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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-12
(54)【発明の名称】チューブ固定システム
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/02 20060101AFI20221205BHJP
   A61M 25/02 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
A61F13/02 A
A61M25/02 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521189
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(85)【翻訳文提出日】2022-04-08
(86)【国際出願番号】 IB2020058843
(87)【国際公開番号】W WO2021069995
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】62/913,796
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】シエラッキ,ジェームズ エム.
(72)【発明者】
【氏名】スキーベル,クリスタル ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA33
4C267BB24
4C267BB40
4C267CC01
4C267GG14
4C267HH08
(57)【要約】
本開示のテープシステムは、第1のテープ及び第2のテープを備え、それぞれのテープが、チューブなどのデバイスを固定するために相互作用する接着剤を有する。第1のテープ及び第2のテープはそれぞれ、長手方向に延びている中間セクション及び横方向に延びている脚部を有する。第1のテープがデバイスに重なっている一方で、第2のテープはデバイスの下にあるが、第2のテープの脚部は第1のテープの脚部に重なっている。第1のテープと第2のテープとのこの重なり合った接続は、チューブを強固に固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のテープであって、
接着剤を有する第1の表面及び前記第1の表面の反対側にある第2の表面と、
長手方向に延びており、第1の端部及び第2の端部を有する中間セクションと、
前記第1の端部において前記中間セクションから第1の横方向に延びている第1の脚部と、
前記第2の端部において前記中間セクションから前記第1の横方向に延びている第2の脚部と、
を備える、第1のテープと、
第2のテープであって、
接着剤を有する第1の表面及び前記第1の表面の反対側にある第2の表面と、
長手方向に延びており、第1の端部及び第2の端部を有する中間セクションと、
前記第1の端部において前記中間セクションから第1の横方向に延びている第1の脚部と、
前記第2の端部において前記中間セクションから前記第1の横方向に延びている第2の脚部と、
を備える、第2のテープと、
を備える、テープシステムであって、
前記第2のテープが、前記第1のテープの前記第1の横方向が前記第2のテープの前記第1の横方向に対向している状態で、前記第1のテープの上に適用され、
前記第1のテープの前記中間セクションが、前記第2のテープの前記中間セクションと位置合わせされるが、前記第2のテープの前記中間セクションから間隔が空いている、
テープシステム。
【請求項2】
前記第1のテープにおける前記長手方向及び前記第1の横方向が、互いに垂直である、請求項1に記載のテープシステム。
【請求項3】
前記第1のテープの前記中間セクションが、直線状に延びている、請求項1に記載のテープシステム。
【請求項4】
前記第1のテープの前記中間セクションが湾曲している、請求項1に記載のテープシステム。
【請求項5】
前記第1のテープが、前記中間セクションを横切って横方向に延びている1組のミシン目を有する、請求項1に記載のテープシステム。
【請求項6】
前記第2のテープが、前記第2のテープの前記第1の脚部が前記第1のテープの前記第2の脚部の上に適用された状態で、かつ前記第2のテープの前記第2の脚部が前記第1のテープの前記第1の脚部の上に適用された状態で、前記第1のテープの上に適用されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のテープシステム。
【請求項7】
前記第1のテープ及び前記第2のテープのうちの少なくとも1つが、補強層を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のテープシステム。
【請求項8】
前記第1のテープと前記第2のテープとが同一である、請求項1~7のいずれか一項に記載のテープシステム。
【請求項9】
デバイスが、前記第1のテープの前記中間セクションと前記第2のテープの前記中間セクションとの間に延びている、請求項1~8のいずれか一項に記載のテープシステム。
【請求項10】
前記第1のテープの前記中間セクションが、前記デバイスに重なっており、前記第2のテープの前記中間セクションが、前記デバイスの下にある、請求項9に記載のテープシステム。
【請求項11】
前記デバイスがチューブである、請求項9又は10に記載のテープシステム。
【請求項12】
ドレッシング材であって、
本体層を囲む外辺部によって画定される、第1の主面及び前記第1の主面の反対側にある第2の主面であって、前記第2の主面が接着剤を含む、第1の主面及び第2の主面、
を備える、ドレッシング材と、
請求項1~11のいずれか一項に記載のテープシステムと、
を備える、ドレッシングシステムであって、前記テープシステムの少なくとも一部分が、前記ドレッシング材の前記第1の主面の上に重なっている、
ドレッシングシステム。
【請求項13】
前記第1のテープの前記第1の表面全体が、前記ドレッシング材の前記第1の表面の上に重なっている、請求項12に記載のドレッシングシステム。
【請求項14】
前記ドレッシング材の前記第2の表面が、基材の上に重なっており、前記テープシステムの少なくとも一部分が、前記基材の上に重なっている、請求項12又は13に記載のドレッシングシステム。
【請求項15】
前記基材が皮膚である、請求項14に記載のドレッシングシステム。
【請求項16】
デバイスを基材に固定する方法であって、
請求項1に記載の前記第1のテープの前記中間セクションにある前記接着剤を、前記第1のテープの前記第1の脚部及び前記第2の脚部が前記デバイスに隣接し、かつ前記基材の上に重なっている状態で、前記デバイスの一部分の上に適用する工程と、
請求項1に記載の前記第2のテープの前記中間セクションを、前記接着剤が前記基材に向いている状態で、前記デバイスの一部分の下に適用する工程と、
を含み、前記第2のテープの前記第1の脚部が、前記第1のテープの前記第2の脚部の上に重なっており、前記第2のテープの前記第2の脚部が、前記第1のテープの前記第1の脚部の上に重なっており、前記デバイスが、前記第1のテープの前記中間セクションと、前記第2のテープの前記中間セクションとの間に延びている、
方法。
【請求項17】
前記デバイスの一部分の上にドレッシング材を適用する工程を更に含む方法であって、前記ドレッシング材が、
本体層を囲む外辺部によって画定される、第1の主面及び前記第1の主面の反対側にある第2の主面、を備え、前記第2の主面が、接着剤を含み、前記第2の主面が、前記基材の上に重なっている、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ドレッシング材が、前記第1のテープ及び前記第2のテープを適用する前に、前記デバイスの前記一部分の上に適用される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記デバイスがチューブである、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記基材が皮膚である、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
1)ドレッシング材であって、
本体層を囲む外辺部によって画定される、第1の主面及び前記第1の主面の反対側にある第2の主面であって、前記第2の主面が、接着剤を含む、第1の主面及び第2の主面、
を備える、ドレッシング材と、
第1のテープであって、
接着剤を有する第1の表面及び前記第1の表面の反対側にある第2の表面と、
長手方向に延びており、第1の端部及び第2の端部を有する中間セクションと、
前記第1の端部において前記中間セクションから第1の横方向に延びている第1の脚部と、
前記第2の端部において前記中間セクションから前記第1の横方向に延びている第2の脚部と、を備え、
前記第1のテープの第1の表面全体が、フィルムの前記第1の主面の上に重なっている、第1のテープと、
2)第2のテープであって
接着剤を有する第1の表面及び前記第1の表面の反対側にある第2の表面と、
長手方向に延びており、第1の端部及び第2の端部を有する中間セクションと、
前記第1の端部において前記中間セクションから第1の横方向に延びている第1の脚部と、
前記第2の端部において前記中間セクションから前記第1の横方向に延びている第2の脚部と、
を備える、第2のテープと、
を備える、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療用物品を患者の身体に固定するための、特に、様々なカテーテルシステム、チューブ、又は他の細長いデバイスを患者の身体に固定するための医療用物品固定システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チューブ及びカテーテルは、患者に流体を導入するため、又は患者から流体を除去するために、患者の皮膚を通して挿入される。チューブは、チューブが患者から滑り出るのを防ぐために、固定される必要がある。一般に、チューブを患者の皮膚に保持するために、外科用テープ又は縫合糸が使用される。
【0003】
1つの非常に一般的なタイプのチューブは、静脈内(IV)カテーテルである。IVカテーテルは、患者の血流に挿入される。IVカテーテルが静脈に挿入されている間のカテーテルの移動は、カテーテルの故障の主な原因となる。カテーテルは、静脈内を移動する際に、静脈の内壁を擦ったり突き刺したりすることによって、静脈を刺激する。カテーテルが繰り返し動くと、静脈の十分な炎症を引き起こす可能性があり、カテーテルを取り外し、次いで新しいカテーテルを、同じ静脈に沿った別の位置又は完全に別の静脈に挿入する必要が生じる。したがって、カテーテルなどのチューブのための効果的な固定システムが必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
本開示のテープシステムは、第1のテープ及び第2のテープを備え、それぞれのテープが、チューブなどのデバイスを固定するために相互作用する接着剤を有する。第1のテープ及び第2のテープはそれぞれ、長手方向に延びている中間セクション及び横方向に延びている脚部を有する。第1のテープがデバイスに重なっている一方で、第2のテープはデバイスの下にあるが、第2のテープの脚部は第1のテープの脚部に重なっている。第1のテープと第2のテープとのこの重なり合った接続は、チューブを強固に固定する。
【0005】
一実施形態では、テープシステムは、第1のテープ及び第2のテープを含み、各テープは、接着剤を含む第1の主面、及び第1の主面の反対側にある第2の主面を有する。第1のテープ及び第2のテープはそれぞれ、中間セクションを有し、第1の脚部及び第2の脚部は、中間セクションの第1の端部及び第2の端部から延びており、2つの脚部は、中間セクションに対して横方向に延びている。第1のテープは、第1のテープの第1の横方向が第2のテープの第1の横方向に対向するように、第2のテープの上に適用される。第1のテープの中間セクションと第2のテープの中間セクションとは、位置合わせされるが、互いに間隔が空けられる。
【0006】
更なる実施形態では、第2のテープは、第2のテープの第1の脚部が第1のテープの第2の脚部の上に適用された状態で、かつ第2のテープの第2の脚部が、第1のテープの第1の脚部の上に適用された状態で、第1のテープの上に適用される。
【0007】
一実施形態では、テープシステムは、デバイス及び基材の上に重なっているドレッシング材を含む。テープシステムの少なくとも一部分は、ドレッシング材に接着させることができる。テープシステムの少なくとも一部分は、基材に接着させることができる。いくつかの実施形態では、基材は皮膚である。
【0008】
一実施形態では、デバイスを基材に固定するための方法は、テープシステムをデバイスに適用する工程であって、第1のテープの中間セクションにある接着剤を、第1のテープの第1の脚部及び第2の脚部がデバイスに隣接し、かつ基材の上に重なっている状態で、デバイスの一部分の上に重ねる、工程と、請求項1に記載の第2のテープの中間セクションを、接着剤が基材に向いている状態で、デバイスの一部分の下に適用する工程と、を含む。第2のテープの第1の脚部が、第1のテープの第2の脚部の上に重なっており、第2のテープの第2の脚部が、第1のテープの第1の脚部の上に重なっており、デバイスが、第1のテープの中間セクションと、第2のテープの中間セクションとの間に延びている。
【0009】
更なる実施形態では、方法は、デバイスの上に、かつテープシステムの少なくとも一部分の下に、ドレッシング材を適用することを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、基材は皮膚である。
【0011】
一実施形態では、1)ドレッシングシステム及び第1のテープであって、第1のテープ全体がドレッシングフィルムの上に重なっている、ドレッシングシステム及び第1のテープと、2)第2のテープと、を含むキットが提供される。第1のテープ及び第2のテープは、テープシステムの実施形態における第1のテープ及び第2のテープの特徴を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】テープの第1の実施形態である。
【0013】
図2図1の線2-2を通る側面断面図である。
【0014】
図3】テープの代替的な実施形態である。
【0015】
図4】チューブを所定の位置に固定するテープシステムの実施形態である。
【0016】
図5】下にあるドレッシング材を有する図4のテープシステムである。
【0017】
上記の図面及び図は、本発明の実施形態を表しているが、説明において述べられるように、他の実施形態も想定される。全ての場合において、本開示は、限定ではなく代表例の提示によって、本発明を提示する。本発明の範囲及び趣旨に含まれる他の修正形態及び実施形態が当業者によって考案され得る。図は、縮尺どおりに描かれていないことがある。
【発明を実施するための形態】
【0018】
テープシステム
【0019】
本開示のテープシステム1は、第1のテープ100及び第2のテープ200を備え、それぞれのテープが、チューブなどのデバイスを固定するために相互作用する接着剤を有する。第1のテープ及び第2のテープはそれぞれ、長手方向に延びている中間セクション及び横方向に延びている脚部を有する。第1のテープがデバイスに重なっている一方で、第2のテープはデバイスの下にあるが、第2のテープの脚部は第1のテープの脚部に重なっている。第1のテープと第2のテープとのこの重なり合った接続は、チューブを強固に固定する。
【0020】
図1は、バッキング110を有する第1のテープ100の実施形態である。バッキング110は、第1の主面と、第1の主面の反対側にある第2の主面とを有する。バッキング110の第1の主面は、接着剤を有する。テープ100は、中間セクション150を有し、中間セクションは、第1の端部152及び第2の端部154を有する。第1の脚部160は、第1の端部152において中間セクション150から離れるように横方向180に延びており、第2の脚部170は、第2の端部154において中間セクション150から離れるように横方向180に延びている。中間セクション150は、横方向180に垂直な長手方向に延びている。この実施形態では、中間セクション150は、第1の脚部160及び第2の脚部170が「C」形状のテープ100を形成する同じ湾曲形状に沿って延びた状態で、湾曲している。この実施形態では、テープ100は対称である。脚部が同じ横方向に延びている限り、より広い部分及びより狭い部分、長さの異なる脚部、中間セクションと脚部との直線状、湾曲状、又は組み合わせの配置を有する非対称であるテープ100の他の形状及び構成を使用することができる。
【0021】
任意選択で、中間セクション150は、中間セクション150から離れる方に延びているタブ130及びタブ132を有する。中間セクション150は、任意選択で、中間セクション150を横切って横方向に延びている1組のミシン目140を含む。任意選択のタブ130及びタブ132、並びに任意選択の1組のミシン目140は、テープシステムの取り外しにおいて有益であり得る。
【0022】
図2は、テープ100の側面断面図を示しており、第1の主面112と、第1の主面112の反対側にある第2の主面114とを有する層としてバッキング110を示している。バッキング110の第1の主面112は、接着剤の層102を有する。いくつかの実施形態では、接着剤は、皮膚接着剤である。
【0023】
いくつかの実施形態では、バッキング110は、例えば、チューブ、又はより具体的にはカテーテルなどのデバイスを固定するためのテープ100に剛性及び/又は強度をもたらすための補強層120を含む複数の層を含むことができる。いくつかの実施形態では、補強層120が、第2の主面114に配置される。補強層は、視覚的に透明であり得るか、又はその存在を示す色を有し得る。
【0024】
図3は、バッキング310を有するテープ300の代替的な実施形態を示す。テープ100の「C」形状とは対照的に、テープ300は、より直線状の形状を有する。バッキング310は、第1の主面と、第1の主面の反対側にある第2の主面とを有する。バッキング310の第1の主面は、接着剤を有する。テープ300は、軸385に沿って長手方向に延びている中間セクション350を有し、この中間セクションは、第1の端部352及び第2の端部354を有する。第1の脚部360は、第1の端部352において中間セクション350から離れるように横方向380に延びており、第2の脚部370は、第2の端部354において中間セクション350から離れるように横方向380に延びている。長手方向は、横方向380に垂直である。この実施形態では、テープ300は対称である。脚部が同じ横方向に延びている限り、例えば、より広い部分及びより狭い部分、長さの異なる脚部、中間セクションと脚部との直線状、湾曲状、又は組み合わせの配置を有する非対称であるテープ300の他の形状及び構成を使用することができる。
【0025】
任意選択で、中間セクション350は、中間セクション350から離れる方に延びているタブ330及びタブ332を有する。中間セクション350は、任意選択で、中間セクション350を横切って横方向に延びている1組のミシン目340を含む。任意選択のタブ330及びタブ332、並びに任意選択の1組のミシン目340は、テープシステムの取り外しにおいて有益であり得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、バッキング310は、例えば、チューブ、又はより具体的にはカテーテルなどのデバイスを固定するためのテープ300に剛性及び/又は強度をもたらすための補強層320を含む複数の層を含むことができる。いくつかの実施形態では、補強層320は、バッキング310の第2の主面に配置される。
【0027】
図4は、第1のテープ100及び第2のテープ200を有するテープシステム1を示す。第2のテープ200は、第1のテープ100と実質的に同じである。第2のテープ200は、中間セクション並びに第1の脚部及び第2の脚部を含む。
【0028】
図4に示すように、第1のテープ100は、チューブ190の上にあり、基材30の上に重なっている。第2のテープ200は、チューブ190の下にあるが、第2のテープ200の第1の脚部及び第2の脚部は、テープ100の第1の脚部及び第2の脚部の上に配置されている。テープ100の中間セクションとテープ200の中間セクションとは、位置合わせされているが、例えば、チューブ190をテープ100の中間セクションとテープ200の中間セクションとの間に置くことを可能にするために、間隔が空いている。この構成では、テープシステム1は、チューブ190が基材から引き離されることを有利に防ぐことができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、テープシステム1におけるテープ100とテープ200とは同一である。テープ100とテープ200とを同一にすることの重要な利点は、カテーテル導入プロセス中に2つの異なるタイプのテープから選択する必要性を部分的に排除することによって、テープの適用を単純化することであり、カテーテル導入プロセスにおいて、テープシステムの適用の速度及び容易さは、患者及びカテーテル導入を行う医療専門家の両方にとって非常に価値がある。いくつかの状況では、テープシステムを形成するために必要なテープのタイプは、1つだけでよいので、包装、在庫管理、及びコストの面で追加の利点を得ることができる。
【0030】
いくつかの他の実施形態では、テープシステム1におけるテープ100とテープ200とは、同一ではない。例えば、テープ100及びテープ200は、他の可能な違い、又はそのような違いの組み合わせの中でも、形状、サイズ、材料、1組のミシン目が存在するかにおいて互いに異なっていてもよい。同一でないテープを使用するテープシステムは、例えば、テープシステムの適用に利用可能な皮膚表面の幾何学的要件が制限されている場合に、有用であり得る。
【0031】
図5は、図4に上述したテープシステム1と、下にあるドレッシング材500と、を含むドレッシングシステムを示す。ドレッシング材500は、外辺部560によって画定された本体層570を有し、本体層570は、第2の主面の反対側に第1の主面を有する。第2の主面は、接着剤を有する。示された実施形態では、本体層570の一部分は、支持層580を含む。ドレッシング材500は、チューブ190及び基材50の上に重なっている。チューブ190が静脈に挿入されたIVカテーテルである実施形態では、ドレッシング材500は、流体、微粒子、微生物などからの挿入部位の物理的保護を有益に提供することができる。示された実施形態では、テープシステム1の一部分は、ドレッシング材500の第1の主面に接着されており、また、テープシステム1の一部分は、基材50に接着されている。
【0032】
バッキング材料
【0033】
バッキング層110は、テープの機械的補剛をもたらす一方で、形状適合性及び快適な着用を可能にするのに十分な柔軟性をも可能にする任意の材料であり得る。バッキング材料は、フィルム、紙、又は織布、ニット、若しくは不織布などの布地層材料であり得る。バッキング材料は、弾性又は剛性であり得る。いくつかの実施形態では、バッキング層材料は、織布、ニット、又は不織布材料である。不織布材料の一例は、E.I.Dupont de Nemours&Company(Wilmington,Delaware)からSONTARAの商標で入手可能な、高強度不織布である。他の好適な不織布ウェブとしては、International Paper(Walpole,MN)の一部門であるVertacから入手可能な水流交絡ポリエステル布地が挙げられる。別の好適な不織布ウェブは、米国特許第5,230,701号に記載されている不織布エラストマーウェブである。バッキングは、高水蒸気透過性フィルムバッキングとすることができる。米国特許第3,645,835号は、そのようなフィルムの作製方法及びそれらの透過性を試験する方法を記載している。
【0034】
バッキングは、単層構成又は多層構成であり得る。いくつかの実施形態では、任意選択の補強層材料をバッキングと共に使用してもよい。補強材料は、厚い接着剤のように柔軟であっても、又は固体材料(例えば、紙若しくはフィルム)のように剛性であってもよい。例えば、米国特許第5,088,483号は、補強材料として永久接着剤を開示している。
【0035】
接着剤
【0036】
接着剤が含まれる場合、任意の数の接着剤をテープと共にドレッシング材上で使用することができる。好適な接着剤は感圧性であり、特定の実施形態では、水分蒸発を可能にする比較的高い水蒸気透過率を有する。好適な感圧接着剤としては、アクリレート系、ウレタン系、ヒドロゲル系、親水コロイド系、ブロックコポリマー系、シリコーン系のもの、ゴム系接着剤(天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ブチルゴムなどを含む)、並びにこれらの接着剤の組み合わせが挙げられる。接着剤成分は、粘着付与剤、可塑剤、レオロジー調整剤、並びに活性成分、例えば抗菌剤を含有していてもよい。
【0037】
感圧接着剤は、通常、適度に皮膚適合性があり、米国再発行特許第24,906号に記載されているアクリレートコポリマーのように「低アレルギー性」である。特に有用なものは、米国特許第4,737,410号に記載された97:3イソオクチルアクリレート:70:15:15イソオクチルアクリレートであるアクリルアミドコポリマー:エチレンオキシドアクリレート:アクリル酸ターポリマーである。更なる有用な接着剤は、米国特許第3,389,827号、同第4,112,213号、同第4,310,509号、及び同第4,323,557号で説明されている。米国特許第4,310,509号及び同第4,323,557号に記載のように、薬剤又は抗菌剤が接着剤に含まれることも想到される。
【0038】
シリコーン接着剤もまた使用することができる。一般的に、シリコーン接着剤は、皮膚への好適な接着力と同時に、皮膚からの穏やかな除去を提供できる。好適なシリコーン接着剤は、PCT国際公開第2010/056541号及び同第2010/056543号に開示されており、これらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0039】
本開示の接着剤層は、フラッドコーティングするか、又はパターンコーティングすることができる。接着層は、好ましくは、より良好な蒸気透過を可能にするためにパターンコーティングされている。有用なパターンコーティングの例は、米国特許第4,595,001号に記載されている。
【0040】
ドレッシング材
【0041】
いくつかの実施形態では、本開示の好適なドレッシング材は、薄く、可撓性のある、透明なポリマーフィルム本体層を含む。いくつかの実施形態では、ドレッシング材は、支持材料を更に含む。一般に、支持層材料としては、弾性フィルム、非弾性フィルム、不織布繊維ウェブ、織布繊維ウェブ、ニット、及びポリエチレン/ビニルアセテートコポリマーでコーティングされた紙及びポリエステルフィルムを挙げることができるが、これらに限定されない。好適なドレッシング材の例は、例えば、国際公開第2019/073326号、米国特許出願公開第2016/0015570号、及び米国特許仮出願第62/827,400号「A Conformable Dressing」(2019年4月1日出願)に見られる。市販の医療用ドレッシング材の一例は、TEGADERM IV ADVANCED DRESSING(3M Company(St.Paul,MN))である。
【0042】
剥離ライナー
【0043】
いくつかの実施形態では、本開示のテープ及びドレッシング材は、皮膚接着剤層(例えば、図2の接着層202)上に配置された剥離ライナーフィルムを含む。剥離ライナーは、クラフト紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、又はこれら材料のうちのいずれかの複合材で作製できる。フィルムは、好ましくは、フルオロケミカル又はシリコーンなどの、剥離剤でコーティングされている。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,472,480号は、低表面エネルギーペルフルオロ化合物ライナーを記載している。ライナーは、シリコーン剥離材でコーティングされた紙、ポリオレフィンフィルム、又はポリエステルフィルムである。市販のシリコーンコーティングされた剥離紙の例としては、Rexam Release(Bedford Park,Ill.)より入手可能なシリコーン剥離紙、POLYSLIK(商標)、及びLoparex Group(Willowbrook,Ill.)により供給されるシリコーン剥離紙がある。
【0044】
キット
【0045】
いくつかの実施形態では、1)本体層を囲む外辺部によって画定される、第1の主面及び第1の主面の反対側にある第2の主面であって、第2の主面が皮膚適合性接着剤を含む、第1の主面及び第2の主面、を備えるドレッシング材であって、本開示の第1のテープがドレッシング材の第1の主面の上に重なっている、ドレッシング材と、2)本開示の第2のテープと、を含む、キットが提供される。いくつかの実施形態では、第1のテープの第1の表面全体が、ドレッシング材の第1の主面の上に重なっている。いくつかの実施形態では、ドレッシング材の本体の一部分が支持層を含み、第1のテープの第1の表面全体が支持層の上に重なっている。
【0046】
キットは、ドレッシング材及び第1のテープを、基材に挿入されたデバイスの上に一緒に適用すること、及び、第2のテープを、第2のテープの第1の脚部が第1のテープの第2の脚部の上に適用されている状態で、第2のテープの第2の脚部が第1のテープの第1の脚部の上に適用されている状態で、かつデバイスが第1のテープの中間セクションと第2のテープの中間セクションとの間に延びている状態で、デバイスの下に適用すること、を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、キットの第1の構成要素及び第2の構成要素は、患者への構成要素の適用を単純化するために、単一の剥離ライナー上に配置することができる。
【0047】
図に示される各実施形態は、本開示のテープシステム及びドレッシングシステムの種々の特徴の説明を明確にするために別個の実施形態として説明されている。しかしながら、図に示され、本明細書中に記載されるいずれの実施形態の要素及び特徴のあらゆる組み合わせを本開示のテープシステム及びドレッシングシステムに用いることができることは理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】