを含む誘電材料、またはポリマーを含む、請求項5に記載のデバイス。
【請求項10】
前記メサ構造は、放物線形状または円錐形状を特徴とする、請求項5に記載のデバイス。
【請求項11】
前記メサ構造は、前記円錐形状、および30°から40°の間のメサファセット角を特徴とする、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
マイクロLEDの1次元アレイまたは2次元アレイを含むマイクロLEDのアレイと、
前記マイクロLEDのアレイに光学的に結合されているマイクロレンズのアレイと、
をさらに備え、前記マイクロレンズのアレイ内のそれぞれのマイクロレンズは、前記マイクロLEDのアレイ内の対応するマイクロLEDによって放出された光の主光線を、異なるそれぞれの方向へ向けるように構成されている、
請求項5に記載のデバイス。
【請求項13】
前記マイクロレンズのアレイ内のそれぞれのマイクロレンズは、前記対応するマイクロLEDからの異なるそれぞれの水平変位を特徴とする、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
マイクロ発光ダイオード(マイクロLED)のアレイと、
前記マイクロLEDのアレイに光学的に結合されている出力カプラのアレイであって、前記出力カプラのアレイ内のそれぞれの出力カプラが、
前記マイクロLEDのアレイ内のそれぞれのマイクロLEDによって放出された光を抽出し、
前記マイクロLEDのアレイ内のそれぞれのマイクロLEDによって放出された前記光の主光線を、異なるそれぞれの方向へ向けるように構成されている、出力カプラのアレイと、
ディスプレイオプティクスと、
導波路ディスプレイと、を備えるディスプレイシステムであって、
前記ディスプレイオプティクスは、前記マイクロLEDのアレイによって放出され前記出力カプラのアレイによって抽出された前記光を、前記導波路ディスプレイへと結合するように構成されている、ディスプレイシステム。
【請求項15】
a)前記マイクロLEDのアレイに接合された電気集積回路をさらに備える、あるいは
b)前記マイクロLEDのアレイ内のそれぞれのマイクロLEDは、60°未満の半値幅発光角を特徴とする、あるいは
c)前記出力カプラのアレイ内のそれぞれの出力カプラは、前記マイクロLEDのアレイ内のそれぞれのマイクロLEDから、ゼロ以上である垂直変位または水平変位のうちの少なくとも1つだけずれている、あるいは
d)前記マイクロLEDのアレイ内のそれぞれのマイクロLEDは、内側に傾いた、垂直な、または外側に傾いた形状を有するメサ構造を含み、この場合には、任意選択的に、前記メサ構造は、
誘電層または金属を含むメサ反射器、および
半導体層および金属電極を含む後方反射器を含む、あるいは
e)前記出力カプラのアレイ内のそれぞれの出力カプラは、マイクロレンズ、くさび、プリズム、粗面、反射防止コーティング、回折光学要素、またはフォトニック結晶のうちの少なくとも1つを含む、あるいは
f)前記出力カプラのアレイ内のそれぞれの出力カプラは、
第1のマイクロレンズ、第1の回折光学要素、または第1のフォトニック結晶、および
第2のマイクロレンズ、第2の回折光学要素、第2のフォトニック結晶、くさび、プリズム、粗面、または反射防止コーティングのうちの少なくとも1つを含む、あるいは
g)前記出力カプラのアレイは、誘電材料、有機材料、または半導体材料を含む、
のいずれか1つの、請求項14に記載のディスプレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、「Micro-LED Design For Chief Ray Walk-Off Compensation」という名称の2019年10月14日に出願した米国仮特許出願第62/914,892号の利益および優先権を主張するものであり、その開示全体は、すべての目的のために参照によって本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、電気エネルギーを光エネルギーへと変換し、低減されたサイズ、改善された耐久性、および高められた効率など、その他の光源に勝る多くの利点を提供する。LEDは、テレビ、コンピュータモニタ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、プロジェクションシステム、ウェアラブル電子機器など、多くのディスプレイシステムにおける光源として使用されることが可能である。AlN、GaN、InN、GaAs、四級リン化物組成物(たとえば、AlGaInP)等の合金などのIII-V族半導体に基づくマイクロLED(「μLED」)は、それらの小さなサイズ(たとえば、100μm未満、50μm未満、10μm未満、または5μm未満の直線寸法を伴う)、高いパッキング密度(したがって、より高い解像度)、および高い輝度に起因して、さまざまなディスプレイ用途向けに開発され始めている。たとえば、別々の色(たとえば、赤、緑、および青)の光を放出するマイクロLEDを使用して、テレビまたはニアアイディスプレイシステムなどのディスプレイシステムのサブピクセルを形成することが可能である。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、一般に、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED)に関する。より具体的には、本開示は、主光線ウォークオフ補償、およびマイクロLEDアレイからディスプレイシステムへ、そして最終的にユーザの目への高効率光結合のためのマイクロレンズを備えたマイクロLEDに関する。特定の実施形態によれば、デバイスは、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED)と、マイクロLEDの上にあり、マイクロLEDによって放出された光を抽出するように構成されているマイクロレンズとを含むことが可能である。マイクロLEDは、半導体材料、および発光方向に垂直であるまたは内側に傾いている側壁を含むメサ構造、ならびにメサ構造の後面上の背面反射器を含むことが可能である。マイクロレンズの横サイズは、メサ構造の横サイズの約80%以上であることが可能である。マイクロレンズの焦点とメサ構造の上部表面との間の距離は、メサ構造における半導体材料の厚さの約0.8倍から約1.25倍の間であることが可能である。
【0004】
いくつかの実施形態においては、マイクロレンズは、マイクロLEDから、ゼロ以上である水平変位だけずれていることが可能である。マイクロレンズは、球面マイクロレンズ、非球面マイクロレンズ、またはトロイダルマイクロレンズを含むことが可能であり、半導体材料、誘電材料(SiO2、TiO2、SiN、HfO、またはAlNなど)、またはポリマーを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、デバイスは、第2のマイクロレンズ、くさび、プリズム、粗面、反射防止コーティング、回折光学要素、またはフォトニック結晶のうちの少なくとも1つを含むことも可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDは、メサ構造の側壁上のメサ反射器を含むことも可能である。いくつかの実施形態においては、メサ構造の横サイズは、約5μm未満とすることが可能である。デバイスは、±18°の受光角範囲を伴う約1%よりも大きい光抽出効率を特徴とすることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDは、赤外光を放出するように構成されていることが可能であり、垂直メサ構造の横サイズは、約50μm未満とすることが可能である。
【0005】
いくつかの実施形態においては、デバイスは、マイクロLEDの1次元アレイまたは2次元アレイを含むマイクロLEDのアレイと、マイクロLEDのアレイに光学的に結合されているマイクロレンズのアレイと、を含むことが可能である。マイクロレンズのアレイ内のそれぞれのマイクロレンズは、マイクロLEDのアレイ内の対応するマイクロLEDによって放出された光の主光線を異なるそれぞれの方向へ向けるように構成されていることが可能である。マイクロレンズのアレイ内のそれぞれのマイクロレンズは、マイクロLEDのアレイ内の対応するマイクロLEDによって放出された光をコリメートするように構成されていることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロレンズのアレイ内のそれぞれのマイクロレンズは、対応するマイクロLEDからの異なるそれぞれの水平変位を特徴とすることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDのアレイによって放出され、マイクロレンズのアレイによって向けられる光は、1次元または2次元照明パターンを形成することが可能である。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、デバイスは、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED)と、マイクロLEDの上にあり、マイクロLEDによって放出された光を抽出するように構成されているマイクロレンズと、を含むことが可能である。マイクロLEDは、半導体材料、および発光方向に外側に傾いている側壁を有するメサ構造、ならびにメサ構造の後面上の背面反射器を含むことが可能である。マイクロレンズの横サイズは、メサ構造の横サイズの約80%以上であることが可能である。マイクロレンズの焦点とメサ構造の上部表面との間の距離は、メサ構造における半導体材料の厚さの約1.2倍から4倍の間であることが可能である。
【0007】
いくつかの実施形態においては、マイクロLEDは、メサ構造の側壁上にコンフォーマルに(conformally)形成されているメサ反射器を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、メサ構造は、放物線形状または円錐形状を特徴とすることが可能である。いくつかの実施形態においては、メサ構造は、円錐形状、および約30°から約40°の間のメサファセット角を特徴とすることが可能である。マイクロLEDは、約60°未満の半値幅発光角を特徴とすることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDは、約30°から約50°の間の半値幅発光角を特徴とすることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDは、約15゜から約30°の間の半値幅発光角を特徴とすることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDは、約15°未満の半値幅発光角を特徴とすることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDは、可視光を放出するように構成されていることが可能であり、メサ構造の横サイズは、約0.5μmから約10μmの間であることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDは、赤外光を放出するように構成されていることが可能であり、メサ構造の横サイズは、約50μm未満とすることが可能である。
【0008】
いくつかの実施形態においては、マイクロレンズはマイクロLEDから、ゼロ以上である水平変位だけずれていることが可能である。マイクロレンズは、球面マイクロレンズ、非球面マイクロレンズ、またはトロイダルマイクロレンズを含むことが可能である。マイクロレンズは、半導体材料、誘電材料(SiO2、TiO2、SiN、HfO、またはAlNなど)、またはポリマーを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、デバイスは、第2のマイクロレンズ、くさび、プリズム、粗面、反射防止コーティング、回折光学要素、またはフォトニック結晶のうちの少なくとも1つを含むことも可能である。
【0009】
いくつかの実施形態においては、デバイスは、マイクロLEDの1次元アレイまたは2次元アレイを含むマイクロLEDのアレイと、マイクロLEDのアレイに光学的に結合されているマイクロレンズのアレイと、を含むことが可能である。マイクロレンズのアレイ内のそれぞれのマイクロレンズは、マイクロLEDのアレイ内の対応するマイクロLEDによって放出された光の主光線を異なるそれぞれの方向へ向けるように構成されていることが可能である。マイクロレンズのアレイ内のそれぞれのマイクロレンズは、対応するマイクロLEDからの異なるそれぞれの水平変位を特徴とすることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDのアレイは、約10μm未満のピッチを特徴とすることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDのアレイによって放出され、マイクロレンズのアレイによって向けられる光は、1次元または2次元照明パターンを形成することが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロレンズのアレイ内のそれぞれのマイクロレンズは、マイクロLEDのアレイ内のそれぞれの対応するマイクロLEDによって放出された光をコリメートするように構成されていることが可能である。いくつかの実施形態においては、デバイスは、マイクロLEDのアレイに接合された電気集積回路を含むことが可能である。
【0010】
特定の実施形態によれば、ディスプレイシステムは、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED)のアレイ、マイクロLEDのアレイに光学的に結合され、マイクロLEDのアレイ内のそれぞれのマイクロLEDによって放出された光を抽出するように構成されている出力カプラのアレイ、ディスプレイオプティクス、および導波路ディスプレイを含むことが可能である。ディスプレイオプティクスは、マイクロLEDのアレイによって放出され出力カプラのアレイによって抽出された光を、導波路ディスプレイへと結合するように構成されていることが可能である。出力カプラのアレイ内のそれぞれの出力カプラは、マイクロLEDのアレイ内のそれぞれのマイクロLEDによって放出された光の主光線を異なるそれぞれの方向へ向けるように構成されていることが可能である。
【0011】
マイクロLEDのアレイ内のそれぞれのマイクロLEDは、内側に傾いた、垂直な、または外側に傾いた形状を有するメサ構造を含むことが可能である。メサ構造は、メサ構造の側壁上のメサ反射器、および半導体層および金属電極を含む後方反射器を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDのアレイ内のそれぞれのマイクロLEDは、60°未満の半値幅発光角を特徴とすることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDのアレイは、可視光を放出するように構成されていることが可能であり、メサ構造は、約0.5μmと約10μmとの間の直線寸法を特徴とすることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDのアレイは、10μm未満のピッチを特徴とする。いくつかの実施形態においては、メサ構造は、円錐形状、および約30°から約40°の間のメサファセット角を特徴とすることが可能である。いくつかの実施形態においては、デバイスは、マイクロLEDのアレイに接合された電気集積回路を含むことが可能である。
【0012】
いくつかの実施形態においては、出力カプラのアレイ内のそれぞれの出力カプラは、マイクロLEDのアレイ内のそれぞれのマイクロLEDから、ゼロ以上である垂直変位または水平変位のうちの少なくとも1つだけずれていることが可能である。出力カプラのアレイ内のそれぞれの出力カプラは、マイクロレンズ、くさび、プリズム、粗面、反射防止コーティング、回折光学要素、またはフォトニック結晶のうちの少なくとも1つを含むことが可能である。マイクロレンズは、誘電材料、有機材料、または半導体材料を含むことが可能である。マイクロレンズは、球面マイクロレンズ、非球面マイクロレンズ、またはトロイダルマイクロレンズを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、出力カプラのアレイ内のそれぞれの出力カプラは、第1のマイクロレンズ、第1の回折光学要素、または第1のフォトニック結晶、および第2のマイクロレンズ、第2の回折光学要素、第2のフォトニック結晶、くさび、プリズム、粗面、または反射防止コーティングのうちの少なくとも1つを含むことが可能である。
【0013】
いくつかの実施形態においては、出力カプラのアレイは、球面マイクロレンズ、非球面マイクロレンズ、またはトロイダルマイクロレンズなど、マイクロレンズのアレイを含むことが可能であり、マイクロレンズのアレイ内のそれぞれのマイクロレンズは、マイクロLEDのアレイ内のそれぞれのマイクロLEDに対応することが可能である。マイクロレンズのアレイ内のそれぞれのマイクロレンズは、マイクロLEDのアレイ内の対応するマイクロLEDからそれぞれの水平または垂直変位値だけずれていることが可能であり、マイクロレンズのアレイ内の第1のマイクロレンズについての第1の変位値は、マイクロレンズのアレイ内の第2のマイクロレンズについての第2の変位値とは異なることが可能である。マイクロレンズのアレイ内のそれぞれのマイクロレンズは、マイクロLEDのアレイ内のそれぞれの対応するマイクロLEDからの光をコリメートするように構成されていることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDのアレイは、マイクロLEDの2次元アレイを含むことが可能であり、出力カプラのアレイは、マイクロレンズの2次元アレイを含むことが可能である。出力カプラのアレイは、誘電材料、有機材料、または半導体材料を含むことが可能である。誘電材料は、酸化シリコンまたは窒化シリコンを含むことが可能である。
【0014】
この「発明の概要」は、特許請求される主題の鍵となる特徴または必要不可欠な特徴を識別することを意図されているものではなく、特許請求される主題の範囲を特定するために切り離して使用されることを意図されているものでもない。主題は、本開示の明細書全体のうちの適切な部分、いずれかのまたはすべての図面、およびそれぞれの特許請求の範囲を参照することによって理解されるべきである。上述のことは、その他の特徴および例とともに、以降の明細書、特許請求の範囲、および添付の図面において、さらに詳細に後述される。
【0015】
下記の図を参照しながら、例示的な実施形態が詳細に後述される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】特定の実施形態によるニアアイディスプレイを含む人工現実システム環境の例の簡略化されたブロック図である。
【
図2】本明細書において開示されている例のうちのいくつかを実施するためのヘッドマウントディスプレイ(HMD)デバイスの形態のニアアイディスプレイの例の斜視図である。
【
図3】本明細書において開示されている例のうちのいくつかを実施するためのメガネの形態のニアアイディスプレイの例の斜視図である。
【
図4】特定の実施形態による導波路ディスプレイを含む光学シースルー拡張現実システムの例を示す図である。
【
図5A-B】特定の実施形態による導波路ディスプレイを含むニアアイディスプレイデバイスの例を示す図である。
【
図6】特定の実施形態による拡張現実システムにおける画像ソースアセンブリの例を示す図である。
【
図7A】特定の実施形態による垂直メサ構造を有する発光ダイオード(LED)の例を示す図である。
【
図7B】特定の実施形態による放物線メサ構造を有するLEDの例の断面図である。
【
図8A】特定の実施形態によるリニアマイクロLEDアレイおよびディスプレイオプティクスを含むマイクロLEDベースのディスプレイシステムの例を示す図である。
【
図8B】特定の実施形態によるリニアマイクロLEDアレイからディスプレイオプティクスに入射する光の角度を示す図である。
【
図8C】特定の実施形態による湾曲したマイクロLEDアレイおよびディスプレイオプティクスを含むマイクロLEDベースのディスプレイシステムの例を示す図である。
【
図8D】特定の実施形態による湾曲したマイクロLEDアレイからディスプレイオプティクスに入射する光の角度を示す図である。
【
図9A】特定の実施形態による広いビーム分布を有するマイクロLEDアレイから抽出される光の均一性および輝度を示す図である。
【
図9B】特定の実施形態による狭いビーム分布を有するマイクロLEDアレイから抽出される光の均一性および輝度を示す図である。
【
図10】特定の実施形態による光抽出および主光線角度修正のためのマイクロLEDアレイおよびマイクロレンズのアレイを含むデバイスの例を示す図である。
【
図11】特定の実施形態による異なる変位を有するマイクロレンズを使用する垂直メサおよび広いビーム分布を有するマイクロLEDの例からの光抽出のシミュレーション結果を示す図である。
【
図12A】特定の実施形態による垂直メサ構造および水平にずれたマイクロレンズを含み、狭いビーム分布を有するマイクロLEDの例を示す図である。
【
図12B】特定の実施形態による
図12Aに示されたマイクロLEDの例のシミュレーションされたビーム分布を示す図である。
【
図12C】特定の実施形態による
図12Aに示されたマイクロLEDの例からの光ビームのシミュレーションされた光強度マップを示す図である。
【
図13A】特定の実施形態による異なる変位を有するマイクロレンズを使用した円錐メサおよび狭いビーム分布を有するマイクロLEDの例からの光抽出のシミュレーション結果を示す図である。
【
図13B】特定の実施形態による異なる変位を有するマイクロレンズを使用した赤色マイクロLEDの例についての主光線角度修正のシミュレーション結果を示す図である。
【
図14】特定の実施形態による異なる変位を有するマイクロレンズを使用する放物線メサおよび狭いビーム分布を有するマイクロLEDの例からの光抽出のシミュレーション結果を示す図である。
【
図15A】特定の実施形態による垂直メサ構造およびくさびを含むマイクロLEDの例を示す図である。
【
図15B】特定の実施形態による
図15Aに示されたマイクロLEDの構造を有するマイクロLEDの例のシミュレーションされたビーム分布を示す図である。
【
図15C】特定の実施形態による垂直メサ構造、くさび、およびマイクロレンズを含むマイクロLEDの例を示す図である。
【
図15D】特定の実施形態による
図15Cに示されたマイクロLEDの構造を有するマイクロLEDの例のシミュレーションされたビーム分布を示す図である。
【
図16A】特定の実施形態による異なるメサ構造およびサイズを有する赤色マイクロLEDの例についてのシミュレーションされた光抽出効率を示すグラフである。
【
図16B】特定の実施形態による異なるメサ構造およびサイズを有する緑色または青色マイクロLEDの例についてのシミュレーションされた光抽出効率を示すグラフである。
【
図17A-D】特定の実施形態による放物線メサ、およびアウトカップリング面における反射防止コーティング層を有する赤色マイクロLEDの例から抽出される光ビームのビーム分布のシミュレーション結果を示す図である。
【
図18A】特定の実施形態による内側に傾いたメサ構造およびマイクロレンズを含むマイクロLEDの例を示す図である。
【
図18B】特定の実施形態によるメサ反射器の反射率の関数として
図18Aに示されたマイクロLEDの構造を有するマイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す図である。
【
図18C】特定の実施形態によるメサ反射器の反射率の関数として
図18Aに示されたマイクロLEDの構造を有するマイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す図である。
【
図18D】特定の実施形態によるメサ反射器の反射率の関数として
図18Aに示されたマイクロLEDの構造を有するマイクロLEDの例のシミュレーションされたビーム分布を示す図である。
【
図19A-D】特定の実施形態による垂直メサを含む緑色マイクロLEDの例から抽出される光のシミュレーション結果を示す図である。
【
図19E-H】特定の実施形態による垂直メサを含む緑色マイクロLEDの例から抽出される光のシミュレーション結果を示す図である。
【
図20A-B】特定の実施形態による
図19A~
図19Hに示された緑色マイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示すグラフである。
【
図21A】特定の実施形態による垂直メサおよびリモートレンズを含む赤色マイクロLEDの例を示す図である。
【
図21B】特定の実施形態による
図21Aに示されたマイクロLEDの構造を有するとともに異なるサイズを有する赤色マイクロLEDの例についての光抽出効率のシミュレーション結果を示す図である。
【
図21C】特定の実施形態による垂直メサおよびネイティブレンズを含む赤色マイクロLEDの例を示す図である。
【
図21D】特定の実施形態による
図21Cの赤色マイクロLEDの例のビーム分布を示す図である。
【
図21E】特定の実施形態による垂直メサおよび非ネイティブレンズを含む赤色マイクロLEDの例を示す図である。
【
図21F】特定の実施形態による
図21Eの赤色マイクロLEDの例のビーム分布を示す図である。
【
図22A】特定の実施形態による垂直メサ、粗い面、およびマイクロレンズを含む赤色マイクロLEDの例を示す図である。
【
図22B】特定の実施形態による
図22Aに示されたマイクロLEDの構造を有する赤色マイクロLEDの例から抽出される光のビーム分布のシミュレーション結果を示す図である。
【
図23A】特定の実施形態による垂直メサ、ネイティブレンズ、およびリモートレンズを含む赤色マイクロLEDの例を示す図である。
【
図23B】特定の実施形態による
図23Aに示されたマイクロLEDの構造および異なるサイズを有する赤色マイクロLEDの例についての光抽出効率のシミュレーション結果効率を示す図である。
【
図24A】特定の実施形態による異なるメサファセット角を有する緑色マイクロLEDの例についてのシミュレーションされた光抽出効率を示す図である。
【
図24B】特定の実施形態による異なるメサファセット角および異なるメサ高さを有する緑色マイクロLEDの例についてのシミュレーションされた光抽出効率を示す図である。
【
図25A】特定の実施形態による異なるメサファセット角およびサイズを有する緑色マイクロLEDの例についてのシミュレーションされた光抽出効率を示す図である。
【
図25B】特定の実施形態による異なるメサファセット角およびサイズを有する赤色マイクロLEDの例についてのシミュレーションされた光抽出効率を示す図である。
【
図26A-C】特定の実施形態による放物線メサ、反射防止コーティング、および異なるマイクロレンズを有する赤色マイクロLEDの例を示す図である。
【
図27A-B】特定の実施形態による放物線メサおよびマイクロレンズを有するマイクロLEDの例を示している図である。
【
図28】特定の実施形態によるマイクロLEDの放物線メサ、およびアウトカップリング面におけるマイクロレンズを有するマイクロLEDの例を示す図である。
【
図29】特定の実施形態による異なる焦点距離を有するマイクロレンズを使用する赤色マイクロLEDの例からの光抽出のシミュレーション結果を示す図である。
【
図30A】特定の実施形態による垂直メサ構造およびマイクロレンズを有するマイクロLEDの例を示す図である。
【
図30B】特定の実施形態によるマイクロレンズの垂直変位の関数として
図30Aに示されたマイクロLEDの構造を有するマイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す図である。
【
図30C】特定の実施形態によるマイクロレンズの垂直変位の関数として
図30Aに示されたマイクロLEDの構造を有するマイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す図である。
【
図30D】特定の実施形態によるマイクロレンズの垂直変位の関数として
図30Aに示されたマイクロLEDの構造を有するマイクロLEDの例のシミュレーションされたビーム分布を示す図である。
【
図31A】特定の実施形態による垂直メサ構造およびマイクロレンズを有するマイクロLEDの例を示す図である。
【
図31B】特定の実施形態による
図31Aに示されたマイクロLEDの例におけるマイクロレンズによる光抽出およびコリメーションを示す図である。
【
図32A】特定の実施形態による垂直メサ構造を有する青色マイクロLEDの例を示す図である。
【
図32B】特定の実施形態による垂直メサ構造を有する青色マイクロLEDから抽出される光のシミュレーションされたビーム分布を示す図である。
【
図32C】特定の実施形態による放物線メサ構造およびマイクロレンズを有する青色マイクロLEDの例を示す図である。
【
図32D】特定の実施形態による放物線メサ構造およびマイクロレンズを有する青色マイクロLEDから抽出される光のシミュレーションされたビーム分布を示す図である。
【
図33】特定の実施形態によるマイクロLEDアレイからの光抽出のためのマイクロレンズのアレイを製作する方法の例を示すフローチャートである。
【
図34A】特定の実施形態によるマイクロLEDアレイからの光抽出のためのマイクロレンズアレイを製作するまたはマイクロLEDアレイのメサ構造を製作する方法の例を示す図である。
【
図34B】特定の実施形態によるマイクロレンズアレイまたはメサ構造の製作の異なる段階におけるフォトレジスト層、誘電層、および半導体層の高さ外形の例を示す図である。
【
図34C-E】
図34Aに関連して記述されている方法を使用して製作されるメサ構造またレンズの例を示す図である。
【
図35A】特定の実施形態によるLEDのアレイを製作するダイ対ウェハ接合の方法の例を示す図である。
【
図35B】特定の実施形態による、ダイ対ウェハ接合によって形成することが可能であるLEDアレイの例を示す図である。
【
図36A】特定の実施形態による、LEDのアレイのためのウェハ対ウェハ接合の方法の例を示す図である。
【
図36B】特定の実施形態による、ウェハ対ウェハ接合によって形成することが可能であるLEDアレイの例を示す図である。
【
図37A】特定の実施形態による、LEDのアレイを製作するハイブリッド接合の方法の例を示す図である。
【
図37B】特定の実施形態による、ハイブリッド接合によって形成することが可能であるLEDアレイの例を示す図である。
【
図38】特定の実施形態による接合されるウェハスタック上にマイクロレンズまたは他の二次光学部品を有するマイクロLEDのアレイを形成する方法の例を示す図である。
【
図39A】特定の実施形態によるハイブリッド接合型マイクロLED上にマイクロレンズを形成する方法の例を示している図である。
【
図39B】特定の実施形態によるハイブリッド接合型マイクロLED上にマイクロレンズを形成する方法の例を示している図である。
【
図39C】特定の実施形態によるハイブリッド接合型マイクロLED上にマイクロレンズを形成する方法の例を示している図である。
【
図39D】特定の実施形態によるハイブリッド接合型マイクロLED上にマイクロレンズを形成する方法の例を示している図である。
【
図39E】特定の実施形態によるハイブリッド接合型マイクロLED上にマイクロレンズを形成する方法の例を示している図である。
【
図40】特定の実施形態によるニアアイディスプレイの例の電子システムの簡略化されたブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
これらの図は、例示のみを目的として本開示の実施形態を示している。本開示の原理またはうたわれている利点から逸脱することなく、示されている構造および方法の代替実施形態が採用されることが可能であるということを当業者なら以降の記述から容易に認識するであろう。
【0018】
添付の図においては、同様の構成要素どうしおよび/または機能どうしが、同じ参照ラベルを有する場合がある。さらに、ダッシュと、同様の構成要素どうしの間を区別する第2のラベルとを参照ラベルの後に付けることによって、同じタイプのさまざまな構成要素が区別される場合がある。本明細書において第1の参照ラベルのみが使用されている場合には、その記述は、第2の参照ラベルとは関わりなく、同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のうちのいずれの構成要素にも適用可能である。
【0019】
本開示は、一般に、発光ダイオード(LED)に関する。より具体的には、限定するものではないが、抽出された光を、ディスプレイシステムを通じてユーザの目へより効率的に結合するためにマイクロLEDアレイから抽出される光のビーム分布および方向を最適化する技術が、本明細書において開示されている。いくつかのマイクロLEDベースのディスプレイシステムにおいては、マイクロLEDアレイから放出される光は、画像を出力瞳(またはアイボックス)へ送り届けるためにコリメートされ、ディスプレイ(たとえば、導波路ディスプレイ)に結合されることが可能である。マイクロLEDベースのディスプレイシステムの全体効率ηtotは、ηtot=ηEQE×ηin×ηoutによって決定することが可能であり、ただし、ηEQEは、それぞれのマイクロLEDの外部量子効率(EQE)であり、キャリア(たとえば、電子)注入効率、内部量子効率、および光抽出効率(LEE)に比例する場合があり、ηinは、マイクロLEDから導波路に入るディスプレイ光のインカップリング効率であり、ηoutは、導波路からユーザの目に向けるディスプレイ光のアウトカップリング効率である。たとえば、特定の立体角以内である抽出された光のほんの一部は、ディスプレイシステムの限られた視野および/または射出瞳(またはアイボックス)により、導波路に結合され、最終的にユーザの目に到達することが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDアレイは、アイトラッキングのために、ユーザの目を照明するために使用されることが可能である。
【0020】
特定の実施形態によれば、マイクロレンズアレイは、(たとえば、追加の結合オプティクスを使用して)導波路ベースのディスプレイシステムにおける導波路へと結合するために、またはアイトラッキングにおける目の照明にために異なる方向からユーザの目へと結合するために、マイクロLEDアレイから光を抽出し、光を所望の方向に向けるのに使用されることは可能である。マイクロレンズアレイは、マイクロレンズの中心と対応するマイクロLEDの中心との間のずれが少なくとも1つの次元においてマイクロレンズアレイにわたって変わり得るように、少なくとも1つの次元におけるマイクロLEDアレイのピッチとは異なるピッチを特徴とすることが可能である。したがって、それぞれのマイクロLEDから抽出される光の主光線は、限られた視野および/または射出瞳(またはアイボックス)を有することが可能である導波路ベースのディスプレイシステムを通じてより高い強度を有する光ビームの一部がユーザの目に到達することが可能であるように、異なるずれにより、所望のそれぞれの方向に伝搬することが可能である。加えて、マイクロLED(たとえば、マイクロLEDのメサ構造および寸法)のパラメータは、狭いビーム分布(たとえば、半値幅(HWHM)角度が、30°未満など、60°未満)、および高い外部量子効率を実現するために選ばれることが可能である。結果として、マイクロLEDアレイおよびマイクロレンズアレイは、組み合わせて、マイクロLEDアレイから光をより効率的に抽出し、マイクロLEDアレイによって生成される光が、高い全体効率で、ディスプレイシステムを通じてユーザの目に投射することができるように、光ビームをディスプレイシステムにおける所望の方向へ向けることが可能である。
【0021】
マイクロレンズアレイは、リフローパターンポリマー(たとえば、フォトレジスト)など、さまざまな技術を使用して、またはフォトレジストにマイクロレンズアレイを形成するために、グレースケールフォトマスクと、暴露光に対して線形応答を有するフォトレジストとを使用して、および/またはマイクロレンズアレイのパターンおよび形状を誘電材料層または半導体層(たとえば、基板または酸化物層)に転写するために、ポリマーまたはフォトレジストをドライエッチングすることで、製作することができる。マイクロレンズアレイは、ダイレクトEビームエッチングを使用して製作することもできる。デバイス、システム、方法、材料、プロセス等を含むさまざまな発明の実施形態が、本明細書に記述されている。
【0022】
本明細書に記述されているマイクロLEDおよびマイクロレンズは、人工現実システムなどのさまざまなテクノロジーとともに使用することが可能である。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)またはヘッドアップディスプレイ(HUD)システムなどの人工現実システムは一般に、仮想環境内のオブジェクトを描写する人工画像を提示するように構成されているディスプレイを含む。そのディスプレイは、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、または複合現実(MR)アプリケーションにおけるのと同様に、仮想オブジェクトを提示すること、または現実のオブジェクトの画像を仮想オブジェクトと組み合わせることが可能である。たとえば、ARシステムにおいては、ユーザは、たとえば、透明なディスプレイグラスもしくはレンズ(しばしば光学シースルーと呼ばれる)を通じて見ること、またはカメラによって取り込まれた周囲環境の表示された画像(しばしばビデオシースルーと呼ばれる)を閲覧することによって、仮想オブジェクトの表示された画像(たとえば、コンピュータ生成画像(CGI))と、周囲環境との両方を閲覧することが可能である。いくつかのARシステムにおいては、LEDベースのディスプレイサブシステムを使用して人工画像がユーザに提示されることが可能である。
【0023】
本明細書において使用される際には、「発光ダイオード(LED)」という用語は、少なくともn型半導体層、p型半導体層、およびn型半導体層とp型半導体層との間における発光領域(すなわち、活性領域)を含む光源を指す。発光領域は、量子井戸などの1つまたは複数のヘテロ構造を形成する1つまたは複数の半導体層を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、発光領域は、それぞれが複数の(たとえば、約2個から6個の)量子井戸を含む1つまたは複数の多重量子井戸(MQW)を形成する複数の半導体層を含むことが可能である。
【0024】
本明細書において使用される際には、「マイクロLED」または「μLED」という用語は、チップの直線寸法が、100μm未満、50μm未満、20μm未満、10μm未満、またはそれ未満など、約200μm未満であるチップを有するLEDを指す。たとえば、マイクロLEDの直線寸法は、6μm、5μm、4μm、2μm、またはそれ未満程度の小ささである場合がある。いくつかのマイクロLEDは、少数キャリアの拡散長に匹敵する直線寸法(たとえば、長さまたは直径)を有する場合がある。しかしながら、本明細書における開示は、マイクロLEDには限定されず、ミニLEDおよび大型LEDに適用されることも可能である。
【0025】
本明細書において使用される際には、「接合」という用語は、接着接合、金属対金属接合、金属酸化物接合、ウェハ対ウェハ接合、ダイ対ウェハ接合、ハイブリッド接合、はんだ付け、アンダーバンプメタライゼーション等など、2つ以上のデバイスおよび/またはウェハを物理的におよび/または電気的に接続するためのさまざまな方法を指すことが可能である。たとえば、接着接合は、硬化型接着剤(たとえば、エポキシ)を使用して、接着を通じて2つ以上のデバイスおよび/またはウェハを物理的に接合することが可能である。金属対金属接合は、たとえば、はんだ付け界面(たとえば、パッドもしくはボール)、導電性接着剤、または金属どうしの間における溶接継手を使用するワイヤ接合またはフリップチップ接合を含むことが可能である。金属酸化物接合は、それぞれの表面上に金属および酸化物のパターンを形成し、酸化物セクションどうしをともに接合し、次いで金属セクションどうしをともに接合して、導電性経路を作成することが可能である。ウェハ対ウェハ接合は、いかなる中間層も伴わずに2つのウェハ(たとえば、シリコンウェハまたはその他の半導体ウェハ)を接合することが可能であり、それらの2つのウェハの表面どうしの間における化学接合に基づく。ウェハ対ウェハ接合は、ウェハ洗浄およびその他の前処理、室温での位置合わせおよび前接合、ならびに約250℃以上などの高温でのアニーリングを含む場合がある。ダイ対ウェハ接合は、1つのウェハ上のバンプを使用して、事前に形成されたチップの機能をウェハのドライバと位置合わせすることが可能である。ハイブリッド接合は、たとえば、ウェハ洗浄、あるウェハの接点と別のウェハの接点との高精度の位置合わせ、室温でのウェハ内の誘電材料どうしの誘電接合、および、たとえば250~300℃以上での、アニーリングによる接点どうしの金属接合を含む場合がある。本明細書において使用される際には、「バンプ」という用語は、接合中に使用または形成される金属相互接続を総称的に指すことが可能である。
【0026】
以降の記述においては、説明の目的から、本開示の例の徹底的な理解を提供するために具体的な詳細が示されている。しかしながら、これらの具体的な詳細を伴わずにさまざまな例が実施されることが可能であるということは明らかであろう。たとえば、それらの例を不必要に詳細にわかりにくくしないために、デバイス、システム、構造、アセンブリ、方法、およびその他の構成要素が、ブロック図形式の構成要素として示される場合がある。その他の場合においては、それらの例をわかりにくくすることを回避するために、よく知られているデバイス、プロセス、システム、構造、および技術は、必要な詳細を伴わずに示されることがある。図および記述は、限定的であることを意図されているものではない。本開示において採用されている用語および表現は、限定のではなく、記述の用語として使用されており、そのような用語および表現の使用において、示され記述されている特徴またはそれらの部分のいかなる均等物も除外する意図はない。「例」という言葉は、本明細書においては、「例、実例、または例示としての役割を果たすこと」を意味するために使用されている。本明細書において「例」として記述されているいずれの実施形態または設計も、必ずしもその他の実施形態または設計よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0027】
I. 人工現実システム
図1は、特定の実施形態によるニアアイディスプレイ120を含む人工現実システム環境100の例の簡略化されたブロック図である。
図1において示されている人工現実システム環境100は、ニアアイディスプレイ120、任意選択の外部撮像デバイス150、および任意選択の入力/出力インターフェース140を含むことが可能であり、それらのそれぞれは、任意選択のコンソール110に結合されることが可能である。
図1は、1つのニアアイディスプレイ120と、1つの外部撮像デバイス150と、1つの入力/出力インターフェース140とを含む人工現実システム環境100の例を示しているが、任意の数のこれらのコンポーネントが人工現実システム環境100に含まれることが可能であり、またはこれらのコンポーネントのうちのいずれかが省略されることが可能である。たとえば、コンソール110と通信状態にある1つまたは複数の外部撮像デバイス150によってモニタされる複数のニアアイディスプレイ120があることが可能である。いくつかの構成においては、人工現実システム環境100は、外部撮像デバイス150、任意選択の入力/出力インターフェース140、および任意選択のコンソール110を含まないことが可能である。代替構成においては、異なるコンポーネントまたは追加のコンポーネントが人工現実システム環境100に含まれることが可能である。
【0028】
ニアアイディスプレイ120は、コンテンツをユーザに提示するヘッドマウントディスプレイであることが可能である。ニアアイディスプレイ120によって提示されるコンテンツの例は、画像、ビデオ、オーディオ、またはそれらの任意の組合せのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態においては、ニアアイディスプレイ120、コンソール110、または両方からオーディオ情報を受信し、そのオーディオ情報に基づいてオーディオデータを提示する外部デバイス(たとえば、スピーカーおよび/またはヘッドフォン)を介してオーディオが提示されることが可能である。ニアアイディスプレイ120は、1つまたは複数の剛体を含むことが可能であり、それらは、互いに堅固にまたは非堅固に結合されることが可能である。剛体どうしの間における堅固な結合は、結合されている剛体どうしを単一の剛体エンティティーとして機能させることが可能である。剛体どうしの間における非堅固な結合は、剛体どうしが互いに対して移動することを可能にすることができる。さまざまな実施形態においては、ニアアイディスプレイ120は、メガネを含む任意の適切なフォームファクタで実装されることが可能である。ニアアイディスプレイ120のいくつかの実施形態が、以降で
図2および
図3に関連してさらに記述されている。加えて、さまざまな実施形態においては、本明細書において記述されている機能性は、ニアアイディスプレイ120の外部の環境の画像と、人工現実コンテンツ(たとえば、コンピュータ生成画像)とを組み合わせるヘッドセットにおいて使用されることが可能である。したがって、ニアアイディスプレイ120は、生成されたコンテンツ(たとえば、画像、ビデオ、サウンドなど)を用いてニアアイディスプレイ120の外部の物理的な現実世界環境の画像を拡張して、拡張現実をユーザに提示することが可能である。
【0029】
さまざまな実施形態においては、ニアアイディスプレイ120は、ディスプレイエレクトロニクス122、ディスプレイオプティクス124、およびアイトラッキングユニット130のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、ニアアイディスプレイ120は、1つまたは複数のロケータ126、1つまたは複数の位置センサ128、および慣性測定ユニット(IMU)132を含むことも可能である。ニアアイディスプレイ120は、さまざまな実施形態においては、アイトラッキングユニット130、ロケータ126、位置センサ128、およびIMU 132のうちのいずれかを省略すること、または追加の要素を含むことが可能である。加えて、いくつかの実施形態においては、ニアアイディスプレイ120は、
図1に関連して記述されているさまざまな要素の機能を組み合わせる要素を含むことが可能である。
【0030】
ディスプレイエレクトロニクス122は、たとえば、コンソール110から受信されたデータに従ってユーザに画像を表示すること、またはそれらの画像の表示を容易にすることが可能である。さまざまな実施形態においては、ディスプレイエレクトロニクス122は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、無機発光ダイオード(ILED)ディスプレイ、マイクロ発光ダイオード(μLED)ディスプレイ、能動マトリックスOLEDディスプレイ(AMOLED)、透明OLEDディスプレイ(TOLED)、またはその他の何らかのディスプレイなど、1つまたは複数のディスプレイパネルを含むことが可能である。たとえば、ニアアイディスプレイ120の一実施態様においては、ディスプレイエレクトロニクス122は、フロントTOLEDパネル、リアディスプレイパネル、およびフロントディスプレイパネルとリアディスプレイパネルとの間における光学部品(たとえば、減衰器、ポラライザ、または回折フィルムもしくはスペクトルフィルム)を含むことが可能である。ディスプレイエレクトロニクス122は、赤、緑、青、白、または黄色などの主色の光を放出するためのピクセルを含むことが可能である。いくつかの実施態様においては、ディスプレイエレクトロニクス122は、画像の奥行きの主観的な知覚をもたらすために、2次元パネルどうしによって生成された立体感を通じて3次元(3D)画像を表示することが可能である。たとえば、ディスプレイエレクトロニクス122は、ユーザの左目および右目の前にそれぞれ配置されている左ディスプレイおよび右ディスプレイを含むことが可能である。左ディスプレイおよび右ディスプレイは、立体感(すなわち、画像を閲覧しているユーザによる画像の奥行きの知覚)をもたらすために、互いに対して水平にシフトされた画像のコピーどうしを提示することが可能である。
【0031】
特定の実施形態においては、ディスプレイオプティクス124は、画像コンテンツを光学的に(たとえば、光導波路およびカプラを使用して)表示するか、またはディスプレイエレクトロニクス122から受信された画像光を拡大し、その画像光に関連付けられている光学エラーを訂正し、訂正された画像光をニアアイディスプレイ120のユーザに提示することが可能である。さまざまな実施形態においては、ディスプレイオプティクス124は、たとえば、基板、光導波路、アパーチャ、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズ、フィルタ、入力/出力カプラ、または、ディスプレイエレクトロニクス122から放出される画像光に影響を与えることが可能であるその他の任意の適切な光学要素など、1つまたは複数の光学要素を含むことが可能である。ディスプレイオプティクス124は、さまざまな光学要素の組合せ、ならびにその組合せにおける光学要素どうしの相対的な間隔および向きを保持するための機械的結合を含むことが可能である。ディスプレイオプティクス124内の1つまたは複数の光学要素は、反射防止コーティング、反射コーティング、フィルタリングコーティング、またはさまざまな光学コーティングの組合せなどの光学コーティングを有することが可能である。
【0032】
ディスプレイオプティクス124による画像光の拡大は、ディスプレイエレクトロニクス122が、より大きなディスプレイよりも物理的に小さいこと、軽量であること、およびより少ない電力を消費することを可能にすることができる。加えて、拡大は、表示されるコンテンツの視野を広げることが可能である。ディスプレイオプティクス124による画像光の拡大の量は、ディスプレイオプティクス124からの光学要素を調整すること、追加すること、または除去することによって変更されることが可能である。いくつかの実施形態においては、ディスプレイオプティクス124は、表示される画像を、ユーザの目からニアアイディスプレイ120よりもさらに遠く離れていることが可能である1つまたは複数の画像平面に投影することが可能である。
【0033】
ディスプレイオプティクス124は、2次元光学エラー、3次元光学エラー、またはそれらの任意の組合せなど、1つまたは複数のタイプの光学エラーを訂正するように設計されることも可能である。2次元エラーは、2次元で発生する光学収差を含む場合がある。2次元エラーの例示的なタイプは、たる形歪み、糸巻型歪み、縦色収差、および横色収差を含む場合がある。3次元エラーは、3次元で発生する光学エラーを含む場合がある。3次元エラーの例示的なタイプは、球面収差、コマ収差、像面湾曲、および非点収差を含む場合がある。
【0034】
ロケータ126どうしは、互いに対して、およびニアアイディスプレイ120上の基準点に対して、ニアアイディスプレイ120上の特定の位置に配置されたオブジェクトどうしであることが可能である。いくつかの実施態様においては、コンソール110は、外部撮像デバイス150によって取り込まれた画像内のロケータ126を識別して、人工現実ヘッドセットの位置、向き、または両方を特定することが可能である。ロケータ126は、LED、コーナーキューブリフレクタ、反射マーカ、ニアアイディスプレイ120が動作する環境と対照をなすタイプの光源、またはそれらの任意の組合せであることが可能である。ロケータ126がアクティブコンポーネント(たとえば、LEDまたはその他のタイプの発光デバイス)である実施形態においては、ロケータ126は、可視帯域(たとえば、約380nmから750nm)における、赤外線(IR)帯域(たとえば、約750nmから1mm)における、紫外線帯域(たとえば、約10nmから約380nm)における、電磁スペクトルの別の部分における、または電磁スペクトルの部分どうしの任意の組合せにおける光を放出することが可能である。
【0035】
外部撮像デバイス150は、1つもしくは複数のカメラ、1つもしくは複数のビデオカメラ、ロケータ126のうちの1つもしくは複数を含む画像を取り込むことが可能なその他の任意のデバイス、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。加えて、外部撮像デバイス150は、(たとえば、信号対雑音比を高めるために)1つまたは複数のフィルタを含むことが可能である。外部撮像デバイス150は、外部撮像デバイス150の視野においてロケータ126から放出または反射された光を検知するように構成されることが可能である。ロケータ126が受動要素(たとえば、再帰反射器)を含む実施形態においては、外部撮像デバイス150は、外部撮像デバイス150内の光源に光を再帰反射することが可能であるロケータ126のうちのいくつかまたはすべてを照らす光源を含むことが可能である。低速較正データが、外部撮像デバイス150からコンソール110へ通信されることが可能であり、外部撮像デバイス150は、1つまたは複数の較正パラメータをコンソール110から受信して、1つまたは複数の撮像パラメータ(たとえば、焦点距離、ピント、フレームレート、センサ温度、シャッタースピード、アパーチャなど)を調整することが可能である。
【0036】
位置センサ128は、ニアアイディスプレイ120の動きに応答して1つまたは複数の測定信号を生成することが可能である。位置センサ128の例は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、その他の動き検知もしくはエラー訂正センサ、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。たとえば、いくつかの実施形態においては、位置センサ128は、並進運動(たとえば、前方/後方、上/下、または左/右)を測定するための複数の加速度計と、回転運動(たとえば、ピッチ、ヨー、またはロール)を測定するための複数のジャイロスコープとを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、さまざまな位置センサは、互いに直交して配向されることが可能である。
【0037】
IMU132は、位置センサ128のうちの1つまたは複数から受信された測定信号に基づいて高速較正データを生成する電子デバイスであることが可能である。位置センサ128は、IMU132の外部、IMU132の内部、またはそれらの任意の組合せに配置されることが可能である。1つまたは複数の位置センサ128からの1つまたは複数の測定信号に基づいて、IMU132は、ニアアイディスプレイ120の初期位置に対するニアアイディスプレイ120の推定位置を示す高速較正データを生成することが可能である。たとえば、IMU132は、経時的に加速度計から受信された測定信号どうしを統合して速度ベクトルを推定し、その速度ベクトルを経時的に統合してニアアイディスプレイ120上の基準点の推定位置を特定することが可能である。あるいは、IMU132は、サンプリングされた測定信号をコンソール110に提供することが可能であり、コンソール110は、高速較正データを特定することが可能である。基準点は、一般には空間における点として定義されることが可能であるが、さまざまな実施形態においては、基準点は、ニアアイディスプレイ120内の点(たとえば、IMU132の中心)として定義されることも可能である。
【0038】
アイトラッキングユニット130は、1つまたは複数のアイトラッキングシステムを含むことが可能である。アイトラッキングとは、ニアアイディスプレイ120に対する、目の向きおよび場所を含む、目の位置を特定することを指すことが可能である。アイトラッキングシステムは、1つまたは複数の目を撮像するための撮像システムを含むことが可能であり、また任意選択で発光体を含むことが可能であり、その発光体は、目に向けられる光を生成することが可能であり、それにより、目によって反射された光が撮像システムによって取り込まれることが可能である。たとえば、アイトラッキングユニット130は、可視スペクトルまたは赤外線スペクトルにおける光を放出する非コヒーレントまたはコヒーレント光源(たとえば、レーザーダイオード)と、ユーザの目によって反射された光を取り込むカメラとを含むことが可能である。別の例として、アイトラッキングユニット130は、小型レーダユニットによって放出された反射電波を取り込むことが可能である。アイトラッキングユニット130は、目を傷つけることのない、または身体的不快感を引き起こすことのない周波数および強度で光を放出する低電力発光体を使用することが可能である。アイトラッキングユニット130は、アイトラッキングユニット130によって消費される全体的な電力を低減しながら(たとえば、アイトラッキングユニット130に含まれている発光体および撮像システムによって消費される電力を低減しながら)、アイトラッキングユニット130によって取り込まれた目の画像におけるコントラストを高めるようにアレンジされることが可能である。たとえば、いくつかの実施態様においては、アイトラッキングユニット130は、100ミリワット未満の電力を消費することが可能である。
【0039】
ニアアイディスプレイ120は、目の向きを使用して、たとえば、ユーザの瞳孔間距離(IPD)を特定すること、視線方向を特定すること、奥行き手がかりを導入すること(たとえば、ユーザの主視線の外側の画像をぼかすこと)、VRメディアにおけるユーザの対話についてのヒューリスティック(たとえば、露出されている刺激に応じた、いずれかの特定の被写体、オブジェクト、もしくはフレーム上で費やされた時間)を収集すること、ユーザの目のうちの少なくとも1つの向きに部分的に基づくその他のいくつかの機能、またはそれらの任意の組合せが可能である。向きは、ユーザの両方の目に関して特定されることが可能であるので、アイトラッキングユニット130は、どこをユーザが見ているかを特定することが可能であり得る。たとえば、ユーザの視線の方向を特定することは、ユーザの左目および右目の特定された向きに基づいて収束点を特定することを含むことが可能である。収束点は、ユーザの目の2つの中心窩軸が交差する点であることが可能である。ユーザの視線の方向は、収束点と、ユーザの両目の瞳孔どうしの間における中点とを通過する線の方向であることが可能である。
【0040】
入力/出力インターフェース140は、ユーザがアクション要求をコンソール110へ送信することを可能にするデバイスであることが可能である。アクション要求は、特定のアクションを実行するための要求であることが可能である。たとえば、アクション要求は、アプリケーションを開始することもしくは終了すること、またはアプリケーション内で特定のアクションを実行することであることが可能である。入力/出力インターフェース140は、1つまたは複数の入力デバイスを含むことが可能である。例示的な入力デバイスは、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、グローブ、ボタン、タッチスクリーン、または、アクション要求を受信して、その受信されたアクション要求をコンソール110へ通信するためのその他の任意の適切なデバイスを含むことが可能である。入力/出力インターフェース140によって受信されたアクション要求は、コンソール110へ通信されることが可能であり、コンソール110は、要求されたアクションに対応するアクションを実行することが可能である。いくつかの実施形態においては、入力/出力インターフェース140は、コンソール110から受信された命令に従って触覚フィードバックをユーザに提供することが可能である。たとえば、入力/出力インターフェース140は、アクション要求が受信された場合に、または要求されているアクションをコンソール110が実行して入力/出力インターフェース140に命令を通信した場合に、触覚フィードバックを提供することが可能である。いくつかの実施形態においては、外部撮像デバイス150は、ユーザの動きを特定する目的で、コントローラ(たとえば、IR光源を含むことが可能である)またはユーザの手の場所または位置を追跡把握することなど、入力/出力インターフェース140を追跡把握するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態においては、ニアアイディスプレイ120は、ユーザの動きを特定する目的で、コントローラまたはユーザの手の場所または位置を追跡把握することなど、入力/出力インターフェース140を追跡把握するための1つまたは複数の撮像デバイスを含むことが可能である。
【0041】
コンソール110は、外部撮像デバイス150、ニアアイディスプレイ120、および入力/出力インターフェース140のうちの1つまたは複数から受信された情報に従ってユーザに提示するためにニアアイディスプレイ120にコンテンツを提供することが可能である。
図1において示されている例においては、コンソール110は、アプリケーションストア112、ヘッドセットトラッキングモジュール114、人工現実エンジン116、およびアイトラッキングモジュール118を含むことが可能である。コンソール110のいくつかの実施形態は、
図1に関連して記述されているものとは異なるモジュールまたは追加のモジュールを含むことが可能である。以降でさらに記述されている機能は、ここで記述されているのとは異なる様式でコンソール110のコンポーネントどうしの間において分散されることが可能である。
【0042】
いくつかの実施形態においては、コンソール110は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を格納している非一時的コンピュータ可読ストレージメディアとを含むことが可能である。プロセッサは、命令どうしを並行して実行する複数の処理ユニットを含むことが可能である。非一時的コンピュータ可読ストレージメディアは、ハードディスクドライブ、リムーバブルメモリ、またはソリッドステートドライブ(たとえば、フラッシュメモリまたはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))など、任意のメモリであることが可能である。さまざまな実施形態においては、
図1に関連して記述されているコンソール110のモジュールは、プロセッサによって実行されたときに、以降でさらに記述されている機能をプロセッサに実行させる非一時的コンピュータ可読ストレージメディア内の命令としてエンコードされることが可能である。
【0043】
アプリケーションストア112は、コンソール110によって実行するための1つまたは複数のアプリケーションを格納することが可能である。アプリケーションは、プロセッサによって実行されたときに、ユーザに提示するためのコンテンツを生成する命令のグループを含むことが可能である。アプリケーションによって生成されるコンテンツは、ユーザの目の動きを介してユーザから受信された入力、または入力/出力インターフェース140から受信された入力に応答することが可能である。アプリケーションの例は、ゲーミングアプリケーション、会議アプリケーション、ビデオ再生アプリケーション、またはその他の適切なアプリケーションを含むことが可能である。
【0044】
ヘッドセットトラッキングモジュール114は、外部撮像デバイス150からの低速較正情報を使用してニアアイディスプレイ120の動きを追跡把握することが可能である。たとえば、ヘッドセットトラッキングモジュール114は、低速較正情報およびニアアイディスプレイ120のモデルから、観察されたロケータを使用してニアアイディスプレイ120の基準点の位置を特定することが可能である。ヘッドセットトラッキングモジュール114は、高速較正情報からの位置情報を使用してニアアイディスプレイ120の基準点の位置を特定することも可能である。加えて、いくつかの実施形態においては、ヘッドセットトラッキングモジュール114は、高速較正情報、低速較正情報、またはそれらの任意の組合せの部分を使用して、ニアアイディスプレイ120の今後の場所を予測することが可能である。ヘッドセットトラッキングモジュール114は、ニアアイディスプレイ120の推定されたまたは予測された今後の位置を人工現実エンジン116に提供することが可能である。
【0045】
人工現実エンジン116は、人工現実システム環境100内でアプリケーションを実行し、ニアアイディスプレイ120の位置情報、ニアアイディスプレイ120の加速度情報、ニアアイディスプレイ120の速度情報、ニアアイディスプレイ120の予測される今後の位置、またはそれらの任意の組合せをヘッドセットトラッキングモジュール114から受信することが可能である。人工現実エンジン116は、推定された目の位置および向きの情報をアイトラッキングモジュール118から受信することも可能である。受信された情報に基づいて、人工現実エンジン116は、ユーザに提示するためにニアアイディスプレイ120に提供するためのコンテンツを特定することが可能である。たとえば、受信された情報が、ユーザが左を見たということを示している場合には、人工現実エンジン116は、仮想環境におけるユーザの目の動きを反映するニアアイディスプレイ120のためのコンテンツを生成することが可能である。加えて、人工現実エンジン116は、入力/出力インターフェース140から受信されたアクション要求に応答して、コンソール110上で実行しているアプリケーション内でアクションを実行し、そのアクションが実行されたということを示すフィードバックをユーザに提供することが可能である。そのフィードバックは、ニアアイディスプレイ120を介した視覚フィードバックもしくは可聴フィードバック、または入力/出力インターフェース140を介した触覚フィードバックであることが可能である。
【0046】
アイトラッキングモジュール118は、アイトラッキングユニット130からアイトラッキングデータを受信し、そのアイトラッキングデータに基づいてユーザの目の位置を特定することが可能である。目の位置は、ニアアイディスプレイ120またはそのいずれかの要素に対する目の向き、場所、または両方を含むことが可能である。目の回転軸は、そのソケット内の目の場所に応じて変化するので、そのソケット内の目の場所を特定することは、アイトラッキングモジュール118が目の向きをより正確に特定することを可能にすることができる。
【0047】
図2は、本明細書において開示されている例のうちのいくつかを実施するためのHMDデバイス200の形態のニアアイディスプレイの例の斜視図である。HMDデバイス200は、たとえば、VRシステム、ARシステム、MRシステム、またはそれらの任意の組合せの一部であることが可能である。HMDデバイス200は、本体220およびヘッドストラップ230を含むことが可能である。
図2は、本体220の下側223、前側225、および左側227を斜視図において示している。ヘッドストラップ230は、調整可能なまたは延長可能な長さを有することが可能である。ユーザがHMDデバイス200をユーザの頭に取り付けることを可能にするために、HMDデバイス200の本体220とヘッドストラップ230との間には十分なスペースがあることが可能である。さまざまな実施形態においては、HMDデバイス200は、追加の、より少ない、または異なるコンポーネントを含むことが可能である。たとえば、いくつかの実施形態においては、HMDデバイス200は、ヘッドストラップ230ではなく、たとえば、以降の
図3において示されているようなメガネテンプルおよびテンプルチップを含むことが可能である。
【0048】
HMDデバイス200は、コンピュータによって生成された要素を伴う、物理的な現実世界環境の仮想のおよび/または拡張されたビューを含むメディアをユーザに提示することが可能である。HMDデバイス200によって提示されるメディアの例は、画像(たとえば、2次元(2D)もしくは3次元(3D)画像)、ビデオ(たとえば、2Dもしくは3Dビデオ)、オーディオ、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。画像およびビデオは、HMDデバイス200の本体220に含まれている1つまたは複数のディスプレイアセンブリ(
図2においては示されていない)によってユーザのそれぞれの目に提示されることが可能である。さまざまな実施形態においては、1つまたは複数のディスプレイアセンブリは、単一の電子ディスプレイパネルまたは複数の電子ディスプレイパネル(たとえば、ユーザのそれぞれの目に対して1つのディスプレイパネル)を含むことが可能である。電子ディスプレイパネルの例は、たとえば、LCD、OLEDディスプレイ、ILEDディスプレイ、μLEDディスプレイ、AMOLED、TOLED、その他の何らかのディスプレイ、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。HMDデバイス200は、2つのアイボックス領域を含むことが可能である。
【0049】
いくつかの実施態様においては、HMDデバイス200は、奥行きセンサ、モーションセンサ、位置センサ、およびアイトラッキングセンサなど、さまざまなセンサ(図示せず)を含むことが可能である。これらのセンサのうちのいくつかは、感知のために、構造化された光パターンを使用することが可能である。いくつかの実施態様においては、HMDデバイス200は、コンソールと通信するための入力/出力インターフェースを含むことが可能である。いくつかの実施態様においては、HMDデバイス200は、仮想現実エンジン(図示せず)を含むことが可能であり、仮想現実エンジンは、HMDデバイス200内でアプリケーションを実行し、さまざまなセンサからHMDデバイス200の奥行き情報、位置情報、加速度情報、速度情報、予測される今後の位置、またはそれらの任意の組合せを受信することが可能である。いくつかの実施態様においては、仮想現実エンジンによって受信された情報は、1つまたは複数のディスプレイアセンブリへの信号(たとえば、表示命令)を生成するために使用されることが可能である。いくつかの実施態様においては、HMDデバイス200は、互いに対して、および基準点に対して、本体220上の固定された位置に配置されたロケータどうし(図示せず、ロケータ126どうしなど)を含むことが可能である。それらのロケータのそれぞれは、外部撮像デバイスによって検知可能である光を放出することが可能である。
【0050】
図3は、本明細書において開示されている例のうちのいくつかを実施するためのメガネの形態のニアアイディスプレイ300の例の斜視図である。ニアアイディスプレイ300は、
図1のニアアイディスプレイ120の特定の実施態様であることが可能であり、仮想現実ディスプレイ、拡張現実ディスプレイ、および/または複合現実ディスプレイとして動作するように構成されることが可能である。ニアアイディスプレイ300は、フレーム305およびディスプレイ310を含むことが可能である。ディスプレイ310は、コンテンツをユーザに提示するように構成されることが可能である。いくつかの実施形態においては、ディスプレイ310は、ディスプレイエレクトロニクスおよび/またはディスプレイオプティクスを含むことが可能である。たとえば、
図1のニアアイディスプレイ120に関して上述されているように、ディスプレイ310は、LCDディスプレイパネル、LEDディスプレイパネル、または光学ディスプレイパネル(たとえば、導波路ディスプレイアセンブリ)を含むことが可能である。
【0051】
ニアアイディスプレイ300はさらに、フレーム305上にまたはフレーム305内にさまざまなセンサ350a、350b、350c、350d、および350eを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、センサ350a~350eは、1つまたは複数の奥行きセンサ、モーションセンサ、位置センサ、慣性センサ、または環境光センサを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、センサ350a~350eは、別々の方向における別々の視野を表す画像データを生成するように構成されている1つまたは複数の画像センサを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、センサ350a~350eは、ニアアイディスプレイ300の表示されるコンテンツを制御するための、もしくはそのコンテンツに影響を与えるための、および/またはニアアイディスプレイ300のユーザにインタラクティブなVR/AR/MR体験を提供するための入力デバイスとして使用されることが可能である。いくつかの実施形態においては、センサ350a~350eは、立体画像化のために使用されることも可能である。
【0052】
いくつかの実施形態においては、ニアアイディスプレイ300はさらに、光を物理的環境へと投射するための1つまたは複数の照明器330を含むことが可能である。投射される光は、さまざまな周波数帯域(たとえば、可視光、赤外線、紫外線など)に関連付けられることが可能であり、さまざまな目的を果たすことが可能である。たとえば、照明器330は、暗い環境に(または低強度の赤外線、紫外線などを伴う環境に)光を投射して、センサ350a~350eがその暗い環境内のさまざまなオブジェクトの画像を取り込むのを支援することが可能である。いくつかの実施形態においては、照明器330は、環境内のオブジェクト上に特定の光パターンを投射するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態においては、照明器330は、
図1に関連して上述されているロケータ126などのロケータとして使用されることが可能である。
【0053】
いくつかの実施形態においては、ニアアイディスプレイ300は、高解像度カメラ340を含むことも可能である。カメラ340は、視野内の物理的環境の画像を取り込むことが可能である。取り込まれた画像は、たとえば、仮想現実エンジン(たとえば、
図1の人工現実エンジン116)によって処理されて、取り込まれた画像に仮想オブジェクトを付加すること、または取り込まれた画像内の物理オブジェクトを修正することが可能であり、処理された画像は、ARまたはMRアプリケーションのためにディスプレイ310によってユーザに表示されることが可能である。
【0054】
II. 導波路ディスプレイ
図4は、特定の実施形態による導波路ディスプレイを含む光学シースルー拡張現実システム400の例を示している。拡張現実システム400は、プロジェクタ410およびコンバイナ415を含むことが可能である。プロジェクタ410は、光源または画像ソース412およびプロジェクタオプティクス414を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、光源または画像ソース412は、上述されている1つまたは複数のマイクロLEDデバイスを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、画像ソース412は、LCDディスプレイパネルまたはLEDディスプレイパネルなど、仮想オブジェクトを表示する複数のピクセルを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、画像ソース412は、コヒーレントなまたは部分的にコヒーレントな光を生成する光源を含むことが可能である。たとえば、画像ソース412は、レーザーダイオード、垂直キャビティ面発光レーザー、LED、および/または上述されているマイクロLEDを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、画像ソース412は、原色(たとえば、赤、緑、または青)に対応する単色画像光をそれぞれが放出する複数の光源(たとえば、上述されているマイクロLEDのアレイ)を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、画像ソース412は、マイクロLEDの3つの2次元アレイを含むことが可能であり、マイクロLEDのそれぞれの2次元アレイは、原色(たとえば、赤、緑、または青)の光を放出するように構成されているマイクロLEDを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、画像ソース412は、空間光変調器などの光学パターン生成器を含むことが可能である。プロジェクタオプティクス414は、画像ソース412からの光を拡大すること、コリメートすること、スキャンすること、またはコンバイナ415へ投射することなど、画像ソース412からの光を調整することが可能である1つまたは複数の光学部品を含むことが可能である。1つまたは複数の光学部品は、たとえば、1つまたは複数のレンズ、液体レンズ、ミラー、アパーチャ、および/または格子を含むことが可能である。たとえば、いくつかの実施形態においては、画像ソース412は、マイクロLEDの1つまたは複数の1次元アレイまたは細長い2次元アレイを含むことが可能であり、プロジェクタオプティクス414は、マイクロLEDの1次元アレイまたは細長い2次元アレイをスキャンして画像フレームを生成するように構成されている1つまたは複数の1次元スキャナ(たとえば、マイクロミラーまたはプリズム)を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、プロジェクタオプティクス414は、画像ソース412からの光のスキャニングを可能にする複数の電極を備えた液体レンズ(たとえば、液晶レンズ)を含むことが可能である。
【0055】
コンバイナ415は、プロジェクタ410からの光をコンバイナ415の基板420へと結合するための入力カプラ430を含むことが可能である。コンバイナ415は、第1の波長範囲における光の少なくとも50%を透過すること、および第2の波長範囲における光の少なくとも25%を反射することが可能である。たとえば、第1の波長範囲は、約400nmから約650nmまでの可視光であることが可能であり、第2の波長範囲は、たとえば、約800nmから約1000nmまでの赤外線帯域にあることが可能である。入力カプラ430は、体積ホログラフィック格子、回折光学要素(DOE)(たとえば、表面レリーフ格子)、基板420の傾斜面、または屈折カプラ(たとえば、くさびまたはプリズム)を含むことが可能である。たとえば、入力カプラ430は、反射体積Bragg格子または透過体積Bragg格子を含むことが可能である。入力カプラ430は、可視光に対して30%、50%、75%、90%、またはそれ以上の結合効率を有することが可能である。基板420へと結合された光は、たとえば、全反射(TIR)を通じて基板420内を伝搬することが可能である。基板420は、メガネのレンズの形態であることが可能である。基板420は、平面または曲面を有することが可能であり、ガラス、石英、プラスチック、ポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、水晶、またはセラミックなど、1つまたは複数のタイプの誘電材料を含むことが可能である。基板の厚さは、たとえば、約1mm未満から約10mm以上に及ぶことが可能である。基板420は、可視光に対して透明であることが可能である。
【0056】
基板420は、複数の出力カプラ440を含むことが可能であり、または複数の出力カプラ440に結合されることが可能であり、それらの出力カプラ440はそれぞれが、基板420によって導かれて基板420内を伝搬する光の少なくとも一部分を基板420から抽出して、抽出された光460をアイボックス495に向けるように構成されており、拡張現実システム400のユーザの目490は、拡張現実システム400が使用中である場合には、そのアイボックスに配置されることが可能である。複数の出力カプラ440は、アイボックス495のサイズを増大させるように射出瞳を複製することが可能であり、それによって、表示される画像は、より大きなエリアで可視である。入力カプラ430のように、出力カプラ440は、格子カプラ(たとえば、体積ホログラフィック格子または表面レリーフ格子)、その他の回折光学要素(DOE)、プリズムなどを含むことが可能である。たとえば、出力カプラ440は、反射体積Bragg格子または透過体積Bragg格子を含むことが可能である。出力カプラ440は、さまざまな場所においてさまざまな結合(たとえば、回折)効率を有することが可能である。基板420は、コンバイナ415の前の環境からの光450がほとんどまたはまったく損失なしに通過することを可能にすることもできる。出力カプラ440は、光450がほとんど損失なしに通過することを可能にすることもできる。たとえば、いくつかの実施態様においては、出力カプラ440は、光450に対してかなり低い回折効率を有することが可能であり、それによって光450は、屈折するか、またはさもなければ、ほとんど損失なしに出力カプラ440を通過することが可能であり、ひいては、抽出された光460よりも高い強度を有することが可能である。いくつかの実施態様においては、出力カプラ440は、光450に対して高い回折効率を有することが可能であり、光450を特定の所望の方向(すなわち、回折角)にほとんど損失なく回折することが可能である。結果として、ユーザは、コンバイナ415の前の環境と、プロジェクタ410によって投射された仮想オブジェクトの画像との組み合わされた画像を閲覧することが可能であり得る。
【0057】
図5Aは、特定の実施形態による導波路ディスプレイ530を含むニアアイディスプレイ(NED)デバイス500の例を示している。NEDデバイス500は、ニアアイディスプレイ120、拡張現実システム400、または別のタイプのディスプレイデバイスの例であることが可能である。NEDデバイス500は、光源510、投射オプティクス520、および導波路ディスプレイ530を含むことが可能である。光源510は、赤色発光体512のパネル、緑色発光体514のパネル、および青色発光体516のパネルなど、別々の色の発光体の複数のパネルを含むことが可能である。赤色発光体512は、アレイへと編成されており、緑色発光体514は、アレイへと編成されており、青色発光体516は、アレイへと編成されている。光源510における発光体の寸法およびピッチは、小さくてもよい。たとえば、それぞれの発光体は、2μm未満(たとえば、約1.2μm)の直径を有することが可能であり、ピッチは、2μm未満(たとえば、約1.5μm)であることが可能である。したがって、それぞれの赤色発光体512、緑色発光体514、および青色発光体516における発光体の数は、960×720、1280×720、1440×1080、1920×1080、2160×1080、または2560×1080ピクセルなど、表示画像におけるピクセルの数以上であることが可能である。したがって、表示画像は、光源510によって同時に生成されることが可能である。スキャニング要素は、NEDデバイス500において使用されないことが可能である。
【0058】
導波路ディスプレイ530に到達する前に、光源510によって放出された光は、投射オプティクス520によって調整されることが可能であり、投射オプティクス520は、レンズアレイを含むことが可能である。投射オプティクス520は、光源510によって放出された光を導波路ディスプレイ530へコリメートすることまたは集めることが可能であり、導波路ディスプレイ530は、光源510によって放出された光を導波路ディスプレイ530へと結合するためのカプラ532を含むことが可能である。導波路ディスプレイ530へと結合された光は、たとえば、
図4に関連して上述されているような全反射を通じて、導波路ディスプレイ530内を伝搬することが可能である。カプラ532は、導波路ディスプレイ530内を伝搬する光の部分を、導波路ディスプレイ530からユーザの目590へ向けて結合することも可能である。
【0059】
図5Bは、特定の実施形態による導波路ディスプレイ580を含むニアアイディスプレイ(NED)デバイス550の例を示している。いくつかの実施形態においては、NEDデバイス550は、スキャニングミラー570を使用して、光源540からの光を、ユーザの目590が位置していることが可能である鏡像力場へ投射することが可能である。NEDデバイス550は、ニアアイディスプレイ120、拡張現実システム400、または別のタイプのディスプレイデバイスの例であることが可能である。光源540は、赤色発光体542の複数の行、緑色発光体544の複数の行、および青色発光体546の複数の行など、別々の色の発光体の1つもしくは複数の行または1つもしくは複数の列を含むことが可能である。たとえば、赤色発光体542、緑色発光体544、および青色発光体546は、それぞれN個の行を含むことが可能であり、それぞれの行は、たとえば、2560個の発光体(ピクセル)を含む。赤色発光体542は、アレイへと編成されており、緑色発光体544は、アレイへと編成されており、青色発光体546は、アレイへと編成されている。いくつかの実施形態においては、光源540は、それぞれの色に関して単一の列の発光体を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、光源540は、赤色、緑色、および青色のそれぞれに関して複数の列の発光体を含むことが可能であり、この場合、それぞれの列は、たとえば1080個の発光体を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、光源540における発光体の寸法および/またはピッチは、比較的大きい(たとえば、約3~5μmである)ことが可能であり、ひいては光源540は、表示画像全体を同時に生成するための十分な発光体を含まない場合がある。たとえば、単一の色に関する発光体の数は、表示画像におけるピクセルの数(たとえば、2560×1080ピクセル)よりも少ない場合がある。光源540によって放出される光は、光のコリメートされたまたは発散するビームのセットであることが可能である。
【0060】
スキャニングミラー570に到達する前に、光源540によって放出された光は、コリメーティングレンズまたは自由形状光学要素560など、さまざまな光学デバイスによって調整されることが可能である。自由形状光学要素560は、たとえば、光源540によって放出された光の伝搬方向を、たとえば約90°以上変更することなど、光源540によって放出された光をスキャニングミラー570へ向けることが可能である多面プリズムまたは別の光折り畳み要素を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、自由形状光学要素560は、光をスキャンするために回転可能であり得る。スキャニングミラー570および/または自由形状光学要素560は、光源540によって放出された光を反射して導波路ディスプレイ580へ投射することが可能であり、導波路ディスプレイ580は、光源540によって放出された光を導波路ディスプレイ580へと結合するためのカプラ582を含むことが可能である。導波路ディスプレイ580へと結合された光は、たとえば、
図4に関連して上述されているような全反射を通じて、導波路ディスプレイ580内を伝搬することが可能である。カプラ582は、導波路ディスプレイ580内を伝搬する光の部分を導波路ディスプレイ580からユーザの目590へ向けて結合することも可能である。
【0061】
スキャニングミラー570は、微小電気機械システム(MEMS)ミラーまたはその他の任意の適切なミラーを含むことが可能である。スキャニングミラー570は、1次元または2次元でスキャンを行うために回転することが可能である。スキャニングミラー570が回転するにつれて、光源540によって放出された光は、導波路ディスプレイ580のさまざまなエリアに向けられることが可能であり、それによって、表示画像全体が、導波路ディスプレイ580上へ投射されて、それぞれのスキャニングサイクルにおいて導波路ディスプレイ580によってユーザの目590に向けられることが可能である。たとえば、光源540が、1つまたは複数の行または列におけるすべてのピクセルに関する発光体を含む実施形態においては、スキャニングミラー570は、画像をスキャンするために列方向または行方向(たとえば、x方向またはy方向)に回転されることが可能である。光源540が、1つまたは複数の行または列におけるすべてではないがいくつかのピクセルに関する発光体を含む実施形態においては、スキャニングミラー570は、行方向および列方向の両方(たとえば、x方向およびy方向の両方)に回転されて、(たとえば、ラスタタイプのスキャニングパターンを使用して)表示画像を投射することが可能である。
【0062】
NEDデバイス550は、事前に定義された表示期間で動作することが可能である。表示期間(たとえば、表示サイクル)は、画像全体がスキャンまたは投射される持続時間を指すことが可能である。たとえば、表示期間は、所望のフレームレートの逆数であることが可能である。スキャニングミラー570を含むNEDデバイス550においては、表示期間は、スキャニング期間またはスキャニングサイクルと呼ばれる場合もある。光源540による光生成は、スキャニングミラー570の回転と同期化されることが可能である。たとえば、それぞれのスキャニングサイクルは、複数のスキャニングステップを含むことが可能であり、この場合、光源540は、それぞれの各スキャニングステップにおいて別々の光パターンを生成することが可能である。
【0063】
それぞれのスキャニングサイクルにおいて、スキャニングミラー570が回転するにつれて、表示画像が導波路ディスプレイ580およびユーザの目590上へ投射されることが可能である。表示画像の所与のピクセル場所の実際の色値および光強度(たとえば、輝度)は、スキャニング期間中にピクセル場所を照らす3つの色(たとえば、赤、緑、および青)の光ビームの平均であることが可能である。スキャニング期間が完了した後に、スキャニングミラー570は、次の表示画像の最初の数行のための光を投射するために初期位置へ戻ることが可能であり、または逆の方向もしくはスキャンパターンに回転して、次の表示画像のための光を投射することが可能であり、この場合、駆動信号の新たなセットが光源540に供給されることが可能である。それぞれのスキャニングサイクルにおいてスキャニングミラー570が回転するので、同じプロセスが繰り返されることが可能である。したがって、別々のスキャニングサイクルにおいて別々の画像がユーザの目590へ投射されることが可能である。
【0064】
図6は、特定の実施形態によるニアアイディスプレイシステム600における画像ソースアセンブリ610の例を示している。画像ソースアセンブリ610は、たとえば、ユーザの目へ投射されることになる表示画像を生成することが可能であるディスプレイパネル640と、ディスプレイパネル640によって生成された表示画像を、
図4~
図5Bに関連して上述されている導波路ディスプレイへ投射することが可能であるプロジェクタ650とを含むことが可能である。ディスプレイパネル640は、光源642と、光源642のためのドライバ回路644とを含むことが可能である。光源642は、たとえば、光源510または540を含むことが可能である。プロジェクタ650は、たとえば、上述されている自由形状光学要素560、スキャニングミラー570、および/または投射オプティクス520を含むことが可能である。ニアアイディスプレイシステム600は、光源642およびプロジェクタ650(たとえば、スキャニングミラー570)を同期的に制御するコントローラ620を含むことも可能である。画像ソースアセンブリ610は、画像光を生成して、導波路ディスプレイ530または580などの導波路ディスプレイ(
図6においては示されていない)へ出力することが可能である。上述されているように、導波路ディスプレイは、1つまたは複数の入力結合要素において画像光を受け取ること、および受け取られた画像光を1つまたは複数の出力結合要素へ導くことが可能である。入力結合要素および出力結合要素は、たとえば、回折格子、ホログラフィック格子、プリズム、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。入力結合要素は、導波路ディスプレイで全反射が発生するように選ばれることが可能である。出力結合要素は、導波路ディスプレイからの全反射された画像光の部分どうしを結合することが可能である。
【0065】
上述されているように、光源642は、アレイまたはマトリックスに配置された複数の発光体を含むことが可能である。それぞれの発光体は、赤色光、青色光、緑色光、赤外線等などの単色光を放出することが可能である。本開示においてはRGB色がしばしば論じられているが、本明細書において記述されている実施形態は、原色として赤、緑、および青を使用することに限定されない。その他の色がニアアイディスプレイシステム600の原色として使用されることも可能である。いくつかの実施形態においては、一実施形態によるディスプレイパネルは、3つよりも多い原色を使用することが可能である。光源642におけるそれぞれのピクセルは、赤色マイクロLED、緑色マイクロLED、および青色マイクロLEDを含む3つのサブピクセルを含むことが可能である。半導体LEDは一般に、半導体材料の複数の層内に活性発光層を含む。半導体材料の複数の層は、別々の化合物材料、または、別々のドーパントおよび/もしくは別々のドーピング密度を有する同じベース材料を含むことが可能である。たとえば、半導体材料の複数の層は、n型材料層と、ヘテロ構造(たとえば、1つまたは複数の量子井戸)を含むことが可能である活性領域と、p型材料層とを含むことが可能である。半導体材料の複数の層は、特定の向きを有している基板の表面上に成長させることが可能である。いくつかの実施形態においては、光抽出効率を高めるために、半導体材料の層のうちの少なくともいくつかを含むメサが形成されることが可能である。
【0066】
コントローラ620は、光源642および/またはプロジェクタ650のオペレーションなど、画像ソースアセンブリ610の画像レンダリングオペレーションを制御することが可能である。たとえば、コントローラ620は、画像ソースアセンブリ610が1つまたは複数の表示画像をレンダリングするための命令を特定することが可能である。それらの命令は、表示命令およびスキャニング命令を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、表示命令は、画像ファイル(たとえば、ビットマップファイル)を含むことが可能である。表示命令は、たとえば、
図1に関連して上述されているコンソール110などのコンソールから受信されることが可能である。スキャニング命令は、画像光を生成するために画像ソースアセンブリ610によって使用されることが可能である。スキャニング命令は、たとえば、画像光源のタイプ(たとえば、単色もしくは多色)、スキャニングレート、スキャニング装置の向き、1つもしくは複数の照明パラメータ、またはそれらの任意の組合せを指定することが可能である。コントローラ620は、本開示のその他の態様をわかりにくくしないためにここには示されていないハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの組合せを含むことが可能である。
【0067】
いくつかの実施形態においては、コントローラ620は、ディスプレイデバイスのグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)であることが可能である。その他の実施形態においては、コントローラ620は、その他の種類のプロセッサであることが可能である。コントローラ620によって実行されるオペレーションは、表示のためのコンテンツを取り込み、そのコンテンツを個別のセクションへと分割することを含むことが可能である。コントローラ620は、光源642の個々のソース要素に対応するアドレスおよび/または個々のソース要素に適用される電気的バイアスを含むスキャニング命令を光源642に提供することが可能である。コントローラ620は、最終的にユーザに表示される画像におけるピクセルの1つまたは複数の行に対応する発光体を使用して個別のセクションを順次提示するように光源642に指示することが可能である。コントローラ620は、光のさまざまな調整を実行するようにプロジェクタ650に指示することも可能である。たとえば、コントローラ620は、
図5Bに関連して上述されている導波路ディスプレイ(たとえば、導波路ディスプレイ580)の結合要素のさまざまなエリアへの個別のセクションをスキャンするようにプロジェクタ650を制御することが可能である。したがって、導波路ディスプレイの射出瞳では、それぞれの個別の部分が、別々のそれぞれの場所において提示される。それぞれの個別のセクションは、別々のそれぞれの時点において提示されるが、それらの個別のセクションの提示およびスキャニングは、十分に高速に生じ、それによってユーザの目は、それらの別々のセクションを単一の画像または一連の画像へと統合することが可能である。
【0068】
画像プロセッサ630は、汎用プロセッサ、および/または、本明細書において記述されている機能を実行することに特化している1つもしくは複数の特定用途向け回路であることが可能である。一実施形態においては、汎用プロセッサがメモリに結合されて、本明細書において記述されている特定のプロセスをプロセッサに実行させるソフトウェア命令を実行することが可能である。別の実施形態においては、画像プロセッサ630は、特定の機能を実行することに特化している1つまたは複数の回路であることが可能である。
図6における画像プロセッサ630は、コントローラ620およびドライバ回路644とは別個であるスタンドアロンのユニットとして示されているが、画像プロセッサ630は、その他の実施形態においてはコントローラ620またはドライバ回路644のサブユニットであることが可能である。言い換えれば、それらの実施形態においては、コントローラ620またはドライバ回路644は、画像プロセッサ630のさまざまな画像処理機能を実行することが可能である。画像プロセッサ630は、画像処理回路と呼ばれる場合もある。
【0069】
図6において示されている例においては、光源642は、コントローラ620または画像プロセッサ630から送信されたデータまたは命令(たとえば、表示およびスキャニング命令)に基づいて、ドライバ回路644によって駆動されることが可能である。一実施形態においては、ドライバ回路644は、回路パネルを含むことが可能であり、その回路パネルは、光源642のさまざまな発光体に接続し、それらの発光体を機械的に保持する。光源642は、1つまたは複数の照明パラメータに従って光を放出することが可能であり、それらの照明パラメータは、コントローラ620によって設定され、潜在的に画像プロセッサ630およびドライバ回路644によって調整される。照明パラメータは、光を生成するために光源642によって使用されることが可能である。照明パラメータは、たとえば、ソース波長、パルスレート、パルス振幅、ビームタイプ(連続もしくはパルス)、放出される光に影響を与えることが可能であるその他のパラメータ、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、光源642によって生成される光源光は、赤色光、緑色光、および青色光の複数のビーム、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0070】
プロジェクタ650は、光源642によって生成された画像光を集めること、組み合わせること、調整すること、またはスキャンすることなど、光学機能のセットを実行することが可能である。いくつかの実施形態においては、プロジェクタ650は、組合せアセンブリ、光調整アセンブリ、またはスキャニングミラーアセンブリを含むことが可能である。プロジェクタ650は、光源642からの光を光学的に調整して潜在的に向け直す1つまたは複数の光学部品を含むことが可能である。光の調整の一例は、拡大すること、コリメートすること、1つもしくは複数の光学エラー(たとえば、像面湾曲、色収差など)に関して訂正を行うこと、光のいくつかのその他の調整、またはそれらの任意の組合せなど、光を調整することを含むことが可能である。プロジェクタ650の光学部品は、たとえば、レンズ、ミラー、アパーチャ、格子、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0071】
プロジェクタ650は、画像光を、その1つまたは複数の反射部分および/または屈折部分を介して向け直すことが可能であり、それによって画像光は、導波路ディスプレイへ特定の向きで投射される。画像光が向け直される先の場所は、1つまたは複数の反射部分および/または屈折部分の特定の向きに依存することが可能である。いくつかの実施形態においては、プロジェクタ650は、少なくとも2次元でスキャンする単一のスキャニングミラーを含む。その他の実施形態においては、プロジェクタ650は、互いに直交する方向にそれぞれがスキャンする複数のスキャニングミラーを含むことが可能である。プロジェクタ650は、ラスタスキャン(水平にまたは垂直に)、双共鳴スキャン、またはそれらの任意の組合せを実行することが可能である。いくつかの実施形態においては、プロジェクタ650は、特定の振動周波数で水平および/または垂直方向に沿って、制御された振動を実行して、2次元に沿ってスキャンし、ユーザの目に提示されるメディアの2次元投影画像を生成することが可能である。その他の実施形態においては、プロジェクタ650は、1つまたは複数のスキャニングミラーと同様のまたは同じ機能を果たすことが可能であるレンズまたはプリズムを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、画像ソースアセンブリ610は、プロジェクタを含まないことが可能であり、この場合、光源642によって放出された光は、導波路ディスプレイ上に直接入射することが可能である。
【0072】
III. マイクロLED
半導体LEDにおいては、光子は、普通、活性領域(たとえば、1つまたは複数の半導体層)内の電子および正孔の再結合を通じて、特定の内部量子効率において生成され、この場合、内部量子効率は、光子を放出する活性領域内の放射電子正孔再結合の割合である。生成される光は、次いで、特定の方向において、または特定の立体角内でLEDから抽出されることが可能である。LEDから抽出される放出される光子の数と、LEDを通過する電子の数との間における比は、外部量子効率と呼ばれ、外部量子効率は、どれぐらい効率よくLEDが、注入される電子をデバイスから抽出される光子に変換するかについて記述している。
【0073】
外部量子効率は、注入効率、内部量子効率、および抽出効率に比例する場合がある。注入効率は、活性領域へと注入される、デバイスを通過する電子の割合を指す。抽出効率は、デバイスから脱出する、活性領域内で生成される光子の割合である。LED、および特に、低減された物理的な寸法を伴うマイクロLEDに対して、内部および外部量子効率を改善すること、ならびに/または放出スペクトルを制御することは困難であることがある。いくつかの実施形態においては、光抽出効率を高めるために、半導体材料の層のうちの少なくともいくつかを含むメサが形成されることが可能である。
【0074】
図7Aは、垂直メサ構造を有するLED700の例を示している。LED700は、光源510、540、または642における発光体であることが可能である。LED700は、半導体材料の複数の層など、無機材料で作られたマイクロLEDであることが可能である。層状半導体発光デバイスは、III-V半導体材料の複数の層を含むことが可能である。III-V半導体材料は、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、またはアンチモン(Sb)など、V族元素と組み合わせて、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、またはインジウム(In)など、1つまたは複数のIII族元素を含むことが可能である。III-V半導体材料のV族元素が窒素を含む場合には、III-V半導体材料は、第III族窒化物材料と呼ばれる。層状半導体発光デバイスは、気相エピタキシ(VPE)、液相エピタキシ(LPE)、分子線エピタキシ(MBE)、または有機金属化学気相成長法(MOCVD)などの技術を使用して基板上に複数のエピタキシャル層を成長させることによって製造されることが可能である。たとえば、半導体材料の層は、GaN、GaAs、もしくはGaP基板など、特定の結晶格子配向(たとえば、極性、非極性、もしくは半極性の配向)を有する基板、または、サファイア、炭化ケイ素、シリコン、酸化亜鉛、窒化ホウ素、アルミン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ゲルマニウム、窒化アルミニウム、リチウムガレート、部分的に置換されたスピネル、もしくは、ベータLiAlO
2構造を共有する第4正方酸化物を含むがそれらに限定されない基板上に層ごとに成長させることが可能であり、この場合、基板を特定の方向に切断して、特定の面を成長表面として露出させることが可能である。
【0075】
図7Aにおいて示されている例においては、LED700は、基板710を含むことが可能であり、基板710は、たとえば、サファイア基板またはGaN基板を含むことが可能である。半導体層720を基板710上に成長させることが可能である。半導体層720は、GaNなどのIII-V材料を含むことが可能であり、(たとえば、Mg、Ca、Zn、もしくはBeで)pドープされること、または(たとえば、SiもしくはGeで)nドープされることが可能である。1つまたは複数の活性層730を半導体層720上に成長させて、活性領域を形成することが可能である。活性層730は、1つまたは複数の量子井戸またはMQWなど、1つまたは複数のヘテロ構造を形成することが可能である、1つもしくは複数のInGaN層、1つもしくは複数のAlInGaP層、および/または1つもしくは複数のGaN層など、III-V材料を含むことが可能である。半導体層740を活性層730上に成長させることが可能である。半導体層740は、GaNなどのIII-V材料を含むことが可能であり、(たとえば、Mg、Ca、Zn、もしくはBeで)pドープされること、または(たとえば、SiもしくはGeで)nドープされることが可能である。半導体層720および半導体層740のうちの一方はp型層であることが可能であり、他方はn型層であることが可能である。半導体層720および半導体層740は、活性層730を挟んで発光領域を形成する。たとえば、LED700は、マグネシウムでドープされたp型GaNの層と、シリコンまたは酸素でドープされたn型GaNの層との間に位置しているInGaNの層を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、LED700は、亜鉛またはマグネシウムでドープされたp型AlInGaPの層と、セレン、シリコン、またはテルルでドープされたn型AlInGaPの層との間に位置しているAlInGaPの層を含むことが可能である。
【0076】
いくつかの実施形態においては、電子遮断層(EBL)(
図7Aにおいては示されていない)を成長させて、活性層730と、半導体層720または半導体層740のうちの少なくとも1つとの間に層を形成することが可能である。EBLは、電子漏れ電流を低減すること、およびLEDの効率を改善することが可能である。いくつかの実施形態においては、P
+またはP
++半導体層など、高濃度にドープされた半導体層750が、半導体層740上に形成されることが可能であり、オーミック接触を形成してデバイスの接触インピーダンスを低減するための接触層としての役割を果たすことが可能である。いくつかの実施形態においては、導電層760が、高濃度にドープされた半導体層750上に形成されることが可能である。導電層760は、たとえば、インジウムスズ酸化物(ITO)またはAl/Ni/Au膜を含むことが可能である。一例においては、導電層760は、透明なITO層を含むことが可能である。
【0077】
半導体層720(たとえば、n-GaN層)と接触するために、およびLED700から活性層730によって放出された光をより効率よく抽出するために、半導体材料層(高濃度にドープされた半導体層750、半導体層740、活性層730、および半導体層720を含む)をエッチングして、半導体層720を露出させること、および層720~760を含むメサ構造を形成することが可能である。メサ構造は、キャリアをデバイス内に閉じ込めることが可能である。メサ構造をエッチングすることは、成長面に直交していることが可能であるメサ側壁732の形成につながることが可能である。パッシベーション層770が、メサ構造の側壁732上に形成されることが可能である。パッシベーション層770は、SiO2層などの酸化物層を含むことが可能であり、LED700からの放出された光を反射するための反射器としての役割を果たすことが可能である。Al、Au、Ni、Ti、またはそれらの任意の組合せなどの金属層を含むことが可能である接触層780が、半導体層720上に形成されることが可能であり、LED700の電極としての役割を果たすことが可能である。加えて、Al/Ni/Au金属層などの別の接触層790が、導電層760上に形成されることが可能であり、LED700の別の電極としての役割を果たすことが可能である。
【0078】
電圧信号が接触層780および790に印加された場合には、電子および正孔は、活性層730において再結合することが可能であり、この場合、電子および正孔の再結合は、光子放出を引き起こすことが可能である。放出された光子の波長およびエネルギーは、活性層730における価電子帯と伝導帯との間のエネルギーバンドギャップに依存することが可能である。たとえば、InGaN活性層は、緑色または青色の光を放出することが可能であり、AlGaN活性層は、青色から紫外線を放出することが可能であり、その一方でAlInGaP活性層は、赤色、オレンジ、黄色、または緑色の光を放出することが可能である。放出された光子は、パッシベーション層770によって反射されることが可能であり、上(たとえば、導電層760および接触層790)または下(たとえば、基板710)からLED700を出ることが可能である。
【0079】
いくつかの実施形態においては、LED700は、放出された光を集めるもしくはコリメートするか、または放出された光を導波路へと結合するために、基板710などの発光表面上にレンズなどの1つまたは複数のその他のコンポーネントを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、LEDは、平面、円錐、半放物線、または放物線などの別の形状のメサを含むことが可能であり、メサのベースエリアは、円形、長方形、六角形、または三角形であることが可能である。たとえば、LEDは、湾曲した形状(たとえば、放物面形状)および/または湾曲していない形状(たとえば、円錐形状)のメサを含むことが可能である。メサは、切り詰められること、または切り詰められないことが可能である。
【0080】
図7Bは、放物線メサ構造を有するLED705の例の断面図である。LED700と同様に、LED705は、III-V半導体材料の複数の層など、半導体材料の複数の層を含むことが可能である。半導体材料層は、GaN基板またはサファイア基板などの基板715上にエピタキシャルに成長させることが可能である。たとえば、半導体層725を基板715上に成長させることが可能である。半導体層725は、GaNなどのIII-V材料を含むことが可能であり、(たとえば、Mg、Ca、Zn、もしくはBeで)pドープされること、または(たとえば、SiもしくはGeで)nドープされることが可能である。1つまたは複数の活性層735を半導体層725上に成長させることが可能である。活性層735は、1つまたは複数の量子井戸など、1つまたは複数のヘテロ構造を形成することが可能である、1つもしくは複数のInGaN層、1つもしくは複数のAlInGaP層、および/または1つもしくは複数のGaN層など、III-V材料を含むことが可能である。半導体層745を活性層735上に成長させることが可能である。半導体層745は、GaNなどのIII-V材料を含むことが可能であり、(たとえば、Mg、Ca、Zn、もしくはBeで)pドープされること、または(たとえば、SiもしくはGeで)nドープされることが可能である。半導体層725および半導体層745のうちの一方はp型層であることが可能であり、他方はn型層であることが可能である。
【0081】
半導体層725(たとえば、n型GaN層)と接触するために、およびLED705から活性層735によって放出された光をより効率よく抽出するために、半導体層をエッチングして、半導体層725を露出させること、および層725~745を含むメサ構造を形成することが可能である。メサ構造は、キャリアをデバイスの注入エリア内に閉じ込めることが可能である。メサ構造をエッチングすることは、層725~745の結晶成長に関連付けられている成長面と非平行であること、またはいくつかのケースにおいては直交していることが可能であるメサ側壁(本明細書においてはファセットとも呼ばれる)の形成につながることが可能である。
【0082】
図7Bにおいて示されているように、LED705は、平らな上部を含むメサ構造を有することが可能である。誘電層775(たとえば、SiO
2またはSiNx)がメサ構造のファセット上に形成されることが可能である。いくつかの実施形態においては、誘電層775は、誘電材料の複数の層を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、金属層795が誘電層775上に形成されることが可能である。金属層795は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、チタン(Ti)、銅(Cu)、またはそれらの任意の組合せなど、1つまたは複数の金属または金属合金材料を含むことが可能である。誘電層775および金属層795は、活性層735によって放出された光を基板715へ反射することが可能であるメサ反射器を形成することが可能である。いくつかの実施形態においては、メサ反射器は、放出された光を少なくとも部分的にコリメートすることが可能である放物面反射器としての役割を果たすように放物面形状であることが可能である。
【0083】
電気接点765および電気接点785は、半導体層745および半導体層725上にそれぞれ形成されて、電極としての役割を果たすことが可能である。電気接点765および電気接点785はそれぞれ、Al、Au、Pt、Ag、Ni、Ti、Cu、またはそれらの任意の組合せ(たとえば、Ag/Pt/AuまたはAl/Ni/Au)などの導電性材料を含むことが可能であり、LED705の電極としての役割を果たすことが可能である。
図7Bにおいて示されている例においては、電気接点785は、n接点であることが可能であり、電気接点765は、p接点であることが可能である。電気接点765および半導体層745(たとえば、p型半導体層)は、活性層735によって放出された光を基板715へ反射するための後方反射器を形成することが可能である。いくつかの実施形態においては、電気接点765および金属層795は、同じ材料を含み、同じプロセスを使用して形成されることが可能である。いくつかの実施形態においては、追加の導電層(図示せず)が、電気接点765および785と半導体層との間における中間導電層として含まれることが可能である。
【0084】
電圧信号が電気接点765および785にわたって印加された場合には、電子および正孔は、活性層735において再結合することが可能である。電子および正孔の再結合は、光子放出を引き起こし、したがって光を生成することが可能である。放出された光子の波長およびエネルギーは、活性層735における価電子帯と伝導帯との間のエネルギーバンドギャップに依存することが可能である。たとえば、InGaN活性層は、緑色または青色の光を放出することが可能であり、その一方でAlInGaP活性層は、赤色、オレンジ、黄色、または緑色の光を放出することが可能である。放出された光子は、多くの異なる方向において伝搬することが可能であり、メサ反射器および/または後方反射器によって反射されることが可能であり、たとえば、
図7Bにおいて示されている下側(たとえば、基板715)からLED705を出ることが可能である。レンズまたは格子など、1つまたは複数のその他の二次光学部品が、基板715などの発光表面上に形成されて、放出された光を集めるかもしくはコリメートすること、および/または放出された光を導波路へと結合することが可能である。
【0085】
IV. 主光線ウォークオフ補償
半導体LEDにおいては、光子は、普通、活性領域(たとえば、1つまたは複数の半導体層)内の電子および正孔の再結合を通じて、特定の内部量子効率において生成され、この場合、内部量子効率は、光子を放出する活性領域内の放射電子正孔再結合の割合である。生成される光は、次いで、特定の方向において、または特定の立体角内でLEDから抽出されることが可能である。LEDから抽出される放出される光子の数と、LEDを通過する電子の数との間における比は、外部量子効率と呼ばれ、外部量子効率は、どれぐらい効率よくLEDが、注入される電子をデバイスから抽出される光子に変換するかについて記述している。
【0086】
上述されているように、導波路ベースのディスプレイシステムの全体効率は、ディスプレイシステム内の個々の構成要素の効率の積であることが可能であり、どれぐらい構成要素が一緒に結合されているかに依存することも可能である。簡略化された例においては、導波路ベースのディスプレイシステムの全体効率ηtotは、ηtot=ηEQE×ηin×ηoutによって決定することが可能であり、ただし、ηEQEは、マイクロLEDの外部量子効率であり、ηinは、マイクロLEDから導波路に入るディスプレイ光のインカップリング効率であり、ηoutは、導波路からユーザの目に向けるディスプレイ光のアウトカップリング効率である。したがって、全体効率ηtotは、ηEQE、ηin、およびηoutのうちの1つまたは複数を改善することによって改善することができる。
【0087】
図8Aは、特定の実施形態によるリニアマイクロLEDアレイ810およびディスプレイオプティクス820を含むマイクロLEDベースのディスプレイシステム800の例を示す。
図8Bは、特定の実施形態によるマイクロLEDアレイ810からディスプレイオプティクス820に入射する光の角度を示す。例に示されているように、ディスプレイシステム800の限られた視野(または受光角)および/または射出瞳(またはアイボックス)のサイズにより、マイクロLEDアレイ810内のそれぞれのマイクロLEDからの光の異なる角度部分は、ディスプレイシステム800の射出瞳830を通過することが可能である。たとえば、
図8Bの線840によって示されているように、ユーザの目に到達することが可能であるマイクロLEDアレイ810の中心におけるマイクロLEDからの光ビームの主光線は、ディスプレイオプティクス820に約0°で入射することが可能であり、一方、ユーザの目に到達することが可能であるマイクロLEDアレイ810の縁部におけるマイクロLEDからの光ビームの主光線は、約20°でディスプレイオプティクス820に入射することが可能である。線842および844は、ユーザの目に到達することが可能であるマイクロLEDアレイ810内のそれぞれの高さにおけるそれぞれのマイクロLEDからの光の角度範囲を示す。それぞれのマイクロLEDからの光ビームの光強度がそれぞれの方向において均一でない(狭いビーム分布を有するなど)とき、異なるマイクロLEDからの光は、射出瞳830を通過するマイクロLEDアレイ810内のそれぞれのマイクロLEDからの光の異なる角度部分により、異なる効率でユーザの目へ投射されることが可能である。したがって、ユーザへ表示されるピクチャは、不均一な強度を有する場合がある。いくつかの実施形態においては、上述されている主光線ウォークオフを補償するために、マイクロLEDアレイは、曲面上に配置されることが可能である。
【0088】
図8Cは、特定の実施形態による湾曲したマイクロLEDアレイ850およびディスプレイオプティクス860を含むマイクロLEDベースのディスプレイシステム805の例を示す。
図8Dは、特定の実施形態によるマイクロLEDアレイ850からディスプレイオプティクス860に入射する光の角度を示す。例に示されているように、ディスプレイシステム805の限られた視野(または受光角)および/または射出瞳(またはアイボックス)のサイズにより、マイクロLEDアレイ850内のそれぞれのマイクロLEDからの光の異なる角度部分は、ディスプレイシステム805の射出瞳870を通過することが可能である。たとえば、
図8Dの線880によって示されているように、ユーザの目に到達することが可能であるマイクロLEDアレイ850の中心におけるマイクロLEDからの光ビームの主光線は、ディスプレイオプティクス860に約0°で入射することが可能であり、一方、ユーザの目に到達することが可能であるマイクロLEDアレイ850の縁部におけるマイクロLEDからの光ビームの主光線は、
図8Aおよび
図8Bに示されている入射角よりもずっと低い約10°以下でディスプレイオプティクス860に入射することが可能である。加えて、
図8Cおよび
図8Dにおいて示されている例においては、主光線は、
図8Aおよび
図8Bに示されている主光線と比較して(線880の下側勾配によって示されている)低い割合でウォークオフすることが可能である。線882および884は、ユーザの目に到達することが可能であるマイクロLEDアレイ850内のそれぞれの高さにおけるそれぞれのマイクロLEDからの光の角度範囲を示す。主光線ウォークオフが低減されるので、ユーザの目に到達することが可能であるマイクロLEDアレイ850内のそれぞれの高さにおけるそれぞれのマイクロLEDからの光の角度範囲、したがって、インカップリング効率は、マイクロLEDアレイ850内のマイクロLEDについて比較的均一であることが可能である。しかしながら、マイクロLEDアレイ850は、製造することが難しい場合がある。
【0089】
ディスプレイシステムにおけるマイクロLEDアレイ内のマイクロLEDについての光結合効率、および光結合効率の均一性は、マイクロLEDによって放出される光ビームのビーム分布による影響を受ける場合もある。たとえば、(たとえば、20°未満のHWHM角度を有する)限られた受光角を有するディスプレイシステムについては、光ビームが広いビーム分布(たとえば、ランベルト放射プロファイル)を有する場合、マイクロLEDアレイ内のマイクロLEDについての光結合効率が比較的均一である場合があるけれど、マイクロLEDによって放出された全光の10%未満は、ディスプレイオプティクスによって取り込まれ、ユーザの目へ送り届けられることが可能である。
【0090】
図9Aは、特定の実施形態によるディスプレイシステム900の例における広いビーム分布を有するマイクロLEDアレイ910から抽出される光の均一性および輝度を示す。
図9Aにおいて示されている例においては、マイクロLEDアレイ910内のそれぞれのマイクロLEDは、たとえば、約3μmの直線寸法を有することが可能であり、メサ構造を含むことが可能である。小さい寸法およびメサ構造により、マイクロLEDアレイ910内のそれぞれのマイクロLEDから放出される光ビーム920のビーム分布は、約40°のHWHM角度を有することが可能である。限られた受光角(たとえば、約±7°以内)および/またはディスプレイシステム900の射出瞳の限られたサイズにより、それぞれの光ビーム920のほんの一部924は、ディスプレイオプティクス930を通じてユーザの目に到達することが可能である。加えて、上述されている主要なやり方のウォークオフにより、ユーザの目に到達することが可能であるそれぞれの光ビーム920の一部924は、
図9Aに示されているように、それぞれのマイクロLEDごとに異なるそれぞれの角度範囲内であることが可能である。それぞれの光ビーム920の総パワーは、光ビーム920のビーム輝度プロファイルを表す曲線944の下方の面積によって示されることが可能であり、一方、ユーザの目に到達することが可能であるそれぞれの光ビーム920の総パワーは、曲線944の下方の領域940の総面積によって示されることが可能であり、これは、曲線944の下方の総面積のごく一部に過ぎないものであり得る。しかしながら、広いビーム分布のために、ユーザの目に到達することができる光ビームの輝度は、それぞれの角度範囲内でそれほど減少しないことが可能である。言い換えれば、領域940の面積は、マイクロLEDアレイ910内のマイクロLEDのために比較的均一とすることが可能である。したがって、マイクロLEDアレイ910内のマイクロLEDについての結合効率は、曲線950によって示されているように比較的均一とすることができる。たとえば、ランベルトビーム分布を有するマイクロLEDについての光結合効率は、小さい受光角(たとえば、±10~20°以内)および0°から約20°の主光線ウォークオフを伴ってディスプレイシステム内で一定のままであることが可能である。
【0091】
図9Bは、特定の実施形態によるディスプレイシステム905の例における狭いビームを有するマイクロLEDアレイ912から抽出される光の均一性および輝度を示す。マイクロLEDアレイ910内のそれぞれのマイクロLEDは、たとえば、約3μmの直線寸法を有することが可能である。マイクロLEDアレイ912内のそれぞれのマイクロLEDから放出される光ビーム922のビーム分布は、約15°のHWHM角度を有することが可能である。限られた受光角(たとえば、約±7°以内)および/またはディスプレイシステム905の射出瞳の限られたサイズにより、それぞれの光ビーム922のほんの一部926は、ディスプレイオプティクスを通じてユーザの目に到達することが可能である。加えて、上述されている主要なやり方のウォークオフにより、ユーザの目に到達することが可能であるそれぞれの光ビーム922の一部926は、
図9Bに示されているように、それぞれのマイクロLEDごとに異なるそれぞれの角度範囲内であることが可能である。ユーザの目に到達することが可能であるそれぞれの光ビーム922の総パワーは、光ビーム922の輝度プロファイルを表す曲線946の下方の面積によって示されることが可能であり、一方、ユーザの目に到達することができるそれぞれの光ビーム922の総パワーは、曲線946の下方の領域942の面積によって示されることが可能であり、これは、曲線946の下方の総面積のごく一部に過ぎないものであり得る。光ビーム922の狭いビーム分布のために、領域942の面積は、マイクロLEDアレイ912の中心におけるマイクロLEDのための曲線946の下方の総面積の大部分であることが可能であり、したがって、結合効率は、マイクロLEDアレイ912に中心においてマイクロLEDのために高いものであり得る。しかしながら、マイクロLEDアレイ912の縁部におけるマイクロLEDについては、領域942の面積は、曲線946の下方の総面積のごく一部に過ぎないものであり得る。言い換えれば、領域942の面積、したがってマイクロLEDアレイ910内のマイクロLEDの結合効率は、曲線952によって示されているように、中心からマイクロLEDアレイ910の縁部へかなり減少することが可能である。
【0092】
いくつかの実施形態においては、外部量子効率(たとえば、光抽出効率)を高めるために、1つまたは複数の他の光学部品(たとえば、マイクロレンズ)が、上述されているメサ構造および反射器に加えて、基板710または715などの発光表面上に形成されて、LEDから特定の立体角内で放出された光を抽出する、および/または放出された光を集めるまたはコリメートすることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態においては、マイクロレンズアレイは、マイクロLEDアレイ上に形成することが可能であり、それぞれのマイクロLEDから放出される光は、対応するマイクロレンズによって収集され、抽出されることが可能であり、コリメートされ、集められ、または拡大され、次いで、導波路ベースのディスプレイシステムにおける導波路へ向けられることが可能である。マイクロレンズは、受光角を増大し、光抽出効率および結合効率を改善する上で役立つことが可能である。いくつかの実施形態においては、導波路ベースのディスプレイシステムを通じてマイクロLEDからユーザの目へのディスプレイ光の結合効率を改善するために、 それぞれのマイクロLEDからの光が、異なるそれぞれの角度で導波路へ向けられることが望ましい可能性がある。マイクロLEDから放出された光は、たとえば、マイクロレンズ、くさびまたはプリズム、格子等を使用して、所望の方向へ向け直すことが可能である。
【0093】
図10は、特定の実施形態による、マイクロLEDアレイ1020、およびマイクロLEDアレイ1020からの光を抽出して収束するためのマイクロレンズアレイ1040を含むデバイス1000の例を示す。マイクロLEDアレイ1020は、マイクロLEDの1次元アレイまたは2次元アレイを含むことが可能であり、マイクロLEDは、均一に分布していることが可能であり、絶縁体1030によって隔てられることが可能である。たとえば、
図7Aおよび
図7Bに関連して上述されているように、マイクロLEDアレイ1020は、基板1010上に形成されるエピタキシャル構造を含むことが可能である。絶縁体1030は、たとえば、パッシベーション層(たとえば、パッシベーション層770)、光反射層、充填材(たとえば、ポリマー)等を含むことが可能である。
【0094】
マイクロレンズアレイ1040は、マイクロLEDアレイ1020上に直接形成されることが可能であり、または基板上に形成され、次いでクロLEDアレイ1020に接合されることが可能である。以下に詳細に記述されているように、たとえば、マイクロレンズアレイ1040は、マイクロLEDアレイ1020の基板または酸化物層(たとえば、SiO2層)など、マイクロLEDアレイ1020の誘電層または半導体層にエッチングされることが可能であり、あるいは酸化物層またはポリマー層など、マイクロLEDアレイ1020上に堆積された誘電層上に形成されることが可能である。対応するマイクロLEDからのマイクロレンズの焦点距離および距離は、それぞれのマイクロレンズからの光ビームがコリメートされたビーム、収束ビーム、または発散ビームであることが可能であるように構成されていることが可能である。
【0095】
マイクロLEDアレイ1020のピッチ1022は、マイクロレンズアレイ1040のピッチ1042とは異なる(たとえば、よりも小さいまたはよりも大きい)ことが可能である。したがって、マイクロレンズアレイ1040内のそれぞれのマイクロレンズの光軸は、マイクロLEDアレイ1020内のそれぞれのマイクロLEDの中心から距離差だけずれている場合がある。したがって、対応するマイクロレンズ通過後のそれぞれのマイクロLEDからの光の主光線1050は、異なる場合がある。
図10において示されている例においては、マイクロLEDアレイ1020のピッチ1022は、マイクロレンズアレイ1040のピッチ1042よりも大きいピッチであることが可能であり、したがって、マイクロレンズアレイ1040内のそれぞれのマイクロレンズの光軸は、マイクロLEDアレイ1020内のそれぞれのマイクロLEDの中心から距離差だけずれていることが可能である。ずれは、マイクロレンズの位置の関数であることが可能である。たとえば、ずれは、デバイス1000の中心からのマイクロレンズの距離の関数として線形に増加することが可能である。結果として、対応するマイクロレンズの通過後にマイクロLEDから抽出される光の主光線1050は、異なる伝搬方向であることが可能であり、例に示されているように収束することが可能である。
【0096】
マイクロレンズアレイ1040による主光線方向修正のため、マイクロLEDアレイ1020内のそれぞれのマイクロLEDからユーザの目に到達することが可能である光の一部は、実質的に同じであることが可能であり、この光の一部は、最高の強度または輝度を有する光ビームの一部でありことが可能である。したがって、結合効率の結合効率と均一性の両方が、マイクロLEDアレイ1020内のマイクロLEDのために改善されることが可能性である。
【0097】
さまざまな実施形態においては、マイクロレンズアレイのピッチは、均一または不均一であることが可能である。たとえば、2次元マイクロレンズアレイのピッチは、2つの直交方向において均一、1つの方向だけにおいて均一、または両方の方向において不均一であることが可能である。ピッチは、2つの直交方向において同じであるまたは異なることも可能である。マイクロレンズアレイのピッチは、1つまたは2つの寸法においてマイクロLEDアレイ のピッチとは異なることが可能である。
【0098】
図11は、特定の実施形態による異なる変位を有するマイクロレンズ1120を使用する垂直メサおよび広いビーム分布を有するマイクロLED1110の例からの光抽出のシミュレーション結果を示す。
図11において示されている例においては、マイクロLED1110は、約3μm未満の直線寸法を有することが可能である。小さい寸法および垂直メサ構造により、マイクロLED1110から放出される光のビーム分布は、ランベルト分布のプロファイルに近いまたはより広いなど、60°よりも大きいHWHM角度を有することが可能である。したがって、放出されるビームの光強度は、大きい視野角範囲内で実質的に同じであることが可能である。
【0099】
マイクロレンズ1120は、球面レンズを含むことが可能である。マイクロレンズ1120の中心がマイクロLED1110の中心であるとき、放出される光ビームは、ビーム分布1130を特徴とすることが可能である。マイクロレンズ1120の中心が、マイクロLED1110の中心から約0.1μmだけずれているとき、放出される光ビームは、ビーム分布1140を特徴とすることが可能である。マイクロレンズ1120の中心が、マイクロLED1110の中心から約0.5μmだけずれているとき、放出される光ビームは、ビーム分布1150を特徴とすることが可能である。ビーム分布1130~1250によって示されているように、広いビーム分布により、マイクロLED1110に対してマイクロレンズ1120をずらすことは、光ビームの傾きに及ぼす影響は比較的小さい可能性があり、したがって、結合効率に対して小さな改善を引き起こし得るに過ぎない。したがって、広いビーム分布は、主光線ウォークオフを伴うより均一な光抽出および結合効率を実現するのを実現する上で役立ち得るが、結合効率は、低くすることができる。したがって、マイクロLED1110の消費電力は、約500nitなどの目標輝度を実現するために、射出瞳またはアイボックスにおいて大きくすることが可能である。
【0100】
図12Aは、特定の実施形態による垂直メサ構造1210および水平にずれたマイクロレンズ1230を含み、狭いビーム分布を有するマイクロLED1200の例を示す。マイクロLED1200は、異なる色の光を放出するために、上述されているように異なる実施形態において異なる半導体材料を含むことが可能である。マイクロレンズ1230は、 誘電層1220によって垂直メサ構造1210から垂直に変位させられていることが可能である。マイクロレンズ1230の中心は、垂直メサ構造1210の中心から水平変位1240だけ水平にずれていることも可能である。したがって、垂直メサ構造1210から放出される光の主光線は、垂直メサ構造の垂直方向から傾けられていることが可能である。
【0101】
図12Bは、特定の実施形態による
図12Aに示されているマイクロLED1200のシミュレーションされたビーム分布を示す。ビーム分布1250は、マイクロLED1200の構造を有する赤色マイクロLEDに対応する。ビーム分布1252は、マイクロLED1200の構造を有する緑色マイクロLEDに対応する。ビーム分布1254は、マイクロLED1200の構造を有する青色マイクロLEDに対応する。
【0102】
図12Cは、特定の実施形態による
図12Aに示されているマイクロLED1200の構造を有するマイクロLEDの例から光ビームのシミュレーションされた光強度マップ1270を示す。
図12Cは、光ビームのピーク光強度が、断面における両方の方向にずれていることを示す。
【0103】
図13Aは、特定の実施形態による異なる変位を有するマイクロレンズ1320を使用する円錐メサおよび狭いビーム分布を有するマイクロLED1310からの光抽出のシミュレーション結果を示す。マイクロLED1310は、約3μm未満の直線寸法を有することが可能である。マイクロLED1310は、約90%よりも大きい反射率を有する(たとえば、TCO/AgまたはTCO/Auなど、高い反射性のp接点を含む)平らな後方反射器1312を含むことが可能である。マイクロLED1310は、約95%よりも大きい反射率を有するメサ反射器1314(たとえば、SiNまたはSiO
2/TCO/Ag、Al、またはAu)を含むことも可能である。円錐メサ構造および反射器により、光抽出効率をより高くすることが可能であり、マイクロLED1310から放出される光のビーム分布は、約25°など、たとえば、約30°未満のHWHM角度を有することが可能である。
【0104】
マイクロレンズ1320は、球面レンズを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロレンズ1320は、マイクロLED1310の半導体層の上にあるSiN、SiO2、またはポリマー層などの層において形成された非ネイティブレンズであることが可能である。いくつかの実施形態においては、フレネル反射によって引き起こされる損失を低減し、光抽出効率(LEE)を改善するために、マイクロレンズ1320は、マイクロLED1310の半導体層にエッチングされたネイティブレンズであることが可能である。マイクロレンズ1320の中心がマイクロLED1310の中心にあるとき、放出される光ビームは、異なる色のマイクロLEDについてのビーム分布1330を特徴とすることが可能であり、光抽出効率は、約15%であり得る。マイクロレンズ1320の中心がマイクロLED1310の中心から約0.1μmだけずれているとき、放出される光ビームは、マイクロLEDアレイ内のマイクロLEDの位置に起因する主光線ウォークオフを補償することが可能である主光線角約5°を示す異なる色のマイクロLEDについてのビーム分布1340を特徴とすることが可能である。光抽出効率は、約15%のままであり得る。マイクロレンズ1320の中心がマイクロLED1310の中心から約0.5μmだけずれているとき、放出される光ビームは、マイクロLEDアレイ内の(たとえば、縁部における)マイクロLEDの位置に起因する主光線ウォークオフを補償することが可能である約15°の主光線角を示す異なる色のマイクロLEDのビーム分布1350を特徴とすることが可能である。光抽出効率は、約15%のままであり得る。このようにして、円錐メサ構造は、異なるように変位されたマイクロレンズと組み合わせて、マイクロLEDアレイにわたるマイクロLEDについての結合効率、および結合効率の均一性を改善することが可能である。
【0105】
図13Bは、特定の実施形態による異なる変位を有するマイクロレンズ1364を使用する赤色マイクロLED1360の例についての主光線角度修正のシミュレーション結果を示す。それぞれの赤色マイクロLED1360は、外側に傾いたメサ構造1362、メサ構造1362上のマイクロレンズ1364を含むことが可能である。
図13Bに示されている例においては、メサ構造1362は、SiN/ITO/Auを含むメサ反射器を含むことが可能である。マイクロレンズ1364は、リフロープロセスを通じてSiO
2層において形成されることが可能である。放出されるビーム1366のHWHM角度は、約25°から約30°であることが可能であり、EQEの約30%超の増加という結果になり得る。放出されるビーム1366の主光線角は、マイクロレンズ1364が±300nmまたは1度あたり約26nm以内で横に変位させられているとき、±12°以内で操作可能であることが可能である。また、
図13Bは、マイクロレンズ1364が75nmステップにおいて±300nm以内で横にずらされているときの赤色マイクロLED1360から放出されるビーム1366のビーム分布1370を示す。
【0106】
図14は、特定の実施形態による異なる変位を有するマイクロレンズ1420を使用する放物線メサおよび狭いビーム分布を有するマイクロLED1410の例からの光抽出のシミュレーション結果を示す。マイクロLED1410は、マイクロLED1310に関連して上述されているように後方反射器1412および/またはメサ反射器1414を含むことが可能である。放物線メサ構造および反射器により、光抽出効率を高くすることが可能であり、マイクロLED1410から放出される光のビーム分布は、たとえば、約30°未満のHWHM角度を有することが可能である。
【0107】
マイクロレンズ1420は、マイクロレンズ1320に関連して上述されているように球面レンズを含むことが可能である。マイクロレンズ1420の中心がマイクロLED1410の中心にあるとき、放出される光ビームは、主光線角約0°を示す異なる色のマイクロLEDについてのビーム分布1430を特徴とすることが可能である。マイクロレンズ1420の中心が、x方向とy方向の両方にマイクロLED1410の中心から約0.5μmだけずれているとき、放出される光ビームは、異なる色のマイクロLEDについてのビーム分布1440を特徴とすることが可能であり、断面における光ビームの強度は、光強度マップ1450によって示されることが可能である。ビーム分布1440は、マイクロLEDアレイ内の(たとえば、縁部における)マイクロLEDの位置に起因する主光線ウォークオフを少なくとも一部補償することが可能である約10°の主光線角を示す。したがって、光抽出効率は、マイクロLEDアレイの異なる位置におけるマイクロLEDについてほぼ同じであり得る。このようにして、放物線メサ構造は、異なるように変位されたマイクロレンズと組み合わせて、マイクロLEDアレイにわたるマイクロLEDについての結合効率、および結合効率の均一性を改善することが可能である。
【0108】
図15Aは、特定の実施形態による垂直メサ構造1510および くさび1530を含むマイクロLEDの例を示す。くさび1530は、垂直メサ構造1510上にある誘電層1520上に形成することが可能である。くさび1530は、垂直メサ構造1510から放出された光をくさび1530のより厚い側に向けて屈折させるために使用することが可能である。
【0109】
図15Bは、特定の実施形態による
図15Aに示されたマイクロLEDの構造を有する異なる色のマイクロLEDの例のシミュレーションされたビーム分布を示す。
図15Bに示されている例においては、ビーム分布1550は、
図15Aに示されたマイクロLEDの構造を有する赤色マイクロLEDによって放出される光ビームに対応し、ビーム分布1560は、同じ構造を有する緑色マイクロLEDによって放出される光ビームに対応し、ビーム分布1570は、同じ構造を有する青色マイクロLEDによって放出される光ビームに対応する。
【0110】
図15Cは、特定の実施形態による垂直メサ構造1510、くさび1530、およびマイクロレンズ1540を含むマイクロLEDの例を示す。くさび1530は、誘電層1520上に形成することが可能であり、垂直メサ構造1510から放出される光をくさび1530のより厚い側に向けて屈折させることが可能である。マイクロレンズ1540は、垂直メサ構造1510から放出され、くさび1530によって屈折させられる光をコリメートするために使用することが可能である。
【0111】
図15Dは、特定の実施形態による
図15Cに示されたマイクロLEDの構造を有する異なる色のマイクロLEDの例のシミュレーションされたビーム分布を示す。
図15Dに示されている例においては、ビーム分布1552は、
図15Cに示されたマイクロLEDの構造を有する赤色マイクロLEDによって放出される光ビームに対応し、ビーム分布1562は、同じ構造を有する緑色マイクロLED によって放出される光ビームに対応し、ビーム分布1572は、同じ構造を有する青色マイクロLEDによって放出される光ビームに対応する。
【0112】
V. 光抽出効率の改善
上述されているように、導波路ディスプレイシステムの全体効率は、個々のマイクロLEDの外部量子効率に関数とすることも可能である。マイクロLEDの半導体層を改善することによるマイクロLEDのキャリア(たとえば、電子)注入効率および内部量子効率の改善に加えて、マイクロLEDの光抽出効率(LEE)は、外部量子効率を改善するために改善されることも可能である。
【0113】
図16Aは、特定の実施形態による異なるメサ構造およびサイズを有する赤色マイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す。垂直軸は、受光角範囲±20°以内の光抽出効率を表す。棒1602は、約10~15°のメサファセット角、および直径約1.2μmを有するメサ構造を有する赤色マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1604は、直径約1.2μmを有する垂直メサ構造を有する赤色マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1606は、直径約1.2μmを有する円錐メサ構造を有する赤色マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1608は、直径約2.1μmを有する放物線メサ構造を有する赤色マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1610は、直径約2.1μmを有する円錐メサ構造を有する赤色マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1612は、約10~15°のメサファセット角および直径約3μmを有するメサ構造を有する赤色マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1614は、直径約3μmを有する垂直メサ構造を有する赤色マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1616は、直径約3μmを有する放物線メサ構造を有する赤色マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1618は、直径約3μmを有する円錐メサ構造を有する赤色マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。
【0114】
図16Aに示されている赤色マイクロLEDの例は、マイクロレンズを含まない。目標LEE(たとえば、約4.5%)よりも大きいものは、約2.1μm以上を有する直径を有する円錐メサ構造を有するマイクロLEDのために実現され、適切なメサ反射器を有することが可能である。
図16Aは、円錐または放物線メサ構造を有する赤色マイクロLEDが、垂直または小さいメサファセット角を有するメサ構造を有する赤色マイクロLEDと比較してずっと高い光抽出効率を有することが可能であることを示す。
【0115】
図16Bは、特定の実施形態による異なるメサ構造およびサイズを有する緑色または青色マイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す。垂直軸は、受光角範囲±20°以内の光抽出効率を表す。棒1622は、約10~15°のメサファセット角および直径約1.2μmを有するメサ構造を有する緑色(または青色)マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1624は、直径約1.2μmを有する垂直メサ構造を有する緑色(または青色)マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1626は、直径約1.2μmを有する放物線メサ構造を有する緑色(または青色)マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1628は、直径約1.2μmを有する円錐メサ構造を有する緑色(または青色)マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1630は、直径約2.1μmを有する放物線メサ構造を有する緑色(または青色)マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1632は、直径約2.1μmを有する円錐メサ構造を有する緑色(または青色)マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1634は、約10~15°のメサファセット角および直径約3μmを有するメサ構造を有する緑色(または青色)マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1636は、直径約3μmを有する垂直メサ構造を有する緑色(または青色)マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1638は、直径約3μmを有する放物線メサ構造を有する緑色(青色)マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。棒1640は、直径約3μmを有する円錐メサ構造を有する緑色(青色)マイクロLEDのシミュレーションされたLEEを示す。
【0116】
図16Bに示されている緑色または青色マイクロLEDの例は、マイクロレンズを含まない。目標LEE(たとえば、約6.0%)よりも大きいものは、約2.0μmよりも大きい直径を有する円錐または放物線メサ構造を有するマイクロLEDのために実現され、適切なメサ反射器を有することができる。
図16Bは、円錐または放物線メサ構造を有する緑色(または青色)マイクロLEDが、垂直または小さいメサファセット角を有するメサ構造を有する緑色(または青色)マイクロLEDと比較してずっと高い光抽出効率を有することが可能であることを示す。
【0117】
図17は、特定の実施形態による放物線メサ1710および反射防止コーティング層1720を有する赤色マイクロLED1700の例から放出される光ビームのビーム分布のシミュレーション結果を示す。マイクロLED1700は、約3μmの直線寸法を有することが可能であり、約620nmで光を放出することが可能である。マイクロLED1700は、p型半導体層1712および(たとえば、Ag、Pt、および/またはAuを含む)p接点層1714によって形成される後方反射器と、(たとえば、
図17に図示されてない、SiO
2またはSiN、ならびにAg、Pt、および/またはAuを含む)放物線メサ反射器とを含むことが可能である。反射防止コーティング層1720は、マイクロLED1700の(たとえば、n型半導体層上の)アウトカップリング面上に形成することが可能であり、たとえば、放出された光 の波長の約4分の1に等しい光学的厚さを有する薄いSiN層を含むことが可能である。
【0118】
グラフ1740は極座標におけるビーム外形を示し、グラフ1750は伝搬方向の関数としてビーム強度を示し、グラフ1760はマイクロLED1700から抽出された光ビームの断面における光強度を示す。赤色マイクロLED1700のHWHM角度は、約36°であることが可能である。光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約30.5%、または受光角範囲±10°以内で約1.45%であることが可能である。
図17は、マイクロLEDの出力面に反射防止層を追加することでビーム外形のHWHM角度を減少させ、光抽出効率を改善することが可能であることを示す。
【0119】
いくつかの実施形態においては、マイクロLEDのメサ構造の形状は、マイクロLEDのビーム外形および光抽出効率を改善するように選択されることが可能である。加えて、マイクロレンズのパラメータは、マイクロLEDからの光をコリメートするために、および/または光抽出効率および結合効率を改善するために、メサ構造の形状、活性領域(たとえば、量子井戸またはMQW)の位置、n型層の厚さ等など、マイクロLEDの構造に基づいて選択されることが可能である。たとえば、いくつかのケースにおいては、薄いマイクロレンズは、放物線メサを有するマイクロLEDのためにより良く働くことが可能であり、一方、より厚いマイクロレンズは、円錐メサを有するマイクロLEDのためにより良く働くことが可能である。
【0120】
マイクロLEDと位置合わせされるまたはマイクロLEDからずらされるマイクロレンズなど、光抽出部品および/またはコリメーション光学部品は、マイクロLEDの半導体材料(たとえば、n型材料層)に製作されるネイティブ構成要素であることが可能であり、あるいはマイクロLED上に堆積された材料層(たとえば、SiO2、SiNx、PMMA等など、誘電層)に、またはマイクロLEDに接合されることが可能である基板に製作される非ネイティブ構成要素であることが可能である。
【0121】
図18Aは、特定の実施形態による内側に傾いたメサ構造1810およびマイクロレンズ1830を含むマイクロLED1800の例を示す。マイクロLED1800の内側に傾いたメサ構造1810は、エピタキシャル層成長、およびたとえばウェハ対ウェハ接合の後にn側から処理されることが可能である。内側に傾いたメサ構造1810の側壁は、マイクロLED1800のp側からn側へ(たとえば、傾き角約10°で)内側に傾けられることが可能であり、内側に傾いたメサ構造1810の側壁上に形成されたメサ反射器を含むことが可能である。内側に傾いたメサ構造1810は、異なる色の光を放出するために、上述されたさまざまな実施形態において、さまざまな半導体材料を含むことが可能である。マイクロレンズ1830は、誘電層1820によって内側に傾いたメサ構造1810から垂直に変位させられていることが可能である。
【0122】
図18Bは、特定の実施形態による、メサ反射器の反射率の関数として、
図18Aに示されたマイクロLED1800の構造を有するマイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す。
図18Bは、約60%から約95%の反射率を有するメサ反射器を含むマイクロLEDの例について、受光角範囲±18°以内のシミュレーションされた光抽出効率を示す。
図18Bに示されているように、光抽出効率は、メサ構造の反射率とともに増加することが可能である。
【0123】
図18Cは、特定の実施形態による、メサ反射器の反射率の関数として、
図18Aに示されたマイクロLED1800の構造を有するマイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す。
図18Cは、約60%から約95%の反射率を有するメサ反射器を含むマイクロLEDの例について、受光角範囲±90°以内のシミュレーションされた光抽出効率を示す。
図18Cに示されているように、光抽出効率は、メサ構造の反射率とともに増加することが可能である。
【0124】
図18Dは、特定の実施形態による、メサ反射器の反射率の関数として、
図18Aに示されたマイクロLED1800の構造を有するマイクロLEDの例のシミュレーションされたビーム外形を示す。シミュレーションされたビーム外形1840は、マイクロLED1800の構造を有し、60%の反射率を有するメサ反射器を含むマイクロLEDに対応することが可能である。シミュレーションされたビーム外形1850、1860、1870、および1880は、マイクロLED1800の構造を有し、70%、80%、90%、および95%の反射率をそれぞれ有するメサ反射器を含むマイクロLEDに対応することが可能である。
【0125】
図19A~
図19Hは、特定の実施形態による垂直メサ構造を含む緑色マイクロLEDの例から放出される光のシミュレーション結果を示す。
図19Aにおいて示されている例においては、マイクロLED1910は、垂直メサ構造を含み、アウトカップリング面にマイクロレンズを有さないことが可能である。マイクロLED1910は、ピクセルサイズ1.6μmを有することができる。マイクロLED1910から抽出される光ビームのビーム外形は、曲線1912によって示されている。破線の円は、等価ランベルト源(equivalent Lambertian source)のビーム外形に対応する。
【0126】
図19Bにおいて示されている例においては、マイクロLED1920は、垂直メサ構造、およびアウトカップリング面におけるネイティブマイクロレンズ1924を含むことが可能であり、マイクロレンズ1924は、半導体層(たとえば、GaN)にエッチングされることが可能である。マイクロLED1920は、ピクセルサイズ1.6μmを有することが可能である。マイクロLED1920から抽出される光ビームのビーム外形は、曲線1922によって示されることが可能である。
【0127】
図19Cにおいて示されている例においては、マイクロLED1930は、垂直メサ構造、およびアウトカップリング面における非ネイティブマイクロレンズ1934を含むことが可能であり、マイクロレンズ1934は、SiO
2層などの誘電層において形成されることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロレンズ1934は、誘電基板において形成され、次いでマイクロLED1930に接合されることが可能である。いくつかの実施形態においては、誘電層は、マイクロLED1930上に堆積されることが可能であり、次いでマイクロレンズ1934を形成するようにエッチングされることが可能である。マイクロLED1930は、ピクセルサイズ1.6μmを有することが可能である。マイクロLED1930によって放出される光ビームのビーム外形は、マイクロLED1910および1920のビーム外形よりも狭いものであり得る曲線1932によって示されている。したがって、受光角範囲±18°以内のマイクロLED1930についての光抽出効率は、改善されることが可能である。
【0128】
図19Dにおいて示されている例においては、マイクロLED1940は、垂直メサ構造、ネイティブマイクロレンズ1946、および非ネイティブマイクロレンズ1944を含むことが可能である。ネイティブマイクロレンズ1946は、半導体(たとえば、GaN)層にエッチングされることが可能である。非ネイティブマイクロレンズ1944は、ネイティブマイクロレンズ1946上に堆積されたSiO
2層などの誘電層において形成されることが可能である。マイクロLED1940は、ピクセルサイズ1.6μmを有することが可能である。マイクロLED1940によって放出される光ビームのビーム外形は、曲線1942によって示されている。
【0129】
図19Eにおいて示されている例においては、マイクロLED1950は、垂直メサ構造、ネイティブマイクロレンズ1956、および非ネイティブマイクロレンズ1954を含むことが可能である。ネイティブマイクロレンズ1956は、半導体(たとえば、GaN)層にエッチングされることが可能である。非ネイティブマイクロレンズ1954は、ネイティブマイクロレンズ1956上に堆積されたSi
3N
4層など、高い屈折率を有する誘電層において形成されることが可能である。マイクロLED1950は、ピクセルサイズ1.6μmを有することが可能である。マイクロLED1950によって放出される光ビームのビーム外形は、曲線1952によって示されている。
【0130】
図19Fにおいて示されている例においては、マイクロLED1960は、垂直メサ構造、およびアウトカップリング面における非ネイティブマイクロレンズ1964を含むことが可能であり、マイクロレンズ1934は、SiO
2層などの誘電層において形成されることが可能である。マイクロLED1960は、垂直メサ構造、およびアウトカップリング面における非ネイティブマイクロレンズ1964を含み、マイクロレンズ1964は、SiO
2層またはSiNx層などの誘電層において形成されることが可能である。マイクロLED1960は、ピクセルサイズ1.2μmを有することが可能である。マイクロLED1960から抽出される光ビームのビーム外形は、マイクロLED1910~1950のビーム外形よりも狭いものであり得る曲線1962によって示されている。
【0131】
図19Gにおいて示されている例においては、マイクロLED1970は、垂直メサ構造、ネイティブマイクロレンズ1976、および非ネイティブマイクロレンズ1974を含むことが可能である。ネイティブマイクロレンズ1976は、半導体(たとえば、GaN)層にエッチングされることが可能である。非ネイティブマイクロレンズ1974は、ネイティブマイクロレンズ1976上に堆積されたSiO
2層などの誘電層において形成されることが可能である。マイクロLED1970は、ピクセルサイズ1.2μmを有することが可能である。マイクロLED1970によって放出される光ビームのビーム外形は、曲線1972によって示されている。
【0132】
図19Hにおいて示されている例においては、マイクロLED1980は、垂直メサ構造、ネイティブマイクロレンズ1986、および非ネイティブマイクロレンズ1984を含むことが可能である。ネイティブマイクロレンズ1986は、半導体(たとえば、GaN)層にエッチングされることが可能である。非ネイティブマイクロレンズ1984はネイティブマイクロレンズ1986上に堆積されたSi
3N
4層などの高い屈折率を有する誘電層において形成されることが可能である。マイクロLED1980は、ピクセルサイズ1.2μmを有することが可能である。マイクロLED1980によって放出される光ビームのビーム外形は、曲線1982によって示されている。
【0133】
図20Aは、特定の実施形態による
図19A~
図19Hに示されている緑色マイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す。
図20Aに示されている例においては、棒2010、2020、2030、2040、2050、2060、2070、および2080は、マイクロLED1910、1920、1930、1940、1950、1960、1970、および1980について、受光角範囲±90°以内のシミュレーションされた光抽出効率をそれぞれ示す。マイクロLED1960は、角度範囲±90°以内で最低の光抽出効率を有することが可能である。
【0134】
図20Bは、特定の実施形態による
図19A~
図19Hに示されている緑色マイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す。
図20Bにおいては、棒2012、2022、2032、2042、2052、2062、2072、および2082は、マイクロLED1910、1920、1930、1940、1950、1960、1970、および1980について、受光角範囲±18.5°以内のシミュレーションされた光抽出効率をそれぞれ示す。マイクロLED1960は、±18.5°角度範囲以内で最高の光抽出効率を有することが可能である。
【0135】
図21Aは、特定の実施形態による垂直メサ2110およびリモートレンズ2130を有する赤色マイクロLED2100の例を示す。誘電層2120(たとえば、SiO
2層)は、垂直メサ2110上に形成される(たとえば、堆積されるまたは接合される)ことが可能であり、リモートレンズ2130は、誘電層2120上にまたは誘電層2120内に形成することが可能である。
【0136】
図21Bは、特定の実施形態による異なるサイズを有する赤色マイクロLEDの例についての光抽出効率のシミュレーション結果を示すチャート2140である。赤色マイクロLEDの例は、
図21Aに示されているようなマイクロLED2100の構造に類似する構造を有することが可能であり、約0.8μmから約1.6μmのメサ径を有することが可能である。
図21Bは、受光角範囲±18°以内の光抽出効率が、マイクロLEDがメサ径約0.8μmを有するときに約2.2%であり、またはマイクロLEDがメサ径約1.6μmを有するときに約0.8%である得ることを示す。
【0137】
図21Cは、特定の実施形態による垂直メサ2152およびネイティブレンズ2154を含む赤色マイクロLED2150の例を示す。
図21Dは、特定の実施形態による赤色マイクロLED2150の例のビーム外形2160を示す。赤色マイクロLED2150は、約1.6μmのピクセルサイズを有することが可能である。レンズ2154は、基板(たとえば、基板710または715)などの半導体層、またはn型半導体層において形成されることが可能である。受光角範囲約±18.5°以内の光抽出効率は、約0.9%であることが可能である。
【0138】
図21Eは、特定の実施形態による垂直メサ2172および非ネイティブレンズ2174を含む赤色マイクロLED2170の例を示す。
図21Fは、特定の実施形態による赤色マイクロLED2170の例のビーム外形2180を示す。赤色マイクロLED2170は、約1.2μmのピクセルサイズを有ることが可能である。レンズ2174は、垂直メサ2172上に堆積されたSi
3N
4層において形成されることが可能である。ビーム外形2180は、より小さいHWHM角度を有することが可能である。受光角範囲約±18.5°以内の光抽出効率は、約2.5%以上であり得る。
【0139】
図22Aは、特定の実施形態による垂直メサ2210、粗い面2212、およびマイクロレンズ2230を含む赤色マイクロLED2200の例を示す。マイクロLED2200は、約1μm未満などの小さい直線寸法を有することが可能である。垂直メサ2210のn型半導体側は、粗い面を有することが可能である。誘電(たとえば、SiO
2)層2220は、粗い面上に形成することが可能であり、マイクロレンズ2230は、誘電層2220において形成されるまたは誘電層2220に接合されることが可能である。
【0140】
図22Bは、特定の実施形態によるマイクロLED2200の構造を有する赤色マイクロLEDの例から抽出される光のビーム外形2240のシミュレーション結果を示す。マイクロレンズおよび粗い面を有さないマイクロLEDについては、マイクロLEDについての光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約3.8%であり得る、または受光角範囲±18°以内で約0.35%であり得る。マイクロレンズを有するが粗い面を有さないマイクロLEDについては、マイクロLEDについての光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約7.8%であることが可能であり、または受光角範囲±18°以内で約1.9%であることが可能である。マイクロレンズ2230および粗い面2212を有するマイクロLED2200については、光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約19.3%であることが可能であり、または受光角範囲±18°以内で約4.6%であることが可能である。
【0141】
図23Aは、特定の実施形態による垂直メサ2310、ネイティブレンズ2320、およびリモートレンズ2340を含む赤色マイクロLED2300の例を示す。誘電層2330(たとえば、SiO
2層)は、ネイティブレンズ2320上に形成することが可能であり、リモートレンズ2340は、誘電層2330上にまたは誘電層2330内に形成することが可能である。
【0142】
図23Bは、特定の実施形態による、マイクロLED2300の構造、および異なるメササイズを有する赤色マイクロLEDの例の光抽出効率のシミュレーション結果を示すチャート2350である。赤色マイクロLEDは、
図23Aに示されているような構造を有することが可能であり、約0.8μmから約1.6μmのメサ径を有することが可能である。
図23Bは、受光角範囲±18°以内の光抽出効率が、マイクロLEDがメサ径約0.8μmを有するときに約4%であり得、これは、マイクロレンズまたは粗面処理を有さない垂直メサマイクロLEDについての光抽出効率よりも約10倍高いものであり得ることを示す。受光角範囲±18°以内の光抽出効率は、マイクロLEDがメサ径約1.6μmを有するとき約1.4%であり得る。
【0143】
図24A~
図24Bは、特定の実施形態による異なるメサファセット角および異なるメサ高さを有する円錐メサ構造を有する緑色マイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す。
図24A~
図24Bに示されている例においては、マイクロLEDは、約7°と約45°の間のメサファセット角および1.6μmなどの同じ下メササイズを有する。したがって、マイクロLED内のメサ構造は、異なる高さまたは深さを有することが可能である。
図24Aにおいては、水平軸は、円錐メサ構造のメサファセット角に対応し、垂直軸は、受光角範囲±90°以内の光抽出効率に対応する。
図24Bにおいては、水平軸は、円錐メサ構造のメサファセット角に対応し、垂直軸は、受光角範囲±18.5°以内の光抽出効率に対応する。
【0144】
図25Aは、特定の実施形態による異なるメサファセット角およびサイズを有する緑色マイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す。
図25Aの水平軸は、は、メサ構造のメサファセット角に対応し、垂直軸は、受光角範囲±20°以内の光抽出効率に対応する。
図25Aの曲線は、525nm、530nm、および535nmなどの異なる波長の緑色光について、メサファセット角(たとえば、約19°から約45°)の関数として光抽出効率を示す。
図25Aによって示されているように、光抽出効率は、メサファセット角が約30°から約40°の間にあるときに最も高い。
【0145】
図25Bは、特定の実施形態による異なるメサファセット角およびサイズを有する赤色マイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す。
図25B水平軸は、メサ構造のメサファセット角に対応し、垂直軸は、受光角範囲±20°以内の光抽出効率に対応する。
図25Bの曲線は、625nm、630nm、および635nmなどの異なる波長の赤色光について、メサファセット角(たとえば、約19°から約45°)の関数として光抽出効率を示す。
図25Bによって示されているように、光抽出効率は、メサファセット角が約30°から約40°の間にあるときに最も高い。
【0146】
図26A~
図26Cは、特定の実施形態による放物線メサ、反射防止コーティング、および異なるマイクロレンズを有する赤色マイクロLEDの例を示す。マイクロレンズは、球面または非球面(たとえば、トロイダル)であることが可能である。マイクロレンズは、マイクロLED上に堆積された層において形成されることが可能である、半導体層にエッチングされることが可能である、または基板(たとえば、PMA、SiO
2、SiNx等)上に製作され、次いでマイクロLEDのアウトカップリング面に接合されることが可能である。
【0147】
図26Aは、放物線メサ2610、電流拡散層、反射防止層2640、および球面マイクロレンズ2650を含む赤色マイクロLED2600を示す。放物線メサ2610は、約3μmの下直径を有することが可能である。電流拡散層は、たとえば、n型半導体層2620および基板層2630を含むことが可能である。マイクロレンズ2650は、半導体層(たとえば、n型半導体層)にエッチングされるネイティブレンズであることが可能であり、マイクロLED2600のMQWに焦点を有することが可能である。赤色マイクロLED2600のHWHM角度は、約41°であることが可能である。光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約61%、または受光角範囲±10°以内で約2.2%であり得る。
【0148】
図26Bは、放物線メサ2612、電流拡散層、反射防止層2642、および大きい球面マイクロレンズ2652を含む赤色マイクロLED2602を示す。放物線メサ2612は、約3μmの下直径を有することが可能である。電流拡散層は、たとえば、n型半導体層2622および基板層2632を含むことが可能である。マイクロレンズ2652は、半導体層にエッチングされるネイティブレンズであることが可能であり、マイクロLED2602のMQWに焦点を有することが可能である。マイクロレンズ2652は、マイクロレンズ2650の厚さよりも大きい厚さを有することが可能である。赤色マイクロLED2602のHWHM角度は、約40°であることが可能である。光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約76.3%、または受光角範囲±10°以内で約3.4%であり得る。
【0149】
図26Cは、放物線メサ2614、電流拡散層、反射防止層2644、およびトロイダルマイクロレンズ2654を含む赤色マイクロLED2604を示す。電流拡散層は、n型半導体層2624および基板層2634を含むことが可能である。マイクロレンズ2654は、半導体層にエッチングされたネイティブレンズであることが可能であり、マイクロLED2604のMQWに焦点を有することが可能である。赤色マイクロLED2600のHWHM角度は、約42°とすることが可能である。光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約62%、または受光角範囲±10°以内で約2.1%であり得る。
【0150】
図27A~
図27Bは、特定の実施形態による放物線メサ2710およびマイクロレンズ2730を有するマイクロLED2700の例を示している。放物線メサ2710は、p型半導体層2712およびp型接点(たとえば、Ag、Pt、および/またはAuを含む)(
図27Aおよび
図27Bに図示せず)を含むことが可能である。p型半導体層2712およびp型接点は、後方反射器を形成することが可能である。放物線メサ2710は、放物線メサ2710の側壁またはファセット上に形成されたメサ反射器(たとえば、SiO
2またはSiN、ならびにAg、Pt、および/またはAuを含む、
図27Aおよび
図27Bに図示せず)を含むことも可能である。
【0151】
図27Aは、活性領域内でほぼ横に放出される光が、放物線メサ反射器によって反射され、実質的に垂直方向に伝搬することが可能であることを示しており、ファーフィールドビーム外形は、曲線2740によって示されることが可能である。
図27Bは、p型半導体層2712に向けて放出される光が、後方反射器によって反射されることが可能であることを示す。p型半導体層2712の厚さは、後方反射器から反射される光が、n型半導体層2720に向けて放出される光と構造的に干渉して光抽出を強化することが可能であるように選択されることが可能である。メサ反射器が放物線形状のため、メサ反射器によって反射される光は、少なくとも一部コリメートされていることが可能である一方、平らな後方反射器によって反射される光は、コリメートされ得ない。したがって、マイクロレンズ2730は、異なる領域において異なる屈折力または焦点距離を有することが可能であるトロイダルレンズであることが可能である。たとえば、中央領域2732において、マイクロレンズ2730は、マイクロレンズ2730と活性領域の間の距離にほぼ等しい焦点距離を有することが可能である。リング状領域2734においては、放物線メサ反射器によって反射された光が通過することが可能である場所は、ずっと低い屈折力またはより長い焦点距離を有することが可能である。トロイダルレンズは、誘電層に作製されることが可能であり、または半導体層(たとえば、n型半導体層2720)にエッチングされることが可能であり、または基板(たとえば、PMA、SiO
2、SiNx等)上に製作され、次いでマイクロLED2700のアウトカップリング面に接合されることが可能である。
【0152】
図28は、特定の実施形態によるマイクロLED2800のアウトカップリング面に放物線メサ2810およびマイクロレンズ2840を有するマイクロLED2800の例を示す。
図27Aおよび
図27Bに関連して上述されているように、放物線メサ2810は、後方反射器を形成するp型半導体層2812およびp接点層(図示せず)を含むことが可能である。放物線メサ2810は、メサ反射器(図示せず)およびn型層2820を含むことも可能であり、これは、n接点を作製するために電流拡散層としての役割を果たすことが可能である。マイクロレンズ2840は、平面挿入図に示されているようにトロイダルレンズであることが可能である。マイクロレンズ2840は、(青色または緑色LEDのための)GaN層、または(赤色LEDのための)AlGaAs層などの半導体層2830にエッチングされることが可能である。
【0153】
図28において示されている例においては、マイクロLED2800は、赤色LEDであることが可能である。マイクロLED2800は、アウトカップリング面に反射防止コーティングを含むことが可能である。マイクロレンズ2840は、AlGaAs層にエッチングされることが可能であり、活性領域(たとえば、MQW)内に焦点面を有することが可能である。赤色マイクロLED2800のHWHM角度は、約42°であることが可能である。光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約62%であり、または受光角範囲±10°以内で約2.1%であり得る。
【0154】
図29は、特定の実施形態による異なる焦点距離を有するマイクロレンズを使用する赤色マイクロLEDの例からの光抽出のシミュレーション結果を示す。マイクロLED2910、2920、2930、2940、2950、および2960は、同じ後方反射器およびメサ反射器を有することが可能であるが、異なる焦点距離および/または焦点位置を有するマイクロレンズを含むことが可能である。
図29は、マイクロレンズが大きい受光角と小さい受光角の両方についての光抽出効率にかなり影響を及ぼし得ることを示す。たとえば、マイクロLED2910においては、マイクロレンズは、厚さ約400nm、およびマイクロレンズからMQWまでの距離にほぼ等しい焦点距離を有することが可能である。抽出された光ビームは、ビーム外形2912を特徴とすることが可能である。光抽出効率は、受光角範囲±90°内で約25.5%、または受光角範囲±10°以内で約0.58%であり得る。
【0155】
マイクロLED2920においては、マイクロレンズは、厚さ約300nm、およびマイクロレンズからMQWまでの距離の2倍にほぼ等しい焦点距離を有することが可能である。抽出された光ビームは、ビーム外形2922を特徴とすることが可能である。光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約38.5%であり、または受光角範囲±10°以内で約1.62%であり得る。
【0156】
マイクロLED2930においては、マイクロレンズは、厚さ約300nm、およびマイクロレンズからMQWまでの距離の2.4倍にほぼ等しい焦点距離を有することが可能である。抽出された光ビームは、ビーム外形2932を特徴とすることが可能である。光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約42.7%であり、または受光角範囲±10°以内で約1.55%であり得る。
【0157】
マイクロLED2940においては、マイクロレンズは、厚さ約300nm、およびマイクロレンズからMQWまでの距離の3.448倍にほぼ等しい焦点距離を有することが可能である。抽出された光ビームは、ビーム外形2942を特徴とすることが可能である。光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約56.2%であり、または受光角範囲±10°以内で約1.86%であり得る。
【0158】
マイクロLED2950においては、マイクロレンズは、厚さ約220nm、およびマイクロレンズからMQWまでの距離の3.448倍にほぼ等しい焦点距離を有することが可能であり、ただし、焦点は、点2905である。抽出された光ビームは、ビーム外形2952を特徴とすることが可能である。光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約44.6%であり、または受光角範囲±10°以内で約1.56%であり得る。
【0159】
マイクロLED2960において、マイクロレンズは、厚さ約190nm、およびマイクロレンズからMQWまでの距離の約4倍にほぼ等しい焦点距離を有することが可能である。抽出された光ビームは、ビーム外形2962を特徴とすることが可能である。光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約45.8%であり、または受光角範囲±10°以内で約1.54%であり得る。したがって、マイクロLED2940は、最も高いLEEを実現することが可能である。
【0160】
図30Aは、特定の実施形態による垂直メサ構造3010およびマイクロレンズ3030を有するマイクロLED3000の例を示す。マイクロレンズ3030は、誘電層3020において形成されることが可能であり、垂直メサ構造3010から距離dだけ垂直に変位させられていることが可能である。誘電層3020は、SiO
2、Si
3N
4等など、誘電材料を含むことが可能である。
【0161】
図30Bは、特定の実施形態による、垂直メサ構造からのマイクロレンズの垂直変位(距離d)の関数として、
図30Aに示されているマイクロLED3000の構造を有するマイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す。マイクロLEDの例は、0から約3μmの垂直変位(距離d)を有することが可能であり、受光角範囲±18°以内の光抽出効率は、垂直変位が約0.5μmから 約2μmの間であるときに最も高くなり得る。
【0162】
図30Cは、特定の実施形態による、垂直メサ構造からのマイクロレンズの垂直変位(距離d)の関数として、
図30Aに示されているマイクロLED3000の構造を有するマイクロLEDの例のシミュレーションされた光抽出効率を示す。マイクロLEDの例は、0から約3μmの垂直変位(距離d)を有することが可能であり、受光角範囲±90°以内の光抽出効率は、垂直変位が増加すると概して減少し得る。
【0163】
図30Dは、特定の実施形態による、垂直メサ構造からのマイクロレンズの垂直変位(距離d)の関数として、
図30Aに示されているマイクロLED3000の構造を有するマイクロLEDの例のシミュレーションされたビーム外形を示す。シミュレーションされたビーム外形3040は、マイクロLED3000の構造を有し、マイクロレンズについての垂直変位を有さないマイクロLEDに対応することが可能である。シミュレーションされたビーム外形3050、3060、3070、および3080は、マイクロLED3000の構造を有し、マイクロレンズについての垂直変位約0.5μm、1μm、2μm、および3μmをそれぞれ有するマイクロLEDに対応することが可能である。
【0164】
図31Aは、特定の実施形態による垂直メサ構造3130およびマイクロレンズ3110を含むマイクロLED3100の例を示す。垂直メサ構造3130は、屈折率n
semiを有する半導体材料を含むことが可能であり、半導体材料は、全体厚さDを有することが可能であり、活性領域3150ならびにpおよびn領域を含むことが可能である。垂直メサ構造3130は、横サイズLを有することが可能である。活性領域3150は、1つまたは複数の量子井戸またはMQWなど、1つまたは複数のヘテロ構造を含むことが可能である。垂直メサ構造3130は、金属接点3140(たとえば、p接点)、および反射側壁3160を含むことも可能である。マイクロレンズ3110は、誘電層3120において形成されることが可能であり、垂直メサ構造3130から 距離Hだけ垂直に変位させられていることが可能である。誘電層3120は、垂直メサ構造3130上に堆積されることが可能であり、SiO
2、Si
3N
4等など、屈折率 n
dielを有する誘電材料を含むことが可能である。マイクロレンズ3110は、半径R、横サイズW(たとえば、直径)、および厚さH
Lを有する球面レンズを含むことが可能である。概して、光抽出効率を改善するために、マイクロレンズ3110の横サイズWは、垂直メサ構造3130の横サイズLの約80%よりも大きい。
【0165】
図31Bは、特定の実施形態による
図31Aに示されているマイクロLED3100の例におけるマイクロレンズ3110による光抽出およびコリメーションを示す。マイクロLED3100は、平凸球面レンズであることが可能である。
図31Bによって示されているように、マイクロレンズ3110の有効焦点は、垂直メサ構造3130における半導体材料内の点S1に位置することが可能であり、誘電層3120におけるマイクロレンズ3110の焦点は、点S2にあることが可能である。自由空間中のマイクロレンズ3110の焦点距離は、
によって特定されることが可能である。誘電層3120におけるマイクロレンズ3110の焦点距離は、
によって特定されることが可能であり、ただし、
の長さは、
によって特定されることが可能であり、ただし、H
Fは、有効焦点S1から垂直メサ構造3130の上部表面までの距離である。したがって、誘電層3120におけるマイクロレンズ3110の焦点距離は、
であることが可能である。
【0166】
垂直な側壁または内側に傾いた側壁を有するマイクロLEDについては、有効焦点S1は、高い光抽出効率およびよりコリメートされたビームを実現するために、p接点3140と半導体材料(たとえば、p型層)との間の界面の近くに位置することが可能である。たとえば、HFとDの間の比は、約0.8から約1.25の間であり得る。
【0167】
放物線側壁または円錐側壁などの外側に傾いた側壁を有するマイクロLEDについては、マイクロLEDから誘電層へ放出される光が一部コリメートされていることが可能であるので、高い光抽出効率およびよりコリメートされたビームを実現するために、有効焦点の位置は、半導体材料と誘電層との間の界面(およびp接点3140と半導体材料との間の界面)から遠く離れていることが可能である。たとえば、HFとDの間の比は、約1.2から約4の間であり得る。
【0168】
図32Aは、特定の実施形態による垂直メサ構造を有する青色マイクロLED3210の例を示す。
図32Aにおいて示されている例においては、青色マイクロLED3210は、直線寸法約8.5μmを有することが可能であり、マイクロレンズまたは反射防止コーティング層を含まなくてもよい。
【0169】
図32Bは、特定の実施形態による垂直メサ構造を有する青色マイクロLED3210から放出される光のシミュレーションされたビーム外形3220を示す。青色マイクロLED3210の光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約21%、または受光角範囲±10°以内で約0.22%であることが可能である。
【0170】
図32Cは、特定の実施形態による放物線メサ構造3232およびマイクロレンズ3234を有する青色マイクロLED3230の例を示す。
図32Cにおいて示されている例においては、メサ構造3232は、下直径約3μmを有することが可能であり、マイクロレンズ3234は、高さ約0.3μmを有することが可能であり、焦点面は、青色マイクロLED3230の量子井戸にある。
【0171】
図32Dは、特定の実施形態による放物線メサ構造3232およびマイクロレンズ3234を有する青色マイクロLED3230から放出される光のシミュレーションされたビーム外形3240を示す。青色マイクロLED3230の光抽出効率は、受光角範囲±90°以内で約70%、または受光角範囲±10°以内で約4.5%であることが可能である。
【0172】
VI. 二次オプティクス製作
上述されているマイクロレンズは、たとえば、パターン化されたポリマー(たとえば、フォトレジスト)をリフローすることによって形成されることが可能である可変厚さを有するポリマー(たとえば、フォトレジスト)層を使用して、またはフォトレジストにマイクロレンズアレイを形成するための暴露量に対する線形応答を有するグレースケールフォトマスクおよびフォトレジストを使用して、および/あるいはマイクロレンズアレイのパターンまたは形状を誘電材料層または半導体層へ転写するためにポリマーまたはフォトレジストをドライエッチングことによって、エッチングすることができる。いくつかの実施形態においては、マイクロレンズは、ダイレクトEビームエッチングによって製作されることが可能である。
【0173】
図33は、特定の実施形態による熱リフロープロセスを使用したマイクロLEDアレイからの光抽出のためのマイクロレンズのアレイを製作する方法の例を示すフローチャート3300である。フローチャート3300に記述されている動作は、例示するためのものに過ぎず、限定することを意図されているものではない。さまざまな実施態様においては、追加の動作を加えるまたはいくつかの動作を省略するようにフローチャート3300に修正がなされてもよい。フローチャート3300に記述されている動作は、たとえば、パターニングシステム、析出装置、エッチングシステム、またはそれらの任意の組合せを含む1つまたは複数の半導体製作システムによって実行されることが可能である。
【0174】
ブロック3310において、マイクロLEDアレイは、たとえば、
図7Aおよび
図7Bに関連して上述されているように製作されることが可能である。GaN層、InGaN層、AIGan層、またはAlInGaP層などの複数の層を含み、マイクロLEDアレイ内の各マイクロLEDは、GaN、GaAs、もしくはGaP基板など、特定の結晶格子配向(たとえば、極性、非極性、もしくは半極性の配向)を有する基板、または、サファイア、炭化ケイ素、シリコン、酸化亜鉛、窒化ホウ素、アルミン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ゲルマニウム、窒化アルミニウム、リチウムガレート、部分的に置換されたスピネル、もしくは、ベータLiAlO
2構造を共有する第4正方酸化物を含むがそれらに限定されない基板上にエピタキシャル成長されるヘテロ構造(たとえば、MQW)を含むことが可能である。基板は、特定の方向に切断されて、特定の面を成長表面として露出させることが可能である。それぞれのマイクロLEDは、任意の所望の形状のメサ構造、および 上述されているようなメサ構造を囲むパッシベーション層(たとえば、SiO
2層)を含むことが可能である。隣り合ったマイクロLEDは、パッシベーション層、樹脂等などの絶縁材料によって絶縁されることが可能である。それぞれのマイクロLEDの直線寸法は、数ミクロン(たとえば、約1~5μmなど、約10μm未満)または数十ミクロンであることが可能である。マイクロレンズアレイは、誘電材料層によって封じ込められることも可能である。
【0175】
任意選択的に、ブロック3320において、カプセル化層の表面、基板、または マイクロLEDアレイによって放出された光の抽出が可能である別の表面など、マイクロLEDアレイの露出されている表面は、たとえば、平らで滑らかな表面を実現するために、化学機械研磨(CMP)、選択エッチング、または他のプロセスによって平坦化されることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロLEDアレイの露出されている表面は、粗くされることが可能である。
【0176】
任意選択的に、ブロック3330において。SiO2またはSiNx層などの誘電層は、たとえば、PECVD、ALD等によってマイクロLEDアレイの平坦化された表面上に堆積されることが可能である。誘電層の厚さは、製作されるマイクロレンズアレイの所望の厚さよりも高くすることが可能である。
【0177】
ブロック3340において、パターン化されたポリマー層は、誘電層上に形成することが可能である。パターン化されたポリマー層におけるパターンのピッチは、パターン化されたポリマー層内のそれぞれのポリマー領域の中心が、マイクロレンズアレイ内の対応するマイクロLEDの中心と位置合わせされることができないように、マイクロLEDアレイのピッチとはわずかに異なることが可能である。ポリマーのエッチレートは、パターン化されたポリマー層下で誘電層のエッチレートと同様または同等であることも可能である。いくつかの実施形態においては、ポリマー層は、ポジ型またはネガ型フォトレジストを含むことが可能であり、パターン化されたポリマー(たとえば、フォトレジスト)層内のパターンは、バイナリマスク、均一な暴露光(たとえば、UV光)を用いるフォトリソグラフィプロセスによって形成されることが可能である。いくつかの実施形態においては、パターン化されたポリマー層内のパターンは、特定の体積のポリマーが隣り合った位置どうしの間に特定の距離を有する位置の1次元または2次元アレイの位置ごとに堆積させられる(たとえば、落下させられる)ことが可能である印刷プロセスによって形成されることが可能である。
【0178】
ブロック3350において、パターン化されたポリマー層は、ポリマー材料にマイクロレンズアレイを形成するようにリフロープロセスを受けることが可能である。たとえば、パターン化されたポリマー層は、ポリマー材料が液化させられ得るおよび流れるように許可され得るように、ターン化されたポリマー層の融点をわずかに超える温度へマイクロLEDアレイの上または下から加熱されることが可能である。溶融したポリマー材料は、リフローし、液体ポリマー材料の表面張力により平衡状態に到達することが可能である。平衡状態において、特定のポリマー体積を有する球面キャップが、形成されることが可能である。球面キャップの形状は、誘電層の表面に対するポリマー材料の接触角に依存し得る。平衡状態に到達した後、ポリマー材料は、ポリマー材料を含むマイクロレンズのアレイを形成するように冷えて固まることが許可されることが可能である。ポリマー材料によって形成されたマイクロレンズのアレイは、マイクロLEDアレイから光を抽出するためのマイクロレンズアレイとして使用されることが可能であり、または下に横たわる誘電層をエッチングするためのマスク層として使用されることが可能である。
【0179】
任意選択的に、ブロック3360において、ポリマー材料におけるマイクロレンズアレイおよび下に横たわる誘電層は、マイクロレンズアレイを誘電層へ転写するようにエッチングされることが可能である。エッチングは、たとえば、イオンミリング、プラズマベースの反応性イオンエッチング(たとえば、RIE)、または別のドライエッチングプロセスを含むことが可能である。ポリマー材料のエッチレートは、パターン化されたポリマー層の厚さ分布を基板へより線形に転写するために、誘電材料のエッチレートと同様または同等であることが可能である。たとえば、パターン化されたポリマー層のエッチレートは、誘電層のエッチレートの約0.2から約5倍の間、誘電層のエッチレートの約0.3から約3倍の間、誘電層のエッチレートの約0.5から約2倍の間、誘電層のエッチレートの約0.7から約1.5倍の間、誘電層のエッチレートの約0.8から約1.2倍の間等であることが可能である。
【0180】
いくつかの実施形態においては、マイクロレンズアレイを有する誘電層は、マイクロレンズアレイをn型半導体層などの半導体層へと転写するためにエッチマスクとして使用されることが可能である。誘電材料のエッチレートは、誘電層におけるマイクロレンズアレイの厚さ分布を半導体層へとより線形に転写するために、半導体材料のエッチレートと同様または同等であることが可能である。たとえば、誘電層のエッチレートは、半導体層のエッチレートの約0.5倍など、半導体層のエッチレート約0.2から約5倍の間であり得る。
【0181】
任意選択的に、ブロック3370において、反射防止層は、誘電層または半導体層におけるマイクロレンズアレイ上にコーティングされることが可能である。反射防止層は、1つまたは複数の誘電層の異なる界面における反射が反射を低減するように破壊的に干渉することが可能であるように、特定の屈折率および/または厚さを有する1つまたは複数の誘電層(たとえば、薄膜)を含むことが可能である。たとえば、誘電層は、五酸化タンタル(Ta2O5)および酸化アルミニウム(Al2O3)を交互の薄層で含むことが可能である。1つまたは複数の誘電層は、たとえば、蒸着、イオンアシスト析出、プラズマスパッタリング、イオンビームスパッタリング、ALD等によってマイクロレンズアレイの表面上に堆積されることが可能である。
【0182】
図34Aは、特定の実施形態によるマイクロLEDアレイからの光抽出のためのマイクロレンズアレイを製作するまたはマイクロLEDアレイのメサ構造を製作する方法の例を示す。マイクロLEDのアレイ3410の表面は、たとえば、CMP、選択エッチング等によって平坦化されることが可能である。誘電層3420(たとえば、ポリマー層、二酸化シリコン層、または窒化シリコン層)は、たとえば、PECVD、ALD等によってマイクロLEDのアレイ3410の平坦化された表面上に堆積されることが可能である。誘電層3420は、マイクロレンズを形成するように使用されることが可能であり、またはマイクロLEDのアレイ3410のIII-V半導体層におけるマイクロレンズまたはメサ構造をエッチングするためのマスク層として使用されることが可能である。フォトレジスト層3430は、たとえば、スピンコーティング、スプレーコーティング、物理気相成長、化学気相成長、原子層堆積等によって誘電層3420上に堆積されることが可能である。フォトレジスト層3430は、ポジ型またはネガ型フォトレジスト材料を含むことが可能であり、マスクを通じて光(たとえば、UV光)へ暴露し、暴露された部分または暴露されていない部分を除去するように現像することによってパターン化されることが可能である。フォトレジスト層3430におけるフォトレジスト材料は、下に横たわる誘電層3420をエッチングする同じエッチングプロセスによってエッチングされることが可能であり、同じエッチングプロセスを使用する誘電層3420(たとえば、SiO
2はSi
3N
4)のエッチレートと同様または同等のエッチレートを有することが可能である。
【0183】
フォトレジスト層3430の残りの部分は、熱リフロープロセスを受けることが可能である。たとえば、フォトレジスト層3430の残りの部分は、フォトレジストが液化させられ得るように、フォトレジスト層3430の融点をわずかに超える温度へマイクロLEDのアレイ3410の上または下から加熱されることが可能である。溶融したフォトレジスト材料は、リフローし、液体フォトレジスト材料の表面張力によって支配される平衡状態に到達することが可能である。特定のフォトレジスト体積のために平衡状態で形成される球面キャップの形状は、誘電層3420の表面上のフォトレジスト材料の接触角に依存し得る。平衡状態に到達した後、フォトレジスト材料は、フォトレジスト層3430にマイクロレンズのアレイを形成するように冷えて固まることが許可されることが可能である。 マイクロレンズのアレイは、マイクロLEDのアレイ3410から光を抽出するためのマイクロレンズとして使用されることが可能であり、または下に横たわる誘電層3420をエッチングするためのマスク層として使用されることが可能である。
【0184】
いくつかの実施形態においては、フォトレジスト層3430におけるマイクロレンズのアレイは、グレースケールマスクを使用したフォトリソグラフィによって形成されることが可能である。グレースケールマスクは、グレースケールマスクの特定の領域が他の領域よりも高い透過率を有することが可能であり、透過率が高透過率領域から低透過率領域に徐々に変わることが可能である、光透過率パターンを含むことが可能である。グレースケールマスクの光透過率分布は、マイクロレンズのアレイの高さ外形または光学的長さ外形に対して相補的であることが可能である。暴露光は、均一な強度を有することが可能である。したがって、暴露後、フォトレジスト層3430の暴露された部分は、グレースケールマスクの光透過率分布に対応する深さ外形を有することが可能であり、したがって、マイクロレンズのアレイの高さ外形または光学的長さ外形に対して相補的であり得る。フォトレジスト層3430の暴露された部分は、それが現像液により溶解できることが可能であり、現像プロセスによって除去されることが可能であるように、化学構造を変化させる(たとえば、より小さい分子へ分解する)ことが可能である。
【0185】
マイクロレンズのアレイを有するフォトレジスト層3430および下に横たわる誘電層3420は、誘電層3420にマイクロレンズのアレイを形成するために、フォトレジスト材料および誘電材料の相対エッチレートに応じてマイクロレンズのアレイの厚さ分布を誘電層3420に線形または非線形に転写するようにエッチングされることが可能である。エッチングは、たとえば、ウェットエッチング、イオンミリング、プラズマベースの反応性イオンエッチング、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。ウェットエッチングは、ある範囲の温度および濃度で酸、塩基、および溶媒の組合せを使用する化学エッチングを含むことが可能である。イオンミリングは、気体原子を電離するのに十分なエネルギーを用いて気体原子に衝撃を与えるように電子が加速され得るように極端に低い圧力でおよび高い加速電位を使用して、パターン化されたフォトレジスト層および下に横たわる誘電層の一部を物理的除去することを含むことが可能である。プラズマベースの反応性イオンエッチング(RIE)は、パターン化されたフォトレジスト層および下に横たわる誘電層の一部を除去するために、低圧力における化学反応性プラズマおよび電磁場を使用することが可能である。これらおエッチング技術のいずれかにおいては、フォトレジスト材料のエッチレートは、パターン化されたフォトレジスト層の厚さ分布を基板へ転写するために誘電材料のエッチレートと同様または同等であることが可能である。たとえば、パターン化されたフォトレジスト層3430のエッチレートは、誘電層3420のエッチレートの約0.2から約5倍の間、誘電層3420のエッチレートの約0.3から約3倍の間、誘電層3420のエッチレートの約0.5から約2倍の間、誘電層3420のエッチレートの約0.7から約1.5倍の間、誘電層3420のエッチレートの約0.8から約1.2倍の間等であることが可能である。
【0186】
誘電層3420におけるマイクロレンズのアレイは、マイクロLEDのアレイ3410から光を抽出するおよび/またはコリメートするためのマイクロレンズとして使用されることが可能であり、あるいはマイクロLEDのアレイ3410のIII-V半導体層におけるマイクロレンズまたはメサ構造3440をエッチングするためのエッチマスクとして使用されることが可能である。誘電材料のエッチレートは、誘電層3420の厚さ分布をIII-V半導体材料へ転写するために、III-V半導体材料のエッチレートと同様または同等であり得る。たとえば、誘電層3420のエッチレートは、III-V半導体材料のエッチレートの約0.2から約5倍の間であり得る。
【0187】
図34Bは、特定の実施形態によるマイクロレンズアレイの製作の異なる段階におけるフォトレジスト層、誘電層、および半導体層の高さ外形の例を示す。曲線3432は、パターニングおよび熱リフロー後のフォトレジスト層(たとえば、フォトレジスト層3430)の領域の高さ外形を示す。曲線3422は、エッチマスクとしてフォトレジスト層を使用したエッチングの後の誘電層(たとえば、誘電層3420)の領域の高さ外形を示す。
図34Bにおいて示されている例においては、フォトレジスト層のエッチレートは、誘電層のエッチレートと同様であることが可能であり、したがって曲線3422は、曲線3432と同様であることが可能である。曲線3412は、エッチマスクとして誘電層を使用してエッチングした後の半導体層(たとえば、マイクロLEDのアレイ3410におけるIII-V半導体材料)の領域の高さ外形を示す。
図34Bにおいて示されている例においては、半導体層のエッチレートは、誘電層3420のエッチレートの約2倍であることが可能であり、したがって曲線3412の高さは、曲線3422の高さの約2倍であることが可能である。
【0188】
図34C~
図34Eは、
図34Aに関連して記述されている方法を使用して製作されるメサまたはレンズの例を示す。たとえば、
図34Cは、放物線形状および平らな上部を有することが可能であるエッチングされたメサ構造3450の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。メサ構造3450は、下直径約5μmおよび高さ約1.5μmを有することが可能であり、約0.75μmの高さを有する構造を含むエッチマスクを使用してエッチングされることが可能である。
図34Dは、放物線形状および平らな上部を有することが可能であるエッチングされた構造3460のSEM画像である。構造3460は、下直径約2μmおよび高さ約1.4μmを有することが可能であり、約0.7μmの高さを有する構造を含むエッチマスクを使用してエッチングされることが可能である。
図34Eは、放物線形状を有することが可能であるエッチングされた構造3470のSEM画像である。構造3460 は、下直径約1μmおよび高さ約1.2μmを有することが可能であり、約0.6μmの高さを有する構造を含むエッチマスクを使用してエッチングされることが可能である。
【0189】
図35Aは、特定の実施形態によるLEDのアレイを製作するためのダイ対ウェハ接合の方法の例を示す。複数のLED3506を含むLEDアレイ3502は、たとえば、ドライバ回路などのさまざまな回路を含むウェハ3503に接合される前に、LED3506のためのメサ構造の形成を含むLEDチップまたはダイの加工によって、キャリア基板3505上に製作されることが可能である。LEDチップは、たとえば、LEDチップのp側から加工され得る。
【0190】
ウェハ3503は、ベース層3515、受動または能動集積回路3539、および接合層3519を含むことが可能である。ベース層3515は、たとえば、Siウェハを含むことが可能である。集積回路3539は、複数のドライバ回路を含むことが可能である。たとえば、それぞれのドライバ回路は、2つのトランジスタと1つのコンデンサとを有する2T1Cピクセル構造を含むことが可能である。接合層3519は、金属、酸化物、誘電体、金属合金等などのさまざまな材料を含むことが可能である。パターン化された層3530は、接合層3519の表面上に形成することが可能である。パターン化された層3530は、Cu、Ag、Pt、Au、Al、Ti、またはそれらの任意の組合せなどの材料で作られた金属グリッドを含むことが可能である。
【0191】
LEDアレイ3502は、パターン化された層3530を介してウェハ3503に接合されることが可能である。パターン化された層3530は、CuSn、AuSn、またはナノポーラスAuなど、さまざまな材料で作られた金属バンプを含むことが可能であり、これらは、LEDアレイ3502のLED3506をウェハ3503の対応するドライバ回路と位置合わせするために使用されることが可能である。集積回路3539に対応するそれぞれの金属バンプとLED3506が接触するまで、LEDアレイ3502をウェハ3503へ近づけることが可能である。LED3506のうちのいくつかまたはすべては、集積回路3539と位置合わせされることが可能であり、次いで金属対金属接合などのさまざまな接合技術によって、パターン化された層3530を介してウェハ3503に接合されることが可能である。LED3506がウェハ3503に接合された後に、キャリア基板3505は、LED3506から除去されることが可能である。次いで、LED3506に対応する光学部品は、たとえば、LEDチップのn側から形成されることが可能である。
【0192】
図35Bは、特定の実施形態によるダイ対ウェハ接合によって形成されることが可能であるLEDアレイ3500の例を示す。
図35Bにおいて示されている例においては、3つのLED3525が、パターン化された層3530を介してウェハ3503に接合されるように示されている。それぞれのLED3525は、パターン化された層3530を介して金属パッド3541に電気的に接触しているp接点3529を含む。p接点3529および金属パッド3541は、Cuまたは別の金属など、さまざまな材料を含むことが可能である。さらに、隣り合ったLED3525どうしの間のn接点3527は、金属パッド3545に電気的に接触していることが可能である。n接点3527および金属パッド3545は、Cuまたは別の金属など、さまざまな材料を含むことが可能である。薄膜3543は、接合層3519内に設けられることが可能である。薄膜3543は、SiCNなどのさまざまな材料を含むことが可能である。金属パッド3541、薄膜3543、および金属パッド3545は、接合層3519を構成することが可能である。共通のn接点層および電流拡散層3540は、LED3525に接続するように設けられることが可能である。
【0193】
上述されているように、さまざまな光学部品は、LED 3525に対応するように形成されることが可能である。たとえば、光学部品は、格子3531、第1のレンズ3535、および第2のレンズ3536を含むことが可能である。光学部品は、LED3525のn側に形成することが可能である。LED3525上に形成されることが可能である二次光学部品のいくつかの例を示すために、3つの異なる二次光学部品が
図35Bに示されており、これは、異なる二次光学部品があらゆるLEDアレイに対して同時に使用されることを必ずしも意味しない。いくつかの実施形態においては、LEDは、マイクロレンズおよび反射防止コーティング、半導体材料にエッチングされたマイクロレンズおよび誘電材料層にエッチングされたマイクロレンズ、マイクロレンズおよび格子、球面レンズおよび非球面レンズ等など、複数の対応する二次光学部品を有することが可能である。
【0194】
図36Aは、特定の実施形態による、LEDのアレイを製作するウェハ対ウェハ接合の方法の例を示している。
図36Aに示されているように、第1のウェハ3601は、基板3605、半導体層3607、活性層3609、半導体層3611、および接合層3613を含むことが可能である。基板3605は、GaAs、InP、GaN、AlN、サファイア、SiC、またはSiなど、さまざまな材料を含むことが可能である。半導体層3607および半導体層3611は、(AlGaIn)P、(AlGaIn)AsP、(AlGaIn)AsN、(Eu:InGa)N、または(AlGaIn)Nなど、さまざまな材料を含むことが可能である。半導体層3607は、n型層であることが可能であり、半導体層3611は、p型層であることが可能である。たとえば、半導体層3607は、(たとえば、SiまたはGeで)nドープされていることが可能であり、半導体3611は、(たとえば、Mg、Ca、Zn、またはBeで)pドープされていることが可能である。活性層3609は、1つまたは複数のInGaN層、1つまたは複数のAlInGaP層、および/あるいは1つまたは複数のGaN層を含むことが可能であり、これは、1つまたは複数の量子井戸またはMQWなど、1つまたは複数のヘテロ構造を形成することが可能である。接合層3613は、金属、酸化物、誘電体、CuSnおよび/またはAuTiなど、さまざまな材料を含むことが可能である。たとえば、接合層3613は、p接点(図示せず)を含むことが可能である。基板3605と半導体層3607との間におけるバッファ層など、その他の層が含まれることも可能である。バッファ層は、多結晶GaNまたはAlNなど、さまざまな材料を含むことが可能である。加えて、半導体層3611と接合層3613との間に接触層があることが可能である。接触層は、半導体層3611に電気接触を提供するための任意の適切な材料を含むことが可能である。
【0195】
第2のウェハ3603は、接合層3619に隣り合っている受動マトリックス集積回路または能動マトリックス集積回路を有するベース層3615を含むことが可能である。ベース層3615は、たとえば、Si基板を含むことが可能である。第2のウェハ3603は、複数のドライバ回路3639を有する特定用途向け集積回路(ASIC)ウェハであることが可能である。たとえば、それぞれのドライバ回路3639は、2つのトランジスタおよび1つのコンデンサを有する2T1Cピクセル構造を含むことが可能である。接合層3619は、金属、酸化物、誘電体、CuSn、および/またはAuTiなど、さまざまな材料を含むことが可能である。
【0196】
第1のウェハ3601は、接合層3613および/または接合層3619を介して第2のウェハ3603に接合されることが可能である。接合層3613および接合層3619は、同じ材料または別々の材料で作られることが可能である。接合層3613および接合層3619は、実質的に平らであることが可能である。第1のウェハ3601は、金属対金属接合、共晶接合、金属酸化物接合、陽極接合、熱圧縮接合、紫外線(UV)接合、プラズマ活性化表面接合、および/または融着接合など、さまざまな方法によって第2のウェハ3603に接合されることが可能である。
【0197】
図36Aにおいて示されているように、第1のウェハ3601は、第1のウェハ3601のp側(たとえば、半導体層3611)が下へ(すなわち、第2のウェハ3603の方へ)向いている状態で第2のウェハ3603に接合されることが可能である。接合後、基板3605は、第1のウェハ3601から少なくとも一部除去されることが可能であり、次いで、第1のウェハ3601は、n側(たとえば、半導体層3607)から処理されることが可能である。処理は、個々のLEDのためのメサ構造の形成、および個々のLEDに対応する光学部品(たとえば、マイクロレンズ)の形成を含むことが可能である。
【0198】
図36Bは、特定の実施形態によるウェハ対ウェハ接合によって形成されることが可能であるLEDアレイ3602の例を示す。
図36Bにおいて示されている例においては、3つのLED3625が、接合層3619を介して第2のウェハ3603に接合されるように示されている。それぞれのLED3625は、金属パッド3641に電気的に接触しているp接点3629を含むことが可能である。p接点3629および金属パッド3641は、Cu、Ag、Pt、Au等など、さまざまな材料を含むことが可能である。さらに、 隣り合ったLED3625どうしの間のn接点3627は、金属パッド3645に電気的に接触していることが可能である。n接点3627および金属パッド3645は、Cuなどのさまざまな材料を含むことが可能である。薄膜3643は、隣り合った金属パッド3641と3645のそれぞれのペア間に設けられることが可能である。薄膜3643は、SiCNなど、さまざまな材料を含むことが可能である。金属パッド3641、薄膜3643、および金属パッド3645は、接合層3619を構成することが可能である。
【0199】
さまざまな光学部品は、LED3625に対応するように形成されることも可能である。たとえば、光学部品は、格子3631、反射防止(AR)コーティング3633、および/またはレンズ3635を含むことが可能である。光学部品は、LED3625のn側(たとえば、半導体層3607、または半導体層3607上に堆積された誘電材料)に形成することが可能である。3つの異なる二次光学部品が、LED3625上に形成されることが可能である二次光学部品のいくつかの例を示すために、
図36Bに示されており、
これは、異なる二次光学部品があらゆるLEDアレイに対して同時に使用されることを必ずしも意味しない。いくつかの実施形態においては、LEDは、マイクロレンズおよび反射防止コーティング、半導体材料にエッチングされたマイクロレンズおよび誘電材料層にエッチングされたマイクロレンズ、マイクロレンズおよび格子、球面レンズおよび非球面レンズ等など、複数の対応する二次光学部品を有することが可能である。
【0200】
図37Aは、特定の実施形態によるLEDのアレイを製作するハイブリッド接合の方法の例を示す。第1のウェハ3701は、基板3705、半導体層3707、活性層3709、半導体層3711、および接合層3713を含むことが可能である。基板3705は、GaAs、InP、GaN、AlN、サファイア、SiC、またはSiなど、さまざまな材料を含むことが可能である。半導体層3707および半導体層3711は、(AlGaIn)P、(AlGaIn)AsP、(AlGaIn)AsN、(Eu:InGa)N、または(AlGaIn)Nなど、さまざまな材料を含むことが可能である。半導体層3707は、n型層であることが可能であり、半導体層3711は、p型層であることが可能である。たとえば、半導体層3707は、(たとえば、SiまたはGeで)nドープされることが可能であり、半導体層3711は、(たとえば、Mg、Ca、Zn、またはBeで)pドープされることが可能である。活性層3709は、1つまたは複数のInGaN層、1つまたは複数のAlInGaP層、および/あるいは1つまたは複数のGaN層を含むことが可能であり、これは、1つまたは複数の量子井戸またはMQWなど、1つまたは複数のヘテロ構造を形成することが可能である。接合層3713は、金属、酸化物、誘電体、CuSn、および/またはAuTiなど、さまざまな材料を含むことが可能である。たとえば、接合層3713は、p接点(
図37Aに図示せず)を含むことが可能である。パターン化された層3718は、接合層3713の表面上に形成することが可能である。パターン化された層3718は、Cu、Ag、Au、またはAlなどの材料で作られた金属グリッドを含むことが可能である。
【0201】
第1のウェハ3701は、接合層3713およびパターン化された層3730がメサ構造上に形成される前に、個々のLEDに対応するメサ構造を形成するために、p側から処理されることが可能である。加えて、反射器層は、上述されているようにp側からメサ構造のそれぞれに形成することが可能である。量子井戸、相互混合、イオン注入、欠陥エッチング、および表面清浄など、表面再結合損失を低減するためのさまざまな方法が、p側から行われることも可能である。
【0202】
第2のウェハ3703は、接合層3719に隣り合っている受動マトリックス集積回路または能動マトリックス集積回路を有するベース層3715を含むことが可能である。ベース層3715は、Siを含むことが可能であり、複数のドライバ回路3739を有するASICウェハであることが可能である。たとえば、それぞれのドライバ回路3739は、2つのトランジスタおよび1つのコンデンサを有する2T1Cピクセル構造を含むことが可能である。接合層3719は、金属、酸化物、誘電体、CuSn、および/またはAuTiなど、さまざまな材料を含むことが可能である。パターン化された層3730は、接合層3719の表面上に形成することが可能である。パターン化された層3730は、Cu、Ag、Au、Pt、Ti、Al、またはそれらの任意の組合せなどの材料で作られた金属グリッドを含むことが可能である。
【0203】
第1のウェハ3701は、接合層3713、パターン化された層3718、接合層3719、およびパターン化された層3730を介して第2のウェハ3703に接合されることが可能である。
図37Aに示されているように、第1のウェハ3701は、下へ(すなわち、第2のウェハ3703の方へ)向いている第1のウェハ3701のp側で第2のウェハ3703に接合されている。第1のウェハ3701および第2のウェハ3703は、第1のウェハ3701の接合層3713内のp接点3729と第2のウェハ3703の接合層3719内の金属パッド3741との高精度の位置合わせによって接合のために位置合わせされることが可能である。第1のウェハ3701および第2のウェハ3703が位置合わせされた後、第1のウェハ3701および第2のウェハ3703は、誘電接合および金属接合を含む2ステップのハイブリッド接合方法によって接合されることが可能である。たとえば、第1のウェハ3701の接合層3713における誘電材料の誘電接合は、第2のウェハ3703の接合層3719に誘電材料(たとえば、薄膜3743)を使用して行われることが可能である。誘電接合は、室温で行われることが可能である。両誘電材料は、たとえば、SiCN、SiO
2、SiN、Al
2O
3、HfO
2、ZrO
2、Ta
2O
5などを含むことが可能である。次いで、第1のウェハ3701の接合層3713におけるp接点3729の金属接合が、第2のウェハ3703の接合層3719における金属パッド3741に対して行われることが可能である。金属接合は、150℃から250℃の間など、室温よりも高い温度でp接点3729および金属パッド3741をアニーリングすることによって行われることが可能である。p接点3729および金属パッド3741は、たとえば、Cu、Au、Al、W、Mo、Ag、Ni、Ti、Pt、Pd、またはその任意の組合せを含むことが可能である。接合後、基板3705は、第1のウェハ3701から除去されることが可能であり、第1のウェハ3701は、n側から処理されることが可能である。処理は、 個々のLEDに対応する光学部品の形成を含むことが可能である。
【0204】
第1のウェハ3701および第2のウェハ3703が、異なる熱膨張率(CTE)を有する材料を含むので、金属接合は、第1のウェハ3701および第2のウェハ3703において形成される異なるそりを引き起こす場合がある。異なるそりは、振れを引き起こす場合があり、振れは、p接点3729の中心が金属パッド3741の中心に対して位置合わせ不良になるときに起こり得る。異なるCTEを補償するために、誘電接合を行う後に、ならびに金属接合を行う前ならびに/またはp接点3729および/もしくは金属パッド3741のディッシングを行う前に、基板3705における隣り合ったメサ構造どうしの間にトレンチを形成すること、基板3705におけるメサ構造のグループどうしの間にトレンチを形成すること、基板3705の一部または全部を通じてトレンチを形成すること、第1のウェハ3701および/または第2のウェハ3703上にCTE補償層を形成すること、第1のウェハ3701および/または第2のウェハ3703を凹形状に形成することなど、さまざまな方法が使用され得る。
【0205】
図37Bは、特定の実施形態によるハイブリッド接合によって形成されることが可能であるLEDアレイ 3700の例を示す。
図37Bにおいて示されている例においては、3つのLED3725が、接合層3719を介して第2のウェハ3703に接合されるように示されている。それぞれのLED3725は、金属パッド3741に電気的に接触しているp接点3729を含む。さらに、隣り合ったLED3725どうしの間のn接点3727は、金属パッド3745に電気的に接触していることが可能である。n接点3727および金属パッド3745は、Cuまたは別の金属など、さまざまな材料を含むことが可能である。薄膜3743は、隣り合った金属パッド3741および3745のそれぞれのペアの間に設けられることが可能である。薄膜3743は、SiCNなど、さまざまな材料を含むことが可能である。金属パッド3741、薄膜3743、および金属パッド3745は、接合層3719を構成することができる。
【0206】
さまざまな光学部品は、LED3725に対応するように形成されることが可能である。たとえば、光学部品は、格子3731。反射防止(AR)コーティング3735、および/またはレンズ3733を含むことが可能である。光学部品は、LED3725のn側に形成することが可能である。3つの異なる二次光学部品は、LED3725上に形成され得る二次光学部品のいくつかの例を示すために、
図37Bに示されており、これは、異なる二次光学部品が、あらゆるLEDアレイに対して同時に使用されることを必ずしも意味しない。いくつかの実施形態においては、LEDは、マイクロレンズおよび反射防止コーティング、半導体材料にエッチングされたマイクロレンズおよび誘電材料層にエッチングされたマイクロレンズ、マイクロレンズおよび格子、球面レンズおよび非球面レンズ等など、複数の対応する二次光学部品を有することが可能である。
【0207】
図38は、特定の実施形態による接合されるウェハスタック上にマイクロレンズまたは他の二次光学部品を有するマイクロLEDのアレイを形成する方法の例を示す。接合されるウェハスタックは、n型半導体層に隣り合った基板(たとえば、基板3605または3705)を少なくとも一部除去するために、(たとえば、グラインディング、ラッピング、研磨、横方向エッチングなど)処理され得る。マイクロLEDのアレイのために小さいピッチ(たとえば、<10μm)が望まれるとき、基板は、ウェハスタック3810によって示されているようにn型半導体層を暴露するために完全に除去されることが可能である。
【0208】
赤色マイクロLEDについては、基板上に成長されたエピタキシャル層は、より高い内部量子効率(IQE)を実現するために、厚い(たとえば、約2μmから約5μm)ものであることが可能である。ウェハスタック3810は、個々のマイクロLED3820を隔てる深いトレンチ3822をエッチングするためにたとえば、高いエッチレート、高い選択性、および低い損傷を有する誘導結合プラズマ(ICP)エッチングプロセスを使用してエッチングされることが可能である。それぞれのマイクロLED3820は、垂直メサ構造または(たとえば、
図18Aに示されているような)内側に傾いたメサ構造を含むことが可能である。垂直メサ構造の側壁における表面再結合損失(SRL)を低減するために、量子井戸相互混合、イオン注入、欠陥エッチング、および表面清浄など、さまざまな方法が使用されることが可能である。誘電層および/または金属層は、メサ反射器を形成するために、および/または表面再結合損失を低減し、内部量子効率を改善するために、マイクロLED3820の側壁に(たとえば、ALDを使用して)堆積されることが可能である。格子またはマイクロレンズなどの光学部品3830は、n型半導体材料層またはn型半導体層上に堆積された層にエッチングされることが可能である。
【0209】
緑色または青色マイクロLEDについては、CMP、水平光電気化学(PEC)エッチング、エッチストップ層などを使用する垂直エッチングが、高い光抽出効率を実現するために、高精度(たとえば、±25nm)で、n型半導体層を所望の厚さ(たとえば、約1μm以下)まで薄くするために使用される可能性がある。薄くされたウェハスタック3840は、たとえば、トレンチ3850を形成するために、ICPを使用して、n型側からエッチングされ得る。量子井戸相互混合、イオン注入、欠陥エッチング、および表面清浄など、さまざまな方法が、垂直メサ構造の側壁における表面再結合損失を低減するために使用されることが可能である。誘電層および/または金属層は、パッシベーション層およびメサ反射器形成するために、ならびに/または表面再結合損失を低減し、内部量子効率を改善するために、トレンチ3850の側壁に(たとえば、ALDを使用して)堆積されることが可能である。格子またはマイクロレンズなどの光学部品3860は、上述されているように、n型半導体材料層またはn型半導体層上に堆積された層にエッチングされることが可能である。
【0210】
図39A~
図39Eは、特定の実施形態によるハイブリッド接合型マイクロLED上にマイクロレンズを形成する方法の例を示している。
図39Aは、第1のウェハ3910(たとえば、第1のウェハ3801)、および第2のウェハ3920(たとえば、第2のウェハ3803)が、たとえば、プラズマ活性化表面接合を使用して一緒に接合されていることを示す。たとえば、接合は、第1のウェハ3910および第2のウェハ3920上の接合層の銅接合を含むことが可能である。
図38Aおよび
図38Bに関連して上述されているように、第1のウェハ3910は、
図39Bに示されているような垂直メサ、放物線メサ、または円錐メサを有するマイクロLEDのアレイを含むことが可能である。メサは、
図38Aに関連して上述されているように、金属反射器を含むことが可能であり、p側から製作されることが可能である。接合されるウェハスタックは、適切な温度でアニールされることが可能である。
【0211】
アニーリング後、第1のウェハ3910の基板は、n型半導体層などのエピタキシャルな層を暴露するために除去されることが可能である。n型半導体層の露出されている表面は、清浄または研磨されてもよく、いくつかの実施形態においては、
図39Cに示されているように、CMP、エッチストップ層を使用した垂直エッチング、犠牲構造を利用した水平PECエッチング、などによって薄くされることが可能である。
【0212】
SiO
2またはSiNx層など、誘電層3930は、たとえば、PECVDを使用してn型半導体層の露出されている表面上に堆積されることが可能である。フォトレジスト層は、誘電層3930に堆積され、たとえば、
図32に関連して上述されているように、バイナリまたはグレースケールマスク、およびフォトリソグラフプロセスを使用してパターン化されることが可能である。パターン化されたフォトレジスト層は、フォトレジスト材料を含むマイクロレンズ3940を形成するようにリフローされることが可能である。いくつかの実施形態においては、マイクロレンズ3940は、マイクロLEDのためのマイクロレンズとして使用されることが可能である。いくつかの実施形態においては、ICPエッチングプロセス(たとえば、FベースICP)は、
図39Dに示されているように、マイクロレンズ3932を誘電層3930に形成するために、フォトレジスト材料におけるマイクロレンズの形状をマスク層へと転写するように行われ得る。
【0213】
いくつかの実施形態においては、マイクロレンズ3932は、マイクロLEDのためのマイクロレンズとして使用されることが可能であり、
図39Eに示されているように、反射防止層3970は、マイクロレンズ3932上にコーティングされることが可能である。いくつかの実施形態においては、
図39Eに示されているように、別のICPエッチングプロセス(たとえば、ClベースのICP)は、n型半導体層におけるマイクロレンズ3960を形成するために、誘電層3930におけるマイクロレンズ3932の形状をn型半導体層に転写するために行われることが可能である。反射防止層3970は、反射を低減し、光抽出効率を改善するために、マイクロレンズ3960上にコーティングされることが可能である。
【0214】
上述されているように、マイクロレンズ3940の形状または高さ外形は、写真露光および/またはリフロープロセスによって制御されることが可能である。マイクロレンズ3932およびマイクロレンズ3960の形状または高さ外形は、フォトレジスト材料と誘電材料(たとえば、SiO2)との間のエッチ選択性、および誘電材料とn型半導体材料との間のエッチ選択性など、エッチングプロセスのエッチ選択性を調節することによって制御されることが可能である。フォトレジストが高温エッチングに適していない場合があるので、中間エッチマスクとして誘電層を使用することで、たとえば、AlGaInPベースの赤色エピ層の改善されたエッチングのために、および異なる材料のための所望の選択性およびレンズ形状についてのICPパラメータの調節のために、n型半導体層のICPエッチングにおいてウェハ温度が約190℃であることを可能にすることができる。
【0215】
VII. 電子システムの例
図40は、本明細書において開示されている例のうちのいくつかを実施するための例示的なニアアイディスプレイ(たとえば、HMDデバイス)の例示的な電子システム4000の簡略化されたブロック図である。電子システム4000は、上述されているHMDデバイスまたはその他のニアアイディスプレイの電子システムとして使用されることが可能である。この例においては、電子システム4000は、1つまたは複数のプロセッサ4010と、メモリ4020とを含むことが可能である。プロセッサ4010は、複数のコンポーネントにおいてオペレーションを実行するための命令を実行するように構成されることが可能であり、たとえば、ポータブル電子デバイス内での実施に適した汎用プロセッサまたはマイクロプロセッサであることが可能である。プロセッサ4010は、電子システム4000内の複数のコンポーネントと通信可能に結合されることが可能である。この通信可能な結合を実現するために、プロセッサ4010は、バス4040を介してその他の示されているコンポーネントと通信することが可能である。バス4040は、電子システム4000内でデータを転送するように適合されている任意のサブシステムであることが可能である。バス4040は、データを転送するための複数のコンピュータバスおよび追加の回路を含むことが可能である。
【0216】
メモリ4020は、プロセッサ4010に結合されることが可能である。いくつかの実施形態においては、メモリ4020は、短期および長期の両方の格納を提供することが可能であり、いくつかのユニットへと分割されることが可能である。メモリ4020は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)および/もしくはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など、揮発性であること、ならびに/または読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等など、不揮発性であることが可能である。さらにメモリ4020は、セキュアデジタル(SD)カードなど、取り外し可能なストレージデバイスを含むことが可能である。メモリ4020は、電子システム4000に関するコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、およびその他のデータの格納を提供することが可能である。いくつかの実施形態においては、メモリ4020は、別々のハードウェアモジュールへと分散されることが可能である。命令のセットおよび/またはコードが、メモリ4020上に格納されることが可能である。命令は、電子システム4000によって実行可能であり得る実行可能コードの形態を取ることが可能であり、ならびに/またはソースおよび/もしくはインストール可能コードの形態を取ることが可能であり、これは、(たとえば、さまざまな一般的に利用可能なコンパイラ、インストレーションプログラム、圧縮/解凍ユーティリティーなどのいずれかを使用した)電子システム4000上でのコンパイルおよび/またはインストール時に、実行可能コードの形態を取ることが可能である。
【0217】
いくつかの実施形態においては、メモリ4020は、複数のアプリケーションモジュール4022~4024を格納することが可能であり、これらは、任意の数のアプリケーションを含むことが可能である。アプリケーションの例は、ゲーミングアプリケーション、会議アプリケーション、ビデオ再生アプリケーション、またはその他の適切なアプリケーションを含むことが可能である。アプリケーションは、奥行き感知機能またはアイトラッキング機能を含むことが可能である。アプリケーションモジュール4022~1824は、プロセッサ4010によって実行されることになる特定の命令を含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、アプリケーションモジュール4022~1824のうちの特定のアプリケーションまたは部分は、その他のハードウェアモジュール4080によって実行可能であり得る。特定の実施形態においては、メモリ4020は、セキュアなメモリを追加で含むことが可能であり、これは、セキュアな情報に対するコピーまたはその他の不正アクセスを防止するための追加のセキュリティー制御を含むことが可能である。
【0218】
いくつかの実施形態においては、メモリ4020は、その中にロードされているオペレーティングシステム4025を含むことが可能である。オペレーティングシステム4025は、アプリケーションモジュール4022~1824によって提供される命令の実行を開始するように、ならびに/またはその他のハードウェアモジュール4080と、1つまたは複数のワイヤレストランシーバを含むことが可能であるワイヤレス通信サブシステム4030とのインターフェースとを管理するように動作可能であり得る。オペレーティングシステム4025は、スレッド化、リソース管理、データストレージ制御、およびその他の同様の機能性を含めて、電子システム4000のコンポーネントどうしにわたるその他のオペレーションを実行するように適合されることが可能である。
【0219】
ワイヤレス通信サブシステム4030は、たとえば、赤外線通信デバイス、ワイヤレス通信デバイスおよび/もしくはチップセット(Bluetooth(登録商標)デバイス、IEEE802.11デバイス、Wi-Fiデバイス、WiMAXデバイス、セルラー通信設備等など)、ならびに/または同様の通信インターフェースを含むことが可能である。電子システム4000は、ワイヤレス通信のための1つまたは複数のアンテナ4034を、ワイヤレス通信サブシステム4030の一部として、またはシステムのいずれかの部分に結合されている別個のコンポーネントとして含むことが可能である。所望の機能性に応じて、ワイヤレス通信サブシステム4030は、ベーストランシーバステーションならびにその他のワイヤレスデバイスおよびアクセスポイントと通信するための別個のトランシーバを含むことが可能であり、その通信は、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、またはワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)など、さまざまなデータネットワークおよび/またはネットワークタイプと通信することを含むことが可能である。WWANは、たとえば、WiMax(IEEE802.16)ネットワークであることが可能である。WLANは、たとえば、IEEE802.11xネットワークであることが可能である。WPANは、たとえば、Bluetoothネットワーク、IEEE802.15x、またはいくつかのその他のタイプのネットワークであることが可能である。本明細書において記述されている技術は、WWAN、WLAN、および/またはWPANの任意の組合せのために使用されることも可能である。ワイヤレス通信サブシステム4030は、ネットワーク、その他のコンピュータシステム、および/または、本明細書において記述されているその他の任意のデバイスとの間でデータがやり取りされることを許可することが可能である。ワイヤレス通信サブシステム4030は、アンテナ4034およびワイヤレスリンク4032を使用して、HMDデバイスの識別子、位置データ、地理的マップ、ヒートマップ、写真、またはビデオなどのデータを送信または受信するための手段を含むことが可能である。ワイヤレス通信サブシステム4030、プロセッサ4010、およびメモリ4020はともに、本明細書において開示されているいくつかの機能を実行するための手段のうちの1つまたは複数の少なくとも一部を含むことが可能である。
【0220】
電子システム4000の実施形態は、1つまたは複数のセンサ4090を含むことも可能である。センサ4090は、たとえば、画像センサ、加速度計、圧力センサ、温度センサ、近接センサ、磁力計、ジャイロスコープ、慣性センサ(たとえば、加速度計とジャイロスコープとを組み合わせるモジュール)、環境光センサ、または、奥行きセンサもしくは位置センサなど、感覚出力を提供するように、および/もしくは感覚入力を受信するように動作可能なその他の任意の同様のモジュールを含むことが可能である。たとえば、いくつかの実施態様においては、センサ4090は、1つもしくは複数の慣性測定ユニット(IMU)および/または1つもしくは複数の位置センサを含むことが可能である。IMUは、位置センサのうちの1つまたは複数から受信された測定信号に基づいて、HMDデバイスの初期位置に対するHMDデバイスの推定位置を示す較正データを生成することが可能である。位置センサは、HMDデバイスの動きに応答して1つまたは複数の測定信号を生成することが可能である。位置センサの例は、1つもしくは複数の加速度計、1つもしくは複数のジャイロスコープ、1つもしくは複数の磁力計、動きを検知する別の適切なタイプのセンサ、IMUのエラー訂正のために使用されるタイプのセンサ、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能であるが、それらには限定されない。位置センサは、IMUの外部に、IMUの内部に、またはそれらの任意の組合せで配置されることが可能である。少なくともいくつかのセンサは、感知のために、構造化された光パターンを使用することが可能である。
【0221】
電子システム4000は、ディスプレイモジュール4060を含むことが可能である。ディスプレイモジュール4060は、ニアアイディスプレイであることが可能であり、画像、ビデオ、およびさまざまな指示などの情報を電子システム4000からユーザにグラフィカルに提示することが可能である。そのような情報は、1つもしくは複数のアプリケーションモジュール4022~1824、仮想現実エンジン4026、1つもしくは複数のその他のハードウェアモジュール4080、それらの組合せ、または、ユーザのためのグラフィカルコンテンツを解像するためのその他の任意の適切な手段(たとえば、オペレーティングシステム4025によって)から導出されることが可能である。ディスプレイモジュール4060は、LCDテクノロジー、LEDテクノロジー(たとえば、OLED、ILED、μ-LED、AMOLED、TOLEDなどを含む)、発光ポリマーディスプレイ(LPD)テクノロジー、またはその他の何らかのディスプレイテクノロジーを使用することが可能である。
【0222】
電子システム4000は、ユーザ入力/出力モジュール4070を含むことが可能である。ユーザ入力/出力モジュール4070は、ユーザがアクション要求を電子システム4000へ送信することを可能にすることができる。アクション要求は、特定のアクションを実行するための要求であることが可能である。たとえば、アクション要求は、アプリケーションを開始することもしくは終了すること、またはアプリケーション内で特定のアクションを実行することであることが可能である。ユーザ入力/出力モジュール4070は、1つまたは複数の入力デバイスを含むことが可能である。例示的な入力デバイスは、タッチスクリーン、タッチパッド、マイクロフォン、ボタン、ダイヤル、スイッチ、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、または、アクション要求を受信して、その受信されたアクション要求を電子システム4000へ通信するためのその他の任意の適切なデバイスを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、ユーザ入力/出力モジュール4070は、電子システム4000から受信された命令に従って触覚フィードバックをユーザに提供することが可能である。たとえば、触覚フィードバックは、アクション要求が受信されたときに、または実行されたときに提供されることが可能である。
【0223】
電子システム4000は、たとえば、ユーザの目の位置を追跡把握する目的で、ユーザの写真またはビデオを撮影するために使用されることが可能であるカメラ4050を含むことが可能である。カメラ4050は、たとえば、VR、AR、またはMRアプリケーションのために、環境の写真またはビデオを撮影するために使用されることも可能である。カメラ4050は、たとえば、数百万または数千万ピクセルを伴う相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサを含むことが可能である。いくつかの実施態様においては、カメラ4050は、3D画像を取り込むために使用されることが可能である2つ以上のカメラを含むことが可能である。
【0224】
いくつかの実施形態においては、電子システム4000は、複数のその他のハードウェアモジュール4080を含むことが可能である。その他のハードウェアモジュール4080のそれぞれは、電子システム4000内の物理的なモジュールであることが可能である。その他のハードウェアモジュール4080のそれぞれは、構造として恒久的に構成されることが可能であるが、その他のハードウェアモジュール4080のうちのいくつかは、特定の機能を実行するように一時的に構成されること、または一時的にアクティブ化されることが可能である。その他のハードウェアモジュール4080の例は、たとえば、オーディオ出力および/または入力モジュール(たとえば、マイクロフォンまたはスピーカー)、近距離無線通信(NFC)モジュール、充電式バッテリー、バッテリー管理システム、有線/ワイヤレスバッテリー充電システムなどを含むことが可能である。いくつかの実施形態においては、その他のハードウェアモジュール4080の1つまたは複数の機能は、ソフトウェアで実施されることが可能である。
【0225】
いくつかの実施形態においては、電子システム4000のメモリ4020は、仮想現実エンジン4026を格納することも可能である。仮想現実エンジン4026は、電子システム4000内のアプリケーションを実行すること、およびHMDデバイスの位置情報、加速度情報、速度情報、予測される今後の位置、またはそれらの任意の組合せをさまざまなセンサから受信することが可能である。いくつかの実施形態においては、仮想現実エンジン4026によって受信された情報は、ディスプレイモジュール4060への信号(たとえば、表示命令)を生成するために使用されることが可能である。たとえば、受信された情報が、ユーザが左を見たことを示している場合には、仮想現実エンジン4026は、仮想環境におけるユーザの動きを反映するHMDデバイスのためのコンテンツを生成することが可能である。加えて、仮想現実エンジン4026は、ユーザ入力/出力モジュール4070から受信されたアクション要求に応答してアプリケーション内でアクションを実行すること、およびフィードバックをユーザに提供することが可能である。提供されるフィードバックは、視覚、可聴、または触覚フィードバックであることが可能である。いくつかの実施態様においては、プロセッサ4010は、仮想現実エンジン4026を実行することが可能である1つまたは複数のGPUを含むことが可能である。
【0226】
さまざまな実施態様においては、上述のハードウェアおよびモジュールは、単一のデバイス上に、または有線もしくはワイヤレス接続を使用して互いに通信することが可能である複数のデバイス上に実装されることが可能である。たとえば、いくつかの実施態様においては、GPU、仮想現実エンジン4026、およびアプリケーション(たとえば、トラッキングアプリケーション)など、いくつかのコンポーネントまたはモジュールは、ヘッドマウントディスプレイデバイスとは別個のコンソール上に実装されることが可能である。いくつかの実施態様においては、1つのコンソールが、複数のHMDに接続されること、または複数のHMDをサポートすることが可能である。
【0227】
代替構成においては、異なるコンポーネントおよび/または追加のコンポーネントが電子システム4000に含まれることが可能である。同様に、それらのコンポーネントのうちの1つまたは複数の機能性は、上述されている様式とは異なる様式でそれらのコンポーネントの間において分散されることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態においては、電子システム4000は、ARシステム環境および/またはMR環境など、その他のシステム環境を含むように修正されることが可能である。
【0228】
上で論じられている方法、システム、およびデバイスは、例である。さまざまな実施形態は、必要に応じて、さまざまな手順またはコンポーネントを省略すること、置換すること、または追加することが可能である。たとえば、代替構成においては、記述されている方法は、記述されているのとは異なる順序で実行されることが可能であり、ならびに/またはさまざまな段階が追加されること、省略されること、および/もしくは組み合わされることが可能である。また、特定の実施形態に関して記述されている特徴どうしは、さまざまなその他の実施形態において組み合わされることが可能である。実施形態の別々の態様および要素は、同様の様式で組み合わされることが可能である。また、テクノロジーは進化しており、したがって、要素のうちの多くは例であり、それらの例は、本開示の範囲をそれらの特定の例に限定するものではない。
【0229】
実施形態の徹底的な理解を提供するために、記述においては具体的な詳細が与えられている。しかしながら、実施形態は、これらの具体的な詳細を伴わずに実施されることが可能である。たとえば、よく知られている回路、プロセス、システム、構造、および技術は、実施形態をわかりにくくすることを回避するために、不必要な詳細を伴わずに示されている。この記述は、例示的な実施形態を提供しているだけであり、本発明の範囲、適用可能性、または構成を限定することを意図されているものではない。むしろ、実施形態についての前述の記述は、さまざまな実施形態を実施するための有効な記述を当業者に提供するであろう。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置においてさまざまな変更が行われることが可能である。
【0230】
また、いくつかの実施形態は、流れ図またはブロック図として示されているプロセスとして記述された。それぞれが、オペレーションを順次プロセスとして記述している場合があるが、オペレーションのうちの多くは、並列にまたは同時に実行されることが可能である。加えて、オペレーションどうしの順序は、並べ替えられることが可能である。プロセスは、図に含まれていない追加のステップを有することが可能である。さらに、これらの方法の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組合せによって実施されることが可能である。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードで実施される場合には、関連付けられているタスクを実行するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、ストレージメディアなどのコンピュータ可読メディアに格納されることが可能である。プロセッサは、関連付けられているタスクを実行することが可能である。
【0231】
具体的な要件に従って実質的な変更が行われることが可能であるということは当業者にとって明らかであろう。たとえば、カスタマイズされたもしくは専用のハードウェアが使用されることも可能であり、および/または特定の要素が、ハードウェア、ソフトウェア(アプレット等などのポータブルソフトウェアを含む)、もしくは両方で実装されることが可能である。さらに、ネットワーク入力/出力デバイスなどのその他のコンピューティングデバイスへの接続が採用されることが可能である。
【0232】
添付の図を参照すると、メモリを含むことが可能であるコンポーネントは、非一時的なマシン可読メディアを含むことが可能である。「マシン可読メディア」および「コンピュータ可読メディア」という用語は、マシンを特定の様式で動作させるデータを提供することに関与する任意のストレージメディアを指すことが可能である。上で提供されている実施形態においては、さまざまなマシン可読メディアが、実行のために処理ユニットおよび/またはその他のデバイスに命令/コードを提供することに関与することが可能である。追加として、または代替として、マシン可読メディアは、そのような命令/コードを格納および/または搬送するために使用されることが可能である。多くの実施態様においては、コンピュータ可読メディアは、物理的なおよび/または有形のストレージメディアである。そのようなメディアは、不揮発性メディア、揮発性メディア、および送信メディアを含むがそれらには限定されない多くの形態を取ることが可能である。コンピュータ可読メディアの一般的な形態は、たとえば、コンパクトディスク(CD)もしくはデジタル多用途ディスク(DVD)などの磁気および/もしくは光メディア、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有するその他の物理的なメディア、RAM、プログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、フラッシュEPROM、その他の任意のメモリチップもしくはカートリッジ、以降で記述されている搬送波、またはコンピュータが命令および/もしくはコードを読み出すことが可能であるその他の任意のメディアを含む。コンピュータプログラム製品は、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、アプリケーション(アプリ)、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラスを表すことが可能であるコードおよび/もしくはマシン実行可能命令、または命令、データ構造、もしくはプログラムステートメントの任意の組合せを含むことが可能である。
【0233】
本明細書において記述されているメッセージを通信するために使用される情報および信号は、さまざまな異なるテクノロジーおよび技術のうちのいずれかを使用して表されることが可能であるということを当業者なら理解するであろう。たとえば、上の記述全体を通して参照されることが可能であるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは粒子、光場もしくは粒子、またはそれらの任意の組合せによって表されることが可能である。
【0234】
本明細書において使用される「および」および「または」という用語は、そのような用語が使用される文脈に少なくとも部分的に依存することも予想されるさまざまな意味を含むことが可能である。典型的には、「または」は、A、B、またはCなどのリストを関連付けるために使用される場合には、A、B、およびC(ここでは包括的な意味で使用される)、ならびにA、B、またはC(ここでは排他的な意味で使用される)を意味することを意図されている。加えて、本明細書において使用される「1つまたは複数」という用語は、単数形の任意の機能、構造、もしくは特徴を記述するために使用されることが可能であり、または機能、構造、もしくは特徴の何らかの組合せを記述するために使用されることが可能である。しかしながら、これは単に説明例であり、特許請求されている主題は、この例に限定されるものではないということに留意されたい。さらに、「~の少なくとも1つ」という用語は、A、B、またはCなどのリストを関連付けるために使用される場合には、A、AB、AC、BC、AA、ABC、AAB、AABBCCC等など、A、B、および/またはCの任意の組合せを意味すると解釈されることが可能である。
【0235】
さらに、特定の実施形態が、ハードウェアおよびソフトウェアの特定の組合せを使用して記述されてきたが、ハードウェアおよびソフトウェアのその他の組合せも可能であるということを認識されたい。特定の実施形態は、ハードウェアのみで、またはソフトウェアのみで、またはそれらの組合せを使用して実施されることが可能である。一例においては、ソフトウェアは、本開示において記述されているステップ、オペレーション、またはプロセスのいずれかまたはすべてを実行するために1つまたは複数のプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムコードまたは命令を含むコンピュータプログラム製品を用いて実装されることが可能であり、この場合、コンピュータプログラムは、非一時的コンピュータ可読メディア上に格納されることが可能である。本明細書において記述されているさまざまなプロセスは、同じプロセッサまたは別々のプロセッサ上で任意の組合せで実施されることが可能である。
【0236】
デバイス、システム、コンポーネント、またはモジュールが、特定のオペレーションまたは機能を実行するように構成されているものとして記述されている場合には、そのような構成は、たとえば、オペレーションを実行するための電子回路を設計することによって、プログラム可能な電子回路(マイクロプロセッサなど)を、オペレーションを実行するようにプログラムすることによって、たとえば、コンピュータ命令もしくはコード、または非一時的なメモリメディア上に格納されているコードもしくは命令を実行するようにプログラムされたプロセッサもしくはコア、またはそれらの任意の組合せを実行することによって達成されることが可能である。プロセスは、プロセス間通信のための従来の技術を含むがそれらには限定されないさまざまな技術を使用して通信することが可能であり、プロセスどうしの別々のペアが、別々の技術を使用することが可能であり、またはプロセスどうしの同じペアが、別々の時点で別々の技術を使用することが可能である。
【0237】
したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味でみなされるべきである。しかしながら、特許請求の範囲に記載されているさらに広い精神および範囲から逸脱することなく、追加、削減、削除、およびその他の修正および変更が行われることが可能であるということは明らかであろう。したがって、特定の実施形態が記述されているが、これらは、限定することを意図されているものではない。さまざまな修正および均等物は、添付の特許請求の範囲の範疇内にある。
【国際調査報告】