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特表2022-551567ネジ山形成およびネジ山ロック固締具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-12
(54)【発明の名称】ネジ山形成およびネジ山ロック固締具
(51)【国際特許分類】
   F16B 33/02 20060101AFI20221205BHJP
   F16B 25/00 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
F16B33/02 Z
F16B25/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518242
(86)(22)【出願日】2020-10-07
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 US2020054474
(87)【国際公開番号】W WO2021071873
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】16/598,288
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500556605
【氏名又は名称】リサーチ エンジニアリング アンド マニュファクチュアリング インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】ヘバート,エドムンド
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス,ケネス,ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ボイヤー,デニス,オー
(72)【発明者】
【氏名】レイノルズ,ジョン,アール
(72)【発明者】
【氏名】バドヅィツェク,ボビー,エル
(57)【要約】
ネジ山形成とネジ山ロックを組み合わせた固締具が開示される。固締具は3つの区域を含む。第1のネジ山区域は、増加する外径を有する第1のネジ山形成のネジ山形状を利用する。第2のネジ山区域は、第1のネジ山形成のネジ山形状を利用する第1の区域の端部から延びており、一定の直径が続いている。第3のネジ山区域は、固締具のシャフトの実質的に残りの部分に沿って続いているネジ山ロックのネジ山形状を利用する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固締具であって、
横断面形状を有し、第1の端部において入口点、及び第2の端部において頭部を有するシャフトを含み、
前記シャフトは、第1の区域および第2の区域において第1のネジ山形状を刻み込まれており、
前記第1の区域は、前記入口点から始まり、前記シャフトに沿って、ほぼ第1の所定数のネジ山ピッチにわたって延びており、
前記第2の区域は、ほぼ第2の所定数のネジ山ピッチにわたって延びており、
第3の区域が、前記第2の区域からの変り目から、前記シャフトの残りの部分の実質的な部分に沿って前記頭部の底部に向かって延びる第2のネジ山形状を有する、固締具。
【請求項2】
前記第1のネジ山形状は、約60°の角度を有する、請求項1に記載の固締具。
【請求項3】
前記第1のネジ山形状は、ほぼアールの付いたネジ山形状を有する、請求項1に記載の固締具。
【請求項4】
前記第1のネジ山形状は、ほぼ放物線のネジ山形状を有する、請求項1に記載の固締具。
【請求項5】
前記横断面形状は、実質的に円形である、請求項1に記載の固締具。
【請求項6】
前記横断面形状は、3つ又はそれより多いローブを有する、請求項1に記載の固締具。
【請求項7】
前記シャフトの横断面形状は、実質的に円形の横断面から実質的に非円形の横断面まで移行する、請求項1に記載の固締具。
【請求項8】
前記シャフトの横断面形状は、実質的に非円形の横断面から実質的に円形の横断面まで移行する、請求項1に記載の固締具。
【請求項9】
ネジ山ピッチの前記第1の所定数は、3である、請求項1に記載の固締具。
【請求項10】
ネジ山ピッチの前記第2の所定数は、6である、請求項1に記載の固締具。
【請求項11】
前記第1のネジ山形状は、ネジ山形成のネジ山形状である、請求項1に記載の固締具。
【請求項12】
前記第2のネジ山形状は、ネジ山ロックのネジ山形状である、請求項1に記載の固締具。
【請求項13】
前記第1のネジ山形状は、前記第2のネジ山形状と係合するように最適化された雌ネジを作成するような大きさになっている、請求項1に記載の固締具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネジ切りした固締具に関する。
【背景技術】
【0002】
背景情報
従来のネジ切りした固締具(例えば、ネジ又はボルト)は、セルフタップ型のネジ山形成作用を有するように設計され得る。係るセルフタップ型固締具の一例は、Alan Pritchardによる、「High Performance Thread RollingScrew/Bolt For Use in An Unthreaded Nut Anchor」と題する米国特許第9404524号に説明されており、その内容は参照により、本明細書に組み込まれる。
【0003】
他の従来の固締具は、例えば固締具とナット部材との間の機械的干渉により、達成され得るネジ山ロック(locking:固締、緩み止め、ロッキング)メカニズムを含むことができる。例示的なネジ山ロック固締具は、Alan Pritchardによる、「Fastener and Fastener Assembly」と題する米国特許第7722304号に説明されており、その内容は参照により、本明細書に組み込まれる。
【0004】
従来技術の固締具の顕著な欠点は、それらがネジ山形成またはネジ山ロックの何れかに最適化されるが、双方に最適化されない点である。これにより、ユーザは、どの特徴が特定の用途に対してより重要であるかという決定を下し、それは、係る固締具の下位の最適な用途という結果になる場合がある。
【0005】
概要
従来技術の欠点は、ネジ山形成およびネジ山ロックの双方に最適化された例示的な固締具を提供することにより克服される。固締具は、固締具のシャフトに沿って3つの区域へ区分された2つの別個のネジ山形状を含む。ネジ山形成のネジ山形状を利用する第1の区域は、固締具の入口点のすぐ近隣にある。第1の区域に沿って、ネジ山形状の外径は、第1の(例えば、2~5)ピッチに沿って増加する。第2の区域は、第1の区域から移行し、第1の区域と同じネジ山形成のネジ山形状を利用するが、一定のネジ山の外径を維持する。第2の区域は、第1の区域を越えて、例えば2~3ピッチにわたって延びている。ネジ山ロックのネジ山形状を利用する第3の区域も、一定の外径を維持する。
【0006】
本発明の例示的な実施形態に従って、第1及び第2のネジ山形状は、機械的干渉の所望のレベル(即ち、ネジ山ロック)を達成するために互いに補い合うように選択され得る。更に、本発明を利用することにより、第2のネジ山形状(ネジ山ロック)は、第1のネジ山形状(ネジ山形成)により作成されたネジ山と協力するように最適化され得る。これは、最適化されたネジ山ロックメカニズムという結果になることができる。
【0007】
本発明の実施形態の上記の利点および更なる利点は、添付図面に関連して理解されることができ、添付図面において、同様の参照符号は、同じ又は機能的に同じ要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本発明の例示的な実施形態による、例示的な固締具の側面図である。
図1B】本発明の例示的な実施形態による、長軸に沿って見られた例示的な固締具の頭部の図である。
図1C】本発明の例示的な実施形態による、長軸に沿って見られた例示的な固締具の例示的な入口点の図である。
図2】本発明の例示的な実施形態による、例示的な固締具の入口点端部の拡大図である。
図3】本発明の例示的な実施形態による、固締具の形成に使用するための例示的なブランク(素材片)の例図である。
図4A】本発明の例示的な実施形態による、例示的なネジ山形状の断面図である。
図4B】本発明の例示的な実施形態による、例示的なネジ山形状の断面図である。
図4C】本発明の例示的な実施形態による、例示的なネジ山形状の断面図である。
図5A】本発明の例示的な実施形態による、ナット部材のネジ山と固締具のネジ山との間の干渉を示す断面図である。
図5B】本発明の例示的な実施形態による、ナット部材のネジ山と固締具のネジ山との間の干渉を示す断面図である。
図5C】本発明の例示的な実施形態による、ナット部材のネジ山と固締具のネジ山との間の干渉を示す断面図である。
図6】本発明の例示的な実施形態による、例示的な固締具のネジ切りしたナット部材への挿入を示す断面図である。
図7】本発明の例示的な実施形態による、固締具のネジ切りしたナット部材への挿入を示す断面図である。
図8】本発明の例示的な実施形態による、固締具のネジ切りしたナット部材への挿入を示す断面図である。
図9】本発明の例示的な実施形態による、固締具のネジ切りしたナット部材への挿入を示す断面図である。
図10】本発明の例示的な実施形態による、固締具のネジ切りされていないナット部材への挿入を示す断面図である。
図11】本発明の例示的な実施形態による、固締具のネジ切りされていないナット部材への挿入を示す断面図である。
図12】本発明の例示的な実施形態による、固締具のネジ切りされていないナット部材への挿入を示す断面図である。
図13】本発明の例示的な実施形態による、固締具のネジ切りされていないナット部材への挿入を示す断面図である。
【0009】
例示的な実施形態の詳細な説明
図1Aは、本発明の例示的な実施形態による、例示的なネジ山形成およびネジ山ロック固締具100の断面図である。固締具100は、入口点105及び頭部110を含み、シャフト115がそれらの間に延びている。実例として、入口点105は、実質的に平坦な端部を有するように示される。しかしながら、留意されるべきは、本発明の代替の実施形態において、固締具100は、丸みを帯びている、先端が尖っているなどの入口点105を有する場合がある。そのため、実質的に平坦である入口点105の記述は、単なる例示として解釈されるべきである。頭部110は、挿入用の駆動装置と共に使用するための六角形の形状を有するように例示的に示されている。頭部110は、ナット部材(図示せず)への固締具の挿入のために固締具にトルクを作用させるように、ドライバ(例えば、レンチ(スパナ)など)が頭部110に係合することを可能にするためにシャフト115の同じ軸において或る量の長さ120にわたって延びている。頭部110は、固締具が完全に挿入された際に、ナット部材(図示せず)と同一平面で当接するように設計された実質的に平坦な底部125を含む。当業者により理解されるように、頭部110は、所望の駆動装置に基づいた複数の異なる形状を有することができる。従って、六角形の形状を有する頭部110の記述は、単なる例示として解釈されるべきである。
【0010】
固締具100の主体またはシャフト115は、例えば、第1の区域130、第2の区域135及び第3の区域140を含む、複数のネジ山区域を含む。実例として、3つの区域は、ひとたび固締具がナット部材へ挿入されたならば、ネジ山形成機能、並びにネジ山ロック機能の双方を行うように利用される。第1の区域130は、当該区域が固締具の入口点105から離れるように移動するにつれて直径が増加しながら、コア(心)から外側に角度をなす例示的な第1のネジ山形状の実例として約2~5ピッチの長さである。即ち、第1の区域130の外径は、入口点105において最も小さく、ネジ山がシャフト115に沿って頭部110の方へ移動するにつれて大きくなる。第2の区域135は実例として、第1の(ネジ山形成)ネジ山形状であるが、実質的に一定の外径を有する追加の1~3ピッチを含む。図1Aに示されているように、第1のネジ山形状は実例として、実質的に60°の角度をなして形成されたネジ山形状の横断面を含む。例示的な実施形態において、第1のネジ山形状は、上記で組み込まれた米国特許第9404524号で説明されたものを含むことができる。留意されるべきは、特定のネジ形成のネジ山形状が図示されて説明されるが、本発明の原理は、本発明の代替の実施形態において、任意のネジ山形成のネジ山形状を利用することができる。従って、本明細書で図示および説明される特定のネジ山形成のネジ山形状は、単なる例示として解釈されるべきである。
【0011】
第3の区域140は、実例としてネジ山ロックのネジ形状である第2のネジ山形状を利用する。図1Aに示されるように、例示的な第2のネジ山形状は、先端部で30°の角度をなして形成されたネジ山まで移行するネジ山の根本(基部、底部)において60°の角度をなして形成されたネジ山を含む。例示的なネジ山ロックのネジ山形状は、上記で組み込まれた米国特許第7722304号に記述されている。留意されるべきは、特定のネジ山ロックの形状が図示および説明されるが、本発明の原理は、本発明の代替の実施形態において任意のネジ山ロックのネジ山形状を利用することができる。従って、本明細書で図示および説明される特定のネジ山ロックのネジ山形状は、単なる例示として解釈されるべきである。
【0012】
かくして、動作中、本発明の例示的な実施形態による固締具100がナット部材へ挿入される場合、当該固締具が最初に挿入される際に、第1の区域のネジ山がナット部材に係合する。第1及び第2の区域のネジ山は、ネジ山を作成するようにナット部材を変形させる。ナット部材へ固締具を挿入することを続けると、第3の区域のネジ山が、新たに作成されたネジ山に係合して機械的干渉を引き起こし、それによりロックメカニズムが生じる。実例として、第2のネジ山形状は、第1のネジ山形状を補完するように選択される。本発明の代替の実施形態に従って、2つのネジ山形状は、ネジ山ロック形状(第2のネジ山形状)がネジ山形成の形状(第1のネジ山形状)によってナット部材に作成されたネジ山の寸法の演繹的知識でもって設計されるように選択され得る。固締具が、ネジ切りされていないナット部材に雌ネジを作成する際、ネジ山ロック形状のネジ山は、当該雌ネジとの最適化された性能のために構成され得る。変形物の例が、図4A図4B図4C図5A図5B及び図5Cに関連して後述される。
【0013】
図1Bは、本発明の例示的な実施形態に従って、固締具の長軸に沿って見られた固締具100の頭部110の例図である。上述されたように、六角形の形状を有する例示的な頭部の図示と記述は、単なる例示として解釈されるべきである。図1Cは、本発明の例示的な実施形態に従って、固締具の長軸に沿った入口点105からの固締具100の図である。図1Cから理解され得るように、固締具のシャフト115は実例として、横断面において、複数(例えば、3つ)のローブを有するように形作られる。留意されるべきは、マルチローブ付きシャフトの使用は、単なる例示であり、本発明の原理は、実質的に円形であるシャフトを有する固締具と共に利用され得る。当業者により理解されるように、様々なタイプの固締具シャフトの横断面が、固締具の所望の特性を達成するために利用され得る。より具体的には、本発明の代替の実施形態に従って、3つより多いローブを有するシャフトが利用され得ることが特に企図される。更に、代替の実施形態において、シャフトは、変化する横断面を有することができる。例えば、シャフトは、入口点の近くで実質的に円形の横断面の領域を有するが、シャフトの長さに沿って非円形の横断面の領域に移行する場合がある。例示的な非円形の横断面の領域は、例えば3つのローブの横断面の領域である。しかしながら、本発明の代替の実施形態に従って、実質的に非円形の横断面の領域での他の形状が利用され得ることが、特に企図される。本発明の原理は、所望の機能性を達成するために広範囲の固締具シャフト115の横断面形状と共に利用され得る。
【0014】
図2は、本発明の例示的な実施形態による、固締具100の入口点端部の拡大図である。図2から看取され得るように、第1の区域130は、入口点105から移動するにつれて外径が増大している。第1の区域は、実例としてネジ山形成のネジ山形状である第1のネジ山形状を利用する。第2の区域135は、ネジ山形成のネジ山の使用を続行するが、増大するネジ山全径を有する第1の区域130と異なり、全径において実質的に一定である。次いで、第3の区域140は、固締具100の残りの部分に関して、第2のネジ山形状(例えば、ネジ山ロックのネジ山形状)を利用する。
【0015】
図3は、本発明の例示的な実施形態による、固締具100の形成に使用するための頭部付きブランク(素材片)300の例図である。実例として、ブランク300は、製造の難しさを軽減する単一の直径のブランクからなる。しかしながら、本発明の原理は、より精巧なブランクと共に利用され得ることが特に企図される。
【0016】
図4A図4B図4Cは、本発明の代替の実施形態において利用され得る、例示的なネジ山形状を示す。留意されるべきは、各ネジ山形状は、同じ横断面領域を有する。図4Aは、図1に示されたような、例示的な60°ネジ山形状の代表例である。図4Bは、例示的なアールの付いたネジ山形状の代表例である。図4Cは、60°/30°ネジ山形状を有する例示的な三角ネジ山形態の代表例である。留意されるべきは、本発明の代替の実施形態において、異なるネジ山形状が利用され得る。従って、図4A図4B図4Cに示されたネジ山形状は単なる例示であることが特に企図される。
【0017】
図5A図5B図5Cは、本発明の例示的な実施形態による例示的な設計上の選択に従って、ナット部材と固締具の異なるネジ山形状を利用することにより得られることができる潜在的な機械的干渉の例示的な範囲を示す。様々な図は、図4A図4B図4Cに関連して上述されたネジ山形状の組み合わせを示す。図5A図5B、及び図5Cから看取され得るように、雌ネジと雄ネジの形状を変更することにより、機械的干渉の様々な程度が達成され得る。代替の実施形態において、ネジ山形状の様々な組み合わせを選択することにより、所望量の機械的干渉が達成され得る。
【0018】
図6は、本発明の例示的な実施形態による、固締具100のネジ切りしたナット部材605への挿入の断面図600である。ネジ切りしたナット部材605は実例として、一組の予め形成されたネジ山610を含む。図600は、固締具100の端部105の、ネジ切りしたナット部材605への挿入の直前での固締具100及びナット605である。切断面A-Aに沿った図は、固締具100とネジ切りしたナット部材の例示的な横断面615を示す。
【0019】
図7は、本発明の例示的な実施形態による、固締具100のネジ切りしたナット部材605への挿入の断面図700である。図700において、固締具100の第1の区域130及び第2の区域135は、ネジ切りしたナット部材605へ挿入されている。拡大図で看取され得るように、第1及び第2の区域のネジ山とネジ切りしたナット部材605の雌ネジ610との間には、空間が残されている。
【0020】
図8は、本発明の例示的な実施形態による、固締具100のネジ切りしたナット部材への挿入の断面図800である。図800において、第1の区域のネジ山130は、ネジ切りしたナット部材605をほぼ通り抜けているが、第2の区域のネジ山135は完全に、ナット部材605内に入っている。看取され得るように、第3の区域のネジ山140は、ナット部材内の箇所805において、先端食い込みを生じている。
【0021】
図9は、本発明の例示的な実施形態による、固締具100のネジ切りしたナット部材605への挿入の断面図900である。図900において、第1の区域のネジ山130及び第2の区域のネジ山135は、ナット部材605を完全に通り抜けており、各雌ネジ605に関して、第3の区域のネジ山140の先端食い込み箇所905が存在する。図9に示されたように固締具100が挿入された状態で、先端食い込み箇所905は、機械的ロックメカニズムを発生させ、それにより、ネジ切りしたナット部材において固締具を固定するように作用する。
【0022】
本発明の例示的な実施形態において、第1及び第2の区域のネジ山に関するネジ山形成のネジ山形状は、ネジ切りしたナット部材のネジ山の直径を僅かに大きくするよう設計される。このサイズ変更により、固締具は、サイズ変更されたネジ山と第3の区域のネジ山のネジ山ロックのネジ山との間で最適化された干渉が存在するように構成されることが可能になる。第1及び第2の区域のネジ山に関してネジ山形状およびサイズを選択することにより、第3の区域のネジ山との所望量の機械的干渉が達成され得る。しかしながら、留意されるべきは、本発明の代替の実施形態において、予め形成された雌ネジは、第1及び第2の区域のネジ山により、係合されない。従って、大きくされている雌ネジに関する記述は、単なる例示として解釈されるべきである。
【0023】
図10は、本発明の例示的な実施形態による、固締具100のネジ切りされていないナット部材1005への挿入の断面図1000である。図1000において、固締具100は、ネジ切りされていない開口または穴1010を有するナット部材1005へまさに挿入されようとしている。
【0024】
図11は、本発明の例示的な実施形態による、固締具100のネジ切りされていないナット部材1005への挿入の断面図1100である。図1100は、第1及び第2の区域のネジ山がネジ切りされていないナット部材へ完全に挿入された時を示す。
【0025】
図12は、本発明の例示的な実施形態による、固締具100のネジ切りされていないナット部材1005への挿入の断面図1200である。第3の区域のネジ山140はこの時点で、先に形成されたネジ山に入り込んでおり、箇所1205において先端食い込みを生じている。
【0026】
図13は、本発明の例示的な実施形態による、固締具100のネジ切りされていないナット部材への挿入の断面図1300である。図1300において、第1及び第2の区域のネジ山は、ナット部材1005を通り抜けており、第3の区域の複数のネジ山は、複数の先端食い込み箇所1305においてナット部材1005に係合する。
【0027】
図6図9に関連して、上述されたように、本発明の例示的な実施形態において、第1及び第2の区域のネジ山は、第3の区域のネジ山との所望の機械的干渉を達成するように最適なサイズのネジ山を作成するような大きさになることができる。
【0028】
留意されるべきは、本発明は、特定のネジ山形状に関連して説明されたが、本発明の原理は、様々なネジ山形成および/またはネジ山ロックのネジ山形状と共に利用され得る。そのため、本明細書に含まれる特定のネジ山形状に関する特定の記述は、単なる例示とみなされるべきである。更に、様々な区域においてネジ山ピッチの数に関する様々な記述が与えられているが、当業者により理解されるように、様々な区域におけるピッチの数は、意図された用途に応じて変化する場合がある。そのため、様々な区域における特定の数のピッチに関する記述は、例示として解釈されるべきである。
【0029】
本説明は、本発明の様々な例示的な実施形態に関して書かれている。当業者により理解されるように、様々な変形が、本発明の思想または範囲から逸脱せずに本明細書で説明される実施形態に対して行われ得る。そのため、説明された実施形態は、単なる例示として解釈されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】