(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】欠陥低減のためのスクライブレーンパターンを有する集積回路
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
G03F7/20 502
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520670
(86)(22)【出願日】2020-10-05
(85)【翻訳文提出日】2022-06-06
(86)【国際出願番号】 US2020054204
(87)【国際公開番号】W WO2021067909
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(71)【出願人】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ合同会社
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン サリナス
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム キース マクドナルド
(72)【発明者】
【氏名】スコット アレクサンダー ヨハネスメイヤ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ポール ルッキン
(72)【発明者】
【氏名】ステファン アルロン メイスナー
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA06
2H197AA09
2H197CA06
2H197EA25
2H197HA03
(57)【要約】
幾つかの例において、集積回路の製造方法が、光源とウェハのウェハスクライブレーンにフォトレジスト層を有する半導体ウェハとの間にフォトマスクを配することを含み、フォトマスクは、第1マスクスクライブレーンパターン、第1マスクスクライブレーンパターンに一致する第2マスクスクライブレーンパターン、第1及び第2マスクスクライブレーンパターン間に位置する集積回路の少なくとも1つの回路パターン(802)を含む。本方法はまた、フォトマスクを照射して、第2マスクスクライブレーンパターンに対応する第1露光部分をウェハスクライブレーンのフォトレジスト層内に生成し(804)、光源と第1露光部分との間に第1マスクスクライブレーンパターンを配置し(806)、フォトマスクを照射することを含み、第1マスクスクライブレーンパターンは、ウェハスクライブレーンのフォトレジスト層の未露光部分を光露光から実質的に遮蔽する(808)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路の製造方法であって、
光源と、フォトレジスト層を有する半導体ウェハとの間で、前記半導体ウェハのウェハスクライブレーン内にフォトマスクを配置することであって、
前記フォトマスクが、
第1のマスクスクライブレーンパターンと、
前記第1のマスクスクライブレーンパターンに一致する第2のマスクスクライブレーンパターンと、
前記第1のマスクスクライブレーンパターンと前記第2のマスクスクライブレーンパターンとの間に位置する前記集積回路の少なくとも1つの回路パターンと、
を含む、前記フォトマスクを配置することと、
前記ウェハスクライブレーンの前記フォトレジスト層内に前記第2のウェハスクライブレーンパターンに対応する第1の露光部分を生成するために前記フォトマスクを照射することと、
前記光源と前記第1の露光部分との間に前記第1のマスクスクライブレーンパターンを配置することと、
前記フォトマスクを照射することと、
を含み、
前記第1のマスクスクライブレーンパターンが、前記ウェハスクライブレーンの前記フォトレジスト層の露光されていない部分を光露光から実質的に遮蔽する、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第1のマスクスクライブレーンパターンが前記第1の露光部分と一致する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記フォトマスクが複数のチップパターンを含み、前記チップパターンの各々が名目上同一である、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記第1及び第2のマスクスクライブレーンパターンがダミーフィルパターンを含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記フォトレジスト層内に前記第2のマスクスクライブレーンパターンに対応する第2のスクライブレーンの第2の露光部分を生成するために前記フォトマスクを照射することを更に含み、前記第2のウェハスクライブレーンが前記ウェハの外周に隣接している、方法。
【請求項6】
集積回路の製造方法であって、
第1の露光の間、第1のマスクスクライブレーンパターンを用いて第1のウェハスクライブレーン内のフォトレジストの第1の部分を露光すること、
前記第1の露光の間、第2のマスクスクライブレーンパターンを用いて第2のウェハスクライブレーン内のフォトレジストの第2の部分を露光すること、
前記第1の露光の間、マスク回路パターンを用いてフォトレジストの第3の部分を露光することであって、前記第3の部分がフォトレジストの前記第1の部分と前記第2の部分との間に配置される、前記フォトレジストの前記第3の部分を露光することと、
第2の露光の間、前記第1の露光の間露光されたフォトレジストの前記第2の部分のエリアが再露光されるように、及び、前記第1の露光の間露光から保護されたフォトレジストの前記第2の部分のエリアが露光されないように、前記第1のマスクスクライブレーンパターンを用いてフォトレジストの前記第2の部分を露光すること、
を含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記第1のマスクスクライブレーンパターンが、前記第2のマスクスクライブレーンパターンと一致する、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、前記第1のマスクスクライブレーンパターンが、ダミーフィルを製造するために使用可能である、方法。
【請求項9】
請求項6に記載の方法であって、前記第1のマスクスクライブレーンパターンが、名目上同一の幾何学的形状の均一なアレイを含む、方法。
【請求項10】
請求項6に記載の方法であって、フォトレジストの前記第1の部分における露光エリアと、フォトレジストの前記第2の部分における露光エリアとが、同一の二次元グリッドの格子点の周りに位置する、方法。
【請求項11】
集積回路であって、
複数のダミー金属構造であって、各ダミー金属構造が、同じ2次元グリッドの格子点の周りに位置する、前記複数のダミー金属構造と、
上に形成された回路を回路エリア内に有するダイと、
を含み、
前記回路エリアが、前記ダミー金属構造の第1のサブセットを含む第1のウェハスクライブレーン部分によって第1の側部において区切られ、また、前記回路エリアが、前記ダミー金属構造の第2のサブセットを含む第2のウェハスクライブレーン部分によって第2の側部において区切られるように、前記2次元グリッド内に位置する、
集積回路。
【請求項12】
請求項11に記載の集積回路であって、前記2次元グリッドが六角形グリッドである、集積回路。
【請求項13】
請求項11に記載の集積回路であって、前記2次元グリッドがスキューグリッドである、集積回路。
【請求項14】
請求項11に記載の集積回路であって、前記ダミー金属構造が、前記第1のサブセットのダミー金属構造が前記ダイの軸に沿って移動されるとき、前記第1のサブセットの各ダミー金属構造が前記第2のサブセットの対応するダミー金属構造に直接重なるように配置される、集積回路。
【請求項15】
請求項11に記載の集積回路であって、ダミー金属構造の前記第1及び第2のサブセットが、直交するスクライブレーン内に位置する、集積回路。
【請求項16】
請求項11に記載の集積回路であって、前記回路エリアが前記ダミー金属構造によって全ての側部において囲まれている、集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
半導体集積回路(IC)は、一般にウェハと称される薄い半導体ディスク上にフォトリソグラフィ手法を用いて製造される。ウェハのうち回路の大部分が形成される側は一般にデバイス側又は頂部側と呼ばれ、反対側は一般に裏側又は底部側と称される。半導体ウェハ上に集積回路を形成する場合、それらの間の空間が、ICを個々のユニット又はダイに分離する。これらの空間はウェハスクライブレーンと呼ばれる。半導体ウェハ上の集積回路の製造の間実施されるフォトリソグラフィ手法は、一般にフォトマスク(又はマスク、又はレチクル)と称されるガラス又は他の透明プレート上に形成されたフォトリソグラフィパターンを用いる。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィ処理では、半導体ウェハの上にフォトレジスト層が形成される。この層は、感光性材料から形成され、フォトレジスト層が、特定の波長(例えば、190nm)の光が当たったときにその特性を変化させることを意味する。フォトレジスト層は、例えば、エッチング、注入、又は酸化物形成などの後続の工程を受ける特定のウェハエリアを制御するために用いられる。次いで、フォトマスクが配置され、光を用いて、フォトマスクのパターンがフォトレジスト上に転写される。次に、露光されたフォトレジスト(化学組成に応じて、フォトレジストはポジティブ又はネガティブのレジストとし得る)を化学的に現像し、フォトマスクのパターンに応じて、フォトレジストのエリアを除去するか又は除去しない。
【発明の概要】
【0003】
種々の例において、集積回路を製造する方法が、光源と、フォトレジスト層を有する半導体ウェハとの間で、当該ウェハのウェハスクライブレーン内にフォトマスクを配置することを含み、フォトマスクは、第1のマスクスクライブレーンパターンと、第1のマスクスクライブレーンパターンと一致する第2のマスクスクライブレーンパターンと、第1のマスクスクライブレーンパターンと第2のマスクスクライブレーンパターンとの間に配置される集積回路の少なくとも1つの回路パターンとを含む。この方法は更に、フォトマスクを照射して、ウェハスクライブレーンのフォトレジスト層内に、第2のマスクスクライブレーンパターンに対応する第1の露光部分を生成することと、光源と第1の露光部分との間に第1のマスクスクライブレーンパターンを配置することと、フォトマスクを照射することとを含み、第1のマスクスクライブレーンパターンは実質的に、ウェハスクライブレーンのフォトレジスト層の露光されていない部分を光露光から遮蔽する。
【0004】
種々の例において、集積回路が、複数のダミー金属構造であって、各ダミー金属構造が同じ2次元グリッドの格子点の周りに位置する、複数のダミー金属構造と、上に形成された回路を回路エリア内に有するダイとを含む。回路エリアは、ダミー金属構造の第1のサブセットを含む第1のウェハスクライブレーン部分によって回路エリアが第1の側部において区切られ、また、ダミー金属構造の第2のサブセットを含む第2のウェハスクライブレーン部分によって回路エリアが第2の側部において区切られるように、二次元グリッド内に位置する。
【0005】
種々の例の詳細な説明のため、ここで、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】幾つかの例における、例示の半導体ウェハの上面図を示す。
【0007】
【
図2】幾つかの例における、半導体ウェハの一対のショットの上面図を示す。
【0008】
【
図3】幾つかの例における、フォトマスクの上面図を示す。
【0009】
【
図4】幾つかの例における、半導体ウェハの一対のショットの上面図を示す。
【0010】
【
図5】幾つかの例における、半導体ウェハの一対のショットの上面図を示す。
【0011】
【
図6】幾つかの例における、本明細書において記載される手法を用いて製造される集積回路パッケージを示す。
【0012】
【
図7】幾つかの例における、本明細書において記載される手法を用いて製造される集積回路パッケージを示す。
【0013】
【
図8】幾つかの例における、集積回路パッケージを製造するための方法のフローチャートを示す。
【
図9】幾つかの例における、集積回路パッケージを製造するための方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
フォトマスクパターンとウェハパターンを1対1で対応させた、標準の1:1マスクアライナが、縮小光学技術を用いるステッパやスキャナで置き換えられている。ステッパやスキャナでは、フォトマスクパターンが、ウェハ表面上にあるフォトレジスト上に、4、5倍などの縮小係数で投影され、縮小される。半導体ウェハは、半導体ウェハの最大表面適用範囲(coverage)が達成されるまで、ステッパ内の或る位置から別の位置に反復して「ステップされる」。各ステッピング事象において、ウェハの異なるショット(すなわち、ダイのグループ)は、マスクと整合され、露光される。ウェハは、このようにして、異なるマスクパターンを有するマスクを用いて反復して、露光され処理されて、ウェハの各ダイ上に回路要素の複数の層が生成される。チップの各々における種々の構成要素の製造では、しばしば、特定の順で十数個以上のマスクを使用し、各マスクがフォトレジストに転写されるパターンを含み、フォトレジストは、ウェハ上に所望のシーケンスのパターンを形成するために現像される。
【0015】
所望の回路パターンを形成した後、ウェハは、個々のシリコンダイに分離(又は個片化)される。個々のシリコンダイへの分離は、通常、機械的又はレーザ装置を用いてウェハスクライブレーンを通って半導体ウェハをソーイングすることによって達成される。半導体ウェハは、製造プロセスが完了した後に個々のシリコンダイに分離されるので、ウェハスクライブレーンは個片化の前に、ある程度の過渡的な利点を有し得る構造を含み得る。例えば、ウェハスクライブレーンは、ウェハがソーイングされる前に半導体ウェハ内/上に製造された回路特徴の健全性を評価するための試験サイト(例えば、電気的に機能する試験パッド、フレームセル)を含み得る。試験パッドは、ウェハ上に製造される電子素子の欠陥を検査するために用いられる。フレームセルは、異なる層間のオーバーレイ(例えば、整合)のインラインモニタリング、及び製造される電子素子の寸法のインラインモニタリングなどの、インラインモニタリングのために用いられる。
【0016】
場合によっては、ウェハスクライブレーンは、電気的に機能しないが、ダミー金属構造(ダミーフィルとも呼ばれる)など、製造プロセスに何らかの利点をもたらし得る他の構造も含み得る。ダミー金属構造は、フォトレジストの下に存在する金属層(例えば、金属相互接続層、頂部レベルパッシベーション層、又は、金属相互接続層又は頂部レベルパッシベーション層の上の付加的に堆積された金属層)をパターニングすることによって形成される任意形状の金属構造であり得る。ダミー金属構造は、半導体ウェハ内の特定エリアの平坦化を改善し得る金属密度仕様を満足する。また、ダミー金属構造は、ソーイングプロセス中の亀裂の伝播を防止するのに役立ち得る。用語の問題として、スクライブレーン内のダミーフィルなどの構造を形成するために用いられるマスク上の指定エリアは、本明細書では「マスクスクライブレーン」と呼ばれ、構造(及び構造を形成するために用いられるフォトレジスト露光)が実際に形成されるウェハのスクライブレーンは、本明細書では「ウェハスクライブレーン」と称される
【0017】
上述のように、マスクは、複数のダイ上のフォトレジストを同時に露光するために用いられる複数の回路パターンを含み得る(上述のように、複数のダイの各そのようなグループはショットと称される)。マスク上で、1つ又は複数の回路パターンのグループは、上述の非機能構造(例えば、ダミーフィル)のうちの1つに関連する第1のパターンを有する第1のマスクスクライブレーンによって第1の側で区切られ得、回路パターンの同じグループは、カバーパターンを含む第2のマスクスクライブレーン(第1のマスクスクライブレーンの反対側)によって区切られ得る。ダミーカバーと呼ばれる長く連続したエリアであり得るカバーパターンは、既に露光されているウェハスクライブレーンが、ウェハがステップされたときに再び露光されるのを防止する。(二重露光は、フォトレジストを損傷させたり、完全に除去したり、又は、予測不能な露光をもたらす可能性がある。)幾つかの例では、カバーパターンは、露光された第1のパターンが後続の露光において二重露光されることを防ぐ大きな矩形の金属(例えば、クロム)ブロックである。
【0018】
例えば、マスクの第1の露光に起因して、一つ又はそれ以上の回路パターン及びマスクスクライブレーンに存在するパターンは、フォトレジスト上にそれらのインプリントを残す。第1の露光に続いて、ステッパは、第2の露光のためにウェハを隣接位置にステップする。ステッパは、ウェハをステップして、マスクのカバーパターンが、第1のパターンがインプリント/露光されたウェハスクライブレーンと整合されて(重なって)、そのウェハスクライブレーンが再び露光されるのを防止し、それによって、フォトレジストの露光エリアが損傷されるのを防止する。換言すれば、第2のマスクスクライブレーン内のカバーパターンは、第2の露光の間、以前に露光されたパターンを覆い、第2の露光の間に再び露光されることから保護する。
【0019】
マスクが半導体ウェハの縁部付近又は縁部にある場合、カバーパターンは、露光されていないウェハスクライブレーンを保護して、そのウェハスクライブレーン内のフォトレジストが全く露光されないようにし得る。このようなシナリオは、ウェハスクライブレーンにおいてパターン化されていない金属層をもたらす可能性がある。ウェハスクライブレーンにおけるパターン化されていない金属層の存在は、スクライブ/ソーイングウェハプロセスの間破壊的である可能性がある。これは、パターン化されていない金属層を通るソーイングが、チップアウトや層間剥離などの問題を引き起こす可能性があるからである。パターン化されてない金属層を有するスクライブレーンに隣接するダイは、ソーイング後検査の間に損傷及び故障する可能性がある。これらのダイは、顧客に出荷するのに適していないと見なされ、その結果、歩留まりが低下する。従って、この歩留り損失の問題を克服するための製造方法とデバイスが必要である。
【0020】
従って、本記載は、歩留まり損失の問題を緩和するマスク設計を用いて集積回路を製造する方法を記載する。具体的には、本記載は、特定の方式でウェハスクライブレーンを露光するために用いられるパターンを有する第1のマスクスクライブレーンと、第1のマスクスクライブレーンの反対側にあり、第1のマスクスクライブレーンにおけるパターンと実質的に同様であるカバーパターン、例えばダミー金属特徴、を含む第2のマスクスクライブレーンとを有するマスクの使用を記載する。このようなマスク設計を用いることによって、第2のマスクスクライブレーン内のカバーパターンの各構成要素が、先行するショット露光の間第1のマスクスクライブレーン内のパターンによって生成されるフォトレジストインプリントのための正確な(又はほぼ正確である)カバーとして作用することが保証される。このようなマスク設計を用いることは、少なくとも全体的な歩留まりを改善し得るので、技術的に有利である。簡潔にするため、本記載の残りの部分は、半導体ウェハのウェハスクライブレーンがダミー金属構造(すなわち、ダミー充填体)のみを含むと仮定している。他の例では、ウェハスクライブレーンが、異なるタイプの非機能サイトを含み得る。そのように、それらの例では、第1のパターンと第2のパターンの両方が、第2のマスクスクライブレーン内のカバーパターンが、隣接するショット露光の間第1のマスクスクライブレーン内のパターンによって形成される構造のカバーとして作用するように、同じ非機能サイトのためのパターンを含むことになる。
【0021】
本明細書において記載される例は、多種多様な状況で適用され得る。本明細書に記載される特定の実施例は例示であり、本明細書の範囲を限定するものではない。
【0022】
図1は、幾つかの例における、例示の半導体ウェハ100の上面図を示す。ウェハ100は半導体基板を含み、これは、幾つかの例では、シリコン基板であり得る。あるいは、半導体基板は、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、III‐V族化合物半導体材料などを含み得る。ウェハ100は、複数のショット102と、ショット102を互いに分離する複数のウェハスクライブレーン104とを含む。ショット102の各々は、単一のダイ、又はより一般的には、ダイのグループ(
図1では明示的に示されていない)を含む。例えば、単一ショット102は、ダイの2×2又は3×3アレイを含み得る。各ショット102内の各ダイは、1つ又は複数のマスクを用いて一連のフォトリソグラフィ及びエッチングプロセスを実施することによってその上に形成される回路を有し得る。幾つかの例では、ショット102内の複数のダイの幾つか又は全てに同じ回路が形成され、幾つかのそのような例では、ウェハ100全体上の複数のダイの幾つか又は全てに同じ回路が形成される。(明確にするために、ウェハ100上に形成された回路パターンは
図1では描かれておらず、また、ウェハスクライブレーン104内に存在し得る構造要素でもない。しかしながら、ウェハスクライブレーン104はより詳細に
図2で示されている。)示されているように、ショット102の幾つか又は全てが、複数のウェハスクライブレーン104によって外接されている。例えば、ショット102は、異なるウェハスクライブレーン104にそれぞれが当接する4つの側部を有し得る。更に、各ショット102自体が複数のダイを含む場合、これらのダイの各々は、1セットのウェハスクライブレーン104によって外接される。ウェハ100の全てのダイに外接するウェハスクライブレーン104の全てが
図1で示されているわけではない。そうではなく、ショット102に外接するそれらのウェハスクライブレーン104のみが
図1で示されている。したがって、例えば、ショット102に外接することなくショット102を(水平又は垂直のいずれかで)通過するウェハスクライブレーン104は、明瞭さを向上させ、理解を容易にするために、
図1から省略される。ウェハ100の全てのウェハスクライブレーンは符号104で標示されているが、ウェハスクライブレーン104の幾つかは、より具体的には104A~104Eで示され、
図2に関連して以下に記載される。
【0023】
図2は、一対の隣り合ったショット102の詳細図を示す。この例では、これらの隣接するショットが102A及び102Bとして標示されている。また、図示されるように、ショット102A、102Bの各々は、ダイ200の2×2アレイを含む(しかし、他の例では、3×3、4×4、5×5、及び10×10アレイなど、ダイの他のアレイが用いられてもよい)。ダイ200の各々は、複数のウェハスクライブレーン104によって外接されている。
図2に示された全てのウェハスクライブレーンは符号104で標示されているが、ショット102A、102Bに外接するウェハスクライブレーン104は、より具体的には104A~104Eとして標示されている。
【0024】
上述したように、ウェハ100は、マスク(
図3で示される)と整合されて、単一ショットでマスク上の全てのダイを同時に露光し、そのショットに外接するウェハスクライブレーンを同時に露光する。次いで、ウェハ100は、マスクが隣接ショット(例えば、すぐ隣接するショット)と整合されるように、ステップされ、プロセスが繰り返される。
図3は、このようなマスク(又はレチクル)300を示す。マスク300は、フレーム302と、複数のマスクスクライブレーン304、306、308、310、312、及び314によって外接される複数のダイプレート311とを含む。幾つかの例では、ダイプレート311の数は、各ショット102(
図2)におけるダイ200の数と一致する。
【0025】
マスク300は、各側が約15~20cmであり得るガラス(又は石英)プレートを含む。ダイプレート311及びマスクスクライブレーン304、306、308、310、312、及び314は、約100nmの厚さを有し得る薄い金属層(例えば、クロム)で被覆される。パターンが金属領域と透明ガラス領域の両方を含むように、金属層にパターンが形成される。パターンの透明なガラス領域は、ステッパ/スキャナからの光を通過させる。パターンの金属領域は光透過を阻止する。このようにして、光は、ダイ200及びウェハスクライブレーン104(
図2)上にパターンを投影するために用いられる。ダイプレート311上のパターンは、説明を容易にするために省略されているが、マスクスクライブレーン内の例示のパターンが示されている。具体的には、マスク300は、マスクスクライブレーン304内のパターン特徴316、318、及び320と、マスクスクライブレーン306内のパターン特徴322及び324と、マスクスクライブレーン308内のパターン特徴326、328、及び330と、マスクスクライブレーン310内のパターン特徴332及び334と、マスクスクライブレーン312内のパターン特徴318、328、336及び338と、マスクスクライブレーン314内のパターン特徴340及び342とを含む。幾つかの例では、パターン特徴316、318、及び320は、それぞれ、パターン特徴330、328、及び326と同一又は名目上同一である。同様に、パターン特徴332、334は、それぞれ、パターン特徴340、342と名目上同一である。幾つかの例では、マスクスクライブレーン内の様々なパターン特徴の幾つか又はすべてが、ダミーフィルパターンを形成する。幾つかの例では、パターン特徴は、
図3で示されるよりも多数(例えば、数千、数十万、又は数百万)である。幾つかの例では、他の量の他のタイプのパターン特徴が用いられる。幾つかの例では、マスクスクライブレーン内のパターン特徴の幾つか又はすべてが同一又は名目上同一である(例えば、正方形、円形、六角形、三角形、又は、約0.4ミクロン×2.5ミクロンの長方形などの名目上同一の幾何学的形状及び/又はサイズ。弓形及び山形などのより複雑な形状を用いることもでき、記載の範囲は任意のすべての可能な形状を包含する)。本記載の範囲は、いかなる特定のタイプのマスクスクライブレーンパターン特徴又はパターンにも限定されない。
【0026】
次に、
図2及び
図3を参照すると、製造工程において、ステッパ/スキャナが、マスク300を、
図2のショット102Aなどのウェハ100のショット102と整合する。次いで、ステッパ/スキャナは、マスク300の透明部分を通過し、ショット102A上のフォトレジストの対応する部分上に光を放射する。例えば、ダイプレート311の各々上に形成されたパターンは、そのパターンに従って、ショット102Aの対応するダイ200上のフォトレジストを光で露光させる。同様に、マスクスクライブレーン304、306、308、310、312、及び314内のパターン特徴によって形成されるパターン(例えば、ダミーフィルパターン)は、光をマスクスクライブレーン内のパターンと一致する対応するウェハクライブレーン104内のフォトレジストに露光させる。例えば、ウェハスクライブレーン104A内のフォトレジストは、パターン特徴316、318、及び320によって形成されたパターンと一致して露光される。例えば、ウェハスクライブレーン104Bに面するパターン特徴326、328、及び330、ウェハスクライブレーン104Dに面するパターン特徴332、334、ウェハスクライブレーン104Eに面するパターン特徴340、342等についても同様のことが言える。
【0027】
ウェハスクライブレーン104A、104B、104D、及び104Eにおいて結果として得られるフォトレジストの露光されたエリアは、
図4で示されている。
図4は、
図2と同様であるが、明確にするためにショット102A、102Bを示す破線がなくされ、ウェハスクライブレーン104A、104B、104D、104E内のフォトレジストの露光エリアが符号400で示されている。
図4は、マスク300が、ウェハ表面に対して左から右へ、そして頂部から底部へとステップされる例を、含意された制限はなしに示している。そのため、露光されたダイ200の事象は実線で示されており、まだ露光されていない事象の位置は破線で示されている。図示のように、スクライブレーン104の幾つかのフォトレジストは露光されていない。例えば、ウェハスクライブレーン104C内のフォトレジストは、ウェハスクライブレーン104D及び104E内のフォトレジストの部分と同様に、未露光である。フォトレジストのこれらのエリアは、マスク300がショット102Aと整合され、ショット102B(
図2)とはまだ整合されていないので、露光されていない。
【0028】
フォトレジストのエリアが、
図4に示されるようにウェハスクライブレーン内で露光された後、ウェハ100は、マスク300がショット102B(
図2)と整合されるように、ステップされる。例えば、マスクスクライブレーン304内のパターン特徴316、318、320は、それぞれ、ウェハスクライブレーン104B内のフォトレジスト406、404、402の露光エリアと整合され、パターン特徴326、328、330は、ウェハスクライブレーン104C内の未露光フォトレジストの上に位置する。次に、光はマスク300の透明エリアを通過する。マスクスクライブレーン304内のパターン特徴316、318、及び320は、フォトレジスト402、404、及び406の露光エリアと整合され、更に、パターン特徴316、318、及び320は、ショット102Bとの整合の間に光がマスク300を通過したときに、それぞれ、フォトレジスト406、404、及び402の露光エリアを形成したパターン特徴330、328、及び326(それぞれ)と同一又は名目上同一であるため、既に露光されたエリア402、404、及び406以外のウェハスクライブレーン104B内のフォトレジストのエリアは露光されない。加えて、種々のウェハスクライブレーン104内のフォトレジストの他のエリアが露光される。
【0029】
図5は、ショット102Bの露光後のウェハの露光エリアを示す。スクライブレーン104Bにおいて、以前に露光されたエリア402、404、及び406は、それぞれのパターン特徴320、318、及び316で再び露光され、したがって、402+412、404+410、及び406+408と標示される。
図5はまた、例えば、ウェハスクライブレーン104C、104D、及び104Eに形成された新たに露光されたエリア500を示す。幾つかの例では、エリア402+412、404+410、及び406+408は二重露光されるので、これらのエリアは、各露光ショットを有するウェハに対するマスクの整合変動のために、エリア402、412、及び406とは異なるサイズであり得る(たとえば、より小さい)。幾つかの例では、二重露光エリアは、垂直方向及び水平方向において±0.2ミクロンの整合公差を反映して、単一露光された類似エリア400、500よりも、面積が約0.16平方ミクロン小さくなり得る。しかしながら、サイズの差は、可変であることが予期され、平均ゼロとし得る。
【0030】
ウェハ100上でフォトレジストを露光し、ウェハ100をステップし、再びフォトレジストを露光し、ウェハ100を再びステップする…、というこのプロセスは、ウェハの端部に到達するまで続く。例えば、ウェハ100のエッジに達する前に、マスク300が最終ショット102に整合されると、パターン特徴326、328、及び330(
図3)は、ウェハ100の周りに隣接する最終ウェハスクライブレーン(例えば、
図1中のウェハスクライブレーン104C)内のフォトレジストの上に配置され、パターン特徴314、316、及び318は、既に露光されている最後から3番目のウェハスクライブレーン内のフォトレジストのエリアと整合される。この整合を適切に行うと、光はマスク300を通過して、パターン特徴326、328、330に対応する最終ウェハスクライブレーン内のフォトレジストのエリアを露光する。更に、パターン特徴316、318、及び320が最後から3番目のウェハスクライブレーン内のフォトレジストの既に露光されたエリアと整合され、最後から3番目のウェハスクライブレーン内のフォトレジストの既に露光されたエリアが、それぞれ、パターン特徴320、318、及び316と同一又は名目上同一であるパターン特徴326、328、及び330によって形成されたので、最後から3番目のウェハスクライブレーン内のフォトレジストの新しいエリアは露光されない。露光が完了すると、最終的なウェハスクライブレーンは、それ以上(例えば、
図1のマスクスクライブレーン104Aなど、別のマスクスクライブレーンによって)露光されない。本記載の範囲は、任意の特定の方向にウェハをステップすることに限定されない。ウェハは、左から右へ又はその逆へ、頂部から底部へ又はその逆へ、ランダムに、又は任意の他の手法を用いて、ステップされ得る。本明細書に記載される手法は、用いられるステッピング手法にかかわらず適用可能である。
【0031】
この手法を用いた結果、ウェハ100上のウェハスクライブレーンの多くは二重露光される(第2の露光は、第1の露光と同一又はほぼ同一の方式である)。これは、ウェハ100がショット露光の間にシフトされるたびに、マスクスクライブレーンの1つが、最新のウェハシフトの前に既に露光されていたウェハスクライブレーン内のフォトレジストを再露光するために用いられるからである。これは、ウェハ100の最も外側のウェハスクライブレーン104を除いて、ショット102(
図1)の各々に外接する種々のウェハスクライブレーン104についても当てはまる。このような二重露光は、両方の露光が同一又は名目上同一のマスクパターンを用いて同一又は名目上同一の方式で行われるので、フォトレジストを害したり、その他の方式でフォトリソグラフィプロセスに悪影響を及ぼしたりすることがない。
【0032】
本記載の多くは、ウェハ100が右から左にステップされると仮定している。しかしながら、本明細書に記載されたマスク及び手法は、ウェハ100が左から右にステップされるときに用いるように適合されてもよい。同様に、本明細書に記載されるマスク及び手法は、ウェハ100が低い位置から高い位置へ又はその逆へ、垂直にステップされる場合に用いるように適合されてもよい。こういったマスク及び手法は、ウェハが複数の(水平及び垂直)方向にステップされる場合に用いるように適合されてもよい。
【0033】
図6は、本明細書に記載される手法を用いて製造される例示の集積回路ダイ600の中身、並びに、好適であり得る任意の追加の工程(例えば、エッチング工程)を示す。ダイ600は、上に形成された回路604を有する内部領域602を含む。ダイ600は、第1のウェハスクライブレーン部分606(例えば、個片化後のウェハスクライブレーン)を更に含み、第1のウェハスクライブレーン部分606は、内部領域602に当接し、第1の複数のダミー金属構造608を含む。また、ダイ600は、第1のウェハスクライブレーン部分606に対向する第2のウェハスクライブレーン部分610を含み、第2のウェハスクライブレーン部分610は、内部領域602に当接し、第2の複数のダミー金属構造612を含む。第1の複数のダミー金属構造608のそれぞれは、第2の複数のダミー金属構造612における対応する構造とは異なる大きさであり得る(例えば、より小さい)(ただし、これらの対応する構造の形状は同一又は名目上同一であり得る)。しかしながら、本明細書の範囲は、ダミー金属構造608及び612が測定精度内で本質的に同じサイズである例を含む。加えて、第1の複数のダミー金属構造608のそれぞれは、第2の複数のダミー金属構造612における対応する構造と名目上同一の形状を有する。本明細書の範囲に含まれる形状は、無限であり、単に例として、正方形、長方形、三角形、山形、弓形、円形などを含み得る。第1の複数のダミー金属構造608内の構造は、上記で詳細に説明したように、第1の複数のダミー金属構造608内の構造が二重露光によって形成されるため、第2の複数のダミー金属構造612内の対応する構造とは異なるサイズであり得る。ショット間の不整合は、例えば、垂直方向及び水平方向に±0.2ミクロンであり得る。したがって、二重露光は、構造のサイズを、例えば、長さ及び幅0.4ミクロンだけ減少させ、したがって、0.16平方ミクロンの面積の例示の近似減少をもたらし得る。対照的に、第2の複数のダミー金属構造612内の構造は、例えばマスクスクライブレーン306(
図3)内のパターンを用いることによって、単一の露光によって形成される。図示されるように、ウェハスクライブレーン部分606及び610に直交するウェハスクライブレーン部分内に、同様のダミー金属構造を形成し得る。
【0034】
図7は、本明細書に記載された手法を用いて製造された別の例示の集積回路ダイ700、並びに、エッチング工程などの好適であり得る任意の他の工程を示す。ダイ700は、上に形成される1つ又は複数の回路704を有する内部領域702を含む。1つ又は同様の回路は、ダイのスクライブレーン部分と、スクライブレーン部分に配置され得る任意の試験モジュール又は同様の回路とを除外する、ダイの回路領域に配置される。ダイ700は更に第1のウェハスクライブレーン部分706を含み、第1のウェハスクライブレーン部分706は、内部領域702に当接し、第1の複数のダミー金属構造708を含む。またダイ700は、第1のウェハスクライブレーン部分706に対向する第2のウェハスクライブレーン部分710を含み、第2のウェハスクライブレーン部分710は、内部領域702に当接し、第2の複数のダミー金属構造712を含む。ダイ700は、第3のウェハスクライブレーン部分714を更に含み、第3のウェハスクライブレーン部分714は、内部領域702に当接し、第3の複数のダミー金属構造716を含む。ダイ700は、第4のウェハスクライブレーン部分718を更に含み、第4のウェハスクライブレーン部分718は、内部領域702に当接し、第4の複数のダミー金属構造720を含む。ウェハスクライブレーン部分706及び710は互いにほぼ平行であり、ウェハスクライブレーン部分714及び718は互いにほぼ平行である。ウェハスクライブレーン部分706は、ウェハスクライブレーン部分714及び718とほぼ直交し、ウェハスクライブレーン部分710も、ウェハスクライブレーン部分714及び718とほぼ直交する。
【0035】
図示されるように、ダミー金属構造708、712、716、及び720は、2次元グリッド722の格子点の上又は周りに位置する。(グリッド722は、例示の目的のためであり、ダミー充填構造708、712、716、及び720の互いに対する位置による以外は、それ自体がダイ700において物理的に顕在化されているわけではない。)グリッド722は、例えば左上隅として示される、ダイ700エリア内に原点を有する。グリッド722は、マスク300の1つ又は複数のダイ及びスクライブレーンの上に均一に延在し得る。従って、マスク300上の外周マスクスクライブレーン304、308、310、及び314内の少なくともダミー充填構造は、同じ均一なグリッドの格子点に位置し得る。任意選択で、外周マスクスクライブレーン内にないダミー充填構造、例えばパターン特徴322、324、336及び338もまた、均一なグリッドの格子点に位置されてもよい。ダイ700は、それらのウェハから個片化される前に、上で詳述したように、二重露光が生じたウェハスクライブレーンに当接して配置され得る。更に、グリッド722は長方形グリッドとして描かれているが、他のグリッドタイプが考えられ、正方形グリッド、六角形グリッド、及びスキューグリッド(点が平行四辺形のアレイの頂点に位置するグリッド)を含み、本記載の範囲に含まれる。更に、幾つかの例では、ダミー金属構造708、712、716、及び720は、第1のサブセットのダミー金属構造がダイの軸(例えば、軸724)に沿って移動される場合に、第1のサブセットの各ダミー金属構造が第2のサブセットの対応するダミー金属構造に直接重なるように配置される。
【0036】
図8及び
図9は、幾つかの例における、集積回路ダイを製造するための方法のフローチャートである。
図8を参照すると、方法800は、光源と、ウェハのウェハスクライブレーン内にフォトレジスト層を有する半導体ウェハとの間にフォトマスクを配置すること(802)によって始まる。フォトマスクは、第1のマスクスクライブレーンパターンと、第1のマスクスクライブレーンパターンに一致する(match)第2のマスクスクライブレーンパターンと、第1のマスクスクライブレーンパターンと第2のマスクスクライブレーンパターンとの間に位置する集積回路の少なくとも1つの回路パターンとを含む。(本明細書でマスクスクライブレーンパターンに適用される「一致する」という用語は、マスクスクライブレーンの各々が、残りのマスクスクライブレーンにおける名目上同一のサイズ、形状、及び位置の対応するパターン特徴を備える1つ又は複数のパターン特徴を含む、複数のマスクスクライブレーンを意味し、その位置は、本明細書の他の箇所において記載されるように、複数のマスクスクライブレーンに重なる2次元グリッドのグリッド点にある。一致するマスクスクライブレーンパターンは、パラメトリック試験モジュール、整合マーク等のような、二重露光から他の非ダミーフィル構造を遮蔽し得る一つ又はそれ以上のマスクスクライブレーンにおける特徴の存在を排除しない。したがって、一致するマスクスクライブレーンパターンの一部のみが、互いに対応する特徴を有することも可能である。方法800は、ウェハスクライブレーンのフォトレジスト層内に、第2のマスクスクライブレーンパターンに対応する第1の露光部分を生成するようにフォトマスクを照射すること(804)も含む。方法800は、光源と第1の露光部分との間に第1のマスクスクライブレーンパターンを配置すること(806)を更に含む。方法800はまた、フォトマスクを照射することを含み、第1のマスクスクライブレーンパターンは、ウェハスクライブレーンのフォトレジスト層の露光されていない部分を光露光から遮蔽する(808)。工程808の行為に関して用いられる「実質的に遮蔽する」という用語は、ウェハスクライブレーン上のフォトレジスト層の露光されていない部分のわずかな一部エリア、例えば30%未満が、例えば、フォトマスクとステッパーマシンによって生成されたウェハとの間の不整合に起因して、露光され得ることを意味する。このようなわずかな変動は、「実質的に遮蔽する」という用語の使用によって予期され考慮される
【0037】
ここで
図9を参照すると、方法900が、第1の露光の間、第1のマスクスクライブレーンパターンを用いて第1のウェハスクライブレーン内のフォトレジストの第1の部分を露光すること(902)によって開始する。方法900は更に、第1の露光の間、第2のマスクスクライブレーンパターンを用いて第2のウェハスクライブレーン内のフォトレジストの第2の部分を露光すること(904)を含む。方法900はまた、第1の露光の間、マスク回路パターンを用いてフォトレジストの第3の部分を露光することを含み、フォトレジストの第3の部分は、フォトレジストの第1の部分と第2の部分との間に位置する(906)。方法900は更に、第2の露光の間、第1の露光の間露光されたフォトレジストの第2の部分のエリアが再露光され、第1の露光の間露光から保護されたフォトレジストの第2の部分のエリアが第2の露光によって露光されないように、第1のマスクスクライブレーンパターンを用いてフォトレジストの第2の部分を露光すること(908)を含む。
【0038】
前述の説明及び特許請求の範囲では、「含む」及び「包含する」という用語がオープンエンド方式で用いられ、したがって、「~を含むが、それらに限定されない」ことを意味する。特に断らない限り、数値に先行する「約」、「ほぼ」、又は「実質的に」は、記載された値の+/-10パーセントを意味する。2つの構成要素が「名目上同一」である場合、当業者であればそれら2つの構成要素が実用上の問題として同一であるとみなすことができる程度に、それら2つの構成要素間の差異は無視できるものである。
【0039】
上記の説明は、本記載の原理及び種々の実施例を例示することを意図している。明細書を完全に理解したならば、当業者には多くの変更及び変形が明らかになるであろう。以下の特許請求の範囲は、そのような全ての変更及び変形を包含する。
【国際調査報告】