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特表2022-551569バッテリー監視構成を有するエアロゾル発生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-12
(54)【発明の名称】バッテリー監視構成を有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20221205BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20221205BHJP
   H01M 50/247 20210101ALI20221205BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20221205BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20221205BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/51
H01M50/247
H01M50/202 401D
H01M50/204 401D
H01M10/48 P
H01M10/48 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518283
(86)(22)【出願日】2020-10-05
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 EP2020077892
(87)【国際公開番号】W WO2021069393
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】19201971.9
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】JT INTERNATIONAL S.A.
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】ギル,マーク
【テーマコード(参考)】
4B162
5H030
5H040
【Fターム(参考)】
4B162AA02
4B162AA22
4B162AB11
4B162AC32
4B162AD18
4B162AD22
5H030AS11
5H030FF41
5H030FF51
5H040AA36
5H040AS12
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT03
5H040AY02
5H040DD08
5H040DD26
5H040NN03
(57)【要約】
エアロゾル発生装置(10)は、エアロゾル発生物質(26)を受け入れるための空洞(18)を画定するハウジング(16)と、コントローラ(22)と、ハウジング(16)内に配置された充電式バッテリー(20)とを備える。コントローラ(22)は、ハウジング(16)内の充電式バッテリー(20)の膨張を検出するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置(10)であって、
エアロゾル発生物質(26)を受け入れるための空洞(18)を画定するハウジング(16)と、
コントローラ(22)と、
前記ハウジング(16)内に配置された充電式バッテリー(20)と、を備え、
前記コントローラ(22)が、前記ハウジング(16)内の前記充電式バッテリー(20)の膨張を検出するように構成されている、エアロゾル発生装置(10)。
【請求項2】
前記エアロゾル発生装置(10)が、前記ハウジング(16)内の前記充電式バッテリー(20)の膨張に応答して変動する電気的特性を有する導電性構成要素(40)を含む、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記ハウジング(16)内の前記充電式バッテリー(20)の膨張により前記導電性構成要素(40)が変形するように、前記導電性構成要素(40)が前記ハウジング(16)内に配置されている、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記導電性構成要素(40)の前記電気的特性が、前記導電性構成要素(40)の前記変形に基づいて変動する、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記コントローラ(22)が、前記導電性構成要素(40)の検出された前記電気的特性の変動に基づいて、前記充電式バッテリー(20)の膨張を検出するように構成されている、請求項2~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記電気的特性が前記導電性構成要素(40)の電気抵抗を含み、前記コントローラ(22)が前記導電性構成要素(40)の前記電気抵抗を監視するように構成されている、請求項2~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記電気的特性が前記導電性構成要素(40)の導電性を含み、前記コントローラ(22)が前記導電性の断絶を検出するように構成されている、請求項2~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記導電性構成要素(40)が、前記充電式バッテリー(20)の外面(20a)の少なくとも一部の周りに延びている、請求項2~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記導電性構成要素(40)が、実質的に前記充電式バッテリー(20)の周囲全体に沿って延びている、請求項2~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記導電性構成要素(40)が、前記充電式バッテリー(20)の周囲よりも長い距離にわたって前記充電式バッテリー(20)の外面(20a)の周りに延びている、請求項2~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記導電性構成要素(40)の両端が、前記充電式バッテリー(20)の軸方向に互いに対して変位している、請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記導電性構成要素(40)が、前記充電式バッテリー(20)の外面(20a)上に設けられている、請求項2~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記導電性構成要素(40)が、前記充電式バッテリー(20)の外面(20a)に隣接して配置されている、請求項2~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記コントローラ(22)が、前記充電式バッテリー(20)の膨張を検出した時点でアラートを発生するように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記エアロゾル発生装置(10)が、前記充電式バッテリー(20)に電気的に接続され前記空洞(18)内に配置されたエアロゾル発生物質(26)を加熱するように構成されている、ヒーター(37)を含み、前記コントローラ(22)が、前記充電式バッテリー(20)の膨張を検出した時点で、前記ヒーター(37)を前記充電式バッテリー(20)から電気的に切断するように構成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エアロゾル発生装置に関し、より具体的には、エアロゾル発生物質を加熱して、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エアロゾル発生物質を燃やすのではなく、加熱して、吸入のためのエアロゾルを生じさせる装置が消費者に人気になってきている。そのような装置は、いくつかの異なる手法のうちの1つを使用して、エアロゾル発生物質に熱を供給することができる。
【0003】
1つの手法は、抵抗加熱システムを採用するエアロゾル発生装置を提供することである。そのような装置では、エアロゾル発生物質を加熱することにより蒸気を発生させるための抵抗性加熱要素が提供され、蒸気は典型的には冷却され凝縮して、装置のユーザによる吸入のためのエアロゾルが形成される。
【0004】
別の手法は、誘導加熱システムを採用するエアロゾル発生装置を設けることである。そのような装置では、誘導コイル及びサセプタが設けられている。ユーザが装置を作動させると、電気エネルギーが誘導コイルに供給され、次いでこれにより交流電磁場が発生する。サセプタは電磁場と結合し、熱を発生させ、この熱が、例えば伝導によりエアロゾル発生物質に伝達されることにより蒸気が発生され、蒸気は典型的には冷却され凝縮して、装置のユーザによる吸入のためのエアロゾルが形成される。
【0005】
エアロゾル発生物質を加熱するために、どちらの手法が使用されても、必要な電力を抵抗性加熱要素又は誘導コイルに供給するために、エアロゾル発生装置が充電式バッテリーを含むことが好ましい場合がある。しかしながら、充電式バッテリーの使用は特定の欠点を有する場合があり、本開示はその欠点を軽減しようとするものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル発生装置が提供され、このエアロゾル発生装置は、
エアロゾル発生物質を受け入れるための空洞を画定するハウジングと、
コントローラと、
ハウジング内に配置された充電式バッテリーと、を含み、
コントローラは、ハウジング内の充電式バッテリーの膨張を検出するように構成されている。
【0007】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物質を燃やすことなく、エアロゾル発生物質を加熱して、エアロゾル発生物質の少なくとも1つの成分を揮発させることにより蒸気を発生させ、蒸気は冷却され凝縮して、エアロゾル発生装置のユーザによる吸入のためのエアロゾルが形成されるように適合されている。
【0008】
一般論として、蒸気とは、臨界温度よりも低い温度で気相である物質であり、これは、温度を低下させることなく圧力を増加させることにより蒸気を液体に凝縮させ得ることを意味する。一方、エアロゾルは、空気中又は別のガス中の微細な固体粒子又は液滴の浮遊物である。しかしながら、本明細書では、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語は、特に、ユーザによる吸入のために発生される吸入可能媒体の形態に関して互換的に使用され得ることに留意されたい。
【0009】
充電式バッテリーの物理的膨張の検出は、コントローラにより容易に実現され、それにより、例えば、装置の使用を中止することを可能にすることにより、及び/又は充電式バッテリーを交換するためのアクションをとることを可能にすることにより、及び/又は充電式バッテリーをどのように充電及び/又は放電するかをコントローラが変更することを可能にすることにより、エアロゾル発生装置への予想される損傷が回避される。
【0010】
エアロゾル発生装置は、ハウジング内の充電式バッテリーの膨張に応答して変動する電気的特性を有する導電性構成要素を含み得る。ハウジング内の充電式バッテリーの膨張により導電性構成要素が変形するように、導電性構成要素がハウジング内に配置され得る。導電性構成要素の電気的特性の変動は、充電式バッテリーの物理的膨張があることの確実な指標を提供する。
【0011】
導電性構成要素の電気的特性は、導電性構成要素の変形に基づいて変化し得る。したがって、充電式バッテリーの物理的膨張の程度を、電気的特性の変動に基づいて決定することができる。例えば、電気的特性の小さな変動は、充電式バッテリーの物理的膨張が小さいことを示す場合があり、これが介入又は交換の理由がないことを示す場合がある一方で、電気的特性の大きな変動は、充電式バッテリーの物理的膨張が大きいことを示す場合があり、これが介入又は交換の理由があることを示す場合がある。
【0012】
コントローラは、導電性構成要素の検出された電気的特性の変動に基づいて、充電式バッテリーの膨張を検出するように構成され得る。したがって、コントローラは、導電性構成要素の電気的特性の変動に基づいて、充電式バッテリーの何らかの物理的膨張を確実に検出することができる。
【0013】
充電式バッテリーは、電池ハウジング内に含まれる1つ以上の充電式セルを備え得る。電池ハウジングは、任意の好適な形状を有してもよく、例えば、実質的に円筒形、実質的にボタン形又はコイン形、又は実質的に矩形であってもよい。ハウジングのこれら形状は、純粋に例として与えられており、他のハウジング形状を使用することができ、それらは完全に本開示の範囲内にあることが当業者には明らかとなるであろう。
【0014】
電気的特性は、導電性構成要素の電気的抵抗を含んでもよく、コントローラは、導電性構成要素の電気的抵抗を監視するように構成されてもよい。この構成により、コントローラは、導電性構成要素の電気的抵抗において検出された変化に基づいて、充電式バッテリーの物理的膨張を検出するように構成されてもよい。
【0015】
電気的特性は、導電性構成要素の導電性を含んでもよく、コントローラは、導電性の断絶を検出するように構成されてもよい。例えば、導電性構成要素は、充電式バッテリーが膨張した場合に、張力を受けて引き離されて機械的に故障するように構成されてもよい。この構成により、コントローラは、導電性構成要素の検出された導電性の断絶に基づいて、バッテリーの物理的膨張を検出するように構成されてもよい。
【0016】
導電性構成要素は、充電式バッテリーの外面の少なくとも一部の周りに延びていてもよい。エアロゾル発生装置の構造は単純化され得る。
【0017】
導電性構成要素は、充電式バッテリーの周囲全体(例えば、外周)に実質的に沿って延びてもよい。これにより、充電式バッテリーの何らかの膨張を確実に検出することが可能になり得る。
【0018】
導電性構成要素は、充電式バッテリーの周囲(例えば、外周)よりも長い距離にわたって充電式バッテリーの外面の周りに延びてもよい。導電性構成要素の両端が、充電式バッテリーの軸方向に互いに対して変位していてもよい。一例では、導電性構成要素は、充電式バッテリーの周りに対角線状に又は螺旋状に巻かれてもよい。別の例では、導電性構成要素の1つ以上の部分が、充電式バッテリーの軸方向に実質的に延びていてもよい。これらの構成により、導電性構成要素は、充電式バッテリーのより大きな表面積をカバーすることができ、それにより充電式バッテリーの膨張をより確実に検出することが可能になる。
【0019】
導電性構成要素を、充電式バッテリーの外面に設けてもよい。例えば、導電性構成要素を、充電式バッテリーの外面上に、コーティング、接着、印刷、堆積、又は他の方法で製造することができる。導電性構成要素と充電式バッテリーの外面との間の直接的で密接な接触により、充電式バッテリーの膨張の検出が容易になる場合があり、エアロゾル発生装置の構造を単純化することが可能になる場合がある。
【0020】
導電性構成要素は、充電式バッテリーの外面に隣接して配置されてもよい。この例では、導電性構成要素は、エアロゾル発生装置に一体化された構成要素部品であり得る。例えば、導電性構成要素は、エアロゾル発生装置のハウジング上に設けられてもよい。
【0021】
導電性構成要素は、導電性トラック又は導電性ストリップを備えてもよい。
【0022】
コントローラは、充電式バッテリーの膨張を検出した時点でアラートを発生するように構成されてもよい。これにより、エアロゾル発生装置のユーザが、例えば装置の使用を中止し、場合によっては充電式バッテリーを取り外して交換することにより、適切なアクションをとることが可能になり得る。
【0023】
エアロゾル発生装置は、充電式バッテリーに電気的に接続され空洞内に配置されたエアロゾル発生物質を加熱するように構成されている、ヒーターを含んでもよく、コントローラは、充電式バッテリーの膨張を検出した時点で、ヒーターを充電式バッテリーから電気的に切断するように構成されてもよい。装置の更なる使用、及び充電式バッテリーの予想される更なる物理的膨張が防止され得る。これにより、継続的な使用を防止することにより、エアロゾル発生装置が物理的に損傷するリスクを最小限に抑えることができる。
【0024】
ヒーターは、抵抗性ヒーターを備えてもよい。抵抗性ヒーターは、抵抗性加熱要素を含んでもよい。抵抗性加熱要素は、電気抵抗性材料を含んでよい。好適な電気抵抗性材料の例には、金属、金属合金、導電性セラミック、例えばタングステンとその合金、及び金属材料とセラミック材料とを含む複合材料、が含まれるが、これらに限定されない。
【0025】
ヒーターは、誘導加熱可能なサセプタを誘導加熱するための交流電磁場を発生するように構成された誘導コイルを備えてもよい。誘導コイルは、リッツ線又はリッツケーブルを備えてもよい。しかしながら、他の材料が使用され得ることが理解されるであろう。誘導コイルは空洞の周りに延びてもよい。
【0026】
誘導コイルは実質的に螺旋状の形状であってもよい。螺旋状誘導コイルの円形の断面により、エアロゾル発生物質、又は例えばエアロゾル発生物質を含むエアロゾル発生物品、及び任意選択で1つ以上の誘導加熱可能なサセプタの、空洞内へと挿入を促進し、エアロゾル発生物質の均一な加熱を確実にしてもよい。
【0027】
誘導加熱可能サセプタは、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、及びそれらの合金、例えばニッケルクロム又はニッケル銅、のうちの1種以上を含み得るが、これらに限定されない。サセプタの付近に電磁場を印加すると、渦電流及び磁気ヒステリシス損失により電磁気から熱へのエネルギー変換がもたらされることに起因して、サセプタは熱を発生させ得る。
【0028】
誘導コイルは、使用時に、約20mT~最高密度点で約2.0Tの間の磁束密度を有する変動電磁場を伴って動作するように構成され得る。
【0029】
コントローラは、電子回路を含んでもよい。充電式バッテリー及び電子回路は、高周波で動作するように構成されてもよい。充電式バッテリー及び電子回路は、約80kHz~500kHz、場合により約150kHz~250kHz、場合により約200kHzの周波数で動作するように構成されてもよい。充電式バッテリー及び電子回路は、使用される誘導加熱可能サセプタのタイプに応じて、例えばMHz範囲のより高い周波数で動作するように構成され得る。
【0030】
エアロゾル発生物質は、任意のタイプの固体又は半固体の材料であり得る。エアロゾル発生固形物の例示的なタイプとしては、粉末、顆粒、ペレット、シュレッド、ストランド、粒子、ゲル、条片、ルーズリーフ、カットリーフ、カットフィラー、多孔質材料、発泡材料、又はシートが挙げられる。エアロゾル発生物質は、植物由来材料を含んでもよく、特にタバコを含んでもよい。植物由来材料は、有利には再構成タバコを含み得る。
【0031】
エアロゾル発生物質は、巻紙により取り巻かれていてもよく、したがって、エアロゾル発生物品として具体化されていてもよい。エアロゾル発生物品は、実質的に棒状に形成されてもよい。エアロゾル発生物品は、例えばセルロースアセテート繊維を含む、フィルタを含んでもよい。フィルタは、エアロゾル発生物質に隣接して同軸配置されてもよい。
【0032】
エアロゾル発生物質は、シェル内に構成されてもよく、したがって、エアロゾル発生物品として具体化されてもよい。シェルは、通気性シェルであってもよく、電気的に絶縁された非磁性の材料を含んでもよい。シェルは、通気性材料、例えば多孔質材料、を含んでもよい。この材料は、高温に対する耐性を伴って、この材料を通って空気が流れることを可能にする高い通気性を有してもよい。好適な通気性材料の例は、セルロース繊維、紙、綿、及び絹を含む。通気性材料は、フィルタとしても機能し得る。代わりに、シェルは、通気性ではない材料、例えば非多孔質材料、を含んでもよいが、シェルを空気が通ることが可能なように穿孔又は開口部を含む。
【0033】
エアロゾル発生物質は、エアロゾル形成剤を含み得る。エアロゾル形成剤の例としては、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が挙げられる。典型的には、エアロゾル発生物質は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾル形成剤含有率を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル発生物質は、乾燥重量ベースで約10%~約20%のエアロゾル形成剤含有率、場合により乾燥重量ベースで約15%を含み得る。
【0034】
別の例では、エアロゾル発生物質は、エアロゾル形成剤そのものであり得る。したがって、エアロゾル発生物質は液体であってもよい。この場合、エアロゾル発生装置は、ヒーターに関連付けられた液体移送要素(例えば、芯)を含んでもよく、これにより、液体をヒーターで気化させることが可能になり、蒸気を形成させて液体移送要素から吐出/放出させることが可能になり、その後、蒸気は冷却され凝縮して、エアロゾル発生装置のユーザによる吸入にとって好適なエアロゾルが形成される。
【0035】
加熱すると、エアロゾル発生物質は、揮発性化合物を放出し得る。揮発性化合物は、ニコチン又はタバコ香味料などの香味化合物を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】充電式バッテリーと、電池の外面の周りに延びる導電性構成要素とを含む、エアロゾル発生装置の一例の概略断面図である。
図2】非膨張状態にある充電式バッテリーを示す図1の線A-Aに沿った概略断面図である。
図3】膨張状態にある充電式バッテリーを示す図1の線A-Aに沿った概略断面図である。
図4】導電性構成要素が充電式バッテリーの外面の一部分の周りに延びている代替的実施例の、図2と同様の概略図である。
図5】導電性構成要素が充電式バッテリーの外面の一部分の周りに延びている代替的実施例の、図3と同様の概略図である。
図6】充電式バッテリー、及び充電式バッテリーの外面の周りに螺旋状に延びている導電性構成要素のみを示す、図1と同様の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
ここで、本開示の実施形態について、あくまで例として、添付の図面を参照しながら説明する。
【0038】
初めに図1図3を参照すると、エアロゾル発生システム1の例が概略的に示されている。エアロゾル発生システム1は、エアロゾル発生装置10とエアロゾル発生物品24の一例とを備える。エアロゾル発生装置10は、近位端12及び遠位端14を有し、空洞18を画定するハウジング16を備える。ハウジング16は、空洞18に空気を供給するための1つ以上の空気入口19を含む。エアロゾル発生装置10は、充電式バッテリー20の形態の電源、及びコントローラ22を更に含む。図1では1つの充電式バッテリー20のみが示されているが、電源は複数の充電式バッテリー20を備えることができること、及びその充電式バッテリー20又は各充電式バッテリー20は、例えば誘導充電可能であってもよいことが理解されるであろう。
【0039】
エアロゾル発生装置10は略円筒形であり、ハウジング16により画定される空洞18も円筒形であり円筒形の加熱区画の形態をとっている。空洞18は、対応する形状の概ね円筒形又は棒状の、エアロゾル発生物質26を含むエアロゾル発生物品24を受け入れるように構成されている。エアロゾル発生物品24は使い捨て物品であり、例えば、エアロゾル発生物質26としてタバコを含み得る。エアロゾル発生物品24は、第1の端部28及び第2の端部30を有し、エアロゾル発生物質26を取り囲む巻紙32を備える。エアロゾル発生物品24はまた、第1の端部28にフィルタ34を備え、フィルタは、エアロゾル発生物質26及び巻紙32に隣接して同軸配置されている。フィルタ34は、マウスピースとして機能し、例えば酢酸セルロース繊維を含む通気性プラグを備える。巻紙32とフィルタ34の両方とも、典型的にはチップペーパーを備える外側ラッパー36により包み込まれている。図示していない代替的実施例では、フィルタ34を省略することができ、代わりにエアロゾル発生装置10が一体型マウスピースを含むことができる。
【0040】
エアロゾル発生装置10は、エアロゾル発生物質26を燃やすことなくエアロゾル発生物質26を加熱するためのヒーター37を含む。図示する実施形態では、ヒーター37は、空洞18の半径方向外向きに配置され空洞18の周りに延びる、抵抗性加熱要素38を備える。
【0041】
エアロゾル発生システム1の動作中、抵抗性加熱要素38に電流が供給されて、抵抗性加熱要素が加熱される。抵抗性加熱要素38からの熱は、例えば伝導、放射、及び対流により、空洞18内に配置されたエアロゾル発生物質26に伝達されて、エアロゾル発生物質26を加熱することにより蒸気を発生させ、蒸気は冷却され凝縮して、エアロゾル発生システム1のユーザによる吸入のためのエアロゾルが形成される。エアロゾル発生物質26の気化は、空気入口19を通して周囲環境から空気を追加することにより促進される。
【0042】
エアロゾル発生装置10は、導電性トラック42の形態の導電性構成要素40を含む。図1図3に示す例では、充電式バッテリー20は、断面が実質的に円形であり、導電性トラック42は、充電式バッテリー20の外面20aの周りを円周方向に実質的に円周全体にわたって延びている。非膨張状態の充電式バッテリー20を示す図2の断面図から明らかなように、導電性トラック42は、充電式バッテリー20の外面20aに隣接して配置されている。より具体的には、導電性トラック42は、充電式バッテリー20が配置されている電池区画内のハウジング16上に設けられている。(図示されていない)別の例では、導電性トラック42は、例えば、充電式バッテリー20の外面20a上にコーティング、接着、印刷、堆積、又は他の方法で製造することにより、充電式バッテリー20の外面20a上に設けられてもよい。どちらの場合も、導電性トラック42は、充電式バッテリー20が図2に示すような膨張していない状態にあるとき、導電性トラック42が無傷であり導電性のままであるように構成されている。
【0043】
図1図3に示す例では、導電性トラック42は、実質的に非伸長性の材料で形成されている。したがって、充電式バッテリー20が所定の量だけ又は所定の閾値を超えて膨張した場合、導電性トラック42は張力を受け、例えば図3でAで示す点にて引き離され断絶し、その結果、導電性トラックの42の導電性は断絶を示す。コントローラ22は、導電性トラック42の導電性の断絶を検出し、それによりハウジング16内の充電式バッテリー20の膨張を検出するように構成され得る。
【0044】
図4及び図5に示す別の例では、導電性トラック42は、充電式バッテリー20の外面20aの一部のみの周りに延びている。導電性トラック42は、充電式バッテリー20がハウジング16内で膨張すると張力を受けて機械的に伸張する伸張可能な材料を含む。充電式バッテリー20の膨張に起因する導電性トラック42の伸張は、図4図5の比較から明らかである。導電性トラック42は、それが変形するにつれて、特にそれが伸張されるにつれて変化する(例えば、増加又は減少する)抵抗を有する。コントローラ22は、導電性トラック42の抵抗変化を検出し、それによりハウジング16内の充電式バッテリー20の膨張を検出するように構成され得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、コントローラ22は、例えば、導電性トラック42の検出された導電性の断絶に基づいて(図2及び図3)、又は導電性トラック42の検出された抵抗の変化に基づいて(図4及び図5)、充電式バッテリー20の膨張を検出した時点で、アラートを発生するように構成されてもよい。アラートは、バッテリー20の膨張が検出されたことを、エアロゾル発生装置10のユーザに通知することができ、それにより、例えば、ユーザが装置10の使用を中止すること、及び/又は充電式バッテリー20を交換することが可能になる。代わりに又は加えて、コントローラ20は、充電式バッテリー20の物理的膨張を検出した時点で、抵抗性加熱要素38を充電式バッテリー20から電気的に切断するように、及び/又は充電式バッテリー20の充電及び/又は放電特性を変更して、例えば、更なる膨張の速度を最小限に抑え、充電式バッテリー20の耐用寿命を延長させるように構成されてもよい。
【0046】
ここで図6を参照すると、充電式バッテリー20の外面20aの周りに螺旋状に延びる導電性トラック42の代替的実施例が示されている。この代替的実施例では、導電性トラック42は、充電式バッテリー20の円周よりも大きい合計距離にわたって外面20aの周りに延びている。上述したように、導電性トラック42が、充電式バッテリー20の外面20aの周りに、その円周よりも長い距離にわたって延びる構成は、導電性トラック42が充電式バッテリー20のより広い表面積をカバーするので、充電式バッテリー20の膨張をより確実に検出することを可能にし得る。
【0047】
これまでの段落では例示的な実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正を加えることができることを理解されたい。したがって、特許請求の幅及び範囲は、上述した例示的な実施形態に限定されるべきではない。
【0048】
本明細書において別途記載のない限り又は文脈に明らかに矛盾しない限り、上述した特徴の任意の組み合わせが、その全ての可能な変形形態にて、本開示によって包含される。
【0049】
文脈上、明らかに他の意味に解すべき場合を除き、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、「含む、備える」、「含んでいる、備えている」などの語は、排他的意味又は網羅的意味にではなく、包括的に、すなわち「含むが、限定されない」という意味で解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】