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特表2022-551858無線通信ネットワークにおける設定ダウンリンク送信および動的ダウンリンク送信をハンドリングする方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】無線通信ネットワークにおける設定ダウンリンク送信および動的ダウンリンク送信をハンドリングする方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20221207BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20221207BHJP
【FI】
H04W72/12 130
H04W72/04 131
H04W72/04 137
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520867
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-05-30
(86)【国際出願番号】 SE2020050960
(87)【国際公開番号】W WO2021071415
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】62/914,268
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【弁理士】
【氏名又は名称】小梶 晴美
(72)【発明者】
【氏名】ニンバルカー, アジット
(72)【発明者】
【氏名】ノリー, ラヴィキラン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH21
(57)【要約】
本明細書に開示されている技法は、動的アサインによって重複される設定ダウンリンク送信、および/または動的アサインによってスケジューリングされる動的ダウンリンク送信に関する、UE(12)の受信する挙動についての、UE(12)による優先順位付けに効率的に対処する。本明細書に開示されている技法は、5G NR仕様に基づく通信ネットワークにおける、UE(12)の動作への適用可能性を有する少なくとも1つの実施形態では、UE(12)が、設定物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を、別のPDSCHに対していつ優先させるかに関する、UE(12)による予測可能な挙動を実現する。これに対応して、無線ネットワークノード(22)は、UE(12)の予測可能な挙動を利用し、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)と設定PDSCHとの間のあるタイミング関係が満たされるように、動的PDSCHをスケジューリングするPDCCHを送信することによって、動的PDSCHに有利になるように、設定PDSCHよりも優先することができる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワーク(10)で動作するユーザ機器(UE)(12)によって実行される方法(1100)であって、前記方法(1100)が、
設定物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の開始時間および動的PDSCHをスケジューリングする物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の終了時間が、あるタイミング関係を満たす場合に、同じダウンリンク(DL)キャリアで前記設定PDSCHと重複する前記動的PDSCHを復号化すること(1102A)と、満たさない場合に、前記動的PDSCHを復号化しないこと(1102B)と
を含む、方法(1100)。
【請求項2】
前記UE(12)が、前記無線通信ネットワーク(10)のネットワークノード(22)からシグナリングを受信することをさらに含み、前記シグナリングが、前記設定PDSCHを受信するために前記UE(12)にアサインされる、半永続的リソースを示す、請求項1に記載の方法(1100)。
【請求項3】
前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間が、前記設定PDSCHの前記開始時間の前にある場合、前記タイミング関係が満たされる、請求項1または2に記載の方法(1100)。
【請求項4】
前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間が、前記設定PDSCHの前記開始時間より、少なくともN個の直交周波数分割多重(OFDM)シンボル時間、前にある場合、前記タイミング関係が満たされ、ここでNが整数である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(1100)。
【請求項5】
前記N個のOFDMシンボル時間が、前記設定PDSCHに使用されるサブキャリア間隔と、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHに使用されるサブキャリア間隔との間の、最小のOFDMサブキャリア間隔に基づく、請求項4に記載の方法(1100)。
【請求項6】
前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間が、前記設定PDSCHの前記開始時間より、少なくともN個のシンボル期間、前にある場合、前記タイミング関係が満たされ、前記シンボル期間が、前記設定PDSCHに関連するサブキャリア間隔と、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDSCHに関連するサブキャリア間隔との間の、最小のサブキャリア間隔で規定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(1100)。
【請求項7】
前記設定PDSCHの前記開始時間が、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間を超えてから、少なくとも最小時間距離にある場合、前記タイミング関係が満たされる、請求項1に記載の方法(1100)。
【請求項8】
無線通信ネットワーク(10)で動作するよう設定されたユーザ機器(UE)(12)であって、前記UE(12)が、
通信信号を前記無線通信ネットワーク(10)の無線ネットワークノード(22)に送信し、前記無線通信ネットワーク(10)の無線ネットワークノード(22)から通信信号を受信するよう設定された通信回路構成(30)と、
前記通信回路構成(30)と動作可能に連係し、設定物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の開始時間および動的PDSCHをスケジューリングする物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の終了時間が、あるタイミング関係を満たす場合に、同じダウンリンク(DL)キャリアで前記設定PDSCHと重複する前記動的PDSCHを復号化し、満たさない場合に、前記動的PDSCHを復号化しないよう設定された、処理回路構成(36)と
を備える、UE(12)。
【請求項9】
前記処理回路構成(36)が、前記無線通信ネットワークのネットワークノード(22)からシグナリングを受信するよう設定され、前記シグナリングが、前記設定PDSCHを受信するために前記UE(12)にアサインされる、半永続的リソースを示す、請求項8に記載のUE(12)。
【請求項10】
前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間が、前記設定PDSCHの前記開始時間より前にある場合、前記タイミング関係が満たされる、請求項8または9に記載のUE(12)。
【請求項11】
前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間が、前記設定PDSCHの前記開始時間より、少なくともN個の直交周波数分割多重(OFDM)シンボル時間、前にある場合、前記タイミング関係が満たされ、ここでNが整数である、請求項8から10のいずれか一項に記載のUE(12)。
【請求項12】
前記N個のOFDMシンボル時間が、前記設定PDSCHに使用されるサブキャリア間隔と、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHに使用されるサブキャリア間隔との間の、最小のOFDMサブキャリア間隔に基づく、請求項11に記載のUE(12)。
【請求項13】
前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの終了時間が、前記設定PDSCHの前記開始時間より、少なくともN個のシンボル期間、前にある場合、前記タイミング関係が満たされ、前記シンボル期間が、前記設定PDSCHに関連するサブキャリア間隔と、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDSCHに関連するサブキャリア間隔との間の、最小のサブキャリア間隔で規定される、請求項8から10のいずれか一項に記載のUE(12)。
【請求項14】
前記設定PDSCHの前記開始時間が、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間を超えてから、少なくとも最小時間距離にある場合、前記タイミング関係が満たされる、請求項8に記載のUE(12)。
【請求項15】
無線通信ネットワーク(10)で動作するよう設定された無線ネットワークノード(22)によって実行される方法(1300)であって、前記方法(1300)が、ダウンリンク(DL)キャリアでの送信がスケジューリングされる、設定物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を有するユーザ機器(UE)(12)に対して、
同じDLキャリアで、前記設定PDSCHに重複する、動的PDSCHをスケジューリングする物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を送信することによって、前記設定PDSCHより優先すること(1302)
を含み、前記送信が、前記設定PDSCHの開始時間と、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの終了時間とが、あるタイミング関係を満たすように実行される、方法(1300)。
【請求項16】
前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間が、前記設定PDSCHの前記開始時間より、少なくともN個のシンボル期間、前にある場合、前記タイミング関係が満たされ、前記シンボル期間が、前記設定PDSCHに関連するサブキャリア間隔と、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDSCHに関連するサブキャリア間隔との間の、最小のサブキャリア間隔で規定される、請求項15に記載の方法(1300)。
【請求項17】
無線通信ネットワーク(10)で動作するよう設定される無線ネットワークノード(22)であって、前記無線ネットワークノード(22)が、
ユーザ機器(UE)(12)へ通信信号を送信し、UE(12)から通信信号を受信するよう設定された通信回路構成(50)と、
前記通信回路構成(50)と動作可能に連係する処理回路構成(56)であって、前記処理回路構成(56)が、ダウンリンク(DL)キャリアでの送信がスケジューリングされる、設定物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を有するUE(12)に対して、
同じDLキャリアで、前記設定PDSCHに重複する動的PDSCHをスケジューリングする、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を送信することによって、前記設定PDSCHより優先する
よう設定される、処理回路構成(56)と
を備え、前記送信が、前記設定PDSCHの開始時間と、前記PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの終了時間とが、あるタイミング関係を満たすように実行される、無線ネットワークノード(22)。
【請求項18】
前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間が、前記設定PDSCHの前記開始時間より、少なくともN個のシンボル期間、前にある場合、前記タイミング関係が満たされ、前記シンボル期間が、前記設定PDSCHに関連するサブキャリア間隔と、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDSCHに関連するサブキャリア間隔との間の、最小のサブキャリア間隔で規定される、請求項17に記載の無線ネットワークノード(22)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、5G NR仕様に基づくネットワークなどの無線通信ネットワークに関し、詳細には、ユーザ機器(UE:User Equipment)および無線ネットワークノードの観点からの、設定ダウンリンク送信および動的ダウンリンク送信のハンドリングに関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:Third Generation Partnership Project)によって公表された、第5世代(5G:Fifth Generation)新無線(NR:New Radio)仕様は、様々な通信サービス、または様々なユースケースに合わせたサービスタイプを提供する。例示的なサービスタイプには、拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broadband)、超高信頼性低レイテンシ通信(URLLC:ultra-reliable and low latency communication)、およびマシンタイプ通信(MTC:machine type communication)が含まれる。これらのサービスには、それぞれ相異なる技術要件がある。たとえば、eMBBの一般的な要件は、中程度のレイテンシおよび中程度のカバレッジを備えた高データレートであり、一方URLLCサービスは、低レイテンシおよび高信頼性の送信だが、おそらく中程度のデータレートを必要とする。
【0003】
図1は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex)キャリアに関連する、例示的な時間-周波数グリッドを示しており、ここで「リソースエレメント」は、割り当て可能な最小の無線リソースであり、1つのOFDMサブキャリアと1つのOFDMシンボル時間との交差部を表すと理解することができる。例として、図1は、15kHzのサブキャリア間隔(SCS:subcarrier spacing)を示しているが、NRは、様々なサブキャリア間隔を可能にする。
【0004】
例示的なケースにおける相異なるサブキャリア間隔の調整をよりよく理解するために、無線フレームは、10ミリ秒にわたり、各フレームには、それぞれ1ミリ秒の10個のサブフレームが含まれ、各サブフレームは、SCSに応じて1つまたは複数のスロットに分割され、各スロットには、規定された数のシンボル、たとえば14個のシンボルが含まれる。スロットベースのスケジューリングでは、スロットは、最小の送信間隔を表すが、より小さな送信間隔の使用が、無線リンクでの通信レイテンシを減らす、1つの重要な仕組みである。
【0005】
これに対応して、NRは、たとえば、スロットに14個のシンボルが含まれる、1つのスロットよりも小さいミニスロットの送信を可能にし、ミニスロットの送信は、1から14個までのシンボルを使用する。スロットおよびミニスロットの概念および使用法は、サービスタイプに特有のものではなく、またURLLCばかりでなく、eMBBおよび他のサービスにも適用される。
【0006】
NRの柔軟性のもう1つのポイントは、ネットワークで動作しているユーザ機器(UE)にユーザデータを運ぶ(トラフィック)ために使用される、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)のリソース割り当てに関係している。ネットワークによってUEに送信されるダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)には、関連するスロット内のPDSCHに使用されるリソースを示す、時間領域リソース割り当てフィールドおよび周波数領域リソース割り当てフィールドが含まれる。時間領域リソース割り当てフィールドは、スロット情報ならびに開始および長さインジケータ値を示すことができ、開始および長さインジケータを一緒に使用して、PDSCH期間を特定することができる。通常のサイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)の場合、スロットごとに最大14個のシンボルが、PDSCHリソース割り当てに使用可能である。
【0007】
さらに、NRは、PDSCHの半永続スケジューリング(SPS:semi-persistent scheduling)と動的スケジューリングとの両方に対応している。動的スケジューリングの場合、個別のDCI(送信)が各PDSCHをスケジューリングするが、SPSは、もちろん修正または停止を受ける、繰り返し(reoccurring)PDSCHを可能にするか、または規定する。SPSは、半永続的に無線リソースを割り当てまたは設定するので、半永続グラントによって規定されたPDSCHは、「設定PDSCH」と呼ばれ得る。逆に、動的スケジューリングされるグラントによって規定されたPDSCHは、「動的スケジューリングされるPDSCH」、またはより簡便には「動的PDSCH」と呼ばれ得る。
【0008】
NRでは、PDSCHの処理時間も非常に柔軟であり、UEの処理能力に基づくことができる。パイプライン式PDSCH処理にも対応している。パイプライン処理により、Long-Term Evolution(LTE)と比較して、高速PDSCH処理時間ばかりでなく、高速フィードバック時間も可能になる。
【発明の概要】
【0009】
本明細書に開示されている技法は、動的アサインによって重複される設定ダウンリンク送信、および/または動的アサインによってスケジューリングされる動的ダウンリンク送信に関する、UEの受信する挙動についての、UEによる優先順位付けに効率的に対処する。
【0010】
本明細書に開示されている技法は、5G NR仕様に基づく通信ネットワークにおける、UEの動作への適用可能性を有する少なくとも1つの実施形態では、UEが、設定物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を、別のPDSCHに対していつ優先させるかに関する、UEによる予測可能な挙動を実現する。たとえば、少なくとも1つのかかる実施形態は、UEのプライマリセルでC-RNTIまたはMCS-C-RNTIを使ってスケジューリングされたPDSCH、およびプライマリセルでCS-RNTIを使ってスケジューリングされた別のPDSCHに関して、2つのPDSCHが時間的に、部分的または完全に重複するケース、および/または動的にグラントされるPDCCHのPDCCHが、少なくとも部分的に設定PDSCHと重複する場合の、UEの挙動を規定する。
【0011】
たとえば、UEは、設定ダウンリンクのアサインされるPDSCH期間の開始と、動的にアサインされるPDSCHをスケジューリングするPDCCHの時間との間の、相対的なタイミングを考慮する。少なくとも1つの実施形態または例において、動的にアサインされるPDSCH期間と設定ダウンリンクのアサインされるPDSCH期間が重複している場合で、動的にアサインされるPDSCHをスケジューリングする、対応するPDCCHが、設定ダウンリンクのアサインされるPDSCHの開始前に終了する場合に、動的にアサインされるPDSCHが優先される。別の実施形態または例では、動的にアサインされるPDSCH期間と設定ダウンリンクのアサインされるPDSCH期間が重複している場合で、動的にアサインされるPDSCHをスケジューリングする、対応するPDCCHが、設定ダウンリンクのアサインされるPDSCHの開始後に終了する場合に、設定ダウンリンクのアサインされるPDSCHが優先される。
【0012】
本明細書に開示される方法および装置の様々な利点の中で、具現化された技法は、UEの処理タイムラインの制約を考慮しながら、動的にアサインされるPDSCHと設定ダウンリンクのアサインされるPDSCHとの間に確実に、適切な優先順位を付けると同時に、UEのリソース割り当てを適応させる形でネットワークの柔軟性を保証する。柔軟性は、PDSCHの適時の動的アサインにより、設定ダウンリンクのアサインされるPDSCHより優先することができることから生まれる。この解決策によって、関与するネットワークノードとUEとの両方が、予測可能なUEの挙動を利用することができるため、システム全体の性能が向上する。
【0013】
もちろん、本発明は、上記の特徴および利点に限定されるものではない。当業者は、以下の詳細な説明を読み、添付図面を検討すると、さらなる特徴および利点を認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】OFDMキャリアによって、またはOFDMキャリア用に規定された、例示的な時間-周波数グリッドの図である。
図2】UEへの繰り返し(設定)ダウンリンク送信の、例示的な配置の図である。
図3】設定ダウンリンク送信と、動的アサインおよび対応する動的ダウンリンク送信との間の様々な時間関係を示す、例示的なシナリオの図である。
図4】設定ダウンリンク送信と、動的アサインおよび対応する動的ダウンリンク送信との間の様々な時間関係を示す、例示的なシナリオの図である。
図5】設定ダウンリンク送信と、動的アサインおよび対応する動的ダウンリンク送信との間の様々な時間関係を示す、例示的なシナリオの図である。
図6】設定ダウンリンク送信と、動的アサインおよび対応する動的ダウンリンク送信との間の様々な時間関係を示す、例示的なシナリオの図である。
図7】設定ダウンリンク送信と、動的アサインおよび対応する動的ダウンリンク送信との間の様々な時間関係を示す、例示的なシナリオの図である。
図8】無線通信ネットワークの一実施形態の構成図である。
図9】無線ネットワークノードおよびユーザ機器(UE)の例示的な実施形態の構成図である。
図10】UEの別の実施形態の構成図である。
図11】UEによる動作方法の、一実施形態の論理流れ図である。
図12】無線ネットワークノードの別の実施形態の構成図である。
図13】無線ネットワークノードによる動作方法の、一実施形態の論理流れ図である。
図14】別の実施形態による通信ネットワークの構成図である。
図15図14に見られるような、UE、基地局、およびホストコンピュータの、例示的な実施態様の詳細の構成図である。
図16図14および図15に見られるような、UE、基地局、およびホストコンピュータによる、またはこれらの間の、例示的な動作方法の論理流れ図である。
図17図14および図15に見られるような、UE、基地局、およびホストコンピュータによる、またはこれらの間の、例示的な動作方法の論理流れ図である。
図18図14および図15に見られるような、UE、基地局、およびホストコンピュータによる、またはこれらの間の、例示的な動作方法の論理流れ図である。
図19図14および図15に見られるような、UE、基地局、およびホストコンピュータによる、またはこれらの間の、例示的な動作方法の論理流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
動的にアサインされるPDSCH、および重複するPDSCH期間を持つ、設定ダウンリンクのアサインされるPDSCHに関して、指定された手法は、処理時間の側面を考慮していない。たとえば、3GPP TS38.214V15.7.0のセクション5.1を参照されたい。ここでは、たとえばUEが、動的PDSCHが存在する場合に、設定PDSCHを放棄または優先度を下げることに関して、予測できないUEの挙動が生じる。
【0016】
SPSおよび設定PDSCHをよりよく理解するために、設定ダウンリンクのアサインとも呼ばれる半永続グラントは、制御チャネルのオーバーヘッドが低減された、半永続(繰り返し)ダウンリンクデータ送信を可能にする。すなわち、動的PDSCHと比較して、半永続グラントによって規定された個々のPDSCHに対して、DCIを個別に送信する必要はない。
【0017】
たとえば、サービングgNB(NR基地局)内でUEにサーブする、関連する無線スケジューラは、半永続グラントを使用して、UEに特定の周期でPDSCHを割り当てることができる。このようにしてリソースを設定することで、繰り返し(継続的な)音声データフレームを含む、VoIPトラフィックなどの特定のサービスが補完される。設定ダウンリンクのアサインは、SPSのアクティブ化を示す物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)、すなわち、半永続送信をアクティブ化し、変調符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)情報、符号化方式、リソース割り当てなどの、いくつかのスケジューリング情報を含むPDCCHを送信することによって、アクティブ化される。
【0018】
ハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat reQuest)プロセス番号、半永続リソースの周期性などの他のスケジューリング情報は、上位層によって設定され得る。たとえば、周期性は、PDSCHの周期性を規定するスロットの数によって示すことができるか、またはミリ秒単位、たとえば、20ミリ秒(ms)の周期性で示すことができる。SPSアクティブ化PDCCHがUEによって受信されると、UEは、指定された周期性に応じて、たとえば20ミリ秒ごとに生じる、半永続的なリソースを有することを知る。
【0019】
図2は、「Tsps」が、繰り返しPDSCH、すなわち、図では「CG-PDSCH」と示されている設定PDSCHとして割り当てられた、設定無線リソースの周期性を示す例を示している。図は、半永続グラントをアクティブ化するために使用される、SPSアクティブ化PDCCHも示している。「CG-PDSCH」は、設定PDSCHの便利なラベルとしてサーブするが、「SPS-PDSCH」と同じ意味で使用され得る。
【0020】
ネットワークは、スロットの半永続的な送信より優先する、動的スケジューリングのアサインを送信することによって、スロットの半永続的な送信機会(またはオポチュニティ)を適応させることができる。たとえば、NWは、他の一部のパケットをスケジューリングするか、または継続中のパケットのリソース割り当てもしくはMCSレベルを動的に適応させることを選択する。かかるケースでは、UEは、現在指定されている挙動に応じて、動的にスケジューリングされたアサインに従うことになっている。というのは、これが、リンク適応およびリソース管理を実行する形で、NWにより高い柔軟性をもたらすからである。また、半永続スケジューリングされたトランスポートブロックについては、同じRNTIおよびHARQプロセスを使用した動的アサインを使用して、再送信をスケジューリングできることに留意されたい。
【0021】
CG-PDSCHのスケジューリングに関して、様々なケースまたはシナリオが適用される。たとえば、UEは、同じ機会の最初のCG-PDSCHをスケジューリングし、関連するPDCCHを受信することなしに受信される、さらなる後続のCG-PDSCHをスケジューリングする、SPSアクティブ化PDCCHを受信する。図2は、かかる例を示している。CG-PDSCHの再送信は、設定スケジューリング無線ネットワーク一時識別子(CS-RNTI:Configured Scheduling Radio Network Temporary Identifier)に基づくPDCCHに応じてスケジューリングされる、すなわち動的再送信であり得る。繰り返しCG-PDSCHの半永続グラントは、SPS非アクティブ化PDCCHまたはSPS PDSCHリソース解放を送信することにより、非アクティブ化され得る。
【0022】
SPSアクティブ化PDCCHは、CS-RNTIでスクランブルされた巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)を使用することができ、動的にアサインされるPDSCHは、CS-RNTI、セルRNTI(C-RNTI:Cell RNTI)、または変調符号化方式RNTI(MCS-C-RNTI:Modulation-and-Coding-Scheme RNTI)を使用してスケジューリングされ得る。前述のように、動的PDCCHは、たとえば、UEへの動的ダウンリンクのアサインを使用して、UEに動的にアサインされる。
【0023】
メディアアクセス制御(MAC:Medium Access Control)の動作および挙動を規定する、適用可能な現在の仕様に従ったUEの挙動をよりよく理解するために、現在の仕様は、簡便には「D-PDSCH」と表記され得る、CG-PDSCHと動的PDSCHとの間の起こり得る重複に対処する。UEの各サービングセルで設定されアクティブ化されるダウンリンクのアサイン(半永続グラント)ごとに、設定ダウンリンクのアサインでのPDSCH期間が、このサービングセルのPDCCHに応じて受信されるダウンリンクのアサインでのPDSCH期間と重複しない場合、UEのMACエンティティは、このPDSCH期間に、設定ダウンリンクのアサインに応じてDL-SCHのトランスポートブロックを受信し、受信したトランスポートブロックをHARQエンティティに配信するよう物理層に指示し、HARQプロセスIDを、このPDSCH期間に関連付けられたHARQプロセスIDにセットし、対応するHARQプロセスについて、新データインジケータ(NDI:New Data Indicator)ビットが切り替えられたと見なし、かつ設定ダウンリンクのアサインの存在を示して、保存されたHARQ情報をHARQエンティティに配信する必要がある。
【0024】
さらに、NRの現在のMAC仕様によれば、「PDCCH機会」は、UEのMACエンティティがPDCCHを監視するように設定されている時間(すなわち、1つまたは連続した数のシンボル)である。
【0025】
上記の詳細によれば、UEのサービングセルに関して、UEは、設定ダウンリンクのアサインでのPDSCH期間が、このサービングセルのPDCCHに応じて受信されるダウンリンクのアサインでのPDSCH期間と重複しない場合にのみ、設定ダウンリンクのアサインに従う。問題なのは、かかる挙動が、どんなUEの処理タイムラインまたはUEの処理時間の制約も考慮に入れておらず、UEの実施形態に関して過度の負担を引き起こす可能性があることである。3GPP TS38.214によると、適用可能な現在の仕様からの関連する詳細の具体的な表現として、UEは、プライマリセルでC-RNTIまたはMCS-C-RNTIを使ってスケジューリングされたPDSCHと、プライマリセルでCS-RNTIを使ってスケジューリングされた別のPDSCHとを、PDSCHが時間的に、部分的にまたは完全に重複している場合に、復号化することを予想されていない。
【0026】
図3の例を考察する。アクティブ化PDCCHは、UEに対して、CG-PDSCHと図示されている、繰り返しPDSCHをアクティブ化する。UEは、CG-PDSCHのうちの1つと時間的に重複するPDSCH(区別するために「PDSCH2」とラベル付けされている)を動的にグラントする、PDCCH(区別するために「PDCCH2」とラベル付けされている)を受信する。ここで、PDSCH2は、C-RNTIまたはMCS-C-RNTIを使用してスケジューリング/グラントされ得る。NRの適用可能な現在のMAC仕様には、UEが、PDSCH2と重複するCG-PDSCHよりも、PDSCH2を優先させる必要があると記載されている。
【0027】
しかし、ハードウェアまたは信号処理の観点から、UEは既にCG-PDSCHの処理を開始している可能性があり、UEの能力および特性によっては、UEが、仕様が示唆する通りに、PDSCH2を優先させることができない場合がある。したがって、UEは、(a)PDCCH2および対応するPDSCH2を無視する、すなわち、無効なアサインと見なすか、または(b)CG-PDSCHの優先度を下げて、PDCCH2および対応するPDSCH2の処理に従うことができるべきである。CG-PDSCHが優先度を下げられる場合、UEは、CG-PDSCHの復号化を一時停止することができるが、それでもなお、アップリンクメッセージで送信、たとえば、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)で送信する、対応するフィードバック情報(ACKまたはNACK)を供給することができる。優先度を下げると、UEでの処理が無駄になる可能性があることに留意されたい。
【0028】
この場合、NRの適用可能な現在のMAC仕様は、概して、いくつかの点で問題があり、とりわけUEでのタイムライン、すなわちPDCCH機会またはPDSCH機会について考慮していない。
【0029】
考えられるオプションの1つは、UEが、PDSCH間で重複が起こるときに、処理するPDSCHに優先順位を付けるのを、可能にすることである。しかし、対応する厄介な問題は、サービング基地局またはネットワークが、全体として、どのPDSCHが完全にまたは不完全に処理されたかを知らない可能性があることである。ネットワークでのこの可視性の欠如は、いくらかの性能低下をもたらす可能性があるが、ネットワークが予測可能なUEの挙動を知ることによって回避される。したがって、本明細書で企図される技法の一態様は、UEが、CG-PDSCHを別のPDSCHよりも優先させることを予測可能に選択することによる、ルールまたは挙動の論理を規定することを含む。
【0030】
一実施形態または動作シナリオでは、UEは、SPSのアサインよりも動的アサインを優先させるよう設定されるが、当該の動的アサインが、UE処理の観点から適時であり、予測可能に処理できる場合に限定される。例として、動的アサインが、SPSのアサインに関連するPDSCH期間が開始する前に終了する、PDCCH機会に受信された場合、UEは、SPSアサインよりも動的アサインを優先させる。より具体的には、CG-PDSCHと時間的に少なくとも部分的に重複するD-PDSCHを含む例では、UEは、重複するCG-PDSCHのPDSCH期間の開始前に、D-PDSCHをグラントするPDCCHが受信された場合、D-PDSCHの受信を優先させる。
【0031】
これに対応して、少なくとも部分的にCG-PDSCHと重複しているが、D-PDSCHのPDCCHが「遅れて」到着する、D-PDSCHのケースを考察する。かかるケースでは、UEは、D-PDSCHを無視または優先度を下げることができる。ここで、D-PDSCHのPDCCHの「遅れた」到着とは、CG-PDSCHのPDSCH期間の開始後に到着するか、さもなければ、UEがCG-PDSCHの処理を開始した後に到着するPDCCHと理解され得る。
【0032】
図3の例では、重複するCG-PDSCHが開始した後に、PDCCH2が開始する。したがって、UEはPDSCH2を優先させない。すなわち、UEは、CG-PDSCHを復号化し、PDCCH2およびPDSCH2を無視することができる。
【0033】
図4の例では、UEは、重複するCG-PDSCHが開始する前にPDCCH2が終了するので、PDSCH2を優先させる。したがって、UEは、PDSCH2を復号化し、CG-PDSCHについての設定ダウンリンクのアサインは、優先順位が下がったと見なす。
【0034】
図5の例では、UEは、重複するCG-PDSCHを復号化し、PDCCH2を無視するか、またはCG-PDSCHに加えてPDCCH2を復号化する。UEがPDSCH2も復号化するかどうかは、UEが同じスロットの複数のPDSCHを復号化できるかどうか、UEがかかる能力を有しているかどうか、またはネットワークによってセットされ得るUEの現在の設定のうちの、いずれか1つまたは複数によって変わる。簡単に言えば、少なくとも1つの実施形態またはシナリオでは、UEは、対応するグラントがCG-PDSCH期間の開始後に来る場合、D-PDSCHを無視し、他の少なくとも1つの実施形態またはシナリオでは、UEは、CG-PDSCHを優先させることができるが、CG-PDSCHとD-PDSCHとの両方を復号化する。
【0035】
図6では、CG-PDSCHが開始する前にPDCCH2が終了するので、UEは、PDSCH2を復号化することができる。CG-PDSCHについての設定ダウンリンクのアサインは、優先順位が下がったと見なされる。CG-PDSCHが開始する前にPDCCH2が終了する例、およびPDCCH2によってグラントされたD-PDCCH(PDSCH2)が、CG-PDSCHの期間後に開始する場合については、図7を参照されたい。
【0036】
本明細書で企図される技法の別の態様では、UEは、少なくとも一般的な提案として、継続中の送信を優先させる。たとえば、UEは、UEの復号化パイプライン中にあるPDSCH送信を優先させる。UEの対応する例示的な設定または挙動には、以下のいずれか1つまたは複数が含まれる。(1)UEは、「PDCCH復号化」の結果を得るまで、PDSCH処理の開始を待機する場合がある。(2)PDCCHおよびシンボルで重複するPDSCHについて、UEは、若干の追加の、PDSCH処理時間の緩和を必要とする場合がある。(3)「タイプA」のPDSCH割り当ての場合、PDSCHは、PDCCHより、最大シンボル2個、前に開始することができる。(4)「タイプB」のPDSCH割り当ての場合、PDSCHは、対応するPDCCHの開始より早く開始することができない。(5)設定ダウンリンクのアサインによってアサインされるPDSCH最小処理時間は、アクティブ化PDCCHによって与えられる最小処理時間と同じであり得る。
【0037】
上記の例および詳細を念頭において、1つまたは複数の実施形態におけるUEは、ダウンリンクの半永続スケジューリングに関係する設定情報を取得する。UEは、関連するPDSCH期間に開始し、一連のルールに従って繰り返し起きる、サービングセルの設定ダウンリンクのアサインを受信する。UEは、重複するPDSCH期間を有する第1のPDSCHおよび第2のPDSCHからPDSCHを選択する。ここで、第1のPDSCHは、設定ダウンリンクのアサインに基づき、第2のPDSCHは、PDCCHで受信されたダウンリンクのアサインに基づく。選択は、第1のPDSCHの開始と、第2のPDSCHをスケジューリングするPDCCHの終了時間との間の、タイミング関係に基づく。UEは、選択したPDSCHを復号化する。
【0038】
少なくとも1つの実施形態では、UEは、動的にアサインされるPDSCHをスケジューリングする、対応するPDCCHが、第1のPDSCHの開始前に終了する場合、第2のPDSCHを選択する。UEは、第2のPDSCHをスケジューリングするPDCCHが、第1のPDSCHの開始後に終了する場合、第1のPDSCHを選択する。PDCCHが、第1のPDSCHの開始前に終了するケースでは、PDCCHの終了は、第1のPDSCHの開始より、OFDMシンボルN個、前にあり、ここでNは、少なくとも1つの実施形態において0であり得る。
【0039】
PDCCHの終了はまた、UEの処理時間に関連して規定され得る。たとえば、PDCCHの終了は、第1のPDSCHの開始より、Tproc,1、前にある。Tproc,1は、能力1または2などの設定PDSCH処理能力、および関連するニューメロロジーへの依存性に応じた、UEがPDSCHを処理する時間であり得る。
【0040】
別の例では、PDCCHの終了は、スロットによって規定され得る。たとえば、PDCCHの終了は、第1のPDSCHの開始に対応するスロットより、スロットX個、前にある。これにより、第2のPDSCHについてのPDCCHの終了が、第1のPDSCHの開始前であるかどうかを評価する、複数のやり方または規定が存在し得る。
【0041】
さらに、UEは、シンボルiで終了するPDCCHによってスケジュールされ、PDSCH機会と時間的に重複する、所与のサービングセルのPDSCHを受信することを「予想」していない場合があり、ここでUEは、同じサービングセルのシンボルjで開始する、設定ダウンリンクのアサインによるPDSCHを、シンボルiの終了がシンボルjの開始より、少なくともシンボルX個、前にない場合、受信することができる。Xの値は0であり得るか、Xの値はN3であり得るか、またはXの値はN1であり得る。ここでN3は、DL-SPSを解放する最小処理時間であり、N1は、能力に応じた最小PDSCH処理時間である。
【0042】
シンボル数である値Xは、UEの処理能力に応じて決定することができ、シンボル期間は、設定ダウンリンクのアサインによるPDSCHに対応するサブキャリア間隔、およびPDSCHをスケジューリングするPDCCHのサブキャリア間隔の最小値に基づく。
【0043】
動的にアサインされるPDSCH期間と設定ダウンリンクのアサインされるPDSCH期間が重複している場合で、動的にアサインされるPDSCHをスケジューリングする、対応するPDCCHが、設定ダウンリンクのアサインされるPDSCHの開始前に終了する場合に、動的にアサインされるPDSCHが優先されるか、または選択される。
【0044】
動的にアサインされるPDSCH期間と設定ダウンリンクのアサインされるPDSCH期間が重複している場合で、動的にアサインされるPDSCHをスケジューリングする、対応するPDCCHが、設定ダウンリンクのアサインされるPDSCHの開始後に終了する場合に、設定ダウンリンクのアサインされるPDSCHが優先されるか、または選択される。
【0045】
具体的であるが非限定的な例として、単一のニューメロロジーで、1個のスロットに14個のシンボルがあり、CG-PDSCHが、スロット内のシンボルj1からj2にあり、動的アサインPDCCHが、スロット内のシンボルm1からm2にあると仮定し、D-PDSCHを、スロット内のシンボルk1からk2で示す。さらに、PDSCH期間j1からj2およびk1からk2に、少なくとも1つのシンボルの重複があると仮定する。ここでm2<j1の場合、動的にアサインされるPDSCHが優先される。m1>=j1の場合、CG-PDSCHが優先される。
【0046】
別の例示的な実施形態、または別の例示的な実施形態群では、UEは、サービングセルのダウンリンクの半永続スケジューリングに関係する設定情報を取得する。UEは、関連するPDSCH期間に開始し、一連のルールに従って繰り返し起きる、関与するサービングセルの設定ダウンリンクのアサインを受信する。UEは、PDSCH期間に、設定ダウンリンクのアサインに応じて、DL-SCHのトランスポートブロックを受信する。この受信は、設定ダウンリンクのアサインでのPDSCH期間が、サービングセルのPDCCHに応じて受信されるダウンリンクのアサインでのPDSCH期間と重複していないこと、および設定ダウンリンクのアサインでのPDSCH期間の開始前に、PDCCH機会に受信されたサービングセルのPDCCHが終了することという条件が、満たされていることに基づく。
【0047】
終了とは、PDCCH機会における、PDCCHの最後のシンボルの終了を指す。終了はたとえば、PDSCH期間の開始より、OFDMシンボルN個、前にあり、ここでNは、0であり得る。別の例では、終了は、PDSCH期間の開始より、Tproc,1、前にある。Tproc,1は、能力1または2などの設定PDSCH処理能力、および関連するニューメロロジーへの依存性に応じた、UEがPDSCHを処理する時間であり得る。別の例では、終了は、PDSCH期間の開始に対応するスロットより、スロットX個、前にある。
【0048】
下記のテキストは、TS38.321の現在適用可能なバージョンからのものであるが、下線が引かれたイタリック体のテキストは、本明細書に開示されている1つまたは複数の実施形態で企図される変更を表す。
【0049】
サービングセルごと、および設定ダウンリンクのアサインごとに、設定されアクティブ化される場合、MACエンティティは、以下を行う必要がある。
1>設定ダウンリンクのアサインでのPDSCH期間が、このサービングセルのPDCCHに応じて受信される、ダウンリンクのアサインでのPDSCH期間と重複しない場合、およびPDCCH機会に受信されるPDCCHが、設定ダウンリンクのアサインでのPDSCH期間の開始前に終了する場合、
2>このPDSCH期間に、設定ダウンリンクのアサインに応じてDL-SCHのトランスポートブロックを受信し、受信したトランスポートブロックをHARQエンティティに配信するよう物理層に指示する。
2>HARQプロセスIDを、このPDSCH期間に関連付けられたHARQプロセスIDにセットする。
2>対応するHARQプロセスのNDIビットが切り替えられたと見なす。
2>設定ダウンリンクのアサインの存在を示し、保存されたHARQ情報をHARQエンティティに配信する。
【0050】
対応する例では、単一のニューメロロジーで、1個のスロットに14個のシンボルがあり、CG-PDSCHが、スロット内のシンボルj1からj2にあり、動的アサインPDCCHが、スロット内のシンボルm1からm2にあると仮定し、PDSCHを、スロット内のシンボルk1からk2で示す。さらに、PDSCH期間j1からj2およびk1からk2に、少なくとも1つのシンボルの重複があると仮定する。
【0051】
ここでm2<j1の場合、動的にアサインされるPDSCHが優先される。
【0052】
UEが、上記の動作のいずれかを実行するか、または上記の設定のいずれかを有する例として、図1は、例示的な実施形態による無線通信ネットワーク10のブロック図であり、ネットワーク10は、UE12を1つまたは複数の外部ネットワーク14、たとえばインターネットに結合することなどによって、任意の数のUE12に1つまたは複数の通信サービスを提供する。とりわけ、ネットワーク10は、UE12が外部ネットワーク14を介して到達可能である、1つまたは複数のホストコンピュータ16へのアクセスを提供する、アクセスネットワークとして動作することができる。
【0053】
非限定的な例では、ネットワーク10は、第5世代(5G)の新無線(NR)ネットワークとして設定される。ネットワーク10の5G NRの実施態様の例示的な詳細が、TS23.501V16.2.0(2019年9月24日)、TS38.211V15.3.0(2018年9月)、TS32.212V15.3.0(2018年9月)、TS38.213V15.3.0(2018年9月)、およびTS38.331V15.2.1(2018年6月)などの、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって公表された様々な技術仕様(TS:Technical Specification)に出ている。
【0054】
例示的な5G NRの文脈では、ネットワーク10は、超高信頼性低レイテンシ通信(URLLC)サービス、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)サービスなどを提供する。単に例示する目的で図示されている3つのUE12-1、12-2、および12-3を含むUE12は、どんな種類の、またはどんなUEタイプの組合せであってもよく、本質的にどんなタイプの通信または通信タイプの組合せでも、作動させることができる。「UE」という用語は、3GPP仕様の文脈では特定の意味を有する。しかしこの用語は、より広義に、ネットワーク10で動作するよう設定されているが、永続的または固定ネットワークインフラストラクチャの一部ではない、本質的に任意のタイプの無線通信装置またはデバイスを意味する。一般に、UEは、ネットワーク10のオペレータまたはオーナが所有するものではなくて、その代わりに、それぞれのUEによるネットワーク10の許可された使用を可能にする、サブスクリプションまたは他の契約を有する第三者によって所有されるか、または第三者に紐づくものである。
【0055】
非限定的な例として、UE12のうちの任意の1つまたは複数は、スマートフォンもしくは他のモバイル通信デバイス、ネットワークアダプタもしくはドングル、マシンタイプ通信(MTC)デバイス、モノのインターネット(IoT:Internet-of-Things)デバイス、またはネットワーク10によって提供されるエアインタフェース(または複数のエアインタフェース)上で動作するよう設定された、他の無線通信装置であってもよい。前述のように、エアインタフェースは、NRインタフェースであり得る。追加的または代替的に、ネットワーク10は、ロングタームエボリューション(LTEまたは4G)など、他の無線アクセス技術(RAT:RadioAccessTechnology)による、1つまたは複数のエアインタフェースを提供する。
【0056】
参照番号に関する簡単なポイントとして、1つまたは複数の図面にサフィックスの付いた参照番号が示されている場合があるが、本明細書での参照番号の使用には、明確にするために、サフィックスが必要な場合だけにサフィックスが含まれる。サフィックスのない参照番号は、その参照番号によって特定されるもののうちの、任意の所与の1つを参照するために、またはその参照番号によって特定される、任意の所与の複数のものを参照するために使用され得る。したがって、「UE12(単数)」は、文脈上1つの所与のUEを指し、「UE12(複数)」は、文脈上2つ以上の所与のUEを指す。
【0057】
図示されているネットワーク10のさらなる詳細に戻ると、ネットワーク10は、1つまたは複数の無線ネットワークノード22を含む無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)20を含み、2つの無線ネットワークノード22-1および22-2は、単に例として示されている。各無線ネットワークノード22は、対応する1つまたは複数の地理的エリアで無線カバレッジを提供し、1つまたは複数のネットワーク「セル」24を提供すると見なされ得る。たとえば、無線ネットワークノード22-1はセル24-1を提供し、無線ネットワークノード22-2はセル24-2を提供する。セルカバレッジは重複する場合があり、任意の所与のセル24は、ビームフォーミングを使用した無線信号の検知を含むか、または検知の下に「カバー」され得る。たとえば、無線ネットワークノード22は、1つまたは複数の偏波を有する複数のアンテナ素子を備えたアンテナアレイを含み、無線ネットワークノード22は、デジタル、アナログ、またはハイブリッドビームフォーミングを使用して、方向性無線ビームを1つまたは複数の地理的エリアにわたって、またはエリア内でステリングまたは掃引し、このエリアで動作するUE12に無線サービスを提供する。
【0058】
図9は、UE12および無線ネットワークノード(「RNN:radio network node」)22の例示的な実施形態を示し、UE12は、処理回路構成36および記憶部38と共に、受信機回路構成32および送信機回路構成34を備える、通信回路構成30を含む。記憶部38は、1種類または複数種類のメモリ回路またはデバイスなど、1つまたは複数のタイプのコンピュータ可読媒体を備える。例には、SRAM、DRAM、フラッシュ、EEPROM、固体ディスク(SSD:Solid State Disk)、および電磁ディスク記憶部のうちの、いずれか1つまたは複数が含まれる。
【0059】
処理回路構成36は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、または1つまたは複数のシステムオンチップ(SoC:Systems-on-a-Chip)などの、1つまたは複数のタイプのデジタル処理回路構成を備える。処理回路構成36は、概して、固定されたプログラム不可能な回路構成を備えるか、UE12について本明細書で説明された、関連する先取権関連の(preemption-related)動作を実行するように特別に適応された、プログラムされた回路構成を備えるか、または固定回路構成とプログラムされた回路構成との組合せを備える。
【0060】
少なくとも1つのかかる実施形態では、UE12は、保存されたコンピュータプログラム命令の実行に基づいて、図示されている処理回路構成36として設定されるか、または動作する、1つまたは複数のマイクロプロセッサなどの、1つまたは複数のデジタル処理回路を含む。そのために、1つまたは複数の実施形態における記憶部38は、1つまたは複数のコンピュータプログラム(CP:computer program)40を保存し、ここで「保存する」とは、必ずしも恒久的または不変の記憶を意味するものではなく、プログラムを実行するための作業メモリ内の記憶など、少なくともある程度永続性を保持することを意味する。1つまたは複数の実施形態における記憶部38はまた、設定データ(CFG.データ)41のうちの1つまたは複数のアイテム用の、揮発性および/または不揮発性記憶部を備える。かかるデータは、ネットワーク10によって、UE12で事前プロビジョニングされ、UE12に信号通知され得るか、または事前プロビジョニング情報と信号通知される情報との組合せを含むことができる。
【0061】
上記を念頭に置いて、無線通信ネットワーク10で動作するよう設定されたUE12は、ネットワーク10内の無線ネットワークノード22との間で信号を送受信するよう設定された、通信回路構成30を備える。通信回路構成30は、たとえば、無線周波数受信機32および無線周波数送信機34など、ネットワーク10内で無線ベースの通信を行うよう設定された、無線送受信機回路構成を含む。
【0062】
さらに、UE12は、通信回路構成30と動作可能に連係する処理回路構成36を備える。ここで、「動作可能に連係する」とは、処理回路構成36が、通信回路構成30を介してデータおよび制御シグナリングを送受信することを意味する。処理回路構成36は、たとえば、通信回路構成30を介して無線ネットワークノード22から無線信号を受信し、受信信号から制御信号およびデータを回復し、発信する制御情報およびデータをエンコーディングおよび変調し、通信回路構成30を介して送信するために使用される、無線プロトコルスタックを実装するベースバンド処理回路構成を含むか、またはベースバンド処理回路構成と連係する。
【0063】
1つまたは複数の実施形態における処理回路構成36は、設定ダウンリンク送信と時間的に、少なくとも部分的に重複する動的アサインに応答して、動的ダウンリンク送信および動的ダウンリンク送信に関連する動的アサインではなく、設定ダウンリンク送信を復号化するよう設定されている。さらに、処理回路構成36は、少なくとも、動的ダウンリンク送信が時間的に、少なくとも部分的に設定ダウンリンク送信と重複するケースでは、動的アサインが時間的に、設定ダウンリンク送信が開始される前に終了することに応答して、設定ダウンリンク送信ではなく動的ダウンリンク送信を復号化するよう設定されている。
【0064】
ここで、重複の問題とは、動的アサインの送信時間/期間の、設定ダウンリンクのアサインの送信時間/期間との、(少なくとも部分的な)重複を指す。動的アサインとは、たとえば、動的ダウンリンク送信であるPDSCHを動的にスケジューリングするPUCCHの送信であり、設定ダウンリンク送信とは、半永続スケジューリングによってグラントされた複数個の繰り返しPDSCHのうちの1つである。
【0065】
図10は、UE12の別の例示的な実施形態を示しており、ここでUE12は、1つまたは複数のプロセッサまたは他のタイプのデジタル処理回路構成を使って、コンピュータプログラム命令を実行することで実現またはインスタンス化され得るような、処理モジュールまたは機能ユニット44のセット42を備える。図10のUE12は、UEについて本明細書で説明されている処理動作のうちのいずれかを実行するよう設定され得る。
【0066】
図11は、本明細書の1つまたは複数の実施形態における、UE12によって実行される動作方法1100を示している。方法1100は、同じダウンリンクキャリアで時間的に重複する設定PDSCHおよび動的PDSCHについて、設定PDSCHの開始時間および動的PDSCHをスケジューリングするPDCCHの終了時間が、タイミング関係を満たす場合に、動的PDSCHを復号化すること(1102A)、および満たさない場合に、動的PDSCHを復号化しないこと(1102B)を含む。たとえば、UE12は、タイミング関係が満たされない場合、設定PDSCHを復号化し、動的PDSCHを復号化しない。
【0067】
例示的な実施形態では、無線通信ネットワークで動作するUE12によって実行される方法は、設定PDSCHの開始時間および動的PDSCHをスケジューリングするPDCCHの終了時間が、タイミング関係を満たす場合に、UE12が、同じダウンリンク(DL:Downlink)キャリアで設定PDSCHと重複する動的PDSCHを復号化すること、および満たさない場合に、動的PDSCHを復号化しないことを含む。すなわち、UE12は、タイミング関係が満たされる場合、動的PDSCHを復号化し、タイミング関係が満たされない場合、UE12は動的PDSCHを復号化せず、たとえばUE12は、その代わりに、設定PDSCHを復号化する。
【0068】
1つまたは複数の実施形態における方法は、UE12が、無線通信ネットワークのネットワークノードからシグナリングを受信することを含み、ここでシグナリングは、設定PDSCHを受信するためにUE12にアサインされた、半永続的リソースを示す。たとえば、UE12は、最初のグラント(SPSグラント)を受信し、最初のグラントは、UE12が、それぞれの、かかる後続の機会での対応するPDCCHを受信することなく、1つまたは複数の後続の機会での設定PDSCHを有するように、繰り返しインスタンスの無線リソースをグラントする。
【0069】
その点を念頭に置いて、例示的な実施形態では、UE12は、タイミング関係が満たされる場合に、UE12が第1のPDSCHを復号化すること、および満たされない場合に、第2のPDSCHを復号化することを含む、方法を実行する。ここで、第1および第2のPDSCHは、同じダウンリンク(DL)キャリアで時間的に重複し、第1のPDSCHは、対応するPDCCHを有し、第2のPDSCHは、対応するPDCCHを有していない。すなわち、UE12は、第1のPDSCHを動的にスケジュールするPDCCHを受信するが、当該の間隔において、たとえば、第2のPDSCHが若干早く設定されたとき、第2のPDSCHのPDCCHを受信することはない。タイミング関係は、第1のPDSCHに対応するPDCCHの終了時間と第2のPDSCHの開始時間との間の問題である。たとえば、UE12は、第1のPDSCHに対応するPDCCHの終了から第2のPDSCHの開始までに、少なくともいくらかの最小時間距離がある場合、第1のPDSCHを復号化する。
【0070】
UE12が、2つのPDSCHが同じDLキャリアで時間的に重複する場合に、動的PDSCHをスケジューリングするPDCCHの終了時間と設定PDSCHの開始時間との間で、タイミング関係が満たされるかどうかに応じて、動的PDSCHまたは設定PDSCHのいずれかを復号化することに関して、1つまたは複数の実施形態におけるUE12は、動的PDSCHをスケジューリングするPDCCHの終了時間が、設定PDSCHの開始時間より前である場合に、タイミング関係が満たされていると見なす。
【0071】
別の例では、動的PDSCHをスケジューリングするPDCCHの終了時間が、設定PDSCHの開始時間より、少なくともN個の直交周波数分割多重(OFDM)シンボル時間、前にある場合、タイミング関係が満たされ、ここでNは、整数である。ここで、N個のOFDMシンボル時間は、設定PDSCHに使用されるサブキャリア間隔と、動的PDSCHをスケジューリングするPDCCHに使用されるサブキャリア間隔との間の、最小のOFDMサブキャリア間隔に基づく。
【0072】
別の例では、動的PDSCHをスケジューリングするPDCCHの終了時間が、設定PDSCHの開始時間より、少なくともN個のシンボル期間、前にある場合、タイミング関係が満たされている。ここで、シンボル期間は、設定PDSCHに関連するサブキャリア間隔と、動的PDSCHをスケジューリングするPDSCHに関連するサブキャリア間隔との間の、最小のサブキャリア間隔で規定される。
【0073】
別の例では、設定PDSCHの開始時間が、動的PDSCHをスケジューリングするPDCCHの終了時間を超えてから、少なくとも最小時間距離にある場合、タイミング関係が満たされている。時間距離は、上記で説明されたように、UE12が、シンボル期間で測定または計算することができる。
【0074】
したがって、本明細書で企図されている1つまたは複数の実施形態では、UE12は、無線通信ネットワークで動作するよう設定され、またUE12は、通信信号を無線通信ネットワークの無線ネットワークノードに送信し、無線通信ネットワークのネットワークノードから通信信号を受信するよう設定された、通信回路構成を備える。さらに、UE12は、通信回路構成と動作可能に連係し、設定PDSCHの開始時間および動的PDSCHをスケジューリングするPDCCHの終了時間が、タイミング関係を満たす場合に、同じDLキャリアで設定PDSCHと重複する動的PDSCHを復号化し、満たさない場合は動的PDSCHを復号化しないよう設定された、処理回路構成を備える。
【0075】
図8に戻ると、図はまた、無線ネットワークノード22の例示的な実施形態の詳細も示している。例示的な無線ネットワークノード22は、処理回路構成56および記憶部58と共に、受信機回路構成52および送信機回路構成54を備える、通信回路構成50を含む。記憶部58は、1種類または複数種類のメモリ回路またはデバイスなど、1つまたは複数のタイプのコンピュータ可読媒体を備える。例には、SRAM、DRAM、フラッシュ、EEPROM、固体ディスク(SSD)、および電磁ディスク記憶部のうちの、いずれか1つまたは複数が含まれる。
【0076】
処理回路構成56は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または1つまたは複数のシステムオンチップ(SoC)などの、1つまたは複数のタイプのデジタル処理回路構成を備える。処理回路構成56は、概して、固定されたプログラム不可能な回路構成を備えるか、無線ネットワークノード22について本明細書で説明された、関連する先取権関連の動作を実行するように特別に適応された、プログラムされた回路構成を備えるか、または固定回路構成とプログラムされた回路構成との組合せを備える。
【0077】
少なくとも1つのかかる実施形態では、無線ネットワークノード22は、保存されたコンピュータプログラム命令の実行に基づいて、図示されている処理回路構成56として設定されるか、または動作する、1つまたは複数のマイクロプロセッサなどの、1つまたは複数のデジタル処理回路を含む。そのために、1つまたは複数の実施形態における記憶部58は、1つまたは複数のコンピュータプログラム(CP)60を保存し、ここで「保存」は、必ずしも恒久的または不変の記憶を意味するものではなく、プログラムを実行するための作業メモリでの記憶など、少なくともある程度永続性を保持することを意味する。1つまたは複数の実施形態における記憶部58はまた、設定データ(CFG.データ)62のうちの1つまたは複数のアイテム用の、揮発性および/または不揮発性記憶部も備える。かかるデータは、無線ネットワークノード22で事前プロビジョニングされ、かつ/または動作中に動的に取得もしくは生成され得る。
【0078】
無線通信ネットワーク10で動作するよう設定された例示的な無線ネットワークノード22は、UE12との間で信号を送受信するよう設定された、通信回路構成50を備える。通信回路構成50は、たとえば、UE12からのアップリンク信号を受信する無線周波数受信機52(または受信機)、およびUE12にダウンリンク信号を送信する無線周波数送信機54(または送信機)など、ネットワーク10内で無線ベースの通信を行うよう設定された、無線送受信機回路構成を含む。通信回路構成50は、無線ネットワークノード22を、コアネットワーク26内のサポートノードまたは制御ノード(図1参照)、および隣接する無線ネットワークノード22と通信可能に相互接続するよう設定された、コンピュータデータネットワークインタフェースまたは他のインタフェースなどの、インタフェース回路構成をさらに備える。
【0079】
さらに、無線ネットワークノード22は、通信回路構成50と動作可能に連係する処理回路構成56を備える。ここで、「動作可能に連係する」とは、処理回路構成56が、通信回路構成50を介してデータおよび制御シグナリングを送受信することを意味する。処理回路構成56は、たとえば、通信回路構成50を介してUE12から無線信号を受信し、受信信号から制御シグナリングおよびデータを回復し、発信する制御シグナリングおよびデータをエンコーディングおよび変調し、通信回路構成50を介してUE12に送信するために使用される、無線プロトコルスタックを実装するベースバンド処理回路構成を含むか、またはベースバンド処理回路構成と連係する。
【0080】
無線ネットワークノード22の処理回路構成56は、UE12への設定ダウンリンク送信およびUE12への動的ダウンリンク送信に関して、1つまたは複数の実施形態では、UE12に対する無線ネットワークノード22での送信および/または受信動作を、UE12による予想されるまたは既知の挙動に基づいて適応させるよう設定される。たとえば、無線ネットワークノード22は、UE12が、動的アサインが設定ダウンリンク送信と時間的に、少なくとも部分的に重複することに応答して、動的ダウンリンク送信および動的ダウンリンク送信に関連する動的アサインではなく、設定ダウンリンク送信を復号化することになると知っており、またUE12が、少なくとも、動的ダウンリンク送信が設定ダウンリンク送信と時間的に、少なくとも部分的に重複するケースでは、設定ダウンリンク送信が開始する前に動的アサインが時間的に終了することに応答して、設定ダウンリンク送信ではなく、動的ダウンリンク送信を復号化することになると知っている。
【0081】
無線ネットワークノード22の同じ実施形態において、または無線ネットワークノード22の別の実施形態において、処理回路構成56は、対象となるUE12が所望の挙動に従うように、設定ダウンリンク送信に対する動的アサインのタイミングを制御するよう設定される。たとえば、同じスロットまたは他の適用可能な間隔での、UE12への設定ダウンリンク送信およびUE12への動的ダウンリンク送信を考察する。動的アサイン(たとえば、PUCCH)の送信が、設定ダウンリンク送信の送信と、時間的に重複しない場合、UE12は、設定ダウンリンク送信ではなく動的ダウンリンク送信を処理するよう設定されていると仮定する。無線ネットワークノード22は、これに対応して、動的アサインが確実に送信されるようにし、UEが動的ダウンリンク送信に従う、すなわち、UE12が設定ダウンリンク送信より優先するよう、保証することができる。
【0082】
図12は、無線ネットワークノードの別の例示的な実施形態を示しており、ここで無線ネットワークノード22は、1つまたは複数のプロセッサまたは他のタイプのデジタル処理回路構成を使って、コンピュータプログラム命令を実行することで実現またはインスタンス化され得るような、処理モジュールまたは機能ユニット66のセット64を備える。図12の無線ネットワークノード22は、無線ネットワークノードについて本明細書で説明されている処理動作のいずれかを実行するよう設定され得る。
【0083】
図13は、本明細書の1つまたは複数の実施形態における、無線ネットワークノード22によって実行される動作方法1300を示している。方法1300は、ダウンリンクキャリアでの送信がスケジューリングされている設定PDSCHを有するUE12に対して、無線ネットワークノード22が、同じDLキャリアで設定PDSCHに重複する、動的PDSCHをスケジューリングするPDCCHを送信することによって、設定PDSCHより優先すること(1302)を含み、この送信は、設定PDSCHの開始時間と、動的PDSCHをスケジューリングするPDCCHの終了時間とが、タイミング関係を満たすように実行される。
【0084】
同じまたは別の実施形態では、設定ダウンリンク送信および動的ダウンリンク送信(両方とも同じスロットまたは時間間隔で、また両方とも同じUE12を関与させる)について、本明細書の1つまたは複数の実施形態による無線ネットワークノード22は、2つのダウンリンク送信が同じスロットまたは間隔にあることに対する、UE12の既知の、または予想される挙動を考慮に入れて、無線ネットワークノード22の受信および/または処理動作を適応させる。たとえば、UE12は、本明細書に説明されているUEの実施形態のいずれかに従って動き、無線ネットワークノード22は、UE12からの信号の監視もしくは受信、ならびに/またはUE12についてのスケジューリングおよび/もしくは送信に関連する、無線ネットワークノード22の動作のうちの1つまたは複数を制御する。少なくとも1つの実施形態では、無線ネットワークノード22は、UE12が、設定ダウンリンク送信よりも動的ダウンリンク送信を優先させるように、動的ダウンリンク送信をスケジューリングする動的アサインの送信タイミングを制御するよう設定される。
【0085】
特定の例として、無線ネットワークノード22は、UE12と通信するよう設定された通信回路構成と、通信回路構成に動作可能に連係する処理回路構成とを備える。処理回路構成は、同じDLキャリアで、設定PDSCHに重複する動的PDSCHをスケジューリングするPDCCHを送信することによって、設定PDSCHより優先するよう設定され、この送信は、設定PDSCHの開始時間と、PDSCHをスケジューリングするPDCCHの終了時間とが、タイミング関係を満たすように実行される。かかる動作は、任意の設定PDSCHに対して、たとえば、半永続的にUE12にグラントされた1つまたは複数のPDSCHのうちのいずれかに対して、無線ネットワークノード22によって始められ得る。
【0086】
タイミング関係は、たとえば、動的PDSCHをスケジューリングするPDCCHの終了時間が、設定PDSCHの開始時間より、少なくともN個のシンボル期間、前にある場合に満たされる。ここで、シンボル期間は、設定PDSCHに関連するサブキャリア間隔と、動的PDSCHをスケジューリングするPDSCHに関連するサブキャリア間隔との間の、最小のサブキャリア間隔で規定される。
【0087】
本明細書で企図されるネットワークノードおよびUEの動作のさらなる拡張および変形に関して、図14は、無線アクセスネットワークなどのアクセスネットワーク1011、およびコアネットワーク1014を備える、3GPPタイプの移動体通信ネットワークなどの通信ネットワーク1010を含む、例示的な通信システムを示している。アクセスネットワーク1011は、たとえば無線ネットワークノード22として動作するNB、eNB、gNB、または他のタイプの無線アクセスポイントなどの、複数の基地局1012a、1012b、1012cを備え、それぞれが、対応するカバレッジエリア1013a、1013b、1013cを規定する。各基地局10122a、1012b、1012cは、有線または無線接続1015を介してコアネットワーク1014に接続可能である。カバレッジエリア1013c内に位置する、たとえば以前に説明されたUE12として動作する、第1のUE1091は、対応する基地局1012cに無線で接続するか、または基地局1012cによってページングされるよう設定される。カバレッジエリア1013a内の第2のUE1092は、対応する基地局1012aに無線で接続可能である。この例では複数のUE1091、1092が示されているが、開示される実施形態は、唯一のUEがカバレッジエリア内にあるか、または唯一のUEが対応する基地局1012と接続している状況にも、等しく適用可能である。かかるすべてのUEが、本明細書でUE12について説明されたように、動作することができる。
【0088】
通信ネットワーク1010は、通信ネットワーク1010自体がホストコンピュータ1030に接続されており、ホストコンピュータ1030は、独立型サーバ、クラウド実装型サーバ、分散型サーバのハードウェアおよび/またはソフトウェアで、またはサーバファーム内の処理リソースとして具現化され得る。ホストコンピュータ1030は、サービスプロバイダの所有または管理下にあり得るか、またはサービスプロバイダによって、もしくはサービスプロバイダに代わって操作され得る。通信ネットワーク1010とホストコンピュータ1030との間の接続1021および1022は、コアネットワーク1014からホストコンピュータ1030まで直接延びることができるか、または任意選択の中間ネットワーク1020を経由することができる。中間ネットワーク1020は、公衆、私設、またはホスティングされるネットワークのうちの1つか、または複数の組合せであり得る。中間ネットワーク1020は、もしあれば、基幹ネットワークまたはインターネットであり得る。中間ネットワーク1020は、具体的には、2つ以上のサブネットワーク(図示せず)を備えることができる。
【0089】
図14の通信システムは、全体として、接続されたUE1091、1092とホストコンピュータ1030との間の接続性を有効にする。接続性は、オーバーザトップ(OTT:over-the-top)接続1050として説明され得る。ホストコンピュータ1030および接続されたUE1091、1092は、アクセスネットワーク1011、コアネットワーク1014、任意の中間ネットワーク1020、および場合によってはあり得るさらなるインフラストラクチャ(図示せず)を中継として使用する、OTT接続1050を介してデータおよび/またはシグナリングを通信するよう設定されている。OTT接続1050は、OTT接続1050が通過する、関与する通信デバイスが、アップリンク(UL:uplink)およびダウンリンク(DL)通信の経路選定を認識していないという意味で、透過的であり得る。たとえば、基地局1012は、ホストコンピュータ1030から始まり、接続されたUE1091に転送される(たとえば、ハンドオーバされる)べきデータを含む着信ダウンリンク通信の、過去の経路選定について通知されないか、または通知される必要がない場合がある。同様に、基地局1012は、UE1091から始まる、ホストコンピュータ1030に向けた発信アップリンク通信の、今後の経路選定を認識する必要はない。
【0090】
ここで、実施形態による、前の段落で論じられたUE、基地局、およびホストコンピュータの例示的な実施態様を、図15を参照して説明することにする。通信システム1100において、ホストコンピュータ1110は、通信システム1100の別の通信デバイスのインタフェースとの有線または無線接続をセットアップおよび維持するよう設定された、通信インタフェース1116を含むハードウェア1115を備える。ホストコンピュータ1110は、記憶および/または処理能力を有することができる、処理回路構成1118をさらに備える。処理回路構成1118は、1つまたは複数のプログラム可能なプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または命令を実行するよう適応されたこれらの組合せ(図示せず)を備えることができる。ホストコンピュータ1110は、ホストコンピュータ1110内に保存されているか、またはホストコンピュータ1110によってアクセス可能であり、処理回路構成1118によって実行可能である、ソフトウェア1111をさらに備える。ソフトウェア1111は、ホストアプリケーション1112を含む。ホストアプリケーション1112は、UE1130およびホストコンピュータ1110で終端をなす、OTT接続1150を介して接続するUE1130など、遠隔のユーザにサービスを提供するよう動作可能であり得る。遠隔のユーザにサービスを提供する際に、ホストアプリケーション1112は、OTT接続1150を使用して送信されるユーザデータを供給することができる。
【0091】
通信システム1100は、通信システム内に設けられ、基地局1120がホストコンピュータ1110およびUE1130と通信することを可能にするハードウェア1125を備える、基地局1120をさらに含む。ハードウェア1125は、通信システム1100の別の通信デバイスのインタフェースとの有線または無線接続をセットアップおよび維持するための通信インタフェース1126、ならびに少なくとも、基地局1120によってサーブされるカバレッジエリア内に位置するUE1130との無線接続1170をセットアップおよび維持するための、無線インタフェース1127を含むことができる。通信インタフェース1126は、ホストコンピュータ1110への接続1160を円滑にするよう設定され得る。接続1160は、直接であり得るか、あるいは通信システムのコアネットワークおよび/または通信システムの外部の1つもしくは複数の中間ネットワークを通過することができる。図示されている実施形態では、基地局1120のハードウェア1125は、1つまたは複数のプログラム可能なプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または命令を実行するよう適応されたこれらの組合せ(図示せず)を備えることができる、処理回路構成1128をさらに含む。基地局1120は、内部に保存されるか、または外部接続を介してアクセス可能な、ソフトウェア1121をさらに有する。
【0092】
通信システム1100は、上記で既に言及されたUE1130をさらに含み、UE1130のハードウェア1135は、UE1130が現在位置しているカバレッジエリアにサーブする基地局との無線接続1170をセットアップおよび維持するよう設定された、無線インタフェース1137を含むことができる。UE1130のハードウェア1135は、1つまたは複数のプログラム可能なプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または命令を実行するよう適合されたこれらの組合せ(図示せず)を備えることができる、処理回路構成1138をさらに含む。UE1130は、UE1130内に保存されているか、またはUE1130によってアクセス可能であり、処理回路構成1138によって実行可能である、ソフトウェア1131をさらに備える。ソフトウェア1131は、クライアントアプリケーション1132を含む。クライアントアプリケーション1132は、ホストコンピュータ1110のサポートによって、UE1130を介して人間または人間以外のユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。ホストコンピュータ1110で実行するホストアプリケーション1112は、UE1130およびホストコンピュータ1110で終端をなすOTT接続1150を介して、実行中のクライアントアプリケーション1132と通信することができる。ユーザにサービスを提供する際に、クライアントアプリケーション1132は、ホストアプリケーション1112から要求データを受信し、要求データに応答してユーザデータを供給することができる。OTT接続1150は、要求データとユーザデータとの両方を転送することができる。クライアントアプリケーション1132は、クライアントアプリケーションが供給するユーザデータを生成するために、ユーザと対話することができる。
【0093】
図15に示されているホストコンピュータ1110、基地局1120、およびUE1130は、それぞれ、図14のホストコンピュータ1030、基地局1012a、1012b、1012cのうちの1つ、およびUE1091、1092のうちの一方と類似または同一であり得ることに留意されたい。すなわち、これらのエンティティの内部作業は図15に示されている通りであり得、これとは無関係に、周囲のネットワークトポロジは、図14のトポロジであり得る。
【0094】
図15では、OTT接続1150は、どんな中間デバイスおよび中間デバイスを介したメッセージの正確な経路選定をも明示的に参照することなく、基地局1120を介したホストコンピュータ1110とUE1130との間の通信を示すために、抽象的に描かれている。ネットワークインフラストラクチャは、経路選定を判断することができ、経路選定は、UE1130もしくはホストコンピュータ1110を操作するサービスプロバイダ、またはその両方から隠れるように設定され得る。OTT接続1150がアクティブである間、ネットワークインフラストラクチャはさらに、(たとえば、負荷分散への考慮またはネットワークの再設定に基づいて)経路選定を動的に変更する判断を行うことができる。
【0095】
UE1130と基地局1120との間の無線接続1170は、この開示全体を通して説明されている実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つまたは複数は、無線接続1170が最後のセグメントを形成するOTT接続1150を使用して、UE1130に提供されるOTTサービスの性能を向上させる。より正確には、こうした実施形態の教示は、RAのレイテンシを低減し、これにより、特に頻度の低い小さなデータパケットを送信する場合に、通信ネットワークの性能が向上するなどの利点を実現することができる。
【0096】
これにより1つまたは複数の実施形態が改善する、データ速度、レイテンシ、および他の要因を監視する目的で、測定手順を提供することができる。測定結果の変動に応答して、ホストコンピュータ1110とUE1130との間のOTT接続1150を再設定する、任意選択のネットワークの機能性がさらに存在し得る。OTT接続1150を再設定するための測定手順および/またはネットワークの機能性は、ホストコンピュータ1110のソフトウェア1111およびハードウェア1115、もしくはUE1130のソフトウェア1131およびハードウェア1135、またはその両方で実施することができる。実施形態では、センサ(図示せず)は、OTT接続1150が通過する通信デバイス内に、または通信デバイスと連係して配備され得る。センサは、上記で例示された、監視される量の値を供給することによって、またはソフトウェア1111、1131が監視された量を計算または推定することができる、他の物理量の値を供給することによって、測定手順に関与することができる。OTT接続1150の再設定は、メッセージフォーマット、再送信セッティング、好ましい経路選定などを含むことができる。再設定は、基地局1120に影響を与える必要はなく、基地局1120には未知であるか、または感知できない場合がある。かかる手順および機能は、当技術分野で知られており、実践され得る。特定の実施形態では、測定は、スループット、伝播時間、レイテンシなどの、ホストコンピュータ1110の測定を容易にする、独自のUEシグナリングを含むことができる。測定は、ソフトウェア1111および1131が、OTT接続1150を使用して、メッセージ、具体的には空または「ダミー」メッセージを送信し、一方で伝播時間、エラーなどを監視するように、実施され得る。
【0097】
図16は、一実施形態による、通信システムで実施される方法1200を示す流れ図である。通信システムは、図14および図15を参照して説明されたものであり得る、ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示を単純化するために、図16の図面を参照するところだけをこの段落に含めることにする。ステップ1210で、ホストコンピュータは、ユーザデータを供給する。ステップ1210のサブステップ1211(任意選択であり得る)で、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを供給する。ステップ1220で、ホストコンピュータは、ユーザデータをUEに運ぶ、送信を開始する。ステップ1230(任意選択であり得る)で、基地局は、この開示全体を通して説明されている実施形態の教示に従って、ホストコンピュータが開始した送信で運ばれたユーザデータを、UEに送信する。ステップ1240(やはり、任意選択であり得る)で、UEは、ホストコンピュータによって実行されるホストアプリケーションに関連する、クライアントアプリケーションを実行する。
【0098】
図17は、一実施形態による、通信システムで実施される方法1300を示す流れ図である。通信システムは、図14および図15を参照して説明されたものであり得る、ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示を単純化するために、図17の図面を参照するところだけをこの段落に含めることにする。方法1300のステップ1310で、ホストコンピュータは、ユーザデータを供給する。任意選択のサブステップ(図示せず)で、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを供給する。ステップ1320で、ホストコンピュータは、ユーザデータをUEに運ぶ、送信を開始する。送信は、この開示全体を通して説明されている実施形態の教示に従って、基地局を通過することができる。ステップ1330(任意選択であり得る)で、UEは、送信で運ばれるユーザデータを受信する。
【0099】
図18は、一実施形態による、通信システムで実施される方法1400を示す流れ図である。通信システムは、図14および図15を参照して説明されたものであり得る、ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示を単純化するために、図18の図面を参照するところだけをこの段落に含めることにする。ステップ1410(任意選択であり得る)で、UEは、ホストコンピュータから供給された入力データを受信する。追加的または代替的に、ステップ1420において、UEは、ユーザデータを供給する。ステップ1420のサブステップ1421(任意選択であり得る)で、UEは、クライアントアプリケーションを実行することによってユーザデータを供給する。ステップ1410のサブステップ1411(任意選択であり得る)で、UEは、ホストコンピュータから供給された、受信した入力データに応答して、ユーザデータを供給するクライアントアプリケーションを実行する。ユーザデータの供給において、実行されるクライアントアプリケーションはさらに、ユーザから受け取ったユーザ入力を考慮することができる。UEは、ユーザデータが供給された具体的なやり方に関わらず、サブステップ1430(任意選択であり得る)で、ホストコンピュータへのユーザデータの送信を開始する。方法1400のステップ1440で、ホストコンピュータは、この開示全体を通して説明されている実施形態の教示に従って、UEから送信されたユーザデータを受信する。
【0100】
図19は、一実施形態による、通信システムで実施される方法1500を示す流れ図である。通信システムは、図14および図15を参照して説明されたものであり得る、ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示を単純化するために、図19の図面を参照するところだけをこの段落に含めることにする。ステップ1510(任意選択であり得る)で、この開示全体を通して説明されている実施形態の教示に従って、基地局は、UEからユーザデータを受信する。ステップ1520(任意選択であり得る)で、基地局は、受信したユーザデータのホストコンピュータへの送信を開始する。ステップ1530(任意選択であり得る)で、ホストコンピュータは、基地局によって開始された送信で運ばれるユーザデータを受信する。
【0101】
本明細書で開示された、どの適切なステップ、方法、特徴、機能、または利点も、1つまたは複数の仮想装置の1つまたは複数の機能ユニットまたはモジュールによって実行されてもよい。各仮想装置は、いくつかのこうした機能ユニットを備えることができる。こうした機能ユニットは、1つまたは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含むことができる処理回路構成、ならびにデジタル信号プロセッサ(DSP)、専用デジタル論理回路などを含むことができる、他のデジタルハードウェアを使って、実装され得る。処理回路構成は、メモリに保存されたプログラムコードを実行するよう設定することができ、読み取り専用メモリ(ROM:read-only memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:random-access memory)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリデバイス、光記憶デバイスなどの、1つまたは複数のタイプのメモリを含むことができる。メモリに保存されたプログラムコードは、1つまたは複数の電気通信および/またはデータ通信プロトコルを実行するためのプログラム命令、ならびに本明細書で説明されている1つまたは複数の技法を実行するための命令を含む。いくつかの実施態様では、処理回路構成を使用して、本開示の1つまたは複数の実施形態に従って、対応する機能を、それぞれの機能ユニットに実行させることができる。
【0102】
例示的な実施形態
グループAの実施形態
1.UEがPDSCHを復号化する方法であって、該方法は、
ダウンリンクの半永続スケジューリングに関係する設定情報を取得することと、
関連するPDSCH期間に開始し、一連のルールに従って繰り返し起きる、このサービングセルの設定ダウンリンクのアサインを受信することと、
重複するPDSCH期間を有する、第1のPDSCHおよび第2のPDSCHからPDSCHを選択することであって、第1のPDSCHが、設定ダウンリンクのアサインに基づき、第2のPDSCHが、PDCCHで受信されたダウンリンクのアサインに基づき、選択は、第1のPDSCHの開始、および第2のPDSCHをスケジューリングするPDCCHの終了時間の間の、タイミング関係に基づく、PDSCHを選択することと、
選択されたPDSCHを復号化することと
を含む。
【0103】
2.第2のPDSCHは、動的にアサインされるPDSCHをスケジューリングする、対応するPDCCHが、第1のPDSCHの開始前に終了する場合に選択される、実施形態1の方法。
【0104】
3.第1のPDSCHは、第2のPDSCHをスケジューリングするPDCCHが、第1のPDSCHの開始後に終了する場合に選択される、実施形態1の方法。
【0105】
4.PDCCHの終了は、第1のPDSCHの開始より、OFDMシンボルN個、前にある、実施形態1の方法。
【0106】
5.PDCCHの終了は、第1のPDSCHの開始より、Tproc,1、前にある、実施形態1の方法。
【0107】
6.PDCCHの終了は、第1のPDSCHの開始に対応するスロットより、スロットX個、前にある、実施形態1の方法。
【0108】
7.UEでの方法であって、該方法は、
サービングセルのダウンリンクの、半永続スケジューリングに関係する設定情報を取得することと、
関連するPDSCH期間に開始し、一連のルールに従って繰り返し起きる、サービングセルの設定ダウンリンクのアサインを受信することと、
PDSCH期間に、設定ダウンリンクのアサインに応じて、DL-SCHのトランスポートブロックを受信することであって、この受信は、設定ダウンリンクのアサインでのPDSCH期間が、サービングセルのPDCCHで受信される、ダウンリンクのアサインでのPDSCH期間と重複していないこと、および設定ダウンリンクのアサインでのPDSCH期間の開始前に終了する、サービングセルのPDCCHがPDCCH機会に受信されること、という条件が満たされていることに基づく、DL-SCHのトランスポートブロックを受信することと
を含む。
【0109】
8.終了は、PDSCH期間の開始より、OFDMシンボルN個、前にある、実施形態7の方法。
【0110】
9.終了は、PDSCH期間の開始より、Tproc,1、前にある、実施形態7の方法。
【0111】
10.終了は、PDSCH期間の開始に対応するスロットより、スロットX個、前にある、実施形態7の方法。
【0112】
11.無線通信ネットワークで動作するよう設定された、ユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、該方法は、
UEへの動的ダウンリンク送信、および同じスロット内にあるUEへの設定ダウンリンク送信に関して、設定ダウンリンク送信のタイミングに対する、動的ダウンリンク送信をスケジューリングする制御メッセージのタイミングに応じて、どのように2つの送信に優先順位を付けるか、または2つの送信を処理するかを決定すること
を含む。
【0113】
12.無線通信ネットワークで動作するよう設定されたユーザ機器(UE)であって、UEは、
通信信号を無線通信ネットワークの無線ネットワークノードに送信し、無線通信ネットワークの無線ネットワークノードから通信信号を受信するよう設定された通信回路構成と、
通信回路構成と動作可能に連係し、実施形態1~11の方法のいずれかを実施する動作を実行するよう設定された処理回路構成と
を備える。
【0114】
13.無線通信ネットワークで動作するよう設定された、ユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、該方法は、
設定ダウンリンク送信および動的ダウンリンク送信に関して、
設定ダウンリンク送信と時間的に、少なくとも部分的に重複する動的アサインに応答して、動的ダウンリンク送信および動的ダウンリンク送信に関連する動的アサインではなく、設定ダウンリンク送信を復号化することと、
少なくとも、動的ダウンリンク送信が時間的に、少なくとも部分的に設定ダウンリンク送信と重複するケースでは、動的アサインが時間的に、設定ダウンリンク送信が開始される前に終了することに応答して、設定ダウンリンク送信ではなく動的ダウンリンク送信を復号化することと
を含む。
【0115】
14.設定ダウンリンク送信ではなく動的ダウンリンク送信を復号化することは、少なくとも、動的ダウンリンク送信が時間的に、少なくとも部分的に設定ダウンリンク送信と重複するケースでは、動的アサインが時間的に、設定ダウンリンク送信が開始される前に終了することに応答して、
動的ダウンリンク送信が時間的に、少なくとも部分的に設定ダウンリンク送信と重複するケースでは、設定ダウンリンク送信ではなく動的ダウンリンク送信を復号化することと、
動的ダウンリンク送信が設定ダウンリンク送信と重複しないケースでは、動的ダウンリンク送信と設定ダウンリンク送信との両方を復号化することと
を含む、実施形態13の方法。
【0116】
15.UEが、受信信号を表す信号サンプルを保持する受信バッファを含み、またUEが、設定ダウンリンク送信、動的ダウンリンク送信、および動的アサインのうちのいずれか1つまたは複数に対応する信号サンプルをバッファリングし、UEによる復号化および/または他の処理は、バッファリングされた信号サンプルの処理を含むことができる、実施形態13または14の方法。
【0117】
16.無線通信ネットワークで動作するよう設定されたユーザ機器(UE)であって、UEは、
通信信号を無線通信ネットワークの無線ネットワークノードに送信し、無線通信ネットワークの無線ネットワークノードから通信信号を受信するよう設定された通信回路構成と、
通信回路構成と動作可能に連係し、実施形態13~15の方法のいずれかを実施する動作を実行するよう設定された処理回路構成と
を備える。
【0118】
グループBの実施形態
17.無線通信ネットワークで動作するよう設定された、無線ネットワークノードによって実行される方法であって、該方法は、
UEへの設定ダウンリンク送信およびUEへの動的ダウンリンク送信に関して、UEの予想される、または既知の挙動に基づいて、無線ネットワークノードのUEに対する送信および/または受信動作を適応させること
を含み、該挙動では、UEが、動的アサインが設定ダウンリンク送信と時間的に、少なくとも部分的に重複することに応答して、動的ダウンリンク送信および動的ダウンリンク送信に関連する動的アサインではなく、設定ダウンリンク送信を復号化し、またUEが、少なくとも、動的ダウンリンク送信が設定ダウンリンク送信と時間的に、少なくとも部分的に重複するケースでは、設定ダウンリンク送信が開始される前に動的アサインが時間的に終了することに応答して、設定ダウンリンク送信ではなく、動的ダウンリンク送信を復号化する。
【0119】
18.無線通信ネットワークで動作するよう設定された無線ネットワークノードであって、無線ネットワークノードは、
ユーザ機器(UE)へ通信信号を送信し、UEから通信信号を受信するよう設定された通信回路構成と、
通信回路構成と連係して動作する処理回路構成と
を備え、処理回路構成は、
UEへの設定ダウンリンク送信およびUEへの動的ダウンリンク送信に関して、UEの予想される、または既知の挙動に基づいて、無線ネットワークノードのUEに対する送信および/または受信動作を適応させる
よう設定され、該挙動では、UEが、動的アサインが設定ダウンリンク送信と時間的に、少なくとも部分的に重複することに応答して、動的ダウンリンク送信および動的ダウンリンク送信に関連する動的アサインではなく、設定ダウンリンク送信を復号化し、またUEが、少なくとも、動的ダウンリンク送信が設定ダウンリンク送信と時間的に、少なくとも部分的に重複するケースでは、設定ダウンリンク送信が開始される前に動的アサインが時間的に終了することに応答して、設定ダウンリンク送信ではなく、動的ダウンリンク送信を復号化する。
【0120】
無線ネットワークノードの同じ実施形態において、または無線ネットワークノードの別の実施形態において、無線ネットワークは、対象となるUEが所望の挙動に従うように、設定ダウンリンク送信に対する動的アサインのタイミングを制御するよう設定される。たとえば、同じスロットまたは他の適用可能な間隔での、UEへの設定ダウンリンク送信およびUEへの動的ダウンリンク送信を考察する。動的アサイン(たとえば、PUCCH)の送信が、設定ダウンリンク送信の送信と、時間的に重複しない場合、UEは、設定ダウンリンク送信ではなく動的ダウンリンク送信を処理するよう設定されていると仮定する。無線ネットワークノードは、これに対応して、動的アサインが確実に送信されるようにし、UEが動的ダウンリンク送信に従う、すなわち、設定ダウンリンク送信より優先するよう、保証することができる。
【0121】
グループCの実施形態
19.ホストコンピュータを含む通信システムであって、ホストコンピュータは、
ユーザデータを供給するよう設定された処理回路構成と、
ユーザデータを、ユーザ機器(UE)へ送信するために、移動体通信ネットワークへ転送するよう設定された通信インタフェースと
を備え、移動体通信ネットワークは、無線インタフェースおよび処理回路構成を有する基地局または他のタイプの無線ネットワークノードを備え、基地局の処理回路構成は、グループBの実施形態のうちのいずれかのステップの、いずれかを実行するよう設定される。
【0122】
20.無線ネットワークノード局をさらに含む、実施形態19の通信システム。
【0123】
21.UEをさらに含み、UEが、無線ネットワークノードと通信するよう設定された、実施形態19、20の通信システム。
【0124】
22.ホストコンピュータの処理回路構成が、ホストアプリケーションを実行し、これによりユーザデータを供給するよう設定され、かつ
UEが、ホストアプリケーションに関連するクライアントアプリケーションを実行するよう設定された処理回路構成を備える、
実施形態19、20、21の通信システム。
【0125】
23.ホストコンピュータ、基地局または他のタイプの無線ネットワークノード、およびユーザ機器(UE)を含む通信システムで実施される方法であって、該方法は、
ホストコンピュータで、ユーザデータを供給することと、
ホストコンピュータで、無線ネットワークノードを備える移動体通信ネットワークを介してユーザデータをUEに運ぶ、送信を開始することと
を含み、無線ネットワークノードは、グループBの実施形態のうちのいずれかのステップの、いずれかを実行する。
【0126】
24.無線ネットワークノードで、ユーザデータを送信することをさらに含む、実施形態23の方法。
【0127】
25.ユーザデータが、ホストコンピュータで、ホストアプリケーションを実行することによって供給され、該方法が、UEで、ホストアプリケーションに関連するクライアントアプリケーションを実行することをさらに含む、実施形態23、24の方法。
【0128】
26.基地局または他の無線ネットワークノードと通信するよう設定されたユーザ機器(UE)であって、UEは、実施形態23、24、25のうちのいずれかを実行するよう設定された、無線インタフェースおよび処理回路構成を備える。
【0129】
27.ホストコンピュータを含む通信システムであって、ホストコンピュータは、
ユーザデータを供給するよう設定された処理回路構成と、
ユーザデータを、ユーザ機器(UE)へ送信するために、移動体通信ネットワークへ転送するよう設定された通信インタフェースと
を備え、UEは、無線インタフェースおよび処理回路構成を備え、UEの構成要素は、グループAの実施形態のうちのいずれかのステップの、いずれかを実行するよう設定される。
【0130】
28.移動体通信ネットワークが、UEと通信するよう設定された、基地局または他の無線ネットワークノードをさらに含む、実施形態27の通信システム。
【0131】
29.ホストコンピュータの処理回路構成が、ホストアプリケーションを実行し、これによりユーザデータを供給するよう設定され、かつ
UEの処理回路構成が、ホストアプリケーションに関連するクライアントアプリケーションを実行するよう設定された、実施形態27、28の通信システム。
【0132】
30.ホストコンピュータ、基地局または他のタイプの無線ネットワークノード、およびユーザ機器(UE)を含む通信システムで実施される方法であって、該方法は、
ホストコンピュータで、ユーザデータを供給することと、
ホストコンピュータで、無線ネットワークノードを備える移動体通信ネットワークを介してユーザデータをUEに運ぶ、送信を開始することと
を含み、UEは、グループAの実施形態のうちのいずれかのステップの、いずれかを実行する。
【0133】
31.UEで、無線ネットワークノードからユーザデータを受信することをさらに含む、実施形態30の方法。
【0134】
32.ホストコンピュータを含む通信システムであって、ホストコンピュータは、
ユーザ機器(UE)から基地局または他のタイプの無線ネットワークノードへの送信から始まる、ユーザデータを受信するよう設定された通信インタフェース
を備え、UEは、無線インタフェースおよび処理回路構成を備え、UEの処理回路構成は、グループAの実施形態のうちのいずれかのステップの、いずれかを実行するよう設定される。
【0135】
33.UEをさらに含む、実施形態32の通信システム。
【0136】
34.無線ネットワークノードをさらに含み、無線ネットワークノードが、UEと通信するよう設定された無線インタフェースと、UEから無線ネットワークノードへの送信によって運ばれるユーザデータを、ホストコンピュータに転送するよう設定された通信インタフェースとを備える、実施形態32、33の通信システム。
【0137】
35.ホストコンピュータの処理回路構成が、ホストアプリケーションを実行するよう設定され、かつ
UEの処理回路構成が、ホストアプリケーションに関連するクライアントアプリケーションを実行し、これによりユーザデータを供給するよう設定された、
実施形態32、33、34の通信システム。
【0138】
36.ホストコンピュータの処理回路構成が、ホストアプリケーションを実行し、これにより要求データを供給するよう設定され、かつ
UEの処理回路構成が、ホストアプリケーションに関連するクライアントアプリケーションを実行し、これにより、要求データに応答してユーザデータを供給するよう設定された、
実施形態32、33、34、35の通信システム。
【0139】
37.ホストコンピュータ、基地局または他のタイプの無線ネットワークノード、およびユーザ機器(UE)を含む通信システムで実施される方法であって、該方法は、
ホストコンピュータで、UEから無線ネットワークノードに送信されるユーザデータを受信すること
を含み、UEは、グループAの実施形態のうちのいずれかのステップの、いずれかを実行する。
【0140】
38.UEで、無線ネットワークノードにユーザデータを供給することをさらに含む、実施形態37の方法。
【0141】
39.UEで、クライアントアプリケーションを実行し、これにより、送信されるべきユーザデータを供給することと、
ホストコンピュータで、クライアントアプリケーションに関連するホストアプリケーションを実行することと
をさらに含む、実施形態37、38の方法。
【0142】
40.UEで、クライアントアプリケーションを実行することと、
UEで、クライアントアプリケーションへの入力データを受信することと
をさらに含み、入力データは、ホストコンピュータで、クライアントアプリケーションに関連するホストアプリケーションを実行することによって供給され、送信されるべきユーザデータは、クライアントアプリケーションによって、入力データに応答して供給される、実施形態37、38、39の方法。
【0143】
41.ユーザ機器(UE)から基地局または他のタイプの無線ネットワークノードへの送信から始まる、ユーザデータを受信するよう設定された通信インタフェースを備える、ホストコンピュータを含む、通信システムであって、無線ネットワークノードは、無線インタフェースおよび処理回路構成を備え、無線ネットワークノードの処理回路構成は、グループBの実施形態のうちのいずれかのステップの、いずれかを実行するよう設定される。
【0144】
42.無線ネットワークノードをさらに含む、実施形態41の通信システム。
【0145】
43.UEをさらに含み、UEが、無線ネットワークノードと通信するよう設定される、実施形態41、42の通信システム。
【0146】
44.ホストコンピュータの処理回路構成が、ホストアプリケーションを実行するよう設定され、
UEが、ホストアプリケーションに関連するクライアントアプリケーションを実行し、これにより、ホストコンピュータによって受信されるべきユーザデータを供給するよう設定される、実施形態41、42、43の通信システム。
【0147】
45.ホストコンピュータ、基地局または他のタイプの無線ネットワークノード、およびユーザ機器(UE)を含む通信システムで実施される方法であって、該方法は、
ホストコンピュータで、無線ネットワークノードがUEから受信した、送信から始まるユーザデータを、無線ネットワークノードから受信すること
を含み、UEは、グループAの実施形態のうちのいずれかのステップの、いずれかを実行する。
【0148】
46.無線ネットワークノードで、UEからユーザデータを受信することをさらに含む、実施形態45の方法。
【0149】
47.無線ネットワークノードで、受信したユーザデータのホストコンピュータへの送信を開始することをさらに含む、実施形態45、46の方法。
【0150】
注目すべきことに、当業者には、前述の説明および関連する図面に提示された教示の利点を有する、開示された発明の修正形態および他の実施形態が、思い浮かぶであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正形態および他の実施形態が、この開示の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。本明細書では特定の用語が使用されている場合があるが、用語は、一般的かつ説明的な意味でしか使用されておらず、限定するためのものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図12
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図19
【手続補正書】
【提出日】2022-06-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワーク(10)で動作するユーザ機器(UE)(12)によって実行される方法(1100)であって、前記方法(1100)が、
設定物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の開始時間および動的PDSCHをスケジューリングする物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の終了時間が、あるタイミング関係を満たす場合に、同じダウンリンク(DL)キャリアで前記設定PDSCHと重複する前記動的PDSCHを復号化すること(1102A)と、満たさない場合に、前記動的PDSCHを復号化しないこと(1102B)と
を含む、方法(1100)。
【請求項2】
前記UE(12)が、前記無線通信ネットワーク(10)のネットワークノード(22)からシグナリングを受信することをさらに含み、前記シグナリングが、前記設定PDSCHを受信するために前記UE(12)にアサインされる、半永続的リソースを示す、請求項1に記載の方法(1100)。
【請求項3】
前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間が、前記設定PDSCHの前記開始時間の前にある場合、前記タイミング関係が満たされる、請求項1または2に記載の方法(1100)。
【請求項4】
前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間が、前記設定PDSCHの前記開始時間より、少なくともN個の直交周波数分割多重(OFDM)シンボル時間、前にある場合、前記タイミング関係が満たされ、ここでNが整数である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(1100)。
【請求項5】
前記N個のOFDMシンボル時間が、前記設定PDSCHに使用されるサブキャリア間隔と、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHに使用されるサブキャリア間隔との間の、最小のOFDMサブキャリア間隔に基づく、請求項4に記載の方法(1100)。
【請求項6】
前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間が、前記設定PDSCHの前記開始時間より、少なくともN個のシンボル期間、前にある場合、前記タイミング関係が満たされ、前記シンボル期間が、前記設定PDSCHに関連するサブキャリア間隔と、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDSCHに関連するサブキャリア間隔との間の、最小のサブキャリア間隔で規定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(1100)。
【請求項7】
前記設定PDSCHの前記開始時間が、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間を超えてから、少なくとも最小時間距離にある場合、前記タイミング関係が満たされる、請求項1に記載の方法(1100)。
【請求項8】
無線通信ネットワーク(10)で動作するよう設定されたユーザ機器(UE)(12)であって、前記UE(12)が、
通信信号を前記無線通信ネットワーク(10)の無線ネットワークノード(22)に送信し、前記無線通信ネットワーク(10)の無線ネットワークノード(22)から通信信号を受信するよう設定された通信回路構成(30)と、
前記通信回路構成(30)と動作可能に連係し、設定物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の開始時間および動的PDSCHをスケジューリングする物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の終了時間が、あるタイミング関係を満たす場合に、同じダウンリンク(DL)キャリアで前記設定PDSCHと重複する前記動的PDSCHを復号化し、満たさない場合に、前記動的PDSCHを復号化しないよう設定された、処理回路構成(36)と
を備える、UE(12)。
【請求項9】
前記処理回路構成(36)が、前記無線通信ネットワークのネットワークノード(22)からシグナリングを受信するよう設定され、前記シグナリングが、前記設定PDSCHを受信するために前記UE(12)にアサインされる、半永続的リソースを示す、請求項8に記載のUE(12)。
【請求項10】
前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間が、前記設定PDSCHの前記開始時間より前にある場合、前記タイミング関係が満たされる、請求項8または9に記載のUE(12)。
【請求項11】
前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間が、前記設定PDSCHの前記開始時間より、少なくともN個の直交周波数分割多重(OFDM)シンボル時間、前にある場合、前記タイミング関係が満たされ、ここでNが整数である、請求項8から10のいずれか一項に記載のUE(12)。
【請求項12】
前記N個のOFDMシンボル時間が、前記設定PDSCHに使用されるサブキャリア間隔と、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHに使用されるサブキャリア間隔との間の、最小のOFDMサブキャリア間隔に基づく、請求項11に記載のUE(12)。
【請求項13】
前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの終了時間が、前記設定PDSCHの前記開始時間より、少なくともN個のシンボル期間、前にある場合、前記タイミング関係が満たされ、前記シンボル期間が、前記設定PDSCHに関連するサブキャリア間隔と、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDSCHに関連するサブキャリア間隔との間の、最小のサブキャリア間隔で規定される、請求項8から10のいずれか一項に記載のUE(12)。
【請求項14】
前記設定PDSCHの前記開始時間が、前記動的PDSCHをスケジューリングする前記PDCCHの前記終了時間を超えてから、少なくとも最小時間距離にある場合、前記タイミング関係が満たされる、請求項8に記載のUE(12)。
【国際調査報告】