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特表2022-551783空気成形法に基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための方法
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  • 特表-空気成形法に基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための方法 図1
  • 特表-空気成形法に基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】空気成形法に基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/38 20060101AFI20221207BHJP
   B81C 1/00 20060101ALI20221207BHJP
   B81B 1/00 20060101ALI20221207BHJP
   B23K 26/361 20140101ALI20221207BHJP
   B29C 59/02 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
B29C33/38
B81C1/00
B81B1/00
B23K26/361
B29C59/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574350
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(85)【翻訳文提出日】2021-12-14
(86)【国際出願番号】 CN2021090483
(87)【国際公開番号】W WO2022068191
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】202011048792.1
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517405840
【氏名又は名称】江▲蘇▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 健
(72)【発明者】
【氏名】曽 繁林
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲ラー▼梅
(72)【発明者】
【氏名】傅 ▲饒▼
(72)【発明者】
【氏名】劉 港
(72)【発明者】
【氏名】羅 杰
【テーマコード(参考)】
3C081
4E168
4F202
4F209
【Fターム(参考)】
3C081AA17
3C081BA05
3C081BA21
3C081BA72
3C081CA13
3C081CA17
3C081CA19
3C081CA23
3C081CA31
3C081CA35
3C081CA37
3C081CA40
3C081DA10
3C081DA43
3C081DA46
3C081EA45
4E168AD03
4E168DA32
4E168JA03
4F202AA33
4F202AC05
4F202AF01
4F202AH33
4F202AH73
4F202AM28
4F202AR13
4F202CA19
4F202CA30
4F202CB01
4F202CD18
4F202CD23
4F202CD30
4F202CK12
4F202CN01
4F209AA33
4F209AF01
4F209AG05
4F209AM28
4F209AP02
4F209PA02
4F209PB01
4F209PC05
4F209PG05
4F209PJ06
4F209PN09
4F209PQ11
(57)【要約】
【課題】本発明は、空気成形法に基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための方法を開示し、機能表面を作製する技術分野に関する。
【解決手段】まず、微細キャビティアレイを有する表面を作製する。次に、補助微細キャビティの重合体鋳型を作製し、補助微細キャビティの重合体鋳型にプラズマ処理する。プラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型の上に、成形される液体重合体膜の層を均一に広げる。微細キャビティアレイ表面のブランク位置に、クリアランス球を置く。液体重合体膜が広げられた補助微細キャビティの重合体鋳型を微細キャビティアレイ表面上のクリアランス球の上に置き、そのまま真空乾燥オープンに送り入れる。さらに、重合体材料を加熱して硬化させ、表面を分離することにより、滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製する。
本発明は、空気成形法により成形することにより、補助微細キャビティの重合体鋳型上の十分に滑らかではない構造が成形された重合体に完全に充填され、微細キャビティの表面品質を効果的に高めることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:
(1)細孔アレイを有する表面を作製し、次に、補助微細構造の重合体鋳型を作製し、補助微細構造の重合体鋳型にプラズマ処理すること、
(2)プラズマ処理後の補助微細構造の重合体鋳型の上に、成形される液体重合体膜の層を均一に広げ、細孔アレイ表面のブランク位置に、クリアランス球を置くこと、
(3)液体重合体膜が広げられた補助微細構造の重合体鋳型を細孔アレイ表面上のクリアランス球の上に置き、そのまま真空乾燥オープンに送り入れること、
(4)真空乾燥オープンの圧力を設計した圧力値に従って設定し、さらに、重合体材料を加熱して硬化させ、表面を分離することにより、滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製すること
が含まれることを特徴とする、補助微細構造の鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製するための空気成形法である。
【請求項2】
工程(1)において、まずレーザー直接描画法などの従来の微加工方法により細孔アレイを有する表面を作製でき、用いられるレーザーのスポット径は5μm~100μmであり、走査中のレーザースポットのオーバーラップ率は30%~90%であり、処理される細孔領域は面走査にかけられ、走査回数が5回~20回で、作製された細孔の深さは細孔の幅よりも多く、作製された細孔は閉鎖型で、その開口部の形状は異形でもよく長方形でもよいことを特徴とする、請求項1に記載の補助微細構造の鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項3】
工程(1)において、補助微細構造の重合体鋳型を作製し、補助微細構造の重合体鋳型にプラズマ処理することには、まずマイクロインプリント方法またはダイヤモンド研磨工具切削方法により傾斜した底部を有する貫通溝アレイを作製し、作製した傾斜した底面を有する貫通溝アレイをレプリカ成形法でコピーし、さらにコピーした貫通溝アレイの表面をプラズマ処理装置でプラズマ処理することにより、表面エネルギーを向上させ、プラズマは13.56MHzの高周波プラズマであり、プラズマ出力は100W~600Wであり、処理時間は10s~600sであることを特徴とする、請求項1に記載の補助微細構造の鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項4】
工程(2)において、プラズマ処理後の補助微細構造の重合体鋳型に、成形される液体重合体膜の層を均一に広げることには、処理後の補助微細構造の重合体鋳型上に液体重合体材料PDMS(ポリジメチルシロキサン)を滴下し、重合体を所望の厚さに広げ、重合体材料を広げることにより得られた重合体膜の厚さは、スピンコーターによって制御でき、スピンコーターの回転数は200rpm~4000rpmに設定され、スピンコートの時間は10s~60sに設定され、重合体膜の厚さは1μm~100μmであり、重合体材料の広がり面積は細孔アレイ表面を完全に覆うようになることを特徴とする、請求項1に記載の補助微細構造の鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項5】
工程(2)において、細孔アレイ表面のブランク位置にクリアランス球を配置することには、直径が重合体膜の厚さと同じであるクリアランス球を用意し、細孔アレイ表面縁部に近づく3つのブランク位置にクリアランス球を配置し、各位置にクリアランス球を5個~100個配置し、クリアランス球を配置するための3つの位置を分散して配置し、3つの位置の間に線を接続することにより鋭角三角形を形成することを特徴とする、請求項1に記載の補助微細構造の鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項6】
工程(3)において、液体重合体膜が広げられた補助微細構造の重合体鋳型を細孔アレイ表面上のクリアランス球の上に置き、そのまま真空乾燥オープンに送り入れることには、液体重合体と細孔アレイ表面とを接触させるように液体重合体膜が広げられた補助微細構造の重合体鋳型を細孔アレイ表面上のクリアランス球の上に置くとともに、補助微細構造の重合体鋳型と細孔アレイ表面とのアライメント状況を顕微鏡でリアルタイムに観察し、補助微細構造の重合体鋳型を調整することにより鋳型上の微細構造を細孔アレイ表面上の孔にアライメントし、最終的に細孔内の気体の液体シールを実現し、液体重合体膜の流動を制限するために、後継の処理プロセスで細孔アレイ表面を水平に保ち、そのような液体重合体膜と細孔アレイ表面との間の十分な接触及び水平状態を維持し、処理するために真空乾燥オープンに送り入れることを特徴とする、請求項1に記載の補助微細構造の鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項7】
工程(3)において、真空乾燥オープンの圧力を設計した圧力値に従って設定し、さらに、重合体材料を加熱して硬化させ、表面を分離することにより、滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製することでは、細孔の深さh、重合体膜の厚さhに応じて、真空乾燥オープンの圧力Pの範囲がh/(h+h)-4σ/h<P<P-hP/(h+2h/3)であることを算出し、ここでPは大気圧力であり、σは成形材料の表面張力であり、真空乾燥オープンを算出した圧力値Pに真空化し、温度を60℃に調節して2時間保温することによって成形した重合体膜を硬化させ、硬化プロセスが終了した後で放冷し、作製した補助微細構造の重合体鋳型に付着している滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を細孔鋳型から分離することを特徴とする、請求項1に記載の補助微細構造の鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製するための空気成形法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能表面を作製する技術分野に関し、特に滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製するための空気模成形法を指し、その方法が重合体の滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製するのに適しており、とりわけ簡単な条件で滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製するのに適する。
【背景技術】
【0002】
滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面は、表面微細構造の底部に滑らかな傾斜底面が現れる微細構造の表面を指し、そのような表面は、構造摩擦対として使用でき、液滴の配向運動を導くためにも使用でき、潜在的な適用価値を有し、近年広く注目されている。
【0003】
滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面は、一般的に微細構造底部の表面品質を確保する必要があるが、該微細構造はマイクロメートルスケールであるため、機械的処理方法や化学的エッチング法では実現が困難である。傾斜底面の微細構造の作製を実現するために、ダイヤモンド研磨工具切削方法が一般的であるが、その方法は微細構造の開口形状を制御することが難しく、切削の表面品質を保証することも難しい。空気成形法(ZL200910024713.0)は、ガス圧力を調整することによって微細構造形状を制御する重合体材料成形法であり、マイクロナノレンズの作製に使用でき、その方法における微細構造形状の形成は、柔軟性に優れている。分析の結果、空気成形法では、気泡が成長して固形の壁に接触した時に、ある程度の適合性が見られ、形成された形状は微細構造の初期形状を制御できる気泡の特性を有しており、気泡の成長を制限する壁の特性を有し、重合体の成形は、壁を滑らかに制限する役割を果たす。この考えの下で、制限壁を傾斜表面として設定すれば、この時点で滑らかな傾斜底面の微細構造の作製を実現できる。
【0004】
要するに、空気成形法は、傾斜構造を有する鋳型と組み合わせて、滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を達成することが期待され得る。滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面の作製を実現するために、本発明は、空気成形法に基づく滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製するための方法を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、補助微細構造の重合体鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面に用いられる空気成形法を提供することにあり、簡単な条件で重合体材料の滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を制御可能で作製することを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の技術スキームに従って実現される。
【0007】
補助微細構造の鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製するための空気成形法は、以下の工程に従って行われる。
(1)細孔アレイを有する表面を作製し、次に、補助微細構造の重合体鋳型を作製し、補助微細構造の重合体鋳型にプラズマ処理する。
(2)プラズマ処理後の補助微細構造の重合体鋳型の上に、成形される液体重合体膜の層を均一に広げ、細孔アレイ表面のブランク位置に、クリアランス球を置く。
(3)液体重合体膜が広げられた補助微細構造の重合体鋳型を細孔アレイ表面上のクリアランス球の上に置き、そのまま真空乾燥オープンに送り入れる。
(4)真空乾燥オープンの圧力を設計した圧力値に従って設定し、さらに、重合体材料を加熱して硬化させ、表面を分離することにより、滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製する。
【0008】
前記した方法の工程(1)において、まずレーザー直接描画法などの従来の微加工方法により細孔アレイを有する表面を作製でき、用いられるレーザーのスポット径は5μm~100μmであり、走査中のレーザースポットのオーバーラップ率は30%~90%であり、処理される細孔領域は面走査にかけられ、走査回数が5回~20回であり、作製された細孔の深さは細孔の幅よりも多く、作製された細孔は閉鎖型であり、その開口部の形状は異形でもよく長方形でもよい。
【0009】
前記した方法の工程(1)において、補助微細構造の重合体鋳型を作製し、補助微細構造の重合体鋳型にプラズマ処理することには、まずマイクロインプリント方法またはダイヤモンド研磨工具切削方法により傾斜した底部を有する貫通溝アレイを作製し、作製した傾斜した底面を有する貫通溝アレイをレプリカ成形法でコピーし、さらにコピーした貫通溝アレイの表面をプラズマ処理装置でプラズマ処理することにより、表面エネルギーを向上させ、プラズマは13.56MHzの高周波プラズマ、プラズマ出力は100W~600Wであり、処理時間は10s~600sである。
【0010】
前記した方法の工程(2)において、プラズマ処理後の補助微細構造の重合体鋳型に、成形される液体重合体膜の層を均一に広げることには、処理後の補助微細構造の重合体鋳型上に液体重合体材料PDMS(ポリジメチルシロキサン)を滴下し、重合体を所望の厚さに広げ、重合体材料を広げることにより得られた重合体膜の厚さは、スピンコーターによって制御でき、スピンコーターの回転数は200rpm~4000rpmに設定され、スピンコートの時間は10s~60sに設定され、重合体膜の厚さは1μm~100μmであり、重合体材料の広がり面積は細孔アレイ表面を完全に覆うようになる。
【0011】
前記した方法の工程(2)において、細孔アレイ表面のブランク位置にクリアランス球を配置することには、直径が重合体膜の厚さと同じであるクリアランス球を用意し、細孔アレイ表面縁部に近づく3つのブランク位置にクリアランス球を配置し、各位置にクリアランス球を5個~100個配置し、クリアランス球を配置するための3つの位置を分散して配置し、3つの位置の間に線を接続することにより鋭角三角形を形成する。
【0012】
前記した方法の工程(3)において、液体重合体膜が広げられた補助微細構造の重合体鋳型を細孔アレイ表面上のクリアランス球の上に置き、そのまま真空乾燥オープンに送られることには、液体重合体と細孔アレイ表面とを接触させるように液体重合体膜が広げられた補助微細構造の重合体鋳型を細孔アレイ表面上のクリアランス球の上に置くとともに、補助微細構造の重合体鋳型と細孔アレイ表面とのアライメント状況を顕微鏡でリアルタイムに観察し、補助微細構造の重合体鋳型を調整することにより鋳型上の微細構造を細孔アレイ表面上の孔にアライメントし、最終的に細孔内の気体の液体シールを実現し、液体重合体膜の流動を制限するために、後継の処理プロセスで細孔アレイ表面を水平に保ち、そのような液体重合体膜と細孔アレイ表面との間の十分な接触及び水平状態を維持し、処理するために真空乾燥オープンに入れる。
【0013】
前記した方法の工程(3)において、真空乾燥オープンの圧力を設計した圧力値に従って設定し、さらに、重合体材料を加熱して硬化させ、表面を分離することにより、滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製することには、細孔の深さh、重合体膜の厚さhに応じて、真空乾燥オープンの圧力Pの範囲はh/(h+h)-4σ/h<P<P-hP/(h+2h/3)であることを算出し、ここで、Pは大気圧力であり、σは成形材料の表面張力であり、真空乾燥オープンを算出した圧力値Pに真空化し、温度を60℃に調節して2時間保温することによって成形した重合体膜を硬化させ、硬化プロセスが終了した後で放冷し、作製した補助微細構造の重合体鋳型に付着している滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を細孔鋳型から分離する。
【発明の効果】
【0014】
本発明には、以下の技術的利点がある。
【0015】
液体重合体の前広がりは、補助微細構造の鋳型により実現され、作製した表面は、補助微細構造の重合体鋳型の底部形状特性及び空気成形法の細孔鋳型の開口形状特性を有する。
【0016】
補助微細構造の重合体鋳型上の十分に滑らかではない構造は、空気成形法により成形することにより成形された重合体に完全に充填され、微細構造の表面品質を効果的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】空気成形法に基づく滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製するための方法の実施を示すフローチャートである。
図2】クリアランス球の細孔表面への配置を示すものである。
図3】鋳型及び最終的に作製したサンプルの構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明によって提出される具体的なプロセスの実施の詳細及び作業状況は、図1から図3を参照して以下に説明される。
【0019】
補助微細構造の重合体鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を作製するための空気成形法は、図1に示すように、主に以下の5つの工程:細孔アレイ表面を作製すること、補助微細構造の重合体鋳型を作製し、微細構造の重合体鋳型にプラズマ処理することで表面エネルギーを向上させること、補助微細構造の重合体鋳型上に液体の成形重合体を前広がること、広げられている液体の成形重合体を細孔アレイの表面と接触させて液体シールを形成すること、及び成形重合体を真空化して成形し、硬化、分離して、空気成形法による微細構造の作製を実現することが含まれる。
【0020】
まず、細孔アレイ表面1は、ある方法で作製され、該表面の作製方法は、レーザー直接描画法やフォトエッチング加工方法などの従来の微加工方法を使用でき、作製された細孔の深さは細孔の幅よりも多い。レーザー直接描画を使用する場合は、レーザービームは滑らかな表面に直接適用され、滑らかな表面の局所領域の材料を除去し、材料去除プロセスを複数回繰り返し、レーザービームを制御して特定の路径に沿って走査することにより特定の孔を得ることができる。フォトエッチング加工方法を使用する場合は、まずマスクプレートをカスタマイズし、特定の滑らかな基材にフォトレジストをコーティングし、さらにフォトエッチング露光システムを介してマスクプレートのパターンをフォトレジストに投影することにより、フォトレジストが性能を変化させ、後継の現像、ハード焼成、腐食、レジスト除去などのプロセスにより細孔アレイ表面を得る。
【0021】
次に、補助微細構造の重合体鋳型3を作製し、補助微細構造の重合体鋳型3には鋳型の溝4があり、微細構造の鋳型にプラズマ処理を行って表面エネルギーを向上させ、プラズマ処理後の補助微細構造の重合体鋳型5を得る。補助微細構造の重合体鋳型を作製するプロセスは、まずマイクロインプリント方法またはダイヤモンド研磨工具切削方法により傾斜した底部を有する貫通溝アレイを作製し、作製された傾斜した底部を有する貫通溝アレイをレプリカ成形法でコピーする。
【0022】
第3の工程は、プラズマ処理後の補助微細構造の重合体鋳型5の上に成形重合体液6を予めに広げる。プラズマ処理後の補助微細構造の重合体鋳型5に厚さが1μm~100μmである成形重合体液6の層をスピンコーターでコーティングし、一般的な液体の形態の重合体の場合、プラズマ処理後の補助微細構造の重合体鋳型5の上に微量の成形重合体液6(体積は、1μL<V<100μL)を注ぎ、液体の重合体膜をスピンコーターで所望の厚さに広げる(1μm~100μm)。
【0023】
第4の工程は、広げられた成形重合体液6を細孔アレイ表面1と接触させて液体シールを形成する。成形重合体液6の厚さに等しい直径のクリアランス球10を用意し、細孔アレイ表面1の縁部に近づく3つのブランク位置にクリアランス球10を配置し、図2に示すように、各位置にクリアランス球を5個~100個配置し、クリアランス球10を配置するための3つの位置を分散して配置し、3つの位置の間に線を接続することによりクリアランス球の間に形成された鋭角三角形11を形成する。次に、広げられた成形重合体液6のプラズマ処理後の補助微細構造の重合体鋳型5をクリアランス球上に置き、広げられた成形重合体液6を細孔アレイ表面1と接触させ、そのとき、液体の成形重合体が表面張力とガス圧力の作用下で特定の形状を形成し、すなわち、プラズマ処理後の補助微細構造の重合体鋳型5と細孔アレイ表面1との間に成形重合体液7が形成される。さらに、補助微細構造の重合体鋳型と細孔アレイ表面とのアライメント状況を顕微鏡でリアルタイムに観察し、補助微細構造の重合体鋳型を調整することにより、鋳型上の鋳型の溝4を細孔アレイ表面上の細孔2とアライメントし、細孔内部の残留ガスが重合体によって密封される。
【0024】
第5の工程は、成形重合体を真空化して成形し、硬化、分離処理し、空気成形法による微細構造の作製を実現する。前工程の細孔アレイ表面1を水平に保ち、補助微細構造の重合体鋳型と細孔アレイ表面との間の成形重合体液7及びプラズマ処理後の補助微細構造の重合体鋳型5と共に真空乾燥オープンに送り入れる、細孔2の深さh、成形重合体液6の厚さhに応じて、真空乾燥オープンの圧力Pの範囲がh/(h+h)-4σ/h<P<P-hP/(h+2h/3)であることを算出し、ここで、Pは大気圧力であり、σは成形重合体の表面張力であり、真空乾燥オープンを算出した圧力値Pに真空化し、成形重合体液を真空化処理後の成形重合体液8に変換させる。温度を60℃に調整して2時間保温することによって補助微細構造の重合体鋳型と細孔アレイ表面との間の成形重合体液7を硬化させ、硬化プロセスが終了した後で放冷し、作製した補助微細構造の重合体鋳型に付着している滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面9を細孔アレイ表面1から分離し、その表面には滑らかな傾斜底面の微細構造12アレイがある。図3に示すように、滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面9の滑らかな傾斜底面の微細構造12(C-C断面)は、細孔アレイ表面の細孔の開口特性(A-A断面)及び補助微細構造の鋳型の底部構造特性(B-B断面)の両方を有する。
【0025】
実施例1(成形重合体液6はポリジメチルシロキサンPDMSが使用され、補助微細構造の重合体鋳型3はPDMS鋳型が使用され、細孔アレイ表面は微細構造1060のアルミニウム板表面が使用され、クリアランス球は直径が20μmであるPSビーズが使用される)
【0026】
レーザー直接描画加工法により、一般的な細孔アレイ表面1を作製し、ここで、基材表面は1060アルミニウム板が使用され、使用したレーザーのスポット径は20μmであり、走査中のレーザースポットのオーバーラップ率は50%であり、すなわち、2つの連続するスポットの間の距離は10μmであり、処理される細孔領域は面走査にかけられ、走査回数が10回で、加工後の細孔が長方形孔で、幅が50μmで、深さが100μmで、孔の長さが100μmで、周期が150μmである。幅が100μmで、最も深い深さが20μmで、周期が150μmである傾斜底面を貫通する溝アレイを1060アルミニウム板上にダイヤモンド研磨工具で作製し、前述した傾斜底面を貫通する溝アレイをレプリカ成形法でポリジメチルシロキサンPDMS(米国ダウコーニング社から購入、商品名Sylgard184A)の傾斜底面を貫通する溝アレイ鋳型にコピーし、作製したPDMSの傾斜底面を貫通する溝アレイ鋳型をプラズマ雰囲気に置き、プラズマ処理を実現し、プラズマは13.56MHzの高周波プラズマであり、プラズマ出力は200Wであり、処理時間は20sであり、処理後のPDMS鋳型の非構造面を平らなシリコンウェーハに取り付けて、鋳型の剛性を向上させる。次に、PDMS鋳型に成形重合体PDMSを50μL滴下し、スピンコーターによりシリコンウェーハの回転数を1000rpmにすることで、液体PDMSフィルムでコーティングされた補助微細構造PDMS鋳型を得ることができる。作製された細孔1060アルミニウム板を水平に置き、細孔1060アルミニウム板縁部の3つのブランク位置のそれぞれに直径20μmのPSビーズを10個置き、液体PDMSフィルムが広げられたPDMS補助微細構造の鋳型をクリアランス球上に置き、細孔内部の残留ガスをPDMSフィルムで密封させる。微細溝の1060アルミニウム板を水平状態のままPDMS補助微細構造の鋳型及び液体PDMSと共に真空乾燥オープン内に送り入れて、真空乾燥オープンの圧力を85000Paの真空圧力に設定し、該圧力値に従って真空化し、60℃に加熱して2時間保温した後で、放冷し、重合体膜を細孔アレイ表面上から分離しることにより、幅が50μmで、最も深い深さが20μmである滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面を得ることができる。
【符号の説明】
【0027】
1 細孔アレイ表面
2 細孔
3 補助微細構造の重合体鋳型
4 鋳型の溝
5 プラズマ処理後の補助微細構造の重合体鋳型
6 成形重合体液
7 補助微細構造の重合体鋳型と細孔アレイ表面との間の成形重合体液
8 真空化処理後の成形重合体液
9 滑らかな傾斜底面の微細構造アレイ表面
10 クリアランス球
11 クリアランス球の間に形成された鋭角三角形
12 滑らかな傾斜底面の微細構造
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能表面を作製する技術分野に関し、特に滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気模成形法を指し、その方法が重合体の滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するのに適しており、とりわけ簡単な条件で滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するのに適する。
【背景技術】
【0002】
滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面は、表面微細キャビティの底部に滑らかな傾斜底面が現れる微細キャビティの表面を指し、そのような表面は、構造摩擦対として使用でき、液滴の配向運動を導くためにも使用でき、潜在的な適用価値を有し、近年広く注目されている。
【0003】
滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面は、一般的に微細キャビティ底部の表面品質を確保する必要があるが、該微細キャビティはマイクロメートルスケールであるため、機械的処理方法や化学的エッチング法では実現が困難である。傾斜底面の微細キャビティの作製を実現するために、ダイヤモンド研磨工具切削方法が一般的であるが、その方法は微細キャビティの開口形状を制御することが難しく、切削の表面品質を保証することも難しい。空気成形法(ZL200910024713.0)は、ガス圧力を調整することによって微細キャビティ形状を制御する重合体材料成形法であり、マイクロナノレンズの作製に使用でき、その方法における微細キャビティ形状の形成は、柔軟性に優れている。分析の結果、空気成形法では、気泡が成長して固形の壁に接触した時に、ある程度の適合性が見られ、形成された形状は微細キャビティの初期形状を制御できる気泡の特性を有しており、気泡の成長を制限する壁の特性を有し、重合体の成形は、壁を滑らかに制限する役割を果たす。この考えの下で、制限壁を傾斜表面として設定すれば、この時点で滑らかな傾斜底面の微細キャビティの作製を実現できる。
【0004】
要するに、空気成形法は、傾斜構造を有する鋳型と組み合わせて、滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を達成することが期待され得る。滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面の作製を実現するために、本発明は、空気成形法に基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための方法を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、補助微細キャビティの重合体鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面に用いられる空気成形法を提供することにあり、簡単な条件で重合体材料の滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を制御可能で作製することを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の技術スキームに従って実現される。
【0007】
補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法は、以下の工程に従って行われる。
(1)微細キャビティアレイを有する表面を作製し、次に、補助微細キャビティの重合体鋳型を作製し、補助微細キャビティの重合体鋳型にプラズマ処理する。
(2)プラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型の上に、成形される液体重合体膜の層を均一に広げ、微細キャビティアレイ表面のブランク位置に、クリアランス球を置く。
(3)液体重合体膜が広げられた補助微細キャビティの重合体鋳型を微細キャビティアレイ表面上のクリアランス球の上に置き、そのまま真空乾燥オープンに送り入れる。
(4)真空乾燥オープンの圧力を設計した圧力値に従って設定し、さらに、重合体材料を加熱して硬化させ、表面を分離することにより、滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製する。
【0008】
前記した方法の工程(1)において、まずレーザー直接描画法などの従来の微加工方法により微細キャビティアレイを有する表面を作製でき、用いられるレーザーのスポット径は5μm~100μmであり、走査中のレーザースポットのオーバーラップ率は30%~90%であり、処理される微細キャビティ領域は面走査にかけられ、走査回数が5回~20回であり、作製された微細キャビティの深さは微細キャビティの幅よりも多く、作製された微細キャビティは閉鎖型であり、その開口部の形状は異形でもよく長方形でもよい。
【0009】
前記した方法の工程(1)において、補助微細キャビティの重合体鋳型を作製し、補助微細キャビティの重合体鋳型にプラズマ処理することには、まずマイクロインプリント方法またはダイヤモンド研磨工具切削方法により傾斜した底部を有する貫通溝アレイを作製し、作製した傾斜した底面を有する貫通溝アレイをレプリカ成形法でコピーし、さらにコピーした貫通溝アレイの表面をプラズマ処理装置でプラズマ処理することにより、表面エネルギーを向上させ、プラズマは13.56MHzの高周波プラズマ、プラズマ出力は100W~600Wであり、処理時間は10s~600sである。
【0010】
前記した方法の工程(2)において、プラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型に、成形される液体重合体膜の層を均一に広げることには、処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型上に液体重合体材料PDMS(ポリジメチルシロキサン)を滴下し、重合体を所望の厚さに広げ、重合体材料を広げることにより得られた重合体膜の厚さは、スピンコーターによって制御でき、スピンコーターの回転数は200rpm~4000rpmに設定され、スピンコートの時間は10s~60sに設定され、重合体膜の厚さは1μm~100μmであり、重合体材料の広がり面積は微細キャビティアレイ表面を完全に覆うようになる。
【0011】
前記した方法の工程(2)において、微細キャビティアレイ表面のブランク位置にクリアランス球を配置することには、直径が重合体膜の厚さと同じであるクリアランス球を用意し、微細キャビティアレイ表面縁部に近づく3つのブランク位置にクリアランス球を配置し、各位置にクリアランス球を5個~100個配置し、クリアランス球を配置するための3つの位置を分散して配置し、3つの位置の間に線を接続することにより鋭角三角形を形成する。
【0012】
前記した方法の工程(3)において、液体重合体膜が広げられた補助微細キャビティの重合体鋳型を微細キャビティアレイ表面上のクリアランス球の上に置き、そのまま真空乾燥オープンに送られることには、液体重合体と微細キャビティアレイ表面とを接触させるように液体重合体膜が広げられた補助微細キャビティの重合体鋳型を微細キャビティアレイ表面上のクリアランス球の上に置くとともに、補助微細キャビティの重合体鋳型と微細キャビティアレイ表面とのアライメント状況を顕微鏡でリアルタイムに観察し、補助微細キャビティの重合体鋳型を調整することにより鋳型上の微細キャビティ微細キャビティアレイ表面上の孔にアライメントし、最終的に微細キャビティ内の気体の液体シールを実現し、液体重合体膜の流動を制限するために、後継の処理プロセスで微細キャビティアレイ表面を水平に保ち、そのような液体重合体膜と微細キャビティアレイ表面との間の十分な接触及び水平状態を維持し、処理するために真空乾燥オープンに入れる。
【0013】
前記した方法の工程(3)において、真空乾燥オープンの圧力を設計した圧力値に従って設定し、さらに、重合体材料を加熱して硬化させ、表面を分離することにより、滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製することには、微細キャビティの深さh、重合体膜の厚さhに応じて、真空乾燥オープンの圧力Pの範囲はh/(h+h)-4σ/h<P<P-hP/(h+2h/3)であることを算出し、ここで、Pは大気圧力であり、σは成形材料の表面張力であり、真空乾燥オープンを算出した圧力値Pに真空化し、温度を60℃に調節して2時間保温することによって成形した重合体膜を硬化させ、硬化プロセスが終了した後で放冷し、作製した補助微細キャビティの重合体鋳型に付着している滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を微細キャビティ鋳型から分離する。
【発明の効果】
【0014】
本発明には、以下の技術的利点がある。
【0015】
液体重合体の前広がりは、補助微細キャビティの鋳型により実現され、作製した表面は、補助微細キャビティの重合体鋳型の底部形状特性及び空気成形法の微細キャビティ鋳型の開口形状特性を有する。
【0016】
補助微細キャビティの重合体鋳型上の十分に滑らかではない構造は、空気成形法により成形することにより成形された重合体に完全に充填され、微細キャビティの表面品質を効果的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】空気成形法に基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための方法の実施を示すフローチャートである。
図2】クリアランス球の微細キャビティ表面への配置を示すものである。
図3】鋳型及び最終的に作製したサンプルの構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明によって提出される具体的なプロセスの実施の詳細及び作業状況は、図1から図3を参照して以下に説明される。
【0019】
補助微細キャビティの重合体鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法は、図1に示すように、主に以下の5つの工程:微細キャビティアレイ表面を作製すること、補助微細キャビティの重合体鋳型を作製し、微細キャビティの重合体鋳型にプラズマ処理することで表面エネルギーを向上させること、補助微細キャビティの重合体鋳型上に液体の成形重合体を前広がること、広げられている液体の成形重合体を微細キャビティアレイの表面と接触させて液体シールを形成すること、及び成形重合体を真空化して成形し、硬化、分離して、空気成形法による微細キャビティの作製を実現することが含まれる。
【0020】
まず、微細キャビティアレイ表面1は、ある方法で作製され、該表面の作製方法は、レーザー直接描画法やフォトエッチング加工方法などの従来の微加工方法を使用でき、作製された微細キャビティの深さは微細キャビティの幅よりも多い。レーザー直接描画を使用する場合は、レーザービームは滑らかな表面に直接適用され、滑らかな表面の局所領域の材料を除去し、材料去除プロセスを複数回繰り返し、レーザービームを制御して特定の路径に沿って走査することにより特定の孔を得ることができる。フォトエッチング加工方法を使用する場合は、まずマスクプレートをカスタマイズし、特定の滑らかな基材にフォトレジストをコーティングし、さらにフォトエッチング露光システムを介してマスクプレートのパターンをフォトレジストに投影することにより、フォトレジストが性能を変化させ、後継の現像、ハード焼成、腐食、レジスト除去などのプロセスにより微細キャビティアレイ表面を得る。
【0021】
次に、補助微細キャビティの重合体鋳型3を作製し、補助微細キャビティの重合体鋳型3には鋳型の溝4があり、微細キャビティの鋳型にプラズマ処理を行って表面エネルギーを向上させ、プラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型5を得る。補助微細キャビティの重合体鋳型を作製するプロセスは、まずマイクロインプリント方法またはダイヤモンド研磨工具切削方法により傾斜した底部を有する貫通溝アレイを作製し、作製された傾斜した底部を有する貫通溝アレイをレプリカ成形法でコピーする。
【0022】
第3の工程は、プラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型5の上に成形重合体液6を予めに広げる。プラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型5に厚さが1μm~100μmである成形重合体液6の層をスピンコーターでコーティングし、一般的な液体の形態の重合体の場合、プラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型5の上に微量の成形重合体液6(体積は、1μL<V<100μL)を注ぎ、液体の重合体膜をスピンコーターで所望の厚さに広げる(1μm~100μm)。
【0023】
第4の工程は、広げられた成形重合体液6を微細キャビティアレイ表面1と接触させて液体シールを形成する。成形重合体液6の厚さに等しい直径のクリアランス球10を用意し、微細キャビティアレイ表面1の縁部に近づく3つのブランク位置にクリアランス球10を配置し、図2に示すように、各位置にクリアランス球を5個~100個配置し、クリアランス球10を配置するための3つの位置を分散して配置し、3つの位置の間に線を接続することによりクリアランス球の間に形成された鋭角三角形11を形成する。次に、広げられた成形重合体液6のプラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型5をクリアランス球上に置き、広げられた成形重合体液6を微細キャビティアレイ表面1と接触させ、そのとき、液体の成形重合体が表面張力とガス圧力の作用下で特定の形状を形成し、すなわち、プラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型5と微細キャビティアレイ表面1との間に成形重合体液7が形成される。さらに、補助微細キャビティの重合体鋳型と微細キャビティアレイ表面とのアライメント状況を顕微鏡でリアルタイムに観察し、補助微細キャビティの重合体鋳型を調整することにより、鋳型上の鋳型の溝4を微細キャビティアレイ表面上の微細キャビティ2とアライメントし、微細キャビティ内部の残留ガスが重合体によって密封される。
【0024】
第5の工程は、成形重合体を真空化して成形し、硬化、分離処理し、空気成形法による微細キャビティの作製を実現する。前工程の微細キャビティアレイ表面1を水平に保ち、補助微細キャビティの重合体鋳型と微細キャビティアレイ表面との間の成形重合体液7及びプラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型5と共に真空乾燥オープンに送り入れる、微細キャビティ2の深さh、成形重合体液6の厚さhに応じて、真空乾燥オープンの圧力Pの範囲がh/(h+h)-4σ/h<P<P-hP/(h+2h/3)であることを算出し、ここで、Pは大気圧力であり、σは成形重合体の表面張力であり、真空乾燥オープンを算出した圧力値Pに真空化し、成形重合体液を真空化処理後の成形重合体液8に変換させる。温度を60℃に調整して2時間保温することによって補助微細キャビティの重合体鋳型と微細キャビティアレイ表面との間の成形重合体液7を硬化させ、硬化プロセスが終了した後で放冷し、作製した補助微細キャビティの重合体鋳型に付着している滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面9を微細キャビティアレイ表面1から分離し、その表面には滑らかな傾斜底面の微細キャビティ12アレイがある。図3に示すように、滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面9の滑らかな傾斜底面の微細キャビティ12(C-C断面)は、微細キャビティアレイ表面の微細キャビティの開口特性(A-A断面)及び補助微細キャビティの鋳型の底部構造特性(B-B断面)の両方を有する。
【0025】
実施例1(成形重合体液6はポリジメチルシロキサンPDMSが使用され、補助微細キャビティの重合体鋳型3はPDMS鋳型が使用され、微細キャビティアレイ表面は微細キャビティ1060のアルミニウム板表面が使用され、クリアランス球は直径が20μmであるPSビーズが使用される)
【0026】
レーザー直接描画加工法により、一般的な微細キャビティアレイ表面1を作製し、ここで、基材表面は1060アルミニウム板が使用され、使用したレーザーのスポット径は20μmであり、走査中のレーザースポットのオーバーラップ率は50%であり、すなわち、2つの連続するスポットの間の距離は10μmであり、処理される微細キャビティ領域は面走査にかけられ、走査回数が10回で、加工後の微細キャビティが長方形孔で、幅が50μmで、深さが100μmで、孔の長さが100μmで、周期が150μmである。幅が100μmで、最も深い深さが20μmで、周期が150μmである傾斜底面を貫通する溝アレイを1060アルミニウム板上にダイヤモンド研磨工具で作製し、前述した傾斜底面を貫通する溝アレイをレプリカ成形法でポリジメチルシロキサンPDMS(米国ダウコーニング社から購入、商品名Sylgard184A)の傾斜底面を貫通する溝アレイ鋳型にコピーし、作製したPDMSの傾斜底面を貫通する溝アレイ鋳型をプラズマ雰囲気に置き、プラズマ処理を実現し、プラズマは13.56MHzの高周波プラズマであり、プラズマ出力は200Wであり、処理時間は20sであり、処理後のPDMS鋳型の非構造面を平らなシリコンウェーハに取り付けて、鋳型の剛性を向上させる。次に、PDMS鋳型に成形重合体PDMSを50μL滴下し、スピンコーターによりシリコンウェーハの回転数を1000rpmにすることで、液体PDMSフィルムでコーティングされた補助微細キャビティPDMS鋳型を得ることができる。作製された微細キャビティ1060アルミニウム板を水平に置き、微細キャビティ1060アルミニウム板縁部の3つのブランク位置のそれぞれに直径20μmのPSビーズを10個置き、液体PDMSフィルムが広げられたPDMS補助微細キャビティの鋳型をクリアランス球上に置き、微細キャビティ内部の残留ガスをPDMSフィルムで密封させる。微細溝の1060アルミニウム板を水平状態のままPDMS補助微細キャビティの鋳型及び液体PDMSと共に真空乾燥オープン内に送り入れて、真空乾燥オープンの圧力を85000Paの真空圧力に設定し、該圧力値に従って真空化し、60℃に加熱して2時間保温した後で、放冷し、重合体膜を微細キャビティアレイ表面上から分離しることにより、幅が50μmで、最も深い深さが20μmである滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を得ることができる。
【符号の説明】
【0027】
微細キャビティアレイ表面
微細キャビティ
3 補助微細キャビティの重合体鋳型
4 鋳型の溝
5 プラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型
6 成形重合体液
7 補助微細キャビティの重合体鋳型と微細キャビティアレイ表面との間の成形重合体液
8 真空化処理後の成形重合体液
9 滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面
10 クリアランス球
11 クリアランス球の間に形成された鋭角三角形
12 滑らかな傾斜底面の微細キャビティ
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:
(1)微細キャビティアレイを有する表面を作製し、次に、補助微細キャビティの重合体鋳型を作製し、補助微細キャビティの重合体鋳型にプラズマ処理すること、
(2)プラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型の上に、成形される液体重合体膜の層を均一に広げ、微細キャビティアレイ表面のブランク位置に、クリアランス球を置くこと、
(3)液体重合体膜が広げられた補助微細キャビティの重合体鋳型を微細キャビティアレイ表面上のクリアランス球の上に置き、そのまま真空乾燥オープンに送り入れること、
(4)真空乾燥オープンの圧力を設計した圧力値に従って設定し、さらに、重合体材料を加熱して硬化させ、表面を分離することにより、滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製すること
が含まれることを特徴とする、補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法である。
【請求項2】
工程(1)において、まずレーザー直接描画法などの従来の微加工方法により微細キャビティアレイを有する表面を作製でき、用いられるレーザーのスポット径は5μm~100μmであり、走査中のレーザースポットのオーバーラップ率は30%~90%であり、処理される微細キャビティ領域は面走査にかけられ、走査回数が5回~20回で、作製された微細キャビティの深さは微細キャビティの幅よりも多く、作製された微細キャビティは閉鎖型で、その開口部の形状は異形でもよく長方形でもよいことを特徴とする、請求項1に記載の補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項3】
工程(1)において、補助微細キャビティの重合体鋳型を作製し、補助微細キャビティの重合体鋳型にプラズマ処理することには、まずマイクロインプリント方法またはダイヤモンド研磨工具切削方法により傾斜した底部を有する貫通溝アレイを作製し、作製した傾斜した底面を有する貫通溝アレイをレプリカ成形法でコピーし、さらにコピーした貫通溝アレイの表面をプラズマ処理装置でプラズマ処理することにより、表面エネルギーを向上させ、プラズマは13.56MHzの高周波プラズマであり、プラズマ出力は100W~600Wであり、処理時間は10s~600sであることを特徴とする、請求項1に記載の補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項4】
工程(2)において、プラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型に、成形される液体重合体膜の層を均一に広げることには、処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型上に液体重合体材料PDMS(ポリジメチルシロキサン)を滴下し、重合体を所望の厚さに広げ、重合体材料を広げることにより得られた重合体膜の厚さは、スピンコーターによって制御でき、スピンコーターの回転数は200rpm~4000rpmに設定され、スピンコートの時間は10s~60sに設定され、重合体膜の厚さは1μm~100μmであり、重合体材料の広がり面積は微細キャビティアレイ表面を完全に覆うようになることを特徴とする、請求項1に記載の補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項5】
工程(2)において、微細キャビティアレイ表面のブランク位置にクリアランス球を配置することには、直径が重合体膜の厚さと同じであるクリアランス球を用意し、微細キャビティアレイ表面縁部に近づく3つのブランク位置にクリアランス球を配置し、各位置にクリアランス球を5個~100個配置し、クリアランス球を配置するための3つの位置を分散して配置し、3つの位置の間に線を接続することにより鋭角三角形を形成することを特徴とする、請求項1に記載の補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項6】
工程(3)において、液体重合体膜が広げられた補助微細キャビティの重合体鋳型を微細キャビティアレイ表面上のクリアランス球の上に置き、そのまま真空乾燥オープンに送り入れることには、液体重合体と微細キャビティアレイ表面とを接触させるように液体重合体膜が広げられた補助微細キャビティの重合体鋳型を微細キャビティアレイ表面上のクリアランス球の上に置くとともに、補助微細キャビティの重合体鋳型と微細キャビティアレイ表面とのアライメント状況を顕微鏡でリアルタイムに観察し、補助微細キャビティの重合体鋳型を調整することにより鋳型上の微細キャビティ微細キャビティアレイ表面上の孔にアライメントし、最終的に微細キャビティ内の気体の液体シールを実現し、液体重合体膜の流動を制限するために、後継の処理プロセスで微細キャビティアレイ表面を水平に保ち、そのような液体重合体膜と微細キャビティアレイ表面との間の十分な接触及び水平状態を維持し、処理するために真空乾燥オープンに送り入れることを特徴とする、請求項1に記載の補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項7】
工程(3)において、真空乾燥オープンの圧力を設計した圧力値に従って設定し、さらに、重合体材料を加熱して硬化させ、表面を分離することにより、滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製することでは、微細キャビティの深さh、重合体膜の厚さhに応じて、真空乾燥オープンの圧力Pの範囲がh/(h+h)-4σ/h<P<P-hP/(h+2h/3)であることを算出し、ここでPは大気圧力であり、σは成形材料の表面張力であり、真空乾燥オープンを算出した圧力値Pに真空化し、温度を60℃に調節して2時間保温することによって成形した重合体膜を硬化させ、硬化プロセスが終了した後で放冷し、作製した補助微細キャビティの重合体鋳型に付着している滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を微細キャビティ鋳型から分離することを特徴とする、請求項1に記載の補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:
(1)微細キャビティアレイを有する表面を作製し、次に、補助微細キャビティの重合体鋳型を作製し、補助微細キャビティの重合体鋳型にプラズマ処理すること、
(2)プラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型の上に、成形される液体重合体膜の層を均一に広げ、微細キャビティアレイ表面のブランク位置に、クリアランス球を置くこと、
(3)液体重合体膜が広げられた補助微細キャビティの重合体鋳型を微細キャビティアレイ表面上のクリアランス球の上に置き、そのまま真空乾燥オーンに送り入れること、
(4)真空乾燥オーンの圧力を設計した圧力値に従って設定し、さらに、重合体材料を加熱して硬化させ、表面を分離することにより、滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製することが含まれることを特徴とする、補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項2】
工程(1)において、まずレーザー直接描画法により微細キャビティアレイを有する表面を作製でき、用いられるレーザーのスポット径は5μm~100μmであり、走査中のレーザースポットのオーバーラップ率は30%~90%であり、処理される微細キャビティ領域は面走査にかけられ、走査回数が5回~20回で、作製された微細キャビティの深さは微細キャビティの幅よりも多く、作製された微細キャビティは閉鎖型で、その開口部の形状は異形でもよく長方形でもよいことを特徴とする、請求項1に記載の補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項3】
工程(1)において、補助微細キャビティの重合体鋳型を作製し、補助微細キャビティの重合体鋳型にプラズマ処理することには、まずマイクロインプリント方法またはダイヤモンド研磨工具切削方法により傾斜した底部を有する貫通溝アレイを作製し、作製した傾斜した底面を有する貫通溝アレイをレプリカ成形法でコピーし、さらにコピーした貫通溝アレイの表面をプラズマ処理装置でプラズマ処理することにより、表面エネルギーを向上させ、プラズマは13.56MHzの高周波プラズマであり、プラズマ出力は100W~600Wであり、処理時間は10s~600sであることを特徴とする、請求項1に記載の補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項4】
工程(2)において、プラズマ処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型に、成形される液体重合体膜の層を均一に広げることには、処理後の補助微細キャビティの重合体鋳型上に液体重合体材料PDMS(ポリジメチルシロキサン)を滴下し、重合体を所望の厚さに広げ、重合体材料を広げることにより得られた重合体膜の厚さは、スピンコーターによって制御でき、スピンコーターの回転数は200rpm~4000rpmに設定され、スピンコートの時間は10s~60sに設定され、重合体膜の厚さは1μm~100μmであり、重合体材料の広がり面積は微細キャビティアレイ表面を完全に覆うようになることを特徴とする、請求項1に記載の補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項5】
工程(2)において、微細キャビティアレイ表面のブランク位置にクリアランス球を配置することには、直径が重合体膜の厚さと同じであるクリアランス球を用意し微細キャビティアレイ表面縁部に近づく3つのブランク位置にクリアランス球を配置し、各位置にクリアランス球を5個~100個配置し、クリアランス球を配置するための3つの位置を分散して配置し、3つの位置の間に線を接続することにより鋭角三角形を形成することを特徴とする、請求項1に記載の補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項6】
工程(3)において、液体重合体膜が広げられた補助微細キャビティの重合体鋳型を微細キャビティアレイ表面上のクリアランス球の上に置き、そのまま真空乾燥オーンに送り入れることには、液体重合体と微細キャビティアレイ表面とを接触させるように液体重合体膜が広げられた補助微細キャビティの重合体鋳型を微細キャビティアレイ表面上のクリアランス球の上に置くとともに、補助微細キャビティの重合体鋳型と微細キャビティアレイ表面とのアライメント状況を顕微鏡でリアルタイムに観察し、補助微細キャビティの重合体鋳型を調整することにより鋳型上の微細キャビティを微細キャビティアレイ表面上の孔にアライメントし、最終的に微細キャビティ内の気体の液体シールを実現し、液体重合体膜の流動を制限するために、後継の処理プロセスで微細キャビティアレイ表面を水平に保ち、そのような液体重合体膜と微細キャビティアレイ表面との間の十分な接触及び水平状態を維持し、処理するために真空乾燥オーンに送り入れることを特徴とする、請求項1に記載の補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法。
【請求項7】
工程(3)において、真空乾燥オーンの圧力を設計した圧力値に従って設定し、さらに、重合体材料を加熱して硬化させ、表面を分離することにより、滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製することでは、微細キャビティの深さh、重合体膜の厚さh1に応じて、真空乾燥オーンの圧力Pの範囲がh1P0/(h+h1)-4σ/h1<P<P0-hP0/(h+2h1/3)であることを算出し、ここでP0は大気圧力であり、σは成形材料の表面張力であり、真空乾燥オーンを算出した圧力値Pに真空化し、温度を60℃に調節して2時間保温することによって成形した重合体膜を硬化させ、硬化プロセスが終了した後で放冷し、作製した補助微細キャビティの重合体鋳型に付着している滑らかな傾斜底面の微細構キャビティアレイ表面を微細キャビティ鋳型から分離することを特徴とする、請求項1に記載の補助微細キャビティの鋳型の前広がりに基づく滑らかな傾斜底面の微細キャビティアレイ表面を作製するための空気成形法。
【国際調査報告】