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特表2022-551676表示バックプレーン及びその製造方法、表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-13
(54)【発明の名称】表示バックプレーン及びその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20221206BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20221206BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G09F9/30 310
G09F9/33
G09F9/00 338
G09F9/30 348A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020570027
(86)(22)【出願日】2019-08-16
(85)【翻訳文提出日】2020-12-15
(86)【国際出願番号】 CN2019100920
(87)【国際公開番号】W WO2021030927
(87)【国際公開日】2021-02-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】リャン チーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ インウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ユエ ハン
(72)【発明者】
【氏名】シュアン ミンファ
(72)【発明者】
【氏名】マイ シュアンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ ツァンフェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ク
(72)【発明者】
【氏名】ワン フージュアン
(72)【発明者】
【氏名】ユアン グアンカイ
(72)【発明者】
【氏名】ルー ツィジュン
(72)【発明者】
【氏名】ルー シンホン
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA21
5C094AA43
5C094BA03
5C094DA13
5C094DA15
5C094DB01
5C094FA01
5C094FA02
5C094FA03
5C094FB01
5C094FB02
5C094FB04
5C094FB12
5C094FB15
5C094HA08
5C094JA08
5C094JA09
5G435AA16
5G435AA17
5G435BB04
5G435CC09
5G435HH12
5G435HH14
5G435KK05
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
表示バックプレーンであって、基板と、基板上に設けられた複数の駆動電極と、複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極上に設けられた接続構造と、を含み、接続構造の前記基板における正投影は、対応する駆動電極の前記基板における正投影内に位置する。接続構造は、少なくとも1つの導電部を含み、該少なくとも1つの導電部は、対応する前記駆動電極と第1挟角をなして設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示バックプレーンであって、
基板と、
前記基板上に設けられた複数の駆動電極と、
前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極上に設けられた接続構造と、を含み、
前記接続構造の前記基板における正投影は、対応する前記駆動電極の前記基板における正投影内に位置し、
前記接続構造は、少なくとも1つの導電部を含み、前記少なくとも1つの導電部が、対応する前記駆動電極と第1挟角をなして設けられる、
表示バックプレーン。
【請求項2】
前記第1挟角の値の範囲は85°~95°である、
請求項1に記載の表示バックプレーン。
【請求項3】
前記接続構造は、前記少なくとも1つの導電部に接続された底部をさらに含み、前記底部が、対応する前記駆動電極と直接接触する、
請求項1に記載の表示バックプレーン。
【請求項4】
同一の前記接続構造の前記少なくとも1つの導電部と前記底部とは、一体構造である、
請求項3に記載の表示バックプレーン。
【請求項5】
前記少なくとも1つの導電部は、複数の導電部を含み、前記複数の導電部が前記底部の輪郭に沿って間隔をおいて設けられる、
請求項3に記載の表示バックプレーン。
【請求項6】
前記少なくとも1つの導電部の前記基板における正投影は、閉じたパターンである、
請求項1~4のいずれか1項に記載の表示バックプレーン。
【請求項7】
前記少なくとも1つの導電部は、管状構造である、
請求項6に記載の表示バックプレーン。
【請求項8】
前記少なくとも1つの導電部は、側壁が少なくとも1つの割れ目を含む管状構造であり、前記少なくとも1つの割れ目は、前記管状構造の前記駆動電極から離れた側の端壁表面までに延びる、
請求項1~5のいずれか1項に記載の表示バックプレーン。
【請求項9】
前記少なくとも1つの導電部の硬度は、対応する前記駆動電極の硬度よりも大きい、
請求項1~8のいずれか1項に記載の表示バックプレーン。
【請求項10】
前記少なくとも1つの導電部の材料は、タングステン、チタン、又はモリブデンを含む、
請求項9に記載の表示バックプレーン。
【請求項11】
各前記接続構造の前記少なくとも1つの導電部上に設けられた導電性めっき層をさらに含む、
請求項1~10のいずれか1項に記載の表示バックプレーン。
【請求項12】
複数のサブ画素領域を有し、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも2つの駆動電極は、前記複数のサブ画素領域のうちの1つのサブ画素領域内に位置する、
請求項1~11のいずれか1項に記載の表示バックプレーン。
【請求項13】
前記複数のサブ画素領域のうちの1つのサブ画素領域内に位置し、前記基板上に設けられた少なくとも1つの駆動トランジスタをさらに含み、
前記少なくとも2つの駆動電極は、対応する前記駆動トランジスタの前記基板とは反対側に位置し、
同一のサブ画素領域内の2つずつの駆動電極のうちの1つは、対応する1つの駆動トランジスタに電気的に接続される、
請求項12に記載の表示バックプレーン。
【請求項14】
表示バックプレーンの製造方法であって、
基板を提供するステップと、
前記基板上に複数の駆動電極を製造するステップと、
前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極上に接続構造を製造するステップと、を含み、
前記接続構造の前記基板における正投影は、対応する前記駆動電極の前記基板における正投影内に位置し、且つ、前記接続構造は、少なくとも1つの導電部を含み、前記少なくとも1つの導電部は、対応する前記駆動電極と第1挟角をなして設けられる、
表示バックプレーンの製造方法。
【請求項15】
前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極上に接続構造を製造するステップは、
前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極の前記基板とは反対側に第1目標層、及び前記第1目標層よりも硬度が大きい第2目標層を積層して形成する段階と、
前記第2目標層及び前記第1目標層を貫通し、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極が所在する領域内に位置し、前記少なくとも1つの駆動電極に1対1で対応する少なくとも1つの貫通孔を形成する段階と、
第1金属薄膜を蒸着して、前記第1金属薄膜が前記少なくとも1つの貫通孔の各貫通孔内に位置する部分を、対応する駆動電極に電気的に接続させる段階と、
前記第1金属薄膜の前記各貫通孔内に位置する部分を保留するように、前記第1金属薄膜をパターン化する段階と、
前記第2目標層及び前記第1目標層を除去して、前記接続構造を形成する段階と、を含む、
請求項14に記載の表示バックプレーンの製造方法。
【請求項16】
前記第1金属薄膜を蒸着した後、及び前記第1金属薄膜をパターン化する前に、前記表示バックプレーンの製造方法は、さらに、
前記第1金属薄膜が前記各貫通孔内に位置する部分にフォトレジストを塗布するステップを含み、
前記第1金属薄膜をパターン化するステップは、化学機械研磨方式で前記第1金属薄膜をパターン化する段階をさらに含み、
前記第2目標層及び前記第1目標層を除去して、前記接続構造を形成するステップは、前記第2目標層、前記第1目標層及び前記フォトレジストを除去して、前記接続構造を形成する段階をさらに含む、
請求項15に記載の表示バックプレーンの製造方法。
【請求項17】
前記第1金属薄膜を蒸着した後、及び前記第1金属薄膜をパターン化する前に、前記表示バックプレーンの製造方法は、さらに、
少なくとも前記第1金属薄膜が前記各貫通孔内に位置する部分を覆うフォトレジストを塗布するステップと、
前記フォトレジストの対応する前記各貫通孔内に位置する部分を保留するように、前記フォトレジストをパターン化するステップであって、パターン化されたフォトレジストの前記基板とは反対側の表面は、前記基板の表面を基準面とし、前記第1金属薄膜の前記基板とは反対側の表面より低くなく、前記パターン化されたフォトレジストが前記各貫通孔内に位置する部分の前記基板における正投影のサイズは、対応する貫通孔の孔径と同じ又は略同じとするステップと、を含み、
前記第2目標層及び前記第1目標層を除去して、前記接続構造を形成するステップは、前記第2目標層、前記第1目標層及び前記パターン化されたフォトレジストを除去して、前記接続構造を形成する段階をさらに含む、
請求項15に記載の表示バックプレーンの製造方法。
【請求項18】
前記第1目標層の材料は有機絶縁材料であり、及び/又は、前記第2目標層の材料は無機絶縁材料又は金属材料である、
請求項15に記載の表示バックプレーンの製造方法。
【請求項19】
請求項1~13のいずれか1項に記載の表示バックプレーンと、
前記表示バックプレーンの2つずつの接続構造に対応して電気的に接続される1つのマイクロ発光ダイオードとを備える、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術分野に関し、特に、表示バックプレーン及びその製造方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示技術の発展に伴い、マイクロ発光ダイオード(Micro Light Emitting Diode、Micro-LEDと略称)表示装置は、自発光、高輝度、高コントラスト、超高解像度及び色飽和度、長寿命、応答速度が速い、省エネ、環境への適応が広いなどの多くの利点を有するため、拡張現実(Augmented Reality、ARと略称)や仮想現実(Virtual Reality、VRと略称)などのマイクロ表示、携帯電話テレビなどの中間サイズの表示や、映画館の大画面表示などの分野に応用できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様では、表示バックプレーンが提供される。前記表示バックプレーンは、基板と、前記基板上に設けられた複数の駆動電極と、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極上に設けられた接続構造と、を含み、前記接続構造の前記基板における正投影は、対応する前記駆動電極の前記基板における正投影内に位置し、前記接続構造は、少なくとも1つの導電部を含み、前記少なくとも1つの導電部が、対応する前記駆動電極と第1挟角をなして設けられる。
【0004】
いくつかの実施例では、前記第1挟角の値の範囲は85°~95°である。
【0005】
いくつかの実施例では、前記接続構造は、前記少なくとも1つの導電部に接続された底部をさらに含み、前記底部は、対応する前記駆動電極と直接接触する。
【0006】
いくつかの実施例では、同一の前記接続構造の前記少なくとも1つの導電部と前記底部とは、一体構造である。
【0007】
いくつかの実施例では、前記少なくとも1つの導電部は、複数の導電部を含み、前記複数の導電部が前記底部の輪郭に沿って間隔をおいて設けられる。
【0008】
いくつかの実施例では、前記少なくとも1つの導電部の前記基板における正投影は、閉じたパターンである。
【0009】
いくつかの実施例では、前記少なくとも1つの導電部は、管状構造である。
【0010】
いくつかの実施例では、前記少なくとも1つの導電部は、側壁が少なくとも1つの割れ目を含む管状構造であり、前記少なくとも1つの割れ目は、前記管状構造の前記駆動電極から離れた側の端壁表面までに延びる。
【0011】
いくつかの実施例では、前記少なくとも1つの導電部の硬度は、対応する前記駆動電極の硬度よりも大きい。
【0012】
いくつかの実施例では、前記少なくとも1つの導電部の材料は、タングステン、チタン、又はモリブデンを含む。
【0013】
いくつかの実施例では、前記表示バックプレーンは、各前記接続構造の前記少なくとも1つの導電部上に設けられた導電性めっき層をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施例では、前記表示バックプレーンは、複数のサブ画素領域を有し、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも2つの駆動電極は、前記複数のサブ画素領域のうちの1つのサブ画素領域内に位置する。
【0015】
いくつかの実施例では、前記表示バックプレーンは、前記複数のサブ画素領域のうちの1つのサブ画素領域内に位置し、前記基板上に設けられた少なくとも1つの駆動トランジスタをさらに含む。前記少なくとも2つの駆動電極は、前記少なくとも1つの駆動トランジスタの前記基板とは反対側に位置する。同一のサブ画素領域内の2つずつの駆動電極のうちの1つは、対応する1つの駆動トランジスタに電気的に接続されている。
【0016】
別の態様では、表示バックプレーンの製造方法が提供される。前記表示バックプレーンの製造方法は、基板を提供するステップと、前記基板上に複数の駆動電極を製造するステップと、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極上に接続構造を製造するステップと、を含み;前記接続構造の前記基板における正投影は、対応する前記駆動電極の前記基板における正投影内に位置し、且つ、前記接続構造は、少なくとも1つの導電部を含み、前記少なくとも1つの導電部は、対応する前記駆動電極と第1挟角をなして設けられる。
【0017】
いくつかの実施例では、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極上に接続構造を製造するステップは、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極の前記基板とは反対側に第1目標層、及び前記第1目標層よりも硬度が大きい第2目標層を積層して形成する段階と、前記第2目標層及び前記第1目標層を貫通し、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極が所在する領域内に位置し、前記少なくとも1つの駆動電極に1対1で対応する少なくとも1つの貫通孔を形成する段階と、第1金属薄膜を蒸着して、前記第1金属薄膜が前記少なくとも1つの貫通孔の各貫通孔内に位置する部分を、対応する駆動電極に電気的に接続させるようにする段階と、前記第1金属薄膜の前記各貫通孔内に位置する部分を保留するように、前記第1金属薄膜をパターン化する段階と、前記第2目標層及び前記第1目標層を除去して、前記接続構造を形成する段階と、を含む。
【0018】
いくつかの実施例では、第1金属薄膜を蒸着した後、及び前記第1金属薄膜をパターン化する前に、前記表示バックプレーンの製造方法は、前記第1金属薄膜が前記各貫通孔内に位置する部分にフォトレジストを塗布するステップをさらに含む。前記第1金属薄膜をパターン化するステップは、化学機械研磨方式で前記第1金属薄膜をパターン化する段階をさらに含む。前記第2目標層及び前記第1目標層を除去して、前記接続構造を形成するステップは、前記第2目標層、前記第1目標層及び前記フォトレジストを除去して、前記接続構造を形成する段階をさらに含む。
【0019】
いくつかの実施例では、第1金属薄膜を蒸着した後、及び前記第1金属薄膜をパターン化する前に、前記表示バックプレーンの製造方法は、さらに、少なくとも前記第1金属薄膜が前記各貫通孔内に位置する部分を覆うフォトレジストを塗布するステップと、前記フォトレジストの対応する前記各貫通孔内に位置する部分を保留するように、前記フォトレジストをパターン化するステップと、を含む。ここで、前記基板の表面を基準面として、パターン化されたフォトレジストの前記基板とは反対側の表面は、前記第1金属薄膜の前記基板とは反対側の表面より低くなく、前記パターン化されたフォトレジストが前記各貫通孔内に位置する部分の前記基板における正投影のサイズは、対応する貫通孔の孔径と同じ又は略同じである。前記第2目標層及び前記第1目標層を除去して、前記接続構造を形成するステップは、前記第2目標層、前記第1目標層及び前記パターン化されたフォトレジストを除去して、前記接続構造を形成する段階をさらに含む。
【0020】
いくつかの実施例では、前記第1目標層の材料は有機絶縁材料であり、及び/又は、前記第2目標層の材料は無機絶縁材料又は金属材料である。
【0021】
さらに別の態様では、表示装置が提供される。前記表示装置は、上述の表示バックプレーンと、前記表示バックプレーンの2つずつの接続構造に対応して電気的に接続される1つのマイクロ発光ダイオードとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示のいくつかの実施例の技術案をより明確に説明するために、いくつかの実施例の説明で使用される図面について、以下に簡単に説明するが、以下に説明される図面は、本開示の実施例の一部にすぎないことは明らかであり、当業者は、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0023】
図1】本開示のいくつかの実施例による表示バックプレーンの概略構造図である。
図2】本開示のいくつかの実施例による別の表示バックプレーンの概略構造図である。
図3】本開示のいくつかの実施例によるさらに別の表示バックプレーンの概略構造図である。
図4】本開示のいくつかの実施例によるさらに別の表示バックプレーンの概略構造図である。
図5】本開示のいくつかの実施例による接続構造の上面図である。
図6図5に示す接続構造のA-A’方向の断面図である。
図7】本開示のいくつかの実施例による別の接続構造の上面図である。
図8図7に示す接続構造のB-B’方向の断面図である。
図9】本開示のいくつかの実施例によるさらに別の接続構造の上面図である。
図10図9に示す接続構造のC-C’方向の断面図である。
図11】本開示のいくつかの実施例によるさらに別の接続構造の上面図である。
図12図11に示す接続構造のD-D’方向の断面図である。
図13】本開示のいくつかの実施例によるさらに別の接続構造の上面図である。
図14】本開示のいくつかの実施例によるさらに別の表示バックプレーンの概略構造図である。
図15】本開示のいくつかの実施例によるさらに別の表示バックプレーンの概略構造図である。
図16】本開示のいくつかの実施例による表示バックプレーンの製造方法のフローチャートである。
図17】本開示のいくつかの実施例による表示バックプレーンの製造のフローチャートである。
図18】本開示のいくつかの実施例による表示バックプレーンの導電性めっき層の製造のフローチャートである。
図19】本開示のいくつかの実施例による表示装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下は本開示のいくつかの実施例の図面を参照して、本開示のいくつかの実施例における技術案について、明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は、本開示の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本開示のいくつかの実施例に基づいて、当業者が得られた全ての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属するものとする。
【0025】
Micro-LED表示装置では、各Micro-LEDのサイズは、通常、100μm以下であり、隣接する2つのMicro-LEDの間の距離の測定精度も、ミクロンオーダーである。Micro-LED表示装置は、表示バックプレーンを備えており、Micro-LED表示装置における各Micro-LEDが、通常、大量転送技術(MassTransfer Technology)を介して前記表示バックプレーンに転送されている。しかしながら、各Micro-LEDを前記表示バックプレーンに転送する過程において、各Micro-LEDと表示バックプレーンの対応する電極とのボンディング(Bonding)には、効率が低く、歩留まりが低く、信頼性が低いという問題がある。
【0026】
これに鑑み、図1図10に示すように、本開示のいくつかの実施例は、表示バックプレーン100を提供する。該表示バックプレーン100は、基板1と、基板1上に設けられた複数の駆動電極2と、複数の駆動電極2のうちの少なくとも1つの駆動電極2上に設けられた接続構造3と、を含み、該接続構造3の基板1における正投影は、対応する駆動電極2の基板1における正投影内に位置する。
【0027】
ここで、前記少なくとも1つの駆動電極2のうちの各駆動電極2には、1つの接続構造3が対応するように設けられる。各接続構造3は、少なくとも1つの導電部31を含み、前記少なくとも1つの導電部31が、対応する駆動電極2と第1挟角αをなして設けられる。
【0028】
基板1は、複数の駆動電極2と、少なくとも1つの駆動電極2に設けられた接続構造3などを載置するように構成されている。いくつかの例では、基板1は、何も薄膜が設けられないガラス基板などのブランク基板であり得る。表示バックプレーン100全体の厚さが薄くなるように、上記の複数の駆動電極2がガラス基板上に直接設けられる。
【0029】
別のいくつかの例では、基板1は、少なくとも一層の薄膜を含む基板である。ここで、少なくとも一層の薄膜は、ポリイミド層(Polyimide Film、PI層と略称)、バッファ層、又は遮光層のうちの少なくとも1層を含む。該少なくとも1層の薄膜を含む基板上には、複数の駆動電極2と、複数の駆動電極2に信号を提供するための駆動回路が設けられる。各駆動電極2及び駆動回路を保護するように、PI層又はバッファ層などは、複数の駆動電極2と駆動回路に支持を提供して外力を緩和することができる。
【0030】
各接続構造3は、駆動電極2の基板1とは反対側の表面に配置され、即ち、各接続構造3は、対応する駆動電極2と直接接触する。各接続構造3は、少なくとも1つの導電部31を含み、前記少なくとも1つの導電部31は、対応する駆動電極2と第1挟角αをなして設けられ、各導電部31は、対応するマイクロ電子部品のピンを差し込むように構成される。このように、各接続構造3は、対応する駆動電極2と電気的に接続するだけでなく、対応するマイクロ電子部品のピンと良好に差し込むこともできるので、対応する駆動電極2の駆動信号を対応するマイクロ電子部品に伝送し、よって、対応するマイクロ電子部品の動作状態を制御する。
【0031】
例示的に、図1図6及び図8に示すように、上述した少なくとも1つの導電部31と対応する駆動電極2との間の第1挟角αの値の範囲は85°~95°であり、即ち、前記少なくとも1つの導電部31のうちの各導電部31は、対応する駆動電極2の基板1とは反対側の表面に垂直(又は垂直に近い)する。このように、各接続構造3を対応するマイクロ電子部品のピンに差し込む過程において、各接続構造3の各導電部31は、対応するマイクロ電子部品のピンに容易に差し込むことにより、相互拡散(即ち、各導電部31の原子が対応するピンに移動して浸透し、各ピンの原子が対応する導電部31に移動して浸透する)の方式で良好な電気的接続を実現するだけでなく、基板1の所在平面に平行な方向に沿って受ける力を小さく又は無視できる程度にして、その力による変形及びその変形に起因する電気的接続の不良の発生を回避することもできる。
【0032】
本開示のいくつかの実施例では、対応するマイクロ電子部品のピンと接続するために配置される複数の接続構造3を、表示バックプレーン100における対応する駆動電極2上に設けることにより、製造が便利になるだけでなく、生産コストも低くなるため、該複数の接続構造3の大面積範囲での大量製作を実現することが可能となる。また、複数のマイクロ電子部品を表示バックプレーン100に大量転送する過程において、該複数の接続構造3を対応するマイクロ電子部品のピンに効果的に差し込むことにより、各マイクロ電子部品と表示バックプレーン100における対応する駆動電極2とのボンディング効率、ボンディング歩留まり、及びボンディング信頼性を効果的に向上させ得る。
【0033】
いくつかの実施例では、図5図10に示すように、各接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31の基板1における正投影は、閉じたパターンである。即ち、各接続構造3は少なくとも1つの導電部31によって囲まれており、よって、各接続構造3の基板1における正投影の境界パターンは、閉じられている。
【0034】
例示的に、各接続構造3の基板1における正投影の境界のパターンは、円形、楕円形、任意の多角形などであり、円形、楕円形、又は任意の多角形は、中空パターン又は中実パターンのいずれであってもよい。それに応じて、各接続構造3の基板1における正投影が中空パターンである場合、該接続構造3は、円管や四角管などの管状構造を採用する。各接続構造3の基板1における正投影が中実パターンである場合、該接続構造3は、円錐又はピラミッドなどの頂点が尖った角を有する錐状構造を採用する。
【0035】
また、図9図10に示すように、いくつかの例では、各接続構造3は複数の導電部31を含み、各導電部31は管状構造であり、複数の導電部31の管径は異なり、且つ順次に入れ子状になっている。このように、該接続構造3の基板1における正投影は、図9に示すように、1つずつ入れ子にされた複数の中空パターンである。
【0036】
別のいくつかの実施例では、図11図13に示すように、各接続構造3のうちの前記少なくとも1つの導電部31の基板1における正投影は、非密閉パターンである。即ち、各接続構造3は、間隔をおいて配置された少なくとも2つの導電部31から構成されおり、よって、各接続構造3の基板1における正投影の境界パターンは、閉じられない。例えば、各接続構造3の基板1における正投影は、その各導電部31に一対一に対応する複数の正投影部分を含み、且つ複数の正投影部分が分散して配置される。
【0037】
いくつかの例では、図13に示すように、各接続構造3は、間隔をおいて対向する2つの導電部31を含み、且つ各導電部31が直立のシート構造である。
【0038】
別のいくつかの例では、図11に示すように、各接続構造3は、側壁に少なくとも1つの割れ目を有する管状構造であり、前記少なくとも1つの割れ目は、前記管状構造の両側の端壁表面までに延びる、即ち、該少なくとも1つの割れ目は、前記管状構造を少なくとも2つの独立した部分に分割する。
【0039】
さらに、各接続構造3が側壁に少なくとも1つの割れ目を有する管状構造である場合、前記少なくとも1つの割れ目の各々の一端が前記管状構造の中央部に位置し、他端は前記管状構造の前記駆動電極から離れた側の端壁表面までに延びる場合、前記管状構造の基板1における正投影の境界パターンは、閉じたパターンである。
【0040】
上記のいくつかの実施例において、図11図12に示すように、各接続構造3は、その各導電部31と接続する底部32をさらに含み、該底部32は対応する駆動電極2と直接接触する、即ち、該底部32は対応する駆動電極2の基板1とは反対側の表面上に設けられる。このように、各接続構造3はより高い安定性を有することを確保できるだけでなく、各接続構造3と対応する駆動電極2との接触面積を増大させ、各接続構造3と対応する駆動電極2との間の接続信頼性を向上させ、駆動電極2から伝送される駆動信号の伝送効率を向上させることもできる。
【0041】
ここで、各接続構造3の底部32は、その各導電部31に接続され、該底部32の形状は、前記各導電部31によって囲まれる形状に関わる。例えば、前記各導電部31によって囲まれる形状が管状であると、底部32は閉じたパターンであり、且つ前記各導電部31によって囲まれる管状の管口形状に一致する、即ち、前記各導電部31の基板における正投影の内輪郭と、底部32の基板における正投影の外輪郭の一部とが一致するか、又は、前記各導電部31の基板における正投影の外輪郭と、底部32の基板における正投影の外輪郭の一部とが一致し、これにより、前記各導電部31が底部32によって接続される。
【0042】
いくつかの例では、図11及び図12に示すように、各接続構造3は、底部32の輪郭に沿って間隔をおいて設けられた複数の導電部31を含む。例えば、各接続構造3では、その底部32の基板1における正投影は円形であり、各導電部31が該底部32の輪郭上に均一に分布し、各導電部31の基板1における正投影は、前記円形に一致する一部の円弧である。
【0043】
また、いくつかの例では、同一の接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31と、対応する底部32とは、一体構造である。即ち、同一の接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31は、対応する底部32と同じ導電材料で一体成形されており、製造が便利である。
【0044】
いくつかの実施例では、各接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31の硬度は、対応する駆動電極2の硬度よりも大きい。例示的に、各接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31は、モース硬度が5.5以上の材料、例えばタングステン、チタン、又はモリブデンなどを用いて形成されている。これにより、前記少なくとも1つの導電部31がより安定した形状及びより良好な支持強度を有するように確保し、ひいては、各接続構造3がより安定した形状及びより良好な支持強度を有するように確保し得る。
【0045】
いくつかの例では、各接続構造3は、前記少なくとも1つの導電部31に接続される底部32をさらに含み、該底部32は各導電部31と同じ材料を用いて形成される。もちろん、該底部32は、対応する駆動電極2とも直接接触しており、該底部32は、対応する駆動電極2と同じ材料を用いて形成されてもよい。
【0046】
いくつかの実施例では、図3及び図4に示すように、表示バックプレーン100は、各接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31上に設けられた導電性めっき層8をさらに含む。該導電性めっき層8は、対応する接続構造3を対応する駆動電極2上に周設することができ、このように、導電性めっき層8によって、対応する接続構造3及び対応する駆動電極2を電気的に接続し、対応する接続構造3の表面導電性を向上させるのに有利であり、ひいては、各接続構造3と、対応する駆動電極2及び対応するマイクロ電子部品との間の電気的接続性能を向上させるのに有利である。
【0047】
いくつかの例では、導電性めっき層8は、銅層、アルミニウム層、又は銀層のうちの少なくとも1つを含む。
上記の導電性めっき層8を配置する方式は様々である。
【0048】
いくつかの例では、図3に示すように、各接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31上の該導電性めっき層8の配置方法は、前記少なくとも1つの導電部31の露出表面、即ち、対応する駆動電極2と接触する表面以外の表面上に配置されると表される。各接続構造3が底部32をさらに含む場合、該導電性めっき層8は、対応する底部32の基板1とは反対側の表面上にも配置される。
【0049】
別のいくつかの例では、図4に示すように、各接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31上の該導電性めっき層8の配置方法は、導電性めっき層8のエッジが、各接続構造3の対応する駆動電極2の基板1とは反対側の表面上に延在するようにも表される。
【0050】
いくつかの実施例では、図14及び図15に示すように、上述した表示バックプレーン100は、アレイ状に配置された複数のサブ画素領域Sを有し、前記複数の駆動電極2のうちの少なくとも2つの駆動電極2は、上述した複数のサブ画素領域Sのうちの1つのサブ画素領域S内に位置する。
【0051】
各サブ画素領域Sに設けられる駆動電極2の数は、実際の要求に応じて適宜決定可能であり、本開示はこれに限定されるものではない。
【0052】
いくつかの例では、マイクロ電子部品は、通常2つのピンを有するMicro-LEDである。各サブ画素領域S内の駆動電極2は、通常、対に配置され、即ち、各サブ画素領域S内には、2N個(N=1、2、3、…)の駆動電極2が配置される。このように、各サブ画素領域SはN個のMicro-LEDに対応する。
【0053】
これに基づいて、図1に示すように、上述した表示バックプレーン100は、前記複数のサブ画素領域Sのうちの1つのサブ画素領域S内に位置し、基板1上に設置される少なくとも1つの駆動トランジスタ4と、基板1上に設置される複数の電極線5と、をさらに含む。各電極線5の延伸方向は、各行のサブ画素領域Sの延伸方向に平行である(又は平行に近い)か、又は、各電極線5の延伸方向は、各列のサブ画素領域Sの延伸方向に平行である(又は平行に近い)。
【0054】
同一のサブ画素領域S内の2つずつの駆動電極2は、1つの駆動トランジスタ4に対応し、同一の行又は同一の列のサブ画素領域Sは、1つの電極線5に対応する。同一のサブ画素領域S内の2つずつの駆動電極2のうちの一方は、対応する駆動トランジスタ4と電気的に接続され、他方は、対応する電極線5と電気的に接続されている。前記2つずつの駆動電極2は、対応する駆動トランジスタ4及び対応する電極線5の駆動により、対応するMicro-LEDの発光又は非発光を制御するように構成される。
【0055】
ここで、各電極線5は、共通の電圧信号を提供するように構成される。選択的には、各電極線5は一体構造である。即ち、各電極線5は、同じ材料を使用して、一回のパターニングプロセスで製造される。
【0056】
上述した各駆動トランジスタ4の構造は、実際の要求に応じて適宜決定可能である。各駆動トランジスタ4は、対応する駆動電極2の基板1に近い側に配置される。各駆動トランジスタ4は、ボトムゲート構造又はトップゲート構造を採用する。例示的に、各駆動トランジスタ4は、トップゲート構造を採用する。図1に示すように、各駆動トランジスタ4は、基板1上に順次に積層された活性層41、ゲート絶縁層42、ゲート43及び層間誘電体層44を含む。各駆動トランジスタ4は、層間誘電体層44のゲート43とは反対側に配置されたソース45及びドレイン46を含み、ソース45及びドレイン46は、それぞれ対応する活性層41と電気的に接続される。
【0057】
上述した各電極線5は、各駆動トランジスタ4におけるソース45及びドレイン46と同層に設けられる。即ち、各電極線5は各駆動トランジスタ4におけるソース45及びドレイン46と、同じ材料を用いて一回のパターニングプロセスで作製し完成することができる。
【0058】
いくつかの例では、図1に示すように、駆動トランジスタ4と対応する駆動電極2との間には、平坦化層6及びパッシベーション層7が順次に積層されている。該駆動電極2は、平坦化層6及びパッシベーション層7を貫通する貫通孔を介して対応する駆動トランジスタ4と電気的に接続される。平坦化層6及びパッシベーション層7により、各駆動トランジスタ4の基板1とは反対側の面を平坦化して、対応する各駆動電極2が良好な平坦度を有するように確保し、各駆動電極2に折れが発生することを回避することができる。
【0059】
本開示のいくつかの実施例は、上述したいくつかの実施例によって提供される表示バックプレーン100を製造するための表示バックプレーンの製造方法を提供する。図16及び図17に示すように、前記表示バックプレーンの製造方法は、S100~S300を含む。
【0060】
S100:基板1を提供する。
基板1の構造は、実際の要求に応じて適宜設定可能であり、本開示のいくつかの実施例に限定されない。
【0061】
S200:基板1上に複数の駆動電極2を製造する。
例示的に、図17(a)に示すように、スパッタリング蒸着法により、基板1上に1つの電極層を蒸着させ、この電極層をパターン化処理する、即ち、前記複数の駆動電極2を形成するように、マスクを利用し1回のパターニングプロセスにより、この電極層をエッチングする。
【0062】
ここで、駆動電極2の厚み(即ち、駆動電極2の基板1に垂直な方向におけるサイズ)は、実際の要求に応じて適宜設定可能である。例示的に、駆動電極2の厚さの値の範囲は、0.60μm~0.80μmであり、例えば、駆動電極2の厚さは0.75μmである。
【0063】
さらに、駆動電極2は、チタン、アルミニウム、銅又はクロムなどの導電性金属材料のうちの少なくとも1つを用いて形成される。例示的に、駆動電極2は、順次に積層された厚さが0.05μmのチタン層、厚さが0.65μmのアルミニウム層、厚さが0.05μmのチタン層を含む。
【0064】
S300:複数の駆動電極2のうちの少なくとも1つの駆動電極2上に接続構造3を製造する。該接続構造3の基板1における正投影は、対応する駆動電極2の基板1における正投影内に位置し、且つ、接続構造3は、少なくとも1つの導電部31を含む。前記少なくとも1つの導電部31は、対応する駆動電極2と第1挟角αをなして設けられる。
【0065】
上述した少なくとも1つの駆動電極2上に接続構造3を製造することは、前記少なくとも1つの駆動電極2のうちの各駆動電極2の基板1とは反対側の表面上に少なくとも1つの導電部31を製造すると表される。これにより、各接続構造3と対応する駆動電極2との良好な電気的接続を実現する。
【0066】
本開示のいくつかの実施例によって提供される表示バックプレーンの製造方法で得られる有益な効果は、上述したいくつかの実施例によって提供される表示バックプレーンによって得られる有益な効果と同じであり、ここではその説明を繰り返さない。
【0067】
上述した各接続構造3のうちの各導電部31の製造方法は、その構造に関連して、実際の要求に応じて適宜決定可能である。本開示のいくつかの実施例はこれを限定しない。
【0068】
例示的に、上述したS300において、複数の駆動電極2のうちの少なくとも1つの駆動電極2上に接続構造3を製造するステップは、下記の段階を含む。
S310:図17(b)に示すように、前記複数の駆動電極2のうちの少なくとも1つの駆動電極2の基板1とは反対側に第1目標層101、及び第1目標層101より硬度が大きい第2目標層102を積層して形成する。
【0069】
いくつかの例では、第1目標層101の材料及び第2目標層102の材料は、実際の要求に応じて適宜決定可能である。選択的には、第1目標層101の材料は、ポジ型フォトレジスト樹脂などの感光性樹脂材料を含む有機絶縁材料である。選択的には、第2目標層102の材料は、二酸化ケイ素などの無機材料である。又は、第2目標層102の材料は、アルミニウム、銅、タングステン、チタン又はモリブデンなどの金属材料である。選択的には、第1目標層101の材料は、有機絶縁材料であり、第2目標層102の材料は、無機材料又は金属材料である。
【0070】
第1目標層101は、有機絶縁材料を用いて塗布により形成され、第2目標層102は、無機材料又は金属材料を用いて化学気相蒸着(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition、PECVDと略称)法により形成される。第1目標層101の厚さ(即ち、第1目標層101の基板1に垂直な方向におけるサイズ)は、一般に、第2目標層102の厚さよりも大きい。
【0071】
ここで、第1目標層101の厚さは、接続構造3の各導電部31の高さ(即ち、導電部31の基板1に垂直な方向におけるサイズ)に応じて設定可能である。例示的に、第1目標層101の厚さの値の範囲は3μm~4μmであり、第2目標層102の厚さの値の範囲は0.15μm~0.25μmである。
【0072】
S320:図17(c)に示すように、第2目標層102及び第1目標層101を貫通し、上述した複数の駆動電極2のうちの少なくとも1つの駆動電極2が所在する領域内に位置し、前記少なくとも1つの駆動電極2に1対1で対応する少なくとも1つの貫通孔を形成する。
【0073】
ここで、第1目標層101の厚さは、第2目標層102の厚さよりも大きく、より大きい厚さの第1目標層101を用いることにより、形成された前記少なくとも1つの貫通孔103がより大きな高さを有するように確保できる。第2目標層102の硬度は、第1目標層101の硬度よりも大きく、より高い硬度の第2目標層102を用いることにより、形成された前記少なくとも1つの貫通孔の開口形状が安定し、且つ、孔壁が急峻となることを確保し、よって、前記少なくとも1つの貫通孔の各貫通孔が正確に成形されることを確保できる。
【0074】
前記少なくとも1つの貫通孔103は、前記少なくとも1つの駆動電極2が所在する領域内に位置する。即ち、各貫通孔103の基板1における正投影は、対応する駆動電極2の基板1における正投影内に位置する。各貫通孔103は、第2目標層102と第1目標層101を貫通する、即ち、駆動電極2の対応する貫通孔103が所在する領域の表面がその孔内に露出する。
【0075】
各貫通孔103の形状及びその形成方式は、対応する接続構造3の各導電部31の構造に関わる。例えば、接続構造3が、円形管状の導電部であると、該対応する貫通孔の孔径は、該導電部の管外径と同じである。又は、例えば、接続構造3が、多角形の管状の導電部であると、該対応する貫通孔の孔径は、該導電部が基板1に平行な方向における最大の対角線サイズと同じである。選択的には、各貫通孔103の孔径の値の範囲は、1μm~8μmである。
【0076】
S330:図17(d)に示すように、第1金属薄膜104を蒸着して、第1金属薄膜104が前記少なくとも1つの貫通孔103の各貫通孔103内に位置する部分が、対応する駆動電極2に電気的に接続される。
【0077】
例示的に、スパッタリング蒸着法により、第1金属薄膜104が、第2目標層102の基板1とは反対側の表面上及び前記少なくとも1つの貫通孔103内に形成される。第1金属薄膜104が各貫通孔103内に位置する部分は、対応する駆動電極2の露出表面を覆い、駆動電極2と直接接触する。
【0078】
第1金属薄膜104の材料は、実際の要求に応じて適宜決定可能であり、本開示のいくつかの実施例はこれを限定しない。例示的に、第1金属薄膜104は、表1に示すように、モース硬度≧5.5の金属材料を用いて形成される。
【表1】
【0079】
S340:第1金属薄膜104が各貫通孔103内に位置する部分を保留するように、第1金属薄膜104をパターン化する。
S350:第2目標層102及び第1目標層101を除去して、接続構造3を形成する。
【0080】
ここで、第2目標層102は、無機材料又は金属材料を用いて形成され、そして、通常、ドライエッチングにより除去される。第1目標層101は、有機絶縁材料を用いて形成され、そして、通常、酸素プラズマエッチングのようなプラズマエッチングにより除去される。
【0081】
さらに、選択的には、第1金属薄膜104は、第2目標層102の基板1とは反対側の表面上に位置する部分の厚さの値の範囲は、0.3μm~4.0μmである。第1金属薄膜104が各貫通孔103の側壁上に位置する部分の厚さの値の範囲は、0.1~2μmである。このように、第1金属薄膜104をパターン化し、且つ第1金属薄膜104が各貫通孔103内に位置する部分を保留することにより、形成された接続構造3が必要な機械的強度を有することに加えて、良好な電気的接続を確保することができる。
【0082】
上述したS340において、第1金属薄膜104をパターン化する方式は様々であり、実際の要求に応じて適宜決定可能である。本開示のいくつかの実施例はこれを限定しない。
【0083】
いくつかの例では、S340における第1金属薄膜104のパターン化は、マスクを用いてドライエッチングにより完成される。マスク上の開口パターンは、第1金属薄膜104の成形されるべきパターンによって設定可能である。さらに、選択的には、第2目標層102は金属材料を用いて形成され、第2目標層102及び第1金属薄膜104は、同一のマスクを用いてパターン化することができる。この製造プロセスは簡単で容易に実現でき、接続構造3のプロセスフローを効果的に短縮することができる。
【0084】
別のいくつかの例では、S340における第1金属薄膜104のパターン化は、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polish、CMPと略称)法によって完成される。
【0085】
例えば、S340は、第1金属薄膜104が各貫通孔103内に位置する部分にフォトレジストを塗布する段階を含む。該フォトレジストは、第1金属薄膜104が各貫通孔103内に位置する部分を保護する。その後、フォトレジストによって保護されていない第1金属薄膜104の一部を除去するために、第1金属薄膜104をCMP法によりパターン化する。
【0086】
これに対応し、S350は、上述したフォトレジストを除去する段階をさらに含む。上述したフォトレジストを、例えば、プラズマエッチングにより除去する。いくつかの例では、上述したフォトレジスト及び第1目標層101は、1回のプラズマエッチング工程により同時に除去されてもよい。
【0087】
なお、上述したように、第1金属薄膜104が各貫通孔103内に位置する部分にフォトレジストを塗布することは、言い換えれば、該フォトレジストと対応する貫通孔103との正確な位置合わせを確保した上で、フォトレジストを用いて各貫通孔103を平坦化にするか又は充填する。このように、フォトレジストの保護によって、要求を満たす接続構造3を得ることが容易になる。
【0088】
別のいくつかの例では、各貫通孔103の孔径の値の範囲は、0.1μm~1μmである。S340における第1金属薄膜104をパターン化する段階は、S341~S343を含む。
【0089】
S341:図17(e)に示すように、少なくとも、第1金属薄膜104が各貫通孔103内に位置する部分を覆うフォトレジスト105を塗布する。
例示的に、フォトレジスト105は、第1金属薄膜104の基板1とは反対側の全体表面を覆い、且つ、該フォトレジスト105の基板1とは反対側の表面は、実質的に平坦な表面である。
【0090】
S342:フォトレジスト105の対応する各貫通孔103内に位置する部分を保留するように、上述したフォトレジスト105をパターン化し、パターン化したフォトレジスト106の基板1とは反対側の表面は、基板1の表面を基準面とし、第1金属薄膜104の基板1とは反対側の表面より低くなく、パターン化したフォトレジスト106が各貫通孔103内に位置する部分の基板1における正投影のサイズは、対応する貫通孔103の孔径と同じ又は略同じとする。
【0091】
ここで、上述したフォトレジスト105のパターン化は、プラズマによる同厚のエッチングにより完成し得る。このように、基板1に垂直な方向において、フォトレジストのエッチング量が同じになるため、パターン化したフォトレジスト106の基板1とは反対側の表面と、第1金属薄膜104の各貫通孔103内に位置していない部分の基板1とは反対側の表面とが、面一又は略面一になる。したがって、パターン化されたフォトレジスト106は、各貫通孔103内の部分のみが残され、第1金属薄膜104の各貫通孔103内に位置する部分を保護する。
【0092】
S343:図17(f)に示すように、ドライエッチング法やCMP法により、第1金属薄膜104をパターン化する。即ち、第1金属薄膜104の、上述したパターン化されたフォトレジスト106により保護されていない部分を除去する。
【0093】
これに対応して、図17(g)及び(h)に示すように、S350は、パターン化されたフォトレジスト106を除去する段階をさらに含む。例えば、プラズマエッチング法により、上記のパターン化されたフォトレジスト106を除去する。いくつかの例では、上記のパターン化されたフォトレジスト106及び第1目標層101は、1回のプラズマエッチング工程により同時に除去されてもよい。
【0094】
さらに、選択的には、第2目標層102は、金属材料を用いて形成され、第2目標層102の除去と第1金属薄膜104のパターン化は、同一のドライエッチング工程又は同一回のCMP工程で実行することができ、各接続構造3の製作プロセスを簡略化することができる。
【0095】
本開示のいくつかの実施例では、第1金属薄膜104の基板1とは反対側の表面にフォトレジスト105を全面塗布することにより、該フォトレジスト105の部分が各貫通孔103を自然に充填することができる。フォトレジストをパターン化させた後、該パターン化された後のフォトレジスト106の基板1とは反対側の表面は、第1金属薄膜104の基板1とは反対側の表面より低くない。即ち、該パターン化された後のフォトレジスト106は、フォトレジスト105が各貫通孔103内に残る部分である。これによって、該パターン化された後のフォトレジスト106と各貫通孔103の自己整合を実現し、その位置合わせ精度を効果的に改善し、ひいては対応する各接続構造3の成形精度を確保し、各接続構造3の大面積範囲での大量製作を実現することが可能である。
【0096】
いくつかの実施例では、図3図4及び図18に示すように、上記の表示バックプレーンの製造方法は、S400をさらに含む。
【0097】
S400では、各接続構造3上に導電性めっき層8を形成する。
いくつかの例では、導電性めっき層8の構造は、図3に示ように、対応する接続構造3を対応する駆動電極2上に周設するため、導電性めっき層8は、対応する接続構造3の露出表面上に形成される。
【0098】
別のいくつかの例では、導電性めっき層8の構造は、図4に示されている。導電性めっき層8の製造方法は、図18(a)及び(b)に示されている。まず、スパッタリング蒸着法により、各駆動電極2及び各接続構造3の露出表面を少なくとも覆う第2金属薄膜105を蒸着する。次に、第2金属薄膜105をパターン化して、各接続構造3及び対応する駆動電極2上に形成する導電性めっき層8を得る。
【0099】
ここで、選択的には、第2金属薄膜105は、銅、アルミニウム、又は銀のうちの少なくとも1つの材料で形成される。
【0100】
ここで、第2金属薄膜105のパターン化は、マスクを用いてドライエッチング法により完成される。
【0101】
選択的には、導電性めっき層8と対応する駆動電極2は、同一のマスクにおける同一のパターンを利用してエッチングして形成されるため、製造が便利になる。
【0102】
本開示のいくつかの実施例では、導電性めっき層8により、対応する接続構造3及び対応する駆動電極2を電気的に接続することは、対応する接続構造3の表面導電性を向上させ、ひいては、各接続構造3と、対応する駆動電極2及び対応するマイクロ電子部品との間の電気的接続性能を向上させるのに有利である。
【0103】
本開示のいくつかの実施例は、表示装置200を提供する。図19に示すように、前記表示装置200は、上記のいくつかの実施例で提供される表示バックプレーン100と、前記表示バックプレーン100における2つずつの接続構造3に対応して電気的に接続される1つのMicro-LED9とを備える。
【0104】
例示的に、表示装置の画素数は、通常、百万オーダである。表示装置が4K超高解像度(Ultra-High Definition 、UHDと略称)Micro-LED表示スクリーンである場合、該表示スクリーンは、解像度が3840×2160で、8,294,400個の画素を有する。各Micro-LED9は、1つの原色に対応し、即ち、各画素は3つのMicro-LEDに対応する。これは、該表示スクリーンが24,883,200個のMicro-LEDを有しており、数千万オーダのMicro-LEDを表示装置にボンディングする必要があることを意味する。
【0105】
Micro-LED9は、通常、1つのLED本体91と、LED本体91上に配置され、対応する2つの接続構造3にそれぞれ電気的に接続される2つのピン92とを含む。各接続構造3は、対応する駆動電極2上にそれぞれ配置されている。各駆動電極2が対応する接続構造3を介して対応するピン92に電気的に接続できることを確保するように、各駆動電極2の配置位置は、通常、対応するMicro-LED9のピン92の配置位置に応じて設計される。例えば、各ピン92の基板1における正投影は、対応する駆動電極2の基板1における正投影内に位置する。
【0106】
さらに、Micro-LED9の全体のサイズは、通常、100μm未満である。該Micro-LED9のピン92のサイズは、Micro-LED9の全体のサイズよりも小さいため、Micro-LED9のピン92は、通常、金属パッドとして存在する。Micro-LED9のピン92と対応する接続構造3との間の電気的接続は、差し込みの方式によって実現される。
【0107】
例示的に、各接続構造3の基板1とは反対側の端部は、例えば、尖った角又は薄い壁などのより鋭い構造を採用し、その結果、複数のMicro-LED9を表示バックプレーン100に大量転送する過程において、各接続構造3が対応するピン92に効果的に刺入して、各接続構造3が対応するピン92と良好に電気的に接続することを確保することができる。
【0108】
上記の各接続構造3と対応するピン92の位置合わせ精度は、関連する製造プロセスにおける成形精度に関わる。各接続構造3を設計する過程において、その対応する製造工程で達成できる成型精度、即ち、各接続構造3と対応するピン92との間に有り得る位置合わせ精度を参照することにより、各接続構造3の対応する駆動電極2における正投影面積を合理的に特定することができる。
【0109】
例示的に、各接続構造3と対応するピン92との間の位置合わせ精度がより高い場合、各接続構造3の対応する駆動電極2における正投影の外輪郭は、対応するピン92の前記駆動電極2における正投影が所在する領域内に位置できるように設計されて、各接続構造3と対応するピン92との間の良好な電気的接続が確保される。
【0110】
例示的に、各接続構造3と対応するピン92との間の位置合わせ精度がより低い場合、各接続構造3の対応する駆動電極2における正投影の外輪郭は、対応するピン92の前記駆動電極2における正投影が位置する領域の外側に位置し、且つ、各接続構造3の対応する駆動電極2における正投影は、対応するピン92の前記駆動電極2における正投影を覆うように設計する。これにより、各接続構造3と対応するピン92との間の位置合わせずれが生じた場合でも、依然として、各ピン92の対応する駆動電極2における正投影は、対応する接続構造3の前記駆動電極2上の外輪郭内に位置するように確保できる、即ち、各接続構造3と対応するピン92との間の効果的な電気的接続を確保できる。
【0111】
本開示のいくつかの実施例によって提供される表示装置により得られる有益な効果は、上述したいくつかの実施例によって提供される表示バックプレーンによって得られる有益な効果と同じであり、ここではその説明を繰り返さない。
【0112】
図19に示すように、Micro-LED9のピン92の材料は、実際の要求に応じて適宜決定可能であり、本開示のいくつかの実施例はこれを限定しない。例示的に、Micro-LED9のピン92の材料は表2に示されている。
【表2】
【0113】
これにより、表示バックプレーン100における各接続構造3の硬度は、対応するMicro-LED9のピン92の硬度よりも大きい。このように、複数のMicro-LED9を表示バックプレーン100に大量転送して、且つ、複数のMicro-LED9と対応する接続構造3とをボンディングする過程において、各接続構造3は、ほぼ同時に対応するMicro-LED9のピン92(即ち、金属パッド)内に差し込むことができ、金属間の相互拡散による良好な電気的接続を実現できる。
【0114】
このように、複数のMicro-LED9を1つずつボンディングする必要がなく、各Micro-LED9と表示バックプレーン100における対応する駆動電極2とのボンディング効率、ボンディング歩留まり、及びボンディング信頼性を効果的に改善するとともに、表示装置200の製造コストを効果的に低減することができる。さらに、上述した複数のMicro-LED9を表示バックプレーン100に大量転送する過程は、室温で行われるため、製造が容易になる。
【0115】
いくつかの例では、上述した表示装置200は、携帯電話、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、ディスプレイ、又はテレビなどの表示機能を有する製品又は部品であり得る。
【0116】
上述した実施形態の記載における具体的な特徴、構造、材料、又は特性は、1つ又は複数の実施例又は例示的な実施例のいずれかにおいて適切な方法で組み合わされてもよい。
【0117】
上記は本開示の具体的な実施形態に過ぎないが、本開示の範囲はこれに限定されず、本開示の技術的範囲内で当業者であれば容易に想到できる変更又は置換は、すべて本開示の技術的範囲内に包含するものである。したがって、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に準ずるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2022-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術分野に関し、特に、表示バックプレーン及びその製造方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示技術の発展に伴い、マイクロ発光ダイオード(Micro Light Emitting Diode、Micro-LEDと略称)表示装置は、自発光、高輝度、高コントラスト、超高解像度及び色飽和度、長寿命、応答速度が速い、省エネ、環境への適応が広いなどの多くの利点を有するため、拡張現実(Augmented Reality、ARと略称)や仮想現実(Virtual Reality、VRと略称)などのマイクロ表示、携帯電話テレビなどの中間サイズの表示や、映画館の大画面表示などの分野に応用できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様では、表示バックプレーンが提供される。前記表示バックプレーンは、基板と、前記基板上に設けられた複数の駆動電極と、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極上に設けられた接続構造と、を含み、前記接続構造の前記基板における正投影は、少なくとも1つの駆動電極の前記基板における正投影内に位置し、前記接続構造は、少なくとも1つの導電部を含み、前記少なくとも1つの導電部が、少なくとも1つの駆動電極と第1挟角をなして設けられる。
【0004】
いくつかの実施例では、前記第1挟角の値の範囲は85°~95°である。
【0005】
いくつかの実施例では、前記接続構造は、前記少なくとも1つの導電部に接続された底部をさらに含み、前記底部は、少なくとも1つの駆動電極と直接接触する。
【0006】
いくつかの実施例では、記接続構造の前記少なくとも1つの導電部と前記底部とは、一体構造である。
【0007】
いくつかの実施例では、前記少なくとも1つの導電部は、複数の導電部を含み、前記複数の導電部が前記底部の輪郭に沿って間隔をおいて設けられる。
【0008】
いくつかの実施例では、前記少なくとも1つの導電部の前記基板における正投影は、閉じたパターンである。
【0009】
いくつかの実施例では、前記少なくとも1つの導電部は、管状構造である。
【0010】
いくつかの実施例では、前記少なくとも1つの導電部は、側壁が少なくとも1つの割れ目を含む管状構造であり、前記少なくとも1つの割れ目は、前記管状構造の前記少なくとも1つの駆動電極から離れた側の端壁表面までに延びる。
【0011】
いくつかの実施例では、前記少なくとも1つの導電部の硬度は、少なくとも1つの駆動電極の硬度よりも大きい。
【0012】
いくつかの実施例では、前記少なくとも1つの導電部の材料は、タングステン、チタン、又はモリブデンを含む。
【0013】
いくつかの実施例では、前記表示バックプレーンは、記接続構造の前記少なくとも1つの導電部上に設けられた導電性めっき層をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施例では、前記表示バックプレーンは、複数のサブ画素領域を有し、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも2つの駆動電極は、前記複数のサブ画素領域のうちの1つのサブ画素領域内に位置する。
【0015】
いくつかの実施例では、前記表示バックプレーンは、前記複数のサブ画素領域のうちの1つのサブ画素領域内に位置し、前記基板上に設けられた少なくとも1つの駆動トランジスタをさらに含む。前記少なくとも2つの駆動電極は、前記少なくとも1つの駆動トランジスタの前記基板とは反対側に位置する。同一のサブ画素領域内の2つずつの駆動電極のうちの1つは、該サブ画素領域内に配置された1つの駆動トランジスタに電気的に接続されている。
【0016】
別の態様では、表示バックプレーンの製造方法が提供される。前記表示バックプレーンの製造方法は、基板を提供するステップと、前記基板上に複数の駆動電極を製造するステップと、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極上に接続構造を製造するステップと、を含み;前記接続構造の前記基板における正投影は、少なくとも1つの駆動電極の前記基板における正投影内に位置し、且つ、前記接続構造は、少なくとも1つの導電部を含み、前記少なくとも1つの導電部は、少なくとも1つの駆動電極と第1挟角をなして設けられる。
【0017】
いくつかの実施例では、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極上に接続構造を製造するステップは、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極の前記基板とは反対側に第1目標層、及び前記第1目標層よりも硬度が大きい第2目標層を積層して形成する段階と、前記第2目標層及び前記第1目標層を貫通し、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極が所在する領域内に位置し、前記少なくとも1つの駆動電極に1対1で対応する少なくとも1つの貫通孔を形成する段階と、第1金属薄膜を蒸着して、前記第1金属薄膜が前記少なくとも1つの貫通孔の各貫通孔内に位置する部分を、対応する駆動電極に電気的に接続させるようにする段階と、前記第1金属薄膜の前記各貫通孔内に位置する部分を保留するように、前記第1金属薄膜をパターン化する段階と、前記第2目標層及び前記第1目標層を除去して、前記接続構造を形成する段階と、を含む。
【0018】
いくつかの実施例では、第1金属薄膜を蒸着した後、及び前記第1金属薄膜をパターン化する前に、前記表示バックプレーンの製造方法は、前記第1金属薄膜が前記各貫通孔内に位置する部分にフォトレジストを塗布するステップをさらに含む。前記第1金属薄膜をパターン化するステップは、化学機械研磨方式で前記第1金属薄膜をパターン化する段階をさらに含む。前記第2目標層及び前記第1目標層を除去して、前記接続構造を形成するステップは、前記第2目標層、前記第1目標層及び前記フォトレジストを除去して、前記接続構造を形成する段階をさらに含む。
【0019】
いくつかの実施例では、第1金属薄膜を蒸着した後、及び前記第1金属薄膜をパターン化する前に、前記表示バックプレーンの製造方法は、さらに、少なくとも前記第1金属薄膜が前記各貫通孔内に位置する部分を覆うフォトレジストを塗布するステップと、前記フォトレジストの対応する前記各貫通孔内に位置する部分を保留するように、前記フォトレジストをパターン化するステップと、を含む。ここで、前記基板の表面を基準面として、パターン化されたフォトレジストの前記基板とは反対側の表面は、前記第1金属薄膜の前記基板とは反対側の表面より低くなく、前記パターン化されたフォトレジストが前記各貫通孔内に位置する部分の前記基板における正投影のサイズは、対応する貫通孔の孔径と同じ又は略同じである。前記第2目標層及び前記第1目標層を除去して、前記接続構造を形成するステップは、前記第2目標層、前記第1目標層及び前記パターン化されたフォトレジストを除去して、前記接続構造を形成する段階をさらに含む。
【0020】
いくつかの実施例では、前記第1目標層の材料は有機絶縁材料であり、は、前記第2目標層の材料は無機絶縁材料又は金属材料である。
【0021】
さらに別の態様では、表示装置が提供される。前記表示装置は、上述の表示バックプレーンと、前記表示バックプレーンの2つずつの接続構造に気的に接続される1つのマイクロ発光ダイオードとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示のいくつかの実施例の技術案をより明確に説明するために、いくつかの実施例の説明で使用される図面について、以下に簡単に説明するが、以下に説明される図面は、本開示の実施例の一部にすぎないことは明らかであり、当業者は、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0023】
図1】本開示のいくつかの実施例による表示バックプレーンの概略構造図である。
図2】本開示のいくつかの実施例による別の表示バックプレーンの概略構造図である。
図3】本開示のいくつかの実施例によるさらに別の表示バックプレーンの概略構造図である。
図4】本開示のいくつかの実施例によるさらに別の表示バックプレーンの概略構造図である。
図5】本開示のいくつかの実施例による接続構造の上面図である。
図6図5に示す接続構造のA-A’方向の断面図である。
図7】本開示のいくつかの実施例による別の接続構造の上面図である。
図8図7に示す接続構造のB-B’方向の断面図である。
図9】本開示のいくつかの実施例によるさらに別の接続構造の上面図である。
図10図9に示す接続構造のC-C’方向の断面図である。
図11】本開示のいくつかの実施例によるさらに別の接続構造の上面図である。
図12図11に示す接続構造のD-D’方向の断面図である。
図13】本開示のいくつかの実施例によるさらに別の接続構造の上面図である。
図14】本開示のいくつかの実施例によるさらに別の表示バックプレーンの概略構造図である。
図15】本開示のいくつかの実施例によるさらに別の表示バックプレーンの概略構造図である。
図16】本開示のいくつかの実施例による表示バックプレーンの製造方法のフローチャートである。
図17】本開示のいくつかの実施例による表示バックプレーンの製造のフローチャートである。
図18】本開示のいくつかの実施例による表示バックプレーンの導電性めっき層の製造のフローチャートである。
図19】本開示のいくつかの実施例による表示装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下は本開示のいくつかの実施例の図面を参照して、本開示のいくつかの実施例における技術案について、明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は、本開示の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本開示のいくつかの実施例に基づいて、当業者が得られた全ての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属するものとする。
【0025】
Micro-LED表示装置では、各Micro-LEDのサイズは、通常、100μm以下であり、隣接する2つのMicro-LEDの間の距離の測定精度も、ミクロンオーダーである。Micro-LED表示装置は、表示バックプレーンを備えており、Micro-LED表示装置における各Micro-LEDが、通常、大量転送技術(MassTransfer Technology)を介して前記表示バックプレーンに転送されている。しかしながら、各Micro-LEDを前記表示バックプレーンに転送する過程において、各Micro-LEDと表示バックプレーンの対応する電極とのボンディング(Bonding)には、効率が低く、歩留まりが低く、信頼性が低いという問題がある。
【0026】
これに鑑み、図1図10に示すように、本開示のいくつかの実施例は、表示バックプレーン100を提供する。該表示バックプレーン100は、基板1と、基板1上に設けられた複数の駆動電極2と、複数の駆動電極2のうちの少なくとも1つの駆動電極2上に設けられた接続構造3と、を含み、該接続構造3の基板1における正投影は、対応する駆動電極2の基板1における正投影内に位置する。
【0027】
ここで、前記少なくとも1つの駆動電極2のうちの各駆動電極2には、1つの接続構造3が対応するように設けられる。各接続構造3は、少なくとも1つの導電部31を含み、前記少なくとも1つの導電部31が、対応する駆動電極2と第1挟角αをなして設けられる。
【0028】
基板1は、複数の駆動電極2と、少なくとも1つの駆動電極2に設けられた接続構造3などを載置するように構成されている。いくつかの例では、基板1は、何も薄膜が設けられないガラス基板などのブランク基板であり得る。表示バックプレーン100全体の厚さが薄くなるように、上記の複数の駆動電極2がガラス基板上に直接設けられる。
【0029】
別のいくつかの例では、基板1は、少なくとも一層の薄膜を含む基板である。ここで、少なくとも一層の薄膜は、ポリイミド層(Polyimide Film、PI層と略称)、バッファ層、又は遮光層のうちの少なくとも1層を含む。該少なくとも1層の薄膜を含む基板上には、複数の駆動電極2と、複数の駆動電極2に信号を提供するための駆動回路が設けられる。各駆動電極2及び駆動回路を保護するように、PI層又はバッファ層などは、複数の駆動電極2と駆動回路に支持を提供して外力を緩和することができる。
【0030】
各接続構造3は、駆動電極2の基板1とは反対側の表面に配置され、即ち、各接続構造3は、対応する駆動電極2と直接接触する。各接続構造3は、少なくとも1つの導電部31を含み、前記少なくとも1つの導電部31は、対応する駆動電極2と第1挟角αをなして設けられ、各導電部31は、対応するマイクロ電子部品のピンを差し込むように構成される。このように、各接続構造3は、対応する駆動電極2と電気的に接続するだけでなく、対応するマイクロ電子部品のピンと良好に差し込むこともできるので、対応する駆動電極2の駆動信号を対応するマイクロ電子部品に伝送し、よって、対応するマイクロ電子部品の動作状態を制御する。
【0031】
例示的に、図1図6及び図8に示すように、上述した少なくとも1つの導電部31と対応する駆動電極2との間の第1挟角αの値の範囲は85°~95°であり、即ち、前記少なくとも1つの導電部31のうちの各導電部31は、対応する駆動電極2の基板1とは反対側の表面に垂直(又は垂直に近い)する。このように、各接続構造3を対応するマイクロ電子部品のピンに差し込む過程において、各接続構造3の各導電部31は、対応するマイクロ電子部品のピンに容易に差し込むことにより、相互拡散(即ち、各導電部31の原子が対応するピンに移動して浸透し、各ピンの原子が対応する導電部31に移動して浸透する)の方式で良好な電気的接続を実現するだけでなく、基板1の所在平面に平行な方向に沿って受ける力を小さく又は無視できる程度にして、その力による変形及びその変形に起因する電気的接続の不良の発生を回避することもできる。
【0032】
本開示のいくつかの実施例では、対応するマイクロ電子部品のピンと接続するために配置される複数の接続構造3を、表示バックプレーン100における対応する駆動電極2上に設けることにより、製造が便利になるだけでなく、生産コストも低くなるため、該複数の接続構造3の大面積範囲での大量製作を実現することが可能となる。また、複数のマイクロ電子部品を表示バックプレーン100に大量転送する過程において、該複数の接続構造3を対応するマイクロ電子部品のピンに効果的に差し込むことにより、各マイクロ電子部品と表示バックプレーン100における対応する駆動電極2とのボンディング効率、ボンディング歩留まり、及びボンディング信頼性を効果的に向上させ得る。
【0033】
いくつかの実施例では、図5図10に示すように、各接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31の基板1における正投影は、閉じたパターンである。即ち、各接続構造3は少なくとも1つの導電部31によって囲まれており、よって、各接続構造3の基板1における正投影の境界パターンは、閉じられている。
【0034】
例示的に、各接続構造3の基板1における正投影の境界のパターンは、円形、楕円形、任意の多角形などであり、円形、楕円形、又は任意の多角形は、中空パターン又は中実パターンのいずれであってもよい。それに応じて、各接続構造3の基板1における正投影が中空パターンである場合、該接続構造3は、円管や四角管などの管状構造を採用する。各接続構造3の基板1における正投影が中実パターンである場合、該接続構造3は、円錐又はピラミッドなどの頂点が尖った角を有する錐状構造を採用する。
【0035】
また、図9図10に示すように、いくつかの例では、各接続構造3は複数の導電部31を含み、各導電部31は管状構造であり、複数の導電部31の管径は異なり、且つ順次に入れ子状になっている。このように、該接続構造3の基板1における正投影は、図9に示すように、1つずつ入れ子にされた複数の中空パターンである。
【0036】
別のいくつかの実施例では、図11図13に示すように、各接続構造3のうちの前記少なくとも1つの導電部31の基板1における正投影は、非密閉パターンである。即ち、各接続構造3は、間隔をおいて配置された少なくとも2つの導電部31から構成されおり、よって、各接続構造3の基板1における正投影の境界パターンは、閉じられない。例えば、各接続構造3の基板1における正投影は、その各導電部31に一対一に対応する複数の正投影部分を含み、且つ複数の正投影部分が分散して配置される。
【0037】
いくつかの例では、図13に示すように、各接続構造3は、間隔をおいて対向する2つの導電部31を含み、且つ各導電部31が直立のシート構造である。
【0038】
別のいくつかの例では、図11に示すように、各接続構造3は、側壁に少なくとも1つの割れ目を有する管状構造であり、前記少なくとも1つの割れ目は、前記管状構造の両側の端壁表面までに延びる、即ち、該少なくとも1つの割れ目は、前記管状構造を少なくとも2つの独立した部分に分割する。
【0039】
さらに、各接続構造3が側壁に少なくとも1つの割れ目を有する管状構造である場合、前記少なくとも1つの割れ目の各々の一端が前記管状構造の中央部に位置し、他端は前記管状構造の前記駆動電極から離れた側の端壁表面までに延びる場合、前記管状構造の基板1における正投影の境界パターンは、閉じたパターンである。
【0040】
上記のいくつかの実施例において、図11図12に示すように、各接続構造3は、その各導電部31と接続する底部32をさらに含み、該底部32は対応する駆動電極2と直接接触する、即ち、該底部32は対応する駆動電極2の基板1とは反対側の表面上に設けられる。このように、各接続構造3はより高い安定性を有することを確保できるだけでなく、各接続構造3と対応する駆動電極2との接触面積を増大させ、各接続構造3と対応する駆動電極2との間の接続信頼性を向上させ、駆動電極2から伝送される駆動信号の伝送効率を向上させることもできる。
【0041】
ここで、各接続構造3の底部32は、その各導電部31に接続され、該底部32の形状は、前記各導電部31によって囲まれる形状に関わる。例えば、前記各導電部31によって囲まれる形状が管状であると、底部32は閉じたパターンであり、且つ前記各導電部31によって囲まれる管状の管口形状に一致する、即ち、前記各導電部31の基板における正投影の内輪郭と、底部32の基板における正投影の外輪郭の一部とが一致するか、又は、前記各導電部31の基板における正投影の外輪郭と、底部32の基板における正投影の外輪郭の一部とが一致し、これにより、前記各導電部31が底部32によって接続される。
【0042】
いくつかの例では、図11及び図12に示すように、各接続構造3は、底部32の輪郭に沿って間隔をおいて設けられた複数の導電部31を含む。例えば、各接続構造3では、その底部32の基板1における正投影は円形であり、各導電部31が該底部32の輪郭上に均一に分布し、各導電部31の基板1における正投影は、前記円形に一致する一部の円弧である。
【0043】
また、いくつかの例では、同一の接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31と、対応する底部32とは、一体構造である。即ち、同一の接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31は、対応する底部32と同じ導電材料で一体成形されており、製造が便利である。
【0044】
いくつかの実施例では、各接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31の硬度は、対応する駆動電極2の硬度よりも大きい。例示的に、各接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31は、モース硬度が5.5以上の材料、例えばタングステン、チタン、又はモリブデンなどを用いて形成されている。これにより、前記少なくとも1つの導電部31がより安定した形状及びより良好な支持強度を有するように確保し、ひいては、各接続構造3がより安定した形状及びより良好な支持強度を有するように確保し得る。
【0045】
いくつかの例では、各接続構造3は、前記少なくとも1つの導電部31に接続される底部32をさらに含み、該底部32は各導電部31と同じ材料を用いて形成される。もちろん、該底部32は、対応する駆動電極2とも直接接触しており、該底部32は、対応する駆動電極2と同じ材料を用いて形成されてもよい。
【0046】
いくつかの実施例では、図3及び図4に示すように、表示バックプレーン100は、各接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31上に設けられた導電性めっき層8をさらに含む。該導電性めっき層8は、対応する接続構造3を対応する駆動電極2上に周設することができ、このように、導電性めっき層8によって、対応する接続構造3及び対応する駆動電極2を電気的に接続し、対応する接続構造3の表面導電性を向上させるのに有利であり、ひいては、各接続構造3と、対応する駆動電極2及び対応するマイクロ電子部品との間の電気的接続性能を向上させるのに有利である。
【0047】
いくつかの例では、導電性めっき層8は、銅層、アルミニウム層、又は銀層のうちの少なくとも1つを含む。
上記の導電性めっき層8を配置する方式は様々である。
【0048】
いくつかの例では、図3に示すように、各接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31上の該導電性めっき層8の配置方法は、前記少なくとも1つの導電部31の露出表面、即ち、対応する駆動電極2と接触する表面以外の表面上に配置されると表される。各接続構造3が底部32をさらに含む場合、該導電性めっき層8は、対応する底部32の基板1とは反対側の表面上にも配置される。
【0049】
別のいくつかの例では、図4に示すように、各接続構造3の前記少なくとも1つの導電部31上の該導電性めっき層8の配置方法は、導電性めっき層8のエッジが、各接続構造3の対応する駆動電極2の基板1とは反対側の表面上に延在するようにも表される。
【0050】
いくつかの実施例では、図14及び図15に示すように、上述した表示バックプレーン100は、アレイ状に配置された複数のサブ画素領域Sを有し、前記複数の駆動電極2のうちの少なくとも2つの駆動電極2は、上述した複数のサブ画素領域Sのうちの1つのサブ画素領域S内に位置する。
【0051】
各サブ画素領域Sに設けられる駆動電極2の数は、実際の要求に応じて適宜決定可能であり、本開示はこれに限定されるものではない。
【0052】
いくつかの例では、マイクロ電子部品は、通常2つのピンを有するMicro-LEDである。各サブ画素領域S内の駆動電極2は、通常、対に配置され、即ち、各サブ画素領域S内には、2N個(N=1、2、3、…)の駆動電極2が配置される。このように、各サブ画素領域SはN個のMicro-LEDに対応する。
【0053】
これに基づいて、図1に示すように、上述した表示バックプレーン100は、前記複数のサブ画素領域Sのうちの1つのサブ画素領域S内に位置し、基板1上に設置される少なくとも1つの駆動トランジスタ4と、基板1上に設置される複数の電極線5と、をさらに含む。各電極線5の延伸方向は、各行のサブ画素領域Sの延伸方向に平行である(又は平行に近い)か、又は、各電極線5の延伸方向は、各列のサブ画素領域Sの延伸方向に平行である(又は平行に近い)。
【0054】
同一のサブ画素領域S内の2つずつの駆動電極2は、1つの駆動トランジスタ4に対応し、同一の行又は同一の列のサブ画素領域Sは、1つの電極線5に対応する。同一のサブ画素領域S内の2つずつの駆動電極2のうちの一方は、対応する駆動トランジスタ4と電気的に接続され、他方は、対応する電極線5と電気的に接続されている。前記2つずつの駆動電極2は、対応する駆動トランジスタ4及び対応する電極線5の駆動により、対応するMicro-LEDの発光又は非発光を制御するように構成される。
【0055】
ここで、各電極線5は、共通の電圧信号を提供するように構成される。選択的には、各電極線5は一体構造である。即ち、各電極線5は、同じ材料を使用して、一回のパターニングプロセスで製造される。
【0056】
上述した各駆動トランジスタ4の構造は、実際の要求に応じて適宜決定可能である。各駆動トランジスタ4は、対応する駆動電極2の基板1に近い側に配置される。各駆動トランジスタ4は、ボトムゲート構造又はトップゲート構造を採用する。例示的に、各駆動トランジスタ4は、トップゲート構造を採用する。図1に示すように、各駆動トランジスタ4は、基板1上に順次に積層された活性層41、ゲート絶縁層42、ゲート43及び層間誘電体層44を含む。各駆動トランジスタ4は、層間誘電体層44のゲート43とは反対側に配置されたソース45及びドレイン46を含み、ソース45及びドレイン46は、それぞれ対応する活性層41と電気的に接続される。
【0057】
上述した各電極線5は、各駆動トランジスタ4におけるソース45及びドレイン46と同層に設けられる。即ち、各電極線5は各駆動トランジスタ4におけるソース45及びドレイン46と、同じ材料を用いて一回のパターニングプロセスで作製し完成することができる。
【0058】
いくつかの例では、図1に示すように、駆動トランジスタ4と対応する駆動電極2との間には、平坦化層6及びパッシベーション層7が順次に積層されている。該駆動電極2は、平坦化層6及びパッシベーション層7を貫通する貫通孔を介して対応する駆動トランジスタ4と電気的に接続される。平坦化層6及びパッシベーション層7により、各駆動トランジスタ4の基板1とは反対側の面を平坦化して、対応する各駆動電極2が良好な平坦度を有するように確保し、各駆動電極2に折れが発生することを回避することができる。
【0059】
本開示のいくつかの実施例は、上述したいくつかの実施例によって提供される表示バックプレーン100を製造するための表示バックプレーンの製造方法を提供する。図16及び図17に示すように、前記表示バックプレーンの製造方法は、S100~S300を含む。
【0060】
S100:基板1を提供する。
基板1の構造は、実際の要求に応じて適宜設定可能であり、本開示のいくつかの実施例に限定されない。
【0061】
S200:基板1上に複数の駆動電極2を製造する。
例示的に、図17(a)に示すように、スパッタリング蒸着法により、基板1上に1つの電極層を蒸着させ、この電極層をパターン化処理する、即ち、前記複数の駆動電極2を形成するように、マスクを利用し1回のパターニングプロセスにより、この電極層をエッチングする。
【0062】
ここで、駆動電極2の厚み(即ち、駆動電極2の基板1に垂直な方向におけるサイズ)は、実際の要求に応じて適宜設定可能である。例示的に、駆動電極2の厚さの値の範囲は、0.60μm~0.80μmであり、例えば、駆動電極2の厚さは0.75μmである。
【0063】
さらに、駆動電極2は、チタン、アルミニウム、銅又はクロムなどの導電性金属材料のうちの少なくとも1つを用いて形成される。例示的に、駆動電極2は、順次に積層された厚さが0.05μmのチタン層、厚さが0.65μmのアルミニウム層、厚さが0.05μmのチタン層を含む。
【0064】
S300:複数の駆動電極2のうちの少なくとも1つの駆動電極2上に接続構造3を製造する。該接続構造3の基板1における正投影は、対応する駆動電極2の基板1における正投影内に位置し、且つ、接続構造3は、少なくとも1つの導電部31を含む。前記少なくとも1つの導電部31は、対応する駆動電極2と第1挟角αをなして設けられる。
【0065】
上述した少なくとも1つの駆動電極2上に接続構造3を製造することは、前記少なくとも1つの駆動電極2のうちの各駆動電極2の基板1とは反対側の表面上に少なくとも1つの導電部31を製造すると表される。これにより、各接続構造3と対応する駆動電極2との良好な電気的接続を実現する。
【0066】
本開示のいくつかの実施例によって提供される表示バックプレーンの製造方法で得られる有益な効果は、上述したいくつかの実施例によって提供される表示バックプレーンによって得られる有益な効果と同じであり、ここではその説明を繰り返さない。
【0067】
上述した各接続構造3のうちの各導電部31の製造方法は、その構造に関連して、実際の要求に応じて適宜決定可能である。本開示のいくつかの実施例はこれを限定しない。
【0068】
例示的に、上述したS300において、複数の駆動電極2のうちの少なくとも1つの駆動電極2上に接続構造3を製造するステップは、下記の段階を含む。
S310:図17(b)に示すように、前記複数の駆動電極2のうちの少なくとも1つの駆動電極2の基板1とは反対側に第1目標層101、及び第1目標層101より硬度が大きい第2目標層102を積層して形成する。
【0069】
いくつかの例では、第1目標層101の材料及び第2目標層102の材料は、実際の要求に応じて適宜決定可能である。選択的には、第1目標層101の材料は、ポジ型フォトレジスト樹脂などの感光性樹脂材料を含む有機絶縁材料である。選択的には、第2目標層102の材料は、二酸化ケイ素などの無機材料である。又は、第2目標層102の材料は、アルミニウム、銅、タングステン、チタン又はモリブデンなどの金属材料である。選択的には、第1目標層101の材料は、有機絶縁材料であり、第2目標層102の材料は、無機材料又は金属材料である。
【0070】
第1目標層101は、有機絶縁材料を用いて塗布により形成され、第2目標層102は、無機材料又は金属材料を用いて化学気相蒸着(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition、PECVDと略称)法により形成される。第1目標層101の厚さ(即ち、第1目標層101の基板1に垂直な方向におけるサイズ)は、一般に、第2目標層102の厚さよりも大きい。
【0071】
ここで、第1目標層101の厚さは、接続構造3の各導電部31の高さ(即ち、導電部31の基板1に垂直な方向におけるサイズ)に応じて設定可能である。例示的に、第1目標層101の厚さの値の範囲は3μm~4μmであり、第2目標層102の厚さの値の範囲は0.15μm~0.25μmである。
【0072】
S320:図17(c)に示すように、第2目標層102及び第1目標層101を貫通し、上述した複数の駆動電極2のうちの少なくとも1つの駆動電極2が所在する領域内に位置し、前記少なくとも1つの駆動電極2に1対1で対応する少なくとも1つの貫通孔を形成する。
【0073】
ここで、第1目標層101の厚さは、第2目標層102の厚さよりも大きく、より大きい厚さの第1目標層101を用いることにより、形成された前記少なくとも1つの貫通孔103がより大きな高さを有するように確保できる。第2目標層102の硬度は、第1目標層101の硬度よりも大きく、より高い硬度の第2目標層102を用いることにより、形成された前記少なくとも1つの貫通孔の開口形状が安定し、且つ、孔壁が急峻となることを確保し、よって、前記少なくとも1つの貫通孔の各貫通孔が正確に成形されることを確保できる。
【0074】
前記少なくとも1つの貫通孔103は、前記少なくとも1つの駆動電極2が所在する領域内に位置する。即ち、各貫通孔103の基板1における正投影は、対応する駆動電極2の基板1における正投影内に位置する。各貫通孔103は、第2目標層102と第1目標層101を貫通する、即ち、駆動電極2の対応する貫通孔103が所在する領域の表面がその孔内に露出する。
【0075】
各貫通孔103の形状及びその形成方式は、対応する接続構造3の各導電部31の構造に関わる。例えば、接続構造3が、円形管状の導電部であると、該対応する貫通孔の孔径は、該導電部の管外径と同じである。又は、例えば、接続構造3が、多角形の管状の導電部であると、該対応する貫通孔の孔径は、該導電部が基板1に平行な方向における最大の対角線サイズと同じである。選択的には、各貫通孔103の孔径の値の範囲は、1μm~8μmである。
【0076】
S330:図17(d)に示すように、第1金属薄膜104を蒸着して、第1金属薄膜104が前記少なくとも1つの貫通孔103の各貫通孔103内に位置する部分が、対応する駆動電極2に電気的に接続される。
【0077】
例示的に、スパッタリング蒸着法により、第1金属薄膜104が、第2目標層102の基板1とは反対側の表面上及び前記少なくとも1つの貫通孔103内に形成される。第1金属薄膜104が各貫通孔103内に位置する部分は、対応する駆動電極2の露出表面を覆い、駆動電極2と直接接触する。
【0078】
第1金属薄膜104の材料は、実際の要求に応じて適宜決定可能であり、本開示のいくつかの実施例はこれを限定しない。例示的に、第1金属薄膜104は、表1に示すように、モース硬度≧5.5の金属材料を用いて形成される。
【表1】
【0079】
S340:第1金属薄膜104が各貫通孔103内に位置する部分を保留するように、第1金属薄膜104をパターン化する。
S350:第2目標層102及び第1目標層101を除去して、接続構造3を形成する。
【0080】
ここで、第2目標層102は、無機材料又は金属材料を用いて形成され、そして、通常、ドライエッチングにより除去される。第1目標層101は、有機絶縁材料を用いて形成され、そして、通常、酸素プラズマエッチングのようなプラズマエッチングにより除去される。
【0081】
さらに、選択的には、第1金属薄膜104は、第2目標層102の基板1とは反対側の表面上に位置する部分の厚さの値の範囲は、0.3μm~4.0μmである。第1金属薄膜104が各貫通孔103の側壁上に位置する部分の厚さの値の範囲は、0.1~2μmである。このように、第1金属薄膜104をパターン化し、且つ第1金属薄膜104が各貫通孔103内に位置する部分を保留することにより、形成された接続構造3が必要な機械的強度を有することに加えて、良好な電気的接続を確保することができる。
【0082】
上述したS340において、第1金属薄膜104をパターン化する方式は様々であり、実際の要求に応じて適宜決定可能である。本開示のいくつかの実施例はこれを限定しない。
【0083】
いくつかの例では、S340における第1金属薄膜104のパターン化は、マスクを用いてドライエッチングにより完成される。マスク上の開口パターンは、第1金属薄膜104の成形されるべきパターンによって設定可能である。さらに、選択的には、第2目標層102は金属材料を用いて形成され、第2目標層102及び第1金属薄膜104は、同一のマスクを用いてパターン化することができる。この製造プロセスは簡単で容易に実現でき、接続構造3のプロセスフローを効果的に短縮することができる。
【0084】
別のいくつかの例では、S340における第1金属薄膜104のパターン化は、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polish、CMPと略称)法によって完成される。
【0085】
例えば、S340は、第1金属薄膜104が各貫通孔103内に位置する部分にフォトレジストを塗布する段階を含む。該フォトレジストは、第1金属薄膜104が各貫通孔103内に位置する部分を保護する。その後、フォトレジストによって保護されていない第1金属薄膜104の一部を除去するために、第1金属薄膜104をCMP法によりパターン化する。
【0086】
これに対応し、S350は、上述したフォトレジストを除去する段階をさらに含む。上述したフォトレジストを、例えば、プラズマエッチングにより除去する。いくつかの例では、上述したフォトレジスト及び第1目標層101は、1回のプラズマエッチング工程により同時に除去されてもよい。
【0087】
なお、上述したように、第1金属薄膜104が各貫通孔103内に位置する部分にフォトレジストを塗布することは、言い換えれば、該フォトレジストと対応する貫通孔103との正確な位置合わせを確保した上で、フォトレジストを用いて各貫通孔103を平坦化にするか又は充填する。このように、フォトレジストの保護によって、要求を満たす接続構造3を得ることが容易になる。
【0088】
別のいくつかの例では、各貫通孔103の孔径の値の範囲は、0.1μm~1μmである。S340における第1金属薄膜104をパターン化する段階は、S341~S343を含む。
【0089】
S341:図17(e)に示すように、少なくとも、第1金属薄膜104が各貫通孔103内に位置する部分を覆うフォトレジスト105を塗布する。
例示的に、フォトレジスト105は、第1金属薄膜104の基板1とは反対側の全体表面を覆い、且つ、該フォトレジスト105の基板1とは反対側の表面は、実質的に平坦な表面である。
【0090】
S342:フォトレジスト105の対応する各貫通孔103内に位置する部分を保留するように、上述したフォトレジスト105をパターン化し、パターン化したフォトレジスト106の基板1とは反対側の表面は、基板1の表面を基準面とし、第1金属薄膜104の基板1とは反対側の表面より低くなく、パターン化したフォトレジスト106が各貫通孔103内に位置する部分の基板1における正投影のサイズは、対応する貫通孔103の孔径と同じ又は略同じとする。
【0091】
ここで、上述したフォトレジスト105のパターン化は、プラズマによる同厚のエッチングにより完成し得る。このように、基板1に垂直な方向において、フォトレジストのエッチング量が同じになるため、パターン化したフォトレジスト106の基板1とは反対側の表面と、第1金属薄膜104の各貫通孔103内に位置していない部分の基板1とは反対側の表面とが、面一又は略面一になる。したがって、パターン化されたフォトレジスト106は、各貫通孔103内の部分のみが残され、第1金属薄膜104の各貫通孔103内に位置する部分を保護する。
【0092】
S343:図17(f)に示すように、ドライエッチング法やCMP法により、第1金属薄膜104をパターン化する。即ち、第1金属薄膜104の、上述したパターン化されたフォトレジスト106により保護されていない部分を除去する。
【0093】
これに対応して、図17(g)及び(h)に示すように、S350は、パターン化されたフォトレジスト106を除去する段階をさらに含む。例えば、プラズマエッチング法により、上記のパターン化されたフォトレジスト106を除去する。いくつかの例では、上記のパターン化されたフォトレジスト106及び第1目標層101は、1回のプラズマエッチング工程により同時に除去されてもよい。
【0094】
さらに、選択的には、第2目標層102は、金属材料を用いて形成され、第2目標層102の除去と第1金属薄膜104のパターン化は、同一のドライエッチング工程又は同一回のCMP工程で実行することができ、各接続構造3の製作プロセスを簡略化することができる。
【0095】
本開示のいくつかの実施例では、第1金属薄膜104の基板1とは反対側の表面にフォトレジスト105を全面塗布することにより、該フォトレジスト105の部分が各貫通孔103を自然に充填することができる。フォトレジストをパターン化させた後、該パターン化された後のフォトレジスト106の基板1とは反対側の表面は、第1金属薄膜104の基板1とは反対側の表面より低くない。即ち、該パターン化された後のフォトレジスト106は、フォトレジスト105が各貫通孔103内に残る部分である。これによって、該パターン化された後のフォトレジスト106と各貫通孔103の自己整合を実現し、その位置合わせ精度を効果的に改善し、ひいては対応する各接続構造3の成形精度を確保し、各接続構造3の大面積範囲での大量製作を実現することが可能である。
【0096】
いくつかの実施例では、図3図4及び図18に示すように、上記の表示バックプレーンの製造方法は、S400をさらに含む。
【0097】
S400では、各接続構造3上に導電性めっき層8を形成する。
いくつかの例では、導電性めっき層8の構造は、図3に示ように、対応する接続構造3を対応する駆動電極2上に周設するため、導電性めっき層8は、対応する接続構造3の露出表面上に形成される。
【0098】
別のいくつかの例では、導電性めっき層8の構造は、図4に示されている。導電性めっき層8の製造方法は、図18(a)及び(b)に示されている。まず、スパッタリング蒸着法により、各駆動電極2及び各接続構造3の露出表面を少なくとも覆う第2金属薄膜105を蒸着する。次に、第2金属薄膜107をパターン化して、各接続構造3及び対応する駆動電極2上に形成する導電性めっき層8を得る。
【0099】
ここで、選択的には、第2金属薄膜107は、銅、アルミニウム、又は銀のうちの少なくとも1つの材料で形成される。
【0100】
ここで、第2金属薄膜107のパターン化は、マスクを用いてドライエッチング法により完成される。
【0101】
選択的には、導電性めっき層8と対応する駆動電極2は、同一のマスクにおける同一のパターンを利用してエッチングして形成されるため、製造が便利になる。
【0102】
本開示のいくつかの実施例では、導電性めっき層8により、対応する接続構造3及び対応する駆動電極2を電気的に接続することは、対応する接続構造3の表面導電性を向上させ、ひいては、各接続構造3と、対応する駆動電極2及び対応するマイクロ電子部品との間の電気的接続性能を向上させるのに有利である。
【0103】
本開示のいくつかの実施例は、表示装置200を提供する。図19に示すように、前記表示装置200は、上記のいくつかの実施例で提供される表示バックプレーン100と、前記表示バックプレーン100における2つずつの接続構造3に対応して電気的に接続される1つのMicro-LED9とを備える。
【0104】
例示的に、表示装置の画素数は、通常、百万オーダである。表示装置が4K超高解像度(Ultra-High Definition 、UHDと略称)Micro-LED表示スクリーンである場合、該表示スクリーンは、解像度が3840×2160で、8,294,400個の画素を有する。各Micro-LED9は、1つの原色に対応し、即ち、各画素は3つのMicro-LEDに対応する。これは、該表示スクリーンが24,883,200個のMicro-LEDを有しており、数千万オーダのMicro-LEDを表示装置にボンディングする必要があることを意味する。
【0105】
Micro-LED9は、通常、1つのLED本体91と、LED本体91上に配置され、対応する2つの接続構造3にそれぞれ電気的に接続される2つのピン92とを含む。各接続構造3は、対応する駆動電極2上にそれぞれ配置されている。各駆動電極2が対応する接続構造3を介して対応するピン92に電気的に接続できることを確保するように、各駆動電極2の配置位置は、通常、対応するMicro-LED9のピン92の配置位置に応じて設計される。例えば、各ピン92の基板1における正投影は、対応する駆動電極2の基板1における正投影内に位置する。
【0106】
さらに、Micro-LED9の全体のサイズは、通常、100μm未満である。該Micro-LED9のピン92のサイズは、Micro-LED9の全体のサイズよりも小さいため、Micro-LED9のピン92は、通常、金属パッドとして存在する。Micro-LED9のピン92と対応する接続構造3との間の電気的接続は、差し込みの方式によって実現される。
【0107】
例示的に、各接続構造3の基板1とは反対側の端部は、例えば、尖った角又は薄い壁などのより鋭い構造を採用し、その結果、複数のMicro-LED9を表示バックプレーン100に大量転送する過程において、各接続構造3が対応するピン92に効果的に刺入して、各接続構造3が対応するピン92と良好に電気的に接続することを確保することができる。
【0108】
上記の各接続構造3と対応するピン92の位置合わせ精度は、関連する製造プロセスにおける成形精度に関わる。各接続構造3を設計する過程において、その対応する製造工程で達成できる成型精度、即ち、各接続構造3と対応するピン92との間に有り得る位置合わせ精度を参照することにより、各接続構造3の対応する駆動電極2における正投影面積を合理的に特定することができる。
【0109】
例示的に、各接続構造3と対応するピン92との間の位置合わせ精度がより高い場合、各接続構造3の対応する駆動電極2における正投影の外輪郭は、対応するピン92の前記駆動電極2における正投影が所在する領域内に位置できるように設計されて、各接続構造3と対応するピン92との間の良好な電気的接続が確保される。
【0110】
例示的に、各接続構造3と対応するピン92との間の位置合わせ精度がより低い場合、各接続構造3の対応する駆動電極2における正投影の外輪郭は、対応するピン92の前記駆動電極2における正投影が位置する領域の外側に位置し、且つ、各接続構造3の対応する駆動電極2における正投影は、対応するピン92の前記駆動電極2における正投影を覆うように設計する。これにより、各接続構造3と対応するピン92との間の位置合わせずれが生じた場合でも、依然として、各ピン92の対応する駆動電極2における正投影は、対応する接続構造3の前記駆動電極2上の外輪郭内に位置するように確保できる、即ち、各接続構造3と対応するピン92との間の効果的な電気的接続を確保できる。
【0111】
本開示のいくつかの実施例によって提供される表示装置により得られる有益な効果は、上述したいくつかの実施例によって提供される表示バックプレーンによって得られる有益な効果と同じであり、ここではその説明を繰り返さない。
【0112】
図19に示すように、Micro-LED9のピン92の材料は、実際の要求に応じて適宜決定可能であり、本開示のいくつかの実施例はこれを限定しない。例示的に、Micro-LED9のピン92の材料は表2に示されている。
【表2】
【0113】
これにより、表示バックプレーン100における各接続構造3の硬度は、対応するMicro-LED9のピン92の硬度よりも大きい。このように、複数のMicro-LED9を表示バックプレーン100に大量転送して、且つ、複数のMicro-LED9と対応する接続構造3とをボンディングする過程において、各接続構造3は、ほぼ同時に対応するMicro-LED9のピン92(即ち、金属パッド)内に差し込むことができ、金属間の相互拡散による良好な電気的接続を実現できる。
【0114】
このように、複数のMicro-LED9を1つずつボンディングする必要がなく、各Micro-LED9と表示バックプレーン100における対応する駆動電極2とのボンディング効率、ボンディング歩留まり、及びボンディング信頼性を効果的に改善するとともに、表示装置200の製造コストを効果的に低減することができる。さらに、上述した複数のMicro-LED9を表示バックプレーン100に大量転送する過程は、室温で行われるため、製造が容易になる。
【0115】
いくつかの例では、上述した表示装置200は、携帯電話、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、ディスプレイ、又はテレビなどの表示機能を有する製品又は部品であり得る。
【0116】
上述した実施形態の記載における具体的な特徴、構造、材料、又は特性は、1つ又は複数の実施例又は例示的な実施例のいずれかにおいて適切な方法で組み合わされてもよい。
【0117】
上記は本開示の具体的な実施形態に過ぎないが、本開示の範囲はこれに限定されず、本開示の技術的範囲内で当業者であれば容易に想到できる変更又は置換は、すべて本開示の技術的範囲内に包含するものである。したがって、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に準ずるものとする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示バックプレーンであって、
基板と、
前記基板上に設けられた複数の駆動電極と、
前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極上に設けられた接続構造と、を含み、
前記接続構造の前記基板における正投影は、少なくとも1つの駆動電極の前記基板における正投影内に位置し、
前記接続構造は、少なくとも1つの導電部を含み、前記少なくとも1つの導電部が、少なくとも1つの駆動電極と第1挟角をなして設けられる、
表示バックプレーン。
【請求項2】
前記第1挟角の値の範囲は85°~95°である、
請求項1に記載の表示バックプレーン。
【請求項3】
前記接続構造は、前記少なくとも1つの導電部に接続された底部をさらに含み、前記底部が、少なくとも1つの駆動電極と直接接触する、
請求項1に記載の表示バックプレーン。
【請求項4】
記接続構造の前記少なくとも1つの導電部と前記底部とは、一体構造である、
請求項3に記載の表示バックプレーン。
【請求項5】
前記少なくとも1つの導電部は、複数の導電部を含み、前記複数の導電部が前記底部の輪郭に沿って間隔をおいて設けられる、
請求項3に記載の表示バックプレーン。
【請求項6】
前記少なくとも1つの導電部の前記基板における正投影は、閉じたパターンである、
請求項1~4のいずれか1項に記載の表示バックプレーン。
【請求項7】
前記少なくとも1つの導電部は、管状構造である、
請求項6に記載の表示バックプレーン。
【請求項8】
前記少なくとも1つの導電部は、側壁が少なくとも1つの割れ目を含む管状構造であり、前記少なくとも1つの割れ目は、前記管状構造の前記少なくとも1つの駆動電極から離れた側の端壁表面までに延びる、
請求項1~5のいずれか1項に記載の表示バックプレーン。
【請求項9】
前記少なくとも1つの導電部の硬度は、少なくとも1つの駆動電極の硬度よりも大きい、
請求項1~8のいずれか1項に記載の表示バックプレーン。
【請求項10】
前記少なくとも1つの導電部の材料は、タングステン、チタン、又はモリブデンを含む、
請求項9に記載の表示バックプレーン。
【請求項11】
記接続構造の前記少なくとも1つの導電部上に設けられた導電性めっき層をさらに含む、
請求項1~10のいずれか1項に記載の表示バックプレーン。
【請求項12】
複数のサブ画素領域を有し、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも2つの駆動電極は、前記複数のサブ画素領域のうちの1つのサブ画素領域内に位置する、
請求項1~11のいずれか1項に記載の表示バックプレーン。
【請求項13】
前記複数のサブ画素領域のうちの1つのサブ画素領域内に位置し、前記基板上に設けられた少なくとも1つの駆動トランジスタをさらに含み、
前記少なくとも2つの駆動電極は、少なくとも1つの駆動トランジスタの前記基板とは反対側に位置し、
同一のサブ画素領域内の2つずつの駆動電極のうちの1つは、該サブ画素領域内に配置された1つの駆動トランジスタに電気的に接続される、
請求項12に記載の表示バックプレーン。
【請求項14】
表示バックプレーンの製造方法であって、
基板を提供するステップと、
前記基板上に複数の駆動電極を製造するステップと、
前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極上に接続構造を製造するステップと、を含み、
前記接続構造の前記基板における正投影は、少なくとも1つの駆動電極の前記基板における正投影内に位置し、且つ、前記接続構造は、少なくとも1つの導電部を含み、前記少なくとも1つの導電部は、少なくとも1つの駆動電極と第1挟角をなして設けられる、
表示バックプレーンの製造方法。
【請求項15】
前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極上に接続構造を製造するステップは、
前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極の前記基板とは反対側に第1目標層、及び前記第1目標層よりも硬度が大きい第2目標層を積層して形成する段階と、
前記第2目標層及び前記第1目標層を貫通し、前記複数の駆動電極のうちの少なくとも1つの駆動電極が所在する領域内に位置し、前記少なくとも1つの駆動電極に1対1で対応する少なくとも1つの貫通孔を形成する段階と、
第1金属薄膜を蒸着して、前記第1金属薄膜が前記少なくとも1つの貫通孔の各貫通孔内に位置する部分を、対応する駆動電極に電気的に接続させる段階と、
前記第1金属薄膜の前記各貫通孔内に位置する部分を保留するように、前記第1金属薄膜をパターン化する段階と、
前記第2目標層及び前記第1目標層を除去して、前記接続構造を形成する段階と、を含む、
請求項14に記載の表示バックプレーンの製造方法。
【請求項16】
前記第1金属薄膜を蒸着した後、及び前記第1金属薄膜をパターン化する前に、前記表示バックプレーンの製造方法は、さらに、
前記第1金属薄膜が前記各貫通孔内に位置する部分にフォトレジストを塗布するステップを含み、
前記第1金属薄膜をパターン化するステップは、化学機械研磨方式で前記第1金属薄膜をパターン化する段階をさらに含み、
前記第2目標層及び前記第1目標層を除去して、前記接続構造を形成するステップは、前記第2目標層、前記第1目標層及び前記フォトレジストを除去して、前記接続構造を形成する段階をさらに含む、
請求項15に記載の表示バックプレーンの製造方法。
【請求項17】
前記第1金属薄膜を蒸着した後、及び前記第1金属薄膜をパターン化する前に、前記表示バックプレーンの製造方法は、さらに、
少なくとも前記第1金属薄膜が前記各貫通孔内に位置する部分を覆うフォトレジストを塗布するステップと、
前記フォトレジストの対応する前記各貫通孔内に位置する部分を保留するように、前記フォトレジストをパターン化するステップであって、パターン化されたフォトレジストの前記基板とは反対側の表面は、前記基板の表面を基準面とし、前記第1金属薄膜の前記基板とは反対側の表面より低くなく、前記パターン化されたフォトレジストが前記各貫通孔内に位置する部分の前記基板における正投影のサイズは、対応する貫通孔の孔径と同じ又は略同じとするステップと、を含み、
前記第2目標層及び前記第1目標層を除去して、前記接続構造を形成するステップは、前記第2目標層、前記第1目標層及び前記パターン化されたフォトレジストを除去して、前記接続構造を形成する段階をさらに含む、
請求項15に記載の表示バックプレーンの製造方法。
【請求項18】
前記第1目標層の材料は有機絶縁材料であり、は、前記第2目標層の材料は無機絶縁材料又は金属材料である、
請求項15に記載の表示バックプレーンの製造方法。
【請求項19】
請求項1~13のいずれか1項に記載の表示バックプレーンと、
前記表示バックプレーンの2つずつの接続構造に気的に接続される1つのマイクロ発光ダイオードとを備える、
表示装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
別のいくつかの例では、導電性めっき層8の構造は、図4に示されている。導電性めっき層8の製造方法は、図18(a)及び(b)に示されている。まず、スパッタリング蒸着法により、各駆動電極2及び各接続構造3の露出表面を少なくとも覆う第2金属薄膜107を蒸着する。次に、第2金属薄膜107をパターン化して、各接続構造3及び対応する駆動電極2上に形成する導電性めっき層8を得る。






【国際調査報告】