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特表2022-551949基準電源回路、チップ、電源及び電子機器
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  • 特表-基準電源回路、チップ、電源及び電子機器 図1
  • 特表-基準電源回路、チップ、電源及び電子機器 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】基準電源回路、チップ、電源及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G05F 3/30 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
G05F3/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522061
(86)(22)【出願日】2020-11-30
(85)【翻訳文提出日】2022-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2020132741
(87)【国際公開番号】W WO2021115148
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】201911252891.9
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517380215
【氏名又は名称】北京集創北方科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chipone Technology (Beijing) Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】Building 56,No.2 North Jing Yuan Street, Beijing Economic Technological Development Area,Daxing District,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ユージュン
(72)【発明者】
【氏名】ファン レイ
【テーマコード(参考)】
5H420
【Fターム(参考)】
5H420BB04
5H420BB12
5H420BB13
5H420CC02
5H420DD02
5H420EA11
5H420EA12
5H420EB37
5H420LL07
5H420NA21
5H420NA27
5H420NA35
5H420NA36
5H420NB02
5H420NB03
5H420NB12
5H420NB36
5H420NC02
5H420NC23
5H420NC32
5H420NC38
5H420NE23
(57)【要約】
本開示は、基準電源回路、チップ、電源及び電子機器に関する。回路は、第1電流を発生する第1電流発生ユニット(10)と、第1電流発生ユニット(10)に電気的に接続され、第1電流によりバンドギャップ基準電圧を発生する基準電圧発生ユニット(20)と、第1電流発生ユニット(10)及び基準電圧発生ユニット(20)に電気的に接続され、第1電流によりバンドギャップ基準電流を発生する基準電流発生ユニット(30)と、を備える。上記回路によれば、1つの基準電源回路においてバンドギャップ基準電圧及びバンドギャップ基準電流を発生し、第1電流発生ユニットの多重化を実現できるので、高利得及びデュアルループの同時作動を実現することができ、コスト削減が図れ、独立した2つの基準電源に比べて、チップ面積を節約することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電流を発生する第1電流発生ユニットと、
前記第1電流発生ユニットに電気的に接続され、前記第1電流によりバンドギャップ基準電圧を発生する基準電圧発生ユニットと、
前記第1電流発生ユニット及び前記基準電圧発生ユニットに電気的に接続され、前記第1電流によりバンドギャップ基準電流を発生する基準電流発生ユニットと、
を備えることを特徴とする基準電源回路。
【請求項2】
前記基準電圧発生ユニットは、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第3トランジスタと、第4トランジスタと、第5トランジスタと、第1抵抗と、第2抵抗と、第3抵抗と、第1コンデンサと、第2コンデンサとを備え、
前記第1トランジスタは、ドレインが前記第2トランジスタのソース、第3トランジスタのソース及び電圧源に電気的に接続され、ゲートが前記第2抵抗の第1端、前記第3トランジスタのドレイン、前記第5トランジスタのコレクタ及び起動回路に電気的に接続され、起動回路から出力される起動信号を受信し、ソースが前記第1抵抗の第1端、前記第1コンデンサの第1端及び前記第2コンデンサの第1端に電気的に接続され、前記バンドギャップ基準電圧を出力し、
前記第1コンデンサの第2端及び前記第1抵抗の第2端は、前記第1電流発生ユニットに電気的に接続され、
前記第2抵抗の第2端は、前記第3コンデンサの第1端に電気的に接続され、
前記第2トランジスタのドレインは、前記第2トランジスタのゲート、前記第3トランジスタのゲート及び前記第4トランジスタのコレクタに電気的に接続され、
前記第3抵抗の第1端は、前記第1電流発生ユニットに電気的に接続され、
前記第5トランジスタのベース及び前記第4トランジスタのベースは、前記第1電流発生ユニットに電気的に接続され、
前記第5トランジスタのエミッタ、前記第4トランジスタのエミッタ、前記第3抵抗の第2端及び前記第2コンデンサの第2端は、接地されることを特徴とする請求項1に記載の基準電源回路。
【請求項3】
前記第1電流発生ユニットは、第4抵抗と、第5抵抗と、第6トランジスタと、第7トランジスタとを備え、
前記第4抵抗は、第1端が前記第1コンデンサの第2端、前記第1抵抗の第2端、前記第5抵抗の第1端及び前記第6トランジスタのベースに電気的に接続され、第2端が前記第6トランジスタのコレクタ、前記第7トランジスタのベース及び前記第4トランジスタのベースに電気的に接続され、
前記第5抵抗の第2端は、前記第7トランジスタのコレクタ及び前記第5トランジスタのベースに電気的に接続され、
前記第6トランジスタのエミッタ及び前記第7トランジスタのエミッタは、前記第3抵抗の第1端に電気的に接続され、
前記第6トランジスタのコレクタは、前記第1電流を発生することに用いられることを特徴とする請求項2に記載の基準電源回路。
【請求項4】
前記基準電流発生ユニットは、前記第2トランジスタと、前記第4トランジスタと、第8トランジスタと、第9トランジスタと、第10トランジスタと、第11トランジスタと、第12トランジスタと、第13トランジスタと、第5コンデンサと、第6抵抗と、第7抵抗と、第8抵抗とを備え、
前記第8トランジスタは、ゲートが前記第2トランジスタのゲートに電気的に接続され、ソースが前記第2トランジスタのソース、前記第12トランジスタのソース及び前記第13トランジスタのソースに電気的に接続され、ドレインが前記第9トランジスタのコレクタに電気的に接続され、
前記第9トランジスタのベースは、前記第10トランジスタのソース、前記第11トランジスタのコレクタ及び前記第8抵抗の第1端に電気的に接続され、
前記第10トランジスタのゲートは、前記第6抵抗の第1端、前記第9トランジスタのコレクタ及び前記第8トランジスタのドレインに電気的に接続され、前記第6抵抗の第2端は、前記第5コンデンサの第1端に電気的に接続され、前記第11トランジスタは、ベースが前記第4抵抗の第1端、前記第5抵抗の第1端、前記第6トランジスタのベース及び前記第1コンデンサの第2端に電気的に接続され、エミッタが前記第7抵抗の第1端に電気的に接続され、
前記第5コンデンサの第2端、前記第9トランジスタのエミッタ、前記第7抵抗の第2端及び前記第8抵抗の第2端は、接地され、
前記第12トランジスタのゲートは、前記第12トランジスタのソース、前記第13トランジスタのゲート及び前記第10トランジスタのドレインに電気的に接続され、
前記第13トランジスタのドレインは、前記バンドギャップ基準電流を出力することを特徴とする請求項3に記載の基準電源回路。
【請求項5】
前記第3抵抗の抵抗値は、前記第4抵抗と前記第5抵抗とを並列接続した抵抗値に等しく、前記第4抵抗の抵抗値は、前記第7抵抗の抵抗値に等しいことを特徴とする請求項4に記載の基準電源回路。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の基準電源回路を備えることを特徴とするチップ。
【請求項7】
請求項6に記載のチップを備えることを特徴とする電源。
【請求項8】
請求項7に記載の電源を備えることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、集積回路技術の分野に関し、特に基準電源回路、チップ、電源及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
バンドギャップ基準電源は、集積回路システムの基本的なモジュールとして、電源及び温度によらない基準電圧又は基準電流を発生することを目的とする。現在、チップ内部によく用いられたバンドギャップリファレンスは単独のバンドギャップ電圧源又はバンドギャップ電流源である。半導体プロセスでの抵抗は通常、一定の温度係数を有するため、関連技術におけるバンドギャップ電圧源とバンドギャップ電流源は、両立が難しくなり、2つの回路に別々設けられる必要があるため、コストが高く、チップ面積の浪費にもなる。
【発明の概要】
【0003】
これに鑑みて、本開示は、
第1電流を発生する第1電流発生ユニットと、
前記第1電流発生ユニットに電気的に接続され、前記第1電流によりバンドギャップ基準電圧を発生する基準電圧発生ユニットと、
前記第1電流発生ユニット及び前記基準電圧発生ユニットに電気的に接続され、前記第1電流によりバンドギャップ基準電流を発生する基準電流発生ユニットと、
を備える基準電源回路を提供する。
【0004】
可能な一実施形態では、前記基準電圧発生ユニットは、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第3トランジスタと、第4トランジスタと、第5トランジスタと、第1抵抗と、第2抵抗と、第3抵抗と、第1コンデンサと、第2コンデンサとを備え、
前記第1トランジスタは、ドレインが前記第2トランジスタのソース、第3トランジスタのソース及び電圧源に電気的に接続され、ゲートが前記第2抵抗の第1端、前記第3トランジスタのドレイン、前記第5トランジスタのコレクタ及び起動回路に電気的に接続され、起動回路から出力される起動信号を受信し、ソースが前記第1抵抗の第1端、前記第1コンデンサの第1端及び前記第2コンデンサの第1端に電気的に接続され、前記バンドギャップ基準電圧を出力し、
前記第1コンデンサの第2端及び前記第1抵抗の第2端は、前記第1電流発生ユニットに電気的に接続され、
前記第2抵抗の第2端は、前記第3コンデンサの第1端に電気的に接続され、
前記第2トランジスタのドレインは、前記第2トランジスタのゲート、前記第3トランジスタのゲート及び前記第4トランジスタのコレクタに電気的に接続され、
前記第3抵抗の第1端は、前記第1電流発生ユニットに電気的に接続され、
前記第5トランジスタのベース及び前記第4トランジスタのベースは、前記第1電流発生ユニットに電気的に接続され、
前記第5トランジスタのエミッタ、前記第4トランジスタのエミッタ、前記第3抵抗の第2端及び前記第2コンデンサの第2端は、接地される。
【0005】
可能な一実施形態では、前記第1電流発生ユニットは、第4抵抗と、第5抵抗と、第6トランジスタと、第7トランジスタとを備え、
前記第4抵抗は、第1端が前記第1コンデンサの第2端、前記第1抵抗の第2端、前記第5抵抗の第1端及び前記第6トランジスタのベースに電気的に接続され、第2端が前記第6トランジスタのコレクタ、前記第7トランジスタのベース及び前記第4トランジスタのベースに電気的に接続され、
前記第5抵抗の第2端は、前記第7トランジスタのコレクタ及び前記第5トランジスタのベースに電気的に接続され、
前記第6トランジスタのエミッタ及び前記第7トランジスタのエミッタは、前記第3抵抗の第1端に電気的に接続され、
前記第6トランジスタのコレクタは、前記第1電流を発生することに用いられる。
【0006】
可能な一実施形態では、前記基準電流発生ユニットは、前記第2トランジスタと、前記第4トランジスタと、第8トランジスタと、第9トランジスタと、第10トランジスタと、第11トランジスタと、第12トランジスタと、第13トランジスタと、第5コンデンサと、第6抵抗と、第7抵抗と、第8抵抗とを備え、
前記第8トランジスタは、ゲートが前記第2トランジスタのゲートに電気的に接続され、ソースが前記第2トランジスタのソース、前記第12トランジスタのソース及び前記第13トランジスタのソースに電気的に接続され、ドレインが前記第9トランジスタのコレクタに電気的に接続され、
前記第9トランジスタのベースは、前記第10トランジスタのソース、前記第11トランジスタのコレクタ及び前記第8抵抗の第1端に電気的に接続され、
前記第10トランジスタのゲートは、前記第6抵抗の第1端、前記第9トランジスタのコレクタ及び前記第8トランジスタのドレインに電気的に接続され、前記第6抵抗の第2端は、前記第5コンデンサの第1端に電気的に接続され、前記第11トランジスタは、ベースが前記第4抵抗の第1端、前記第5抵抗の第1端、前記第6トランジスタのベース及び前記第1コンデンサの第2端に電気的に接続され、エミッタが前記第7抵抗の第1端に電気的に接続され、
前記第5コンデンサの第2端、前記第9トランジスタのエミッタ、前記第7抵抗の第2端及び前記第8抵抗の第2端は、接地され、
前記第12トランジスタのゲートは、前記第12トランジスタのソース、前記第13トランジスタのゲート及び前記第10トランジスタのドレインに電気的に接続され、
前記第13トランジスタのドレインは、前記バンドギャップ基準電流を出力する。
【0007】
可能な一実施形態では、前記第3抵抗の抵抗値は、前記第4抵抗と前記第5抵抗とを並列接続した抵抗値に等しく、前記第4抵抗の抵抗値は、前記第7抵抗の抵抗値に等しい。
【0008】
本開示の別の方面によれば、かかる基準電源回路を備えるチップを提供する。
【0009】
本開示の別の方面によれば、かかるチップを備える電源を提供する。
【0010】
本開示の別の方面によれば、かかる電源を備える電子機器を提供する。
【0011】
上記回路によれば、本開示の実施例は1つの基準電源回路においてバンドギャップ基準電圧及びバンドギャップ基準電流を発生し、第1電流発生ユニットの多重化を実現できるので、高利得及びデュアルループの同時作動を実現することができ、コスト削減が図れ、独立した2つの基準電源が設計された関連技術に比べて、チップ面積を節約することができる。
【0012】
以下、図面を参照しながら例示的な実施例を詳細に説明することによって、本開示の他の特徴及び方面は明瞭になる。
【0013】
ここで、本明細書の一部として組み込まれる図面は、明細書と共に本開示の例示的な実施例、特徴および方面を示し、本開示の原理を説明するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の一実施形態に係る基準電源回路を示す模式図である。
図2】本開示の一実施形態に係る基準電源回路を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本開示の様々な例示的な実施例、特徴および方面を詳細に説明する。図面における同じ符号は同じまたは類似する機能の要素を示す。図面において実施例の様々な方面を示したが、特に断らない限り、比例に従って図面を描く必要がない。
【0016】
ここでの用語「例示的」とは、「例、実施例として用いられることまたは説明的なもの」を意味する。ここで「例示的」に説明されるいかなる実施例は他の実施例より好ましい又は優れるものであると理解すべきではない。
【0017】
また、本開示をより効果的に説明するために、以下の具体的な実施形態において様々な具体的な詳細を示す。当業者であれば、本開示は何らかの具体的な詳細がなくても同様に実施できると理解すべきである。いくつかの実施例では、本開示の趣旨を強調するために、当業者が熟知している方法、手段、要素及び回路について詳細な説明を省略する。
【0018】
図1は本開示の一実施形態に係る基準電源回路を示す模式図である。
【0019】
図1に示されるように、前記回路は、
第1電流を発生する第1電流発生ユニット10と、
前記第1電流発生ユニット10に電気的に接続され、前記第1電流によりバンドギャップ基準電圧を発生する基準電圧発生ユニット20と、
前記第1電流発生ユニット10及び前記基準電圧発生ユニット20に電気的に接続され、前記第1電流によりバンドギャップ基準電流を発生する基準電流発生ユニット30と、
を備える。
【0020】
上記回路によれば、本開示の実施例は、1つの基準電源回路においてバンドギャップ基準電圧及びバンドギャップ基準電流を発生し、第1電流発生ユニットの多重化を実現できるので、高利得及びデュアルループの同時作動を実現することができ、コスト削減が図れ、独立した2つの基準電源が設計された関連技術に比べて、チップ面積を節約することができる。
【0021】
前記基準電源回路は、電子機器に設けられてもよく、前記電子機器は、モバイル機器と呼ぶこともできる。モバイル機器は、様々な形態のアクセスモバイル機器、ユーザユニット、ユーザ機器、ユーザステーション、移動局、モバイルステーション(Mobile Station、MS)、リモートステーション、リモートモバイル機器、モバイル機器、ユーザモバイル機器、端末装置(terminal equipment)、無線通信装置、ユーザエージェントまたはユーザ装置を指してもよい。また、ユーザ機器は、セルラーホン、コードレス電話、セッションイニシエーションプロトコル(Session Initiation Protocol、SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(Wireless Local Loop、WLL)ステーション、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)、無線通信機能を持つ手持ちの機器、計算装置、ワイヤレスモデムに接続された他の処理装置、車載装置、ウエアラブル装置、将来の5Gネットワークのユーザ機器または将来進化する公衆陸上移動体ネットワーク(Public Land Mobile Network、PLMN)のモバイル機器などであってもよいが、本開示の実施例では、これについて限定されない。
【0022】
以下、基準電源回路における各ユニットの可能な実現形態について説明する。
【0023】
図2は本開示の一実施形態に係る基準電源回路を示す模式図である。
【0024】
可能な一実施形態では、図2に示されるように、前記基準電圧発生ユニット20は、第1トランジスタQ1と、第2トランジスタQ2と、第3トランジスタQ3と、第4トランジスタQ4と、第5トランジスタQ5と、第1抵抗R1と、第2抵抗R2と、第3抵抗R3と、第1コンデンサC1と、第2コンデンサC2とを備え、
前記第1トランジスタQ1は、ドレインが前記第2トランジスタQ2のソース、第3トランジスタQ3のソース及び電圧源VDDに電気的に接続され、ゲートが前記第2抵抗R2の第1端、前記第3トランジスタQ3のドレイン、前記第5トランジスタQ5のコレクタ及び起動回路に電気的に接続され、起動回路から出力される起動信号を受信し、ソースが前記第1抵抗R1の第1端、前記第1コンデンサC1の第1端、前記第2コンデンサC2の第1端に電気的に接続され、前記バンドギャップ基準電圧VBGを出力し、
前記第1コンデンサC1の第2端、前記第1抵抗R1の第2端は、前記第1電流発生ユニット10に電気的に接続され、
前記第2抵抗R2の第2端は、前記第3コンデンサC3の第1端に電気的に接続され、
前記第2トランジスタQ2のドレインは、前記第2トランジスタQ2のゲート、前記第3トランジスタQ3のゲート、前記第4トランジスタQ4のコレクタに電気的に接続され、
前記第3抵抗R3の第1端は、前記第1電流発生ユニット10に電気的に接続され、
前記第5トランジスタQ5のベース、前記第4トランジスタQ4のベースは、前記第1電流発生ユニット10に電気的に接続され、
前記第5トランジスタQ5のエミッタ、前記第4トランジスタQ4のエミッタ、前記第3抵抗R3の第2端、前記第2コンデンサC2の第2端は、接地されるようにしてもよい。
【0025】
第1トランジスタQ1、第2トランジスタQ2、第3トランジスタQ3は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、 MOSFET)であってもよく、第4トランジスタQ4、第5トランジスタQ5は、三極管であってもよい。
【0026】
なお、本開示の実施例では、起動回路の具体的な実施形態については限定されず、当業者が関連技術を参照して実現可能である。
【0027】
一例では、バンドギャップ基準電圧及びバンドギャップ基準電流を発生する必要がある場合、起動回路は、基準電源回路が起動されてバンドギャップ基準電圧及びバンドギャップ基準電流を発生するように、起動信号を出力してもよい。
【0028】
一例では、前記起動信号は、パルス信号であってもよい。
【0029】
可能な一実施形態では、前記第1電流発生ユニットは、絶対温度に比例する(proportional to absolute temperature、PTAT)電流を発生してもよい。つまり、前記第1電流はPTAT電流であってもよい。
【0030】
可能な一実施形態では、図2に示されるように、前記第1電流発生ユニット10は、第4抵抗R4と、第5抵抗R5と、第6トランジスタQ6と、第7トランジスタQ7とを備え、
前記第4抵抗R4は、第1端が前記第1コンデンサC1の第2端、前記第1抵抗R1の第2端、前記第5抵抗R5の第1端、前記第6トランジスタQ6のベースに電気的に接続され、第2端が前記第6トランジスタQ6のコレクタ、前記第7トランジスタQ7のベース、前記第4トランジスタQ4のベースに電気的に接続され、
前記第5抵抗R5の第2端は、前記第7トランジスタQ7のコレクタ、前記第5トランジスタQ5のベースに電気的に接続され、
前記第6トランジスタQ6のエミッタ、前記第7トランジスタQ7のエミッタは、前記第3抵抗R3の第1端に電気的に接続され、
前記第6トランジスタのコレクタは、前記第1電流IPTATを発生することに用いられるようにしてもよい。
【0031】
一例では、前記第1電流の大きさは、
【0032】
【数1】
【0033】
であってもよい。ここで、R4は前記第4抵抗R4の抵抗値、R5は前記第5抵抗R5の抵抗値、Vは温度の電圧当量を示す。ここで、V=kT/qであり、kはボルツマン定数(1.38×10-23J/K)であり、Tは熱力学温度、すなわち絶対温度であり、qは電子の電荷(1.6×10-19C)である。常温下においては、V≒26mVである。
【0034】
可能な一実施形態では、第6トランジスタQ6、第7トランジスタQ7は三極管であってもよく、第7トランジスタQ7の個数に対する第6トランジスタQ6の個数の比は1:n(nは1より大きい整数)であってもよい。当然、本開示では、具体的な第7トランジスタQ7の個数に対する第6トランジスタQ6の個数の比について限定されないが、当業者が必要に応じて決定できる。
【0035】
可能な一実施形態では、図2に示されるように、前記バンドギャップ基準電圧VBGは
【0036】
【数2】
であってもよく、
【数3】
によって、
【数4】
【0037】
が得られる。ここで、「・」は乗算演算を示し、「||」は並列接続を示し、「+」は加算演算を示し、VBEは、前記第6トランジスタのベースエミッタ間電圧を示し、負の温度係数であり、R1は前記第1抵抗の抵抗値を示し、R4は前記第4抵抗の抵抗値を示し、R5は前記第5抵抗の抵抗値を示し、Vは、温度の電圧当量を示し、正の温度係数であり、nは第6トランジスタの個数に対する第7トランジスタの個数の比の値を示す。
【0038】
本開示の実施例は、第1抵抗R1、第4抵抗R4、第5抵抗R5の抵抗値の大きさを設定することにより、バンドギャップ基準電圧VBGの零温度係数を実現することができる。当然、本開示では、第1抵抗R1、第4抵抗R4、第5抵抗R5の具体的な抵抗値について限定されないが、当業者が実情に応じて決定できる。
【0039】
可能な一実施形態では、図2に示されるように、前記基準電流発生ユニット30は、前記第2トランジスタQ2と、前記第4トランジスタQ4と、第8トランジスタQ8と、第9トランジスタQ9と、第10トランジスタQ10と、第11トランジスタQ11と、第12トランジスタQ12と、第13トランジスタQ13と、第5コンデンサC5と、第6抵抗R6と、第7抵抗R7と、第8抵抗R8とを備え、
前記第8トランジスタQ8は、ゲートが前記第2トランジスタQ2のゲートに電気的に接続され、ソースが前記第2トランジスタQ2のソース、前記第12トランジスタQ12のソース、前記第13トランジスタQ13のソースに電気的に接続され、ドレインが前記第9トランジスタQ9のコレクタに電気的に接続され、
前記第9トランジスタQ9のベースは、前記第10トランジスタQ10のソース、前記第11トランジスタQ11のコレクタ、前記第8抵抗R8の第1端に電気的に接続され、
前記第10トランジスタQ10のゲートは、前記第6抵抗R6の第1端、前記第9トランジスタQ9のコレクタ、前記第8トランジスタQ8のドレインに電気的に接続され、前記第6抵抗R6の第2端は、前記第5コンデンサC5の第1端に電気的に接続され、前記第11トランジスタQ11は、ベースが前記第4抵抗R4の第1端、前記第5抵抗R5の第1端、前記第6トランジスタQ6のベース、前記第1コンデンサC1の第2端に電気的に接続され、エミッタが前記第7抵抗R7の第1端に電気的に接続され、
前記第5コンデンサC5の第2端、前記第9トランジスタQ9のエミッタ、前記第7抵抗R7の第2端、前記第8抵抗R8の第2端は、接地され、
前記第12トランジスタQ12のゲートは、前記第12トランジスタQ12のソース、前記第13トランジスタQ13のゲート、前記第10トランジスタQ10のドレインに電気的に接続され、
前記第13トランジスタQ13のドレインは、前記バンドギャップ基準電流IBGを出力するようにしてもよい。
【0040】
可能な一実施形態では、第8トランジスタQ8、第10トランジスタQ10、第12トランジスタQ12、第13トランジスタQ13は、MOSFETであってもよく、第9トランジスタQ9、第11トランジスタQ11は、三極管であってもよい。
【0041】
一例では、第1トランジスタQ1、第2トランジスタQ2、第3トランジスタQ3、第4トランジスタQ4、第5トランジスタQ5は、基準電圧発生ユニットのオペアンプを形成し、そのオペアンプの利得が約A1=gm4・(ro3||ro5)である。ここで、ro3は第3トランジスタQ3のドレインソース間の小信号出力インピーダンスを示し、ro5は第5トランジスタQ5のドレインソース間の小信号出力インピーダンスを示し、gm4は第4トランジスタQ4のトランスコンダクタンスを示し、第4トランジスタQ4のトランスコンダクタンスが第5トランジスタQ5、第9トランジスタQ9のトランスコンダクタンスに等しいものである。このことから、基準電圧発生ユニットは電圧直列負帰還であり、電圧の閉ループの出力インピーダンスは開ループの出力インピーダンスの1/A1倍であるため、出力されるバンドギャップ基準電圧の駆動力が高いことがわかる。
【0042】
一例では、第2トランジスタQ2、第4トランジスタQ4、第8トランジスタQ8、第9トランジスタQ9、第10トランジスタQ10は、基準電流発生ユニットのオペアンプを形成し、そのオペアンプの利得が約A2=gm4・(ro8||ro9)である。ここで、ro8は第8トランジスタQ8のドレインソース間の小信号出力インピーダンス、ro9は第9トランジスタQ9のドレインソース間の小信号出力インピーダンスを示す。このことから、基準電流発生ユニットは電流直列負帰還であり、電流の閉ループの出力インピーダンスは開ループの出力インピーダンスのA2倍であることがわかる。
【0043】
本開示の実施例の基準電圧発生ユニット、基準電流発生ユニットは、第1電流発生ユニット10を共用し、かつ第2トランジスタQ2及び第4トランジスタQ4を共用することにより、1つの回路において2種のバンドギャップリファレンス(バンドギャップ基準電圧及びバンドギャップ基準電流)の発生を可能とし、基準電源の実現にオペアンプを採用しない関連技術に比べて、デュアルオペアンプループによって、高利得及びデュアルループの同時作動を実現することができ、低コストで占用領域の面積が小さい。また、本開示の実施例の基準電源回路は、バンドギャップ基準電圧の駆動力が高く、バンドギャップ基準電流の出力インピーダンスが大きく、作動効率の向上に有利である。
【0044】
図2に示されるように、第6トランジスタQ6及び第3抵抗R3は、第11トランジスタQ11及び第7抵抗R7とともにカレントミラーを形成するので、基準電流発生ユニット30は、第1電流IPTATによってバンドギャップ基準電流IBG=ICTAT+IPTATが得られる。ここで、ICTATは第8抵抗R8を流れる電流であり、
【0045】
【数5】
である。
【0046】
したがって、
【数6】
【0047】
が得られる。ここで、VBEは、前記第6トランジスタQ6のベースエミッタ間電圧を示し、負の温度係数であり、R8は前記第8抵抗R8の抵抗値を示し、R4は前記第4抵抗R4の抵抗値を示し、R5は前記第5抵抗R5の抵抗値を示し、Vは、温度の電圧当量を示し、正の温度係数であり、nは第6トランジスタの個数に対する第7トランジスタの個数の比の値を示す。
【0048】
本開示の実施例は、第8抵抗R8及び第4抵抗R4の抵抗値を調整することにより、バンドギャップ基準電流IBGの零温度係数を実現することができる。
【0049】
当然、本開示の実施例では、第8抵抗R8及び第4抵抗R4の具体的な抵抗値について限定されないが、当業者が実情に応じて設定できる。
【0050】
可能な一実施形態では、本開示は、第3抵抗R3、第4抵抗R4、第5抵抗R5、第7抵抗R7が、前記第3抵抗の抵抗値が前記第4抵抗と前記第5抵抗とを並列接続した抵抗値に等しく、前記第4抵抗の抵抗値が前記第7抵抗の抵抗値に等しいという関係を満たすように設定されることにより、本開示の実施例でバンドギャップ基準電圧及びバンドギャップ基準電流をよりよく出力するができる。つまり、R3=R4||R5、R4=R7である。ここで、R3は前記第3抵抗、R4は前記第4抵抗、R5は前記第5抵抗、R7は前記第7抵抗を示す。
【0051】
上記回路によれば、本開示の実施例では、1つの回路において零温度係数のバンドギャップ基準電流及びバンドギャップ基準電圧を同時に発生することができ、関連技術に比べて、低コストで占用領域の面積が小さく、使用のプロモーションに有利である。
【0052】
以上、本開示の各実施例について記述したが、上記の説明は、例示的なものに過ぎず、網羅的なものではなく、かつ披露された各実施例に限定されるものでもない。説明された各実施例の範囲及び精神から逸脱することなく、様々な修正及び変更が当業者には自明である。本明細書で使用される用語は、各実施例の原理、実際の適用または市場における技術への改良を好適に解釈するか、または他の当業者が本明細書に披露された各実施例を理解することができるように選択されたものである。
図1
図2
【国際調査報告】