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特表2022-551550ブラッグ回折格子を有する人工現実システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-12
(54)【発明の名称】ブラッグ回折格子を有する人工現実システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20221205BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500502
(86)(22)【出願日】2020-10-13
(85)【翻訳文提出日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 US2020055442
(87)【国際公開番号】W WO2021076533
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】62/914,673
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/063,190
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】チアン, インフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ルー, ルー
(72)【発明者】
【氏名】ユイ, ハオ
【テーマコード(参考)】
2H199
2H249
【Fターム(参考)】
2H199CA04
2H199CA23
2H199CA24
2H199CA25
2H199CA30
2H199CA42
2H199CA45
2H199CA50
2H199CA54
2H199CA62
2H199CA67
2H199CA92
2H199CA94
2H249AA02
2H249AA12
2H249AA60
2H249AA62
(57)【要約】
光学アセンブリは、導波路と、光を導波路の中または外に結合するように構成されたブラッグ回折格子とを含み得る。ブラッグ回折格子は、複数の層対を含み得、少なくとも1つの層対は、第1の屈折率を有する第1の材料と第2の屈折率を有する第2の層とを含み、ブラッグ回折格子の特性は、少なくとも2色の光に対してブラッグ回折格子が実質的に同様の回折効率と回折角を示すように選択される。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波路と、
光を前記導波路の中または外に結合するように構成されたブラッグ回折格子と
を含む光学アセンブリであって、前記ブラッグ回折格子が複数の層対を含み、少なくとも1つの層対が、第1の屈折率を有する第1の材料と第2の屈折率を有する第2の層とを含み、前記ブラッグ回折格子の特性が、少なくとも2色の光に対して前記ブラッグ回折格子が実質的に同様の回折効率および回折角を示すように選択される、光学アセンブリ。
【請求項2】
前記ブラッグ回折格子が、反射型ブラッグ回折格子または透過型ブラッグ回折格子を含む、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項3】
前記ブラッグ回折格子の前記特性が、第1の波長を有する第1の光および第2の波長を有する第2の光に対して前記ブラッグ回折格子が実質的に同様の回折効率を示すように選択され、前記第1の波長が、前記第2の波長と少なくとも約50nmだけ異なる、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項4】
前記ブラッグ回折格子の前記特性が、3色の光に対して前記ブラッグ回折格子が実質的に同様の回折効率を示すように選択される、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項5】
3色の前記光が、約430nmから約450nmの間の波長を有する光、約525nmから約550nmの間の波長を有する光、および約650nmから約675nmの間の波長を有する光を含む、請求項3に記載の光学アセンブリ。
【請求項6】
前記ブラッグ回折格子が、第2の前記光の回折次数とは異なる第1の前記光の回折次数について、少なくとも2色の光に対して実質的に同様の回折効率を示す、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項7】
前記特性が、前記第1の屈折率、前記第2の屈折率、前記第1の屈折率と前記第2の屈折率の平均、または前記層対の厚さのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項8】
前記層対が主平面を画定し、前記導波路が主平面を画定し、前記層対の前記主平面が、前記導波路の前記主平面に対して非平行かつ非垂直な角度で向けられる、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項9】
前記複数の層対の各層対が前記第1の材料と第2の材料とを含み、各層対の厚さが実質的に同じである、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項10】
前記ブラッグ回折格子が入力結合回折格子である、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項11】
前記ブラッグ回折格子が出力結合回折格子である、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項12】
前記ブラッグ回折格子が入力結合回折格子であり、出力結合回折格子をさらに含み、前記出力結合回折格子が、
第2の複数の層対を含み、前記第2の複数の層対の第2の層対が、第3の屈折率を有する第3の材料と第4の屈折率を有する第4の層とを含み、前記出力結合回折格子の特性が、少なくとも2色の光に対して前記出力結合回折格子が実質的に同様の回折効率および回折角を示すように選択される、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項13】
前記ブラッグ回折格子を介して光を前記導波路の中へ方向付けるように構成されたプロジェクタをさらに含む、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項14】
請求項1および13の光学アセンブリを備える、ヘッドマウントディスプレイ。
【請求項15】
少なくとも2色の光に対してブラッグ回折格子が実質的に同様の回折効率および回折角を示すように、前記ブラッグ回折格子の特性を決定することであって、前記ブラッグ回折格子が、光を導波路の中または外に結合するように構成され、前記ブラッグ回折格子が複数の層対を含み、層対が、第1の屈折率を有する第1の材料と第2の屈折率を有する第2の層とを含む、ブラッグ回折格子の特性を決定することと、
導波路を備えた前記ブラッグ回折格子を組み立てることと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年10月14日に出願された米国仮特許出願第62/914,673号に対する利益を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、拡張現実システムおよび/または複合現実システムなどの人工現実システムに関する。
【背景技術】
【0003】
人工現実システムは、コンピュータゲーム、健康と安全、産業、および教育などの多くの分野で応用されている。いくつかの例として、人工現実システムは、モバイルデバイス、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、映画館、およびテーマパークに組み込まれている。一般に、人工現実は、ユーザへの提示前に何らかの方法で調整された現実の形式であり、たとえば、仮想現実、拡張現実、複合現実、ハイブリッド現実、またはこれらの何らかの組合せおよび/もしくはその派生物を含み得る。
【0004】
人工現実システムは、多くの場合、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使用してユーザに画像を提示する。HMDによって表示された画像をユーザが快適に観視できるようにするために、光学系を使用して、光を成形し、その光をユーザの眼へ方向付ける。ユーザはHMDを自分の頭に装着するので、サイズおよび重量は重要な考慮事項である。さらに、快適な観視体験を可能にするためには、画像のアーチファクトもしくは歪みを低減または排除することが重要である。
【発明の概要】
【0005】
一般に、本開示は、人工現実システムについて説明し、より詳細には、光を導波路の中および/または外に結合するための少なくとも1つのブラッグ回折格子を含む光学アセンブリを含む人工現実システムについて説明する。たとえば、ブラッグ回折格子が複数の異なる波長の光に対して同様の回折効率および回折角を有するように選択された特性を有するブラッグ回折格子について説明する。たとえば、本明細書に記載のブラッグ回折格子は、具体的には、スペクトル内の緑色、赤色、および青色の領域に対応する光の波長に対して同様の回折効率および回折角を示すように構成され得る。ブラッグ回折格子は、反射型または透過型のブラッグ回折格子であり得る。これにより、人工現実システム内の緑色、赤色、および青色の光を制御および出力するための光学素子として使用される導波路の数を低減することが可能になり、したがって、人工現実システムのサイズおよび/または重量を低減すること、および/または人工現実システムの位置合せおよび組立ての複雑さを軽減することが可能になり得る。
【0006】
1つまたは複数の例示的な態様において、本出願は、導波路と、光を導波路の中または外に結合するように構成されたブラッグ回折格子とを含む光学アセンブリであって、ブラッグ回折格子が複数の層対を含み、少なくとも1つの層対が、第1の屈折率を有する第1の材料と第2の屈折率を有する第2の層とを含み、ブラッグ回折格子の特性が、少なくとも2色の光に対してブラッグ回折格子が実質的に同様の回折効率および回折角を示すように選択される、光学アセンブリについて説明する。
【0007】
ブラッグ回折格子は、反射型ブラッグ回折格子を含み得る。
【0008】
ブラッグ回折格子は、透過型ブラッグ回折格子を含み得る。
【0009】
ブラッグ回折格子の特性は、第1の波長を有する第1の光および第2の波長を有する第2の光に対してブラッグ回折格子が実質的に同様の回折効率を示し得るように選択され得、第1の波長は、第2の波長と少なくとも50nmだけ異なり得る。
【0010】
ブラッグ回折格子の特性は、3色の光に対してブラッグ回折格子が実質的に同様の回折効率を示すように選択され得る。3色の光は、約430nmから約450nmの間の波長を有する光、約525nmから約550nmの間の波長を有する光、および約650nmから約675nmの間の波長を有する光を含み得る。
【0011】
ブラッグ回折格子は、第2の光の回折次数とは異なり得る第1の光の回折次数について、少なくとも2色の光に対して実質的に同様の回折効率を示し得る。
【0012】
特性は、第1の屈折率、第2の屈折率、第1の屈折率と第2の屈折率の平均、または層対の厚さのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0013】
層対は主平面を画定し得、導波路は主平面を画定し得、層対の主平面は、導波路の主平面に対して非平行かつ非垂直な角度で向けられ得る。
【0014】
複数の層対の各層対は、第1の材料と第2の材料とを含み得、各層対の厚さは、実質的に同じであり得る。
【0015】
ブラッグ回折格子は、入力結合回折格子であり得る。
【0016】
ブラッグ回折格子は、出力結合回折格子であり得る。
【0017】
ブラッグ回折格子は、入力結合回折格子であり得、出力結合回折格子をさらに含み得、出力結合回折格子は、第2の複数の層対を含み得、第2の複数の層対の第2の層対は、第3の屈折率を有する第3の材料と第4の屈折率を有する第4の層とを含み得、出力結合回折格子の特性は、少なくとも2色の光に対して出力結合回折格子が実質的に同様の回折効率および回折角を示し得るように選択され得る。
【0018】
光学アセンブリは、ブラッグ回折格子を介して光を導波路の中へ方向付けるように構成されたプロジェクタをさらに含み得る。
【0019】
1つまたは複数の例示的な態様において、本出願は、プロジェクタと、光学アセンブリとを含むヘッドマウントディスプレイについて説明する。光学アセンブリは、導波路と、光を導波路の中または外に結合するように構成されたブラッグ回折格子とを含み、ブラッグ回折格子は複数の層対を含み、層対は、第1の屈折率を有する第1の材料と第2の屈折率を有する第2の層とを含み、ブラッグ回折格子の特性は、少なくとも2色の光に対してブラッグ回折格子が実質的に同様の回折効率および回折角を示すように選択され、プロジェクタは、光を導波路の中へ方向付けるように構成される。
【0020】
ブラッグ回折格子の特性は、約430nmから約450nmの間の波長を有する光、約525nmから約550nmの間の波長を有する光、および約650nmから約675nmの間の波長を有する光に対して、ブラッグ回折格子が実質的に同様の回折効率を示し得るように選択され得る。
【0021】
特性は、第1の屈折率、第2の屈折率、第1の屈折率と第2の屈折率の平均、または層対の厚さのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0022】
層対は主平面を画定し得、導波路は主平面を画定し得、層対の主平面は、導波路の主平面に対して非平行かつ非垂直な角度で向けられ得る。
【0023】
ブラッグ回折格子は、入力結合回折格子であり得、出力結合回折格子をさらに含み得、出力結合回折格子は、第2の複数の層対を含み得、第2の複数の層対の第2の層対は、第3の反射率を有する第3の材料と第4の反射率を有する第4の層とを含み得、出力結合回折格子の特性は、少なくとも2色の光に対して出力結合回折格子が実質的に同様の回折効率を示し得るように選択され得る。
【0024】
1つまたは複数の例示的な態様において、本出願は、少なくとも2色の光に対してブラッグ回折格子が実質的に同様の回折効率および回折角を示すように、ブラッグ回折格子の特性を決定することであって、ブラッグ回折格子が、光を導波路の中または外に結合するように構成され、ブラッグ回折格子が複数の層対を含み、層対が、第1の屈折率を有する第1の材料と第2の屈折率を有する第2の層とを含む、ブラッグ回折格子の特性を決定することと、導波路を備えたブラッグ回折格子を組み立てることとを含む方法について説明する。
【0025】
添付の図面および以下の説明には、1つまたは複数の例に関する詳細が記載されている。説明および図面ならびに特許請求の範囲から、他の特徴、目的、および利点が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示に記載の技法による、光を導波路の中および/または外に結合するための少なくとも1つのブラッグ回折格子を含む例示的な人工現実システムを示す図である。
図2A】本開示に記載の技法による、光を導波路の中および/または外に結合するための少なくとも1つのブラッグ回折格子を含む例示的なHMDを示す図である。
図2B】本開示に記載の技法による、光を導波路の中および/または外に結合するための少なくとも1つのブラッグ回折格子を含む別の例示的なHMDを示す図である。
図3】本開示に記載の技法による、図1の人工現実システムのコンソールおよびHMDの例示的な実装形態を示すブロック図である。
図4】本開示に記載の技法による、人工現実システムのスタンドアロンHMDの一例を示すブロック図である。
図5A】プロジェクタと、導波路と、入力結合回折格子および出力結合回折格子とを含む例示的な光学系を示す概念図である。
図5B】プロジェクタと、導波路と、入力結合回折格子および出力結合回折格子とを含む例示的な光学系を示す概念図である。
図6】例示的な反射型ブラッグ回折格子を示す概念図である。
図7】例示的な別の反射型ブラッグ回折格子を示す概念図である。
図8】例示的な反射型ブラッグ回折格子についてのシミュレートされた反射率対波長のプロットである。
図9】例示的な反射型ブラッグ回折格子についてのシミュレートされた反射効率対波長のプロットである。
図10】例示的な反射型ブラッグ回折格子および446nmの波長を有する光についてのシミュレートされた反射効率対入射角のプロットである。
図11】例示的な反射型ブラッグ回折格子および536nmの波長を有する光についてのシミュレートされた反射効率対入射角のプロットである。
図12】例示的な反射型ブラッグ回折格子および670nmの波長を有する光についてのシミュレートされた反射効率対入射角のプロットである。
図13】例示的な透過型ブラッグ回折格子を示す概念図である。
図14】例示的な透過型ブラッグ回折格子についてのシミュレートされた電磁界強度対回折角のプロットである。
図15】例示的な透過型ブラッグ回折格子についてのシミュレートされた電磁界強度対回折角のプロットである。
図16】例示的な透過型ブラッグ回折格子についてのシミュレートされた電磁界強度対回折角のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本開示に記載の技法による、少なくとも1つのブラッグ回折格子を含む光学アセンブリを含む例示的な人工現実システムを示す図である。図1の例において、人工現実システム100は、HMD112、1つまたは複数のコントローラ114Aおよび114B(総称して「コントローラ114」)を含み、いくつかの例において、1つまたは複数の外部センサ90および/またはコンソール106を含み得る。
【0028】
HMD112は、典型的には、ユーザ110によって着用され、人工現実コンテンツ122をユーザ110に提示するための電子ディスプレイおよび光学アセンブリを含む。さらに、HMD112は、HMD112の動きを追跡するための1つまたは複数のセンサ(たとえば、加速度計)を含み、周囲の物理的環境の画像データを捕捉するための1つまたは複数の画像捕捉デバイス138(たとえば、カメラ、ラインスキャナ)を含み得る。ARシステム100は、ヘッドマウントディスプレイとして示されているが、代替として、または追加として、人工現実コンテンツ122をユーザ110に提示するための眼鏡または他のディスプレイデバイスを含み得る。
【0029】
各コントローラ114は、ユーザ110がコンソール106、HMD112、または人工現実システム100の別の構成要素に入力を提供するために使用することができる入力デバイスである。コントローラ114は、存在検知面の位置に接触または空中停止する1つまたは複数の物体(たとえば、指、スタイラス)の存在を検出することによってユーザ入力を検出するための1つまたは複数の存在検知面を含み得る。いくつかの例において、コントローラ114は、存在検知ディスプレイであり得る出力ディスプレイを含み得る。いくつかの例において、コントローラ114は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA:personal data assistant)、または他のハンドヘルドデバイスであり得る。いくつかの例において、コントローラ114は、スマートウォッチ、スマートリング、または他のウェアラブルデバイスであり得る。コントローラ114はまた、キオスクまたは他の固定型もしくは移動型システムの一部であり得る。代替として、または追加として、コントローラ114は、人工現実システム100によってユーザ110に提示される人工現実コンテンツ122の態様とユーザが対話すること、および/または人工現実コンテンツ122の態様を制御することを可能にするための、1つまたは複数のボタン、トリガ、ジョイスティック、Dパッドなどの他のユーザ入力メカニズムを含み得る。
【0030】
本例において、コンソール106は、ゲーム機、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、またはラップトップなどの単一のコンピューティングデバイスとして示されている。他の例において、コンソール106は、分散コンピューティングネットワーク、データセンタ、またはクラウドコンピューティングシステムなどの複数のコンピューティングデバイスにわたって分散され得る。本例に示すように、コンソール106、HMD112、およびセンサ90は、ネットワーク104を介して通信可能に結合され得、ネットワーク104は、有線ネットワーク、またはWi-Fi、メッシュネットワーク、もしくは短距離無線通信媒体、もしくはそれらの組合せなどの無線ネットワークであり得る。本例では、HMD112がコンソール106と通信しているように、たとえば、コンソール106にテザリングされているように、またはコンソール106と無線通信しているように示されているが、いくつかの実装形態において、HMD112はスタンドアロンのモバイル人工現実システムとして動作し、人工現実システム100は、コンソール106を省略する場合がある。
【0031】
一般に、人工現実システム100は、HMD112でユーザ110に表示するために人工現実コンテンツ122をレンダリングする。図1の例において、ユーザ110は、HMD112および/またはコンソール106上で実行される人工現実アプリケーションによって構築およびレンダリングされた人工現実コンテンツ122を観視する。いくつかの例において、人工現実コンテンツ122は、完全に人工的であり得る、すなわち、ユーザ110が位置している環境に関連しない画像であり得る。いくつかの例において、人工現実コンテンツ122は、拡張現実または複合現実の一部を形成することができ、その拡張現実または複合現実の一部において、人工現実コンテンツ122が実世界の視界上に表示され、実世界の視界に調和し得る。いくつかの例において、人工現実コンテンツ122は、複合現実および/または拡張現実を作成するために、実世界の画像(たとえば、ユーザ110の手、コントローラ114、ユーザ110の近くの他の環境物体)と仮想物体との複合物を含み得る。いくつかの例において、仮想コンテンツアイテムは、たとえば、実世界に対して相対的な特定の位置にマッピング(たとえば、ピン留め、ロック、配置)され得る。仮想コンテンツアイテムの位置は、たとえば、壁または地表のうちの一方を基準にして固定され得る。仮想コンテンツアイテムの位置は、たとえば、コントローラ114またはユーザに関連して可変であり得る。いくつかの例において、人工現実コンテンツ122内の仮想コンテンツアイテムの特定の位置は、実世界の物理的環境内(たとえば、物理的物体の表面上)の位置に関連付けられ得る。
【0032】
動作中、人工現実アプリケーションは、参照フレーム、典型的にはHMD112の視点の姿勢情報を追跡および計算することによって、ユーザ110に表示するための人工現実コンテンツ122を構築する。参照フレームとしてHMD112を使用し、HMD112の現在の推定姿勢によって決定される現在の視野に基づいて、人工現実アプリケーションは3D人工現実コンテンツをレンダリングし、いくつかの例において、3D人工現実コンテンツは、ユーザ110の実世界の3D物理的環境に重ね合わされ得る。このプロセス中、人工現実アプリケーションは、動き情報およびユーザコマンドなどのHMD112から受信した検知データ、いくつかの例では、外部カメラなどの任意の外部センサ90からのデータを使用して、ユーザ110による動きなどの実世界の物理的環境内の3D情報および/またはユーザ110に関する特徴追跡情報を捕捉する。人工現実アプリケーションは、検知データに基づいて、HMD112の参照フレームの現在の姿勢を決定し、現在の姿勢に従って、人工現実コンテンツ122をレンダリングする。
【0033】
人工現実システム100は、ユーザのリアルタイムの注視追跡または他の条件によって決定され得るユーザ110の現在の視野130に基づいて、仮想コンテンツアイテムの生成およびレンダリングをトリガし得る。より具体的には、HMD112の画像捕捉デバイス138は、画像捕捉デバイス138の視野130内にある実世界の物理的環境内の物体を表す画像データを捕捉する。視野130は、典型的には、HMD112の視点に対応する。いくつかの例において、人工現実アプリケーションは、実世界の上に重なっている、複合現実および/または拡張現実を含む人工現実コンテンツ122を提示する。いくつかの例において、人工現実アプリケーションは、人工現実コンテンツ122内などの仮想物体に沿った視野130内にあるユーザ110の周辺デバイス136、手132、および/または腕134の一部分などの実世界の物体の画像をレンダリングし得る。他の例において、人工現実アプリケーションは、人工現実コンテンツ122内の視野130内にあるユーザ110の周辺デバイス136、手132、および/または腕134の一部分の仮想表現をレンダリングし得る(たとえば、実世界の物体を仮想物体としてレンダリングする)。いずれの例においても、ユーザ110は、人工現実コンテンツ122内の視野130内にある自分の手132、腕134、周辺デバイス136、および/または他の任意の実世界の物体の一部分を観視することができる。他の例において、人工現実アプリケーションは、ユーザの手132または腕134の表現をレンダリングしない場合がある。
【0034】
本開示の技法によれば、HMD112は、光を導波路の中および/または外に結合するための少なくとも1つのブラッグ回折格子を含む光学系を含む。光は、たとえば、ユーザ110のために人工現実コンテンツ122を作成するプロジェクタまたはディスプレイから出力される光であり得る。本明細書に記載のように、光学系の1つまたは複数のブラッグ回折格子は、複数の波長または波長範囲の光に対して同様の回折効率および回折角を示すように構成され得る。たとえば、少なくとも1つのブラッグ回折格子は、赤色、緑色、および青色の光に対して同様の回折効率を示すように構成され得る。さらに、少なくとも1つのブラッグ回折格子は、複数の異なる波長または波長範囲(たとえば、赤色、緑色、および青色の光波長範囲)の光を、実質的に同様の回折角で導波路の中および/または外に結合するように構成され得る。少なくとも1つのブラッグ回折格子は、反射型ブラッグ回折格子、透過型ブラッグ回折格子、または反射型ブラッグ回折格子と透過型ブラッグ回折格子の両方を含み得る。
【0035】
いくつかの例において、少なくとも1つのブラッグ回折格子は、複数の層対を含むように構造化され得る。さらに、いくつかの例において、層対の少なくともいくつかは、第1の材料を含む第1の層と第2の材料を含む第2の層とを含み、第1の材料は、第1の屈折率を有し、第2の材料は、第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する。第1の屈折率および第2の屈折率、ならびに第1の層および第2の層の厚さを適切に選択することによって、少なくとも1つのブラッグ回折格子は、複数の波長の光に対して同様の回折効率および回折角を示すように構造化され得る。たとえば、第1の波長の光に対する選択された回折次数の回折効率および回折角は、第2の波長の光に対する選択された回折次数の回折効率および回折角と同様であり得る。選択された回折次数は、第1の波長の光と第2の波長の光で異なり得る。いくつかの例において、第1の波長および第2の波長は、少なくとも50nmまたは少なくとも75nmなど、少なくとも閾値量だけ異なり得る。たとえば、第1の波長は、スペクトルの青色部分からの波長であり得、第2の波長は、スペクトルの緑色部分または赤色部分からの波長であり得る。
【0036】
本明細書に記載の特性を示す少なくとも1つのブラッグ回折格子を含めることによって、画像アーチファクトを低減した状態で、単一の導波路を複数の色の光に使用することができる。たとえば、異なる波長の光(たとえば、光の色)に対して同様の回折効率および/または回折角を示さない単一のインカップリング回折格子および単一のアウトカップル回折格子を使用する光学アセンブリにおいて、出力画像は、入力画像とは異なる色の強度を含み得、異なる波長の異なる回折角に起因して収差を示し得る。これらの欠陥に対する解決策の1つは、選択された波長または波長範囲を回折するように構成された関連する結合回折格子を各導波路が有する、複数の導波路を使用することである。これにより、色の問題および回折角の問題の一部に対処できるが、部品点数が増えるため、コスト、重量、および/またはサイズの増加が生じる可能性がある。さらに、複数の導波路を正確に位置合せすることは困難である場合があり、製造の複雑さおよびコストの増加につながる可能性がある。
【0037】
対照的に、本明細書に記載のブラッグ回折格子は、複数の波長の光に対して、単一のインカップリング回折格子および/または単一のアウトカップリング回折格子を備えた単一の導波路の使用を可能にすることができる。これにより、部品点数を削減し、したがって、光学アセンブリのコスト、重量、および/またはサイズを削減することができ、また複数の導波路を使用する光学アセンブリと比較して製造を簡素化するとともに、依然として、許容可能な光学性能を提供することができる。
【0038】
図2Aは、本開示に記載の技法による、少なくとも1つのブラッグ回折格子を含む光学アセンブリを含む例示的なHMD112を示す図である。図2AのHMD112は、図1のHMD112の一例であり得る。HMD112は、図1の人工現実システム100などの人工現実システムの一部であり得るか、または本明細書に記載の技法を実施するように構成されたスタンドアロンのモバイル人工現実システムとして動作し得る。
【0039】
本例において、HMD112は、前部剛体と、HMD112をユーザに固定するためのバンドとを含む。さらに、HMD112は、光学アセンブリ205を介して人工現実コンテンツをユーザに提示するように構成された内向き電子ディスプレイ203を含む。電子ディスプレイ203は、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、発光ダイオード(LEDディスプレイ、たとえば、マイクロLEDディスプレイ)、アクティブマトリックスOLED(AMOLED)ディスプレイ、シリコン上液晶(LCoS)ディスプレイなどを含む、任意の適切なディスプレイ技術であり得る。いくつかの例において、電子ディスプレイは、立体視ディスプレイであるか、またはユーザの各眼に別々の画像を提供するための2つのディスプレイである。いくつかの例において、HMD112およびユーザの現在の視点に従って人工現実をレンダリングするためにHMD112の位置および向きを追跡するとき、局所原点とも呼ばれる参照フレームとして、HMD112の前部剛体に対するディスプレイ203の既知の向きおよび位置が使用される。他の例において、HMD112は、眼鏡またはゴーグルなどの他のウェアラブルヘッドマウントディスプレイの形態をとり得る。
【0040】
光学アセンブリ205は、HMD112のユーザ(たとえば、図1のユーザ110)による観視のために電子ディスプレイ203によって出力される光を管理するように構成された光学素子を含む。光学素子には、たとえば、電子ディスプレイ203によって出力される光を操作する(たとえば、レンズする、反射する、屈折する、回折する、導くなど)、1つまたは複数のレンズ、1つまたは複数の回折光学素子、1つまたは複数の反射光学素子、1つまたは複数の導波路などが含まれ得る。光学アセンブリ205は、導波路と、光を導波路の中および/または外に結合するように構成された少なくとも1つのブラッグ回折格子とを含み得る。たとえば、光学アセンブリ205は、図1および図5図7を参照して本明細書で説明した光学アセンブリのいずれかであり得る。
【0041】
図2Aにさらに示すように、本例において、HMD112は、HMD112の現在の加速度を示すデータを出力する1つまたは複数の加速度計(慣性測定ユニットまたは「IMU」とも呼ばれる)、HMD112の位置を示すデータを出力するGPSセンサ、様々な物体からのHMD112の距離を示すデータを出力するレーダもしくはソナー、またはHMD112もしくは物理的環境内の他の物体の位置もしくは向きの指標を提供する他のセンサなど、1つまたは複数の動きセンサ206をさらに含む。さらに、HMD112は、物理的環境を表すデータを出力するように構成された、ビデオカメラ、レーザスキャナ、ドップラレーダスキャナ、深度スキャナなどの内蔵された画像捕捉デバイス138Aおよび138B(総称して「画像捕捉デバイス138」)を含み得る。より具体的には、画像捕捉デバイス138は、典型的にはHMD112の視点に対応する画像捕捉デバイス138の視野130A、130B内にある物理的環境内の物体(周辺デバイス136および/または手132を含む)を表す画像データを捕捉する。HMD112は、内部制御ユニット210を含み、内部制御ユニット210は、内部電源と、検知データを処理してディスプレイ203上に人工現実コンテンツを提示するプログラム可能な動作を実行するための動作環境を提供するための、1つまたは複数のプロセッサ、メモリ、およびハードウェアを有する1つまたは複数のプリント回路基板とを含み得る。
【0042】
図2Bは、本開示に記載の技法による、別の例示的なHMD112を示す図である。図2Bに示すように、HMD112は眼鏡の形態をとり得る。図2AのHMD112は、図1のHMD112の一例であり得る。HMD112は、図1の人工現実システム100などの人工現実システムの一部であり得るか、または本明細書に記載の技法を実施するように構成されたスタンドアロンのモバイル人工現実システムとして動作し得る。
【0043】
本例において、HMD112は、HMD112をユーザの鼻に乗せることを可能にするためのブリッジを含む前部フレームと、HMD112をユーザに固定するようにユーザの耳にわたって延在するテンプル(または「アーム」)とを備える眼鏡である。前部フレームおよびアームは、レンズをユーザの眼の前に配置する。レンズは、プロジェクタまたはディスプレイから光を受光し、ユーザによる観視のために光を方向転換するように構成された、光学アセンブリの少なくとも一部を含み得る。たとえば、プロジェクタは、HMD112の前部フレームまたはテンプルに取り付けられ、たとえば、自由視野内でまたは導波路を介して光をレンズに向かって投射し得る。レンズは、光をユーザの眼へ方向付ける1つまたは複数の層またはコーティングを含み得る。このようにして、図2BのHMD112は、人工現実コンテンツをユーザに提示するように構成された1つまたは複数の内向きディスプレイ203Aおよび203B(総称して「ディスプレイ203」)と、ディスプレイ203によって出力された光を管理するように構成された1つまたは複数の光学アセンブリ205Aおよび205B(総称して「光学アセンブリ205」)を効果的に含み得る。いくつかの例において、HMD112およびユーザの現在の視点に従って人工現実をレンダリングするためにHMD112の位置および向きを追跡するとき、局所原点とも呼ばれる参照フレームとして、HMD112の前部フレームに対するHMD112のディスプレイ203またはレンズの既知の向きおよび位置が使用される。
【0044】
図2Bにさらに示すように、本例において、HMD112は、1つまたは複数の動きセンサ206と、1つまたは複数の内蔵された画像捕捉デバイス138Aおよび138B(総称して「画像捕捉デバイス138」)と、内部制御ユニット210とをさらに含み、内部制御ユニット210は、内部電源と、検知データを処理してディスプレイ203上に人工現実コンテンツを提示するプログラム可能な動作を実行するための動作環境を提供するための、1つまたは複数のプロセッサ、メモリ、およびハードウェアを有する1つまたは複数のプリント回路基板とを含み得る。
【0045】
図3は、本開示に記載の技法による、コンソール106およびHMD112を含む人工現実システムの例示的な実装形態を示すブロック図である。図3の例において、コンソール106は、HMD112および/または外部センサから受信した動きデータおよび画像データなどの検知データに基づいて、HMD112に対する姿勢追跡、ジェスチャ検出、およびユーザインターフェースの生成およびレンダリングを実行する。
【0046】
本例において、HMD112は、1つまたは複数のプロセッサ302およびメモリ304を含み、これらは、いくつかの例において、たとえば、組み込みのリアルタイムマルチタスクオペレーティングシステムまたは他のタイプのオペレーティングシステムであり得るオペレーティングシステム305を実行するためのコンピュータプラットフォームを提供する。次に、オペレーティングシステム305は、アプリケーションエンジン340を含む1つまたは複数のソフトウェア構成要素307を実行するためのマルチタスク動作環境を提供する。図2Aおよび図2Bの例に関して述べたように、プロセッサ302は、電子ディスプレイ203、動きセンサ206、画像捕捉デバイス138、およびいくつかの例において、光学アセンブリ205に結合される。いくつかの例において、プロセッサ302およびメモリ304は、別個のディスクリート構成要素であり得る。他の例において、メモリ304は、単一の集積回路内でプロセッサ302と併置されたオンチップメモリであり得る。
【0047】
一般に、コンソール106は、画像捕捉デバイス138から受信した画像および追跡情報を処理して、HMD112に対するジェスチャ検出ならびにユーザインターフェースおよび/または仮想コンテンツの生成を実行するコンピューティングデバイスである。いくつかの例において、コンソール106は、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、またはゲームシステムなどの単一のコンピューティングデバイスである。いくつかの例において、プロセッサ312および/またはメモリ314などのコンソール106の少なくとも一部分は、クラウドコンピューティングシステム、データセンタ全体にわたって、またはインターネット、別のパブリックもしくはプライベート通信ネットワーク、たとえばブロードバンド、セルラ、Wi-Fi、ならびに/またはコンピューティングシステム、サーバ、およびコンピューティングデバイス間でデータを送信するための他のタイプの通信ネットワークなどのネットワーク全体にわたって分散され得る。
【0048】
図3の例において、コンソール106は、1つまたは複数のプロセッサ312およびメモリ314を含み、これらは、いくつかの例において、たとえば、組み込みのリアルタイムマルチタスクオペレーティングシステムまたは他のタイプのオペレーティングシステムであり得るオペレーティングシステム316を実行するためのコンピュータプラットフォームを提供する。次に、オペレーティングシステム316は、1つまたは複数のソフトウェア構成要素317を実行するためのマルチタスク動作環境を提供する。プロセッサ312は、1つまたは複数のI/Oインターフェース315に結合され、これにより、キーボード、ゲームコントローラ、ディスプレイデバイス、画像捕捉デバイス、HMD、周辺デバイスなどの外部デバイスと通信するための1つまたは複数のI/Oインターフェースが提供される。さらに、1つまたは複数のI/Oインターフェース315は、ネットワーク104などのネットワークと通信するための1つまたは複数の有線または無線ネットワークインターフェースコントローラ(NIC)を含み得る。
【0049】
コンソール106のソフトウェアアプリケーション317は、人工現実アプリケーション全体を提供するように動作する。本例において、ソフトウェアアプリケーション317は、アプリケーションエンジン320、レンダリングエンジン322、ジェスチャ検出器324、姿勢トラッカ326、およびユーザインターフェースエンジン328を含む。
【0050】
一般に、アプリケーションエンジン320は、人工現実アプリケーション、たとえば、電話会議アプリケーション、ゲームアプリケーション、ナビゲーションアプリケーション、教育アプリケーション、トレーニングまたはシミュレーションアプリケーションなどを提供および提示するための機能性を含む。アプリケーションエンジン320には、たとえば、コンソール106上に人工現実アプリケーションを実装するための1つまたは複数のソフトウェアパッケージ、ソフトウェアライブラリ、ハードウェアドライバ、および/またはアプリケーションプログラムインターフェース(API)が含まれ得る。レンダリングエンジン322は、アプリケーションエンジン320による制御に応答して、HMD112のアプリケーションエンジン340によってユーザに表示するための3D人工現実コンテンツを生成する。
【0051】
アプリケーションエンジン320およびレンダリングエンジン322は、姿勢トラッカ326によって決定された、参照フレーム、典型的にはHMD112の視点の現在の姿勢情報に従って、ユーザ110に表示するための人工コンテンツを構築する。レンダリングエンジン322は、現在の視点に基づいて3Dの人工現実コンテンツを構築し、いくつかの事例において、3Dの人工現実コンテンツは、ユーザ110の実世界の3D環境に少なくとも部分的に重ね合わされ得る。このプロセスの間、姿勢トラッカ326は、動き情報およびユーザコマンドなどのHMD112から受信した検知データ、いくつかの例では、外部カメラなどの任意の外部センサ90(図1)からのデータに対して動作して、ユーザ110による動きおよび/またはユーザ110に関する特徴追跡情報などの実世界環境内の3D情報を捕捉する。姿勢トラッカ326は、検知データに基づいて、HMD112の参照フレームの現在の姿勢を決定し、現在の姿勢に従って、ユーザ110に表示するために1つまたは複数のI/Oインターフェース315を介してHMD112と通信するための人工現実コンテンツを構築する。
【0052】
姿勢トラッカ326は、HMD112の現在の姿勢を決定し、現在の姿勢に従って、レンダリングされた任意の仮想コンテンツに関連する特定の機能性をトリガする(たとえば、仮想コンテンツアイテムを仮想表面に配置する、仮想コンテンツアイテムを操作する、1つまたは複数の仮想マーキングを生成およびレンダリングする、レーザポインタを生成およびレンダリングする)。いくつかの例において、姿勢トラッカ326は、HMD112が仮想表面(たとえば、仮想ピンボード)に対応する物理的位置に近接しているかどうかを検出して、仮想コンテンツのレンダリングをトリガする。
【0053】
ユーザインターフェースエンジン328は、人工現実環境においてレンダリングするための仮想ユーザインターフェースを生成するように構成される。ユーザインターフェースエンジン328は、仮想描画インターフェース、選択可能なメニュー(たとえば、ドロップダウンメニュー)、仮想ボタン、方向パッド、キーボード、または他のユーザ選択可能なユーザインターフェース要素、グリフ、表示要素、コンテンツ、ユーザインターフェース制御などの1つまたは複数の仮想ユーザインターフェース要素329を含むように、仮想ユーザインターフェースを生成する。
【0054】
コンソール106は、この仮想ユーザインターフェースおよび他の人工現実コンテンツを、HMD112での表示のために通信チャネルを介してHMD112に出力し得る。
【0055】
画像捕捉デバイス138または他のセンサデバイスのいずれかからの検知データに基づいて、ジェスチャ検出器324は、コントローラ114および/またはユーザ110の物体(たとえば、手、腕、手首、指、手のひら、親指)の追跡された動き、構成、位置、および/または向きを分析して、ユーザ110によって実行された1つまたは複数のジェスチャを識別する。より具体的には、ジェスチャ検出器324は、HMD112の画像捕捉デバイス138ならびに/またはセンサ90および外部カメラ102によって捕捉された画像データ内で認識された物体を分析して、コントローラ114ならびに/またはユーザ110の手および/もしくは腕を識別し、HMD112に対するコントローラ114、手、および/または腕の動きを追跡して、ユーザ110によって実行されたジェスチャを識別する。いくつかの例において、ジェスチャ検出器324は、捕捉された画像データに基づいて、コントローラ114、手、指、および/または腕の位置ならびに向きの変化を含む動きを追跡し、物体の動きベクトルを、ジェスチャライブラリ330内の1つまたは複数のエントリと比較して、ユーザ110によって実行されたジェスチャまたはジェスチャの組合せを検出する。いくつかの例において、ジェスチャ検出器324は、コントローラ114の存在検知面によって検出されたユーザ入力を受信し、ユーザ入力を処理して、コントローラ114に関してユーザ110によって実行された1つまたは複数のジェスチャを検出する。
【0056】
図4は、本開示に記載の技法による、HMD112がスタンドアロンの人工現実システムである一例を示すブロック図である。本例では図3のように、HMD112は、1つまたは複数のプロセッサ302およびメモリ304を含み、これらは、いくつかの例において、たとえば、組み込みのリアルタイムマルチタスクオペレーティングシステムまたは他のタイプのオペレーティングシステムであり得るオペレーティングシステム305を実行するためのコンピュータプラットフォームを提供する。次に、オペレーティングシステム305は、1つまたは複数のソフトウェア構成要素417を実行するためのマルチタスク動作環境を提供する。さらに、プロセッサ302は、電子ディスプレイ203、可変焦点光学系205、動きセンサ206、および画像捕捉デバイス138に結合される。
【0057】
図4の例において、ソフトウェア構成要素417は、人工現実アプリケーション全体を提供するように動作する。本例において、ソフトウェアアプリケーション417は、アプリケーションエンジン440、レンダリングエンジン422、ジェスチャ検出器424、姿勢トラッカ426、およびユーザインターフェースエンジン428を含む。様々な例において、ソフトウェア構成要素417は、図3のコンソール106の対応する構成要素(たとえば、アプリケーションエンジン320、レンダリングエンジン322、ジェスチャ検出器324、姿勢トラッカ326、およびユーザインターフェースエンジン328)と同様に動作して、ユーザ110に表示するための人工コンテンツ上にまたは人工コンテンツの一部として重ね合わされた仮想ユーザインターフェースを構築する。
【0058】
図3に関して説明した例と同様に、画像捕捉デバイス138もしくは102、コントローラ114、または他のセンサデバイスのいずれかからの検知データに基づいて、ジェスチャ検出器424は、コントローラ114および/もしくはユーザの物体(たとえば、手、腕、手首、指、手のひら、親指)の追跡された動き、構成、位置、ならびに/または向きを分析して、ユーザ110によって実行された1つまたは複数のジェスチャを識別する。
【0059】
図5Aは、プロジェクタ502、導波路512、ならびに入力結合回折格子510および出力結合回折格子514を含む、例示的な光学アセンブリ500を示す概念図である。入力結合回折格子510および出力結合回折格子514は、本明細書に記載の反射型ブラッグ回折格子を含む。一例として、光学アセンブリ500は、表示コンテンツを生成してユーザ110に出力するためのディスプレイ203および光学系205の要素など、本明細書に記載の人工現実システムのHMD112の光学素子を表し得る。
【0060】
本例において、プロジェクタ502は、ディスプレイ504と、光学系506とを含む。
ディスプレイ504は、たとえば、LDC、OLEDディスプレイ、LEDディスプレイ、たとえば、マイクロLEDディスプレイ、アクティブマトリックスOLED(AMOLED)ディスプレイ、シリコン上液晶(LCoS)ディスプレイなどを含む適切なディスプレイタイプを含み得る。ディスプレイ504は、光学系506で方向付けられた光508A、508B、508C(総称して「光508」)を出力する。光508は、複数の波長、たとえば、3つの波長を含み得る。たとえば、第1の光508Aは第1の波長を含み得、第2の光508Bは第2の波長を含み得、第3の光508Cは第3の波長を含み得る。一例として、第1の光508Aは、約635nmから約700nmの間(約665nmから約675nmまたは約670nmの間など)の範囲内の波長または波長範囲を有する赤色光を含み得、第2の光508Bは、約520nmから約560nmの間(約530nmから約540nmまたは約536nmの間など)の範囲内の波長または波長範囲を有する緑色光を含み得、第3の光508Cは、約440nmから約490nmの間(約440nmから約450nmまたは約446nmの間など)の波長を有する青色光を含み得る。一般に、光508は、少なくとも2つの波長または波長範囲を含み得る。いくつかの例において、波長または波長範囲は、少なくとも約50nm、または少なくとも約75nmだけ異なり得る。波長範囲は、例として、約2nm、約5nm、または約10nmの範囲を含み得る。
【0061】
光学系506は、プロジェクタ502の一部であり得、ディスプレイ504から光508を受光する。光学系506は、ディスプレイ504から導波路512に光を方向付けるように構成された1つまたは複数の光学素子を含み得る。たとえば、光学系506は、ディスプレイによって出力される光を制御するために、1つまたは複数のレンズ要素、1つまたは複数の偏光制御要素、1つまたは複数の反射器などを含み得る。いくつかの例において、光学系506は、ディスプレイ504によって出力される光を実質的にコリメート(たとえば、コリメートまたはほぼコリメート)し得る。
【0062】
導波路512は、導波路512のある部分(たとえば、隣接する入力結合回折格子510)から(たとえば、出力結合回折格子514に隣接する)導波路512の別の部分に光を方向付けるための任意の適切な材料または材料の組合せを含む。たとえば、導波路512は、コア材料およびコーティング材料を含み得、コア材料およびコーティング材料は、それらの屈折率が光の少なくともいくつかの入力角に対して全内部反射をサポートするように選択される。別の例として、導波路512は、導波路512が少なくともいくつかの入力角の光に対して全内部反射を示すように、空気と大きく異なる屈折率を有する材料を含み得る。
【0063】
入力結合回折格子510および出力結合回折格子510および514は、それぞれ、光を導波路512の中および外に結合するように構成される。入力結合回折格子510および/または出力結合回折格子514に、たとえば、表面レリーフ格子、ホログラフィック格子を含む任意の適切な結合回折格子を使用することができる。いくつかの例において、入力結合回折格子510および/または出力結合回折格子514は、図5に示すような反射型回折格子である。他の例において、入力結合回折格子510または出力結合回折格子514の一方または両方は、透過型回折格子であり得る。
【0064】
入力結合回折格子510は、プロジェクタ502(たとえば、プロジェクタ502の光学系506)から光508を受光し、光の少なくとも一部を導波路512内の全内部反射(TIR)の中に結合するように構成される。出力結合回折格子514は、光508を導波路512からアウトカップリングし、光508を観視者(たとえば、HMD112のユーザ)の眼516へ方向付けるように構成される。
【0065】
本開示の例によれば、入力結合回折格子510または出力結合回折格子514のうちの少なくとも一方が、本明細書に記載のように構成されたブラッグ回折格子を含む。いくつかの例において、入力結合回折格子510または出力結合回折格子514のうちの一方だけが、本明細書に記載するようなブラッグ回折格子を含む。他の例において、入力結合回折格子510と出力結合回折格子514の両方が、本明細書に記載のように構造化されたブラッグ回折格子を含む。少なくとも1つのブラッグ回折格子は、光スペクトルの赤色、緑色、および/または青色の領域内の波長範囲など、複数の異なる波長の光に対して同様の回折効率および回折角を示すように構成され得る。すなわち、一例として、少なくとも1つのブラッグ回折格子は、赤色、緑色、および青色の光(たとえば、第1の光508A、第2の光508B、および第3の光508C)に対して同様の回折効率を示すように構成され得る。単一の入力結合回折格子510および単一の出力結合回折格子514のみが示されているが、入力および/または出力結合回折格子として複数の格子を使用することができる。さらに、図5Aは、入力結合回折格子510と出力結合回折格子514の両方が反射型ブラッグ回折格子である一例を示す。
【0066】
図5Bは、プロジェクタ502と、導波路512と、入力結合回折格子530および出力結合回折格子534とを含む例示的な光学アセンブリ520を示す概念図である。光学アセンブリ520は、本明細書に記載の透過型ブラッグ回折格子を含む入力結合回折格子530および出力結合回折格子534を除いて、図5Aの光学アセンブリ500と実質的に同様である。他の例において、入力結合回折格子530または出力結合回折格子534のうちの一方は、反射型ブラッグ回折格子を含み得、入力結合回折格子530または出力結合回折格子534のうちの他方は、透過型ブラッグ回折格子を含み得る。
【0067】
図6は、いくつかの例において回折格子510、514のいずれかに利用され得る例示的な反射型ブラッグ回折格子600を示す概念図である。図6の例において、反射型ブラッグ回折格子600は、複数の層対602を含む。層対602のうちの一層対は、第1の材料の第1の層(たとえば、第1の層604A)および第2の材料の第2の層(たとえば、第2の層606A)を含む。図6に示すようないくつかの例において、複数の層対602の各層対は、組成および厚さが実質的に同様である(たとえば、製造制限内で同じである)。たとえば、複数の層対602の各層対は、それぞれの第1の層604A~604N(総称して「第1の層604」)と、それぞれの第2の層606A~606N(総称して「第2の層606」)を含み得る。他の例において、層対のうちの少なくとも1つは、層対のうちの別の1つとは異なる特性(たとえば、層の組成、厚さなど)を含む。
【0068】
第1の層604の第1の材料は、第1の屈折率を示す。第2の層606の第2の材料は、第2の屈折率を示す。第1の屈折率と第2の屈折率は異なり、少なくとも約0.1、または少なくとも約0.2、または少なくとも約0.25、または約0.3だけ異なり得る。たとえば、第1の層604の第1の材料は、約1.5の第1の屈折率を示し得、第2の層606の第2の材料は、約1.8の第2の屈折率(約0.3の差)を示し得る。第1の層604および第2の層606のそれぞれは、ポリマ、ガラスなどの任意の適切な材料を含み得る。たとえば、第1の層604のそれぞれは第1のポリマを含み得、第2の層606のそれぞれは第2のポリマを含み得る。このように、反射型ブラッグ回折格子600は、同様でない屈折率を有する材料間に複数の界面を含み、その複数の界面で反射および/または屈折が起こり得る。
【0069】
第1の層604および第2の層606のそれぞれは、選択された厚さを有し得る。いくつかの例において、層対における第1の層604および第2の層606の厚さは、実質的に同じである(たとえば、製造公差内で同じである)。他の例において、層対内で、第1の層604の厚さは、第2の層606の厚さとは異なり得る。層対の厚さT1は、ブラッグピッチと呼ばれ得る。いくつかの例において、ブラッグピッチT1は、約800nmから約825nmの間など、約800nmから約900nmの間であり得る。
【0070】
同様に、いくつかの例において、第1の層604のそれぞれは、実質的に同じ(たとえば、製造公差内で同じ)厚さを有し得る。いくつかの例において、第2の層606のそれぞれは、実質的に同じ(たとえば、製造公差内で同じ)厚さを有し得る。他の例において、第1の層604のうちの少なくとも1つは、第1の層604のうちの別のものとは異なる厚さを有し得、かつ/または第2の層606のうちの少なくとも1つは、第2の層606のうちの別のものとは異なる厚さを有し得る。
【0071】
第1の層604および第2の層606の厚さは、反射型ブラッグ回折格子600が反射するのに望ましい波長に基づいて選択され得る。いくつかの例において、厚さは、数百ナノメートル程度であり得る。
【0072】
反射型ブラッグ回折格子600は、任意の適切な数の層対602を含み得る。いくつかの例において、層対602を増やすと、反射型ブラッグ回折格子600の回折効率が高まる可能性があり、その結果、入射光のより大部分が反射されるようになる。いくつかの例において、反射型ブラッグ回折格子600は、少なくとも15個の層対602、または数十個の層対602など、少なくとも10個の層対602を含み得る。他の例において、反射型ブラッグ回折格子600は、10個未満の層対602または100個を超える層対602を含み得る。反射型ブラッグ回折格子600の複数の層対602の総厚さT2は、層対の数にブラッグピッチT1を乗算した値であり得る。いくつかの例において、複数の層対602の総厚さT2は、約10マイクロメートルから約20マイクロメートルの間など、数十マイクロメートル程度である。
【0073】
反射型ブラッグ回折格子600は、下部基板608および上部基板610も含む。下部基板608および上部基板610は、反射型ブラッグ回折格子600に構造的支持を提供するように構成され得る。下部基板608および上部基板610は、プロジェクタ502によって出力されて反射型ブラッグ回折格子600に入射する光508の波長に対して実質的に透過的である任意の材料を含み得る。いくつかの例において、下部基板608および上部基板610は、ガラス、ポリマなどを含み得る。いくつかの実装形態では、下部基板608および上部基板610のうちの一方または両方を省略してもよく、たとえば、反射型ブラッグ回折格子600を導波路(たとえば、導波路512)上に直接形成してもよい。
【0074】
図6の例において、層604および層606の主表面(または主平面)は、下部基板608および上部基板610の主平面に実質的に平行である。層604および層606の主表面(または主平面)はまた、反射型ブラッグ回折格子600が光を中または外に結合するように構成される対象となる導波路512の主表面に実質的に平行であり得る。
【0075】
第1の屈折率および第2の屈折率、ならびに第1の層604および第2の層606の厚さを適切に選択することによって、反射型ブラッグ回折格子600は、複数の選択された波長の光508に対して同様の回折効率および/または回折角を示し得る。たとえば、第1の波長の光508Aに対する選択された回折次数の回折効率および/もしくは回折角は、第2の波長の光508Bに対する選択された回折次数の回折効率および/もしくは回折角と同様であり得、かつ/または第3の波長の光508Cに対する選択された回折次数の回折効率および/もしくは回折角と同様であり得る。選択された回折次数は、第1および第2(および第3の)波長の光508A、508B、および508Cによって異なり得る。
【0076】
反射型ブラッグ回折格子600を構築するための特性を選択するために、選択された値nave、pitch、α、およびλと組み合わせた整数値mについて、方程式2*nave*pitch*cos(α)=m*λを解いて、所与の反射型ブラッグ回折格子600(すなわち、層604および層606の選択された組成および形状を有する反射型ブラッグ回折格子600)に対してどの波長が回折するかを決定することができ、式中、naveは層対601の平均屈折率((n+n)/2)であり、pitchはブラッグピッチT1であり、αは光508の入射角であり、mは回折次数であり、λは光の波長である。整数値mが所望の波長の光についてこの方程式を満たす場合、たとえば、マサチューセッツ州バーリントンのCOMSOL,Inc.から入手可能なCOMSOL Multiphysics(登録商標)モデリングソフトウェア、またはテキサス州ヒューストンのSHINTECH,INC.から入手可能なLCDMaster 3Dなどのシミュレーションプログラムを使用して、所望の波長のそれぞれに対する反射型ブラッグ回折格子600の回折効率を決定することができる。得られた反射型ブラッグ回折格子600は、所望の波長の光に対して実質的に同様の回折効率を示し得る。いくつかの例において、「実質的に同様の回折効率」は、本明細書で使用される場合、約10%以内、いくつかの例において約5%以内、またはいくつかの例において2%以内の回折効率を意味する。
【0077】
たとえば、反射型ブラッグ回折格子600は、次の特性、すなわち、第1の層604の第1の屈折率が1.5、第2の層606の第2の屈折率が1.8、ブラッグピッチT1が813nm、総厚さT2が約15マイクロメートル、入射角が90度(垂直)という特性を含み得る。このような反射型ブラッグ回折格子600は、約446nm、約536nm、および約670nmの光に対して実質的に同様の回折効率を示し得、回折効率は、3つの波長のそれぞれについて約0.75より大きくなり得る。
【0078】
いくつかの例において、全内部反射を伴う光508の導波路512の中への結合を容易にするため、または光508の導波路512の外への結合を容易にするために、第1の層604および第2の層606は、導波路512の主表面に実質的に平行に向けられるのではなく、第1の層604および第2の層606は、導波路512の主表面に対してある角度で向けられ得る。図7は、反射型ブラッグ回折格子700の別の例を示す概念図である。反射型ブラッグ回折格子600と同様に、反射型ブラッグ回折格子700は、複数の層対602を含み、一層対は、第1の層604および第2の層606を含む。いくつかの例において、各層対は、組成および厚さが実質的に同じである。他の例において、少なくとも1つの層対は、組成および/または厚さが別の層対とは異なる。反射型ブラッグ回折格子700は、下部基板608および上部基板610も含む。
【0079】
反射型ブラッグ回折格子600とは異なり、反射型ブラッグ回折格子700内の第1の層604および第2の層606は、導波路512の主表面に対してある角度で向けられる。図7において、傾斜角θは、第1の層604および第2の層606の主表面と、下部基板608(したがって、導波路512)の表面の法線との間に定義される。傾斜角θは、全内部反射を伴う光508の導波路512の中への結合を容易にするように、または光508の導波路512の外への結合を容易にするように選択され得る。いくつかの例において、傾斜角θは、約65°など、約55°から約70°の間であり得る。
【0080】
図7に示すように、反射型ブラッグ回折格子700は、ブラッグピッチT3を定義し、ブラッグピッチT3は、第1の層604および第2の層606の主表面に実質的に垂直な方向で測定される。反射型ブラッグ回折格子700は、水平ピッチT5も定義し、水平ピッチT5は、ブラッグピッチT3および傾斜角θに関連する。
【0081】
反射型ブラッグ回折格子700の特性は、反射型ブラッグ回折格子600に関して説明した方程式2*nave*pitch*cos(α)=m*λを使用して選択することができる。一例として、反射型ブラッグ回折格子700は、次の特性、すなわち、第1の層604の第1の屈折率が1.5、第2の層606の第2の屈折率が1.8、ブラッグピッチT1が897nm、総厚さT5が約15マイクロメートル、入射角が90度(垂直)、傾斜角θが65°、水平ピッチが2.12μmという特性を含み得る。このような反射型ブラッグ回折格子700は、約446nm、約536nm、および約670nmの光に対して実質的に同様の回折効率および回折角を示し得、回折効率は、3つの波長のそれぞれについて約0.75より大きくなり得る(たとえば、約0.75から約0.85の間)。
【0082】
図8は、次の特性、すなわち、第1の層604の第1の屈折率が1.5、第2の層606の第2の屈折率が1.8、ブラッグピッチT1が813nm、総厚さT2が約15マイクロメートル、入射角が90度(垂直)という特性を有する反射型ブラッグ回折格子のシミュレートされた反射率および透過率対波長のプロットである。図8に示すように、反射率は、3つの異なる波長を有する光に対して実質的に同様である。
【0083】
図9は、例示的な反射型ブラッグ回折格子についてのシミュレートされた反射効率対波長のプロットである。反射型ブラッグ回折格子は、次の特性、すなわち、第1の層604の第1の屈折率が1.5、第2の層606の第2の屈折率が1.8、ブラッグピッチT1が897nm、総厚さT5が約15マイクロメートル、入射角が90度(垂直)、傾斜角θが65°、水平ピッチが2.12μmという特性を有していた。図9に示すように、このような反射型ブラッグ回折格子は、3つの異なる波長を有する光に対して実質的に同様の回折効率および回折角を示すと予測され、回折効率は、3つの波長のそれぞれについて約0.75より大きくなり得る(たとえば、約0.75から約0.85の間)。
【0084】
図10は、(図7に示すような)例示的な角度付き反射型ブラッグ回折格子および446nmの波長を有する光についてシミュレートされた反射効率対入射角のプロットである。図11は、例示的な角度付き反射型ブラッグ回折格子および536nmの波長を有する光についてシミュレートされた反射効率対入射角のプロットである。図12は、例示的な角度付き反射型ブラッグ回折格子および670nmの波長を有する光についてシミュレートされた反射効率対入射角のプロットである。図10図12に示すように、回折格子が反射型回折格子であり、複屈折が低いので、視野は狭かった。
【0085】
図13は、いくつかの例において回折格子530、534のいずれかに利用され得る例示的な透過型ブラッグ回折格子800を示す概念図である。図13の例において、透過型ブラッグ回折格子800は、複数の層対802を含む。層対802のうちの一層対は、第1の材料の第1の層(たとえば、第1の層804A)および第2の材料の第2の層(たとえば、第2の層806A)を含む。図13に示すようないくつかの例において、複数の層対802の各層対は、組成および厚さが実質的に同様である(たとえば、製造制限内で同じである)。たとえば、複数の層対802の各層対は、それぞれの第1の層804A~804N(総称して「第1の層804」)と、それぞれの第2の層806A~806N(総称して「第2の層806」)を含み得る。他の例において、層対のうちの少なくとも1つは、層対のうちの別の1つとは異なる特性(たとえば、層の組成、厚さなど)を含む。
【0086】
第1の層804の第1の材料は、第1の屈折率を示す。第2の層806の第2の材料は、第2の屈折率を示す。第1の屈折率と第2の屈折率は異なり、少なくとも約0.1、または少なくとも約0.2、または少なくとも約0.25、または約0.3だけ異なり得る。たとえば、第1の層804の第1の材料は、約1.5の第1の屈折率を示し得、第2の層806の第2の材料は、約1.8の第2の屈折率(約0.3の差)を示し得る。第1の層804および第2の層806のそれぞれは、ポリマ、ガラスなどの任意の適切な材料を含み得る。たとえば、第1の層804のそれぞれは第1のポリマを含み得、第2の層806のそれぞれは第2のポリマを含み得る。このように、透過型ブラッグ回折格子800は、同様でない屈折率を有する材料間に複数の界面を含み、その複数の界面で反射および/または屈折が起こり得る。
【0087】
第1の層804および第2の層806のそれぞれは、選択された厚さを有し得る。いくつかの例において、層対における第1の層804および第2の層806の厚さは、実質的に同じである(たとえば、製造公差内で同じである)。他の例において、層対内で、第1の層804の厚さは、第2の層806の厚さとは異なり得る。層対の厚さT3は、ブラッグピッチと呼ばれ得る。いくつかの例において、ブラッグピッチT3は、約800nmから約825nmの間または約875nmから約900nmの間など、約800nmから約900nmの間であり得る。
【0088】
同様に、いくつかの例において、第1の層804のそれぞれは、実質的に同じ(たとえば、製造公差内で同じ)厚さを有し得る。いくつかの例において、第2の層806のそれぞれは、実質的に同じ(たとえば、製造公差内で同じ)厚さを有し得る。他の例において、第1の層804のうちの少なくとも1つは、第1の層804のうちの別のものとは異なる厚さを有し得、かつ/または第2の層806のうちの少なくとも1つは、第2の層806のうちの別のものとは異なる厚さを有し得る。
【0089】
第1の層804および第2の層806の厚さは、透過型ブラッグ回折格子800が入射光を回折するのに望ましい波長に基づいて選択され得る。いくつかの例において、厚さは、数百ナノメートル程度であり得る。
【0090】
透過型ブラッグ回折格子800は、任意の適切な数の層対802を含み得る。いくつかの例において、透過型ブラッグ回折格子800は、数十個または数百個の層対802など、少なくとも10個の層対802を含み得る。
【0091】
透過型ブラッグ回折格子800は、下部基板808および上部基板810も含む。下部基板808および上部基板810は、透過型ブラッグ回折格子800に構造的支持を提供するように構成され得る。下部基板808および上部基板810は、プロジェクタ502によって出力されて透過型ブラッグ回折格子800に入射する光508の波長に対して実質的に透過的である任意の材料を含み得る。いくつかの例において、下部基板808および上部基板810は、ガラス、ポリマなどを含み得る。いくつかの実装形態では、下部基板808および上部基板810のうちの一方または両方を省略してもよく、たとえば、透過型ブラッグ回折格子800を導波路(たとえば、導波路512)上に直接形成してもよい。
【0092】
図13の例において、層804および層806の主表面(または主平面)は、下部基板808および上部基板810の主平面に実質的に垂直である。層804および層806の主表面(または主平面)はまた、透過型ブラッグ回折格子800が光を中または外に結合するように構成される対象となる導波路512の主表面に実質的に垂直であり得る。
【0093】
第1の屈折率および第2の屈折率、ならびに第1の層804および第2の層806の厚さを適切に選択することによって、透過型ブラッグ回折格子800は、複数の選択された波長の光508に対して同様の回折効率および/または回折角を示し得る。たとえば、第1の波長の光508Aに対する選択された回折次数の回折効率および/もしくは回折角は、第2の波長の光508Bに対する選択された回折次数の回折効率および/もしくは回折角と同様であり得、かつ/または第3の波長の光508Cに対する選択された回折次数の回折効率および/もしくは回折角と同様であり得る。選択された回折次数は、第1および第2(および第3の)波長の光508A、508B、および508Cによって異なり得る。
【0094】
透過型ブラッグ回折格子800は、入射光812から出力光814への所望の方向転換を実現するように選択された厚さT4を有し得る。たとえば、透過型ブラッグ回折格子は、約8マイクロメートルなど、約5マイクロメートルから約20マイクロメートルの間の厚さを有し得る。
【0095】
透過型ブラッグ回折格子800を構築するための特性を選択するために、選択された値nave、pitch、α、およびλと組み合わせた整数値mについて、方程式2*nave*pitch*cos(α)=m*λを解いて、所与の透過型ブラッグ回折格子800(すなわち、層804および層806の選択された組成および形状を有する透過型ブラッグ回折格子800)に対してどの波長が回折するかを決定することができ、式中、naveは層対802の平均屈折率((n+n)/2)であり、pitchはブラッグピッチT1であり、αは光508の入射角であり、mは回折次数であり、λは光の波長である。整数値mが所望の波長の光についてこの方程式を満たす場合、たとえば、マサチューセッツ州バーリントンのCOMSOL,Inc.から入手可能なCOMSOL Multiphysics(登録商標)モデリングソフトウェア、またはテキサス州ヒューストンのSHINTECH,INC.から入手可能なLCDMaster 3Dなどのシミュレーションプログラムを使用して、所望の波長のそれぞれに対する透過型ブラッグ回折格子800の回折効率を決定することができる。得られた透過型ブラッグ回折格子800は、所望の波長の光に対して実質的に同様の回折効率を示し得る。いくつかの例において、「実質的に同様の回折効率」は、本明細書で使用される場合、約10%以内、いくつかの例において約5%以内、またはいくつかの例において2%以内の回折効率を意味する。
【0096】
たとえば、透過型ブラッグ回折格子800は、次の特性、すなわち、第1の層804の第1の屈折率が1.5、第2の層806の第2の屈折率が1.8、ブラッグピッチT3が897nm、総厚さT4が約8マイクロメートル、入射角が約65度という特性を含み得る。このような透過型ブラッグ回折格子800は、約447nm、約536nm、および約670nmの光に対して実質的に同様の回折効率および回折角を示し得、回折効率は、3つの波長のそれぞれについて約0.90(90%)より大きくなり得る。
【0097】
図14は、(図13に示すような)例示的な透過型ブラッグ回折格子および447nmの波長を有する光についてのシミュレートされた電磁場強度対回折角のプロットである。6次回折効率は約98.6%であった。図15は、(図13に示すような)例示的な透過型ブラッグ回折格子および536nmの波長を有する光についてのシミュレートされた電磁場強度対回折角のプロットである。5次回折効率は約99.6%であった。図16は、(図13に示すような)例示的な透過型ブラッグ回折格子および670nmの波長を有する光についてのシミュレートされた電磁場強度対回折角のプロットである。4次回折効率は約91.5%であった。さらに、図14図16に示すように、回折角は、447nm、536nm、および670nmの光に対して実質的に同様である。
【0098】
本明細書の様々な例によって説明されるように、本開示の技法は、人工現実システムを含むか、または人工現実システムと組み合わせて実装され得る。説明したように、人工現実は、ユーザへの提示前に何らかの方法で調整された現実の形式であり、たとえば、仮想現実(VR)システム、拡張現実(AR)システム、複合現実(MR)システム、ハイブリッド現実システム、またはこれらの何らかの組合せおよび/または派生物を含み得る。人工現実コンテンツには、完全に生成されたコンテンツ、または捕捉されたコンテンツと組み合わせて生成されたコンテンツ(たとえば、実世界の写真または映像)が含まれ得る。人工現実コンテンツには、映像、音声、触覚的フィードバック、またはそれらの組合せが含まれ得、これらはいずれも、単一のチャネルまたは複数のチャネル(観視者に3次元効果をもたらすステレオ映像など)において提示され得る。さらに、いくつかの実施形態において、人工現実は、人工現実においてコンテンツを作成するために使用される、かつ/または人工現実において使用される(たとえば、人工現実においてアクティビティを実行する)アプリケーション、製品、アクセサリ、サービス、またはそれらの何らかの組合せに関連付けられ得る。人工現実コンテンツを提供する人工現実システムは、ホストコンピュータシステムに接続されたヘッドマウントデバイス(HMD)、スタンドアロンHMD、モバイルデバイスもしくはコンピューティングシステム、または1人または複数人の観視者に人工現実コンテンツを提供することが可能な任意の他のハードウェアプラットフォームを含む様々なプラットフォームに実装され得る。
【0099】
本開示に記載の技法は、少なくとも部分的にハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せに実装されてもよい。たとえば、記載した技法の様々な態様は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、DSP、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または任意の他の同等の集積型またはディスクリート型の論理回路、およびこのようなコンポーネントの任意の組合せを含む、1つまたは複数のプロセッサ内に実装され得る。「プロセッサ」または「処理回路」という用語は、一般に、単独のもしくは他の論理回路と組み合わせた前述の論理回路、または任意の他の同等の回路のうちのいずれかを指すことがある。また、ハードウェアを含む制御ユニットは、本開示の技法のうちの1つまたは複数を実行し得る。
【0100】
このようなハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアは、本開示に記載の様々な動作および機能をサポートするために、同じデバイス内または別個のデバイス内に実装され得る。さらに、記載したユニット、モジュール、または構成要素のいずれも、別個であるが相互運用可能な論理デバイスとして、共にまたは別個に実装され得る。モジュールまたはユニットとしての様々な機能の描写は、様々な機能的な態様を強調することを目的としており、必ずしもそのようなモジュールまたはユニットが別個のハードウェア構成要素またはソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを意味するものではない。そうではなく、1つまたは複数のモジュールまたはユニットに関連付けられた機能性は、別個のハードウェア構成要素またはソフトウェア構成要素によって実行されても、共通もしくは別個のハードウェア構成要素内またはソフトウェア構成要素内に統合されてもよい。
【0101】
本開示に記載の技法はまた、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータ可読媒体に具現化または符号化され得る。コンピュータ可読記憶媒体に埋め込まれた、または符号化された命令は、たとえば、命令が実行されたとき、プログラマブルプロセッサまたは他のプロセッサに方法を実行させ得る。コンピュータ可読記憶媒体には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電子的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD-ROM、フロッピーディスク、カセット、磁気媒体、光学媒体、または他のコンピュータ可読媒体が含まれ得る。
【0102】
本明細書の様々な例によって説明されるように、本開示の技法は、人工現実システムを含むか、または人工現実システムと組み合わせて実装され得る。説明したように、人工現実は、ユーザへの提示前に何らかの方法で調整された現実の形式であり、たとえば、仮想現実(VR)システム、拡張現実(AR)システム、複合現実(MR)システム、ハイブリッド現実システム、またはこれらの何らかの組合せおよび/または派生物を含み得る。人工現実コンテンツには、完全に生成されたコンテンツ、または捕捉されたコンテンツと組み合わせて生成されたコンテンツ(たとえば、実世界の写真)が含まれ得る。人工現実コンテンツには、映像、音声、触覚的フィードバック、またはそれらの組合せが含まれ得、これらはいずれも、単一のチャネルまたは複数のチャネル(観視者に3次元効果をもたらすステレオ映像など)において提示され得る。さらに、いくつかの実施形態において、人工現実は、人工現実においてコンテンツを作成するために使用される、かつ/または人工現実において使用される(たとえば、人工現実においてアクティビティを実行する)アプリケーション、製品、アクセサリ、サービス、またはそれらの何らかの組合せに関連付けられ得る。人工現実コンテンツを提供する人工現実システムは、ホストコンピュータシステムに接続されたヘッドマウントデバイス(HMD)、スタンドアロンHMD、モバイルデバイスもしくはコンピューティングシステム、または1人または複数人の観視者に人工現実コンテンツを提供することが可能な任意の他のハードウェアプラットフォームを含む様々なプラットフォームに実装され得る。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】