(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】エンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン
(51)【国際特許分類】
B22D 17/22 20060101AFI20221207BHJP
B22C 9/06 20060101ALI20221207BHJP
B22C 9/10 20060101ALI20221207BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20221207BHJP
【FI】
B22D17/22 H
B22C9/06 B
B22D17/22 D
B22C9/10 M
B33Y80/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520158
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(85)【翻訳文提出日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 CN2021079678
(87)【国際公開番号】W WO2021180058
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】202010168448.X
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518110198
【氏名又は名称】広汽本田汽車有限公司
【氏名又は名称原語表記】GAC HONDA AUTOMOBILE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 1, Guangben Road, Huangpu, Guangzhou, Guangdong 510700, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】▲とう▼▲こう▼
(72)【発明者】
【氏名】盧社海
(72)【発明者】
【氏名】陳華登
(72)【発明者】
【氏名】劉剣彬
(72)【発明者】
【氏名】李朝亮
(72)【発明者】
【氏名】胡亮
(72)【発明者】
【氏名】容展升
(72)【発明者】
【氏名】李漢能
(72)【発明者】
【氏名】張謀
(72)【発明者】
【氏名】▲ほう▼壮
(72)【発明者】
【氏名】劉鏡増
(72)【発明者】
【氏名】汪小兵
(72)【発明者】
【氏名】▲しょう▼聖徳
【テーマコード(参考)】
4E093
【Fターム(参考)】
4E093NB05
4E093NB07
4E093QA04
4E093QB03
(57)【要約】
本発明は、エンジン部品の技術分野に関し、エンジンブロック用の油戻し穴の鋳抜きピンであって、ベースと、前記ベースの底部に取り付けられる型面部とを含み、ベースには第1の取り付け穴が設けられ、ベースにはコアピンを取り付けるための貫通穴が傾斜して設けられ、型面部の一端は第1の取り付け穴内に設けられ、金型本体には給排水管が取り付けられ、ベース内には、第1の給水管路と第1の排水管路が画定されており、型面部内には、離間している第2の給水管路と第2の排水管路が画定されており、給排水管には第1の給水口と第1の排水口が設けられ、第1の給水口及び第1の排水口には、冷却水を供給するための冷却水循環システムが接続され、第1の給水管路には第2の給水口と第2の排水口が設けられ、第1の排水管路には第3の給水口と第3の排水口が設けられ、第2の排水口及び第3の給水口は第1の取り付け穴に設けられる鋳抜きピンを開示した。本発明は、鋳抜きピン及びコアピンの表面温度を効果的に低下させて改善することができ、それにより、鋳抜きピン及びコアピンの鋳造品質を優れたものとする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型本体に取り付けられるエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンであって、
ベースと、前記ベースの底部に取り付けられる型面部とを含み、前記ベースには第1の取り付け穴が設けられ、前記ベースにはコアピンを取り付けるための貫通穴が傾斜して設けられ、前記型面部の一端は前記第1の取り付け穴内に設けられ、前記金型本体には給排水管が取り付けられ、前記ベース内には、離間している第1の給水管路と第1の排水管路が画定されており、且つ前記第1の給水管路及び前記第1の排水管路はいずれも前記貫通穴と離間して設けられ、前記型面部内には、離間している第2の給水管路と第2の排水管路が画定されており、
前記給排水管には第1の給水口と第1の排水口が設けられ、前記第1の給水口及び前記第1の排水口には、冷却水を供給するための冷却水循環システムが接続され、前記第1の給水管路には第2の給水口と第2の排水口が設けられ、前記第1の排水管路には第3の給水口と第3の排水口が設けられ、前記第2の排水口及び前記第3の給水口は前記第1の取り付け穴に設けられ、前記第1の給水口、前記第2の給水口、前記第2の排水口、前記第2の給水管路、前記第2の排水管路、前記第3の給水口、前記第3の排水口、及び前記第1の排水口は互いに連通して冷却水循環路を形成する、ことを特徴とするエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項2】
前記型面部は、型面部本体と、ショルダと、両端が開口した冷水管とを含み、前記ショルダは前記型面部本体の先端に一体的に接続され、且つ前記第1の取り付け穴内に取り付けられ、
前記型面部本体及び前記ショルダには、それぞれ第1のキャビティと、前記第1のキャビティと連通する第2のキャビティが設けられ、前記冷水管は前記型面部本体の第1のキャビティと前記ショルダの第2のキャビティ内に設けられ、前記冷水管には前記第2の給水管路となる第3のキャビティが設けられ、前記冷水管の外側壁と前記型面部本体の内側壁及び前記ショルダの内側壁との間には隙間があり、前記第2の排水管路となり、
前記ショルダの外壁には、第4の排水口が周方向に設けられ、前記第4の排水口は前記第3の給水口と連通する、ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項3】
前記冷水管の頂部にフランジが設けられ、前記フランジは前記ショルダの内壁に溶接され、前記冷水管の給水口及び前記第4の排水口はそれぞれ前記フランジの対向する両側に位置する、ことを特徴とする請求項2に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項4】
前記ショルダの外側壁の外径が、前記第1の取り付け穴の内径未満であり、前記ショルダの外側壁には第1のランドと、前記第1のランドと間隔をあけて設けられる第2のランドとが設けられ、前記第1のランド及び前記第2のランドはいずれも前記第1の取り付け穴の側壁に係合され、且つ複数の前記第4の排水口は前記第1のランドと前記第2のランドとの間に位置する、ことを特徴とする請求項3に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項5】
複数の前記第4の排水口を含み、複数の前記第4の排水口は、等角度をもって前記ショルダの外壁に均等に設けられる、ことを特徴とする請求項4に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項6】
前記ベースには位置決め穴がさらに設けられ、前記位置決め穴は前記第1の取り付け穴の外側に位置し、且つ前記位置決め穴の内径が前記第1の取り付け穴の内径よりも大きい、ことを特徴とする請求項5に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項7】
前記ショルダの外側壁に第3のランドがさらに設けられ、前記第2のランドと前記第3のランドとの間に第1の防水部が設けられ、前記第3のランドと前記型面部本体との間に第2の防水部が設けられ、前記第1の防水部及び前記第2の防水部は前記位置決め穴の外壁に当接する、ことを特徴とする請求項6に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項8】
前記ベースの先端には、前記給排水管を取り付けるための第2の取り付け穴が設けられ、前記第2の給水口及び前記第3の排水口は互いにはずれて前記第2の取り付け穴に設けられ、且つ前記給排水管の外壁には第3の防水部が設けられ、前記第3の防水部は前記第2の給水口と前記第3の排水口との間に設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項9】
前記第1の防水部、前記第2の防水部、及び前記第3の防水部はいずれもシールリングである、ことを特徴とする請求項8に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項10】
前記ベースは3Dプリントにより成形される、ことを特徴とする請求項2に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエンジン部品の技術分野に関し、特にエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、中国のダイカスト金型産業が高速で発展しており、総生産量の増加が顕著であるが、中国のダイカスト金型の製造会社の発足が遅れており、蓄積した技術が少なく、自動車の分野に適用するダイカスト生産プロセスは主にエンジンパーツの製造に用いられる。エンジンブロックは、クランク軸の取り付け位置に傾斜油路と油戻し穴が設けられ、傾斜油路でクランク軸を効率よく潤滑することができ、油戻し穴で潤滑油を循環させることができ、これにより、オイルの恒温や潤滑タンクの油膜の清潔さなどを確保するが、傾斜油路及び油戻し穴の両方を設けることによりブロックの鋳造が困難になり、これは、主に金型の設計作製に反映される。傾斜油路に設けられる鋳抜きピン及び油戻し穴に設けられるコアピンはいずれも限られる位置の固定型コアに取り付けられ、鋳抜きピン及びコアピンの軸線は同一の平面にあり、且つ鋳抜きピン及びコアピンの軸線間の夾角が36度であるため、固定型コアに2つの鋳抜きピンを同時に設けるには、油戻し穴に設けられる鋳抜きピンの下部に36度の貫通穴を設けなければならず、このように、傾斜油路に設けられる鋳抜きピンは貫装される。
【0003】
しかし、従来、油戻し穴に設けられる鋳抜きピンの内部には内部冷却構造を設けることができず、生産過程では、油戻し穴の鋳抜きピンが高温溶融アルミニウムに洗われるため、コアピンの表面温度が300℃よりも高くなり、それにより、鋳抜きピン及びコアピンには引け巣、ひび割れ、ボイドやアルミ粘着の現象が生じて、鋳抜きピン及びコアピンの寿命に影響を与え、深刻な場合は、装置を停止してメンテナンスを行わなければならず、エンジンの製造に不便さをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は以下のとおりである。本発明は、従来技術においてエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンでは、冷却機構が設けられていないため、生産過程では鋳抜きピン及びコアピンに引け巣、ひび割れ、ボイドやアルミ粘着の現象が生じやすいということを解決するためのエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述技術的課題を解決するために、本発明のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンは、金型本体に取り付けられるエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンであって、
ベースと、前記ベースの底部に取り付けられる型面部とを含み、前記ベースに第1の取り付け穴が設けられ、前記型面部の一端は前記第1の取り付け穴内に設けられ、前記ベースにコアピンを取り付けるための貫通穴が傾斜して設けられ、前記金型本体に給排水管が取り付けられ、前記ベース内には、離間している第1の給水管路と第1の排水管路が画定されており、且つ前記第1の給水管路及び前記第1の排水管路はいずれも前記貫通穴と離間して設けられ、前記型面部内には、離間している第2の給水管路と第2の排水管路が画定されており、
前記給排水管には第1の給水口と第1の排水口が設けられ、前記第1の給水口及び前記第1の排水口には、冷却水を供給するための冷却水循環システムが接続され、前記第1の給水管路には第2の給水口と第2の排水口が設けられ、前記第1の排水管路には第3の給水口と第3の排水口が設けられ、前記第2の排水口及び前記第3の給水口は前記第1の取り付け穴に設けられ、前記第1の給水口、前記第2の給水口、前記第2の排水口、前記第2の給水管路、前記第2の排水管路、前記第3の給水口、前記第3の排水口、及び前記第1の排水口は互いに連通して冷却水循環路を形成する。
【0006】
選択的には、前記型面部は、型面部本体と、ショルダと、両端が開口した冷水管とを含み、前記ショルダは前記型面部本体の先端に一体的に接続され、且つ前記第1の取り付け穴内に取り付けられ、
前記型面部本体及び前記ショルダには、それぞれ第1のキャビティと、前記第1のキャビティと連通する第2のキャビティが設けられ、前記冷水管は前記型面部本体の第1のキャビティと前記ショルダの第2のキャビティ内に設けられ、前記冷水管には前記第2の給水管路となる第3のキャビティが設けられ、前記冷水管の外側壁と前記型面部本体の内側壁及び前記ショルダの内側壁との間には隙間があり、前記第2の排水管路となり、
前記ショルダの外壁には、第4の排水口が周方向に設けられ、前記第4の排水口は前記第3の給水口と連通する。
【0007】
選択的には、前記冷水管の頂部にフランジが設けられ、前記フランジは前記ショルダの内壁に溶接され、前記冷水管の給水口及び前記第4の排水口はそれぞれ前記フランジの対向する両側に位置する。
【0008】
選択的には、前記ショルダの外側壁の外径が、前記第1の取り付け穴の内径未満であり、前記ショルダの外側壁には第1のランドと、前記第1のランドと間隔をあけて設けられる第2のランドとが設けられ、前記第1のランド及び前記第2のランドはいずれも前記第1の取り付け穴の側壁に係合され、且つ複数の前記第4の排水口は前記第1のランドと前記第2のランドとの間に位置する。
【0009】
選択的には、複数の前記第4の排水口を含み、複数の前記第4の排水口は、等角度をもって前記ショルダの外壁に均等に設けられる。
【0010】
選択的には、前記ベースには位置決め穴がさらに設けられ、前記位置決め穴は前記第1の取り付け穴の外側に位置し、且つ前記位置決め穴の内径が前記第1の取り付け穴の内径よりも大きい。
【0011】
選択的には、前記ショルダの外側壁に第3のランドがさらに設けられ、前記第2のランドと前記第3のランドとの間に第1の防水部が設けられ、前記第3のランドと前記型面部本体との間に第2の防水部が設けられ、前記第1の防水部及び前記第2の防水部は前記位置決め穴の外壁に当接する。
【0012】
選択的には、前記ベースの先端には、前記給排水管を取り付けるための第2の取り付け穴が設けられ、前記第2の給水口及び前記第3の排水口は互いにはずれて前記第2の取り付け穴に設けられ、且つ前記給排水管の外壁には第3の防水部が設けられ、前記第3の防水部は前記第2の給水口と前記第3の排水口との間に設けられる。
【0013】
選択的には、前記第1の防水部、前記第2の防水部、及び前記第3の防水部はいずれもシールリングである。
【0014】
選択的には、前記冷水管の長さが前記第1のキャビティの長さ未満である。
【0015】
選択的には、前記ベースは3Dプリントにより成形される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例に係るエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンは、従来技術と比較して、以下の有益な効果が得られる。
【0017】
本発明の実施例に係るエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンは、第1の給水管路、第1の排水管路、第2の給水管路及び第2の排水管路を設けることで、冷却水循環装置の第1の給水口、第1の給水管路、第2の給水管路、第2の排水管路及び第1の排水管路が順次連通して冷却水の循環路となり、それにより、鋳抜きピン及びコアピンが鋳造中に生じた熱が冷却水に伝達され、鋳抜きピン及びコアピンの温度を下げることができる。
【0018】
第1の給水管路及び第2の給水管路はいずれも貫通穴と離間して設けられるため、冷却水が貫通穴をバイパスすることができ、これにより、コアピンとの直接接触を回避し、ピンの生産のし難さを低減させる。
【0019】
したがって、本発明のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンによれば、鋳抜きピン及びコアピンの表面温度を効果的に低下させて改善することができ、それにより、鋳抜きピン及びコアピンの鋳造品質を優れたものとし、普及価値がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】従来技術の鋳抜きピン及びコアピンの接続構造の模式図である。
【
図3】本発明の実施例の鋳抜きピン、給排水管及び金型本体の接続構造を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施例の鋳抜きピン、給排水管及び金型本体の接続構造を示す他の模式図である。
【
図7】
図4の局所構造を示すさらに他の模式図である。
【
図8】本発明の実施例の鋳抜きピンの構造を示す模式図である。
【
図9】本発明の実施例の鋳抜きピンの、冷水管が取り付けられていない場合の構造を示す模式図である。
【
図10】本発明の実施例の型面部の構造を示す模式図である。
【
図11】本発明の実施例の型面部の、交番荷重を受けた場合の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面及び実施例を参照して、本発明の具体的な実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を説明するものであるが、本発明の範囲を制限するものではない。
【0022】
なお、本発明の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「頂」、「底」などの用語により示される方位又は位置関係は図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明及び説明の簡素化のために過ぎず、係る装置又は構成部品が必ずしも特定の方位を有したり、特定の方位で構造、操作されたりすることを指示又は示唆するものではなく、このため、本発明を制限するものとして理解することができない。
【0023】
図1及び
図2に示すように、従来技術では、油戻し穴に設けられる鋳抜きピン50の下部に36度の貫通穴4が設けられ、それにより、傾斜油路に設けられるコアピン28は貫装される。
【0024】
図3~11に示すように、本発明の実施例の好適な実施例は、エンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンを提供し、この油戻し穴の鋳抜きピンは、金型本体1に取り付けられ、ベース2と、ベース2の底部に取り付けられる型面部3とを含み、ベース2には第1の取り付け穴5が設けられ、型面部3の一端は第1の取り付け穴5内に設けられ、ベース2にはコアピン28を取り付けるための貫通穴4が傾斜して設けられ、金型本体1には給排水管40が取り付けられ、ベース2内には、離間している第1の給水管路6と第1の排水管路7が画定されており、且つ第1の給水管路6及び第1の排水管路7はいずれも貫通穴4と離間して設けられ、型面部3内には、離間している第2の給水管路8と第2の排水管路9が画定される。
【0025】
給排水管40には、第1の給水口10と第1の排水口11が設けられ、第1の給水口10及び第1の排水口11には、冷却水を供給するための冷却水循環システムが接続され、第1の給水管路6には、第2の給水口12と第2の排水口13が設けられ、第1の排水管路7には、第3の給水口14と第3の排水口15が設けられ、第2の排水口13及び第3の給水口14は第1の取り付け穴5に設けられ、第1の給水口10、第2の給水口12、第2の排水口13、第2の給水管路8、第2の排水管路9、第3の給水口14、第3の排水口15、及び第1の排水口11は互いに連通して冷却水循環路を形成する。
【0026】
上述構成に基づいて、本発明の実施例のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンでは、第1の給水管路6、第1の排水管路7、第2の給水管路8及び第2の排水管路9を設けることで、冷却水循環装置の第1の給水口10、第1の給水管路6、第2の給水管路8、第2の排水管路9と第1の排水管路7が順次連通して冷却水の循環路となり、それにより、鋳抜きピン及びコアピン28が鋳造中に生じた熱が冷却水に伝達され、鋳抜きピン及びコアピン28の温度を下げることができる。
【0027】
第1の給水管路6及び第2の給水管路8はいずれも貫通穴4と離間して設けられるため、冷却水が貫通穴4をバイパスすることができ、これにより、コアピン28との直接接触を回避し、ピンの製造を容易にする。
【0028】
したがって、本発明のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンは、鋳抜きピン及びコアピン28の表面温度を効果的に低下させて改善することができ、それにより、鋳抜きピン及びコアピン28の鋳造品質を優れたものとし、普及価値がある。
【0029】
本実施例では、
図3~11に示すように、冷却水のベース2と型面部3との間での循環流動を容易にするように、型面部3は、型面部本体31、ショルダ32、及び両端が開口した冷水管33を含み、ショルダ32は型面部本体31の先端に一体的に接続され、且つ第1の取り付け穴5内に取り付けられる。
【0030】
型面部本体31及びショルダ32には、それぞれ第1のキャビティと、第1のキャビティと連通する第2のキャビティ16が設けられ、冷水管33は型面部本体31の第1のキャビティとショルダ32の第2のキャビティ16内に設けられ、冷水管33には第2の給水管路8となる第3のキャビティが設けられ、冷水管33の外側壁と型面部本体31の内側壁及びショルダ32の内側壁との間には隙間があり、第2の排水管路9となる。
【0031】
ショルダ32の外壁には、第4の排水口17が周方向に設けられ、各第4の排水口17はいずれも第3の給水口14と連通する。具体的には、第1のキャビティ及び第2のキャビティ16が設けられることにより、第1のキャビティ及び第2のキャビティ16で冷水管33を収容する空間を提供することができ、第2の排水管路9が設けられることにより、第2の排水管路9の構造の完全性を確保する上に、第2の排水管路9が巧みに設けられ、加工難易度が低く、且つ冷却水の流通が容易になる。
【0032】
第4の排水口17の2つの開口端がそれぞれ第3の給水口14及び第2の排水管路9と連通するように第4の排水口17が設けられることによって、冷却水の第2の排水管路9と第1の排水管路7との間での連通が容易になる。
【0033】
第2の給水管路8と第2の排水管路9は冷水管33で隔離されており、冷却水が一定の流動軌跡に沿って流動可能であるため、冷却水の安定的な流動が確保され、ここで、冷却水が第1の給水管路6から第1の排水管路7に流れる軌跡としては、冷却水が順次第1の給水管路6の第2の排水口13、冷水管33の給水口、冷水管33の排水口、第2の排水室、及び第4の排水口17を介して第1の排水口11に流れる。
【0034】
本実施例では、
図6、10及び11に示すように、水管33の頂部にフランジ18が設けられ、フランジ18はショルダ32の内壁に溶接され、冷水管33の給水口及び複数の第4の排水口17はそれぞれフランジ18の両側に位置し、フランジ18により冷水管33の給水口と複数の第4の排水口17とをよく隔離することができ、冷水管33の給水口が複数の第4の排水口17と直接連通することを回避し、冷却水が冷水管33の給水口に供給されると同時に第4の排水口17に供給されることを避ける。
【0035】
本実施例では、
図8~11に示すように、ベース2と型面部3の着脱をさらに容易にするために、ショルダ32の外側壁の外径が第1の取り付け穴5の内径未満であり、ショルダ32の外側壁には第1のランド19と、第1のランド19と間隔を空けて設けられる第2のランド20とが設けられ、第1のランド19及び第2のランド20はいずれも第1の取り付け穴5の側壁に係合され、且つ、複数の第4の排水口17は第1のランド19と第2のランド20との間に位置する。ここで、ベース2には交番荷重が作用しないため、ベース2を長期間にわたって使用することができ、定期的な交換を必要とせず、一方、型面部3には交番荷重が作用するため、型面部3は定期的な交換を必要とする。このため、ベース2と型面部3を取り外し可能に接続することにより、ベース2と型面部3との間の完全な交換を可能とする設計が実現され、それにより、鋳抜きピン交換によるコストを下げる。ベース2と型面部3との取り外し可能な接続としては、具体的には、第1のランド19及び第2のランド20が第1の取り付け穴5の側壁に係合されたときに、ベース2が型面部3に強固に接続され、第1のランド19及び第2のランド20が第1の取り付け穴5の側壁から分離しているときに、ベース2が型面部3から分離している。
【0036】
ショルダ32の外側壁の外径が第1の取り付け穴5の内径未満であるため、ショルダ32の外側壁と第1の取り付け穴5との間の隙間が環状となり、さらに、ショルダ32の外側壁には、少なくとも2つの第4の排水口17が設けられ、第2の排水管路9から流出した冷却水は順次各第4の排水口17を経てショルダ32の外側壁と第1の取り付け穴5との間の隙間に流れ、このように、第2の排水管路9と第1の排水管路7との間での冷却水の循環効率が高まる。
【0037】
本実施例では、
図8に示すように、ベース2には位置決め穴21がさらに設けられ、位置決め穴21は第1の取り付け穴5の外側に位置し、且つ位置決め穴21の内径が第1の取り付け穴5の内径よりも大きい。ここで、位置決め穴21は、ベース2と型面部3を組み立てるときの粗位置決めを容易とし、さらにベース2と型面部3を素早く組み立てることを可能とする。
【0038】
本実施例では、
図11に示すように、ショルダ32とベース2との間の防水効果を高めるために、ショルダ32の外側壁には第3のランド22がさらに設けられ、第2のランド20と第3のランド22との間に第1の防水部23が設けられ、第3のランド22と型面部本体31との間に第2の防水部24が設けられ、第1の防水部23及び第2の防水部24は位置決め穴21の外壁に当接する。具体的には、第1の防水部23及び第2の防水部24は、冷却液がショルダ32やベース2から流出することを防止でき、これにより、冷却液がベース2と型面部3との間を流動することが確保される。好ましくは、第1の防水部23及び第2の防水部24は良好なシール性を有するシールリングである。
【0039】
本実施例では、
図9に示すように、ベース2の先端には、給排水管40を取り付けるための第2の取り付け穴27が取り付けられ、第2の給水口12は、第3の排水口15とははずれて第2の取り付け穴27に設けられ、且つ、給排水管40の外壁には第3の防水部25が設けられ、第3の防水部25は、第2の給水口12と第3の排水口15との間に配置される。ここで、第3の防水部25は、冷却液が第2の給水口12と第3の排水口15との間を直接流動することを防止でき、これにより、冷却液が所定の流動経路に沿って流動することが確保される。
【0040】
給排水管40のうち第3の排水口15の前端部位には複数の第4の防水部26がさらに設けられ、第4の防水部26は、冷却液が第2の取り付け穴27から外部へ流れることを防止することができ、好ましくは、第3の防水部25及び第4の防水部26は良好なシール性を有するシールリングである。
【0041】
本実施例では、
図4及び
図7に示すように、冷水管33の長さは第1のキャビティの長さよりも小さいであり、ここで、冷水管33の給水口はショルダ32の前端と面一であり、冷水管33の排水口と第1のキャビティの底部との間には一定の隙間があり、このように、冷却液が冷水管33の排水口から第2のキャビティ16に流出することが容易になる。
【0042】
本実施例では、
図3~11に示すように、ベース2は3Dプリントにより成形され、貫通穴4の構造の完全性を確保する上に、第1の給水管路6及び第1の排水管路7は貫通穴4をバイパスすることができ、それにより、ベース2の構造強度が確保され、ベース2の軽量化が実現されるとともに、ベース2の加工難易度が低減する。
【0043】
本実施例では、
図3及び
図4に示すように、給排水管40は、プラテン30及びプッシュロッド29により金型本体1に固定され、それにより、給排水管40は安定的に設けられ得る。
【0044】
本実施例では、
図11に示すように、型面部3は交番荷重を受ける部分であり、交番荷重は、所定の方向に沿って型面部3の側面の一部に作用するものであり、型面部3のうち交番荷重を受ける側面では収縮が生じて、その結果、型面部3の側面の一部には径方向摩耗が生じてしまう。図面に示すように、仮に交番荷重が所定の方向に沿って型面部3の上側面に作用すれば、型面部3はベース2に回動可能に接続されているため、作業者は次回のダイカスト作業にあたり、型面部3の下側面(もちろん、型面部3の下側面以外の他の側面であってもよい)を交番荷重に正対する作用点の箇所に回転させることで、型面部3では、ダイカストのたびに、交番荷重が作用する側面が異なり、これにより、型面部3の摩損のバランスを取り、型面部3の寿命を延ばし、型面部3の交換によるコストを下げることができる。
【0045】
本実施例では、
図3~11に示すように、本発明の鋳抜きピン、給排水管40、及び金型本体1の間の接続方法は以下のとおりである。
【0046】
S1、冷水管33を第1のキャビティ内に溶接する。
【0047】
S2、第1の防水部23及び第2の防水部24をショルダ32に外嵌し、且つショルダ32を第1の取り付け穴5内に取り付け、それにより、型面部3とベース2を接続する。
【0048】
S3、組み立てられた鋳抜きピンを金型本体1内に装着する。
【0049】
S4、第3の防水部25及び第4の防水部26を給排水管40に外嵌し、且つ給排水管40を第2の取り付け穴27に取り付ける。
【0050】
S5、プラテン30及びプッシュロッド29により給排水管40を金型本体1内に押し付ける。
【0051】
以上は本発明の好適な実施形態に過ぎず、当業者であれば、本発明の技術原理を逸脱することなく、複数の改良や置換を行うことができ、これらの改良及び置換も本発明の特許範囲とすべきである。
【符号の説明】
【0052】
1 金型本体
2 ベース
3 型面部
31 型面部本体
32 ショルダ
33 冷水管
4 貫通穴
5 第1の取り付け穴
6 第1の給水管路
7 第1の排水管路
8 第2の給水管路
9 第2の排水管路
10 第1の給水口
11 第1の排水口
12 第2の給水口
13 第2の排水口
14 第3の給水口
15 第3の排水口
16 第2のキャビティ
17 第4の排水口
18 フランジ
19 第1のランド
20 第2のランド
21 位置決め穴
22 第3のランド
23 第1の防水部
24 第2の防水部
25 第3の防水部
26 第4の防水部
27 第2の取り付け穴
28 コアピン
29 プッシュロッド
30 プラテン
40 給排水管
50 鋳抜きピン
【手続補正書】
【提出日】2022-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型本体に取り付けられるエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンであって、
ベースと、前記ベースの底部に取り付けられる型面部とを含み、前記ベースには第1の取り付け穴が設けられ、前記ベースにはコアピンを取り付けるための貫通穴が傾斜して設けられ、前記型面部の一端は前記第1の取り付け穴内に設けられ、前記金型本体には給排水管が取り付けられ、前記ベース内には、離間している第1の給水管路と第1の排水管路が画定されており、且つ前記第1の給水管路及び前記第1の排水管路はいずれも前記貫通穴と離間して設けられ、前記型面部内には、離間している第2の給水管路と第2の排水管路が画定されており、
前記給排水管には第1の給水口と第1の排水口が設けられ、前記第1の給水口及び前記第1の排水口には、冷却水を供給するための冷却水循環システムが接続され、前記第1の給水管路には第2の給水口と第2の排水口が設けられ、前記第1の排水管路には第3の給水口と第3の排水口が設けられ、前記第2の排水口及び前記第3の給水口は前記第1の取り付け穴に設けられ、前記第1の給水口、前記第2の給水口、前記第2の排水口、前記第2の給水管路、前記第2の排水管路、前記第3の給水口、前記第3の排水口、及び前記第1の排水口は互いに連通して冷却水循環路を形成する、ことを特徴とするエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項2】
前記型面部は、型面部本体と、ショルダと、両端が開口した冷水管とを含み、前記ショルダは前記型面部本体の先端に一体的に接続され、且つ前記第1の取り付け穴内に取り付けられ、
前記
ショルダ及び前記
型面部本体には、それぞれ第1のキャビティと、前記第1のキャビティと連通する第2のキャビティが設けられ、前記冷水管は前記
ショルダの第1のキャビティと前記
型面部本体の第2のキャビティ内に設けられ、前記冷水管には前記第2の給水管路となる第3のキャビティが設けられ、前記冷水管の外側壁と前記型面部本体の内側壁及び前記ショルダの内側壁との間には隙間があり、前記第2の排水管路となり、
前記ショルダの外壁には、第4の排水口が周方向に設けられ、前記第4の排水口は前記第3の給水口と連通する、ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項3】
前記冷水管の頂部にフランジが設けられ、前記フランジは前記ショルダの内壁に溶接され、前記冷水管の給水口及び前記第4の排水口はそれぞれ前記フランジの対向する両側に位置する、ことを特徴とする請求項2に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項4】
前記ショルダの外側壁の外径が、前記第1の取り付け穴の内径未満であり、前記ショルダの外側壁には第1のランドと、前記第1のランドと間隔をあけて設けられる第2のランドとが設けられ、前記第1のランド及び前記第2のランドはいずれも前記第1の取り付け穴の側壁に係合され、且つ複数の前記第4の排水口は前記第1のランドと前記第2のランドとの間に位置する、ことを特徴とする請求項3に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項5】
複数の前記第4の排水口を含み、複数の前記第4の排水口は、等角度をもって前記ショルダの外壁に均等に設けられる、ことを特徴とする請求項4に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項6】
前記ベースには位置決め穴がさらに設けられ、前記位置決め穴は前記第1の取り付け穴の外側に位置し、且つ前記位置決め穴の内径が前記第1の取り付け穴の内径よりも大きい、ことを特徴とする請求項5に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項7】
前記ショルダの外側壁に第3のランドがさらに設けられ、前記第2のランドと前記第3のランドとの間に第1の防水部が設けられ、前記第3のランドと前記型面部本体との間に第2の防水部が設けられ、前記第1の防水部及び前記第2の防水部は前記位置決め穴の外壁に当接する、ことを特徴とする請求項6に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項8】
前記ベースの先端には、前記給排水管を取り付けるための第2の取り付け穴が設けられ、前記第2の給水口及び前記第3の排水口は互いにはずれて前記第2の取り付け穴に設けられ、且つ前記給排水管の外壁には第3の防水部が設けられ、前記第3の防水部は前記第2の給水口と前記第3の排水口との間に設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項9】
前記第1の防水部、前記第2の防水部、及び前記第3の防水部はいずれもシールリングである、ことを特徴とする請求項8に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【請求項10】
前記ベースは3Dプリントにより成形される、ことを特徴とする請求項2に記載のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピン。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエンジン部品の技術分野に関し、特にエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、中国のダイカスト金型産業が高速で発展しており、総生産量の増加が顕著であるが、中国のダイカスト金型の製造会社の発足が遅れており、蓄積した技術が少なく、自動車の分野に適用するダイカスト生産プロセスは主にエンジンパーツの製造に用いられる。エンジンブロックは、クランク軸の取り付け位置に傾斜油路と油戻し穴が設けられ、傾斜油路でクランク軸を効率よく潤滑することができ、油戻し穴で潤滑油を循環させることができ、これにより、オイルの恒温や潤滑タンクの油膜の清潔さなどを確保するが、傾斜油路及び油戻し穴の両方を設けることによりブロックの鋳造が困難になり、これは、主に金型の設計作製に反映される。傾斜油路に設けられる鋳抜きピン及び油戻し穴に設けられるコアピンはいずれも限られる位置の固定型コアに取り付けられ、鋳抜きピン及びコアピンの軸線は同一の平面にあり、且つ鋳抜きピン及びコアピンの軸線間の夾角が36度であるため、固定型コアに2つの鋳抜きピンを同時に設けるには、油戻し穴に設けられる鋳抜きピンの下部に36度の貫通穴を設けなければならず、このように、傾斜油路に設けられる鋳抜きピンは貫装される。
【0003】
しかし、従来、油戻し穴に設けられる鋳抜きピンの内部には内部冷却構造を設けることができず、生産過程では、油戻し穴の鋳抜きピンが高温溶融アルミニウムに洗われるため、コアピンの表面温度が300℃よりも高くなり、それにより、鋳抜きピン及びコアピンには引け巣、ひび割れ、ボイドやアルミ粘着の現象が生じて、鋳抜きピン及びコアピンの寿命に影響を与え、深刻な場合は、装置を停止してメンテナンスを行わなければならず、エンジンの製造に不便さをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は以下のとおりである。本発明は、従来技術においてエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンでは、冷却機構が設けられていないため、生産過程では鋳抜きピン及びコアピンに引け巣、ひび割れ、ボイドやアルミ粘着の現象が生じやすいということを解決するためのエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述技術的課題を解決するために、本発明のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンは、金型本体に取り付けられるエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンであって、
ベースと、前記ベースの底部に取り付けられる型面部とを含み、前記ベースに第1の取り付け穴が設けられ、前記型面部の一端は前記第1の取り付け穴内に設けられ、前記ベースにコアピンを取り付けるための貫通穴が傾斜して設けられ、前記金型本体に給排水管が取り付けられ、前記ベース内には、離間している第1の給水管路と第1の排水管路が画定されており、且つ前記第1の給水管路及び前記第1の排水管路はいずれも前記貫通穴と離間して設けられ、前記型面部内には、離間している第2の給水管路と第2の排水管路が画定されており、
前記給排水管には第1の給水口と第1の排水口が設けられ、前記第1の給水口及び前記第1の排水口には、冷却水を供給するための冷却水循環システムが接続され、前記第1の給水管路には第2の給水口と第2の排水口が設けられ、前記第1の排水管路には第3の給水口と第3の排水口が設けられ、前記第2の排水口及び前記第3の給水口は前記第1の取り付け穴に設けられ、前記第1の給水口、前記第2の給水口、前記第2の排水口、前記第2の給水管路、前記第2の排水管路、前記第3の給水口、前記第3の排水口、及び前記第1の排水口は互いに連通して冷却水循環路を形成する。
【0006】
選択的には、前記型面部は、型面部本体と、ショルダと、両端が開口した冷水管とを含み、前記ショルダは前記型面部本体の先端に一体的に接続され、且つ前記第1の取り付け穴内に取り付けられ、
前記ショルダ及び前記型面部本体には、それぞれ第1のキャビティと、前記第1のキャビティと連通する第2のキャビティが設けられ、前記冷水管は前記ショルダの第1のキャビティと前記型面部本体の第2のキャビティ内に設けられ、前記冷水管には前記第2の給水管路となる第3のキャビティが設けられ、前記冷水管の外側壁と前記型面部本体の内側壁及び前記ショルダの内側壁との間には隙間があり、前記第2の排水管路となり、
前記ショルダの外壁には、第4の排水口が周方向に設けられ、前記第4の排水口は前記第3の給水口と連通する。
【0007】
選択的には、前記冷水管の頂部にフランジが設けられ、前記フランジは前記ショルダの内壁に溶接され、前記冷水管の給水口及び前記第4の排水口はそれぞれ前記フランジの対向する両側に位置する。
【0008】
選択的には、前記ショルダの外側壁の外径が、前記第1の取り付け穴の内径未満であり、前記ショルダの外側壁には第1のランドと、前記第1のランドと間隔をあけて設けられる第2のランドとが設けられ、前記第1のランド及び前記第2のランドはいずれも前記第1の取り付け穴の側壁に係合され、且つ複数の前記第4の排水口は前記第1のランドと前記第2のランドとの間に位置する。
【0009】
選択的には、複数の前記第4の排水口を含み、複数の前記第4の排水口は、等角度をもって前記ショルダの外壁に均等に設けられる。
【0010】
選択的には、前記ベースには位置決め穴がさらに設けられ、前記位置決め穴は前記第1の取り付け穴の外側に位置し、且つ前記位置決め穴の内径が前記第1の取り付け穴の内径よりも大きい。
【0011】
選択的には、前記ショルダの外側壁に第3のランドがさらに設けられ、前記第2のランドと前記第3のランドとの間に第1の防水部が設けられ、前記第3のランドと前記型面部本体との間に第2の防水部が設けられ、前記第1の防水部及び前記第2の防水部は前記位置決め穴の外壁に当接する。
【0012】
選択的には、前記ベースの先端には、前記給排水管を取り付けるための第2の取り付け穴が設けられ、前記第2の給水口及び前記第3の排水口は互いにはずれて前記第2の取り付け穴に設けられ、且つ前記給排水管の外壁には第3の防水部が設けられ、前記第3の防水部は前記第2の給水口と前記第3の排水口との間に設けられる。
【0013】
選択的には、前記第1の防水部、前記第2の防水部、及び前記第3の防水部はいずれもシールリングである。
【0014】
選択的には、前記冷水管の長さが前記第2のキャビティの長さ未満である。
【0015】
選択的には、前記ベースは3Dプリントにより成形される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例に係るエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンは、従来技術と比較して、以下の有益な効果が得られる。
【0017】
本発明の実施例に係るエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンは、第1の給水管路、第1の排水管路、第2の給水管路及び第2の排水管路を設けることで、冷却水循環装置の第1の給水口、第1の給水管路、第2の給水管路、第2の排水管路及び第1の排水管路が順次連通して冷却水の循環路となり、それにより、鋳抜きピン及びコアピンが鋳造中に生じた熱が冷却水に伝達され、鋳抜きピン及びコアピンの温度を下げることができる。
【0018】
第1の給水管路及び第2の給水管路はいずれも貫通穴と離間して設けられるため、冷却水が貫通穴をバイパスすることができ、これにより、コアピンとの直接接触を回避し、ピンの生産のし難さを低減させる。
【0019】
したがって、本発明のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンによれば、鋳抜きピン及びコアピンの表面温度を効果的に低下させて改善することができ、それにより、鋳抜きピン及びコアピンの鋳造品質を優れたものとし、普及価値がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】従来技術の鋳抜きピン及びコアピンの接続構造の模式図である。
【
図3】本発明の実施例の鋳抜きピン、給排水管及び金型本体の接続構造を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施例の鋳抜きピン、給排水管及び金型本体の接続構造を示す他の模式図である。
【
図7】
図4の局所構造を示すさらに他の模式図である。
【
図8】本発明の実施例の鋳抜きピンの構造を示す模式図である。
【
図9】本発明の実施例の鋳抜きピンの、冷水管が取り付けられていない場合の構造を示す模式図である。
【
図10】本発明の実施例の型面部の構造を示す模式図である。
【
図11】本発明の実施例の型面部の、交番荷重を受けた場合の構造を示す模式図である。
【発明を説明するための形態】
【0021】
以下、図面及び実施例を参照して、本発明の具体的な実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を説明するものであるが、本発明の範囲を制限するものではない。
【0022】
なお、本発明の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「頂」、「底」などの用語により示される方位又は位置関係は図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明及び説明の簡素化のために過ぎず、係る装置又は構成部品が必ずしも特定の方位を有したり、特定の方位で構造、操作されたりすることを指示又は示唆するものではなく、このため、本発明を制限するものとして理解することができない。
【0023】
図1及び
図2に示すように、従来技術では、油戻し穴に設けられる鋳抜きピン50の下部に36度の貫通穴4が設けられ、それにより、傾斜油路に設けられるコアピン28は貫装される。
【0024】
図3~11に示すように、本発明の実施例の好適な実施例は、エンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンを提供し、この油戻し穴の鋳抜きピンは、金型本体1に取り付けられ、ベース2と、ベース2の底部に取り付けられる型面部3とを含み、ベース2には第1の取り付け穴5が設けられ、型面部3の一端は第1の取り付け穴5内に設けられ、ベース2にはコアピン28を取り付けるための貫通穴4が傾斜して設けられ、金型本体1には給排水管40が取り付けられ、ベース2内には、離間している第1の給水管路6と第1の排水管路7が画定されており、且つ第1の給水管路6及び第1の排水管路7はいずれも貫通穴4と離間して設けられ、型面部3内には、離間している第2の給水管路8と第2の排水管路9が画定される。
【0025】
給排水管40には、第1の給水口10と第1の排水口11が設けられ、第1の給水口10及び第1の排水口11には、冷却水を供給するための冷却水循環システムが接続され、第1の給水管路6には、第2の給水口12と第2の排水口13が設けられ、第1の排水管路7には、第3の給水口14と第3の排水口15が設けられ、第2の排水口13及び第3の給水口14は第1の取り付け穴5に設けられ、第1の給水口10、第2の給水口12、第2の排水口13、第2の給水管路8、第2の排水管路9、第3の給水口14、第3の排水口15、及び第1の排水口11は互いに連通して冷却水循環路を形成する。
【0026】
上述構成に基づいて、本発明の実施例のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンでは、第1の給水管路6、第1の排水管路7、第2の給水管路8及び第2の排水管路9を設けることで、冷却水循環装置の第1の給水口10、第1の給水管路6、第2の給水管路8、第2の排水管路9と第1の排水管路7が順次連通して冷却水の循環路となり、それにより、鋳抜きピン及びコアピン28が鋳造中に生じた熱が冷却水に伝達され、鋳抜きピン及びコアピン28の温度を下げることができる。
【0027】
第1の給水管路6及び第2の給水管路8はいずれも貫通穴4と離間して設けられるため、冷却水が貫通穴4をバイパスすることができ、これにより、コアピン28との直接接触を回避し、ピンの製造を容易にする。
【0028】
したがって、本発明のエンジンブロック金型用の油戻し穴の鋳抜きピンは、鋳抜きピン及びコアピン28の表面温度を効果的に低下させて改善することができ、それにより、鋳抜きピン及びコアピン28の鋳造品質を優れたものとし、普及価値がある。
【0029】
本実施例では、
図3~11に示すように、冷却水のベース2と型面部3との間での循環流動を容易にするように、型面部3は、型面部本体31、ショルダ32、及び両端が開口した冷水管33を含み、ショルダ32は型面部本体31の先端に一体的に接続され、且つ第1の取り付け穴5内に取り付けられる。
【0030】
ショルダ32及び型面部本体31には、それぞれ第1のキャビティと、第1のキャビティと連通する第2のキャビティ16が設けられ、冷水管33はショルダ32の第1のキャビティと型面部本体31の第2のキャビティ16内に設けられ、冷水管33には第2の給水管路8となる第3のキャビティが設けられ、冷水管33の外側壁と型面部本体31の内側壁及びショルダ32の内側壁との間には隙間があり、第2の排水管路9となる。
【0031】
ショルダ32の外壁には、第4の排水口17が周方向に設けられ、各第4の排水口17はいずれも第3の給水口14と連通する。具体的には、第1のキャビティ及び第2のキャビティ16が設けられることにより、第1のキャビティ及び第2のキャビティ16で冷水管33を収容する空間を提供することができ、第2の排水管路9が設けられることにより、第2の排水管路9の構造の完全性を確保する上に、第2の排水管路9が巧みに設けられ、加工難易度が低く、且つ冷却水の流通が容易になる。
【0032】
第4の排水口17の2つの開口端がそれぞれ第3の給水口14及び第2の排水管路9と連通するように第4の排水口17が設けられることによって、冷却水の第2の排水管路9と第1の排水管路7との間での連通が容易になる。
【0033】
第2の給水管路8と第2の排水管路9は冷水管33で隔離されており、冷却水が一定の流動軌跡に沿って流動可能であるため、冷却水の安定的な流動が確保され、ここで、冷却水が第1の給水管路6から第1の排水管路7に流れる軌跡としては、冷却水が順次第1の給水管路6の第2の排水口13、冷水管33の給水口、冷水管33の排水口、第2の排水管路9、及び第4の排水口17を介して第1の排水口11に流れる。
【0034】
本実施例では、
図6、10及び11に示すように、
冷水管33の頂部にフランジ18が設けられ、フランジ18はショルダ32の内壁に溶接され、冷水管33の給水口及び複数の第4の排水口17はそれぞれフランジ18の両側に位置し、フランジ18により冷水管33の給水口と複数の第4の排水口17とをよく隔離することができ、冷水管33の給水口が複数の第4の排水口17と直接連通することを回避し、冷却水が冷水管33の給水口に供給されると同時に第4の排水口17に供給されることを避ける。
【0035】
本実施例では、
図8~11に示すように、ベース2と型面部3の着脱をさらに容易にするために、ショルダ32の外側壁の外径が第1の取り付け穴5の内径未満であり、ショルダ32の外側壁には第1のランド19と、第1のランド19と間隔を空けて設けられる第2のランド20とが設けられ、第1のランド19及び第2のランド20はいずれも第1の取り付け穴5の側壁に係合され、且つ、複数の第4の排水口17は第1のランド19と第2のランド20との間に位置する。ここで、ベース2には交番荷重が作用しないため、ベース2を長期間にわたって使用することができ、定期的な交換を必要とせず、一方、型面部3には交番荷重が作用するため、型面部3は定期的な交換を必要とする。このため、ベース2と型面部3を取り外し可能に接続することにより、ベース2と型面部3との間の完全な交換を可能とする設計が実現され、それにより、鋳抜きピン交換によるコストを下げる。ベース2と型面部3との取り外し可能な接続としては、具体的には、第1のランド19及び第2のランド20が第1の取り付け穴5の側壁に係合されたときに、ベース2が型面部3に強固に接続され、第1のランド19及び第2のランド20が第1の取り付け穴5の側壁から分離しているときに、ベース2が型面部3から分離している。
【0036】
ショルダ32の外側壁の外径が第1の取り付け穴5の内径未満であるため、ショルダ32の外側壁と第1の取り付け穴5との間の隙間が環状となり、さらに、ショルダ32の外側壁には、少なくとも2つの第4の排水口17が設けられ、第2の排水管路9から流出した冷却水は順次各第4の排水口17を経てショルダ32の外側壁と第1の取り付け穴5との間の隙間に流れ、このように、第2の排水管路9と第1の排水管路7との間での冷却水の循環効率が高まる。
【0037】
本実施例では、図9に示すように、ベース2には位置決め穴21がさらに設けられ、位置決め穴21は第1の取り付け穴5の外側に位置し、且つ位置決め穴21の内径が第1の取り付け穴5の内径よりも大きい。ここで、位置決め穴21は、ベース2と型面部3を組み立てるときの粗位置決めを容易とし、さらにベース2と型面部3を素早く組み立てることを可能とする。
【0038】
本実施例では、図10に示すように、ショルダ32とベース2との間の防水効果を高めるために、ショルダ32の外側壁には第3のランド22がさらに設けられ、第2のランド20と第3のランド22との間に第1の防水部23が設けられ、第3のランド22と型面部本体31との間に第2の防水部24が設けられ、第1の防水部23及び第2の防水部24は位置決め穴21の外壁に当接する。具体的には、第1の防水部23及び第2の防水部24は、冷却液がショルダ32やベース2から流出することを防止でき、これにより、冷却液がベース2と型面部3との間を流動することが確保される。好ましくは、第1の防水部23及び第2の防水部24は良好なシール性を有するシールリングである。
【0039】
本実施例では、
図9に示すように、ベース2の先端には、給排水管40を取り付けるための第2の取り付け穴27が取り付けられ、第2の給水口12は、第3の排水口15とははずれて第2の取り付け穴27に設けられ、且つ、給排水管40の外壁には第3の防水部25が設けられ、第3の防水部25は、第2の給水口12と第3の排水口15との間に配置される。ここで、第3の防水部25は、冷却液が第2の給水口12と第3の排水口15との間を直接流動することを防止でき、これにより、冷却液が所定の流動経路に沿って流動することが確保される。
【0040】
給排水管40のうち第3の排水口15の前端部位には複数の第4の防水部26がさらに設けられ、第4の防水部26は、冷却液が第2の取り付け穴27から外部へ流れることを防止することができ、好ましくは、第3の防水部25及び第4の防水部26は良好なシール性を有するシールリングである。
【0041】
本実施例では、
図4及び
図7に示すように、冷水管33の長さは第
2のキャビティ
16の長さよりも小さいであり、ここで、冷水管33の給水口はショルダ32の前端と面一であり、冷水管33の排水口と第
2のキャビティ
16の底部との間には一定の隙間があり、このように、冷却液が冷水管33の排水口から第2のキャビティ16に流出することが容易になる。
【0042】
本実施例では、
図3~11に示すように、ベース2は3Dプリントにより成形され、貫通穴4の構造の完全性を確保する上に、第1の給水管路6及び第1の排水管路7は貫通穴4をバイパスすることができ、それにより、ベース2の構造強度が確保され、ベース2の軽量化が実現されるとともに、ベース2の加工難易度が低減する。
【0043】
本実施例では、
図3及び
図4に示すように、給排水管40は、プラテン30及びプッシュロッド29により金型本体1に固定され、それにより、給排水管40は安定的に設けられ得る。
【0044】
本実施例では、
図11に示すように、型面部3は交番荷重を受ける部分であり、交番荷重は、所定の方向に沿って型面部3の側面の一部に作用するものであり、型面部3のうち交番荷重を受ける側面では収縮が生じて、その結果、型面部3の側面の一部には径方向摩耗が生じてしまう。図面に示すように、仮に交番荷重が所定の方向に沿って型面部3の上側面に作用すれば、型面部3はベース2に回動可能に接続されているため、作業者は次回のダイカスト作業にあたり、型面部3の下側面(もちろん、型面部3の下側面以外の他の側面であってもよい)を交番荷重に正対する作用点の箇所に回転させることで、型面部3では、ダイカストのたびに、交番荷重が作用する側面が異なり、これにより、型面部3の摩損のバランスを取り、型面部3の寿命を延ばし、型面部3の交換によるコストを下げることができる。
【0045】
本実施例では、
図3~11に示すように、本発明の鋳抜きピン、給排水管40、及び金型本体1の間の接続方法は以下のとおりである。
【0046】
S1、冷水管33を第1のキャビティ内に溶接する。
【0047】
S2、第1の防水部23及び第2の防水部24をショルダ32に外嵌し、且つショルダ32を第1の取り付け穴5内に取り付け、それにより、型面部3とベース2を接続する。
【0048】
S3、組み立てられた鋳抜きピンを金型本体1内に装着する。
【0049】
S4、第3の防水部25及び第4の防水部26を給排水管40に外嵌し、且つ給排水管40を第2の取り付け穴27に取り付ける。
【0050】
S5、プラテン30及びプッシュロッド29により給排水管40を金型本体1内に押し付ける。
【0051】
以上は本発明の好適な実施形態に過ぎず、当業者であれば、本発明の技術原理を逸脱することなく、複数の改良や置換を行うことができ、これらの改良及び置換も本発明の特許範囲とすべきである。
【符号の説明】
【0052】
1 金型本体
2 ベース
3 型面部
31 型面部本体
32 ショルダ
33 冷水管
4 貫通穴
5 第1の取り付け穴
6 第1の給水管路
7 第1の排水管路
8 第2の給水管路
9 第2の排水管路
10 第1の給水口
11 第1の排水口
12 第2の給水口
13 第2の排水口
14 第3の給水口
15 第3の排水口
16 第2のキャビティ
17 第4の排水口
18 フランジ
19 第1のランド
20 第2のランド
21 位置決め穴
22 第3のランド
23 第1の防水部
24 第2の防水部
25 第3の防水部
26 第4の防水部
27 第2の取り付け穴
28 コアピン
29 プッシュロッド
30 プラテン
40 給排水管
50 鋳抜きピン
【国際調査報告】