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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-12
(54)【発明の名称】表示デバイスおよび表示ユニット
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/33 20060101AFI20221205BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20221205BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20221205BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/30 338
G09F9/30 330
H01L33/62
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520996
(86)(22)【出願日】2020-10-05
(85)【翻訳文提出日】2022-04-06
(86)【国際出願番号】 EP2020077853
(87)【国際公開番号】W WO2021069378
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】102019126859.1
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン ヴィットマン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シュヴァーツ
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
5C094AA44
5C094AA45
5C094BA23
5C094CA19
5C094DB01
5C094DB02
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD44
(57)【要約】
本発明で示されるのは、接続支持体(2)と、行ライン(A1,A2,…)および列ライン(B1,B2,…)を介して駆動制御可能な複数の画素(3)とを有する表示デバイス(1)であり、行ラインおよび列ラインは、接続支持体に構成されており、少なくとも1つの行ラインは、接続支持体における列ラインとの仮想の交点(4)において中断されており、接続支持体には、仮想の交点において行ラインを導電的にブリッジするブリッジ素子(5)が配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続支持体(2)と、行ライン(A1,A2,…)および列ライン(B1,B2,…)を介して駆動制御可能な複数の画素(3)とを有する表示デバイス(1)であって、
前記行ラインおよび前記列ラインは、前記接続支持体に構成されており、
少なくとも1つの行ラインは、前記接続支持体における列ラインとの仮想の交点(4)において中断されており、
前記接続支持体には、前記仮想の交点において前記行ラインを導電的にブリッジするブリッジ素子(5)が配置されており、
前記行ラインおよび前記列ラインは、前記画素を駆動制御するドライバ(9)との電気的なコンタクトのための端子(8)を有し、
行ラインはそれぞれ、線路(Z1,Z2,…)を介して複数の前記端子の1つに接続されており、
行ラインと所属の前記端子との間に設けられている行ラインは、ブリッジ素子によって乗り越えられている、表示デバイス(1)。
【請求項2】
前記行ラインおよび前記列ラインは、前記接続支持体の上面図において、互いに重なり合うことなく構成されている、請求項1記載の表示デバイス。
【請求項3】
前記ブリッジ素子は、前記表示デバイスの動作時に同じ電位にありかつ同じ行ラインに導電接続されている2つのコンタクト(51)を有する、請求項1または2記載の表示デバイス。
【請求項4】
前記ブリッジ素子は、ビームを生成するために設けられている少なくとも1つの活性領域(6)を有し、前記ブリッジ素子には、2つの前記コンタクトの間のブリッジパス(55)が構成されており、前記ブリッジパスは、前記活性領域を通って延在していない、請求項1から3までのいずれか1項記載の表示デバイス。
【請求項5】
前記ブリッジ素子は、それぞれ1つの前記画素または前記画素の副画素(6R,6G,6B)を形成する複数の活性領域(6)を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の表示デバイス。
【請求項6】
前記ブリッジ素子は、少なくとも1つの電子素子(7)を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の表示デバイス。
【請求項7】
前記ブリッジ素子は、少なくとも1つの画素が構成されている中間支持体(58)を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の表示デバイス。
【請求項8】
前記中間支持体は、複数のビア(581)を有し、少なくとも1つの前記画素は、前記接続支持体とは反対側を向いた、前記中間支持体の面に構成されている、請求項7記載の表示デバイス。
【請求項9】
前記表示デバイスの断面図において、前記ブリッジ素子および/または少なくとも1つの画素が、前記接続支持体と、複数の前記行ラインの1つとの間に配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の表示デバイス。
【請求項10】
前記表示デバイスの断面図において、前記ブリッジ素子および/または少なくとも1つの画素は、前記接続支持体とは反対側を向いた、複数の前記行ラインのうちの1つの行ラインの面に配置されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の表示デバイス。
【請求項11】
前記接続支持体は、動作時に前記画素によって放射される前記ビームに対して透過である、請求項1から10までのいずれか1項記載の表示デバイス。
【請求項12】
画素には行ラインよりも多くの列ラインが対応付けられているか、またはその逆である、請求項1から11までのいずれか1項記載の表示デバイス。
【請求項13】
前記行ラインおよび前記列ラインの電気的なコンタクトのための前記端子(8)は、前記表示デバイスのちょうど1つの側面(15)に沿って配置されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の表示デバイス。
【請求項14】
複数の前記線路は、重なることなく前記行ラインへと延在している、請求項13記載の表示デバイス。
【請求項15】
前記表示デバイスのビーム出射面(10)とは反対側を向いた面に、前記行ラインおよび前記列ラインを駆動制御する前記ドライバ(9)が配置されており、前記表示デバイスのすべての側面(15)は、前記行ラインおよび前記列ライン用の端子を有しない、請求項1から12までのいずれか1項記載の表示デバイス。
【請求項16】
前記行ラインはそれぞれ、1つの線路(Z1,Z2,…)を介して前記ドライバに接続されており、複数の前記線路は、重なることなく、前記行ラインに延在している、請求項15記載の表示デバイス。
【請求項17】
前記線路は、コネクタ(95)を介して前記ドライバに接続されており、前記コネクタは、前記行ラインに対して平行な方向に前記ドライバよりも大きな寸法を有し、前記コネクタは、前記表示デバイスの上面図において少なくとも、内側にあるすべての列ラインにわたって延在している、請求項16記載の表示デバイス。
【請求項18】
請求項1から17までのいずれか1項記載の複数の表示デバイス(1)を有する表示ユニット(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示デバイスと、このような表示装置を有する表示ユニットとに関する。
【0002】
複数の画素(ピクセル)による表示のためには、例えば、マトリクス配置で発光ダイオードを配置して、行ラインおよび列ラインを介してこの発光ダイオードに電気的にコンタクトすることができる。例えば、行ラインおよび列ラインは、互いに電気的に絶縁された、プリント基板の2つの金属層に形成され、これによってこれらのライン間に短絡が生じないようにされる。
【0003】
1つの課題は、簡易化された構造が特徴でありかつコスト的に有利に作製可能な表示デバイスを示すことである。
【0004】
この課題はとりわけ、特許請求の範囲の請求項1の特徴的構成を有する表示デバイスによって解決される。別の実施形態および利点は、従属する請求項の対象である。
【0005】
本発明では、複数の画素を有する表示デバイスが示される。表示デバイスという用語は一般に、ビームを放射するデバイスであって、ビームを放射する個々の素子を互いに独立して駆動制御することができるデバイスのことをいう。
【0006】
有利には画素は、マトリクス状に行および列に配置される。例えば画素は、アクティブマトリクス回路またはパッシブマトリクス回路を介して駆動制御可能である。
【0007】
表示デバイスは、例えば単色である。このことが意味するのは、個々のビーム放射素子から放射されるビームは、そのスペクトル特性が、製造に起因する許容差を除き、ビーム放射素子を越えて同じであることである。例えば、すべての画素は、人間の眼に白色に見えるビームを放射する。このような表示デバイスは、例えば、ピクセル化された投光器における、ピクセル化されたフラッシュライトにおける、または光情報の表示のための光源として適している。
【0008】
択一的には表示デバイスは、多色である。例えば、それぞれの画像は、例えば、赤色、緑色および青色のスペクトル領域においてビームを放射する3つ一組の副画素を有する。したがって光情報、例えば、静止画または動画は、フルカラーで表示可能である。
【0009】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、表示デバイスは、接続支持体を有する。接続支持体には、画素が配置されている。接続支持体は、硬質またはフレキシブルであってよい。
【0010】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、画素は、行ラインおよび列ラインを介して駆動制御可能である。行ラインおよび列ラインという呼称は単に、互いに斜めまたは垂直に延在するラインに簡易に言及するために使用され、交換可能である。特に、それぞれの画素には、少なくとも1つの行ラインおよび少なくとも1つの列ラインが対応付けられている。例えば、表示デバイスは、少なくとも10個の行ラインおよび/または少なくとも10個の列ラインを有する。
【0011】
例えば、1つの行のすべての画素は、共通の行ラインに電気的に接続されている。行ラインの個数は、行の個数以上であってよい。これに対応して1つの列のすべての画素は、共通の列ラインに電気的に接続されている。列ラインの個数は、列の個数以上であってよい。
【0012】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、行ラインおよび列ラインは、接続支持体に構成されている。表示デバイスの上面図において、特にすべての画素は、接続支持体と重なっている。
【0013】
行ラインは有利には、少なくとも部分的に互いに平行に延在している。これに対応して列ラインは、少なくとも部分的に互いに平行に延在している。少なくとも1つの行ラインは、少なくとも1つの列ラインに対して、またはすべての列ラインに対しても、斜めまたは垂直に延在している。
【0014】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの行ラインは、接続支持体における列ラインとの仮想の交点において中断されている。仮に列ラインの領域において行ラインが中断されておらずかつ列ラインを越えて一様に延在した場合に、行ラインと列ラインとが交わり得る箇所のことを仮想の交点と称する。特に、1つの行ラインまたは複数の行ラインは、またはすべての行ラインも、これらの行ラインが1つの列ラインと交わると考えられるすべての箇所で中断している。簡易に言及するために、明示的に別に断らない限り、接続支持体において中断されるラインを行ラインと、これに対して斜めまたは垂直に延在するラインを列ラインと称する。このことには特に、空間において行ラインが水平方向に、かつ空間において列ラインが垂直方向に延在するという趣旨の制限は含意されていない。重要であるのは単に、2つのラインのうちの少なくとも1つが、接続支持体における仮想の交点において中断していることである。
【0015】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、接続支持体には、仮想の交点において行ラインを導電的にブリッジするブリッジ素子が配置されている。
【0016】
言い換えると、行ラインは、互いに切り離されかつ列ラインの両側に設けられている2つの部分領域に分割される。これらの2つの部分領域は、ブリッジ素子を介して互いに導電接続される。したがってブリッジ素子により、行ラインそれ自体は、列ラインとの仮想の交点において中断されているのにもかかわらず、行ラインの部分領域の連続した電気接続が行われる。特に、1つの行ラインに対応付けられているすべての画素は、この行ラインの共通の端子によって電気的にコンタクト可能である。
【0017】
例えば、表示デバイスの上面図において、ブリッジ素子は、少なくとも1つの列ラインまたは少なくとも1つの別の行ラインと重なっている。
【0018】
ブリッジ素子は特に、あらかじめ作製された素子として接続支持体に、例えば、接着剤またははんだのような接合手段を介して固定されている。
【0019】
行ラインおよび列ラインは、例えば、電気的なコンタクトのための、例えば、画素を駆動制御するドライバとのコンタクトのための端子を有する。
【0020】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態では、表示デバイスは、接続支持体と、行ラインおよび列ラインを介して駆動制御可能な複数の画素とを有する。行ラインおよび列ラインは、接続支持体に構成されており、少なくとも1つの行ラインは、接続支持体における列ラインとの仮想の交点において中断されている。接続支持体には、仮想の交点において行ラインを導電的にブリッジするブリッジ素子が配置されている。
【0021】
例えば、行ラインおよび列ラインは、画素を駆動制御するドライバとの電気的なコンタクトのための端子を有し、行ラインはそれぞれ、線路を介して複数の端子の1つに接続されており、行ラインと所属の端子との間に設けられている行ラインは、ブリッジ素子によって乗り越えられている。
【0022】
したがって行ラインと列ラインとの間の交点のない経路が、2つの導電層間の電気絶縁層の形態の電気絶縁部を介さずに達成される。行ラインと列ラインとの間のこのような電気絶縁層は、省略可能である。これにより、行ラインおよび列ラインを有する接続支持体の構造が簡易化される。さらに接続支持体における層の個数が低減される。この関連において、接続支持体の部分層も、接続支持体に被着される層も、接続支持体における層と称される。
【0023】
行ラインおよび列ラインとの電気的に一続きのコンタクトは、行ラインと列ラインとが互いに交わることなく、接続支持体に配置されているブリッジ素子を介して行うことができる。このブリッジ素子は、接続支持体とは別にあらかじめ作製されることが可能であり、表示デバイスを作製する際にこれに固定可能である。
【0024】
さらに、重なることなく端子に線路を導くために、1つまたは複数のブリッジ素子を利用することができる。したがってドライバとの接続部は、行ラインおよび列ライン用の導電層に組み込み可能である。
【0025】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、行ラインおよび列ラインは、接続支持体の上面図において、互いに重なり合うことなく構成されている。特に行ラインと列ラインとは、どの箇所においても重なり合っていない。表示デバイスを作製する際に、行ラインおよび列ラインは、例えば、接続支持体の導電層、または接続支持体における導電性コーティングの形態で、ただ1つの導電層によって接続支持体に形成されていてよい。
【0026】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、ブリッジ素子は、表示デバイスの動作時に同じ電位にありかつ同じ行ラインに導電接続されている2つのコンタクトを有する。特に、複数のコンタクトのそれぞれ1つは、行ラインの複数の部分領域の1つに導電接続されており、行ラインのこれらの部分領域は、ブリッジ素子がなければ互いに導電接続されていないことになる。
【0027】
ブリッジ素子の2つのコンタクト間では、電圧降下はないか、または少なくとも実質的な電圧降下はない。例えば、2つのコンタクト間ではブリッジ素子にブリッジパスが構成されている。特に、ブリッジパスは、無視できるオーム抵抗を有する電気線路によって形成される。
【0028】
最も簡単な場合、ブリッジ素子は、ちょうど2つのコンタクトを有する。この場合、ブリッジ素子は、2つのコンタクト間の導電接続の機能だけを有する。
【0029】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、ブリッジ素子は、ビームを生成するために設けられている少なくとも1つの活性領域を有する。ビームは、例えば可視、紫外または赤外スペクトル領域内にある。例えば、活性領域は、発光ダイオードの一部である。活性領域は、例えば、表示装置の画像または副画素を形成する。有利には、活性領域は、ブリッジ素子の複数のコンタクトおよび別のコンタクトに導電接続されている。この別のコンタクトは特に、表示デバイスの列ラインに導電接続されている。特に、ブリッジ素子のブリッジパスは、ブリッジ素子の活性領域を通って延在していない。例えば、表示デバイスのすべての画素は、ブリッジ素子によって形成されており、1つのブリッジ素子は、1つまたは複数の画素を形成する。
【0030】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、ブリッジ素子は、それぞれ1つの画素または画素の副画素を形成する複数の活性領域を有する。画素の総数が同じ場合、より多くの画素が1つのブリッジ素子を形成するにしたがって、それだけ少ないブリッジ素子が必要になる。
【0031】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、ブリッジ素子は、少なくとも1つの電子素子を有する。例えば、電子素子は、トランジスタまたはコンデンサである。特に、電子素子は、ブリッジ素子の少なくとも1つの活性領域を駆動制御するために、例えば、アクティブマトリクス回路によって駆動制御するために構成されている。
【0032】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、ブリッジ素子は、少なくとも1つの画素が構成されている中間支持体を有する。例えば、中間支持体は、所属の行ラインとは反対側の面にコンタクトを有する。
【0033】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、中間支持体は、複数のビアを有し、少なくとも1つの画素は、接続支持体とは反対側を向いた、中間支持体の面に構成されている。例えば、ブリッジパスも、接続支持体とは反対側を向いた、中間支持体の面に構成されている。例えば、2つのビアは、コンタクトへの導電接続に使用される。さらに、1つまたは複数のビアが、別の1つのコンタクトもしくは別の複数のコンタクトとの電気接続のために設けられていてよい。
【0034】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、表示デバイスの断面図において、ブリッジ素子および/または少なくとも1つの画素が、接続支持体と、複数の行ラインの1つとの間に配置されている。例えば、行ラインおよび列ラインは、平坦なコンタクト部によって電気的に画素にコンタクトする。このために、接続支持体にブリッジ素子を前もって固定した後、行ラインおよび列ラインを構成するための導電性コーティングが接続支持体に被着される。表示デバイスの上面図において、少なくとも1つの行ラインは、ブリッジ素子と重なっている。特に、同一の行ラインの2つの部分領域は、ブリッジ素子と重なっている。
【0035】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、ブリッジ素子および/または少なくとも1つの画素は、接続支持体とは反対側を向いた、複数の行ラインのうちの1つの行ラインの面に配置されている。この場合、行ラインおよび列ラインは有利には、ブリッジ素子が接続支持体に固定されかつ導電的にコンタクトされる前に、接続支持体にすでに設けられている。
【0036】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、接続支持体は、動作時に画素によって放射されるビームに対して透過である。例えば、接続支持体は、ガラス、または例えばポリマーシートの形態の透過性プラスチックを含む。
【0037】
例えば、接続支持体、特に、画素とは反対側を向いた接続支持体の面は、表示デバイスのビーム出射面を形成する。
【0038】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、画素には、行ラインよりも多くの列ラインが対応付けられているか、またはその逆である。例えば、画素は、アクティブマトリクス回路に配置されており、かつそれぞれの画素には、ちょうど1つの行ラインと、複数の列ライン、例えば3つの列ラインとが対応付けられている。
【0039】
ちょうど1つの行ラインまたはちょうど1つの列ラインを有する配置構成により、仮想の交点の個数が最小化される。これにより、画素の総数が同じままで、またそれぞれのブリッジ素子当たり画素の個数が同じままで、必要なブリッジ素子の個数を最小化することも可能である。
【0040】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、表示デバイスは、少なくとも3つの側面において、例えば、ちょうど3つの側面において、またはすべての側面においても、行ラインおよび列ラインの電気的なコンタクトのための端子を有しない。表示デバイスは、大きな表示ユニットを得るために、線路を有しない側面に沿って容易に互いに並べられてよい。
【0041】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、行ラインおよび列ラインの電気的なコンタクトのための端子は、表示デバイスのちょうど1つの側面に沿って配置されている。このことが意味するのは、行ラインおよび列ライン用のすべての端子が、表示デバイスの一方の面からアクセス可能であることである。これにより、行ラインおよび列ラインの電気的なコンタクトが簡易化される。例えば、表示デバイスは、3つの側面において、行ラインおよび列ラインの電気的なコンタクトのための端子を有しない。
【0042】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、行ラインはそれぞれ、1つの線路を介して複数の端子の1つに接続され、複数の線路は、重なることなく、行ラインへと延在している。例えば、行ラインと、所属の端子との間に設けられている行ラインは、ブリッジ素子によって乗り越えられる。線路は有利には、重なることなく、行ラインへと、また列ラインへと延在している。したがって線路、列ラインおよび行ラインは、接続支持体におけるただ1つの共通の導電層に構成されていてよい。
【0043】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、表示デバイスのビーム出射面とは反対側を向いた面に、行ラインおよび列ラインを駆動制御するドライバが配置されており、表示デバイスのすべての側面は、行ラインおよび列ライン用の端子を有しない。これらのような表示デバイスは、互いに垂直な2つの方向に沿って並んで容易に配置可能であり、これにより、表示デバイスのサイズは、これらのような複数の表示デバイスを使用することにより、基本的に画素の個数について制限されることがない。
【0044】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、行ラインはそれぞれ、1つの線路を介してドライバに接続されており、複数の線路は、重なることなく、行ラインに、かつ/または列ラインに延在している。したがってドライバとの接続部は、行ラインおよび列ライン用の導電層に組み込み可能である。
【0045】
表示デバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、線路は、コネクタを介してドライバに接続されており、コネクタは、行ラインに対して平行な方向にドライバよりも大きな寸法を有し、コネクタは、表示デバイスの上面図において少なくとも、内側にあるすべての列ラインにわたって延在している。本発明において内側にある列ラインとは、表示デバイスの縁部に位置していない列ラインのことをいう。言い換えると、それぞれ表示デバイスの最初の列ラインおよび最後の列ラインは、内側にある列ラインではない。コネクタにより、列ラインに対して垂直方向の、ドライバの横方向の寸法が、表示デバイスの横方向の寸法よりも小さい場合であっても、列ラインを容易にコンタクトさせることができる。例えば、コネクタは、ドライバのケーシングに組み込まれている。
【0046】
本発明ではさらに、複数の表示デバイスを有する表示ユニットが示される。これら表示デバイスはそれぞれ、上記の実施形態の1つまたは複数の特徴的構成を有することができる。
【0047】
複数の表示デバイスをつなぎ合わせることにより、特に、隣接する2つの表示デバイスの隣の行間もしくは列間の比較的大きな間隔が識別されることなく、全体として、1つの方向に沿って、または互いに垂直に延在する2つの方向に沿って、画素の個数を増大させることができる。
【0048】
本願は特に、行ラインおよび列ラインを構成するために、ただ1つの導電層、例えば金属から成る層を使用すると、表示デバイスが全体としてコスト的に有利に作製可能であるという着想に基づいている。ブリッジ素子内では、互いに絶縁された行ラインと列ラインとの交点に位置する従来の素子の場合よりもブリッジ素子の複雑さそれ自体が高いとしても、実質的により密なパッケージングに起因して、電気的なコンタクト部の交点のないガイドをコスト的に有利な実施可能である。
【0049】
さらに、必要な層の個数が少なくなることにより、表示デバイスにおける吸収損失を低減することができる。
【0050】
したがって、直交して延びる導体路を交点なしに案内するという課題は、表示デバイスの寸法を有する、接続支持体の平面において扱われるのではない。その代わりにブリッジは、素子の平面において、接続支持体とは別々に作製されるブリッジ素子おいて行われる。
【0051】
表示デバイスは特に、ディスプレイ、特に透明ディスプレイまたはビデオウォール用のピクセル化された光源として適している。一般にこの表示デバイスは、ピクセル化された放射が所望されかつマトリクス形で、例えばアクティブマトリクスとして、またはパッシブマトリクスとして駆動制御が行われるすべての装置に適している。
【0052】
別の実施形態および利点は、図面に関連する実施例の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1A】表示デバイスについての実施例を示す概略上面図である。
図1B】表示デバイスの一部分によって表示デバイスについての実施例を示す概略断面図である。
図2A】概略断面図の一部分によって表示デバイスの実施例を示す図である。
図2B】概略断面図の一部分によって表示デバイスの別の実施例を示す図である。
図2C】概略断面図の一部分によって表示デバイスのさらに別の実施例を示す図である。
図2D】概略断面図の一部分によって表示デバイスのさらに別の実施例を示す図である。
図2E】概略断面図の一部分によって表示デバイスのさらに別の実施例を示す図である。
図2F】概略断面図の一部分によって表示デバイスのさらに別の実施例を示す図である。
図3A】概略断面図の一部分によって表示デバイスのさらに別の実施例を示す図である。
図3B】概略断面図の一部分によって表示デバイスのさらに別の実施例を示す図である。
図3C】概略断面図の一部分によって表示デバイスのさらに別の実施例を示す図である。
図3D】概略断面図の一部分によって表示デバイスのさらに別の実施例を示す図である。
図3E】概略断面図の一部分によって表示デバイスのさらに別の実施例を示す図である。
図3F】概略断面図の一部分によって表示デバイスのさらに別の実施例を示す図である。
図4A】表示デバイスについての実施例を示す概略上面図である。
図4B】表示デバイスについての別の実施例を示す概略上面図である。
図5A】表示デバイスにおけるブリッジ素子および所属のコンタクト部についての実施例を示す上面図である。
図5B】表示デバイスにおけるブリッジ素子および所属のコンタクト部についての実施例を示すブリッジ素子の背面図である。
図5C】ブリッジ素子についての実施例を示す概略断面図である。
図5D】ブリッジ素子についての別の実施例を示す概略断面図である。
図6A図6Bに示した表示デバイスにおいて所属のコンタクト部を有するブリッジ素子についての実施例を示す背面図である。
図6B】ブリッジ素子によって3つの副画素が形成される実施例を示す図である。
図7A】ブリッジ素子についての実施例を示す背面図である。
図7B】ブリッジ素子についての実施例を示す上面図である。
図8A】電気的なコンタクト部を有する表示デバイスについての実施例を示す図である。
図8B図8Aによる複数の表示デバイスを有する表示ユニットについての実施例を示す図である。
図8C】電気的なコンタクト部を有する表示デバイスについての別の実施例を示す図である。
図8D図8Cによる複数の表示デバイスを有する表示ユニットについての実施例を示す図である。
図9A】表示デバイスについての実施例を示す概略上面図である。
図9B図9Aの部分97の拡大図である。
図9C】表示デバイスについての別の実施例を示す概略上面図である。
図9D図9Cの部分98の拡大図である。
図9E】背面に所属の電気的なコンタクト部を有するブリッジ素子についての実施例を示す図である
図10A】ドライバを有する表示デバイスについての実施例を示す概略断面図である。
図10B】ドライバを有する表示デバイスについての実施例を示す概略上面図である。
図10C】ドライバを有する表示デバイスについての別の実施例を示す概略上面図である。
図10D】ドライバを有する表示デバイスについての拡大上面図である。
【0054】
同じ、同種の、または同じ作用の要素には、複数の図面において同じ参照符号が付されている。
【0055】
図面は、それぞれ略図であり、したがって必ずしも縮尺通りではない。むしろ比較的小さな要素、また特に層厚は、わかりやすくするために誇張されて大きく示されていることがある。
【0056】
図1Aおよび図1Bに示された表示デバイス1は、複数の行ラインA1,A2,…を有する。行ラインA1,A2,…に対して垂直方向に列ラインB1,B2,…が延在している。行ラインA1,A2,…および列ラインB1,B2,…にはそれぞれ、表示デバイスの縁部から、端子8を介して電気的にコンタクト可能である。行ラインA1,A2,…と、列ラインB1,B2,…とが交わり得る箇所では、行ラインA1,A1,…も列ラインも一続きに構成され得る場合、行ラインA1,A2,…が中断される。
【0057】
図1Bには、行ラインA1が第1部分領域A1_1および第2部分領域A1_2を有する部分が断面図で示されている。これらの部分領域は、列ライン、例示的には列ラインB1の両側に設けられている。行ラインA1の部分領域A1_1とA1_2とは、表示デバイス1のブリッジ素子5によって電気的にブリッジされており、したがってブリッジ素子5を介して互いに導電接続されている。
【0058】
このためにブリッジ素子5は、複数のコンタクト51を有し、それぞれのコンタクトは、行ラインA1の一方の部分領域と重なっておりかつ導電接続されている。ブリッジ素子5は、コンタクト51を介して電気的に導通しておりかつ機械的に安定して、接続支持体2の行ラインA1に、例示的には接合手段59、例えばはんだまたは導電性接着剤によって接合されている。
【0059】
ブリッジ素子5の詳細は図1Bでは、図示を簡略化するために示されていない。例えば、ブリッジ素子は、図2Bに示されているように構成されている。ブリッジ素子5は、コンタクト51が互い導電的に接続されているブリッジパス55を有し、コンタクト51は、表示デバイスの動作時には同じ電位にある。さらに、ブリッジ素子5は、ビームを生成するためにも設けられる、例えば発光ダイオードの形態の活性領域6を有する。したがってブリッジパス55により、活性領域6を通過することなく、コンタクト51が互いに接続される。
【0060】
ブリッジパス55は、以下の実施例において、図示を簡略化するために一部では明示的には示されていない。
【0061】
図1Aに示された実施例において、行ラインA1,A2,…と列ラインB1,B2,…とのそれぞれの仮想の交点4にはこのようなブリッジ素子5が設けられている。本発明では、ブリッジ素子5のそれぞれの活性領域6により、表示デバイスの画素3が形成される。したがってn行m列の場合、表示デバイスは、n×m個のブリッジ素子5およびn×m個の単色の画素3を有する。画素3の駆動制御は、例えば、パッシブマトリクス駆動制御を介して行われ、これにより、それぞれの個別の画素は、所属の列ラインと所属の行ラインとの間に電圧を印加することにより、他の画素3とは無関係に駆動制御可能である。
【0062】
したがって行ラインに設けられているすべての画素3には、行ラインそれ自体は、接続支持体2上の列ラインB1,B2,…の領域においてそれぞれ中断されているのにもかかわらず、所属の行ラインを介してコンタクト可能である。ブリッジ素子5はそれぞれ、行ラインA1,A2,…と列ラインB1,B2,…との間の仮想の交点4に配置されている。特に、ブリッジ素子5はそれぞれ、行ラインおよび列ラインと重なっており、この行ラインもしくは列ラインと導電接続されている。
【0063】
別のブリッジ素子5は、端子8への線路に使用されていてよい。以下の実施例に関連して、このことを詳しく説明する。
【0064】
しかしながら説明される実施例とは異なり、ブリッジ素子の個数は、仮想の交点4の個数よりも、かつ/または画素3の個数よりも小さくてもよい。行ラインA1,A2,…の個数および/または列ラインB1,B2,…の個数も、画素3が配置されている行もしくは列の個数に等しくなくてもよい。
【0065】
図2Aには、ライン、例示的には列ラインB1を乗り越えるためにだけに使用されるブリッジ素子5の実施例が示されている。このブリッジ素子5は、コンタクト51間のブリッジパス55だけを有する。したがってこのブリッジ素子5は、行ラインの部分領域の電気的な接続を除けば、好適には無視できる電気抵抗を有するが、別の機能を有しない。
【0066】
図2Bに示された実施例では、ブリッジ素子5は、ブリッジパス55に加えて、ビームを生成するために設けられた活性領域6を有する。活性領域6は、コンタクト51および別のコンタクト52に導電接続されている。したがってブリッジパス55は、活性領域6を通って延在していない。
【0067】
ブリッジ素子5は、図2Cの実施例に示されているように、複数の活性領域6を有することも可能であり、これらの活性領域は、異なる画素または同じ画素に属していてよい。例えば、1つの活性領域6により、赤色のスペクトル領域のビームを生成するために設けられる副画素3Rが形成され、1つの活性領域により、青色のスペクトル領域のビームを生成するために設けられる副画素3Bが形成される。活性領域6はそれぞれ、別のコンタクトに52に導電接続されている。別のコンタクト52にはそれぞれ1つの列ラインB1もしくはB2が対応付けられている。ブリッジ素子5は付加的には、例えば、特に電子回路70の一部分として、コンデンサ72またはトランジスタ71の形態の1つまたは複数の電子素子7を有していてもよい(図2D)。
【0068】
回路70は、例えば、集積回路として構成されているか、または集積回路73を有する。
【0069】
例えば、ブリッジ素子5は、アクティブマトリクス回路によって1つまたは複数の画素を駆動制御する電子素子7を含んでいる。
【0070】
図2Eに示された実施例では、ブリッジ素子5は、回路70に加えて中間支持体58を有する。中間支持体58は、例えば、再配線層(Redistribution Layer)によって形成される。例えば、中間支持体58は、例えばポリマー製の絶縁層と、電気めっきされた、例えば銅から成る導体路とを有する再配線部を有する。
【0071】
このような中間支持体は、エンクロージャ技術において集積回路によく使用され、したがって簡単かつコスト的に有利に利用可能である。中間支持体58は、特に、ブリッジパス55を構成するためにも適している。
【0072】
図2Fには、ブリッジ素子5が,ソケット531および所属のコネクタ532を備えた構成を有するブリッジ素子5の実施例が示されている。図示された実施例では、ブリッジパス55はソケット531内に構成されている。択一的にはブリッジパスは、コネクタ532内に構成することも可能である。さらにソケット531かまたはコネクタ532は、接続支持体に固定可能である。
【0073】
図3A図3Fには、ブリッジ素子5の電気的なコンタクトの仕方の実施例が示されている。電気的なコンタクトのこれらの仕方は、ブリッジ素子5の実施形態についての上で説明した実施例と組み合わせ可能である。
【0074】
図3Aでは接合手段59が、接合層591により、例えばはんだにより、例えばはんだペーストの形態で、または導電性接着剤によって形成されている。このような材料は、印刷または調量供給によって被着可能である。
【0075】
図3Bに示された実施例では、ブリッジ素子5の電気的な接続および機械的な接合は、例えばはんだボールの形態の接合ボール592を介して行われる。これらのはんだボールは、表示デバイスを作製する際にあらかじめ、接合ボールから成るマトリクス(Ball Grid Array、BGAとも称される)の形態でブリッジ素子5に配置可能である。これにより、行ラインA1,A2,…と列ラインB1,B2,…との間の特に小さな間隔が実現可能である。
【0076】
図3Cに図示された実施例では、ブリッジ素子5の電気的なコンタクトは、コンタクト51,52と、行ラインA1,A2,…もしくは列ラインB1,B2,…との間の直接的なコンタクト、例えば、熱圧着を用いた直接的な金・金コンタクトによって行われる。択一的または付加的には、充填材料595、例えば非等方性の導電性材料を設けることができる。これにより、コンタクト51,52に対し、例えば、ほぼ10μmまでの特に小さなサイズが達成可能である。
【0077】
図3Dに示された実施例では、電気的なコンタクトは、先端部597を用いて行われる。先端部597は、ブリッジ素子5に、または接続支持体2に設けられてよい。
【0078】
ブリッジ素子5の配置は、例えば並列なチップ取り付けにより、例えばスタンプ、例えばポリジメチルシロキサン(略してPDMS)スタンプのいぼ状突起を用いて、またはLIFT(Laser Induced Forward Transfer)法を用いてよって行うことができる。これは、特に小さなブリッジ素子5および/または特に多くの個数のブリッジ素子5に適している。
【0079】
図3Eに示された実施例では、行ラインA1,A2,…および列ラインB1,B2,…は、平坦なコンタクト部の形態で被着されておりかつブリッジ素子5の対応するコンタクト51,52と重なっている。接続支持体2と、行ラインA1,A2,…および列ラインB1,B2,…との間には絶縁層21が配置されている。これにより、ブリッジ素子5のエッジを越えて、行ラインA1,A2,…および列ラインB1,B2,…を容易に案内することができる。
【0080】
したがってこの実施例では、行ラインA1,A2,…および列ラインB1,B2,…は、ブリッジ素子5が接続支持体2にあらかじめ配置されて特に固定された後、はじめて接続支持体2に構成される。接続支持体2は、ビーム透過性であってよく、これにより、ブリッジ素子5とは反対側を向いた、接続支持体2の面が、表示デバイス1のビーム出射面10を形成する。
【0081】
放射ビームは、図3Eでは矢印99によって示されている。
【0082】
付加的には図3Fに示されているように、別の素子の電気的なコンタクトに対し、例えば、1つもしくは複数の画素を備えた別のブリッジ素子5に対し、または表示デバイスのドライバに対し、被着された導電層が利用可能である。例えば、矢印99によって示されているように、互いに逆の2つの方向にビームを放射することができる。
【0083】
ドライバを配置する際には、光出射に使用されない面にドライバを被着することができる。これにより、ドライバは、ブリッジ素子5間に、または縁部に取り付ける必要がなく、その代わりに画素の上に直接に配置可能である。したがってドライバは、画素よりも格段に大きくてよいか、または複数の画素にわたって突出していてよい。さらにドライバは、表示デバイスの縁部に位置付けられる必要がなく、これにより、例えばビデオウォールの形態で、シームレスに互いタイル張りで、大きな1つの表示ユニットに多くの表示デバイスを配置することができる。
【0084】
図4Aおよび図4Bでは、それぞれ画素3が緑色、青色および赤色のスペクトル領域におけるビームに対する副画素を有する、表示デバイス1の実施例が示されている。図4Aに示された実施例では、それぞれの画素3は、3つの行ラインに接続されている。行ラインA1,A4,A7,…にはそれぞれ給電電圧が印加されている。行ラインA2,A5,A8,…はそれぞれ、アース線路である。行ラインA3,A6,A9,…はそれぞれ、駆動制御の際に画素3の個々のラインをアクティブ化することができる選択ラインを表している。列ラインB1,B4,B7,…は、緑色の光を放射する副画素3G用のデータ線路である。これに対応して、列ラインB2,B5,B8は、青色の光を放射する副画素3B用のデータ線路であり、列ラインB3,B6およびB9は、赤色の光を放射する副画素3R用のデータ線路である。したがって色情報は、個々の副画素について並列に伝送される。これにより、それぞれの画素3について全部合わせて、9個の仮想の交点4が生じる。
【0085】
図4Bに示された実施例では、それぞれの画素3は、それぞれ1つの行ラインだけに対応付けられている。列ラインB1,B4,B7はそれぞれ、緑色の光を放射する副画素、赤色の光を放射する副画素および青色の光を放射する副画素についてデータを順次に供給する。列ラインB2,B5,B8はそれぞれ給電電圧を供給し、また列ラインB3,B6,B9はアース線路である。いくつかの行ラインは、画素のそれぞれの行についての選択ラインとして使用される。これにより、画素3当たりの仮想の交点4の個数が3個に減少する。当然のことながら、列ラインの個数が行ラインの個数よりも少ない場合、仮想の交点の減少を同様に行うことができる。
【0086】
図5Aおよび図5Bに示された実施例では、ブリッジ素子5は、3つの活性領域6を有し、これらの活性領域6はそれぞれ、赤色のスペクトル領域において発光する副画素3R、緑色のスペクトル領域において発光する副画素3G、および青色のスペクトル領域において発光する副画素3Bを形成する。図5Bに示されている、ブリッジ素子5の背面には、行ライン、例えば行ラインA1にコンタクトするためのコンタクト51と、列ライン、例えば列ラインB1,B2およびB3にコンタクトするための別のコンタクト52とが設けられている。これらのコンタクトは、ビアを介し、中間支持体の前面にある活性領域6に導電接続されている。ブリッジパス55も同様に前面に構成されている。これにより、ブリッジパス55と列ラインB1,B2,B3との間の電気的な短絡の危険性が回避される。
【0087】
図5Cおよび図5Dには、活性領域6を備えた半導体チップ65、特にLED半導体チップの2つの実施例が示されている。図5Cに示された実施例では、半導体チップ65のコンタクト面651は、半導体チップと同じ側に配置されている。コンタクト面651にはそれぞれ、ビア581を介し、中間支持体58の背面から中間支持体58を通ってアクセス可能である。
【0088】
図5Dに示された実施例では、半導体チップ65のコンタクト面651は、この半導体チップの両面に配置されている。半導体チップ65は、電気絶縁性の分離層67によって取り囲まれている。中間支持体58とは反対側を向いた、半導体チップ65の面に配置されているコンタクト面651は、接続線路66を介してビア581に接続されている。接続線路66は、例えば、平坦なコンタクト部によって形成されている。
【0089】
図6Aおよび図6Bには、それぞれのブリッジ素子5が副画素3R,3G,3Bを形成する実施例が示されている。ブリッジ素子5はそれぞれ、コンタクト51、例えばアノードと、別のコンタクト52、例えばカソードとを有する。図2Bに関連して説明したように、ブリッジパスはコンタクト51間に延在するのに対し、画素3の活性領域6はそれぞれ、コンタクト51と別のコンタクト52との間の電流路に設けられている。
【0090】
活性領域6によって放射されるビームの波長を除けば、副画素3R,3G,3Bは、同様に構成可能である。これらのようなブリッジ素子5により、パッシブマトリクス配置構成を有するフルカラー表示デバイスが、容易かつコスト的に有利に実現可能である。
【0091】
図7Aおよび図7Bには、ブリッジ素子5によって複数の画素3、例えば、それぞれ3つの副画素3R,3G,3Bを有する2×2画素、すなわち全部合わせて12個の活性領域を有する複数の画素が提供される実施例が示されている。電気的なコンタクトは、6個の行ラインA1~A6と、2つの列ラインB1,B2とを介して行われ、列ラインB1およびB2は、ブリッジ素子5により、短絡することなく、すべての行ラインA1~A6によって乗り越えられており、したがってすべての行ラインA1~A6は、導電的にブリッジされている。
【0092】
このようなブリッジ素子5については、例えば、フリップ・チップ幾何学形状(図5Cを参照されたい)において、ガラス・中間支持体に半導体チップを配置することができる。表面実装技術(SMT:Surface Mounted Technology)で構成されるブリッジ素子5は、例えば、行ラインおよび列ラインとの電気的なコンタクトのために接続ボールを背面に有していてよい。
【0093】
図8Aには表示デバイス1の実施例が示されており、この実施例では、行ラインA1,A2,…用の端子8と、列ラインB1,B2,…用の端子8とが、互いに垂直方向に延在する、表示デバイスの2つの側面15に構成されている。これらの端子8は、例えばフレキシブルプリント基板を介してドライバ9に導電接続される。
【0094】
それぞれ互いに90°だけ回転されるこれらのような4つの表示デバイスを使用することにより、図8Bに示されているような表示ユニット100が実現可能である。例えば、表示デバイス1毎の16×32個のドライバにより、最大2048個のRGB画素または6144個の単色の画素を有する表示ユニット100が実現可能である。複数の表示デバイス1を使用することによる表示ユニット100のさらなる拡張は、この実施例では、容易に行うことはできない。
【0095】
これとは異なり、図8Cに示された実施例では、行ラインA1,A2,…および列ラインB1,B2,…の端子8は、表示デバイス1の1つの側面においてアクセス可能である。したがって、図8Dに示されているような表示デバイス1により、表示デバイスから成る2つの行と任意の個数の列とを有する表示ユニット100を実現することができる。
【0096】
図9A図9Eに基づき、行ラインの電気的なコンタクトの仕方を詳しく説明する。図9Aに示されているように行ラインA1,A2,…はそれぞれ、線路Z1,Z2、Z3を介して、所属の端子8に接続されている。線路Z1,Z2,Z3は実質的に、列ラインB1,B2,…に対して平行に延在している。
【0097】
図9Bには、図9Aの部分97が拡大されて示されている。この部分97には、図6に関連して説明したように、副画素3R,3G,3Bについてのブリッジ素子5が構成されている。付加的には、線路、例示的には線路Z2を乗り越えるブリッジ素子5が設けられている。
【0098】
したがって線路Z1,Z2,…は、行ラインA1,A2,…および列ラインB1,B2,…と重なることなく構成可能である。したがって線路Z1,Z2,…に別の導電層は不要である。
【0099】
図9Cと、図9Cの部分98の拡大図を示す図9Dとに示された実施例では、ブリッジ素子5は、実質的に図5Bに関連して説明したように構成されている。
【0100】
図5Bとは異なり、図9ではブリッジ素子5の2つのコンタクト間に、例示的には複数のコンタクト51の1つと、複数の別のコンタクト52の1つとの間に空きスペース54が設けられている。空きスペースの領域において線路は、ブリッジ素子5の下を通って案内されている。
【0101】
このことは、図9Eに示されているように、例えば図7Aに関連して説明したように構成されているブリッジ素子5にも同様に適用される。
【0102】
図10A図10Dには、ビーム出射面10とは反対側を向いた、接続支持体2の面にドライバ9がそれぞれ配置されている表示デバイスの実施例が示されている。ドライバ9は、例えば、端子コネクタ85を介し、例えば接続ボール(BGAボール)の形態で接続支持体2に接続されている。
【0103】
しかしながら一般に、図10Bに示されているように、このようなドライバの寸法は、接続支持体2の寸法よりも、ひいては表示デバイス1の寸法よりも小さい。これにより、すべての行ラインA1,A2,…および列ラインB1,B2,…を直接にドライバに接続することはできない。
【0104】
図10Cには、ドライバ9が、コネクタ95を介して接続支持体2に導電接続されている実施例が示されている。コネクタ95は、例えば、ドライバ9のケーシングに組み込まれている。したがってコネクタは、接続支持体2と、実際のドライバ9と間の再配線層を形成している。この実施例では、コネクタ95は、接続支持体のほぼ全体幅にわたって延在しており、これにより、すべての列ラインは、端子8を介して電気的にコンタクト可能である。コネクタ95と重なっていない行ラインは、図10Dに示されているように線路Zを介して電気的にコンタクト可能である。ドライバ9の外部給電は、例えばプラグインコネクタ96、例えばプラグまたはソケットを介して行われる。接続支持体2の上面図において、プラグインコネクタ96は、接続支持体2と完全に重なっている。このような表示デバイス1は、ドライバ9との電気的なコンタクトのためのスペースを側面に必要とせず、これにより、表示デバイス1は、互いに垂直方向に延在する2つの方向に沿って互いに縁部なしに配置可能である。これにより、表示デバイス1の個数を増やすことによって表示ユニット100の画素数を実質的に任意に増大させることができる。
【0105】
本願は、ドイツ国特許出願第102019126859.1号明細書の優先権を主張するものであり、その開示内容は、引用によってここに取り込まれるものとする。
【0106】
本発明は、実施例に基づく説明によって限定されない。むしろ本発明には、あらゆる新たな特徴および特徴のあらゆる組み合わせが含まれるのであり、これには、特に、特許請求の範囲における特徴的構成のあらゆる組み合わせが含まれており、このことは、この特徴または組み合わせそれ自体が、特許請求の範囲または実施例において明示的に示されていない場合であっても当てはまるものである。
【符号の説明】
【0107】
1 表示デバイス
10 ビーム出射面
100 表示ユニット
15 側面
2 接続支持体
21 絶縁層
3 画素
3R,3G,3B 副画素
4 仮想の交点
5 ブリッジ素子
51 コンタクト
52 別のコンタクト
54 空きスペース
55 ブリッジパス
58 中間支持体
581 ビア
59 接合手段
591 接合層
592 接合ボール
595 充填材料
597 先端部
6 活性領域
65 半導体チップ
651 コンタクト面
66 接続線路
67 分離層
7 電子素子
70 回路
71 トランジスタ
72 コンデンサ
73 集積回路
8 端子
85 端子コネクタ
9 ドライバ
95 コネクタ
96 プラグインコネクタ
97 部分
98 部分
99 矢印
A1,A2,… 行ライン
A1_1 部分領域
A1_2 部分領域
B1,B2,… 列ライン
Z,Z1,Z2,… 線路
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10A
図10B
図10C
図10D
【国際調査報告】