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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-12
(54)【発明の名称】銅合金
(51)【国際特許分類】
   C22C 9/06 20060101AFI20221205BHJP
   C22C 9/05 20060101ALI20221205BHJP
   C22C 9/04 20060101ALI20221205BHJP
   C22C 30/06 20060101ALI20221205BHJP
   C22F 1/08 20060101ALN20221205BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20221205BHJP
【FI】
C22C9/06
C22C9/05
C22C9/04
C22C30/06
C22F1/08 A
C22F1/00 611
C22F1/00 612
C22F1/00 623
C22F1/00 624
C22F1/00 626
C22F1/00 683
C22F1/00 685Z
C22F1/00 630M
C22F1/00 613
C22F1/00 631A
C22F1/00 631Z
C22F1/00 661Z
C22F1/00 682
C22F1/00 691B
C22F1/00 691C
C22F1/00 694B
C22F1/00 684C
C22F1/00 686Z
C22F1/00 630A
C22F1/00 630C
C22F1/00 640A
C22F1/00 650F
C22F1/00 651Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520542
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(85)【翻訳文提出日】2022-05-31
(86)【国際出願番号】 AU2020051062
(87)【国際公開番号】W WO2021062485
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】2019903725
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517149597
【氏名又は名称】アドバンスド アロイ ホールディングス ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ロウズ,ケビン ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ニコルソン,ピーター ティレル
(72)【発明者】
【氏名】コンウェイ,パトリック ラース ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ベースマン,ロリー シェリル
(72)【発明者】
【氏名】マッケンジー,ウォレン リチャード
(57)【要約】
【課題】銅-ニッケル合金は、良好な熱伝導率が望まれる抽熱器及び放熱器並びに耐食性が望まれる海洋環境をはじめとする使用領域を有する。しかしながら、かかる合金は、製造費がかかるとともに、加工が困難である可能性がある。これに関連して、改善された機械的性質を有する新合金の必要性が存在する。合金の製造に伴う特定のコストを削減することも有利であろう。
【解決手段】40~62.5原子パーセントの銅と、5~40原子パーセントのマンガンと、24原子パーセントまでのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる合金。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
40~62.5原子パーセントの銅と、
5~40原子パーセントのマンガンと、
24原子パーセントまでのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~15原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる合金。
【請求項2】
40~62.5原子パーセントの銅と、
5~40原子パーセントのマンガンと、
1~24原子パーセントのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~15原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1に記載の合金。
【請求項3】
40~62.5原子パーセントの銅と、
8~40原子パーセントのマンガンと、
1~24原子パーセントのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~15原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1又は2に記載の合金。
【請求項4】
40~62.5原子パーセントの銅と、
8~40原子パーセントのマンガンと、
1~8原子パーセントのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~15原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の合金。
【請求項5】
40~62.5原子パーセントの銅と、
8~40原子パーセントのマンガンと、
1~8原子パーセントのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~8原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1~4のいずれか一項に記載の合金。
【請求項6】
40~62.5原子パーセントの銅と、
8~40原子パーセントのマンガンと、
1~8原子パーセントのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の合金。
【請求項7】
45~62.5原子パーセントの銅と、
8~40原子パーセントのマンガンと、
1~8原子パーセントのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の合金。
【請求項8】
45~60原子パーセントの銅と、
8~40原子パーセントのマンガンと、
1~8原子パーセントのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1~7のいずれか一項に記載の合金。
【請求項9】
45~60原子パーセントの銅と、
12.5~40原子パーセントのマンガンと、
1~8原子パーセントのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1~8のいずれか一項に記載の合金。
【請求項10】
45~60原子パーセントの銅と、
12.5~35原子パーセントのマンガンと、
1~8原子パーセントのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1~9のいずれか一項に記載の合金。
【請求項11】
45~60原子パーセントの銅と、
12.5~35原子パーセントのマンガンと、
1~7原子パーセントのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1~10のいずれか一項に記載の合金。
【請求項12】
45~60原子パーセントの銅と、
12.5~35原子パーセントのマンガンと、
1~7原子パーセントのニッケルと、
7.5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1~11のいずれか一項に記載の合金。
【請求項13】
45~60原子パーセントの銅と、
12.5~35原子パーセントのマンガンと、
1~7原子パーセントのニッケルと、
7.5~20原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1~12のいずれか一項に記載の合金。
【請求項14】
45~60原子パーセントの銅と、
12.5~35原子パーセントのマンガンと、
3~5原子パーセントのニッケルと、
12.5~20原子パーセントの亜鉛と、
1~3原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1~13のいずれか一項に記載の合金。
【請求項15】
50~60原子パーセントの銅と、
12.5~35原子パーセントのマンガンと、
1~7原子パーセントのニッケルと、
7.5~20原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1~13のいずれか一項に記載の合金。
【請求項16】
50~60原子パーセントの銅と、
15~35原子パーセントのマンガンと、
1~7原子パーセントのニッケルと、
7.5~20原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項15に記載の合金。
【請求項17】
50~60原子パーセントの銅と、
15~22.5原子パーセントのマンガンと、
1~7原子パーセントのニッケルと、
7.5~20原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項15又は16に記載の合金。
【請求項18】
50~60原子パーセントの銅と、
15~22.5原子パーセントのマンガンと、
1~5原子パーセントのニッケルと、
7.5~20原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項15~17のいずれか一項に記載の合金。
【請求項19】
50~60原子パーセントの銅と、
15~22.5原子パーセントのマンガンと、
1~5原子パーセントのニッケルと、
15~20原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項15~18のいずれか一項に記載の合金。
【請求項20】
50~60原子パーセントの銅と、
15~22.5原子パーセントのマンガンと、
1~5原子パーセントのニッケルと、
15~20原子パーセントの亜鉛と、
1~3原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項15~19のいずれか一項に記載の合金。
【請求項21】
50~60原子パーセントの銅と、
22.5~35原子パーセントのマンガンと、
1~5原子パーセントのニッケルと、
5~12.5原子パーセントの亜鉛と、
1~3原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1~11のいずれか一項に記載の合金。
【請求項22】
50~60原子パーセントの銅と、
22.5~35原子パーセントのマンガンと、
1~5原子パーセントのニッケルと、
7.5~12.5原子パーセントの亜鉛と、
1~3原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項21に記載の合金。
【請求項23】
40~62.5原子パーセントの銅と、
17~35原子パーセントのマンガンと、
1~7原子パーセントのニッケルと、
10~24原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項1に記載の合金。
【請求項24】
45~60原子パーセントの銅と、
17~35原子パーセントのマンガンと、
1~5原子パーセントのニッケルと、
10~20原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項23に記載の合金。
【請求項25】
50~60原子パーセントの銅と、
17~35原子パーセントのマンガンと、
1~5原子パーセントのニッケルと、
10~20原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
を含むか又はそれらからなる、請求項24に記載の合金。
【請求項26】
(3×アルミニウムの原子パーセント)+亜鉛の原子パーセント+(0.2×マンガンの原子パーセント)は、22.5%~32.5%である、
請求項1~25のいずれか一項に記載の合金。
【請求項27】
銅:ニッケルの原子パーセント比は、少なくとも9である、
請求項1~26のいずれか一項に記載の合金。
【請求項28】
約40%~65%の破壊引張り歪みを有する、
請求項1~27のいずれか一項に記載の合金。
【請求項29】
約390MPa~575MPaの極限引張り強度を有する、
請求項1~28のいずれか一項に記載の合金。
【請求項30】
約80~170の鋳放し硬度(H)を有する、
請求項1~29のいずれか一項に記載の合金。
【請求項31】
40~62.5原子パーセントの銅と、
5~40原子パーセントのマンガンと、
24原子パーセントまでのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~15原子パーセントのアルミニウムと、
20原子パーセントまでの、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素及びマグネシウムからなる群から選択される1種以上の元素と、
1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素と、
を含むか又はそれらからなる合金。
【請求項32】
40~62.5原子パーセントの銅と、
5~40原子パーセントのマンガンと、
24原子パーセントまでのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~15原子パーセントのアルミニウムと、
12原子パーセントまでの、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素及びマグネシウムからなる群から選択される1種以上の元素と、
1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素と、
を含むか又はそれらからなる、請求項31に記載の合金。
【請求項33】
40~62.5原子パーセントの銅と、
5~40原子パーセントのマンガンと、
24原子パーセントまでのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~15原子パーセントのアルミニウムと、
12原子パーセントまでのクロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素又はマグネシウムと、
1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素と、
を含むか又はそれらからなる、請求項31又は32に記載の合金。
【請求項34】
40~62.5原子パーセントの銅と、
5~40原子パーセントのマンガンと、
24原子パーセントまでのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~15原子パーセントのアルミニウムと、
7原子パーセントまでのクロムと、
8原子パーセントまでの鉛と、
8原子パーセントまでのビスマスと、
8原子パーセントまでのコバルトと、
12原子パーセントまでの鉄と、
8原子パーセントまでの炭素と、
8原子パーセントまでのスズと、
8原子パーセントまでのケイ素と、
2原子パーセントまでのマグネシウムと、
0.5原子パーセントまでのヒ素と、
0.5原子パーセントまでのリンと、
0.5原子パーセントまでの硫黄と、
0.5原子パーセントまでのアンチモンと、
を含むか又はそれらからなる、請求項31~33のいずれか一項に記載の合金。
【請求項35】
40~62.5原子パーセントの銅と、
5~40原子パーセントのマンガンと、
24原子パーセントまでのニッケルと、
5~24原子パーセントの亜鉛と、
1~15原子パーセントのアルミニウムと、
5原子パーセントまでのクロムと、
5原子パーセントまでの鉛と、
2原子パーセントまでのビスマスと、
8原子パーセントまでのコバルトと、
12原子パーセントまでの鉄と、
4原子パーセントまでの炭素と、
2原子パーセントまでのスズと、
8原子パーセントまでのケイ素と、
2原子パーセントまでのマグネシウムと、
0.3原子パーセントまでのヒ素と、
0.3原子パーセントまでのリンと、
0.3原子パーセントまでの硫黄と、
0.3原子パーセントまでのアンチモンと、
を含むか又はそれらからなる、請求項31~34のいずれか一項に記載の合金。
【請求項36】
85~95原子パーセントの銅、マンガン、ニッケル、亜鉛及びアルミニウムと、
残部の、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ及びケイ素からなる群から選択される1種以上の元素と、
を含むか又はそれらから本質的になる、請求項31~35のいずれか一項に記載の合金。
【請求項37】
40~62.5原子パーセントの銅と、
17~35原子パーセントのマンガンと、
1~7原子パーセントのニッケルと、
10~24原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
20原子パーセントまでの、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素及びマグネシウムからなる群から選択される1種以上の元素と、
1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素と、
を含むか又はそれらからなる、請求項31に記載の合金。
【請求項38】
45~60原子パーセントの銅と、
17~35原子パーセントのマンガンと、
1~5原子パーセントのニッケルと、
10~20原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
20原子パーセントまでの、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素及びマグネシウムからなる群から選択される1種以上の元素と、
1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素と、
を含むか又はそれらからなる、請求項37に記載の合金。
【請求項39】
50~60原子パーセントの銅と、
17~35原子パーセントのマンガンと、
1~5原子パーセントのニッケルと、
10~20原子パーセントの亜鉛と、
1~5原子パーセントのアルミニウムと、
20原子パーセントまでの、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素及びマグネシウムからなる群から選択される1種以上の元素と、
1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素と、
を含むか又はそれらからなる、請求項38に記載の合金。
【請求項40】
(3×アルミニウムの原子パーセント)+亜鉛の原子パーセント+(0.2×マンガンの原子パーセント)は、22.5%~32.5%である、
請求項31~39のいずれか一項に記載の合金。
【請求項41】
銅:ニッケルの原子パーセント比は、少なくとも9である、
請求項31~40のいずれか一項に記載の合金。
【請求項42】
約30%~65%の破壊引張り歪みを有する、
請求項31~41のいずれか一項に記載の合金。
【請求項43】
約390MPa~575MPaの極限引張り強度を有する、
請求項31~42のいずれか一項に記載の合金。
【請求項44】
約80~170の鋳放し硬度(H)を有する、
請求項31~43のいずれか一項に記載の合金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の分野
[0001] 本発明は、概して、合金に関し、特に銅合金に関する。
【背景技術】
【0002】
開示の背景
[0002] 本明細書全体を通して、先行技術のいかなる考察も、かかる先行技術が広く知られていること又は当技術分野の共通の一般知識の一部を形成することを容認するものと決してみなされるべきではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003] 銅-ニッケル合金は、良好な熱伝導率が望まれる抽熱器及び放熱器並びに耐食性が望まれる海洋環境をはじめとする使用領域を有する。しかしながら、かかる合金は、製造費がかかるとともに、加工が困難である可能性がある。これに関連して、改善された機械的性質を有する新合金の必要性が存在する。合金の製造に伴う特定のコストを削減することも有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示の概要
[0004] 第1の態様では、本開示は、40~62.5原子パーセントの銅と、5~40原子パーセントのマンガンと、24原子パーセントまでのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0005】
[0005] いくつかの例では、合金は、40~62.5原子パーセントの銅と、5~40原子パーセントのマンガンと、1~24原子パーセントのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0006】
[0006] いくつかの例では、合金は、40~62.5原子パーセントの銅と、8~40原子パーセントのマンガンと、1~24原子パーセントのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0007】
[0007] いくつかの例では、合金は、40~62.5原子パーセントの銅と、8~40原子パーセントのマンガンと、1~8原子パーセントのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0008】
[0008] いくつかの例では、合金は、40~62.5原子パーセントの銅と、8~40原子パーセントのマンガンと、1~8原子パーセントのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~8原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0009】
[0009] いくつかの例では、合金は、40~62.5原子パーセントの銅と、8~40原子パーセントのマンガンと、1~8原子パーセントのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0010】
[0010] いくつかの例では、合金は、45~62.5原子パーセントの銅と、8~40原子パーセントのマンガンと、1~8原子パーセントのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0011】
[0011] いくつかの例では、合金は、45~60原子パーセントの銅と、8~40原子パーセントのマンガンと、1~8原子パーセントのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0012】
[0012] いくつかの例では、合金は、45~60原子パーセントの銅と、12.5~40原子パーセントのマンガンと、1~8原子パーセントのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0013】
[0013] いくつかの例では、合金は、45~60原子パーセントの銅と、12.5~35原子パーセントのマンガンと、1~8原子パーセントのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0014】
[0014] いくつかの例では、合金は、45~60原子パーセントの銅と、12.5~35原子パーセントのマンガンと、1~7原子パーセントのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0015】
[0015] いくつかの例では、合金は、45~60原子パーセントの銅と、12.5~35原子パーセントのマンガンと、1~7原子パーセントのニッケルと、7.5~24原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0016】
[0016] いくつかの例では、合金は、45~60原子パーセントの銅と、12.5~35原子パーセントのマンガンと、1~7原子パーセントのニッケルと、7.5~20原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0017】
[0017] いくつかの例では、合金は、45~60原子パーセントの銅と、12.5~35原子パーセントのマンガンと、3~5原子パーセントのニッケルと、12.5~20原子パーセントの亜鉛と、1~3原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0018】
[0018] いくつかの例では、合金は、50~60原子パーセントの銅と、12.5~35原子パーセントのマンガンと、1~7原子パーセントのニッケルと、7.5~20原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0019】
[0019] いくつかの例では、合金は、50~60原子パーセントの銅と、15~35原子パーセントのマンガンと、1~7原子パーセントのニッケルと、7.5~20原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0020】
[0020] いくつかの例では、合金は、50~60原子パーセントの銅と、15~22.5原子パーセントのマンガンと、1~7原子パーセントのニッケルと、7.5~20原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0021】
[0021] いくつかの例では、合金は、50~60原子パーセントの銅と、15~22.5原子パーセントのマンガンと、1~5原子パーセントのニッケルと、7.5~20原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0022】
[0022] いくつかの例では、合金は、50~60原子パーセントの銅と、15~22.5原子パーセントのマンガンと、1~5原子パーセントのニッケルと、15~20原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0023】
[0023] いくつかの例では、合金は、50~60原子パーセントの銅と、15~22.5原子パーセントのマンガンと、1~5原子パーセントのニッケルと、15~20原子パーセントの亜鉛と、1~3原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0024】
[0024] いくつかの例では、合金は、50~60原子パーセントの銅と、22.5~35原子パーセントのマンガンと、1~5原子パーセントのニッケルと、5~12.5原子パーセントの亜鉛と、1~3原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0025】
[0025] いくつかの例では、合金は、50~60原子パーセントの銅と、22.5~35原子パーセントのマンガンと、1~5原子パーセントのニッケルと、7.5~12.5原子パーセントの亜鉛と、1~3原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0026】
[0026] いくつかの例では、合金は、40~62.5原子パーセントの銅と、17~35原子パーセントのマンガンと、1~7原子パーセントのニッケルと、10~24原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0027】
[0027] いくつかの例では、合金は、45~60原子パーセントの銅と、17~35原子パーセントのマンガンと、1~5原子パーセントのニッケルと、10~20原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0028】
[0028] いくつかの例では、合金は、50~60原子パーセントの銅と、17~35原子パーセントのマンガンと、1~5原子パーセントのニッケルと、10~20原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる。
【0029】
[0029] いくつかの例では、(3×アルミニウムの原子パーセント)+亜鉛の原子パーセント+(0.2×マンガンの原子パーセント)は、22.5%~32.5%である。
【0030】
[0030] いくつかの例では、銅:ニッケルの原子パーセント比は、少なくとも9である。
【0031】
[0031] いくつかの例では、合金は、約40%~65%の破壊引張り歪みを有する。
【0032】
[0032] いくつかの例では、合金は、約390MPa~575MPaの極限引張り強度を有する。
【0033】
[0033] いくつかの例では、合金は、約80~170の鋳放し硬度(H)を有する。
【0034】
[0034] 第2の態様では、本開示は、40~62.5原子パーセントの銅と、5~40原子パーセントのマンガンと、24原子パーセントまでのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムと、20原子パーセントまでの、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素及びマグネシウムからなる群から選択される1種以上の元素と、1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素とを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0035】
[0035] いくつかの例では、合金は、40~62.5原子パーセントの銅と、5~40原子パーセントのマンガンと、24原子パーセントまでのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムと、12原子パーセントまでの、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素及びマグネシウムからなる群から選択される1種以上の元素と、1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素とを含むか又はそれらからなる。
【0036】
[0036] いくつかの例では、合金は、40~62.5原子パーセントの銅と、5~40原子パーセントのマンガンと、24原子パーセントまでのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムと、12原子パーセントまでのクロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素又はマグネシウムと、1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素とを含むか又はそれらからなる。
【0037】
[0037] いくつかの例では、合金は、40~62.5原子パーセントの銅と、5~40原子パーセントのマンガンと、24原子パーセントまでのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムと、7原子パーセントまでのクロムと、8原子パーセントまでの鉛と、8原子パーセントまでのビスマスと、8原子パーセントまでのコバルトと、12原子パーセントまでの鉄と、8原子パーセントまでの炭素と、8原子パーセントまでのスズと、8原子パーセントまでのケイ素と、2原子パーセントまでのマグネシウムと、0.5原子パーセントまでのヒ素と、0.5原子パーセントまでのリンと、0.5原子パーセントまでの硫黄と、0.5原子パーセントまでのアンチモンとを含むか又はそれらからなる。
【0038】
[0038] いくつかの例では、合金は、40~62.5原子パーセントの銅と、5~40原子パーセントのマンガンと、24原子パーセントまでのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムと、5原子パーセントまでのクロムと、5原子パーセントまでの鉛と、2原子パーセントまでのビスマスと、8原子パーセントまでのコバルトと、12原子パーセントまでの鉄と、4原子パーセントまでの炭素と、2原子パーセントまでのスズと、8原子パーセントまでのケイ素と、2原子パーセントまでのマグネシウムと、0.3原子パーセントまでのヒ素と、0.3原子パーセントまでのリンと、0.3原子パーセントまでの硫黄と、0.3原子パーセントまでのアンチモンとを含むか又はそれらからなる。
【0039】
[0039] いくつかの例では、合金は、85~95原子パーセントの銅、マンガン、ニッケル、亜鉛及びアルミニウムと、残部の、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ及びケイ素からなる群から選択される1種以上の元素とを含むか又はそれらからなる。
【0040】
[0040] いくつかの例では、合金は、40~62.5原子パーセントの銅と、17~35原子パーセントのマンガンと、1~7原子パーセントのニッケルと、10~24原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムと、20原子パーセントまでの、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素及びマグネシウムからなる群から選択される1種以上の元素と、1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素とを含むか又はそれらからなる。
【0041】
[0041] いくつかの例では、合金は、45~60原子パーセントの銅と、17~35原子パーセントのマンガンと、1~5原子パーセントのニッケルと、10~20原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムと、20原子パーセントまでの、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素及びマグネシウムからなる群から選択される1種以上の元素と、1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素とを含むか又はそれらからなる。
【0042】
[0042] いくつかの例では、合金は、50~60原子パーセントの銅と、17~35原子パーセントのマンガンと、1~5原子パーセントのニッケルと、10~20原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムと、20原子パーセントまでの、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素及びマグネシウムからなる群から選択される1種以上の元素と、1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素とを含むか又はそれらからなる。
【0043】
[0043] いくつかの例では、(3×アルミニウムの原子パーセント)+亜鉛の原子パーセント+(0.2×マンガンの原子パーセント)は、22.5%~32.5%である。
【0044】
[0044] いくつかの例では、銅:ニッケルの原子パーセント比は、少なくとも9である。
【0045】
[0045] いくつかの例では、合金は、約30%~65%の破壊引張り歪みを有する。
【0046】
[0046] いくつかの例では、合金は、約390MPa~575MPaの極限引張り強度を有する。
【0047】
[0047] いくつかの例では、合金は、約80~170の鋳放し硬度(H)を有する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図面の簡単な説明
図1】[0048]張力下の合金サンプルの工学応力/歪み曲線。
図2】[0049]張力下の合金サンプルの工学応力/歪み曲線。
図3】[0050]Cu-Ni-Mn-Zn-Al引張り試験片破砕のサイドプロファイル。左から右に:Cu60NiMn15Zn17.5Al2.5、Cu60NiMn12.5Zn20Al2.5、Cu57.5NiMn17.5Zn17.5Al2.5、Cu57.5NiMn15Zn20Al2.5、Cu55NiMn20Zn17.5Al2.5、Cu55NiMn17.5Zn20Al2.5、Cu52.5NiMn22.5Zn17.5Al2.5及びCu52.5NiMn20Zn20Al2.5
図4】[0051]Cu-Ni-Mn-Zn-Al引張り試験片破砕のサイドプロファイル。左から右に:Cu45NiMn32.5Zn15Al2.5、Cu45NiMn35Zn12.5Al2.5、Cu47.5NiMn30Zn15Al2.5、Cu47.5NiMn32.5Zn12.5Al2.5、Cu50NiMn27.5Zn15Al2.5、Cu50NiMn30Zn12.5Al2.5、Cu52.5NiMn27.5Zn12.5Al2.5及びCu52.5NiMn25Zn15Al2.5
【発明を実施するための形態】
【0049】
詳細な説明
[0052] 「約」という用語は、±10%、好ましくは±5%若しくは±1%又はより好ましくは±0.1%の範囲を意味するものと理解される。
【0050】
[0053] 本明細書全体を通して、文脈上特に必要とされない限り、「含む(comprise)」という語又は「含む(comprises)」若しくは「含んでいる」などの変化形は、明記された元素、整数若しくは工程又は元素、整数若しくは工程の群を包含することを意味するが、いずれの他の元素、整数若しくは工程又は元素、整数若しくは工程の群も除外することを意味するものではないことが理解されるであろう。そのため、本明細書に関連して、「含む」という用語は、「主に~を含むが、必ずしもそれのみを含むわけではない」ことを意味する。
【0051】
[0054] 本明細書に列挙されるいずれの数値範囲も、列挙された範囲内に包含される同一数値精度のすべての部分範囲を含むことが意図される。例えば、1.0~5.0の範囲は、列挙された最小値1.0と、列挙された最大値5.0との間(両端を含む)のすべての部分範囲、すなわち1.0以上の最小値と5.0以下の最大値とを有する部分範囲、例えば2.1~4.5を含むことが意図される。本明細書に列挙されるいずれの最大数値限定も、それに包含されるすべてのより低い数値限定を含むことが意図され、及び本明細書に列挙されるいずれの最小数値限定も、それに包含されるすべてのより高い数値限定を含むことが意図される。
【0052】
[0055] 本開示は、40~62.5原子パーセントの銅と、5~40原子パーセントのマンガンと、24原子パーセントまでのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。本明細書に記載の合金は、不可避不純物を含み得ることが理解されるであろう。好ましくは、不可避不純物は、0.5原子%、又は好ましくは0.1原子%、又はより好ましくは0.05原子%を超えない。
【0053】
[0056] 特定の例では、本開示は、42.5~65原子%のCuと、10~40原子%のMnと、0.5~8原子%のNiと、5~24原子%のZiと、1~5原子%のAlとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。特定の例では、本開示は、44~64原子%のCuと、8~40原子%のMnと、1~8原子%のNiと、6~20原子%のZiと、1~4原子%のAlとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。特定の例では、本開示は、42~62.5原子%のCuと、8~40原子%のMnと、1~8原子%のNiと、6~20原子%のZiと、1~4原子%のAlとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。特定の例では、本開示は、42.5~65原子%のCuと、8~40原子%のMnと、1~5原子%のNiと、6~20原子%のZiと、1~3原子%のAlとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。特定の例では、本開示は、47.5~62.5原子%のCuと、8~40原子%のMnと、1~6原子%のNiと、6~15原子%のZiと、1~3原子%のAlとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。特定の例では、本開示は、47.5~65原子%のCuと、8~40原子%のMnと、1~6原子%のNiと、6~13原子%のZiと、1~3原子%のAlとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。特定の例では、本開示は、45~60原子%のCuと、12.5~35原子%のMnと、3~5原子%のNiと、12.5~20原子%のZiと、2~3原子%のAlとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0054】
[0057] 特定の例では、本開示は、約60原子%のCuと、約5原子%のNiと、約15原子%のMnと、約17.5原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金を提供する。本開示は、約60原子%のCuと、約5原子%のNiと、約12.5原子%のMnと、約20原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約57.5原子%のCuと、約5原子%のNiと、約17.5原子%のMnと、約17.5原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約57.5原子%のCuと、約5原子%のNiと、約15原子%のMnと、約20原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約55原子%のCuと、約5原子%のNiと、約20原子%のMnと、約17.5原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約55原子%のCuと、約5原子%のNiと、約17.5原子%のMnと、約20原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約52.5原子%のCuと、約5原子%のNiと、約20原子%のMnと、約20原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約52.5原子%のCuと、約5原子%のNiと、約22.5原子%のMnと、約17.5原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約52.5原子%のCuと、約5原子%のNiと、約25原子%のMnと、約15原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約52.5原子%のCuと、約5原子%のNiと、約27.5原子%のMnと、約12.5原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約50原子%のCuと、約5原子%のNiと、約30原子%のMnと、約12.5原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約50原子%のCuと、約5原子%のNiと、約27.5原子%のMnと、約15原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約47.5原子%のCuと、約5原子%のNiと、約30原子%のMnと、約15原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約47.5原子%のCuと、約5原子%のNiと、約32.5原子%のMnと、約12.5原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約45原子%のCuと、約5原子%のNiと、約32.5原子%のMnと、約15原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約45原子%のCuと、約5原子%のNiと、約35原子%のMnと、約12.5原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。本開示は、約59原子%のCuと、約3原子%のNiと、約15.5原子%のMnと、約20原子%のZnと、約2.5原子%のAlとからなる合金も提供する。
【0055】
[0058] いくつかの例では、本開示は、5~40原子%のMnと、1~24原子%のNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、残部のCuとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、8~40原子%のMnと、1~8原子%のNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、残部のCuとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、8~40原子%のMnと、1~8原子%のNiと、5~24原子%のZnと、1~5原子%のAlと、残部のCuとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、12.5~35原子%のMnと、1~7原子%のNiと、7.5~24原子%のZnと、1~5原子%のAlと、残部のCuとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、12.5~35原子%のMnと、1~7原子%のNiと、7.5~20原子%のZnと、1~5%のAlと、残部のCuとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、22.5~35原子%のMnと、1~5原子%のNiと、7.5~12.5原子%のZnと、1~3原子%のAlと、残部のCuとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、17~35原子%のMnと、1~8原子%のNiと、9.5~20原子%のZnと、0~5原子%のAlと、残部のCuとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、17~35原子%のMnと、1~8原子%のNiと、9.5~20原子%のZnと、1~5原子%のAlと、残部のCuとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、17~35原子%のMnと、1~8原子%のNiと、9.5~15原子%のZnと、1~5原子%のAlと、残部のCuとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、17~35原子%のMnと、1~8原子%のNiと、9.5~12.5原子%のZnと、1~5原子%のAlと、残部のCuとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、17~35原子%のMnと、1~8原子%のNiと、9.5~12.5原子%のZnと、1~3原子%のAlと、残部のCuとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、17~35原子%のMnと、1~5原子%のNiと、9.5~12.5原子%のZnと、1~3原子%のAlと、残部のCuとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0056】
[0059] いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子パーセントの銅と、5~40原子パーセントのマンガンと、24原子パーセントまでのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムと、20原子パーセントまでの、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素及びマグネシウムからなる群から選択される1種以上の元素とを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子パーセントの銅と、5~40原子パーセントのマンガンと、24原子パーセントまでのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムと、1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素とを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子パーセントの銅と、5~40原子パーセントのマンガンと、24原子パーセントまでのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムと、20原子パーセントまでの、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素及びマグネシウムからなる群から選択される1種以上の元素と、1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素とを含むか又はそれらからなる合金を提供する。かかる例では、1種以上の元素の合計濃度が20原子%を超えない限り、合金は、クロム、鉛、ビスマス、コバルト、鉄、炭素、スズ、ケイ素及びマグネシウムの1種以上を含み得ることが理解されるであろう。同様に、1種以上の元素の合計濃度が1原子%を超過しない限り、かかる合金は、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンの1種以上を含み得る。特定の例では、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンは、個別に約0.5原子%又は合計で約0.7原子%の量で存在する。
【0057】
[0060] いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、20原子%までのCrとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、20原子%までのPbとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、20原子%までのBiとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、20原子%までのCoとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、20原子%までのFeとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、20原子%までのCとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、20原子%までのSnとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、20原子%までのSiとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、20原子%までのMgとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0058】
[0061] いくつかの例では、合金は、0~7原子%のクロム、例えば0~5原子%のクロム、0.5~4.5原子%のクロム、0.5~4原子%のクロム、0.5~3.5原子%のクロム、1~3.5原子%のクロム、1~3原子%のクロム、1.5~3原子%のクロム又は1.5~2.5原子%のクロムを含む。例えば、合金は、約0.5原子%、約0.75原子%、約1原子%、約1.25原子%、約1.5原子%、約1.75原子%、約2原子%、約2.25原子%、約2.5原子%、約2.75原子%、約3原子%、約3.25原子%、約3.5原子%、約3.75原子%、約4原子%、約4.25原子%、約4.5原子%、約4.75原子%、約5原子%、約5.25原子%、約5.5原子%、約5.75原子%、約6原子%、約6.25原子%、約6.5原子%、約6.75原子%又は約7原子%のクロムを含み得る。いくつかの例では、クロムは、合金中に存在しない(すなわち0原子%)。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、0~7原子%のCr、例えば0.5~5原子%のCrとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0059】
[0062] いくつかの例では、合金は、0~8原子%の鉛、例えば0~6原子%の鉛、0.5~5.5原子%の鉛、0.5~5原子%の鉛、0.5~4.5原子%の鉛、1~4.5原子%の鉛、1~4原子%の鉛、1.5~3.5原子%の鉛又は1.5~3原子%の鉛を含む。例えば、合金は、約0.5原子%、約0.75原子%、約1原子%、約1.25原子%、約1.5原子%、約1.75原子%、約2原子%、約2.25原子%、約2.5原子%、約2.75原子%、約3原子%、約3.25原子%、約3.5原子%、約3.75原子%、約4原子%、約4.25原子%、約4.5原子%、約4.75原子%、約5原子%、5.25原子%、約5.5原子%、約5.75原子%、約6原子%、約6.25原子%、約6.5原子%、約6.75原子%、約7原子%、約7.25原子%、約7.5原子%、約7.75原子%又は約8原子%の鉛を含み得る。いくつかの例では、鉛は、合金中に存在しない(すなわち0原子%)。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、0~8原子%のPb、例えば0.5~6原子%のPbとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0060】
[0063] いくつかの例では、合金は、0~8原子%のビスマス、例えば0~5原子%のビスマス、0.5~4.5原子%のビスマス、0.5~4原子%のビスマス、0.5~3.5原子%のビスマス、1~3原子%のビスマス、1~2.5原子%のビスマス又は1.5~2.5原子%のビスマスを含む。例えば、合金は、約0.5原子%、約0.75原子%、約1原子%、約1.25原子%、約1.5原子%、約1.75原子%、約2原子%、約2.25原子%、約2.5原子%、約2.75原子%、約3原子%、約3.25原子%、約3.5原子%、約3.75原子%、約4原子%、約4.25原子%、約4.5原子%、約4.75原子%、約5原子%、約5.25原子%、約5.5原子%、約5.75原子%、約6原子%、約6.25原子%、約6.5原子%、約6.75原子%、約7原子%、約7.25原子%、約7.5原子%、約7.75原子%又は約8原子%のビスマスを含み得る。いくつかの例では、合金は、0.7原子%未満のビスマス、例えば0.5原子%未満のビスマスを含む。いくつかの例では、ビスマスは、合金中に存在しない(すなわち0原子%)。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、0~8原子%のBi、例えば0.2~2原子%のBi、例えば約0.55原子%又は約0.6原子%のBiとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0061】
[0064] いくつかの例では、合金は、0~8原子%のコバルト、例えば0~6原子%のコバルト、0.5~5.5原子%のコバルト、0.5~5原子%のコバルト、0.5~4.5原子%のコバルト、1~4.5原子%のコバルト、1~4原子%のコバルト、1.5~3.5原子%のコバルト又は1.5~3原子%のコバルトを含む。例えば、合金は、約0.5原子%、約0.75原子%、約1原子%、約1.25原子%、約1.5原子%、約1.75原子%、約2原子%、約2.25原子%、約2.5原子%、約2.75原子%、約3原子%、約3.25原子%、約3.5原子%、約3.75原子%、約4原子%、約4.25原子%、約4.5原子%、約4.75原子%、約5原子%、約5.25原子%、約5.5原子%、約5.75原子%、約6原子%、約6.25原子%、約6.5原子%、約6.75原子%、約7原子%、約7.25原子%、約7.5原子%、約7.75原子%又は約8原子%のコバルトを含み得る。いくつかの例では、コバルトは、合金中に存在しない(すなわち0原子%)。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、0~8原子%のCo、例えば0.5~5原子%のCoとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0062】
[0065] いくつかの例では、合金は、0~12原子%の鉄、例えば0~10原子%の鉄、0.5~9原子%の鉄、0.5~8原子%の鉄、0.5~7原子%の鉄、1~6.5原子%の鉄、1~6原子%の鉄、1.5~5.5原子%の鉄又は1.5~5原子%の鉄を含む。例えば、合金は、約0.5原子%、約0.75原子%、約1原子%、約1.25原子%、約1.5原子%、約1.75原子%、約2原子%、約2.25原子%、約2.5原子%、約2.75原子%、約3原子%、約3.25原子%、約3.5原子%、約3.75原子%、約4原子%、約4.25原子%、約4.5原子%、約4.75原子%、約5原子%、約5.25原子%、約5.5原子%、約5.75原子%、約6原子%、約6.25原子%、約6.5原子%、約6.75原子%、約7原子%、約7.25原子%、約7.5原子%、約7.75原子%、約8原子%、約8.25原子%、約8.5原子%、約8.75原子%、約9原子%、約9.25原子%、約9.5原子%、約9.75原子%、約10原子%、約10.25原子%、約10.5原子%、約10.75原子%、約11原子%、約11.25原子%、約11.5原子%、約11.75原子%又は約12原子%の鉄を含み得る。いくつかの例では、鉄は、合金中に存在しない(すなわち0原子%)。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、0~12原子%のFe、例えば0.5~7原子%のFeとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0063】
[0066] いくつかの例では、合金は、0~8原子%の炭素、例えば0~6原子%の炭素、0.5~5.5原子%の炭素、1~5原子%の炭素、1.5~5原子%の炭素、1.5~5原子%の炭素、2~5原子%の炭素、2.5~5原子%の炭素又は3~5原子%の炭素を含む。例えば、合金は、約0.5原子%、約0.75原子%、約1原子%、約1.25原子%、約1.5原子%、約1.75原子%、約2原子%、約2.25原子%、約2.5原子%、約2.75原子%、約3原子%、約3.25原子%、約3.5原子%、約3.75原子%、約4原子%、約4.25原子%、約4.5原子%、約4.75原子%、約5原子%、約5.25原子%、約5.5原子%、約5.75原子%、約6原子%、約6.25原子%、約6.5原子%、約6.75原子%、約7原子%、約7.25原子%、約7.5原子%、約7.75原子%又は約8原子%の炭素を含み得る。いくつかの例では、合金は、0.7原子%未満の炭素、例えば0.5原子%未満の炭素を含む。いくつかの例では、炭素は、合金中に存在しない(すなわち0原子%)。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、0~8原子%のC、例えば0.5~5原子%のCとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0064】
[0067] いくつかの例では、合金は、0~20原子%のスズ、例えば0~10原子%のスズ、0.5~8原子%のスズ、0.5~4原子%のスズ、0.5~3.5原子%のスズ、1~3原子%のスズ、1~2.5原子%のスズ又は1.5~2.5原子%のスズを含む。例えば、合金は、約0.5原子%、約0.75原子%、約1原子%、約1.25原子%、約1.5原子%、約1.75原子%、約2原子%、約2.25原子%、約2.5原子%、約2.75原子%、約3原子%、約3.25原子%、約3.5原子%、約3.75原子%、約4原子%、約4.25原子%、約4.5原子%、約4.75原子%、約5原子%、約5.25原子%、約5.5原子%、約5.75原子%、約6原子%、約6.25原子%、約6.5原子%、約6.75原子%、約7原子%、約7.25原子%、約7.5原子%、約7.75原子%又は約8原子%のスズを含み得る。いくつかの例では、スズは、合金中に存在しない(すなわち0原子%)。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、0~20原子%のSn、例えば0.5~9原子%のSnとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0065】
[0068] いくつかの例では、合金は、0~8原子%のケイ素、例えば0~6原子%のケイ素、0.5~5.5原子%のケイ素、0.5~5原子%のケイ素、0.5~4.5原子%のケイ素、1~4.5原子%のケイ素、1~4原子%のケイ素、1.5~3.5原子%のケイ素又は1.5~3原子%のケイ素を含む。例えば、合金は、約0.5原子%、約0.75原子%、約1原子%、約1.25原子%、約1.5原子%、約1.75原子%、約2原子%、約2.25原子%、約2.5原子%、約2.75原子%、約3原子%、約3.25原子%、約3.5原子%、約3.75原子%、約4原子%、約4.25原子%、約4.5原子%、約4.75原子%、約5原子%、約5.25原子%、約5.5原子%、約5.75原子%、約6原子%、約6.25原子%、約6.5原子%、約6.75原子%、約7原子%、約7.25原子%、約7.5原子%、約7.75原子%又は約8原子%のケイ素を含み得る。いくつかの例では、ケイ素は、合金中に存在しない(すなわち0原子%)。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、0~8原子%のSi、例えば0.5~5原子%のSiとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0066】
[0069] いくつかの例では、合金は、0~2原子%のマグネシウム、例えば0~1.75原子%のマグネシウム、0.25~1.75原子%のマグネシウム、0.25~1.5原子%のマグネシウム又は0.5~1.5原子%のマグネシウムを含む。例えば、合金は、約0.25原子%、約0.5原子%、約0.75原子%、約1原子%、約1.25原子%、約1.5原子%、約1.75原子%又は約2原子%のマグネシウムを含み得る。いくつかの例では、マグネシウムは、合金中に存在しない(すなわち0原子%)。いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子%のCuと、5~40原子%のMnと、24原子%までのNiと、5~24原子%のZnと、1~15原子%のAlと、0~2原子%のMg、例えば0.2~1原子%のMgとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0067】
[0070] いくつかの例では、本開示の合金は、1原子パーセントまでの、ヒ素、リン、硫黄及びアンチモンからなる群から選択される1種以上の元素を含む。例えば、本開示の合金は、約0.1原子%、約0.2原子%、約0.3原子%、約0.4原子%、約0.5原子%、約0.6原子%、約0.7原子%、約0.8原子%、約0.9原子%又は約1原子%のAsを含み得る。いくつかの例では、合金は、約0.1原子%、約0.2原子%、約0.3原子%、約0.4原子%、約0.5原子%、約0.6原子%、約0.7原子%、約0.8原子%、約0.9原子%又は約1原子%のPを含み得る。いくつかの例では、合金は、約0.1原子%、約0.2原子%、約0.3原子%、約0.4原子%、約0.5原子%、約0.6原子%、約0.7原子%、約0.8原子%、約0.9原子%又は約1原子%のSを含み得る。いくつかの例では、合金は、約0.1原子%、約0.2原子%、約0.3原子%、約0.4原子%、約0.5原子%、約0.6原子%、約0.7原子%、約0.8原子%、約0.9原子%又は約1原子%のSbを含み得る。
【0068】
[0071] いくつかの例では、本開示は、40~62.5原子パーセントの銅と、5~40原子パーセントのマンガンと、24原子パーセントまでのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~15原子パーセントのアルミニウムと、0.5原子パーセントまでの炭素又はビスマスとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。いくつかの例では、本開示は、45~62.5原子パーセントの銅と、8~40原子パーセントのマンガンと、1~8原子パーセントのニッケルと、5~24原子パーセントの亜鉛と、1~5原子パーセントのアルミニウムと、0.4原子パーセントまでの炭素と、0.4原子パーセントまでのビスマスとを含むか又はそれらからなる合金を提供する。
【0069】
[0072] マンガン、亜鉛及びアルミニウムは、一般に、銅合金の積層欠陥エネルギーを低減する。これらの3種の元素のうち、アルミニウムは、最も強力であり、約3×Znの割合で積層欠陥エネルギーを低減する。マンガンは、亜鉛と比較して積層欠陥エネルギーのより小さい減少を提供し、一般に約0.2×Znである。本開示の合金は、好ましくは、22.5~35原子%の亜鉛により付与されるものに類似した積層欠陥エネルギーを付与する量において、マンガンと、亜鉛と、アルミニウムとを含む。特定の例では、本開示の合金は、以下の量でアルミニウムと、亜鉛と、マンガンとを含む:
(3×アルミニウムの原子パーセント)+亜鉛の原子パーセント+(0.2×マンガンの原子パーセント)は、22.5%~35%である。
又は、以下のように異なって表される:
[(3×Alの原子%)+(Ziの原子%)+(0.2×Mnの原子%)]=22.5~35原子%。
【0070】
[0073] いくつかの例では、(3×アルミニウムの原子パーセント)+亜鉛の原子パーセント+(0.2×マンガンの原子パーセント)は、22.5原子%~35原子%、例えば23.5原子%~32.5原子%、24原子%~31原子%、24.5原子%~30.5原子%、25原子%~30原子%、25.5原子%~29.5原子%、26原子%~29.5原子%、26.5原子%~29.5原子%又は27原子%~29原子%である。
【0071】
[0074] 典型的な黄銅の延性は、主にそのマイクロ構造内の機械的双晶形成の結果である。合金の双晶形成能は、その積層欠陥エネルギーに直接関連する。低積層欠陥エネルギーを有する合金は、一般に、高積層欠陥エネルギーを有する合金よりも容易に双晶を形成し、及びより延性である。銅合金のニッケル含有率を増加させると、典型的には合金の積層欠陥エネルギーが増加し、そのため、その強度が増加するとともにその延性が減少する。これは、産業上それほど望ましくない可能性がある。なぜなら、合金を所定の形状に加工するためにより多くの力を必要とするからである。本開示の合金は、好ましくは、原子パーセント単位でニッケルよりも多くの銅を有し、したがって高ニッケル合金と比較してより延性であるとともに、加工がより容易である。例えば、本開示の合金では、銅:ニッケルの原子パーセント比は、少なくとも2、例えば少なくとも3又は少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10、少なくとも10.5、少なくとも11、少なくとも11.5、少なくとも12、少なくとも12.5、少なくとも13、少なくとも13.5、少なくとも14、少なくとも14.5、少なくとも15、少なくとも15.5、少なくとも16、少なくとも16.5、少なくとも17、少なくとも17.5、少なくとも18、少なくとも18.5、少なくとも19若しくは少なくとも19.5であり得る。
【0072】
[0075] 銅は、ある領域又は環境で高い抗微生物性であることも知られている。そのため、本開示の合金は、微生物耐性が望まれる状況に適用され得る。例えば、本明細書に記載の合金は、オートクレーブ、ドアノブ、調理器具又は食品容器の製造に使用され得る。
【0073】
[0076] 本明細書に記載の合金は、好ましくは、低又は非スパーク性であるため、すなわち機械的衝突時、金属工具による切断時又は研磨/粉砕時に簡単にスパークしないため、揮発性環境での使用を安全にする。
【0074】
[0077] 銅と比較してより低レベルで存在するが、本合金中のニッケルは、耐食性を付与し得るとともに、マンガン及び銅の溶解性を増加させ得る。そのうえ、ニッケルは、使用中の合金の脱亜鉛も妨げ得る。脱亜鉛は、亜鉛原子が粒界及び表面にマイグレートするときに発生し、これらの領域を局所的に亜鉛で富化するとともに、合金の局部腐食及び脆弱性を引き起こす。
【0075】
[0078] マイクロ構造的には、本開示の特定の合金は、構成及び施される熱処理に依存して、主に単相(アルファ/面心立方晶構造)又は多相であり得る。
【0076】
[0079] 本明細書に記載の特定の合金は、中温で長期間にわたり熱処理されたとき、結晶構造秩序化機構又はスピノーダル分解イベントを介して硬化可能であり得る。
【0077】
[0080] 特定の例では、本開示の合金は、約25%~70%、例えば約30%~65%、又は約31%~64%、又は約35%~65%、又は約40%~65%、又は約45%~65%、又は約45%~60%、又は約50%~65%、又は約55%~65%、又は約60%~65%の破壊引張り歪みを有する。
【0078】
[0081] 特定の例では、本開示の合金は、約350MPa~600MPa、例えば約360MPa~600MPa、又は約370MPa~600MPa、又は約380MPa~600MPa、又は約380MPa~590MPa、又は約385MPa~590MPa、又は約385MPa~585MPa、又は約390MPa~585MPa、又は約390MPa~580MPa、又は約390MPa~575MPa、又は約394MPa~572MPaの極限引張り強度を有する。
【0079】
[0082] いくつかの例では、本開示の合金は、約70~190、例えば約75~180、又は約80~170、又は約86~90、又は約83~89、又は約111~114、又は約94~103、約135~137、又は約111~116、又は約133~137、又は約111~116、又は約133~137、又は約142~166、又は約120~126、又は約120~150、約125~155、又は約130~160、又は約130~165、又は約105~127、又は約122~139、又は約129~139、又は約150~166、又は約130~137、又は約135~150、又は約130~140、又は約94~103の鋳放し硬度(H)を有する。
【0080】
[0083] 本開示の合金は、比較的低温で最終品(鋳造用合金)に鋳造又は圧力ダイ鋳造され得、プレート又はロッド/チューブに熱間鍛造、熱間圧延又は熱間押出しされ得、プレート、ロッド又はチューブに冷間圧延又は冷間鍛造され得、仕様に合わせて深絞り加工、ターン加工、ミル加工又は金属切削工具により機械加工され得る。合金は、半田付け、鑞付け又は溶接され得る。合金はまた、クロム又はニッケルメッキされ得る。
【0081】
[0084] 本開示の合金は、ドア及び窓ヒンジ、ラッチ、ドアノブ、ドアロック、ノッカー、キー、装飾固定具をはじめとする一般建築用固定具及び金物、さらにモバイルフォンケーシング、ベゼル、バッジ及びメダル、装飾鋳物並びに彫像に使用され得る。合金は、ジッパー、衣類用又は手荷物/旅行鞄用のホック、ギア、歯車、ギアドライブシャフト、ソリッドスリップベアリング、軍需品/カートリッジ又はシェルケース、弾薬、海洋/船舶用途、空気液体/液体/液体の加熱/冷却ラジエーター、配管、通貨、クランプ、ファスナー、ナット、ボルト、ネジ、ワッシャー、音響デバイス、例えばスピーカー、レゾネーター、音叉及び楽器(例えば、トランペット又はトロンボーン)、電子接点、電気伝導性デバイス、回路電子カップリング、ハイドロリック又はニューマチック流体移送チューブカップリング又はコネクター(高圧又は低圧)、ハイドロリック又はニューマチックマニホールド、スイッチ、ゲート並びに非スパーク性工具(例えば、爆発性環境で使用のため)に使用のためにも好適であり得る。
【実施例
【0082】
実施例
[0085] ほぼ純粋な銅、亜鉛及びニッケルの添加から、40cmの計算最終体積でCu-Ni-Mn-Zn-Al合金仕込みバランスを作製した。市販の50/50重量%銅-マンガンマスター合金を用いて、マンガンを添加した。以下の2工程プロセスで合金を作製した。
1.銅-マンガンマスター合金とともに銅及びニッケルバランスのサイクル溶融を介して、Buhler電気アーク溶融炉内でCu-Mn-Niボタンを作製した。高純度アルゴンによる溶融チャンバーの3回繰返しパージング、次いで粗引きポンプ及びターボ真空ポンプの両方を用いた10-4mbar程度への排気を介して、チタンゲッターアルゴン雰囲気を生成した。この際、溶融チャンバーに高純度アルゴンを大気圧の60%まで満たした。これに続いて、チタンゲッターを溶融した。最初に銅に直接接触させて、ニッケルショットの溶融を介して(こうして溶融ニッケル中に銅を溶融させて)、Cu-Ni-Mnボタンの均一性を得た。新たに形成されたCu-Ni合金の繰返し溶融及び続くCu-Mnマスター合金中へのCu-Niボタンの溶融により、均一なCu-Ni-Mnボタンを生成した。
2.誘導炉を用いて、最終合金の生成並びに亜鉛及びアルミニウムの組込みを行った。亜鉛及びアルミニウムを窒化ホウ素被覆グラファイト坩堝のボトムに配置し、亜鉛蒸発を最小限に抑えるためにトップにCu-Ni-Mnボタンを配置した。誘導炉チャンバー内の循環アルゴンリッチ環境中において、完全Cu-Ni-Mn-Zn-Al仕込みバランスの溶融を行った。誘導炉内で完全仕込みバランスを2回溶融した。これは、均一性を支援することが分かった。最初の合金化サイクル時、仕込みバランスを1100℃に加熱し、その温度で2分間保持してすべての仕込み成分の完全溶融を確保した。次いで、合金化インゴットを坩堝中に放置して冷却し、その後、取り出して光沢仕上げになるように機械的に清浄化/研磨し、いずれの酸化生成物も除去した。インゴットを反転して誘導炉内で再溶融し、再び1100℃で2分間保持し、およそ950℃に冷却し、幅16mm、長さ100mm、深さ50mmの銅鋳型に液状金属を(空気中で)注加した。
【0083】
[0086] 鋳物(100mm×16mm×35mm)を50mm×16mm×35mmブロックに分割した。鋳物の一方の半体を鋳放し構造の金属組織学的検査及び硬度試験に使用した。熱間圧延及び熱処理を介して鋳物の残りの半体を加工した。鋳放し構造の初期熱処理を750℃で2時間行った(この熱処理により、鋳放しマイクロ構造がCu-Ni-Mn-Zn-Al合金中に完全に溶解することが分かった)。次いで、サンプルを16mmの開始厚さから8mmに750℃で横方向に熱間圧延した。熱間圧延プロセスの目的は、いずれの鋳造細孔又は欠損も閉鎖して、材料を固結し、及び粒子構造を精密化して再結晶化させ、本質的に産業加工を再現することであった。熱間圧延プロセス時、サンプルを750℃炉から周期的に取り出し、0.25mmずつ圧延して8mmのその最終厚さにした。熱間圧延プロセスに続いて、サンプルを750℃の最終熱処理に2時間付して、熱間圧延及び焼鈍条件で最終加工合金を生成した。この段階において、加工合金ビレットは、8mm×35mm×90mmのおよその寸法を有していた。加工合金材料から引張り試験片を生成するために、8mm×8mm×62mmストリップをビレットからカットして、ASTM E8Mに準拠して4mmのゲージ直径及び20mmのゲージ長を有する円柱状引張り試験片に機械加工した。Instron引張試験機、レーザー伸縮計並びに関連コンピューター及びデータロガーを用いて、ASTM A370に準拠して引張り試験を行った。Bluehill製のソフトウェアを用いて、測定ロード及びレーザー伸縮読みを記録した。代表的工学的応力-歪みデータを図1及び2に提供し、特徴的機械的性質を表1に示す。張力下で破砕された合金のサイドプロファイルを図3及び4に示す。
【0084】
[0087] 鋳放し及び加工サンプルから取り出された好適に作製されたセクションで硬度試験を行った。400HV試験ブロックで半自動機械の好適な校正を行った後、1kgロード及び5秒間の滞留時間でStruers duramen A300硬度試験機を用いて硬度試験を行った。各サンプルに対して最小20硬度インデントを行った。
【0085】
【表1】
【0086】
[0088] この実施例で以上に記載した技術は、実験室スケールの合金生成に好適であり得るが、特に工業スケールの合金製造のために他の方法を使用し得ることが当業者に理解されるであろう。例えば、合金は、完全に溶融されるまで誘導又は抵抗加熱炉ですべての合金成分の大規模溶融を行うことにより製造され得る。これは、亜鉛及び/又はマンガンのガス放出を回避するために、より低融点成分を添加する際、最初に溶融温度を漸次低下させながら、より高融点成分を合金化することを含み得る。酸素、水素及び溶融物中の他の不純物を低減し、及び溶融表面をさらなる酸化又は分解から保護するために、添加剤、フラックス又はコークスを使用し得る。次いで、溶融物をインゴットとして鋳造し得る。次いで、インゴットを直接製品に鋳造又は圧力ダイ鋳造し得る。固定断面積の水冷グラファイト又は銅又は他の金属ノズルに通して合金を連続鋳造し、プレート、バー、ロッド又は中空断面品を製造することが可能である。代替的に、溶融物をシート品にツインロールストリップ鋳造し得る。続いて、生成物を700℃超の温度で均質化、熱間圧延、熱間押出し、熱間延伸又は鍛造して、600℃超の温度でその所要の形状にし得る。生成物を冷間加工(圧延、押出し、鍛造又は延伸)し、及び焼き戻しするか又は低温焼鈍により硬化させることが可能である。
【0087】
[0089] 具体的な実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、多くの他の形態で本発明を具現化し得ることが当業者によって理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】