(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ガリウム68の単離のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B01D 15/20 20060101AFI20221206BHJP
A61K 51/00 20060101ALI20221206BHJP
G21G 4/08 20060101ALI20221206BHJP
G21G 1/10 20060101ALN20221206BHJP
【FI】
B01D15/20
A61K51/00 200
G21G4/08 Z
G21G1/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521634
(86)(22)【出願日】2020-10-12
(85)【翻訳文提出日】2022-05-16
(86)【国際出願番号】 IB2020059581
(87)【国際公開番号】W WO2021070164
(87)【国際公開日】2021-04-15
(32)【優先日】2019-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522142811
【氏名又は名称】アームズ プロダクツ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARTMS Products,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】クムリン,ジョエル オスカー オルソン
【テーマコード(参考)】
4C085
4D017
【Fターム(参考)】
4C085HH03
4C085KA29
4C085KB15
4C085KB56
4D017AA13
4D017BA15
4D017CA14
4D017CB01
4D017DA03
4D017DB10
4D017EA05
4D017EB02
(57)【要約】
照射されたZn標的から無担体Ga-68溶液を調製するためのプロセス、当該プロセスで使用された成分を含むシステム、および当該プロセスによって調製されたGa-68を含む組成物。Ga-68の精製は、Zn-68、Ga-68および固体標的アセンブリ金属を含む照射標的溶液を、3つのクロマトグラフィーカラムを連続して含むシステムに供給することによって実行される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体標的アセンブリから無担体Ga-68溶液を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
照射標的溶液を、第1のクロマトグラフィー樹脂を含む第1のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、
前記第1のクロマトグラフィーカラムを第1のクロマトグラフィー洗浄液で洗浄することと、
第1のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて前記第1のクロマトグラフィーカラムから第1の溶出液を溶出することと、
前記第1の溶出液を、第2のクロマトグラフィー樹脂を含む第2のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、
前記第2のクロマトグラフィーカラムから第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を収集することと、
前記第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を、第3のクロマトグラフィー樹脂を含む第3のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、
第3のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて前記第3のクロマトグラフィーカラムから前記無担体Ga-68溶液を溶出することと、を含み、
前記照射標的溶液が、固体標的アセンブリの照射標的部分の少なくとも一部を溶解させて形成された溶液を含み、
前記照射標的溶液が、Zn-68、Ga-68、および固体標的アセンブリ金属を含み、
前記固体標的アセンブリが、前面および後面を含む金属ディスク、ならびに前記ディスクの上面上に配置された前記照射標的部分を含み、
前記照射標的部分が、Zn-68およびGa-68の混合物を含み、
前記第1のクロマトグラフィー樹脂が、ヒドロキサメートクロマトグラフィー樹脂を含み、
前記第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、約4.5Mを超える濃度で存在する強酸を有し、
前記第1のクロマトグラフィーカラム溶出液が、約3.5M未満の濃度で存在する強酸を有し、
前記第2のクロマトグラフィー樹脂が、アルキルホスフィンオキシドクロマトグラフィー樹脂を含み、
前記第3のクロマトグラフィー樹脂が、アルキルオルトリン酸クロマトグラフィー樹脂を含み、
前記第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、約0.2M未満の濃度で存在する強酸であり、任意選択で、それを含む、プロセス。
【請求項2】
前記照射標的溶液が、約0.7~約4のpHを有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記照射標的溶液が、強酸を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記強酸が、微量金属を実質的に含まない、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記強酸が、HCl、HNO
3、またはこれらの組み合わせである、請求項3に記載のプロセス。
【請求項6】
前記強酸が、HClであり、前記HClが、約4.5M~約12.2Mの濃度で存在する、請求項3に記載のプロセス。
【請求項7】
前記強酸が、HClであり、前記HClが、約8M~約12.2Mの濃度で存在する、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記強酸が、HClであり、前記HClが、約12M~約12.2Mの濃度で存在する、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記固体標的アセンブリ金属が、アルミニウム塩、鉄塩、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記第1のクロマトグラフィー樹脂が、2MのHClの存在下で吸着されたときに、第1のクロマトグラフィー樹脂1グラム当たり約10mgのZr~第1のクロマトグラフィー樹脂1グラム当たり約70mgのZrの容量を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、約0.7~約4.0のpHを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、微量金属を実質的に含まない、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、HClを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記HClが、約4.5M~約12.2Mの濃度で存在する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記HClが、約8M~約12.2Mの濃度で存在する、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記HClが、約12M~約12.2Mの濃度で存在する、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記第1のクロマトグラフィーカラム溶出液が、HClを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記HClが、約0.2M~約3.5Mの濃度で存在する、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記HClが、約0.5M~約3Mの濃度で存在する、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記HClが、約1M~約2Mの濃度で存在する、請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
前記第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、強酸を含まない、請求項1~20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
前記第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、本質的に水からなる、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、微量金属を実質的に含まない、請求項21に記載のプロセス。
【請求項24】
前記第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、HClを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
前記第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、微量金属を実質的に含まない、請求項24に記載のプロセス。
【請求項26】
前記HClが、約0.01M~約0.2Mの濃度で存在する、請求項24に記載のプロセス。
【請求項27】
前記HClが、約0.01M~約0.1Mの濃度で存在する、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
前記HClが、約0.01M~約0.05Mの濃度で存在する、請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
前記無担体Ga-68溶液が、約98%を超える放射性核種純度を有し、前記放射性核種純度が、
66Gaおよび
67Gaおよび
68Gaの合計に対する
68Gaの比率として定義される、請求項1~28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項30】
前記無担体Ga-68溶液が、約99%超の放射性核種純度を有する、請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
前記無担体Ga-68溶液が、約99.5%超の放射性核種純度を有する、請求項29に記載のプロセス。
【請求項32】
前記無担体Ga-68溶液が、約99.7%超の放射性核種純度を有する、請求項29に記載のプロセス。
【請求項33】
前記無担体Ga-68溶液が、GBq Ga-68当たり約10μg未満の量で存在する鉄を有する、請求項1~32のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項34】
前記鉄が、GBq Ga-68当たり約5μg未満の量で存在する、請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
前記鉄が、GBq Ga-68当たり約1μg未満の量で存在する、請求項33に記載のプロセス。
【請求項36】
前記鉄が、GBq Ga-68当たり約0.1μg未満の量で存在する、請求項33に記載のプロセス。
【請求項37】
前記無担体Ga-68溶液が、GBq Ga-68当たり約10μg未満の量で存在するZnを有する、請求項1~36のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項38】
前記亜鉛が、GBq Ga-68当たり約5μg未満の量で存在する、請求項37に記載のプロセス。
【請求項39】
前記亜鉛が、GBq Ga-68当たり約1μg未満の量で存在する、請求項37に記載のプロセス。
【請求項40】
前記亜鉛が、GBq Ga-68当たり約0.5μg未満の量で存在する、請求項37に記載のプロセス。
【請求項41】
前記無担体Ga-68溶液が、他の放射性核種を実質的に含まない、請求項1~36のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項42】
請求項1~41のいずれか一項に記載のプロセスによって調製された前記無担体Ga-68溶液から得られたGa-68を含む、Ga-68組成物。
【請求項43】
請求項42に記載のGa-68組成物を含む、撮像試薬。
【請求項44】
前記撮像試薬
68Ga-PSMA-617、
68Ga-PSMA-11、
68Ga-DOTATATE、
68Ga-DOTATOC、
68Ga-DOTANOC、またはこれらの組み合わせ、請求項43に記載の撮像試薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月12日に出願された米国仮特許出願第62/914,476号による利益を主張し、当該仮出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
陽電子放出断層撮影(PET)は、ヒトおよび動物の生化学的、分子的、および/または病態生理学的プロセスを追跡するために陽電子放出放射線トレーサーを使用する撮像法である。PETシステムでは、陽電子放出同位体は、人体の外科的探索なしに、研究中の疾患および病理学的プロセスの正確な位置を識別するためのビーコンとしての役割を果たす。これらの非侵襲的撮像法では、疾患の診断は、開腹手術などのより伝統的かつ侵襲的なアプローチとは対照的に、患者にとってより快適であり得る。
【0003】
かかる例示的な放射性医薬品剤群の1つとしては、ガリウム-68(Ga-68)が挙げられる。ガリウム-68(Ga-68)は、医療用途に望ましいガリウムの陽電子放射性同位体である。Ga-68は、医療用途に望ましい複数の特性を有しており、これには、短い半減期(t1/2:68分)および陽電子放出の高い分岐比(β+%:89%)が含まれる。Ga-68トレーサーは、脳、心臓、骨、肺、または腫瘍の撮像に使用することができる。具体的には、Ga-68は、陽電子放出断層撮影(PET)撮像技術においてトレーサー分子として使用される放射性標識化合物の生成に有用である。これは、キレート剤、例えば、DOTA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸)、NOTA(1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-トリ酢酸)およびHBED-CC(N,N’-ビス-[2-ヒドロキシ-5-(カルボキシエチル)ベンジル]エチレンジアミン-N,N’-ジアセチル酸)と安定な錯体を形成する。
【0004】
従来より、Ga-68は、PET撮像用に、68Ge/Ga-68ジェネレータから生成されている。残念ながら、現在の技術では、Ga-68を供給できるにもかかわらず、68Ge/Ga-68ジェネレータの使用には限界がある。例えば、68Ge/Ga-68ジェネレータを使用して生成されたGa-68放射能は、親核種68Geの崩壊(t1/2:271d)により経時的に減少する。さらに、68Ge/Ga-68ジェネレータを使用してGa-68を生成する場合、溶出したガリウムによるGe-68のブレイクスルーの可能性があり、望ましくない結果である。68Ge/Ga-68ジェネレータが、医療用途に必要と予想されるGa-68の量を拡大し、供給することができるかどうかは、部分的には、十分な量の68Geを生産する能力の制限に起因している。
【0005】
Ga-68のサイクロトロン製造は、例えば、国際出願PCT/CA2018/000146号に開示されているように、製造プロセス中の68Geのブレイクスルーの可能性を含む68Ge/Ga-68ジェネレータを用いた製造に関連する欠点を排除しつつGa-68の大きな需要を満たす方法を提供するが、加速粒子ビームによって照射された固体亜鉛標的を使用して生成されたGa-68を効率的かつ迅速に単離する必要性が依然として存在している。特に、欧州薬局方(Ph.Eur.)ドラフトモノグラフ3109に記載されているすべての要件を満たすか、または上回る、加速粒子ビームで照射された固体亜鉛標的を使用して生成されたGa-68を単離する必要がある。本開示によって、これらおよびその他のニーズが満たされる。
【発明の概要】
【0006】
本開示の目的(複数可)によれば、本明細書で具現化され広く説明されるように、本開示は、一態様において、固体標的アセンブリから無担体Ga-68溶液を調製するためのプロセス、本開示のプロセスで使用される構成要素を含むシステム、および本開示のプロセスによって調製されたGa-68を含む組成物に関する。
【0007】
種々の態様では、固体標的アセンブリから無担体Ga-68溶液を調製するためのプロセスであって、プロセスが、照射標的溶液を、第1のクロマトグラフィー樹脂を含む第1のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第1のクロマトグラフィーカラムを第1のクロマトグラフィー洗浄液で洗浄することと、第1のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて第1のクロマトグラフィーカラムから第1の溶出液を溶出することと、第1の溶出液を、第2のクロマトグラフィー樹脂を含む第2のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第2のクロマトグラフィーカラムから第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を収集することと、第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を、第3のクロマトグラフィー樹脂を含む第3のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第3のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて第3のクロマトグラフィーカラムから無担体Ga-68溶液を溶出することと、を含み、照射標的溶液が、固体標的アセンブリの照射標的部分の少なくとも一部を溶解させて形成された溶液を含み、照射標的溶液が、Zn-68、Ga-68、および固体標的アセンブリ金属を含み、固体標的アセンブリが、前面および後面を含む金属ディスク、ならびにディスクの上面上に配置された照射標的部分を含み、照射標的部分が、Zn-68およびGa-68の混合物を含み、第1のクロマトグラフィー樹脂が、ヒドロキサメートクロマトグラフィー樹脂を含み、第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、約4.5Mを超える濃度で存在する強酸を有し、第1のクロマトグラフィーカラム溶出液が、約3.5M未満の濃度で存在する強酸を有し、第2のクロマトグラフィー樹脂が、アルキルホスフィンオキシドクロマトグラフィー樹脂を含み、第3のクロマトグラフィー樹脂が、アルキルオルトリン酸クロマトグラフィー樹脂を含み、第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、約0.2M未満の濃度で存在する強酸であり、任意選択で、それを含む、プロセス。
【0008】
開示されたプロセスによって調製された無担体Ga-68溶液から得られたGa-68を含むGa-68組成物もまた、本明細書に開示される。
【0009】
開示されるGa-68組成物、例えば、68Ga-PSMA-617、68Ga-PSMA-11、68Ga-DOTATE、68Ga-DOTATOC、68Ga-DOTANOC、またはそれらの組み合わせなどの撮像試薬を含む撮像試薬も開示される。
【0010】
本開示の他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図面および詳細な説明の検討により、当業者には明らかであるか、または明らかになるであろう。この説明には、そのような追加のシステム、方法、特徴、および有益点がすべて含まれ、本開示の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。加えて、記載された態様のすべての任意選択的かつ好ましい特徴および修正は、本明細書で教示される本開示のすべての態様で使用可能である。さらに、従属特許請求の範囲の個々の特徴、ならびに記載の態様のすべての任意選択的および好ましい特徴および修正は、組み合わせ可能であり、互いに交換可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照してよりよく理解することができる。図面の構成要素は、必ずしもスケールに比例するとは限らず、代わりに、本開示の原理を明確に例示することに重点が置かれる。さらに、図面において、同様の参照番号は、複数の図面全体にわたって対応する部分を指定する。
【0012】
【
図1】加速粒子ビームによって照射された固体亜鉛標的を用いたGa-68の代表的な製造プロセスを示す。
【
図2】標的バッキングを有する照射標的の代表的な写真像を示している。
【
図3】加速粒子ビームを照射した固体亜鉛標的を用いて生成したGa-68を効率的かつ迅速に単離するための本開示の代表的なプロセスを示す。
図3Aは、溶出液またはカラム洗浄スルー材料の別個の収集物を圧縮する開示されたプロセスを示す。
図3Bは、開示されたプロセスを示しており、廃棄物または望ましくない材料をカラムから遠ざけて誘導し、適切な材料を次のカラムまたは収集のために誘導するためにバルブを利用することによって、カラム材料が、例えば、
図5に示されるような開示されたシステムを使用して、次のカラムに直接適用される。
図3Cは、
図3Bに記載されているが、溶解した照射標的を調製するステップをさらに含むプロセスの変形形態を示す。
【
図4】例えば、
図3に示されるような、開示されるプロセスおよびシステムの特定の態様を示す。
【
図5】
図3Bに示される開示されたプロセスを実施するための開示されたシステムを示す。
【
図6】標的の代表的な写真像を示す。
図6Aは、照射後の68-Zn標的を示す。
図6Bは、開示した溶解ステップに続いて照射した68-Zn標的を示す。
図6Cは、
図6Aに示す照射標的の背面を示す。
【0013】
本開示のさらなる利点は、この後の発明を実施するための形態に記載され、一部は発明を実施するための形態から明らかになるが、あるいは本開示を実施することによっても知ることができる。本開示の利点は、特許請求の範囲で具体的に指摘する要素および組み合わせによって、実現し獲得することができる。以上の概要および以下の詳細な説明は、いずれも例示的かつ説明的なものに過ぎず、特許請求されるように、本開示を制限するものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で開示される多くの変更およびその他の態様が、上記の説明および関連する図面で提示された教示内容を利用できる開示組成物および方法が属する技術分野の当業者には想起されよう。そのため、本開示が、開示された特定の態様に限定されないこと、ならびに変更およびその他の態様が、添付の請求項の範囲内に含まれるように意図されていることを理解されたい。当業者は、本明細書で説明される態様の多くの変形および適応を認識し得る。これらの変形形態および適応形態は、本開示の教示に含まれるように意図され、また本明細書の請求項に包含されるように意図されている。
【0015】
本明細書では特定の用語が用いられているが、これらは一般的かつ説明的な意味で使用されているに過ぎず、限定の目的で使用されるものではない。
【0016】
本開示を読めば当業者には明らかとなるように、本明細書で説明および例示がなされている個々の態様の各々は別々の要素および特徴を有し、これらは、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、他の複数の態様のいずれかの特徴から分離することもそれらと組み合わせることも容易にできる。
【0017】
任意の示された方法は、示された事象の順に実行することも、他の任意の論理的に可能な順に実行することもできる。すなわち、別段の明記がない限り、本明細書に記載されたいかなる方法も態様も、そのステップが特定の順序で実施されることを要件として解釈されるようには決して意図されていない。したがって、方法の請求項は、請求項または説明で、ステップが特定の順序に限定されることを具体的に記載するものではなく、いかなる点においても順序が推論されることは決して意図されていない。このことは、ステップまたは操作フローの配置に関する論理的事項、文法的な構成もしくは句読法に由来する平易な意味、または明細書内で説明される態様の数もしくはタイプを含めた、解釈のための任意の考えられる非明示的な基盤についても当てはまる。
【0018】
本明細書に引用されるすべての刊行物および特許は、それらの刊行物が関連して引用される方法および/または材料を開示および説明するために引用される。本明細書で考察される刊行物は、本出願の出願日前に専らそれらの開示のために提供されている。本明細書のいかなる内容も、本開示が、事前の開示によってかかる刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、本明細書で提供される刊行物の日付は実際の刊行日と異なる可能性があり、実際の刊行日は独立した確認を要する可能性がある。
【0019】
本開示の態様は、特定の法令分類(例えば、システム法令分類)で説明され特許請求され得るが、これは便宜上に過ぎないものであり、当業者であれば、本開示の各態様が任意の法令分類で説明され特許請求され得ることを理解するであろう。
【0020】
また、本明細書で使用する用語は、特定の態様を説明するためのものに過ぎず、こうした用語が限定的であるようには意図されていないことも理解されたい。別途定義されない限り、本明細書で使用する全ての技術的用語および科学的用語は、開示組成物および方法が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。さらに、用語、例えば、一般的に使用されている辞書で定義されている用語は、本明細書および関連技術の文脈での意味と矛盾しない意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想化されたまたは過度に正式な意味で解釈されるべきではないことも理解されたい。
【0021】
本開示の様々な態様を説明する前に、以下の定義を示す。別段の指示がない限り、これらの定義を使用するものとする。さらなる用語が、本開示の他の箇所で定義される可能性がある。
【0022】
参照番号用語集
以下は、各番号と共に使用される参照番号および参照用語の用語集である。参照番号は、図面および詳細な説明で全体を通して本明細書で使用される。同様の数字が他の箇所で使用されるときに同じ意味を有することを理解されたい。
参照番号用語集
参照番号 参照用語
10 Ga-68の照射および精製のためのプロセス
21 標的作製ステップ
22 標的設置ステップ
23 標的照射ステップ
24 標的移送ステップ
25 溶解ステップ
40 精製ステップ
27 収集ステップ
30 例示的な開示されたGa-68精製プロセス
41 カラム1吸着ステップ
42 カラム1洗浄ステップ
43 カラム1溶出ステップ
44 カラム1溶出液収集ステップ
45 カラム2吸着ステップ
46 カラム2洗浄ステップ
46a カラム2洗浄ステップ
46b カラム2非結合収集ステップ
47 カラム3吸着ステップ
48 カラム3溶出ステップ
49 カラム3収集ステップ
50 例示的なGa-68精製システム
62 入力4方向バルブ
63 カラム1の3方向バルブ
64 カラム2の3方向バルブ
65 カラム3の3方向バルブ
71 カラム1
72 カラム2
73 カラム3
81 カラム1洗浄液リザーバ
82 カラム1溶出液リザーバ
83 カラム3溶出液リザーバ
91 入力(溶解照射標的)
92 出力(精製Ga-68)
101 カラム1洗浄除去
102 カラム3フロースルー除去
【0023】
定義
本明細書で使用する場合、「~を含む(comprising)」は、述べられた特徴、整数、ステップ、または言及された構成要素の存在を明記するものとして解釈されるべきであるが、1つ以上の特徴、整数、ステップ、もしくは構成要素、またはこれらのグループの存在または追加を妨げるものではない。さらに、「~による」、「~を含む(comprising」、「~を含む(comprises)」、「~から構成された」、「~を含む(including)」、「~を含む(includes)」、「含まれる(included)」、「~を伴う」、「伴われる」、および「~などの」という用語の各々は、オープンで非限定的な意味で使用され、互換的に使用され得る。さらに、「~を含む」という用語は、「~から本質的になる」および「~からなる」という用語に包含される例および態様を含むように意図されている。同様に、「~から本質的になる」という用語は、「~からなる」という用語に包含される例を含むように意図されている。
【0024】
本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意のおよびすべての組み合わせを含む。要素のリストの前に「のうちの少なくとも1つ」などの表現は、要素のリスト全体を修正し、リストの個々の要素を修正しない。
【0025】
本明細書で使用する場合、有機化合物を含めた化合物の命名は、一般名、命名に関するIUPAC、IUBMB、またはCAS勧告を用いて示され得る。1つ以上の立体化学的特徴が存在する場合、立体化学に対するCahn-Ingold-Prelog規則を用いて立体化学の優先順位、E/Z指定などを示すことができる。当業者は、名称が示されている場合、命名の慣習を用いた化合物構造の体系的分解により、または市販のソフトウェア(例えば、CHEMDRAW(商標)(Cambridgesoft Corporation、米国)により、容易に化合物の構造を確認することができる。
【0026】
「1つの(a)」化合物への言及は、化合物の単一の分子に限定されるのではなく、化合物の1つ以上の分子を指す。さらに、1つ以上の分子は、化合物のカテゴリーに該当する限り、同一であってもよく、同一でなくてもよい。したがって、例えば、「1つの(a)」化合物は、化学物質の1つ以上の分子を含むと解釈され、分子は同一であってもよく、同一でなくてもよい(例えば、異なる同位体比、鏡像異性体など)。
【0027】
本明細書および付属の請求項で使用する単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈による別段の明確な定めがない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「クロマトグラフィー樹脂」、「放射性核種」、または「強酸」が言及された場合、2つ以上のかかるクロマトグラフィー樹脂、放射性核種、または強酸などが含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
比率、濃度、量、および他の数値データは、本明細書では範囲形式で表すことができることに留意されたい。さらに、各範囲の終点は、他方の終点に対する場合も他方の終点とは無関係の場合も共に意味があることをさらに理解されたい。また、本明細書で開示される複数の値が存在し、各値が、本明細書では、値そのものに加えて「約」のその特定の値としても開示されることも理解されたい。例えば、「10」という値が開示される場合、「約10」も開示される。範囲は、本明細書では、「約」のある特定の値から、および/または「約」の別の特定の値までとして表すことができる。同様に、前に「約」を使用することにより値が近似値として表現される場合、特定の値がさらなる態様を形成することを理解されたい。例えば、「約10」という値が開示される場合、「10」も開示される。
【0029】
範囲が表現される場合、さらなる態様は、一方の特定の値および/または他方の特定の値を含む。例えば、記載された範囲が限界値の一方または両方を含む場合、含まれた限界値の一方または両方を除く範囲も本開示に含まれる。例えば、「x~y」という表現は、「x」から「y」までの範囲に加えて「x」より大きく「y」より小さい範囲を含む。範囲はまた、上限、例えば、「約x以下、約y以下、約z以下」として表すことができ、「約x」、「約y」、および「約z」という特定の範囲と、「x未満」、「y未満」、および「z未満」という範囲とを包含すると解釈されるべきである。同様に、「約x以上、約y以上、約z以上」という表現は、「約x」、「約y」、および「約z」という特定の範囲と、「x超」、「y超」、および「z超」という範囲とを包含すると解釈されるべきである。加えて、「約『x』~『y』」(『x』および『y』は数値である)という表現は、「約『x』~約『y』」を含む。
【0030】
かかる範囲フォーマットは便宜および簡潔さのために使用され、したがって、範囲の限界として明示的に列挙されている数値だけでなく、各数値およびサブ範囲が明示的に列挙されているかのように、その範囲内に包含されているすべての個々の数値またはサブ範囲を含むように柔軟に解釈されるべきであることを理解されたい。例示すると、「約0.1%~5%」の数値範囲は、明示的に挙げられる約0.1%~約5%の値だけでなく、示された範囲内の個別の値(例えば、約1%、約2%、約3%、および約4%)ならびに部分範囲(例えば、約0.5%~約1.1%、約5%~約2.4%、約0.5%~約3.2%、および約0.5%~約4.4%、ならびにその他の考えられる部分範囲)も含むように解釈されるべきである。
【0031】
本明細書で使用する場合、「約」、「およそ」、「~前後(at or about)」、および「実質的に」という用語は、問題となる量または値が、正確な値、または請求項で挙げられるまたは本明細書で教示されるものと同等の結果または効果をもたらす値であり得ることを意味し得る。すなわち、量、サイズ、製剤、パラメータ、ならびにその他の量および特性は、正確なものではなく、かつ正確である必要はないが、同等の結果または効果が得られるように、許容度、変換係数、丸め、測定誤差など、および当業者に知られているその他の因子を反映して、所望に応じて近似させる場合もあれば、かつ/または大きくもしくは小さくする場合もあることを理解されたい。状況によっては、同等の結果または効果をもたらす値が合理的に決定されない場合がある。かかる場合、本明細書で使用する場合、「約」および「約」は、別段の指示または推測がない限り、±10%の変動で示される公称値を意味することが一般的であることが理解される。概して、量、サイズ、製剤、パラメータ、またはその他の量もしくは特性は、明示的に記載されているかどうかにかかわらず、「約」、「およそ」、または「~前後」である。「約」、「およそ」、または「~前後」が定量的値の前に使用される場合、別段の明記がない限り、パラメータは特定の定量的値そのものも含むことを理解されたい。
【0032】
本明細書で使用する場合、「ガリウム-68」、「Ga-68」、および「68-Ga」という用語は互換的に使用することができ、陽電子放射性同位体68Ga(Z=31;N=37;同位体質量=67.9279801;t1/2=67.71分)を意味する。Ga-68は、医療用途に望ましい。Ga-68は、医療用途に望ましい2つの特性である、短い半減期(t1/2:68分)、および陽電子放出の高い分岐比(β+%:89%)を有している。Ga-68は、固体標的中の68Zn(p,n)Ga-68反応を介してサイクロトロン中に存在し得る。
【0033】
本明細書で使用する場合、「有効量」という用語は、組成物または材料の物理的特性の所望の修飾を達成するのに十分な量を意味する。例えば、物質をクロマトグラフィー樹脂に結合させるための強酸の「有効量」とは、溶液中の物質のクロマトグラフィー樹脂への定量的(例えば、>90%)結合を引き起こすのに十分な量または濃度を意味する。
【0034】
本明細書で使用する場合、「任意選択の」または「任意選択で」という用語は、その後に記載される事象または状況が生じても生じなくてもよいことを意味し、またその記載が、当該事象または状況が生じる場合と生じない場合とを含むことを意味する。
【0035】
別段の指定がない限り、本明細書で言及される温度は、大気圧(すなわち、1気圧)に基づくものと理解されたい。
【0036】
照射されたZn標的からのGa-68の精製方法
種々の態様では、本明細書では、固体標的アセンブリから無担体Ga-68溶液を調製するためのプロセスが開示され、プロセスが、照射標的溶液を、第1のクロマトグラフィー樹脂を含む第1のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第1のクロマトグラフィーカラムを第1のクロマトグラフィー洗浄液で洗浄することと、第1のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて第1のクロマトグラフィーカラムから第1の溶出液を溶出することと、第1の溶出液を、第2のクロマトグラフィー樹脂を含む第2のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第2のクロマトグラフィーカラムから第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を収集することと、第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を、第3のクロマトグラフィー樹脂を含む第3のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第3のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて第3のクロマトグラフィーカラムから無担体Ga-68溶液を溶出することと、を含み、照射標的溶液が、固体標的アセンブリの照射標的部分の少なくとも一部を溶解させて形成された溶液を含み、照射標的溶液が、Zn-68、Ga-68、および固体標的アセンブリ金属を含み、固体標的アセンブリが、前面および後面を含む金属ディスク、ならびにディスクの上面上に配置された照射標的部分を含み、照射標的部分が、Zn-68およびGa-68の混合物を含み、第1のクロマトグラフィー樹脂が、ヒドロキサメートクロマトグラフィー樹脂を含み、第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、約4.5Mを超える濃度で存在する強酸を有し、第1のクロマトグラフィーカラム溶出液が、約3.5M未満の濃度で存在する強酸を有し、第2のクロマトグラフィー樹脂が、アルキルホスフィンオキシドクロマトグラフィー樹脂を含み、第3のクロマトグラフィー樹脂が、アルキルオルトリン酸クロマトグラフィー樹脂を含み、第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、約0.2M未満の濃度で存在する強酸であり、任意選択で、それを含む。
【0037】
Ga-68の半減期は68分と短い。したがって、開示されるプロセスは、改善された崩壊補正分離化学を提供し、これは、Ga-68の好適な収率を維持しながら最適な処理時間を提供する。
【0038】
種々の態様において、照射標的溶液が、固体標的アセンブリの照射標的部分の少なくとも一部を溶解させて形成された溶液を含む。照射標的および標的バッキングを含む代表的な固体標的アセンブリを
図2に示している。照射標的は、好適なサイクロトロン粒子ビームによる照射の前に、Zn-68を含んでおり、例えば、Zn-68は、約95重量%~約99.9重量%の重量%で存在し得る。好適な照射後、照射標的は、Ga-68を含んでおり、これは、Zn-68の少なくとも一部がGa-68に変換されたことを表す。Zn-68の少なくとも一部をGa-68に変換するための好適な固体標的アセンブリ装置および照射方法は、国際出願PCT/CA2017/000146号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0039】
照射標的溶液は、固体標的アセンブリの溶解、特に、照射後の照射標的、すなわち、国際出願PCT/CA2017/000146号に記載されているようなサイクロトロン粒子ビーム照射を用いたZn-68からの変換によるGa-68に富む材料の溶解によって形成することができる。固体標的アセンブリの溶解は、主に照射後の照射標的の溶解であり得るが、標的バッキングの部分的または完全な溶解を含み得る。溶解は、固体標的アセンブリを好適な酸、例えば、塩酸、硝酸、および/または酢酸と接触させることによって行うことができる。一部の態様では、酢酸を使用した溶解は、少量の過酸化水素などの酸化剤を添加することによって、かつ/または熱を加えることによって促進され得る。得られた酢酸溶液は蒸発し、その後の標準的なイオン交換分離のために塩酸に取り込まれ得る。他の態様では、溶解方法には、塩酸または硝酸を使用することができる。一部の例では、硝酸の酸化特性が金属アルミニウム上の自然酸化物層の厚さを増加させる一方で、亜鉛を選択的に溶解し得る硝酸を使用することが有利であり、それ故に、酸による攻撃からそれを保護することができる。亜鉛の溶解は急速に進行し、幅広い濃度が使用され得る。さらなる態様において、塩酸を溶解方法に使用することが有利であり得る。溶解のための酸溶液は、従来から強酸性であり、しばしば塩酸(HCl)であるが、硝酸(HNO3)および酢酸(CH3COOH)も使用することができる。典型的には、溶解した標的溶液は、>5NのHClを含有し得る。一部の例では、開示されるプロセスにおいて使用される照射標的溶液は、<1NのHClまたは<1NのHNO3であり得る酸の濃度を有する液体標的である。
【0040】
例えば、固体標的アセンブリは、約4.5M~約12.2M、約8M~約12.2M、約12~約12.2M、前述の範囲のいずれかの内の任意の濃度サブ範囲、または前述の範囲内の濃度もしくは濃度値のセットの濃度で、好適な酸、例えば、塩酸などの強酸を含む標的アセンブリ溶解液と接触させることができる。好適な酸を含む固体標的アセンブリに接触する溶液のpHは、約0.7~約4、約1~約2、約1.5~2、前述の範囲のいずれかの内の任意のpHサブ範囲、または前述の範囲内の任意のpHまたはpH値のセットを有する。固体標的アセンブリを、好適な温度(例えば、約30秒~約30分)、約10℃~約100℃の温度で、好適な時間の間標的アセンブリ溶解液と接触させ、それによって照射標的溶液を形成する。
【0041】
放射性ガリウム同位体を生成するために典型的な固体または液体サイクロトロン標的から調製される照射標的溶液は、相当量の亜鉛、鉄、場合によってはアルミニウムおよび他の金属から構成され得る。例えば、本明細書に記載の溶解方法を使用して前述の固体標的から処理する場合、典型的な照射標的溶液は、100~400mgのZn、μg量のFe、場合によっては最大20mgのアルミニウムを含有する。
【0042】
種々の態様において、照射標的溶液は、約0.5mL~約20mLの体積で約1mg~約5000mgのZn-68を含み得る。さらなる態様では、照射標的溶液は、約1mL~約5mLの体積で約50mg~約500mgのZn-68を含み得る。またさらなる態様において、照射標的溶液は、約2mL~約3mLの体積で約250mg~約350mgのZn-68を含み得る。
【0043】
本明細書に開示されるプロセスにおいて、第1のクロマトグラフィー樹脂を含む第1のクロマトグラフィーカラムへの照射標的溶液の吸着は、約0.1mL/分~約30mL/分、約1mL/分~約6mL/分、約2mL/分~約4mL/分、または前述の範囲のいずれかの内の流量サブ範囲、または前述の範囲のいずれかの内の流量値もしくは流量値のセットの流量で行うことができる。
【0044】
第1のクロマトグラフィー樹脂は、ヒドロキサム酸および/またはヒドロキサム酸官能基を含む好適なクロマトグラフィー樹脂、すなわち、ヒドロキサメートクロマトグラフィー樹脂であり得る。ヒドロキサメートクロマトグラフィー樹脂は、約10μm~約300μm、約50μm~約150μm、約50μm~約100μmの粒径、または前述の範囲のいずれかの内のサブ範囲である粒径範囲、または前述の範囲のいずれかの内の粒径値もしくは粒径値のセットを有し得る。前述の照射標的溶液に使用される第1のクロマトグラフィー樹脂の量は、約20mg~約10g、約100mg~約500mg、約200mg~約300mg、または前述の範囲のいずれかの内のサブ範囲である樹脂量範囲、または前述の範囲のいずれかの内の樹脂量値もしくは樹脂量値のセットであり得る。
【0045】
前述のように、照射標的溶液の第1のクロマトグラフィーカラムへの吸着ステップが実施される条件下で、Ga-68は、第1のクロマトグラフィー樹脂のヒドロキサメート官能基に結合するが、亜鉛およびアルミニウムなどのイオンは、第1のクロマトグラフィー樹脂に対する結合親和性が低く、カラムを通って流れると考えられる。
【0046】
好適なヒドロキサメートクロマトグラフィー樹脂を調製するための例示的な方法は、「Chelating ion exchange with macroreticular hydroxamic acid resins」と題された論文に記載されている(Richard James Philips,Iowa State University,1980)。好適な樹脂、例えば、ZR樹脂およびTriskem International(Bruz,仏国)から入手可能な関連樹脂も市販されている。
【0047】
照射標的溶液を第1のクロマトグラフィーカラムに吸着させた後、第1のクロマトグラフィー洗浄液で洗浄することができる。第1のクロマトグラフィー洗浄液は、溶解ステップで使用される溶解液と実質的に同様であり得る。第1のクロマトグラフィー洗浄液は、約4.5M~約12.2M、約8M~約12.2M、約12M~約12.2Mの濃度、または前述の範囲のいずれかの内の任意の濃度サブ範囲、または前述の範囲内の濃度または濃度値のセットで、好適な酸、例えば、塩酸などの強酸を含む。第1のクロマトグラフィー洗浄液のpHは、約0.7~約4、約1~約2、約1.5~2、前述の範囲のいずれかの内の任意のpHサブ範囲、または前述の範囲内の任意のpHまたはpH値のセットのpHを有し得る。第1のクロマトグラフィー洗浄液は、約0.1mL/分~約30mL/分、約1mL/分~約6mL/分、約2mL/分~約4mL/分の流量、または前述の範囲のいずれかの内の流量サブ範囲、または前述の範囲のいずれかの内の流量値もしくは流量値のセットで提供され得る。第1のクロマトグラフィー洗浄液の体積は、約4mL~約50mL、約8mL~約20mL、約12mL~約18mL、または前述の範囲のいずれかの内の体積サブ範囲、または前述の範囲のいずれかの内の体積値もしくは体積値のセットであり得る。前述の洗浄ステップは、第1のクロマトグラフィー樹脂に存在し得る任意の亜鉛またはアルミニウムイオンをカラムからさらにすすぐために実施される。
【0048】
第1のクロマトグラフィー洗浄液で第1のクロマトグラフィーカラムを洗浄した後、第1のクロマトグラフィー溶出液を使用して第1のクロマトグラフィーカラムからGa-68を溶出する。第1のクロマトグラフィー溶出液は、約0.2N~約3.5N、約0.5N~約3N、約1N~約2Nの濃度、または前述の範囲のいずれかの内の任意の濃度サブ範囲、または前述の範囲内の濃度もしくは濃度値のセットで、好適な酸、例えば、塩酸などの強酸を含む。第1のクロマトグラフィー溶出液の体積は、約2mL~約20mL、約5mL~約10mL、約6mL~約8mL、または前述の範囲のいずれかの内の体積サブ範囲、または前述の範囲のいずれかの内の体積値もしくは体積値のセットであり得る。第1のクロマトグラフィー溶出液は、約0.1mL/分~約10mL/分、約1mL/分~約4mL/分、約1.5mL/分~約2.5mL/分の流量、または前述の範囲のいずれかの内の流量サブ範囲、または前述の範囲のいずれかの内の流量値もしくは流量値のセットで、第1のクロマトグラフィーカラムに提供することができる。
【0049】
第1のクロマトグラフィーカラム、すなわち第1の溶出液からの溶出液は、さらなる処理なしに第2のクロマトグラフィーカラムに直接提供することができる。すなわち、第1の溶出液は、第2のクロマトグラフィーカラム上に直接ロードすることができる。開示される条件下では、Ga-68は、本明細書に記載される条件下では概して第2のクロマトグラフィー樹脂に結合しないと考えられているが、一方で、鉄イオンなどの特定の汚染物質は、これらの条件下では第2のクロマトグラフィー樹脂に結合する。
【0050】
第2のクロマトグラフィー樹脂は、ジアルキルオルトリン酸官能基、例えば、ジ(2-エチルヘキシル)オルトリン酸(HDEHP)官能基を含む好適なクロマトグラフィー樹脂であり得る。第2のクロマトグラフィー樹脂は、約10μm~約300μm、約20μm~約150μm、約50μm~約150μmの粒径、または前述の範囲のいずれかの内のサブ範囲である粒径範囲、または前述の範囲のいずれかの内の粒径値もしくは粒径値のセットを有し得る。前述の照射標的溶液に使用される第2のクロマトグラフィー樹脂の量は、約100mg~約1g、約300mg~約700mg、約450mg~約550mg、または前述の範囲のいずれかの内のサブ範囲である樹脂量範囲、または前述の範囲のいずれかの内の樹脂量値もしくは樹脂量値のセットであり得る。好適な樹脂、例えば、LN樹脂、例えば、LN、LN2、またはLN3、およびTriskem International(Bruz,仏国)から入手可能な関連樹脂も市販されている。
【0051】
Ga-68は、第2のクロマトグラフィー樹脂に結合しないため、第2のクロマトグラフィーカラムを通って流れ、フロースルー容量は、第3のクロマトグラフィー樹脂を含む第3のクロマトグラフィーカラムに直接提供することができる。Ga-68は概して、本明細書に記載の条件下で第3のクロマトグラフィー樹脂に結合すると考えられているが、一方で、存在し得る他の汚染物質は、これらの条件下で第3のクロマトグラフィー樹脂に結合しない。第3のクロマトグラフィー樹脂は、トリアルキルホスフィンオキシド官能基、例えば、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)官能基を含む樹脂などの好適な樹脂である。第3のクロマトグラフィー樹脂は、約10μm~約300μm、約20μm~約150μm、約50μm~約100μmの粒径、または前述の範囲のいずれかの内のサブ範囲である粒径範囲、または前述の範囲のいずれかの内の粒径値もしくは粒径値のセットを有し得る。前述の照射標的溶液に使用される第3のクロマトグラフィー樹脂の量は、約20mg~約10g、約100mg~約300mg、約150mg~約250mg、または前述の範囲のいずれかの内のサブ範囲である樹脂量範囲、または前述の範囲のいずれかの内の樹脂量値もしくは樹脂量値のセットであり得る。好適な樹脂、例えば、TK200樹脂およびTriskem International(Bruz,仏国)から入手可能な関連樹脂も市販されている。
【0052】
第2のクロマトグラフィーカラムフロースルー容量を第3のクロマトグラフィーカラムに吸着した後、所望のGa-68を、本質的に水または低濃度の好適な酸、例えば、塩酸などの強酸を含む好適な第3のクロマトグラフィーカラム溶出液で溶出することができる。第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、好適な酸、例えば、塩酸などの強酸を含む場合、好適な酸は、約0.001N~約0.2N、約0.001N~約0.1N、約0.01N~約0.05Nの濃度、または前述の範囲のいずれかの内の任意の濃度サブ範囲、または前述の範囲内の濃度もしくは濃度値のセットで存在し得る。第3のクロマトグラフィー溶出液の体積は、約1mL~約100mL、約1mL~約20mL、約2mL~約5mL、または前述の範囲のいずれかの内の体積サブ範囲、または前述の範囲のいずれかの内の体積値もしくは体積値のセットであり得る。第3のクロマトグラフィー溶出液は、約0.1mL/分~約30mL/分、約1mL/分~約6mL/分、約2mL/分~約4mL/分の流量、または前述の範囲のいずれかの内の流量サブ範囲、または前述の範囲のいずれかの内の流量値もしくは流量値のセットで、第3のクロマトグラフィーカラムに提供することができる。
【0053】
ここで
図1を参照すると、加速粒子ビームによって照射された固体亜鉛標的を用いたGa-68の製造のためのGa-68の照射および精製のための代表的なプロセス10である。すなわち、
図1に示されるプロセスは、好適な照射標的を作製し、当該標的を照射する全体的なプロセススキーム内に開示される単離および精製プロセスを含む。
【0054】
Ga-68の照射および精製のためのプロセス10は、ステップ標的作製21、すなわち、Zn-68を含む好適な標的の作製を含み得る。Zn-68を含む好適な標的を作製する好適な方法が、PCT/CA2018/000146に記載されており、その全体が本明細書に援用される。標的の亜鉛材料は、Zn-68を含む組成物を含む。さらなる態様において、亜鉛材料は、亜鉛の安定(非放射性)同位体である亜鉛Zn-68(少なくとも90%)を主に含有し、また、Zn-64、Zn-66、Zn-67、および/またはZn-70、ならびにAl、As、Ca、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、K、Mg、Mn、Na、Pb、Si、および/またはSnなどの他の元素の亜鉛同位体のトレースを有する。亜鉛材料は、貴金属もしくは難燃性金属などの化学的に不活性な金属、または銀、銅、もしくはアルミニウムなどの機械的もしくは他の改変および亜鉛への容易な結合に好適な高い熱伝導性を有する任意の他の材料から作製される標的バッキング上に配置することができる。バッキングは、およそ10mmの直径のビームスポット上で、少なくともおよそ10μAの例示的なプロトンビーム電流およびおよそ15MeVのエネルギーを放散するのに十分な堅牢性を有する。
【0055】
標的作製ステップ21の後に標的設置ステップ22を行うことができ、すなわち、好適なサイクロトロンのビーム経路に標的を有する照射装置に標的を設置(または移送)することができる。標的設置ステップ22の後に、標的照射ステップ23、すなわち、本明細書で前述した亜鉛標的の照射が続く。標的照射ステップ23は、所定の期間にわたって標的に好適なプロトンビームを照射すること、例えば、最大100μAの電流を有するプロトンビーム、12.7MeV以下のビームエネルギー、およびおよそ10mmの直径のビームスポットを照射することを含む。またさらなる態様において、装置10は、少なくとも5分間、かつおよそ1時間以下照射される。亜鉛標的の標的照射ステップ23はまた、Ga-64、Ga-66、Ga-67、およびGa-70などの他の同位体も生成する。これらの他の放射性同位体は時間の経過(すなわち、2分~3日)と共に崩壊する。照射後、開示されたプロセスを使用して、照射された亜鉛標的材料中に形成されるGa-68を照射された標的から分離することができる。
【0056】
次に、標的照射ステップ23で生成された照射標的が、照射ステーションから、本開示の開示されたシステムを含む処理ステーションに移送される。処理ステーションに入ると、標的は、溶解ステップに供され、照射された亜鉛材料が溶解ステップ24で溶解される。溶解ステップ24で生成された溶液は、精製ステップ40を実施するために、開示された精製システム50に移送することができる。開示された精製システム50の出口は、収集ステップ27において精製されたGa-68の収集を可能にする。一部の態様では、開示された精製ステップ40は、溶解ステップ24および/または収集ステップ27をさらに含み得る。したがって、開示された精製システム50は、溶解ステップ25および/または収集ステップ27を実行するための構成要素および/またはデバイスをさらに含み得る。本明細書で以下で説明されるように、開示された精製システム40はまた、制御要素をさらに含むことができ、制御要素は、コンピュータ制御または作動されたバルブおよびポンプを含む。
【0057】
ここで、開示される精製システム40の異なる詳細な態様およびステップを開示する
図3A~3Cを参照する。例えば、
図3Aは、開示された精製システム40であり、所望の溶出液またはフロースルー材料を別個に収集し、次いでカラムを吸着させるか、またはプロセスの次のステップで収集する。さらなる態様において、
図3Bは、開示された精製システム40を示しており、所望の溶出液またはフロースルー材料は、廃棄物または望ましくない材料を次のカラムまたはステップから遠ざけて誘導し得るバルブによって、カラムに直接吸着されるか、またはプロセスの次のステップで収集され、必要な場合、同じバルブを調整または回転させて、所望の溶出液またはフロースルー材料を次のカラムに誘導するか、または開示されたステップで収集することができる。
図3Cは、溶解ステップ25をさらにステップとして含む、
図3Cの開示された精製システム40を示している。
図3A~3Cの種々のステップは、上記の参照番号用語集に列挙されているものに対応する参照番号でラベル付けされている。
【0058】
照射されたZn標的からのGa-68の精製システム
種々の態様において、本開示は、Zn標的からGa-68を精製するための開示されたプロセスを実行するために使用することができるシステムに関し、開示されたシステムは、本明細書に開示されるような構成要素およびデバイスを含む。さらなる態様において、システムは、試料を入力構成要素(例えば、第1の制御可能なバルブに接続され、第1のカラムに接続される第1の入口など)に搬送するための搬送構成要素(例えば、液体送りチャネルまたはチューブ)を含み得る。第1のカラムは、好適な搬送構成要素、例えば、それぞれ、第1の洗浄液リザーバおよび第1の溶出リザーバから洗浄液および/または第1の溶出液を搬送する送りチャネルまたはチューブを通して、それに向けられ得る。第1のカラムは、第1の出口を有し、第1の出口は、第2のカラムに接続された第1の廃棄物流または第1の溶出液流に流体の流れを誘導し得る第2の制御可能な値に接続され得る。非結合流体は、第2のカラムの第2の出口を通って流れ、第2の出口は、第3の制御可能なバルブに接続され、次に、第3のカラムの第3の入口に接続される。第3の制御可能な値はまた、第2の溶出液を含む第2の溶出リザーバに接続された搬送チャネルまたはチューブに接続される。第3のカラムは、第4の制御可能なバルブに接続された出口を有し、第4の制御可能なバルブは、流体を、第2の廃棄物流、すなわち、第3のカラム入口に入った非結合材料を含む第3のカラムのフロースルー、または精製されたGa-68を含む第2の溶出液流に向けることができる。
【0059】
追加の構成要素を利用することができ、特定の例または態様が限定されないことを理解されたい。例えば、システムは、バルブと溶液リザーバ、カラム、入口、および/または出口との間に追加のチューブまたはチャネルを含み、バルブと出口または入口との間の追加の間隔を設けてもよい。さらに、本明細書で使用される場合、「チャネル」は、マイクロ流体デバイスに見出され得る流体搬送チャネルを指すことが意図されている。開示されたカラム、例えば、第1のカラムは、Zn標的からGa-68を精製するための開示されたプロセスを実行するために開示されたシステムを含む、統合されたマイクロ流体デバイスの要素をさらに含み得る。
【0060】
図3Bに示される開示されたプロセスを実行するための代表的な開示されたシステムを
図5に示している。ここに示されるプロセスにおける種々の参照番号は、上記の参照番号用語集に列挙される種々の構成要素およびデバイスに関連付けられた参照番号を指す。具体的な態様において、開示されたシステムを
図4に示している。
【0061】
上記から、本明細書に記載のプロセスの種々の態様が、システムの一部を形成するコンピュータシステム上で実行するソフトウェアプロセスであることを理解されたい。したがって、本明細書でより詳細に説明されるように、本明細書で説明されるシステムの種々の態様は、概して、種々のコンピュータハードウェア構成要素を含む特別に構成されたコンピュータとして実装され、多くの場合、従来のまたは既知のコンピュータ、プロセスなどと比較して重要な追加の特徴を含むことが理解されるであろう。本開示の範囲内の態様はまた、コンピュータ実行可能命令またはその上に記憶されたデータ構造を搬送するか、またはその上にコンピュータ実行可能命令もしくはデータ構造を有するためのコンピュータ可読媒体を含む。かかるコンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセス可能な、または通信ネットワークを通じてダウンロード可能な任意の利用可能な媒体であり得る。限定されないが、例として、かかるコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、CD-ROM、DVD、または他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、ソリッドステートドライブ(SSD)、もしくは他のデータストレージデバイス、セキュアデジタル(SD)、フラッシュメモリ、メモリスティックなどの任意のタイプの取り外し可能な不揮発性メモリ、またはコンピュータ実行可能命令もしくはデータ構造の形態でコンピュータプログラムコードを搬送もしくは記憶するために使用することができ、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、特別に構成されたコンピュータ、モバイルデバイスなどによってアクセスすることができる任意の他の媒体などの種々の形態のデータストレージデバイスもしくは媒体を含み得る。
【0062】
情報がネットワークまたは別の通信接続(有線、無線、または有線または無線の組み合わせのいずれか)を介してコンピュータに移送または提供される場合、コンピュータはその接続をコンピュータ可読媒体と適切にみなす。したがって、任意のかかる接続は、コンピュータ可読媒体と適切に呼称され、みなされる。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。コンピュータ実行可能命令は、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはモバイルデバイスプロセッサなどの専用処理デバイスに1つの特定の機能または機能群を実行させる命令およびデータを含む。
【0063】
当業者は、本開示の態様が実装され得る好適なコンピューティング環境の特徴および態様を理解するであろう。必須ではないが、特許請求される開示の態様の一部は、前述のように、ネットワーク環境でコンピュータによって実行されるプログラムモジュールまたはエンジンなどのコンピュータ実行可能命令の文脈で説明され得る。かかるプログラムモジュールは、フローチャート、シーケンス図、例示的な画面ディスプレイ、および当業者がかかるコンピュータプログラムモジュールを作製および使用する方法を伝達するために使用する他の技術によって反映および図示されることが多い。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、または特定の定義されたデータ型をコンピュータ内に実装する、ルーチン、プログラム、関数、オブジェクト、構成要素、データ構造、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)の他のコンピュータへの呼び出しなどを含む。コンピュータ実行可能命令、関連データ構造および/またはスキーマ、ならびにプログラムモジュールは、本明細書で開示される方法のステップを実行するためのプログラムコードの例を表している。かかる実行可能命令または関連するデータ構造の特定のシーケンスは、かかるステップで説明される機能を実装するための対応する行為の例を表している。
【0064】
当業者はまた、特許請求の範囲および/または記載のシステムおよび方法が、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラマブルな消費者用電子機器、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む多くの種類のコンピュータシステム構成を有するネットワークコンピューティング環境において実践され得ることも理解するであろう。特許請求された開示の態様は、通信ネットワークを介してリンクされた(有線リンク、無線リンク、または有線リンクもしくは無線リンクの組み合わせのいずれかによって)ローカルおよびリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境で実施される。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカルメモリストレージデバイスおよびリモートメモリストレージデバイスの両方に配置することができる。
【0065】
説明される動作の種々の態様を実施するための例示的なシステムは、処理ユニット、システムメモリ、およびシステムメモリを含む種々のシステム構成要素を処理ユニットに結合するシステムバスを含むコンピューティングデバイスを含む。コンピュータは通常、データを読み書きするための1つ以上のデータストレージデバイスを含む。データストレージデバイスは、コンピュータ実行可能命令、データ構造、プログラムモジュール、およびコンピュータのための他のデータの不揮発性ストレージを提供する。
【0066】
本明細書に記載される機能を実装するコンピュータプログラムコードは、典型的には、データストレージデバイスに記憶され得る1つ以上のプログラムモジュールを含む。当業者に知られているように、このプログラムコードは通常、オペレーティングシステム、1つ以上のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、およびプログラムデータを含む。ユーザは、キーボード、タッチスクリーン、ポインティングデバイス、スクリプト言語で書かれたコンピュータプログラムコードを含むスクリプト、またはマイクなどの他の入力デバイス(図示せず)を介してコンピュータにコマンドおよび情報を入力することができる。これらおよび他の入力デバイスは、多くの場合、既知の電気的、光学的、または無線接続を介して処理ユニットに接続される。
【0067】
記載されるプロセスの多くの態様に影響を与えるコンピュータは、典型的には、以下にさらに記載される1つ以上のリモートコンピュータまたはデータソースへの論理接続を使用して、ネットワーク環境内で動作する。リモートコンピュータは、別のパーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、または他の共通のネットワークノードであってよく、本開示が具現化されるメインコンピュータシステムに関して前述される要素の多くまたはすべてを典型的に含む。コンピュータ間の論理接続には、限定ではなく例として本明細書に提示されるローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想ネットワーク(WANまたはLAN)、および無線LAN(WLAN)が含まれる。かかるネットワーク環境は、オフィス全体またはエンタープライズ全体のコンピュータネットワーク、イントラネット、インターネットで一般的である。
【0068】
LANまたはWLANネットワーク環境で使用される場合、本開示の態様を実装するコンピュータシステムは、ネットワークインターフェースまたはアダプタを介してローカルネットワークに接続される。WANまたはWLANネットワーク環境で使用される場合、コンピュータは、モデム、無線リンク、またはインターネットなどのワイドエリアネットワークを介して通信を確立するための他の機構を含み得る。ネットワーク環境において、コンピュータまたはその一部に対して描写されるプログラムモジュールは、遠隔データストレージデバイス内に記憶され得る。説明または示されるネットワーク接続は、例示的であり、ワイドエリアネットワークまたはインターネット上で通信を確立する他の機構が使用され得ることが理解されるであろう。
【0069】
種々の態様を好ましい態様の文脈で説明してきたが、特許請求される開示の追加の態様、特徴、および方法論は、本明細書の説明から、当業者によって容易に識別できるであろう。本明細書に記載されているもの以外の本開示および特許請求の範囲の開示の多くの態様および適応、ならびに多くの変形例、修正例、および等価な配置および方法論は、特許請求の範囲の内容または範囲から逸脱することなく、本開示およびその前述の説明から明らかであるか、またはそれによって合理的に示唆されるであろう。さらに、本明細書に記載および特許請求される種々のプロセスのステップの任意の配列(複数可)および/または時間的順序は、特許請求される開示を実施するために企図される最良のモードとみなされるものである。種々のプロセスのステップは、好ましい配列または時間的な順序で示され、説明され得るが、任意のかかるプロセスのステップは、特定の意図された結果を達成するためにかかる特定の指示がない、任意の特定の配列または順序で実行されることに限定されないことも理解されたい。ほとんどの場合、かかるプロセスのステップは、依然として特許請求の範囲内でありながら、種々の異なる配列および順序で実行され得る。加えて、一部のステップは、同時に、同時期に、または他のステップと同期して行われ得る。
【0070】
本態様は、当業者が本開示および種々の態様を利用することができるように、かつ想定されている特定の用途に適した種々の変更を加えられるように、特許請求の範囲に記載されている開示の原理およびそれらの実用的な用途を説明するために選択および記載された。特許請求された開示が属する技術分野の当業者には、その趣旨および範囲から逸脱することなく、代替的な態様が明らかになるであろう。したがって、特許請求された開示の範囲は、前述の説明およびそこに記載された例示的な態様ではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0071】
開示されたプロセスおよびシステムによって調製された、68-Gaを含む放射線撮像組成物
種々の態様において、本開示は、開示されたプロセスを使用して、かつ/または開示されたシステムを使用して調製された68-Gaを含む組成物、例えば、開示されたプロセスを使用して、かつ/または開示されたシステムを使用して調製された68-Gaと68-Ga用のキレート剤とを含む放射線撮像組成物、ならびに開示されたプロセスを使用して、かつ/または開示されたシステムを使用して調製された68-Gaとモノクローナル抗体などであるがこれに限定されない抗体とを含む放射性撮像組成物に関する。
【0072】
さらなる態様において、放射線撮像組成物は、開示されたプロセスを使用して、および/または開示されたシステムおよび臨床撮像に有用なキレート剤を使用して調製された68-Gaを含む。例えば、好適なキレート剤としては、限定されないが、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカンN,N’,N’’,N’’’テトラ酢酸(DOTA)、[1,4,7-トリアザシクロノナン-N,N’,N’’-トリ酢酸](NOTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、N,N’-ビス-[2-ヒドロキシ-5-(カルボキシエチル)ベンジル]エチレンジアミン-N,N’-ジアセチル酸(HBED-CC)、および本発明に従って使用され得る他の既知のキレート剤が挙げられる。68-Gaは、かかるキレート剤によって容易にキレートされる。またさらなる態様において、キレート複合体は、開示されるプロセスを使用して、および/または開示されるシステムを使用して調製される68-Gaと、Ac-Phe-Lys(DTPA)-Tyr-Lys(DTPA)-NH2などのジ-DTPA誘導体とを含む。
【0073】
さらなる態様において、放射線撮像組成物は、開示されたプロセスを使用して、かつ/または開示されたシステムを使用して調製された68-Gaと、抗体、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片、および他の好適な抗体誘導体とを含む。
【0074】
本明細書で使用する場合、「一価抗体断片」という用語は、通常、二価断片または無傷の免疫グロブリンの切断によって得られるFab’およびFab断片を意味する。Fab’抗体断片は、通常、かつ便宜的に、F(ab’)2断片の還元的切断によって作製され、それ自体は、通常、インタクトな免疫グロブリンのペプシン消化によって作製される。Fab抗体断片は、インタクトな免疫グロブリンのパパイン消化、還元条件下、または全Igの慎重なパパイン消化から生じるF(ab)2断片の切断によって作製することができる。Parham et al.,J.Immunol.Methods,53:133-173,1982,およびBoguslawski et al.,J.Immunol.Methods,120:51-56,1989は、マウスモノクローナルIgG1~F(ab)2のパパイン消化を示している。チオールによるパパインの活性化、その後の切断前のチオールの除去により、少なくとも1つのジスルフィド結合下のパパイン切断部位を有する免疫グロブリンの切断が、二価断片のさらなる切断なしに生じることが可能になる。
【0075】
しかしながら、一価断片はまた、免疫グロブリンの超可変抗原結合領域を保持し、Fab’断片と同様またはそれよりも小さいサイズを有する任意の断片を含み得ることが理解されるであろう。これには、一本鎖または複数鎖を問わず、抗原結合部位を組み込み、別様では、天然の一価免疫グロブリン断片と実質的に同じ方法で標的化ビヒクルとしてインビボで機能する遺伝子操作されたおよび/または組み換えタンパク質が含まれる。
【0076】
放射標識される一価抗体断片は、抗原に結合する断片であってもよく、これには、腫瘍、感染性病変、微生物、寄生虫、心筋梗塞、アテローム性プラーク、または正常な臓器もしくは組織によって産生される抗原、またはこれらに関連する抗原が含まれるが、これらに限定されないことも理解されよう。
【0077】
本発明の抗体断片-キレートコンジュゲートは、例えば、米国特許第5,612,016号、同第5,637,288号、同第5,635,603号、および米国特許出願第08/456,629号、同第08/779,556号、および同第08/456,909号における既知の方法および方法によって調製することができる。本明細書において、抗体断片は、放射性同位体、すなわち、Ga-68へのコンジュゲーションのために適合させて、陽電子放出断層撮影のための診断用撮像剤として使用することができる。これは、本発明によれば、放射性金属イオンまたは常磁性イオンのキレート剤を、Ga-68をキレートする化合物に付着させることによって達成することができる。かかるキレート剤および抗体へのそれらの付着の様式は、当業者に周知であり、とりわけ、例えば、Childs et al.,J.Nuc.Med.,26:293(1985)およびGoldenbergの米国特許第4,331,647号、同第4,348,376号、同第4,361,544号、同第4,468,457号、同第4,444,744、および4,624,846号に記載されている。典型的な誘導体は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびジエチレントリアミン五酢酸(DPTA)である。例えば、Ac-Phe-Lys(DTPA)-Tyr-Lys(DTPA)-NH2(配列番号1)は、Ga-68をキレートし、抗体断片にコンジュゲートすることができる。これらは、典型的には、キレート剤が抗体断片に付着し得る側鎖上に基を有する。
【0078】
あるいは、キレート剤上のカルボキシル基またはアミン基を活性化し、次いで周知の方法によって抗体断片に結合させることができる。
【0079】
キレート剤は、抗体上の1つ以上の官能基、例えば、アミン、カルボキシル、フェニル、チオールまたはヒドロキシル基を介して、直接、または短鎖または長鎖リンカー部分を介して抗体断片に結合させることができる。種々の従来のリンカー、例えば、ジイソシアネート、ジイソチオシアネート、カルボジイミド、ビス-ヒドロキシスクシンイミドエステル、マレイミド-ヒドロキシスクシンイミドエステル、グルタルアルデヒドなど、好ましくは、米国特許第4,680,338号に開示されている無水物-イソチオシアネートリンカーなどの選択的連続リンカーを使用することができる。
【0080】
一実施形態によれば、二重特異性抗体は、モノクローナル抗体または抗体断片を含む。別の実施形態によれば、二重特異性抗体は、ヒト化抗体または抗体断片を含む。モノクローナル抗体(MAb)は、通常、マウスタンパク質であり、それらは、ヒト抗体と同一ではない。したがって、マウスからの抗体は、患者に注射されると、最終的に、異物タンパク質として認識されるとして循環から除去される。抗体分子の両方の鎖は、可変領域および定常領域に分割することができる。各抗体において、可変領域は、抗体ごとに異なる。これは、抗原に結合する領域である。抗体の定常領域は、同じタイプの抗体間で同じである。マウスMabの基本構造は、ヒト抗体に類似している。しかしながら、この2種に由来の抗体のアミノ酸配列には多数の違いがある。これらの配列の違いは、ヒトにおけるマウスMAbの免疫原性を説明するものである。キメラMabは、マウス軽可変および重可変ドメインをコードするcDNA断片を、ヒト抗体からのCドメインをコードする断片にライゲーションすることによって構築される。Cドメインは抗原結合に寄与しないため、キメラ抗体は、元のマウスMabと同じ抗原特異性を保持するが、配列においてはヒト抗体に近い。しかしながら、キメラMabは、一部のマウス配列を依然として含有し、依然として免疫原性であり得る。ヒト化Mabは、抗原を認識するのに必要なマウスアミノ酸のみを含有する。この生成物は、マウス相補性決定領域からのアミノ酸をヒト抗体フレームワークに構築することによって構築される。
【0081】
二重特異性およびハイブリッドを含む多重特異性抗体および抗体断片もまた、病変の検出に使用され得、少なくとも2つの異なる実質的に単一特異性抗体または抗体断片から構成される。ここで、当該抗体または抗体断片のうちの少なくとも2つは、標的病変によって産生されるかまたは標的病変と関連付けられる少なくとも2つの異なる抗原、または標的病変によって産生または関連付けられるマーカー物質の少なくとも2つの異なるエピトープまたは分子に特異的に結合する。二重特異性を有する多重特異性抗体および抗体断片は、米国特許第4,361,544号に開示されている抗腫瘍マーカーハイブリッドと同様に調製され得る。ハイブリッド抗体を調製するための他の技術は、例えば、米国特許第4,474,893号および同第4,479,895号、ならびにMilstein et al.,Immunol.Today,5,299(1984)に開示されている。これらの抗体はその後、キレート特異性を有する抗体または抗体断片に連結され、標的抗体を形成する。
【0082】
腫瘍抗原に対する抗体および病原体に対する抗体は既知である。例えば、ウイルス、細菌、真菌および寄生虫感染を含む腫瘍または感染性病変によって産生されるかまたはそれに関連するマーカーに特異的に結合する抗体および抗体断片、ならびにかかる微生物に関連する抗原および産物は、とりわけ、Hansen et al.の米国特許第3,927,193号およびGoldenberg、米国特許第4,331,647号、同第4,348,376号、同第4,361,544号、同第4,468,457号、同第4,444,744号、同第4,818,709号および同第4,624,846号に開示されている。特に、抗原、例えば、消化管、肺、乳房、前立腺、卵巣、精巣、脳またはリンパ腫瘍、肉腫または黒色腫に対する抗体が有利に使用される。
【0083】
感染症剤に対する多種多様なモノクローナル抗体が開発されており、Eur.J.Clin.Microbiol.,3(5):387-398,1984におけるPolinによる総説に要約されており、容易に入手可能であることが示されている。
【0084】
文献に記載されている感染性生物に対して生成されたMabのさらなる例が示されている。
【0085】
態様
以下の例示的な態様の一覧は、本明細書で提供される開示内容を支持し、また当該開示内容によって支持されるものである。
【0086】
態様1.固体標的アセンブリから無担体Ga-68溶液を調製するためのプロセスであって、プロセスが、照射標的溶液を、第1のクロマトグラフィー樹脂を含む第1のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第1のクロマトグラフィーカラムを第1のクロマトグラフィー洗浄液で洗浄することと、第1のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて第1のクロマトグラフィーカラムから第1の溶出液を溶出することと、第1の溶出液を、第2のクロマトグラフィー樹脂を含む第2のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第2のクロマトグラフィーカラムから第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を収集することと、第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を、第3のクロマトグラフィー樹脂を含む第3のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第3のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて第3のクロマトグラフィーカラムから無担体Ga-68溶液を溶出することと、を含み、照射標的溶液が、固体標的アセンブリの照射標的部分の少なくとも一部を溶解させて形成された溶液を含み、照射標的溶液が、Zn-68、Ga-68、および固体標的アセンブリ金属を含み、固体標的アセンブリが、前面および後面を含む金属ディスク、ならびにディスクの上面上に配置された照射標的部分を含み、照射標的部分が、Zn-68およびGa-68の混合物を含み、第1のクロマトグラフィー樹脂が、ヒドロキサメートクロマトグラフィー樹脂を含み、第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、約4.5Mを超える濃度で存在する強酸を有し、第1のクロマトグラフィーカラム溶出液が、約3.5M未満の濃度で存在する強酸を有し、第2のクロマトグラフィー樹脂が、アルキルホスフィンオキシドクロマトグラフィー樹脂を含み、第3のクロマトグラフィー樹脂が、アルキルオルトリン酸クロマトグラフィー樹脂を含み、第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、約0.2M未満の濃度で存在する強酸であり、任意選択で、それを含む、プロセス。
【0087】
態様2.照射標的溶液が、約0.7~約4のpHを有する、1に記載のプロセス。
【0088】
態様3.照射標的溶液が、強酸を含む、1に記載のプロセス。
【0089】
態様4.強酸が、微量金属を実質的に含まない、態様3に記載のプロセス。
【0090】
態様5.強酸が、HCl、HNO3、またはこれらの組み合わせである、態様3に記載のプロセス。
【0091】
態様6.強酸が、HClであり、HClが、約4.5M~約12.2Mの濃度で存在する、態様3に記載のプロセス。
【0092】
態様7.強酸が、HClであり、HClが、約8M~約12.2Mの濃度で存在する、態様6に記載のプロセス。
【0093】
態様8.強酸が、HClであり、HClが、約12M~約12.2Mの濃度で存在する、態様7に記載のプロセス。
【0094】
態様9.固体標的アセンブリ金属が、アルミニウム塩、鉄塩、またはこれらの組み合わせを含む、態様1~態様6のいずれか1つに記載のプロセス。
【0095】
態様10.第1のクロマトグラフィー樹脂が、2MのHClの存在下で吸着されたときに、第1のクロマトグラフィー樹脂1グラム当たり約10mgのZr~第1のクロマトグラフィー樹脂1グラム当たり約70mgのZrの容量を有する、態様1~態様9のいずれか1つに記載のプロセス。
【0096】
態様11.第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、約0.7~約4.0のpHを有する、態様1~態様10のいずれか1つに記載のプロセス。
【0097】
態様12.第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、微量金属を実質的に含まない、態様1~態様11のいずれか1つに記載のプロセス。
【0098】
態様13.第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、HClを含む、態様1~態様12のいずれか1つに記載のプロセス。
【0099】
態様14.HClが、約4.5M~約12.2Mの濃度で存在する、態様13に記載のプロセス。
【0100】
態様15.HClが、約8M~約12.2Mの濃度で存在する、態様14に記載のプロセス。
【0101】
態様16.HClが、約12M~約12.2Mの濃度で存在する、態様15に記載のプロセス。
【0102】
態様17.第1のクロマトグラフィーカラム溶出液が、HClを含む、態様1~態様16のいずれか1つに記載のプロセス。
【0103】
態様18.HClが、約0.2M~約3.5Mの濃度で存在する、態様17に記載のプロセス。
【0104】
態様19.HClが、約0.5M~約3Mの濃度で存在する、態様18に記載のプロセス。
【0105】
態様20.HClが、約1M~約2Mの濃度で存在する、態様19に記載のプロセス。
【0106】
態様21.第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、強酸を含まない、態様1~態様20のいずれか1つに記載のプロセス。
【0107】
態様22.第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、本質的に水からなる、態様21に記載のプロセス。
【0108】
態様23.第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、微量金属を実質的に含まない、態様21に記載のプロセス。
【0109】
態様24.第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、HClを含む、態様1~態様23のいずれか1つに記載のプロセス。
【0110】
態様25.第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、微量金属を実質的に含まない、態様24に記載のプロセス。
【0111】
態様26.HClが、約0.01M~約0.2Mの濃度で存在する、態様24に記載のプロセス。
【0112】
態様27.HClが、約0.01M~約0.1Mの濃度で存在する、態様26に記載のプロセス。
【0113】
態様28.HClが、約0.01M~約0.05Mの濃度で存在する、態様27に記載のプロセス。
【0114】
態様29.無担体Ga-68溶液が、約98%を超える放射性核種純度を有し、放射性核種純度が、66Gaおよび67Gaおよび68Gaの合計に対する68Gaの比率として定義される、態様1~態様28のいずれか1つに記載のプロセス。
【0115】
態様30.無担体Ga-68溶液が、約99%超の放射性核種純度を有する、態様29に記載のプロセス。
【0116】
態様31.無担体Ga-68溶液が、約99.5%超の放射性核種純度を有する、態様29に記載のプロセス。
【0117】
態様32.無担体Ga-68溶液が、約99.7%超の放射性核種純度を有する、態様29に記載のプロセス。
【0118】
態様33.無担体Ga-68溶液が、GBq Ga-68当たり約10μg未満の量で存在する鉄を有する、態様1~態様32のいずれか1つに記載のプロセス。
【0119】
態様34.鉄が、GBq Ga-68当たり約5μg未満の量で存在する、態様33に記載のプロセス。
【0120】
態様35.鉄が、GBq Ga-68当たり約1μg未満の量で存在する、態様33に記載のプロセス。
【0121】
態様36.鉄が、GBq Ga-68当たり約0.1μg未満の量で存在する、態様33に記載のプロセス。
【0122】
態様37.無担体Ga-68溶液が、GBq Ga-68当たり約10μg未満の量で存在するZnを有する、態様1~態様36のいずれか1つに記載のプロセス。
【0123】
態様38.亜鉛が、GBq Ga-68当たり約5μg未満の量で存在する、態様37に記載のプロセス。
【0124】
態様39.亜鉛が、GBq Ga-68当たり約1μg未満の量で存在する、態様37に記載のプロセス。
【0125】
態様40.亜鉛が、GBq Ga-68当たり約0.5μg未満の量で存在する、態様37に記載のプロセス。
【0126】
態様41.無担体Ga-68溶液が、他の放射性核種を実質的に含まない、態様1~態様36のいずれか1つに記載のプロセス。
【0127】
態様42.態様1~態様41のいずれか1つに記載のプロセスによって調製された無担体Ga-68溶液から得られたGa-68を含む、Ga-68組成物。
【0128】
態様43.態様42に記載のGa-68組成物を含む、撮像試薬。
【0129】
態様44.撮像試薬68Ga-PSMA-617、68Ga-PSMA-11、68Ga-DOTATATE、68Ga-DOTATOC、68Ga-DOTANOC、またはこれらの組み合わせ、態様43に記載の撮像試薬。
【0130】
上記のことから、本明細書の態様が、明白かつ構造に固有であるその他の利点と共に上に記載した全ての目標および目的を獲得するように十分に適合されることが分かるであろう。
【0131】
特定の要素およびステップが互いに関連して論じられているが、本明細書で示される任意の要素および/またはステップは、明白な規定にかかわらず任意の他の要素および/またはステップと組み合わせ可能であるものとして企図され、これが依然として本明細書で示される範囲内にあることを理解されたい。
【0132】
ある特定の特徴および部分組み合わせは有用であり、これが他の特徴および部分組み合わせに関係なく用いられ得ることが理解されよう。これは、特許請求の範囲によって企図され、また特許請求の範囲内に入る。
【0133】
多くの可能な態様が、その範囲から逸脱することなく行われ得るが、本明細書に記載され、または添付の図面および詳細な説明で示された全ての事柄は、例示として解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0134】
また、本明細書で使用する用語は、特定の態様を説明するためのものに過ぎず、こうした用語が限定的であるようには意図されていないことも理解されたい。当業者は、本明細書で説明される態様の多くの変形および適応を認識し得る。これらの変形形態および適応形態は、本開示の教示に含まれるように意図され、また本明細書の請求項に包含されるように意図されている。
【0135】
本開示の態様を説明してきたが、概して、以下の実施例は、いくつかの追加的な本開示の態様を説明するものである。本開示の態様は、以下の実施例ならびに対応する文および図面と共に説明されるが、本開示の態様をこの説明に限定する意図はない。それとは逆に、意図されているのは、本開示の趣旨および範囲内に含まれる全ての代替物、変更、および等価物を網羅することである。
【実施例】
【0136】
以下の実施例は、本明細書で説明し特許請求する化合物、組成物、物品、デバイス、および/または方法がどのように作製され評価されるかについての完全な開示および説明を当業者に提供するために示されるものであり、単に本開示の例示であることが意図されており、発明者らが発明としてみなす範囲を限定するようには意図されていない。数字(例えば、量、温度など)に関する正確さを保証するように努力は払われているが、ある程度の誤差および偏差は考慮されるべきである。別段の指示がない限り、部は重量部であり、温度は℃で示すか周囲温度であり、圧力は大気圧前後である。
【0137】
実施例1-Zn標的の照射。
これらの研究で使用される標的は、銀バッキング上の直径10mmの凹部に充填されたZn-68を含み、GE PETtraceサイクロトロン上に設置されたARTMS固体標的システムを使用して照射した。GEエネルギー分解器を使用して、プロトンエネルギーを13MeVまで低下させ、銅箔の照射によってエネルギーを確認した。表1に記載されているように、Ga-68の最適な生成、つまり最大80uAについて、種々の標的パラメータおよび照射条件を評価し、最大2時間衝撃を与えた。具体的な照射試験を表2に示している。以下のデータは、194GBq(5.2Ci)[
68Ga]GaCl
3までの収率を得ることができたことを示している。開示方法を用いたガリウム-68の崩壊補正回収の収率に基づき、衝撃の衝撃終了時に10Ci[
68Ga]GaCl
3以上が生成されたことが計算された。
【0138】
実施例2-開示されたプロセスを用いた68-Gaの例示的な精製。
上記方法を用いて、300mgのZn-68/Ga-68および他の金属を含む照射標的を2mLの9.5N HClに溶解させ、標的照射溶液を得た。溶解ステップにおけるGa-68の回収データを以下の表2に示している。照射標的、前述の溶解ステップに続く標的、および照射標的の裏面の例示的な写真像をそれぞれ
図6A~6Cに示している。
【0139】
標的照射溶液を第1のクロマトグラフィーカラム上に吸着し、次いでカラムを15mLの9.5N HClで洗浄した。第1のクロマトグラフィーカラムを、8mLの1.0N HClを使用して溶出し、溶出液を第2のクロマトグラフィーカラムに直接流し、第2のクロマトグラフィーカラムからの流れを第3のクロマトグラフィーカラムに吸着させた。第3のクロマトグラフィーカラムを、3mLの0.1N HClを使用して溶出した。第1のクロマトグラフィー樹脂は、ヒドロキシアメート樹脂、すなわち、250mgのZR樹脂(Triskem International、Bruz,仏国)であり、第2のクロマトグラフィー樹脂は、ジ(2-エチレキシル)オルトリン酸(「HDEHP」)樹脂、すなわち、500mgのLN樹脂(Triskem International)であり、第3のクロマトグラフィー樹脂は、トリオクチルホスフィンオキシド(「TOPO」)樹脂、すなわち、200mgのTK200の200mgのTK200樹脂(Triskem International)であった。前述の分離ステップをおよそ22分間の処理時間で実施し、総処理時間、すなわち、プロトン照射の終了から単離された精製された無担体塩化ガリウム溶液までの総処理時間は、約37分であった。本実施例で得られた精製Ga-68試料の4つのバッチに基づく品質管理評価を以下の表4に示しており、
「Gallium(68Ga)Chloride(Accelerator-Produced)Solution for Radiolabelling」(Ph.Eur.Monograph draft 3109)に記載されている仕様と比較する。得られた放射性核種純度により、最大約7時間の貯蔵寿命が可能となった。さらに、データは、生成されたガリウム-68中の低い量の金属不純物、すなわち、ジェネレータによって生成された同位体について観察されるものと同様であることを示している。
【0140】
実施例3-開示されたプロセスにおける鉄除去の評価。
溶解した標的から得られた溶液と同様の組成の溶液を含むが68-Gaを含まない組成物に鉄をスパイクすることによって、開示されたプロセスにおける鉄除去の効率を評価するために、さらなる研究を行った。簡潔に述べると、本研究は以下のように実施された:1)本明細書で上述した溶解方法を使用して天然亜鉛標的を溶解した。2)上記のプロセスを停止して、反応器バイアル中に溶解した天然亜鉛の少量の試料を収集した。回収された天然亜鉛の量を以下の表5に示す。3)FeSO4・7H2Oから調製したFe(以下の表5に示す量)を反応器バイアルにスパイクした。4)溶解した天然亜鉛の少量の試料をFeスパイクと混合し、収集した。5)上記の精製プロセスを完了するまで継続する。6)廃棄物バイアル溶液(洗浄ステップ後にカラム3から収集された廃棄物)の少量の試料を収集する。7)生成物バイアル溶液の少量の試料(溶出ステップ後にカラム3から溶出された試料)を収集する。8)以下に示すように、ICPOESおよびICPMSによって4つの収集された溶液を分析した。データは、元のスパイクされた鉄の98.6%超が除去されたことを示している。ただし、亜鉛の標的試料自体に含まれる可能性のある鉄の量を含めた総量であれば、溶解した試料に含まれる鉄の99.7重量%超が除去されたことになる。本明細書で使用される誘導結合プラズマ分析のための全体的な手順は、以下の表5に記載される。
【0141】
誘導結合プラズマ分析用の試料を以下のように調製した。1)Trasis Mini-AiO合成の実行中に採取した試料アリコートを初期乾燥まで蒸発させ、2)試料をHNO3(2M)中で既知の体積に再構成した。原液中のZnの推定濃度に応じて、試料をHNO3(2%v/v)で適切に希釈しておよそ100ppmのZn濃度とし、試料が誘導結合プラズマ質量分析装置を汚染しないこと、または有意な同重体干渉および多原子干渉を生じないこと、またはメモリ効果を誘導しないことを確実にした。3)Znの予想濃度が0、すなわち生成物バイアルである場合、試料を初期乾燥まで蒸発させ、分析のためにHNO3(2%v/v)中で既知の体積に再構成して分析した。4)すべての試料の最終試料体積は、微量元素のICP-MS分析のための10mLであった。5)試料を15mLのFalconチューブに移送し、インジウム内部標準溶液(100μL、1ppm)でスパイクした。6)HNO3(2%v/v)を使用して、FeおよびICP-OESの分析のためのZnのICP-MS試料のさらなる10倍の希釈を完了した。7)ICP-OES分析のための最終試料体積は、5mLであった。
【0142】
誘導結合プラズマ分析のための標準試料を以下のように調製した。1)HNO3(2%v/v)マトリックス中のICP-MS分析のために0~50ppbの範囲で混合分析物較正標準(合計52個の元素を含む)を調製した(注記:Znは、存在する高濃度が器具検出器を損傷する可能性があるため、ICP-MSによって分析されなかった)。2)ICP-MS標準を内部標準として10ppmのインジウムでスパイクした。3)HNO3(2%v/v)マトリックス中のICP-OES分析のために、FeおよびZnを含有する混合較正標準を0~10ppmの範囲で調製した。
【0143】
ブランク試料の調製および検出較正の限界:1)6 HNO3(2%v/v)ブランク試料に10ppmのインジウムを内部標準としてスパイクした。2)検出限界は以下のように計算した。
LOD=3×標準偏差(ブランク);
3)定量限界を次のように計算した。
LOQ=10×LOD;
4)LODとLOQとの間の結果の関連誤差が有意に大きい場合、LODが±20%より大きい結果の関連誤差と仮定した。5)ICP-MSおよびICP-OES解析の両方に同じ検出限界計算方法を適用した。
【0144】
分析方法は以下の通りである。1)四極ICP-MSを用いて52個の元素(Feを含む)の微量元素解析を行い、2)ICP-OESを用いてFeおよびZnの解析を行った。
【0145】
実施例4-68-Gaを含む放射線撮像組成物。
精製した68-Gaを使用して、以下の表6に示すように放射線撮像組成物を調製した。表6および他の研究に示されるデータは、DOTATATEおよびPSMA-HBED-11の放射標識が、高収率(>95%)で、かつ臨床的に許容されるモル比放射能(≧24MBq/nmol、非最適化)で行われたことを示唆している。
【0146】
強調されるべきは、本開示の上記の態様は、可能性のある実装形態の例に過ぎず、本開示の原理の明確な理解のためにのみ記載されていることである。本開示の精神および原理から実質的に逸脱することなく、上述した態様(複数可)に対して多くの変形および修正を行うことができる。すべてのかかる修正および変形は、本開示の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
種々の態様では、固体標的アセンブリから無担体Ga-68溶液を調製するためのプロセスであって、プロセスが、照射標的溶液を、第1のクロマトグラフィー樹脂を含む第1のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第1のクロマトグラフィーカラムを第1のクロマトグラフィー洗浄液で洗浄することと、第1のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて第1のクロマトグラフィーカラムから第1の溶出液を溶出することと、第1の溶出液を、第2のクロマトグラフィー樹脂を含む第2のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第2のクロマトグラフィーカラムから第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を収集することと、第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を、第3のクロマトグラフィー樹脂を含む第3のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第3のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて第3のクロマトグラフィーカラムから無担体Ga-68溶液を溶出することと、を含み、照射標的溶液が、固体標的アセンブリの照射標的部分の少なくとも一部を溶解させて形成された溶液を含み、照射標的溶液が、Zn-68、Ga-68、および固体標的アセンブリ金属を含み、固体標的アセンブリが、前面および後面を含む金属ディスク、ならびにディスクの上面上に配置された照射標的部分を含み、照射標的部分が、Zn-68およびGa-68の混合物を含み、第1のクロマトグラフィー樹脂が、ヒドロキサメートクロマトグラフィー樹脂を含み、第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、約4.5Mを超える濃度で存在する強酸を有し、第1のクロマトグラフィーカラム溶出液が、約3.5M未満の濃度で存在する強酸を有し、第2のクロマトグラフィー樹脂が、アルキルオルトリン酸クロマトグラフィー樹脂を含み、第3のクロマトグラフィー樹脂が、アルキルホスフィンオキシドクロマトグラフィー樹脂を含み、第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、任意選択で、約0.2M未満の濃度で存在する強酸を含む、プロセス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
照射されたZn標的からのGa-68の精製方法
種々の態様では、本明細書では、固体標的アセンブリから無担体Ga-68溶液を調製するためのプロセスが開示され、プロセスが、照射標的溶液を、第1のクロマトグラフィー樹脂を含む第1のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第1のクロマトグラフィーカラムを第1のクロマトグラフィー洗浄液で洗浄することと、第1のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて第1のクロマトグラフィーカラムから第1の溶出液を溶出することと、第1の溶出液を、第2のクロマトグラフィー樹脂を含む第2のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第2のクロマトグラフィーカラムから第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を収集することと、第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を、第3のクロマトグラフィー樹脂を含む第3のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第3のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて第3のクロマトグラフィーカラムから無担体Ga-68溶液を溶出することと、を含み、照射標的溶液が、固体標的アセンブリの照射標的部分の少なくとも一部を溶解させて形成された溶液を含み、照射標的溶液が、Zn-68、Ga-68、および固体標的アセンブリ金属を含み、固体標的アセンブリが、前面および後面を含む金属ディスク、ならびにディスクの上面上に配置された照射標的部分を含み、照射標的部分が、Zn-68およびGa-68の混合物を含み、第1のクロマトグラフィー樹脂が、ヒドロキサメートクロマトグラフィー樹脂を含み、第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、約4.5Mを超える濃度で存在する強酸を有し、第1のクロマトグラフィーカラム溶出液が、約3.5M未満の濃度で存在する強酸を有し、第2のクロマトグラフィー樹脂が、アルキルオルトリン酸クロマトグラフィー樹脂を含み、第3のクロマトグラフィー樹脂が、アルキルホスフィンオキシドクロマトグラフィー樹脂を含み、第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、任意選択で、約0.2M未満の濃度で存在する強酸を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
態様1.固体標的アセンブリから無担体Ga-68溶液を調製するためのプロセスであって、プロセスが、照射標的溶液を、第1のクロマトグラフィー樹脂を含む第1のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第1のクロマトグラフィーカラムを第1のクロマトグラフィー洗浄液で洗浄することと、第1のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて第1のクロマトグラフィーカラムから第1の溶出液を溶出することと、第1の溶出液を、第2のクロマトグラフィー樹脂を含む第2のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第2のクロマトグラフィーカラムから第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を収集することと、第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を、第3のクロマトグラフィー樹脂を含む第3のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、第3のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて第3のクロマトグラフィーカラムから無担体Ga-68溶液を溶出することと、を含み、照射標的溶液が、固体標的アセンブリの照射標的部分の少なくとも一部を溶解させて形成された溶液を含み、照射標的溶液が、Zn-68、Ga-68、および固体標的アセンブリ金属を含み、固体標的アセンブリが、前面および後面を含む金属ディスク、ならびにディスクの上面上に配置された照射標的部分を含み、照射標的部分が、Zn-68およびGa-68の混合物を含み、第1のクロマトグラフィー樹脂が、ヒドロキサメートクロマトグラフィー樹脂を含み、第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、約4.5Mを超える濃度で存在する強酸を有し、第1のクロマトグラフィーカラム溶出液が、約3.5M未満の濃度で存在する強酸を有し、第2のクロマトグラフィー樹脂が、アルキルオルトリン酸クロマトグラフィー樹脂を含み、第3のクロマトグラフィー樹脂が、アルキルホスフィンオキシドクロマトグラフィー樹脂を含み、第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、任意選択で、約0.2M未満の濃度で存在する強酸を含む、プロセス。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体標的アセンブリから無担体Ga-68溶液を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
照射標的溶液を、第1のクロマトグラフィー樹脂を含む第1のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、
前記第1のクロマトグラフィーカラムを第1のクロマトグラフィー洗浄液で洗浄することと、
第1のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて前記第1のクロマトグラフィーカラムから第1の溶出液を溶出することと、
前記第1の溶出液を、第2のクロマトグラフィー樹脂を含む第2のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、
前記第2のクロマトグラフィーカラムから第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を収集することと、
前記第2のクロマトグラフィーカラムのフロースルー溶液を、第3のクロマトグラフィー樹脂を含む第3のクロマトグラフィーカラムに吸着させることと、
第3のクロマトグラフィーカラム溶出液を用いて前記第3のクロマトグラフィーカラムから前記無担体Ga-68溶液を溶出することと、を含み、
前記照射標的溶液が、固体標的アセンブリの照射標的部分の少なくとも一部を溶解させて形成された溶液を含み、
前記照射標的溶液が、Zn-68、Ga-68、および固体標的アセンブリ金属を含み、
前記固体標的アセンブリが、前面および後面を含む金属ディスク、ならびに前記ディスクの上面上に配置された前記照射標的部分を含み、
前記照射標的部分が、Zn-68およびGa-68の混合物を含み、
前記第1のクロマトグラフィー樹脂が、ヒドロキサメートクロマトグラフィー樹脂を含み、
前記第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、約4.5Mを超える濃度で存在する強酸を有し、
前記第1のクロマトグラフィーカラム溶出液が、約3.5M未満の濃度で存在する強酸を有し、
前記第2のクロマトグラフィー樹脂が、
アルキルオルトリン酸クロマトグラフィー樹脂を含み、
前記第3のクロマトグラフィー樹脂が、
アルキルホスフィンオキシドクロマトグラフィー樹脂を含み、
前記第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、
任意選択で、約0.2M未満の濃度で存在する強酸を含む、プロセス。
【請求項2】
前記照射標的溶液が、約0.7~約4のpHを有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記照射標的溶液が、強酸を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記強酸が、微量金属を実質的に含まない、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記強酸が、HCl、HNO
3、またはこれらの組み合わせである、請求項3に記載のプロセス。
【請求項6】
前記強酸が、HClであり、前記HClが、約4.5M~約12.2Mの濃度で存在する、請求項3に記載のプロセス。
【請求項7】
前記強酸が、HClであり、前記HClが、約8M~約12.2Mの濃度で存在する、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記強酸が、HClであり、前記HClが、約12M~約12.2Mの濃度で存在する、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記固体標的アセンブリ金属が、アルミニウム塩、鉄塩、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記第1のクロマトグラフィー樹脂が、2MのHClの存在下で吸着されたときに、第1のクロマトグラフィー樹脂1グラム当たり約10mgのZr~第1のクロマトグラフィー樹脂1グラム当たり約70mgのZrの容量を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、約0.7~約4.0のpHを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、微量金属を実質的に含まない、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記第1のクロマトグラフィーカラム洗浄液が、HClを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記HClが、約4.5M~約12.2Mの濃度で存在する、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記HClが、約8M~約12.2Mの濃度で存在する、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記HClが、約12M~約12.2Mの濃度で存在する、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記第1のクロマトグラフィーカラム溶出液が、HClを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記HClが、約0.2M~約3.5Mの濃度で存在する、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記HClが、約0.5M~約3Mの濃度で存在する、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記HClが、約1M~約2Mの濃度で存在する、請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
前記第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、強酸を含まない、請求項1~20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
前記第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、本質的に水からなる、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、微量金属を実質的に含まない、請求項21に記載のプロセス。
【請求項24】
前記第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、HClを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
前記第3のクロマトグラフィーカラム溶出液が、微量金属を実質的に含まない、請求項24に記載のプロセス。
【請求項26】
前記HClが、約0.01M~約0.2Mの濃度で存在する、請求項24に記載のプロセス。
【請求項27】
前記HClが、約0.01M~約0.1Mの濃度で存在する、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
前記HClが、約0.01M~約0.05Mの濃度で存在する、請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
前記無担体Ga-68溶液が、約98%を超える放射性核種純度を有し、前記放射性核種純度が、
66Gaおよび
67Gaおよび
68Gaの合計に対する
68Gaの比率として定義される、請求項1~28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項30】
前記無担体Ga-68溶液が、約99%超の放射性核種純度を有する、請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
前記無担体Ga-68溶液が、約99.5%超の放射性核種純度を有する、請求項29に記載のプロセス。
【請求項32】
前記無担体Ga-68溶液が、約99.7%超の放射性核種純度を有する、請求項29に記載のプロセス。
【請求項33】
前記無担体Ga-68溶液が、GBq Ga-68当たり約10μg未満の量で存在する鉄を有する、請求項1~32のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項34】
前記鉄が、GBq Ga-68当たり約5μg未満の量で存在する、請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
前記鉄が、GBq Ga-68当たり約1μg未満の量で存在する、請求項33に記載のプロセス。
【請求項36】
前記鉄が、GBq Ga-68当たり約0.1μg未満の量で存在する、請求項33に記載のプロセス。
【請求項37】
前記無担体Ga-68溶液が、GBq Ga-68当たり約10μg未満の量で存在するZnを有する、請求項1~36のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項38】
前記亜鉛が、GBq Ga-68当たり約5μg未満の量で存在する、請求項37に記載のプロセス。
【請求項39】
前記亜鉛が、GBq Ga-68当たり約1μg未満の量で存在する、請求項37に記載のプロセス。
【請求項40】
前記亜鉛が、GBq Ga-68当たり約0.5μg未満の量で存在する、請求項37に記載のプロセス。
【請求項41】
前記無担体Ga-68溶液が、他の放射性核種を実質的に含まない、請求項1~36のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項42】
請求項1~41のいずれか一項に記載のプロセスによって調製された前記無担体Ga-68溶液から得られたGa-68を含む、Ga-68組成物。
【請求項43】
請求項42に記載のGa-68組成物を含む、撮像試薬。
【請求項44】
前記撮像試薬
68Ga-PSMA-617、
68Ga-PSMA-11、
68Ga-DOTATATE、
68Ga-DOTATOC、
68Ga-DOTANOC、またはこれらの組み合わせ、請求項43に記載の撮像試薬。
【国際調査報告】