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特表2022-551948模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソール及びそれを含む履物
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  • 特表-模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソール及びそれを含む履物 図1
  • 特表-模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソール及びそれを含む履物 図2
  • 特表-模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソール及びそれを含む履物 図3
  • 特表-模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソール及びそれを含む履物 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソール及びそれを含む履物
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/04 20060101AFI20221207BHJP
   A43B 13/14 20060101ALI20221207BHJP
   B29D 35/12 20100101ALI20221207BHJP
   B29C 51/10 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
A43B13/04 A
A43B13/14 Z
B29D35/12
B29C51/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522060
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(85)【翻訳文提出日】2022-04-12
(86)【国際出願番号】 KR2020014436
(87)【国際公開番号】W WO2021080329
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】10-2019-0132157
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516272537
【氏名又は名称】アッセムス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジ-サン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジェ-ジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョン キュ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,キョン-ソク
(72)【発明者】
【氏名】パク,チ-キュン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヨン-フン
【テーマコード(参考)】
4F050
4F208
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BA01
4F050GA13
4F208AC03
4F208AF16
4F208AG26
4F208AG28
4F208AH67
4F208MA01
4F208MB01
4F208MC01
4F208MH06
4F208MH27
(57)【要約】
本発明は、品質及び耐久性が向上した模様を形成した3次元形状を有するアウトソール及びそれを含む履物に関し、本発明の望ましい実施形態に係る品質及び耐久性が向上した模様を有する3次元形状のアウトソールは、アウトソール表面内部に染料が浸透された後、固着されているので、アウトソール模様を美麗かつ立体的に形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元立体形状を有する履物のアウトソール内側または外側の表面に形成された細孔に染料が浸透した後、固着して模様を形成する模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソール。
【請求項2】
前記染料が前記細孔に浸透した後、固着した深さは、0.08mm~0.12mmである請求項1に記載の模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソール。
【請求項3】
前記染料は、前記細孔に真空吸着を介して浸透された請求項1に記載の模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソール。
【請求項4】
前記染料は、熱可塑性シートにデジタル印刷された後、染料が印刷された熱可塑性シートが加熱されて可撓性を有する軟化されたシートが真空吸着を介して前記3次元立体形状を有する履物のアウトソール表面に密着付着された後、浸透された請求項3に記載の模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソール。
【請求項5】
シート印刷ステップ(S100)、シート軟化ステップ(S200)、軟化シートアウトソール真空吸着ステップ(S300)、及び模様アウトソール固着ステップ(S400)を含む模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソール製造方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項による模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソールを含む履物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物のアウトソールに関し、より詳細には、品質及び耐久性が向上した模様を形成した3次元形状を有するアウトソール及びそれを含む履物に関する。
【背景技術】
【0002】
履物を構成する構成要素のうち1つのアウトソール(Out Sole)に外観を美麗に飾るために、様々な模様(パターン、イメージ、及び形状等)を形成するが、韓国公開特許第10-2002-0078676号(印刷模様層が形成されたエチレンビニルアセテート靴底)には、前記アウトソールに模様が形成されたフィルムを貼る技術が開示されており、韓国公開特許第10-2001-0000538(靴底の文様表示方法)には、前記アウトソールに模様を塗色する技術が開示されている。
【0003】
しかしながら、このように前記アウトソールに模様を形成するために、フィルムを貼るか、塗色する場合、ユーザの履物着用後、使用期間が経過することにより、フィルムまたは塗色が剥げる場合が生じる。
【0004】
そして、このように前記アウトソールに模様を形成するために、フィルムを貼るか、塗色する場合、美麗な模様が形成されず、ユーザの審美感を阻害できる要因として作用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これにより、本発明は、上記のような事項を考慮して提案されものであって、本発明は、ユーザの審美感を向上させながらも使用期間が過ぎても模様が剥げるか、傷つくことを防止できる品質及び耐久性が向上した模様を有する3次元形状を有するアウトソール及びそれを含む履物を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソールは、3次元立体形状を有する履物のアウトソール内側または外側の表面に形成された細孔に染料が浸透した後、固着して模様を形成する。
【0007】
ここで、前記染料が前記細孔に浸透した後、固着した深さは、0.08mm~0.12mmである。
【0008】
そして、前記染料は、前記細孔に真空吸着を介して浸透される。
【0009】
そして、前記染料は、熱可塑性シートにデジタル印刷された後、染料が印刷された熱可塑性シートが加熱されて可撓性を有する軟化されたシートが真空吸着を介して前記3次元立体形状を有する履物のアウトソール表面に密着付着された後、浸透される。
【0010】
次に、本発明に係る模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソール製造方法は、シート印刷ステップ(S100)、シート軟化ステップ(S200)、軟化シートアウトソール真空吸着ステップ(S300)、及び模様アウトソール固着ステップ(S400)を含む。
【0011】
次に、本発明に係る模様の品質及び耐久性が向上した3次元形状のアウトソールを含む履物は、上記のうち、いずれか1つを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明の望ましい実施形態に係る品質及び耐久性が向上した模様を有する3次元形状のアウトソールは、アウトソール表面内部に染料が浸透された後、固着されているので、アウトソール模様を美麗かつ立体的に形成する。
【0013】
次に、本発明の望ましい実施形態に係る品質及び耐久性が向上した模様を有する3次元形状のアウトソールは、3次元立体形状を有するアウトソールに軟化されたシートを真空を利用してアウトソールの表面に形状に合うように密着して付着するので、模様の品質及び模様形成効果をさらに上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の望ましい実施形態が適用される履物の構成を示した参照図である。
図2】本発明の望ましい実施形態に係る3次元形状を有するアウトソールに品質及び耐久性が向上した模様を形成した様子を示した参照図である。
図3】本発明の望ましい実施形態に係る3次元形状を有するアウトソールの表面気孔に模様染料が転写された後、浸透された様子を示した断面図である。
図4】本発明の望ましい実施形態に係る3次元形状を有するアウトソールに品質及び耐久性が向上した模様を形成するステップを示した工程フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る実施形態について具体的に説明する前に、本発明は、以下の詳細な説明または添付図面に示された構成に限定されず、様々な方式で使用されるか、行われることができる。
【0016】
また、本明細書に使用される表現や用語は、単に説明のためのものであり、限定のためのものであると見なされてはならないということを知るべきである。
【0017】
すなわち、本明細書に使用される、「装着された」、「設けられた」、「接続された」、「連結された」、「支持された」、「結合された」などの表現は、異なるものを表すことと指示するか、限定していない限り、直接的なかつ間接的な装着、設置、接続、連結、支持、及び結合を全て含む広範な表現として使用されている。「接続された」、「連結された」、「結合された」という表現は、物理的なまたは機械的な接続、連結、または結合に限定されない。
【0018】
そして、本明細書において、上部、下部、下向き、上向き、後方、底、前方、後部などのように、方向を表す用語は、図面を説明するために使用されているが、このような用語は、都合上、図面に対して相対的な方向(正常にみたとき)を表すものである。このような方向を表す用語は、いかなる形態でも本発明をその文字通り、限定したり、制限することと受け入れられてはならない。
【0019】
また、本明細書において使用される「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単に説明のためのものであり、相対的な重要度を意味することと考慮されてはならない。
【0020】
以下では、本発明の実施形態について添付された図面を参照として詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の望ましい実施形態が適用される履物の構成を示した参照図である。本発明の望ましい実施形態に係る品質及び耐久性が向上した模様を有する3次元形状のアウトソール(以下、「アウトソール」と称する。)は、運動靴、登山靴、及びサッカーシューズなど、様々な履物に適用可能であるが、望ましくは、図1に示されたように、サッカーシューズ30に適用されることが最も望ましい。
【0022】
これは、サッカーシューズ30の場合、激烈なサッカー運動の中で着用者であるサッカー選手の運動性能及び安全を向上させるために、スタッド22などが付着されて3次元立体形状を有し、弾性を有する一般履物と異なり、硬質のプラスチック材質からなるアウトソール20を含むためである。
【0023】
すなわち、サッカーシューズ30は、通常、図1に示されたように、甲皮であるアッパー10と靴底であるアウトソール20とからなる。
【0024】
アッパー10の場合、トウキャップ12、バンプ17、レースループ13、シューレース14、タング11、クォーター19、トップライン15、及びカウンター16を含む。
【0025】
トウキャップ12は、足指を覆う部分であり、バンプ17は、足の前方を覆う部分であり、クォーター19は、足元部分を補強しながらかかとを覆う部分である。
【0026】
そして、タング11は履物を履くとき、正す部分であって、足がすりむけないようにし、トップライン15は、履物の入口に該当する部分であり、カウンター16は、かかと部分を補強する部分である。
【0027】
そして、レースループ13は、靴紐であるシューレース14が入る孔である。
【0028】
アウトソール20は、底24が地面と接する部分であって、アウトソール20には、アウトソール20の底24から突き出て地面に刺さって地面との密着力を高めるスタッド22が含まれる。
【0029】
スタッド22は、アウトソール20に一体型で形成されることもあり、ユーザの選択によっては、スタッド22がアウトソール20に結合され得るように、アウトソール20の底24にスタッド22が結合されるための螺旋などが形成された結合孔が形成される。
【0030】
したがって、サッカーシューズのアウトソール20は、図1に示されたように、平たい平面形状を有する一般履物のアウトソールとは異なり、内面及び外面が3次元立体形状を有し、硬質のプラスチック材質からなるので、模様を形成し難く、模様をフィルムまたは塗色で形成するとしても、激烈な運動をするサッカー選手の使用環境上、直ちに貼付または塗色された模様が剥げるか、傷つく。
【0031】
これにより、本発明は、上記のように内面及び外面が3次元立体形状を有し、硬質のプラスチック材質からなるサッカーシューズのアウトソール20に激烈な運動がなされても模様が剥げるか、傷つかずに美麗な外観を維持できるアウトソール20及びそれを含む履物30を提供しようとする。
【0032】
図2は、本発明の望ましい実施形態に係る3次元形状を有するアウトソール20に品質及び耐久性が向上した模様50を形成した様子を示した参照図であって、本発明の望ましい実施形態に係るアウトソール20は、図3に示されたように、3次元形状を有するアウトソール20の表面気孔28に模様をなす染料40が浸透された後、固着されてアウトソール20に一体型で模様をなす。
【0033】
すなわち、アウトソール20表面の細孔を介してアウトソール20表面内部に染料40が浸透された後、固着されて模様を形成する。
【0034】
したがって、本発明の望ましい実施形態に係る履物30は、アウトソール20の表面が摩耗されるとしても、アウトソール20表面内部に染料40が浸透された後、固着されているので、模様を美麗に維持することができる。
【0035】
ここで、アウトソール20表面の細孔を介して内部に染料40が浸透された深さhは、アウトソール20表面で0.08mm~0.12mmであることが好ましい。
【0036】
これは、0.08mm以下である場合、アウトソール20表面が摩耗されるにつれて、模様または色感が一部損傷されるか、浸透深さが低くてユーザの望む色感が表れないことがあり、染料の浸透深さが0.12mm以上である場合、染料を0.12mm以上浸透させるために、高い圧力または温度などが必要であって、これにより、製品生産性低下、硬質のプラスチックからなるアウトソール20の品質低下などが表れることがあるためである。
【0037】
そして、本発明の望ましい実施形態に係るアウトソール20は、透明または半透明の材質からなり、透明または半透明のアウトソール20の表面には、3次元で相互連結された細孔28が形成されている。
【0038】
したがって、前記3次元で相互連結された細孔28に染料40が浸透され、固着されて模様を形成するので、本発明の望ましい実施形態に係るアウトソール20に形成された模様50は、立体的に美麗な色感を表して、どの側面から見ても同じ美麗な色感を表す。
【0039】
また、前記3次元で相互連結された細孔28に固着される染料40は、バインダのように固着されるので、染料40の固着効果がさらに上昇される。
【0040】
以下では、図4を参照として美麗な色感を表し、耐久性が向上した模様50が形成されたアウトソール20の製作工程について説明する。
【0041】
すなわち、図4は、本発明の望ましい実施形態に係る3次元形状を有するアウトソールに品質及び耐久性が向上した模様を形成するステップを示した工程フローチャートであって、工程は、大別して、シート印刷ステップ(S100)、シート軟化ステップ(S200)、軟化シートアウトソール真空吸着ステップ(S300)、及び模様アウトソール固着ステップ(S400)を含む。
【0042】
ユーザの選択によっては、シート印刷ステップ(S100)、シート軟化ステップ(S200)、軟化シートアウトソール真空吸着ステップ(S300)、及び模様アウトソール固着ステップ(S400)の中で、シート軟化ステップ(S200)以前に真空吸着装置(図示せず)予熱ステップをさらに含めることができる。
【0043】
シート印刷ステップ(S100)は、熱可塑性樹脂からなり、薄い板状で形成されるシート(Sheet)に、アウトソール20に模様50を形成する模様を染料を用いて塗色するステップを含み、模様を染料を利用して塗色する方法は、デジタルプリンティング印刷など、様々な方法により可能である。
【0044】
次に、シート軟化ステップ(S200)は、模様が塗色された前記シートを透明または半透明材質のアウトソール20上に位置させた後、加熱装置を利用して前記シートを軟化させるステップを含む。
【0045】
このように、前記シートを軟化させる理由は、アウトソール20が3次元立体形状を有するので、前記シートを軟化させてこそ前記シートが可撓性を有し、3次元立体形状を有するアウトソール20の表面に形状に合うように密着して付着されるためである。
【0046】
次に、軟化シートアウトソール真空吸着ステップ(S300)は、真空吸着装置を利用して前記軟化されたシートをアウトソール20表面形状に合うように密着して付着されるステップを含む。
【0047】
軟化シートアウトソール真空吸着ステップ(S300)は、密閉された空間に位置する前記軟化されたシートとアウトソール20に真空を介して前記軟化されたシート表面とアウトソール20表面とが密着して付着されるようにする。
【0048】
ここで、ユーザの選択によっては、軟化シートアウトソール真空吸着ステップ(S300)は、1次軟化シートアウトソール真空吸着ステップ(S300)及び2次軟化シートアウトソール真空吸着ステップ(S300)に区分して使用可能である。
【0049】
すなわち、1次軟化シートアウトソール真空吸着ステップ(S300)は、低い真空圧力で前記軟化シートがゆっくりと前記アウトソール20表面に付着されるようにして、前記軟化シートが前記アウトソール20表面に完全付着されるようにし、真空チャンバ内の空気などを完全に除去するステップを含む。
【0050】
次に、2次軟化シートアウトソール真空吸着ステップ(S300)は、前記真空チャンバ内部が完全真空状態になると、高い真空圧力を介して染料40がアウトソール20表面の内部気孔内に0.08mm~0.12mmまで浸透されるようにするものである。
【0051】
次に、模様アウトソール固着ステップ(S400)は、上記のように、高い真空圧力を介して染料40がアウトソール20表面の内部気孔28内に0.08mm~0.12mmまで浸透された後、これを高温で染料40を硬化して染料40を内部気孔28に固着するものである。
【0052】
ユーザは、選択によって、模様アウトソール固着ステップ(S400)においてアウトソール20全体表面の一定の染料40固着のための熱対流ステップまたは染料ドレインステップを共に含んで進むことができる。
【0053】
本発明の望ましい実施形態に係るアウトソール20の模様50製作工程は、このような工程を介して模様50の形成効果を向上させ、美麗かつ立体感のある模様50を形成する。
【0054】
以上において本発明の望ましい実施形態を説明したが、本発明は、様々な変化と変更及び均等物を使用することができる。本発明は、前記実施形態を適切に変形して同一に応用できることが明確である。したがって、上記記載内容は、下記の特許請求の範囲の限界により決められる本発明の範囲を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、履物等に使用可能である。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】