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特表2022-551774画素回路及びその駆動方法、アレイ基板及び表示装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】画素回路及びその駆動方法、アレイ基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/32 20160101AFI20221207BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20221207BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20221207BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20221207BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20221207BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20221207BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09G3/20 641K
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/02
G09G3/20 624B
G09G3/3233
G09G3/20 642J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020572858
(86)(22)【出願日】2019-08-14
(85)【翻訳文提出日】2020-12-25
(86)【国際出願番号】 CN2019100628
(87)【国際公開番号】W WO2021026827
(87)【国際公開日】2021-02-18
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ツァン
(72)【発明者】
【氏名】ユェ,ハン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ツァン
(72)【発明者】
【氏名】シュェン,ミンファ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ミン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC02
3K107CC31
3K107DD39
3K107EE03
3K107EE04
3K107HH04
3K107HH05
5C080AA06
5C080AA07
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD01
5C080EE29
5C080FF11
5C080HH09
5C080HH13
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ05
5C080KK02
5C080KK07
5C080KK08
5C080KK23
5C080KK42
5C380AA01
5C380AA03
5C380AB06
5C380AB11
5C380AB12
5C380AB22
5C380AB24
5C380AB34
5C380AB36
5C380AC07
5C380AC08
5C380AC11
5C380AC12
5C380BA39
5C380BB01
5C380BB21
5C380CA04
5C380CA12
5C380CA39
5C380CB16
5C380CB17
5C380CC06
5C380CC26
5C380CC33
5C380CC37
5C380CC41
5C380CC62
5C380CC63
5C380CC64
5C380CD012
5C380CD028
5C380CD029
5C380CD039
5C380CF41
5C380DA16
(57)【要約】
画素回路及びその駆動方法、アレイ基板及び表示装置を提供する。当該画素回路が、第1の調節回路と第2の調節回路とを含む。第1の調節回路は、発光素子の発光を駆動する駆動電流の大きさを制御するように第1のデータ信号及び発光制御信号を受信するように構成され、第2の調節回路は、駆動電流の発光素子に付加される時間を制御するように第2のデータ信号及び時間制御信号を受信するように構成され、該時間制御信号が発光制御信号が駆動電流の発生を許容する期間内で変化している。当該画素回路は、駆動電流の発光素子に印加される時間を制御することができるため、発光素子が高電流密度で動作するのを確保する前提で、発光素子の発光時間を制御することによって、発光素子が様々なグレースケール表示を実現可能になる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の調節回路と第2の調節回路とを含む画素回路であって、
前記第1の調節回路は、発光素子の発光を駆動する駆動電流の大きさを制御するように、第1のデータ信号及び発光制御信号を受信するように構成され、
前記第2の調節回路は、前記発光素子に前記駆動電流が印加される時間を制御するように、第2のデータ信号及び時間制御信号を受信するように構成され、
前記時間制御信号は、前記発光制御信号が前記駆動電流の発生を許容する期間内に変化している
画素回路。
【請求項2】
前記第2の調節回路が、第1の制御回路と第2の制御回路とを含み、
前記第1の制御回路が、第1の制御端と、第1の端と、第2の端とを含み、
前記第2の制御回路は、前記駆動電流が前記第1の制御回路の第1の端と第2の端に流れる時間を制御するように、前記第2のデータ信号及び前記時間制御信号を用いて、前記第1の制御回路の第1の制御端のレベルを制御するように構成される、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項3】
前記第1の制御回路が、制御トランジスタを含み、
前記制御トランジスタのゲートが、前記第1の制御回路の第1の制御端として前記第2の制御回路に電気的に接続され、
前記制御トランジスタの第1の極が、前記第1の制御回路の第1の端として、前記制御トランジスタの第2の極が、前記第1の制御回路の第2の端とする、
請求項2に記載の画素回路。
【請求項4】
前記第2の制御回路が、第2の書込み回路と電圧調節回路とを含み、
前記第2の書込み回路が、第2の走査信号に応答して前記第2のデータ信号を第1のノードに書き込むように構成され、
前記電圧調節回路が、書き込まれた第2のデータ信号を記憶し、且つ前記時間制御信号に応答して前記第1のノードのレベルを調節するように構成される、
請求項2又は3に記載の画素回路。
【請求項5】
前記第2の制御回路が、第3の書込み回路をさらに含み、
前記第3の書込み回路が、第3の走査信号に応答して第3のデータ信号を前記時間制御信号として前記電圧調節回路に書き込むように構成される、
請求項4に記載の画素回路。
【請求項6】
前記第2の書込み回路が、第2の書込みトランジスタを含み、
前記電圧調節回路が、電圧調節トランジスタと第2の蓄積容量とを含み、
前記第2の書込みトランジスタのゲートが、前記第2の走査信号を受信するように第2の走査信号端に接続され、
前記第2の書込みトランジスタの第1の極が、前記第2のデータ信号を受信するように第2のデータ信号端に接続され、
前記第2の書込みトランジスタの第2の極が、前記第1のノードに接続され、
前記電圧調節トランジスタのゲートが、前記時間制御信号を受信するように時間制御信号端に接続され、
前記電圧調節トランジスタの第1の極が、第1の電源電圧を受けるように第1の電源端に接続され、
前記電圧調節トランジスタの第2の極が、前記第1のノードに接続され、
前記第2の蓄積容量の第1の端が、前記第1のノードに接続され、
前記第2の蓄積容量の第2の端が、前記第1の電源端に接続される、
請求項5に記載の画素回路。
【請求項7】
前記電圧調節回路が、時間制御抵抗をさらに含み、
前記電圧調節トランジスタの第1の極が、前記時間制御抵抗を介して前記第1の電源端に接続される、
請求項6に記載の画素回路。
【請求項8】
前記第3の書込み回路が、第3の書込みトランジスタと第3の蓄積容量とを含み、
前記第3の書込みトランジスタのゲートが、前記第3の走査信号を受信するように第3の走査信号端に接続され、
前記第3の書込みトランジスタの第1の極が、前記第3のデータ信号を受信するように第3のデータ信号端に接続され、
前記第3の書込みトランジスタの第2の極が、前記電圧調節トランジスタのゲートに接続され、
前記第3の蓄積容量の第1の端が、前記電圧調節トランジスタのゲートに接続され、
前記第3の蓄積容量の第2の端が、前記電圧調節トランジスタの第1の極に接続される、
請求項6又は7に記載の画素回路。
【請求項9】
前記第1の制御回路の第1の制御端が、前記第1のノードに接続される、
請求項4~8のいずれか一項に記載の画素回路。
【請求項10】
前記第2の制御回路が、インバータ回路をさらに含み、
前記インバータ回路は、前記第1のノードに接続される入力端と、前記第1の制御回路の第1の制御端に接続される出力端とを含み、前記入力端が受信した入力信号に基づいて、前記入力信号と逆相の出力信号を生成し、前記出力信号を前記第1の制御回路の第1の制御端に出力するように構成される、
請求項4~8のいずれか一項に記載の画素回路。
【請求項11】
前記インバータ回路が、第1のトランジスタと第2のトランジスタとを含み、
前記第1のトランジスタのタイプと前記第2のトランジスタのタイプとが異なり、
前記第1のトランジスタのゲート及び前記第2のトランジスタのゲートが、前記第1のノードに接続され、
前記第1のトランジスタの第2の極及び前記第2のトランジスタの第2の極が、前記第1の制御回路の第1の制御端に接続され、
前記第1のトランジスタの第1の極が、第1の電圧を受けるように第1の電圧端に接続され、
前記第2のトランジスタの第1の極が、第2の電圧を受けるように第2の電圧端に接続され、
前記第1の電圧と前記第2の電圧とが異なる、
請求項10に記載の画素回路。
【請求項12】
前記第2の書込み回路及び前記第1の調節回路が、それぞれ同一のデータ信号端に接続され、
前記同一のデータ信号端は、異なる期間にそれぞれ前記第2の書込み回路及び前記第1の調節回路にそれぞれに対応するデータ信号を供給するように構成される、
請求項4~11のいずれか一項に記載の画素回路。
【請求項13】
前記第1の調節回路が、駆動回路と、第1の書込み回路と、補償回路と、発光制御回路と、を含み、
前記駆動回路は、第2の制御端と、第3の端と、第4の端と、を含み、前記駆動回路の第3の端と第4の端に流れる、前記発光素子の発光を駆動する駆動電流を制御するように構成され、
前記第1の書込み回路が、第1の走査信号に応答して第1のデータ信号を前記駆動回路の第2の制御端に書き込むように構成され、
前記補償回路が、書き込まれた前記第1のデータ信号を記憶し、前記第1の走査信号に応答して前記駆動回路を補償するように構成され、
前記発光制御回路が、前記発光制御信号に応答して第2の電源電圧を前記駆動回路の第3の端に印加するように構成される、
請求項2~12のいずれか一項に記載の画素回路。
【請求項14】
前記駆動回路が、駆動トランジスタを含み、
前記駆動トランジスタのゲートが、前記駆動回路の第2の制御端として第2のノードに接続され、
前記駆動トランジスタの第1の極が、前記駆動回路の第3の端として第3のノードに接続され、
前記駆動トランジスタの第2の極が、前記駆動回路の第4の端として第4のノードに接続される、
請求項13に記載の画素回路。
【請求項15】
前記第1の書込み回路が、第1の書込みトランジスタを含み、
前記第1の書込みトランジスタのゲートが、前記第1の走査信号を受信するように第1の走査信号端に接続され、
前記第1の書込みトランジスタの第1の極が、前記第1のデータ信号を受信するように第1のデータ信号端に接続され、
前記第1の書込みトランジスタの第2の極が、前記第3のノードに接続される、
請求項14に記載の画素回路。
【請求項16】
前記補償回路が、補償トランジスタと第1の蓄積容量とを含み、
前記補償トランジスタのゲートが、前記第1の走査信号を受信するように第1の走査信号端に接続され、
前記補償トランジスタの第1の極が、前記第4のノードに接続され、
前記補償トランジスタの第2の極が、前記第2のノードに接続され、
前記第1の蓄積容量の第1の端が、前記第2のノードに接続され、
前記第1の蓄積容量の第2の端が、第2の電源端に接続される、
請求項14又は15に記載の画素回路。
【請求項17】
前記発光制御回路が、発光制御トランジスタを含み、
前記発光制御トランジスタのゲートが、前記発光制御信号を受信するように発光制御信号端に接続され、
前記発光制御トランジスタの第1の極が、前記第2の電源電圧を受けるように第2の電源端に接続され、
前記発光制御トランジスタの第2の極が、前記第3のノードに接続される、
請求項14~16のいずれか一項に記載の画素回路。
【請求項18】
前記第1の調節回路が、リセット回路をさらに含み、
前記リセット回路が、リセット信号に応答してリセット電圧を前記駆動回路の第2の制御端に印加するように構成される、
請求項14~17のいずれか一項に記載の画素回路。
【請求項19】
前記リセット回路が、リセットトランジスタを含み、
前記リセットトランジスタのゲートが、前記リセット信号を受信するようにリセット信号端に接続され、
前記リセットトランジスタの第1の極が、前記リセット電圧を受けるようにリセット電圧端に接続され、
前記リセットトランジスタの第2の極が、前記第2のノードに接続される、
請求項18に記載の画素回路。
【請求項20】
前記第1の制御回路の第1の端が、前記駆動回路の第4の端に接続され、
前記第1の制御回路の第2の端が、前記発光素子の第1の極に接続され、
前記発光素子の第2の極が、第3の電源電圧を受けるように第3の電源端に接続される、
請求項13~19のいずれか一項に記載の画素回路。
【請求項21】
アレイ状に配置された複数の画素ユニットを含むアレイ基板であって、
各前記画素ユニットは、前記発光素子及び請求項1~20のいずれか一項に記載の画素回路を含む、
アレイ基板。
【請求項22】
前記画素ユニットにおける前記発光素子は、ミクロンオーダー発光素子を含む、
請求項21に記載のアレイ基板。
【請求項23】
請求項21又は22に記載のアレイ基板を含む、表示装置。
【請求項24】
請求項1に記載の画素回路による駆動方法であって、
前記第1の調節回路が、前記第1のデータ信号及び前記発光制御信号を受信し、前記発光素子を駆動するための駆動電流の大きさを制御するようにするステップと、
前記第2の調節回路が、前記第2のデータ信号及び前記時間制御信号を受信し、前記駆動電流の前記発光素子に印加される時間を制御するようにするステップと、を含む、
前記時間制御信号が、前記発光制御信号が前記駆動電流の発生を許容する期間内に変化している
駆動方法。
【請求項25】
前記第1の調節回路が第1の制御回路と第2の制御回路とを含み、
前記第1の制御回路が第1の制御端と第1の端と第2の端とを含み、
前記第2の制御回路が、前記駆動電流が前記第1の制御回路の第1の端と第2の端に流れる時間を制御するように、前記第2のデータ信号及び前記時間制御信号を用いて、前記第1の制御回路の第1の制御端のレベルを制御するように構成され、
前記駆動方法は、発光段階を含み、
前記発光段階において、前記第2の制御回路は、前記第1の制御回路をオン状態からオフ状態に変化させるように、前記第2のデータ信号及び前記時間制御信号を用いて前記第1の制御回路の第1の制御端のレベルを制御することによって、前記駆動電流が前記第1の制御回路の第1の端と第2の端に流れる時間を制御するようにする、
請求項24に記載の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、画素回路及びその駆動方法、アレイ基板及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light-Emitting Diode,LED)表示技術は、LEDに基づいて画素ユニットを形成する表示技術である。LED表示技術では、携帯電話、タブレットパソコン、デジタルカメラなどの表示分野での有機発光ダイオード(OLED)の応用がますます広がっており、また、ミクロンオーダー発光ダイオード(μLED、例えば、結晶粒サイズが100μmよりも小さいマイクロLED)、量子ドット発光ダイオード(QLED)などは、表示分野において良好な市場動向を持っているため、産業界からも重視されるようになってきている。
【発明の概要】
【0003】
本開示の少なくとも一つの実施例は、第1の調節回路と第2の調節回路とを含む画素回路であって、前記第1の調節回路が、発光素子の発光を駆動する駆動電流の大きさを制御するように第1のデータ信号及び発光制御信号を受信するように構成され、前記第2の調節回路は、前記駆動電流の前記発光素子に印加される時間を制御するように第2のデータ信号及び時間制御信号を受信するように構成され、前記時間制御信号は、前記発光制御信号が前記駆動電流の発生を許容する期間内に変化している、画素回路を提供する。
【0004】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第2の調節回路が、第1の制御回路と第2の制御回路とを含み、前記第1の制御回路が、第1の制御端と、第1の端と、第2の端とを含み、前記第2の制御回路は、前記駆動電流が前記第1の制御回路の第1の端と第2の端に流れる時間を制御するように、前記第2のデータ信号及び前記時間制御信号を用いて、前記第1の制御回路の第1の制御端のレベルを制御するように構成される。
【0005】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第1の制御回路が制御トランジスタを含み、前記制御トランジスタのゲートが、前記第1の制御回路の第1の制御端として前記第2の制御回路に電気的に接続され、前記制御トランジスタの第1の極が、前記第1の制御回路の第1の端として、前記制御トランジスタの第2の極は、前記第1の制御回路の第2の端とする。
【0006】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第2の制御回路が、第2の書込み回路と電圧調節回路とを含み、前記第2の書込み回路が、第2の走査信号に応答して前記第2のデータ信号を第1のノードに書き込むように構成され、前記電圧調節回路が、書き込まれた第2のデータ信号を記憶し、且つ前記時間制御信号に応答して前記第1のノードのレベルを調節するように構成される。
【0007】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第2の制御回路が第3の書込み回路をさらに含み、前記第3の書込み回路が、第3の走査信号に応答して第3のデータ信号を前記時間制御信号として前記電圧調節回路に書き込むように構成される。
【0008】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第2の書込み回路が第2の書込みトランジスタを含み、前記電圧調節回路が、電圧調節トランジスタと第2の蓄積容量とを含み、前記第2の書込みトランジスタのゲートが、前記第2の走査信号を受信するように第2の走査信号端に接続され、前記第2の書込みトランジスタの第1の極が、前記第2のデータ信号を受信するように第2のデータ信号端に接続され、前記第2の書込みトランジスタの第2の極が、前記第1のノードに接続され、前記電圧調節トランジスタのゲートが、前記時間制御信号を受信するように時間制御信号端に接続され、前記電圧調節トランジスタの第1の極が、第1の電源電圧を受けるように第1の電源端に接続され、前記電圧調節トランジスタの第2の極が、前記第1のノードに接続され、前記第2の蓄積容量の第1の端が、前記第1のノードに接続され、前記第2の蓄積容量の第2の端が、前記第1の電源端に接続される。
【0009】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記電圧調節回路が時間制御抵抗をさらに含み、前記電圧調節トランジスタの第1の極が、前記時間制御抵抗を介して前記第1の電源端に接続される。
【0010】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第3の書込み回路が第3の書込みトランジスタと第3の蓄積容量とを含み、前記第3の書込みトランジスタのゲートが、前記第3の走査信号を受信するように第3の走査信号端に接続され、前記第3の書込みトランジスタの第1の極が、前記第3のデータ信号を受信するように第3のデータ信号端に接続され、前記第3の書込みトランジスタの第2の極が、前記電圧調節トランジスタのゲートに接続され、前記第3の蓄積容量の第1の端が、前記電圧調節トランジスタのゲートに接続され、前記第3の蓄積容量の第2の端が、前記電圧調節トランジスタの第1の極に接続される。
【0011】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第1の制御回路の第1の制御端が、前記第1のノードに接続される。
【0012】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第2の制御回路がインバータ回路をさらに含み、前記インバータ回路は、前記第1のノードに接続される入力端と、前記第1の制御回路の第1の制御端に接続される出力端とを含み、前記入力端が受信した入力信号に基づいて、前記入力信号と逆相の出力信号を生成し、前記出力信号を前記第1の制御回路の第1の制御端に出力するように構成される。
【0013】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記インバータ回路が第1のトランジスタと第2のトランジスタとを含み、前記第1のトランジスタのタイプと前記第2のトランジスタのタイプとが異なり、前記第1のトランジスタのゲート及び前記第2のトランジスタのゲートが、前記第1のノードに接続され、前記第1のトランジスタの第2の極及び前記第2のトランジスタの第2の極が、前記第1の制御回路の第1の制御端に接続され、前記第1のトランジスタの第1の極が、第1の電圧を受けるように第1の電圧端に接続され、前記第2のトランジスタの第1の極が、第2の電圧を受けるように第2の電圧端に接続され、前記第1の電圧と前記第2の電圧とが異なる。
【0014】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第2の書込み回路及び前記第1の調節回路が、それぞれ同一のデータ信号端に接続され、前記同一のデータ信号端が、異なる期間にそれぞれ前記第2の書込み回路及び前記第1の調節回路にそれぞれに対応するデータ信号を供給するように構成される。
【0015】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第1の調節回路が、駆動回路と、第1の書込み回路と、補償回路と、発光制御回路と、を含み、前記駆動回路は、第2の制御端と、第3の端と、第4の端と、を含み、前記駆動回路の第3の端と第4の端に流れる、前記発光素子の発光を駆動する駆動電流を制御するように構成され、前記第1の書込み回路が、第1の走査信号に応答して第1のデータ信号を前記駆動回路の第2の制御端に書き込むように構成され、前記補償回路が、書き込まれた前記第1のデータ信号を記憶し、前記第1の走査信号に応答して前記駆動回路を補償するように構成され、前記発光制御回路は、前記発光制御信号に応答して第2の電源電圧を前記駆動回路の第3の端に印加するように構成される。
【0016】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記駆動回路が駆動トランジスタを含み、前記駆動トランジスタのゲートが、前記駆動回路の第2の制御端として第2のノードに接続され、前記駆動トランジスタの第1の極が、前記駆動回路の第3の端として第3のノードに接続され、前記駆動トランジスタの第2の極が、前記駆動回路の第4の端として第4のノードに接続される。
【0017】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第1の書込み回路が第1の書込みトランジスタを含み、前記第1の書込みトランジスタのゲートが、前記第1の走査信号を受信するように第1の走査信号端に接続され、前記第1の書込みトランジスタの第1の極が、前記第1のデータ信号を受信するように第1のデータ信号端に接続され、前記第1の書込みトランジスタの第2の極が、前記第3のノードに接続される。
【0018】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記補償回路が補償トランジスタと第1の蓄積容量とを含み、前記補償トランジスタのゲートが前記第1の走査信号を受信するように第1の走査信号端に接続され、前記補償トランジスタの第1の極が前記第4のノードに接続され、前記補償トランジスタの第2の極が前記第2のノードに接続され、前記第1の蓄積容量の第1の端が前記第2のノードに接続され、前記第1の蓄積容量の第2の端が第2の電源端に接続される。
【0019】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記発光制御回路が発光制御トランジスタを含み、前記発光制御トランジスタのゲートが、前記発光制御信号を受信するように発光制御信号端に接続され、前記発光制御トランジスタの第1の極が、前記第2の電源電圧を受けるように第2の電源端に接続され、前記発光制御トランジスタの第2の極が、前記第3のノードに接続される。
【0020】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第1の調節回路がリセット回路をさらに含み、前記リセット回路が、リセット信号に応答してリセット電圧を前記駆動回路の第2の制御端に印加するように構成される。
【0021】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記リセット回路がリセットトランジスタを含み、前記リセットトランジスタのゲートが、前記リセット信号を受信するようにリセット信号端に接続され、前記リセットトランジスタの第1の極が、前記リセット電圧を受けるようにリセット電圧端に接続され、前記リセットトランジスタの第2の極が、前記第2のノードに接続される。
【0022】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第1の制御回路の第1の端が、前記駆動回路の第4の端に接続され、前記第1の制御回路の第2の端が、前記発光素子の第1の極に接続され、前記発光素子の第2の極が、第3の電源電圧を受けるように第3の電源端に接続される。
【0023】
本開示の少なくとも一実施例は、アレイ状に配置された複数の画素ユニットを含むアレイ基板であって、各前記画素ユニットは、前記発光素子及び本開示のいずれかの実施例により提供される画素回路を含む、アレイ基板をさらに提供する。
【0024】
本開示の少なくとも一実施例は、本開示のいずれかの実施例により提供されるアレイ基板を含む表示装置をさらに提供する。
【0025】
本開示の少なくとも一実施例は、前記第1の調節回路が前記第1のデータ信号及び前記発光制御信号を受信し、前記発光素子を駆動するための駆動電流の大きさを制御するようにするステップと、前記第2の調節回路が前記第2のデータ信号及び前記時間制御信号を受信し、前記駆動電流の前記発光素子に印加される時間を制御するようにするステップと、を含み、前記時間制御信号が前記発光制御信号が前記駆動電流の発生を許容する期間内に変化している、本開示の何れかの実施例により提供される画素回路による駆動方法をさらに提供する。
【0026】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される駆動方法において、前記第1の調節回路が第1の制御回路と第2の制御回路とを含み、前記第1の制御回路が第1の制御端と、第1の端と、第2の端とを含み、前記第2の制御回路は、前記駆動電流が前記第1の制御回路の第1の端と第2の端に流れる時間を制御するように、前記第2のデータ信号及び前記時間制御信号を用いて前記第1の制御回路の第1の制御端のレベルを制御するように構成され、前記駆動方法は、発光段階を含み、前記発光段階において、前記第2の制御回路が前記第1の制御回路をオン状態からオフ状態に変化させるように前記第2のデータ信号及び前記時間制御信号を用いて前記第1の制御回路の第1の制御端のレベルを制御することによって、前記駆動電流が前記第1の制御回路の第1の端と第2の端に流れる時間を制御するようにする。
【0027】
本発明の実施例の技術構成をさらに明確に説明するために、以下に実施例の図面について簡単に紹介する。言うまでもないが、下記に記載の図面は本発明の実施例に係るものに過ぎず、本発明に対し制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、ミクロンオーダー発光ダイオード(μLED)の発光効率特性曲線図である。
図2A図2Aは、ミクロンオーダー発光ダイオード(μLED)と有機発光ダイオード(OLED)の緑色光(G)色座標変化曲線の比較イメージである。
図2B図2Bは、ミクロンオーダー発光ダイオード(μLED)と有機発光ダイオード(OLED)の緑色光(G)色座標変化曲線の比較イメージである。
図3A図3Aは、2T1C画素回路の概略図である。
図3B図3Bは、別の2T1C画素回路の概略図である。
図4図4は、本開示の少なくとも一実施例により提供される画素回路の概略ブロック図である。
図5図5は、図4に示す画素回路の例示的な概略ブロック図である。
図6図6は、図4に示す画素回路の別の例示的な概略ブロック図である。
図7図7は、図4に示す画素回路の他の例示的な概略ブロック図である。
図8図8は、図4に示す画素回路の他の例示的な概略ブロック図である。
図9図9は、図5に示す画素回路の具体的な実現例の回路構成図である。
図10図10は、図6に示す画素回路の具体的な実現例の回路構成図である。
図11図11は、図7に示す画素回路の具体的な実現例の回路構成図である。
図12図12は、図8に示す画素回路の具体的な実現例の回路構成図である。
図13図13は、本開示の少なくとも一実施例により提供される画素回路の駆動方法の信号タイミングチャートである。
図14A図14Aは、図9に示す画素回路を図13における4つの段階に対応する回路の概略図である。
図14B図14Bは、図9に示す画素回路を図13における4つの段階に対応する回路の概略図である。
図14C図14Cは、図9に示す画素回路を図13における4つの段階に対応する回路の概略図である。
図14D図14Dは、図9に示す画素回路を図13における4つの段階に対応する回路の概略図である。
図15図15は、本開示の少なくとも一実施例により提供される別の画素回路の駆動方法の信号タイミングチャートである。
図16図16は、図10に示す画素回路を図15における発光段階S4に対応する回路の概略図である。
図17A図17Aは、本開示の少なくとも一実施例により提供されるアレイ基板の概略図である。
図17B図17Bは、本開示の少なくとも一実施例により提供される別のアレイ基板の概略図である。
図18図18は、本開示の少なくとも一実施例により提供される表示装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の実施例の目的、技術構成、及びメリットをさらに明確に説明するために、以下において本開示の実施例の図面を参照して、本開示の実施例の技術構成について明確に、完全に記載する。明らかなように、記載した実施例は本開示の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。上記に記載の本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を必要としない前提において得ることができるその他の実施例は、いずれも本開示の範囲に属するものとなる。
【0030】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解する通常の意味である。本開示で使用される「第1の」、「第2の」及び類似する語は、何らかの順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものにすぎない。同様に、「一つ」、「一」または「当該」などの類似する語も、数量制限を意味するものではなく、少なくとも一つ存在することを意味する。「含む」や「含まれる」などの類似する語は、この語の前に出現した素子や物がこの語の後に挙げられる素子や物、及びそれらの均等物を含むことを意味するが、その他の素子や物を排除するものではない。「接続」や「互いに接続」などの類似する語は、物理的又は機械的な接続に限定されず、直接的か間接的かを問わず、電気的な接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係を示すためのものにすぎず、説明対象の絶対位置が変わると、該相対位置関係もそれに応じて変わる可能性がある。
【0031】
以下、いくつかの具体的な実施例により本開示について説明する。本開示の実施例の以下の説明を明確かつ簡潔にするために、既知の機能および既知の部品(素子)の詳細な説明を省略することができる。本開示の実施例のいずれかの部品(素子)が複数の図面に現れる場合、当該部品(素子)は、各図面において同一または類似の参照符号で示される。
【0032】
ミクロンオーダー発光ダイオード(μLED)を用いる表示パネルは、厚みが薄く、軽量で、消費電力が低く、寿命が長く、発光効率が高く、応答速度が速く、自主発光が可能で、透明表示に利用できるなどの利点があり、携帯電話、タブレットコンピュータ、デジタルカメラなどの表示分野で良好な応用動向がある。
【0033】
図1は、ミクロンオーダー発光ダイオード(μLED)の発光効率特性曲線図である。図1からわかるように、低電流密度(例えば、電流密度が1000 mA/cm未満)では、μLEDの発光効率が低い。
【0034】
図2A図2Bは、ミクロンオーダー発光ダイオード(μLED)と有機発光ダイオード(OLED)の緑色光(G)色座標変化曲線の比較イメージである。ここで、図2Aは、μLEDとOLEDのG色座標の横座標(Gx)がグレースケール(grayscale)に従って変化するグラフを示し、図2Bは、μLEDとOLEDのG色座標の縦座標(Gy)がグレースケール(grayscale)に従って変化するグラフを示す。図2A図2Bからわかるように、グレースケールの全範囲(例えば、0~255)内にわたって、OLEDのG色座標は、ほぼ一定であるため、OLEDの光色は、比較的安定している一方、μLEDについて、低グレースケール範囲(例えば、0~100)では、そのG色座標の変動が大きいのに対し、中高グレースケール範囲(例えば、100~255)では、そのG色座標の変動が小さいため、μLEDの光色の安定性は、改善する余地がある。
【0035】
一般的に、μLED表示パネルは、OLED表示パネルでよく用いられる画素回路を用いてμLEDの発光を駆動することができる。例えば、μLED表示パネルは、2つの薄膜トランジスタ(thin-film transistor、TFT)と1つの蓄積容量Csを用いて、μLEDの発光を駆動する基本機能を実現する2T1C画素回路を用いることができる。図3A図3Bは、それぞれ2種類の2T1C画素回路の概略図を示す。
【0036】
図3Aに示すように、スイッチングトランジスタT0と、駆動トランジスタN0と、蓄積容量Csとを含む2T1C画素回路である。例えば、当該スイッチングトランジスタT0のゲートは、走査信号Scan1を受信するように走査線に接続され、ソースは、データ信号Vdataを受信するようにデータ信号線に接続され、ドレインは、駆動トランジスタN0のゲートに接続され、駆動トランジスタN0のソースは、第1の電圧Vdd(例えば、高電圧)を受けるように第1の電圧端に接続され、ドレインは、μLEDの正極端に接続され、蓄積容量Csの一端は、スイッチングトランジスタT0のドレインおよび駆動トランジスタN0のゲートに接続され、他端は、駆動トランジスタN0のソースおよび第1の電圧端に接続され、μLEDの負極端は、第2の電圧Vss(例えば、低電圧、例えば、接地電圧)を受けるように第2の電圧端に接続される。当該2T1C画素回路の駆動方式は、画素の明暗(すなわち、グレースケール)を2つのTFTと蓄積容量Csにより制御することである。走査線を介して走査信号Scan1が印加されてスイッチングトランジスタT0がオンされると、データ駆動回路がデータ信号線を介して供給するデータ信号Vdataは、スイッチングトランジスタT0を介して蓄積容量Csを充電することにより、データ信号Vdataを蓄積容量Csに記憶し、この記憶されたデータ信号Vdataは、駆動トランジスタN0のオン程度を制御することで、駆動トランジスタに流れる、μLEDの発光を駆動する電流の大きさを制御し、すなわち、この電流が、当該画素の発光のグレースケールを決定する(低電流密度は、低グレースケールに対応し、高電流密度は、高グレースケールに対応する)。図3Aに示す2T1C画素回路において、スイッチングトランジスタT0は、N型トランジスタであるが、駆動トランジスタN0は、P型トランジスタである。
【0037】
図3Bに示すように、別の2T1C画素回路も、スイッチングトランジスタT0と、駆動トランジスタN0と、蓄積容量Csとを含むが、その接続形態は、若干変わっており、また、駆動トランジスタN0は、N型トランジスタである。図3Aに対する図3Bの画素回路の変化点は、μLEDの正極端が第1の電圧Vdd(例えば、高電圧)を受けるように第1の電圧端に接続され、負極端が駆動トランジスタN0のドレインに接続され、駆動トランジスタN0のソースが第2の電圧Vss(例えば、低電圧、例えば、接地電圧)を受けるように第2の電圧端に接続される点を含む。蓄積容量Csの一端は、スイッチングトランジスタT0のドレイン及び駆動トランジスタN0のゲートに接続され、他端は、駆動トランジスタN0のソース及び第2の電圧端に接続される。当該2T1Cの画素回路の動作方式は、基本的に図3Aに示す画素回路と同様であるため、ここで、説明を省略する。
【0038】
また、図3A図3Bに示す画素回路について、スイッチングトランジスタT0は、N型トランジスタに限らず、P型トランジスタであってもよく、これにより、そのオン又はオフを制御する走査信号Scan1の極性をそれに応じて変更すればよい。
【0039】
上記2T1Cの基本の画素回路に加えて、例えば、補償機能、リセット機能などを有する他の画素回路も開発されており、これらの画素回路は、μLED表示パネルにも適用できるが、ここで、説明を省略する。
【0040】
しかし、OLED表示パネルでよく用いられる画素回路をμLED表示パネルに適用した場合、画素中のμLEDで表示されるグレースケールは、駆動電流の大きさによって完全に制御されている(低電流は、低グレースケールに対応し、高電流は、高グレースケールに対応する)ため、発光効率が高く、光色が安定した電流密度区間でμLED動作を動作させるのを確保できず、すなわち、μLED表示パネルが低グレースケール表示を行う場合、μLEDが低電流密度の状態で生じる発光効率が低く、光色が不安定という問題を解決することができない。
【0041】
本開示の少なくとも一実施例は、画素回路を提供する。当該画素回路は、第1の調節回路と第2の調節回路とを含む。第1の調節回路は、発光素子の発光を駆動する駆動電流の大きさを制御するように第1のデータ信号及び発光制御信号を受信するように構成され、第2の調節回路は、駆動電流の発光素子に付加される時間を制御するように第2のデータ信号及び発光制御信号が駆動電流の発生を許容する期間内で変化する時間制御信号を受信するように構成される。
【0042】
本開示のいくつかの実施例は、上記の画素回路に対応する駆動方法、アレイ基板及び表示装置をさらに提供する。
【0043】
本開示の少なくとも一実施例により提供される画素回路及びその駆動方法、アレイ基板及び表示装置は、駆動電流の発光素子に印加される時間を制御できることによって、発光素子が高電流密度で動作するのを確保する前提で、発光素子の発光時間を制御することによって、発光素子が例えば、低グレースケール表示などの各種のグレースケール表示を実現することができる。
【0044】
以下、図面を参照して本開示のいくつかの実施例及びその例について詳細に説明する。
【0045】
図4は、本開示の少なくとも一実施例により提供される画素回路の概略ブロック図である。例えば、図4に示す画素回路10は、μLED表示パネルのサブピクセルに適用できる。図4に示すように、画素回路10は、第1の調節回路100と第2の調節回路200とを含む。
【0046】
例えば、第1の調節回路100は、発光素子300の発光を駆動するための駆動電流の大きさを制御するように第1のデータ信号Data1及び発光制御信号EMを受信するように構成されている。例えば、いくつかの例では、第1の調節回路100は、第1のデータ信号Data1に基づいて、駆動電流(例えば、駆動電流の大きさが第1のデータ信号Data1と関係がある)を生成し、発光制御信号EMの制御で、発光素子300の発光を駆動するように発光素子300に駆動電流を供給することができる。例えば、発光素子300は、例えば、μLED(例えば、Micro-LED、Mini-LED)等のミクロンオーダー発光素子を用いることができ、例えば、当該ミクロンオーダー発光素子は、さらに例えば、Micro-OLED、Mini-OLEDなどのミクロンオーダーOLEDでもよい。なお、本開示の実施例は、これに限定しない。
【0047】
例えば、第2の調節回路200は、上記の駆動電流の発光素子300に印加される時間を制御する、すなわち、第2の調節回路が発光素子300の発光時間の長さを制御できるように第2のデータ信号Data2および時間制御信号TCを受信するように構成されている。例えば、いくつかの例では、第2のデータ信号Data2と時間制御信号TCの協働により、第2の調節回路200は、駆動電流が通過することを許容する状態から電流が通過することを許容しない状態へ徐々に変化でき、すなわち、駆動電流が生成されて発光素子300に印加される時間を制御することができる。例えば、時間制御信号TCは、発光制御信号EMが駆動電流の発生を許容する期間内に変化し、例えば、時間制御信号TCの変化は、発光素子300の発光時間の長さを制御することができる。
【0048】
なお、図4に示す画素回路10における第1の調節回路100、第2の調節回路200および発光素子300の接続形態(第1の調節回路100、第2の調節回路200および発光素子300が順次接続されるもの)は、例示的であり、本開示の実施例は、それを含むが、これに限定しない。例えば、本開示の実施例により提供される画素回路における第1の調節回路、第2の調節回路および発光素子は、上記の第1の調節回路、第2の調節回路の対応機能を実現できれば、さらに他の接続形態で接続されてもよい。
【0049】
本開示の実施例により提供される画素回路は、発光素子の発光時間を制御することで、発光素子が高電流密度で動作する前提で、例えば、低グレースケール表示などの様々なグレースケール表示を実現することができ、例えば、発光素子の発光輝度を高め、発光素子の発光時間を短縮することで低グレースケール表示を実現する。発光素子がμLEDの場合、μLEDが低電流密度の状態で動作することを回避することができ、μLEDの発光効率が低く光色が不安定であるという問題を解決する。
【0050】
図5は、図4に示す画素回路の例示的な概略ブロック図である。例えば、図5に示すように、当該画素回路10において、第1の調節回路100は、駆動回路110と、第1の書込み回路120と、補償回路130と、発光制御回路140と、を含む。
【0051】
例えば、駆動回路110は、第2の制御端111と、第3の端112と、第4の端113とを含み、かつ、第3の端112と第4の端113に流れる、発光素子300の発光を駆動するための駆動電流を制御するように構成されている。例えば、発光段階において、駆動回路110は、発光素子300の発光を駆動するように駆動電流を発光素子300に供給することができ、表示する必要のあるグレースケールに応じて対応する駆動電流を供給して発光させることができる。なお、本開示の実施例において、発光素子が表示するグレースケールは、駆動電流の大きさだけでなく、駆動電流の発光素子に印加される時間(即ち、発光素子の発光時間)の長さにも関係がある。なお、駆動回路110における3つの端子の名付けにおける「第2の」、「第3の」、「第4の」は、駆動回路110が有する端子の数を示すものではなく、後述する第1の制御回路における3つの端子の名付けと区別するためのものに過ぎない。
【0052】
例えば、第1の書込み回路120は、駆動回路110に接続され、第1の走査信号SN1に応答して第1のデータ信号Data1を駆動回路110の第2の制御端111に書き込むように構成されている。例えば、データ書込みと補償段階において、第1の書込み回路120は、第1の走査信号SN1に応答してオンすることによって、第1のデータ信号Data1(例えば、オンされた補償回路130を介して)を駆動回路110の第2の制御端111に書き込み、これにより、発光段階時に第1のデータ信号Data1に基づいて、発光素子300の発光を駆動する駆動電流を駆動回路110に発生させる。
【0053】
例えば、補償回路130は、駆動回路110に接続され、書き込まれた第1のデータ信号Data1を記憶し、第1の走査信号SN1に応答して駆動回路110を補償するように構成されている。例えば、補償回路130は、第1の書込み回路120に書き込まれた第1のデータ信号Data1を受信し記憶することができる第1の蓄積容量を含む。例えば、データ書込みと補償段階において、補償回路130は、第1の走査信号SN1に応答してオンし、駆動回路110の第2の制御端111と第4の端113とを電気的に接続することによって、駆動回路110の閾値電圧の関連情報もそれに応じて第1の蓄積容量に記憶させ、さらに、発光段階において、補償された場合で第1のデータ信号Data1に基づいて発光素子300の発光を駆動する駆動電流を駆動回路110に発生させるように、記憶された第1のデータ信号Data1及び閾値電圧等の情報を含む電圧を用いて、駆動回路110を制御することができる。
【0054】
例えば、発光制御回路140は、駆動回路110に接続され、発光制御信号EMに応答して第2の電源電圧VDDを駆動回路110の第3の端112に印加するように構成されている。例えば、発光段階において、発光制御回路140は、発光制御信号EMに応答してオンすることによって、駆動回路110に駆動電流を発生させるように第2の電源電圧VDDを駆動回路110の第3の端112に印加することができる。例えば、第2の電源電圧VDDは、例えば、高電圧などの駆動電圧でもよい。
【0055】
例えば、いくつかの例では、図5に示すように、第1の調節回路100は、リセット回路150をさらに含んでもよい。例えば、リセット回路150は、駆動回路110に接続され、リセット信号RSに応答してリセット電圧Viniを駆動回路110の第2の制御端111に印加するように構成されている。例えば、初期化段階において、リセット回路150は、リセット信号RSに応答してオンすることによって、駆動回路110をリセット操作するようにリセット電圧Viniを駆動回路110の第2の制御端111に印加することができる。
【0056】
例えば、図5に示すように、いくつかの実施例により提供される画素回路10において、第2の調節回路200は、第1の制御回路210と第2の制御回路215とを含む。
【0057】
例えば、図5に示すように、第1の制御回路210は、第1の制御端211と、第1の端212と、第2の端213と、を含む。例えば、第1の制御回路210の第1の端212は、駆動回路110の第4の端113に接続され、第1の制御回路210の第2の端213は、発光素子300の第1の極(例えば、正極)に接続され、発光素子300の第2の極(例えば、カソード)は、第3の電源電圧VSSを受けるように第3の電源端に接続される。これにより、発光段階において、第1の制御回路210のオン状態の持続時間を制御することによって、駆動電流の発光素子300に印加される時間(即ち、発光時間)を制御することができる。例えば、第3の電源電圧VSSは、例えば、接地電圧などの低電圧である。
【0058】
例えば、第2の制御回路215は、第1の制御回路210の第1の制御端211に接続され、第2の制御回路215は、駆動電流が第1の制御回路210の第1の端212と第2の端213に流れる時間を制御することによって、駆動電流の発光素子300に印加される時間を制御するように、第2のデータ信号Data2と時間制御信号TCを用いて、第1の制御回路210の第1の制御端211のレベルを制御するように構成されている。
【0059】
例えば、いくつかの実施例において、図5に示すように、第2の制御回路215は、第2の書込み回路220と電圧調節回路230とを含む。
【0060】
例えば、第2の書込み回路220は、第1のノードP1に接続され、第2の走査信号SN2に応答して第2のデータ信号Data2を第1のノードP1に書き込むように構成されている。例えば、タイムスイッチプリセットにおいて、第2の書込み回路220は、第2の走査信号SN2に応答してオンすることによって、発光段階の開始タイミングで第1の制御回路210をオン状態にするように第2のデータ信号Data2を第1のノードP1に書き込む。
【0061】
例えば、電圧調節回路230は、第1のノードP1に接続され、書き込まれた第2のデータ信号Data2を記憶し、時間制御信号TCに応答して第1のノードP1のレベルを調節するように構成されている。例えば、電圧調節回路230は、第2の蓄積容量を含み、例えば、タイムスイッチプリセットにおいて、第2の蓄積容量は、第2の書込み回路220に書き込まれた第2のデータ信号Data2を受信して記憶することができる。例えば、発光段階において、電圧調節回路230は、時間制御信号TCに応答してオンすることによって、第2の蓄積容量は、オンされた電圧調節回路230により充放電でき(充電または放電)、即ち、電圧調節回路230は、第1のノードP1のレベルを調節することができる。例えば、第2の蓄積容量の充放電過程が進むにつれて、第1のノードP1のレベルは徐々に変化することによって、第1の制御回路210をオン状態からオフ状態にすることができ、即ち、駆動電流の発光素子300に印加される時間を制御することができる。例えば、いくつかの実施例において、第2のデータ信号Data2は、一定の信号でもよく、時間制御信号TCは、振幅の大きさが調整可能な信号でもよく、例えば、時間制御信号TCの振幅を調節することで、電圧調節回路230のオン程度を制御することができることによって、第2の蓄積容量の充放電の速度を制御することができ、駆動電流の発光素子300に印加される時間をさらに制御することができる。
【0062】
例えば、いくつかの実施例において、図5に示すように、第1の制御回路210の第1の制御端211は、第1のノードP1に接続される。この場合、第2のデータ信号Data2は、第1の制御回路210の第1の制御端211に直接印加されることができ、第1の制御回路210をオンさせることができる。発光段階において、オンされた電圧調節回路230は、第1の電源電圧VGGを受けるように第1の電源端に接続され、第2の蓄積容量の充放電過程が終了すると、第1のノードP1のレベルは、VGGとなり、即ち、第1の電源電圧VGGは、第1の制御回路210をオフさせることができる。
【0063】
図6は、図4に示す画素回路の別の例示的な概略ブロック図である。図6に示すように、図5に示す画素回路10に加え、画素回路10Aの第2の調節回路200Aにおける第2の制御回路215Aは、第3の書込み回路240をさらに含む。なお、図6に示す画素回路10Aにおける他の回路構造は、図5に示す画素回路10と基本的に同様であり、ここで、繰返した箇所について説明を省略する。なお、説明を明確かつ簡潔にするために、図6に示す画素回路10Aにおいて、第1の調節回路100の具体的な回路構造が省略されている(図5に示す画素回路10における第1の調節回路100を参照することができる)。
【0064】
図6に示すように、第3の書込み回路240は、電圧調節回路230に接続され、第3の走査信号SN3に応答して第3のデータ信号Data3を時間制御信号TCとして電圧調節回路230に書き込むように構成されている。例えば、発光段階において、第3の書込み回路240は、第3の走査信号SN3に応答してオンすることによって、第3のデータ信号Data3を時間制御信号TCとして電圧調節回路230の制御端に書き込むことができる。例えば、第3の書込み回路240は、書き込まれた第3のデータ信号Data3を受信し記憶することができる第3の蓄積容量を含むことができ、これにより、発光段階において、第3の蓄積容量に記憶されている第3のデータ信号Data3は、電圧調節回路のオン状態を維持することができる。例えば、第2の制御回路215Aは、第3の書込み回路240を含む場合、第3のデータ信号Data3の振幅の大きさを調節することで、時間制御信号TCの振幅の大きさに対する調節を実現することができる。
【0065】
図7図4に示す画素回路のさらなる例示的な概略ブロック図である。図7に示すように、図5に示す画素回路10に加え、画素回路10Bの第2の調節回路200Bにおける第2の制御回路215Bは、インバータ回路250をさらに含む。なお、図7に示す画素回路10Bにおける他の回路構造は、図5に示す画素回路10と基本的に同様であり、ここで、繰返した箇所について説明を省略する。なお、説明を明確かつ簡潔にするために、図7に示す画素回路10Bにおいて、第1の調節回路100の具体的な回路構造が省略されている(図5に示す画素回路10における第1の調節回路100を参照することができる)。
【0066】
図7に示すように、インバータ回路250は、第1のノードP1に接続される入力端と、第1の制御回路210の第1の制御端211に接続する出力端とを含む。例えば、インバータ回路250は、その入力端により受信した入力信号に基づいて、入力信号とは逆相の出力信号を生成し、出力信号をその出力端に出力し、例えば、本例において、当該出力信号を第1の制御回路210の第1の制御端211に出力するように構成されている。例えば、入力信号と出力信号とは逆相であることとは、入力信号がハイレベルのとき、出力信号がローレベルであること、入力信号がローレベルのとき、出力信号がハイレベルであることを指す。本開示の実施例において、P型トランジスタを例にすると、ローレベル(及び低電圧)とは、P型トランジスタをオンさせることができるレベルを指し、ハイレベル(および高電圧)とは、P型トランジスタをオフさせることができるレベルを指す。
【0067】
例えば、図7に示すように、インバータ回路250は、さらに、第1の電圧VHを受けるように第1の電圧端に接続され、且つ第2の電圧VLを受けるように第2の電圧端に接続される。第1の電圧VHは、第2の電圧VLとは異なり、例えば、第1の電圧VHが、ハイレベル電圧であり、第2の電圧VLが、ローレベル電圧である。例えば、インバータ回路250の入力端の入力信号がローレベルのとき、インバータ回路の出力端の出力信号がハイレベルであり、インバータ回路250の入力端の入力信号がハイレベルのとき、インバータ回路の出力端の出力信号がローレベルである。
【0068】
図5に示す画素回路10において、発光段階において、第1のノードP1のレベルの調節過程は、緩やかな変化過程であり(インバータ回路250の出力信号のレベル変化過程に対して言えば)、第1のノードP1は、第1の制御回路210の第1の制御端211に直接接続されるため、第1の制御回路210のオン程度は、第1のノードP1のレベルの緩やかな変化に伴って緩やかに変化している。一方、図7に示す画素回路10Bにおいて、第1のノードP1のレベルの調節過程は、依然として緩やかな変化過程であるが、第1のノードP1は、インバータ回路250(インバータ回路250の出力信号のレベル変化過程は、ホッピング過程である)を介して第1の制御回路210の第1の制御端211に接続されるため、第1の制御回路210の第1の制御端211のレベルの変化過程は、ホッピング過程であるため、第1の制御回路210は、オン状態からオフ状態にホッピングすることができ、これにより、第1の制御回路210がオン状態にあるときに、発光素子300は、常に発光効率が高く、光色が安定した電流密度区間内で動作することを確保することができる。
【0069】
第1の制御回路210が同一タイプのトランジスタとして実現される場合、図7に示す画素回路10Bで用いられる第2のデータ信号は、図5に示す画素回路10で用いられる第2のデータ信号と逆相であると同時に、図7に示す画素回路10Bで用いられる第1の電源電圧も図5に示す画素回路10で用いられる第1の電源電圧と逆相であることを理解されたい。
【0070】
図8図4に示す画素回路の他の例示的な概略ブロック図である。図8に示すように、図5に示す画素回路10に加え、画素回路10Cの第2の調節回路200Cにおける第2の制御回路215Cは、第3の書込み回路240とインバータ回路250とをさらに含む。なお、図8に示す画素回路10Cにおける他の回路構造は、図5に示す画素回路10と基本的に同様であり、ここで、繰返した箇所について説明を省略する。なお、説明を明確かつ簡潔にするために、図8に示す画素回路10Cにおいて、第1の調節回路100の具体的な回路構造が省略されている(図5に示す画素回路10における第1の調節回路100を参照することができる)。
【0071】
勿論、図8に示す画素回路10Cを、図6に示す画素回路10Aに加え、画素回路10Cは、インバータ回路250をさらに含む、または、図7に示す画素回路10Bに加え、画素回路10Cは、第3の書込み回路240をさらに含むものに理解することもできる。例えば、図8に示す画素回路10Cにおける第3の書込み回路240の接続形態と動作原理等について、図6に示す画素回路10Aにおける関連記載を参照することができ、図8に示す画素回路10Cにおけるインバータ回路250の接続形態と動作原理等について、図7に示す画素回路10Bにおける関連記載を参照することができ、ここで、説明を省略する。
【0072】
なお、本開示の実施例に記載の第1の走査信号SN1、第2の走査信号SN2及び第3の走査信号SN3は、3つの異なるタイミングの制御信号(例えば、走査信号)を区別するためのものである。例えば、第1の走査信号SN1は、データ書込みと補償段階において有効レベルであり、第2の走査信号SN2は、タイムスイッチプリセット段階において有効レベルであり、第3の走査信号SN3は、発光段階において有効レベルである。なお、本開示の実施例により提供される画素回路について、「有効レベル」とは、含まれる被動作トランジスタをオンさせることができるレベルを指し、それに応じて「無効レベル」とは、含まれる被動作トランジスタをオンさせることができない(即ち、当該トランジスタがオフされる)レベルを指す。画素回路の回路構成におけるトランジスタの異なるタイプ(N型またはP型)によって、有効レベルは、無効レベルより高くても低くてもよい。例えば、本開示の実施例において、トランジスタがP型トランジスタの場合、有効レベルは、ローレベルであり、無効レベルは、ハイレベルである。
【0073】
なお、本開示の実施例により提供される画素回路において、第1のデータ信号Data1、第2のデータ信号Data2は、データ書込みと補償段階、タイムスイッチプリセット段階においてそれぞれ画素回路に供給される(それぞれ第1の書込み回路120、第2の書込み回路220に供給される)ため、第2の書込み回路220と第1の調節回路100(第1の調節回路100における第1の書込み回路120)は、それぞれ同一のデータ信号端に接続されることができる。当該同一のデータ信号端は、異なる期間にそれぞれ第2の書込み回路220と第1の調節回路100(第1の調節回路100における第1の書込み回路120)に各自に対応するデータ信号を供給するように構成されており、即ち、当該同一のデータ信号端子は、時分割で異なるデータ信号を供給することができ、例えば、データ書き込みと補償の段階において、第1のデータ信号Data1を供給し、タイムスイッチプリセット段階において、第2のデータ信号Data2を供給することができる。画素回路が第3の書込み回路を含む場合、第3のデータ信号Data3は、発光段階において画素回路の第3の書込み回路240に供給されるため、第3のデータ信号も、上記の同一のデータ信号端に供給されてもよく、例えば、第3の書き込回路240も、当該同一のデータ信号端に接続され、当該同一のデータ信号端は、発光段階において第3のデータ信号Data3を供給する。なお、本開示の実施例は、第1のデータ信号Data1、第2のデータ信号Data2及び第3のデータ信号Data3が同一のデータ信号端から供給されるか否かに限定しない。
【0074】
図9は、図5に示す画素回路10の具体的な実現例の回路構成図である。図9に示すように、当該画素回路は、駆動トランジスタT1と、第1の書込みトランジスタT2と、補償トランジスタT3と、発光制御トランジスタT4と、リセットトランジスタT5と、制御トランジスタT6と、第2の書込みトランジスタT7と、電圧調節トランジスタT8と、第1の蓄積容量C1及び第2の蓄積容量C2と、を含む。例えば、図9には、発光素子LE(即ち、上記の発光素子300)も示されており、例えば、発光素子にμLED(例えば、micro LED)を用いることができるが、本開示の実施例は、それを含むが、これについて限定しない。以下の実施例は、いずれもμLEDを例に説明し、説明を省略する。当該μLEDは、例えば、トップエミッション、ボトムエミッション等の様々なタイプのものでもよく、赤色光、緑色光、青色光または白色光等を発光するものでもよく、本開示の実施例は、これに限定しない。なお、以下の実施例は、各トランジスタがP型トランジスタであることを例に説明するが、これは、本開示の実施例に対する制限を構成するものではない。
【0075】
例えば、図9に示すように、駆動回路110は、駆動トランジスタT1として実現することができる。駆動トランジスタT1のゲートは、駆動回路110の第2の制御端111として第2のノードP2に接続され、駆動トランジスタT1の第1の極は、駆動回路110の第3の端112として第3のノードP3に接続され、駆動トランジスタT1の第2の極は、駆動回路110の第4の端113として第4のノードP4に接続される。
【0076】
例えば、図9に示すように、第1の書込み回路120は、第1の書込みトランジスタT2として実現することができる。第1の書込みトランジスタT2のゲートは、第1の走査信号SN1を受信するように第1の走査信号端に接続され、第1の書込みトランジスタT2の第1の極は、第1のデータ信号Data1を受信するように第1のデータ信号端に接続され、第1の書込みトランジスタT2の第2の極は、第3のノードP3に接続される。
【0077】
例えば、図9に示すように、補償回路130は、補償トランジスタT3と第1の蓄積容量C1として実現することができる。補償トランジスタT3のゲートは、第1の走査信号SN1を受信するように第1の走査信号端に接続され、補償トランジスタT3の第1の極は、第4のノードP4に接続され、補償トランジスタT3の第2の極は、第2のノードP2に接続され、第1の蓄積容量C1の第1の端は、第2のノードP2に接続され、第1の蓄積容量C1の第2の端は、第2の電源電圧VDDを受信するように第2の電源端に接続されている。
【0078】
例えば、図9に示すように、発光制御回路140は、発光制御トランジスタT4として実現することができる。発光制御トランジスタT4のゲートは、発光制御信号EMを受信するように発光制御信号端に接続され、発光制御トランジスタT4の第1の極は、第2の電源電圧VDDを受信するように第2の電源端に接続され、発光制御トランジスタT4の第2の極は、第3のノードP3に接続される。例えば、第2の電源電圧VDDは、例えば、高電圧などの駆動電圧である。
【0079】
例えば、図9に示すように、リセット回路150は、リセットトランジスタT5として実現することができる。リセットトランジスタT5のゲートは、リセット信号RSを受信するようにリセット信号端に接続され、リセットトランジスタT5の第1の極は、リセット電圧Viniを受信するようにリセット電圧端に接続され、リセットトランジスタT5の第2の極は、第2のノードP2に接続される。例えば、リセット電圧Viniは、零電圧または接地電圧でもよく、例えば、低電圧等の他の固定のレベルでもよく、本開示の実施例は、これに限定しない。
【0080】
例えば、図9に示すように、第1の制御回路210は、制御トランジスタT6として実現することができる。制御トランジスタT6のゲートは、第1の制御回路210の第1の制御端211として第2の制御回路215に電気的に接続され(例えば、図9に示すように、制御トランジスタT6のゲートは、第1のノードP1に接続され、第2の制御回路215も、第1のノードP1に接続され)、制御トランジスタT6の第1の極は、第1の制御回路210の第1の端212として第4のノードP4に接続され、制御トランジスタT6の第2の極は、第1の制御回路210の第2の端213として発光素子LEの第1の極(例えば、アノード)に接続され、発光素子LEの第2の極(例えば、カソード)は、第3の電源電圧VSSを受けるように第3の電源端に接続される。例えば、第3の電源電圧VSSは、低電圧でもよく、例えば、第3の電源端は、接地してもよいため、第3の電源電圧VSSは、零電圧でもよい。
【0081】
例えば、図9に示すように、第2の書込み回路220は、第2の書込みトランジスタT7として実現することができる。第2の書込みトランジスタT7のゲートは、第2の走査信号SN2を受信するように第2の走査信号端に接続され、第2の書込みトランジスタT7の第1の極は、第2のデータ信号Data2を受信するように第2のデータ信号端に接続され、第2の書込みトランジスタT7の第2の極は、第1のノードP1に接続される。
【0082】
例えば、図9に示すように、電圧調節回路230は、電圧調節トランジスタT8と第2の蓄積容量C2として実現することができる。電圧調節トランジスタT8のゲートは、時間制御信号TCを受信するように時間制御信号端に接続され、電圧調節トランジスタT8の第1の極は、第1の電源電圧VGGを受信するように第1の電源端に接続され、電圧調節トランジスタT8の第2の極は、第1のノードP1に接続され、第2の蓄積容量C2の第1の端は、第1のノードP1に接続され、第2の蓄積容量C2の第2の端は、第1の電源電圧VGGを受信するように第1の電源端に接続される。例えば、図9に示す画素回路において、第1の電源電圧VGGは、制御トランジスタT6をオフさせることができ、例えば、第1の電源電圧VGGは、高電圧である。
【0083】
例えば、図9に示すように、電圧調節回路230は、時間制御抵抗R1(図5には不図示)をさらに含んでもよい。電圧調節トランジスタT8の第1の極は、時間制御抵抗R1を介して第1の電源端に接続される。例えば、時間制御抵抗R1は、第2の蓄積容量C2の充放電速度を遅くすることによって、駆動電流の発光素子LEに印加される時間を長くし、駆動電流の発光素子LEに印加される時間を制御しやすくするために用いられることができる。
【0084】
例えば、図9に示す画素回路について、第1のデータ信号端と第2のデータ信号端とは、同一のデータ信号端でもよい。例えば、当該同一のデータ信号端子は、時分割で第1のデータ信号Data1と第2のデータ信号Data2を供給することができ、例えば、データ書込みと補償段階において、第1のデータ信号Data1を供給し、タイムスイッチプリセット段階において、第2のデータ信号Data2を供給することができる。なお、本開示の実施例は、これに限定しない。
【0085】
図10図6に示す画素回路10Aの具体的な実現例の回路構成図である。図10に示すように、図9に示す画素回路に加え、当該画素回路は、第3の書込み回路240を実現するための第3の書込みトランジスタT9と第3の蓄積容量C3とをさらに含む。なお、図10に示す画素回路における他の回路構造は、図9に示す画素回路と基本的に同様であり、ここで、繰返した箇所について説明を省略する。
【0086】
例えば、図10に示すように、第3の書込みトランジスタT9のゲートは、第3の走査信号SN3を受信するように第3の走査信号端に接続され、第3の書込みトランジスタT9の第1の極は、第3のデータ信号Data3を受信するように第3のデータ信号端に接続され、第3の書込みトランジスタT9の第2の極は、電圧調節トランジスタT8のゲートに接続され、第3の蓄積容量C3の第1の端は、電圧調節トランジスタT8のゲートに接続され、第3の蓄積容量C3の第2の端は、電圧調節トランジスタT8の第1の極に接続される。例えば、発光段階において、第3の書込みトランジスタT9は、第3の走査信号SN3に応答してオンすることによって、第3のデータ信号Data3を時間制御信号TCとして電圧調節トランジスタT8の制御端に書き込むことができる。
【0087】
例えば、図10に示す画素回路について、第3のデータ信号端も、第1のデータ信号端及び/又は第2のデータ信号端と同一のデータ信号端でもよく、例えば、当該同一のデータ信号端は、時分割で第1のデータ信号Data1及び/又は第2のデータ信号Data2及び第3のデータ信号Data3を供給することができ、例えば、データ書込みと補償段階において、第1のデータ信号Data1を供給し、タイムスイッチプリセット段階において、第2のデータ信号Data2を供給し、発光段階において、第3のデータ信号Data3を供給することができる。なお、本開示の実施例は、これに限定しない。
【0088】
図11は、図7に示す画素回路10Bの具体的な実現例の回路構成図である。図11に示すように、図9に示す画素回路に加え、当該画素回路は、インバータ回路250を実現するための第1のトランジスタM1と第2のトランジスタM2とをさらに含む。なお、図11に示す画素回路における他の回路構造は、図9に示す画素回路と基本的に同様であり、ここで、繰返した箇所について説明を省略する。
【0089】
例えば、図11に示すように、第1のトランジスタM1のタイプは、第2のトランジスタM2のタイプとは異なり、例えば、第1のトランジスタM1は、P型トランジスタであるが、第2のトランジスタM2は、N型トランジスタである。他のいくつかの例において、第1のトランジスタM1は、N型トランジスタでもよいが、第2のトランジスタM2は、P型トランジスタでもよいことを理解されたい。第1のトランジスタM1のゲート及び第2のトランジスタM2のゲートが互いに接続され、インバータ回路250の入力端として第1のノードP1に接続され、第1のトランジスタM1の第2の極及び第2のトランジスタM2の第2の極が互いに接続され、インバータ回路250の出力端として制御トランジスタT6のゲート(即ち、第1の制御回路210の第1の制御端211)に接続され、第1のトランジスタM1の第1の極は、第1の電圧VHを受けるように第1の電圧端に接続され、第2のトランジスタM2の第1の極は、第2の電圧VLを受けるように第2の電圧端に接続される。例えば、第1の電圧VHは、第2の電圧VLとは異なり、例えば、第1の電圧VHがハイレベルであるが、第2の電圧VLがローレベルである。例えば、インバータ回路250の入力端がローレベルにある場合、第1のトランジスタM1がオンされ、第2のトランジスタM2がオフされることによって、インバータ回路250の出力端からハイレベルVHを出力し、インバータ回路250の入力端がハイレベルにある場合、第1のトランジスタM1がオフされ、第2のトランジスタM2がオンされることによって、インバータ回路250の出力端は、ローレベルVLを出力する。つまり、インバータ回路250は、その入力端が受信した入力信号に基づいて、入力信号と逆相の出力信号を生成することができる。
【0090】
なお、図11に示す画素回路におけるインバータ回路250の実現形態は、例示的なものであり、インバータ回路250も、他の通常の実現形態を用いることができ、本開示の実施例は、これに限定しない。
【0091】
図12は、図8に示す画素回路10Cの具体的な実現例の回路構成図である。図12に示すように、図9に示す画素回路に加え、当該画素回路は、第3の書込み回路240を実現するための第3の書込みトランジスタT9と第3の蓄積容量C3と、及びインバータ回路250を実現するための第1のトランジスタM1と第2のトランジスタM2とをさらに含む。なお、図12に示す画素回路における他の回路構造は、図9に示す画素回路と基本的に同様であり、ここで、繰返した箇所について説明を省略する。
【0092】
勿論、図12に示す画素回路を、図10に示す画素回路に加え、当該画素回路は、インバータ回路250を実現するための第1のトランジスタM1と第2のトランジスタM2とをさらに含むもの、または、図11に示す画素回路に加え、当該画素回路は、第3の書込み回路240を実現するための第3の書込みトランジスタT9と第3の蓄積容量C3とをさらに含むものに理解することもできる。例えば、図12に示す画素回路における第3の書込み回路240を実現するための第3の書込みトランジスタT9と第3の蓄積容量C3との接続形態と動作原理等について、図10に示す画素回路における関連記載を参照することができ、図12に示す画素回路におけるインバータ回路250を実現するための第1のトランジスタM1と第2のトランジスタM2との接続形態と動作原理等について、図11に示す画素回路における関連記載を参照することができ、ここで、説明を省略する。
【0093】
なお、図9図12に示す画素回路は、全て時間制御抵抗R1を含むが、本開示の実施例は、これを限定せず、即ち、図9図12に示す画素回路は、時間制御抵抗R1を含まなくてもよい。
【0094】
なお、本開示の実施例において、蓄積容量(第1の蓄積容量C1、第2の蓄積容量C2及び第3の蓄積容量C3)は、工程プロセスで作製された容量デバイスでもよく、例えば、専用の容量電極を作製することで容量デバイスを実現し、容量の各電極は、金属層や半導体層(例えば、ドープポリシリコン)などで実現でき、かつ、容量は、各デバイス間の寄生容量でもよく、トランジスタ自体と他のデバイスや線路で実現できる。容量の接続形態は、上記記載の形態に限らず、対応するノードのレベルを蓄積できれば、他の適用可能な接続形態でもよい。
【0095】
なお、本開示の実施例の説明において、第1のノードP1、第2のノードP2、第3のノードP3及び第4のノードP4は、実際に存在しなければならない部品を示すものではなく、回路図における関連する電気的に接続される合流点を示すものである。
【0096】
なお、本開示の実施例で用いられるトランジスタは、いずれも薄膜トランジスタまたは電界効果トランジスタまたはその他の同じ特性のスイッチングデバイスでもよく、本開示の実施例において、いずれも薄膜トランジスタを例に説明する。ここで用いられるトランジスタのソース、ドレインは、構造的に対称でもよいため、そのソース、ドレインは、構造的に区別されなくてもよい。本開示の実施例において、トランジスタのゲートを除く両極を区別するために、一方の極を第1の極に、他方の極を第2の極に直接記載することにする。
【0097】
なお、本開示の実施例におけるトランジスタは、主にP型トランジスタを例に説明し(インバータ回路には、P型とN型の2種のトランジスタが含まれる)、このとき、トランジスタの第1の極がソースであり、第2の極がドレインである。なお、本開示は、それを含むが、これに限定しない。例えば、本開示の実施例により提供される画素回路10における一つまたは複数のトランジスタは、N型トランジスタを用いることもでき、このとき、トランジスタの第1の極がドレインであり、第2の極がソースであり、選択されたタイプのトランジスタの各極を、本開示の実施例における対応するトランジスタの各極を参照してそれぞれ接続し、対応する電圧端に対応する高電圧または低電圧を供給させればよい。N型を用いる場合、薄膜トランジスタの活性層として酸化インジウム・ガリウム・亜鉛(Indium Gallium Zinc Oxide、IGZO)を用いることができ、薄膜トランジスタの活性層として低温ポリシリコン(Low Temperature Poly Silicon、LTPS)やアモルファスシリコン(例えば、水素化アモルファスシリコン)を採用するものより、トランジスタのサイズを効果的に小さくし、漏れ電流を防止することができる。
【0098】
なお、本開示の実施例において、いずれも発光素子LEのカソードに第3の電源電圧VSS(低電圧)が印加されることを例に説明したが、本開示の実施例は、それを含むが、これに限定しない。例えば、さらに、発光素子LEのアノードに第2の電源電圧VDD(高電圧)を印加すると、そのカソードを駆動回路に直接または間接接続してもよく、例えば、図3Bに示す2T1C画素回路を参照することができる。
【0099】
本開示の少なくとも一実施例は、上記の実施例により提供される画素回路に対応する駆動方法をさらに提供する。例えば、当該駆動方法は、第1の調節回路100が、第1のデータ信号Data1及び発光制御信号EMを受信し、発光素子300を駆動するための駆動電流の大きさを制御するようにするステップと、第2の調節回路200が第2のデータ信号Data2及び時間制御信号TCを受信し、駆動電流の発光素子300に印加される時間を制御するようにするステップと、を含む。例えば、時間制御信号TCは、発光制御信号EMが駆動電流の発生を許容する期間内に変化し、例えば、時間制御信号TCの変化は、発光素子300の発光時間の長さを制御することができる。
【0100】
例えば、いくつかの実施例において、図5図8を参照し、第2の調節回路は、第1の制御回路210と第2の制御回路215とを含む。ここで、第1の制御回路210は、第1の制御端211と、第1の端212と、第2の端213と、を含み、第2の制御回路215は、駆動電流が第1の制御回路210の第1の端212と第2の端213に流れる時間を制御するように、第2のデータ信号Data2及び時間制御信号TCを用いて第1の制御回路210の第1の制御端211のレベルを制御するように構成されている。この場合、上記の駆動方法は、発光段階を含み、発光段階において、第2の制御回路215が、第2のデータ信号Data2及び時間制御信号TCを用いて第1の制御回路210の第1の制御端211のレベルを制御するようにすることで、第1の制御回路210をオン状態からオフ状態に変化させることにより、駆動電流が第1の制御回路210の第1の端212と第2の端213に流れる時間を制御する。
【0101】
図13は、本開示の少なくとも一実施例により提供される画素回路の駆動方法の信号タイミングチャートである。以下、図13に示す信号タイミングチャートを参照して、図5に示す画素回路を具体的に図9に示す画素回路構造に実現することを例に、図5に示す画素回路の動作原理を説明する。なお、図13に示す信号タイミングチャートの電位の高低は、模式的なものに過ぎず、真の電位値や相対的な割合を表すものではない。図9に示す画素回路において、ローレベルの信号は、P型トランジスタのオン信号に対応し、ハイレベルの信号は、P型トランジスタのオフ信号に対応する。
【0102】
図14Aから図14Dは、それぞれ図9に示す画素回路を図13における4つの段階に対応する回路の概略図である。以下、図9に示す画素回路を例に、当該画素回路の動作原理について、図14Aから図14Dを参照して詳細に説明する。
【0103】
例えば、図13に示すように、本実施例により提供される駆動方法は、1フレーム画面を表示する4つの段階、それぞれ初期化段階S1と、データ書込みと補償段階S2と、タイムスイッチプリセット段階S3と、発光段階S4と、を含むことができ、図13は、各段階におけるそれぞれの制御信号(リセット信号RS、第1の走査信号SN1、第2の走査信号SN2、発光制御信号EM及び時間制御信号TC)の時系列波形を示す。
【0104】
なお、図14Aは、図9に示す画素回路が初期化段階S1にある場合の回路の概略図であり、図14Bは、図9に示す画素回路がデータ書込みと補償段階S2にある場合の回路の概略図であり、図14Cは、図9に示す画素回路がタイムスイッチプリセット段階S3にある場合の回路の概略図であり、図14Dは、図9に示す画素回路が発光段階S4にある場合の回路の概略図である。なお、図14Aから図14Dにおいて、フォーク(X)で示されるトランジスタは、いずれも対応する段階でオフ状態にあることを示し、図14Aから図14Dにおける矢印付き破線は、画素回路の対応する段階での電流経路を示す(矢印方向は、電流方向を示すものではない)。図14Aから図14Dに示すトランジスタは、いずれもP型トランジスタを例にし、即ち、各トランジスタのゲートは、ローレベルが印加されるとオンされ、ハイレベルが印加されるとオフされる。
【0105】
初期化段階S1において、リセット信号RSを入力し、リセット回路150を起動に(即ち、オン)し、リセット回路150により駆動回路110の第2の制御端111をリセットするようにリセット電圧Viniを駆動回路110の第2の制御端111に印加する。
【0106】
図13図14Aに示すように、初期化段階S1において、リセットトランジスタT5は、リセット信号RSのローレベルにオンされ、それと同時に、第1の書込みトランジスタT2と補償トランジスタT3は、第1の走査信号SN1のハイレベルにオフされ、発光制御トランジスタT4は、発光制御信号EMのハイレベルにオフされ、第2の書込みトランジスタT7は、第2の走査信号SN2のハイレベルにオフされ、電圧調節トランジスタT8は、時間制御信号TCのハイレベルにオフされ、制御トランジスタT6は、第1のノードP1のハイレベル(前のフレームの画面を表示する過程で、第2の蓄積容量C2は充放電するため、第1のノードP1のレベルをハイレベルVGGに変化させる)にオフされる。
【0107】
図14Aに示すように、初期化段階S1において、初期化経路(図14Aにおける矢印付き破線に示すように)を形成することができ、リセット電圧Viniは、ローレベルである(例えば、接地レベル又は他のローレベルでもよい)ため、第1の蓄積容量C1は、初期化経路(即ち、リセットトランジスタT5)を介して充放電し、第1の蓄積容量C1の第1の端と駆動トランジスタT1のゲート(即ち、第2のノードP2)の電位をViniに変化させることによって、上記の画素回路の表示装置を用いて画面を切り替えるごとに駆動回路110をリセットする。当該リセット操作により、短期残像などの現象の発生を抑制することができる。
【0108】
データ書込みと補償段階S2において、第1の走査信号SN1を入力し、第1の書込み回路120と補償回路130をオンにし、第1の書込み回路120と駆動回路110により第1のデータ信号を補償回路130に書き込み、補償回路130により駆動回路110を補償する。
【0109】
図13図14Bに示すように、データ書込みと補償段階S2において、第1の書込みトランジスタT2と補償トランジスタT3は、第1の走査信号SN1のローレベルにオンされ、このとき、補償トランジスタT3のオンにより、駆動トランジスタT1は、ダイオード接続形態を呈する(駆動トランジスタT1のゲートは、第2の極に接続される)と同時に、発光制御トランジスタT4は、発光制御信号EMのハイレベルにオフされ、リセットトランジスタT5は、リセット信号RSのハイレベルにオフされ、制御トランジスタT6は、第1のノードP1のハイレベルにオフされ、第2の書込みトランジスタT7は、第2の走査信号SN2のハイレベルにオフされ、電圧調節トランジスタT8は、時間制御信号TCのハイレベルにオフされる。
【0110】
図14Bに示すように、データ書込みと補償段階S2において、データ書込みと補償経路(図14Bにおける矢印付き破線に示すように)を形成することができる。第1のデータ信号Data1は、データ書込みと補償経路(即ち、第1の書込みトランジスタT2、駆動トランジスタT1及び補償トランジスタT3)を介して第1の蓄積容量C1の第1の端(即ち、第2のノードP2)を充電し、第1の蓄積容量C1の第1の端の電位をData1に変化させる。それと同時に、駆動トランジスタT1の自体の特性により、第1の蓄積容量C1の第1の端の電位がData1+Vthまで増大すると、駆動トランジスタT1は、オフされ、充電過程は、終了する。なお、Vthは、駆動トランジスタT1の閾値電圧を示し、本実施例において、駆動トランジスタT1は、P型トランジスタを例にして説明するため、ここの閾値電圧Vthは、負の値でもよい。
【0111】
データ書込みと補償段階S2を経た後で、第1の蓄積容量C1の第1の端(即ち、第2のノードP2)の電位は、Data1+Vthであり、つまり、第1のデータ信号Data1と閾値電圧Vth付きの電圧情報を第1の蓄積容量C1に記憶することによって、後続的に発光段階において、グレースケール表示データを提供し、駆動トランジスタT1自体の閾値電圧を補償するために用いられる。
【0112】
タイムスイッチプリセット段階S3において、第2の走査信号SN2を入力し、第2の書込み回路220をオンにし、第2の書込み回路220により第2のデータ信号Data2を電圧調節回路230に書き込むとともに、第1の制御回路210をオン状態に設定する。
【0113】
図13図14Cに示すように、タイムスイッチプリセット段階S3において、第2の書込みトランジスタT7が第2の走査信号SN2のローレベルにオンされると同時に、第1の書込みトランジスタT2と補償トランジスタT3が、第1の走査信号SN1のハイレベルにオフされ、発光制御トランジスタT4が発光制御信号EMのハイレベルにオフされ、リセットトランジスタT5がリセット信号RSのハイレベルにオフされ、制御トランジスタT6が第1のノードP1のハイレベルにオフされ、電圧調節トランジスタT8が時間制御信号TCのハイレベルにオフされ、駆動トランジスタT1がデータ書込みと補償段階の終了時のオフ状態に保持される。
【0114】
図14Cに示すように、タイムスイッチプリセット段階S3において、第2のデータ書込み経路(図14Cにおける矢印付き破線に示すように)を形成することができる。第2のデータ信号Data2は、第2のデータ書込み経路(即ち、第2の書込みトランジスタT7)を介して第2の蓄積容量C2の第1の端(即ち、第1のノードP1)を放電し、第2の蓄積容量C2の第1の端の電位をData2に変化させる。例えば、第2のデータ信号Data2は、制御トランジスタT6をオンさせるローレベルであることによって、発光段階が開始する前に制御トランジスタT6をオンさせることができる。
【0115】
発光段階S4において、発光制御信号EMと時間制御信号TCを入力し、発光制御回路140、駆動回路110及び電圧調節回路230をオンにし、発光制御回路140、駆動回路110及び第1の制御回路210(タイムスイッチプリセット段階S3において既にオンにされる)により発光素子300を発光させるように駆動電流を発光素子300に印加し、電圧調節回路230により第1の制御回路210をオン状態からオフ状態に設定する(発光段階S4内において、第1の制御回路210のオン状態は、期間tを維持し、オン期間tは、図13におけるt1又はt2に示すように)ことによって、駆動電流の発光素子300に印加される時間(即ち、発光素子300の発光時間)を制御する。
【0116】
図13図14Dに示すように、発光段階S4において、第1の書込みトランジスタT2と補償トランジスタT3が第1の走査信号SN1のハイレベルにオフされ、リセットトランジスタT5がリセット信号RSのハイレベルにオフされ、第2の書込みトランジスタT7が第2の走査信号SN2のハイレベルにオフされ、発光制御トランジスタT4が発光制御信号EMのローレベルにオンされると同時に、第2のノードP2の電位がData1+Vthであり、第3のノードP3の電位がVDDであるため、この段階において、駆動トランジスタT1がオン状態に保持され、なお、制御トランジスタT6は、発光段階S4が開始する前に(タイムスイッチプリセット段階S3において)既にオンされる。
【0117】
図14Dに示すように、発光段階S4において、駆動発光経路と発光時間制御経路(例えば、14Dにおける矢印付き破線に示すように、左側の破線が駆動発光経路を示し、右側の破線が発光時間制御経路を示す)を形成することができる。発光素子LEの第1の極(アノード)は、駆動発光経路を介して第2の電源電圧VDD(高電圧)が印加され、発光素子LEの第2の極(カソード)は、第3の電源電圧VSS(低電圧)が印加されることによって、発光素子LEは、駆動トランジスタT1に流れる駆動電流の作用で発光されることができる。駆動トランジスタT1の発生する駆動電流は、下記の式により得ることができ、
LE =K(Vgs-Vth)
=K[(Data1+Vth-VDD)-Vth]
=K(Data1-VDD)
上記の式において、ILEが駆動電流を示し、Vthが駆動トランジスタT1の閾値電圧を示し、Vgsが駆動トランジスタT1のゲートと第1の極(例えば、ソース)との間の電圧差を示し、Kが定数値である。上記の式からわかるように、発光素子LEに流れる駆動電流ILEは、駆動トランジスタT1の閾値電圧Vthと関係がなくなり、当該画素回路の発光のグレースケールを制御するデータ信号Data1だけと関係があり、これにより、当該画素回路に対する補償を実現でき、駆動トランジスタの工程プロセスや長時間の動作使用による閾値電圧ドリフトの問題を解決し、駆動電流ILEへの影響をなくし、表示効果を改善することができる。
【0118】
上記の駆動電流ILEは、駆動発光経路を経て発光素子LEに印加されることによって、発光素子LEは、駆動トランジスタT1に流れる駆動電流の作用で発光される。なお、在本開示の実施例により提供される画素回路において、画素回路発光のグレースケールは、駆動電流の大きさと関係があるだけではなく、さらに駆動電流の発光素子に印加される時間の長さ(即ち、発光時間の長さ)と関係がある。例えば、理論計算、シミュレーション、実験計測などの方法で画素回路の発光のグレースケールと駆動電流の大きさ及び発光時間の長さとの関係を特定することができ、さらに、当該関係に基づいて、駆動電流の大きさと発光時間の長さを同時に制御することで必要なグレースケールを表示することができる。
【0119】
発光段階S4において、第2の蓄積容量C2は、発光時間制御経路(即ち、電圧調節トランジスタT8)を介して充放電することができ、第2の蓄積容量C2の第1の端の電位がData2からVGGになるまで、当該充放電過程が終了する。第2の蓄積容量C2の充放電過程が持続的に行うにつれて、第1のノードP1のレベルは、制御トランジスタT6をオン可から制御トランジスタT6をオン不可になり、即ち、制御トランジスタT6は、オン状態から徐々にオフ状態になり、例えば、制御トランジスタT6のオン状態は、発光段階S4内において、維持し得る時間(即ち、オン時間)がtである。制御トランジスタT6のオン時間tは、第2の蓄積容量C2の充放電速度と関係があり、例えば、第2の蓄積容量C2の充放電速度が速ければ速いほど、制御トランジスタT6のオン時間tが短くなる。
【0120】
例えば、図13に示すように、画素回路が時間制御抵抗R1を含む場合、制御トランジスタT6のオン時間tがt1であり、画素回路が時間制御抵抗R1を含まない場合、制御トランジスタT6のオン時間tがt2であり、ここで、t2<t1、即ち、時間制御抵抗R1は、第2の蓄積容量C2の充放電速度を遅くすることによって、駆動電流の発光素子LEに印加される時間を延ばすことができる。
【0121】
例えば、図13に示すように、時間制御信号TCの波形を調整することによって第2の蓄積容量C2の充放電速度をさらに制御することができ、例えば、時間制御信号TCを方形波信号から徐変信号に調整することによって(変化部分は、図13における傾斜した破線に示すように)、駆動電流の発光素子LEに印加される時間を延ばすことができる。
【0122】
例えば、いくつかの実施例において、時間制御信号TCの振幅の大きさを制御することで電圧調節トランジスタT8のオン程度をさらに制御することができ、第2の蓄積容量C2の充放電速度を制御し、制御トランジスタT6のオン時間tをさらに調節する。
【0123】
なお、本開示の実施例は、制御トランジスタT6のオン時間tに対する調節方式を限定せず、即ち、上記の調節方式の1種または複数種を用いることができる。
【0124】
なお、インバータ回路250は、両端(入力端と出力端)デバイスとみなすことができ、インバータ回路250を制御する他の制御信号が不要であるため、図7に示す画素回路(例えば、具体的には、図11に示す画素回路構造と実現する)も、図13に示す各種制御信号のタイミングチャートに従って駆動することもでき、第1の電源電圧VGGと第2のデータ信号Data2の極性を対応して変更するだけでよい。例えば、図9に示す画素回路について、第1の電源電圧VGGは、制御トランジスタT6をオフさせるハイレベルであり、第2のデータ信号Data2は、制御トランジスタT6をオンさせるローレベルである一方、図11に示す画素回路について、第1の電源電圧VGGは、インバータ回路250にハイレベルを出力させる(インバータ回路250が出力するハイレベルは、制御トランジスタT6をオフさせる)ローレベルであり、第2のデータ信号Data2は、インバータ回路250にローレベルを出力させる(インバータ回路250が出力するローレベルは、制御トランジスタT6をオンさせる)ハイレベルである。なお、図11に示す画素回路の動作原理の他の点は、図9に示す画素回路の動作原理と基本的に同様であり、ここで、繰返した箇所について説明を省略する。
【0125】
図15は、本開示の少なくとも一実施例により提供される別の画素回路の駆動方法の信号タイミングチャートである。以下、図15に示す信号タイミングチャートを参照し、図6に示す画素回路を具体的に図10に示す画素回路構造に実現することを例に、図6に示す画素回路の動作原理を説明する。なお、図15に示す信号タイミングチャートの電位の高低は、模式的なものに過ぎず、真の電位値や相対的な割合を表すものではない。図10に示す画素回路において、ローレベルの信号は、P型トランジスタのオン信号に対応し、ハイレベルの信号は、P型トランジスタのオフ信号に対応する。
【0126】
図10に示す画素回路と図9に示す画素回路との異なるところは、図10における画素回路が第3の書込みトランジスタT9と第3の蓄積容量C3をさらに含むことにある。第3の書込みトランジスタT9の機能は、時間制御信号TC(発光段階S4において作用する)を供給し、第3の書込みトランジスタT9が発光段階S4のみにおいて第3の走査信号SN3にオンされることであるため、図10に示す画素回路の初期化段階S1、データ書込みと補償段階S2及びタイムスイッチプリセット段階S3での動作原理は、図9に示す画素回路の動作原理と基本的に同様であり、ここで、繰返した箇所について説明を省略する。
【0127】
図10に示す画素回路の発光段階S4での動作原理と図9に示す画素回路の発光段階S4での動作原理との主な異なるところは、図9に示す画素回路において、電圧調節トランジスタT8に時間制御信号TCを直接供給する一方、図10に示す画素回路において、第3の書込みトランジスタT9と第3の蓄積容量C3を介して電圧調節トランジスタT8に時間制御信号TCを間接供給するということにある。図10に示す画素回路の発光段階S4での動作原理の他の点は、図9に示す画素回路の発光段階S4での動作原理と基本的に同様であり、ここで、繰返した箇所について説明を省略する。
【0128】
図16は、図10に示す画素回路を図15における発光段階S4に対応する回路の概略図である。図16において、フォーク(X)で示されるトランジスタは、いずれも対応する段階でオフ状態にあることを示し、図16において、矢印付き破線は、画素回路の発光段階内での電流経路を示す(矢印方向は、電流方向を示すものではない)。図16に示すトランジスタは、いずれもP型トランジスタを例にし、即ち、各トランジスタのゲートは、ローレベルが印加されるとオンされ、ハイレベルが印加されるとオフされる。
【0129】
以下、図10に示す画素回路を例に、図16を参照し図10に示す画素回路の発光段階S4での動作原理と図9に示す画素回路の発光段階S4での動作原理との主な異なるところを詳細に説明する。
【0130】
図10に示す画素回路について、発光段階S4において、第3の走査信号SN3を入力し、第3の書込み回路240をオンにし、第3の書込み回路240を介して第3のデータ信号Data3を時間制御信号TCとして電圧調節回路230に書き込む。
【0131】
図15図16に示すように、発光段階S4において、第3の書込みトランジスタT9は、第3の走査信号SN3のローレベルにオンされることによって、第3のデータ書込み経路(図16における矢印付きの水平破線に示すように)を形成することができる。第3のデータ信号Data3は、第3のデータ書込み経路(即ち、第3の書込みトランジスタT9)を介して第3の蓄積容量C3の第1の端を充放電し、第3の蓄積容量C3の第1の端の電位をData3に変化させる。例えば、いくつかの例において、第3の蓄積容量C3に記憶される第3のデータ信号Data3を、上記の時間制御信号TCとすることができる。例えば、第3のデータ信号Data3は、電圧調節トランジスタT8をオンさせるローレベルであり、第3の蓄積容量C3に記憶される第3のデータ信号Data3は、発光段階S4内に電圧調節トランジスタT8のオン状態を維持することができる。例えば、第3のデータ信号Data3の振幅の大きさを制御することで電圧調節トランジスタT8のオン程度を制御でき、第2の蓄積容量C2の充放電速度を制御し、制御トランジスタT6のオン時間tをさらに調節する。
【0132】
なお、インバータ回路250は、両端(入力端と出力端)デバイスとみなすことができ、インバータ回路250を制御する他の制御信号が不要であるため、図8に示す画素回路(例えば、具体的には、図12に示す画素回路構造と実現する)も、図15に示す各種制御信号のタイミングチャートに従って駆動することもでき、第1の電源電圧VGGと第2のデータ信号Data2の極性を対応して変更するだけでよい。例えば、図10に示す画素回路について、第1の電源電圧VGGは、制御トランジスタT6をオフさせるハイレベルであり、第2のデータ信号Data2は、制御トランジスタT6をオンさせるローレベルである一方、図12に示す画素回路について、第1の電源電圧VGGが、インバータ回路250にハイレベルを出力させる(インバータ回路250が出力するハイレベルは、制御トランジスタT6をオフさせる)ローレベルであり、第2のデータ信号Data2が、インバータ回路250にローレベルを出力させる(インバータ回路250が出力するローレベルは、制御トランジスタT6をオンさせる)ハイレベルである。なお、図12に示す画素回路の動作原理の他の点は、図10に示す画素回路の動作原理と基本的に同様であり、ここで、繰返した箇所について説明を省略する。
【0133】
本開示の実施例により提供される画素回路の駆動方法による技術的効果について、上記の実施例における画素回路に関する対応する記載を参照し、ここで、説明を省略する。
【0134】
本開示の少なくとも一実施例は、アレイ基板をさらに提供する。当該アレイ基板は、アレイ状に配置された複数の画素ユニットを含み、各画素ユニットは、本開示の上記いずれかの実施例により提供される画素回路、例えば、図5図12のいずれかに示す画素回路を含む。例えば、各画素ユニットは、本開示の上記いずれかの実施例に係る発光素子をさらに含み、例えば、当該発光素子は、例えば、μLED、例えば、micro LEDなどのミクロンオーダー発光素子を含み、なお、本開示の実施例は、これに限定しない。
【0135】
図17Aは、本開示の少なくとも一実施例により提供されるアレイ基板の概略図である。図17Aに示すように、当該アレイ基板1Aは、アレイ状に配置された複数の画素ユニット50と、複数本の走査信号線と、複数本の発光制御信号線と、複数本の時間制御信号線と、複数本のデータ信号線と、を含む。例えば、各画素ユニット50は、図5または図7に示す画素回路を含み、即ち、当該画素回路は、第3の書込み回路240を含まない。なお、図17Aにおいて、一部の画素ユニット50、走査信号線、発光制御信号線、時間制御信号線及びデータ信号線のみを示す。例えば、G_N-1、G_N、G_N+1及びG_N+2が、それぞれアレイのN-1行目、N行目、N+1行目及びN+2行目のための走査信号線を示し、E_N-1、E_N、E_N+1及びE_N+2が、それぞれアレイのN-1行目、N行目、N+1行目及びN+2行目のための発光制御信号線を示し、T_N-1、T_N、T_N+1及びT_N+2が、それぞれアレイのN-1行目、N行目、N+1行目及びN+2行目のための時間制御信号線を示し、D1_MとD2_Mが、アレイのM列目のためのデータ信号線を示し、D1_M+1とD2_M+1が、アレイのM+1列目のためのデータ信号線を示す。ここで、Nは、例えば1より大きい整数であり、Mは、例えば0より大きい整数である。
【0136】
例えば、各行の画素回路における第1の書込み回路120と補償回路130は、第1の走査信号SN1を受信するように、ともに当行の走査信号線に接続され、各行の画素回路におけるリセット回路150は、リセット信号RSを受信するように前行の走査信号線に接続され、また、例えば、1行目の画素回路におけるリセット回路150には、リセット信号RSを供給するための1本の追加の走査信号線があってもよく、各行の画素回路における第2の書込み回路220は、第2の走査信号SN2を受信するように次行の走査信号線に接続され、例えば、最終行の画素回路における第2の書込み回路220には、第2の走査信号SN2を供給するための別の1本の追加の走査信号線があってもよく、各行の画素回路における発光制御回路140は、発光制御信号EMを受信するように、当行の発光制御信号線に接続され、各行の画素回路における電圧調節回路230は、時間制御信号TCを受信するように、当行の時間制御信号線に接続される。
【0137】
例えば、各列の画素ユニットは、2本のデータ信号線に対応し、当列の画素ユニットにおける奇数列の画素回路における第1の書込み回路120と第2の書込み回路220は、ともに対応する2本のデータ信号線のうちの一方に接続され、当列の画素ユニットにおける偶数列の画素回路における第1の書込み回路120と第2の書込み回路220は、ともに対応する2本のデータ信号線の他方に接続される(上記の第1の書込み回路120と第2の書込み回路220が同一のデータ信号端を共有する場合に対応する)ことによって、各画素回路における第1の書込み回路120と第2の書込み回路220は、同一のデータ信号線からそれぞれ第1のデータ信号Data1と第2のデータ信号Data2を受信することができる。つまり、2本のデータ信号線のそれぞれは、何れも第1のデータ信号Data1と第2のデータ信号Data2とを時分割で供給することができる。なお、本開示の実施例は、それを含むが、これに限定しない。例えば、第1の書込み回路120と第2の書込み回路220は、異なるデータ信号端を用いてもよい。例えば、いくつかの例(図17Aに示す状況と異なるもの)において、各列の画素ユニットは、2本のデータ信号線に対応し、当列の画素ユニットにおける画素回路の第1の書込み回路120は、第1のデータ信号Data1を受信するように、何れも対応する2本のデータ信号線の一方に接続され、当列の画素ユニットにおける画素回路の第2の書込み回路220は、第2のデータ信号Data2を受信するように、何れも対応する2本のデータ信号線の他方に接続される。つまり、2本のデータ信号線の一方は、第1のデータ信号Data1だけを供給し、他方は、第2のデータ信号Data2だけを供給する。
【0138】
例えば、図17Aに示すように、各列の画素ユニットに対応する2本のデータ信号線は、当列の画素ユニットの同一側に設けられてもよい、または、図17Aに示す状況とは異なり、各列の画素ユニットに対応する2本のデータ信号線は、当列の画素ユニットの異なる側に設けられてもよい。なお、本開示の実施例は、複数本のデータ信号線の具体的な設置形態及び位置を限定しない。なお、本開示の実施例は、複数本の走査信号線、複数本の発光制御信号線及び複数本の時間制御信号線の具体的な設置形態及び位置についても限定しない。
【0139】
図17Bは、本開示の少なくとも一実施例により提供される別のアレイ基板の概略図である。図17Bに示すように、当該アレイ基板1Bは、アレイ状に配置された複数の画素ユニット50と、複数本の走査信号線と、複数本の発光制御信号線と、複数本のデータ信号線と、を含む。例えば、各画素ユニット50は、図6または図8に示す画素回路を含み、即ち、当該画素回路は、第3の書込み回路240を含む。なお、図17Bにおいて、一部の画素ユニット50、走査信号線、発光制御信号線及びデータ信号線のみを示す。例えば、G_3n-2、G_3n-1、G_3n及びG_3n+1が、それぞれアレイの3n-2行目、3n-1行目、3n行目及び3n+1行目のための走査信号線を示し、E_3n-2、E_3n-1、E_3n及びE_3n+1が、それぞれアレイの3n-2行目、3n-1行目、3n行目及び3n+1行目のための発光制御信号線を示し、D1_M、D2_M及びD3_Mが、アレイのM列目のためのデータ信号線を示し、D1_M+1、D2_M+1及びD3_M+1が、アレイのM+1列目のためのデータ信号線を示す。ここで、nは、例えば0より大きい整数であり、Mが、例えば0より大きい整数である。
【0140】
例えば、各行の画素回路における第1の書込み回路120と補償回路130は、第1の走査信号SN1を受信するように、ともに当行の走査信号線に接続され、各行の画素回路におけるリセット回路150は、リセット信号RSを受信するように、前行の走査信号線に接続され、また、例えば、1行目の画素回路におけるリセット回路150には、リセット信号RSを供給するための1本の追加の走査信号線があってもよく、各行の画素回路における第2の書込み回路220は、第2の走査信号SN2を受信するように、次行の走査信号線に接続され、例えば、最終行の画素回路における第2の書込み回路220には、第2の走査信号SN2を供給するための別の1本の追加の走査信号線があってもよく、各行の画素回路における第3の書込み回路240は、第3の走査信号SN3を受信するように下2行(次行の次行)の走査信号線に接続され、また、例えば、最後から2行目の画素回路における第3の書込み回路240には、上記の別の1本の追加の走査信号線によって第3の走査信号SN3が供給され、最終行の画素回路における第3の書込み回路240には、第2の走査信号SN2を供給するように別の追加の1本の走査信号線がさらにあってよく、各行の画素回路における発光制御回路140は、発光制御信号EMを受信するように、当行の発光制御信号線に接続される。
【0141】
例えば、各列の画素ユニットは、3本のデータ信号線に対応し、当列の画素ユニットにおける3n-2列目(n=1、2、3、…)の画素回路における第1の書込み回路120、第2の書込み回路220及び第3の書込み回路240は、いずれも1本目の信号線(例えば、D1_M、D1_M+1)に接続され、当列の画素ユニットにおける3n-1列目(n=1、2、3、…)の画素回路における第1の書込み回路120、第2の書込み回路220及び第3の書込み回路240は、何れも2本目のデータ信号線(例えば、D2_M、D2_M+1)に接続され、当列の画素ユニットにおける3n列目(n=1、2、3、…)の画素回路における第1の書込み回路120、第2の書込み回路220及び第3の書込み回路240は、いずれも3本目の信号線(例えば、D3_M、D3_M+1)に接続される(上記の第1の書込み回路120と第2の書込み回路220と第3の書込み回路240が同一のデータ信号端を共有する場合に対応する)ことによって、各画素回路における第1の書込み回路120、第2の書込み回路220及び第3の書込み回路240は、同一のデータ信号線からそれぞれ第1のデータ信号Data1、第2のデータ信号Data2及び第3のデータ信号Data3を受信することができる。つまり、3本のデータ信号線のそれぞれは、第1のデータ信号Data1、第2のデータ信号Data2及び第3のデータ信号Data3を時分割で供給することができる。なお、本開示の実施例は、それを含むが、これに限定しない。例えば、第1の書込み回路120、第2の書込み回路220及び第3の書込み回路240は、異なるデータ信号端を用いてもよい。例えば、いくつかの例(図17Bに示す状況と異なるもの)において、各列の画素ユニットは、3本のデータ信号線に対応し、当列の画素ユニットにおける画素回路の第1の書込み回路120は、第1のデータ信号Data1を受信するように、何れも1本目データ信号線(例えば、D1_M、D1_M+1)に接続され、当列の画素ユニットにおける画素回路の第2の書込み回路220は、第2のデータ信号Data2を受信するように、何れも2本目のデータ信号線(例えば、D2_M、D2_M+1)に接続され、当列の画素ユニットにおける画素回路の第3の書込み回路224は、第3のデータ信号Data3を受信するように、何れも3本目のデータ信号線(例えば、D3_M、D3_M+1)に接続される。つまり、3本のデータ信号線の1本目が第1のデータ信号Data1だけを供給し、2本目が第2のデータ信号Data2だけを供給し、3本目が第3のデータ信号Data3だけを供給する。
【0142】
なお、図17A図17Bに示すアレイ基板における配線は例示的であり、本開示の実施例は、これに限定しない。例えば、図17Aまたは図17Bに示すアレイ基板における配線方式を用いることで、開発レイアウトを簡単にすることができ、大サイズ、高フレームレートの表示アプリケーションにも適用することができる。
【0143】
本開示の少なくとも一実施例により提供されるアレイ基板の技術的効果は、上記の実施例における画素回路に関する対応する記載を参照することができ、ここで、説明を省略する。
【0144】
本開示の少なくとも一実施例は、表示装置をさらに提供する。図18は、本開示の少なくとも一実施例により提供される表示装置の概略図である。図18に示すように、当該表示装置は、それぞれが本開示の上記いずれかの実施例により提供される画素回路10(例えば、上記の画素回路10、10A、10B、10C)を含むアレイ状に配列される複数の画素ユニットを含む、本開示の上記のいずれかの実施例により提供されるアレイ基板1(例えば、上記のアレイ基板1Aまたは1B)を含むことができる。当該表示装置は、走査駆動回路20とデータ駆動回路30とをさらに含むことができる。
【0145】
例えば、走査駆動回路20は、リセット信号RSと走査信号(例えば、第1の走査信号SN1、第2の走査信号SN2、第3の走査信号SN3)を供給するように複数本の走査信号線GL(例えば、図17Aに示すアレイ基板1AにおけるG_N-1、G_N、G_N+1及びG_N+2等、又は、図17Bに示すアレイ基板1BにおけるG_3n-2、G_3n-1、G_3n及びG_3n+1等)に接続されることができると同時に、走査駆動回路20は、発光制御信号EMを供給するように複数本の発光制御信号線EL(例えば、図17Aに示すアレイ基板1AにおけるE_N-1、E_N、E_N+1及びE_N+2等、又は図17Bに示すアレイ基板1BにおけるE_3n-2、E_3n-1、E_3n及びE_3n+1等)に接続されることができる。なお、リセット信号RS、第1の走査信号SN1、第2の走査信号SN2、第3の走査信号SN3は、いずれも相対的なものであり、例えば、ある行の画素回路の第1の走査信号SN1は、次行の画素回路のリセット信号RSでもよいし、前行の画素回路の第2の走査信号SN2でもよいし、さらに前2行(即ち、前行の前行)の画素回路の第3の走査信号SN2でもよい。例えば、いくつかの例では(例えば、アレイ基板1は、図17Aに示すアレイ基板1Aである)、走査駆動回路20は、時間制御信号TCを供給するように複数本の時間制御信号線(例えば、図17Aに示すアレイ基板1AにおけるT_N-1、T_N、T_N+1、及びT_N+2等、図18には不図示)にさらに接続されることができる。例えば、走査駆動回路は、バインディングされた集積回路ドライバチップによって実現されてもよいし、走査駆動回路をアレイ基板に直接集積してGOA(Gate driver On Array)を構成してもよい。
【0146】
例えば、データ駆動回路30は、データ信号(例えば、第1のデータ信号Data1、第2のデータ信号Data2、第3のデータ信号Data3)を供給するように複数本のデータ信号線DL(例えば、図17Aに示すアレイ基板1AにおけるD1_M、D2_M、D1_M+1及びD2_M+1等、又は、図17Bに示すアレイ基板1BにおけるD1_M、D2_M、D3_M、 D1_M+1、D2_M+1及びD3_M+1等)に接続されることができる。例えば、データ駆動回路30は、バインディングされた集積回路ドライバチップによって実現されてもよい。
【0147】
例えば、当該表示装置は、例えば、タイミングコントローラ、信号復号回路、電圧変換回路等の他の部材を含むこともでき、これらの部材は、例えば、通常の部材や構造を用いることができ、ここで、説明を省略する。
【0148】
例えば、上記の画素回路の駆動方法(図13または図15に示すタイミングチャートを参照)と、対応するアレイ基板の配線方式を組み合わせることで、当該表示装置に対する行ごとの走査過程を実現することができ、各行の画素回路の各段階は、図13または図15に示す実施例における対応する記載を参照することができる。なお、行ごとの走査過程において、例えば、走査信号と発光制御信号などの制御信号は、何れもタイミング信号に従って行ごとに印加される。
【0149】
例えば、本実施例における表示装置は、表示パネル、ディスプレイ、テレビ、電子ペーパー表示装置、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーション等の任意の表示機能を持つ製品や部材でもよい。なお、当該表示装置は、他の通常の部材又は構造をさらに含むことができ、例えば、表示装置の必要な機能を実現するために、当業者であれば、具体的な適用場面に応じて他の通常の部材又は構造を設けることができ、本開示の実施例は、これに限定しない。
【0150】
本開示の少なくとも一実施例により提供される表示装置の技術的効果は、上記の実施例における画素回路に関する対応する記載を参照することができ、ここで、説明を省略する。
【0151】
本開示について、下記の点をさらに説明する必要がある。
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例の関する構造のみに関し、他の構造について通常の設計を参照することができる。
(2)コンフリクトがない場合、本開示の実施例および実施例における特徴を互いに組合せて新しい実施例を得ることができる。
【0152】
上記は、本開示の例示的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲を限定するためのものではなく、本開示に開示された技術的範囲内で、当業者が変更または置換を容易に想到することができるものは、本開示の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本開示の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図15
図16
図17A
図17B
図18
【国際調査報告】