(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】フォトレジスト剥離組成物
(51)【国際特許分類】
G03F 7/42 20060101AFI20221207BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20221207BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
G03F7/42
H01L21/304 647A
H01L21/30 572B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513428
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(85)【翻訳文提出日】2022-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2019103614
(87)【国際公開番号】W WO2021035673
(87)【国際公開日】2021-03-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】チャン、シン
(72)【発明者】
【氏名】キング、ステファン ダブリュー.
【テーマコード(参考)】
2H196
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196AA26
2H196AA30
2H196LA02
2H196LA03
5F146MA02
5F157AA64
5F157BC04
5F157BC54
5F157BE12
5F157BF22
5F157BF23
5F157BF32
5F157BF54
5F157BF55
5F157BF59
5F157BF72
5F157BF73
5F157DB03
5F157DB57
(57)【要約】
有機アミンを含むフォトレジスト剥離組成物および方法が提供される。以下の式(1)を有する有機アミンを含むフォトレジスト剥離組成物。
【化1】
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(1)を有する有機アミンを含むフォトレジスト剥離組成物であって、
【化1】
式中、
Rが、水素または1~12個の炭素を有するアルキル基であり、R
1が、1~12個の炭素を有するアルキレン基であり、R
2が、1~12個の炭素を有するアルキル基である、フォトレジスト剥離組成物。
【請求項2】
Rが、1~10個の炭素を有するアルキルである、請求項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
【請求項3】
R
1が、1~10個の炭素を有するアルキレンである、請求項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
【請求項4】
R
2が、1~10個の炭素を有するアルキルである、請求項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
【請求項5】
上記式(1)を有する前記有機アミンが、1-ブトキシ-2-アミノプロパン、1-メトキシ-2-アミノプロパン、1-エトキシ-2-アミノプロパン、1-プロポキシ-2-アミノプロパン、1-イソブトキシ-2-アミノプロパン、1-n-アミルオキシ-2-アミノプロパン、1-ブトキシ-2-アミノブタン、1-メトキシ-2-アミノブタン、1-エトキシ-2-アミノブタン、1-プロポキシ-2-アミノブタン、または1-イソブトキシ-2-アミノブタンの化合物を含む、請求項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
【請求項6】
前記組成物が、水、グリコール溶媒、グリコールエーテル、アルコール、アミド、カーボネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される極性溶媒を含む、請求項1に記載のフォトレジスト剥離組成物。
【請求項7】
フォトレジストを剥離する方法であって、
(1)フォトレジストを有する基板を提供することと、
(2)フォトレジスト剥離組成物を前記基板に噴霧するか、または前記基板をフォトレジスト剥離組成物に浸漬することと、を含み、前記フォトレジスト剥離組成物が、以下の式(1)を有する有機アミンを含み、
【化2】
式中、
Rが、水素または1~12個の炭素を有するアルキル基であり、R
1が、1~12個の炭素を有するアルキレン基であり、R
2が、1~12個の炭素を有するアルキル基である、方法。
【請求項8】
前記基板が、半導体ウエハー、プリント配線板、OLEDディスプレイ、および液晶ディスプレイからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
フォトレジスト剥離組成物における有機アミンの使用であって、前記有機アミンが、以下の式(1)を有し、
【化3】
式中、
Rが、水素または1~12個の炭素を有するアルキル基であり、R
1が、1~12個の炭素を有するアルキレン基であり、R
2が、1~12個の炭素を有するアルキル基である、使用。
【請求項10】
前記使用が、相互接続金属の腐食を抑制することを含む、請求項9に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フォトレジスト剥離組成物、具体的には、電子製造用途のためのフォトレジスト剥離組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
有機アミンは、ディスプレイでRGB色素を調製するためのフォトレジスト剥離組成物、半導体製造におけるリソグラフィープロセスのためのフォトレジスト剥離組成物、半導体およびディスプレイパネルの製作における配線材料および電極材料のドライまたはウェットエッチング後のフォトレジスト、損傷したフォトレジスト層、および側壁保護蒸着膜などを除去するためのフォトレジスト剥離組成物などの、電子加工のためのフォトレジスト剥離および洗浄組成物に広く使用されている。有機アミンは、多くの極性ポリマー、モノマー、および化合物を溶解し得る。しかしながら、有機アミンの強い塩基性は、銅およびアルミニウムなどの金属の腐食を引き起こし、それによって、有機アミンを含むフォトレジスト剥離および洗浄組成物によって処理される配線板、半導体マイクロチップ、およびディスプレイピクセルなどのデバイスの欠陥を引き起こす可能性がある。
【0003】
フォトレジストを剥離または洗浄するための従来のプロセスは、フォトレジストを有する基板をフォトレジスト剥離および洗浄組成物に浸漬することである。近年、生産効率を高め、かつフォトレジスト剥離および洗浄組成物の使用量を減少させるために、半導体およびディスプレイの両方に噴霧剥離プロセスが使用され、大型半導体ウエハーおよびと大画面ディスプレイなどの大型デバイスの処理を容易にしている。噴霧剥離プロセス中に、剥離組成物が基板上に噴霧される。しかしながら、フォトレジストを完全に除去することができないため、従来のフォトレジスト剥離組成物をこの噴霧剥離プロセスに適用することはできない。
【0004】
金属腐食を低下させるが、フォトレジストなどの電子材料への溶解が良好なフォトレジスト剥離および洗浄組成物を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明者は、特定の有機アミンを含むフォトレジスト剥離組成物が、金属腐食をより低下させるが、フォトレジストなどの電子材料への溶解が良好であり得ることを予想外に発見した。
【0006】
本開示は、以下の式(1)を有する有機アミンを含むフォトレジスト剥離組成物を提供し、
【化1】
式中、
Rは、水素または1~12個の炭素を有するアルキル基であり、R
1は、1~12個の炭素を有するアルキレン基であり、R
2は、1~12個の炭素を有するアルキル基である。
【0007】
本開示は、フォトレジストを剥離する方法であって、
(1)フォトレジストを有する基板を提供することと、
(2)フォトレジスト剥離組成物を基板に噴霧するか、または基板をフォトレジスト剥離組成物に浸漬することと、を含み、フォトレジスト剥離組成物が、以下の式(1)を有する有機アミンを含み、
【化2】
式中、
Rが、水素または1~12個の炭素を有するアルキル基であり、R
1が、1~12個の炭素を有するアルキレン基であり、R
2が、1~12個の炭素を有するアルキル基である、方法をさらに提供する。
【0008】
本開示は、フォトレジスト剥離組成物における有機アミンの使用をさらに提供し、該有機アミンは、以下の式(1)を有し、
【化3】
式中、
Rは、水素または1~12個の炭素を有するアルキル基であり、R
1は、1~12個の炭素を有するアルキレン基であり、R
2は、1~12個の炭素を有するアルキル基である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4a】Sony DSC-RX100M2で得られた剥離性能の違いを示す写真である。
【
図4b】Sony DSC-RX100M2で得られた剥離性能の違いを示す写真である。
【
図4c】Sony DSC-RX100M2で得られた剥離性能の違いを示す写真である。
【
図4d】Sony DSC-RX100M2で得られた剥離性能の違いを示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に開示されるように、「組成物」、「配合物」、または「混合物」という用語は、物理的な手段によって異なる成分を単に混合することによって得られる、異なる成分の物理的なブレンドを指す。
【0011】
本明細書に開示されるように、「剥離」または「洗浄」または「除去」という用語は同じ意味を有し、すなわち、フォトレジストが基板から除去される。
【0012】
本明細書に開示されるように、組成物のすべての成分のすべてのパーセンテージおよび部分は、重量を指す。組成物のすべての成分のすべてのパーセンテージは、組成物の総重量に基づいて計算される。組成物のすべての成分のパーセンテージの合計は、100%である。
【0013】
本明細書の開示として、「アルキル」という用語は、1~12個の炭素原子、典型的には1~10個の炭素原子、より典型的には1~6個の炭素原子、最も典型的には1~4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基を指す。
【0014】
本明細書の開示として、「アルキレン」という用語は、1~12個の炭素原子、典型的には1~10個の炭素原子、より典型的には1~6個の炭素原子、最も典型的には1~4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキレン基を指す。
【0015】
一態様では、本開示は、以下の式(1)を有する有機アミンを含むフォトレジスト剥離組成物を提供し、
【化4】
式中、
Rは、水素または1~12個の炭素を有するアルキル基であり、R
1は、1~12個の炭素を有するアルキレン基であり、R
2は、1~12個の炭素を有するアルキル基である。
【0016】
一実施形態では、Rは、1~10個の炭素、典型的には1~8個の炭素、より典型的には1~6個の炭素、最も典型的には1~4個の炭素を有するアルキルである。具体的には、Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、またはブチルである。
【0017】
一実施形態では、Rは、1~10個の炭素、典型的には1~8個の炭素、より典型的には1~6個の炭素、最も典型的には1~4個の炭素を有するアルキレンである。具体的には、Rは、メチレン、エチレン、プロピレン、またはブチレンである。
【0018】
一実施形態では、Rは、1~10個の炭素、典型的には1~8個の炭素、より典型的には1~6個の炭素、最も典型的には1~4個の炭素を有するアルキルである。具体的には、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、またはブチルである。
【0019】
実施形態では、上記の式(1)を有する有機アミンには、1-ブトキシ-2-アミノプロパン、1-メトキシ-2-アミノプロパン、1-エトキシ-2-アミノプロパン、1-プロポキシ-2-アミノプロパン、1-イソブトキシ-2-アミノプロパン、1-n-アミルオキシ-2-アミノプロパン、1-ブトキシ-2-アミノブタン、1-メトキシ-2-アミノブタン、1-エトキシ-2-アミノブタン、1-プロポキシ-2-アミノブタン、または1-イソブトキシ-2-アミノブタンの化合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
理論によって制限されることを望まないが、式(1)の有機アミンのアルカリ性が高いほど、フォトレジストのポリマー鎖を浸透および分解するフォトレジストの能力を改善し、ひいてはフォトレジスト剥離剤を改善すると考えられる。
【0021】
一般に、フォトレジスト剥離組成物は、フォトレジスト剥離組成物の総重量に基づいて、0.1~100重量%、典型的には1~70重量%、より典型的には5~60重量%、最も典型的には10~50重量%の該有機アミンを含む。
【0022】
組成物は、溶媒をさらに含み得る。溶媒は、フォトレジストおよびフォトレジスト残留物の両方におけるイオン成分を可溶化する。好適な溶媒には、エチレングリコールおよびプロピレングリコールなどのグリコール溶媒、グリコールエーテル、アルコール、アミド、カーボネート、ならびに前述の溶媒のうちの少なくとも1つを含む組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0023】
グリコールエーテルの例としては、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールプロピルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテルなどが挙げられ得る。
【0024】
例示的な実施形態では、本開示の組成物は、組成物の総重量に基づいて、0~90重量%、典型的には10~80重量%、より典型的には20~75重量%、最も典型的には30~70重量%の溶媒を含む。
【0025】
組成物は、水をさらに含み得る。例示的な実施形態では、本開示の組成物は、組成物の総重量に基づいて、0~50重量%、典型的には0~40重量%、より典型的には0~35重量%、最も典型的には0~30重量%の水を含む。
【0026】
本開示の組成物は、腐食防止剤をさらに含み得る。腐食防止剤は、非共有電子対を有する窒素原子、硫黄原子、酸素原子などを含有する化合物を含み得る。具体的には、化合物は、ヒドロキシル基、硫化水素基などを含有し得る。腐食防止剤の反応基は、金属を含む金属薄層の腐食を防止するために、金属に物理的かつ化学的に付着し得る。
【0027】
腐食防止剤は、トリアゾール化合物を含む。トリアゾール化合物の例としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリゾールなどが挙げられ得る。
【0028】
本開示の組成物は、組成物の総重量に基づいて、0~10重量%、典型的には0.1~8重量%、より典型的には0.5~5重量%、最も典型的には1~3重量%の腐食防止剤を含み得る。
【0029】
本開示の組成物は、界面活性剤をさらに含み得る。界面活性剤は、不溶性フォトレジスト残留物のリフトオフと、強塩基への曝露下で発生する可能性のあるシリコンエッチングの低減との両方を支援するために添加してもよい。好適な界面活性剤には、フルオロアルキル界面活性剤、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンまたはポリプロピレングリコールエーテル、カルボン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸またはその塩、ポリアクリレートポリマー、シリコーンまたは修飾シリコーンポリマー、アセチレンジオールまたは修飾アセチレンジオール、アルキルアンモニウムまたは修飾アルキルアンモニウム塩、ならびに前述の界面活性剤のうちの少なくとも1つを含む組み合わせなどの、アニオン性、カチオン性、非イオン性界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
例示的な実施形態では、本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、20重量%以下、典型的には15重量%以下、より典型的には1~10重量%の界面活性剤を含む。
【0031】
本開示の組成物は、アルカノールアミン化合物をさらに含み得る。本開示での使用に好適なアルカノールアミン化合物は、以下の化学式で表すことができ、
【化5】
式中、R
3およびR
4は、H、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルキルアルコール、アリールアルコール、アルキアリールアルコール、またはアリールアルキルアルコールであり得、R
5は、アルキルアルコール、アリールアルコール、アルキアリールアルコール、またはアリールアルキルアルコールなどである。
【0032】
好適なアルカノールアミンの例としては、ジエチレングリコールアミン(DGA)、モノエタノールアミン、2-(N-メチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、第3級ブチルジエタノールアミンイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2-アミノ-1-プロパノール、3-アミノ-1-プロパノール、イソブタノールアミン、2-アミノ-2-エトキシエタノール、および2-アミノ-2-エトキシ-プロパノール、2-(2-ヒドロキシルエチルアミノ)エタノール、2-(N-ヒドロキシエチル-アミノ)-エタノール、1-ヒドロキシ-2-アミノベンゼン、2-[(2-アミノエチル)-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ]-エタノール、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、2-(2-アミノエトキシ)-プロパノール、N,N,N-トリス(2-ヒドロキシエチル)-アンモニア、N-アミノエチル-N’-ヒドロキシエチル-エチレンジアミン、N,N’-ジヒドロキシエチル-エチレンジアミン、2-[2-(2-アミノエトキシ)-エチルアミノ]-エタノール、2-[2-(2-アミノエチルアミノ)-エトキシ]-エタノール、2-[2-(2-アミノエトキシ)-エトキシ]-エタノール、イソプロパノールアミン、3-アミノ-1-プロパノール、2-アミノ-1-プロパノール、2-(N-メチルアミノ)エタノール、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノエタン、トリエタノールアミン、トリメタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0033】
一般に、フォトレジスト剥離組成物は、フォトレジスト剥離組成物の総重量に基づいて、0.1~100重量%、典型的には1~70重量%、より典型的には5~60重量%、最も典型的には10~50重量%の該有機アミンおよび該アルカノールアミンを含む。
【0034】
別の態様では、本開示は、フォトレジストを剥離する方法であって、
(1)フォトレジストを有する基板を提供することと、
(2)フォトレジスト剥離組成物を基板に噴霧するか、または基板をフォトレジスト剥離組成物に浸漬することと、を含み、フォトレジスト剥離組成物が、以下の式(1)を有する有機アミンを含み、
【化6】
式中、
Rが、水素または1~12個の炭素を有するアルキル基であり、R
1が、1~12個の炭素を有するアルキレン基であり、R
2が、1~12個の炭素を有するアルキル基である、方法をさらに提供する。
【0035】
本明細書で使用されるフォトレジストは、一般に、フォトレジストを含む任意の層に適用可能である。したがって、例えば、本開示の教示によれば、本明細書の組成物および方法を使用して、フォトレジストならびにフォトレジスト残留物を除去してもよい。
【0036】
本明細書で使用される基板には、半導体ウエハー、プリント配線板、OLEDディスプレイ、および液晶ディスプレイが含まれるが、これらに限定されない。一般に、基板は、銅相互接続、モリブデン相互接続、およびアルミニウム相互接続などの金属相互接続をさらに含み得る。
【0037】
ある実施形態では、方法は、工程(2)で得られた基板を水ですすぐ工程をさらに含み得る。
【0038】
別の態様では、本開示は、フォトレジスト剥離組成物における有機アミンの使用をさらに提供し、該有機アミンは、以下の式(1)を有し、
【化7】
式中、
Rは、水素または1~12個の炭素を有するアルキル基であり、R
1は、1~12個の炭素を有するアルキレン基であり、R
2は、1~12個の炭素を有するアルキル基である。
【0039】
本開示による有機アミンは、銅、モリブデン、およびアルミニウムなどの相互接続金属の腐食を抑制し得る。
【実施例】
【0040】
【0041】
銅腐食試験
銅箔IIIを1cm×1cmに切断した。次に、銅片を2%のHCl水溶液に5分間浸漬して、CuOまたはCu2Oを完全に除去した。各銅片を、5gのフォトレジスト剥離配合物を含む10mLのガラス瓶に入れた。瓶を2または3分間すばやく振とうし、次に、60℃のオーブンで4時間保持した。次に、銅片を取り出した。ICP-OES(Perkin Elmer Optima 5300DV)を使用して、溶媒に残っている銅イオンの含有量を決定した。
【0042】
剥離性能試験
2mLのSFP-1400フォトレジスト溶液を、100mm×100mm×1mmのサイズのITOガラス基板の表面上にコーティングした。基板を500rpmの回転速度で10秒間回転させ、次に、回転速度を1000rpmに加速して30秒間維持した。回転コーティングした基板を130℃で10分間ベークして、溶媒を完全に蒸発させ、フォトレジストフィルムを硬化させた。以下の剥離工程では、0.5mlの剥離配合物を容器に入れて調製した。ベークした基板を振とうしながら22℃で容器に入れた。次に、処理した基板を脱イオン水で15秒間洗浄し、空気中で乾燥させた。次に、基板をSony DSC-RX100M2で撮影した。
図4a~4dによると、剥離性能を0~3までランク付けした。
3:優れた剥離性能、PR残留物なし(
図4a)
2:良好な剥離性能、少量のPR残留物(
図4b)
1:いくつかのPR残留物(
図4c)
0:PRを全く除去できていない(
図4d)
【0043】
実施例1:剥離配合物として使用される純粋なアミン
銅腐食試験用のフォトレジスト剥離配合物として、それぞれ、MEA、MIPA(比較実施例)、およびPnBアミンを使用した。結果を
図1に列挙した。
【0044】
MEAおよびMIPAは、試験後にPnBアミンよりも高いCuイオン含有量を示した。
実施例2:剥離配合物としてのアミン溶液
【0045】
実施例2:剥離配合物としてのアミン溶液
アミン(MEA、MIPA、またはPnBアミン)およびブチルカルビトール溶媒を3:7の比率で混合して、Cuの腐食効果を研究した。結果を
図2に列挙した。
【0046】
MEAおよびMIPAは、試験後にPnBアミンよりもはるかに高いCuイオン含有量を示し、これは、ブチルカルビトールを含むPnBアミンが、銅に対して優れた腐食効果を示したことを意味する。
【0047】
実施例3:剥離配合物としてのアミン溶液
アミン(MEA、MIPA、またはPnBアミン)、ブチルカルビトール、および水を2.5:5:2.5の比率で混合して、Cuの腐食効果を研究した。結果を
図3に列挙した。
【0048】
MIPAは、試験後にPnBアミンおよびMEAよりもはるかに高いCuイオン含有量を示し、これは、ブチルカルビトール/水を含むPnBアミンおよびMEAが、銅に対して低い腐食効果を示したことを意味する。
【0049】
実施例4
単一原料としてのMEA、MIPA、およびPnBアミンの剥離性能を評価する。
【表2】
【0050】
PnBアミンは、MEAおよびMIPAのように良好な剥離性能を示した。
【0051】
実施例5
MEA、MIPA、およびAEEAを含有する溶剤ベースの剥離配合物の剥離性能を評価した。アミン(MEA、MIPA、またはPnBアミン):BuCb(ブチルカルビトール)の重量比=3:7。
【表3】
【0052】
PnBアミンを含有する剥離剤は、MEA/MIPA配合物および市販の剥離剤と同じ剥離能力を示した。
【0053】
実施例6
MEA、MIPA、およびPnBアミンを含有する半水性剥離剤配合物の剥離性能を評価した。アミン:BuCb:水の重量比=2.5:5:2.5。
【表4】
【0054】
PnBアミンを含有する剥離剤は、MEA/MIPA配合物および市販の剥離剤と同じ剥離能力を示した。
【国際調査報告】