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特表2022-551894押出設備の押出ダイ用の溶融導体、押出ダイ、押出設備、およびそのような押出設備を操作する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】押出設備の押出ダイ用の溶融導体、押出ダイ、押出設備、およびそのような押出設備を操作する方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/695 20190101AFI20221207BHJP
   B29C 48/305 20190101ALI20221207BHJP
   B29C 48/86 20190101ALI20221207BHJP
【FI】
B29C48/695
B29C48/305
B29C48/86
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521566
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(85)【翻訳文提出日】2022-05-20
(86)【国際出願番号】 DE2020200085
(87)【国際公開番号】W WO2021073695
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】102019007153.0
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020118214.7
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505313830
【氏名又は名称】ライフェンホイザー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト・マシイネンファブリーク
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー, ヘルムト
(72)【発明者】
【氏名】クルク,フォルクマル
(72)【発明者】
【氏名】ゴイス,ハンス-ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】ロットシュテゲ,アナ クララ
(72)【発明者】
【氏名】ポール,ティム
【テーマコード(参考)】
4F207
【Fターム(参考)】
4F207AJ08
4F207AR12
4F207KA01
4F207KA17
4F207KL84
4F207KL97
4F207KM15
(57)【要約】
本発明は、押出設備(3)の押出ダイ(2)用の溶融導体(1)であって、特に溶融物分配器または溶融ミキサであり、マルチチャネルシステム(5)を伴う溶融導体ブロック(4)を備え、マルチチャネルシステム(5)は、三次元延在部を伴って溶融導体ブロック(4)の内側に配置され、ポリマー溶融物用の少なくとも1つの入力部(6)および少なくとも1つの出力部(7)を有し、1つの入力部(6)と、入力部(6)に流体接続された1つの出力部(7)との間に、直列に配置されたいくつかの分岐(8)およびいくつかのレベル(9a)の副次的分岐(10)が、いくつかのレベル(12a、12b)の分割された溶融物チャネル(11a、11b)にわたって形成される、溶融導体(1)に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出設備(3)の押出ダイ(2)用の溶融導体(1)であって、特に溶融分配器または溶融ミキサであり、
マルチチャネルシステム(5)を伴う溶融導体ブロック(4)を備え、
前記マルチチャネルシステム(5)は、前記溶融導体ブロック(4)の内側に三次元延在部を伴って配置され、ポリマー溶融物用の少なくとも1つの入力部(6)および少なくとも1つの出力部(7)を有し、
入力部(6)と、前記入力部(6)に流体接続された出力部(7)との間に、直列に配置されたいくつかの分岐(8)およびいくつかのレベル(9a、9b、9c)の副次的分岐(10)が、いくつかのレベル(12、12b)の分割された溶融物チャネル(11a、11b)にわたって形成され、
第xの局所的な断面を有する第aレベル(12a)のm個の溶融物チャネル(11a)および第yの局所的な断面を有する第bレベル(12b)のn個の溶融物チャネル(11b)が存在し、
これにおいて、b>aである場合、n>mであり、
前記第bレベル(12b)の前記溶融物チャネル(11b)の前記第yの局所的な断面は、前記第aレベル(12a)の前記溶融物チャネル(11a)の前記第xの局所的な断面よりも小さく、
前記ポリマー溶融物の指定された流れの方向において、前記溶融導体(1)が前記ポリマー溶融物の指定された溶融物ストリームの溶融分配器として機能するように、前記第aレベル(12a)の前記溶融物チャネル(11a)が前記入力部(6)に向かって配向され、前記第bレベル(12b)の前記溶融物チャネル(11b)が前記出力部(7)に向かって配向される、
または
前記ポリマー溶融物の前記指定された流れの方向において、前記溶融導体(1)が前記ポリマー溶融物の指定された溶融物ストリームの溶融物ミキサとして機能するように、前記第aレベル(12a)の前記溶融物チャネル(11a)が前記出力部(7)に向かって配向され、前記第bレベル(12b)の前記溶融物チャネル(11b)が前記入力部(6)に向かって配向される、
溶融導体。
【請求項2】
共通溶融物チャネル(11a)に由来し、分離された少なくとも2つの溶融物チャネル(11b)の円周(U)および断面積(A)は、
に応じて寸法決めされ、
は第1の円周であり、Aは前記共通溶融物チャネル(11a)の第1の断面積であり、Uは前記第2の円周であり、Aは前記分割された溶融物チャネル(11b)のうちの1つの第2の断面積であり、nは分割された溶融物チャネル(11b)の総数であり、xは-0.5以上、好ましくは少なくとも0.5の値、好ましくは少なくとも0.75の値であり、xは最大4の値、好ましくは最大2.5の値、さらに好ましくは最大1.5の値であることを特徴とする、請求項1に記載の溶融導体(1)。
【請求項3】
1つの共通溶融物チャネル(11a)に由来し、分割された少なくとも2つの溶融物チャネル(11b)の断面(A)は、
=A*(1/n2/y
に応じて寸法決めされ、
は前記共通溶融物チャネル(11a)の第1の断面積であり、Aは前記分割された溶融物チャネル(11b)のうちの1つの第2の断面積であり、nは分割された溶融物チャネル(11b)の総数であり、yは少なくとも2の値、好ましくは少なくとも2.5の値、さらに好ましくは少なくとも2.85の値であり、yは最大値7、好ましくは最大値5、さらに好ましくは最大値3.35であることを特徴とする、請求項1に記載の溶融導体(1)。
【請求項4】
前記マルチチャネルシステム(5)の前記溶融物チャネル(11)は、少なくとも部分的に円形の断面の形状とは異なる、異なる局所的な断面の形状を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の溶融導体(1)。
【請求項5】
前記溶融導体ブロック(4)は、第1のマルチチャネルシステム(5a)および第2のマルチチャネルシステム(5b)、特に第3、第4または第5のマルチチャネルシステムを有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の溶融導体(1)。
【請求項6】
前記マルチチャネルシステム(5a、5b)は、相互に流体で分離されるように形成され、各マルチチャネルシステム(5a、5b)は、ポリマー溶融物のための少なくとも1つの入力部(6a、6b)および少なくとも1つの出力部(7a、7b)を有することを特徴とする、請求項5に記載の溶融導体(1)。
【請求項7】
前記第1のマルチチャネルシステム(5a)は、少なくとも前記第2のマルチチャネルシステム(5b)との接合部(13)を有することを特徴とする、請求項5に記載の溶融導体(1)。
【請求項8】
前記それぞれのマルチチャネルシステム(5、5a、5b)は、押出ノズル(14)に送るための収集チャンバ(15)内にポリマー溶融物を導くように適合された複数の出力部(7a、7b)を伴って形成されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の溶融導体(1)。
【請求項9】
前記溶融導体(1)、特に前記溶融導体ブロック(4)は、前記それぞれのマルチチャネルシステム(5、5a、5b)の前記溶融物チャネル(11)の間に空間的に配置された、少なくとも1つの中空チャンバ(17)を有する中空チャンバシステム(16)を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の溶融導体(1)。
【請求項10】
前記マルチチャネルシステム(5、5a、5b)は、前記ポリマー溶融物の指定された溶融物流の前記入力部(6、6a)から前記出力部(7、7a)に通じる前記溶融導体ブロック(4)を通る大局的機械方向(18)を有し、前記溶融物チャネル(11)は、局所的機械方向(19)が前記大局的機械方向に投影される場合に、部分的に前記大局的機械方向(18)と反対に延在することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の溶融導体(1)。
【請求項11】
前記溶融導体ブロック(4)は、特に循環流体供給用、特に温度制御用、ならびに/または電線および/もしくは測定ユニット用の媒体チャネル(20)を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の溶融導体(1)。
【請求項12】
前記溶融導体ブロック(4)は、前記指定されたポリマー溶融物に少なくとも間接的に影響を及ぼすための静的機能要素(21)を有することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の溶融導体(1)。
【請求項13】
前記静的機能要素(21)は静的混合要素であることを特徴とする、請求項12に記載の溶融導体(1)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の溶融導体(1)を備え、前記溶融導体(1)は、少なくとも1つの指定されたポリマー溶融物を分配および/または混合するように適合されている、押出製品を製造するための押出設備(3)用の押出ダイ(2)。
【請求項15】
5,000mmを超える、好ましくは6,000mmを超える、または8,000mmを超える幅(B)を有する押出ノズル出力部(22)を特徴とする、請求項14に記載の押出ダイ(2)。
【請求項16】
上記請求項14または15の一項に記載の押出ダイ(2)を備える、押出製品を製造するための押出設備(3)。
【請求項17】
前記押出設備(3)には、可塑化されてそれぞれのポリマー溶融物を形成する少なくとも1つの押出可能なポリマー、特に少なくとも1つのプラスチックが送られ、前記それぞれのポリマー溶融物は、前記それぞれのポリマー溶融物を分配および/または混合する請求項1から13のいずれか一項に記載の溶融導体(1)に送られる、請求項16に記載の押出設備(3)を操作する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチチャネルシステムを伴う溶融導体ブロックを有する、押出設備の押出ダイ用の溶融導体に関する。
【0002】
本発明はさらに、フィルム、不織布、プロファイル、パイプ、ブロー成形部品、フィラメント、プレート、半製品、ホース、ケーブル、化合物または半製品フォーム製品などの押出製品を少なくとも間接的に押出または製造するための押出ダイに関する。押出ダイは、一般に、溶融分配器および/または溶融ミキサとして具現化された1つまたは複数の溶融導体を備える。押出ダイは、1つまたは複数の溶融導体の実施形態に応じて、少なくとも1つの供給ユニットによって供給されるおよび送られるポリマー溶融物を分配および/または混合し、ポリマー溶融物を押出ダイの周囲に直接導くように設計される。そのような場合、それぞれの溶融導体の1つまたは複数の出力部は、押出ノズルまたはノズル出力部として機能する。あるいは、1つまたは複数の溶融導体の下流に別個の押出ノズルを配置することができ、押出ノズルは、1つまたは複数の溶融導体によってポリマー溶融物を送られ、押出ダイからのポリマー溶融物を少なくとも間接的に周囲に導く。この場合、すなわち、押出ダイは、溶融導体と、指定されたポリマー溶融物の下流の押出ノズルとを備える。
【0003】
溶融導体および押出ノズルは、別個の構成要素であってもよい。しかし、溶融導体と押出ノズルとを一体に作製することも考えられる。すなわち、押出ダイは、押出設備の設計および要件に応じて、上述の構成要素ならびに他の構成要素からなるアセンブリとすることができる。したがって、溶融導体のノズル出力部または押出ノズルはそれぞれ、ポリマー溶融物の流れの方向に押出製品を形成する構成要素である。
【0004】
溶融ミキサは、可塑化されるポリマー溶融物を1つまたは複数の入力部で受け取る構成要素またはアセンブリであり、ポリマー溶融物は、ポリマー溶融物が入力部の数よりも少ない数の1つまたは複数の出力部において溶融ミキサから出るまで、交差または結合された溶融物チャネルを介して、続いて結合および混合される。すなわち、ポリマー溶融物は、最初に、複数の溶融フィラメントに分割され、それは、複数の溶融物チャネル内で伝導され、マルチチャネルシステムによって、およびマルチチャネルシステムを介して結合される。言い換えれば、溶融ミキサは、ポリマー溶融物の指定された流れの方向とは反対の方向に溶融物チャネルを有し、チャネルは、少なくとも1つの主要分岐およびいくつかのレベルの副次的分岐に分割される。逆に、溶融物チャネル、したがって溶融フィラメントもまた、いくつかのレベルの結合ダクトによってポリマー溶融物の指定された流れの方向に結合され、その結果、溶融ミキサの出力側では、溶融ミキサの入力側での入力部よりも出力部が少なくなる。
【0005】
対照的に、溶融分配器は、1つまたは複数の入力部で可塑化ポリマー溶融物を受け取る構成要素またはアセンブリであり、ポリマー溶融物は、溶融分配器内の入力部の数よりも多い数の1つまたは複数の出力部でポリマー溶融物が出力されるまで、続いて異なる溶融物チャネルに分割される。したがって、ポリマー溶融物は、マルチチャネルシステムによって、およびマルチチャネルシステムを介して、溶融物チャネルで伝導される複数の溶融フィラメントに分割される。言い換えれば、溶融物分配器は、ポリマー溶融物の指定された流れの方向に溶融物チャネルを有し、この溶融物チャネルは、少なくとも1つの主要分岐およびいくつかのレベルの副次的分岐を介して、溶融物の副次的チャネルに分割される。逆に、溶融物チャネルは、ポリマー溶融物の指定された流れの方向と反対の方向にいくつかのレベルの結合ダクトを介して結合され、溶融ミキサの出力側では、溶融ミキサの入力側の入力部よりも多くの出力部があるようにする。
【0006】
本発明はまた、特にキャストフィルム、メルトブロー、スパンボンド、ブロフィルム、モノフィラメントまたはマルチフィラメントラインとして具現化され、上述のタイプの少なくとも1つの溶融導体を伴う押出ダイを備える押出設備に関する。押出設備は、押出可能なポリマーを受け取り、それをポリマー溶融物に変換するかまたはポリマー溶融物として加工し、次いでポリマー溶融物を適切に導き、続いてこれを霧化することによって、押出製品を生成するように、実質的に設計されている。
【0007】
「押出可能なポリマー」という用語は、実質的に、押出可能である、すなわち、押出機によって処理することができる、それらの材料、混合物、および市販の添加剤を指す。特に、ポリビニルクロリド(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)ポリカーボネート(PC)スチレンブタジエン(SB)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)ポリウレタン(PUR)ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルアルコール(PVOH、PVAL)またはポリスルホン(PSU)などの熱可塑性プラスチックを指す。特に、ポリマーはプラスチックポリマーであり得る。さらに、熱可塑性デンプン、溶液、および他の材料などの生体材料は、押出可能であり、プラスチックポリマーの代わりに、またはプラスチックポリマーと組み合わせて、本解決策に使用することができる。簡単にするために、「ポリマー」または「プラスチックポリマー」という用語は、一般に、本特許出願の文脈で使用される。
【0008】
押出可能なポリマーは、実質的に固体の形態で、例えば、顆粒、粉末として、またはフレークの形態で、押出設備に供給することができる。あるいは、押出可能なポリマーの少なくとも一部が実質的に液体の形態で利用可能であると考えられる。押出可能なポリマーを供給する供給ユニットは、例えば、溶融導体に送るために溶融導体に適した形態でポリマーを供給するリザーバーであり得る。あるいは、供給ユニットは、例えば、実質的に固体の形態から実質的に液体の形態へと、溶融導体を送るのに最適な相に事前に押出可能なポリマーを変換する押出機であり得る。溶融導体を送る際に、ポリマー溶融物は、通常、実質的に完全に溶融もしくは可塑化されるか、または溶液の中にあり、その後、溶融導体を介して分割および/または結合される。ポリマーの一部が実質的に固体の形態で存在するか、または溶融導体を送る前に添加剤として実質的に液体のポリマー溶融物に補充されることも可能であり、固体の成分は溶融または液体の成分とは異なる溶融温度を有する。言い換えれば、この場合のポリマーは、溶融導体に一緒にまたは別々に供給される少なくとも2つの成分からなる。
【0009】
本発明はさらに、押出設備を操作する方法に関する。
【0010】
一般的な溶融導体および押出ダイは、最先端の押出技術から知られており、様々な実施形態で実施することができる。
【0011】
押出ノズルの断面が円形またはリングギャップ形状の押出ダイが知られている。例えば、供給ユニットからのポリマー溶融物を円形ダイに送るためのスパイラルマンドレルがあり、スパイラルマンドレルは、マンドレルまたはスリーブの側面の外側または内側に設けられた、らせん状の溝を有する。これに関連して、フィルムチューブまたはプロファイルが押出ダイから出ることができるようにポリマー溶融物を均一に分配することができる、スリーブ分配器またはマンドレルホルダーもある。
【0012】
さらに、押出ノズルのスロット形状の出力断面を有する押出ダイも知られている。そのような押出ダイの溶融導体の目的は、供給ユニットによって供給されるポリマー溶融物をそれぞれノズル出力部または押出ノズルに可能な限り均一に送ることであり、その結果、必要な量のポリマー溶融物が、ノズル出力部の各位置での希望の幅にわたり利用可能になる。最先端技術は、特に、T形分配器、フィッシュテール分配器、またはコートハンガー分配器の形態の溶融導体システムである。
【0013】
複数の個別の出力部断面を有する押出ダイも知られている。この押出ダイの溶融導体の目的は、供給ユニットによって供給されるポリマー溶融物を、それぞれノズル出力部または押出ノズルに可能な限り均一に送ることである。適用分野に応じて、これらの溶融導体は、T形分配器、コートハンガー分配器、ライン分配器、チャネル分配器、ステップ分配器、スリーブ分配器、スパイラルマンドレル、またはギャップ分配器として形成される。
【0014】
ほとんどの既知の溶融導体は、少なくとも2つの溶融導体の半分が一緒にねじ込まれているマルチパート構造を有している。また、溶接構造もある。押出ダイの寸法がいっそう大きくなるにつれて、溶融導体の寸法も大きくなり、ポリマー溶融物の剪断応力によるダイの内側の圧力、および結果として構成要素、特にポリマー溶融物を導く構成要素にかかる応力の上昇を引き起こすことが、いっそう問題になっている。これは、特に押出断面積が小さい製品が押出される場合、特に押出ダイの構造および寸法に制限をもたらす。
【0015】
いずれの場合も、そのような溶融導体は、供給ユニットから、入力部全体の断面積を有する溶融導体の入力側から、入力部全体の断面に対して幾何学形状および空間という観点で実質的に変化した出力部全体の断面を有する溶融導体の出力側まで、実質的に継続的に供給されるポリマー溶融物を、均一に分配または結合させるために使用される。
【0016】
したがって、溶融分配器の形における溶融導体の課題は、溶融分配器の出力側の下流のポリマー溶融物に、上流の溶融導体に送られるよりも大きな出力部全体の断面を設けることである。言い換えれば、ポリマー溶融物は、第1の全体的なスループット断面から、より広い幅を有する第2の全体的なスループット断面まで均一に分配されなければならず、この場合それぞれの出力部の溶融物チャネル断面は、出力側にスリットダイがある場合のように、必ずしも直線的である必要はなく、出力側に配置された円形ダイのように円弧状または円形にすることもできる。いずれにせよ、第2の全体的なスループット断面の全周、すなわち、溶融導体の出力側の溶融物チャネルの全円周の合計は、溶融導体の入力側の第1の全体的なスループット断面の全円周よりもはるかに大きい。
【0017】
対照的に、溶融ミキサの形における溶融導体の課題は、溶融分配器の出力側の下流のポリマー溶融に、上流の溶融導体に送られるよりも小さな出力部全体の断面を設けることである。言い換えれば、ポリマー溶融物は、第1の全体的なスループット断面から、実質的により小さい全体的な断面積を有する第2の全体的なスループット断面まで均一に誘導および混合されなければならず、この場合も、それぞれの出力溶融物チャネルの断面は、必ずしも直線的ではない。
【0018】
原則として、ポリマー溶融物は、少なくとも1つの供給ユニット、特に少なくとも1つの押出機などによって溶融導体の入力側に継続的に供給され、溶融導体に送られる。溶融導体の出力側では、ポリマー溶融物が少なくとも間接的に噴霧されて、押出製品を継続的に生成する。
【0019】
例えば、西独国特許出願公開第2114465号明細書は、少なくとも1つの押出機ヘッドノズルからいくつかのブローヘッドまたは尖ったヘッドに熱可塑性プラスチックを均一に分配するための装置を開示し、この装置は、複数のボアホールおよび追加のボルトが大規模な分配器ブロック内に溶融ダクトと偏向手段を実装するために導入された、大規模な分配ブロックを有する。
【0020】
欧州特許第0197181号明細書には、複合射出成形分配器の製造方法が記載されており、射出成形分配器は、共通の入口開口から複数の出口開口に溶融物を移送するための異なる分岐を有する。射出成形分配器は、反対側の表面の2つのプレートで構成され、工具鋼でできており、ねじ止めされ、これらの表面には、溶融分配器内に溶融物チャネルを形成するための一致する溝がある。
【0021】
独国特許出願公開第19703492号明細書から、押出機で可塑化されたプラスチック溶融物の溶融分配器が知られており、押出機ノズルから押出された後、溶融物は異なる加工処理ツール用にいくつかの個別のストランドに分割される。溶融分配器は、送りチャネルと、分配器チャネルを備えた接続されたカービン、加工ツールの数に対応する分配器チャネルの数、およびカービンに形成された分配器チャネルの開口の中心点が1つの円に配置されるようになっている。すべての加工ツールで可能な限り等しい温度プロファイルを備えたプラスチック溶融物を供給できるようにするためである。
【0022】
本特許出願において「溶融導体」が言及されるときはいつでも、これは、起点の押出製品自体のためのノズル出力部を有するか、または成形押出ノズルに送るように適合された押出設備の溶融導体を示す。すなわち、押出設備の押出ダイの一部である溶融導体が示されている。特許請求の範囲における「押出設備の押出ダイ用」という表現は、押出ダイまたは設備が必ずしもそれぞれの請求項の一部であることを示すことを意図するものではなく、代わりに、適合性のみが開示される。さらに、「押出設備用」という表現は、その設備が強制的にそれぞれの請求項の一部であることを意味することを意図したものではない。
【発明の概要】
【0023】
本発明は、溶融導体をさらに発展させ、その欠点を克服するという課題に基づいている。特に、本発明は、押出ダイ、押出設備、および特にそのような押出設備を操作するための、対応する方法をさらに発展させるという課題に基づいている。
【0024】
本発明に係ると、この課題は、独立請求項1の特徴を有する溶融導体によって解決される。溶融導体の有利な任意のさらなる開発は、従属請求項2から13により生じる。さらに、本発明の目的は、請求項14に係る押出ダイによって達成される。有利なさらなる押出ダイの開発は、従属請求項15に起因する。本発明の課題は、請求項16に係る押出設備によってさらに達成される。さらに、本発明の課題は、請求項17に係る設備の操作方法によって達成される。
【0025】
本発明の第1の態様では、この課題は、押出設備の押出ダイ用の溶融導体であって、特に溶融分配器または溶融ミキサであり、
マルチチャネルシステムを伴う溶融導体ブロックを有し、
マルチチャネルシステムは、溶融導体ブロックの内側に三次元的に配置され、ポリマー溶融物用の少なくとも1つの入力部および少なくとも1つの出力部を有し、
入力部と、入力部に流体接続された出力部との間に、互いに背後に配置されたいくつかの分岐およびいくつかのレベルのさらなる分岐が、いくつかのレベルの分離された溶融物チャネルにわたって形成され、
第xの局所的な断面を有するレベルaのm個の溶融物チャネルおよび第yの局所的な断面を有するレベルbのn個の溶融物チャネルが存在し、
これにおいて、b>aである場合、n>mであり、
第bレベルの溶融物チャネルの第yの局所的な断面は、第aレベルの溶融物チャネルの第xの局所的な断面よりも小さく、
ポリマー溶融物の指定された流れの方向において、溶融導体がポリマー溶融物の指定された溶融物ストリームの溶融分配器として作動するように、第aレベルの溶融物チャネルが入力部に向かって配向され、第bレベルの溶融物チャネルが出力部に向かって配向される、
または
ポリマー溶融物の指定された流れの方向において、溶融導体がポリマー溶融物の指定された溶融物ストリームの溶融物ミキサとして作動するように、第aレベルの溶融物チャネルが出力部に向かって配向され、第bレベルの融物チャネルが入力部に向かって配向される、
溶融導体により解決される。
【0026】
第1に、本特許出願の枠内で、不定冠詞および「1」、「2」などの数字は、通常、文脈から明示的に明らかになるか、「正確に1つ...」、「正確に2つ...」などのみを意図し得ることが当業者にとって明白であるか、技術的に不可欠である場合を除いて、最小値、すなわち「少なくとも1つ...」「少なくとも2つ...」などを示すものとして理解されるべきであることが明確に指摘される。
【0027】
さらに、方法および/または装置パラメータに関するすべての数字およびすべての情報は、技術的な意味で、すなわち通常の公差を考慮して理解されるべきである。
【0028】
「少なくとも」などの限定的な表現が使用されていても、単に「1つ」と記載されている場合、すなわち「少なくとも」などを使用しない場合に、「厳密に1つ」が意図されていることを意味してはいない。
【0029】
以下に、いくつかの用語を説明する。
【0030】
「溶融導体」は、マルチチャネルシステムを伴う溶融導体ブロックを含む構成要素またはアセンブリであり、マルチチャネルシステムは、マルチチャネルシステムの実施形態に応じて、溶融導体に送られるポリマー溶融物を分配および/または組み合わせるように適合される。溶融導体は、複数の出力部上の少なくとも1つの入力部から指定されたポリマー溶融物を分配する溶融分配器としてのみ具現化することができる。さらに、溶融導体は、2つ以上の入力部からの指定されたポリマー溶融物を、入力部の数よりも少ない総数の出力部に結合させる溶融ミキサとしてのみ具現化することができる。あるいは、溶融導体は、部分的に溶融分配器として、また部分的に溶融ミキサとして、任意の順序で具現化することができ、その結果、指定されたポリマー溶融物を所望のように分配して結合させることができ、入力部および出力部の数を所望のように選択することができるようになる。溶融導体は、好ましくは、付加的製造法によって、少なくとも部分的に製造される。
【0031】
「溶融導体ブロック」は、マルチチャネルシステムを全体的または部分的に収容する溶融導体の構成要素である。溶融導体ブロックは、付加的製造法によって形成されることが好ましい。それは、例えば骨格構造において、塊状または支持構造を有するように形成された基体であり得る。支持構造は、溶融導体ブロックの静的安定性を保証し、さらにマルチチャネルシステムを支持するように形成することができる。溶融導体が溶融分配器として具現化される場合、「溶融導体ブロック」という用語は、以下での溶融導体ブロックの同義語として使用される。同様に、「溶融ミキサブロック」という用語は、溶融導体が溶融ミキサとして具現化される場合、溶融導体ブロックの同義語として使用される。
【0032】
「溶融物チャネル」は、マルチチャネルシステムの三次元的な実施形態を達成するように、専ら長手方向もしくは直線状に延在することができるか、または湾曲を有することができるポリマー溶融物(またはポリマー溶融物の溶融物ストリーム)を導くマルチチャネルシステムの実質的に長手方向の部分である。複数のそのような溶融物チャネルは、分岐および副次的分岐を介して流体的に相互接続され、これによりマルチチャネルシステムを形成し、2つ以上の溶融物チャネルを直列および/または並列に配置して、溶融導体に対して作られた要件に従って、ポリマー溶融物を分配および/または混合することができる。溶融物チャネルは、それぞれの入力部から、入力部に流体接続されたそれぞれの出力部まで延在する。
【0033】
それぞれの溶融物チャネルは、所望するように具現化することができる。例えば、実質的に変化しない溶融物チャネルの断面、すなわち溶融物チャネルの全長にわたって分岐間に延在する任意の形状の局所的な断面を有することが可能である。局所的な断面は、実質的に円形の断面、実質的に長円形もしくは楕円形の断面および/または実質的に長方形もしくは正方形の断面を有することができる。あるいは、周知の標準的な幾何学的形状から逸脱する断面の形状を、溶融物チャネル、特に既知の標準的な形状間の遷移点において選択することができる。本発明の枠組みの中で溶融物チャネルの特定の断面の形状が言及されるときはいつでも、それぞれの溶融物チャネルは、その軸方向延在部の大部分にわたって、好ましくはそれぞれの溶融物チャネルの長さの50%以上にわたって、好ましくはチャネルの長さの少なくとも2/3にわたって、好ましくはチャネルの長さの少なくとも3/4にわたって、この実質的に一定の断面の形状または局所的な断面を有することが意図される。
【0034】
互いに連続的に並んで配置され、分岐または副次的分岐を介して流体で相互接続された溶融物チャネルは、本特許出願の枠組みの中で、溶融導体の実施形態に応じて、および指定されたポリマー溶融物の流れの方向に応じて、アルファベットの昇順または降順で指定された「レベル」に分割されるものとして説明される。同じことが、同様に昇順または降順のレベルによって指定される分岐および副次的分岐にも当てはまる。
【0035】
ポリマー溶融物の「指定された流れの方向」とは、押出設備における溶融導体の配置およびマルチチャネルシステムの実施形態を指し、流れの方向は、ポリマー溶融物がマルチチャネルシステムにおいて分配および/または混合されるかどうかに関係なく、常に入力部から、入力部に流体接続された出力部までである。特に、ポリマー溶融物の指定された流れの方向は、溶融導体の入力側から出力側への方向である。
【0036】
「マルチチャネルシステム」は、好ましくは、付加的製造法によって少なくとも部分的に製造される溶融導体内のチャネル構造であり、溶融導体ブロックに組み込まれ、その内部に三次元的に延在する。マルチチャネルシステムは、少なくとも1つの入力部から入力部に流体接続された少なくとも1つの出力部まで延在し、溶融導体の実施形態に応じて、分岐および副次的分岐を介して、または結合ダクトを介して流体的に相互接続された、複数の流体的に相互接続された溶融物チャネルからなる。マルチチャネルシステムの溶融物チャネルは、互いに連続して流体的に相互接続されるか、または並列に配置される。直列の配置では、第aレベルの少なくとも1つの溶融物チャネルは、分岐または副次的分岐を介して第bレベルの少なくとも1つの溶融物チャネルに流体接続され、第aレベルの溶融物チャネルは、分配器またはミキサとしての溶融導体の実施形態に応じて、第bレベルのそれぞれの溶融物チャネルの、ポリマー溶融物の指定された流れの方向の上流または下流に位置する。言い換えれば、第aレベルの溶融物チャネルは、分岐または結合ダクトを介して第bレベルの溶融物チャネルに流体接続される。対照的に、1つのレベルのいくつか、好ましくはすべての溶融物チャネルが並列に配置されている。
【0037】
マルチチャネルシステムの「入力部」は、供給ユニットによって供給されたポリマー溶融物が送られる溶融導体ブロックへのマルチチャネルシステムの入力部である。言い換えれば、入力部は溶融導体ブロックの入力側に配置される。
【0038】
対照的に、マルチチャネルシステムの「出力部」は、溶融導体ブロックを通って導かれ、分配され、および/または結合されたポリマー溶融物が出る、溶融導体ブロックからのマルチチャネルシステムの出力部である。出力部はノズルとして形成することができ、したがってノズル出力部とすることができる。代替的または追加的に、出力部は、溶融導体の下流に接続された押出ノズルに送るように形成することができ、それによりポリマー溶融物を霧化して押出製品を少なくとも間接的に生成する。したがって、出力部は溶融導体ブロックの出力側に配置される。
【0039】
したがって、溶融導体ブロックは、入力側および出力側を有し、それぞれの入力部を伴う入力側は、ポリマー溶融物の指定された流れの方向に対して供給ユニットの下流に配置され、それぞれの出力部を伴う出力側は、押出ノズルの上流、またはそれぞれの入力部を伴う入力側の下流に配置される。
【0040】
本溶融導体が溶融分配器として具現化される場合、溶融導体は、それぞれの入力部が好ましくは少なくとも2つのレベルの分離された溶融物チャネルを介して複数の出力部に流体接続されるため、入力部よりも多くの出力部を有する。指定されたポリマー溶融物の溶融物流が途絶えるのを防止し、マルチチャネルシステムを望ましくない堆積物から保護し、マルチチャネルシステム内の剪断応力を実質的に一定に保つために、1つのレベルの溶融物チャネルのすべての局所的な断面の全体断面積は、各々のレベルが上昇すると増加する。一方で、第bレベルのn個の溶融物チャネルのそれぞれの局所的な断面積は、第aレベルのm個の溶融物チャネルのそれぞれの局所的な断面積と比較して減少する。一方、溶融物チャネルの数は、各レベル、すなわちアルファベットの昇順で増加する。換言すれば、第aレベルの溶融物チャネルは入力部に向かって配向され、第bレベルの溶融物チャネルは、出力部に向かって配向されて、ポリマー溶融物の指定された流れの方向で、第aレベルの溶融物チャネルの後に続く。これに対応して、第cレベルの溶融物チャネルは、ポリマー溶融物などの指定された流れの方向に第bレベルの溶融物チャネルの後に続き、第cレベルの溶融物チャネルもまた、第aおよび第bレベルの溶融物チャネルに対して出力部に向かって配向される。第bレベルの溶融物チャネルは、第cレベルの溶融物チャネルに対して入力部に向かって配向されている。第aレベルの溶融物チャネルは、第bレベルの少なくとも2つの溶融物チャネルに分割され、第bレベルの溶融物チャネルは、第cレベルなどの少なくとも2つの溶融物チャネルに細分される。したがって、アルファベット順に溶融物チャネルのレベルが上昇し、溶融物チャネルの数は、ポリマー溶融物の指定された流れの方向に沿ってレベルごとに増加する。
【0041】
本溶融導体が溶融ミキサである場合、溶融導体は、少なくとも2つの入力部が、好ましくは少なくとも2つのレベルの接合された溶融物チャネルを介してより少ない数の出力部に流体接続されるため、出力部よりも多くの入力部を有する。1つのレベルの溶融物チャネルのすべての局所的な断面の全体断面積は、指定されたポリマー溶融物の溶融物流が途絶えるのを防止し、マルチチャネルシステムの壁の剪断応力を実質的に一定に保つように、レベルが下がるにつれて減少する。一方で、第bレベルのn個の溶融物チャネルのそれぞれの局所的な断面積は、第aレベルのm個の溶融物チャネルのそれぞれの局所的な断面積と比較して増加する。一方、溶融物チャネルの数は、各レベル、すなわちアルファベットの降順で減少する。換言すれば、マルチチャネルシステムにおける3つのレベルの溶融物チャネルの例を使用すると、第cレベルの溶融物チャネルは入力部に向かって配向され、第bレベルの溶融物チャネルは、出力部に向かって配向されて、ポリマー溶融物の指定された流れの方向で、第cレベルの溶融物チャネルの後に続く。これに対応して、第aレベルの溶融物チャネルは、第bレベルの溶融物チャネルの後にポリマー溶融物の指定された流れの方向に続き、さらに第cおよび第bレベルの溶融物チャネルに対して出力部に向かって配向される。対照的に、第bレベルの溶融物チャネルは、第cレベルの溶融物チャネルに対して出力部に向かって配向されている。これは、第cレベルの少なくとも2つの溶融物チャネルが第bレベルのより少数の溶融物チャネルに接合され、順次、第bレベルの少なくとも2つの溶融物チャネルが第aレベルのより少数の溶融物チャネルに接合されることを意味する。したがって、溶融物チャネルのレベルのアルファベット順が上昇し、溶融物チャネルの数は、ポリマー溶融物の指定された流れの方向とは反対にレベル間で増加する。
【0042】
さらに、溶融導体を部分的に溶融分配器として、および部分的に溶融ミキサとして具現化することが考えられる。例えば、第aレベルの最初の1つの溶融物チャネルが第bレベルの少なくとも2つの溶融物チャネルに分割され、その際、第bレベルの1つの溶融物チャネルが第cレベルの少なくとも2つの溶融物チャネルに分割され、それにより、最初にポリマー溶融物が次のレベルに分配されることが可能である。次に、第cレベルの少なくとも2つの溶融物チャネルを第b'レベルのより少ない数の溶融物チャネルに再結合することができ、その際、第b'レベルの少なくとも2つの溶融物チャネルを第a'レベルの溶融物チャネルに再結合することができるなどであり、ポリマー溶融物の組み合わせがレベルごとに行われるようにする。ポリマー溶融物およびそれから製造される押出製品の要件に応じて、第1の溶融物チャネルが接合され、次いで分離される逆の順序、ならびに分配および組み合わせの任意の所望の組み合わせが考えられる。
【0043】
本発明の枠組みの中での「に向かって配向」という表現は、溶融物チャネルおよび/またはさらなるレベルに対する第1のレベルの分岐または副次的分岐の配置として理解されるべきである。マルチチャネルシステムが、例えば、第aレベル、第bレベル、および第cレベルの溶融物チャネルを有し、第aレベルが溶融導体ブロックの入力部に直接配置され、第cレベルが溶融導体ブロックの出力部に直接配置され、第aレベルと第cレベルとの間の第bレベルがポリマー溶融物の指定された流れの方向にある場合、第aレベルの溶融物チャネルは、第bレベルおよび第cレベルの溶融物チャネルと比較して入力部に向かって配向されている。第cレベルの溶融物チャネルは、第aおよび第bレベルの溶融物チャネルと比較して出力部に向かって配向されている。その結果、第bレベルの溶融物チャネルは、第aレベルの溶融物チャネルと比較して出力部に向かって配向され、他方、第cレベルの溶融物チャネルと比較して入力部に向かって配向される。
【0044】
「三次元的に延在する」ことによって、マルチチャネルシステムを溶融導体ブロック内で最大6つの異なる自由度で形成できることを以下で理解されたい。言い換えれば、マルチチャネルシステムの溶融物チャネルは、垂直に上方および/もしくは下方ならびに/または水平に左および/もしくは右および/もしくは前方および/もしくは後方に部分的に延在することができる。溶融導体ブロック内のマルチチャネルシステムがどのように具現化されるかとは無関係に、6つの自由度のうちの少なくとも3つが常に使用される。例えば、垂直下方に延在する第aレベルの溶融物チャネルが、実質的に90°にわたる分岐を介して1つの共通レベルで第bレベルの2つの溶融物チャネルに分割される場合、分割された溶融物チャネルは、第aレベルの溶融物チャネルから開始して、例えば水平方向に左または右に延在する。したがって、溶融物チャネルのこのような単純な細分化であっても、3つの自由度が既に使用されている。しかし、分割された溶融物チャネルのうちの少なくとも1つがそのレベルに対してある角度で部分的に延在するように溶融物チャネルのうちの1つが分岐される場合、第4および/または第5の自由度が使用される。加えて、第bレベルの溶融物チャネルのうちの1つはまた、第aレベルの垂直下方に誘導される溶融物チャネルとは反対に、すなわちポリマー溶融物の流れの反対方向に部分的に誘導することができ、その結果、第6の自由度も使用される。さらに、いくつかの自由度を同時に使用できるように、マルチチャネルシステムまたは溶融物チャネルおよび/または空間内のさらなる分岐の湾曲した実施形態が考えられる。
【0045】
本発明に係る「分岐」または「副次的分岐」は、溶融物チャネルがポリマー溶融物の流れの方向とは無関係に少なくとも2つの溶融物チャネルに分割される節点である。副次的分岐は、第2のレベルから下方への分岐である。溶融分配器において、第aレベルの溶融物チャネルは、分岐を介して第bレベルの2つ以上の溶融物チャネルに分割される。第bレベルの溶融物チャネルは、続いて、2つ以上の溶融物チャネルへの分岐を介して第cレベルの2つ以上の溶融物チャネルに分割される。これに対して、溶融ミキサでは、分岐または副次的分岐はそれぞれ接合部として機能し、第bレベルの2つ以上の溶融物チャネルが接合または結合されて、第aレベルの溶融物チャネルまたは第aレベルのより少ない数の溶融物チャネルを形成する。
【0046】
溶融分配器の形態の溶融導体によって、溶融分配器ブロックの溶融分配器またはマルチチャネルシステムに継続的に送られるポリマー溶融物は、実質的に等しい剪断応力で、これらの出力部または出力チャネルでポリマー溶融物を供給することができるように、複数の出力部にわたって分配することができる。すなわち、マルチチャネルシステムは、好ましくは、ポリマー溶融物が常に均一な溶融の経緯を有するように具現化される。さらに、このようにして、ポリマー溶融物が溶融分配器ブロックの出力側にわたって特に均一に分配され、したがって、これらの出力チャネルのうちの1つに近接する押出空間において、下方向に、すなわち特に押出ノズルの収集空間および/または入口において、特に均一に供給され得るということが達成される。
【0047】
本発明に係る「等しい剪断応力」という表現は、特にすべての分岐段階またはすべてのレベルの溶融物チャネルにおいて、マルチチャネルシステムの壁とそれぞれの溶融物チャネルで伝導されるポリマー溶融物との間の壁の剪断応力を実質的に表し、剪断応力は、実質的に等しいか一定であるか、またはほぼ等しいか一定であり、互いに30%未満、好ましくは20%未満、特に好ましくは10%未満だけずれている。
【0048】
溶融ミキサの形態の溶融導体によって、溶融ミキサまたは溶融ミキサブロックのマルチチャネルシステムに継続的に送られるポリマー溶融物は、ポリマー溶融物が実質的に等しい剪断応力で、この/これらの出力部で供給され得るように、より少ない数の出力部で接合することができる。この場合も、マルチチャネルシステムは、好ましくは、ポリマー溶融物が常に出力部において均一な溶融の経緯を有するように具現化される。さらに、このようにして、ポリマー溶融物が溶融分配器ブロックの出力側で特に均一に接合されることが達成され、したがって、下向き方向に出力チャネルに近接する押出空間、すなわち特に押出ノズルの収集空間および/または入口に、目標とする方法で供給することもできる。
【0049】
これは、主に、あるレベルから次のレベルに変化する溶融物チャネルの断面積、ならびに溶融物チャネルのレベル間に配置された分岐および副次的分岐、すなわち接合部によって達成される。
【0050】
溶融物分配器の場合、1つのレベルの各溶融物チャネルの断面積は、レベルが増加するにつれて、およびポリマー溶融物の指定された流れの方向に減少し、溶融物チャネルの合計は、溶融物流が指定された流れの方向にレベル間で分配されるように、各々のレベルが上昇すると増加する。
【0051】
溶融ミキサの場合、1つのレベルの各溶融物チャネルの断面積は、レベルが減少するにつれて、またポリマー溶融物の指定された流れの方向に増加し、溶融物チャネルの合計は、溶融物流が指定された流れの方向にレベル間で接合するように、各々のレベルが下がるにつれて減少する。
【0052】
驚くべきことに、ポリマー溶融物の指定された流れの方向に近接する第1の溶融物チャネルと第2の溶融物チャネルとの間の特定の幾何学的な比が、マルチチャネルシステム内で実質的に一定の剪断応力をもたらすことが示された。したがって、好ましくは、同じ溶融物チャネルから生じて分岐する少なくとも2つの溶融物チャネルの円周および断面積は、
に応じて寸法決めされ、
は第1の円周であり、Aは共通溶融物チャネルの第1の断面積であり、Uは第2の円周であり、Aは起点溶融物チャネルのうちの1つの第2の断面積であり、nは起点溶融物チャネルの総数であり、xは-0.5以上、好ましくは少なくとも0.5、好ましくは少なくとも0.75であり、xは最大で4の値、好ましくは最大で2.5の値、さらに好ましくは最大で1.5の値である。驚くべきことに、0.6と2との間の値がxに有利であることが示された。
【0053】
溶融物分配器として具現化された溶融導体の場合、溶融物チャネルは、その下流に配置された少なくとも2つの溶融物チャネルに分割され、Uは第1の円周であり、Aはさらに上流に配置される共通溶融物チャネルの第1の断面積であり、Uは第2の円周であり、Aは、分割されてさらに上流に配置された溶融物チャネルのうちの1つの第2の断面積であり、ポリマー溶融物の指定された流れの方向、したがって下流レベルの溶融物チャネルの流れの方向を基準とする。
【0054】
溶融ミキサとして具現化された溶融導体の場合、少なくとも2つの溶融物チャネルが好ましくは組み合わされて、その下流に配置された共通溶融物チャネルを形成する。Uは第1の円周であり、Aはさらに下流に配置される共通溶融物チャネルの第1の断面積であり、Uは第2の円周であり、Aはさらに上流に配置された少なくとも2つの溶融物チャネルのうちの1つの第2の断面積であり、ポリマー溶融物の指定された流れの方向、したがって上流レベルの溶融物チャネルの流れの方向を基準とする。
【0055】
この分岐レベルの溶融物チャネルの直径に応じて、1つのレベルの分離された溶融物チャネルの数nが選択され、それにより、マルチチャネルシステム内の剪断応力の変動および相関する可能な溶融物流が遮断されるリスクが低減される。
【0056】
この関係は、特に、実際にはそれぞれの溶融物チャネルの幾何学形状がその全長にわたってすべての点で一定のままではないため、有利である。この幾何学的関係は、マルチチャネルシステムのチャネルの単純な断面の幾何学形状に対して特に有利である。このような関係を用いたマルチチャネルシステムの構築は、実質的に対称であり、断面の幅が断面の高さの何倍も大きくはない溶融物チャネルの断面に有利であることも示されている。
【0057】
局所的な断面において、最も狭い部分と最も広い部分とが互いに近接している溶融物チャネルの断面の幾何学形状では、対照的に、分割された溶融物チャネルの数に応じて、分割される溶融物チャネルの断面積と分割された溶融物チャネルの断面積との間の関係のみを確立することが有利であり得る。円形の断面では、それぞれの溶融物チャネルの局所的な断面の最も広い場所と最も狭い場所は同一であり、直径に対応する。以下で説明する平面関係の観察は、最も狭い部分と最も広い部分との差が10倍未満、好ましくは5倍未満、特に好ましくは2.5倍未満である溶融物チャネルにおいて特に有利である。
【0058】
好ましくは、同じ溶融物チャネルに由来し、分岐する少なくとも2つの溶融物チャネルの断面は、
=A*(1/n2/y
に応じて寸法決めされ、
式中、Aは共通溶融物チャネルの第1の断面積であり、Aは分岐溶融物チャネルのうちの1つの第2の断面積であり、nは分割された溶融物チャネルの総数であり、yは少なくとも2の値、好ましくは少なくとも2.5の値、さらに好ましくは少なくとも2.85の値であり、yは最大で7の値、好ましくは最大で5の値、さらに好ましくは最大で3.35の値である。驚くべきことに、yについて2.5~5の値が有利であることが示されている。
【0059】
溶融導体が実質的に円形の溶融物チャネルを有する溶融物分配器として具現化される場合、溶融物チャネルは、その下流に配置された少なくとも2つの溶融物チャネルに分割され、A1は、さらに上流に配置された共通溶融物チャネルの第1の断面積であり、A2は、ポリマー溶融物、したがって下流レベルの溶融物チャネルの指定された流れの方向に関して、さらに下流に配置され、分割された少なくとも2つの溶融物チャネルのうちの1つの第2の断面積である。
【0060】
実質的に円形の溶融物チャネルを有する溶融ミキサとして具現化された溶融導体では、少なくとも2つの溶融物チャネルは、好ましくは、その下流に配置された共通溶融物チャネルに組み合わされる。したがって、Aは、さらに下流に配置された、結合された共通溶融物ストリームの第1の断面積であり、Aは、ポリマー溶融物、したがって下流レベルの溶融物チャネルの指定された流れの方向に関して、さらに上流に配置された少なくとも2つの溶融物チャネルのうちの1つの第2の断面積である。
【0061】
第aレベルの溶融物チャネルおよび第bレベルの溶融物チャネルがこの幾何学的関係に応じて具現化される場合、マルチチャネルシステムの内側の実質的に一定の剪断応力を達成することができる。さらに、マルチチャネルシステムの流体で相互接続されたチャネル間には、材料に依存しない相関関係があり、剪断応力の変動および溶融物流が途絶えるリスクが明らかに低減される。断面の幾何学形状間のこのような相関は、幅が高さの何倍も大きい断面に特に適している。
【0062】
好ましくは、それぞれのマルチチャネルの溶融物チャネルは、少なくともいくつかの部分において、円形から逸脱する局所的な断面の形状を有する。溶融物チャネルの局所的な断面の形状は、所望するように具現化することができ、具体的な形態は、ポリマー溶融物の特性および押出製品に対して作られた要件に依存する。例えば、楕円形、長円形、滴状、顎状および/または卵形の断面が、用途に応じて特に有利であり得る。さらに、溶融物チャネルの実施形態は、マルチチャネルシステム内のポリマー溶融物の堆積が防止されるという利点がある。マルチチャネルシステムの少なくとも部分的な付加的製造により、基本的に任意の既知の幾何学的標準形状を局所的な断面の形状として製造することができ、本発明は溶融物チャネルの断面の標準的な幾何学形状に明確に限定されない。換言すれば、溶融物チャネルの壁の自由な型の表面を任意の形状にすることが可能であり、これは、理想的には、実質的に均一な剪断応力でマルチチャネルシステムを通して、指定されたポリマー溶融物を誘導する。
【0063】
本発明は、溶融導体ブロックが第1のマルチチャネルシステムおよび第2のマルチチャネルシステム、また特に第3、第4または第5のマルチチャネルシステムを有するという技術的教示を含む。溶融導体ブロック内部の、付加的製造法によって少なくとも部分的に形成される6つ以上のマルチチャネルシステムも、考えられる。異なるマルチチャネルシステムは、例えば多層または少なくとも部分的に重なり合うフィルムウェブまたはフィラメントを生成するように、同一であるが、異なるまたは部分的に同一で部分的に異なるポリマー溶融物を、導くことができる。さらに、材料の要件および特性に関して、押出製品を製造するために、異なるポリマー溶融物をマルチチャネルシステム内で伝導し、接合し、分配することができる。異なるマルチチャネルシステムのポリマー溶融物から個々のフィラメント、特に個々のエンドレスフィラメントを製造することも可能である。フィラメントは、異なる成分から形成することができ、すなわち、ポリマーは様々な混合比で溶融し、成分は、例えば、それぞれのフィラメントの層、シートおよび/またはセグメントで互いに隣接して配置される。
【0064】
実施形態の一例では、マルチチャネルシステムは流体的に分離され、各マルチチャネルシステムは、ポリマー溶融物のための少なくとも1つの入力部および少なくとも1つの出力部を有する。いくつかの流体的に分離されたマルチチャネルシステム、例えば2つもしくは複数のフィルムウェブおよび/または2層もしくは複数層のフィルムウェブを製造することができ、特に流体的に分離されたマルチチャネルシステムでは、異なるポリマー溶融物が溶融導体を通って導かれる場合、異なるフィルム層を用いて製造することができる。さらに、同等または異なる材料特性を有する複数のフィラメントを製造することができ、これを加工して不織布を形成することができる。不織布は、複数の個々のフィラメント、好ましくは布帛の幅1メートル当たり20から10,000個の個々のフィラメントからなる。それぞれのマルチチャネルシステムの出力部は、フィラメントを形成するようにポリマー溶融物を霧化するために具現化することができる。溶融導体ブロックの下流に押出ノズルを設けてフィラメントを製造し、次いで不織布を製造することも可能である。
【0065】
それぞれ、異なるポリマーからなる、または異なるポリマー溶融物から製造された複数の個々のフィラメントを製造することも考えられる。そのようなフィラメントは、異なる方法で具現化することができ、例えば不織布または糸を形成するように加工することができる。フィラメントは、例えば、実質的に円形の断面の形状を有することができ、第1のマルチチャネルシステムの第1のポリマー溶融物から生じる第1のストランドは、第2のマルチチャネルシステムの第2のポリマー溶融物から生じる第2のストランドによって覆われる。3本以上のストランドを接合することも可能であり、ポリマー溶融物のストランドは、例えば、層、シートおよび/またはセグメントにおいて互いに隣接する、それぞれのマルチチャネルシステムの出力部の適切な配置によって、所望するように接合することができる。
【0066】
代替として、第1のマルチチャネルシステムは、少なくとも第2のマルチチャネルシステムとの接合部を有する。このようにして、特に複合材または複合製品を製造することができる。例えば、実質的に溶融したポリマー溶融物は、第1のマルチチャネルシステムを通って導くことができ、第1のポリマー溶融物とは異なる第2のポリマー溶融物、もしくは充填剤、補強剤、または他の添加剤のいずれかであり、それらは少なくとも部分的に溶融物の形態で存在し、第2のマルチチャネルシステムを通って導かれ、これらの薬剤は、第1のマルチチャネルシステムで導かれる第1のポリマー溶融物とのそれぞれの接合部で混合される。したがって、それぞれの接合部の領域では、最初に少なくとも2つの薬剤が混合され、溶融物の噴霧化およびその後の冷却中に一体的に組み合わされる。すなわち、混合が行われる。混合の目的は、押出製品の適用を目的として、接合された物質または溶融物の特性を変更することである。
【0067】
これに関連して、第1のマルチチャネルシステムを介してリサイクルのポリマーを導くこと、および異なるマルチチャネルシステムを介して同じタイプの新しいポリマーを導くことも可能である。次いで、最終的な製品の所望の特性に応じて、同じ種類のポリマーの2つの溶融物流を、プロセス工学の観点から、所望するように選択することができる混合比で混合する。
【0068】
押出製品の要件に応じて、様々な溶融物は、比較的早く、例えばそれぞれのマルチチャネルシステムに入った後に短時間混合または接合することができる。これは、特に、第1のポリマー溶融物と第2の溶融物との特に良好な混合が望まれる場合、またはマルチチャネルシステムを通って導かれる指定された複合ポリマー溶融物の流れの特性が改善されるべきである場合に有利である。あるいは、溶融物は、比較的後期の段階、例えば、それぞれのマルチチャネルシステムの出力部に到達する直前に、それぞれのマルチチャネルシステムで結合させることもできる。これは、さもなければより長いチャネルの断面において流れの成分の脱混合が生じる場合に特に望ましい。
【0069】
一実施形態では、それぞれのマルチチャネルシステムは、押出ノズルに送るための収集チャンバ内にポリマー溶融物を導くように適合された複数の出力部を備える。言い換えれば、そのような実施形態では、出力部は、溶融導体、特に溶融導体ブロックの特定の幅にわたって配置され、収集チャンバで終端する。
【0070】
出力部は、指定された溶融物ストリームの出力方向に対して横方向に互いに離間して配置することができる。それらは、溶融導体ブロックの出力側の1つの共通線上に形成することができ、線は直線または湾曲することができる。出力部は、1つまたは複数の平面の溶融導体ブロックを出ることがさらに可能であり、第1の平面および1つまたは複数の追加の平面の出力部は、互いに重なって、部分的に重なって、または交互に、指定された溶融物ストリームの出力方向に対して横方向に配置することができる。特にフィルムウェブ、プレート、またはインフレーションフィルムの製造において、収集チャンバに送られるか、またはポリマー溶融物が押出ノズルに直接送られるかに関係なく、2つ以上の平面の出力部が部分的に重なり合う配置が有利であり、これは、特に幅に関して、接合線がないかまたは無視できる、継続的で比較的均質な押出製品を製造することができるためである。
【0071】
この文脈における「収集チャンバ」は、溶融導体を介して結合および/または分配されたポリマー溶融物が収集され、押出ノズルに送られる実質的に中空の空間である。言い換えれば、収集チャンバは、押出ノズルに送るための押出空間またはノズル空間とすることができる。収集チャンバは、2つ以上の押出ノズルに送るようにさらに具現化することができる。それぞれの押出ノズルの上流側でポリマー溶融物の指定された押出方向に送られる。
【0072】
収集チャンバが、任意の形状およびサイズを有することができる2つ以上の収集チャンバセグメントに分割されることも可能である。したがって、押出ダイは、いくつかの収集チャンバまたは収集チャンバセグメントを有し、その各々は1つ以上の押出ノズルに送る。
【0073】
収集チャンバは、好ましくは溶融導体、特に溶融導体ブロックと一体化される。そのような構造は、溶融導体、特に溶融導体ブロックの付加製造された形状により、比較的容易に実施することができる。また、収集チャンバの領域には、それぞれの押出ノズルの締結要素および/または接続要素を受け入れるための手段を設けることができ、これはまた、少なくとも部分的に付加的に製造することができる。
【0074】
上記の段落の特徴を有する装置自体が、上記の独立請求項とは無関係に、本発明の独立した態様を表すことが明確に指摘される。したがって、独立して有利に開示されると理解される特徴の組み合わせは、以下の通りである。
【0075】
溶融導体であって、特にマルチチャネルシステムを伴う溶融導体ブロックを有する押出設備の押出ダイ用の溶融分配器または溶融ミキサであり、マルチチャネルシステムは、三次元延在部を伴う溶融導体ブロック内に配置され、1つまたは複数の入力部および複数の出力部を有し、複数の溶融物チャネルは、出力部を介して収集チャンバに送り、このチャンバは、押出ダイの押出ノズルに送るように適合される、溶融導体。
【0076】
さらに好ましくは、溶融導体、特に溶融導体ブロックは、少なくとも1つの中空チャンバを有する中空チャンバシステムを有し、システムは、それぞれのマルチチャネルシステムの分割された溶融物チャネルの間に空間的に配置される。言い換えれば、溶融導体ブロックは、中空チャンバ、好ましくは複数の中空チャンバを有する基体を有する。マルチチャネルシステムは、中空チャンバシステムの中空チャンバがマルチチャネルシステムに動作可能に接続されるように、中空チャンバシステムによって取り囲まれ得る。これは、溶融導体、特に溶融導体ブロックの軽量な構造を確立する特に容易な方法である。
【0077】
このような中空チャンバシステムによって、具体的には、溶融導体ブロックは、大幅に軽量化されているが、依然として適切な剛性を有して製造することができ、これにより、例えば溶融導体ブロックの取り扱いが大幅に簡素化される。これは、例えば、交換作業やメンテナンス作業などにおいて有利である。さらに、中空チャンバシステムによって実施される溶融導体ブロックは、材料を節約し、溶融導体の製造コストも大幅に低下させる。
【0078】
マルチチャネルシステムの多数のポリマー含有溶融物チャネルに加えて、溶融導体ブロックに追加の空洞またはチャンバを設けることができ、溶融導体ブロックの基体で追加の機能を実施することができることが特に有利である。特に、中空チャンバシステムの個々の中空チャンバまたはその一部には、絶縁体などを装備することができ、特に充填することができる。
【0079】
中空チャンバを通って媒体を導くことができるように、中空チャンバシステムを少なくとも部分的に具現化することも考えられる。特に、中空チャンバシステムを介して中空チャンバシステムに動作可能に接続されたマルチチャネルシステムを加熱または冷却するための温度制御媒体を導くことが考えられる。このようにして、指定されたポリマー溶融物の温度制御、ならびに溶融導体、特に溶融導体ブロックの均一な成分温度を達成することができる。
【0080】
中空チャンバシステムは、各々が1つまたは複数の中空チャンバを備えることができるいくつかのセグメントに分割することができる。このようにして、いくつかの異なる温度制御媒体を供給することができる。有利には、マルチチャネルシステムは、中空チャンバシステムに埋め込まれ、中空チャンバシステムのウェブ、リブまたは他の材料構造などの輪郭付けられた要素による溶融物チャネルの壁の追加の支持を可能にする。
【0081】
例えば、空間内の2つ以上の隣接する溶融物チャネルの溶融物チャネルの壁は、中空チャンバシステムによって互いに安定化することができ、溶融導体ブロックの軽量な構造にもかかわらず、マルチチャネルシステムを非常に高いポリマー溶融圧力に耐えるようにする。
【0082】
そのような中空チャンバシステムは、所望するように、例えばグリッド構造、正方形構造、球形構造、半球構造、円弧状構造などとして構築することができることが理解される。
【0083】
好ましい実施形態は、中空チャンバシステムがハニカム構造を有すること、すなわち、中空チャンバが少なくとも部分的にハニカムの形態で具現化されることをもたらす。ハニカム構造は、溶融導体、特に溶融導体ブロックに作用する力を特に良好に吸収および散逸することができる。さらに、好ましくはハニカムの6つ以上の側壁により、例えば、複数の隣接するハニカムなどへの接続のための貫通孔、チャネルなどの接続可能性などを溶融導体ブロックの内側に設けることができる有利な数の壁面が利用可能である。したがって、このようにして、溶融導体ブロックの特に有利な軽量構造を高い安定性と組み合わせることが可能である。
【0084】
本発明の溶融導体ブロックに有利な中空チャンバシステムは、複数の方法で設けることができる。しかし、それは付加的製造法で製造される場合に特に効果的である。このような付加的製造法は、溶融導体ブロック内部の様々な中空チャンバ構造の非常に簡単な方法での製造を可能にする。
【0085】
上記の段落の特徴を有する装置は、それ自体を解するのであっても、上記の独立請求項とは無関係に、本発明の独立した態様を表すことが明確に指摘される。したがって、特徴の独立した有利な開示された組み合わせは、以下の通りである。
【0086】
溶融導体であって、特に、マルチチャネルシステムを伴う溶融導体ブロックを有する押出設備の押出ダイ用の溶融分配器または溶融ミキサであり、マルチチャネルシステムは、三次元延在部を伴う溶融導体ブロック内に配置され、溶融導体、特に溶融導体ブロックは、マルチチャネルシステムの溶融物チャネル間に空間的に配置された複数の中空チャンバを伴う中空チャンバシステムを有し、貫通孔が、好ましくは、温度制御流体が少なくとも溶融物チャネルに接する中空チャンバを通って流れることができるように、隣接する中空チャンバ間に配置される、溶融導体。
【0087】
好ましくは、マルチチャネルシステムは、プラスチック溶融物の指定された溶融物流の入力部から出力部に通じる溶融導体ブロックを通る大局的機械方向を有し、分割された溶融物チャネルは、局所的機械方向が大局的機械方向に投影される場合、部分的に大局的機械方向と反対に延在する。
【0088】
「大局的機械方向」は、押出設備における溶融導体、特に溶融導体ブロックの配置であり、大局的機械方向は、供給ユニットと、場合によっては押出ノズルまたは溶融導体ブロック上のノズル出力部との間の指定された流れの方向に沿って延在する。すなわち、大局的機械方向は、指定されたポリマー溶融物のマルチチャネルシステムの入力側および出力側を考慮した押出設備における溶融導体、特に溶融導体ブロックの空間的な延在である。
【0089】
「局所的機械方向」は、大局的機械方向から逸れることが可能であり、局所的機械方向は、マルチチャネルシステム、特に大局的機械方向に対するそれぞれの溶融物チャネルの局所的配向を指す。局所的機械方向は、溶融物チャネルの長手方向軸と同軸に、ポリマー溶融物の指定された流れの方向に延在する。特に単純化された場合、マルチチャネルシステムが溶融導体ブロックの入力側に入力部を有し、入力側とは反対側の溶融導体ブロックの出力側に、それと流体的に接続され同軸に配置された出力部を有する場合、局所的機械方向は、好ましくは部分的に大局的機械方向と一致することができる。空間における溶融物チャネルの配向、したがって局所的機械方向は、この場合、大局的機械方向と少なくとも部分的に同軸であり得る。
【0090】
マルチチャネルシステムは、溶融導体または溶融導体ブロックの内側にそれぞれ三次元的に延在するように形成されるため、局所的機械方向は、大局的機械方向から規則的に逸脱する。6つすべての自由度を利用してマルチチャネルシステムを形成することができるため、大局的機械方向に対してそれぞれの溶融物チャネルの傾斜した配置が可能である。また、部分的に、局所的機械方向を、大局的機械方向と反対に延在するように設けることも考えられ、特に設置スペースを節約するために有利であり得る。
【0091】
したがって、実施形態の特定の例では、マルチチャネルシステムの溶融物チャネルは、溶融導体、特に溶融導体ブロックのほぼ入力側に誘導し戻すことができる。したがって、大局的機械方向とは反対の溶融物チャネルの局所的機械方向を誘導する利点は、大局的機械方向に対する溶融物チャネルの任意の所望の配置が可能であるため、溶融導体または溶融導体ブロックを、大量の設置スペースを節約するように具現化することができるという事実にある。さらに、溶融物チャネルは、所望するように接続または締結要素、特にねじ、ねじ山などを迂回するように配置することができる。
【0092】
上記の段落の特徴を有する装置は、それ自体を解するのであっても、上記の独立請求項とは無関係に、本発明の独立した態様を表すことが明確に指摘される。したがって、特徴の独立した有利な開示された組み合わせは、以下の通りである。
【0093】
溶融導体であって、特に、マルチチャネルシステムを伴う溶融導体ブロックを有する押出設備の押出ダイ用の溶融分配器または溶融ミキサであり、マルチチャネルシステムは、三次元延在部を伴う溶融導体ブロック内に配置され、マルチチャネルシステムは、入力部および出力部を有し、入力部は、各々が局所的機械方向を有する複数の分割および/または結合された溶融物チャネルを介して出力部に流体接続され、溶融導体ブロックは、溶融導体ブロックの入力側から溶融導体ブロックの出力側へ大局的機械方向を有し、マルチチャネルシステムの分割された溶融物チャネルは、局所的機械方向が大局的機械方向に投影された場合、部分的に大局的機械方向とは反対に延在する、溶融導体。
【0094】
溶融物チャネルは、所望するように空間内で三次元的に延在することができる。したがって、それぞれのチャネルは、空間内で傾斜して、すなわち、大局的機械方向に対してある角度で延在することもできる。さらに、溶融物チャネルが局所的機械方向に沿って延在する際に、この溶融物チャネルの局所的な直径よりも大きい、好ましくは何倍も大きい曲がり半径を有する方向の変化または湾曲部分を示すことが可能である。これは、マルチチャネルシステム内の堆積物を回避し、ポリマー溶融物のより均一な誘導を実施するのに役立ち得る。
【0095】
好ましくは、方向の変化は、溶融物チャネルの2つの分岐および/または副次的分岐の間に配置される。言い換えれば、それぞれの湾曲部分は、それぞれの溶融物チャネルの入力部と出力部との間に形成される。同じことが、この溶融物チャネルの局所的な直径よりも大きい、好ましくは何倍も大きい曲がり半径を有する方向の変化または湾曲部分を等しく呈する分岐および/または副次的分岐にも当てはまる。当然のことながら、それぞれの溶融物チャネル、それぞれの分岐および/または副次的分岐は、方向または湾曲部分の2つ以上の変化も有することが可能であり、方向の変化の間に直線部分も形成され得る。
【0096】
好ましくは、溶融導体ブロックは、特に循環流体供給用、特に温度制御用、ならびに/または電線および/もしくは測定装置用の媒体チャネルをさらに有する。
【0097】
この文脈における「媒体チャネル」は、マルチチャネルシステムに加えて形成され、そこから流体で分離された追加のチャネルシステムを指すが、基本的にマルチチャネルシステムと同様の構造に形成することができる。これは、媒体チャネルも溶融導体ブロックを通って三次元的に延在することができ、それに流体接続された入力部および出力部を有することを意味する。媒体チャネルは、マルチチャネルシステムの溶融物チャネル間で空間的に分離して延在し、それに動作可能に接続することができる。媒体チャネルは、例えば、媒体、特に温度制御媒体を導くように形成することができる。中空チャンバシステム以外に、媒体チャネルは、空間を節約する別個のチャネルまたは別個のチャネルシステムであり、それによって溶融物チャネル内で伝導される指定されたポリマー溶融物との相互作用を達成することができる。さらに、媒体チャネルまたは別の媒体チャネルは、電線および/または測定ユニット、例えば、対応する電力供給ラインを有するセンサシステムなどを誘導するように設計することができる。その付加的製造により、マルチチャネルシステムは、(付加的に製造することもできる)媒体チャネルを迂回するように、またはその逆に形成することができる。上述の支持構造は、媒体チャネルの静的安定性を達成するために等しく使用することができる。
【0098】
上記の段落の特徴を有する装置は、それ自体を解するのであっても、上記の独立請求項とは無関係に、本発明の独立した態様を表すことが明確に指摘される。したがって、特徴の独立した有利な開示された組み合わせは、以下の通りである。
【0099】
溶融導体であって、特に、マルチチャネルシステムを伴う溶融導体ブロックを有する押出設備の押出ダイ用の溶融分配器または溶融ミキサであり、マルチチャネルシステムは、溶融導体ブロックの内側に三次元的に延在し、溶融導体、特に溶融導体ブロックは、マルチチャネルシステムの溶融物チャネル間に空間的に配置された媒体チャネルを有し、特に循環流体供給用、特に温度制御用、および/または電線用および/または測定装置用である、溶融導体。
【0100】
一実施形態では、溶融導体ブロックは、指定されたポリマー溶融物に少なくとも間接的に影響を及ぼすための静的機能要素を有する。「静的機能要素」は、指定されたポリマー溶融物と相互作用するマルチチャネルシステムにまたはマルチチャネルシステム内に配置された少なくとも1つの実質的に静止した要素または構成要素である。静的機能要素は、ポリマー溶融物の特性、特に流動特性が実質的に同じままであるか、または好ましくは入力部から出力部へと改善されていくように、指定されたポリマー溶融物に影響を及ぼす。特に、静的機能要素は、溶融物ストリームの溶融温度をより均一にすることができる。また、マルチチャネルシステムにおけるポリマー溶融物の堆積および/または脱混合は、溶融物ストリームの均質化によって防止することができる。
【0101】
静的機能要素は、好ましくは静的混合要素である。混合要素は、好ましくは、マルチチャネルシステムの内部またはマルチチャネルシステムの溶融物チャネルに配置され、好ましくは、マルチチャネルシステムの付加的製造で、少なくとも部分的には付加的製造によって、同様に、製造される。混合要素は、ランプ形状、ロッド形状、湾曲などとすることができ、指定されたポリマー溶融物を混合および均質化するために主に設計される。ポリマー溶融物内部の剪断応力により、溶融物ストリームは溶融物チャネルにおいて異なる流量を有し、これは溶融物チャネルの中心軸から溶融物チャネルの壁の方向に減少する。静的機能要素、特に静的混合要素は、この文脈において、溶融物チャネルの内側で伝導される溶融物ストランドを均質化する。例えば、マルチチャネルシステムの出力の直前に、静的混合要素を通る溶融物流の均質化は、押出ノズル、または押出ノズルの上流に配置される収集チャンバへ均質に送ることを達成することができる。
【0102】
静的混合要素は、好ましくは、2つの分岐または副次的分岐の間の溶融物チャネルの内側に配置される。混合要素の領域では、特に混合効果を改善するために、溶融物チャネルの断面の小さな局所的変化が形成されることが考えられる。好ましくは、それぞれの溶融物チャネルの内側の流れの特性に応じて形成される溶融物チャネルの局所的な広がりが設けられ、静的ミキサは局所的な広がり部分の内側に形成される。溶融物チャネルは、好ましくは、溶融物チャネルの局所的な広がり部分の前後で実質的に同じ断面サイズおよび形状を有し、局所的に拡大された断面が、ポリマー溶融物の指定された流れの方向において溶融物チャネルの間に形成される。断面の変化は、階段状および/またはランプ状であり得る。さらに、溶融物チャネルの方向の変化後に、ポリマー溶融物または溶融物流がそれぞれ、単純な静的混合要素によってそれぞれの溶融物チャネルの中心軸から溶融物チャネルの壁の方向に向けられると有利である。
【0103】
上記の段落の特徴を有する装置は、それ自体を解するのであっても、上記の独立請求項とは無関係に、本発明の独立した態様を表すことが、明確に指摘される。したがって、特徴の独立した有利な開示された組み合わせは、以下の通りである。
【0104】
溶融導体であって、特に、マルチチャネルシステムを伴う溶融導体ブロックを有する押出設備の押出ダイ用の溶融分配器または溶融ミキサであり、マルチチャネルシステムは、溶融導体ブロックの内側に三次元的に延在し、溶融導体、特に溶融導体ブロックは、指定されたポリマー溶融物に少なくとも間接的に影響を及ぼすための静的機能要素を有する、溶融導体。
【0105】
本発明の第2の態様では、この課題は、押出製品を製造するための押出設備用の押出ダイによって解決され、押出ダイは、上述の実施形態に係る溶融導体を備え、溶融導体は、少なくとも1つのポリマー溶融物を分配および/または混合するように適合されている。
【0106】
「押出ダイ」は、各々が1つまたは複数の溶融導体ブロックを有する1つまたは複数の溶融導体を備える押出設備のアセンブリである。押出ダイには、溶融導体または溶融導体の溶融導体ブロックのマルチチャネルシステムに少なくとも間接的に導かれるポリマー溶融物が、送られる。押出ダイの上流には、指定されたポリマー溶融物を供給するための押出機などの形態の供給ユニットが配置される。溶融導体またはそれぞれの溶融導体ブロックの下流には、好ましくは押出ダイの一部であり得る少なくとも1つの押出ノズルが配置される。押出ノズルは、押出製品の中間成形または最終成形のために具現化される押出ノズル出力部を有する。
【0107】
あるいは、それぞれの溶融導体ブロックは、それに一体的に接続された押出ノズルを既に備えることができ、または押出ノズルとして形成することができ、または別個の押出ノズルが不要になるように押出ノズルの機能をとることができる。この目的のために、溶融導体ブロックの出力側のマルチチャネルシステムのそれぞれの出力部は、適宜、指定されたポリマー溶融物の霧化が起こるように形成および寸法決めされる。この場合、溶融導体ブロックのすべての出力部の合計は「押出ノズル出力部」と呼ばれ、押出ノズル出力部は、高さおよび幅に関して互いに対する出力部の配置に応じて、所望するように具現化することができる。押出ノズル出力部は、好ましくは、その高さよりも何倍も大きい幅を有する。
【0108】
溶融導体と同様に、別個の押出ノズルおよびそれに対応して押出ノズル出力部も、少なくとも部分的に付加的製造法によって製造することができる。そのような方法は、押出ノズルおよび押出ノズル出力部、ならびに押出ノズルを溶融導体に積極的かつ摩擦で接続するためのそれぞれの接続手段の様々な幾何学形状を製造する、特に複雑でない方法である。
【0109】
押出ダイの押出ノズルは、好ましくは5,000mmを超える、好ましくは6,000mmを超える、または8,000mmを超える幅を有する。押出ダイ、特に押出ノズル出力部の付加的製造によって、これまで不可能であった寸法を達成することができる。特に、押出ノズルおよび押出ノズル出力部は、大きい寸法にすることができる。さらに、摩耗したまたは欠陥のある部品をより迅速に交換することができる。さらに、押出ノズルおよび/または押出ノズル出力部は、特に公差の低い構成要素を正確に嵌合することを可能にするマルチパートであり得る。
【0110】
上記の段落の特徴を有する装置は、それ自体を解するのであっても、上記の独立請求項とは無関係に、本発明の独立した態様を表すことが、明確に指摘される。したがって、特徴の独立した有利な開示された組み合わせは、以下の通りである。
【0111】
溶融導体であって、特に、マルチチャネルシステムを伴う溶融導体ブロックを有する押出設備の押出ダイ用の溶融分配器または溶融ミキサであり、マルチチャネルシステムは、溶融導体ブロックの内側に三次元的に延在し、溶融導体、特に溶融導体ブロックは、5,000mmを超える、好ましくは6,000mmを超える、または8,000mmを超える幅を有する、溶融導体。
【0112】
これに関連して、独立した、独立して有利に開示される特徴の追加の組み合わせは、以下の通りである。
【0113】
5,000mmを超える、好ましくは6,000mmを超える、または8,000mmを超える幅を有する押出ノズル出力部を備える、押出製品を製造するための押出設備用の押出ダイ。
【0114】
本発明の第3の態様では、この課題は、上述のタイプの押出ダイを備える押出製品を製造するための押出設備によって解決される。押出設備は、特に、ポリマー溶融物を加工し、押出製品を製造するために設けられる。押出設備には、サイロおよび/または押出機などを含む供給ユニットによってポリマー溶融物が送られる。そのような押出ダイの利点は、その製造方法に起因して、溶融導体、溶融導体ブロック、存在する任意の押出ノズルおよび/またはノズルに存在する任意の押出ノズル出力部の、例えば修理および/または保守目的のための、特に迅速な容易な交換が可能であることである。さらに、押出ダイは、任意の所望の形状およびサイズ、特に任意の幅を有することができるので、押出製品は、オーバーサイズ、特に広い幅で製造することができる。さらに、並列または直列に切り替えられたいくつかの溶融導体ブロックを有する溶融導体のマルチパートの実施形態は、これまでは不可能であった寸法、特に広い幅の押出製品を製造することが可能である。
【0115】
本発明に係る溶融導体を有する押出設備は、フィラメントまたは繊維を製造するための装置として具現化することができる。このような装置は、一般に、押出ダイまたは溶融導体の溶融導体ブロックにおいてドット状のポリマー溶融物出力部を有し、いくつかの小さなノズル孔が出力側に形成される。エンドレスフィラメントとして、繊維は、例えば、不織布、モノフィラメントもしくはマルチフィラメントまたは小テープを形成する。このプロセスの間、本発明に係る溶融導体は、ポリマー溶融物を分配するための成形押出ダイの溶融分配器として、有利に使用される。
【0116】
特に、本発明に係る溶融導体は、フィラメントを紡糸するための紡糸装置と、フィラメントを冷却するための冷却装置と、フィラメントを延伸するための延伸装置と、フィラメントを堆積させて不織ウェブを形成するための堆積ユニット、特に堆積フィルタベルトと、不織ウェブのフィラメントを凝固させるための凝固ユニットと、不織ウェブを巻き取るための巻き取りユニットとから実質的になる、(スパンボンドラインと呼ばれる)エンドレスフィラメントで作られた不織布を製造するための装置に使用することができる。
【0117】
紡糸装置は、実質的に、少なくとも1つのポリマー成分を押出機または供給ユニット、少なくとも1つの押出機または1つのポリマー成分を圧縮、溶融および搬送するための1つの供給ユニットに投入および送るための少なくとも1つの重量または体積測定的投入ユニットと、ポリマー溶融物から粒子をろ過するための自動クリーニングの有無にかかわらずスクリーン交換器として理想的に作用する少なくとも1つの溶融フィルタと、ポリマー溶融物を搬送するための少なくとも1つの溶融物および/またはビスコースポンプと、ポリマー溶融物を大局的機械方向または装置の「横方向」(CD)に対して実質的に横方向に均一に分配する溶融分配器として形成された少なくとも1つの溶融導体と、場合により、ポリマー溶融物を大局的機械方向に対して横方向にさらに分配するが装置の「機械方向」(MD)と呼ばれる「横方向」(CD)に対して垂直にも分配する溶融分配器として具現化された少なくとも1つの追加の溶融導体と、ポリマー溶融物からフィラメントを製造するための押出ダイの1つまたはマルチパートのノズルダイと、上述のユニットを接続するための剛性および/または可撓性の配管とからなる。本発明に係る溶融導体は、特に、ポリマー溶融物を分配するための溶融分配器として使用される。
【0118】
同様に、本発明は、実質的に、超微細フィラメントを製造し、続いて冷却するための少なくとも1つの吹付装置と、超微細フィラメントを堆積させて不織ウェブを形成するための堆積ユニット、特に堆積ローラと、フィラメントを凝固させて不織ウェブを形成するための凝固ユニットと、不織ウェブを巻き取るための巻き取りユニットとからなる、(製錬および吹付プラントと呼ばれる)超微細エンドレスフィラメントで作られた不織布を製造するための装置に使用することができる。
【0119】
紡糸装置は、実質的に、少なくとも1つのポリマー成分を押出機または供給ユニット、少なくとも1つの押出機または少なくとも1つのポリマー成分を圧縮、および溶融するための1つの供給ユニットに投入および送るための少なくとも1つの重量または体積測定的投入ユニットと、ポリマー溶融物から粒子をろ過するための自動クリーニングの有無にかかわらずスクリーン交換器として理想的に作用する少なくとも1つの溶融フィルタと、ポリマー溶融物に継続的な圧力を構築するための少なくとも1つの溶融物および/またはビスコースポンプと、ポリマー溶融物を装置の「横方向」(CD)に均質に分配する溶融分配器として形成された少なくとも1つの溶融導体と、場合により、ポリマー溶融物を装置の「機械方向」(MD)に付加的に分配する溶融分配器として具現化された少なくとも1つの付加的溶融導体と、ポリマー溶融物から超微細フィラメントを製造するための押出ダイの1つまたはマルチパートのノズルダイと、上述のユニットを接続するための剛性および/または可撓性の配管とからなる。本発明に係る溶融導体は、特に、ポリマー溶融物を分配するための溶融分配器として使用される。
【0120】
別の実施形態では、本発明に係る溶融導体を有する本発明に係る押出設備は、プレートまたは平坦なフィルムを製造するための装置であり得る。そのような装置は、線状ポリマー溶融物出力部が押出ダイ、特に溶融導体の溶融導体ブロックに形成され、押出製品が少なくとも1つの上面および1つの下面を有するようにするという共通点を有する。溶融導体は、ポリマー溶融物を分配するための成形押出ダイの溶融分配器として有利に使用される。
【0121】
さらなる実施形態では、本発明に係る溶融導体は、ポリマー溶融物を供給するためのユニットと、板状ポリマー溶融物ストリームを生成するためのスロットダイまたはダイと、冷却ローラユニットとを含む、フラットフィルム(フラットフィルム線と呼ばれる)を製造するための装置に使用することができる。
【0122】
ポリマー溶融物を提供するためのユニットは、実質的に、少なくとも1つのポリマー成分を押出機に投入および送るための少なくとも1つの重量または体積測定的投入ユニットと、少なくとも1つのポリマー成分を圧縮、溶融および搬送するための少なくとも1つの押出機と、ポリマー溶融物から粒子をろ過するための自動クリーニングの有無にかかわらずスクリーン交換器として理想的に作用する少なくとも1つの溶融フィルタと、任意選択的に、ポリマー溶融物を搬送するための溶融物および/またはビスコースポンプと、任意選択的に、溶融物ストリームの多層構造を作成するための溶融ミキサと、溶融物ストリームを「横断方向」(CD)に分配するための溶融物分配器として具現化された溶融導体と、板状ポリマー溶融物ストリームを形成するためのスロットダイとして形成された押出ノズルと、上記ユニットを接続するための剛性および/または可撓性配管とからなる。溶融導体は、溶融分配器、溶融ミキサ、または両者の組み合わせとして具現化することができる。
【0123】
別の変形形態では、本発明に係る溶融導体を有する本発明に係る押出設備は、パイプ、プロファイルまたは配管を製造するための装置として具現化することができる。そのような装置は、対応する形状の溶融物チャネルガイドおよび/または補助設備によって押出製品の内面および外面を生成するポリマー溶融物出力部を設ける。有利には、本発明に係る溶融導体は、ポリマー溶融物を分配するための成形押出ダイの溶融分配器として使用される。
【0124】
別の変形形態では、本発明に係る溶融導体を有する本発明に係る押出設備は、管状フィルムを製造するための装置として具現化することができる。そのような装置は、環状の隙間を含む押出ダイで少なくとも部分的に円形のポリマー溶融物出力部を有し、押出製品に内面および外面を設ける。本発明に係る溶融導体は、ポリマー溶融物を分配するための成形押出ダイの溶融分配器として、有利に使用される。
【0125】
特に、本発明に係る溶融導体は、実質的にポリマー溶融物を供給するためのユニット、すなわち供給ユニットと、管状フィルムを製造するためのブローヘッドと、管状フィルムを横方向および長手方向の押出方向に取り出して延伸するための取り出しユニットと、管状フィルムを冷却するための冷却ユニットとからなるインフレーションフィルムを製造するための装置(ブロー成形プラントと呼ばれる)に使用することができる。
【0126】
ポリマー溶融物を供給するためのユニット、すなわち供給ユニットは、少なくとも1つのポリマー成分を押出機に投入および送るための少なくとも1つの重量または体積測定的投入ユニットと、少なくとも1つのポリマー成分を圧縮、溶融および搬送するための少なくとも1つの押出機と、ポリマー溶融物から粒子をろ過するための自動洗浄の有無にかかわらずスクリーン交換器として理想的に作用する少なくとも1つの溶融フィルタと、任意選択的に、ポリマー溶融物を搬送するための溶融および/またはビスコースポンプと、上述のユニットと、溶融分配器、特にスパイラルまたはプレート分配器を有する本発明に係る押出ダイとして理解されるべきであるブローヘッドとを接続するための剛性および/または可撓性配管とから実質的になり、ブローヘッドは、スパイラル分配器、特に、1層または多層の環状ポリマー溶融物ストリームを形成するための半径方向スパイラル分配器を有するスロットダイと、管状フィルムを膨張させるための膨張ユニットとを備える。したがって、本発明に係る溶融導体は、特に、ポリマー溶融物を分配するための溶融分配器として使用される。
【0127】
本発明の第4の態様では、この課題は、上述の実施形態に係る押出設備を操作する方法によって解決され、押出設備は、可塑化されてそれぞれのポリマー溶融物を形成する少なくとも1つの押出可能なポリマー、特に少なくとも1つのプラスチックを送られ、ポリマー溶融物は、ポリマー溶融物を分配および/または混合する上述のタイプの溶融導体に送られる。
【0128】
押出可能なポリマーは、例えば、押出設備の一部または別個の構成要素もしくはアセンブリのいずれかであるサイロまたは搬送ユニットを介して、送られる。押出可能なポリマーは、顆粒として、すなわち、実質的に固体の形態で、または少なくとも部分的に溶融した溶融物として、押出設備に送ることができる。
【0129】
押出設備に送られた後、顆粒は、供給ユニット、特に押出機などによって処理され、溶融および/または追加の処理ステップによって可塑化されて、結合および/または分離のためのポリマー溶融物として、溶融導体に送られ得る。分離および/または結合後、ポリマー溶融物を溶融導体から押出ノズルに送ることができ、押出ノズルはポリマー溶融物をさらに処理して押出製品を得る。
【0130】
このような設備の利点は、このような押出ダイを用いると、ポリマーの変更に伴う製品の変更時間がはるかに短くなり、ダイ洗浄前の押出ダイの全体的な動作時間が実質的に長くなるため、はるかに経済的に動作できることである。このため、洗浄時間が最適化される。
【0131】
本発明の枠組みの中で、付加的製造の構成要素として説明される押出設備のすべての構成要素、特に押出ダイ、溶融導体および溶融導体ブロックは、付加的製造および/または鋳造に適した材料から形成される。特に好適な材料は、金属、プラスチックおよび/またはセラミックである。「プラスチック」とは、好ましくは、200℃を超える押出ダイの動作温度を可能にする高性能プラスチックを意図する。セラミックから付加的製造された構成要素、特にセラミックから付加的製造された溶融物チャネルの利点は、堆積物を最小化することである。有利には、ポリマー溶融物と直接接触する溶融物チャネルの表面は、既に利用可能な溶融導体ブロックとは異なる材料から、インライナの形態の一層または多層セラミックシートとして形成される。言い換えれば、それぞれのマルチチャネルシステムのチャネルの部分は、チャネルの表面の改質のための一層または多層セラミックシートを有することができる。しかし、溶融導体ブロック全体を部分的にまたは全体的にセラミックから形成することも考えられる。言い換えれば、マルチチャネルシステムを有する溶融導体ブロックの異なるセグメントは、それぞれの適用事例に対して利点を利用することができる異なる材料からなっていてもよい。それらは、特に、異なる金属、または金属、セラミックおよび/もしくはプラスチックの組み合わせであり得る。
【0132】
溶融導体ブロックおよび/またはマルチチャネルシステムのチャネルの材料に応じて、あるいは、マルチチャネルシステムのチャネルの表面を仕上げるための表面処理を行うことができる。これは、熱処理、化学気相堆積物、物理気相堆積物、浸透などを含むことができる。このようにして、特にマルチチャネルシステムのチャネル表面に1つ以上の層のコーティングが形成され、チャネルの表面の状態に影響を及ぼし、その結果、有利にはポリマー溶融物の流れの特性が改善され、マルチチャネルシステム内の堆積物が減少する。
【0133】
溶融導体ブロックの製造後、マルチチャネルシステムのチャネルの内面およびチャネルのコーティングは、存在する場合、仕上げの処理を施すことができる。これは、マルチチャネルシステムのクリーニングおよび/または洗浄を含むことができる。チャネルの流れのグラインディングも可能である。これらのステップは、マルチチャネルシステム内のいずれかの堆積物を取り外して除去するために、メンテナンスの合間に、または製品の変更の場合にも実行することができる。
【0134】
当然ながら、この場合に達成可能な利点および効果を累積的に達成するために、所望であれば、上記または特許請求の範囲に記載の解決策の特徴を組み合わせることもできる。
【0135】
本発明の他の特徴、効果および利点は、継続的なポリマー処理押出設備および異なる溶融導体の実施形態の例が提示され、例として説明される図および以下の明細書によって、説明される。
【0136】
少なくとも実質的に同じ機能を有する構成要素は、個々の図において同じ参照符号で示すことができる。構成要素は、必ずしもすべての図面において参照および説明されていない。
【図面の簡単な説明】
【0137】
図1】第1の代替形態に係る溶融導体ブロックおよびマルチチャネルシステムを含む溶融導体を有する押出設備の可能な構造の概略図である。
図2】(A)図1に係るマルチチャネルシステムの概略斜視図であり、溶融導体が溶融分配器として具現化されている。(B)指定されたポリマー溶融物の流れの方向の下流の2つの溶融物チャネルの概略的な断面図である。
図3】マルチチャネルシステムの第2の代替実施形態の概略的な斜視図であり、溶融導体は溶融ミキサとして具現化されている。
図4】マルチチャネルシステムの第3の代替実施形態の概略的な斜視図であり、導体は、部分的に溶融分配器として、および部分的に溶融ミキサとして具現化されている。
図5】マルチチャネルシステムの第4の代替実施形態の概略的な斜視図であり、溶融導体は、部分的に溶融ミキサとして、および部分的に溶融分配器として具現化されている。
図6】(A)マルチチャネルシステムの第5の代替実施形態の概略的な斜視図であり、溶融導体は溶融分配器として具現化されている。(B)図6(A)に係る第5の代替実施形態の別の概略的な斜視図である。
図7】(A)マルチチャネルシステムの第6の代替実施形態の概略的な上面図であり、溶融導体は溶融分配器として具現化されている。(B)図7(A)に係る第6の代替実施形態の概略的な斜視図である。(C)図7(A)~図7(C)に係る第6の代替実施形態の別の概略的な斜視図である。
図8】マルチチャネルシステムの第7の代替実施形態の概略的な上面図であり、溶融導体は溶融分配器として具現化されている。
図9】マルチチャネルシステムの第8の代替実施形態の例示的な分岐構造の概略的な斜視図である。
図10】マルチチャネルシステムの第9の代替実施形態の例示的な分岐構造の概略的な斜視図である。
図11】マルチチャネルシステムの第10の代替実施形態の概略的な斜視図であり、溶融導体は溶融分配器として具現化されている。
図12】マルチチャネルシステムの第11の代替実施形態の概略的な斜視図であり、溶融導体は溶融分配器として具現化されている。
図13】(A)マルチチャネルシステムの第12の代替実施形態の概略的な斜視図であり、溶融導体は溶融分配器として具現化されている。(B)図13(A)に係る第12の代替実施形態の概略的な上面図である。(C)図13(A)および図13(B)に係る第12の代替実施形態の別の概略的な斜視図である。(D)図13(A)~図13(Cに係る第12の代替実施形態の別の概略的な斜視図である。
図14】(A)マルチチャネルシステムの第13の代替実施形態の概略的な斜視図であり、溶融導体は溶融分配器として具現化されている。(B)図14(A)に係る第13の代替実施形態の概略的な上面図である。(C)図14(A)と図14(B)に係る第13の代替実施形態の別の概略的な斜視図である。
図15】(A)マルチチャネルシステムの第14の代替実施形態の概略的な斜視図であり、溶融導体は溶融分配器として具現化されている。(B)図15(A)に係る第14の代替実施形態の概略的な上面図である。
図16】(A)マルチチャネルシステムの第15の代替実施形態の概略図であり、溶融導体は溶融分配器として具現化されている。(B)図16(A)に係る第15の代替実施形態の概略的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0138】
図1は、押出設備3の非常に簡略化された図である。押出設備3は供給ユニット23を備え、これは、この場合プラスチック材料のポリマー溶融物24を供給し、処理するように適合される。供給ユニット23は、現在、少なくとも1つの押出可能ポリマー29を可塑化してポリマー溶融物24を形成する押出機(ここでは詳細には提示しない)である。供給ユニット23はまた、同じまたは異なる特性を有する1つまたは複数の異なるポリマー溶融物24を供給するように適合させることができる。ポリマー溶融物24は、供給ユニット23によって押出ダイ2内に継続的に送られ、押出ダイ2は、溶融導体1と、ポリマー溶融物24の指定された流れの方向25の下流にある押出ノズル14とを備える。押出ダイ2は、ポリマー溶融物24が溶融導体1を通って大局的機械方向18に継続的に搬送される継続的に動作する押出設備3に統合され、「下流」および「上流」という表現は、この大局的機械方向18を参照する。
【0139】
この実施形態の第1の例において溶融分配器として適合されている溶融導体1は、溶融導体ブロック4の内側に三次元的に延在するマルチチャネルシステム5を備える溶融導体ブロック4を有する。溶融導体ブロック4は、付加的製造法によって製造され、溶融導体1の交換可能な構成要素として継続的に動作する押出設備3に統合することができる。第1の実施形態に係るマルチチャネルシステム5は、図2(A)に詳細に表されている。
【0140】
供給ユニット23は溶融導体ブロック4の入力側26にフランジ加工され、押出ノズル14は溶融導体ブロック4の出力側27に形成され、それにより押出ノズル14がまた付加的製造法で、すなわち溶融導体ブロック4と共に製造されるようにする。溶融導体ブロック4の出力側27には、マルチチャネルシステム5が開口する収集チャンバ15が形成され、収集チャンバ15は、溶融分配器として具現化された溶融導体1によって分配されたポリマー溶融物24を受け取り、それを押出ノズル14に継続的に送るように適合される。図2(A)~図16(B)において見えるように、マルチチャネルシステム5は、押出ノズル14に送るためにポリマー溶融物24を導いて収集チャンバ15に入れるように適合された出力部7を有する。図1に示す押出ノズル14は、5,000mmを超える幅Bを有する押出ノズル出力部22を有する。幅Bは、押出設備によって製造された押出製品30の幅を画定し、図1ではフィルムとして具現化されている。
【0141】
付加的方法で溶融導体ブロック4を製造する際、複数のハニカム形状の中空チャンバ17を有する中空チャンバシステム16が形成され、中空チャンバシステム16が溶融導体ブロック4を形成するようにする。中空チャンバシステム16は、ここでのみ提案される。溶融導体ブロック4全体を実質的に貫通して延在するのである。中空チャンバシステム16は、同様に付加的製造法で製造されたマルチチャネルシステム5を収容する。したがって、マルチチャネルシステム5は、マルチチャネルシステム5の周りに空間的に配置された中空チャンバシステム16によって支えられる。
【0142】
溶融導体1は、マルチチャネルシステム5内の図2(A)のポリマー溶融物24を、その指定された流れの方向25に関して、この場合は溶融分配器ブロックとして具現化される溶融導体ブロック4の入力側26に配置された入力部6から、いくつかの直列に配置された分岐8、いくつかのレベル9a、9bの副次的分岐10、およびいくつかの介在するレベルの分割された溶融物チャネル11を介して、入力部6に流体接続され、溶融導体ブロック4の出力側27に配置された複数の出力部7に分配する。したがって、マルチチャネルシステム5は、1つの入力部6と、入力部6に流体接続された複数の出力部7とを有する。溶融導体ブロック4の入力側26の入力部6は、結果として、ポリマー溶融物24が溶融導体ブロック4のマルチチャネルシステム5に送られる入力開口として形成される。
【0143】
簡略化のために、図2(A)のマルチチャネルシステム5は、1つの分岐8および2つのレベル9a、9bの副次的分岐10のみを付けて示されている。他の副次的分岐10および溶融物チャネルは、押出ノズル出力部22のそれぞれの幅Bにわたってポリマー溶融物24を分配するために、実質的に同様の方法で形成される。このように、3つ以上のレベルの副次的分岐10も可能である。ポリマー溶融物24の指定された流れの方向25において、第aレベル12aの溶融物チャネル11aは、入力部6と分岐8との間に配置され、第bレベル12bの溶融物チャネル11bの副次的分岐10は、分岐8と第1レベル9aとの間に配置され、第cレベル12cの溶融物チャネル11cの副次的分岐10は、第1レベル9aの副次的分岐10と第2レベル9bの副次的分岐10との間に配置される。第2レベル9bの副次的分岐10の後にはまた、第dレベル12dの溶融物チャネル11dが続く。図2(A)はまた、溶融物チャネル11の数が各レベルで増加することを示す。すなわち、第aレベルの1つの溶融物チャネル11aは、第bレベルの2つの溶融物チャネル11bに分割する。第bレベルの2つの溶融物チャネル11bは、ひいては、それぞれ、第cレベルの2つの溶融物チャネル11cに分割する。すなわち、合計4つの溶融物チャネル11cが形成される、などである。言い換えれば、溶融物チャネル11の数は、流れの方向25で、1のレベルから次のレベルに向かい倍増する。したがって、マルチチャネルシステム5および溶融物チャネル11、分岐8および副次的分岐10の形態にあるその個々の空洞も、付加的製造法によって製造される。さらに、代替実施形態のさらなる説明においてより詳細に説明される収集チャンバ15、局所膨張28または接合部13の形態で、追加の空洞を設けることができる。また、空洞は、分配または混合チャンバ(ここでは図示せず)などとして具現化することができる。
【0144】
この実施形態では、第aレベル12aの溶融物チャネル11aは、第bレベル12bの分割された溶融物チャネル11bの第2の局所的な断面よりも小さい第1の局所的な断面を有する。例えば、第bレベル12bの分割された溶融物チャネル11bのすべての局所的な断面は、第cレベル12cの分割された溶融物チャネル11cの局所的な断面よりも、やはり大きい。
【0145】
あるレベルの溶融物チャネル11の局所的な断面積とそのすぐ上流または下流にあるレベルの溶融物チャネル11との間の関係は、特に、単純な構造の溶融物チャネル11の場合、それぞれの溶融物チャネルの円周および断面積によって決定することができる。これを図2(B)に例示する。ここで、1つの共通溶融物チャネル11aに由来し、分離する少なくとも2つの溶融物チャネル11bの円周Uおよび断面積Aは、
に応じて寸法決めされ、
式中、Uは第1の円周であり、Aは共通溶融物チャネル11aの第1の断面積であり、Uは第2の円周であり、Aは分割された溶融物チャネル11bのうちの1つの第2の断面積であり、nは分割された溶融物チャネル11bの総数であり、xは-0.5以上、好ましくは少なくとも0.5の値、好ましくは少なくとも0.75の値であり、xは最大4の値、好ましくは最大2.5の値、さらに好ましくは最大1.5の値である。
【0146】
それぞれの溶融物チャネルの局所的な断面において、最も狭い場所と最も広い場所とが互いに近接している溶融物チャネルの断面の形状の場合、他方では、分割された溶融物チャネルの数nに応じて、分割される溶融物チャネル11aの第1の断面積Aと、分割される溶融物チャネル11bの第2の断面積Aとの間の関係のみが確立されれば、有利である場合がある。円形の断面の場合、例えば、それぞれの溶融物チャネル11a、11bの局所的な断面の最も狭い位置および最も広い位置は同一であり、直径に対応する。
【0147】
したがって、共通溶融物チャネル11aに由来し、分割された少なくとも2つの溶融物チャネル11bの断面Aは、
=A*(1/n2/y
に応じて寸法決めすることが可能であり、
式中、Aは共通溶融物チャネル11aの第1の断面積であり、Aは分割された溶融物チャネル11bのうちの1つの第2の断面積であり、nは分割された溶融物チャネル11bの総数であり、yは2の値、好ましくは少なくとも2.5の値、さらに好ましくは少なくとも2.85の値を有し、yは最大値7、好ましくは最大値5、さらに好ましくは最大値3.35を有する。これは、マルチチャネルシステム5の溶融物チャネル11が、それぞれの溶融物チャネル11の長さの少なくとも半分、好ましくはそれぞれの溶融物チャネル11の長さの少なくとも2/3、好ましくはそれぞれの溶融物チャネル11の長さの少なくとも3/4にわたって、円形の断面から逸脱する局所的な断面の形状を有する場合に、特に有利である。溶融物チャネル11間のこの幾何学的関係は、上述のすべての実施形態に適用することができる。
【0148】
ここで、第aレベル12aの溶融物チャネル11aは、ポリマー溶融物24の指定された流れの方向25において入力部6に向かって配向され、第bレベル12bの溶融物チャネル11bは、第aレベル12aの溶融物チャネル11aに対して、出力部7に向かって配向される。第cレベル12cの溶融物チャネル11cは、第dレベル12dの溶融物チャネル11dに対して入力部6に向かって配向され、第dレベルの溶融物チャネル11dは、第aレベル12a、第bレベル12b、および第cレベル12cの溶融物チャネル11に対してそれぞれの出力部7に向かって配向される。このように、溶融導体1は、溶融分配器として機能する。
【0149】
図3では、ここには示されていない第2の代替的な溶融導体ブロック4の第2の代替的なマルチチャネルシステム5において、溶融導体1は、図2(A)とは対照的に、押出ダイ2および押出設備3において逆の順序で配置され、したがって、実施形態のこの代替例では、溶融ミキサとして具現化される。これは、溶融導体1が、溶融導体ブロック4の入力側26に複数の入力部6、この場合は8つを有し、それを介して1つまたは最大8つの同一のまたは少なくとも部分的に異なるポリマー溶融物24が、入力部6に流体接続され、溶融導体ブロック4の出力側27に配置された出力部7に組み合わされるという事実に起因する。この場合、溶融導体ブロック4は示されていないが、より明確にするために、マルチチャネルシステム5だけが示されている。マルチチャネルシステム5は、図1および図2(A)の実施形態と実質的に同一に形成される。唯一の違いは、ポリマー溶融物24がマルチチャネルシステム5を通って分配されないが、最大8つの異なるポリマー溶融物24をマルチチャネルシステム5によって組み合わせることができることである。マルチチャネルシステム5は、現在、直列に配置されたいくつかの分岐8、いくつかのレベル9a、9bの副次的分岐10、およびそれらの間に配置されたいくつかのレベル12a、12b、12c、12dの分割された溶融物チャネル11a、11b、11c、11dも有する。しかし、ポリマー溶融物24の指定された流れの方向25に逆行して、すなわち、出力側27から入力側26に見られる。
【0150】
ポリマー溶融物24の指定された流れの方向25とは反対に、第aレベル12aの溶融物チャネル11aは、それぞれの出力部7と分岐8との間に配置され、分岐8と、第1レベル9aの副次的分岐10、第bレベル12bの溶融物チャネル11bとの間、および第1レベル9aの副次的分岐10と、第2レベル9bの副次的分岐10、第cレベル12cの溶融物チャネル11cとの間に配置される。第dレベル12dの溶融物チャネル11dはまた、入力部6に流体接続されたレベルである第2レベル9bの副次的分岐10の下流に配置される。したがって、ポリマー溶融物24の指定された流れの方向25において、溶融物チャネル11の数は、入力部6から出力部7までの各レベルで減少する。すなわち、第dレベル12dの現在の8つの溶融物チャネル11dのうちの2つずつが、第cレベル12cの1つの溶融物チャネル11c、すなわち、第cレベル12cの合計4つの溶融物チャネル11cに結合される。第cレベル12cの4つの溶融物チャネル11cの2つずつが、第bレベル12bの1つの溶融物チャネル11bにやはり結合され、すなわち、合計で第bレベル12bの2つの溶融物チャネル11bが存在し、第bレベル12bの2つの溶融物チャネル11bから、出力部7に直接流体接続された第aレベルの溶融物チャネル11aが形成される。
【0151】
図1および図2(A)の実施形態とは逆に、それぞれの溶融物チャネルレベルの局所的な断面は、それぞれより低いレベルになると、ポリマー溶融物24の指定された流れの方向25に増加していく。第aレベル12aの溶融物チャネル11aは、ポリマー溶融物24の指定された流れの方向25において出力部7に向かって配向され、第bレベル12bの溶融物チャネル11bは、第aレベル12aの溶融物チャネル11aに対して、入力部6に向かって配向される。第cレベル12cの溶融物チャネル11cは、第dレベル12dの溶融物チャネル11dに対して出力部7に向かって配向され、第dレベル12dの溶融物チャネル11dは、第aレベル12a、第bレベル12b、および第cレベル12cの溶融物チャネル11a、11b、11cに対して入力部6に向かって配向される。これにより、溶融導体1は、溶融ミキサとして機能する。
【0152】
図4は、ここには示されていない第3の代替的な溶融導体ブロック4の第3の代替的なマルチチャネルシステムを示す。本マルチチャネルシステム5は、一部が溶融分配器として形成され、一部が溶融ミキサとして形成される溶融導体1の組み合わせとして形成される。溶融導体ブロック4の入力側には、まずマルチチャネルシステム5に入る入力部6が設けられ、第aレベル12aの溶融物チャネル11aは、図2(A)の実施形態と同様に、第dレベル12dの複数の溶融物チャネル11dに分離される。第dレベル12dの溶融物チャネル11dから始まってポリマー溶融物の指定された流れの方向25のさらに下流では、溶融物チャネル11は、第c'レベル12c'および第b'レベル12b'の溶融物チャネル11c、11bを介して、第aレベル12a'の溶融物チャネルまで、または出力部7まで、それぞれ、図3の実施形態と同様の方法で、再び結合される。
【0153】
図5には、第4の代替的な溶融導体ブロック4(図示せず)の第4の代替的なマルチチャネルシステム5が示されており、部分的に溶融ミキサとして、また部分的に溶融分配器として形成された溶融導体1の組み合わせが同様にここに示されている。しかし、機能する方法は、図4の実施形態に示されるものとは反対である。溶融導体ブロック4は、その入力側26に、マルチチャネルシステム5へのいくつかの入力部6を有し、入力部6に流体的に直接接続された第dレベル12dの溶融物チャネル11dは、図3の実施形態の例と同様に、ポリマー溶融物24の指定された流れの方向25に沿って、あるレベルから他のレベル、最大で第aレベル12aの溶融物チャネル11aまで組み合わされる。さらに下流では、第aレベル12aのこの溶融物チャネル11aは、図2(A)および図2(B)の実施形態と同様の方法で、分岐8を介してあるレベルから他のレベルまで、いくつかのレベル9a'、9b'の副次的分岐10、ならびに介在レベル12b'、12c'、12d'の溶融物チャネル11b、11c、11dに、複数の出力部7が溶融導体ブロック4の出力側27に配置されるまで、分割される。
【0154】
図4の実施形態および図5の実施形態に係るマルチチャネルシステム5は、本明細書に記載の形状および配置に限定されない。また、それぞれのマルチチャネルシステム5の上流および/または下流に、溶融分配器および/または溶融ミキサとして形成された追加の部分を設けることも可能であり、これは必要に応じて具現化する、および組み合わせることができる。しかし、ポリマー溶融物24が、どの溶融物チャネル11または溶融物チャネルシーケンスを通って流れるかとは無関係に、出力部7で常に同じ溶融の経緯を有する場合に、有利である。したがって、第dレベル12dの8つの溶融物チャネル11dの場合、ポリマー溶融物24は、最大8つの異なる溶融物ストリームに分割される。これに関連してポリマー溶融物24の「同じ経緯」とは、ポリマー溶融物24のすべての溶融物ストリームが出力部7に到達したときにマルチチャネルシステム5を経る同じ経路を通過し、同じ数の溶融物チャネル11、分岐8、および副次的分岐10を流れたことを意味する。
【0155】
以下で説明する図6(A)~図16(B)に係る実施形態は、溶融分配器として形成された溶融導体1のみを指し、マルチチャネルシステム5のポリマー溶融物24は、それぞれの入力部6から複数の出力部7に分配される。したがって、溶融物チャネル11のレベルならびに分岐8のレベルおよび副次的分岐10のレベルの配置および番号付けは、図1および図2(A)に示す第1の実施形態と同様である。当然ながら、以下の実施形態は、溶融ミキサとして、または溶融ミキサと溶融分配器との任意の組み合わせとして溶融導体1を実装するのにも適している。
【0156】
図1図5に係る実施形態では、マルチチャネルシステム5は、いずれの場合も、実質的に1つの平面に位置するように形成され、それぞれの入力部6および出力部7ならびにすべての溶融物チャネル11、分岐8および副次的分岐10は、結果的に1つの共通平面に配置される。したがって、マルチチャネルシステム5を形成するために少なくとも3つの自由度が使用される。
【0157】
対照的に、ここには示されていない第5の代替的な溶融導体ブロック4の第5の代替的なマルチチャネルシステム5が図6(A)および図6(B)に示されており、マルチチャネルシステム5が、5つの自由度を使用して、空間内で三次元に分岐している。図6(B)に明確に示すように、溶融物チャネル11は、入力部6から始まってポリマー溶融物24の流れの方向に延在し、少なくとも部分的に下向きに、左に、右に、リーフのレベルに出入りするいくつかのレベルにわたって分配される。したがって、入力部6に流体接続された溶融物チャネル11は、分岐8および副次的分岐10を越えて出力部7に分岐し、出力部7は、本構成では2つの実質的に平行な平面に分配され、第1レベル9aの副次的分岐10は、第cレベル12bの溶融物チャネル11cが第bレベルの溶融物チャネル11bに対して実質的に90°回転して延在するように形成され、第cレベルの各溶融物チャネル11cから開始して、別個の分配システム29a~29dが形成されている。第1および第2の分配システム29a、29bは、1つの平面に配置され、第3および第4の分配システム29c、29dは、第2の平面に配置され、2つの平面は、実質的に平行に配置される。
【0158】
このような溶融導体1によって、ポリマー溶融物24を、図2(A)と同様の方法で幅が均一に分配させるだけでなく、それを横切る方向、すなわち、視界の方向に応じて高さまたは深さで均一に分配させることが容易な方法で可能であり、その結果、ポリマー溶融物24は、比較的大きな表面で、溶融導体ブロック4から出ることができる。これは、フィラメントまたはエンドレスフィラメントを製造するために、特に多列ノズルダイによってスパンボンド布地を製造するのに、特に適している。
【0159】
溶融物チャネル11に対する分岐8および副次的分岐10の配置、ならびに三次元空間におけるそれらの配置とは無関係に、溶融物チャネル11の局所的な断面は、あるレベルから次のレベルへと出力部7まで減少し、各レベル12a~12eの溶融物チャネル11は、すべての分配システム29a~29dにおいて常に対称的に形成され、ポリマー溶融物24の分離された溶融物ストリームは同じ溶融の経緯を有する。
【0160】
したがって、第1および第2の分配システム29a、29bの出力部7または第1の平面の出力部7は、それぞれ、理論的にはまっすぐな第1の線に位置し、第3および第4の分配システム29c、29dの出力部7または第2の平面の出力部7は、理論的にはまっすぐな第2の線に位置する。両方の線および両平面は、互いに平行に配置される。すべての溶融物チャネル11が単一の入力部6に接続されているため、すべての溶融物ストリームは、同じポリマー溶融物24を搬送することにより、それぞれの出力部7において同じ材料特性を有する。
【0161】
図7(A)~図7(D)において、ここには示されていない第6の代替的な溶融導体ブロック4の、第6の代替的なマルチチャネルシステム5が示されており、マルチチャネルシステム5は、ここでは6つの自由度を使用して三次元的に空間に分割されている。この実施形態では、第bレベル12bの2つの溶融物チャネル11bは、大局的機械方向18に対向して部分的に延在することが示されている。大局的機械方向18は、ポリマー溶融物24の指定された溶融物ストリームの入力部6から出力部7に至る。第bレベル12bのすべての溶融物チャネル11bは、実施形態およびそれぞれの溶融物チャネル11の延在に応じて、溶融物チャネル11の長手方向に、同じまたは変化する配向を常に有することができる局所的機械方向19を有する。局所的機械方向19が少なくとも部分的に大局的機械方向18と反対に延びる場合に有利であり得る。これは特に図7(A)に示されている。
【0162】
この場合、マルチチャネルシステム5の入力部6および出力部7は、実質的に第1の平面に配置され、第bレベル12bの溶融物チャネル11bは、第1レベル9aの副次的分岐10が第1の平面に平行な第2の平面に配置されるように、この第1の平面に対して部分的に横方向に延在する。第cレベル12cの取り付けられた溶融物チャネル11cは、部分的に第2の平面に延在し、ポリマー溶融物24のさらなる分配のために第1の平面に戻される。溶融物チャネル11を空間内で三次元的に誘導することによって、特に溶融物チャネル11の局所的機械方向19を、部分的に大局的機械方向18に逆らうよう誘導することによって、ポリマー溶融物24は、より小さい軸方向構築空間にわたって、すなわち溶融導体1の大局的機械方向18に分配される。このようにして、溶融導体1をよりコンパクトに構成することができる。
【0163】
図8は、第7の代替的なマルチチャネルシステム5を有する溶融導体1の第7の代替的な溶融導体ブロック4を示し、三次元的に延在するマルチチャネルシステム5は、溶融物チャネル11の配置、構造化、および誘導に関して図7のマルチチャネルシステム5と同様の方法で具現化される。示されているのは、ここでは直方体として概略的にのみ示されている溶融導体ブロック4のマルチチャネルシステム5の可能な配置であり、溶融導体ブロック4は、空間内の溶融物チャネル11の三次元的な誘導により、大局的機械方向18に、比較的大きい幅と、同時に低い構造的高さおよび低次の軸方向の長さで、構成することができる。このような溶融導体ブロック4を用いて、特に幅1メートル当たり20から10,000個の個々のフィラメントを有する不織布を製造できるように、ポリマー溶融物24を分配することが可能である。
【0164】
図9は、第8の代替的なマルチチャネルシステム5の第8の代替実施形態におけるマルチチャネルシステム5の分岐8または副次的分岐10の例示的な実施形態を示す。溶融分配器として少なくとも部分的に具現化された溶融導体1の場合、第aレベル12aの溶融物チャネル11aは、分岐8を介して第bレベル12bの3つの溶融物チャネル11bに分割することができることが示されている。第bレベル12bの3つの溶融物チャネル11bは、第aレベル12aの溶融物チャネル11aの周りに均等に分配して配置される。第aレベル12aの溶融物チャネル11aの周りの不規則な配置も考えられる。逆に、少なくとも部分的に溶融ミキサとして形成された溶融導体1では、3つの溶融物チャネル11bを1つの溶融物チャネル11aに結合させることができる。
【0165】
図10は、第9の代替的なマルチチャネルシステム5の第9の代替実施形態におけるマルチチャネルシステム5の分岐8または副次的分岐10の例示的な実施形態を示す。溶融分配器として少なくとも部分的に具現化された溶融導体1の場合、第aレベル12aの溶融物チャネル11aは、分岐8を介して第bレベル12bの4つの溶融物チャネル11bに分割することができることが示されている。第bレベル12bの4つの溶融物チャネル11bは、第aレベル12aの溶融物チャネル11aの周りに均等に分配されて配置される。ここでも、第aレベル12aの溶融物チャネル11aの周りの不規則な配置がまた考えられる。逆に、少なくとも部分的に溶融ミキサ1として具現化された溶融導体を用いて、4つの溶融物チャネル11bを1つの共通溶融物チャネル11aに組み合わせることができる。
【0166】
図11は、第10の代替的なマルチチャネルシステム5を伴う第10の実施形態の例を示す。マルチチャネルシステム5は、図1のマルチチャネルシステム5と実質的に同じである。主な違いは、ここでは第cレベル12cの溶融物チャネル11cの領域にある溶融分配器ブロック4がそれぞれ、指定されたポリマー溶融物24に影響を及ぼすための静的混合要素の形態の静的機能要素21を有することである。それぞれの機能要素21は、第cレベル12cの溶融物チャネル11cの局所的な広がり28の中に配置され、第cレベル12cの溶融物チャネル11cの内側に誘導され分配されるポリマー溶融物24の混合を実施する。このようにして、それぞれの溶融物チャネル11内で誘導されるポリマー溶融物24の溶融物ストランドの均一な分配、特にその流れおよび材料特性を保証することができる。したがって、それぞれの機能要素21は、第1レベル9aの副次的分岐10と第2レベル9bの副次的分岐10との間の第cレベル12cの溶融物チャネル11cのうちの1つに配置される。局所的な広がり28の前後で、第cレベル12cのそれぞれの溶融物チャネル11cの断面の寸法および形状は、実質的に等しい。あるいは、静的混合要素は、局所的な膨張ではなく、それぞれの溶融物チャネル11に直接配置することもできる。
【0167】
図12は、第11の代替的なマルチチャネルシステム5を伴う第11の実施形態の例を示す。マルチチャネルシステム5は、図6(A)および図6(B)のマルチチャネルシステム5と同じである。さらに、溶融導体ブロック4は、マルチチャネルシステム5の溶融物チャネル11の間、ここでは分配システム29a、29b、29c、29dの2つのレベルの間に、空間的に延在する媒体チャネル20を有し、流体での誘導を実施する。流体での誘導は、溶融導体ブロック4、したがってマルチチャネルシステム5内で誘導されるポリマー溶融物24の温度制御に使用される。媒体チャネル20は、マルチチャネルシステム5の溶融物チャネル11に流体接続されておらず、押出設備3の動作中に溶融導体1、特に溶融導体ブロック4a~4eの温度制御を実施する。さらに、溶融分配器ブロック4のマルチチャネルシステム5の溶融物チャネル11から流体的に分離して配置された、任意の構造の任意の数の追加の媒体チャネルを設けることができる。追加の媒体チャネルは、例えば電線および/または測定ユニットを収容するように適合された乾燥シャフトとして具現化することもできる。
【0168】
以下の図13(A)~図15(B)の実施形態の例に係ると、溶融導体ブロック4は、流体的に分離された第1のマルチチャネルシステム5aおよび第2のマルチチャネルシステム5bを有し、いずれの問題もなく3つ以上のマルチチャネルシステムがまた考えられる。
【0169】
図13(A)~図13(D)は、2つのマルチチャネルシステム5a、5bが互いに流体的に分離されるように具現化される第12の代替実施形態を示す。言い換えれば、第1のポリマー溶融物24は第1のマルチチャネルシステム5aの第1の入力部6aに導かれ、第2のポリマー溶融物24は第2のマルチチャネルシステム5bの第2の入力部6bに導かれ、2つのポリマー溶融物24は同一のまたは異なる特性を有することができる。各マルチチャネルシステム5a、5bは、それぞれのポリマー溶融物24を送るためのそれぞれの入力部6a、6bと、ポリマー溶融物24を押出ノズル(ここでは図示せず)に送るための複数の出力部7a、7bとを有する。第1のマルチチャネルシステム5aは、図2(A)のマルチチャネルシステム5と実質的に同様の方法で具現化される。したがって、簡潔性のために同一の参照符号を繰り返すことは省いて、それぞれの説明を参照する。
【0170】
第2のマルチチャネルシステム5bの第aレベル12aの溶融物チャネル11aは、第2のマルチチャネルシステム5bの入力部6aから開始して、第1のマルチチャネルシステム5aの第aレベル12aの溶融物チャネル11aに最初に平行に延在する。しかし、第bレベル12bの溶融物チャネル11bは、分岐8に続いて、第2のマルチチャネルシステム5bの第bレベル12b、第cレベル12c、および第dレベル12dの溶融物チャネル11が、第1のマルチチャネルシステム5aに向かって延在し、各レベルの上昇で第1のマルチチャネルシステム5aの溶融物チャネル11に継続的に接近するように、第1のマルチチャネルシステム5aに対して、ここでは45°回転される。これにより、第2のマルチチャネルシステム5bの出力部7bが第1のマルチチャネルシステム5aの出力部7aの比較的近くに接近し、第2のマルチチャネルシステム5bによって分配されたポリマー溶融物の溶融物ストリームが、第1のマルチチャネルシステム5aによって分配されたポリマー溶融物24の溶融物ストリームから比較的短い距離で出力部7a、7bの領域に出る。
【0171】
図13(A)の正面図において、第1のマルチチャネルシステム5aの出力部7aと、第2のマルチチャネルシステム5bの出力部7bとは、互いに離間して直列に配置されている。さらに、第1のマルチチャネルシステム5aの第1の出力部7aは第1の直線に配置され、第2のマルチチャネルシステム5bの第2の出力部7bは第2の直線に配置され、これらの直線は実質的に平行に配置される。言い換えれば、それぞれのマルチチャネルシステム5a、5bの出力部7a、7bは、互いに平行に配置された2つの平面に配置されている。このようにして、層が同一または異なる材料特性を有することができる2層フィルムのウェブを製造することができる。
【0172】
図14(A)~図14(C)に係る第13の代替実施形態は、先に説明した図13(A)~図13(D)に係る実施形態と同一の第13の代替実施形態を示す。主な違いは、単純に、マルチチャネルシステム5a、5bの出力部7a、7bが、互いに前後に配置されず、指定された流れの方向25またはそれぞれのポリマー溶融物24の大局的機械方向18に対して横方向に、互いに対してオフセットして配置されることである。
【0173】
これは、図14(C)において特に良好に見ることができる。第1のマルチチャネルシステム5aの各出力部7aは、第2のマルチチャネルシステム5bの2つの出力部7bの間に配置される。2つのマルチチャネルシステム5a、5bは、互いに空間的にオフセットして配置されている。これにより、マルチチャネルシステム5a、5bの出力部7a、7bを、図13(A)~13(D)の実施形態よりもはるかに密接に、相互に接近させることができる。
【0174】
図15(A)および図15(B)は、2つのマルチチャネルシステム5a、5bが互いに流体的に分離されている第14の代替実施形態を示す。第1のポリマー溶融物24は第1のマルチチャネルシステム5aの第1の入力部6aに送られ、第2のポリマー溶融物24は第2のマルチチャネルシステム5bの第2の入力部6bに送られ、ポリマー溶融物は同じまたは異なる特性を有することができる。したがって、各マルチチャネルシステム5a、5bは、それぞれのポリマー溶融物24を送るためのそれぞれの入力部6a、6bと、それぞれのポリマー溶融物24を押出ノズル14に送るための複数の出力部7a、7bとを有する。第1のマルチチャネルシステム5aは、図6(A)および図6(B)のマルチチャネルシステム5と実質的に同様の方法で形成され、第bレベル12bの溶融物チャネル11bがそれぞれ別個の分配システム29a、29b、29c、29dに分岐する。したがって、第1のマルチチャネルシステム5aの溶融物チャネル11の配置については、図6(A)および図6(B)の説明を参照する。簡単にするために、絶対に必要というわけでない限り、同一の参照符号の繰り返しは省かれる。
【0175】
第2のマルチチャネルシステム5bは、図2(A)の実施形態と実質的に同一に形成される。唯一の違いは、第2のマルチチャネルシステム5bの第aレベル12aの溶融物チャネル11aが、第2のマルチチャネルシステム5bの第cレベル12cおよび第dレベル12dの溶融物チャネル11c、11dに対してオフセットされていることである。ここで、第1のマルチチャネルシステム5aは、5つのレベル12a~12eの溶融物チャネル11a~11e(図6(A)および図6(B)と同様である)を有し、第2のマルチチャネルシステム5bは、4つのレベル12a~12dの溶融物チャネル11a~11dを有する。
【0176】
第1のマルチチャネルシステム5aの第1の入力部6aは中央に配置され、第2のマルチチャネルシステム5bの第2の入力部6bはそれと平行に、したがってマルチチャネルシステム5a、5bの流体分離のために偏心して配置される。第1のマルチチャネルシステム5aの第aレベル12aの溶融物チャネル11aは、中心軸Mに平行であり、第cおよび第dレベル12c、12dの溶融物チャネル11c、11dならびに第2のマルチチャネルシステム5bの出力部7bは、中心軸Mおよび第1のマルチチャネルシステム5aの入力部6aに配置されている。したがって、第2のマルチチャネルシステム5bの第bレベル12bの溶融物チャネル11bは、ポリマー溶融物24が第1のマルチチャネルシステム5aの第aレベル12aの溶融物チャネル11aから中心軸Mに向けられるように具現化される。このようにして、第1および第2の分配システム29a、29b、ならびに第3および第4の分配システム29c、29dの出力部7aが、第2のマルチチャネルシステム5bの出力部7bから等距離に配置されることが達成される。
【0177】
言い換えると、第1のマルチチャネルシステム5aの第1の出力部7aは、部分的に第1の直線に配置され、部分的に第2の直線に配置され、第2のマルチチャネルシステム5bの第2の出力部7bは、第3の直線に配置される。3本の線は実質的に平行である。言い換えれば、それぞれのマルチチャネルシステム5a、5bの出力部7a、7bは、互いに平行な平面に配置される。このようにして、外層が第1の材料特性を有し、内層が第2の材料特性を有する外層によって囲まれた、3層フィルムのウェブを製造することができる。これは、例えば、第2のマルチチャネルシステム5bによって内面に分配されたポリマー溶融物24がリサイクルの材料からなり、2つの外面にわたる第1のマルチチャネルシステム5aによって分配されたポリマー溶融物24が未使用の材料で作られている場合、持続的に製造される押出製品のために、有利であり得る。これは、未使用材料を節約し、同時にリサイクルの材料を再利用するのを促す。
【0178】
図16(A)および図16(B)は、2つのマルチチャネルシステム5a、5bが同様に形成される第15の実施形態を、図13(A)~図13(D)の実施形態と実質的に同様の方法で示す。2つのマルチチャネルシステム5a、5bは最初に流体的に分離され、第1のポリマー溶融物24は第1のマルチチャネルシステム5aの第1の入力部6aに送られ、第2のポリマー溶融物24は第2のマルチチャネルシステム5aの第2の入力部6bに送られる。図13(A)~図13(D)の実施形態との違いは、実質的に、マルチチャネルシステム5a、5bのすべてが別個の出力部7a、7bを有するのではなく、第1のマルチチャネルシステム5aが第2のマルチチャネルシステム5bとの接合部13を有し、それにより、一般的に使用される出力部7がマルチチャネルシステム5a、5bの出力部側に設けられるという事実にある。ここで、両方のマルチチャネルシステム5a、5bのポリマー溶融物24は、溶融導体ブロック4を出る前に短時間接合されるだけである。このようにして、2つのポリマー溶融物24の特性は大きく維持され、その後の噴霧化は単にポリマー溶融物24の相互の接着をもたらす。したがって、異なるポリマー溶融物24の特性は、押出製品の要件に応じて最適に調整することができる。代替として、ポリマー溶融物の特に良好な混合を達成するために、第1および第2のマルチチャネルシステム5a、5bからのポリマー溶融物24を、より早く接合することが可能である。
【0179】
この点で、上記、特許請求の範囲または図面に記載された解決策の特徴は、所望であれば、特徴、効果、および利点を累積的に達成するように組み合わせることもできることが明確に指摘される。図1から図10の実施形態も、2つ以上のマルチチャネルシステムで実施することもできることがまた、明示的に言及される。これらについて、また図16(B)までの他の実施形態についても、溶融導体ブロック4は、3つのマルチチャネルシステム、4つのマルチチャネルシステム、5つ以上のマルチチャネルシステムで具現化することもできると言うことができる。
【0180】
上記で説明した実施形態は、本発明の第1の実施形態、特に本発明に係る溶融導体、押出ダイ、および押出設備のみであることが理解される。したがって、本発明の実装形態はこれらの実施形態に限定されない。本出願書類に開示されたすべての特徴は、それらが個別にまたは最新技術に関して組み合わせて新規である限り、本発明に不可欠であると主張される。
【0181】
ここに示される実施形態は、本発明の単なる例であり、したがって、限定するものとして理解されるべきではない。当業者によって考慮される代替の実施形態は、本発明の保護範囲に等しく含まれる。
【符号の説明】
【0182】
1 溶融導体
2 押出ダイ
3 押出設備
4 溶融導体ブロック
5 マルチチャネルシステム
5a 第1のマルチチャネルシステム
5b 第2のマルチチャネルシステム
6 マルチチャネルシステムの入力部
6a 第1のマルチチャネルシステムの入力部
6b 第2のマルチチャネルシステムの入力部
7 マルチチャネルシステムの出力部
7a 第1のマルチチャネルシステムの出力部
7b 第2のマルチチャネルシステムの出力部
8 分岐
9a 第1のレベルの分岐
9b 第2のレベルの分岐
9c 第3のレベルの分岐
10 副次的分岐
11 溶融物チャネル
11a 第1のレベルの分割された溶融物チャネル
11b 第2のレベルの分割された溶融物チャネル
11c 第3のレベルの分割された溶融物チャネル
11d 第4のレベルの分割された溶融物チャネル
11e 第5のレベルの分割された溶融物チャネル
12a 第aレベルの溶融物チャネル
12a' 第a'レベルの溶融物チャネル
12b 第bレベルの溶融物チャネル
12b' 第b'レベルの溶融物チャネル
12c 第cレベルの溶融物チャネル
12c' 第c'レベルの溶融物チャネル
12d 第dレベルの溶融物チャネル
12d' 第d'レベルの溶融物チャネル
12e 第eレベルの溶融物チャネル
13 接合部
14 押出ノズル
15 収集チャンバ
16 中空チャンバシステム
17 中空チャンバ
18 大局的機械方向
19 局所的機械方向
20 媒体チャネル
21 静的機能要素
22 押出ノズル出力部
23 供給ユニット
24 ポリマー溶融物
25 ポリマー溶融物の流れの方向
26 溶融導体ブロックの入力側
27 溶融導体ブロックの出力側
28 溶融物チャネルの局所的な膨張
29 ポリマー
30 押出製品
分割される溶融物チャネルの第1の断面積
分割された溶融物チャネルの第2の断面積
B 押出ノズル出力部の幅
分割された溶融物チャネルの総数
分割される溶融物チャネルの第1の円周
分割された溶融物チャネルの第2の円周
M 中心軸
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図16A
図16B
【国際調査報告】