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特表2022-551857振動テーブル及び振動テーブル付き供給装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】振動テーブル及び振動テーブル付き供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 27/34 20060101AFI20221207BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20221207BHJP
   H05K 13/02 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
B65G27/34
B25J13/00 Z
H05K13/02 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520862
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(85)【翻訳文提出日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 EP2020076990
(87)【国際公開番号】W WO2021063843
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】19201155.9
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522135651
【氏名又は名称】フレックスファクトリー アーゲー
【氏名又は名称原語表記】FLEXFACTORY AG
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ビュッヒ、フェリクス
【テーマコード(参考)】
3C707
3F037
5E353
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707KT01
3C707KT06
3C707KT18
3F037AA04
3F037BA03
3F037CA08
3F037CA17
3F037CB02
3F037CB03
3F037CB04
3F037CC05
5E353CC04
5E353EE24
5E353EE31
5E353EE84
5E353HH08
5E353HH42
5E353HH49
5E353JJ25
5E353PP03
(57)【要約】
本発明は、テーブルプレート(2)とドライブ(3)を備える振動テーブル(1)に関する。ドライブ(3)は4つのハサミ機構(41、42、43、44)を備え、各ハサミ機構は第1肢(41.1、42.1、43.1、44.1)と、第2肢(41.2、42.2、43.2、44.2)と、ハブ(41.3、42.3、43.3、44.3)とを有する。ハブ(41.3、42.3、43.3、44.3)はテーブルプレート(2)に固定され、第1肢(41.1、42.1、43.1、44.1)は第2肢(41.2、42.2、43.2、44.2)とは独立して移動可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルトップ(2)とドライブ(3)を備える振動テーブル(1)であって、前記ドライブ(3)は4つのハサミ機構(41、42、43、44)を含み、各ハサミ機構は、第1脚部(41.1、42.1、43.1、44.1)と、第2脚部(41.2、42.2、43.2、44.2)と、節点(41.3、42.3、43.3、44.3)とを有し、前記節点(41.3、42.3、43.3、44.3)はテーブルトップ(2)に取り付けられ、前記第1脚部(41.1、42.1、43.1、44.1)は前記第2脚部(41.2、42.2、43.2、44.2)とは独立して移動可能な、振動テーブル(1)。
【請求項2】
各脚部(41.1、42.1、43.1、44.1、41.2、42.2、43.2、44.2)は偏心ディスク(41.11、42.11、43.11、44.11、41.21、42.21、43.21、44.21)に回転可能に取り付けられ、該偏心ディスク(41.11、42.11、43.11、44.11、41.21、42.21、43.21、44.21)の回転によって移動可能である、請求項1に記載の振動テーブル(1)。
【請求項3】
前記節点(41.3、42.3、43.3、44.3)は前列と後列に配置され、前記前列と前記後列は互いに平行であり、前記ハサミ機構(41、42、43、44)が前記列に垂直になるように配置されて、前記前列に位置する2つの前記節点(42.3、44.3)は、前記テーブルトップに設けられたリニアガイド(5)に取り付けられ、前記後列に位置する2つの前記節点(41.3、43.3)はテーブルトップに強固に取り付けられる、請求項1または2に記載の振動テーブル(1)。
【請求項4】
4つの電子的に同期されたモータ(61、62、63、64)、好ましくはサーボモータが前記脚部(41.1、42.1、43.1、44.1、41.2、42.2、43.2、44.2)を駆動し、2つの脚部(41.1、42.1、43.1、44.1、41.2、42.2、43.2、44.2)毎、特に対向する2つ脚部毎に対応する前記偏心ディスクを好ましくは前記モータ(61、62、63、64)がそれぞれ回転させる、請求項1から3のいずれか一項に記載の振動テーブル(1)。
【請求項5】
前記テーブルトップは搬送面(21)と、フラップドライブ(22)と、縁部(24)と、を含み、前記縁部(24)は排出フラップ(23)を含み、前記節点(41.3、42.3、43.3、44.3)は前記縁部(24)に取り付けられ、前記排出フラップ(23)は前記フラップドライブ(22)によって閉位置と開位置に移動可能である、請求項1から4のいずれか一項に記載の振動テーブル(1)。
【請求項6】
前記搬送面(23)は前記縁部(24)に挿入可能である、請求項5に記載の振動テーブル(1)。
【請求項7】
前記ハサミ機構(41、42、43、44)の間に配置され、前記テーブルトップ(2)の高さを記録する距離センサ(7)を更に備えた、請求項1から5のいずれか一項に記載の振動テーブル(1)。
【請求項8】
請求項7に記載の振動テーブルを操作するための方法であって、初期位置を設定する目的で、
1つの脚部または共同駆動される脚部群を移動することであって、テーブルトップの高さが該移動により到達可能な最低値になることで前記脚部または前記脚部群が初期位置になる一方で、他の全ての脚部は現在の駆動位置を維持することと、
他の全ての脚部が初期位置に到達するまで、他の脚部または共同駆動される脚部群に対して第1ステップを繰り返すことと
を備える方法。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の振動テーブルを操作するための方法であって、部品が第2方向に動くように、全ての前記第1脚部を同期駆動する、方法。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか一項に記載の振動テーブルを操作するための方法であって、前記振動テーブルの第1半分上の部品が前記振動テーブルの第2半分の方向に飛び跳ねながら反転する一方で、前記振動テーブルの前記第2半分上の部品がほとんど静止しているように、前記第1半分に取り付けられた前記ハサミ機構の全ての前記脚部を同期駆動する、方法。
【請求項11】
請求項1から7のいずれか一項に記載の振動テーブルを操作するための方法であって、部品が反転して前記テーブルトップの表面全体に均等に分散されるように、全ての前記脚部が同期駆動される、方法。
【請求項12】
請求項1から7のいずれか一項に記載の振動テーブルと、バンカーと、リターンコンテナと、を備えた供給システムであって、前記リターンコンテナが少なくとも部分的に前記バンカーの下にあり、前記振動テーブルと前記リターンコンテナは、部品が前記振動テーブルから前記リターンコンテナに飛び跳ねて入るように設けられる、供給システム。
【請求項13】
前記バンカーは後部光バリアおよび中央光バリアを含み、前記後部光バリアは、前記バンカーの内部の前記供給フラップの前の第1領域を監視し、前記中央光バリアは、前記第1領域から一定の既知の間隔離れた第2領域の前記バンカーの内部を監視する、請求項12に記載の供給システム。
【請求項14】
請求項13に記載の供給システムのティーチインのための方法であって、
前記供給システムは、前記搬送テーブルからバルク材料を取り出すロボットと一緒に動作し、
前記中央光バリアによる部品の最後の検出から前記後部光バリアによる部品の最後の検出までの期間を判定し、
前記期間中に前記ロボットによって取り出された部品の数が数えられ、
前記期間の継続時間を前記部品の数で割って、その値を記憶する、方法。
【請求項15】
請求項12または13に記載の供給システムを操作するための方法であって、
バルク材料の供給後、前記後部光バリアが部品を検出するまで前記バンカーは前記バンカードライブによって駆動される、方法。
【請求項16】
前記バンカードライブを使用して前記バンカーフラップを開いて前記バンカーを駆動することにより、前記部品が前記バンカーから前記振動テーブルに落下することと、
対応するドライブを使用して、前記振動テーブルを操作することにより、好ましくは、請求項9および11に記載の方法によって、前記部品が前記搬送面に分散されることと、
前記搬送面上に適切に配置された全ての前記部品を取り出すことと、
取り出されるべき部品がまだその上にある場合、好ましくは、請求項10または11に記載の方法によって、前記振動テーブルを新たに操作することと、
取り出されるべきでない部品が前記振動テーブルに残っている場合、前記部品が前記リターンコンテナに落下するように、好ましくは、請求項9に記載の方法によって、前記排出フラップを開いて、前記振動テーブルを操作することと
を備える請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動テーブルおよび本発明による振動テーブルを備えた供給装置に関する。さらに、本発明は、本発明による振動テーブルおよび本発明による供給装置を操作および設定する様々な方法に関する。
【0002】
供給装置は、バルク材料に含まれる部品を分離する。これにより、ロボットアームまたはその他の手段によって各部品を個別に把持し前方に搬送することができる。ネジ端子、ランプソケット、歯間ブラシ、針、プッシュボタン、バネ、カニューラ、大電流接点、歯車、カバー、玩具部品、電気チョークなど、比較的複雑な形状の小さな部品が問題になることがよくある。
【背景技術】
【0003】
従来から、このような供給装置に振動テーブルを設けることが知られている。バルク材料は振動テーブルに少量ずつ供給され、振動によって分離される。より強い振動を与えることで、バルク材料の部品を反転させることもできる。
【0004】
このような供給装置は、たとえば特許文献1(アジリル(Asyril))に記載されている。本文献では、互いに独立してテーブルトップに作用する3つの相互に垂直な圧電式ドライブ、電気機械式ドライブ、空気圧式または油圧式ドライブによって振動を生成することが教示されている。各ドライブは、互いに向かって移動する2つの部品とガイドを備える。
【0005】
このようなドライブ技術の欠点として、発生する振動がテーブルの負荷に依存するという事実がある。少なくとも電気機械式および空気圧式ドライブの場合、テーブルの負荷が増加するにつれてドライブの一方の部品が他方の部品に進入する深さが垂直方向に増加する。そのため、負荷を正確に規定するか、ドライブを比較的頑丈に設計する必要がある。圧電式ドライブは、その振幅が非常に制限されている。さらに、油圧式および空気圧式ドライブは、液密または気密に構成する必要があるため、技術的に複雑である。この点において、特許文献1では、比較的小さな供給装置と、互いに独立操作可能な3つのドライブとを使用した場合について考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第2393739号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、導入部で述べた技術分野に関連する振動テーブルを作成することであり、振動テーブルの振動は、その負荷に関係なく、振幅および周波数が一定である。振動テーブルは、バルク材料を分散できると共に、バルク材料の部品を目標通りに搬送および反転することができる。
【0008】
この目的を達成する解決策は、請求項1に記載の特徴によって定義される。本発明によれば、振動テーブルは、テーブルトップおよびドライブを備える。ドライブは4つのハサミ機構を備える。各ハサミ機構は、第1脚部と、第2脚部と、節点とを有する。節点はテーブルトップに取り付けられる。第1脚部は、第2脚部とは独立して移動可能である。
【0009】
これにより、ハサミ機構を支える固定ベースと、ベースに対して振動する振動テーブルとの間は常に機械的に接続されている。よって、動きは常に導かれ制御される。
テーブルトップの異なる位置への振動の伝達により、時間の経過と共に平均して、テーブルトップが正確に片側に向かって傾斜し、その結果、振動とともに同方向に部品が移動する状態が生じる。
【0010】
さらに、ハサミ機構の個々の脚部の動きは、垂直成分と水平成分の両方を有する振動となる。水平成分は、振動テーブル上の部品に伝達され、目標とする水平運動に利用することもできる。
【0011】
最後に、発生する振動の振幅は、2つの脚部を巧みに駆動することで変化させることが可能であり、その結果、既存の状況に最適に合わせることができる。
脚部は、その初期位置において、好ましくは約90°の角度を囲む。
【0012】
本実施形態では、偏心度が小さい場合、脚部の運動の垂直成分と水平成分の大きさはほぼ等しい。この配置では、部品を迅速且つ意図的に搬送できることが示されている。
一実施形態では、各脚部は、偏心ディスクに回転可能に取り付けられている。偏心ディスクの回転により脚部を動かすことができる。
【0013】
脚部は、偏心ディスクを収容可能な円形の穴を有する。この穴の中心を、以下では脚部の中点と呼ぶ。取り付け点は、ハサミ機構の節点にある脚部上の場所である。脚部の中点と取り付け点の間の接続線は、以下では脚部セグメントと呼ぶ。脚部の長さは、脚部セグメントの長さである。
【0014】
偏心ディスクは、脚部の穴に収容可能な円形のディスクである。前記ディスクは、中間点および回転軸の貫通点を有する。回転軸の貫通点は、以下では回転軸と呼ぶ。回転軸と偏心ディスクの中点との間の距離が偏心度であり、変数eを有する。偏心ディスクは、駆動されると回転軸を中心に回転する。
【0015】
偏心ディスクの1回転を、以下では駆動サイクルとも呼ぶ。脚部セグメントに対する回転軸の位置は、特定の駆動位置を定義する。特に重要なのは、初期位置であり、回転軸がこの脚部セグメント上に位置する駆動位置である。もう1つの特別な駆動位置は、最大位置であり、回転軸が脚部セグメントの延長上に位置する。駆動サイクルのうち時間的に連続する部分を、駆動フェーズと呼ぶ。
【0016】
ここで、偏心度により、ベースに対して固定された回転軸と、振動テーブルに対して固定された節点との間隔が変化する。回転軸と節点との間隔は、以下では脚部の有効長と呼ぶ。
【0017】
有効長は、ハサミ機構の脚部が初期位置にあるときの脚部の長さから偏心度を引いたものに等しい。これは、駆動サイクル中に発生する最小の有効長である。したがって、この長さは、以下では最小有効長とも呼び、変数aを有する。
【0018】
有効長は、ハサミ機構の脚部が最大位置にあるときの脚部の長さに偏心度を加えたものに等しい。これは、駆動サイクル中に発生する最大の有効長である。
ハサミ機構の両方の脚部が初期位置にあるとき、2つの回転軸と節点は二等辺三角形を形成する。この三角形の二等辺は、最小有効長を持つ。二等辺の開口角の半分αは、脚部の長さと偏心度とともにハサミ機構の特性を示す。
【0019】
これらの2つの極値は、偏心ディスクが1回転する過程で通過される。したがって、有効長は、駆動サイクル中に偏心度の2倍変化する。
ハサミ機構の両脚部を初期位置から最大位置に同期して移動させると、節点が上昇する。これが、本発明によるドライブで得ることができる最大の振幅である。以下では、この振幅を最大振幅と呼ぶ。ハサミ機構の両方の脚部の同期駆動は、以下ではデュアル駆動と呼ぶ。
【0020】
一方、ハサミ機構の一方の脚部を初期位置に残した状態で、他方の脚部のみを初期位置から最大位置に移動させると、節点は上昇するものの、上記の場合より低い。この振動の振幅は、以下では中間振幅と呼ぶ。ハサミ機構の一方の脚部を初期位置に残した状態で、他方の脚部のみを駆動することを、以下ではシングル駆動と呼ぶ。
【0021】
偏心度が非常に大きいシングル駆動の場合、駆動サイクルの半分が完了する前に節点の最高点に達することがある。これは、eが偏心度、aが脚部の長さから偏心度を引いた値、αが初期位置における脚部間の開口角の半分として、
【0022】
【数1】
【0023】
が成立する場合である。この場合、1つの駆動サイクルは4つの駆動フェーズで構成される。初期位置から開始して、節点は最初に第1水平方向に上昇する。そして、中間振幅に到達する。ここで、第1駆動フェーズは第2駆動フェーズに移行する。このフェーズでは、節点は、第1水平方向に移動し続けながら下降する。最大位置から開始して、第3駆動フェーズが開始する。このフェーズでは、水平方向の運動が回転し、第2水平方向に進む。この間、節点は、中間振幅の高さまで垂直方向に再び上昇する。ここで、第4駆動フェーズが始まる。このフェーズでは、節点が下降し、第2水平方向にさらに移動する。このようにして、駆動サイクル毎に、2回中間振幅に到達する。
【0024】
偏心度は、
【0025】
【数2】
【0026】
範囲内で選択されるのが好ましい。なぜならば、ドライブを個別に作動させることが好ましく、その結果、小さい偏心度でより速く駆動した場合、上記の周波数倍増が実現できるからである。
【0027】
シングル駆動とデュアル駆動に加えて、いくつかの駆動オプションを実現することができる。例えば、ハサミ機構の両脚部の位相シフト同期駆動または一方の脚部が他方よりも速く駆動される非同期駆動によって複数のさらなる振動を生成することができる。位相シフト同期駆動の場合、両方の偏心ディスクは同じ周波数で回転するが、異なる駆動位置で動き始める。このように、180°の位相シフトにより、垂直方向の振幅が小さく水平方向の偏向が大きい場合の駆動周波数と比較して、発振周波数を2倍にすることができる。
【0028】
振動テーブルの一実施形態では、節点は前列と後列に配置されている。前列と後列は互いに平行に延びている。ハサミ機構は、これらの列に垂直になるように配置されている。前列に配置された2つの節点は、テーブルトップのリニアガイドに取り付けられている。後列に配置された2つの節点はテーブルトップに強固に取り付けられている。
【0029】
ハサミ機構により、脚部を1つの平面または互いに平行な2つの平面で移動させることができる。これらの平面により、ハサミ機構の向きが規定される。したがって、ある列の節点を通る直線がハサミ機構の1つまたは複数の平面を垂直に突き通る状態で、ハサミ機構はその列に対して正確に垂直になるように配置される。
【0030】
リニアガイドにより、前列の節点は、関連するハサミ機構の平面内でテーブルトップと平行に所定の範囲移動することができる。これにより、前列の節点と後列の節点との間隔は、所定の範囲内で可変である。
【0031】
したがって、前列のハサミ機構は後列のハサミ機構とは独立して操作することができる。
好ましくは、前列のハサミ機構の全ての脚部が最大位置にあり、後列のハサミ機構の全ての脚部が初期位置にある場合の節点間の間隔を決定し、逆に、全てのハサミ機構の脚部が初期位置にある場合およびそれぞれの外側脚部が初期位置にあり、それぞれ内側脚部が最大位置にある場合の節点間の間隔を決定することによって、リニアガイドの最小必要範囲が決まる。
【0032】
外側脚部は、節点によって定義される長方形の実質的に外側に位置する脚部であり、実質的に内側脚部は、縁部線上または長方形内に位置する脚部である。
節点の列が2列より多い場合、後列の節点をテーブルトップに強固に固定するのが好ましく、その他の節点は全てリニアガイドで案内される。このような追加の節点もまた、好ましくは、他の列と平行な列に配置され、それぞれ少なくとも2つの節点が配置される。
【0033】
節点の列が2列より多い場合、後列では、後列が2列の場合と同様に、同じ脚部を内側と外側とすることが好ましい。他の全ての列では、各列と後列の2つの列のみあるかのように、各列の脚部を内側または外側と分類する。
【0034】
上記のリニアガイドは、全体的または部分的に、前部および後部ハサミ機構のドライブが、節点間の間隔が実質的に一定となるように、互いに一致する仮想リニアガイドに置き換えてもよい。これは、全てのハサミ機構の対象ドライブに加えて、ブレーキがかけられずに自由に動くことができる非駆動ハサミ機構によっても得ることができる。
【0035】
一実施形態では、電子的に同期された4つのモータが脚部を駆動する。好ましくは、サーボモータである。各モータは、好ましくは、2つの脚部を有する偏心ディスクを回転させる。特に、共同駆動される脚部は、対向する2つの脚部である。
【0036】
別の実施形態では、1つのモータが全ての脚部を駆動する。このため、このモータは、必要に応じて、特定の脚部群を駆動しない機構を利用する。
単一のモータを使用する利点は、必要なモータが1つだけであることと、機構によって脚部が同期されているため少ない較正で済むことである。一方、複数のモータを使用する利点は、ソフトウェアの観点から新しい操作方法を開発し利用できることである。
【0037】
対向する脚部の場合、脚部の接続線はハサミ機構の向きに垂直である。たとえば、前列のハサミ機構の内側脚部は互いに対向する。
好ましい実施形態では、1つのモータがそれぞれ対向する2つの脚部を駆動し、これにより、複数の列が同じように動作する。その結果、振動は、節点の対称面であってハサミ機構の面に平行である面に対して鏡面対称である。この平面に平行な水平方向の動きは、前方運動または後方運動である。このような前方運動および後方運動は、部品に目標とする前進運動を効率的にさせることができるため、供給システムとしての利用に関連して特に役立つ。この好ましい実施形態により、重要な機能を失うことなく、ドライブの複雑さを簡単な方法で低減することができる。
【0038】
一方、別の実施形態では、各脚部が1つのモータによって駆動される。このようにして、バルク材料の部品を全方向に移動させることができる。
振動テーブルの一実施形態では、テーブルトップは、搬送面と、フラップドライブと、縁部と、を含む。縁部は排出フラップを含む。節点は縁部に接続される。排出フラップは、フラップドライブによって閉位置と開位置に移動可能である。
【0039】
節点が縁部に取り付けられているので、節点を緩めることなく搬送面や縁部を交換できる。そのため、搬送面の色、透明度、構造、材料を、搬送されるバルク材料の部品に適合させることができる。部品が明るい場合、暗い搬送面と上からの照明により、部品が識別されやすくなる。一方、部品が暗い場合、明るい搬送面はこの状況でコントラストを高める。下からの照明があれば、多くの場合、透明な搬送面が光をできるだけ均等に分散することができるため役立つ。部品の特定の寸法よりも微細な構造とすることで、部品が搬送面上で完全に静止し、そこに付着したままになるのを防ぐことができる。さらに、部品の望ましくない滑りを防ぐことが可能な構造にしてもよい。材料と搬送面の構造によって決まる部品と搬送面間の弾性と摩擦に応じて、部品への推力の伝達を調整できる。このようにして、たとえば、部品がテーブルの振動によって飛び跳ねた後にリバウンドすることを大幅に抑えられる。
【0040】
縁部の交換は、案内される部品の種類を変更することによって軌道が大幅に変更する場合に、特に役立つことがある。多くの場合、縁部が多少深いと、ロボットアームの移動距離が短くなり、その結果、動作がより速くなる。一方、縁部が高いと、バルク材料の一部が搬送面から飛び出すことを効果的に防ぐことができる。
【0041】
排出フラップには2つの機能がある。
一方では、部品を排出フラップの方向に搬送する振動運動が実行されている間に、排出フラップが開くことにより、搬送面を自動的に空にすることができる。
【0042】
他方では、排出フラップが閉じた状態では、挿入可能な搬送面を固定することができる。
この機能に関連して、好ましくは、排出工程中に搬送面が滑り落ちるのを防ぐ第2安全装置が設けられる。第2安全装置は、例えば、レバーであり得る。レバーは、水平位置にあるとき、縁部の区切り部分に対して搬送面を左右に保持する。また、搬送面を交換する際に、レバーを手で垂直位置まで持ち上げて、搬送面を解放し引き抜くことができる。
【0043】
好ましくは、縁部は、2本は細く2本は太い4本の支柱と、必要に応じて安定化支柱となるU字型フレームと、片側に排出フラップが取り付けられた長方形フレームと、複数の側壁を含む。U字型のフレームは、好ましくは、搬送面を挿入可能である溝を有する。側壁は、好ましくは、支柱と2つのフレームによって保持される。2本の太い支柱は、排出フラップの縁部支柱を構成し、フラップドライブと、必要に応じて排出フラップのガイドと、を含み、好ましくは、搬送面の第2安全装置を含む。節点は、好ましくは、U字型のフレームに取り付けられる。
【0044】
一実施形態では、搬送面は縁部に挿入可能である。
挿入可能なため、搬送面の交換は特に容易かつ迅速である。また、このようにして、搬送面はテーブルトップの他の部分に安定して接続されている。
【0045】
別の実施形態では、搬送面は、側壁に固定されるねじ、クリップ、またはロッドによって振動テーブルの床に保持される。
一実施形態では、振動テーブルは、ハサミ機構の間に配置された距離センサを含む。距離センサはテーブルトップの高さを記録する。
【0046】
距離センサは、好ましくは誘導型アナログセンサである。
距離センサは、節点間の中間、すなわち、節点が長方形に配置された場合の長方形の対角線の交点に配置されることが好ましい。
【0047】
全てのハサミ機構の間に距離センサを配置することにより、単一のセンサで全ての脚部を初期位置に配置することができ、このようにして装置を較正することができる。これは、全ての脚部が初期位置にあるときに、距離センサ間の振動テーブル上の位置がベースに対して正確に最低位置になるためである。これが振動テーブルの初期位置である。
【0048】
また、振動テーブルを操作する方法は、初期位置を設定することを含む。この方法では、次の工程が実行される。
脚部または共同駆動される脚部群は、その移動によってテーブルトップの高さが到達可能な最低値になるまで移動される。その間、他の全ての脚部は現在の駆動位置に残る。テーブルトップの高さが最も低いと想定される駆動位置では、移動した脚部または共同駆動される脚部群はそれぞれの初期位置にある。
【0049】
次に、この第1ステップは、他の脚部または共同駆動される脚部群に対して繰り返される。全ての脚部がそれぞれの初期位置に到達するまで、繰り返される。これにより、振動テーブルが初期位置に到達する。
【0050】
テーブルトップの高さは距離センサによって記録されている。後者はハサミ機構の間に位置するため、各脚部の初期位置は、他の脚部の駆動位置とは関係なく確認できる。さらに、絶対値ではなく最小値のみが常に求められるため、時間の経過に伴うセンサまたはテーブルトップの下降または上昇に関して、較正方法は安定している。
【0051】
振動テーブルを操作するための1つの方法では、部品を第2方向に動かすために、全ての第1脚部が同期駆動される。その間、第2脚部は初期位置のままである。
第1脚部は、振動テーブルを横から観察する場合に、特定の場合のハサミ機構の左脚部、または特定の場合のハサミ機構の右脚部を構成する全ての脚部である。
【0052】
全てのハサミ機構が単独で駆動されるため、テーブルトップは全ての節点で中間振幅の垂直運動をする。これは第1脚部のみに関するので、水平方向の動きも同様に全ての節点で同じである。リニアガイドがある場合、この水平成分は、主にリニアガイドを有さない列のハサミ機構からテーブルトップに伝達する。
【0053】
駆動サイクルは、第2脚部の方向且つ上向きの動きから始まる。駆動サイクルのこのフェーズにより、搬送プラットフォーム上の部品は第2方向に飛び跳ねる。その後、駆動サイクルは、第1脚部の方向且つ下向きの動きへと続く。しかしながら、この第2フェーズでは、部品は好ましくはまだ飛んでいる段階にあるので、部品と運搬プラットフォームとの接触はほとんどまたは全くない。全体として、このように、適切な駆動周波数で、部品は第2脚部の方向、つまり第2方向に迅速に搬送される。
【0054】
振動テーブルの第2半分で部品がほぼ静止している状態で、振動テーブルの第1半分の部品が第2半分方向に飛び跳ねながら反転するようにするため、第1半分に取り付けられたハサミ機構の全ての脚部は同期駆動される。この間、第2半分に取り付けられたハサミ機構の第2脚部は初期位置のままである。
【0055】
観察者が横から見て、振動テーブルの第1半分は、振動テーブルの左側または右側であってもよい。第2半分は第1半分ではない半分である。
選択されたハサミ機構は2倍に駆動される。これらのハサミ機構の節点は、垂直方向に最大振幅で動く一方、水平方向には動かない。その他のハサミ機構は初期位置のままである。
【0056】
これにより、テーブルトップは、斜めに持ち上がり、再び水平に戻ることを繰り返す。振動テーブルの第1半分は、第1半分に取り付けられた節点で最大振幅によって繰り返し持ち上げられる一方で、第2半分の節点はそれぞれの高さを維持し、その結果、そこでのテーブルトップを低く保つ。第1半分を上げることにより、適切に選択された駆動周波数で、そこにある部品は上向きに飛び跳ねる。上に移動するときにテーブルトップが傾く一方で、部品は傾斜面に戻るため、部品を第2半分に向かわせる方向の力成分が与えられる。一方、第2半分にある部品は、その位置では振動の振幅が小さすぎる傾向があるため、ほとんど上向きに飛び跳ねない。その結果、本方法では、テーブルトップの第2半分の部品は、実質的に静止している。
【0057】
振動テーブルを操作する別の方法では、振動テーブルの第1半分の部品が、第2半分の方向に飛び跳ねながら反転することができる。一方、振動テーブルの第2半分の部品は、振動テーブルの第1半分から徐々に離れる。この場合、第1半分に取り付けられたハサミ機構の外側脚部と、好ましくは第1半分と第2半分に取り付けられたハサミ機構の内側脚部が同期駆動される。その間、第2半分に取り付けられたハサミ機構の外側脚部は初期位置のままである。
【0058】
第1半分が後ろ側半分の場合、そこに取り付けられているハサミ機構の節点はテーブルトップに強固に取り付けられている。この場合、外側脚部だけがこれらのハサミ機構によって駆動されると、第1駆動フェーズでは、中間振幅の垂直運動と前方の水平運動が生じる。第1駆動フェーズでは、垂直運動の運動方向は上向きである。したがって、後ろ側半分の部品には前方かつ上方の力が加わる。搬送板の前側半分の領域では、垂直方向の振幅は明らかに小さいが、水平方向の振幅は実質的に同じである。その結果、そこにある部品も同様に、明らかに小さく飛び跳ねながら前方に移動する。
【0059】
後部の外側脚部に加えて、内側脚部も駆動される好ましいケースでは、後ろ側の節点は、第1駆動フェーズにおいて、最大振幅で上向きの垂直方向に移動し、水平方向へは移動しない。前側のハサミ機構の内側脚部を駆動することで、第1駆動フェーズで、中間振幅の垂直方向の移動と前方への水平方向の移動が保証される。しかし、この前方への水平方向の動きは、主にリニアガイドによって吸収され、ほとんどテーブルトップに伝達されない。しかし、全ての部品が垂直方向に加速され空中に跳び、斜面に配置されているため、前方への動きは発生する。前側の節点が中間振幅に達すると同時に後ろ側の節点が最大振幅に達するため、伝達可能な推力は前側半分よりも後ろ側半分の方が明らかに大きい。したがって、駆動周波数は、後ろ側半分の部品が反転するのに十分な高さで飛ぶ一方で前側の前半の部品はそうならないように選択可能となる。
【0060】
第1半分が前側半分の場合、そこに取り付けられているハサミ機構の節点は、リニアガイドを介してテーブルトップに取り付けられている。外側脚部だけがこれらのハサミ機構によって駆動される場合、第1駆動フェーズにおいて、中間振幅の垂直運動と後方への水平運動が生じる。第1駆動フェーズでは、垂直方向の動きの方向は上向きである。ただし、水平方向の動きは、リニアガイドにより吸収されるため、ほとんどテーブルトップに伝達されない。したがって、前側半分の部品は上に押し上げられる。搬送板の後ろ側半分では、垂直方向の振幅が明らかに小さい。したがって、前側半分の部品は、同じ周波数で前半のデュアル駆動の場合よりも高くはないものの、大幅に飛び跳ねる。所定の後方への動き、つまり前から後ろへの動きは、時間の経過とともに平均して、部品が衝突する傾斜面から生じる。
【0061】
前側の外側脚部に加えて、内側脚部も駆動される好ましいケースでは、前側の節点は、第1駆動フェーズにおいて、最大振幅で垂直方向に移動し、水平方向へは移動しない。後部ハサミ機構の内側脚部を駆動することで、第1駆動フェーズにおいて、中間振幅の垂直方向の移動と、後方への水平方向の移動が保証される。後ろ側の節点が強固にテーブルトップに接続されているため、この後方への水平方向の移動はテーブルトップに伝達する。したがって、全ての部品は、部品が空中に飛び跳ねる垂直方向の加速と水平方向の動きの両方を受ける。さらに、部品は傾斜面に配置されているため、効果的に後方へ移動する。後ろ側の節点が中間振幅に達すると同時に前側の節点が最大振幅に達するため、垂直方向の伝達可能な推力は後ろ側半分よりも前側半分で明らかに大きい。これにより、駆動周波数は、前側半分の部品が反転するのに十分な高さで飛ぶ一方で後ろ側前半の部品はそうならないように選択可能となる。伝達した推力の水平成分により、更に反転しやすくなる。
【0062】
部品を反転させてテーブルトップの表面全体に均等に分散させることが可能な振動テーブルを操作する1つの方法において、全ての脚部が同期駆動される。
本実施形態では、全てのハサミ機構は2倍に駆動される。したがって、全ての節点が同時に最大振幅上昇する。運動方向は水平成分を含まない。したがって、テーブルトップにある全ての部品が跳ね上がる。適切な駆動周波数での跳躍の高さにより部品は反転する。搬送プレートの表面の構造により、テーブルトップの純粋な垂直運動にもかかわらず、反転と分散を促進する角運動量を部品に伝達することができる。
【0063】
本発明による供給システムは、本発明による振動テーブル、バンカー、およびリターンコンテナを備える。リターンコンテナは、少なくとも部分的にバンカーの下にある。振動テーブルとリターンコンテナは、部品が振動テーブルからリターンコンテナに滑り込むおよび/または飛び跳ねることができるように配置されている。
【0064】
このようなバンカー、振動テーブル、リターンコンテナの配置は特にコンパクトであるため、ユーザは片側からアクセスして、そこから補給部品をバンカーに流し込むことと、仕分けされた部品をリターンコンテナから取り出すこととの両方が十分に可能である。リターンコンテナは、振動テーブルや、必要に応じてバンカーを空にする目的で使用することもできる。これは、たとえば部品を交換するときに重要になり得る。
【0065】
振動テーブルは、前側半分がリターンコンテナの近くに位置するように配置されることが好ましい。本実施形態では、部品の飛び跳ねが高すぎることなく、部品をリターンコンテナの方向へ迅速に搬送することが可能である。これは、後ろ側のハサミ機構の外側脚部を駆動し、他の全ての脚部を初期位置で維持することで十分だからである。後部節点がテーブルトップに強固に接続されているため、このように、上向きの推力に加えて、前方運動の推力が伝達され、部品は、飛び跳ねが遠すぎたり高すぎたりすることなく、リターンコンテナの方向に迅速に移動する。
【0066】
別の実施形態では、振動テーブルは、後ろ側半分がリターンコンテナの近くに位置するように配置される。これにより、部品を後方への動きによってリターンコンテナに搬送することができる。このため、例えば、前列の全ての脚部と後列の内側脚部を駆動する一方で、後列の外側脚部を初期位置に留める操作方法が提示される。このようにして、搬送プレートの中間傾斜と、リターンコンテナの方向の線形運動量の部品への伝達の両方が得られる。
【0067】
一実施形態では、バンカーは、バンカードライブおよび供給フラップを含む。供給フラップは、意図せず部品がバンカーから搬送テーブルに落下することを防ぐ。バンカードライブには、偏心ディスクが含まれていることが好ましい。
【0068】
バンカーはバルク材料の容器として機能し、そこから、たとえばロボットアームで取り出せるように振動テーブル上に広げられる。
部品をバンカーから移動できるよう、後者には、振動テーブルと同様の、好ましくは、より単純なドライブが装備されている。このように、バンカードライブとして、例えば、偏心器が十分であり、上方への移動中に、供給フラップへの方向の運動成分も有する振動運動を生成する。安定性の目的で、好ましくは、この偏心器によって駆動されるいくつかの脚部が、バンカー、例えばその角部、に取り付けられる。このようにして、バルク材料がバンカーの内部に分散されてしまったとしても、バンカーの傾きが防止される。
【0069】
一実施形態では、バンカーは、バンカードライブに接続されるコンテナ容器と、コンテナ容器に接続することができるバルク材料コンテナとからなる。バルク材料コンテナは、供給フラップに向かって開いている。供給フラップはコンテナ容器に形成されている。
【0070】
供給フラップは、供給フラップのフラップドライブであるモータによって自動的に開閉できる。当該フラップは、振動テーブル上に追加で部品が必要になるまで閉じたままである。追加で部品が必要になると、バンカードライブの実行中に供給フラップが開く。バンカー内の部品は、バンカードライブによって生じる振動によって開いた供給フラップを通って移動し、そこから振動テーブルに落下する。必要な数の部品が振動テーブルに配置されるとすぐに、供給フラップが閉じられ、バンカードライブが停止する。
【0071】
一実施形態では、バンカーは、後部光バリアおよび中央光バリアを含む。後部光バリアは、バンカー内部の供給フラップの前にある第1領域を監視する。中央光バリアは、第1領域から既知の一定の間隔離れた第2領域のバンカーの内部を監視する。
【0072】
振動テーブルに新しい部品が必要な場合は、部品が必要とする以降の処理ステップを不必要に遅らせないように、部品を迅速に供給する必要がある。後部光バリアにより、部品が供給フラップのすぐ隣にあるかどうかを確認できる。これらの部品は、供給フラップが開いていてバンカードライブが作動すると、短時間でバンカーから振動テーブルに落下する。
【0073】
したがって、供給システムは、好ましくは、後部光バリアが部品を検出する時まで、供給フラップを閉じた状態で、更には追加部品の要求が現在なくても、バンカードライブを駆動する。
【0074】
バンカーが空になるとすぐに、ユーザは部品を補充する必要がある。作業計画を立てるために、補充が必要になるまでのおおよその時間をユーザが知ることが重要である。本発明による供給システムでは、部品の取り出しの時間は、部品の形状、サイズ、材料、および重量に応じて変化する。取り出し時間(つまり、バンカー内の最初の位置から搬送され振動テーブルから離れるまでの時間)も、追加のパラメーターまたは外部の状況に依存する場合がある。補充までの時間の実践的かつ関係する推定値をユーザに提供するために、後部および中央光バリアを使用することができる。
【0075】
このため、ティーチインプロセス(Einlernvorgang)が実装される。このプロセスでは、中央光バリアが部品を検出しなくなってからの時間が設定される。この時点から、後部光バリアも部品を検出しなくなるまでに取り出された部品がカウントされる。バンカーが空の場合の部品の取り出し時間は、これら2つの時間の間の継続時間を取り出した部品の数で割ることで推定できる。
【0076】
残りの実行時間が所定時間になった場合に、間もなく補充の時期が来ることの報知をユーザが望む場合、部品ごとの期間を残りの実行時間で割ってもよい。これにより、報知される場合、バンカー内にまだ残っている部品の数が推定される。ここで、操作中にバンカーに供給された部品の数と、これらの部品のうち既に取り出された数とが分かっていれば、制御ユニットは残りの部品の数を確認し、希望の時間にユーザに通知できる。
【0077】
また、中央光バリアを通る部品の最後に検出された通路に基づいて報知することも可能である。そのためには、残りの実行時間をティーチインプロセスで確認された期間から差し引いて、中央光バリアを通る部品の通路を最後に検出してから差分期間の後に報知される。
【0078】
したがって、搬送テーブルからバルク材料を取り出すロボットと連動する供給システムのティーチイン方法は、以下の工程を含む。
中央光バリアによる部品の最後の検出から、後部光バリアによる部品の最後の検出までの期間が決定される。
【0079】
この期間中にロボットによって取り出された部品がカウントされる。
期間の継続時間が部品の数で割られる。この結果は記憶される。
結果は、まばらに供給されたバンカーの場合の部品あたりの平均取り出し時間である。
【0080】
供給システムを操作するための方法は、バルク材料の供給後、後部光バリアが部品を検出するまで、バンカーがバンカードライブによって駆動される工程を含む。
このようにして、必要なときに部品をすばやく取り出すことができる。
【0081】
一実施形態では、供給システムを操作するための方法は、以下の工程を含む。
バンカーフラップを開き、バンカードライブを使用してバンカーを駆動することで、部品がバンカーから振動テーブルに落下する。
【0082】
部品が搬送面に分散するように、ドライブを使用して振動テーブルを操作する。
搬送面の適切な位置にある全ての部品を取り出す。
続いて、振動テーブルの上に取り出しが必要な部品が残っていたら、部品の位置が変わるように振動テーブルを操作し、
取り出し不要な部品が振動テーブルに残っている場合は、排出フラップを開き、部品がリターンコンテナに落ちるように振動テーブルを操作する。
【0083】
搬送面に部品を分散させるために、バンカーから離れる方向を向いた全ての脚部を同期駆動することにより、まず部品をバンカーからいくらか離し、その後、全ての脚部を同期駆動することにより、より高く飛び跳ねるように誘導することが好ましい。
【0084】
部品の位置が変わるように、全ての脚部、またはバンカーから離れたテーブルトップ側に取り付けられた節点を有する脚部のみを再度同期駆動することが好ましい。
部品がリターンコンテナに落ちるように、リターンコンテナに向いている全ての脚部を同期駆動することが好ましい。
【0085】
バンカーから離れる方向を向いている脚部は、初期位置において、取り付け点とバンカーとの間の水平方向の間隔が、脚部の中点からバンカーまでの水平方向の間隔よりも大きい脚部である。同様に、初期位置において、取り付け点とリターンコンテナとの間の水平方向の間隔が脚部の中点とリターンコンテナとの間の水平方向の間隔よりも小さい場合、脚部はリターンコンテナの方を向いている。
【0086】
本発明のさらに有利な実施形態および特徴の組み合わせは、以下の詳細な説明および特許請求の範囲の全体から生じる。
例示的な実施形態を解明するために使用される図面は以下の通りである。
【0087】
原則として、図面上の同一部分には同一の参照記号が付与される。
【図面の簡単な説明】
【0088】
図1a】斜め上から見た振動テーブルの図。
図1b】振動テーブルの側面図。
図1c図1bに示す振動テーブルをテーブルトップなしで上から見た図。
図2】供給システムの概略図。
図3】ハサミ機構の脚部の概略図。
図4a】デュアル駆動のハサミ機構の動作モードの概略図。
図4b】シングル駆動のハサミ機構の動作モードの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0089】
図1aは、斜め上から見た振動テーブル1を示している。縁部24に囲まれた平らで長方形の搬送面21を示すテーブルトップ2が明示されている。縁部24は、ある高さを有するが、搬送面21の長さまたは幅よりも著しく小さく、したがって、縁部24の長さおよび幅よりも小さい。縁部24の短辺の1つは、排出フラップ23を形成する。後者は、搬送面21の対応する短辺を露出し、縁部24または他の縁部によって周囲から分離しない開位置に旋回可能である。一方、排出フラップ23が閉位置にある場合、縁部24の残りの辺と同様に搬送面21の境界を定め、このようにして、部品が搬送面21から飛び出すのを防止する。排出フラップ23は、フラップドライブ22によって開位置または閉位置に移動する。図示された例では、フラップドライブ22は、縁部24の対応する狭い辺に隣接、ひいては排出フラップ23にも隣接する、2つの支柱に収容される。
【0090】
振動テーブル1は、さらに、ドライブ3を含む。ドライブ3は、テーブルトップ2の下に配置されている。図では、ドライブ3の半分だけが確認できる。ドライブ3は、合計4つのハサミ機構41、42、43、44と、4つのモータ61、62、63、64とを含む。しかし、図では、2つのハサミ機構41、42および2つのモータ61、62のみが確認できる。ハサミ機構は、それぞれ、第1脚部41.1、42.1、第2脚部41.2、42.2、および節点41.3、42.3を含む。第1および第2脚部41.1、41.2、42.1、42.2は、それぞれ節点41.3、42.3で集合する。節点41.3、42.3の反対側では、脚部41.1、41.2、42.1、42.2が偏心ディスク41.11、41.21、41.21、42.21に取り付けられている。偏心ディスク41.11、41.21、41.21、42.21の回転軸9は、ハサミ機構が全て初期位置にあるとき、搬送面21に平行である平面に配置されている。
【0091】
ハサミ機構41、42の脚部41.1、41.2、42.1、42.2は、それぞれ三角形にまたがっている。両方の三角形は同じ平面にある。この平面は、縁部24の長辺が位置する平面に平行である。節点41.3、42.3は縁部24に取り付けられている。
【0092】
図1bは、振動テーブル1を側面から見たものである。テーブルトップ2は表示されているだけで、詳細は確認できない。一方、ドライブ3は、ハサミ機構41と42とモータ61と62と一緒に表示されている。偏心ディスク41.11、41.21、42.11、42.21は、側面から見ると容易に確認できる。偏心ディスク41.11、41.21、42.11、42.21の真ん中で、互いに隣接する2つの円が確認できる。これら2つの円のうちの1つに、同心の、より小さな、第2の円が描かれている。この2重の円は、それぞれ偏心ディスク41.11、41.21、42.11、42.21の中点を示す。各脚部の中点は、それぞれの偏心ディスクの中点と同じ位置にある。一方、白抜きの円は回転軸9を示す。中点は、回転軸9に対して偏心度eオフセットしている。
【0093】
図1bは、全ての脚部41.1、41.2、41.2、42.2、および偏心ディスク41.11、41.21、42.11、42.21が初期位置にある状態を示している。脚部の部分は、偏心ディスク41.11、41.21、42.11、42.21の中点からそれぞれの節点41.3、42.3までの線分に対応する。これは、各脚部の取り付け点がそれぞれ対応する節点にあるためであり、各偏心ディスクの中点がそれぞれ対応する脚部の中点にあるためである。初期位置では、回転軸9は線分上にあり、したがって、偏心ディスク41.11、41.21、42.11、42.21の中点と対応する節点41.3、42.3との間に位置している。
【0094】
また、図1bにおいて、節点41.3、42.3がテーブルトップ2に取り付けられていることが確認できる。節点41.3または42.3は軸を備え、対応する両脚部41.1、41.2または42.1、42.2がその軸を中心として少なくとも特定の角度範囲内で回転することが可能である。本例において、この軸は、該軸に平行な3つの側面で実質的に開放している平らな上面を持つスリーブによって収容され、そのため、通常使用時、脚部41.1、41.2または42.1、42.2の回転を制限しない。図1bでは、ハサミ機構41は後列に配置され、ハサミ機構42は前列に配置されている。
【0095】
前列のハサミ機構41は、例えば、スリーブの平らな上面がテーブルトップ2に接着またはねじ込まれることによって、節点41.3がテーブルトップ2に強固に接続されている。また、テーブルトップ2と節点41.3は、アダプタピースまたはスペーサーによって強固に接続してもよい。
【0096】
後列のハサミ機構42は、リニアガイド5によってその節点42.3がテーブルトップ2に取り付けられている。リニアガイド5は、ここでは、所定の間隔でテーブルトップに平行に保持されるT型梁によって実現される。T型梁は、ハサミ機構42によって定義される平面に配置される。T字形状における広い面は、以下で「屋根」と呼び、梁はテーブルトップ2から離れる方向を向く。スリーブは、節点42.3を取り付けるために使用され、平らな面にガイドを有する。ガイドは、2つの平行な溝によって実現できる。溝の最大間隔は屋根の幅より少し大きく、最小間隔は屋根の幅よりも小さいがT字形状における「ステム」の幅よりも大きい。ガイドは、リニアガイド5のTの屋根を収容する。リニアガイド5は、テーブルトップ2に強固に接続されている。
【0097】
節点41.3、42.3の接続は、全てのハサミ機構41、42、43、44の初期位置において、テーブルトップ2が、全ての偏心ディスク41.11、41.21、42.11、42.21の回転軸9によって定義される平面と平行になるように寸法が定められている。
【0098】
図1cは、振動テーブル1のドライブ3を斜め上から見たものである。テーブルトップ2は表示されていない。4つのハサミ機構41、42、43、44は全て確認することができ、それぞれ節点41.3、42.3、43.3、44.3を有する。上から見ると、第1脚部41.1、42.1、43.1、44.1は全て、対応するハサミ機構41、42、43、44の節点の左側にある。上から見ると、第2脚部41.2、42.2、43.2、44.2は全て、対応するハサミ機構41、42、43、44の節点の右側にある。
【0099】
節点41.3、42.3、43.3、44.3は、初期位置において、2つの平行な列13.2、13.1に位置する。本例において、節点41.3、42.3、43.3、44.3は、初期位置において、長方形13.3に広がっている。後列の第2脚部43.2と41.2、および前列の第1脚部42.1と44.1は、長方形13.3内に配置されているため、内側脚部である。後列の第1脚部43.1と41.1、および前列の第2脚部42.2と44.2は、長方形13.3の外側に配置されているため、外側脚部である。
【0100】
モータ61は、ハサミ機構41の下に配置されている。モータ61によって生成された回転は、ベルトによって駆動軸61.1に伝達される。駆動軸61.1は、ハサミ機構の平面に垂直である。駆動軸61.1が回転すると、偏心ディスク41.21、43.21がそれらの回転軸9を中心に回転する。その結果、2つの後部ハサミ機構41、43の第2脚部43.2、41.2は、同モータ61によって作動する。
【0101】
同様に、ハサミ機構43の下に配置された、図示されていないモータ63は、駆動軸63.1を駆動し、上方の2つの後部ハサミ機構41、43の2つの第1脚部41.1、43.1を駆動する。
【0102】
同様に、前側のハサミ機構44、42の2つの第1脚部42.1、44.1は、モータ64および駆動軸64.1によって駆動される。同様に、前側のハサミ機構44、42の2つの第2脚部42.2、44.2は、モータ62および駆動軸62.1によって駆動される。
【0103】
後列13.2の節点41.3、43.3は、テーブルトップ2に強固に接続されている。そのため、節点41.3、43.3が配置されているスリーブには、ネジ穴を有する棒が設けられている。ネジ穴により、ネジ穴からテーブルトップ2にネジを締めることで、棒をテーブルトップ2に取り付けることができる。スリーブおよび節点41.3、43.3はテーブルトップ2に強固に取り付けられている。
【0104】
前列13.1の節点44.3、42.3は、リニアガイド5を介してテーブルトップ2に接続されている。節点44.3では、スリーブはガイドとともに2つの平行な溝の形で見ることができる。節点42.3では、実際に同様にネジでテーブルトップに取り付けられているリニアガイド5の部分が確認できる。この部分は、T型梁を表し、その屋根はスリーブの溝に収容できる。
【0105】
モータ61、62、63、64と駆動軸61.1、62.1、63.1、64.1、および偏心ディスク41.11、41.21、42.11、42.21、43.11、43.21、44.11、44.21の回転軸9は、共通の架台に取り付けられる。架台はベースを構成し、ベースに対してテーブルトップ2が可動である。
【0106】
全てのハサミ機構41、42、43、44の間、長方形13.3のほぼ中央に、テーブルトップ2からの間隔または間隔の変化を測定することができる距離センサ7がさらに配置されている。距離センサ7もまた共通の架台に取り付けられている。
【0107】
図2は、本発明による供給システムの概略図を示している。供給システムは、本発明による振動テーブル1、バンカー16、およびリターンコンテナ17を備える。
供給システムを通るバルク材料の部品の経路が、矢印で示されている。バルク材料はバンカー16に供給され、そこから少しずつ振動テーブル2に搬送される。振動テーブル2の操作により、部品が分散する。次に、それらの位置がカメラ15によって撮られる。カメラ15からの情報を基に、正しく配置された部品がロボット14によって把持され、部品の目的地に供給される。振動テーブル2の新たな動作により、部品の位置が変更し、状況がカメラ15で再度撮られる。全ての適切な部品がロボット14によって搬送される。たとえば、部品に欠陥があるように見える場合や、異なる種類の部品が望まれる場合等、ロボット14によって把持されるべき部品がなくなった場合、フラップドライブ22が排出フラップ23を開ける。部品が開いた排出フラップ23を通ってリターンコンテナ17に落下するよう振動テーブル1が操作される。
【0108】
操作開始時に、振動テーブル2は初期位置に配置される。このため、テーブルトップ2の高さは、距離センサ7によって監視される。テーブルトップ2の高さが駆動サイクルの最低位置になるまで、共同駆動される偏心ディスク対が次々に動かされる。
【0109】
バルク材料がバンカー16に供給された後、バンカー16は、部品が最後部光バリア16.23で検出されるまで、バンカードライブ16.1によって動かされる。供給フラップ16.3は、望ましくないときに部品が振動テーブル2に落下するのを防ぐ。供給フラップ16.3は、フラップドライブ16.31によって開閉可能である。バルク材料が実際にバンカー16に供給されたことが、前部光バリア21.1によって記録される。
【0110】
前部、中央、後部光バリア16.21、16.22、16.23を使用すると、バンカー16がほぼ空になる時の部品あたりの取り出し時間を推定することができ、補充が必要になるまでの時間を確認することができる。
【0111】
そのため、最後の部品が中央光バリア16.22を通過する時間を確認する。この時間から、ロボット14によって取り出された部品が記録される。最後の部品が後部光バリア16.23を通過した瞬間にカウントが停止する。カウントされた部品の数をNとする。N個の部品を取り出すのに、中央光バリア16.22での最後の検出と後部光バリア16.23での最後の検出との間の時間差が必要となる。さらに、このようにして、バンカーがほとんど空である場合、2つの光バリアの間にN個の部品があることが分かる。部品あたりの取り出し時間はΔt/Nであるため、ユーザに補充前の残りの実行時間Tを警告する場合、NT/Δtの部品がバンカー内に残っているときに正確に警告されるべきである。これは、中央光バリア16.22による部品の最後の検出以降、N-NT/Δtの部品がすでに取り出されている場合に略該当し、この場合、平均で時間Δt-T後である。推定の精度をさらに向上するために、測定を繰り返して組み合わせもよく、また、ユーザ入力によって適応させてもよい。
【0112】
制御ユニット18は、全ての光バリア16.21、16.22、16.23、ロボットアーム14、ドライブ3、22、16.31、16.1、およびカメラ15に関連するデータを受信する。データ経路は破線で示されている。補充が必要になるまでの時間を確認するためのデータもまた、制御ユニット18に記憶され、所望の時間にユーザに通知するために利用される。さらに、制御ユニット18は、カメラ15からの信号に基づいて振動テーブル1の操作の種類および継続時間を判断し、光バリア16.23、16.22、16.21からの信号に基づいてバンカードライブ16.1の操作の種類および継続時間を判断する。さらに、制御ユニット18は、ユーザの入力を考慮に入れてもよい。
【0113】
バンカードライブ16.1は、偏心ディスク16.11と、脚部16.12と、モータ16.13と、を備える。モータ16.13は、第1駆動フェーズでバンカー16が上方且つ供給フラップ16.3の方向に移動し、第2駆動フェーズでバンカー16が開始位置に戻るように、偏心ディスク16.11を駆動する。部品への線形運動量の伝達は、第2駆動フェーズよりも第1駆動フェーズの方が大きいため、バンカー内の部品は供給フラップ16.3に向かって移動し、供給フラップ16.3が開かれると、供給フラップ16.3を通過する。
【0114】
図3は、ハサミ機構の脚部4x.yの模式図である。脚部4x.yは三角形状で示されている。その角部のうちの1つは、取り付け点4x.y4である。この角部に対してベースの直ぐ上で、脚部4x.yは、偏心ディスク4x.y1が埋め込まれた円形の穴を有している。偏心ディスクの中点と脚部の中点4x.y2は同じ場所に配置されている。回転軸9も同様に示されている。偏心ディスクの中点と回転軸9との間隔が、偏心度82である。取り付け点4x.y4と脚部の中点4x.ysとの間隔が、脚部4x.yの長さ81である。これら2点間の線分は、脚部セグメント4x.y3であり、2点鎖線で描かれている。
【0115】
図示された例では、回転軸9は脚部セグメント4x.y3上にある。したがって、図3に示すように、脚部4x.yは初期位置にある。
最小有効長a、83は、脚部長81から偏心度82を引いたものに等しい。
【0116】
回転軸9と取り付け点4x.y4との間隔は有効長であり、偏心ディスクが約180°回転すると、脚部長81に偏心度82を加えた長さに増加する。脚部4x.yの有効長、つまり、回転軸9を超える長さは、偏心ディスク4x.y1の回転によって変化する。
【0117】
図4aは、図3の種類の2つの脚部を備えたハサミ機構を示しており、偏心ディスクは同期回転する。つまり、デュアル駆動である。節点では、2つの脚部が取り付け点で接続されている。回転軸9は両方とも静止しており、その結果、駆動サイクル全体を通して両者の間隔は同じである。
【0118】
初期位置における、2つの脚部の位置は実線で描かれている。この状態を三角形で表すことができ、三角形の角は回転軸9と節点から成る。両方の脚部が初期位置にあり、両方の脚部の寸法が等しいため、三角形は二等辺三角形である。初期位置では、三角形の辺の長さはa、a、Gである。この三角形の底辺は、2つの回転軸の間の線分であり、長さはGである。図3に関連して説明したように、aは最小有効長である。三角形の高さは、節点のベースに対する最小間隔に対応する。
【0119】
偏心ディスクが同期回転すると、脚部の有効長は、最大有効長a+2eになるまで増加する。ここで、eは偏心度である。この状況は破線で図示されている。この時、節点の高さが最大となる。したがって、最大振幅10.2となる位置に対応する。回転軸9と節点を構成する角を持つ三角形は二等辺三角形のままであるが、初期位置の三角形に比べて開口角が小さくなっている。辺の長さはa+2e、a+2e、Gである。
【0120】
偏心ディスクが現在駆動サイクルのどこに配置されているかに関わらず、2つの脚部の有効長は常に同じである。したがって、形成される三角形は常に二等辺三角形である。したがって、節点は常に対称軸上にある。これは、この状況で形成される全ての三角形に共通である。
【0121】
したがって、デュアル駆動の過程で、節点は上述の極値の間を上下に移動する。この振動の最大振幅11.2は、最大振幅10.2の位置の節点の高さと初期位置の節点の高さとの間隔である。節点12の動きは純粋に垂直であり、図4aに両方向矢印で示されている。
【0122】
図4bは、類似の状況を示している。図4aと同じ初期位置にある同じ脚部が実線で示されている。初期位置では、この場合も節点は三角形の対称線上にあり、図4aと同じ高さにある。
【0123】
図4bにおいて、破線は、シングル駆動の場合に右脚部が最大有効長となる状況を示している。初期位置に対して偏心ディスクを180°回転させた後、つまり、駆動サイクルの半分の後、回転軸と節点の間に生じる三角形の辺の長さはa、a+2e、Gとなる。したがって、二等辺三角形ではなくなり、その高さは図4aの場合よりも低くなっている。
【0124】
シングル駆動の場合、節点は、図4bに示す初期位置の高さと中間高さの間で垂直方向に上下に移動する。この振動の振幅は中間振幅11.1である。
節点12の移動は、非駆動脚部(ここでは左脚部)によって制限される。左脚部の取り付け点は、左脚部の有効長に等しい半径の円上の左側の回転軸の周りを移動するのみである。左脚部の有効長は、駆動サイクル全体を通して同じである。この円は図4bに描かれている。
【0125】
右脚部は、駆動サイクル中に有効長が変更する。右脚部の取り付け点は、常に右側の回転軸を中心とする円上にある必要がある。その半径は、駆動サイクルの対応する点での右脚部の有効長に対応する。したがって、この円の半径は駆動サイクルの点に応じて変化する。図4bには、これらの円の最小と最大の両方が示される。最大円の場合、半径は最大有効長に等しく、よって、脚部長に偏心度を加えたものに等しい。最小円の場合、半径は最小有効長に等しく、よって、脚部の長さから偏心度を引いたものに等しい。
【0126】
両方の脚部に共通であるため、節点は常に左脚部の円と右脚部の円の交点にある必要がある。したがって、節点は非駆動脚部の周りの円に従う。節点12は垂直および水平の両方に動き、図4bの両方向矢印で示されている。ただし、振動は円全体に従うのではなく、円の一部のみに従う。その円の一部の範囲は、右脚部の最小円と最大円との交点で定められる。
【0127】
要約すると、振動テーブルは、4つより多いハサミ機構(たとえば、6つまたは8つ)を備えてもよい。また、節点の配置は、長方形状ではなく台形状であってもよい。偏心ディスクを対で組み合わせるのではなく、各偏心ディスクを他の全てのディスクとは独立して個別に駆動してもよい。脚部は別の方法で駆動してもよい。たとえば、偏心ディスクとモータをリニアモータに置き換えてもよい。節点に集合する代わりに、脚部は、各取り付け点で互いに一定の距離離れて接続ブリッジ(Verbindungssteg)によって保持されてもよい。リニアガイドは、前方または後方で使用してもよい。さらに、仮想リニアガイドが考えられる。仮想リニアガイドでは、ハサミ機構は実際には駆動されないが、フェーズ遷移がハサミ機構の脚部の駆動フェーズとなるようにハサミ機構が駆動されるまたは自由な状態にある。ハサミ機構は、必要な水平方向の動きを可能にする。
【0128】
供給システムには、異なるバンカードライブを備えてもよい。たとえば、ベルトコンベヤーでバンカー内の部品を搬送したり、コーム(Kamm)で部品を所望の方向に押したりしてもよい。さらに、バンカードライブもまた、振動テーブルで知られているようなハサミ機構を含んでもよい。一実施形態では、バンカーは、第2振動テーブルによって実現される。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4a
図4b
【国際調査報告】