(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-12
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置用の消耗品
(51)【国際特許分類】
A24F 40/20 20200101AFI20221205BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20221205BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20221205BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20221205BHJP
【FI】
A24F40/20
A24F40/46
A24F40/70
A24F40/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518405
(86)(22)【出願日】2020-10-07
(85)【翻訳文提出日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 EP2020078175
(87)【国際公開番号】W WO2021069525
(87)【国際公開日】2021-04-15
(32)【優先日】2019-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】JT INTERNATIONAL S.A.
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローガン, アンドリュー ロバート ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ライト, アレク
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC12
4B162AC22
4B162AE02
(57)【要約】
導電性材料を備えるヒーター層(11)と、ヒーター層(11)の両側のエアロゾル基材の層(12)であって、エアロゾル基材の層(12)のそれぞれが導電性材料に着接される、エアロゾル基材の層と、を備える複数の隣接層を備える消耗品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の隣接層を有する消耗品であって、
導電性材料を有するヒーター層と、
前記ヒーター層の両側のエアロゾル基材の層と、を有し、前記エアロゾル基材の層のそれぞれが前記導電性材料に着接される、消耗品。
【請求項2】
前記導電性材料は、金属及び/又は炭素を有する、請求項1に記載の消耗品。
【請求項3】
前記ヒーター層は、焼結金属、スティールウール、メッシュ、不織布材料、及び蛇行トラックのうちの1つ以上から形成される、請求項2に記載の消耗品。
【請求項4】
前記ヒーター層は抵抗である、請求項3に記載の消耗品。
【請求項5】
前記ヒーター層は、10オームを超える、好ましくは20オームを超える、例えば約30オームの抵抗を有する、請求項4に記載の消耗品。
【請求項6】
前記ヒーター層は、その縁部において前記エアロゾル基材の層によって囲まれる、請求項1から5のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項7】
前記複数の隣接層は複数のヒーター層を備え、そのそれぞれがヒーター層の両側にエアロゾル基材の層を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項8】
前記複数の隣接層は、交互のヒーター層及びエアロゾル基材層を備える、請求項3から5のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項9】
前記複数の隣接層のそれぞれは、矩形、S字状、三角形、又は円形の断面を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項10】
前記複数の隣接層は中空管に形成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項11】
前記複数の隣接層を通る1つ以上の孔を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項12】
前記1つ以上の孔は、電気接点を受け入れるよう適合される、請求項11に記載の消耗品。
【請求項13】
更に、前記1つ以上の孔に埋め込まれ、前記ヒーター層に接続される複数の電気接点を備える、請求項12に記載の消耗品。
【請求項14】
前記エアロゾル基材は、吸入可能な作用剤と、エアロゾル形成剤と、発泡体形成剤と、発泡体安定剤とを備える発泡体を備え、前記吸入可能な作用剤は発泡体の0.1~33重量%であり、前記エアロゾル形成剤は発泡体の10~80重量%、好ましくは40~70重量%である、請求項1から13のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項15】
前記吸入可能な作用剤は、タバコ成分である、請求項14に記載の消耗品。
【請求項16】
前記エアロゾル基材は、20μm~300μmの粒径を有するタバコ粉末を有する、請求項15に記載の消耗品。
【請求項17】
エアロゾル基材の各層は、80μm~500μmの厚さを有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項18】
前記ヒーター層は可撓性である、請求項1から17のいずれか一項に記載の消耗品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル生成装置及びエアロゾル生成装置用の消耗品、並びに、かかる消耗品を製造するための方法に関する。消耗品は、燃焼させるのではなく、加熱して、吸入のためのエアロゾルを生成させるタバコ又は他の好適なエアロゾル基質材料を備えうる。
【背景技術】
【0002】
リスク低減装置又はリスク修正装置(気化器としても公知)の人気と使用は、紙巻きたばこ、葉巻、シガリロ、及び巻きたばこ等の従来のたばこ製品の喫煙を止めようと望む常習的喫煙者を支援するための手助けとして、ここ数年で急速に成長してきた。従来のたばこ製品においてタバコを燃焼させるのとは対照的に、エアロゾル化可能物質を加熱又は加温する様々な装置及びシステムが利用可能である。
【0003】
一般に利用可能なリスク低減装置又はリスク修正装置は、加熱式基質エアロゾル生成装置又は加熱非燃焼式装置である。この種類の装置は、湿った葉タバコ又は他の好適なエアロゾル化可能材料を典型的に備えるエアロゾル基材を、典型的には150℃~350℃の範囲の温度に加熱することによってエアロゾル又は蒸気を生成する。エアロゾル基材を燃焼させたり、又は燃やしたりするのではなく加熱することにより、ユーザーが求める成分は含むが、燃焼及び燃やすことによる毒性及び発癌性のある副生成物は含まないエアロゾルが放出される。更には、タバコ又は他のエアロゾル化可能材料を加熱することにより生成されるエアロゾルは、ユーザーにとって不快となり得る、燃焼及び燃やすことに起因する焦げた味又は苦味を典型的には含まない。従って、基材は、煙及び/又は蒸気をユーザーにとってより口当たりの良いものにするためにかかる材料に典型的に添加される糖及び他の添加物を必要としない。
【0004】
向上したエネルギー効率又は短縮された加熱時間でエアロゾルを生成させることができる消耗品又はエアロゾル生成装置を提供することが望ましい。更に、かかる消耗品を製造するための方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の開示の第1の態様において、複数の隣接層を備える消耗品であって、導電性材料を備えるヒーター層と、ヒーター層の両側のエアロゾル基材の層であって、エアロゾル基材の層のそれぞれが導電性材料に着接される、エアロゾル基材の層と、を備える複数の隣接層を備える消耗品が提供される。
【0006】
任意選択的に、導電性材料は金属及び/又は炭素を備える。
【0007】
任意選択的に、ヒーター層は、焼結金属、スティールウール、メッシュ、不織布材料、及びジグザグ又はS字プロファイル等の蛇行トラックのうちの1つ以上から形成される。
【0008】
任意選択的に、ヒーター層は抵抗である。特に、ヒーター層は、10オームを超える、好ましくは20オームを超える、例えば約30オームの抵抗を有していてもよい。
【0009】
任意選択的に、ヒーター層は、生分解性導電ポリマー層、例えば、Kynol(登録商標)炭素材、又はグラファイトテープである。
【0010】
任意選択的に、ヒーター層は、エアロゾル基材の層によってその縁部において囲まれる。
【0011】
任意選択的に、複数の隣接層は複数のヒーター層を備え、そのそれぞれがヒーター層の両側にエアロゾル基材の層を有する。
【0012】
任意選択的に、複数の隣接層は、交互のヒーター層及びエアロゾル基材層を備える。
【0013】
任意選択的に、複数の隣接層のそれぞれは、矩形、S字状、三角形、又は円形の断面を有する。
【0014】
任意選択的に、複数の隣接層は中空管に形成される。
【0015】
任意選択的に、消耗品は、複数の隣接層を通る1つ以上の孔を備える。
【0016】
任意選択的に、1つ以上の孔は、電気接点を受け入れるよう適合される。1つ以上の孔は、約0.5~2mmの直径を有していてもよい。
【0017】
任意選択的に、消耗品は、更に、1つ以上の孔に埋め込まれ、ヒーター層に接続される複数の電気接点を備える。
【0018】
任意選択的に、エアロゾル基材は、吸入可能な作用剤と、エアロゾル形成剤と、発泡体形成剤と、発泡体安定剤とを備える発泡体を備え、吸入可能な作用剤は発泡体の0.1~33重量%であり、エアロゾル形成剤は発泡体の10~80重量%、好ましくは40~70重量%である。
【0019】
任意選択的に、吸入可能な作用剤は、タバコ成分である。
【0020】
任意選択的に、エアロゾル基材は、20μm~300μmの粒径を有するタバコ粉末を備える。
【0021】
任意選択的に、エアロゾル基材の各層は、80μm~500μmの厚さを有する。
【0022】
任意選択的に、ヒーター層は可撓性である。
【0023】
以下の開示の第2の態様において、複数の隣接層を備えるエアロゾル生成消耗品を製造するための方法が提供される。方法は、第1のエアロゾル基材リボン及び第2のエアロゾル基材リボンをヒーターリボンのそれぞれの側面に着接することによって、複数の隣接層を備える消耗品リボンを作製することと、消耗品リボンを切断して個々の消耗部品を作製することと、を含む。
【0024】
任意選択的に、着接することは、第1のエアロゾル基材リボン、ヒーターリボン、及び第2のエアロゾルリボンを共に押圧することを含む。
【0025】
任意選択的に、押圧することは、第1のエアロゾル基体リボン及び/又は第2のエアロゾル基体リボンをエンボス加工又はデボス加工することを含む。
【0026】
任意選択的に、押圧は高温で行われる。
【0027】
任意選択的に、切断は、個々の消耗品におけるヒーター層の端部がエアロゾル基材によって覆われるように、第1及び/又は第2のエアロゾル基材リボンを剪断するよう配置される湾曲縁部を有するブレードを用いて行われる。
【0028】
任意選択的に、切断は、個々の消耗品の形状を画成するよう適合されるパンチを用いて行われる。
【0029】
任意選択的に、方法は、更に、個々の消耗品が1つ以上の空気流チャネルを備えるように、消耗品リボンを穿孔することを含む。
【0030】
任意選択的に、方法は、更に、消耗品リボンを乾燥させることを含む。
【0031】
任意選択的に、第1のエアロゾル基材リボン、ヒーターリボン、及び第2のエアロゾル基材リボンのうちの1つ以上は、それぞれのリールから引き抜かれる。
【0032】
任意選択的に、方法は、更に、エアロゾル基材のスラリー、ドウ、又はムースを冷間引き抜きすることによって第1のエアロゾル基材リボン及び/又は第2のエアロゾル基材リボンを作製することを含む。
【0033】
任意選択的に、冷間引き抜きは、一連のローラーを用いて、第1のエアロゾル基材リボン及び/又は第2のエアロゾル基材リボンの厚さを徐々に減少させることを含む。
【0034】
任意選択的に、方法は、更に、消耗品リボンをリール上に保管することを含む。
【0035】
任意選択的に、消耗品リボンを作製することは、複数のヒーターリボン及び複数のエアロゾル基材リボンを着接することを含み、ヒーターリボン及びエアロゾル基材リボンは、消耗品リボンの交互層として配置される。
【0036】
任意選択的に、着接することは、1つ以上の追加リボンが複数の隣接層に追加される複数の押圧ステップを含む。
【0037】
任意選択的に、ヒーターリボンは導電性材料を備える。
【0038】
任意選択的に、ヒーター層は、焼結金属、スティールウール、メッシュ、不織布材料、フィルム、及び蛇行トラックのうちの1つ以上から形成される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図2A】消耗品がない状態及びある状態のエアロゾル生成装置の断面を示す略図。
【
図2B】消耗品がない状態及びある状態のエアロゾル生成装置の断面を示す略図。
【
図4A】本発明による別の消耗品と、消耗品リボンを切断して別の消耗品を作製する方法において用いられうるツールとの断面を示す略図。
【
図4B】本発明による別の消耗品と、消耗品リボンを切断して別の消耗品を作製する方法において用いられうるツールとの断面を示す略図。
【
図4C】本発明による別の消耗品と、消耗品リボンを切断して別の消耗品を作製する方法において用いられうるツールとの断面を示す略図。
【
図4D】本発明による別の消耗品と、消耗品リボンを切断して別の消耗品を作製する方法において用いられうるツールとの断面を示す略図。
【
図6】エアロゾル生成装置で用いられうる異なる種類の穿孔要素を示す略図。
【
図8A】消耗品がない状態及びある状態の別のエアロゾル生成装置の断面を示す略図。
【
図8B】消耗品がない状態及びある状態の別のエアロゾル生成装置の断面を示す略図。
【
図9】消耗品リボンを作製する第1の方法を示す略図。
【
図10】消耗品リボンを作製する第2の方法を示す略図。
【
図11】消耗品リボンを作製する第3の方法を示す略図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明は、エアロゾル生成装置用の層状消耗品を提供し、その基本原理は、
図1、2A、及び2Bを参照することによって理解することができる。
【0041】
図1は、複数の隣接層を備える消耗品10の断面を略図で示している。隣接層は、導電性材料を備えうるヒーター層11を備える。隣接層は、加えて、ヒーター層11の両側にあり、ヒーター層11に着接されるエアロゾル基材12の層を備えている。
【0042】
図2Aは、消耗品10を受け入れることができるエアロゾル生成装置20の断面を略図で示す一方で、
図2Bは、消耗品10を収容するエアロゾル生成装置20の断面を略図で示している。
図2A及び2Bに示すように、エアロゾル生成装置は、消耗品の複数の隣接層の一方又は両方の外層を通って(言い換えれば、複数の隣接層における最初及び最後の層の一方又は両方を通って、この場合、エアロゾル基材層12である)、消耗品のヒーター層11に電力を供給するよう配置される電気接点23を備えている。従って、エアロゾル生成装置20は、エアロゾル基材12の層を加熱し、それによってエアロゾルを生成させるために、ヒーター層11の導電性材料に電力を供給することができる。
【0043】
消耗品10の隣接層の挟持配置は、ヒーター層11がエアロゾル基材層12によって電気絶縁及び断熱されるという効果を有する。これは、消耗品10の単純な設計を可能にする一方で、エアロゾル生成装置20を損傷するヒーター層11のリスクを低減する。加えて、これはポリイミド等の別個の電気絶縁層を不要にする。エアロゾル基材を任意の中間絶縁層なしにヒーター層に着接することによって、加熱をより迅速且つより効率的にすることができる。
【0044】
より詳細には、第1の実施形態において、消耗品は、電気接点が穿孔要素23の一部を形成する穿孔電気接点であるエアロゾル生成装置20に適している。穿孔要素は、エアロゾル基材12の1つ以上の層を通って消耗品10を穿孔し、穿孔電気接点とヒーター層11との間に電気接続を形成するよう適合される。
【0045】
再度
図2Aを参照すると、消耗品の第1の実施形態と互換性のあるエアロゾル生成装置の第1の実施例において、エアロゾル生成装置20は、消耗品10を受け入れるよう適合されるチャンバ22を備えるハウジング21を備えている。チャンバ22は、消耗品を挿脱することができる開口部を備え、エアロゾル生成装置20は、更に、開口部が開放される開位置(
図2Aに示す)と開口部が閉じられる閉位置(
図2Bに示す)との間で移動するよう配置されるカバー24を備えている。カバー24は、ヒンジ25によってハウジング21に取り付けられる。
【0046】
より詳細には、チャンバ22は、消耗品が挿入される場合に、ヒーター層に電力を供給する電気接点に対して消耗品が正確に位置決めされるように適合される。チャンバ22は、ヒーター層11又は複数のヒーター層と電気接触するために、エアロゾル基材12の1つ以上の層を通る穿孔要素による穿孔のための正しい向きで消耗品が挿入されることを確実にする寸法にされてもよい。加えて、チャンバ22は、消耗品が滑り嵌めを有する寸法にされてもよく、又は消耗品のヒーター層は、電気接点の異なる位置決めを許容するよう設計されてもよい。例えば、ヒーター層は、電気接点の特定の位置決めがヒーター層に電力を供給することに対して必要とされないように、均一な材料であってもよい。
【0047】
穿孔要素23はカバー24に取り付けられる。カバー24は、ユーザーが消耗品10をチャンバ22に挿入し、カバー24を閉位置に移動させると、穿孔要素23が消耗品10に押し込まれ、結果として
図2Bに示すような構成を生じるように配置される。チャンバ22は、
図2Bに示すように閉じられた場合に境界が定められ、対応する境界を、
図2Aにおいてチャンバの開口部における破線を用いて示している。
【0048】
エアロゾル生成装置20は、更に、エアロゾル生成装置が生成したエアロゾルをユーザーに提供するマウスピース26を備える。マウスピース26は、例えば、パイプ(図示せず)を介してチャンバ22に接続されうる。
【0049】
加えて、エアロゾル生成装置20は、更に、電気接点への電力供給と、ユーザーがヒーター層による加熱を制御するための手段とを備えている。
【0050】
消耗品の第1の実施形態及びエアロゾル生成装置の第1の実施例はまた、様々な変形及び任意の特徴を有し、その非限定的な例を以下に説明する。
【0051】
消耗品の第1の実施形態において、導電性材料は、金属、炭素、又は金属と炭素との混合物を含みうる。加えて、消耗品の第1の実施形態において、ヒーター層は、可撓性又は変形可能であって、消耗品の製造を補助し、潜在的に消耗品をユーザーにとって取り扱い及びエアロゾル生成装置に挿入し易くしてもよい。これらの特徴は、例えば、薄い固体導電層又は導電性繊維のネットワークを用いることによって達成されうる。ヒーター層は、例えば、焼結金属、スティールウール、メッシュ、不織布材料、フィルム、又は蛇行トラックのうちの1つ以上から形成されうる。ヒーター層は、10オーム超、好ましくは20オーム超、例えば約30オームの抵抗を有する導電層でありうる。従って、金属抵抗回路とは対照的に、ヒーター層は、加熱するためにより高い電圧を必要とするが、より低い電流を必要とする。ヒーター層は、例えば、Kynol(登録商標)炭素材を備えていてもよい。
【0052】
ヒーター層11は、例えば、それがトラックから形成される場合、エアロゾル基材12の層間に完全なバリアを形成しない可能性があり、エアロゾル基材の層12は、互いに部分的に接触していてもよい。加えて、ヒーター層11の加熱部分をエアロゾル基材12の層と直接接触させて配置するという上述の利点にも関わらず、ヒーター層11は内部に絶縁体を備えていてもよい。
【0053】
消耗品の第1の実施形態において、エアロゾル基材は、層状に押し出される発泡体の形態をとっている。発泡体における発泡体構造は、特に限定されず、例えば、捕捉された気泡を備えることができる。それは、特に加熱中に、熱及びエアロゾルが発泡体中を循環することを可能にし、従って、一様な加熱、良質なエアロゾル、及びエアロゾルの極めて効率的な抽出を提供する、大きい表面積を有する開放構造として提供することができる。
【0054】
発泡体は、加熱されると、エアロゾル生成装置によって生成するエアロゾルの成分を生成又は放出する吸入可能な作用剤を備える。吸入可能な作用剤は、例えば、タバコ成分であってもよい。加えて、発泡体は、エアロゾル形成剤、発泡体形成剤、及び発泡体安定剤を備える。発泡体形成剤は、一般に、発泡体が形成される、例えば泡立てられる場合に気泡を捕捉することができ、発泡体安定剤は、発泡体の破壊を減らす及び防ぐことさえできる。吸入可能な作用剤は、加熱時にエアロゾル形成剤と共に放出されるよう構成されてもよい。
【0055】
発泡体形成剤は特に制限されない。発泡体形成剤は、例えば、寒天、ジェランガム、レシチン、脂肪酸エステル、及び/又はそれらの混合物を備えていてもよく、それらに限定されない。更に、エアロゾル形成剤は特に限定されない。エアロゾル形成剤は、例えば、グリセロール、プロピレングリコール等のグリコール誘導体、セバシン酸エステル、及び/又はそれらの混合物を備えていてもよく、それらに限定されない。
【0056】
この実施形態において、吸入可能な作用剤は発泡体の0.1重量%~33重量%であり、エアロゾル形成剤は発泡体の10重量%~80重量%である。エアロゾル形成剤は、発泡体の40重量%~70重量%であることがより好ましい。エアロゾル基材層は、例えば、再構成タバコシートであってもよい。発泡体の代替として、エアロゾル基材は、ドウ、スラリー、又はムースから押し出されてもよい。
【0057】
特定の実施例において、エアロゾル基材は、約1重量%~約7重量%のカルボキシメチルセルロース(CMC)と、約10重量%~約35重量%のグリセリンと、約20μm~300μmの粒径を有するタバコ粉末とを備える混合物を押し出すことによって作製されうる。
【0058】
別の特定の実施例において、エアロゾル基材の各層は、80μm~2mm、好ましくは1.4mmの厚さを有している。含水率は、10重量%~15重量%、好ましくは12.5重量%でありうる。本明細書中における「含水率」とは、水のみを指し、存在する可能性があるいかなる湿潤剤も含まない。
【0059】
図3に示すように、消耗品10は、隣接層を備えるシート又はリボンを切断、打ち抜き、又はパンチングすることによって、様々な平面形状を有して形成されうる。言い換えれば、消耗材は、各層において同じ断面を有する形状にされうる。例えば、消耗品は、矩形30A、又はより詳細には、SIMカード形状を有していてもよい。消耗品は、代替として、蛇行又はS字トラック形状30B又は30Cを有していてもよい。更に、消耗品は、三角形30D又は円形30Eを有していてもよい。異なる形状が、消耗品にわたって異なる熱プロフィールを提供するために用いられてもよい。消耗品10の平面形状は、任意の適切な寸法で形成されうる。特定の一実施例において、消耗品10は、18mm×12mmの長さ及び幅寸法を有する矩形30Aを有して形成される。
【0060】
図4Aに示すように、消耗品10の各層は、同じ断面を有する必要はない。例えば、形状の縁部において、エアロゾル基材層12は、ヒーター層11がエアロゾル基材12の層によって縁部において囲まれるように、ヒーター層11を超えて延在していてもよい。これは、ヒーター層11の縁部を絶縁する効果も有する。
図4Aの実施例において、エアロゾル基材層は12a及び12bとして明確にラベル付けされているが、それらは互いに同じであってもよい。
【0061】
個々の消耗品は、切断手段を用いて消耗品リボンから必要な長さに切断されうる。
図4B~4Dは、かかる切断手段によって実行される可能性がある切断を示している。本明細書中において、「切断」は、消耗品リボンを個々の部分に分割する様々な方法を含んでいる。例えば、「切断」は、単一のステップにおいて消耗品リボンから個々の消耗品を画成するパンチング又は打ち抜きを含み、また、2つ以上のステップにおいて消耗品リボンから個々の消耗品を形成するよう個々の消耗品の各端部を切断することも含む。
【0062】
消耗品の形状は、消耗品形状が切断され、打ち抜かれ、又はパンチングされる方法の結果であってもよい。例えば、
図4Aに示す消耗品10は、
図4Bに示すように、ブレードを有する切断ツール40を用いてリボンから切断されうる。特に、この実施例におけるブレードは、ヒーター層11の一端が消耗品におけるエアロゾル基材によって覆われるようにエアロゾル基材層12a、12bを剪断するよう配置される湾曲ブレードである。更に、ヒーター層11は、エアロゾル基材12の層によって、その縁部の全てにおいて囲まれてもよい。
【0063】
より一般的には、個々の消耗品の各層は、同じ断面を有する必要はなく、切断手段は、代替として、所望に応じて、垂直切断、傾斜切断等を提供するよう適合されてもよい。
【0064】
図4Cは、消耗品の両端を画成する刃を有する切断手段41の一例を示している。これを用いて、単一のステップで消耗品リボンをパンチングし、切断することができる。この実施例において、消耗品リボンは、各切断の間に少なくともパンチ41の長さだけ搬送され、任意の余分な長さは潜在的に無駄になる。複数のパンチ41は、リボンの長さに沿って互いに隣接して配置され、対応する長さの消耗品リボンに同時にパンチングされてもよい。従って、切断の間に消耗品リボンを移動させる所定レベルの精度に対して、無駄が低減される。
【0065】
図4Dは、第1の消耗品としての消耗品リボンの先端部分を切断する一方で、次の消耗品の先端も画成するよう構成される単一のブレードを有する代替的な切断手段42を示している。これは、消耗品リボンが切断間に搬送される長さの精度が低下し、個々の消耗品の長さにばらつきが生じても、無駄な部分が生じないという利点を有する。
【0066】
図4B~4Dにおいて、消耗品は、エアロゾル基材層12a、12bの両方を通って対称的に切断される。しかし、これはその場合である必要はない。例えば、切断手段は、代わりに、一方のエアロゾル基材層12aに面するブレードと、他方のエアロゾル基材層12bに面する平坦な反応面とを有していてもよい。かかる切断手段が消耗品リボンの周囲で閉じられると、反応面は単に、エアロゾル基材層12aをブレードに向かって押動する。
【0067】
図4B~4Dの上で説明した実施例において、消耗品リボンは、消耗品リボンの長さに沿って個々の消耗品に切断される。しかし、消耗品リボンは、図示しない「ページ外」の第3の方向において個々の消耗品よりも幅広であってもよいことにも留意されたい。例えば、本明細書中で「リボン」として説明されているが、消耗品リボンは、代替として「消耗シート」と称することができるほど十分に幅広であってもよい。この場合、上で説明した切断手段は、消耗品リボンを第3の方向に切断するための手段、即ち、
図4A~4Dに示す断面の平面に略平行な切断平面で消耗品リボンを切断するための手段を備えていてもよい。加えて、第3の方向におけるかかる切断は、ヒーター層11が個々の消耗品の全ての縁部においてエアロゾル基材によって囲まれるように、上で説明したような湾曲ブレードを用いて実施されうる。
【0068】
加えて、
図5に示すように、消耗品50は複数のヒーター層11を備えていてもよい。各ヒーター層11の両側にはエアロゾル基材12の層がある。かかる場合、対応するエアロゾル生成装置の穿孔要素23が、複数のヒーター層11を穿孔することに必要とされてもよく、又は、電力が消耗品50のヒーター層11の全てに供給されることを確実にするよう、追加の穿孔要素が含まれていてもよい。
【0069】
ヒーター層の数を増加させることによって、ヒーター層とエアロゾル基材層との間の接触面積が増加する。加えて、電気抵抗の全体的な抵抗は、消耗品が電力を受け取る場合に低減されうる。
【0070】
更に、交互のヒーター層及び基材層の数を増やすことによって、消耗品がエアロゾル生成装置において用いられる場合、消耗品内の発熱の均一性が増加する。ヒーター層の数を増やすことの更なる利点は、ヒーター層が電気的に並列に配置されることであり、これにより、複数のヒーター層の組み合わせによって提供されるヒーター全体の全体的な抵抗が減少する。消耗品の総厚を維持するために、各層の厚さは、層の総数が増加するにつれて低減されうる。
【0071】
図5において、消耗品50の複数の隣接層は、交互のヒーター層11及びエアロゾル基材層12を備えている。かかる実施形態において、エアロゾル基材層12の厚さは異なっていてもよい。例えば、
図5に示す中間エアロゾル基材層12bは、エアロゾル基材層12a、12b、12cがヒーター層11によって加熱される場合の熱分布の均一性を高めるために、外側エアロゾル基材層12a、12cの2倍の厚さを有していてもよい。
【0072】
エアロゾル生成装置の第1の実施例において、それぞれがそれぞれの電気接点を有する2つの穿孔要素23が存在する。しかし、ヒーター層に電力を供給するよう配置される複数の電気接点を有する穿孔要素が1つだけあってもよい。例えば、単一の穿孔要素が消耗品に沿って延在していてもよく、穿孔要素の各端部に電気接点を有していてもよい。代替として、それぞれがヒーター層に電力を供給するよう配置される0個以上の電気接点を有する2つを超える穿孔要素があってもよい。穿孔要素が0個の電気接点を有する場合、それは単に消耗品を保持する役割を果たす。更に、穿孔要素23のそれぞれは、カバー24又はハウジング21に取り付けられてもよい。
【0073】
図6に示すように、消耗品は、消耗品の材料を穿孔するための任意の適切な形状を有する穿孔要素23を受け入れてもよい。穿孔要素23は、例えば、それぞれ円形断面60A又は薄刃断面60Eを有していてもよい。穿孔要素23はそれぞれ、針型先端60B、冠型先端60C、パンチ型先端60D、又は刃型先端60Fを有していてもよい。穿孔要素23は中実又は中空であってもよい。
【0074】
エアロゾル生成装置の第1の実施例において、カバー24は、ヒンジ25によってハウジング21に取り付けられている。しかし、ヒンジは、代わりに、カバー24をハウジング21に取り付けるための別の手段に置き換えられてもよい。更に、カバー24は、ハウジング21から完全に分離していてもよい。
【0075】
エアロゾル生成装置の第1の実施例において、カバー24は、ユーザーがカバーを閉位置に移動させるにつれて、穿孔要素を消耗品内に押し込むよう配置される。しかし、追加として又は代替として、エアロゾル生成装置は、穿孔要素を消耗品内に駆動するよう配置されるアクチュエータを備えていてもよい。これは、例えば、カバーの閉鎖に応答して自動的に、又はユーザーによるボタン押下に基づくかのどちらか一方により、カバーが閉位置にある場合に作動する電子制御アクチュエータであってもよい。
【0076】
図7は、消耗品70の第2の実施形態の断面を示している。第2の実施形態は、以下の詳細を除いて第1の実施形態と同じであり、上で説明した第1の実施形態の変形例及び修正例は、第2の実施形態にも適用可能である。
【0077】
図7に示すように、消耗品70は、ヒーター層に接続される複数の電気接点73を備えている。これらの予め設けられた接点は、ヒーター層11に電力を供給するよう外部接点を設けることによって、対応するエアロゾル生成装置における穿孔要素を不要にする。
【0078】
より詳細には、電気接点73は、消耗品の複数の隣接層12、11、12を通るそれぞれの孔に埋め込まれている。各孔は、代わりに、ヒーター層11及びエアロゾル基材層12の1つのみを通って延在してもよい。これらの孔は、そうでなければ第1の実施形態における穿孔要素によって生成される孔に対応している。
【0079】
電気接点73は、上で説明したような切断手段による切断の前又は後に、更なる製造ステップとして追加されてもよい。
【0080】
第1の実施形態と同様に、単一の穴に埋め込まれ、ヒーター層に電力を供給するよう配置される複数の電気接点を設けることも可能である。例えば、単一の長孔は、孔の各端部に埋め込まれる電気接点を有していてもよい。
【0081】
図8A及び8Bは、第2の実施形態の消耗品と共に用いることに適したエアロゾル生成装置80の第2の実施例の断面を示している。第2の実施例は、以下の詳細を除いて第1の実施例と同じであり、上で説明した第1の実施例の変形例及び修正例は、第2の実施例にも適用可能である。
【0082】
図8Aに示すように、第1の実施例の穿孔要素23は、より短い電気接点83で置き換えられている。各電気接点83は、消耗品のそれぞれの電気接点73と電気接続を形成するよう配置され、電気接点73は、消耗品内で消耗品の複数の隣接層のヒーター層11と外層12との間に接続される。
【0083】
第1及び第2の実施形態の組み合わせ及び中間バージョンが可能である。
【0084】
例えば、消耗品は、第2の実施形態において説明したように、電気接点を受け入れるよう適合される孔を備えうるが、実際には電気接点を備えていない。この場合、第1の実施例のエアロゾル生成装置は消耗品と共に用いられてもよく、穿孔要素23を第1の実施形態の孔のない消耗品に打ち込むことと比較して、より小さい力が穿孔要素23を消耗品の予め配置された孔に打ち込むことに必要とされる。
【0085】
加えて、消耗品は、第2の実施形態において説明したように1つの電気接点73のみを備えていてもよく、第1の実施例において説明したような穿孔要素23と第2の実施例において説明したような接点83との両方を有するエアロゾル生成装置と共に用いられてもよい。これは、そのために設計されていない装置と共に消耗品を用いることをより困難にすることによって安全性を向上し、その逆も同様である。
【0086】
図9は、
図1の消耗品が切断されうる消耗品リボンを製造するための方法を示している。製造方法を表すこの図及び本明細書中の全ての図において、消耗部品は左から右に搬送されることが理解されよう。
【0087】
図9に示すように、第1のエアロゾル基材リボン12a、ヒーターリボン11、及び第2のエアロゾル基材リボン12bのそれぞれは、それぞれのリール又はボビン92a、91、92bから引き出されてもよい。
【0088】
第1のエアロゾル基材リボン12a、ヒーターリボン11、及び第2のエアロゾル基材リボン12bは、層を共に着接するよう構成される着接手段93を通過する。着接手段93は、第1のエアロゾル基材リボン12a、ヒーターリボン11、及び第2のエアロゾル基材リボン12bがローラーを通過して引き出される際に、これらを共に押圧するよう構成される一対のローラーであってもよい。加えて、着接手段は、構造的完全性を向上させるために、層を共に押圧しながら、第1のエアロゾル基材リボン12a及び/又は第2のエアロゾル基材リボン12bをエンボス加工又はデボス加工するよう構成されてもよい。更に、押圧は高温で行われてもよい。
【0089】
消耗品リボンの着接された層は、次いで、乾燥オーブン94を通過する。乾燥オーブンの長さ及び消耗品リボンを搬送する速度は、各エアロゾル基材層12が乾燥されて必要な最終含水率を達成するように構成される。これは、乾燥オーブン内で消耗品リボンを30℃~70℃に加熱することによって達成されうるが、これは、乾燥オーブンの長さ及び消耗品リボンを搬送する速度に依存する。
【0090】
消耗品リボンは、加えて、第1のエアロゾル基材層、ヒーター層、及び第2のエアロゾル基材層を通って延在する1つ以上の空気流路を画成するよう穿孔されてもよい。代替として、エアロゾル基材層は、ヒーター層を穿孔せずに穿孔されてもよい。穿孔は、消耗品がエアロゾルを生成するために用いられる場合に空気流を増加させることができ、加熱効率も増加させることができる。穿孔は、例えば、機械的、静電気的、又はレーザーによって行われてもよい。一実施例において、穿孔は、着接手段93によって着接と共に行われてもよい。
【0091】
上で説明した実施例において、
図9を参照すると、第1及び第2のエアロゾル基材リボンは、それらが予め保管されているそれぞれのリール又はボビンから引き出される。しかし、第1及び第2のエアロゾル基材リボンの製造は、
図10によって示す第2の方法において示すように、消耗品リボンの製造と統合されてもよい。これは、エアロゾル基材リボンをリール又はボビン上に保管することを不要にし、消耗品の製造に必要とされる総空間及び時間を潜在的に低減する。
【0092】
図10を参照すると、エアロゾル基材リボンのリール92のそれぞれは、エアロゾル基材材料101a、101bの混合物と置き換えられ、それから第1及び第2のエアロゾル基材リボンのそれぞれを形成するローブがそれぞれ押し出されてもよい。上述のように、エアロゾル基材材料は、発泡体、ドウ、スラリー、又はムースの形態をとりうる。
【0093】
エアロゾル基材材料は、低温、例えば室温で冷間引き抜きされて、発泡体、ドウ、スラリー、又はムースが消耗品リボンを製造するのに十分な固体になることを確実にしうる。冷間引き抜きの場合、エアロゾル基材リボンの引き抜きは、ヒーターリボン11が冷間引き抜きの低温によって損傷することを回避するために、ヒーターリボン11からある距離を置いて行われる必要がありうる。
【0094】
引き抜かれたエアロゾル基材材料は、対応するエアロゾル基材リボン12の必要な厚さを達成するよう、1つ以上のローラー対を通過する。一連のローラー102a、102bを用いて、エアロゾル基材材料の厚さを徐々に減少させることが好ましい。冷間引き抜きの場合、これらのローラーは、エアロゾル基材材料を急激に加熱しないために、低温に維持されてもよい。一連のローラーはまた、エアロゾル基材材料がヒーターリボン11に出会う前にそれを室温にする温度勾配を定義するために用いられてもよい。
【0095】
図11は、
図5に示す消耗品を製造するための消耗品リボンを製造する第3の方法を示している。第3の方法において、複数のヒーターリボン及び複数のエアロゾル基材リボンは、消耗品リボンの交互層として共に着接される。
【0096】
図11に示すように、第3の方法は、それぞれの着接手段93a、93bを用いる複数の着接ステップを含むことが好ましい。各ステップにおいて、1つ以上の追加リボン(ヒーターリボン及び/又はエアロゾル基材リボン)が、形成している消耗品リボンに追加される。より詳細には、
図11に示す実施例において、消耗品リボンは、単一のエアロゾル基材層12bのみを備えて開始する。次いで、第1の着接手段93aにおいて、ヒーター層11a、11bが消耗品リボンに着接される。次いで、第2の着接手段93bにおいて、エアロゾル基材層12a及び12cが消耗品リボンに着接される。これは、必要な数の層が消耗品リボンに追加されるまで、更なる着接ステップを続けることができる。加えて、2つの層が本実施例の各着接ステップにおいて追加されるが、1つの層のみが着接手段によって消耗品リボンに着接されることが可能である。更に、それぞれが複数の層を備える2つ以上の積層されたリボンは、着接手段において共に着接されてもよい。
【0097】
上で説明した方法のうちの1つを行った後、結果として得られた消耗品リボンはリール上に保管されてもよく、又は直ちに切断手段に搬送されてもよい。いずれの場合も、乾燥オーブン94を通過した後、消耗品リボンは、巻き取られるか又は切断される前に室温となるように、冷却手段を通過してもよい。
【0098】
上記の開示を超えて、本発明を具現化する追加の消耗品が可能である。
【0099】
例えば、上記の説明において、消耗品は、エアロゾルが生成させられるチャンバ22と、ユーザーがエアロゾルを得るマウスピース26とを有するエアロゾル生成装置と共に用いられる。しかし、消耗品はそれ自体がチャンバ及び/又はマウスピースを提供してもよい。例えば、エアロゾル基材層がヒーター層の各側面に着接された積層シートは、中空管を形成するようロール巻きされるか、ボビン巻きされるか、又は封止されてもよい。かかる場合、管の内側がチャンバを提供してもよく、管の端部がマウスピースとして用いられてもよい。従って、対応するエアロゾル生成装置は、例えば、上で説明した種類の電気接点のうちの1つを用いて電力供給を提供することのみを必要とする。エアロゾル生成装置が穿孔要素を有する場合、これらはまた、装置に対して消耗品を所定位置に保持する機能も果たす。
【0100】
上で説明した消耗品及び装置は、別々に流通させてもよく、又はエアロゾルを生成させるためのシステムとして共に供給されてもよい。
【0101】
幾つかの実施例において、システムのエアロゾル生成装置は、それ自体が使い捨てであってもよく、上で説明した速度及び効率の利点を有し、その内部に位置する有限の消耗品を有していてもよい。かかる実施例において、可動カバーはエアロゾル生成装置に不要である。エアロゾル生成装置が穿孔要素のためのアクチュエータを有する場合、消耗品は、エアロゾル基材の少なくとも1つの層が穿孔要素によって穿孔されるよう配置されるように、エアロゾル生成装置内に配置されてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の隣接層を有する消耗品であって、
導電性材料を備えるヒーター層と、
前記ヒーター層の両側のエアロゾル基材の層と、を有し、前記エアロゾル基材の層のそれぞれが
、各層と直接接触する前記導電性材料に着接され
、
前記導電性材料は、炭素、又は金属と炭素との混合物を有する、
消耗品。
【請求項2】
前記ヒーター層は、
スティールウール、メッシュ、不織布材料、及び蛇行トラックのうちの1つ以上から形成される、請求項
1に記載の消耗品。
【請求項3】
前記ヒーター層は抵抗である、請求項
2に記載の消耗品。
【請求項4】
前記ヒーター層は、10オームを超える、好ましくは20オームを超える、例えば約30オームの抵抗を有する、請求項
3に記載の消耗品。
【請求項5】
前記ヒーター層は、その縁部において前記エアロゾル基材の層によって囲まれる、請求項1から
4のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項6】
前記複数の隣接層は複数のヒーター層を備え、そのそれぞれがヒーター層の両側にエアロゾル基材の層を有する、請求項1から
5のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項7】
前記複数の隣接層は、交互のヒーター層及びエアロゾル基材層を備える、請求項
2から
4のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項8】
前記複数の隣接層のそれぞれは、矩形、S字状、三角形、又は円形の断面を有する、請求項1から
7のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項9】
前記複数の隣接層は中空管に形成される、請求項1から
8のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項10】
前記複数の隣接層を通る1つ以上の孔を有する、請求項1から
9のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項11】
前記1つ以上の孔は、電気接点を受け入れるよう適合される、請求項1
0に記載の消耗品。
【請求項12】
更に、前記1つ以上の孔に埋め込まれ、前記ヒーター層に接続される複数の電気接点を備える、請求項1
1に記載の消耗品。
【請求項13】
前記エアロゾル基材は、吸入可能な作用剤と、エアロゾル形成剤と、発泡体形成剤と、発泡体安定剤とを備える発泡体を備え、前記吸入可能な作用剤は発泡体の0.1~33重量%であり、前記エアロゾル形成剤は発泡体の10~80重量%、好ましくは40~70重量%である、請求項1から1
2のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項14】
前記吸入可能な作用剤は、タバコ成分である、請求項1
3に記載の消耗品。
【請求項15】
前記エアロゾル基材は、20μm~300μmの粒径を有するタバコ粉末を有する、請求項1
4に記載の消耗品。
【請求項16】
エアロゾル基材の各層は、80μm~500μmの厚さを有する、請求項1から1
5のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項17】
前記ヒーター層は可撓性である、請求項1から1
6のいずれか一項に記載の消耗品。
【国際調査報告】