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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】動物検出
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/246 20170101AFI20221207BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20221207BHJP
   G06T 7/62 20170101ALI20221207BHJP
   A01M 23/38 20060101ALI20221207BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
G06T7/246
G06T7/70 Z
G06T7/62
A01M23/38
H04N7/18 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521643
(86)(22)【出願日】2020-10-12
(85)【翻訳文提出日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 IB2020059554
(87)【国際公開番号】W WO2021070153
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】1914775.0
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522142992
【氏名又は名称】コーカス・コネクト・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【弁理士】
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】コク,テレンス
(72)【発明者】
【氏名】ケイ,マシュー・バーギーズ
【テーマコード(参考)】
2B121
5C054
5L096
【Fターム(参考)】
2B121AA01
2B121AA02
2B121AA03
2B121DA63
2B121DA70
2B121EA01
2B121FA14
5C054CA10
5C054FC12
5C054FE00
5C054HA18
5L096BA02
5L096CA18
5L096CA27
5L096FA64
5L096FA67
5L096FA69
5L096FA81
5L096HA04
5L096JA11
(57)【要約】
本発明は、温血動物(300)の検出用の装置(10)および方法に関する。より詳細には、本発明は、哺乳類、特に齧歯類などの害獣の検出、およびその情報に関連するデータ(180)の送信に関するが、それらに限らない。本発明は、熱撮像カメラ(50)、センサ(30)、およびマイクロコントローラ(40)を利用して、配列(100)上のデータを取得し、データをコンパクトな形でワイヤレス(190)に送信するより前に、データを判断する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出区域(20)内の対象の温血動物(300)の存在を識別するための検出装置(10)であって、
i)トリガされると、バッテリ(150)によって電力供給されるマイクロコントローラユニット(MCU)(40)を起動する(42)センサ(30)と、
ii)前記検出区域(20)内の前記温血動物(300)を検出するために配置された熱撮像カメラ(50)と、
iii)温度(70)および位置(80)を取得し、それを配列(100)上の複数の座標(90)として表示するための手段(50)と、
iv)温度強度(72)および位置エリア(82)のうちの少なくとも1つを照会し、アルゴリズム(112)および機械学習に基づいて、関連付けられた位置(80)を有するインジケータ信号(140)を記録(120)または拒絶(130)し、座標に関連付けられた単なる数値などの、単なる定量的または定性的な形状に関連付けられる生成物としてデータを単に記憶する計算手段(110)と、
v)対象動物(300)の前記存在を示すデータ(180)を送信するための信号機(190)と
を備える、検出装置(10)。
【請求項2】
動物のサイズを区別することができる、請求項1に記載の検出装置(10)。
【請求項3】
前記動物の移動方向を特定することができる、請求項1または2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記熱撮像カメラが前記検出区域の上方に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項5】
前記熱撮像カメラが少なくとも90度の視野を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項6】
前記熱撮像カメラが約110度の視野を有する、請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記信号機(190)がリアルタイムでデータ(180)を送信するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項8】
インターネット対応の害獣駆除管理システムの中に統合される、請求項1から7のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項9】
バッテリ(150)、マイクロコントローラ(40)、および信号機(190)を封じる筐体(200)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項10】
前記熱撮像カメラ(50)と前記検出区域(20)上のポイント(22)との間の垂直距離(d)を較正するための距離センサ(60)をさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項11】
温血動物を検出する方法であって、
i)検出区域(20)の上方に検出装置(10)を据え付けるステップと、
ii)マイクロコントローラユニット(MCU)(40)の起動(42)をトリガするモーションセンサを使用して前記動物の存在を検出するステップと、
iii)熱撮像カメラ(50)を使用して前記動物の存在を識別し、温度(70)および位置(80)の検知を使用して対象動物を識別するステップと
iv)取得されたデータに基づいて、信号機(190)を介してユーザにデータ(180)を送信して、前記対象動物の前記存在を前記ユーザに知らせるステップと
を含み、
前記装置が、温度(70)および位置(80)を取得するための手段(50)を利用し、それを配列(100)上の複数の座標(90)として表示し、温度強度(72)および位置エリア(82)のうちの少なくとも1つを照会し、アルゴリズム(112)および機械学習に基づいて、関連付けられた位置(80)を有する信号(140)を記録(120)または拒絶(130)し、座標に関連付けられた単なる数値などの、単なる定量的または定性的な形状に関連付けられる生成物としてデータを単に記憶する、
方法。
【請求項12】
センサを使用して、前記熱撮像カメラと前記検出区域(20)上のポイント(22)との間の距離に関して前記装置を較正する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
バッテリ寿命を制御するために、前記マイクロコントローラユニットをオンにするためのモーションセンサが使用される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
実質的に図5に示された動作フローを含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、温血動物の検出に関する。より詳細には、本発明は、哺乳類、特に齧歯類などの害獣の検出に関するが、それらに限らない。
【背景技術】
【0002】
[0002]害獣駆除業は、害獣を検出するために様々なセンサ技術を使用する。これらは、特に識別力があるのではなく(特定の害獣を識別することができず)、誤検出を報告する傾向があり、そのために、不正確なデータにより担当者が現場に行くことから、その運用は高額なものとなる。
【0003】
[0003]また、それらがもたらす挙動情報はあっても少ないので、原因となる問題に対処することができない。
【0004】
[0004]確認された従来技術には以下が含まれる。
【0005】
[0005]画像を取得し処理するための画像処理センサシステムに関するUS2010/214408。
【0006】
[0006]カメラに接続されたモーション検出器を含むセキュリティシステムに関するUS2007/230744。
【0007】
[0007]保護地域内の対象動物を検出するためのシステムに関するWO2015/139091。
【0008】
[0008]動物妨害装置であるUS2018/177178。
【0009】
[0009]本発明は、より洞察力のあるデータを提供し、それにより、ネズミなどの害獣のより効率的な管理を可能にする、リアルタイムの情報を収集し報告することを追求する。
【0010】
[0010]本発明はまた、電気およびWIFIへのアクセスが制限される可能性がある現場状況に装置を設置することができるような、データおよびバッテリ寿命の管理に関する。
【発明の概要】
【0011】
[0011]概して、検出区域内の対象の温血動物の存在を識別するための検出装置が提供され、この検出装置は、
i)トリガされると、バッテリによって電力供給されるマイクロコントローラユニット(MCU)を起動するセンサと、
ii)検出区域内の温血動物を検出するために配置された熱撮像カメラと、
iii)温度および位置を取得し、それを配列上の複数の座標として表示するための手段と、
iv)温度強度および位置エリアのうちの少なくとも1つを照会し、アルゴリズムに基づいて、関連付けられた位置を有するインジケータ信号を記録または拒絶する計算手段と、
v)対象動物の存在を示すデータを送信するための信号機と、
を備える。
【0012】
[0012]本発明の第1の態様によれば、検出区域(20)内の対象の温血動物(300)の存在を識別するための検出装置(10)が提供され、この検出装置は、
i)トリガされると、バッテリ(150)によって電力供給されるマイクロコントローラユニット(MCU)(40)を起動する(42)センサ(30)と、
ii)検出区域(20)内の温血動物(300)を検出するために配置された熱撮像カメラ(50)と、
iii)温度(70)および位置(80)を取得し、それを配列(100)上の複数の座標(90)として表示するための手段(50)と、
iv)温度強度(72)および位置エリア(82)のうちの少なくとも1つを照会し、アルゴリズム(112)および機械学習に基づいて、関連付けられた位置(80)を有するインジケータ信号(140)を記録(120)または拒絶(130)し、座標に関連付けられた単なる数値などの、単なる定量的または定性的な形状に関連付けられる生成物(product)としてデータを単に記憶する計算手段(110)と、
v)対象動物(300)の存在を示すデータ(180)を送信するための信号機(190)と、
を備える。
【0013】
[0013]好ましくは、信号が対象の温血動物ではなかったと計算手段が判断した場合、計算手段は、MCUをスリープモードに戻し、バッテリの電力を保存する。
【0014】
[0014]信号が対象の温血動物のようであったと計算手段が判断した場合、計算手段は、事前決定された時間内に動物が移動したかどうかを判定し、さらなる移動なしに事前決定された時間が経過した場合、MCUをスリープモードに戻す。あるいは、事前決定された時間内にさらなる移動が検出された場合、計算手段は、信号機を介して、対象動物の存在を示すデータを送信する。
【0015】
[0015]好ましくは、検出装置は、それが対象動物であると特定することを可能にする動物のサイズを区別することができる。
【0016】
[0016]好ましくは、検出装置は、動物の移動方向を特定することができる。
【0017】
[0017]齧歯類の場合、熱撮像カメラは検出区域の上方に配置されることが好ましいが、他の構成が考えられる。
【0018】
[0018]好ましくは、熱撮像カメラは少なくとも90度の視野を有し、より好ましくは、約110度の視野を有する。
【0019】
[0019]検出区域の上方の熱撮像カメラの高さを変更することにより、監視される面積を増減することが可能である。
【0020】
[0020]110度の視野を有するカメラの場合、以下の関係が存在する-表1。
【表1】
【0021】
[0021]好ましくは、信号機はリアルタイムでデータを送信するように構成される。
【0022】
[0022]最も好ましくは、検出装置は、インターネット対応の害獣駆除管理システムの中に統合される。
【0023】
[0023]バッテリ、マイクロコントローラ、および信号機を含む装置の構成要素は、それぞれ、熱撮像カメラ、モーション感知作動センサ、および距離センサを有する筐体内に取り外し可能に封じられ、熱撮像カメラ、モーション感知作動センサ、および距離センサは、検出区域からの高さを自動較正するために、筐体の一面を通して配置されている。
【0024】
[0024]距離センサは、熱撮像カメラと検出区域上のポイントとの間の垂直距離を自動較正するために使用される。
【0025】
[0025]概して、
i)検出区域の上方に検出装置を据え付けるステップと、
ii)マイクロコントローラユニット(MCU)の起動をトリガするモーションセンサを使用して動物の存在を検出するステップと、
iii)熱撮像カメラを使用して動物の存在を識別し、温度および位置の検知を使用して対象動物および任意選択でその移動方向の検出を識別するステップと
iv)取得されたデータに基づいて、信号機を介してユーザにデータを送信して、対象動物の存在をユーザに知らせるステップと
を含む、温血動物を検出する方法が提供される。
【0026】
[0026]本発明の第2の態様によれば、
i)検出区域(20)の上方に検出装置(10)を据え付けるステップと、
ii)マイクロコントローラユニット(MCU)(40)の起動(42)をトリガするモーションセンサを使用して動物の存在を検出するステップと、
iii)熱撮像カメラ(50)を使用して動物の存在を識別し、温度(70)および位置(80)の検知を使用して対象動物を識別するステップと
iv)取得されたデータに基づいて、信号機(190)を介してユーザにデータ(180)を送信して、対象動物の存在をユーザに知らせるステップと
を含む、温血動物を検出する方法が提供され、ここでは、
装置は、温度(70)および位置(80)を取得するための手段(50)を利用し、それを配列(100)上の複数の座標(90)として表示し、温度強度(72)および位置エリア(82)のうちの少なくとも1つを照会し、アルゴリズム(112)および機械学習に基づいて、関連付けられた位置(80)を有する信号(140)を記録(120)または拒絶(130)し、座標に関連付けられた単なる数値などの、単なる定量的または定性的な形状に関連付けられる生成物としてデータを単に記憶する。
【0027】
[0027]好ましくは、方法は、センサを使用して、熱撮像カメラと検出区域上のポイントとの間の距離を特定することによって装置を較正する。
【0028】
[0028]方法はさらに、マイクロコントローラユニットをオンにしてバッテリ寿命を制御するために、モーションセンサを利用する。
【0029】
[0029]方法は、温度および位置を取得するための手段を利用し、それを配列上の複数の座標として表示し、温度強度および位置エリアのうちの少なくとも1つを照会し、アルゴリズムに基づいて、信号および関連付けられた位置を記録または拒絶する。
【0030】
[0030]温度および位置のデータを統合および判断し、座標に関連付けられた(単なる数値などの)単なる定量的または定性的な形状に関連付けられる生成物としてデータを単に記憶するための、アルゴリズムおよび機械学習の使用は、記憶および/または送信されるデータがコンパクトな性質になることを可能にし、その結果、バッテリ寿命が数ヶ月から数年に大幅に延びる。
【0031】
[0031]好ましくは、電力は、図5に実質的に示されたプロトコルに従って管理される。
【0032】
[0032]本発明の実施形態は、添付図面を参照してさらに後述される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一実施形態の装置の図である。
図2】本発明の装置の簡略化された分解図である。
図3】使用中の本発明の装置の図である。
図4】熱検出を示す配列の図である。
図5】好ましい動作方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[0033]図1は、本発明の装置(10)の一実施形態の図である。装置は、図2を参照してさらに記載されるように、複数の構成要素をその内部に収容する筐体(200)を備える。少なくとも熱撮像カメラ(50)およびモーションセンサ(30)が筐体から外に突き出ている。好ましくは、装置は、図3に示された検出区域(20)の上方の装置の高さを自動較正するためのセンサ(60)も含む。
【0035】
[0034]図2に示されたように、筐体(200)は、互いに接続する2つのプラスチック成型物を備える。熱撮像カメラ(50)およびPIRセンサ(30)、ならびに高さの自動較正用の超音波センサ(図示せず)が筐体内の面を通って取り付けられる。
【0036】
[0035]コネクタ(156)とともに、別々のケース(152、154)内のマイクロコントローラユニット(40)、バッテリ(150)が筐体内に取り付けられる。電力は電力調整器(158)を使用して管理され、信号機(190)は、たとえば、図5に示されたプロトコルに基づいてデータの送信を管理する。
【0037】
[0036]図3に示されたように、装置(10)は、検出区域(20)上のポイント(22)の上方の距離(d)に配置される。検出の感度および範囲は、地面からの距離および熱撮像カメラの視野に依存するので、超音波センサまたは他のセンサ(60)は、自動較正を実現するために使用されてもよい。
【0038】
[0037]齧歯類(300)が検出区域に入った場合、それはモーションセンサ(30)をトリガし、モーションセンサはトリガされると、マイクロコントローラ(40)を起動する(42)。熱センサ(50)が齧歯類を検出し、位置(80)または位置エリア(82)における温度(70)および強度(72)を含む熱画像データを取得し、それらは配列(100)として取得され、座標(90)として当該データを取得する(図4)。アルゴリズムが、対象動物と一致するか否かを識別するために使用することができるデータを判断し、結果に応じて、デバイスをスリープ(54)に戻すか、または監視を続行し、ワイヤレスに信号機(190)を介して、動物のサイズもしくはその移動方向を含むデータを送信することができる。装置は、日付および時刻データを監視することを可能にするだけでなく、検出および電力管理プロセスの管理に使用することができる期間(t)を決定することができるクロック(図示せず)を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】