(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-13
(54)【発明の名称】トラック車両用環状支持構造
(51)【国際特許分類】
B62D 55/14 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
B62D55/14 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522338
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 US2020051194
(87)【国際公開番号】W WO2021080713
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スアンノ、ジェンナーロ
(57)【要約】
トラック車両(10)用の環状支持構造(100、200)が本明細書に開示される。環状支持構造(100、200)は、第一の部品(110、210)および第二の部品(160、260)を含む。第一の部品(110、210)は、第一のハブ部分(120、220)、第一のハブ部分(120、220)から半径方向外側に延在する第一のウェブ(130、230)、および第一のウェブ(130、230)から半径方向外側に延在する第一の外側本体部分(140、240)を含む。第二の部品(160、260)は、第二のハブ部分(170、270)、第二のハブ部分(170、270)から半径方向外側に延在する第二のウェブ(180、280)、および第二のウェブ(180、280)から半径方向外側に延在する第二の外側本体部分(190、290)を含む。第一の部品(110、210)および第二の部品(160、260)は、第一のハブ部分(120、220)および第二のハブ部分(170、270)に近接して位置する内側接合部(150、250)で接合され、第一の部品(110、210)および第二の部品(160、260)は、第一の外側本体部分(140、240)および第二の外側本体(190、290)に近接して位置する外側接合部(155、255)で互いに隣接する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラック車両(10)用の環状支持構造(100、200)であって、前記環状支持構造(100、200)が、
横方向軸(101)の周りに円周方向に延在する第一のハブ部分(120、220)と、
前記第一のハブ部分(120、220)から半径方向外側に延在する第一のウェブ(130、230)と、
前記第一のウェブ(130、230)から半径方向外側に位置する第一の外側本体部分(140、240)と、
前記横方向軸(101)の周りに円周方向に延在する第二のハブ部分(170、270)であって、内側接合部(150、250)で前記第一のハブ部分(120、220)に隣接する、第二のハブ部分(170、270)と、
前記第一のウェブ(130、230)から間隔を置いた第二のウェブ(180、280)であって、前記第二のハブ部分(170、270)から半径方向外側に延在する、第二のウェブ(180、280)と、
前記第二のウェブ(180、280)から半径方向外側に位置する第二の外側本体部分(190、290)であって、外側接合部(155、255)で前記第一の外側本体部分(140、240)に隣接する、第二の外側本体部分(190、290)と、を備える、環状支持構造。
【請求項2】
前記外側接合部(155)が、前記第一のハブ部分(120)と前記第二のハブ部分(170)との間に溶接を形成する、請求項1に記載の環状支持構造(100)。
【請求項3】
前記外側接合部(255)が、前記第一の外側本体部分(240)と前記第二の外側本体部分(290)との間にラップジョイントを形成する、請求項1に記載の環状支持構造(200)。
【請求項4】
前記第一のウェブ(230)が、前記第二のウェブ(280)に中間接合部(253)で隣接する、請求項1に記載の環状支持構造(200)。
【請求項5】
前記中間接合部(253)および前記内側接合部(250)が摩擦溶接である、請求項4に記載の環状支持構造(200)。
【請求項6】
前記外側接合部(155、255)および前記内側接合部(150、250)が、前記環状支持構造(100、200)の横方向中心の周りに円周方向に延在する、請求項1に記載の環状支持構造(100、200)。
【請求項7】
前記第一の外側本体部分(240)、前記第一のウェブ(230)、および第一のハブ部分(220)が、単一の単片の母材から形成される、請求項5に記載の環状支持構造(200)。
【請求項8】
前記第一のハブ部分(120、220)、前記第一のウェブ(130、230)、および前記第一の外側本体部分(140、240)が鍛造される、請求項1に記載の環状支持構造(100、200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してトラック車両に関する。より詳細には、本開示は、トラック車両用の環状支持構造を対象とする。
【背景技術】
【0002】
一部の移動式機械は、移動するときに地面に沿って動くトラックアセンブリを備えた足回りを持っている。例えば、トラクタおよびショベルのような多くの土木機械は、こうしたトラックアセンブリを有してもよい。これらのトラックアセンブリは、典型的には、無限軌道を案内する様々な構成要素の周りに延在する無限軌道を含む。多くのトラックアセンブリでは、無限軌道を案内する構成要素は、無限軌道の一端を案内するトラックアイドラを含む。
【0003】
Hakesの米国特許公開第2014/0001825号は、第一の部分および第二の部分を有するハブを含むトラックアイドラを記述する。トラックアイドラはまた、ハブの第一の部分から半径方向外側に延在する第一のウェブを含む。第一のウェブおよびハブの第一の部分は、単一の単片の母材から形成される。追加で、トラックアイドラは、第一のウェブから横方向に間隔を置いた第二のウェブを含み得る。第二のウェブは、ハブの第二の部分から半径方向外側に延在する。第二のウェブおよびハブの第二の部分は、単一の単片の母材から形成される。
【0004】
本開示は、当技術分野での改善を対象とする。
【発明の概要】
【0005】
トラック車両用の環状支持構造が本明細書に開示される。環状支持構造は、第一のハブ部分、第一のウェブ、および第一の外側本体部分を含む。第一のハブ部分は、横方向軸の周りに円周方向に延在する。第一のウェブは、第一のハブ部分から半径方向外側に延在する。第一の外側本体部分は、第一のウェブから半径方向外側に位置する。環状支持構造は、第二のハブ部分、第二のウェブ、および第二の外側本体部分をさらに含む。第二のハブ部分は、横方向軸の周りに円周方向に延在する。第二のハブ部分は、内側接合部で第一のハブ部分に隣接される。第二のウェブは、第一のウェブから間隔を置いている。第二のウェブは、第二のハブ部分から半径方向外側に延在する。第二の外側本体部分は、第二のウェブから半径方向外側に位置する。第二の外側本体部分は、外側接合部で第一の外側本体部分に隣接される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の実施形態の詳細は、それらの構造および動作の両方に関して、添付の図面の検討によって部分的に収集することができ、同様の参照番号は同様の部品を指す。
【0007】
【
図1】
図1は、環状支持構造を有する例示的なトラック車両の図である。
【
図2】
図2は、
図1からの環状支持構造の実施形態の斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2からの平面III~IIIに沿う環状支持構造の断面図である。
【
図4】
図4は、
図3と同様の別の環状支持構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
添付図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、さまざまな実施形態の説明として意図されており、本開示が実施され得る唯一の実施形態を表すことを意図していない。詳細な説明は、実施形態の完全な理解を提供する目的での具体的な詳細を含む。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細なしに本開示を理解することができるであろうことは明らかであろう。一部の実例では、周知の構造および構成要素は、説明の簡潔さのために簡略化された形態で示される。説明の明確さおよび容易さのため、特徴および表面の一部は省かれ、または誇張される。
【0009】
図1は、環状支持構造を有するトラック車両の図である。図面が、例えばローラ30などの同じ特徴の複数の例を含む場合、参照番号は、図面の明瞭性および可読性を改善するために、特徴の一つの例に関連してのみ示される。これは、同じ特徴の複数の例を含む他の図面でも当てはまる。
【0010】
図1は、本開示による環状支持構造100(環状支持構造とも呼ぶ)を使用し得る、トラックアセンブリ14を有する機械10(トラック車両とも呼ぶ)を示す。機械10は、
図1に示される、一対のアセンブリ14の一方のみを含み得る。機械10は、一つ以上のトラックアセンブリ14を有する足回りを含む任意のタイプの機械であってもよい。図示の実施形態では、機械10は、足回りから枢動可能に支持された上部構造16を有するショベルである。この実施形態では、機械10は、掘削のために取り付けられた掘削用バケット20を有し得る、器具18を含み得る。機械10は、代替的に、トラックタイプのトラクタを含むがこれに限定されない、別のタイプの機械であってもよい。例では、トラックは楕円形であってもよく、トラック当たり一つの環状支持構造を有するか、またはトラック当たり二つの環状支持構造を有する高駆動部を含み得る。
【0011】
各トラックアセンブリ14は、地面、道路、および/または他のタイプの地形から機械10を支持し、それらに沿って移動するように構成され得る。各トラックアセンブリ14は、トラックローラフレーム22、トラックローラフレーム22に係合された様々な案内構成要素、駆動スプロケット26、環状支持構造100、ローラ30、ならびに駆動スプロケット26、環状支持構造28、およびローラ30の周りに延在する無限軌道24を含み得る。
【0012】
図2は、
図1からの環状支持構造の一実施形態の斜視図である。環状支持構造100は、金属などの様々な材料から構成されてもよい。例えば、環状支持構造100は、鋼または鉄などの鉄金属から構成されてもよい。環状支持構造100は、環状支持構造リム、ローラ、またはその他の類似のリム構造であってもよい。
【0013】
環状支持構造100は、ハブ105および外側本体108を含みうる。環状支持構造100は、第一の部品(または側面)110および第一の部品110に横方向に隣接する第二の部品(または側面)160を含み得る。第一の部品110および第二の部品160はそれぞれ、ハブ105および外側本体108の実質的に半分を形成することができる。ハブ105は、環状支持構造100が横方向軸101の周りを回転し得るように、トラックローラフレーム22に接続するように構成され得る。ハブ105は、実質的に円筒形の形状を有する中央通路122を形成することができる。中央通路122の長手方向は、横方向軸101および横方向軸101に垂直な半径方向102を画定することができる。
【0014】
横方向軸101は、環状支持構造100の第一の部品110および第二の部品160に共通であるか、またはそれらと共有されてもよい。特に指定のない限り、半径方向、横方向、および周方向ならびに測定に対するすべての言及は、横方向軸101を指す。「内側」および「外側」などの用語は一般に、半径方向102が、横方向軸101に対して垂直で、横方向軸101から外向きに放射する任意の方向にあり得る、横方向軸101からの半径方向の距離が、より小さいか、またはより大きいことを示す。
【0015】
外側本体108は、ハブ105に同心であってもよい。外側本体108は、トラック24と係合するように構成され得る。
【0016】
第一の部品110は、第一のハブ部分120、第一のウェブ130、および第一の外側本体部分140を有し得る。第一のハブ部分120は、ハブ105の実質的に半分とすることができる。言い換えれば、ハブ105は第一のハブ部分120を含む。第一のハブ部分120は、横方向軸101の周りに円周方向に延在し得る。第一のハブ部分120は、横方向軸101を中心とする円錐台形状を形成することができる。一実施形態では、第一のハブ部分120の円錐台形状は、円筒形形状の空隙を含み、横方向軸101に沿って中央通路122の一部を形成する。第一のハブ部分120はまた、トラックローラフレーム22に接続された一つ以上の構成要素にハブ105を回転係合するためであり得る第一のくぼみ128を含んでもよい。第一のくぼみ128は、限定されるものではないが、ベアリング、車軸、および/またはスピンドルを含む構成要素と係合するように構成されてもよい。
【0017】
第一のウェブ130は、第一の外側本体部分140に延在する第一のハブ部分120から半径方向外側に、かつその周りを周方向に延在してもよい。第一のウェブ130は、図面に示すように、固体構造を有してもよく、または一つ以上の開口部を有してもよい。
【0018】
第一の外側本体部分140は、第一のウェブ130から半径方向外側に、かつその周りを周方向に位置してもよい。言い換えれば、第一の外側本体部分140は、第一のウェブ130を囲む。第一の外側本体部分140は、第一のウェブ130から外側に延在し得る。第一の外側本体部分140は、第一の環状トレッド面142を有し得る。第一の環状トレッド面142は、第一の外側本体部分140の外向きの表面とすることができる。第一の環状トレッド面142はまた、横方向軸101と実質的に同心に延在してもよい。いくつかの実施形態では、第一の環状トレッド面142はまた、横方向軸101にほぼ平行に延在してもよい。
【0019】
第一の部品110は、第一の外側本体部分140から半径方向外側にかつその周りを円周方向に延在する第一のガイドフランジ144を含み得る。第一のガイドフランジ144は、第一の環状トレッド面142の半径方向外側に延在してもよい。一実施形態では、第一のガイドフランジ144の基部は、第一の環状トレッド面142に隣接して配置されてもよい。第一のガイドフランジ144は、第一の外側突出部145から半径方向外側にそれに近接して延在し得る。他の例では、第一のガイドフランジ144は、第一の部品110の外面上の様々な他の場所にその基部を有してもよい。
【0020】
第二の部品160は、第一の部品110と類似または同一の特徴を有する。一実施形態では、それらは互いのミラー画像である。例えば、第二の部品160は、第一の外側本体部分140、第一の環状トレッド面142、および第一の部品の第一のガイドフランジ144と類似または同一である第二の外側本体部分180、第二の環状トレッド面182、および第二のガイドフランジ184を含む。したがって、第一の部品110の類似のまたは同一の特徴の説明は、第二の部品160の類似のまたは同一の参照された特徴に、ここおよび他の図で再び適用され得る。
【0021】
図3は、
図2からの平面III-IIIに沿った環状支持構造100の断面図である。第一の部品110および第二の部品160は、内側接合部150および外側接合部155で互いに固定され得る。内側接合部150は、環状支持構造100の横方向中心を通って横方向軸101に垂直に延在する中心面103に沿ってなど、環状支持構造100の中間部分に位置し得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、各部品110、160は、単一の単片の母材から構築されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、各部品110、160は、鍛造品、鋳造品、またはビレットまたは他の金属素材片の機械加工から形成される部品であってもよい。単一の単片の母材から形成される構造は、構造の異なる部分を一緒に保持するために、溶接接合部、接着接合部、固定接合部、圧入接合部、または類似のものなしで形成される構造を含み得る。
【0023】
第一の部品110は、第一のハブ部分120、第一のウェブ130、第一の外側本体部分140、および第一のガイドフランジ144を含み得る。したがって、これらの構造の全ては、単一の単片の母材から形成されてもよい。
【0024】
内側接合部150では、第一のハブ部分120は、第二の内側突出部175に隣接した第一の内側突出部125を有してもよい。第一の内側突出部125は、内側接合部150から第一のウェブ130に向かって概して横方向に延在し得る。
【0025】
ハブ105は、第一のハブ内壁121および第二のハブ内壁171を含み得る。第一のハブ内壁121および第二のハブ内壁171は、環状支持構造100の最も内側の表面とすることができる。第一のハブ内壁121および第二のハブ内壁171は、中央通路122を形成し得る。
【0026】
ハブ105は、重量を低減し、使用時に経験する荷重に耐えるのに役立つ他の特徴を有してもよい。例えば、ハブは、第一の内側突出部125からおよび横方向軸101に向かって延在する第一の内側凹面126を有してもよい。一実施形態では、第一の内側凹面126は、一定の半径を有する。第一の内側凹面126は、半径方向内側領域での応力集中を抑制するのに役立ち得る。
【0027】
ハブ105は、第一の内側凹面126から第一のハブ内壁121に延在する第一の内側凸面127を有してもよい。一実施形態では、第一の内側凸面127は、一定の半径を有する。
【0028】
ハブは、第二の内側突出部175からおよび横方向軸101に向かって延在する第二の内側凹面176を有してもよい。一実施形態では、第二の内側凹面176は、一定の半径を有する。第二の内側凹面176は、半径方向内側領域での応力集中を抑制するのに役立ち得る。
【0029】
ハブ105は、第二の内側凹面176から第二のハブ内壁171に延在する第二の内側凸面177を有してもよい。一実施形態では、第二の内側凸面177は、一定の半径を有する。
【0030】
環状支持構造100は、第一の内側凸面127、第一の内側凹面126、第一の内側突出部125、第二の内側突出部175、第二の内側凹面176、および第二の内側凸面177によって形成される内側ギャップ156を有してもよい。一実施形態では、内側ギャップ156は、第一のハブ内壁121および第二のハブ内壁171から、第一の内側突出部125および第二の内側突出部175に隣接して延在する。内側ギャップ156は、第一のハブ部分120と第二のハブ部分170との間に位置付けられてもよい。
【0031】
第一の内側突出部125は、第一のウェブ130の近位から、より狭い内側接合部150の隣接まで先細りしてもよい。他の例では、第一の内側突出部125は、テーパなしで真っ直ぐであってもよい。
【0032】
第一のウェブ130は、第一のウェブ130の中間部分と比較して、第一のハブ部分120に隣接してより幅が広くなるように成形されてもよい。第一のウェブ130は、第一のウェブ130の中間部分と比較して、第一の外側本体部分140に隣接してより幅が広くなるように成形されてもよい。第一のウェブ130は、第一のハブ部分120から第一の外側本体部分140まで延在する弓状断面を有し得る。一実施形態では、第一のウェブ130は、中心面103に最も近く位置付けられた凹面を有し、凹面とは反対に位置付けられた凸面を有する。第一のウェブ130は、第一の内側突出部125から横方向に、したがって、環状支持構造100の中心面103から間隔を置いてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、第一のウェブ130の厚さは、半径方向外側に延在すると、変化しうる。例えば、第一のウェブ130の厚さは、第一のハブ部分120から中間部分へ半径方向外側に延在するにつれて減少し、第一のウェブ130が中間部分から第一の外側本体部分140へ延在するにつれて厚さが増大し得る。これは、より大きな強度を使用してより大きな曲げモーメントに耐えることができる半径方向内側および外側の領域において、より多くの材料をウェブに配置するため、効率的な材料使用方法を提供し得る。
【0034】
第一のウェブ130は、使用時に経験する負荷に耐えるのに役立つ他の特徴を有してもよい。例えば、第一のウェブ130は、その半径方向内側および外側の領域に隣接した両面に凹面半径表面を有してもよい。これらの凹面半径表面は、半径方向内側および外側の領域での応力集中を抑制するのに役立ち得る。
【0035】
第一の外側本体部分140は、横方向軸101と実質的に同心に延在し得る。第一の外側本体部分140は、横方向軸101の周りを中心とする環状部として成形することができる。外側接合部155では、第一の外側本体部分140は、第二の外側突出部195に隣接した第一の外側突出部145を有してもよい。一実施形態では、第一の外側本体部分140は、第一の外側突出部145を含む。第一の外側突出部145は、第一の内側突出部125に同心であってもよい。第一の外側突出部145は、第一の内側突出部125から間隔を置き、その外側に位置付けられてもよい。第一の外側突出部145は、概して、外側接合部155から第一のウェブ130に向かって横方向に延在し得る。
【0036】
外側本体108は、使用時に経験する荷重に耐えるのに役立つ他の特徴を有してもよい。例えば、外側本体108は、第一のガイドフランジ144に近接した第一の外側凹面146を有してもよい。一実施形態では、第一の外側凹面146は、第一のガイドフランジ144から外側接合部155に延在する。第一の外側凹面146は、応力集中を抑制するのに役立ち得る。
【0037】
外側本体108は、第二のガイドフランジ194に近接した第二の外側凹面196を有してもよい。一実施形態では、第二の外側凹面196は、第二のガイドフランジ194から外側接合部155まで延在する。
【0038】
第一の外側突出部145は、第一のガイドフランジ144の近位から、より狭い外側接合部155の隣接まで先細りしてもよい。
【0039】
一実施形態では、第一の内側突出部125、第二の内側突出部175、第一の外側突出部145、および第二の外側突出部195は、環状支持構造100の横方向中心に近づくにつれてより狭く先細りする。
【0040】
第一のガイドフランジ144は、第一の外側本体部分140に直接的または間接的に接続されてもよい。第一のガイドフランジ144は、その基部を様々な他の場所に有してもよい。
【0041】
環状支持構造100の第一の部品110と同様に、第二の部品160は、第二のハブ部分170、第二のウェブ180、第二の外側本体190、第二の環状トレッド面192、第二のガイドフランジ194、第二の内側突出部175、および第二の外側突出部195を含み得る。いくつかの実施形態では、第二の部品160およびその第二のハブ部分170、第二のウェブ180、第二の外側本体190、第二の環状トレッド面192、第二のガイドフランジ194、第二の内側突出部175、および第二の外側突出部195は、第二の部品160が中心平103に対してミラー化されうることを除いて、第一の部品110およびその構造と実質的に同一の構造を有してもよい。
【0042】
第二のガイドフランジ194は、第一のガイドフランジ144から横方向に間隔を置いてもよい。第二のガイドフランジ194は、第二の外側突出部195の近位から半径方向外側に延在し得る。
【0043】
一実施形態では、第二の部品160は、第一の部品110の第一のくぼみと類似する第二のくぼみ178を含む。
【0044】
第一のハブ部分120および第二のハブ部分170は、ハブ105を形成することができる。第一のハブ部分120および第二のハブ部分170は、中央通路122を形成することができる。
【0045】
内側接合部150では、第一のハブ部分120および第二のハブ部分170の内側突出部125、175は、部品110、160を互いに固定するために互いに固定され得る。様々な手段を使用して、内側突出部125、175を内側接合部150に固定してもよい。いくつかの実施形態では、内側突出部125、175は、互いに溶接されてもよい。一例では、相互の突出部125、175は、互いに当接し、摩擦溶接されて内側接合部150を形成することができる。
【0046】
内側接合部150と同様に、外側接合部155で、第一の外側本体部分140および第二の外側本体部分190の外側突出部145、195は、部品110、160を互いに固定するために互いに固定されてもよい。様々な手段を使用して、外側突出部145、195を外側接合部155に固定してもよい。いくつかの実施形態では、外側突出部145、195は、互いに溶接されてもよい。一例では、外側突出部145、195は、互いに隣接してもよく、互いに当接してもよい。一例では、外側突出部145、195は、摩擦溶接されて外側接合部155を形成することができる。
【0047】
一実施形態では、第二の外側突出部195は、第一の外側突出部145と接合して、内側接合部150に同心の外側接合部155を形成する。外側接合部155および内側接合部150は、環状支持構造100の横方向中心の周りを円周方向に延在し得る。
【0048】
環状支持構造100は、空洞157を有し得る。空洞157は、ハブ105、第一のウェブ130、外側本体108、および第二のウェブ180によって形成され得る。
【0049】
環状外側ギャップ158は、環状支持構造100の半径方向最外部から、第一の部品110および第二の部品160の第一の外側突出部145と第二の外側突出部195との隣接まで延在し得る。外側ギャップ158は、第一のガイドフランジ144、第一の外側凹面146、第二の外側凹面196、および第二のガイドフランジ194によって形成され得る。外側ギャップ158は、第一のガイドフランジ144を第二のガイドフランジ194から分離し得る。いくつかの例では、環状支持構造100は、第一のガイドフランジ144から第二のガイドフランジ194へ、環状支持構造100半径方向最外部で延在する構造を有し得る。
【0050】
図4は、
図3と同様の別の環状支持構造の断面図である。環状支持構造200は、
図3の環状支持構造100と同様であってよい。
図4の環状支持構造200の実施形態は、
図3の環状支持構造100およびその構造と実質的に類似した構造を有してもよい。
図3における前述の実施形態に関連して以前に説明した構造および特徴は、適切な場合、
図4に示す実施形態に前述の説明が適用されるという理解で、ここでは繰り返さない場合がある。さらに、以下の説明の強調は、以前に導入された特徴または要素の変形形態に関するものである。
【0051】
環状支持構造200は、第一の部品210および第二の部品260を含み得る。第一の部品210および第二の部品260は、内側接合部250および中間接合部253で互いに固定され得る。環状支持構造200は、ハブ205、第一のウェブ230、第二のウェブ280、および外側本体208を含み得る。第一の部品210および第二の部品260はそれぞれ、ハブ205および外側本体208の実質的に半分を形成することができる。
【0052】
ハブ205は、環状支持構造200が横方向軸201の周りを回転し得るように、トラックローラフレーム22に接続するように構成され得る。ハブ205は、実質的に円筒形の形状を有する中央通路222を形成することができる。中央通路222の長手方向は、横方向軸201および横方向軸201に垂直な半径方向202を画定することができる。
【0053】
横方向軸201は、環状支持構造200の第一の部品210および第二の部品160に共通であるか、または共有されてもよい。別段の指定がない限り、半径方向、横方向、および周方向ならびに測定に対するすべての言及は、横方向軸201を指す。「内側」および「外側」などの用語は一般に、半径方向202が、横方向軸201に対して垂直で、横方向軸201から外向きに放射する任意の方向にあり得る、横方向軸201からの半径方向の距離が、より小さい、またはより大きいことを示す。
【0054】
第一の部品210は、第一のハブ部分220、第一のウェブ230、および第一の外側本体部分240を含み得る。一例では、これらの構造のすべては、単一の単片の母材から形成されてもよい。第二の部品260は、第二のハブ部分270、第二のウェブ230、および第二の外側本体部分290を含みうる。したがって、これらの構造の全ては、単一の単片の母材から形成されてもよい。
【0055】
内側接合部250では、第一のハブ部分220は、内側接合部250で第二の内側突出部275に隣接した第一の内側突出部225を有してもよい。内側接合部250は、環状支持構造200の横方向中心を通って横方向軸201に垂直に延在する中心面203に沿って位置することができる。
【0056】
ハブ205は、第一のハブ内壁221および第二のハブ内壁271を含み得る。第一のハブ内壁221および第二のハブ内壁271は、中央通路222を形成し得る。
【0057】
環状支持構造200は、第一の内側突出部125および第二の内側突出部175によって形成される内側ギャップ256を有してもよい。一実施形態では、内側ギャップ256は、第一のハブ内壁221および第二のハブ内壁271から、第一の内側突出部225および第二の内側突出部275に隣接して延在する。
【0058】
第一のウェブ230は、第一のハブ部分220から第一の外側本体部分240に直線的に外側に延在し得る。
【0059】
第一のウェブ230は、第一のウェブ外面231と、第一のウェブ外面231とは反対の第一のウェブ内面232とを含み得る。第一のウェブ内面232は、概して中心面203に向かって面してもよく、第一のウェブ外面232は、概して中心面203とは反対に面してもよい。
【0060】
第二のウェブ280は、第二のハブ部分270から第二の外側本体部分290に直線的に外向きに延在し得る。第二のウェブ230は、第二のウェブ外面281と、第二のウェブ外面281とは反対の第二のウェブ内面282とを含み得る。第二のウェブ内面282は、中心面203に向かって概して面してもよく、第二のウェブ外表面282は、概して、中心計画203とは反対に面してもよい。
【0061】
一実施形態では、第一の中間突出部230は、第一のウェブ内面232の近位から、第二のウェブ280に向かって延在する。第二のウェブ280は、第二の中間突出部285を含み得る。第二の中間突出部285は、第二のウェブ230から第一のウェブ230に向かって延在し得る。一実施形態では、第一の中間突出部235および第二の中間突出部285は、接続し、中間接合部253を形成する。中間接合部253は、摩擦溶接などの溶接であってもよい。中間接合部253は、環状支持構造200の横方向中心を通って横方向軸201に垂直に延在する中心面203に沿って位置することができる。第一の中間突出部235は、第一のウェブ内面232の近位から、より狭い中間接合部253の隣接まで先細りしてもよい。第二の中間突出部285は、第二のウェブ内面282の近位から、より狭い中間接合部253の隣接まで先細りしてもよい。
【0062】
第一の外側本体部分240は、横方向軸201と実質的に同心に延在し得る。外側接合部255では、第一の外側本体部分240は、第二の外側突出部295に隣接する第一の外側突出部245を有してもよい。第一の外側突出部245は、第一の内側突出部225に同心であってもよい。一実施形態では、第一の外側突出部245は、第一のガイドフランジとすることができ、第二の外側突出部295は、第二のガイドフランジとすることができる。第一の外側突出部245は、第二の外側突出部295に隣接してもよく、かつそれに当接して外側接合部255を形成することができる。一実施形態では、外側接合部255は、ラビリンスとも呼ばれ、第一の外側突出部245および第二の外側突出部295の幾何学的形状によって形成され、共に溶接されない、ラップジョイントを含み得る。他の実施例では、外側接合部255は、摩擦溶接などの溶接であってもよい。第一の外側突出部245および第二の外側突出部295は、接合して外側接合部225を形成することができる。言い換えれば、第一の外側突出部245は、ラビリンスを形成する第二の外側突出部295に当接し、重なり、かつ嵌合することができる。他の例では、中間接合部253および内側接合部250は、ラップジョイントであってもよい。外側接合部255は、環状支持構造200の横方向中心を通って横方向軸201に垂直に延在する中心面203に沿って位置することができる。
【0063】
第一のハブ部分220および第二のハブ部分270は、ハブ205を形成することができる。
【0064】
環状支持構造200は、第一の空洞257を有し得る。第一の空洞257は、ハブ205、第一のウェブ230、および第二のウェブ280によって形成され得る。一実施形態では、第一の空洞257は、第一の内側突出部225、第一のウェブ内面232、第一の中間突出部235、第二の中間突出部285、第二のウェブ内面282、および第二の内側突出部275によって形成される。
【0065】
環状支持構造200は、第二の空洞259を有し得る。第二の空洞259は、外側本体208、第一のウェブ230、および第二のウェブ280によって形成され得る。一実施形態では、第二の空洞259は、第一の外側突出部245、第一のウェブ内面232、第一の中間突出部235、第二の中間突出部285、第二のウェブ内面282、および第二の外側突出部295によって形成される。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本開示は、一般に、トラック車両10用の環状支持構造100、200に適用される。環状支持構造100、200は、当技術分野で既知の任意の静止機械または移動機械と使用され得ることが理解される。こうした機械は、建設、農業、鉱業、発電、および/または他の類似の用途に使用され得る。したがって、こうした機械は、例えば、ショベル、トラックタイプのトラクタ、ホイールローダ、オンロード車両、オフロード車両、発電機セット、モーターグレーダ、またはその他の類似の機械を含み得る。
【0067】
環状支持構造100、200の開示された構成は、いくつかの利点を提供し得る。例えば、開示された構成は、費用効果の高い、耐久性のある環状支持構造100、200を提供し得る。開示された構成は、限定された数の製造ステップで環状支持構造100、200を組み立てることを可能にし得る。製造業者は、二つの部品110、160、210、260を作り、それらを接合し、必要な仕上げ作業を実施するだけである。
【0068】
各部品110、160、210、260は、鍛造、鋳造、またはビレットからの機械加工などのプロセスを使用して、単一の単片の母材から構築され得る。各部品110、160、210、260の幾何学的形状のため、部品110、160、210、260は、型締めまたは成形の問題に関連する複雑さなしに、容易に鍛造または鋳造され得る。
【0069】
部品110、160、210、260が形成されると、それらが一緒になって互いに固定され得る。例えば、部品110、160、210、260は、内側接合部150、250、中間接合部253、および外側接合部155で一緒に溶接されてもよい。任意のタイプの溶接プロセスを使用して、内側接合部150、250、中間接合部253、および外側接合部155で部品110、160、210、260を互いに固定することができる。例えば、摩擦溶接は、前記第一の内側突出部125、225を第二の内側突出部175、275に、第一の中間突出部235を前記第二の中間突出部285に、および第一の外側突出部145を、第二の外側突出部195に当接することによって、および部品110、160、210、260間の相対回転を生成して、突出125、225、145、、235、285、175、275、195での摩擦を通して十分な熱を生成し、部品110、160、210、260の溶融温度に到達して、摩擦溶接を作成することによって使用され得る。別の例では、摩擦溶接は、それらが互いに接触している間に、互いに対して、突出部125、225、145、245、235、285、175、275、195、295を振動させて、摩擦溶接のための熱を生成することによって実施することができる。
【0070】
摩擦溶接を通して、第一の中間突出部235および第二の中間突出部285などの構成要素は、中間接合部253へのアクセスが内側接合部250および外側接合部255によって遮断される場合があっても、中間接合部253で共に接合され得る。他の例では、一つ以上の接合部が、内側接合部150、250と外側接合部155、255との間に半径方向に存在し得る。
【0071】
外側接合部155、255は、第一のウェブ130、230と第二のウェブ180、280との間に過剰なデブリが集まるのを防ぐことができる。一実施形態では、ラビリンスは、外側接合部255によって形成され、第一のウェブ130、230と第二のウェブ280、280の間に埃およびデブリの進入を防止するように成形される。例えば、外側接合部155、255を有しないと、デブリは内側接合部150、250に隣接して集まり得る可能性がある。さらに、外側接合部155、255を有する環状支持構造100、200は、外側接合部155、255を有しない環状支持構造と比較して、追加の構造支持を提供することができる。
【0072】
開示された構成はまた、かなりの強度および耐久性を有する環状支持構造100、200を提供し得る特定の特徴を含む。例えば、第一のハブ部分120、220、第一のウェブ130、230、第一の外側本体部分140、240、および第一のガイドフランジ144を、単一の単片の母材から構築することは、これらの構造の間の接合部で望ましい強度を提供し得る。追加で、これらの構成要素を単一の単片の母材から構築することにより、これらの構成要素間の接合部で半径などの応力緩和特徴を提供することを容易にし得る。類似の利点は、第二の部品160、260に適用される。
【0073】
一部の特徴は、一緒に固定される別個の部品であってもよい。例えば、第一のハブ部分120、220、第一のウェブ130、230、および外側本体部分140、240は、摩擦溶接によって一緒に溶接される別個の部品であってもよい。
【0074】
本発明はその詳細な実施形態に関して示され、説明されてきたが、当業者であれば、その形態および詳細のさまざまな変更が、特許請求された開示の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解するであろう。従って、前述の詳細な説明は、単に本質的に例示的なものであり、本開示または本開示の用途および使用を制限することを意図していない。具体的には、説明した実施形態は、特定のタイプの機械10と併用して使用することに限定されない。例えば、説明した実施形態は、鉱業、建設、農業、および発電用途、またはその任意の変形に使用される機械に適用され得る。さらに、前項に提示されたいずれの理論にも拘束される意図はない。また、当然のことながら、図は、示される参照される項目をより良く図示するための誇張された寸法およびグラフィック表現を含んでもよく、明示的にそのように記載されない限り、制限を考慮されない。
【0075】
上述の利益および利点は、一実施形態に関連してもよく、またはいくつかの実施形態に関連し得ることが理解されよう。実施形態は、記載される利益および利点のいずれかまたは全てを有するものに限定されるものではない。
【国際調査報告】