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特表2022-551609リチウム含有層、アイレット、又はクラスターの堆積のためのリチウム前駆体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-12
(54)【発明の名称】リチウム含有層、アイレット、又はクラスターの堆積のためのリチウム前駆体
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20221205BHJP
   C23C 16/18 20060101ALI20221205BHJP
   C07F 1/02 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
C23C16/455
C23C16/18
C07F1/02 CSP
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520585
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-05-12
(86)【国際出願番号】 US2020054720
(87)【国際公開番号】W WO2021072036
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】62/912,458
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/915,263
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】デュサラ、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】山元 啓司
(72)【発明者】
【氏名】ブラスコ、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】上村 直
【テーマコード(参考)】
4H048
4K030
【Fターム(参考)】
4H048AA01
4H048AA03
4H048AB99
4H048VA30
4K030AA11
4K030AA14
4K030AA18
4K030BA35
4K030BA42
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA01
4K030EA03
4K030FA10
4K030HA01
(57)【要約】
基板上にLi含有膜、アイレット、又はクラスターを形成するための方法は、ケイ素フリーのリチウム前駆体の蒸気を反応器に導入する工程、及び蒸着法を使用してケイ素フリーのリチウム前駆体の少なくとも一部を基板上に堆積させて、Li含有膜、アイレット、又はクラスターを形成する工程、を含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にLi含有膜、アイレット、又はクラスターを形成する方法であって、
前記基板が中に配置されている反応器内に、下記一般式を有するケイ素フリーのリチウム前駆体を導入する工程
[Li-NL-D (I)
(式中、
は、一般式:C、(C)-ER)、又は(C)-E’R)を有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m及びnは独立した整数であり、1≦m≦16であり、1≦n≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
は、一般式:(C)-ER、又は(C)-E’Rを有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・p及びqは独立した整数であり、1≦p≦16であり、1≦q≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され;
xは整数であり、0≦x≦4であり;
yは分子の結合度であり、1≦y≦6である);並びに、
蒸着法を使用して前記ケイ素フリーのリチウム前駆体の少なくとも一部を前記基板上に堆積させて、前記リチウム含有膜、アイレット、又はクラスターを形成する工程、
を含む、方法。
【請求項2】
が、C~C16の直鎖、分岐、若しくは環状の炭素鎖、又は(C)-ER若しくは(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・mは、値が1である整数であるか、1~8の範囲の整数であり;
・nは、2~16の範囲の独立した整数であり;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択され;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
が、(C)-ER又は(C)-E’Rの形態である:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・p及びqは、1~16の範囲の独立した整数であり、好ましくはpは1~8に含まれ、qは2~16に含まれ、最も好ましくはpはmとは異なり;
・R及びRは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
・Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され、好ましくは単座又は二座であり;
・xは、0~4に含まれる整数であり;
・yは分子の結合度を表し、1~6に含まれる;
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ケイ素フリーのリチウム前駆体が、LiNMe(CHCHNMe)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)、LiNEt(CHCHNMe)、LiNiPr(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHNEt、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHMeCHNMe、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiNMe(CHCHOMe)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOiPr)、LiNMe(CHCHOtBu)、LiNEt(CHCHOMe)、LiNEt(CHCHOEt)、LiNiPr(CHCHOMe)、LiNtBu(CHCHOMe)、LiN(CHCHOMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHOiPr)、LiN(CHCHOtBu)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)、又はLiNMe(CHCH(OMe))から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ケイ素フリーのリチウム前駆体が、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHCHNMeEt)、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiN(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOEt)、又はLiNMe(CHCH(OMe))から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ケイ素フリーのリチウム前駆体がLiN(CHCHNMeである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ケイ素フリーのリチウム前駆体が、単量体、二量体、三量体、又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ケイ素フリーのリチウム前駆体が150℃未満で液体である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記蒸着法が、ALD、CVD、スプレーコーティング、ディップコーティング、スリットコーティング、スピンオン堆積、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
、O、HO、トリメチルホスフェート、アルキルホスフェート、アルキルホスフィニミン、NO、NO、H、Oラジカル、又はこれらの組み合わせから選択される共反応物を前記反応器に供給する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記共反応物がOである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記Li含有膜、アイレット、又はクラスターが、LiO、LiOH、LiS、LiN、LiF、炭酸リチウム、フッ化リチウムアルミニウム、リチウムアルミニウム酸化物、リチウムアルミニウム、リチウムコバルト酸化物、チタン酸リチウム、ジルコン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、LiPON、リン酸リチウム、ホウ酸リチウム、ホウリン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、リチウムジルコニウム酸化物などの膜、アイレット、又はクラスターである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記反応器内の温度が約0℃~約600℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
下記一般式を有するリチウム前駆体を含む組成物:
[Li-NL-D (I)
(式中、
は、一般式:C、(C)-ER)、又は(C)-E’R)を有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m及びnは独立した整数であり、1≦m≦16であり、1≦n≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
は、一般式:(C)-ER、又は(C)-E’Rを有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・p及びqは独立した整数であり、1≦p≦16であり、1≦q≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され;
xは整数であり、0≦x≦4であり;
yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)。
【請求項14】
が、C~C16の直鎖、分岐、若しくは環状の炭素鎖、又は(C)-ER若しくは(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・mは、値が1である整数であるか、1~8の範囲の整数であり;
・nは、2~16の範囲の独立した整数であり;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択され;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
が、(C)-ER又は(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・p及びqは、1~16の範囲の独立した整数であり、好ましくはpは1~8に含まれ、qは2~16に含まれ、最も好ましくはpはmとは異なり;
・R及びRは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され、好ましくは単座又は二座であり;
xは、0~4に含まれる整数であり;
yは分子の結合度を表し、1~6に含まれ;
=Me、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=Et、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=iPr、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CMeHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CHCHMe、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
={C=CHCH、E=N、RとRが共にEt}、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にEt}、x=0は除外され;
=Me、L={C=CHCH、E’=O、RがMe}、x=0は除外される;
請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記リチウム前駆体が、LiNMe(CHCHNMe)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)、LiNEt(CHCHNMe)、LiNiPr(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHNEt、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHMeCHNMe、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiNMe(CHCHOMe)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOiPr)、LiNMe(CHCHOtBu)、LiNEt(CHCHOMe)、LiNEt(CHCHOEt)、LiNiPr(CHCHOMe)、LiNtBu(CHCHOMe)、LiN(CHCHOMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHOiPr)、LiN(CHCHOtBu)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)、又はLiNMe(CHCH(OMe))から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記リチウム前駆体が、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHCHNMeEt)、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiN(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOEt)、又はLiNMe(CHCH(OMe))から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
前記リチウム前駆体がLiN(CHCHNMeである、請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
下記一般式を有する、膜、アイレット、又はクラスターを形成する前駆体:
[Li-NL-D (I)
(式中、
は、一般式:C、(C)-ER)、又は(C)-E’R)を有し、
・(C)は、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m及びnは独立した整数であり、1≦m≦16であり、1≦n≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
は、一般式:(C)-ER、又は(C)-E’Rを有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・p及びqは独立した整数であり、1≦p≦16であり、1≦q≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され;
xは整数であり、0≦x≦4であり;
yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)。
【請求項19】
が、C~C16の直鎖、分岐、若しくは環状の炭素鎖、又は(C)-ER若しくは(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・mは、値が1である整数であるか、1~8の範囲の整数であり;
・nは、2~16の範囲の独立した整数であり;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択され;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
が、(C)-ER又は(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・p及びqは、1~16の範囲の独立した整数であり、好ましくはpは1~8に含まれ、qは2~16に含まれ、最も好ましくはpはmとは異なり;
・R及びRは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され、好ましくは単座又は二座であり;
xは、0~4に含まれる整数であり;
yは分子の結合度を表し、1~6に含まれる;
請求項18に記載の膜、アイレット、又はクラスターを形成する前駆体。
【請求項20】
LiNMe(CHCHNMe)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)、LiNEt(CHCHNMe)、LiNiPr(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHNEt、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHMeCHNMe、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiNMe(CHCHOMe)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOiPr)、LiNMe(CHCHOtBu)、LiNEt(CHCHOMe)、LiNEt(CHCHOEt)、LiNiPr(CHCHOMe)、LiNtBu(CHCHOMe)、LiN(CHCHOMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHOiPr)、LiN(CHCHOtBu)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)、又はLiNMe(CHCH(OMe))から選択される、請求項18に記載の膜、アイレット、又はクラスターを形成する前駆体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月8日に出願された米国出願第62912458号、及び2019年10月15日に出願された米国出願第62915263号に基づく利益を主張するものであり、これらはあらゆる目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
リチウム含有膜、アイレット、又はクラスターを堆積させるためのケイ素フリーのリチウム前駆体、並びにその合成方法及びその使用方法が開示される。特に、開示される前駆体は、良好な揮発性及び熱安定性を示す。開示される前駆体は、150℃未満で液体であり、好ましくは50℃で液体であり、より好ましくは25℃で液体であり、これはALD及びCVD用途などの堆積技術に適している。
【背景技術】
【0003】
リチウム含有膜は、リチウムイオン電池用途において表面コーティング層又は電極材料の膜を形成するための用途で周知である。Li含有膜の例としては、LiPON、リン酸リチウム、ホウ酸リチウム、ホウリン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、チタン酸リチウム、リチウムジルコニウム酸化物などが挙げられる。これらの材料のいくつか、特にニオブ酸リチウム、チタン酸リチウム、ジルコン酸リチウムなどの形成のためには、ケイ素が存在しないか、ケイ素の存在が少量であることも好ましい。リチウムイオン電池の最初のサイクル中に、電解質/電極界面での電解質の分解から、アノード及び/又はカソード上での固体電解質界面(SEI)の形成が観察される。リチウムイオン電池の容量の損失は、リチウムイオンの消費に起因する。更に、形成されるSEI層は均一ではなく不安定であるため、亀裂やデンドライトが生じて熱暴走を起こす可能性がある。更に、形成されたSEI層は、電極におけるインターカレーションをより困難にする障壁電位も形成する。原子層堆積(ALD)及び化学蒸着(CVD)技術による電極の表面コーティングは、目的のSEI膜を形成するために使用されるため、これらの不安定な層の形成を回避する。Li含有膜は、その優れた導電性と高い電気化学的安定性のため、保護電極コーティングとして非常に有望な候補である。Li含有膜のもう1つの重要な用途は、全固体電池で使用される固体電解質材料の形成である。全固体電池は、従来のリチウムイオン電池よりも長い寿命、速い充電時間、及び高いエネルギー密度を有する無溶媒系である。これらは、電池開発における次の技術段階とみなされている。リン酸リチウム、ホウ酸リチウム、及びホウリン酸リチウムなどのリチウム含有膜固体電解質は、ALD/CVD技術によって堆積される。均一且つコンフォーマルなLi含有膜は、3D電池のような複雑な構造上でさえも得ることができる。
【0004】
エネルギー貯蔵のニーズが高まるのに伴い、改善された安全性能と共により高い容量保持が要求されている。リチウム含有膜は、リン酸リチウムやリチウムリン酸窒化物(LiPON)などの固体電解質中間相(SEI)、及びチタン酸リチウムやジルコン酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの様々なリチウム金属酸化物の形成を効果的に防止又は低減することができる。これらの材料は、現行のリチウムイオン電池又は全固体電池のいずれかで、電極と電解質との間の界面を改善することが期待されている。ニオブ酸リチウムなどのLi含有膜は、高周波電子デバイス、例えばモバイル用途にも使用することができる。リチウムフルオライトは、バンドギャップが大きく誘電定数が高いため、光学用又は潜在的なゲート誘電体としても興味深い材料である。
【0005】
Gordonらの国際公開第00/67300A1号パンフレットには、一般式:MN(E)(E)を有するアルカリリチウムアミド前駆体の合成が開示されており、Mはアルカリ金属:Li、Na、Kであり;E及びE=C、Si、Ge、又はSnであり;R、R、R、R、R、Rは、H、アルキル基、又はフルオロアルキル基である。全ての化合物は20℃で液体である。CVDによるアルカリ金属を含む膜の形成が開示されている。
【0006】
Gordonらの国際公開第02/27063A2号パンフレットには、リチウム前駆体としてLiN(SiMe、LiN(SiEtMe、及びLi(TMPD)を使用したリン酸リチウムのCVD及びALDが開示されている。リン酸エステル前駆体としてリン酸ジイソプロピルが使用された。TMPDは2,2,6,6-テトラメチルピペリジドの略である。
【0007】
Pallemらの国際公開第2011/002920A2号パンフレットには、ケイ素を含まないリチウム含有前駆体、すなわち、一般式:Li(RCp).D、Li(NR-amd).D、及びLi(NR-fmd).D(D=単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系であり、R、R、R、R、R、R、RはH又はアルキル基である)を有するリチウムアルキルアミジネート及びリチウムアルキルシクロペンタジエニル化合物が開示されている。
【0008】
Hamalainenらの米国特許出願公開第2012/0276305号明細書には、市販原料からのLiN(SiMe、LiOtBu、Li(thd)、及びLi(hfac)の合成が開示されている。それらは、ALDによるリン酸リチウム膜の形成のためのリチウム源として使用される。開示されるリン源は、式O=P(OR)を有するリン酸塩試薬であり、ここでのRはアルキル基である。実施例では、LiN(SiMe及びLiOtBuは、リン酸リチウムのALDにトリメチルホスフェート(TMPO)と組み合わせて使用されている。Li(thd)及びLi(hfac)は、LiO、LiCO、及びその他のリチウム含有材料についても開示されている。Hamalainenらによって開示された全てのリチウム前駆体は、高融点の固体(典型的には150℃超)であり、揮発性と熱安定性が制限される。
【0009】
Li含有膜を形成するためのより多くの先行技術としては、Chem.Mater.,6987-6993,27(20),2015(リチウムリンオキシ窒化物のALD);Nano Lett.,1276-1281,16(2),2016(高レート容量のLiイオン電池アノードとしてのリチウムテレフタレート膜の原子/分子層堆積);米国特許出願公開第20170067161号明細書(リチウムリンオキシ窒化物層の製造方法);Journal of Vacuum Science & Technology,A;Vacuum,Surfaces,and Films,01B133/1-01B133/8,35(1),2017(リチウムトリメチルシラノレートを用いた原子層堆積のための強化されたプロセス及び組成制御);RSC Advances,6315-6322,2(15),2012(リチウムシリルアミドを使用した窒化リチウム及び炭酸リチウムのALD);国際公開第2012076817号パンフレット(CVDによるリチウムベースの層の製造方法);J.Mater.Chem.,8767-8771,19(46),2009(リチウム含有薄膜のALD);米国特許第7,615,250号明細書(有機アルミニウム前駆体化合物);米国特許第8,871,304号明細書((アミドアミノアルカン)金属化合物、前記金属化合物を使用する金属含有薄膜の製造方法);Chem.Eur.J.,1091-1094,5(3),1999(X線結晶構造及びリチウムの分子内錯化を伴うリチウムアミドのいくつかの溶液構造);米国特許第6294495号明細書(オレフィン重合のための三座配位子含有金属触媒錯体);Org.Lett.,5378-5381,12(23),2010(リチウムジイソプロピルアミドによって開始されるアリルエーテルの異性化);Tetrahedron 1657-1666,58(9),2002(芳香族アルデヒドの効率的な系内保護剤としてのリチウムN,O-ジメチルヒドロキシルアミドの使用);J.Mater.Chem.,2877-2881,20(14),2010(原子層堆積によって成長したチタン酸ランタン及びチタン酸リチウムランタン膜)を挙げることができる。
【0010】
リチウム前駆体の使用について興味深い他の用途には、Li含有クラスター又はアイレットの形成が含まれる。
【0011】
ケイ素を含むリチウム前駆体、例えばLiN(SiMeが一般的に使用され得る。この固体前駆体は非常に安定しており、十分に揮発性であるものの、ケイ素は得られる堆積膜に部分的に残るであろう。ケイ素の存在は、LiTiO、LiNbO、又はLiZrOなどの材料を形成するときに問題になる場合があり、ケイ素は、材料の誘発された無秩序に関連する有害な電気化学的特徴をもたらし、そのためイオン伝導度を低下させる可能性がある。したがって、堆積用途のためのケイ素フリーのリチウム前駆体を発見することが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
基板上にLi含有膜、アイレット、又はクラスターを形成するための方法が開示され、この方法は、基板が中に配置されている反応器内に、下記一般式
[Li-NL-D (I)
(式中、
は、一般式:C、(C)-ER)、又は(C)-E’R)を有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m及びnは独立した整数であり、1≦m≦16であり、1≦n≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
は、一般式:(C)-ER、又は(C)-E’Rを有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・p及びqは独立した整数であり、1≦p≦16であり、1≦q≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され;
xは整数であり、0≦x≦4であり;
yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)
を有するリチウム前駆体を導入する工程、並びに、
蒸着法を使用してリチウム前駆体の少なくとも一部を基板上に堆積させて、Li含有膜、アイレット、又はクラスターを形成する工程、
を含む。
【0013】
開示される方法は、以下の態様のうちの1つ以上を含み得る:
・Lは、C~C16の直鎖、分岐、又は環状の炭素鎖、又は(C)-ER又は(C)-E’Rの形態である
(式中、
はアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
EはB、Nを表し;
E’はO、Sなどの二価元素を表し;
mは、値が1である整数であるか、1~8の範囲の整数であり;
nは、2~16の範囲の独立した整数であり;
は独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択され;
は独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
は、(C)-ER又は(C)-E’Rの形態である
(式中、
はアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
EはB、Nを表し;
E’はO、Sなどの二価元素を表し;
p及びqは、1~16の範囲の独立した整数であり、好ましくはpは1~8に含まれ、qは2~16に含まれ、最も好ましくはpはmとは異なり;
及びRは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択される。好ましくは単座又は二座であり;
xは、0~4に含まれる整数であり;
yは分子の結合度を表し、1~6に含まれる;
・リチウム前駆体がケイ素を含まない;
・リチウム前駆体が、LiNMe(CHCHNMe)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)、LiNEt(CHCHNMe)、LiNiPr(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHNEt、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHMeCHNMe、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiNMe(CHCHOMe)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOiPr)、LiNMe(CHCHOtBu)、LiNEt(CHCHOMe)、LiNEt(CHCHOEt)、LiNiPr(CHCHOMe)、LiNtBu(CHCHOMe)、LiN(CHCHOMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHOiPr)、LiN(CHCHOtBu)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)、LiNMe(CHCH(OMe))などから選択される;
・リチウム前駆体が、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHCHNMeEt)、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiN(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCH(OMe))などである;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)である;
・リチウム前駆体がLiNEt(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNiPr(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHCHNEtMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHMeCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHCHMeNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMeである;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNEtである;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNiPrである;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNEtMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHCHNMeである;
・リチウム前駆体がLiN(CHMeCHNMeである;
・リチウム前駆体がLiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHMeNMeである;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHOEt)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHOiPr);
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHOtBu)である;
・リチウム前駆体がLiNEt(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiNEt(CHCHOEt)である;
・リチウム前駆体がLiNiPr(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHOEt)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHOiPr)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHOtBu)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCH(OMe))である;
・蒸着法が、ALD、CVD、スプレーコーティング、ディップコーティング、スリットコーティング、スピンオン蒸着、又はこれらの組み合わせである;
・蒸着法がALDである;
・蒸着法がCVDである;
・反応チャンバー内の温度が室温から室温未満の範囲である;
・反応チャンバー内の温度が約0℃~約600℃の範囲である;
・反応チャンバー内の温度が約15℃~約600℃の範囲である;
・反応チャンバー内の温度が約125℃~約250℃の範囲である;
・反応器の温度範囲が約20℃~約1000℃である;
・プラズマ蒸着プロセスの堆積温度が約20℃~約550℃の範囲である;
・ALD及びCVDの堆積温度が約100℃~約500℃の範囲である;
・ALD及びCVDの堆積温度が約250℃~約350℃の範囲である;
・熱的プロセスの堆積温度が約200℃~約800℃の範囲である;
・熱的プロセスの堆積温度が約400℃~約600℃の範囲である;
・ALDの堆積温度が100℃である;
・ALDの堆積温度が125℃である;
・ALDの堆積温度が135℃である;
・ALDの堆積温度が150℃である;
・ALDの堆積温度が175℃である;
・ALDの堆積温度が200℃である;
・ALDの堆積温度が250℃である;
・CVDの堆積温度が500℃である;
・CVDの堆積温度が200℃である;
・CVDの堆積温度が300℃である;
・CVDの堆積温度が400℃である;
・CVDの堆積温度が500℃である;
・基板の温度が室温から約600℃の範囲である;
・リチウム前駆体がケイ素フリーのリチウム前駆体である;
・リチウム前駆体が、単量体、二量体、三量体、又はそれらの組み合わせである;
・反応器に共反応物を供給する工程を更に含む;
・共反応物が、O、O、HO、トリメチルホスフェート、アルキルホスフェート、アルキルホスフィニミン、NO、NO、H、Oラジカル、又はこれらの組み合わせから選択される;
・共反応物が、N、NH、N、又はアルキルヒドラジンから選択される;
・共反応物がOである;
・リチウム前駆体が150℃未満で液体である;
・リチウム前駆体が50℃で液体である;
・リチウム前駆体が25℃で液体である;
・Li含有膜、アイレット、又はクラスターが、LiO、LiOH、LiS、LiN、LiF、炭酸リチウム、フッ化リチウムアルミニウム、リチウムアルミニウム酸化物、リチウムアルミニウム、リチウムコバルト酸化物、チタン酸リチウム、ジルコン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、LiPON、リン酸リチウム、ホウ酸リチウム、ホウリン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、リチウムジルコニウム酸化物などの膜、アイレット、又はクラスターである。
【0014】
また、下記一般式を有するリチウム前駆体を含む組成物が開示される:
[Li-NL-D (I)
(式中、
は、一般式:C、(C)-ER)、又は(C)-E’R)を有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m及びnは独立した整数であり、1≦m≦16であり、1≦n≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
は、一般式:(C)-ER、又は(C)-E’Rを有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・p及びqは独立した整数であり、1≦p≦16であり、1≦q≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され;
xは整数であり、0≦x≦4であり;
yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)。
【0015】
開示される組成物は、以下の態様のうちの1つ以上を含む:
・Lは、C~C16の直鎖、分岐、又は環状の炭素鎖、又は(C)-ER又は(C)-E’Rの形態である
(式中、
はアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
EはB、Nを表し;
E’はO、Sなどの二価元素を表し;
mは、値が1である整数であるか、1~8の範囲の整数であり;
nは、2~16の範囲の独立した整数であり;
は独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択され;
は独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
・Lは、(C)-ER又は(C)-E’Rの形態である
(式中、
はアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
EはB、Nを表し;
E’はO、Sなどの二価元素を表し;
p及びqは、1~16の範囲の独立した整数であり、好ましくはpは1~8に含まれ、qは2~16に含まれ、最も好ましくはpはmとは異なり;
及びRは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
・Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され、好ましくは単座又は二座であり;
・xは、0~4に含まれる整数であり;
・yは分子の結合度を表し、1~6に含まれる;
・L=Me、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外される;
・L=Et、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外される;
・L=iPr、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外される;
・L=tBu、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外される;
・L=tBu、L={C=CMeHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外される;
・L=tBu、L={C=CHCHMe、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外される;
・L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外される;
・L={C=CHCH、E=N、RとRが共にEt}、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にEt}、x=0は除外される;
・L=Me、L={C=CHCH、E’=O、RがMe}、x=0は除外される;
・リチウム前駆体が、LiNMe(CHCHNMe)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)、LiNEt(CHCHNMe)、LiNiPr(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHNEt、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHMeCHNMe、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiNMe(CHCHOMe)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOiPr)、LiNMe(CHCHOtBu)、LiNEt(CHCHOMe)、LiNEt(CHCHOEt)、LiNiPr(CHCHOMe)、LiNtBu(CHCHOMe)、LiN(CHCHOMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHOiPr)、LiN(CHCHOtBu)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)、LiNMe(CHCH(OMe))などから選択される;
・リチウム前駆体が、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHCHNMeEt)、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiN(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCH(OMe))などから選択される;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)である;
・リチウム前駆体がLiNEt(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNiPr(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHCHNEtMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHMeCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHCHMeNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMeである;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNEtである;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNiPrである;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNEtMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHCHNMeである;
・リチウム前駆体がLiN(CHMeCHNMeである;
・リチウム前駆体がLiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHMeNMeである;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHOEt)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHOiPr)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHOtBu)である;
・リチウム前駆体がLiNEt(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiNEt(CHCHOEt)である;
・リチウム前駆体がLiNiPr(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHOEt)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHOiPr)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHOtBu)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCH(OMe))である;
・リチウム前駆体が、約93重量%又はw/w~約100%w/wの範囲、好ましくは約99%w/w~約99.999%w/wの範囲、より好ましくは約99%w/w~約100%w/wの範囲の純度を有する。
【0016】
また、膜、アイレット、又はクラスターを形成する下記一般式の前駆体も開示される:
[Li-NL-D (I)
(式中、
は、一般式:C、(C)-ER)、又は(C)-E’R)を有し、
・(C)は、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m及びnは独立した整数であり、1≦m≦16であり、1≦n≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
は、一般式:(C)-ER、又は(C)-E’Rを有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・p及びqは独立した整数であり、1≦p≦16であり、1≦q≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され;
xは整数であり、0≦x≦4であり;
yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)。
【0017】
開示される膜、アイレット、又はクラスターを形成する前駆体は、以下の態様のうちの1つ以上を含む:
・Lは、C~C16の直鎖、分岐、又は環状の炭素鎖、又は(C)-ER又は(C)-E’Rの形態である
(式中、
はアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
EはB、Nを表し;
E’はO、Sなどの二価元素を表し;
mは、値が1である整数であるか、1~8の範囲の整数であり;
nは、2~16の範囲の独立した整数であり;
は独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択され;
は独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
・Lは、(C)-ER又は(C)-E’Rの形態である
(式中、
はアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
EはB、Nを表し;
E’はO、Sなどの二価元素を表し;
p及びqは、1~16の範囲の独立した整数であり、好ましくはpは1~8に含まれ、qは2~16に含まれ、最も好ましくはpはmとは異なり;
及びRは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
・Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され、好ましくは単座又は二座であり;
・xは、0~4に含まれる整数であり;
・yは分子の結合度を表し、1~6に含まれる;
・膜、アイレット、又はクラスターを形成する前駆体が、LiNMe(CHCHNMe)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)、LiNEt(CHCHNMe)、LiNiPr(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHNEt、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHMeCHNMe、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiNMe(CHCHOMe)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOiPr) LiNMe(CHCHOtBu)、LiNEt(CHCHOMe)、LiNEt(CHCHOEt)、LiNiPr(CHCHOMe)、LiNtBu(CHCHOMe)、LiN(CHCHOMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHOiPr)、LiN(CHCHOtBu)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)、LiNMe(CHCH(OMe))などから選択される;
・膜、アイレット、又はクラスターを形成する前駆体が、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHCHNMeEt)、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiN(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCH(OMe))などから形成される;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNMe(CHCHNMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNEt(CHCHNMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNiPr(CHCHNMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNtBu(CHCHNMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNtBu(CHCHNEtMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNtBu(CHMeCHNMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNtBu(CHCHMeNMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHNMeである;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHNEtである;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHNiPrである;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHNEtMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHCHNMeである;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHMeCHNMeである;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHMeNMeである;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNMe(CHCHOMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNMe(CHCHOEt)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNMe(CHCHOiPr);
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNMe(CHCHOtBu)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNEt(CHCHOMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNEt(CHCHOEt)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNiPr(CHCHOMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNtBu(CHCHOMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHOMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHOEt)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHOiPr)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHOtBu)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)である;
・膜、アイレット、又はクラスターがLiNMe(CHCH(OMe))である;並びに
・膜、アイレット、又はクラスターを形成する前駆体が、約93重量%又はw/w~約100%w/wの範囲、好ましくは約99%w/w~約99.999%w/wの範囲、より好ましくは約99%w/w~約100%w/wの範囲の純度を有する。
【0018】
表記法及び命名法
以下の詳細な説明及び特許請求の範囲は、当該技術分野で一般によく知られている複数の略語、記号、及び用語を利用しており、以下を含む:
【0019】
本明細書で使用される不定冠詞「a」又は「an」は、1つ又は複数を意味する。
【0020】
本明細書で使用される、文章中又は特許請求の範囲中の「約」又は「ほぼ」又は「およそ」は、記載された値の±10%を意味する。
【0021】
本明細書で使用される、文章中又は特許請求の範囲中の「室温」は、約20℃~約25℃を意味する。
【0022】
「周囲温度」という用語は、約20℃~約25℃の環境温度を指す。
【0023】
本開示の実施形態で使用される「独立に」という用語は、R基を説明する文脈で使用される場合、対象となるR基が、同じ又は異なる下付き文字又は上付き文字を持っている別のR基から独立して選択されるということだけでなく、その同じR基の任意の更なる化学種からも独立して選択されるということも表すと理解すべきである。例えば、式MR (NR(4-x)(式中、xは2又は3である)において、2つ又は3つのR基は、互いに同じであっても、Rと同じであっても、Rと同じであってもよいが、必ずしも同じである必要はない。更に、別段の記載がない限り、R基の値は、異なる式で使用されている場合、互いに無関係であることを理解すべきである。
【0024】
本開示の実施形態で使用される用語「ヒドロカルビル基」は炭素と水素とを含む官能基を指し;用語「アルキル基」は炭素原子と水素原子のみを含む飽和官能基を指す。ヒドロカルビル基は飽和であっても不飽和であってもよい。いずれの用語も直鎖、分岐、又は環状の基を指す。直鎖アルキル基の例としては、限定するものではないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。分岐アルキル基の例としては、限定するものではないが、t-ブチルが挙げられる。環状アルキル基の例としては、限定するものではないが、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0025】
本開示の実施形態で使用される「Me」という略号はメチル基を表し、「Et」という略号はエチル基を表し、「Pr」という略号はプロピル基を表す。
【0026】
本明細書で使用される「アイレット」又は「クラスター」という用語は、表面上に乗っているか又は表面上に広がっている複数の材料の小さな凝集体が形成されており、その表面が、ウェハー全体ほどに大きい大きさから、トレンチ又はラインほどに小さい大きさまでの範囲であってよいことを指す。
【0027】
「基板」という用語は、その上でプロセスが行われる材料を指す。基板は、その上でプロセスが行われる材料を有するウェハーを指す場合がある。基板は、半導体、太陽電池、フラットパネル、LCD-TFTデバイスの製造、MEMS、リチウムイオン電池の製造、エレクトロクロミックウインドウの製造、有機若しくは無機粉末、上に配置される電極及び/又は材料において使用される任意の適切なウェハー又は支持体であってよい。基板は、その前の製造工程からその上に既に堆積された異なる材料の1つ以上の層も有し得る。例えば、支持体は、シリコン層(例えば結晶性、アモルファス、多孔質など)、ケイ素含有層(例えばSiO、SiN、SiON、SiCOHなど)、金属含有層(例えば銅、コバルト、ルテニウム、タングステン、白金、パラジウム、ニッケル、マンガン、鉄、アルミニウム、銀、金など)、アモルファスカーボン、フッ素化カーボン、フッ素化炭化水素、フッ素含有材料、又はこれらの組み合わせなどの有機層を含み得る。更に、基板は、平坦であってもパターン化されていてもよく、球形であっても、丸みを帯びていてもよく、或いは定義された又は規則的な形状がなくてもよい。基板は、電極活物質として使用される酸化物の層を含み得る。当業者は、本明細書で使用される「膜」又は「層」という用語が、表面上に配置されているか広がっている何らかの材料の厚さを指し、その表面はトレンチ又はラインであってよいことを認識するであろう。本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、ウェハー及びその上の任意の関連する層、アイレット、及び/又はクラスターは、基板と呼ばれる。
【0028】
「ウェハー」又は「パターン化されたウェハー」という用語は、基板上にケイ素含有膜などの膜のスタックを有し、且つパターンエッチングのために形成されたケイ素含有膜などの膜のスタック上にパターン化されたハードマスク層を有するウェハーを指す。「ウェハー」又は「パターン化されたウェハー」という用語は、あるアスペクト比を有するトレンチウェハーを指す場合もある。
【0029】
「支持体」という用語は、材料の複合体、例えば、電極活物質、バインダー、電解質、及び炭素からなる材料を指す。
【0030】
なお、本明細書では、「膜」及び「層」という用語は、交換可能に使用され得る。膜は、層に対応するか、層に関連する場合があり、また層は膜を指す場合があることが理解される。更に、当業者は、本明細書で使用される「膜」又は「層」という用語が、表面上に配置されているか広がっている何らかの材料の厚さを指し、ウェハー全体ほどに大きい大きさから、トレンチ又はラインほどに小さい大きさまでの範囲であってよいことを認識するであろう。また、本明細書では、「アイレット」及び「クラスター」という用語は、交換可能に使用され得る。アイレットは、クラスターに対応するか、クラスターに関連する場合があり、またクラスターはアイレットを指す場合があることが理解される。
【0031】
また、本明細書では、「堆積温度」、「プロセス温度」、「基板温度」、及び「反応器温度」という用語は、交換可能に使用され得る。基板温度又は反応器温度又はプロセス温度は、堆積温度に対応するか、堆積温度に関連する場合があり、また堆積温度は、基板温度又は反応器温度又はプロセス温度を指す場合があることが理解される。
【0032】
また、本明細書では、「前駆体」及び「堆積化合物」及び「堆積ガス」という用語は、交換可能に使用され得る。前駆体は、堆積化合物に対応するか、堆積化合物に関連する場合があり、また堆積化合物は、前駆体を指す場合があることが理解される。
【0033】
元素周期表からの元素の標準的な略語が本明細書で使用される。元素はこれらの略語で呼ばれる場合があることを理解すべきである(例えば、Liはリチウムを指し、Siはケイ素を指し、Nは窒素を指し、Oは酸素を指し、Cは炭素を指し、Hは水素を指し、Fはフッ素を指す、など)。
【0034】
開示されている特定の分子を識別するために、Chemical Abstract Serviceによって割り当てられた固有のCAS登録番号(すなわち「CAS」)が示される。
【0035】
また、リン酸リチウム、ホウ酸リチウム、及びホウリン酸リチウムなどの材料から作られたリチウム含有膜又はアイレットは、それらの適切な化学量論に関係なく、明細書及び特許請求の範囲全体に記載されている。リチウム含有膜又はアイレットは、B、C、N、及び/又はGeなどのドーパントも含み得る。
【0036】
範囲は、本明細書において、約1つの特定の値から、及び/又は約別の特定の値までとして表現され得る。そのような範囲が表現される場合、別の実施形態は、前記範囲内の全ての組み合わせと共に、ある特定の値及び/又は別の特定の値からのものであることが理解されるべきである。開示される実施形態に記載されている全ての範囲は、「境界値を含む」という言葉が使用されているかどうかにかかわらず境界値を含む(すなわち、x=1~4又はxは1~4の範囲である、は、x=1、x=4、及びx=それらの間の任意の数値、を含む)。
【0037】
本明細書における「一実施形態」又は「ある実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所における「一実施形態では」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではなく、また別の又は代替の実施形態は、必ずしも他の実施形態と相互に排他的ではない。同じことが「実施」という用語にも当てはまる。
【0038】
本発明の性質及び目的を更に理解するために、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照する必要がある。添付の図面の中では、同様の要素には同じ又は類似した参照番号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】LiN(CHCHNMeの熱重量分析(TGA)(760Torr)のグラフである。
図2】LiN(CHCHNMeのTGA(15Torr)のグラフである。
図3】LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)のTGA(15Torr)のグラフである。
図4】LiN(CHCHNEtのTGA(15Torr)のグラフである。
図5】LiNMe(CHCHNMeのTGA(15Torr)のグラフである。
図6】LiNtBu(CH2CH2NMe2)のTGA(15Torr)のグラフである。
図7】LiNtBu(CHMeCHNMe)とLiNtBu(CH2CHMeNMe2)との混合物(6.5:1)のTGA(15Torr)のグラフである。
図8】LiNtBu(CHMeCHNMe)とLiNtBu(CHCHMeNMe)との混合物のC中でのH NMRスペクトルである。
図9】125℃~250℃の温度における1サイクルあたりの成長(GPC)の結果である。
図10】125℃~250℃の温度で堆積されたLiPO膜のXPSの結果である。
図11】Oを用いて125℃~250℃の温度で堆積されたLiPO膜の屈折率(RI)の結果である。
図12】Oを用いた150℃におけるGPCの結果である。
図13】Oを用いて150℃で堆積されたLiPO膜のRIの結果である。
図14】Oを用いた135℃におけるGPCの結果である。
図15】Oを用いて135℃で堆積されたLiPO膜のRIの結果である。
図16】TiN基板上での135℃におけるXPSの結果である。
図17】Oなしの135℃におけるXPSの結果である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
ケイ素フリーのリチウム前駆体を含むリチウム含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物、ケイ素フリーのリチウム前駆体の合成方法、及びケイ素フリーのリチウム前駆体を使用してリチウム含有膜、アイレット、又はクラスターを堆積させる方法が開示される。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、150℃未満で液体であり、好ましくは約50℃で液体であり、最も好ましくは約25℃又は室温で液体である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、ALD及びCVD用途に適している。
【0041】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、下記一般式を有する:
[Li-NL-D (I)
(式中、
は、一般式:C、(C)-ER)、又は(C)-E’R)を有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m及びnは独立した整数であり、1≦m≦16であり、1≦n≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
は、一般式:(C)-ER、又は(C)-E’Rを有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・p及びqは独立した整数であり、1≦p≦16であり、1≦q≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され;
xは整数であり、0≦x≦4であり;
yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)。
【0042】
好ましくは、一般式(I)において、それぞれ、Dは単座又は二座であり;EはN、Bであり;E’はO、Sであり;mは1≦m≦8であり、nは2≦n≦16であり;pは1≦m≦8であり、qは2≦n≦16である。
【0043】
より好ましくは、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、一般式(I)を有し、式中、
は、C~C16の直鎖、分岐、若しくは環状の炭素鎖、又は(C)-ER若しくは(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・mは、値が1である整数であるか、1~8の範囲の整数であり;
・nは、2~16の範囲の独立した整数であり;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択され;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
は、(C)-ER又は(C)-E’Rの形態であり
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・p及びqは、1~16の範囲の独立した整数であり、好ましくはpは1~8に含まれ、qは2~16に含まれ、最も好ましくはpはmとは異なり;
・R及びRは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され、好ましくは単座又は二座であり;
xは、0~4に含まれる整数であり;
yは分子の結合度を表し、1~6に含まれる;
ただし、
x=0、p=2、q=4、E=Nであり、L、R、及びRの両方がメチルである場合は除外され;
x=0、p=2又は3、q=4又は6、E=N、L=三級ブチル、R及びRがメチルである場合は除外され;
x=0、m=p=2、n=q=4、E=N、R、R、R、Rの両方がメチルである場合は除外され;
x=0、m=p=2、n=q=4、E’=O、RとRの両方がメチルである場合は除外され;
x=0、m=2、n=4、E’=O、Rがメチルである場合は除外され;
=Me、L={C=CHCH、E=N、RとRの両方がMe}、x=0は除外され;
=Et、L={C=CHCH、E=N、RとRの両方がMe}、x=0は除外され;
=iPr、L={C=CHCH、E=N、RとRの両方がMe}、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CHCH、E=N、RとRの両方がMe}、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CMeHCH、E=N、RとRの両方がMe}、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CHCHMe、E=N、RとRの両方がMe}、x=0は除外され;
={C=CHCH、E=N、RとRの両方がMe}、L={C=CHCH、E=N、RとRの両方がMe}、x=0は除外され;
={C=CHCH、E=N、RとRの両方がEt}、L={C=CHCH、E=N、RとRの両方がEt}、x=0は除外され;
=Me、L={C=CHCH、E’=O、RがMe}、x=0は除外される。
【0044】
一般式(I)で示される開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の例示的な例としては、LiNBu(CHCHNMe)、LiNBu(CHCHNEtMe)、LiNBu(CHMeCHNMe)、LiNBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHCHNMeEt)、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHPr、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiN(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCH(OMe)
【化1】
などが挙げられる。
【0045】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体としては、LiN(CHCHNMe、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNEtMe)及びLiN(CHCHOEt)及びLiNMe(CHCH(OMe))が挙げられる。
【0046】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiNtBu(CHCHNMe)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiNtBu(CHCHNEtMe)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiNtBu(CHMeCHNMe)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiNtBu(CHCHMeNMe)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiN(CHCHNEtMe)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiN(CHCHOEt)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiN(CHCHNMeである。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiN(CHCHCHNMeである。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiN(CHCHNMeEt)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiN(CHCHNiPrである。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiN(CHCHOEt)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiNMe(CHCHOEt)である。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体はLiNMe(CHCH(OMe)
【化2】
である。
【0047】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、異なる会合又は組み合わせを有する単量体、二量体、又は三量体の形態で配合することができる。
【0048】
更に、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、以下の下位概念の式によって特定することができる。
【0049】
一実施形態では、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、式(I)においてL=C;L=(C)-NRである、下記一般式を有するリチウムアミノアミドであってよい:
[Li-N(C)((C)-NR)-D (II)
(式中、
・C及びCは、それぞれ独立して直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m、n、p、qはそれぞれ独立して整数であり、1≦m≦16、1≦n≦16、1≦p≦16、1≦q≦16、好ましくはn=2m+1及び/又はq=2p、より好ましくは1≦m≦8、1≦p≦8、2≦n≦16、2≦q≦16であり;
・R及びRは、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換されている直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基から独立して選択され;
・Dは、単座、二座、三座、又は多座の、好ましくは単座又は二座の中性配位配位子系から独立して選択され;
・xは整数であり、0≦x≦4であり;
・yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)。
【0050】
一般式(II)で示される開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の例示的な例としては、LiNMe(CHCHNMe)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン);LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン);LiNEt(CHCHNMe)、LiNiPr(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)などが挙げられる。これらの分子は単量体の形態であってよいが、二量体や三量体などの異なる会合で形成されていてもよい。
【0051】
或いは、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、式(I)においてL=(C)-NR;L=(C)-NRである、下記一般式を有するリチウムジアミノアミドであってよい:
[Li-N((C)-NR)((C)-NR)-D (III)
(式中、
・C及びCは、それぞれ独立して直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m、n、p、qはそれぞれ独立して整数であり、1≦m≦16、1≦n≦16、1≦p≦16、1≦q≦16、好ましくはn=2m及び/又はq=2p、より好ましくは1≦m≦4、1≦p≦4、2≦n≦8、2≦q≦8であり;
・R、R、R、及びRは、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換されている直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からそれぞれ独立して選択され;
・Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系であり、好ましくはDは単座又は二座であり;
・xは整数であり、0≦x≦4であり;
・yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)。
【0052】
一般式(III)で示される開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の例示的な例としては、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHNEt、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHMeCHNMe、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)などが挙げられる。
【0053】
或いは、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、式(I)においてL=C;L=(C)-ORである、下記一般式を有するリチウムアルコキシアミドであってよい:
[Li-N(C)((C)-OR)-D (IV)
(式中、
・C及びCは、それぞれ独立して直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m、n、p、qはそれぞれ独立して整数であり、1≦m≦16、1≦n≦16、1≦p≦16、1≦q≦16、好ましくはn=2m+1及び/又はq=2p、より好ましくは1≦m≦8、1≦p≦8、2≦n≦16、2≦q≦16であり;
・Rは、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換されている直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基から独立して選択され;
・Dは、単座、二座、三座、又は多座の、好ましくは単座又は二座の中性配位配位子系から独立して選択され;
・xは整数であり、0≦x≦4であり;
・yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)。
【0054】
一般式(IV)で示される開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の例示的な例としては、LiNMe(CHCHOMe)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOiPr)LiNMe(CHCHOtBu)、LiNEt(CHCHOMe)、LiNEt(CHCHOEt)、LiNiPr(CHCHOMe)、LiNtBu(CHCHOMe)、LiNMe(CHCH(OMe)
【化3】
などが挙げられる。
【0055】
或いは、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、式(I)においてL=(C)-OR;L=(C)-ORである、下記一般式を有するリチウムジアルコキシアミドであってよい:
[Li-N((C)-OR)((C)-OR)-D (V)
(式中、
・C及びCは、それぞれ独立して直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m、n、p、qはそれぞれ独立して整数であり、1≦m≦16、1≦n≦16、1≦p≦16、1≦q≦16、好ましくはn=2m及び/又はq=2p、より好ましくは1≦m≦4、1≦p≦4、2≦n≦8、2≦q≦8であり;
・R及びRは、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換されている直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からそれぞれ独立して選択され;
・Dは、単座、二座、三座、又は多座の、好ましくは単座又は二座の中性配位配位子系から独立して選択され;
・xは整数であり、0≦x≦4であり;
・yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)。
【0056】
一般式(V)で示される開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の例示的な例としては、LiN(CHCHOMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHOiPr)、LiN(CHCHOtBu)などが挙げられる。
【0057】
或いは、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、式(I)においてL=(C)-NR;L=(C)-ORである、下記一般式を有するリチウムアミノアルコキシアミド錯体であってよい:
[Li-N((C)-NR)((C)-OR)-D (VI)
(式中、
・C及びCは、それぞれ独立して直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m、n、p、qはそれぞれ独立して整数であり、1≦m≦16、1≦n≦16、1≦p≦16、1≦q≦16、好ましくはn=2m及び/又はq=2p、より好ましくは1≦m≦4、1≦p≦4、2≦n≦8、2≦q≦8であり;
・R、R、及びRは、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換されている直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からそれぞれ独立して選択され;
・Dは、単座、二座、三座、又は多座の、好ましくは単座又は二座の中性配位配位子系から独立して選択され;
・xは整数であり、0≦x≦4であり;
・yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)。
【0058】
一般式(VI)で示される開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の例示的な例としては、LiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)などが挙げられる。
【0059】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、良好な揮発性及び熱安定性を示す。更に、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、液体又は低融点の固体とすることができる。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の低融点は、<150℃、好ましくは80℃未満、より好ましくは約25℃であってよい。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、ALD及びCVD用途のための使用に好都合である。
【0060】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、それらの融点を低下させ、且つそれらの揮発性を増加させるために、キレート官能基を有する。より具体的には、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の電子的及び立体的特性のための中性ドナーとして、例えば窒素又は酸素キレート官能基が導入された。したがって、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の配位圏は、より飽和しており、オリゴマー化する可能性が低い。したがって、ALD又はCVDプロセスが目的とされる場合、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の蒸気を、堆積反応器の中により効果的に供給することができ、それにより、堆積時間が短縮され、高い均一性及びコンフォーマル性を有する堆積膜又はアイレットが得られる。
【0061】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、一般的に自然発火性ではないようにすることができる。自然発火性物質は55℃以下の空気中で自然発火し、産業界における実施に重要な安全上の懸念を引き起こす。更に、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の改善された揮発性のため、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体を使用するLi含有層の凝縮及び堆積なしの開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の供給は、100℃~150℃の温度範囲で行うことができる。改善された揮発性などの開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の特性は、別個の供給システム又は同じ供給システムのいずれかを介して、有機金属前駆体と一緒に堆積反応器に供給することを可能にする。リチウムイオン電池電極などの温度の影響を受けやすい基板上で、Li含有膜、アイレット、又はクラスターの形成を行うことができる。
【0062】
我々の知る限り、リチウム含有層を形成するためのCVD及びALDプロセスなどの堆積プロセスにおける、一般式(I)~(VI)に記載の開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の使用が本明細書で最初に開示される。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、LiO、LiOH、LiS、LiN、LiF、炭酸リチウム、フッ化リチウムアルミニウム、リチウムアルミニウム酸化物、リチウムアルミニウム、リチウムコバルト酸化物、チタン酸リチウム、ジルコン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、LiPON、リン酸リチウム、ホウ酸リチウム、ホウリン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、リチウムジルコニウム酸化物などのLi含有膜又はアイレットを形成するために、ALD又はCVDなどの化学堆積法で、個別に、又はエナンチオマー若しくはアステレオ異性体、異なるリチウム前駆体、リチウム前駆体、及び金属前駆体との混合物で、溶液で又は非溶液で使用することができる。
【0063】
好ましくは、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、23℃で約0.1Torrから23℃で約1,000Torrの範囲の蒸気圧、20℃未満の融点(好ましくは室温で液体形態)、より好ましくは凍結/解凍の問題を防ぐために-20℃未満の融点など、蒸着法に適した特性を有し、使用可能な蒸気圧(1~100Torr)を得るために必要な温度で1週間あたり0体積%又はv/vから1%v/vの分解を示す。
【0064】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は理想的には液体であり、バブラー又は直接液体注入システムで気化されるが、Xuらの国際公開第2009/087609号パンフレットに開示されているものなどの昇華器を使用する、ALD/CVD前駆体気化のための固体前駆体の使用も可能である。或いは、直接液体注入システムで利用するために使用可能な融点及び粘度に到達させるために、固体前駆体を溶媒に混合又は溶解することができる。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は理想的には液体であるものの、スプレーコーティング、スリットコーティング、及びスピンオン堆積などの液相堆積技術のための固体前駆体を、反応器の中に前駆体溶液を流動させるために使用可能な融点及び粘度に到達させるために、溶媒に混合又は溶解することができる。
【0065】
プロセスの信頼性を確保するために、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、約93重量%又はw/w~約100%w/wの範囲、好ましくは約99%w/wから約99.999%w/wの範囲、より好ましくは約99%w/wから約100%w/wの範囲の純度まで、使用前に連続若しくは分別バッチ蒸留又は昇華によって精製することができる。当業者は、純度がH NMR又は質量分析を伴うガス若しくは液体クロマトグラフィーによって決定され得ることを認識するであろう。Li含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物は、以下の不純物:アンモニウム塩、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アルキルイミン、THF、エーテル、ペンタン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン、ハロゲン化金属化合物のいずれかを含み得る。好ましくは、これらの不純物の合計量は0.1%w/w未満である。精製された組成物は、再結晶、昇華、蒸留によって、及び/又はガス若しくは液体を4Åモレキュラーシーブなどの適切な吸着剤に通すことによって、製造することができる。
【0066】
開示されるLi含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物は、5%v/v未満、好ましくは1%v/v未満、より好ましくは0.1%v/v未満、更に好ましくは0.01%v/v未満の任意のその類似体又は他の反応生成物を含む。この実施形態は、より良いプロセス再現性を提供し得る。この実施形態は、Li含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物の蒸留によって製造することができる。
【0067】
精製されたLi含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物中の微量金属及び半金属の濃度は、それぞれ独立して約0ppbw~約100ppbw、より好ましくは約0ppbw~約10ppbwの範囲であってよい。これらの金属又は半金属不純物としては、限定するものではないが、アルミニウム(Al)、ヒ素(As)、バリウム(Ba)、ベリリウム(Be)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、銅(Cu)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、インジウム(In)、鉄(Fe)、鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、ストロンチウム(Sr)、トリウム(Th)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、ウラン(U)、バナジウム(V)、及び亜鉛(Zn)が挙げられる。精製されたLi含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物中のXの濃度(X=Cl、Br)は、約0ppmw~約100ppmw、より好ましくは約0ppmw~約10ppmwの範囲であってよい。
【0068】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は水分に非常に敏感であり、水に遭遇すること分解する可能性があるため、開示されるLi含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物の水への曝露を防ぐように注意を払う必要がある。
【0069】
開示されるLi含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物を、ALD又はCVD技術などの蒸着のために使用する方法も開示される。開示される方法は、Li含有膜又はアイレットの堆積のための、Li含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物の使用を提供する。開示される方法は、リチウムイオン電池産業における電極材料の製造に有用な場合がある。
【0070】
開示されるLi含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物は、当業者に公知の任意の堆積方法を使用して、Li含有膜又はアイレットを堆積するために使用することができる。適切な堆積方法の例としては、プラズマ処理を伴う又は伴わない化学蒸着(CVD)若しくは原子層堆積(ALD)、又は液体ベースの堆積が挙げられる。例示的なCVD法には、熱CVD、パルスCVD(PCVD)、低圧CVD(LPCVD)、準大気圧CVD(SACVD)又は大気圧CVD(APCVD)、熱線CVD若しくはホットフィラメントCVD(cat-CVDとしても知られていており、熱線が堆積プロセスのエネルギー源としての役割を果たす)、ホットウォールCVD、コールドウォールCVD、エアロゾル支援CVD、直接液体注入CVD、燃焼CVD、ハイブリッド物理CVD、有機金属CVD、急熱CVD、光開始CVD、レーザーCVD、ラジカル組み込みCVD、プラズマ強化CVD(PECVD、限定するものではないが、流動性PECVDなど)、及びこれらの組み合わせが含まれる。例示的なALD法には、熱ALD、プラズマ強化ALD(PEALD)、空間分離ALD、テンポラルALD、選択的若しくは非選択的ALD、熱線ALD(HWALD)、ラジカル組み込みALD、及びこれらの組み合わせが含まれる。超臨界流体堆積も使用することができる。堆積方法は、適切なステップカバレッジ及び膜厚の制御を行えるようにするために、好ましくは、ALD、PE-ALD、又は空間的ALDである。液体ベースの堆積は、スピンオン堆積(SOD)、スプレー堆積、ディップコーティング、スリットコーティングによって例示される。
【0071】
堆積方法は、基板への堆積方法の高エネルギー影響のため、基板に害を及ぼさないように選択する必要がある。堆積は、様々な関連する産業用途で必要とされるため、堆積は、均一及び又はコンフォーマルである必要があり、また少なくとも欠陥のない層又はピンホールのない層が得られる必要がある。そのような用途は、他の材料又は層の間の電子障壁としての場合があり、その結果、障壁を横切る電気的な漏れが存在しないか、或いはいくつかの用途では、分離することが望まれる層間の物理的接触が存在しない。リチウムイオンの通過を可能にする電解質がリチウム含有層を分離するが、電池効率の不可逆的な低下を回避するために層間で物理的又は電気的接触を行わない、リチウムイオン電池技術において欠陥のない層を提供することが特に重要である。したがって、層の品質を制御することの重要性が重要になるように、層は最小のイオン抵抗を提供する必要がある。
【0072】
堆積プロセスは、当該技術分野で公知の単一基板、バッチ、ロールツーロール又は空間ALD反応器のような、平坦な又は準平坦な表面を処理する反応器において行われ得る。電池の電極活物質に均一にコーティングを行うために、ALD又はCVD技術と組み合わせた粉末反応器の使用もますます検討されてきている。コーティング反応が行われる流動ゾーンを形成するために、垂直反応チャンバーを使用することができる。流動床中の粉末粒子は互いに張り付く傾向があり、より大きな粒子塊、凝集体を形成することが観察されている。凝集体の形成を妨げるために、振動するガス流が使用され、その結果、振動する注意深く選択されたガス流が反応チャンバー内に供給される。ヘルムホルツ共鳴の原理によれば、流入するガスの流れはキャビティの上方及びキャビティの中に向けられ、流出するガスの流れに振動を引き起こす。凝集体の形成を妨げるために、流出する振動ガス流が反応チャンバーの中に導かれる。
【0073】
基板上にLi含有層を形成するための開示される方法は、基板を反応器内に配置すること、開示されるLi含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物の蒸気を反応器に供給すること、蒸気を基板と接触させて(及び典型的には蒸気を基板に向けて)基板の表面にLi含有層を形成すること、を含む。
【0074】
開示される方法は、蒸着プロセスを使用して、より具体的には、LiNbO、LiZrO層の堆積のために、基板上にバイメタル含有層を形成することを含み得る。開示される方法は、リチウムイオン電池の製造に有用な場合がある。
【0075】
Li含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物の蒸気が生成され、次いで、基板が入っている反応チャンバー内に導入される。反応チャンバー内の温度及び圧力、並びに基板の温度は、ケイ素フリーのLi含有前駆体の少なくとも一部を基板上に蒸着するのに適した条件に保たれる。言い換えると、気化した組成物を反応チャンバーに導入した後、前駆体の少なくとも一部が基板上に堆積してLi含有層を形成するように、反応チャンバー内の条件が調整される。当業者は、「前駆体の少なくとも一部が堆積される」が、前駆体の一部又は全てが基板と反応するか、又は基板に付着することを意味することを認識するであろう。
【0076】
反応チャンバー又は反応器は、限定するものではないが、平行板型反応器、コールドウォール型反応器、ホットウォール型反応器、単一ウェハー反応器、複数ウェハー反応器、又は他のそのようなタイプの堆積システムなどの、堆積方法が行われるデバイスの任意のエンクロージャ又はチャンバーであってよい。全てのこれらの例示的な反応チャンバーは、ALD又はCVD反応チャンバーとして機能することができる。反応チャンバーは、全てのALD及び大気圧未満CVDでは、約0.5mTorr~約20Torrの範囲の圧力に維持することができる。大気圧未満CVD及び大気圧CVDの圧力は、最大760Torr(大気圧)の範囲とすることができる。更に、反応チャンバー内の温度は、約0℃などの室温より低い温度から約600℃までの範囲であってよい。好ましくは、反応チャンバー内の温度は、約15℃~約600℃の範囲であってよい。より好ましくは、反応チャンバー内の温度は、約20℃~約600℃の範囲であってよい。当業者は、望みの結果を得るために、単なる実験によって温度が最適化され得ることを認識するであろう。
【0077】
反応器の温度は、基板ホルダーの温度を制御することによって、或いは反応器壁の温度を制御することによって制御することができる。基板を冷却又は加熱するために使用されるデバイスは、当該技術分野で公知である。反応器の壁は、十分な成長速度で、且つ望まれる物理的状態及び組成で、望まれる膜、アイレット、又はクラスターを得るのに十分な温度まで加熱される。反応器壁を加熱することができる非限定的な例示的な温度範囲には、約20℃~約600℃が含まれる。或いは、反応器壁を加熱することができる非限定的な例示的な温度範囲には、約20℃~約1000℃が含まれる。或いは、反応器壁を加熱することができる非限定的な例示的な温度には約500℃以上が含まれる。プラズマ堆積プロセスが利用される場合、堆積温度は、約20℃~約550℃、好ましくは約125℃~約250℃の範囲であってよい。或いは、熱的プロセスが行われる場合、堆積温度は、約300℃~約800℃、好ましくは約400℃~約600℃の範囲であってよい。
【0078】
或いは、十分な成長速度で、望まれる物理的状態及び組成を有する望まれるLi含有膜を得るために、基板を十分な温度まで加熱することができる。基板を加熱することができる非限定的な例示的な温度範囲には、室温から約600℃が含まれる。好ましくは、基板の温度は500℃以下のままである。
【0079】
反応器は、膜又はアイレットが上に堆積される1つ以上の基板を含む。基板は、一般的に、プロセスがその上で行われる材料として定義される。基板は、半導体又はリチウム電池産業で使用される任意の適切な基板であってよい。適切な基板の例としては、シリコン、シリカ、ガラス基板などのウェハー又は支持体が挙げられる。支持体は、前の製造工程からその上に堆積された異なる材料の1つ以上の層を有し得る。例えば、支持体は、シリコン層(結晶性、アモルファス、多孔質など)、シリコン酸化物層、シリコン窒化物層、シリコンオキシ窒化物層、炭素ドープシリコン酸化物(SiCOH)層、又はこれらの組み合わせを含み得る。リチウム電池産業で使用される本開示のケイ素フリーのLi含有前駆体は、グラファイト、ドープされたグラファイト、特にSiドープされたグラファイト、シリコン及びシリコン合金、又は金属酸化物(特にリチウムニッケル酸化物、リチウムニッケルマンガン酸化物、リチウムニッケルコバルト酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物)から作られたグラファイト、リチウム鉄リン酸塩、並びにドーパントを含む対応する材料、又はそれらの組み合わせから製造された粉末上に堆積することができる。更に、ウェハーは銅層又は貴金属層(例えば白金、パラジウム、ロジウム、又は金)を含み得る。層は、MEMS、MIM、DRAM、RFフロントエンドモジュール、又はFeRam技術で誘電体材料として使用される酸化物を含み得る。下地材料は、ニッケル酸化物、マンガン酸化物、コバルト酸化物、グラファイト又はアモルファスカーボンなどを含み得る。ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)[PEDOT:PSS]などのプラスチック層も使用され得る。層は、平面状であっても、球状であっても、丸みを帯びていても、パターン化されていてもよく、或いは規則的な構造を有さなくてもよい(上記を参照)。例えば、層は、水素化炭素、例えばCH(xはゼロより大きい)から作られた下地材料であってよい。好ましい下地材料は、グラファイト又はアモルファスカーボン、リチウムニッケルマンガン酸化物、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物である。
【0080】
開示される方法は、Li含有層を支持体上に直接、又は支持体の上の1つ以上の層上に直接堆積させることができる。基板はパターン化されていてもよく、複雑な三次元構造を含んでいてもよい。例えば、LiなどのコンフォーマルなLi含有膜は、約20:1~約100:1の範囲のアスペクト比を有する任意のALD/CVD技術を使用して堆積させることができる。更に、当業者は、本明細書で使用される「膜」又は「層」という用語が、表面上に配置されているか広がっている何らかの材料の厚さを指し、その表面はトレンチ又はラインであってよいことを認識するであろう。本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、ウェハー及びその上の関連する層は、基板と呼ばれる。しかしながら、多くの場合、利用される好ましい基板は、水素化炭素、シリコンベースの炭素、リチウム金属酸化物、又はSi型基板から選択することができる。
【0081】
開示されるLi含有膜形成組成物は、無希釈形態で、又はトルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン、デカン、ドデカン、オクタン、ヘキサン、ペンタン、三級アミン、アセトン、テトラヒドロフラン、エタノール、エチルメチルケトン、1,4-ジオキサン、若しくはその他のものなどの適切な溶媒とのブレンドのいずれかで供給され得る。開示される組成物は、溶媒中に様々な濃度で存在し得る。例えば、得られる濃度は、約0.05M~約2Mの範囲であってよい。
【0082】
無希釈の又はブレンドされたLi含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物は、チューブ及び/又は流量計などの従来の手段によって蒸気形態で反応器に供給される。蒸気形態の組成物は、直接気化や蒸留などの従来の気化工程を介して無希釈の若しくはブレンドされた組成物を気化することによって、バブリングによって、又はXuらの国際公開第2009/087609号パンフレットに開示されているものなどの昇華器を使用することによって、製造することができる。無希釈の又はブレンドされた組成物は、液体状態で気化器に供給することができ、そこで気化されてから反応器に導入される。或いは、無希釈の又はブレンドされた組成物は、組成物が入っている容器の中にキャリアガスを通すことによって、又はキャリアガスを組成物の中にバブリングことによって気化させることができる。キャリアガスとしては、限定するものではないが、Ar、He、又はN、及びこれらの混合物が挙げられる。キャリアガスを用いてバブリングすると、無希釈の又はブレンドされた組成物中に存在する溶存酸素も除去することができる。その後、キャリアガス及び組成物は、蒸気として反応器に導入される。
【0083】
必要に応じて、Li含有膜形成組成物がその液相にあり、十分な蒸気圧を有することを可能にする温度まで、容器を加熱することができる。容器は、例えば0~150℃の範囲の温度に維持することができる。当業者は、気化するLi含有膜形成組成物の量を制御するために容器の温度を公知の方法で調整できることを認識している。
【0084】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体に加えて、反応物又は共反応物も反応器に導入することができる。共反応物は、Li含有膜堆積のための酸素含有ガスであってよい。酸素含有ガスとしては、限定するものではないが、O、O、HO、トリメチルホスフェート、アルキルホスフェート、アルキルホスフィニミン、NO、NO、H、Oラジカル、又はこれらの組み合わせ、好ましくはO又はOなどの酸化剤が挙げられる。典型的には、高温(例えば約500℃以上)酸化物堆積のためにO/O混合物が使用される。更に、共反応物は、N、NH、N、又はアルキルヒドラジンであってよい。
【0085】
開示される蒸着プロセス(例えばALD、CVD)は、典型的には、反応器を不活性ガスでパージするか、又は基板を高真空下のセクター及び/又はキャリアガスカーテンに通すパージ工程を提供することによって、堆積表面から過剰の共反応物を除去する工程を含む。
【0086】
上記共反応物は、共反応物をそのラジカル形態に分解するために、プラズマによって処理することができる。Nは、プラズマで処理する場合、還元剤として利用することもできる。例えば、プラズマは、約50W~約500W、好ましくは約100W~約200Wの範囲の出力で生成され得る。プラズマは、反応器自体の中で生成又は存在し得る。或いは、プラズマは、通常、例えば離れて配置されたプラズマシステムにおいて、反応器から除去された場所にあってよい。当業者は、そのようなプラズマ処理に適した方法及び装置を認識するであろう。
【0087】
望まれるLi含有膜が別の元素、例えば限定するものではないが、P、Ga、Ge、As、B、Ta、Hf、Nb、Mg、Al、Sr、Y、Ba、Ca、As、Sb、Bi、Sn、Pb、Co、Ni、Fe、Mn、ランタニド、又はこれらの組み合わせも含む場合、共反応物は、限定するものではないが。トリメチルホスフェート、アルキルホスフェート、アルキルホスフィニミンから選択される別の前駆体を含み得る。
【0088】
開示されるLi含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物、及び1つ以上の共反応物は、同時に(例えばCVD)、逐次的に(例えばALD)、又は他の組み合わせで反応チャンバーに導入され得る。例えば、Li含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物は、1つのパルスで導入することができ、そして2つの追加の反応物が、別個のパルスで一緒に導入され得る(例えば改良型ALD)。或いは、反応チャンバーは、開示されるLi含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物を導入する前に、既に共反応物を含んでいてもよい。共反応物は、局所化された又は反応チャンバーから離れたプラズマシステムを通過し、ラジカルへと分解され得る。或いは、Li含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物は、他の反応物がパルスによって導入されている間に、反応チャンバーに連続的に導入され得る(例えばパルスCVD)。各例において、パルスの後に、過剰量の導入された成分を除去するために、パージ工程又は排気工程が続けて行われる場合がある。開示されるLi含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物の各パルスは、約0.01秒~約200秒、或いは約1秒~約180秒、或いは約10秒~約160秒の範囲の時間継続され得る。共反応物は、反応器の中にパルス化されてもよい。そのような実施形態では、各共反応物のパルスは、約0.01秒~約120秒、或いは約1秒~約30秒、或いは約2秒~約20秒の範囲の時間継続され得る。各例において、パージのパルスは、約0.01秒~約50秒、或いは約0.3秒~約30秒、或いは約1秒~約20秒、或いは約2秒~約10秒の範囲の時間継続され得る。別の代替形態では、Li含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物と、1つ以上の共反応物は、シャワーヘッドから同時に噴霧することができ(組成物と反応物とを混合せずに)、その下でいくつかの基材を保持しているサセプタが回転する(例えば空間ALD)。
【0089】
1つの非限定的な例示的なALDタイプのプロセスでは、Li含有膜、アイレット、又はクラスター形成組成物の気相が反応チャンバーに導入され、そこでケイ素フリーのLi含有前駆体の少なくとも一部が、吸着されたLi含有層又はアイレットを形成するために、Si、SiO、Alなどの適切な基板と反応する。その後、反応チャンバーをパージ及び/又は排気することによって、過剰な組成物を反応チャンバーから除去することができる。H又はNHが反応チャンバーに導入され、そこでこれは吸着されたLi含有層と自己制御的な形式で反応する。過剰なH又はNHは、反応チャンバーをパージ及び/又は排気することによって反応チャンバーから除去される。望まれる膜がLiN膜である場合、この2段階のプロセスは、望まれる膜厚が得られるか、又は必要な厚さを有する膜が得られるまで繰り返すことができる。
【0090】
或いは、望まれるLi含有膜、アイレット、又はクラスターが第2の元素を含む場合(すなわちLiM、Mは、P、Ga、Ge、As、B、Ta、Hf、Nb、Mg、Al、Sr、Y、Ba、Ca、As、Sb、Bi、Sn、Pb、Co、ランタニド、又はこれらの組み合わせである)、上記2段階のプロセスに続いて、第2の前駆体の蒸気を反応チャンバーに導入することができる。第2の前駆体は、堆積されるLiM膜、アイレット、又はクラスターの性質に基づいて選択される。反応チャンバーの中への導入の後、第2の前駆体は基板と接触させられる。過剰な第2の前駆体は、反応チャンバーをパージ及び/又は排気することによって反応チャンバーから除去される。この場合も、第2の前駆体と反応させるためにH又はNHを反応チャンバーに導入することができる。過剰なH又はNHは、反応チャンバーをパージ及び/又は排気することによって反応チャンバーから除去される。望まれる膜、アイレット、又はクラスターの厚さが達成された場合、プロセスを終了することができる。ただし、より厚い膜、アイレット、又はクラスターが望まれる場合は、4段階のプロセス全体を繰り返すことができる。ケイ素フリーのLi含有前駆体、第2の前駆体、及びH又はNHの供給を交互に行うことにより、望まれる組成及び厚さの膜を堆積させることができる。
【0091】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、望ましくない共生成種;溶剤;塩素化金属化合物;又は他の反応生成物;である不純物のいずれかを含み得る。1つの代替形態では、これらの不純物の総量は0.1%w/w未満である。
【0092】
ヘキサン、ペンタン、ジメチルエーテル、又はアニソールなどの溶媒が、前駆体の合成において使用されてもよい。開示されるSi含有前駆体中の溶媒の濃度は、約0%w/w~約5%w/w、好ましくは約0%w/w~約0.1%w/wの範囲であってよい。両方の沸点が類似している場合、前駆体からの溶媒の分離が困難な場合がある。混合物を冷却すると、液体溶媒中に固体前駆体が生成する場合があり、これは濾過によって分離することができる。前駆体生成物がほぼその分解点を超えて加熱されない限り、真空蒸留を使用することもできる。
【0093】
1つの代替形態では、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、5%v/v未満、好ましくは1%v/v未満、より好ましくは0.1%v/v未満、更に好ましくは0.01%v/v未満のその望ましくない同属種、反応物、又は他の反応生成物のいずれかを含む。この代替形態は、より優れたプロセス信頼性を提供し得る。この代替形態は、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の蒸留によって製造することができる。
【0094】
別の代替形態では、特に混合物が改善されたプロセスパラメータを提供する場合、又は目的化合物の分離が難しすぎるか費用が掛かりすぎる場合、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、5%v/v~50%v/vの1種以上の同種のLi含有前駆体、反応物、又は他の反応生成物を含み得る。例えば、2種のLi含有前駆体の混合物は、蒸着に適した安定な液体混合物を生成し得る。
【0095】
反応チャンバー内でALD又はCVDプロセスを使用して基板上にLi含有層を形成するための方法又はプロセスも開示される。当業者に公知のALD又はCVD法を使用して、Li含有膜又はアイレットを堆積させるために、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体を使用することができる。
【0096】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体を使用する開示される蒸着プロセス(例えばALD、CVD)は、ほぼ室温以上、好ましくは約100℃以上、より好ましくは約200℃以上の温度を有する基板に対して行うことができる。開示されるLi含有前駆体を使用する開示されるALDプロセスは、ほぼ室温から約750℃、より好ましくは50℃~約500℃、更に好ましくは100℃~250℃の温度範囲を有する基板に対して行うことができる。
【0097】
開示される前駆体を使用する開示される蒸着プロセス(例えばALD、CVD)における基板曝露時間は、1ミリ秒~5分、好ましくは1秒~60秒の範囲であってよい。開示される前駆体を使用する開示されるALDプロセスにおける共反応物曝露時間は、1ミリ秒~1分、好ましくは100ミリ秒~30秒の範囲であってよい。
【0098】
反応チャンバー内の圧力は、前駆体が表面と反応するのに適した条件に保持される。例えば、チャンバー内の圧力は、約0.1mTorr~約1000Torr、好ましくは約0.1Torr~約400Torr、より好ましくは約1Torr~約100Torr、更に好ましくは約1Torr~約10Torrで保持され得る。
【0099】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体及び共反応物は、逐次的に(ALD)又は同時に(CVD)のいずれかで反応器に導入され得る。反応器は、前駆体の導入と共反応物の導入との間に不活性ガスでパージすることができる。或いは、基板は、前駆体曝露のためのある領域から共反応物曝露のための別の領域に移動され得る(空間ALD)。
【0100】
具体的なプロセスパラメータに応じて、堆積は、様々な長さの時間にわたって行われ得る。一般的に、堆積は、必要な厚さの膜を製造するために、望まれる限り又は必要な限り継続することができる。典型的な膜厚は、具体的な堆積プロセスに応じて、原子単分子層から数百ミクロンまで、好ましくは0.5~100nm、より好ましくは1~50nmで変動し得る。堆積プロセスは、望まれる膜を得るために必要な回数だけ実行することもできる。
【0101】
1つの非限定的な例示的なALDタイプのプロセスでは、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の気相が反応器に導入され、ここでLi含有前駆体が基板上に物理的に又は化学的に吸着される。次いで、反応器をパージ及び/又は排気することにより、過剰な組成物を反応器から除去することができる。望まれるガス(例えばO)が反応器に導入され、ここでそれは自己制御的に物理的又は化学的に吸着された前駆体と反応する。反応器をパージ及び/又は排気することによって、全ての過剰な還元ガスが反応器から除去される。望まれる膜がLi含有膜である場合、この2段階のプロセスは、望まれる膜厚を与えることができ、或いはこれは必要な厚さを有する膜が得られるまで繰り返すことができる。
【0102】
蒸着プロセスにより、開示されるケイ素フリーのLi含有前駆体によって形成されるLi含有膜又はアイレットは、LiO、LiOH、LiS、LiN、LiF、炭酸リチウム、フッ化リチウムアルミニウム、リチウムアルミニウム酸化物、リチウムアルミニウム、リチウムコバルト酸化物、チタン酸リチウム、ジルコン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、LiPON、リン酸リチウム、ホウ酸リチウム、ホウリン酸リチウムなどを含む。
【0103】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、以下の利点を有する。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、ケイ素を含まない。最も一般的な前駆体LiHMDS、例えばLi(SIMeなどのケイ素含有リチウム前駆体は非常に安定であり、十分に揮発性であるが、ケイ素は堆積した膜の中に部分的に残存する。ケイ素の存在は、LiTiO、LiNbO、又はLiZrOなどの材料を形成するときに問題になる場合があり、その場合、ケイ素は、材料の誘導された無秩序に関連する有害な電気化学的特徴を生じさせ、その結果イオン伝導度を低下させる可能性がある。
【0104】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、高融点且つ低揮発性のリチウム源である。リチウム化合物は、溶液中及び固体状態で様々な凝集体として存在する。これらの分子は、一般的に多量体構造を有しており、典型的には三量体又は四量体であり、高分子量、高融点、低揮発性になる。例えば、n-BuLiは、ジエチルエーテル中では四量体、シクロヘキサン中では六量体である。Li(SiMeは固体状態で三量体として報告されており、LiOtBuは六量体になるとされている。液体又は低融点の固体前駆体の使用は、産業界、特に半導体業界で周知である。更に、これらの前駆体は便利であるため、流量を正確に測定及び/又は制御することができる。前駆体があまり揮発性ではなく、そのため加熱する必要がある場合、前駆体を供給する方法は、タンク内の前駆体の一部のみを加熱して、それが迅速に供給されるようにし、前駆体の残りを「マザータンク」と呼ばれるタンク内で周囲条件に保つことである。これは、その後、実用的な方法で加熱タンクに供給されることが重要である。液体又は低融点の固体は、単純なバルブ開放で移送充填することができる。したがって、融点はLi(OtBu)又はLi(SiMeよりも大幅に低く、例えば150℃未満、好ましくは80℃未満、最も好ましくは25℃未満にする必要がある。更に、形態の変化を考慮すると、高融点固体の安定した供給速度を実現することは困難である。小さい粒子、典型的には表面対バルクの比が高い小さな粒子は、大きな粒子よりも速く消費される。逆に、粒子が融合して、供給速度が不安定になる可能性がある。低い融点を有する開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、これらの問題を克服することができた。
【0105】
開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、湿気に非常に敏感であり且つ自然発火性のリチウム前駆体である。周知のリチウム源の1つは、アルキルリチウムやリチウムアミドなどの有機リチウム化合物である。それらは、通常、反応性が高く、湿気に敏感であり、場合によっては自然発火性の種である。特殊な安全要件が必要である。それらは、通常、溶液で市販されている。その一方で、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、リチウム前駆体源としての有機リチウム化合物よりも特殊な安全要件をあまり必要としないようにすることができる。
【0106】
リチウム含有膜形成のための公知のALD/CVDプロセスは、典型的には250℃~350℃の温度で進行する。この温度範囲は、活物質粉末など構成要素上に堆積が行われる場合は許容され得る。この温度範囲は、リチウムイオン電池の電極などの温度に敏感な材料への堆積には適さない場合がある。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、150℃未満で液体であり、好ましくは50℃で液体であり、より好ましくは25℃で液体であり、これはリチウムイオン電池電極などの温度に敏感な材料への堆積に適している。
【0107】
CVD、ALD、又は他の膜コーティング/堆積技術が使用されるか否かにかかわらず、産業界はコスト効率の高い堆積技術を求めている。プロセス時間を最小限に抑えるためには、反応器内でのリチウム及び金属前駆体の同時注入が好ましい。これらが一緒に導入される場合、これは、化学的に適合性のあるリチウムと金属前駆体とを使用することを要するであろう。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、これらの要件を満たすであろう。
【0108】
リチウム前駆体の使用についての他の興味深い用途には、Li含有クラスター又はアイレットの形成が含まれる。いくつかの場合では、材料の電気化学的挙動を改善するためには、アイレット又はクラスターの形態の少量のLi含有材料、例えば非連続的な堆積物のみで十分である。太陽電池用途又は半導体用途では、表面上の微量のリチウムが、セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)、硫化銅亜鉛スズ(CZTS)吸収層、モリブデンやタングステンのカルコゲナイドのような2D材料などの堆積を目的とした材料の結晶成長を促し、はるかに大きなサイズの結晶子をもたらし、結果としてそれらの物理的特性、特にキャリア移動度などの電子的特性を劇的に改善することも知られている。これらの微量のリチウムは、例えば気相堆積技術を使用して、アイレット又はクラスターから形成され得る。
【実施例
【0109】
以下の非限定的な実施例は、本発明の実施形態を更に説明するために提供される。しかしながら、これらの実施例は、全てを網羅することを意図するものではなく、本明細書に記載の発明の範囲を限定することを意図するものでもない。
【0110】
以下の実施例9~13において、以下の条件下で堆積実験を行った。
反応器温度:0℃~600℃;
反応器圧力:1Torr;
リチウム前駆体キャニスター温度:110℃;
リチウム前駆体キャニスター圧力:20Torr;
リチウム前駆体のNバブリングの流量:40sccm;
トリメチルホスフェート(TMPO)キャニスター温度:80℃;
TMPOキャニスター圧力:20Torr;
TMPOのNバブリングの流量:40sccm;
基板:Si又はTiN;
堆積方法:ALD;
サイクル数:200;
サイクル内のパルス条件:リチウム前駆体:60秒又は160秒;パージ:20秒;TMPO:10秒;パージ:30秒;O:5秒;パージ:5秒。
【0111】
堆積された膜の組成は、X線光電子分光法(XPS)及び屈折率(RI)によって調べた。
【0112】
実施例1:LiN(CHCHNMeの合成
100mLのフラスコの中で、N(CHCHNMe(5.11g、22.0mmol)をペンタン(200mL)に溶解した。ペンタン中のtBuLiの溶液(1.9M、11.6mL、22mmol)を-78℃でフラスコに滴下した。室温で1時間撹拌した後、全ての揮発性物質を減圧下で除去し、LiN(CHCHNMeの黄色粉末(粗製粉末として3.40g)を得た。次いで、固体を少量のペンタン(約10mL)に溶解した。得られた溶液を-30℃で冷却して、LiN(CHCHNMeの黄色の結晶性固体を得た(2.90g、17.6mmol、収率79%)。黄色の結晶性固体は、100℃の動的真空下での昇華によって更に精製することができる。H NMR(C、400MHz)は、1.80-2.20ppm(m、12H)、2.20-2.30ppm(m、2H)、3.05-3.20ppm(m、2H)、3.40-3.50ppm(m、2H)で測定された。図1はLiN(CHCHNMeの熱重量分析(TGA)(760Torr)のグラフを示しており、供給条件(10℃/分)を表す条件における重量損失対温度を示している。図2は、LiN(CHCHNMeのTGA(15Torr)のグラフを示しており、供給条件(10℃/分)を表す条件における重量損失対温度を示している。
【0113】
実施例2:LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)の合成
100mLのシュレンク管の中で、HN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)(1.34g、7.70mmol)をペンタン(20mL)に溶解した。0℃で、ヘキサン中のnBuLiの溶液(1.6M、4.8mL、7.7mmol)を滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、全ての揮発性物質を減圧下で除去して、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)の粗製化合物(1.37g、定量的収率)を得た。-30℃でペンタン溶液から再結晶することにより化合物を精製した。図3は、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)の熱重量分析(上:760Torr:下:15Torr)のグラフを示し、供給条件(10℃/分)を表す条件における重量損失対温度を示している。
【0114】
実施例3:LiN(CHCHNEtの合成
100mLのシュレンク管の中でHN(CHCHNEt(3.92g、18.2mmol)をペンタン(30mL)に溶解した。0℃で、ヘキサン中のnBuLiの溶液(1.6M、11.4mL、18.2mmol)を滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、全ての揮発性物質を減圧下で除去して、LiN(CHCHNEtの粗製化合物(4.01g、定量的収率)を得た。-30℃でペンタン溶液から再結晶することにより粗製化合物を精製した。H NMR(C6D6、400MHz)は、0.95ppm(t、12H)、2.3-3.2ppm(m、12H)、3.38ppm(t、4H)で測定された。図4は、LiN(CHCHNEtのTGA(15Torr)のグラフを示しており、供給条件(10℃/分)を表す条件における重量損失対温度を示している。
【0115】
実施例4:LiNMe(CHCHNMe)の合成
500mLのフラスコの中で、N,N,N’-トリメチルエチレンジアミン(11.7g、114mmol)をペンタン(250mL)に溶解した。0℃で、ペンタン中のnBuLiの溶液(1.6M、ヘキサン、71mL、114mmol)をフラスコに添加した。室温で1時間撹拌した後、全ての揮発性物質を減圧下で除去して、LiNMe(CHCHNMe)の白色固体を得た(12.3g、113mmol、収率99%)。白色の固体を-30℃でペンタン溶液から結晶化させた。H NMR(C、400MHz)は、1.99ppm(brs、6H)、2.44ppm(t、2H)、3.10(brs、3H)、3.20(brs、2H)で測定された。図5は、LiNMe(CHCHNMeのTGA(15Torr)のグラフを示しており、供給条件(10℃/分)を表す条件における重量損失対温度を示している。
【0116】
実施例5:LiNtBu(CHCHNMe)の合成
100mLのシュレンク管の中で、HNtBu(CHCHNMe)(4.58g、31.7mmol)をペンタン(50mL)に溶解した。0℃で、ヘキサン中のnBuLiの溶液(1.6M、19.8mL、31.7mmol)を滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、全ての揮発性物質を減圧下で除去して、LiNtBu(CHCHNMe)の粗製化合物(4.07g、定量的収率)を得た。粗製化合物を、-30℃でのペンタン溶液からの再結晶により精製した。H NMR(C6D6、400MHz)は、1.33ppm(s、9H)、1.95(s、6H)、2.3-2.5(brs、2H)、3.2(t、2H)で測定された。図6は、LiNtBu(CHCHNMe)のTGA(15Torr)のグラフを示しており、供給条件(10℃/分)を表す条件における重量損失対温度を示している。
【0117】
実施例6:HNtBu(CHMeCHNMe)とHNtBu(CHCHMeNMe)との混合物(6.5:1)の合成
2Lフラスコの中で、tBuNH(600mL、5.70mol)を脱イオン水(400mL)に溶解した。脱イオン水(400mL)中の2-クロロジメチルアミノプロパン塩酸塩(300g、1.90mol)の溶液を、氷浴で冷却しながらフラスコにゆっくりと添加した。反応溶液を室温で一晩撹拌した。脱イオン水(300mL)中のNaOH(153g、3.82mol)の溶液をゆっくりと添加した。水相を4つの部分に分割した。各部分をペンタン(100mL×5)で抽出した。MgSOで乾燥させた後、有機相を減圧下で蒸発させて粗製液体を得た。粗製液体を静的真空下で蒸留して、溶解している固体を除去した。液体に対して分別蒸留(65℃、10kPa)を行って、HNtBu(CHMeCHNMe)及びHNtBu(CHCHMeNMe)の無色液体(6.5:1)(175g、収率58%)を得た。HNtBu(CHMeCHNMe)のH NMR(C6D6、400MHz)は、0.78ppm(d、3H)、1.09ppm(s、9H)、1.39ppm(brs、1H)、2.08ppm(s、6H)、2.39ppm(m、1H)、2.50ppm(m、1H)、2.71ppm(m、1H)で測定された。HNtBu(CHCHMeNMe)のH NMR(C、400MHz)は、1.07ppm(d、3H)、1.11ppm(s、9H)、1.60ppm(brs、1H)、1.88ppm(m、1H)、2.03ppm(s、6H)、2.12ppm(m、1H)、2.78ppm(m、1H)で測定された。
【0118】
実施例7:LiNtBu(CHMeCHNMe)とLiNtBu(CHCHMeNMe)との混合物(6.5:1)の合成
500mLフラスコの中で、HNtBu(CHMeCHNMe)とLiNtBu(CHCHMeNMe)との混合物(比率;6.5:1、70.9g、448mmol)をペンタン(100mL)に溶解した。0℃で、ヘキサン中のnBuLiの溶液(1.6M、280mL、448mmol)を滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、溶媒を減圧下で除去して、黄色の粗製液体(定量的収率)を得た。液体を100℃で動的真空下で蒸留して、LiNtBu(CHMeCHNMe)とLiNtBu(CHCHMeNMe)との混合物のわずかに黄色がかった液体を得た(66.8g、407mmol、収率91%)。図7は、LiNtBu(CHMeCHNMe)とLiNtBu(CHCHMeNMe)(6.5:1)のTGA(15Torr)のグラフを示しており、供給条件(10℃/分)を表す条件における重量損失対温度を示している。図8は、LiNtBu(CHMeCHNMe)とLiNtBu(CHCHMeNMe)との混合物のC中でのH NMRスペクトルである。
【0119】
実施例8:リン酸リチウムの堆積
以下のサイクリックモードを使用するシーケンシャルモードで、LiN(CHCHNMe及びトリメチルホスフェート(TMPO)を使用して、シリコン基板上にALDによってLi含有膜を堆積した:1.2sccmの流量でLiN(CHCHNMeを10秒間パルス化。過剰なLiN(CHCHNMeをパージするために、Nを30秒間流した。TMPOは、5sccmの流量で10秒間パルス化した。サイクル数は200である。温度と圧力の条件は250℃と2Torrに設定した。これらの条件で、約60Åの膜が堆積した。これは、サイクルあたり0.4Åの成長速度を意味する。形成された膜は約1.50の屈折率を有する。XPSによって測定された膜組成は約Li3.1PO4.7であると決定され、これは材料組成の目標範囲に相当する。
【0120】
実施例9:125℃~250℃でLiN(CHCHNMeを使用したLiPO膜のALD
流動床反応器を使用して、Siウェハー上で125℃~250℃の範囲の温度で、LiN(CHCHNMe、トリメチルホスフェート(TMPO)、及びオゾン(O)を使用して、200回のALDサイクル後に、ALDによってLiPO膜を堆積した。LiN(CHCHNMeのパルスは60秒であった。図9は、125℃~250℃の温度でのサイクルあたりの成長(GPC)である。反応器の温度は125℃~250℃で変化する。図10は、堆積されたLiPO膜のXPS結果である。XPS分析に基づくと、これらの条件で堆積された膜は、広範囲の温度で比較的一定の原子パーセント割合になり、例えば125℃でLi:34.6%、P:13.9%、O:48.6%、C:2.3%、N:0.6%である。更に、屈折率は1.56である。図11を参照のこと。これはバルクLiPOの屈折率(1.59)に近い。したがって、これらの条件下で堆積される材料は、リン酸リチウム、LiPOである。低い堆積温度(例えば<200℃)におけるLiPO膜の成長は非常に予想外であり、我々の知る限りこれまでに報告されていない。200℃を超えると、GPCは、自己飽和及びALDプロセスと一致しない厚さである3Å超に到達する。しかしながら、得られるLiPO層が、極端な電圧で電解質の分解を触媒するとされる電解質と電極材料との間の有効界面を提供する限り、このプロセスは興味深いであろう。
【0121】
実施例10:150℃でLiN(CHCHNMeを使用したLiPO膜のALD
流動床反応器を使用して、Siウェハー上で150℃の温度で、LiN(CHCHNMe、TMPO、及びOを使用して、200回のALDサイクル後に、ALDによってLiPO膜を堆積した。反応器の温度は150℃である。LiN(CHCHNMeのパルスは60秒と160秒であった。GPC(図12)は、LiN(CHCHNMeの60秒後(約1.4cc)に1.6Åに達し、屈折率は1.56である(図13)。したがって、このLiPO堆積プロセスは、多くの電池用途、特にLiイオン電池及び全固体電池の保護コーティング層のために非常に魅力的である。
【0122】
実施例11:135℃でSiウェハー上にLiN(CHCHNMeを使用したLiPO膜のALD
流動床反応器を使用して、Siウェハー上で135℃の温度で、LiN(CHCHNMe、TMPO、及びOを使用して、200回のALDサイクル後に、ALDによってLiPO膜を堆積した。反応器の温度は135℃である。LiN(CHCHNMeのパルスは60秒と160秒であった。図14は135℃におけるGPCの結果である。図15は、135℃で堆積されたLiPO膜のRI結果である。低温(例えばT<150℃)では、GPCの自己飽和が観察される。我々の知る限り、T<150℃におけるLiPOのALDに関する報告はない。
【0123】
更に、パターン化されたSiウェハーを使用して、同じ条件下で、パターン化されたSiウェハー上で得られた膜(アスペクト比=6.25~18)は、ほぼ70%の優れたコンフォーマル性を有していた。
【0124】
実施例12:135℃でTiN基板上にLiN(CHCHNMeを使用したLiPO膜のALD
流動床反応器を使用して、TiNウェハー上で135℃の温度で、LiN(CHCHNMe、TMPO、及びOを使用して、200回のALDサイクル後に、ALDによってLiPO膜を堆積した。反応器の温度は135℃である。LiPO膜の成長は、TiN基板上でも観察される(図16)。
【0125】
実施例13:135℃におけるOなしでのLiPO膜のALD
流動床反応器を使用して、Oを用いずSiウェハー上で135℃の温度で、LiN(CHCHNMe及びTMPOを使用して、200回のALDサイクル後に、ALDによってLiPO膜を堆積した。反応器の温度は135℃である。XPS分析によれば、リチウム、リン、酸素を含む非常に薄い膜が観察される。図17を参照のこと。ただし、GPCは非常に低い(0.05%)。
【0126】
仮想実施例1:LiN(CHCHNMeを使用するLi含有膜の予想される形成
シリコン又はアモルファスカーボン基板をALD又はCVD反応器に導入した。次いで、窒素雰囲気下、基板を各実験について100~500℃の設定点まで加熱した。温度が設定点に到達した後、LiN(CHCHNMe前駆体、反応物、及びキャリアガスを反応器の中に流して、基板上に膜を堆積させた。この工程の最中、反応物として水蒸気又は酸素を使用し、キャリアガスとして窒素を使用し、圧力を2Torrに維持した。結果として、反応物として水蒸気を使用すると、酸化リチウム膜は、100℃、120℃、150℃、175℃、200℃、及び250℃でALDによって堆積されるであろう。酸化リチウム膜は、200℃、300℃、400℃におけるCVDによっても得られる一方で、酸化リチウム膜は、CVDによって500℃で堆積された。他方で、反応物として酸素を使用すると、酸化リチウム膜は、100℃、120℃、150℃、175℃、200℃、及び250℃でALDによって堆積されるであろう。
【0127】
仮想実施例2:LiN(CHCHNMeを使用するLi含有膜の予想される形成
シリコン又はアモルファスカーボン基板をALD又はCVD反応器に導入した。次いで、窒素雰囲気下、基板を各実験について100~500℃の設定点まで加熱した。温度が設定点に到達した後、LiN(CHCHNMe及びNbCp(=NtBu)(NMeの前駆体混合物、反応物、及びキャリアガスを反応器の中に流して、基板上に膜を堆積させた。この工程の最中、反応物として水蒸気又は酸素を使用し、キャリアガスとして窒素を使用し、圧力を2Torrに維持した。結果として、反応物として水蒸気を使用すると、ニオブ酸リチウム膜は、100℃、120℃、150℃、175℃、200℃、及び250℃でALDによって堆積されるであろう。ニオブ酸リチウム膜は、200℃、300℃、400℃におけるCVDによっても得られる一方で、ニオブ酸リチウム膜は、CVDによって500℃で堆積された。他方で、反応物として酸素を使用すると、ニオブ酸リチウム膜は、100℃、120℃、150℃、175℃、200℃、及び250℃でALDによって堆積されるであろう。
【0128】
仮想実施例3:LiN(CHCHNMeを使用するLi含有アイレットの予想される形成
シリコン又はアモルファスカーボン基板をALD又はCVD反応器に導入した。次いで、窒素雰囲気下、基板を各実験について100~500℃の設定点まで加熱した。温度が設定点に到達した後、LiN(CHCHNMe前駆体、反応物、及びキャリアガスを反応器の中に流して、基板上にアイレットを堆積させた。この工程の最中、反応物として水蒸気又は酸素を使用し、キャリアガスとして窒素を使用し、圧力を2Torrに維持した。結果として、反応物として水蒸気を使用すると、リチウム含有アイレットは、100℃、120℃、150℃、175℃、200℃、及び250℃で、非常に限られた数のサイクル数を使用して、典型的には10回未満で、ALDによって形成されるであろう。リチウム含有アイレットは、CVDプロセスの継続時間が数秒~数分に制限される場合、200℃、300℃、400℃におけるCVDによっても得られるであろう。
【0129】
本発明の性質を説明するために本明細書に記載及び図示されてきた、詳細な事項、材料、工程、及び部品の配置における多くの追加の変更が、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の原理及び範囲内で当業者によって行われ得ることが理解されるであろう。したがって、本発明は、上記実施例及び/又は添付の図面中の具体的な実施形態に限定されることを意図するものではない。
【0130】
本発明の複数の実施形態が示され、説明されてきたが、本発明の趣旨又は教示から逸脱することなしに、その修正が当業者によってなされ得る。本明細書に記載の実施形態は例示にすぎず、限定するものではない。組成物及び方法の多くの変形及び修正が可能であり、それらは本発明の範囲内である。したがって、保護の範囲は、本明細書に記載の実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲は、特許請求の範囲の主題の全ての均等物を含むものとする。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2022-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にLi含有膜、アイレット、又はクラスターを形成する方法であって、
前記基板が中に配置されている反応器内に、下記一般式を有するケイ素フリーのリチウム前駆体を導入する工程
[Li-NL-D (I)
(式中、
は、一般式:C、(C)-ER)、又は(C)-E’R)を有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m及びnは独立した整数であり、1≦m≦16であり、1≦n≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
は、一般式:(C)-ER、又は(C)-E’Rを有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・p及びqは独立した整数であり、1≦p≦16であり、1≦q≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され;
xは整数であり、0≦x≦4であり;
yは分子の結合度であり、1≦y≦6である);並びに、
蒸着法を使用して前記ケイ素フリーのリチウム前駆体の少なくとも一部を前記基板上に堆積させて、前記リチウム含有膜、アイレット、又はクラスターを形成する工程、
を含む、方法。
【請求項2】
が、C~C16の直鎖、分岐、若しくは環状の炭素鎖、又は(C)-ER若しくは(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・mは、値が1である整数であるか、1~8の範囲の整数であり;
・nは、2~16の範囲の独立した整数であり;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択され;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
が、(C)-ER又は(C)-E’Rの形態である:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・p及びqは、1~16の範囲の独立した整数であり、好ましくはpは1~8に含まれ、qは2~16に含まれ、最も好ましくはpはmとは異なり;
・R及びRは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
・Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され、好ましくは単座又は二座であり;
・xは、0~4に含まれる整数であり;
・yは分子の結合度を表し、1~6に含まれる;
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ケイ素フリーのリチウム前駆体が、LiNMe(CHCHNMe)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)、LiNEt(CHCHNMe)、LiNiPr(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHNEt、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHMeCHNMe、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiNMe(CHCHOMe)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOiPr)、LiNMe(CHCHOtBu)、LiNEt(CHCHOMe)、LiNEt(CHCHOEt)、LiNiPr(CHCHOMe)、LiNtBu(CHCHOMe)、LiN(CHCHOMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHOiPr)、LiN(CHCHOtBu)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)、又はLiNMe(CHCH(OMe))から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ケイ素フリーのリチウム前駆体がLiN(CHCHNMeである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ケイ素フリーのリチウム前駆体が150℃未満で液体である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
、O、HO、トリメチルホスフェート、アルキルホスフェート、アルキルホスフィニミン、NO、NO、H、Oラジカル、又はこれらの組み合わせから選択される共反応物を前記反応器に供給する工程を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
下記一般式を有するリチウム前駆体を含む組成物:
[Li-NL-D (I)
(式中、
は、一般式:C、(C)-ER)、又は(C)-E’R)を有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m及びnは独立した整数であり、1≦m≦16であり、1≦n≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
は、一般式:(C)-ER、又は(C)-E’Rを有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・p及びqは独立した整数であり、1≦p≦16であり、1≦q≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され;
xは整数であり、0≦x≦4であり;
yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)。
【請求項8】
が、C~C16の直鎖、分岐、若しくは環状の炭素鎖、又は(C)-ER若しくは(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・mは、値が1である整数であるか、1~8の範囲の整数であり;
・nは、2~16の範囲の独立した整数であり;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択され;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
が、(C)-ER又は(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・p及びqは、1~16の範囲の独立した整数であり、好ましくはpは1~8に含まれ、qは2~16に含まれ、最も好ましくはpはmとは異なり;
・R及びRは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され、好ましくは単座又は二座であり;
xは、0~4に含まれる整数であり;
yは分子の結合度を表し、1~6に含まれ;
=Me、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=Et、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=iPr、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CMeHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CHCHMe、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
={C=CHCH、E=N、RとRが共にEt}、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にEt}、x=0は除外され;
=Me、L={C=CHCH、E’=O、RがMe}、x=0は除外される;
請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記リチウム前駆体が、LiNMe(CHCHNMe)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)、LiNEt(CHCHNMe)、LiNiPr(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHNEt、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHMeCHNMe、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiNMe(CHCHOMe)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOiPr)、LiNMe(CHCHOtBu)、LiNEt(CHCHOMe)、LiNEt(CHCHOEt)、LiNiPr(CHCHOMe)、LiNtBu(CHCHOMe)、LiN(CHCHOMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHOiPr)、LiN(CHCHOtBu)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)、又はLiNMe(CHCH(OMe))から選択される、請求項7又は8に記載の組成物。
【請求項10】
下記一般式を有する、膜、アイレット、又はクラスターを形成する前駆体:
[Li-NL-D (I)
(式中、
は、一般式:C、(C)-ER)、又は(C)-E’R)を有し、
・(C)は、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m及びnは独立した整数であり、1≦m≦16であり、1≦n≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
は、一般式:(C)-ER、又は(C)-E’Rを有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・p及びqは独立した整数であり、1≦p≦16であり、1≦q≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され;
xは整数であり、0≦x≦4であり;
yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)。

【手続補正書】
【提出日】2022-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
エネルギー貯蔵のニーズが高まるのに伴い、改善された安全性能と共により高い容量保持が要求されている。リチウム含有膜は、リン酸リチウムやリチウムリン酸窒化物(LiPON)などの固体電解質中間相(SEI)、及びチタン酸リチウムやジルコン酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの様々なリチウム金属酸化物の形成を効果的に防止又は低減することができる。これらの材料は、現行のリチウムイオン電池又は全固体電池のいずれかで、電極と電解質との間の界面を改善することが期待されている。ニオブ酸リチウムなどのLi含有膜は、高周波電子デバイス、例えばモバイル用途にも使用することができる。フッ化リチウムは、バンドギャップが大きく誘電定数が高いため、光学用又は潜在的なゲート誘電体としても興味深い材料である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
開示される方法は、以下の態様のうちの1つ以上を含み得る:
・Lは、C~C16の直鎖、分岐、又は環状の炭素鎖、又は(C)-ER又は(C)-E’Rの形態である
(式中、
はアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
EはB、Nを表し;
E’はO、Sなどの二価元素を表し;
mは、値が1である整数であるか、1~8の範囲の整数であり;
nは、2~16の範囲の独立した整数であり;
は独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択され;
は独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は
他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
は、(C)-ER又は(C)-E’Rの形態である
(式中、
はアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
EはB、Nを表し;
E’はO、Sなどの二価元素を表し;
p及びqは、1~16の範囲の独立した整数であり、好ましくはpは1~8に含まれ、qは2~16に含まれ、最も好ましくはpはmとは異なり;
及びRは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択される。好ましくは単座又は二座であり;
xは、0~4に含まれる整数であり;
yは分子の結合度を表し、1~6に含まれる;
・リチウム前駆体がケイ素を含まない;
・リチウム前駆体が、LiNMe(CHCHNMe)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)、LiNEt(CHCHNMe)、LiNiPr(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNMe)、LiN(CHCHNEt、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHMeCHNMe、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiNMe(CHCHOMe)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOiPr)、LiNMe(CHCHOtBu)、LiNEt(CHCHOMe)、LiNEt(CHCHOEt)、LiNiPr(CHCHOMe)、LiNtBu(CHCHOMe)、LiN(CHCHOMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHOiPr)、LiN(CHCHOtBu)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)、LiNMe(CHCH(OMe))などから選択される;
・リチウム前駆体が、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHCHNMeEt)、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe
)、LiN(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCH(OMe))などである;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)である;
・リチウム前駆体がLiNEt(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNiPr(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHCHNEtMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHMeCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHCHMeNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMeである;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNEtである;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNiPrである;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNEtMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHCHNMeである;
・リチウム前駆体がLiN(CHMeCHNMeである;
・リチウム前駆体がLiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHMeNMeである;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHOEt)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHOiPr);
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCHOtBu)である;
・リチウム前駆体がLiNEt(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiNEt(CHCHOEt)である;
・リチウム前駆体がLiNiPr(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiNtBu(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHOEt)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHOiPr)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHOtBu)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)である;
・リチウム前駆体がLiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)である;
・リチウム前駆体がLiNMe(CHCH(OMe))である;
・蒸着法が、ALD、CVD、スプレーコーティング、ディップコーティング、スリットコーティング、スピンオン蒸着、又はこれらの組み合わせである;
・蒸着法がALDである;
・蒸着法がCVDである;
・反応チャンバー内の温度が室温から室温未満の範囲である;
・反応チャンバー内の温度が約0℃~約600℃の範囲である;
・反応チャンバー内の温度が約15℃~約600℃の範囲である;
・反応チャンバー内の温度が約125℃~約250℃の範囲である;
・反応器の温度範囲が約20℃~約1000℃である;
・プラズマ蒸着プロセスの堆積温度が約20℃~約550℃の範囲である;
・ALD及びCVDの堆積温度が約100℃~約500℃の範囲である;
・ALD及びCVDの堆積温度が約250℃~約350℃の範囲である;
・熱的プロセスの堆積温度が約200℃~約800℃の範囲である;
・熱的プロセスの堆積温度が約400℃~約600℃の範囲である;
・ALDの堆積温度が100℃である;
・ALDの堆積温度が125℃である;
・ALDの堆積温度が135℃である;
・ALDの堆積温度が150℃である;
・ALDの堆積温度が175℃である;
・ALDの堆積温度が200℃である;
・ALDの堆積温度が250℃である;
ALDの堆積温度が500℃である;
・CVDの堆積温度が200℃である;
・CVDの堆積温度が300℃である;
・CVDの堆積温度が400℃である;
・CVDの堆積温度が500℃である;
・基板の温度が室温から約600℃の範囲である;
・リチウム前駆体がケイ素フリーのリチウム前駆体である;
・リチウム前駆体が、単量体、二量体、三量体、又はそれらの組み合わせである;
・反応器に共反応物を供給する工程を更に含む;
・共反応物が、O、O、HO、トリメチルホスフェート、アルキルホスフェート、アルキルホスフィニミン、NO、NO、H、Oラジカル、又はこれらの組み合わせから選択される;
・共反応物が、N、NH、N、又はアルキルヒドラジンから選択される;
・共反応物がOである;
・リチウム前駆体が150℃未満で液体である;
・リチウム前駆体が50℃で液体である;
・リチウム前駆体が25℃で液体である;
・Li含有膜、アイレット、又はクラスターが、LiO、LiOH、LiS、LiN、LiF、炭酸リチウム、フッ化アルミニウムリチウム、リチウムアルミニウム酸化物、リチウムアルミニウム、リチウムコバルト酸化物、チタン酸リチウム、ジルコン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、LiPON、リン酸リチウム、ホウ酸リチウム、ホウリン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、リチウムジルコニウム酸化物などの膜、アイレット、又はクラスターである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
より好ましくは、開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、一般式(I)を有し、式中、
は、C~C16の直鎖、分岐、若しくは環状の炭素鎖、又は(C)-ER若しくは(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・mは、値が1である整数であるか、1~8の範囲の整数であり;
・nは、2~16の範囲の独立した整数であり;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択され;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
は、(C)-ER又は(C)-E’Rの形態であり
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・p及びqは、1~16の範囲の独立した整数であり、好ましくはpは1~8に含まれ、qは2~16に含まれ、最も好ましくはpはmとは異なり;
・R及びRは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され、好ましくは単座又は二座であり;
xは、0~4に含まれる整数であり;
yは分子の結合度を表し、1~6に含まれる;
ただし、
x=0、p=2、q=4、E=Nであり、L、R、及びR全てがメチルである場合は除外され;
x=0、p=2又は3、q=4又は6、E=N、L=三級ブチル、R及びRがメチルである場合は除外され;
x=0、m=p=2、n=q=4、E=N、R、R、R、R全てがメチルである場合は除外され;
x=0、m=p=2、n=q=4、E’=O、RとRの両方がメチルである場合は除外され;
x=0、m=2、n=4、E’=O、Rがメチルである場合は除外され;
=Me、L={C=CHCH、E=N、RとRの両方がMe}、x=0は除外され;
=Et、L={C=CHCH、E=N、RとRの両方がMe}、x=0は除外され;
=iPr、L={C=CHCH、E=N、RとRの両方がMe}、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CHCH、E=N、RとRの両方がMe}
、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CMeHCH、E=N、RとRの両方がMe}、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CHCHMe、E=N、RとRの両方がMe}、x=0は除外され;
={C=CHCH、E=N、RとRの両方がMe}、L={C=CHCH、E=N、RとRの両方がMe}、x=0は除外され;
={C=CHCH、E=N、RとRの両方がEt}、L={C=CHCH、E=N、RとRの両方がEt}、x=0は除外され;
=Me、L={C=CHCH、E’=O、RがMe}、x=0は除外される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
我々の知る限り、リチウム含有層を形成するためのCVD及びALDプロセスなどの堆積プロセスにおける、一般式(I)~(VI)に記載の開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体の使用が本明細書で最初に開示される。開示されるケイ素フリーのリチウム前駆体は、LiO、LiOH、LiS、LiN、LiF、炭酸リチウム、フッ化アルミニウムリチウム、リチウムアルミニウム酸化物、リチウムアルミニウム、リチウムコバルト酸化物、チタン酸リチウム、ジルコン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、LiPON、リン酸リチウム、ホウ酸リチウム、ホウリン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、リチウムジルコニウム酸化物などのLi含有膜又はアイレットを形成するために、ALD又はCVDなどの化学堆積法で、個別に、又はエナンチオマー若しくはアステレオ異性体、異なるリチウム前駆体、リチウム前駆体、及び金属前駆体との混合物で、溶液で又は非溶液で使用することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
反応器は、膜又はアイレットが上に堆積される1つ以上の基板を含む。基板は、一般的に、プロセスがその上で行われる材料として定義される。基板は、半導体又はリチウム電池産業で使用される任意の適切な基板であってよい。適切な基板の例としては、シリコン、シリカ、ガラス基板などのウェハー又は支持体が挙げられる。支持体は、前の製造工程からその上に堆積された異なる材料の1つ以上の層を有し得る。例えば、支持体は、シリコン層(結晶性、アモルファス、多孔質など)、シリコン酸化物層、シリコン窒化物層、シリコンオキシ窒化物層、炭素ドープシリコン酸化物(SiCOH)層、又はこれらの組み合わせを含み得る。リチウム電池産業で使用される本開示のケイ素フリーのLi含有前駆体は、グラファイト、ドープされたグラファイト、特にSiドープされたグラファイト、シリコン及びシリコン合金、又は金属酸化物(特にリチウムニッケル酸化物、リチウムニッケルマンガン酸化物、リチウムニッケルコバルト酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物)から作られた粉末、リチウム鉄リン酸塩、並びにドーパントを含む対応する材料、又はそれらの組み合わせから製造された粉末上に堆積することができる。更に、ウェハーは銅層又は貴金属層(例えば白金、パラジウム、ロジウム、又は金)を含み得る。層は、MEMS、MIM、DRA
M、RFフロントエンドモジュール、又はFeRam技術で誘電体材料として使用される酸化物を含み得る。下地材料は、ニッケル酸化物、マンガン酸化物、コバルト酸化物、グラファイト又はアモルファスカーボンなどを含み得る。ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)[PEDOT:PSS]などのプラスチック層も使用され得る。層は、平面状であっても、球状であっても、丸みを帯びていても、パターン化されていてもよく、或いは規則的な構造を有さなくてもよい(上記を参照)。例えば、層は、水素化炭素、例えばCHx(xはゼロより大きい)から作られた下地材料であってよい。好ましい下地材料は、グラファイト又はアモルファスカーボン、リチウムニッケルマンガン酸化物、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】
蒸着プロセスにより、開示されるケイ素フリーのLi含有前駆体によって形成されるLi含有膜又はアイレットは、LiO、LiOH、LiS、LiN、LiF、炭酸リチウム、フッ化アルミニウムリチウム、リチウムアルミニウム酸化物、リチウムアルミニウム、リチウムコバルト酸化物、チタン酸リチウム、ジルコン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、LiPON、リン酸リチウム、ホウ酸リチウム、ホウリン酸リチウムなどを含む。
【手続補正7】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にLi含有膜、アイレット、又はクラスターを形成する方法であって、
前記基板が中に配置されている反応器内に、下記一般式を有するケイ素フリーのリチウム前駆体を導入する工程
[Li-NL-D (I)
(式中、
は、一般式:C、(C)-ER)、又は(C)-E’R)を有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m及びnは独立した整数であり、1≦m≦16であり、1≦n≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
は、一般式:(C)-ER、又は(C)-E’Rを有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・p及びqは独立した整数であり、1≦p≦16であり、1≦q≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され;
xは整数であり、0≦x≦4であり;
yは分子の結合度であり、1≦y≦6である);並びに、
蒸着法を使用して前記ケイ素フリーのリチウム前駆体の少なくとも一部を前記基板上に堆積させて、前記リチウム含有膜、アイレット、又はクラスターを形成する工程、
を含む、方法。
【請求項2】
が、C~C16の直鎖、分岐、若しくは環状の炭素鎖、又は(C)-ER若しくは(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・mは、値が1である整数であるか、1~8の範囲の整数であり;
・nは、2~16の範囲の独立した整数であり;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択され;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
が、(C)-ER又は(C)-E’Rの形態である:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・p及びqは、1~16の範囲の独立した整数であり、好ましくはpは1~8に含まれ、qは2~16に含まれ、最も好ましくはpはmとは異なり;
・R及びRは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
・Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され、好ましくは単座又は二座であり;
・xは、0~4に含まれる整数であり;
・yは分子の結合度を表し、1~6に含まれる;
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ケイ素フリーのリチウム前駆体が、LiNMe(CHCHNMe)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)、LiNEt(CHCHNMe)、LiNiPr(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHNEt、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHMeCHNMe、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN
(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiNMe(CHCHOMe)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOiPr)、LiNMe(CHCHOtBu)、LiNEt(CHCHOMe)、LiNEt(CHCHOEt)、LiNiPr(CHCHOMe)、LiNtBu(CHCHOMe)、LiN(CHCHOMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHOiPr)、LiN(CHCHOtBu)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)、又はLiNMe(CHCH(OMe))から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ケイ素フリーのリチウム前駆体が、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHCHNMeEt)、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiN(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOEt)、又はLiNMe(CHCH(OMe))から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ケイ素フリーのリチウム前駆体がLiN(CHCHNMeである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ケイ素フリーのリチウム前駆体が、単量体、二量体、三量体、又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ケイ素フリーのリチウム前駆体が150℃未満で液体である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記蒸着法が、ALD、CVD、スプレーコーティング、ディップコーティング、スリットコーティング、スピンオン堆積、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
、O、HO、トリメチルホスフェート、アルキルホスフェート、アルキルホスフィニミン、NO、NO、H、Oラジカル、又はこれらの組み合わせから選択される共反応物を前記反応器に供給する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記共反応物がOである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記Li含有膜、アイレット、又はクラスターが、LiO、LiOH、LiS、LiN、LiF、炭酸リチウム、フッ化アルミニウムリチウム、リチウムアルミニウム酸化物、リチウムアルミニウム、リチウムコバルト酸化物、チタン酸リチウム、ジルコン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、LiPON、リン酸リチウム、ホウ酸リチウム、ホウリン酸リチウム、ニオブ酸リチウム、リチウムジルコニウム酸化物などの膜、アイレット、又はクラスターである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記反応器内の温度が約0℃~約600℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
下記一般式を有するリチウム前駆体を含む組成物:
[Li-NL-D (I)
(式中、
は、一般式:C、(C)-ER)、又は(C)-E’R)を有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m及びnは独立した整数であり、1≦m≦16であり、1≦n≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
は、一般式:(C)-ER、又は(C)-E’Rを有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・p及びqは独立した整数であり、1≦p≦16であり、1≦q≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され;
xは整数であり、0≦x≦4であり;
yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)。
【請求項14】
が、C~C16の直鎖、分岐、若しくは環状の炭素鎖、又は(C)-ER若しくは(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・mは、値が1である整数であるか、1~8の範囲の整数であり;
・nは、2~16の範囲の独立した整数であり;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択され;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
が、(C)-ER又は(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・p及びqは、1~16の範囲の独立した整数であり、好ましくはpは1~8に含まれ、qは2~16に含まれ、最も好ましくはpはmとは異なり;
・R及びRは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選
択される);
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され、好ましくは単座又は二座であり;
xは、0~4に含まれる整数であり;
yは分子の結合度を表し、1~6に含まれ;
=Me、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=Et、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=iPr、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CMeHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
=tBu、L={C=CHCHMe、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にMe}、x=0は除外され;
={C=CHCH、E=N、RとRが共にEt}、L={C=CHCH、E=N、RとRが共にEt}、x=0は除外され;
=Me、L={C=CHCH、E’=O、RがMe}、x=0は除外される;
請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記リチウム前駆体が、LiNMe(CHCHNMe)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)、LiNEt(CHCHNMe)、LiNiPr(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHNEt、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHMeCHNMe、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiNMe(CHCHOMe)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOiPr)、LiNMe(CHCHOtBu)、LiNEt(CHCHOMe)、LiNEt(CHCHOEt)、LiNiPr(CHCHOMe)、LiNtBu(CHCHOMe)、LiN(CHCHOMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHOiPr)、LiN(CHCHOtBu)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)、又はLiNMe(CHCH(OMe))から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記リチウム前駆体が、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CH
CHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHCHNMeEt)、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiN(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOEt)、又はLiNMe(CHCH(OMe))から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
前記リチウム前駆体がLiN(CHCHNMeである、請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
下記一般式を有する、膜、アイレット、又はクラスターを形成する前駆体:
[Li-NL-D (I)
(式中、
は、一般式:C、(C)-ER)、又は(C)-E’R)を有し、
・(C)は、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・m及びnは独立した整数であり、1≦m≦16であり、1≦n≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
は、一般式:(C)-ER、又は(C)-E’Rを有し、
・Cは、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であり;
・p及びqは独立した整数であり、1≦p≦16であり、1≦q≦16であり;
・EはB、Nであり;
・E’は二価の元素であり;
・R及びRは、それぞれ、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から独立して選択され;
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され;
xは整数であり、0≦x≦4であり;
yは分子の結合度であり、1≦y≦6である)。
【請求項19】
が、C~C16の直鎖、分岐、若しくは環状の炭素鎖、又は(C)-ER若しくは(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・mは、値が1である整数であるか、1~8の範囲の整数であり;
・nは、2~16の範囲の独立した整数であり;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択され;
・Rは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のC~Cアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
が、(C)-ER又は(C)-E’Rの形態であり:
(式中、
・Cはアルキル鎖であり、直鎖、分岐、又は環状のアルキル基であってよく;
・EはB、Nを表し;
・E’はO、Sなどの二価元素を表し;
・p及びqは、1~16の範囲の独立した整数であり、好ましくはpは1~8に含まれ、qは2~16に含まれ、最も好ましくはpはmとは異なり;
・R及びRは独立しており、水素、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、又は他の原子若しくは基で置換された直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基からなる群から選択される);
Dは、単座、二座、三座、又は多座の中性配位配位子系から独立して選択され、好ましくは単座又は二座であり;
xは、0~4に含まれる整数であり;
yは分子の結合度を表し、1~6に含まれる;
請求項18に記載の膜、アイレット、又はクラスターを形成する前駆体。
【請求項20】
LiNMe(CHCHNMe)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジエトキシエタン)、LiNMe(CHCHNMe)(1,2-ジメトキシエタン)、LiNEt(CHCHNMe)、LiNiPr(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNMe)、LiNtBu(CHCHNEtMe)、LiNtBu(CHMeCHNMe)、LiNtBu(CHCHMeNMe)、LiN(CHCHNMe、LiN(CHCHNEt、LiN(CHCHNiPr、LiN(CHCHNEtMe)、LiN(CHCHCHNMe、LiN(CHMeCHNMe、LiN(CHMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHMeNMe、LiN(CHCHMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHEtCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHEtNMe)(CHCHNMe)、LiN(CMeCHNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCMeNMe)(CHCHNMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHCHNMe)、LiNMe(CHCHOMe)、LiNMe(CHCHOEt)、LiNMe(CHCHOiPr)、LiNMe(CHCHOtBu)、LiNEt(CHCHOMe)、LiNEt(CHCHOEt)、LiNiPr(CHCHOMe)、LiNtBu(CHCHOMe)、LiN(CHCHOMe)、LiN(CHCHOEt)、LiN(CHCHOiPr)、LiN(CHCHOtBu)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOMe)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOEt)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOiPr)、LiN(CHCHNMe)(CHCHOtBu)、又はLiNMe(CHCH(OMe))から選択される、請求項18に記載の膜、アイレット、又はクラスターを形成する前駆体。
【国際調査報告】