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特表2022-551685タイヤ・トレッドの厚さ/深さの測定を提供する磁気ドライブ・オーバー・システム(DOS)
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-13
(54)【発明の名称】タイヤ・トレッドの厚さ/深さの測定を提供する磁気ドライブ・オーバー・システム(DOS)
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/06 20060101AFI20221206BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G01B7/06 M
B60C19/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520679
(86)(22)【出願日】2020-10-07
(85)【翻訳文提出日】2022-05-31
(86)【国際出願番号】 US2020054513
(87)【国際公開番号】W WO2021071899
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】62/912,299
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522132786
【氏名又は名称】タイラタ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンソン、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ノイス、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】サルトレッリ、マリア ルイーザ
(72)【発明者】
【氏名】フォン ウィンドハイム、ジェスコ
(72)【発明者】
【氏名】シュタングラー、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】メセニー、グレン
(72)【発明者】
【氏名】ブルックス、スティーブン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ケスター、デイビッド アラン
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン、アーロン ダニエル
【テーマコード(参考)】
2F063
3D131
【Fターム(参考)】
2F063AA16
2F063BA09
2F063BC02
2F063BD11
2F063GA53
3D131LA22
(57)【要約】
本明細書に開示されているいくつかの実施例によれば、タイヤのトレッドを測定するためのシステムが提供される。このシステムは、走行面を提供する非磁性層と、磁石と、磁石に関連付けられた磁気センサとを含む。走行面は、測定すべきトレッドを含むタイヤを受けるように適合されている。磁石は両側に第1及び第2の磁極を有し、非磁性層は走行面と磁石との間にあり、第1の磁極が第2の磁極と非磁性層との間にあるように磁石が配置されている。非磁性層は走行面と磁気センサとの間にあり、磁気センサは、磁石及び走行面上のタイヤから生じる磁界を検出するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのトレッドを測定するシステムであって、
走行面を提供する非磁性層であって、前記走行面は、測定される前記トレッドを含む前記タイヤをその上に受けるように適合されている、非磁性層と、
反対側に第1及び第2の磁極を有する磁石であって、前記非磁性層は前記走行面と前記磁石との間にあり、前記磁石は、前記第1の磁極が前記第2の磁極と前記非磁性層との間にあるように配置される、磁石と、
前記磁石に関連付けられた磁気センサであって、前記非磁性層は、前記走行面と前記磁気センサとの間にあり、前記磁気センサは、前記磁石及び前記走行面上の前記タイヤから生じる磁界を検出するように構成されている、磁気センサと
を有するシステム。
【請求項2】
前記磁石の第1の磁極と前記非磁性層との間の第1の距離が、前記磁気センサと前記非磁性層との間の第2の距離よりも大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1及び第2の磁極はそれぞれの第1及び第2の極性を有し、前記磁石は、前記磁気センサを通り且つ前記非磁性層を通る軸を中心に対称に配置された複数の磁石のうちの1つであり、前記複数の磁石のそれぞれが、前記第2の極性のそれぞれの第2の極と前記非磁性層との間に前記第1の極性のそれぞれの第1の極を有する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の磁石は、前記磁気センサ及び前記非磁性層を通る前記軸に中心を有する多角形の頂点を画定する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の磁石は、三角形の頂点を画定する3つの磁石を有する、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の磁石は、四方形の頂点を画定する4つの磁石を有する、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の磁石は、五角形の頂点を画定する5つの磁石を有する、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の磁石は、六角形の頂点を画定する6つの磁石を有する、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の磁石は、前記磁気センサ及び前記非磁性層を通る前記軸を挟んで反対側にある2つの磁石を有する、請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
前記磁気センサは前記磁石と前記非磁性面との間にある、請求項2に記載のシステム。
【請求項11】
前記磁気センサに連結されたコントローラであって、前記磁気センサからの出力に基づいて前記タイヤの前記トレッドの測定値を提供するように構成されたコントローラをさらに有する、請求項1から10までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記磁気センサが第1の磁気センサであり、前記システムが、前記磁石及び前記第1の磁気センサに関連付けられた第2の磁気センサをさらに有し、前記第2の磁気センサは前記第1の磁気センサが前記第2の磁気センサと前記非磁性層との間にあり、また前記第2の磁気センサは、前記磁石から生じる磁界を検出するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記磁石の前記第1の極と前記非磁性層との間の第1の距離が、前記第1の磁気センサと前記非磁性層との間の第2の距離よりも大きく、前記磁石の前記第2の極と前記非磁性層との間の第3の距離が、前記第2の磁気センサと前記非磁性層との間の第4の距離よりも小さい、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1及び第2の磁極はそれぞれの第1及び第2の極性を有し、前記磁石は、前記第1及び第2の磁気センサを通り且つ前記非磁性層を通る軸を中心に対称に配置された複数の磁石のうちの1つであり、前記複数の磁石のそれぞれが前記第2の極性のそれぞれの第2の極と前記非磁性層との間の前記第1の極性のそれぞれの第1の極を有する、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の磁石は、前記磁気センサ及び前記非磁性層を通る前記軸に中心を有する多角形の頂点を画定する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の磁石は、三角形の頂点を画定する3つの磁石を有する、請求項14又は15に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数の磁石は、四方形の頂点を画定する4つの磁石を有する、請求項14又は15に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数の磁石は、五角形の頂点を画定する5つの磁石を有する、請求項14又は15に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数の磁石は、六角形の頂点を画定する6つの磁石を有する、請求項14又は15に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数の磁石は、前記磁第1及び第2の磁気センサを通り且つ前記非磁性層を通る前記軸を挟んで反対側にある2つの磁石を有する、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の磁気センサは前記磁石と前記非磁性面との間にあり、前記磁石は前記第1及び第2の磁気センサの間にある、請求項13に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1及び第2の磁気センサに連結されたコントローラであって、前記第1及び第2の磁気センサからのそれぞれの出力に基づいて前記タイヤの前記トレッドの測定値を提供するように構成されたコントローラをさらに有する、請求項12から21までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記磁気センサが第1の磁気センサであり、前記システムが、前記走行面に対して平行な方向に前記第1の磁気センサから離間された第2の磁気センサをさらに有し、前記非磁性層は前記走行面と前記第2の磁気センサとの間にあり、また前記第2の磁気センサは、前記走行面上の前記タイヤから生じる磁界を検出するように構成されている、請求項1から10までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1及び第2の磁気センサは、前記タイヤが、一方の磁気センサの前に他方の磁気センサの上を転がるように構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1及び第2の磁気センサに連結されたコントローラであって、前記第1及び第2の磁気センサからのそれぞれの出力に基づいて前記タイヤの前記トレッドの測定値を提供するように構成されたコントローラをさらに有する、請求項23又は24に記載のシステム。
【請求項26】
前記磁石が第1の磁石であり、前記磁気センサが第1の磁気センサであり、前記システムが、
第2の磁石であって、前記非磁性層は前記走行面と前記磁石との間にある、第2の磁石と、
前記第2の磁石に関連付けられた第2の磁気センサであって、前記非磁性層は前記走行面と前記第2の磁気センサとの間にあり、前記磁気センサは前記第2の磁石及び前記走行面上の前記タイヤから生じる磁界を検出するように構成されている、第2の磁気センサと
をさらに有する、請求項1から10までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1及び第2の磁気センサは前記走行面に対して平行な方向に離間されている、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記タイヤが前記回転面上にあるとき、前記タイヤの幅にわたる前記タイヤの異なる部分が前記第1及び第2の磁気センサと整列されるように構成された、請求項26又は27に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1及び第2の磁気センサに連結されたコントローラであって、前記第1の磁気センサからの出力に基づいて前記タイヤの前記トレッドの第1の部分の第1の測定値を提供するように、且つ前記第2の磁気センサからの出力に基づいて前記タイヤの前記トレッドの第2の部分の第2の測定値を提供するように構成されたコントローラをさらに有する、請求項26から28までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記磁気センサは、ホール効果センサを有する、請求項1から29までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記磁石は、永久磁石及び/又は電磁石のうちの少なくとも1つを有する、請求項1から30までのいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年10月8日に出願した米国特許仮出願第62/912,299号からの優先権の利益を主張し、その開示及び内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般にタイヤに関し、より詳細にはタイヤ・トレッドを測定するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、タイヤ空気圧センサが車両タイヤに設けられている場合がある。そのようなセンサは、タイヤ空気圧を自動的に監視するために使用することができ、低い圧力が検出されたときにドライバに警告(例えば、警告灯)を提供することができる。しかし、タイヤの他の様相(aspects)については手動で監視することが必要な場合があり、そのような様相の監視が十分に行われないと、安全性に関する問題を引き起こす場合がある。したがって車両タイヤの改善された監視が望まれる場合がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】E.H.Hall、「On a New Action of the Magnet on Electrical Current」、Amer.J.Math.2(1879)、287~292頁
【非特許文献2】「Test Methods for Measuring Resistivity and Hall Coefficient and Determining Hall Mobility in Single-Crystal Semiconductors」、ASTM Designation F76、Annual Book of ASTM Standards、Vol.10.04(2011)
【発明の概要】
【0005】
発明概念のいくつかの実施例によれば、タイヤのトレッドを測定するためのシステムが提供される。このシステムは、走行面(drive over surface)を提供する非磁性層と、磁石と、磁石に関連付けられた磁気センサとを含む。走行面は、測定すべきトレッドを含むタイヤを受けるように適合されている。磁石は両側に第1及び第2の磁極を有し、非磁性層は走行面と磁石との間にあり、磁石は、第1の磁極が第2の磁極と非磁性層との間にあるように配置されている。非磁性層は走行面と磁気センサとの間にあり、磁気センサは、磁石及び走行面上のタイヤから生じる磁界を検出するように構成されている。
【0006】
添付図面は、本開示へのさらなる理解を提供するために含まれ、本出願に組み込まれ、その一部を構成し、発明概念の特定の非限定的な実施例を例示している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】発明概念のいくつかの実施例による、磁石が鉛直に取り付けられ、磁石間の軸に沿ってセンサが配置された単一センサ・システムを示す断面図である。
図2】発明概念のいくつかの実施例による、磁石が鉛直に取り付けられ、各センサが2つの磁石の間にそれぞれの軸に沿って配置された、マルチセンサ・アレイ・システムを示す断面図である。
図3】発明概念のいくつかの実施例による、磁石がセンサを中心とした方形の構成で取り付けられた、線形センサ・アレイを示す上面図である。
図4】発明概念のいくつかの実施例による、磁石がセンサを中心とした五角形の構成で取り付けられた、線形センサ・アレイを示す上面図である。
図5A】発明概念のいくつかの実施例による、磁石がセンサを中心とした六角形の構成で取り付けられた、線形センサ・アレイを示す上面図である。
図5B】発明概念のいくつかの実施例による、各センサがそれぞれの磁石の上方に配置された、磁石が鉛直に取り付けられたセンサ・システムを示す断面図である。
図5C】発明概念のいくつかの実施例による、センサがそれぞれの磁石の上方及び下方に配置された、磁石が鉛直に取り付けられたセンサ・システムを示す断面図である。
図6】発明概念のいくつかの実施例によるセンサ・システムの寸法を示す断面図。
図7】発明概念のいくつかの実施例によるセンサ・システムのトレッド深さの関数としての応答を示すグラフである。
図8】発明概念のいくつかの実施例による、タイヤのスチール・ベルトにおける残留磁界及び/又は磁歪的に発生した磁界に基づいてトレッド深さを決定するために使用されるセンサ・システムを示す断面図である。
図9】発明概念のいくつかの実施例によるセンサの2つの線形アレイ(磁石がある1つのアレイ及び磁石がない1つのアレイ)を含むシステムを示す図である。
図10】発明概念のいくつかの実施例による磁石の平面の両側に磁石が取り付けられた二重センサ・システムを示す断面図である。
図11】発明概念のいくつかの実施例によるセンサ・システムの要素を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで、発明概念の実施例の実例が示される添付図面を参照して、発明概念を以下により完全に説明する。しかしながら、発明概念は多くの様々な形態で実施されてよく、本明細書に記載された実施例に限定して解釈されるべきではない。むしろこれらの実施例は、本開示が徹底的及び完全であり本発明概念の範囲を当業者に十分に伝えるように、提供されている。これらの実施例は相互排他的ではないことにも留意されたい。ある実施例の構成要素が、別の実施例で存在している/使用されていると暗黙に想定されてよい。
【0009】
以下の説明では、開示された主題の様々な実施例が提示される。これらの実施例は教示実例として提示されており、開示された主題の範囲を限定すると解釈されるものではない。例えば、記載された実施例の特定の詳細は、記載された主題の範囲を逸脱することなく修正、省略、又は拡張されてよい。
【0010】
ホール効果は、特に半導体の材料の電気的特性を評価するために、何十年も使われてきた。ホール効果は、E.H.Hallによって、「On a New Action of the Magnet on Electrical Current」、Amer.J.Math.2(1879)、287~292頁において考察されている。ホール効果を使用した材料の特性の評価は、「Test Methods for Measuring Resistivity and Hall Coefficient and Determining Hall Mobility in Single-Crystal Semiconductors」、ASTM Designation F76、Annual Book of ASTM Standards、Vol.10.04(2011)において考察されている。
【0011】
ホール効果の測定を行う計器は何年も前から存在している。最近では、基本的なホール効果の検知回路が、磁界センサとしての使用目的でチップ・レベルで進化している。これらの低コストのチップは、通常ミリテスラの範囲で測定可能であり、標準的なプリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)設計に簡単に統合することができる。
【0012】
本明細書に記載された発明概念のいくつかの実施例は、スチール・ベルトの外側のタイヤ上のゴムの厚さを決定するために使用される磁気センサ・システムを提供することができる。この厚さはトレッド・ゴム、及び溝の底部とスチール・ベルトとの間のゴムの薄層の両方を含んでよく、この厚さはトレッド深さ(トレッド厚さともいう)を決定するために使用され得る。
【0013】
システムは、電子機器、センサ、及び磁石を保護するハウジングに封入されてよく、ハウジングは車両が走行するための構造を提供し、センサがハウジング内の磁石によって発生する誘導磁界に対するタイヤの応答を測定することを可能にし得る。
【0014】
図1に示すように、発明概念のいくつかの実施例は、センサが存在する平面と直交する平面に整列された磁石(例えば、永久磁石又は電磁石)と連結されている場合、タイヤがアレイに直接隣接しているときに磁石に応答してスチール・ベルトに関連付けられた磁界の測定を可能にする磁気センサを提供することができる。同様に、図2に示すように、付随する磁石のアレイがあるセンサのアレイを利用して、アレイの長さに沿った電界を測定することができる。図1及び図2に示すように、非磁性層103又は非磁性板ともいう非磁性材料(例えば、アルミニウム、デルリンなど)の板を、センサ及び磁石のアレイの上部の上方に設置して、それらをアレイの上方を転がるタイヤから保護することができる。磁石(例えば永久磁石及び/又は電磁石)の極はそれぞれ鉛直に方向付けられ、(図1及び図2に示すように)すべてのN極が上を向き、且つすべてのS極が下を向く、又はすべてのS極が上を向き、且つすべてのN極が下を向く。
【0015】
磁石は、センサを中心とした三角形(図示せず)図3に示す方形、図4に示す五角形、又は図5Aに示す六角形、又は他の配置を含む多様なやり方で配置することができる。また、図5B及び図5Cに示すように、磁石がセンサの真下(センサと同じ鉛直軸上)にあるように配置することもできる。
【0016】
図1は、磁石107a及び107b(例えば、永久磁石又は電磁石)が鉛直に、同じ極性を上に向けて取り付けられた単一センサ・システムを例示している。図1に示すようにすべてのN極が非磁性板103に向かって上を向いてもよいが、他の実施例によれば、すべのS極が非磁性板103に向かって上を向いてもよい。スチール・ベルト105aを備えたタイヤ105は、トレッド・ブロック105bがセンサ101上にある状態でセンサの上方を転がるように、センサ101の上方に配置される。非磁性板103は、センサ101(並びにフレーム121を備えた磁石107a及び107b)をタイヤ105から保護/分離する。図1の断面図は、センサ101を通る鉛直軸131を挟んで反対側にある2つの磁石107a及び107bを示しているが、例えば図3図4、及び図5Aに示すように、センサ101を通る鉛直軸131の周りに任意の数の磁石が配置されてよい。
【0017】
図1に示すように、磁石107a及び107bは非磁性フレーム121に埋め込まれてよい。図示しないが、ホール効果センサ101も非磁性フレーム121に埋め込まれてよい。さらに、磁石107a及び107bの上面は、システムの感度を上げるために図示のようにホール効果センサ101の下方にあってよい。タイヤ105が非磁性板103上で磁石107a及び107b並びにホール効果センサ101と反対側にあるとき、タイヤのスチール・ベルト105aは、磁石107a及び107bによって生成される磁界と相互に作用し、ホール効果センサ101によって検出される磁界とのこれらの相互作用は、トレッド深さ/厚さ105cを決定するために使用することができる。
【0018】
図2は、非磁性板103が磁石107a’、107b’、107c’、及び107d’(例えば、永久磁石及び/又は電磁石)とタイヤ105との間にあるように、非磁性フレーム221の中に磁石107a’、107b’、107c’、及び107d’が取り付けられたマルチセンサ・アレイ・システムを例示している。図2において、複数のホール効果センサ101a、101b、及び101cが設けられ(非磁性フレーム221上にあり又は非磁性フレーム221に埋め込まれ)、タイヤ105の幅にわたるタイヤ・トレッド深さ/厚さ105cの個別の測定を可能にする。図2において、各ホール効果センサは、図1の単一のホール効果センサに関して上述したように動作してよい。図2の断面図では、磁石及びセンサのすべてが同じ鉛直面内に示されているが、磁石は、例えば図3図4、及び/又は図5Aのいずれかに例示されているように配置されてよい。図1に関して上述したように、システムの感度を上げるために磁石の上面がホール効果センサの下方にあってよい。
【0019】
図3図4、及び図5Aは、磁石107(円で示す)とホール・センサ101(方形で示す)を含むフレーム板221の上面図を例示し、磁石がそれぞれのセンサを中心とした方形(図3)、五角形(図4)、及び六角形(図5A)の構成で配列されている。これらの構造は、図2に示すようにセンサのアレイと一緒に使用することができ、各ホール効果センサが隣接する磁石から発生する磁界を測定する。いくつかの他の実施例によれば、図3図4、及び図5Aの構造は、図1に関して上述した単一のホール効果センサと共に使用されてよい(例えば、図3に示す1つのホール効果センサ及び方形に配置された4つの磁石、図4に示す1つのホール効果センサ及び五角形に配置された5つの磁石、又は図5Aに示す1つのホール効果センサ及び六角形に配置された6つの磁石)。
【0020】
図3は、磁石107(例えば、永久磁石及び/又は電磁石)が、センサ101のそれぞれを通る鉛直軸(図3の平面に対して垂直)を中心とした方形の構成で取り付けられた、線形センサ・アレイ(方形として示されたホール効果センサ101の線形アレイ)の上面図を例示している。図4は、磁石107(例えば、永久磁石及び/又は電磁石)が、センサのそれぞれを通る鉛直軸(図4の平面に対して垂直)を中心とした五角形の構成で取り付けられた、線形センサ・アレイ(方形として示されたホール効果センサ101の線形アレイ)の上面図を例示している。図5Aは、磁石107(例えば、永久磁石及び/又は電磁石)が、センサのそれぞれを通る鉛直軸(図5の平面に対して垂直)を中心とした六角形の構成で取り付けられた、線形センサ・アレイ(方形として示されたホール効果センサ101の線形アレイ)の上面図を例示している。図3図4、及び図5Aのそれぞれにおいて、磁石は、鉛直軸を中心に実質的に対称な磁界を提供するために、アレイのセンサを通る鉛直軸を中心に対称に取り付けられてよい。いくつかの他の実施例によれば、ホール効果センサを通る鉛直軸を挟んで反対側に2つの磁石が設けられてもよく、センサを通る鉛直軸を中心とした正三角形を画定する3つの磁石が設けられるなどしてもよい。さらに他の実施例によれば、ホール効果センサを通る鉛直軸の周りに円筒形の磁石が設けられてもよく、又は(単一の磁石がホール効果センサを通る鉛直軸とぴったり合うように)図5B及び図5Cに関して後述するようにホール効果センサの下方に単一の磁石が設けられてもよい。
【0021】
図5Bは、フレーム521内に鉛直に、同じ極性を上にして取り付けられた磁石507a及び507b(例えば、永久磁石及び/又は電磁石)を備えたセンサ・システムを例示し、各ホール効果センサ501a及び501bがそれぞれの磁石507a及び507bの真上に配置されている。言い換えると、各ホール効果センサ及びそれぞれの磁石は、磁石の磁界がそれぞれのホール効果センサの鉛直軸を中心に対称になるように、同じ鉛直軸に沿って配置されている。図5BはS極を上にして示しているが、すべてのN極を上にして逆に設置することも可能である。図5Bの実施例によれば、単一のセンサ及び単一の磁石が、タイヤの1つの位置での測定を提供するために設けられてよく、又は複数のセンサ/磁石により、タイヤの幅にわたるそれぞれの複数の位置での測定が提供されてよい。さらに、非磁性層/非磁性板503が、センサ/フレームとタイヤ105との間に設けられてよい。
【0022】
図5Cは、フレーム521に磁石507a及び507b(例えば、永久磁石及び/又は電磁石)が鉛直に、同じ極性を上にして取り付けられているセンサ・システムを例示し、一対のホール効果センサがそれぞれの磁石の真上(センサ501a’及び501b’)並びに真下(センサ501a”、及び501b”)に配置される。図5Cの構造は、図5Bの構造に下側ホール効果センサ501a”及び501b”を追加したものと同じである。一対のホール効果センサを、1つを磁石の上方に、1つを下方に設けることによって、差分測定を使用してトレッド深さ/厚さ105cを決定してよい。図5CではS極を上に示しているが、すべてのN極を上にして逆に設置することも可能である。図5Cの実施例によれば、単一のセンサ・ペア及び単一の磁石がタイヤの1つの位置での測定を提供してよく、又は複数のセンサ・ペア/磁石が、タイヤの幅にわたるそれぞれの複数の位置での測定を提供してよい。また、磁石の上方にあるホール効果センサごとに磁石の下方に第2のホール効果センサを設けることによって、タイヤの1つの位置で差分測定を提供するセンサ・ペアの使用が、図1図2図3図4、及び図5Aの実施例にも適用されてよい。図1では、例えば、非磁性フレーム121の上側面のホール効果センサ101と鉛直に整列された状態で、第2のホール効果センサが非磁性フレーム121の下側面に設けられてよい。
【0023】
図6は、システム設計を指定するために使用され得るパラメータ/寸法/幾何形状を例示する断面図である。これらのパラメータ/寸法/幾何形状が以下に定義される。
パラメータの説明
bt スチール・ベルト105aから溝の最上部までの距離
bg スチール・ベルト105aからタイヤ溝の基部までの距離
板厚さ(鉛直距離)
ms 磁石からセンサまでの鉛直距離
mm 磁石間のピッチ
mag 磁石直径
mag 磁石高さ
【0024】
図7は、本明細書に記載の構成を用いて測定された異なるタイヤ・トレッド厚さに対するセンサ応答を例示するグラフである。ドライブ・オーバー・システム(DOS:Drive Over System)を使用して各トレッド深さについて3回測定し、それぞれの平均を対応する1標準偏差のエラー・バーと共に図7にプロットした。図7は、異なるタイヤ・トレッド厚さから得られた測定のデータを例示している。
【0025】
ms図6に示す)として定義される磁石の上面とセンサとの間の変位については、タイヤがセンサの上方に配置されたときのタイヤ・スチール・ベルトの存在及び近接による磁界の変化に対して高感度な磁界の区域にセンサを配置することによって、センサ応答を向上することができる。また、磁石の縦横比(Hmag/Dmag)は、磁石のピッチPmmと組み合わせて、スケーリング可能であってよい。言い換えると、これらのパラメータの比率が一定に保たれる限り、それらの応答は一貫したものとなり得、スケーリングすることができる。
【0026】
図8は、磁石がない磁気センサ801のアレイを示したものである。センサによって測定される磁界は、スチール・ベルト105aの残留磁化から、及び/又はスチール・ベルト105a内の形状異方性から生じていてもよい。磁界を誘導するための外部磁石は必要ない。
【0027】
図8に示す磁石がないセンサのアレイを使用して測定された磁界強度は、スチール・ベルト105aによって生成される最大値であると想定することができる。センサ801は、非磁性フレーム821内に/非磁性フレーム821上に設けられてよく、非磁性板/非磁性層803がセンサ801をタイヤ105から保護するために設けられてよい。
【0028】
マルチアレイ・システムが、図9を参照して下記に考察されている。図9に示すように、ホール効果センサの2つの線形アレイが設けられてよく、1つは磁石がないアレイ903で、1つは磁石があるアレイ901である。アレイ901及び903において方形は磁気センサ示し、アレイ901において円は磁石を示す。
【0029】
発明概念のいくつかの実施例によれば、図9に示すように、システムにはタイヤ105の回転の方向と垂直な2つのセンサ・アレイが配備されてよく、1つは磁石があるアレイ901で、1つは磁石がない第2のアレイ903である。磁石(円で示す)があるセンサ・アレイ901は、タイヤのスチール・ベルトの残留磁気(例えば、タイヤのスチール・ベルトにおける残留磁界、形状異方性などを含む)と磁石からの磁界との両方に対して全体的な応答を提供する。磁石がないセンサ・アレイ903は、前者(例えば、タイヤのスチール・ベルトにおける残留磁界、形状異方性など)のみを捉える。次いで、磁石を備えたセンサ・アレイを用いて測定した応答から、残留磁界を数学的に抽出することができる。この手法により、磁気応答を微調整する方法、及び漂遊磁界、残留磁界を考慮する方法が提供される。言い換えると、アレイ901のセンサは、タイヤのスチール・ベルトの存在によるアレイ901の磁石からの磁界の乱れを測定する。スチール・ベルトが近いほど、磁石からの磁力線に対するスチール・ベルトの影響がより大きくなり、したがってセンサによって測定される信号の変化がより大きくなる。
【0030】
図10に示す発明概念のいくつかの他の実施例によれば、システムにはタイヤの回転の方向に対して垂直な、センサの1つの二重アレイが配備されてよい。センサの二重アレイでは、ホール・センサの第2の層が、磁石の底面の下方に鉛直距離Zmsにおいて上部センサと対向して対称に設けられている。第2/下側のホール効果センサは磁石及びその周囲のベース信号を捉え、ベース信号は上部アレイ信号から引くことができる。差分信号は、主に/独占的にタイヤ・ベルトから上部センサ・アレイまでの距離の変動に応答してよく、トレッド厚さの高感度な測定を提供する。
【0031】
図10は、磁石1007a及び1007b(例えば、永久磁石及び/又は電磁石)がタイヤ105に向かい合って取り付けられた二重センサ・システムを例示している。図10のシステムでは、センサ1001aは、磁石1007a及び1007bの平面の上方のフレーム1021内に/フレーム1021上に取り付けられ、センサ1001bは、磁石1007a及び1007bの平面の下方のフレーム1021内に/フレーム1021上に取り付けられる。また、非磁性層/非磁性板1003は、センサ1001a/1001b、磁石1007a/1007b、及び/又はフレーム1021をタイヤ105から保護するために設けられている。さらに、センサ1001a及び1001bが、磁石1007a及び1007bの間の軸1031に沿って設けられている。
【0032】
図11は、図1図10に関して上述した様々なセンサ配置と共に使用されて、発明概念のいくつかの実施例によるタイヤ・トレッド深さ/厚さ105cの測定値を提供し得るコントローラ1100を示すブロック図である。図示のように、コントローラ1100は、メモリ1105及びインターフェース1101と連結されたプロセッサ1101を含んでよい。メモリ1105は、プロセッサ1103によって実行されるとき、プロセッサ1103に本明細書に開示される実施例による動作を実行させるコンピュータ可読プログラム・コードを含んでよい。コントローラ1100は、磁気センサ及び/若しくは他のセンサからの情報/信号の受信を容易にし、プロセッサ1103からの(例えば、ディスプレイ、プリンタ、ネットワーク、携帯デバイスなどへの)情報(例えば、タイヤ・トレッド深さ/厚さ)の出力を容易にし、並びに/又は(例えば、キーパッド、接触感知ディスプレイ、コンピュータ・マウスなどを介した)ユーザ入力を受け入れるための、プロセッサ1103と連結されたインターフェース1101を含んでもよい。例えば、インターフェースは有線及び/又は無線のインターフェースを提供してよい。
【0033】
図1及び図11の実施例によれば、タイヤ105のトレッド深さ/厚さ105cを測定するシステムは、非磁性層103と、磁石107a及び107b(例えば、永久磁石及び/又は電磁石)と、磁石107a及び107bに関連付けられた磁気センサ101(例えば、ホール効果センサ)と、磁気センサに連結された図11のコントローラ1100とを含んでよい。非磁性層103(非磁性板として示される)は走行面を提供し、走行面は、測定すべきトレッドを含むタイヤ105(スチール・ベルトを含む)を受けるように適合されている。磁石107a及び107bは、両側に第1及び第2の磁極を有し、非磁性103層は走行面と磁石との間にあり、磁石は第1の磁極が第2の磁極と非磁性層との間にあるように配置されている。非磁性層103は走行面と磁気センサ101との間にあり、磁気センサ101は、磁石107a及び107b並びに走行面上のタイヤ105(スチール・ベルト105aを含む)から生じる磁界を検出するように構成されている。図11のコントローラ1100は、図1の磁気センサ101からの出力に基づいてタイヤのトレッドの深さ/厚さの測定値を提供するように構成されている。特に、プロセッサ1103は、磁気センサ101から(インターフェース1101を介して)情報/信号を受信し、情報/信号に基づいてトレッド厚さ/深さ105cの測定値を生成し、例えばディスプレイ、プリンタ、ネットワーク、携帯デバイスなどに、インターフェース1101を介してトレッド深さ/厚さに関する情報を提供するように構成されてよい。
【0034】
図1では1つのセンサ及び関連付けられた磁石で示されているが、図2に示すように、図1の実施例は、センサ(例えば、101a、101b、及び101c)並びに関連付けられた磁石(例えば、107a’、107b’、107c’、及び107d’)の列を用いて実施されてよく、センサのそれぞれから情報/信号を受信してタイヤの幅にわたる異なる位置で深さ/厚さの測定値を提供するコントローラ1100を用いて実施されてよい。
【0035】
図1では、非磁性層103と磁石107a及び107bの第1の磁極(例えば、N極)との間の第1の距離は、磁気センサ101と非磁性層103との間の第2の距離よりも大きくてよい。
【0036】
図1では、各磁石の第1及び第2の磁極はそれぞれの第1及び第2の極性を有し、磁石107a及び107bは、磁気センサ101を通り、且つ非磁性層103を通る軸(点線で示す)を中心に対称に配置された複数の磁石のうちの2つであり、複数の磁石のそれぞれは、第2の極性のそれぞれの第2の極(例えば、S極)と非磁性層103との間に第1の極性のそれぞれの第1の極(例えば、N極)を有する。
【0037】
図1では、磁気センサ101及び非磁性層103を通る軸131を挟んで反対側にある2つの磁石107a及び107bが示されているが、複数の磁石が、磁気センサ101及び非磁性層103を通る軸131(点線で示す)に中心を有する多角形の頂点を画定するように、任意の数の磁石が、磁気センサ101及び非磁性層103を通る軸131(点線で示す)を中心として対称に配置されてもよい。例えば、複数の磁石が三角形の頂点を画定する3つの磁石を有してよく、複数の磁石が方形の頂点を画定する4つの磁石を有してよく、複数の磁石が五角形の頂点を画定する5つの磁石を有してよく、又は複数の磁石が六角形の頂点を画定する6つの磁石を有してよい。
【0038】
図5B及び図11の実施例によれば、タイヤのトレッドを測定するシステムは、非磁性層503と、磁石507a及び507b(例えば、永久磁石及び/又は電磁石)と、磁気センサ501a及び501b(例えば、ホール効果センサ)と、コントローラ1100とを含んでよい。非磁性層503は走行面を提供し、走行面は測定すべきトレッドを含むタイヤ105(スチール・ベルト105aを含む)を受けるように適合されている。磁石507a及び507bのそれぞれは、両側に第1及び第2の磁極を有し、非磁性層503は走行面と磁石との間にあり、各磁石は第1の磁極が第2の磁極と非磁性層との間にあるように配置されている。磁気センサ501a及び501b(例えば、ホール効果センサ)はそれぞれの磁石と関連付けられ、非磁性層503が走行面と磁気センサ501a及び501bとの間にあり、磁気センサ501a及び501bのそれぞれが、それぞれの磁石及び走行面上のタイヤ105(スチール・ベルトを含む)から生じる磁界を検出するように構成され、各磁気センサがそれぞれの磁石と非磁性面との間にある。コントローラ1100は磁気センサ501a及び501bに連結され、コントローラは、磁気センサ501a及び501bからの出力に基づいて、タイヤのトレッドの深さ/厚さの測定値105cを提供するように構成されている。特に、プロセッサ1103は、磁気センサ501a及び501bから情報/信号を受信し、情報/信号に基づいてトレッド厚さ/深さの測定値を生成し、例えばディスプレイ、プリンタ、ネットワーク、携帯デバイスなどに、インターフェース1101を介してトレッド深さ/厚さに関する情報を提供するように構成されてよい。
【0039】
図5Bでは2つの磁気センサ501a及び501b並びに関連付けられた磁石507a及び507bで示されているが、図5Bの実施例は、3つ以上のセンサ及び関連付けられた磁石の列を用いて実施されてよく、センサのそれぞれから情報/信号を受信してタイヤの幅にわたる3つ以上の異なる位置で深さ/厚さの測定値を提供するコントローラ1100を用いて実施されてよい。他の実施例によれば、単一センサ及び関連付けられた磁石が、単一の深さ/厚さの測定値を提供するために使用されてよい。
【0040】
図5C及び図11の実施例によれば、タイヤのトレッドを測定するシステムは、非磁性層503と、第1の磁気センサ・ペア(磁気センサ501a’及び501a”、例えばホール効果センサを含む)と、第2の磁気センサ・ペア(磁気センサ501b’及び501b”、例えばホール効果センサを含む)と、磁石507a及び507bと、コントローラ1100とを含んでよい。
【0041】
非磁性層503は走行面を提供し、走行面は、測定すべきトレッドを含むタイヤ105(スチール・ベルト105aを含む)を受けるように適合されている。磁石507a及び507bのそれぞれは両側に第1及び第2の磁極を有し、非磁性層503は走行面と磁石との間にあり、各磁石は、第1の磁極(例えば、S極)が第2の磁極(例えば、N極)と非磁性層503との間にあるように配置されている。各磁気センサ・ペアのセンサは、ペアの第1のセンサがそれぞれの磁石と非磁性面503との間にあり、それぞれの磁石がペアの第1及び第2のセンサの間にあるように、それぞれの磁石の両側に方向付けられてよい。したがって、非磁性層503は走行面とペアの第1の磁気センサとの間にあり、ペアの第1の磁気センサは、それぞれの磁石及び走行面上のタイヤ105(スチール・ベルトを含む)から生じる磁界を検出するように構成されている。さらに、ペアの第1の磁気センサはペアの第2の磁気センサと非磁性層503との間にあり、ペアの第2の磁気センサはそれぞれの磁石から生じる磁界を検出するように構成されている。
【0042】
コントローラ1100は、各ペアの第1及び第2の磁気センサに連結され、コントローラは、各ペアの第1及び第2の磁気センサからのそれぞれの出力に基づいて、タイヤのトレッドの深さ/厚さの測定値を提供するように構成されている。例えば、プロセッサ1103は、磁気センサ501a’及び501a”(第1の磁気センサ・ペア)からの(インターフェース1101を介して受信された)情報/信号に基づいて、第1のトレッド厚さ/深さの測定値を生成し、磁気センサ501b’及び501b”(第2の磁気センサ・ペア)からの(インターフェース1101を介して受信された)情報/信号に基づいて、第2のトレッド厚さ/深さの測定値を生成するように構成されてよい。また、プロセッサ1103は、例えばディスプレイ、プリンタ、ネットワーク、携帯デバイスなどに、インターフェース1101を介してトレッド深さ/厚さに関する情報を提供するように構成されてよい。
【0043】
図5Cでは2つの磁気センサ501a’/501a”及び501b’/501b”並びに関連付けられた磁石507a及び507bで示されているが、図5Cの実施例は、3つ以上のセンサ・ペア及び関連付けられた磁石の列を用いて実施されてよく、センサ・ペアのそれぞれから情報/信号を受信して、タイヤの幅にわたる3つ以上の異なる位置で深さ/厚さの測定値を提供するコントローラ1100を用いて実施されてよい。他の実施例によれば、単一のセンサ・ペア及び関連付けられた磁石を使用して、単一の深さ/厚さの測定値を提供してもよい。
【0044】
図9及び図11の実施例によれば、タイヤのトレッドを測定するシステムは、非磁性層と、円で示されたそれぞれの磁石がある方形で示された磁気センサ(例えば、ホール効果センサ)の第1のアレイ901と、方形で示された磁気センサ(磁石がない)の第2のアレイ903と、コントローラ1100とを含んでよい。非磁性層は他の実施例に関して上述したような走行面を提供してよく、走行面は、測定すべきトレッドを含むタイヤ(スチール・ベルトを含む)を受けるように適合されている。磁石のそれぞれは、他の実施例に関して上述したように、両側に第1及び第2の磁極を有し、非磁性層は走行面と磁石との間にあり、各磁石は第1の磁極が第2の磁極と非磁性層との間にあるように配置されている。そのような磁石のアレイは図9では白丸として例示されている。
【0045】
アレイ901の第1の磁気センサ(例えば、第1のホール効果センサ)はそれぞれの磁石と関連付けられ、非磁性層は走行面と第1の磁気センサとの間にあり、第1の磁気センサは、磁石及び走行面上のタイヤ(スチール・ベルトを含む)から生じる磁界を検出するように構成されている。図9は、関連付けられた磁石(白丸)があるそのような第1の磁気センサ(黒四角)のアレイ901を示している。
【0046】
アレイ903の第2の磁気センサ(例えば、第2のホール効果センサ)は、走行面に対して平行な方向に第1の磁気センサから離間され、非磁性層は走行面と第2の磁気センサとの間にあり、第2の磁気センサは走行面上のタイヤ(スチール・ベルトを含む)から生じる磁界を検出するよう構成されている。図9では、第1の磁気センサのアレイ901の左側に、磁石がないそのような第2の磁気センサ(黒四角)のアレイ903が示されている。したがって、タイヤが、一方のアレイの前に他方のアレイの上を転がるように、第1及び第2のアレイの磁気センサが配置されてよい。
【0047】
第1の磁気センサ及び第2の磁気センサのアレイでは、各第1のセンサは、第2のセンサのそれぞれの1つずつに関連付けられて、ペアを定義してよい。したがって、コントローラ1100は各ペアの第1及び第2の磁気センサと連結されてよく、コントローラは、各ペアの第1及び第2の磁気センサからのそれぞれの出力に基づいて、タイヤのトレッドの深さ/厚さの測定値を提供するように構成されている。例えば、プロセッサ1103は、第1のペアの磁気センサからの(インターフェース1101を介して受信された)情報/信号に基づいて、第1のトレッド厚さ/深さの測定値を生成し、第2のペアの磁気センサからの(インターフェース1101を介して受信された)情報/信号に基づいて、第2のトレッド厚さ/深さの測定値を生成するように構成されてよい。また、プロセッサ1103は、例えばディスプレイ、プリンタ、ネットワーク、携帯デバイスなどに、インターフェース1101を介してトレッド深さ/厚さに関する情報を提供するように構成されてよい。
【0048】
図10及び図11の実施例によれば、タイヤのトレッドを測定するシステムは、非磁性層1003と、第1の磁気センサ1001a及び第2の磁気センサ1001b(例えば、ホール効果センサ)と、磁石1007a及び1007b(例えば、永久磁石及び/又は電磁石)と、コントローラ1100とを含んでよい。非磁性層1003は走行面を提供し、走行面は、測定すべきトレッドを含むタイヤ105(スチール・ベルトを含む)を受けるように適合されている。磁石1007a及び1007bのそれぞれは、両側に第1及び第2の磁極を有し、非磁性層1003は、走行面と磁石1007a及び1007bとの間にあり、磁石1007a及び1007bのそれぞれは、第1の磁極が第2の磁極と非磁性層1003との間にあるように配置されている。第1の磁気センサ1001aは、磁石1007a及び1007bと関連付けられ、非磁性層1003は、走行面と第1の磁気センサ1001aとの間にあり、第1の磁気センサ1001aは、磁石1007a及び1007b並びに走行面上のタイヤ(スチール・ベルトを含む)から生じる磁界を検出するように構成されている。第2の磁気センサ1001bは、磁石1007a及び1007b並びに第1の磁気センサ1001aに関連付けられ、第1の磁気センサ1001aは、第2の磁気センサ1001bと非磁性層1003との間にあり、第2の磁気センサ1001bは磁石1007a及び1007bから生じる磁界を検出するよう構成されている。コントローラ1100は、第1の磁気センサ1001a及び第2の磁気センサ1001bからのそれぞれの出力に基づいて、タイヤのトレッドの深さ/厚さの測定値を提供するように構成されてよい。
【0049】
図示のように、磁石1007a及び1007bの第1の極と非磁性層1003との間の第1の距離は、第1の磁気センサ1001aと非磁性層1003との間の第2の距離よりも大きくてよく、磁石1007a及び1007bの第2の極と非磁性層1003との間の第3の距離は、第2の磁気センサ1001bと非磁性層1003との間の第4の距離よりも小さくてもよい。
【0050】
図示のように、磁石1007a及び1007bの第1及び第2の磁極は、それぞれの第1及び第2の極性を有してよく、磁石1007a及び1007bは、第1の磁気センサ1001a及び第2の磁気センサ1001bを通り、且つ非磁性層1003を通る軸(点線で示す)を中心に対称に配置された複数の磁石のうちの2つであり、複数の磁石のそれぞれは、第2の極性のそれぞれの第2の極と非磁性層1003との間に、第1の極性のそれぞれの第1の極を有してよい。図10に示すように、複数の磁石は、第1の磁気センサ1001a及び第2の磁気センサ1001bを通り、且つ非磁性層1003を通る軸を挟んで反対側にある2つの磁石1007a及び1007bを含んでよい。他の実施例によれば、複数の磁石は、磁気センサ1001a及び1001b並びに非磁性層1003を通る軸に中心を有する多角形の頂点を画定してよい。例えば、複数の磁石が三角形の頂点を画定する3つの磁石を有してよく、複数の磁石が方形の頂点を画定する4つの磁石を有してよく、複数の磁石が五角形の頂点を画定する5つの磁石を有してよく、又は複数の磁石が六角形の頂点を画定する6つの磁石を有してよい。
【0051】
本発明概念の様々な実施例の上記説明において、本明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明することのみを目的とし、本発明概念を限定することは意図していないことを理解されたい。本明細書で使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、別途定義されない限り、本発明概念が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。一般に使用される辞書に定義されているものなどの用語は、本明細書及び関連技術の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されないであろうことが、さらに理解されるであろう。
【0052】
ある要素が別の要素に「接続される」、「連結される」、「応答する」、又はそれらの変形として言及されるとき、その要素はもう一方の要素に直接接続され、連結され、若しくは応答することができ、又は介在要素が存在してよい。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続される」、「直接連結される」、「直接応答する」、又はそれらの変形として言及されるとき、介在要素は存在しない。同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。さらに、本明細書で使用される「連結される」、「接続される」、「応答する」、又はそれらの変形は、無線で連結され、接続され、又は応答することを含んでよい。本明細書で使用される場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その/前記(the)」は、文脈により明確に異なると示されている場合を除き、複数形も同様に含むことを意図している。よく知られている機能又は構造については、簡潔及び/又は明瞭のために、詳細には説明されない場合がある。用語「及び/又は」は、関連付けられる列挙された項目のうちの1つ又は複数の任意の組合せ及びすべての組合せを含む。
【0053】
本明細書では様々な要素/動作を説明するために、第1、第2、第3などの用語が用いられることがあるが、これらの要素/動作はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、ある要素/動作を別の要素/動作と区別するためだけに使用される。したがって、いくつかの実施例における第1の要素/動作を、本発明概念の教示から逸脱することなく、他の実施例において第2の要素/動作と呼び得る。同じ参照番号又は同じ参照指示子は、本明細書全体を通して同じ又は類似の要素を示す。
【0054】
本明細書で使用される場合、用語「有する(comprise)」、「有している(comprising)」、「有する(comprises)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「含む(includes)」、「有する(have)」、「有する(has)」、「有している(having)」、又はそれらの変形はオープンな表現であり、1つ又は複数の述べられた特徴、整数、要素、ステップ、構成要素又は機能を含むが、1つ若しくは複数の他の特徴、整数、要素、ステップ、構成要素、機能若しくはそれらの群の存在又は追加を除外するものではない。さらに、本明細書で使用される場合、ラテン語の「exempli gratia」に由来する一般的な省略形「e.g.(例えば)」は、一般的な実例又は先述した項目の実例を導く又は指定するために使用される場合があり、そのような項目を限定することは意図していない。ラテン語の「id est」に由来する一般的な省略形「i.e.(すなわち)」は、より一般的な記載から特定の項目を指定するために使用される場合がある。
【0055】
図面中の各要素の寸法は明瞭のために誇張される場合がある。さらに、ある要素が別の要素の「上に(on)」あるというとき、この要素がもう一方の要素上に直接ある場合も、それらの間に介在要素がある場合もあることが理解されるであろう。さらに「上部(top)」「下部(bottom)」「上側(upper)」「下側(lower)」「上方(above)」「下方(below)」などの用語は、本明細書では図に示すような要素又は特徴の相対位置を説明するために使用される。例えば、便宜のため図面の上側部分を「上部(top)」と呼び、図面の下側部分を「下部(bottom)」と呼ぶ場合、実際には、発明概念の教示から逸脱せずに「上部(top)」は「下部(bottom)」と呼ばれてもよく、「下部(bottom)」は「上部(top)」であってもよい(例えば、構造が図の向きに対して180度回転された場合)。
【0056】
コンピュータで実施される方法、装置(システム及び/若しくはデバイス)、並びに/又はコンピュータ・プログラム製品のブロック図及び/又はフローチャート図を参照して、本明細書では実例の実施例が説明されている。ブロック図及び/又はフローチャート図のブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート図でのブロックの組合せは、1つ又は複数のコンピュータ回路によって実行されるコンピュータ・プログラム命令によって実装することができることが理解される。これらの命令が、コンピュータ及び/又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行し、ブロック図及び/又はフローチャートのブロック若しくは複数のブロックに指定された機能/ふるまいを実施するようにそのような回路構成内のトランジスタ、メモリ位置に格納された値、及びその他のハードウェア構成要素を変換及び制御し、それによってブロック図及び/又はフローチャート・ブロックで指定された機能/ふるまいを実施するための手段(機能)及び/又は構造を創造するように、これらのコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータ回路、特殊用途コンピュータ回路、及び/又はその他のプログラム可能なデータ処理回路のプロセッサ回路に提供されて機械を生成してよい。
【0057】
命令がコンピュータ可読媒体に格納されることにより、ブロック図及び/又はフローチャートのブロック若しくは複数のブロックに指定された機能/ふるまいを実施する命令を含む製品を生成するように、これらのコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置に特定の方法で機能するように指示することができる有形のコンピュータ可読媒体に格納されてもよい。したがって、本発明概念の実施例は、デジタル信号プロセッサなどのプロセッサ(コントローラとも呼ばれる)上で動作するハードウェア及び/又はソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)で具現化することができ、これらは集合的に「回路構成」、「モジュール」又はそれらの変形として呼ばれ得る。
【0058】
いくつかの代替実施例では、ブロックに記載された機能/ふるまいは、フローチャートに記載された順序とは異なるように発生してもよいことにも留意されたい。例えば、含まれる機能/ふるまいに応じて、連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行されてもよく、時にはブロックは逆の順序で実行されてもよい。さらに、フローチャート及び/若しくはブロック図の所与のブロックの機能が複数のブロックに分離されてもよく、並びに/又は、フローチャート及び/若しくはブロック図の2つ以上のブロックの機能が少なくとも部分的に統合されてもよい。最後に、発明概念の範囲から逸脱することなく、他のブロックが例示したブロックの間に追加/挿入されてもよく、及び/又はブロック/動作が省略されてもよい。さらに、図の一部には通信の主方向を示すために通信経路上に矢印が含まれているが、描写された矢印とは逆方向の通信も起こり得ることを理解されたい。
【0059】
本発明概念の原理から実質的に逸脱することなく、実施例に多くの変形及び修正がなされ得る。すべてのそのような変形及び修正は、本発明概念の範囲内で本明細書に含まれることを意図している。したがって、上記の開示された主題は例示的であって制限的なものではないとみなされるべきであり、実施例の実例は、本発明概念の精神及び範囲の中にあるすべてのそのような変更、拡張、及びその他の実施例を網羅することを意図している。したがって、法律で許容される最大限の範囲において、本発明概念の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物を含む本開示の最も広い許容解釈によって決定されるものであり、前述の発明を実施するための形態によって制限又は限定されないものとする。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
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図11
【国際調査報告】