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特表2022-551963非発光可変透過装置のタッチパネルコントローラおよびその使用方法
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  • 特表-非発光可変透過装置のタッチパネルコントローラおよびその使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】非発光可変透過装置のタッチパネルコントローラおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/24 20060101AFI20221207BHJP
   G02F 1/1524 20190101ALI20221207BHJP
   G02F 1/15 20190101ALI20221207BHJP
   G02F 1/169 20190101ALI20221207BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20221207BHJP
   G09G 3/38 20060101ALI20221207BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20221207BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20221207BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
E06B9/24 C
G02F1/1524
G02F1/15 502
G02F1/169
G09G5/00 550C
G09G3/38
G09G5/00 555D
G09G3/20 691D
G09G3/20 641
G09G5/10 B
G02F1/13 505
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522577
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(85)【翻訳文提出日】2022-04-14
(86)【国際出願番号】 US2020055028
(87)【国際公開番号】W WO2021076420
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】62/915,147
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504416080
【氏名又は名称】セイジ・エレクトロクロミクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リーブル、トロイ
(72)【発明者】
【氏名】バズマン、デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンダーヴェーン、コーディー
(72)【発明者】
【氏名】スー、レオ
【テーマコード(参考)】
2H088
2K101
5C080
5C182
【Fターム(参考)】
2H088EA34
2H088MA20
2K101AA08
2K101AA22
2K101BA13
2K101DA01
2K101DB05
2K101DB33
2K101DC14
2K101DC53
2K101DC54
2K101EB92
2K101EC57
2K101EG27
2K101EG52
2K101EG54
2K101EG65
2K101EK05
5C080AA11
5C080BB05
5C080DD27
5C080JJ02
5C080JJ06
5C080JJ07
5C080KK14
5C182AA03
5C182AB19
5C182BA01
5C182BA06
5C182BC01
5C182BC25
5C182BC26
5C182CA11
(57)【要約】
エレクトロクロミック素子を制御するための制御システムは、1つ以上の非発光可変透過装置と、制御管理装置であって、タッチパネルプラットフォームと、論理要素であって、1つ以上の非発光可変透過装置の1つ以上の動作パラメータをマッピングすることと、マッピングされた1つ以上の動作パラメータを前記タッチパネルプラットフォームに組み込むことと、タッチパネル制御プラットフォームから受信した入力に応答して、1つ以上の非発光可変透過装置に1つ以上の信号を送信することと、を行うように構成された、論理要素と、を含む制御管理装置と、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御システムであって、
1つ以上の非発光可変透過装置と、
制御管理装置であって、タッチパネルプラットフォームと、論理要素であって、
前記1つ以上の非発光可変透過装置の1つ以上動作パラメータをマッピングすることと、
前記マッピングされた1つ以上の動作パラメータを前記タッチパネルプラットフォームに組み込むことと、
前記タッチパネル制御プラットフォームから受信した入力に応答して、前記1つ以上の非発光可変透過装置に1つ以上の信号を送信することと、を行うように構成された、論理要素と、を備える、制御管理装置と、を備える、制御システム。
【請求項2】
コンテンツを含むコンピュータ可読媒体であって、該コンテンツが、コンピューティングシステムに、
1つ以上の非発光可変透過装置の1つ以上の動作パラメータをマッピングすることと、
前記マッピングされた1つ以上の動作パラメータをタッチパネルプラットフォームに組み込むことと、
前記タッチパネル制御プラットフォームから受信した入力に応答して、前記1つ以上の非発光可変透過装置に1つ以上の信号を送信することと、を含む方法を行うことによって、データを処理させるように構成されている、コンピュータ可読媒体。
【請求項3】
非発光可変透過装置を制御する方法であって、
前記1つ以上の非発光可変透過装置の1つ以上の動作パラメータをマッピングすることと、
前記マッピングされた1つ以上の動作パラメータをタッチパネルプラットフォームに組み込むことと、
前記タッチパネル制御プラットフォームから受信した入力に応答して、前記1つ以上の非発光可変透過装置に1つ以上の信号を送信することと、を含む、方法。
【請求項4】
前記1つ以上の非発光可変透過装置が、エレクトロクロミック素子である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法、システム、または媒体。
【請求項5】
前記1つ以上の非発光可変透過装置を第1の状態から第2の状態へと切り替えることをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法、システム、または媒体。
【請求項6】
前記第1の状態が、完全無色であり、前記第2の状態が、完全着色である、請求項5に記載の方法、システム、または媒体。
【請求項7】
前記第1の状態が、完全着色であり、前記第2の状態が、完全無色である、請求項5に記載の方法、システム、または媒体。
【請求項8】
前記第1の状態が、完全無色であり、前記第2の状態が、勾配着色である、請求項5に記載の方法、システム、または媒体。
【請求項9】
前記1つ以上の信号を受信した後に、前記1つ以上の非発光可変透過装置の透過率を変更することをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法、システム、または媒体。
【請求項10】
前記タッチパネルプラットフォームが、1つ以上のモジュールを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法、システム、または媒体。
【請求項11】
前記マッピングされた動作パラメータが、ビルおよび周囲構造の3Dモデル、予めプログラムされたシーン、陰影情報、反射情報、照明および放射情報、ガラスの1つ以上の可変特性に関する情報、手動オーバーライドに関連するログ情報、占有者の好み情報、運動情報、リアルタイムの空の状態、ビルへの太陽放射、輝度、季節情報、各非発光可変透過装置の寸法などの作動情報、ならびに微気候分析からなる群から選択されるアルゴリズムを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法、システム、または媒体。
【請求項12】
前記動作パラメータに優先順位付けすることをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法、システム、または媒体。
【請求項13】
前記論理要素が、スーパーバイザに1つ以上の信号を送信し、前記スーパーバイザが、前記動作パラメータに優先順位付けし、次いで、前記タッチパネル制御プラットフォームから受信した入力に応答して、前記スーパーバイザが、前記1つ以上の非発光可変透過装置にコマンドを送信する、請求項9に記載の方法、システム、または媒体。
【請求項14】
前記第1の一組の1つ以上の信号の後に、前記タッチパネル制御プラットフォームから受信した入力に応答して、前記1つ以上の非発光可変透過装置に第2の一組の1つ以上の信号を送信することをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法、システム、または媒体。
【請求項15】
前記1つ以上の非発光可変透過装置が、
基板であって、ガラス、サファイア、酸窒化アルミニウム、スピネル、ポリアルケン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリスルフィド、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、別の好適な透明ポリマー、または上記のもののコポリマー、ホウケイ酸ガラス、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される材料である、基板と、
第1の透明導電層であって、Al、Ga、Inなどの三価元素でドープされた酸化スズ、酸化亜鉛;フッ素化酸化スズ;スルホン化ポリマー;ポリアニリン;ポリピロール;ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)からなる群から選択される材料であり、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる、第1の透明導電層と、
第2の透明導電層であって、Al、Ga、Inなどの三価元素でドープされた酸化スズ、酸化亜鉛;フッ素化酸化スズ;スルホン化ポリマー;ポリアニリン;ポリピロール;ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)からなる群から選択される材料であり、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる、第2の透明導電層と、
前記第1の透明導電層と前記第2の透明導電層との間に配置されたエレクトロクロミック層であって、WO、V、MoO、Nb、TiO、CuO、Ir、Cr、Co、Mn2O、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される材料である、エレクトロクロミック層と、
前記第1の透明導電層と前記第2の透明導電層との間に配置された対向電極層であって、Ta、ZrO、HfO、Sb、酸化ニッケル(NiO、Ni、または2つの組み合わせ)からなる群から選択され、Li、Na、およびH、ならびにそれらの任意の組み合わせでドープされている、対向電極層と、を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法、システム、または媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非発光可変透過装置を含むシステムを目的とし、より具体的には、非発光可変透過装置のためのタッチパネルコントローラおよびシステム、ならびにその使用方法を目的とする。
【背景技術】
【0002】
非発光可変透過装置は、部屋に入る日光のまぶしさおよび量を低減させることができる。ビルは、部屋に関して(個々に、または比較的小さい一組の装置で)またはビルに関して(比較的大きい一組の装置で)局所的に制御され得る、多数の非発光可変透過装置を含むことができる。装置を配線することは、特に制御される装置の数が増加するにつれて、非常に時間がかかり、かつ複雑になり得る。装置をそれらの対応する制御システムに接続することは、端子ストリップ、スプライシング、はんだ付け、ワイヤナットなどの、電気コネクタまたは接続技術を使用して、ワイヤバイワイヤベースで行うことができる。
【0003】
しかしながら、非発光可変透過装置能力が高まるにつれて、それらのニーズを満たすことが可能である制御戦略に対する需要もまた高まる。このように、非発光可変透過装置に関する、より良好な制御戦略に対する必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
実施形態は、例として示されており、添付の図に限定されない。
【0005】
図1】一実施形態による、一組の非発光可変透過装置を制御するためのシステムの概略図を含む。
図2図1のシステムを動作させるためのフロー図を含む。
図3A】基板、層のスタック、およびバスバーの上面図の例示を含む。
図3B】一実施形態による、基板、エレクトロクロミック素子の層のスタック、およびバスバーの一部分の、線Aに沿った断面図の例示を含む。
図3C】一実施形態による、基板、エレクトロクロミック素子の層のスタック、およびバスバーの一部分の、線Bに沿った断面図の例示を含む。
【0006】
当業者は、図中の要素が単純化および明瞭化のために示されており、必ずしも縮尺どおりに描かれていないことを理解している。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本発明の実施形態の理解を改善するのを助けるために、他の要素に対して誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面と組み合わせた以下の説明は、本明細書に開示される教示を理解するのを助けるために提供される。以下の考察は、本教示の具体的な実装および実施形態に焦点を合わせるであろう。この焦点は、本教示を説明するのを助けるために提供されており、本教示の範囲または適用性に対する限定として解釈されるべきではない。
【0008】
本明細書で使用される場合、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、またはこれらの任意の他の変形語は、非排他的な包含を含むことを意図している。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの特徴だけに限定されず、明示的に列記されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有でない他の特徴を含み得る。さらに、明示的にそうではないことが述べられていない限り、「または(or)」は、包含的な「または」を指し、排他的な「または」を指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aは真(または存在する)かつBは偽(または存在しない)、Aは偽(または存在しない)かつBは真(または存在する)、およびAとBの両方が真(または存在する)である。
【0009】
「1つ(a)」または「1つ(an)」の使用は、本明細書に記載の要素および構成要素を説明するために使用される。これは、単に便宜上および本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われている。この説明は、他を意味することが明確でない限り、1つまたは少なくとも1つおよび複数も含む単数形、またはその逆を含むように読む必要がある。
【0010】
「約(about)」、「およそ(approximately)」、または「実質的に(substantially)」という文言の使用は、パラメータの値が記載の値または位置に近いことを意味することを意図している。ただし、わずかな違いにより、値または位置が記載どおりにならない場合がある。したがって、値に対する最大10パーセント(10%)の差は、説明する通りの理想的な目標との妥当な差である。
【0011】
他に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する当技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。材料、方法、および例は、例示的なものにすぎず、限定的であることを意図しない。本明細書で説明しない範囲で、特定の材料および処理行為に関する多くの詳細は従来通りであり、ガラス、蒸着、およびエレクトロクロミック技術の範囲の教科書および他の情報源に見出され得る。
【0012】
システムは、非発光可変透過装置と、タッチパネルプラットフォームからの入力を受信した後に、1つ以上の非発光可変透過装置に信号を送信するように構成された制御管理システムと、を含むことができる。
【0013】
システムおよび方法は、図面と併せて明細書を読み取った後、より良好に理解される。システムアーキテクチャが説明および例示され、その後に非発光可変透過装置の例示的な構成およびシステムを制御する方法が続く。説明される実施形態は、例示的なものであり、本発明の範囲を、添付の特許請求の範囲によって定義されるように限定することは意図しない。
【0014】
図1を参照すると、一組の非発光可変透過装置を制御するためのシステムが示されており、概して100と称される。表されるように、システム100は、制御管理システム110を含むことができる。特定の態様では、制御管理システム110は、アナログおよびデジタルインターフェースなどのグラフィカルインタフェースを含むことができる。一実施形態では、グラフィカルインタフェースは、複数のドロップダウンメニューおよびスクリーンを有するタッチパネル制御プラットフォームとすることができる。制御管理システム110は、ビルの暖房/換気/空調(HVAC)システム、ビルの内部照明、外部照明、非常照明、消火機器、エレベータ、エスカレータ、警報、防犯カメラ、アクセスドア、別の好適な構成要素もしくはサブシステム、非発光可変透過装置、またはこれらの任意の組み合わせを制御するために使用することができる。
【0015】
制御管理システム110は、制御リンク122を介してルータ120に接続することができる。制御リンク122は、無線接続とすることができる。一実施形態では、制御リンク122は、IEEE802.11(Wi-Fi)規格ファミリ内の1つ以上に従って動作する、無線ローカルエリアネットワーク接続を使用することができる。特定の態様では、無線接続は、2.4GHzのISM無線帯域内で、5.0GHzのISM無線帯域内で、またはそれらの組み合わせで動作することができる。
【0016】
制御リンク122の種類にかかわらず、制御管理システム110は、制御リンク122を介してルータ120から電力および制御信号を受信することができる。制御信号は、間接的または直接的にルータ120に接続され、下で詳細に説明される、1つ以上の非発光可変透過装置の動作を制御するために使用することができる。図1に例示されるように、ルータ120は、交流(AC)電力源124に接続することができる。ルータ120は、オンボードAC-直流(DC)コンバータ210を含むことができる。オンボードAC-DCコンバータは、AC電力源124からの入来AC電力のおよそ100~240ボルト(V)ACを、最大で60VDC、54VDC、48VDC、24VDC、最大で12VDC、最大で6VDC、または最大で3VDCであるDC電圧に変換することができる。オンボードAC-DCコンバータは、50~60Hzのユニバーサル入力を有することができる。ルータ120は、複数のコネクタを含むことができる。ルータ120内のオンボードAC-DCコンバータは、ルータ120の電力入力ポートに結合することができる。特定の態様では、コネクタ(図示せず)は、1つ以上のRJ-11ジャック、1つ以上のRJ-14ジャック、1つ以上のRJ-25ジャック、1つ以上のRJ-45ジャック、1つ以上の8P8Cジャック、別の好適なジャック、またはそれらの組み合わせを含むことができる。別の態様では、コネクタは、1つ以上のユニバーサルシリアルバス(USB)ジャックを含むことができる。
【0017】
さらに図1を参照すると、システム100はまた、フレームケーブル152の複数のセットを介して制御管理システム110に電気的に接続された窓枠パネル150も含むことができる。窓枠パネル150は、複数の非発光可変透過装置を含むことができ、その各々は、それ自体のフレームケーブルを介して、その対応するコントローラに接続することができる。例示される実施形態では、非発光可変透過装置は、3×9のマトリックスで配向される。別の実施形態では、異なる数の非発光可変透過装置、異なるマトリックスの非発光可変透過装置、または両方が使用され得る。非発光可変透過装置の各々は、別々のグレージング上にあり得る。別の実施形態では、複数の非発光可変透過装置がグレージングを共有することができる。例えば、グレージングは、図1の非発光可変透過装置の列に対応することができる。グレージングは、非発光可変透過装置の複数の列に対応することができる。別の実施形態では、窓枠パネル150内の一対のグレージングは、異なるサイズを有することができ、そのようなグレージングは、異なる数の非発光可変透過装置を有することができる。本明細書を読んだ後、当業者は、特定の用途のための非発光可変透過装置の特定の数および組織を決定することが可能になるであろう。
【0018】
制御管理システム110は、複数組のフレームケーブル152を介してそこに接続された非発光可変透過装置に、調整された電力を提供することができる。特定の態様では、制御管理システム110は、電圧を非発光可変透過装置に提供する、非発光可変透過装置コントローラに接続することができる。非発光可変透過装置に提供される電力は、最大で12V、最大で6V、または最大で3Vである電圧を有することができる。制御管理システム110は、非発光可変透過装置の動作を制御するために使用することができる。動作中に、非発光可変透過装置は、コンデンサと同様に作用する。したがって、非発光可変透過装置は、それらの静止状態でではなく、それらの切り替え状態である場合に、大部分の電力を消費する。
【0019】
制御管理システム110は、1つ以上の非発光可変透過装置の動作を制御するために使用される制御信号を提供することができる。制御管理システム110は、第1のパネル130を含むことができる。第1のパネル130は、複数のモジュールを含むことができる。図1に見られるように、第1のパネル130は、3つのモジュール131、132、133を含むことができる。別の実施形態では、第1のパネル130は、少なくとも3つのモジュール、または少なくとも4つのモジュール、少なくとも10個のモジュール、または少なくとも20個のモジュールなどの、少なくとも2つのモジュールを含むことができる。一実施形態では、第1のパネル130は、最大で40個のモジュールまたは少なくとも30個のモジュールなどの、最大で50個のモジュールを含むことができる。各モジュールは、非発光可変透過装置の異なる動作を制御することができる。例えば、モジュール131は、非発光可変透過装置の手動操作を含むことができ、第2のパネル140に接続することができる。第2のパネル140内で、ユーザは、左から右または右から左にバーを移動させることによって、非発光可変透過装置の着色濃度141、勾配パターン142、まぶしさ制御143、および保持時間144などの様々なモジュールを手動で調整することができる。一実施形態では、モジュールはまた、非発光可変透過装置の状態を表示することもできる。例えば、調整前に、モジュールは、各非発光可変透過装置の透過率を表示することができる。モジュール132は、非発光可変透過装置のゾーン制御を含むことができ、第3のパネル160に接続することができる。ゾーン制御は、1つ以上のゾーンを独立して制御するための動作を含むことができる。モジュール133は、非発光可変透過装置のパターン制御を含むことができ、第4のパネル170に接続することができる。パターン制御は、ユーザが選択することができる1つ以上の設定パターンを含むことができる。一群のシーンが生成された後に、一群から1つのシーンを選択することができ、制御装置は、窓のEC素子を制御して、窓のシーンを達成することができる。
【0020】
記載した動作は、ビルおよび周囲構造の3Dモデルのアルゴリズム、陰影情報、反射情報、照明および放射情報、ガラスの1つ以上の可変特性に関する情報、手動オーバーライドに関連するログ情報、占有者の好み情報、運動情報、リアルタイムの空の状態、ビルへの太陽放射、構造へのフートキャンドル負荷、輝度オーバーライド、季節情報、ならびに微気候分析を組み込むことができる。
【0021】
動作方法は、図2に関連して下でさらに詳細に説明される。構成に関して、システム100は、例えば下で説明される方法ステップを行うことができる制御管理システム110内に、論理要素を含むことができる。具体的には、論理要素は、様々な非発光可変透過装置を制御するためのコマンドを送信するように構成することができる。例えば、コントローラは、着色または透明コマンドに応答して、非発光可変透過装置に送信されている電圧を調整することができる。
【0022】
本システムは、多種多様な異なる種類の非発光可変透過装置とともに使用することができる。本装置および方法は、窓を通した光の透過に影響を及ぼす切り換え可能な装置によって実施することができる。下の説明の多くは、切り換え可能な装置がエレクトロクロミック素子である実施形態を対象にする。他の実施形態では、切り換え可能な装置は、懸濁粒子装置、二色性染料技術を含むことができる液晶装置、などを含むことができる。したがって、本明細書で説明される概念は、窓とともに使用される様々な切り換え可能な装置に拡張することができる。
【0023】
図3A図3Cに関する説明は、ガラス基板と、その上に配置された非発光可変透過装置と、を含む、グレージングの例示的な実施形態を提供する。図3A図3Cに関して説明される実施形態は、本明細書で説明される概念の範囲を限定することを意味しない。下の説明では、非発光可変透過装置は、バスバーの電圧が0V~3Vの範囲で動作するものとして説明される。そのような説明は、本明細書で説明する概念を単純にするために使用される。非発光可変透過装置とともに、またはエレクトロクロミックスタック内の層の組成もしくは厚さが変化する場合に、他の電圧が使用され得る。バスバー間の電圧差は、実際の電圧よりも重要であるので、バスバー上の電圧は、どちらも正(1V~4V)、どちらも負(-5V~-2V)、または負電圧と正電圧との組み合わせ(-1V~2V)であり得る。さらに、バスバー間の電圧差は、3Vよりも小さく、または大きくなり得る。本明細書を読んだ後、当業者は、特定の用途のニーズまたは欲求に応えるための異なる稼働モードの電圧差を決定することができるようになるであろう。実施形態は、例示的なものであり、添付の特許請求の範囲を限定することを意図していない。
【0024】
図2は、図1に示されるシステム100を動作させる方法200のフローチャートを含む。本方法は、ブロック202から始まり、1つ以上の非発光可変透過装置、1つ以上のルータ、および1つ以上のグレージングおよび1つ以上のルータに結合された制御管理システムを提供することを含むことができる。一実施形態では、非発光可変透過装置、ルータ、およびコントローラは、図1に例示されるように互いに接続され得、図3A図3Bで説明され、示される非発光可変透過装置と同様の非発光可変透過装置を使用し得る。
【0025】
制御管理システム110は、暖房、換気、および空調(HVAC)、照明、EC素子300を含むEC素子のシーンなどの、ビル環境および施設制御の動作を制御するためのロジックを含むことができる。制御管理システム110のロジックは、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアの形態とすることができる。一実施形態では、ロジックは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、または別の永続性メモリに記憶することができる。一実施形態では、制御管理システム110は、制御管理システム110内のメモリに記憶された、または外部供給源から受信される命令を実行することができるプロセッサを含むことができる。
【0026】
方法200の説明を続けると、本方法は、ブロック204で、1つ以上の非発光可変透過装置をマッピングすることを含むことができる。一実施形態では、1つ以上の非発光可変透過装置をマッピングすることは、ビルおよび周囲構造の3Dモデルからの情報、予めプログラムされたシーン、陰影情報、反射情報、照明および放射情報、ガラスの1つ以上の可変特性に関する情報、手動オーバーライドに関連するログ情報、占有者の好み情報、運動情報、リアルタイムの空の状態、ビルへの太陽放射、構造へのフートキャンドル負荷、輝度オーバーライド、季節情報、各非発光可変透過装置の寸法などの作動情報、ならびに微気候分析、を受信することを含むことができる。マッピングは、上記情報をカテゴリ化することと、該情報を制御管理システム110内に組み込むことと、を含むことができる。
【0027】
1つ以上の非発光可変透過装置をマッピングした後に、制御管理システム110は、マッピングされた情報を、モジュール130、140、160、および170などの、タッチパネル制御プラットフォームに組み込むことができる。一実施例では、マッピングされた情報をタッチパネル制御プラットフォームに組み込むことは、モジュール130、140、160、および170に情報を記憶することを含むことができる。一実施形態では、タッチパネル制御プラットフォームは、各非発光可変透過装置の状態を表示することができる。一実施形態では、この状態としては、着色状態、透明状態、保持状態、などを挙げることができる。例えば、モジュール140は、任意のさらなる入力前の、第1の信号中の、および第1の信号を受信した後の着色状態を表示することができる。
【0028】
制御管理システム110は、モジュール130、140、160、および170からの入力を受信することができる。動作208で、制御管理システム110は、タッチパネル制御プラットフォームから受信した入力に応答して、1つ以上の信号を1つ以上の非発光可変透過装置に送信することができる。一実施形態では、入力は、上記1つの装置/複数の装置の電力、透過率、電圧、またはそれらの任意の組み合わせを調整するために、制御管理システム110が1つ以上の非発光可変透過装置に信号を送信する、単一のモジュールからのものであり得る。別の実施形態では、入力は、上記1つの装置/複数の装置の電力、透過率、電圧、またはそれらの任意の組み合わせを調整するために、制御管理システム110が1つ以上の非発光可変透過装置に信号を送信する、1つを超えるモジュールからのものであり得る。
【0029】
制御管理システムは、非発光可変透過装置コントローラに、スーパーバイザ(図示せず)を通して電気的に接続することができる。一実施形態では、タッチパネル制御プラットフォームは、スーパーバイザにコマンドを送信することができ、スーパーバイザは、受信したコマンドを処理して、非発光可変透過装置コントローラにコマンドを送信する。そのようなシステムでは、次いで、窓制御が、1つ以上の非発光可変透過装置に電圧を提供する。1つ以上のモジュールから信号を送信する前に、制御管理システム110は、受信した入力を、1つ以上の非発光可変透過装置の動作に関連する階層に優先順位付けすることができる。例えば、完全透明から完全着色へと透過率を変化させるには、5Vの電圧変化を必要とし得、パターンを変化させるには、3Vの電圧変化だけを必要とし得る。したがって、制御管理システム110は、受信した入力に優先順位付けして、最初に透過率を変化させて、次いでパターンを変化させ、したがって、異なる電圧を1つ以上の非発光可変透過装置の異なる部分に供給することができる。一実施形態では、スーパーバイザは、制御管理システムから受信した入力に優先順位付けして、最初に透過率を変化させて、次いでパターンを変化させ、したがって、異なる電圧を1つ以上の非発光可変透過装置の異なる部分に供給することができる。
【0030】
制御管理システム110は、最大で24Vの電力を1つ以上の非発光可変透過装置の各々に送信する前に、電力を調整することができる。一実施形態では、最大で10V、最大で5V、または最大で3Vなどの、最大で12Vの電力を、1つ以上の非発光可変透過装置の各々に送信することができる。システム100は、ビルまたは天窓の壁に沿った建築用ガラスの一部として、または車両内に設置されたIGUの透過を調整するために使用することができる。制御された空間のEC素子の数が増加するにつれて、EC素子を制御する際の複雑さも増加し得る。EC素子の制御が他の建築物環境制御と一体化される場合には、さらなる複雑さが生じ得る。一実施形態では、窓は、900個以上のEC素子を含み得る天窓とすることができる。
【0031】
制御管理システム110は、ビルまたは天窓の壁に装着することができ、すべての配線を含むことができる。設置および作動中に、制御管理システム110のハードウェアおよびソフトウェアの両方を塵または細片から保護するために、制御管理システム110の上に塵キャップを配設することができる。キャップは、塵および他の空気中の粒子状物質による物理的接触から、ならびに人間が触れることから制御管理システムを保護することができる。キャップは、柔軟な材料から作製された開口部を有し、開口部の周りが弾性体であるポーチを含むことができる。キャップは、制御管理システム110のケースの周りに嵌合にするように広がり、次いで、制御管理システム110の少なくとも95%を含むように収縮することができる。カバーは、ビルの構築中または1つ以上の非発光可変透過装置の設置中に、塵および細片からの物理的な保護バリアを提供することができる。次いで、カバーは、設置後に取り外して、廃棄することができる。一実施形態では、カバーは、使い捨てのカバーである。
【0032】
方法200は、1つ以上の非発光可変透過装置を同時にまたは個々に別々のときに切り替えることを含むことができる。1つ以上の非発光可変透過装置は、8つの勾配状態のうちの1つおよび4つの着色レベルのうちの1つに切り替えることができる。4つの着色レベルは、完全着色、中間着色、明着色、完全無色からなる群から選択することができる。勾配状態は、一様な完全着色、一様な完全無色、一様な明着色、一様な中間着色、完全勾配(上部から底部まで)、逆の完全勾配(底部から上部まで)、光勾配、および逆光勾配からなる群から選択することができる。一実施形態では、完全無色は、少なくとも90%の透過率など、少なくとも95%の透過率など、99%の透過率などの、少なくとも80%の透過率であり得る。一実施形態では、完全着色は、12%以下の透過率、8%以下の透過率、6%以下の透過率、または3%以下の透過率などの、15%以下の透過率であり得る。一実施形態では、完全着色は、中間着色よりも少ない透過率を有する。別の実施形態では、中間着色は、明着色よりも少ない透過率を有する。一実施形態では、完全勾配は、装置の最初の約1/3において約95%の透過率、装置の第2の1/3において約45%の透過率、および装置の第3の1/3において約6%の透過率を有することができる。一実施形態では、1つ以上の非発光可変透過装置を完全無色から完全着色へと切り替える。別の実施形態では、1つ以上の非発光可変透過装置を完全着色から完全無色へと切り替える。別の実施形態では、1つ以上の非発光可変透過装置を完全無色から勾配着色または透過へと切り替える。別の実施形態では、1つ以上の非発光可変透過装置を第1のパターンから第2のパターンへと切り替えることができる。
【0033】
本明細書を読んだ後、当業者は、図2のアクションの順序が変更され得ることを理解するであろう。さらに、一群のシーンを生成する際に、1つ以上のアクションが行われない場合があり、また、1つ以上のさらなるアクションが行われる場合がある。
【0034】
図3Aは、一実施形態による、基板310、エレクトロクロミック素子322、324、326、328、よび330の層のスタック、ならびに基板300を覆うバスバー344、348、350、および352の上面図の例示である。一実施形態において、基板310としては、ガラス基板、サファイア基板、酸窒化アルミニウム基板、またはスピネル基板を挙げることができる。別の実施形態において、基板310は、ポリアクリル酸化合物、ポリアルケン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリスルフィド、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、別の好適な透明ポリマー、または上述のコポリマーなどの、透明ポリマーを含むことができる。基板310は、可撓性であるか、またはそうでない場合がある。特定の実施形態において、基板310は、フロートガラスまたはホウケイ酸ガラスとすることができ、厚さ0.5mm~4mmの範囲の厚さを有することができる。別の特定の実施形態において、基板310は、50ミクロン~300ミクロンの範囲の厚さを有する無機ガラスである、極薄ガラスを含むことができる。特定の実施形態では、基板310は、形成される多くの異なる非発光可変透過装置に使用され得、マザーボードと称され得る。
【0035】
バスバー344は、基板310の側面302に沿って存在し、バスバー348は、側面302の反対側にある側面304に沿って存在する。バスバー350は、基板310の側面306に沿って存在し、バスバー352は、側面306の反対側にある側面308に沿って存在する。バスバー344、348、350、および352の各々は、基板の各側面の距離の大部分に延在する長さを有する。特定の実施形態では、各バスバー344、348、350、および352は、それぞれ、側面302、304、306、および308の間の距離の少なくとも75%、少なくとも90%、または少なくとも95%である長さを有する。バスバー344および348の長さは、互いに実質的に平行である。本明細書で使用される場合、実質的に平行とは、バスバー344および348、350および352の長さが、互いに平行である状態から10度以内であることを意味することを意図している。 長さに沿って、バスバーの各々は、実質的に均一な断面積および組成を有する。したがって、そのような実施形態では、バスバー344、348、350、および352は、それらのそれぞれの長さに沿って、単位長さ当たり実質的に一定の抵抗を有する。
【0036】
一実施形態では、バスバー344は、第1の電圧供給端子360に接続することができ、バスバー348は、第2の電圧供給端子362に接続することができ、バスバー350は、第3の電圧供給端子363に接続することができ、バスバー352は、第4の電圧供給端子364に接続することができる。一実施形態において、電圧供給端子は、各バスバーの中心の周りで、各バスバー344、348、350、および352に接続することができる。一実施形態において、各バスバー344、348、350、および352は、1つの電圧供給端子を有することができる。各電圧供給端子360、362、363、および364を制御する能力は、エレクトロクロミック素子124を通した光透過の勾配の制御を提供する。
【0037】
一実施形態では、第1の電圧供給端子360は、バスバー344の電圧を、バスバー350の電圧供給端子363によって設定された電圧よりも低い値に設定することができる。別の実施形態では、電圧供給端子363は、バスバー350の電圧を、バスバー352の電圧供給端子364によって設定された電圧よりも高い値に設定することができる。別の実施形態では、電圧供給端子363は、バスバー350の電圧を、第4のバスバー352の電圧供給端子364によって設定された電圧よりも高い値に設定することができる。別の実施形態では、電圧供給端子360は、バスバー344の電圧を、バスバー348の電圧供給端子362によって設定された電圧とほぼ等しい値に設定することができる。一実施形態では、電圧供給端子360は、バスバー344の電圧を、第2のバスバー348の電圧供給端子362によって設定された電圧に対して、0.4Vなど、0.3Vなど、0.2Vなど、0.1Vなどの、約0.5V以内の値に設定することができる。非限定的な実施例では、第1の電圧供給端子360は、バスバー344の電圧を0Vに設定することができ、第2の電圧供給端子362は、バスバー348の電圧を0Vに設定することができ、第3の電圧供給端子363は、バスバー350の電圧を、3Vに設定することができ、第4の電圧供給端子364は、バスバー352の電圧を1.5Vに設定することができる。
【0038】
組成および層の厚さは、図3Bおよび図3Cに関して説明される。透明導電層322および330は、導電性金属酸化物または導電性ポリマーを含むことができる。その例としては、いずれかをAl、Ga、Inなどの三価元素でドープすることができる酸化スズもしくは酸化亜鉛、フッ素化酸化スズ、またはポリアニリン、ポリピロール、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)などのスルホン化ポリマーなどを挙げることができる。別の実施形態において、透明導電層322および330は、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。透明導電層322および330は、同じまたは異なる組成を有することができる。
【0039】
層のセットは、透明導電層322と330の間に配設された層324、326、および328を含むエレクトロクロミックスタックをさらに含む。層324および328は、電極層であり、一方の層は、エレクトロクロミック層であり、他方の層は、イオン貯蔵層(対向電極層とも称される)である。エレクトロクロミック層は、WO、V、MoO、Nb、TiO、CuO、Ir、Cr、Co、Mn、またはそれらの任意の組み合わせなどの、無機金属酸化物の電気化学的活性材料を含むことができ、50nm~2000nmの範囲の厚さを有することができる。イオン貯蔵層は、エレクトロクロミック層に関して記載された任意の材料、またはTa、ZrO、HfO、Sb、もしくはそれらの任意の組み合わせを含むことができ、酸化ニッケル(NiO、Ni、または2つの組み合わせ)、およびLi、Na、H、または別のイオンをさらに含んでもよく、80nm~500nmの範囲の厚さを有し得る。イオン導電層326(電解質層とも呼ばれる)は、電極層324と328との間に配設され、20ミクロン~60ミクロンの範囲の厚さを有する。イオン導電層326は、イオンがそこを通って移行することを許し、かなりの数の電子がそこを通って通過することを許さない。イオン導電層326は、リチウム、アルミニウム、ジルコニウム、リン、ホウ素を含むまたは含まないケイ酸塩、リチウムを含むまたは含まないホウ酸塩、リチウムを含むまたは含まない酸化タンタル、リチウムを含むまたは含まないランタニドベースの材料、別のリチウムベースのセラミック材料、などを含むことができる。イオン導電層326は任意選択であり、存在する場合、堆積によって、または他の層を堆積した後、電極層324および328などの2つの異なる層の部分を反応させてイオン導電層326を形成することによって形成することができる。本明細書を読んだ後、当業者は、本明細書に記載の概念の範囲から逸脱することなく、層322、324、326、328、および330について他の組成物および厚さを使用することができることを理解するであろう。
【0040】
層322、324、326、328、および330は、すべての層が形成される前に、任意の介在するパターニングステップ、真空の破壊、または中間層を空気にさらすことの有無にかかわらず、基板210の上に形成することができる。一実施形態では、層322、324、326、328、および330は、連続的に堆積させることができる。層322、324、326、328、および330は、物理的蒸着または化学的蒸着を使用して形成されてもよい。特定の実施形態では、層322、324、326、328、および330は、スパッタ堆積される。
【0041】
図1に例示される実施形態では、図3Bおよび図3Cに例示される実施形態では、透明導電層322および330の各々は、バスバー344/348および350/352が互いに電気的に接続されないように、除去された部分を含む。そのような除去部分は、通常、20nm~2000nmの幅である。特定の実施形態では、バスバー344および348は、透明導電層322を介して電極層324に電気的に接続され、バスバー350および352は、透明導電層330を介して電極層328に電気的に接続される。バスバー344、348、350、および352は、導電性材料を含む。一実施形態では、バスバー344、348、350、および352の各々は、銀フリットなどの、透明導電層322の上に印刷される導電性インクを使用して形成することができる。別の実施形態では、バスバー344、348、350、および352の一方または両方は、金属充填ポリマーを含むことができる。特定の実施形態(図示せず)では、バスバー350および352は、各々が透明導電層330の上にあり、層322、324、326、および328から離間された金属充填ポリマーを含むことができる、非浸透性バスバーである。金属充填ポリマーの前駆体の粘度は、導電性インクにとって問題となる可能性がある下層の亀裂または他の微視的欠陥を通って前駆体が流れるのを防ぐのに十分に高くあり得る。この特定の実施形態では、下部透明導電層322をパターン化する必要はない。一実施形態では、バスバー344および348は、互いに対向する。一実施形態では、バスバー350および352は、バスバー344と直交する。
【0042】
例示される実施形態では、非発光可変透過装置WECの幅は、透明導電層322および330の除去部分の間の横方向距離に対応する寸法である。Wは、バスバー344と348との間のスタックの幅である。WとWECとの差は、最大で5cm、最大で2cm、または最大で0.9cmである。したがって、スタックの幅の大部分は、異なる透過状態を可能にする非発光可変透過装置の動作部分に対応する。一実施形態では、そのような動作部分は、非発光可変透過装置の本体であり、バスバー344と348との間の領域の少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、またはそれを超えて占有することができる。
【0043】
以下、図3A図3Cに関して例示および説明されるグレージングおよび非発光可変透過装置と同様であり得るグレージングおよび非発光可変透過装置を有する、図1に例示されるシステムの設置、構成、および使用に注目する。別の実施形態では、グレージングおよび非発光可変透過装置の他の設計を使用することができる。
【0044】
上で説明した実施形態は、非発光可変透過装置を備える他のシステムを上回る利益を提供することができる。非発光可変透過装置への電力供給を調整するためにコントローラを使用することは、システムの安全性を維持し、電力供給の全容量を利用し、システムのクラス2回路を維持し、それによって、最終消費者に対するコストを低減させる。
【0045】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。それらの態様および実施形態のいくつかが以下に説明される。本明細書を読んだ後、当業者は、それらの態様および実施形態が例示にすぎず、本発明の範囲を限定しないことを理解するであろう。例示的な実施形態は、以下に列記したもののうちのいずれか1つ以上に従うことができる。
【0046】
実施形態1.制御システムは、1つ以上の非発光可変透過装置と、制御管理装置と、を含むことができ、制御管理装置は、タッチパネルプラットフォームと、論理要素であって、1つ以上の非発光可変透過装置の1つ以上の動作パラメータをマッピングすることと、マッピングされた1つ以上の動作パラメータをタッチパネルプラットフォームに組み込むことと、タッチパネル制御プラットフォームから受信した入力に応答して、1つ以上の非発光可変透過装置に1つ以上の信号を送信することと、を行うように構成された、論理要素と、を含む。
【0047】
実施形態2.コンテンツを含むコンピュータ可読媒体であって、該コンテンツが、コンピューティングシステムに、1つ以上の非発光可変透過装置の1つ以上の動作パラメータをマッピングすることと、マッピングされた1つ以上の動作パラメータをタッチパネルプラットフォームに組み込むことと、タッチパネル制御プラットフォームから受信した入力に応答して、1つ以上の非発光可変透過装置に1つ以上の信号を送信することと、を含む方法を行うことによって、データを処理(sort)させるように構成されている、コンピュータ可読媒体。
【0048】
実施形態3.非発光可変透過装置を制御する方法は、1つ以上の非発光可変透過装置の1つ以上の動作パラメータをマッピングすることと、マッピングされた1つ以上の動作パラメータをタッチパネルプラットフォームに組み込むことと、タッチパネル制御プラットフォームから受信した入力に応答して、1つ以上の非発光可変透過装置に1つ以上の信号を送信することと、を含むことができる。
【0049】
実施形態4.1つ以上の非発光可変透過装置が、エレクトロクロミック素子である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法、システム、または媒体。
【0050】
実施形態5.1つ以上の非発光可変透過装置を第1の状態から第2の状態へと切り替えることをさらに含むことができる、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法、システム、または媒体。
【0051】
実施形態6.1つ以上の信号を受信した後に、1つ以上の非発光可変透過装置の透過率を変更することをさらに含むことができる、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法、システム、または媒体。
【0052】
実施形態7.タッチパネルプラットフォームが、1つ以上のモジュールを備える、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法、システム、または媒体。
【0053】
実施形態8.マッピングされた動作パラメータが、ビルおよび周囲構造の3Dモデル、予めプログラムされたシーン、陰影情報、反射情報、照明および放射情報、ガラスの1つ以上の可変特性に関する情報、手動オーバーライドに関連するログ情報、占有者の好み情報、運動情報、リアルタイムの空の状態、ビルへの太陽放射、輝度、季節情報、各非発光可変透過装置の寸法などの作動情報、ならびに微気候分析からなる群から選択されるアルゴリズムを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法、システム、または媒体。
【0054】
実施形態9.動作パラメータに優先順位付けすることをさらに含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法、システム、または媒体。
【0055】
実施形態10.論理要素が、スーパーバイザに1つ以上の信号を送信し、スーパーバイザが、動作パラメータに優先順位付けし、次いで、タッチパネル制御プラットフォームから受信した入力に応答して、スーパーバイザが、1つ以上の非発光可変透過装置にコマンドを送信する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法、システム、または媒体。
【0056】
実施形態11.第1の一組の1つ以上の信号の後に、タッチパネル制御プラットフォームから受信した入力に応答して、1つ以上の非発光可変透過装置に第2の一組の1つ以上の信号を送信することをさらに含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法、システム、または媒体。
【0057】
実施形態12.1つ以上の非発光可変透過装置が、基板と、第1の透明導電層と、第2の透明導電層と、第1の透明導電層と第2の透明導電層との間に配置されたエレクトロクロミック層と、第1の透明導電層と第2の透明導電層との間に配置された対向電極層と、を含むことができる、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法、システム、または媒体。
【0058】
実施形態13.基板が、ガラス、サファイア、酸窒化アルミニウム、スピネル、ポリアルケン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリスルフィド、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、別の好適な透明ポリマー、または上記のもののコポリマー、ホウケイ酸ガラス、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される材料である、実施形態12に記載の方法、システムまたは媒体。
【0059】
実施形態14.第1の透明導電層が、Al、Ga、Inなどの三価元素でドープされた酸化スズ、酸化亜鉛;フッ素化酸化スズ;スルホン化ポリマー;ポリアニリン;ポリピロール;ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)からなる群から選択される材料であり、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる、実施形態12に記載の方法、システム、または媒体。
【0060】
実施形態15.第2の透明導電層が、Al、Ga、Inなどの三価元素でドープされた酸化スズ、酸化亜鉛;フッ素化酸化スズ;スルホン化ポリマー;ポリアニリン;ポリピロール;ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)からなる群から選択される材料であり、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる、実施形態12に記載の方法、システム、または媒体。
【0061】
実施形態16.エレクトロクロミック層が、WO、V、MoO、Nb、TiO、CuO、Ir、Cr、Co、Mn、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される材料である、実施形態12に記載の方法、システム、または媒体。
【0062】
実施形態17.対向電極層が、Ta、ZrO、HfO、Sb、酸化ニッケル(NiO、Ni、または2つの組み合わせ)からなる群から選択される材料であり、Li、Na、およびHでドープされ、それらの任意の組み合わせである、実施形態12に記載の方法、システム、または媒体。
【0063】
実施形態18.第1の状態が、完全無色であり、第2の状態が、完全着色である、実施形態5に記載の方法、システム、または媒体。
【0064】
実施形態19.第1の状態が、完全着色であり、第2の状態が、完全無色である、実施形態5に記載の方法、システム、または媒体。
【0065】
実施形態20.第1の状態が、完全無色であり、第2の状態が、勾配着色である、実施形態5に記載の方法、システム、または媒体。
【0066】
上記の一般的な説明または例で説明した機能のすべてが必要なわけではなく、特定の機能の一部は必要でない場合があり、説明した機能に加えて1つ以上の機能を実施することができることに留意されたい。さらにまた、機能が記載される順序は、必ずしも実施される順序ではない。
【0067】
明確にするために、本明細書で別々の実施形態の文脈で説明されている特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできる。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、別々にまたは任意の副組み合わせで提供することもできる。さらに、範囲に記載されている値への言及は、言及された終了範囲の値を含む、その範囲内のすべての値を含む。
【0068】
利益、他の利点、および問題に対する解決策は、特定の実施形態に関して上記で説明されている。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、および任意の利益、利点、もしくは解決策が発生またはより顕著になる可能性のある任意の特徴は、いずれかまたはすべての特許請求の範囲の重要な、必須の、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0069】
本明細書に記載された実施形態の明細書および例示は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図している。明細書および例示は、本明細書に記載の構造または方法を使用する装置およびシステムのすべての要素および特徴の網羅的かつ包括的な説明として役立つことを意図するものではない。別個の実施形態はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよく、逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴もまた、別個にまたは任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、範囲に記載されている値への言及は、言及された終了範囲の値を含む、その範囲内のすべての値を含む。本明細書を読んだ後であれば、他の多くの実施形態が当業者にとって明らかであろう。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的置換、論理的置換、または別の変更を行うことができるように、本開示から他の実施形態が使用され、かつ導出され得る。したがって、本開示は、限定的ではなく例示的とみなされるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
【国際調査報告】