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特表2022-551988多変量的に脳卒中を検出するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】多変量的に脳卒中を検出するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20221207BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20221207BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20221207BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20221207BHJP
   A61B 5/0295 20060101ALI20221207BHJP
   A61B 5/0531 20210101ALI20221207BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61B5/11
A61B10/00 H
A61B5/02 310A
A61B5/02 310F
A61B5/0295
A61B5/02 G
A61B5/0531
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522792
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(85)【翻訳文提出日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 US2020055604
(87)【国際公開番号】W WO2021076642
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】62/915,269
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/053,265
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522151695
【氏名又は名称】インパラティブ、ケア、インク.
【氏名又は名称原語表記】IMPERATIVE CARE,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107342
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 修孝
(74)【代理人】
【識別番号】100155631
【弁理士】
【氏名又は名称】榎 保孝
(74)【代理人】
【識別番号】100137497
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100207907
【弁理士】
【氏名又は名称】赤羽 桃子
(74)【代理人】
【識別番号】100217294
【弁理士】
【氏名又は名称】内山 尚和
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、シュトラッサー
(72)【発明者】
【氏名】サイド、ホッセイニ
(72)【発明者】
【氏名】サンシク、パーク
(72)【発明者】
【氏名】カースティン、キャロル
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
4C117
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA09
4C017AA12
4C017AA16
4C017AB02
4C017AC15
4C017AC26
4C017BC23
4C017BD06
4C017DD14
4C038VA04
4C038VA05
4C038VA11
4C038VB01
4C038VC05
4C117XB01
4C117XB12
4C117XC11
4C117XD03
4C117XE13
4C117XE14
4C117XE15
4C117XE16
4C117XE17
4C117XE20
4C117XE23
4C117XE26
4C117XE37
4C117XE43
4C117XE48
4C117XH11
4C117XJ13
4C117XJ42
4C117XJ45
4C127AA07
(57)【要約】
人における異常事象を検出するためのシステムは、人の皮膚表面に対して接触する本体と、皮膚表面を目標温度へと加熱するための加熱源と、加熱源に対して接触した皮膚表面の温度を測定するための皮膚温度センサと、皮膚表面の血液量を測定するための血液量センサと、加熱源と血液量センサと皮膚温度センサと環境温度センサとに対して通信可能に結合されたハードウェアプロセッサと、を含む。ハードウェアプロセッサは、ベースライン血液量信号を受信するように、加熱源に対して加熱信号を出力することにより加熱サイクルを開始するように、血液量センサから第2血液量信号を受信するように、第2血液量信号をベースライン血液量信号と比較するように、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、構成されている。
【選択図】図40
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人における異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムであって、
人の皮膚表面に対して接触する第2面と、この第2面とは反対側に位置した第1面と、を有する本体と、
前記皮膚表面と連通する加熱源であって、前記皮膚表面を目標温度に加熱するように構成された加熱源と、
前記第2面上に配置され、前記加熱源と接触している前記皮膚表面の温度を測定するように構成された皮膚温度センサと、
前記第2面上に配置され、前記皮膚表面の血液量を測定するように構成された血液量センサと、
前記加熱源と、前記血液量センサと、前記皮膚温度センサと、前記ウェアラブルシステムの周囲の環境温度を測定するように構成された環境温度センサと、に対して通信可能に結合されたハードウェアプロセッサであって、
前記血液量センサからベースライン血液量信号を受信するように、
前記加熱源に対して加熱信号を出力することにより、前記皮膚表面を前記目標温度に加熱することを含む加熱サイクルを開始するように、
前記皮膚表面が前記目標温度に到達したことに応答して、前記血液量センサから第2血液量信号を受信するように、
前記第2血液量信号を、前記ベースライン血液量信号と比較するように、
前記比較に基づいて、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、構成されたハードウェアプロセッサと、を含む、ウェアラブルシステム。
【請求項2】
前記第2血液量信号は、前記加熱源による加熱サイクルの、前に、最中に、及び後に、前記皮膚表面の前記血液量が繰り返して測定されるような、一組の血液量信号を含む、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項3】
前記第2血液量信号は、前記加熱源による加熱サイクルの、前に、最中に、及び後に、前記皮膚表面の前記血液量が連続的に測定されるような、複数の血液量信号を含む、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項4】
前記ハードウェアプロセッサは、前記目標温度に到達した後に、所定長さの時間が経過した後に、あるいは1つ又は複数の加熱サイクルが終了した後に、前記第2血液量信号を受信するように、さらに構成されている、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項5】
前記比較は、前記ベースライン血液量信号に関しての交流(AC)と直流(DC)とのベースライン比率と、前記第2血液量信号に関してのACとDCとの第2比率と、を計算することと、前記ベースライン比率を前記第2比率と比較することと、を含む、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項6】
前記環境温度センサは、前記ウェアラブルシステムの前記本体の前記第1面上に配置されている、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項7】
前記ウェアラブルシステムに対して通信可能に結合され、前記環境温度センサを含むリモートコンピューティングデバイスを、さらに含む、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項8】
前記リモートコンピューティングデバイスは、ラップトップ、セルラーデバイス、ワークステーション、サーバ、デスクトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、第2ウェアラブルシステム若しくは第2ウェアラブルデバイス、又はネットブックの1つを含む、請求項7に記載のウェアラブルシステム。
【請求項9】
前記加熱源は、前記本体の前記第2面上に配置されている、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項10】
前記ハードウェアプロセッサは、
前記皮膚温度センサから及び前記環境温度センサから、ベースライン温度信号を受信するように、
前記ベースライン温度信号に基づいて前記目標温度を決定するように、
前記目標温度が最高温度値未満であるかどうかを決定するように、さらに構成されている、請求項9に記載のウェアラブルシステム。
【請求項11】
前記ハードウェアプロセッサは、前記加熱源を周期的に動作させることにより、前記目標温度を維持するように、さらに構成されている、請求項10に記載のウェアラブルシステム。
【請求項12】
前記第2面上に配置された1つ又は複数の皮膚電気活動センサを、さらに含む、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項13】
前記1つ又は複数の皮膚電気活動センサは、前記加熱部材から、約0.25インチ~約4インチ(約6.35mm~約101.6mm)の分だけ離間している、請求項12に記載のウェアラブルシステム。
【請求項14】
前記ウェアラブルシステムが結合された身体部分の動きを測定するように構成された1つ又は複数のモーションセンサを、さらに含む、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項15】
前記第1面及び前記第2面は、前記第1面と前記第2面との間に空気流を提供するために、それらの間に空洞を画定している、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項16】
前記ハードウェアプロセッサは、前記第1面上に又は前記第1面内に位置している、請求項15に記載のウェアラブルシステム。
【請求項17】
前記第1面及び前記第2面によって画定された前記空洞は、前記加熱源を、前記第1面上の又は前記第1面内の前記ハードウェアプロセッサから、物理的に離間させている、請求項16に記載のウェアラブルシステム。
【請求項18】
前記第1面及び前記第2面によって画定された前記空洞は、加熱サイクル間に前記加熱源の冷却を促進するのに充分な容積を有している、請求項16に記載のウェアラブルシステム。
【請求項19】
前記異常な生物学的事象は、脳卒中事象を含む、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項20】
前記ウェアラブルシステムが、ユーザの左肢上に配置され、第2ウェアラブルシステムが、前記ユーザの右肢上に配置され、前記第2ウェアラブルシステムは、第2加熱部材と、第2皮膚温度センサと、第2血液量センサと、を含み、前記ハードウェアプロセッサは、右側の血液量信号を左側の血液量信号と比較することにより、前記異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、さらに構成されている、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項21】
前記ハードウェアプロセッサは、
前記左肢及び前記右肢から受信した前記信号どうしを、時間的に同期させるように、
前記左肢及び前記右肢からの前記同期させた前記信号どうしを比較することにより、前記異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、さらに構成されている、請求項20に記載のウェアラブルシステム。
【請求項22】
前記比較に際しては、前記左肢と前記右肢との間におけるベースラインの差を考慮する、請求項21に記載のウェアラブルシステム。
【請求項23】
前記本体に対して結合された締付可能なバンドを、さらに含む、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項24】
前記締付可能なバンドは、正確なセンサ読取を可能とするために、前記加熱部材、前記皮膚温度センサ、前記血液量センサ、又はこれらの組合せ、の1つ又は複数が前記皮膚表面に対して充分に結合していることを示す視覚的インジケータを、さらに含む、請求項23に記載のウェアラブルシステム。
【請求項25】
前記締付可能なバンドの1つ又は複数の端部は、前記第2面上に配置された1つ又は複数のセンサに対して中心合わせされた位置で、前記本体に対して結合されている、請求項24に記載のウェアラブルシステム。
【請求項26】
前記加熱源は、前記血液量センサと前記皮膚温度センサとの一方又は両方において、同心円状に配置されている、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項27】
前記血液量センサは、光電式脈波センサ又はインピーダンス式脈波センサを含む、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項28】
前記皮膚温度センサは、熱電対、抵抗温度検出器、サーミスタ、又は赤外線温度センサ、を含む、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項29】
前記加熱源に対して結合され、前記加熱源を前記第2面に対して結合するように、かつ前記加熱源を前記空洞に対して少なくとも部分的に露出させるように構成された支持構造を、さらに含む、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項30】
前記血液量センサは、心拍数、心拍数変動、又は酸素飽和度の1つ又は複数を測定するように、さらに構成されている、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項31】
前記目標温度は、ユーザに対して個別化される、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項32】
前記目標温度の前記個別化は、前記皮膚表面で感知された温度に関連したユーザ入力を受け取ることを含む、請求項31に記載のウェアラブルシステム。
【請求項33】
前記目標温度の前記個別化は、前記血液量センサから受信した信号に基づいている、請求項31に記載のウェアラブルシステム。
【請求項34】
前記加熱源は、加熱部材又は環境温度の1つを含む、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項35】
前記ハードウェアプロセッサは、前記異常な生物学的事象の前記決定に応答して、ホームオートメーションシステムを電子的に管理するように構成された第1電子システムに対して、電子メッセージを送信するように構成されている、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項36】
前記ホームオートメーションシステムは、ドアロックを含み、前記電子メッセージは、前記第1電子システムに対して、前記ドアロックの解錠を指示するように構成されている、請求項35に記載のウェアラブルシステム。
【請求項37】
前記ホームオートメーションシステムは、ホームアラームシステムを含み、前記電子メッセージは、前記第1電子システムに対して、前記ホームアラームシステムを無効とするよう指示するように構成されている、請求項35又は36に記載のウェアラブルシステム。
【請求項38】
前記ホームオートメーションシステムは、ディスプレイを含み、前記電子メッセージは、前記第1電子システムに対して、ユーザの医療情報を表示するよう指示するように構成されている、請求項35~37のいずれか一項に記載のウェアラブルシステム。
【請求項39】
前記医療情報は、投薬情報及び/又は投薬処方の遵守を含む、請求項38に記載のウェアラブルシステム。
【請求項40】
前記ホームオートメーションシステムは、ディスプレイを含み、前記電子メッセージは、前記第1電子システムに対して、脳卒中処置ユーザインターフェースを表示するよう指示するように構成されている、請求項35に記載のウェアラブルシステム。
【請求項41】
前記ホームオートメーションシステムは、スピーカシステムを含み、前記電子メッセージは、前記第1電子システムに対して、前記スピーカシステムを使用した可聴アラームを始動させるよう指示するように構成されている、請求項35~40のいずれか一項に記載のウェアラブルシステム。
【請求項42】
前記ハードウェアプロセッサは、前記異常な生物学的事象の前記決定に応答して、第三者コンピューティングシステムに対して警告を発出するように、さらに構成されている、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項43】
前記第三者コンピューティングシステムは、緊急サービスシステムを含む、請求項42に記載のウェアラブルシステム。
【請求項44】
前記第三者コンピューティングシステムは、臨床医コンピューティングシステムを含む、請求項42に記載のウェアラブルシステム。
【請求項45】
前記ハードウェアプロセッサは、前記異常な生物学的事象の前記検出に応答して処置プロトコルを開始するように、さらに構成されている、請求項1に記載のウェアラブルシステム。
【請求項46】
ウェアラブル処置システムをさらに含み、前記処置プロトコルは、前記ウェアラブル処置システムを活性化するように構成されている、請求項45に記載のウェアラブルシステム。
【請求項47】
前記ウェアラブル処置システムは、超音波ヘルメットを含む、請求項46に記載のウェアラブルシステム。
【請求項48】
前記ウェアラブル処置システムは、冷却ガス供給システムを含む、請求項46に記載のウェアラブルシステム。
【請求項49】
前記ウェアラブル処置システムは、冷却ヘルメットを含む、請求項46に記載のウェアラブルシステム。
【請求項50】
人における異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムであって、
人の皮膚表面に対して接触する第2面と、この第2面とは反対側に位置した第1面と、を有する本体であって、前記第1面及び前記第2面は、前記第1面と前記第2面との間に空気流を提供するために、それらの間に空洞を画定する、本体と、
前記第2面上に配置され、前記皮膚表面を所定時間にわたって加熱するように構成された加熱部材と、
前記第2面上に配置され、前記加熱部材と接触している前記皮膚表面の温度を測定するように構成された皮膚温度センサと、
前記第2面上に配置され、前記皮膚表面の血液量を測定するように構成された血液量センサと、
前記加熱部材と、前記血液量センサと、前記皮膚温度センサと、前記ウェアラブルシステムの周囲の環境温度を測定するように構成された環境温度センサと、に対して通信可能に結合されたハードウェアプロセッサであって、
前記血液量センサからベースライン血液量信号を受信するように、
前記加熱部材に対して加熱信号を出力することにより、前記皮膚表面を目標温度に加熱する加熱サイクルを開始するように、
前記皮膚表面が前記目標温度に到達したことに応答して、前記血液量センサから第2血液量信号を受信するように、
前記第2血液量信号を、前記ベースライン血液量信号と比較するように、
前記比較に基づいて、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、構成されたハードウェアプロセッサと、を含む、ウェアラブルシステム。
【請求項51】
人における異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムであって、
人の皮膚表面に対して接触する第2面と、この第2面とは反対側に位置した第1面と、を有する本体と、
前記皮膚表面と連通する加熱源であり、前記皮膚表面を目標温度に加熱するように構成された加熱源と、
前記第2面上に配置され、前記加熱源と接触している前記皮膚表面の温度を測定するように構成された皮膚温度センサと、
前記第2面上に配置され、前記人における関心のあるパラメータを測定するように構成されたセンサと、
前記加熱源と、前記センサと、前記皮膚温度センサと、前記ウェアラブルシステムの周囲の環境温度を測定するように構成された環境温度センサと、に対して通信可能に結合されたハードウェアプロセッサであって、
前記センサからベースラインセンサ信号を受信するように、
前記加熱源に対して加熱信号を出力することにより、前記皮膚表面を前記目標温度に加熱する加熱サイクルを開始するように、
前記皮膚表面が前記目標温度に到達したことに応答して、前記センサから第2センサ信号を受信するように、
前記第2センサ信号を、前記ベースラインセンサ信号と比較するように、
前記比較に基づいて、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、構成されたハードウェアプロセッサと、を含む、ウェアラブルシステム。
【請求項52】
前記センサは、ストレッチセンサ、皮膚電気活動センサ、心電図センサ、カメラ、又は血液量センサからなる群から選択される、請求項51に記載のウェアラブルシステム。
【請求項53】
前記関心のあるパラメータは、血圧、心拍数、心拍数変動、視線、顔の表情、皮膚コンダクタンス応答、血管拡張応答、又は拡張応答の1つ又は複数を含む、請求項51に記載のウェアラブルシステム。
【請求項54】
人における異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムであって、
人の皮膚表面に対して接触する第2面と、この第2面とは反対側に位置した第1面と、を有する本体と、
前記皮膚表面と連通し、前記皮膚表面に対して刺激を印加するように構成された刺激源と、
前記第2面上に配置され、前記皮膚表面の血液量を測定するように構成された血液量センサと、
前記刺激源と前記血液量センサとに対して通信可能に結合されたハードウェアプロセッサであって、
前記血液量センサからベースライン血液量信号を受信するように、
前記刺激源に対して刺激信号を出力することにより、刺激サイクルを開始するように、
前記刺激サイクルの前記開始に応答して、前記血液量センサから第2血液量信号を受信するように、
前記第2血液量信号を、前記ベースライン血液量信号と比較するように、
前記比較に基づいて、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、構成されたハードウェアプロセッサと、を含む、ウェアラブルシステム。
【請求項55】
前記刺激源は、加熱源を含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項56】
前記刺激源は、電源を含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項57】
前記比較は、血管拡張応答の変化を決定することを含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項58】
前記刺激源は、ペルチェ冷却器を含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項59】
前記第2血液量信号は、前記刺激サイクルの、前に、最中に、及び後に、前記皮膚表面の前記血液量が繰り返して測定されるような、一組をなす複数の血液量信号を含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項60】
前記第2血液量信号は、前記刺激サイクルの、前に、最中に、及び後に、前記皮膚表面の前記血液量が連続的に測定されるような、複数の血液量信号を含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項61】
前記ハードウェアプロセッサは、目標刺激へと到達した後に、あるいは所定長さの時間が経過した後に、あるいは1つ又は複数の刺激サイクルが終了した後に、前記第2血液量信号を受信するように、さらに構成されている、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項62】
前記比較は、前記ベースライン血液量信号に関しての交流(AC)と直流(DC)とのベースライン比率と、前記第2血液量信号に関してのACとDCとの第2比率と、を計算することと、前記ベースライン比率を前記第2比率と比較することと、を含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項63】
前記血液量センサは、前記ウェアラブルシステムの前記本体の前記第1面上に配置されている、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項64】
前記ウェアラブルシステムに対して通信可能に結合されたリモートコンピューティングデバイスであり、前記血液量センサを含むリモートコンピューティングデバイスを、さらに含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項65】
前記リモートコンピューティングデバイスは、ラップトップ、セルラーデバイス、ワークステーション、サーバ、デスクトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、第2ウェアラブルシステム若しくは第2ウェアラブルデバイス、又はネットブックの1つを含む、請求項64に記載のウェアラブルシステム。
【請求項66】
前記刺激源は、前記本体の前記第2面上に配置されている、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項67】
前記ハードウェアプロセッサは、
前記血液量センサからベースライン血液量信号を受信するように、
前記ベースライン血液量信号に基づいて目標血液量を決定するように、
前記目標血液量が最大血液量値未満であるかどうかを決定するように、さらに構成されている、請求項66に記載のウェアラブルシステム。
【請求項68】
前記ハードウェアプロセッサは、前記刺激源を周期的に動作させることにより、前記目標血液量を維持するように、さらに構成されている、請求項67に記載のウェアラブルシステム。
【請求項69】
前記第2面上に配置された1つ又は複数の皮膚電気活動センサを、さらに含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項70】
前記1つ又は複数の皮膚電気活動センサは、前記刺激源から、約0.25インチ~約4インチ(約6.35mm~約101.6mm)の分だけ離間している、請求項69に記載のウェアラブルシステム。
【請求項71】
前記ウェアラブルシステムが結合された身体部分の移動を測定するように構成された1つ又は複数のモーションセンサを、さらに含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項72】
前記第1面及び前記第2面は、前記第1面と前記第2面との間に空気流を提供するために、それらの間に空洞を形成している、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項73】
前記ハードウェアプロセッサは、前記第1面上に又は前記第1面内に位置している、請求項72に記載のウェアラブルシステム。
【請求項74】
前記第1面及び前記第2面によって形成された前記空洞は、前記刺激源を、前記第1面上の又は前記第1面内の前記ハードウェアプロセッサから、物理的に離間させている、請求項73に記載のウェアラブルシステム。
【請求項75】
前記第1面及び前記第2面によって形成された前記空洞は、刺激サイクルどうしの間に前記刺激源の冷却を促進するのに充分な容積を有している、請求項73に記載のウェアラブルシステム。
【請求項76】
前記異常な生物学的事象は、脳卒中事象を含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項77】
前記ウェアラブルシステムが、ユーザの左肢上に配置され、第2ウェアラブルシステムが、前記ユーザの右肢上に配置され、前記第2ウェアラブルシステムは、第2刺激源と、第2血液量センサと、を含み、前記ハードウェアプロセッサは、右側の血液量信号を左側の血液量信号と比較することにより、前記生物学的異常事象が発生しているかどうかを決定するように、さらに構成されている、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項78】
前記ハードウェアプロセッサは、
前記左肢及び前記右肢から受信した前記信号どうしを、時間的に同期させるように、
前記左肢及び前記右肢からの前記同期させた前記信号どうしを比較することにより、前記異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、さらに構成されている、請求項77に記載のウェアラブルシステム。
【請求項79】
前記比較に際しては、前記左肢と前記右肢との間におけるベースラインの差を考慮する、請求項78に記載のウェアラブルシステム。
【請求項80】
前記本体に対して結合された締付可能なバンドを、さらに含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項81】
前記締付可能なバンドは、正確なセンサ読取を可能とするために、前記刺激源、前記血液量センサ、又はこれらの組合せ、の1つ又は複数が前記皮膚表面に対して充分に結合していることを示すための、視覚的インジケータを、さらに含む、請求項80に記載のウェアラブルシステム。
【請求項82】
前記締付可能なバンドの1つ又は複数の端部は、前記第2面上に配置された1つ又は複数のセンサに対して中心合わせされた位置で、前記本体に対して結合されている、請求項81に記載のウェアラブルシステム。
【請求項83】
前記刺激源は、前記血液量センサにおいて、同心円状に配置されている、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項84】
前記血液量センサは、光電式脈波センサ又はインピーダンス式脈波センサを含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項85】
前記刺激源に対して結合された支持構造であり、前記刺激源を前記第2面に対して結合するように構成され、さらに、前記刺激源を前記空洞に対して少なくとも部分的に露出させるように構成された支持構造を、さらに含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項86】
前記血液量センサは、心拍数、心拍数変動、又は酸素飽和度、の1つ又は複数を測定するように、さらに構成されている、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項87】
前記刺激サイクルは、ユーザに対して個別化される、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項88】
前記刺激サイクルの前記個別化は、前記皮膚表面で感知された刺激に関連したユーザ入力を受け取ることを含む、請求項87に記載のウェアラブルシステム。
【請求項89】
前記刺激サイクルの前記個別化は、前記血液量センサから受信した信号に基づいている、請求項87に記載のウェアラブルシステム。
【請求項90】
前記刺激源は、加熱部材又は環境温度の1つを含む、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項91】
前記ハードウェアプロセッサは、前記異常な生物学的事象の前記決定に応答して、ホームオートメーションシステムを電子的に管理するように構成された第1電子システムに対して、電子メッセージを送信するように構成されている、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項92】
前記ホームオートメーションシステムは、ドアロックを含み、前記電子メッセージは、前記第1電子システムに対して、前記ドアロックの解錠を指示するように構成されている、請求項91に記載のウェアラブルシステム。
【請求項93】
前記ホームオートメーションシステムは、ホームアラームシステムを含み、前記電子メッセージは、前記第1電子システムに対して、前記ホームアラームシステムを無効とするよう指示するように構成されている、請求項91又は92に記載のウェアラブルシステム。
【請求項94】
前記ホームオートメーションシステムは、ディスプレイを含み、前記電子メッセージは、前記第1電子システムに対して、ユーザの医療情報を表示するよう指示するように構成されている、請求項91~93のいずれか一項に記載のウェアラブルシステム。
【請求項95】
前記医療情報は、投薬情報及び/又は投薬処方の遵守を含む、請求項94に記載のウェアラブルシステム。
【請求項96】
前記ホームオートメーションシステムは、ディスプレイを含み、前記電子メッセージは、前記第1電子システムに対して、脳卒中処置ユーザインターフェースを表示するよう指示するように構成されている、請求項91に記載のウェアラブルシステム。
【請求項97】
前記ホームオートメーションシステムは、スピーカシステムを含み、前記電子メッセージは、前記第1電子システムに対して、前記スピーカシステムを使用した可聴アラームを始動させるよう指示するように構成されている、請求項91~96のいずれか一項に記載のウェアラブルシステム。
【請求項98】
前記ハードウェアプロセッサは、前記異常な生物学的事象の前記決定に応答して、第三者コンピューティングシステムに対して警告を発出するように、さらに構成されている、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項99】
前記第三者コンピューティングシステムは、緊急サービスシステムを含む、請求項98に記載のウェアラブルシステム。
【請求項100】
前記第三者コンピューティングシステムは、臨床医コンピューティングシステムを含む、請求項98に記載のウェアラブルシステム。
【請求項101】
前記ハードウェアプロセッサは、前記異常な生物学的事象の前記検出に応答して処置プロトコルを開始するように、さらに構成されている、請求項54に記載のウェアラブルシステム。
【請求項102】
ウェアラブル処置システムをさらに含み、前記処置プロトコルは、前記ウェアラブル処置システムを活性化するように構成されている、請求項101に記載のウェアラブルシステム。
【請求項103】
前記ウェアラブル処置システムは、超音波ヘルメットを含む、請求項102に記載のウェアラブルシステム。
【請求項104】
前記ウェアラブル処置システムは、冷却ガス供給システムを含む、請求項102に記載のウェアラブルシステム。
【請求項105】
前記ウェアラブル処置システムは、冷却ヘルメットを含む、請求項102に記載のウェアラブルシステム。
【請求項106】
人における異常な生物学的事象を検出するためのシステムであって、
前記人の身体の右側上に位置した第1組織部位を第1時間に刺激するように構成された第1刺激源と、
前記人の身体の左側上に位置した第2組織部位を第2時間に刺激するように構成された第2刺激源と、
1つ又は複数のハードウェアプロセッサであって、
前記第1組織部位の前記刺激に基づいて、第1血管拡張応答を決定するように、
前記第2組織部位の前記刺激に基づいて、第2血管拡張応答を決定するように、
前記第1血管拡張応答及び前記第2血管拡張応答に関する1つ又は複数の差を決定するように、
前記第1血管拡張応答及び前記第2血管拡張応答に関して決定された前記1つ又は複数の差に基づいて、異常な生物学的事象を検出するように、構成された1つ又は複数のハードウェアプロセッサと、を含む、システム。
【請求項107】
前記第1刺激源は、加熱源、冷却源、又は電源、の少なくとも1つ又は複数を含む、請求項106に記載のシステム。
【請求項108】
前記第2刺激源は、加熱源、冷却源、又は電源、の少なくとも1つ又は複数を含む、請求項106に記載のシステム。
【請求項109】
前記第1時間は、前記第2時間と同期している、請求項106に記載のシステム。
【請求項110】
前記第1血管拡張応答は、第1血液量センサからの測定に応答したパラメータに基づいて決定される、請求項106に記載のシステム。
【請求項111】
前記第2血管拡張応答は、第2血液量センサからの測定に応答したパラメータに基づいて決定される、請求項106に記載のシステム。
【請求項112】
前記第1血管拡張応答は、電気的活動度センサからの測定に応答したパラメータに基づいて決定される、請求項106に記載のシステム。
【請求項113】
前記第2血管拡張応答は、電気的活動度センサからの測定に応答したパラメータに基づいて決定される、請求項106に記載のシステム。
【請求項114】
前記1つ又は複数のハードウェアプロセッサは、前記第1組織部位における前記刺激の前に、第1ベースライン血管拡張応答を決定するように、そして、前記第2組織部位における前記刺激の前に、第2ベースライン血管拡張応答を決定するように、さらに構成されている、請求項106に記載のシステム。
【請求項115】
人における脳卒中事象を検出するためのウェアラブルシステムであって、
人の第1皮膚表面に対して接触するように構成され、さらに、前記人の左肢に対して固定されるように構成された第1ウェアラブルデバイスであって、
前記第1皮膚表面と連通する第1加熱源であり、前記第1皮膚表面を第1目標温度に加熱するように構成された第1加熱源と、
前記第1皮膚表面の第1温度を測定するように構成された第1皮膚温度センサと、
前記第1皮膚表面に対して近接した第1組織部位における第1血液量を測定するように構成された第1血液量センサと、を含む第1ウェアラブルデバイスと、
前記人の第2皮膚表面に対して接触するように構成され、さらに、前記人の右肢に対して固定されるように構成された、第2ウェアラブルデバイスであって、
前記第2皮膚表面と連通する第2加熱源であり、前記第2皮膚表面を第2目標温度に加熱するように構成された第2加熱源と、
前記第2皮膚表面の第2温度を測定するように構成された第2皮膚温度センサと、
前記第2皮膚表面に対して近接した第2組織部位における第2血液量を測定するように構成された第2血液量センサと、を含む第2ウェアラブルデバイスと、
1つ又は複数のハードウェアプロセッサであって、
前記第1血液量センサから第1ベースライン血液量信号を受信するように、
前記第2血液量センサから第2ベースライン血液量信号を受信するように、
前記第1加熱源に対して第1加熱信号を出力することにより、前記第1皮膚表面を前記第1目標温度に加熱する第1加熱サイクルを開始するように、
前記第1皮膚表面が前記第1目標温度に到達したことに応答して、前記第1血液量センサから第1刺激後血液量信号を受信するように、
前記第2加熱源に対して第2加熱信号を出力することにより、前記第2皮膚表面を前記第2目標温度に加熱する第2加熱サイクルを開始するように、
前記第2皮膚表面が前記第2目標温度に到達したことに応答して、前記第2血液量センサから第2刺激後血液量信号を受信するように、
前記第1ベースライン血液量信号と、前記第2ベースライン血液量信号と、前記第1刺激後血液量信号と、前記第2刺激後血液量信号と、に基づいて、脳卒中事象を決定するように、構成された1つ又は複数のハードウェアプロセッサと、を含む、ウェアラブルシステム。
【請求項116】
前記第2刺激後血液量信号は、前記第2加熱源による加熱サイクルの、前に、最中に、及び後に、前記第2皮膚表面の前記第2血液量が繰り返して測定されることのために、一組をなす複数の血液量信号を含む、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項117】
前記第2刺激後血液量信号は、前記第2加熱源による加熱サイクルの、前に、最中に、及び後に、前記第2皮膚表面の前記第2血液量が連続的に測定されることのために、複数の血液量信号を含む、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項118】
前記1つ又は複数のハードウェアプロセッサは、前記第1ベースライン血液量信号に関しての交流(AC)と直流(DC)との第1ベースライン比率と、前記第2血液量信号に関してのACとDCとの第2ベースライン比率と、を計算するように、前記第1ベースライン比率を前記第2ベースライン比率と比較するように、さらに構成されている、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項119】
前記第1ウェアラブルデバイスは、環境温度センサをさらに含む、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項120】
前記第1ウェアラブルデバイス及び前記第2ウェアラブルデバイスに対して通信可能に結合されたリモートコンピューティングデバイスを、さらに含む、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項121】
前記リモートコンピューティングデバイスは、ラップトップ、セルラーデバイス、ワークステーション、サーバ、デスクトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、第2ウェアラブルシステム若しくは第2ウェアラブルデバイス、又はネットブックの1つを含む、請求項120に記載のウェアラブルシステム。
【請求項122】
1つ又は複数の皮膚電気活動センサを、さらに含む、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項123】
前記1つ又は複数の皮膚電気活動センサは、前記第1加熱源又は前記第2加熱源の少なくとも1つから、約0.25インチ~約4インチ(約6.35mm~約101.6mm)の分だけ離間している、請求項122に記載のウェアラブルシステム。
【請求項124】
前記第1ウェアラブルデバイス又は前記第2ウェアラブルデバイスの少なくとも一方が結合された身体部分の移動を測定するように構成された1つ又は複数のモーションセンサを、さらに含む、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項125】
前記本体に対して結合された少なくとも1つの締付可能なバンドを、さらに含む、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項126】
前記第1加熱源は、第1血液量センサと第1皮膚温度センサとの一方又は両方において、同心円状に配置されている、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項127】
前記第2加熱源は、第2血液量センサと第2皮膚温度センサとの一方又は両方において、同心円状に配置されている、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項128】
前記第1血液量センサは、光電式脈波センサ又はインピーダンス式脈波センサを含む、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項129】
前記第2血液量センサは、光電式脈波センサ又はインピーダンス式脈波センサを含む、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項130】
前記第1皮膚温度センサは、熱電対、抵抗温度検出器、サーミスタ、又は赤外線温度センサ、を含む、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項131】
前記第2皮膚温度センサは、熱電対、抵抗温度検出器、サーミスタ、又は赤外線温度センサ、を含む、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項132】
前記第1血液量センサは、心拍数、心拍数変動、又は酸素飽和度、の1つ又は複数を測定するように、さらに構成されている、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項133】
前記第2血液量センサは、心拍数、心拍数変動、又は酸素飽和度、の1つ又は複数を測定するように、さらに構成されている、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項134】
前記第1目標温度又は前記第2目標温度の少なくとも一方は、ユーザに対して個別化される、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項135】
前記脳卒中事象の前記決定は、健康な個人に対応して格納された基準データに、さらに基づいている、請求項115に記載のウェアラブルシステム。
【請求項136】
人における脳卒中事象を検出するためのウェアラブルシステムであって、
人の第1皮膚表面に対して接触するように構成され、さらに、前記人の左肢に対して固定されるように構成された第1ウェアラブルデバイスであって、
前記第1皮膚表面と連通する第1刺激源であり、前記第1皮膚表面に対して第1刺激を印加するように構成された第1刺激源と、
前記第1皮膚表面に対して近接した第1組織部位における第1応答を測定するように構成された第1センサと、を含む第1ウェアラブルデバイスと、
前記人の第2皮膚表面に対して接触するように構成され、さらに、前記人の右肢に対して固定されるように構成された第2ウェアラブルデバイスであって、
前記第2皮膚表面と連通する第2刺激源であり、前記第2皮膚表面に対して第2刺激を印加するように構成された第2刺激源と、
前記第2皮膚表面に対して近接した第2組織部位における第2応答を測定するように構成された第2センサと、を含む第2ウェアラブルデバイスと、
1つ又は複数のハードウェアプロセッサであって、
前記第1刺激源に対して第1刺激信号を出力することにより、前記第1刺激の前記印加を第1時間に開始するように、
前記第1刺激の前記印加の後に、前記第1応答を受信するように、
前記第2刺激源に対して第2刺激信号を出力することにより、前記第2刺激の前記印加を第2時間に開始するように、
前記第2刺激の前記印加の後に、前記第2応答を受信するように、
前記第1応答及び前記第2応答に基づいて、脳卒中事象を決定するように、構成された1つ又は複数のハードウェアプロセッサと、を含む、ウェアラブルシステム。
【請求項137】
人における脳卒中事象を検出するための方法であって、
人の第1皮膚表面に対して接触するように構成されかつ第1刺激源と第1センサとを含む第1ウェアラブルデバイスを、前記人の左肢に対して固定することと、
前記人の第2皮膚表面に対して接触するように構成されかつ第2刺激源と第2センサとを含む第2ウェアラブルデバイスを、前記人の右肢に対して固定することと、
前記第1刺激源に対して第1刺激信号を出力することにより、前記第1刺激の前記印加を第1時間に開始することと、
前記第1刺激の前記印加後に、前記第1センサによって測定された第1応答を受信することと、
前記第2刺激源に対して第2刺激信号を出力することにより、前記第2刺激の前記印加を第2時間に開始することと、
前記第2刺激の前記印加後に、前記第2センサによって測定された第2応答を受信することと、
前記第1応答と前記第2応答とに基づいて、脳卒中事象を決定することと、を含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による援用
本出願は、2019年10月15日付けで出願された米国仮特許出願第62/915,269号明細書、及び2020年7月17日付けで出願された米国仮特許出願第63/053,265号明細書、に関する優先権を主張するものである。これら仮特許出願のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に援用され、本開示の一部を形成する。上記の仮特許出願内の任意の実施形態に関して説明及び/又は図示された任意の、特徴点、構造、材料、方法、又はステップは、本明細書の以下の段落で説明する、及び/又は添付図面内に図示した、任意の、特徴点、構造、材料、方法、又はステップと一緒に使用することができる、あるいは、これらに代えて使用することができる。
【0002】
本開示は、一般に、疾患の検出という分野に関し、より具体的には、脳卒中の検出という分野に関する。
【背景技術】
【0003】
脳卒中は、脳に対しての血流が途絶えることにより、脳組織が死滅することで発症する。虚血性脳卒中は、通常は血栓の結果として、脳に対しての血流が滞った時に、発生する。出血性脳卒中は、脳内の血管が破裂し、脳組織及び周囲空間へと出血した時に、発生する。
【0004】
脳卒中が発症した際の生理学的症状は、影響を受けた組織の部位に応じて、様々である。脳卒中の進行の初期症状は、組織が死滅してしまう前に血流の中断が速やかに解決された場合には、軽減し得る可能性があり、又は解消し得る可能性さえある。症状の1つのカテゴリは、視力障害であり、これは、ぼやけを含み、また、しばしばカーテンが落ちることに例えられる薄暗がりを含み、また、完全な視力喪失さえをも含む。脳卒中患者は、また、目の偏りを経験したり、視線追跡の困難さを経験したり、することも多い。
【0005】
脳卒中は、脳のうちの、視覚に関係した部分に対して影響を与え得るとともに、また、脳のうちの、発話、理解、及びコミュニケーション、に関与しなければならない部分に対しても、影響を与え得る。脳卒中を罹患した患者は、理解ができないような、呂律が回らない発話をしたり、しどろもどろの発話をしたり、し得る。
【0006】
脳卒中の別の一般的な症状は、身体の片側の筋力低下である。これは、顔面の側部、片腕、片脚、又は、身体の側部全体、に関して、部分的な麻痺又は全体的な麻痺を、引き起こし得る。
【0007】
虚血性脳卒中は、最も一般的なタイプの脳卒中であり、経験しても痛みがないことが多いものの、出血性脳卒中は、非常に痛みが強く、しばしば「人生最悪の頭痛」が突然発症すると表現される。多くの場合、多くの人は、頭痛に、めまいや吐き気や嘔吐を伴う。脳卒中の発症時には、嗅覚及び味覚も、影響を受け得る。
【0008】
外傷から脳卒中まで、脳に影響を与えるあらゆるものは、認知障害を引き起こす可能性を有している。脳卒中が起こる数日前には、混乱した感覚が、又は自分の行動を常にあれこれ考える感覚が、時に現れ得る。
【0009】
脳卒中の別の一般的な症状は、突然の倦怠感である。
【0010】
脳卒中の症状は、その持続時間が様々であるため、さらに、痛みを伴って又は痛みを伴わずに発生し得るため、脳卒中の検出は、困難であり得る。さらに、脳卒中は、睡眠中に発生することもあり、その検出がさらに困難となっている。睡眠時に脳卒中が発生したとしても、その人は、すぐに目覚めないこともあり得る。その結果、患者が症状に気付いて目覚めた時には、脳卒中が始まったばかりなのか、それとも睡眠中に既に発生していたのかは、不明である。
【0011】
脳卒中が検出され、患者が迅速に処置を求めた場合には、この病気による死亡及び障害を劇的に低減させ得るという、多くの証拠に基づく介入が存在する。重度の虚血性脳卒中では、血流の回復が1分遅れるごとに、1週間の障害調整生存年(DALYs:Disability Adjusted Life Years)が失われることとなる。このような処置が利用可能であるにもかかわらず、このような処置を受ける患者は、20%未満である。介入を受けた患者であっても、介入までの遅れのために、結果が最適でないことが多い。脳卒中が痛みを伴わないことが多いため、また、他の健康事象を模倣するため、さらに、その症状が多様であるため、脳卒中の検出は、困難である。脳卒中発症の検出及び処置探求を改良することにより、この病気に関連した死亡及び障害を劇的に低減することができる。
【0012】
脳卒中と同様に、COVID-19は、多様な症状を有していることが判明しており、その多くは、神経障害の症状に類似している。最近の出版物は、COVID-19の処置を受けている患者における、脳症、炎症性CNS症候群、虚血性脳卒中、及び末梢神経障害、の初期の証拠を示している。(Zubair、JAMA Neurology、2020年)大部分のCOVID-19患者が遠隔で管理されており、入院患者のかなりの割合が侵襲的換気を必要とするため、神経障害の明らかな症状を監視することが、困難であり得る。そのため、COVID-19患者の遠隔的な監視及び治療を改良することで、この病気に関連した死亡及び障害を劇的に低減することができる。
【発明の概要】
【0013】
本開示の1つの態様は、人における異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムに関する。システムは、人の皮膚表面に対して接触する第2面と、この第2面とは反対側に位置した第1面と、を有する本体と、皮膚表面を目標温度に加熱するように構成された加熱源などの、又はペルチェ冷却器などの、皮膚表面と連通する熱刺激源と、第2面上に配置された皮膚温度センサであり、加熱源に対して接触した皮膚表面の温度を測定するように構成された皮膚温度センサと、第2面上に配置された血液量センサであって、皮膚表面の血液量を測定するように構成された血液量センサと、加熱源と血液量センサと皮膚温度センサとに対して及びウェアラブルシステムの周囲の環境温度を測定するように構成された環境温度センサに対して通信可能に結合されたハードウェアプロセッサと、を含む。ハードウェアプロセッサは、ベースライン血液量信号を受信するように、加熱源に対して加熱信号を出力することにより、皮膚表面を目標温度に加熱する加熱サイクルを開始するように、皮膚表面が目標温度へと到達したことに応答して血液量センサから第2血液量信号を受信するように、第2血液量信号をベースライン血液量信号と比較するように、比較に基づいて異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、第2血液量信号は、加熱源による加熱サイクルの、前に、最中に、及び後に、皮膚表面の血液量が繰り返して測定されるような、一組の血液量信号を含む。いくつかの実施形態では、第2血液量信号は、加熱源による加熱サイクルの、前に、最中に、及び後に、皮膚表面の血液量が連続的に測定されることのために、複数の血液量信号を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、ハードウェアプロセッサは、目標温度へと到達した後に、あるいは所定長さの時間が経過した後に、あるいは1つ又は複数の加熱サイクルが終了した後に、第2血液量信号を受信するように、さらに構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、第2血液量信号をベースライン血液量信号と比較することは、ベースライン血液量信号に関しての交流(AC)と直流(DC)とのベースライン比率と、第2血液量信号に関してのACとDCとの第2比率と、を計算することと、ベースライン比率を第2比率と比較することと、を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、環境温度センサは、ウェアラブルシステムの本体の第1面上に配置されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、システムは、ウェアラブルシステムに対して通信可能に結合されたリモートコンピューティングデバイスであり、環境温度センサを含むリモートコンピューティングデバイスを、さらに含む。いくつかの実施形態では、リモートコンピューティングデバイスは、ラップトップ、セルラーデバイス、ワークステーション、サーバ、デスクトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、第2ウェアラブルシステム若しくは第2ウェアラブルデバイス、又はネットブックの1つを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、加熱源は、本体の第2面上に配置されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、ハードウェアプロセッサは、皮膚温度センサから及び環境温度センサから、ベースライン温度信号を受信するように、ベースライン温度信号に基づいて目標温度を決定するように、目標温度が最高温度値未満であるかどうかを決定するように、さらに構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、ハードウェアプロセッサは、加熱源を周期的に動作させることにより、目標温度を維持するように、さらに構成されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、システムは、第2面上に配置された1つ又は複数の皮膚電気活動センサを、さらに含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の皮膚電気活動センサは、加熱部材から、約0.25インチ~約4インチ(約6.35mm~約101.6mm)の分だけ離間している。
【0024】
いくつかの実施形態では、システムは、ウェアラブルシステムが結合された身体部分の移動を測定するように構成された1つ又は複数のモーションセンサを、さらに含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1面及び第2面は、第1面と第2面との間に空気流を提供するために、それらの間に空洞を形成している。
【0026】
いくつかの実施形態では、ハードウェアプロセッサは、第1面上に又は第1面内に位置している。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1面及び第2面によって形成された空洞は、加熱源を、第1面上の又は第1面内のハードウェアプロセッサから、物理的に離間させている。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1面及び第2面によって形成された空洞は、加熱サイクルどうしの間に加熱源の冷却を促進するのに充分な容積を有している。
【0029】
いくつかの実施形態では、異常な生物学的事象は、脳卒中事象を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルシステムが、ユーザの左肢上に配置され、第2ウェアラブルシステムが、ユーザの右肢上に配置され、第2ウェアラブルシステムは、第2加熱部材と、第2皮膚温度センサと、第2血液量センサと、を含み、ハードウェアプロセッサは、右側の血液量信号を左側の血液量信号と比較することにより、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、さらに構成されている。
【0031】
いくつかの実施形態では、ハードウェアプロセッサは、左肢及び右肢から受信した信号どうしを、時間的に同期させるように、左肢及び右肢からの同期させた信号どうしを比較することにより、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、さらに構成されている。いくつかの実施形態では、比較に際し、左肢と右肢との間におけるベースラインの差を考慮する。
【0032】
いくつかの実施形態では、システムは、本体に対して結合された締付可能なバンドを、さらに含む。いくつかの実施形態では、締付可能なバンドは、正確なセンサ読取を可能とするために、加熱部材、皮膚温度センサ、血液量センサ、又はこれらの組合せ、の1つ又は複数が皮膚表面に対して充分に結合していることを示すための、視覚的インジケータを、さらに含む。いくつかの実施形態では、締付可能なバンドの1つ又は複数の端部は、第2面上に配置された1つ又は複数のセンサに対して中心合わせされた位置で、本体に対して結合されている。
【0033】
いくつかの実施形態では、加熱源は、血液量センサと皮膚温度センサとの一方又は両方のまわりにおいて、同心円状に配置されている。
【0034】
いくつかの実施形態では、血液量センサは、光電式脈波センサ又はインピーダンス式脈波センサを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、皮膚温度センサは、熱電対、抵抗温度検出器、サーミスタ、又は赤外線温度センサ、を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、システムは、加熱源に対して結合された支持構造であり、加熱源を第2面に対して結合するように構成され、さらに、加熱源を空洞に対して少なくとも部分的に露出させるように構成された支持構造を、さらに含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、血液量センサは、心拍数、心拍数変動、又は酸素飽和度、の1つ又は複数を測定するように、さらに構成されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、目標温度は、ユーザに対して個別化される。いくつかの実施形態では、目標温度の個別化は、皮膚表面で感知された温度に関連したユーザ入力を受け取ることを含む。いくつかの実施形態では、目標温度の個別化は、血液量センサから受信した信号に基づいている。
【0039】
いくつかの実施形態では、加熱源は、加熱部材又は環境温度の1つを含む。
【0040】
本発明の別の態様は、人における異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムに関する。システムは、人の皮膚表面に対して接触する第2面と、この第2面とは反対側に位置した第1面と、を有する本体であり、第1面及び第2面は、第1面と第2面との間に空気流を提供するために、それらの間に空洞を形成している、本体と、第2面上に配置された加熱部材であり、皮膚表面を所定時間にわたって加熱するように構成された加熱部材と、第2面上に配置された皮膚温度センサであり、加熱部材と接触している皮膚表面の温度を測定するように構成された皮膚温度センサと、第2面上に配置された血液量センサであり、皮膚表面の血液量を測定するように構成された血液量センサと、加熱部材と血液量センサと皮膚温度センサとに対して及びウェアラブルシステムの周囲の環境温度を測定するように構成された環境温度センサに対して通信可能に結合されたハードウェアプロセッサと、を含む。
【0041】
ハードウェアプロセッサは、血液量センサからベースライン血液量信号を受信するように、加熱部材に対して加熱信号を出力することにより、皮膚表面を目標温度に加熱する加熱サイクルを開始するように、皮膚表面が目標温度へと到達したことに応答して、血液量センサから第2血液量信号を受信するように、第2血液量信号を、ベースライン血液量信号と比較するように、比較に基づいて、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、構成されている。
【0042】
本発明の別の態様は、人における異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムに関する。システムは、人の皮膚表面に対して接触する第2面と、この第2面とは反対側に位置した第1面と、を有する本体と、皮膚表面と連通する加熱源であり、皮膚表面を目標温度に加熱するように構成された加熱源と、第2面上に配置された皮膚温度センサであり、加熱源と接触している皮膚表面の温度を測定するように構成された皮膚温度センサと、第2面上に配置されたセンサであって、人における関心のあるパラメータを測定するように構成されたセンサと、加熱源とセンサと皮膚温度センサとに対して及びウェアラブルシステムの周囲の環境温度を測定するように構成された環境温度センサに対して通信可能に結合されたハードウェアプロセッサと、を含む。
【0043】
ハードウェアプロセッサは、センサからベースラインセンサ信号を受信するように、加熱源に対して加熱信号を出力することにより、皮膚表面を目標温度に加熱する加熱サイクルを開始するように、皮膚表面が目標温度へと到達したことに応答して、センサから第2センサ信号を受信するように、第2センサ信号を、ベースラインセンサ信号と比較するように、比較に基づいて、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、構成されている。
【0044】
いくつかの実施形態では、センサは、ストレッチセンサ、皮膚電気活動センサ、心電図センサ、カメラ、又は血液量センサ、からなる群から選択される。
【0045】
いくつかの実施形態では、関心のあるパラメータは、血圧、心拍数、心拍数変動、視線、顔の表情、皮膚コンダクタンス応答、血管拡張応答、又は拡張応答、の1つ又は複数を含む。
【0046】
上記は、要約であるため、必然的に詳細に限定されている。本技術に関する、上記の態様、並びに、他の態様、特徴点、及び利点について、添付図面を参照しながら、様々な実施形態と関連して、以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1A図1Aは、脳卒中を検出するための多変量システムの一実施形態を示している。
図1B図1Bは、脳卒中を検出するための多変量システムの別の実施形態を示している。
図2図2は、身体の様々な部位における血圧パルスを示している。
図3図3は、脳卒中を検出するためのウェアラブルデバイスの一実施形態を示している。
図4図4は、脳卒中を検出するためのウェアラブルデバイスの別の実施形態を示している。
図5図5は、ウェアラブルデバイスを移動させた際に動作面が移動し、加速度計が動作面の変化を追跡し、それに応じて3次元内での移動を調整することを示している。
図6図6は、加速度センサによる、方位、ロール、及びピッチ、の測定を示している。
図7図7は、移動データ測定(例えば、加速度)を含むデータ取込ワークフローの一実施形態を示している。
図8図8は、取り込んだ加速度データから震え測定値を計算するためのワークフローの一実施形態を示している。
図9図9は、コンピューティングデバイス上のアプリケーションを使用して分析された加速度データのグラフ表示を示している。
図10図10は、コンピューティングデバイス上のアプリケーションを使用して分析された距離データのグラフ表示を示している。
図11図11は、コンピューティングデバイス上のアプリケーションを使用して分析された移動データのグラフ表示を示している。
図12図12は、対称的な四肢の移動を検出するためのシステムの一実施形態を示している。
図13図13は、非対称的な四肢の移動を検出するためのシステムの一実施形態を示している。
図14図14は、非対称的な四肢の移動を検出するためのシステムの別の実施形態を示している。
図15図15は、対称的な四肢の移動を検出するためのシステムの別の実施形態を示している。
図16図16は、非対称的な四肢の移動を検出するためのシステムの別の実施形態を示している。
図17図17は、非対称的な四肢の移動を検出するためのシステムの別の実施形態を示している。
図18図18は、対称的な四肢の移動を検出するためのシステムの別の実施形態を示している。
図19図19は、非対称的な四肢の移動を検出するためのシステムの別の実施形態を示している。
図20図20は、対称的な四肢の移動を検出するためのシステムの別の実施形態を示している。
図21図21は、非対称的な四肢の移動を検出するためのシステムの別の実施形態を示している。
図22図22は、対称的な四肢の移動を検出するためのシステムの別の実施形態を示している。
図23図23は、非対称的な四肢の移動を検出するためのシステムの別の実施形態を示している。
図24図24は、対称的な四肢の移動を検出するためのシステムの別の実施形態を示している。
図25図25は、非対称的な四肢の移動を検出するためのシステムの別の実施形態を示している。
図26図26は、2つの四肢からの2組のデータを比較するための、コンピューティングデバイス上のアプリケーションの一実施形態を示している。
図27図27は、2つの手首からの加速度データのグラフ表示を示している。
図28図28は、2つの手首からの距離データのグラフ表示を示している。
図29図29は、2つの手首からの移動データのグラフ表示を示している。
図30図30は、コンピューティングデバイス上のアプリケーションのズーム機能を使用しながら、2つの手首からの移動データのグラフ表示を示している。
図31図31は、2つの手首からの距離データのグラフ表示を示している。
図32図32は、2つの手首からの加速度データのグラフ表示を示している。
図33図33は、データ処理モジュールのアーキテクチャの一実施形態を示している。
図34図34は、例えば睡眠中などの、人の移動パターンをモデル化するために使用される機械学習モデルの一実施形態を示している。
図35図35は、人の移動パターンをモデル化するために使用される機械学習モデルの別の実施形態を示している。
図36図36は、人の移動パターンをモデル化するために使用される機械学習モデルの別の実施形態を示している。
図37図37は、脳卒中を検出するためのシステムの一実施形態を示している。
図38図38は、デジタル「FAST」テストの一実施形態を示している。
図39図39は、応答を対称的に刺激してその応答の出力を測定することにより、その応答が対称的であるか又は非対称的であるかを決定するように構成された、脳卒中を検出するためのシステムの一実施形態を示している。
図40図40は、異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムの一実施形態を示している。
図41図41は、異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムの別の実施形態を示している。
図42図42は、異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムの一実施形態に関して、加熱源に対して結合された支持構造を示している。
図43図43は、異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムの断面図を示している。
図44図44は、ウェアラブルシステムを皮膚表面に対して結合するための締付可能なバンドの一実施形態を示している。
図45図45は、右肢及び左肢にわたっての応答の非対称性をそれぞれ測定するための第1ウェアラブルシステム及び第2ウェアラブルシステムを示している。
図46A図46Aは、血液量センサから受信した信号を処理するための方法をグラフで示している。
図46B図46Bは、加熱サイクルを及び対応する血管拡張応答を経時的に監視するための方法をグラフで示している。
図47図47は、経時的な、及び熱の印加に応答した、皮膚表面の血管拡張応答をグラフで示している。
図48図48は、熱の印加に応答した皮膚表面の血管拡張応答を経時的に測定することにより、異常な生物学的事象を検出するための方法を示している。
図49図49は、ウェアラブルシステム内へと組込可能な熱刺激部材の一実施形態を示している。
図50図50は、ウェアラブルシステム内へと組み込まれる熱刺激部材の別の実施形態を示している。
図51図51は、1つ又は複数の生体情報を測定するための耳内ウェアラブルシステムを示している。
図52図52は、異常な生物学的事象を検出するための方法を示している。
図53図53は、ユーザの心拍数変動を測定するための方法を示している。
図54図54は、異常な生物学的事象を検出するための、心電図データを含むグラフを示している。
図55図55は、異常な生物学的事象を検出するための、心電図データを含むグラフを示している。
図56図56は、異常な生物学的事象を検出するための、非対称的な皮膚電気活動データを含むグラフを示している。
図57図57は、皮膚電気活動データ内の、様々な関心のあるパラメータを含むグラフを示している。
図58図58は、ユーザの心拍数変動を測定するための方法と、様々な特性分析と、を示している。
図59図59は、心拍数変動データの時間領域分析を示している。
図60図60は、心拍数変動データの幾何学的分析を示している。
図61図61は、心拍数変動データの周波数領域分析を示している。
図62図62は、心拍数変動データの非線形分析を示している。
図63図63は、皮膚コンダクタンス応答を測定するための方法を示している。
図64図64は、経時的に非対称的な皮膚コンダクタンス応答を含むグラフを示している。
図65図65は、経時的に非対称的な皮膚コンダクタンス応答の振幅を含むグラフを示している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図示の実施形態は、単なる例示であり、本開示を限定することを意図したものではない。概略図は、特性及び概念を例示するために図示したものであり、必ずしも縮尺通りに図示されているわけではない。
【0049】
上記は、要約であるため、必然的に詳細に限定されている。本技術に関する、上記の態様、並びに、他の態様、特徴点、及び利点について、様々な実施形態と関連して、以下で説明する。以下の実施形態の包含は、本開示をこれらの実施形態に限定することを意図したものではなく、むしろ、想定された1つ又は複数の発明を、任意の当業者が製造及び使用することを可能とすることを、意図したものである。他の実施形態が利用されてもよく、本明細書で提示する主題の精神又は範囲から逸脱することなく、改変が行われてもよい。本明細書で説明して図示する本開示の態様は、様々な異なる配合で、構成したり、組み合わせたり、改変したり、設計したり、することができ、これらのすべては、明示的に想定され、本開示の一部を形成する。
【0050】
本明細書で説明するものは、脳卒中を多変量的に検出するための、システム、デバイス、及び方法、である。多変量は、脳卒中を検出するために、2つ以上の、若しくは少なくとも2つの、若しくは複数の、因子、マーカー、又は他のパラメータ、を使用することを、含んでもよい。いくつかの実施形態では、多変量は、複数の部位若しくは位置で測定された、又は複数の時点(例えば、ランダムな間隔又は固定的な間隔、オンデマンド、自動的、等)で測定された、1つのパラメータを使用することを、含んでもよい。様々な実施形態では、多変量は、測定されたパラメータを、対称的に又は非対称的に検出することを、含んでもよい。測定されたパラメータは、機能的パラメータ(例えば、歩行、発話、顔面の変化、等)、生物学的パラメータ又はマーカー(例えば、血液タンパク質、代謝物、等)、定量的パラメータ(例えば、四肢の非対称性、心拍数変動、等)、1つ又は複数の(例えば、2個の、3個の、4個の、5個の、10個の、15個の、20個の、等)測定パラメータにおける、空間的な(例えば、首と胸との間における、腕と脚との間における、等)差、並びに/あるいは、1つ又は複数の測定パラメータにおける時間差、を含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、2つの測定データタイプ、生理学的な又は定量的な信号(例えば、皮膚の電磁電位、ドップラーフロー信号の異常、多汗症、皮膚血流、脳灌流、心拍数変動、等)、並びに/あるいは、臨床的症状又は機能的パラメータ(例えば、四肢の非対称性、発話不明瞭、顔面下垂、網膜異常、等)、を含めて、多変量信号のオーバーレイが存在してもよい。臨床的症状は、脳卒中の発症後に発生するけれども、臨床的症状測定からの微弱な信号と、生理学的信号測定と、を組み合わせることにより、脳卒中の発症前に、脳卒中の可能性を検出又は予測し得る。脳卒中の、発症前に、又は発症中に、又は発症後に、測定され得るパラメータは、定量的パラメータ、機能的パラメータ、及び/又は、血液/体液パラメータ、を含む。本明細書で図示/説明する任意のパラメータは、本明細書の他の場所で説明するように、非対称的に測定されてもよい。定量的パラメータの例示的で非限定的な例は、体積インピーダンス分光法、EEGの非対称性、脳灌流、皮膚温度/体温(例えば、麻痺肢は、非麻痺肢と比較して、最大で、6℃冷たい、又は16%冷たい)、多汗症(例えば、麻痺肢では、40%~60%増加する)、四肢の非対称性、ドリフト及び回内テスト、皮膚血流、筋緊張、心拍数変動(例えば、脳卒中の発症後には、10倍超の分だけスペクトル成分が減少し、3日間~7日間にわたって継続する)、顔面EMG、脳血流(CBF)、頸動脈の狭窄、唾液コルチゾール、神経特異エノラーゼ(NSE)、唾液(NSE)、等を含む。機能的パラメータの例示的で非限定的な例は、発話変化、会話の理解、文字の理解、意識、協調/方向性、顔面の筋力低下、腕の筋力低下、身体の筋力低下(例えば、握力)、脚の筋力低下、足の筋力低下、片側の筋力低下、歩行困難、めまい、突然の視力障害、視野制限、視線変化、雷鳴頭痛、項部硬直(首のうなじ)、呼吸、血圧(例えば、収縮期(200mHg)及び拡張期(140mmHg)の両方で、最大で60%増加する)、等を含む。血液/体液パラメータの例示的で非限定的な例は、CoaguCheck(Roche)、HemoChron(ITC)、iSTAT(Abbott)、コーネル大学、ReST(Valtari Bio Inc.)、SMARTChip(sarissa Biomedical)、等を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、複数の測定部位(例えば、橈骨、上腕、等、血管)を使用することにより、それら部位どうしの間の信号又はデータパターンの差を、名目上の健康な部位の測定値と比較することで、あるいは、データ処理モジュールへの入力として個々のベースラインと比較することで、測定する。例えば、個人のベースラインが、経時的に記録されてもよく、有害事象が発生した時には、ベースラインからの変化(例えば、絶対値又は相対値)が、片側で又は両側で、決定される。いくつかの実施形態では、有害事象が発生した後には、新たなベースラインが確立されてもよい。さらに、例えば、図2に示すように、血圧パルスは、身体内の部位によって相違するものであり、部位によってわずかに異なる信号が測定されることを示している。例えば、1つの部位だけを測定した場合には、経時的な変化が観察される。複数の部位が監視及び/又は測定される場合には、経時的な変化を使用することにより、並びに、互いに対しての変化及び/又はベースラインに対しての変化を使用することにより、パターンを、又は非対称信号の発生を、識別することができる。いくつかの実施形態では、個別化されたベースラインが、患者の健康履歴(例えば、糖尿病、心臓ペーシング、脳卒中の既往歴、等)、人口統計、ライフスタイル(例えば、喫煙者、活発な運動者、飲酒、等)、等に基づいて、さらに計算される。
【0053】
いくつかの実施形態では、図1A図1Bに示すように、脳卒中の多変量検出のためのシステム100は、ハードウェア構成要素(例えば、ウェアラブルデバイス、センサ、コンピューティングデバイス、リモートセンシングデバイス、等)と、ハードウェア内に格納された又はハードウェアと通信状態の、データ処理モジュールと、を含む。ハードウェア構成要素は、例えば1つ又は複数のセンサは、システムのユーザ上に配置されもよい、又はシステムのユーザ上の両側に配置されてもよい、又はユーザが占有する場所全体にわたって配置されてもよい。任意選択的に(破線で示されている)、多変量的に脳卒中を検出するためシステムは、本明細書の他の場所でさらに詳細に説明するように、例えばAmazon(登録商標)Alexa(登録商標)又はAmazon(登録商標)Echo(登録商標)デバイスを含むデバイスなどの、第三者デバイスを、さらに含んでもよい。例えば、ハードウェア構成要素とデータ処理モジュールとの間には、及び/又はデータ処理モジュールと第三者デバイスとの間には、及び/又は第三者デバイスとハードウェア構成要素との間には、双方向通信(例えば、有線接続を介して、又は、無線通信を介して)が存在してもよい。
【0054】
図1のシステムに関する1つの例示的で非限定的な実施形態では、デジタルFAST(すなわち、顔面下垂、腕力低下、発話困難、助けを求める時間)テストが、図1のシステムによって実行されてもよい。例えば、ハードウェア構成要素は、ユーザが占有する場所全体にわたって配置され、図38に示すように、脳卒中の結果としての、顔の表情の変化(例えば、下垂)を検出する(例えば、コンピュータビジョン技術を使用して)ように構成された、1つ又は複数のカメラを含んでもよい(すなわち、FASTテストの「F」部分)。さらに、1つ又は複数のセンサが、又は他のハードウェア構成要素(例えば、カメラ、マイクロフォン、等)が、ユーザが占有する場所全体にわたって配置されてもよい。1つ又は複数のセンサは、センサが感知したパラメータが、デジタル化やフィルタリングや処理や及び/又は分析のためにデータ処理モジュールに対して送信され得るようにして、データ処理モジュールに対して通信可能に結合される。デジタルFASTテストの場合には、非対称的な腕力低下が、1つ又は複数のセンサによって感知されてもよい。発話困難を識別するために、発話品質を受信して評価するように構成された第三者デバイスが、データ処理モジュールに対して及び/又はハードウェア構成要素に対して、通信可能に結合されてもよい。そのため、ユーザは、第三者デバイスによって話すように促されてもよく、ユーザの応答は、ハードウェア構成要素(例えば、1つ又は複数のマイクロフォン)によって感知されてもよく、これにより、ユーザの発話品質が決定されてもよい。これらの検出されたパラメータの1つ又は複数は、分析されてもよく、任意選択的に、介護者、承認された家族及び/又は友人、医療提供者、医師、及び/又は、救急隊、に対して送信されてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、多変量的に脳卒中を検出するためのシステムは、ハードウェア構成要素上へと、ダウンロードされた及び/又は格納されたアプリケーションを、あるいは、ハードウェア構成要素に対して通信可能に結合されたコンピューティングデバイス(例えば、モバイルコンピューティングデバイス)上へと、ダウンロードされた及び/又は格納されたアプリケーションを、さらに含んでもよい。アプリケーションは、センサデータ、カメラデータ、音声データ、等を処理するように構成されてもよく、及び/又は、リアルタイムで感知又は取得されたデータを、例えばグラフ表示で、表示するように構成されてもよく、及び/又は、データの様々な特性を見出すためにズームし得るように構成されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、データは、脳卒中を検出するためのデバイスとの間で、中央ハブ、モバイルコンピューティングデバイス、サーバ、又は他のストレージ、及び/又はコンピューティングデバイス、に対して送信されてもよい。データ送信は、身体上のセンサ位置どうしの間での、及び/又は、身体上のセンサ位置と中央ハブの間での、無線通信(例えば、近距離無線通信(NFC)プロトコル、低エネルギーBluetooth(登録商標)プロトコル、他の無線周波数(RF)通信プロトコル、等)を含んでもよい。他の実施形態では、データ送信は、身体上のセンサ位置どうしの間での、及び/又は、身体上のセンサ位置と中央ハブの間での、有線通信を含んでもよい。いくつかの実施形態では、中央ハブは、医療施設内のモニタ、家庭用モニタ、患者のモバイルコンピューティングデバイス、又は、他の無線デバイス、であってもよい。代替的には、身体上の1つ又は複数のセンサが、中央ハブとして機能してもよい。ハブデバイスは、無線的に信号を送信することにより、医療経路を活性化してもよい、及び/又は、1人又は複数人の個人(例えば、家族、友人、医師、EMS、等)に対して通知してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、多変量分析へと続く中央ハブに対してのデータ送信は、可能性のある偽陽性又は偽陰性を識別するために、患者、近親者、及び/又は第三者、に対して警告してもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、脳卒中を検出するためのデバイスは、様々な生理学的パラメータの継続的で可変的な監視を提供するために、事象の数日前及び事象中を含めて、脳卒中の前に及び/又は脳卒中の際に、患者の外面上に又は皮膚表面上に着用してもよい、あるいは、ハードウェアとして埋め込まれてもよい。本明細書で説明する様々な実施形態は、ウェアラブルデバイス、又は、埋め込み可能なデバイス、のいずれであってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、脳卒中を検出するためのデバイスは、例えば、パッチ、ヘッドバンド又は汗止めバンド、指輪、腕時計(例えば、図7に示すように、移動を測定するために)、粘着ストリップ、ヘルメット、ブレスレット、アンクレット、靴下(例えば、心拍数、心拍数変動、温度、歩行、等を測定するために)、靴のインソール(例えば、心拍数、心拍数変動、体温、歩行、等を測定するために)、衣類、ベルト、ネックレス、イヤリング(例えば、心拍数、心拍数変動、EEG非対称性、等を測定するために、耳上に、又は、耳内に)、補聴器、イヤフォン、眼鏡又はサングラス又はスマート眼鏡(例えば、EOG、EMG、EEG、視線、顔面筋の移動又は下垂、等を測定するために)、スマートタトゥー(例えば、EEG、ECG、等を測定するために)、ブラジャー、ブラジャークリップ、胸ストラップ、コンタクト(例えば、涙の成分、等を測定するために)、マウスガード又はバイトスプリント(例えば、唾液神経特異エノラーゼ、コルチゾール、温度、移動、等を測定するために)、帽子又はキャップ(例えば、超音波を使用して様々な信号を測定するために)、ウェアラブルスピーカ(例えば、心拍数、心拍数変動、移動、等を測定するために)、あるいは、他の態様で任意の着用可能な衣類又はアクセサリー又はデバイス内へと組み込まれたセンサ、などのウェアラブルデバイスを含んでもよい。例えば、パッチ(例えば、首上に着用可能)を使用することにより、脳(頸動脈)内へと導入される血液又は脳(頸静脈)から導出される血液の指標として、ドップラー超音波又は血液酸素量又は他の血液特性を使用して脳血流を推定してもよく、パッチ又はストリップ(例えば、頭部上に着用可能)を使用することにより、EEG又はsEMGを検出してもよい。さらに、例えば、脳卒中を検出するためのウェアラブルデバイスは、皮膚を通して侵入した1つ又は複数のガスの変化を測定するように構成された1つ又は複数の経皮センサを含んでもよく(例えば、一酸化窒素(NO)は、直接的に測定することができる、あるいは、特定の副産物の測定を通して測定することができる)、皮下領域内に又は表皮内に拡散する血液中に存在する1つ又は複数のバイオマーカーは、外部から測定することができる。いくつかの実施形態では、脳卒中を検出するためのウェアラブルデバイスは、皮下の体液又は間質液を測定する(例えば、継続的なグルコースモニタと同様に)ように構成されたマイクロニードルと組み合わされたリストバンド又はパッチを含んでもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、脳卒中を検出するためのウェアラブルデバイスは、個人の体液(例えば、血液、間質液、等)内の、化学物質、分析対象物、タンパク質、等を測定するように構成された複数のインジケータ(例えば、発色性インジケータ)からなるウェアラブルアレイを含んでもよい。例えば、アレイは、1つ又は複数の分析対象物に対して曝された時には複数のインジケータスポットからなる部分集合が色又は特性を変えることによって応答するアレイが上面上に印刷された膜を、含んでもよい。インジケータの色応答は、例えば、コンピューティングデバイス上のカメラ又は他の画像センサを使用して光学的に読み取られてもよく、ベースライン読取値又は基準値又は標準値と比較されてもよい。色差マップは、2つの画像(ベースライン及び実験値、あるいは、実験値及び基準値/標準値)を重ね合わせることにより及び/又は減算することにより、生成されてもよい。例示的で非限定的な分析対象物として、一酸化窒素の増加が、脳卒中事象後の個体の血液又は間質液内で検出されてもよい、並びに/あるいは、一酸化窒素による1つ又は複数のタンパク質の修飾物が、脳卒中事象後の個体の血液又は間質液内で検出されてもよい、並びに/あるいは、一酸化窒素の1つ若しくは複数の中間体又は副産物が、脳卒中事象後の個体の血液又は間質液内で検出されてもよい。例えば、一酸化窒素は、1)金属中心への結合によって、2)チオール及びアミン基のニトロシル化によって、3)チロシン、トリプトファン、アミン、カルボン酸、及びフェニルアラニン基、のニトロ化によって、4)チオール(システイン及びメチオニン残基の両方)及びチロシンの酸化によって、タンパク質を修飾することが示されている。このような方法は、本明細書の他の場所で説明するように、1つ又は複数のパラメータに関する非対称的変化を測定する必要性を回避してもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、脳卒中を検出するためのシステムは、図38に示すように、脳卒中の視覚的兆候を検出するために、家庭全体にわたって、コンピュータビジョン又は同様の技術を使用した「FAST」テストに相当する、1つ又は複数のドップラーレーダーセンサ、マイクロフォン、及びカメラ、を含んでもよい。例えば、機械学習モデルを、脳卒中患者の画像からなる訓練データセットによって訓練してもよく、これにより、顔面下垂などの非対称的な顔面特性を識別してもよい。図38から理解し得るように、システムは、患者の口、鼻、及び目の位置に関して、下垂を識別することができる。高フレームレートのオイラービデオ処理技術を介して、顔面毛細血管の非対称性が、また、本明細書で説明するシステムによって検出されてもよい。システムは、HR/HRV、呼吸数(例えば、ドップラーレーダーを介して)、及び/又は、赤外線カメラ(すなわち、FLIR)を介した両側温度などの、確認バイオメトリクスが、さらに採用されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、脳卒中を検出するためのデバイスは、部屋、オフィス、家庭、車両、又は他の場所、内に配置可能なデバイスを含んでもよい、あるいは、ベッド若しくは他の家具の中に又は上に配置可能なデバイス(例えば、ベッドサイドモニタ、マットレスや寝具の中のモニタ、等)を含んでもよい。例えば、スマートスピーカ(例えば、発話品質を分析するための質問に応答するように、ユーザを促すために)、マイクロフォン、カメラ、及び/又は、鏡が、ユーザの発話、活動度、移動、歩行、顔の外観、心拍数、及び/又は、心拍数変動、における変化を検出するための位置に配置可能であってもよい。デバイスは、健康な学習済み患者データからのものと比較して、又は個別化されたベースラインデータからのものと比較して、測定されたパラメータにおける変化を区別するためのデータ処理モジュールを含んでもよい。これは、基準データと称することもできる。健康な学習済み患者データは、特定のユーザに固有のものであってもよく、あるいは、過去の研究から事前に決定された集計値であってもよい。健康な学習済み患者データ又は個別化された患者データは、1つ又は複数のパラメータとして、又は署名として、格納することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、図3に示すように、デバイスは、温度、体積インピーダンス分光法、多汗症、血流速度を監視するための例えばPPGセンサによる心拍数又は心拍数変動、並びに/あるいは、例えば四肢非対称性又は歩行変化を測定するために移動(例えば、内部に加速度センサ及び/又はジャイロスコープを含むことによる)、を測定するための、各手又は各足に1つずつ着用されるべき、指輪又は一対の指輪であってもよい。温度測定デバイスは、赤外線センサ、温度計、サーミスタ、又は、熱流変換器、を含み得るけれども、これらに限定されるものではない。多汗症測定デバイスは、電位差測定、クロノアンペロメトリ、サイクリックボルタンメトリ、方形波ストリッピングボルタンメトリ、又は、導電率変化の検出、に基づく、イオン、代謝物、酸、ホルモン、及び、小型タンパク質を含む分析対象物の検出を含み得るけれども、これらに限定されるものではない。センサ測定デバイスは、光電式脈波(PPG)デバイス、皮膚コンダクタンス/ガルバニック皮膚応答(GSR)又は皮膚電気活動(EDA)を測定する皮膚コンダクタンスセンサ、あるいは、皮膚温度測定デバイス(例えば、接触式デバイス、及び、IR画像カメラなどの非接触式デバイス)を含み得るけれども、これらに限定されるものではない。
【0064】
いくつかの実施形態では、指輪は、指が膨張した時に指輪が膨張又は伸張することを可能とするために、伸張可能な構成要素を、又は膨張可能な構成要素を、又は伸張式センサを、組み込んでもよい。この構成要素は、異なる柔軟な構成要素を可能とするために様々な結合度のエラストマーフィルムポリマーを含み得るけれども、あるいは、偏光の反射率を測定することを含み得るけれども、これらに限定されるものではない。この構成要素は、指輪の、緩め得る/引き締め得るプラスチックセグメントを含んでもよく、あるいは、離間させ得るスライド可能な構成要素を構築するものであってもよい。伸張式センサの非限定的な例は、歪みゲージ、あるいは、伸張した時に、インダクタンス、抵抗、又はキャパシタンス、が変化するように構成された電気部品を含むけれども、これらに限定されるものではない。
【0065】
いくつかの実施形態では、デバイスは、脳波(EEG)によって脳波を測定するような、及び/又は、表面筋電図(sEMG)によって筋収縮を測定するような、ストリップであってもよい。EEGの測定値は、EEGの変化又は非対称性を検出するために、ベースライン値と比較されてもよい。いくつかの実施形態では、EMGは、ベースライン測定値と比較して顔面筋の変化を測定し、これにより、筋力の低下及び緊張を特定する。
【0066】
いくつかの実施形態では、図4に示すように、デバイスは、眼電図(EOG)、EMG、EEG、視線、及び、顔面筋の対称性、を測定するウェアラブル眼鏡デバイスであってもよい。EOGの測定は、視線及び視野サイズの変化を検出し得るよう、目の前後間における角膜網膜定位電位の変化を特定し、他方の目、又は、以前のベースライン値、のいずれかと比較され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、図5図6に示すように、脳卒中を検出するためのデバイスは、震えを検出するために、例えば非対称的な移動などの、(例えば3軸内での)移動の変化を測定するためのウェアラブルデバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、脳卒中を検出するためデバイスは、震えを検出するために、例えば非対称的な(例えば3軸内での)移動の変化を測定するためのウェアラブルデバイスを含んでもよい。そのようなデバイスは、加速度計、ジャイロスコープ、傾斜計、コンパス、あるいは、加速度、距離、及び/又は移動を測定するための他のデバイス、を含んでもよい。例えば、図5に示すように、ウェアラブルデバイスが移動を受けると、動作面も移動する。加速度計は、平面の変化を追跡してもよく、それに応じて3次元内での移動を調整してもよい。さらに、図6に示すように、加速度計は、方位、ロール、及びピッチ、を追跡してもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、脳卒中を検出するためのデバイスは、非対称的な応答、非対称的な出力、又は非対称的な信号、を検出するように構成されてもよい。例えば、本明細書で説明する1つ又は複数のデバイス(例えば、指輪、腕時計、等)は、対称的な及び非対称的な四肢の移動を測定するために使用されてもよい。図12図25は、本明細書で説明する1つ又は複数の実施形態によって測定され得る様々な対称的な及び非対称的な移動を示している。例えば、図12図15図18図20図22、及び図24は、本明細書で説明する様々なデバイスによって測定可能な2つの四肢の間における対称的な移動(例えば、上下移動、左右移動、回転移動、等)に関する様々な実施形態を示している。図13図14図16図17図19図21図23、及び図25は、本明細書で説明する様々なデバイスによって測定可能な四肢の非対称的な移動(例えば、上下移動、左右移動、回転移動、等)に関する様々な実施形態を示している。
【0069】
いくつかの実施形態では、図39に示すように、脳卒中を検出するためのデバイス又はシステムは、応答を刺激するように、そして、ユーザの身体における各側の応答を測定するように(例えば、非対称的な応答を検出するように)、さらに、両側の間での応答が、又は両側の間での応答の差が、脳卒中事象を示しているかどうかを決定するように、構成されてもよい。例えば、熱(すなわち、高温の又は低温の)刺激を、ユーザの身体の皮膚部分に対して印加してもよく(上側の図に示している)、その熱刺激に対する身体の応答を、経時的に監視してもよく(下側の図に示している)、これにより、恒常性に到達したかどうかを決定してもよい、及び/又は、応答における若しくは戻り率における差が身体の両側の間に存在するかどうかを決定してもよい(言い換えれば、非対称的な応答が存在するかどうかを決定してもよい)。更なる例は、電気信号を使用して筋肉系又は神経系を刺激して、筋電図(EMG)、生体インピーダンス、若しくはエレクトロニューログラム(ENG)をそれぞれ使用して、経時的な及び/又は両側間の応答を監視することを含む。これらの「刺激部材/伝達部材」及び「受信部材/検出部材」は、同じ領域内に位置することができる、あるいは、身体の様々な領域にわたって測定を行うために、互いに離間して配置することができる。
【0070】
上述したように、脳卒中が検出され、患者が迅速に処置を求めた場合には、死亡及び障害を劇的に低減することができる。脳卒中事象に対する継続的な監視は、対応時間を改良することができる。しかしながら、既存のモニタを使用して脳卒中事象などの異常な生物学的事象を継続的に監視することは、困難であり得る。これらのモニタは、扱いにくいものであり、ユーザが長時間にわたって着用することが困難であり得る。対照的に、本発明者らは、センサと電子機器とが組み込まれた腕時計などのウェアラブルデバイスが、脳卒中事象の継続的な監視を改良し得ることに、気付いた。血管拡張応答の低下は、脳卒中、心不全、高血圧、糖尿病、更年期障害、又は他の状態を示している可能性がある。
【0071】
皮膚の一部に対して熱応力を印加することは、血管拡張応答の検出を可能とし得る。したがって、以下で説明するシステム及び方法は、継続的な異常心臓事象監視を改良するフォームファクタで、血管拡張の低下の検出を可能とする。いくつかの実施形態では、図40に示すように、異常な生物学的事象を検出するためのシステム又はデバイス400は、皮膚表面を加熱するように、そして、皮膚表面の血管拡張応答を測定するように、機能してもよい。システム又はデバイス400は、本明細書の他の場所でより詳細に説明するように、生物学的信号等の、1つ又は複数の追加的なパラメータを、測定するようにさらに機能してもよい。
【0072】
一例では、異常な生物学的事象を検出するためのシステム又はデバイス400は、人の皮膚表面に対して接触する第2面404とは反対側に、第1面404を有する本体416を含んでもよい。第1面404及び第2面404は、1つ又は複数の側壁405を介して結合されてもよい。例えば、1つ又は複数の側壁405は、第1面404の周縁から延びてもよく、第2面402の周縁に対して結合してよい。第1面404及び/又は第2面402は、上面上に配置された1つ又は複数のセンサを含んでもよい。例えば、第1面404上の1つ又は複数のセンサは、ウェアラブルシステムを着用又は使用しているユーザの環境を測定してもよく、第2面402上の1つ又は複数のセンサは、ユーザの皮膚表面の、ひいてはユーザ自身の、1つ若しくは複数の、特性、特徴物、又は特徴点、を測定してもよい。代替的には、第1面404は、例えばFASTテストによって、ユーザの顔面領域を評価するための、1つ若しくは複数の、センサ又はイメージセンサ又はカメラを含んでもよい。
【0073】
ウェアラブルデバイス400は、本明細書の他の場所でより詳細に説明する例えば締付可能なバンドなどの結合部材408を介して、ユーザに対して、例えばユーザの四肢又は皮膚表面に対して、固定されてもよい。結合部材408は、ウェアラブルデバイスと皮膚表面との間のより強い接触を促進するよう、ひいては結合を促進するよう、ウェアラブルデバイスが締め付けられ得るように又は張力がかけられ得るように、あるいは、ウェアラブルデバイスと皮膚表面との間の接触又は結合を低減するために張力が解放され得るように、調節可能であってもよい。図41に示すように、結合部材408は、1つ又は複数のコネクタ422a、422b、422c、422dを介して、ウェアラブルデバイスの本体416に対して結合されてもよい。例えば、結合部材408は、1つ又は複数のピンジョイント、結合部材408に対してのスナップフィット接続、結合部材408に対してのスライドフィット接続、等を含むコネクタ422を介して、ウェアラブルデバイスの本体416に対して結合されてもよい。締付可能なバンド408がコネクタ422を介して本体416に対して結合された時には、締付可能なバンドは、第2面上に配置された1つ又は複数のセンサに対して中心合わせされ、これにより、センサと皮膚表面との間に充分な結合が存在する。
【0074】
ウェアラブルデバイス400は、皮膚表面と連通する加熱源410を含んでもよい。加熱源410は、皮膚表面を目標温度に又は所定温度に加熱するように、構成されている。加熱源410は、加熱部材、例えば暖かい部屋や暖かい環境(例えば、布団の中、暑い日、等)などの環境的加熱源、薄膜抵抗フレキシブルヒータ、ポリイミドヒータ、等であってもよい。いくつかの実施形態では、加熱源410は、加熱源410と皮膚表面との間に結合又は接触が存在するようにして、本体416の第2面402上に配置されている。代替的には、加熱源610は、あるいは、1つ又は複数のセンサ612、626は、図50に示すように、加熱源610と、1つ又は複数のセンサ612、626と、を含むセンサモジュール609から、本体616が離間しているようにして、システム600の結合部材608上に配置されてもよい。代替的には、加熱源は、並びに/あるいは1つ又は複数のセンサは、どのセンサがシステム内へと組み込まれるかに応じて、また、それらセンサの特定の要件又はパラメータに応じて、結合部材と、本体と、センサモジュールと、の間にわたって、分散されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、図49に示すように、加熱源710は、ポリイミドフィルム702上の抵抗性インクからなる単一印刷層を含む熱刺激部材を含んでもよい。熱トレース704、並びに、1つ又は複数のセンサ706(例えば、血液量センサ、赤外線センサ、温度センサ、等)に対するトレースも、また、図49に示すように、同様にポリイミドフィルム702上に印刷することができる。
【0076】
なおも更なる実施形態では、センサモジュール809は、図51に示すように、耳内デバイス(例えば、耳たぶクリップ、イヤフォン、補聴器、等)の中に配置されてもよい。センサモジュールは、どのセンサが存在するかに応じて、例えば、血圧、温度、及び/又は酸素飽和度などの、1つ又は複数のパラメータを測定するように、構成されてもよい。
【0077】
さらに、加熱源410は、ハードウェアプロセッサが加熱源410に対して加熱信号を出力することによって加熱源を活性化させて加熱サイクルを開始させるように、ハードウェアプロセッサに対して通信可能に結合されてもよい。例えば、加熱サイクルは、皮膚温度センサから及び環境温度センサからベースライン温度信号を受信することと、ベースライン温度信号に基づいて目標温度を決定することと、目標温度が最大温度値未満であるかどうかを決定することと、を含んでもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、目標温度は、皮膚温度センサによって測定されたベースライン皮膚温度に対して、約1度~約20度を加えたもの、例えば約1度~約5度、約1度~約10度、約5度~約10度、約5度~約15度、約8度~約12度、等を加えたもの、と等しくてもよい。一実施形態では、目標温度は、皮膚温度センサによって測定されたベースライン皮膚温度に対して、約5度~約15度を加えたものに等しい。別の実施形態では、目標温度は、皮膚温度センサによって測定されたベースライン皮膚温度に対して、約7度~約13度を加えたものに等しい。別の実施形態では、目標温度は、皮膚温度センサによって測定されたベースライン皮膚温度に対して、約10度を加えたものに等しい。目標温度が最大温度値より大きい場合には、システムは、ベースライン皮膚温度が最小しきい値よりも低くなるまで一時停止又は遅延させる、あるいは、目標温度が最大温度値より低くなるように再計算する。目標温度が最大温度センサよりも小さい場合には、システムは、加熱源を活性化することを促進し、これにより、皮膚表面を目標温度に加熱する。
【0079】
いくつかの実施形態では、加熱源は、目標温度と、非活性化状態又はオフ状態と、の間にわたって、あるいは、目標温度と、目標温度よりも低いものの皮膚ベースライン温度よりも高い温度と、の間にわたって、周期的に動作し、これにより、例えば目標温度を維持し、以下では、これは、滞留時間と称される。
【0080】
いくつかの実施形態では、加熱サイクルの持続時間及び目標温度は、相互に関連するものであり、ユーザの好みに基づく、あるいは、皮膚表面上における熱に対してのユーザ感知に基づく、あるいは、ユーザの血管拡張応答に基づく。例えば、より高温の目標温度は、より短い期間にわたって使用されてもよい、あるいは、より低温の目標温度は、より長い期間にわたって使用されてもよい。
【0081】
さらに、システム又はデバイス400は、皮膚表面上で感知された熱感覚に関連した、及び/又は、ユーザの血管拡張応答の感度に関連した、1つ又は複数のユーザ入力を受け取るように、構成されてもよい。例えば、ユーザは、目標温度が熱すぎる又は冷たすぎると感じたことを、例えばユーザ入力部材(例えば、ボタン)を介して入力してもよく、これにより、システムは、目標温度を下げることによって対応するものの、皮膚が加熱される時間量を延ばす。追加的に、又は代替的に、ユーザの好みに基づいて、又は(例えば、製造時の)プリセット構成に基づいて、又は感知されたデータの結果として(例えば、センサデータに基づいて)、加熱源は、例えば遅い傾斜、大きなステップ機能、等の、複数の傾斜機能の1つを介して、目標温度へと到達してもよい。代替的には、加熱源は、複数の微小刺激を通して目標温度へと到達してもよい。さらに、例えば、目標温度は、ユーザの血管拡張応答の感度に基づいて、ユーザに対して個別化されてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、異常な生物学的事象を検出するためのデバイス又はシステム400は、加熱源410に対して結合された支持構造428であり、加熱源410を第2面402に対して結合するように構成された支持構造428を含む。例えば、図42に示すように、支持構造428は、加熱源410を支持するために、加熱源410の中心に向けて又は中心にまで延びるアーム432と、アーム432から加熱源410の周縁へと延びる1つ又は複数のスポーク430と、を含む。スポーク430は、隣接するスポーク430から、実質的に等間隔に配置されてもよい。スポーク430は、また、ピン又はジョイント434まわりに、周方向に配置されてもよい。支持構造428のスポーク430は、加熱源410を冷却させるように空気を加熱源410と相互作用させ得る空気流開口442を、さらに規定している。スポーク430は、本明細書の他の場所で説明するように、第1面及び第2面によって形成された空洞に対して加熱源を少なくとも部分的に露出させるための空気流開口422を、さらに規定している。代替的に、又は追加的に、加熱源410は、1つ又は複数の通気口によって、加熱源410の上にわたって空気流を通過させるための送風機によって、冷却剤によって、あるいは、当業者に公知の他の機構によって、冷却されてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、支持構造428は、加熱源410と皮膚表面との間の接触又は結合を増強させるために、加熱源410上へと圧力を印加する。一実施形態では、締付可能なバンドは、バンドが受ける引っ張り応力を決定する歪みゲージを含む。歪みゲージの出力又は信号は、その後、ユーザに対して視覚化又は表示することができ、これにより、バンドが、加熱源及び/又は1つ若しくは複数のセンサに対して適切なレベルへと張力印加されているかどうかを、ユーザが知ることとなる。代替的には、材料のバネ定数(k)は、力(F=kx)を計算するために使用されてもよく、材料がどれだけ伸ばされているか(緊張状態に置かれているか)に応じて、バンドは、変位に基づく力を示すことができる。よって、支持構造428は、可撓性材料を、例えば可撓性プラスチックを、含んでもよい。他の実施形態では、支持構造428は、剛直な材料を含む。
【0084】
さらに、図40図41に示すように、異常な生物学的事象を検出するためのデバイス又はシステム400は、皮膚温度センサ414と、血液量センサ412と、をさらに含む。血液量センサ412は、デバイス又はシステム400などのフォームファクタ内に組み込むことができ、このことは、異常な心臓事象の継続的な監視を改良する。血液量センサ412は、血管拡張応答を提供し得るパラメータを測定することができる。さらに、皮膚温度センサ414も、また、デバイス又はシステム400内に組み込むことができる。皮膚温度センサ414は、第2面402上に配置され、加熱源410と接触している皮膚表面の温度を測定するように、構成されている。血液量センサ412は、第2面402上に配置され、皮膚表面の血液量を測定するように、構成されている。血液量センサは、光電式脈波センサ又はインピーダンス式脈波センサであってもよい。血液量センサは、530nm(緑色)、645nm(赤色)、470nm(青色)の波長の光を、又はこれらの組合せを、採用してもよい。異なる波長は、異なる用途に関して、より適切であってもよく、例えば、緑色(530nm)の光は、心拍数測定(例えば、心拍数変動、心拍数、等)に関して、より正確であり得る。追加的に、又は代替的に、血液量センサは、心拍数、心拍数変動、又は酸素飽和度、の1つ又は複数を測定するように、さらに構成されてもよい。
【0085】
異常な生物学的事象を検出するためのシステム又はデバイス400は、ウェアラブルシステム400の周囲の環境温度を測定するように構成された環境温度センサを、含んでもよい。例えば、環境温度センサは、ウェアラブルシステムの本体416の、加熱源410を含む第2面402とは反対側の、第1面404上に配置されてもよい。代替的には、システム又はデバイス400は、リモートコンピューティングデバイス上の又はリモートコンピューティングデバイス内の環境温度センサに対して、通信可能に結合されてもよい。例えば、リモートコンピューティングデバイスは、ラップトップ、セルラーデバイス、ワークステーション、サーバ、デスクトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、第2ウェアラブルシステム又はデバイス、ネットブック、又は同種のもの、を含んでもよい。
【0086】
皮膚温度センサ及び/又は環境温度センサは、熱電対、抵抗式温度検出器、サーミスタ、又は、赤外線温度センサ、を含んでもよい。選択される温度センサのタイプは、他の特徴点の中でも、エラー率、皮膚表面に関しての結合効率、に依存してもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、加熱源410は、図40図41に示すように、血液量センサ412と皮膚温度センサ414との一方又は両方のまわりにおいて、同心円状に配置されている。しかしながら、血液量センサ412及び皮膚温度センサ414を皮膚表面に対して結合させ得る位置又は配置が想定される。
【0088】
皮膚温度センサ414及び環境温度センサに対して通信可能に結合されたハードウェアプロセッサ(ウェアラブルシステム内に位置する、あるいは、ウェアラブルシステムに対して通信可能に結合されている)は、皮膚温度センサを使用して第1温度信号を受信することと、環境温度センサを使用して第2温度信号を受信することと、皮膚温度と環境温度との温度差を計算することと、を含む方法を実行するように、構成することができる。例えば、温度差が、設定されたしきい値よりも小さい場合には、目標温度と最大温度値との間の差を、増大させてもよい。対照的に、温度差が、設定されたしきい値よりも大きい場合には、目標温度と最高温度値との間の差を、低減させてもよい。環境温度センサは、また、異常の誤検知などの誤った結果を判定する分析において使用されてもよい。刺激前後の信号を比較することにより、及び/又は、左肢と右肢とを比較することにより、異常の分析において、環境温度応答などの外在性を低減してもよい。
【0089】
さらに、ハードウェアプロセッサは、加熱源410及び血液量センサ412に対して結合されてもよい。いくつかの実例では、上述したシステム400は、血管拡張性及び/又は血管収縮性の非侵襲的な監視を可能とすることができる。人体は、恒常性のプロセスを通して、安定した平衡を調節する。例えば、刺激が、患者の身体に対して印加された場合には、1つ又は複数の恒常性プロセスが、刺激の影響を打ち消そうとする。例えば、組織部位の温度を上昇又は低下させる誘導された熱刺激に関して、身体は、血流(血管拡張又は血管収縮)を通して温度変化を逆転させようとする。したがって、システム400は、血管拡張応答を誘発して測定することができる。上述したように、脳卒中及び他の異常は、血管拡張応答を低下させ得る。したがって、実例によっては、脳卒中などの異常を決定するために、血管拡張応答の変化を監視することが有利であってもよい。光学センサなどの血液量センサは、血流と、それに対応した血管拡張応答と、の監視を可能とすることができる。いくつかの実例では、1つ又は複数の温度センサ(サーミスタ又は光放射ベースの検出器を介して)も、また、刺激の後に皮膚温度が平衡へと戻る速さを監視することによって、血管拡張性応答の決定を可能とすることができる。いくつかの例では、血管拡張性応答は、血液量パラメータ、温度、及び本明細書で説明する他のものなどの、測定パラメータの変化率又は傾きと相関する。追加的な例では、血管拡張応答は、変化率の急峻さと相関させることができる。これは、二次導関数を使用して計算することができる。
【0090】
いくつかの実例では、心臓監視を改良するために、加熱源410と血液量センサ412との組合せを使用することが有利であり得る。加熱源410及び血液量センサ412は、継続的な監視のためにユーザが着用し得るフォームファクタ内へと組み込むことができる。測定は、患者に大きな不快感を与えることなく、非侵襲的に繰り返すことができる。さらに、図46A図46B及び図47に示すように、熱を印加してから血液量が変化するまでの応答時間は、比較的短い。このことは、異常な生物学的事象の決定を比較的速く行うことを可能とする。したがって、継続的な心臓監視を改良するために、本明細書で開示する任意のウェアラブルシステムにおいて、加熱源と血液量センサとを一体化することが有利であり得る。いくつかの実例では、加熱源410に代えて、又は加熱源に加えて、ペルチェ冷却器を、熱源として使用することができる。
【0091】
さらに、いくつかの実例では、刺激は、熱刺激に加えて、又は熱刺激に代えて、電気刺激とすることができる。例えば、システム400は、組織部位にわたって電気的活動度を誘発及び/又は測定するための複数の電極を含んでもよい。電気的活動度は、片麻痺で起こり得る筋緊張の高低を検出するための生体インピーダンスを含むことができる。システム400は、少なくとも2つの電極を含むことができる。いくつかの実例では、システム400は、少なくとも4つの電極を含むことができる。例えば、システム400は、生体インピーダンスの測定のための、2対の電極を含むことができる。これら4つの電極は、第2面402上に配置されてもよい。電極は、また、ストラップ408上に配置されてもよい、あるいは、システム400を取り付け得る外部付属品上に配置されてもよい。生体インピーダンスは、片麻痺を検出するために使用され得る細胞間及び細胞内の両方の筋肉を測定することができ、検出とリハビリテーションとの両方に使用することができる。EDA電極は、また、皮膚に直面した第2面に沿ったあらゆる位置においてストラップ408に対して取り付けることができる。さらに、システム400は、また、6つ以上の電極を含むこともできる。電極は、電極がユーザの皮膚組織に対して接触しているようにして、システム400上に組み込むことができる。
【0092】
上述したように、血液量センサ412などの光学センサは、血管拡張応答と相関するパラメータを決定するために、ターゲット組織を調査することができる。他のセンサも、また、血管拡張応答を決定するためのパラメータを抽出するために、使用することができる。例えば、システム400は、最小侵襲性の及び/又は侵襲性のセンサを使用することにより、心拍出量などの血行動態的パラメータを決定することで、血管拡張応答の指標を提供することができる。システム400は、また、生体インピーダンスセンサ、EDAセンサ、ECGセンサ、EEGセンサ、EMGセンサ、及び同種のもの、などの、1つ又は複数の電気ベースのセンサも含むことができる。電気センサは、水和、皮膚コンダクタンス、生体インピーダンス、及び、血行動態機能に関連した他の電気的パラメータ、の測定を可能としてもよく、あるいは、神経活動度及びその効果の電気シグナリングを測定してもよい。さらに、システム400は、血行動態的パラメータを得るために、1つ又は複数の超音波センサを含むことができる。温度センサも、また、血管拡張応答の決定を可能とすることができる。したがって、システム400は、血行動態機能又は恒常性維持と相関する1つ又は複数のパラメータを抽出するために、上述したセンサの一部又は全部の組合せを含むことができる。
【0093】
以下の表は、監視し得る生理学的現象及び対応するパラメータの例を示している。
【表1】
【0094】
脳卒中後の患者は、多くの場合、神経ICU内で監視される。これは、看護師が患者の定期的なチェックを行う必要があるため、費用がかかるものとなり得る。したがって、システム400は、患者が神経ICUに入ることを必要とすることなく、及び/又は、介護者が定期的にチェックすることを必要とすることなく、改良された監視を可能とすることができる。システム400をウェアラブルシステムとして説明しているけれども、いくつかの例では、システム400の構成要素の一部又は全部は、ユーザに対して直接的に取り付けることなく、又はユーザが直接的に着用することなく、ユーザに近接して配置されてもよい。例えば、ユーザが病院環境内で監視される必要がある時には、システム400の構成要素の一部又は全部は、ユーザの病院のベッドに近接して配置することができる。例えば、熱刺激源は、レーザを含んでもよい。
【0095】
よって、ハードウェアプロセッサは、図52に示すように、血液量センサからベースライン血液量信号を受信することS5202と、加熱源に対して加熱信号を出力することにより、加熱サイクルを開始することS5204と、血液量センサから第2血液量信号を受信することS5206と、第2血液量信号を、ベースライン血液量信号と比較することS5208と、比較に基づいて異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定することS5210と、を含む方法を行うように、構成されてもよい。方法における各ステップは、医師又は介護者又はユーザの好みに従って、少なくとも1回にわたって、1回又は複数回にわたって、複数回にわたって、ループ上で、あるいは、他の態様で、繰り返されてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、第2血液量信号は、加熱源による加熱サイクルの、前に、最中に、及び/又は後に、皮膚表面の血液量が繰り返して測定されることのために、一組をなす複数の血液量信号である。皮膚表面の血液量は、例えば約10ms~約1秒ごとに、約1秒~約5秒ごとに、約5秒~約10秒ごとに、等のように、予め設定された間隔で測定されてもよい。代替的には、皮膚表面の血液量は、ランダムに測定される、又は皮膚表面の温度変化が検出された時にのみ測定される、又は血液量センサによる血管拡張の変化が検出された時に測定される。測定頻度は、ユーザに対して個別化されてもよく、例えば、熱に対してのユーザの血管拡張応答が非常に敏感である場合には、血液量測定の頻度を減らす必要があり得る。対照的に、熱に対してのユーザの血管拡張応答があまり敏感でない場合には、血液量測定の頻度を増やすことが必要であり得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、第2血液量信号は、加熱源による加熱サイクルの、前に、最中に、及び/又は後に、皮膚表面の血液量が連続的に測定されることのために、複数の血液量信号である。
【0098】
いくつかの実施形態では、ブロックS5206は、目標温度へと到達した後に、あるいは所定長さの時間が経過した後に、あるいは滞留時間(すなわち、加熱サイクル時に加熱源のオン及びオフを周期的に動作させる、又は、加熱サイクル時に目標温度とこれより低温との間で加熱源を周期的に動作させる)が経過した後に、あるいは1つ又は複数の加熱サイクルが終了した後に、第2血液量信号を受信することを含む。サンプリングの頻度、及び/又は、加熱サイクルに対するサンプリング(加熱サイクルの、前、最中、又は後)は、サンプリングが個別化されるように、ユーザの生物学に基づくものとされてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、ブロックS5208は、図46Aに示すように、ベースライン血液量信号に関しての交流(AC)と直流(DC)とのベースライン比率と、第2血液量信号に関してのACとDCとの第2比率と、を計算することと、ベースライン比率を第2比率と比較することと、を含む。ACとDCとの比率に関する方法論及び根拠は、Tusman et al. 「Advanced uses of pulse oximetry for monitoring mechanically ventilated patients」、Anesth Analg 2017; 124: 62-71に記載されており、これは、その全体が参照により本明細書に援用される。図46Aの左上の図は、生のPPG振幅データ、並びに、信号のDC成分及びAC成分、を示している。生の信号に関して、ACとDCとの比率をとると、右上の図が得られる。2つの加熱サイクル実験の際に、左下の図に示すPPGデータを収集した。信号のAC成分及びDC成分は、別個の上下に並置されたグラフで表現されている。この2つの加熱サイクル実験に関してACとDCとの比率を計算した時には、右下の図に示すような正規化されたPPG信号が得られる。同じPPGデータを、加熱サイクルデータと重ね合わせて、図46Bに示す。図示のように、皮膚表面の温度は、グラフの陰影部分によって示される各加熱サイクルにおいて、目標温度(すなわち、約42℃)へと到達している。灌流指数又は正規化PPG信号は、同様に、各加熱サイクル時には、熱の印加に応答してスパイクを形成する。図47は、図46A図46Bと同じデータに、ベースラインウィンドウ、血管拡張ウィンドウ、及び、血管拡張後ウィンドウ、を追加的な定義して、図示している。加熱サイクルは、5分間オフ、5分間オン、15分間オフ、5分間オン、及び、10分間オフ、とした。比較のために選択された時間ウィンドウは、ベースライン時間ウィンドウ(例えば、「加熱源の1回目のオン」の前の最小2分間)、血管拡張時間ウィンドウ(例えば、「加熱源オン」の最大2分間)、第1血管拡張後時間ウィンドウ(例えば、「加熱源の1回目のオン」後の最小2分間)、及び、第2血管拡張後(例えば、「加熱源の2回目のオン」後の最小2分間)、であった。図46A図47に示すように、熱の印加は、複数のサイクルにわたって再現可能な血管拡張応答を誘発する。
【0100】
上述したように、血管拡張応答の追跡は、脳卒中などの異常の監視に使用することができる。しかしながら、ユーザにおける血管拡張応答は、脳卒中とは関係していない、又は監視している異常とは関係していない、いくつかの原因によって影響を受けることができる。したがって、1つの組織部位のみでシステム400を使用することは、偽陽性をもたらす可能性がある。本発明者らは、複数の組織部位を監視することにより、監視結果がより密接に異常を追跡し、誤った結果を減らし得ることを、観測した。図45は、右肢上において及び左肢上において、ほぼ対称に配置された第1システム400及び第2システム500を示している。したがって、第1システム400と第2システム500との間にわたって、ほぼ同期して刺激が印加された場合には、ほぼ同時の刺激に応答した測定値の対称性又は非対称性の程度を、脳卒中の決定において誤った結果の低減に使用することができる。本明細書の開示では、異常に関する例として脳卒中を提供しているけれども、本明細書で説明するシステム400及び方法は、また、他の異常を監視するためにも、使用することができる。例えば、他の異常又は生理学的逸脱は、更年期障害、糖尿病、及び、末梢血液循環に影響を及ぼし得る末梢血液循環障害、を含むことができる。いくつかの実例では、更年期障害、糖尿病、及び他の障害は、身体のすべての部分に対して影響を及ぼし得る、あるいは、特定のパラメータに対して一様に影響を及ぼし得る。例えば、血管拡張応答は、非対称性の可能性が高い脳卒中と比較して、更年期障害などの状態では、一様に損なわれている可能性がある。したがって、脳卒中は、血管拡張応答及び他の多面的測定において観察される非対称性に基づいて、これらの他の異常と区別することができ、また、その逆も成立する。別の例では、血管拡張応答が影響を受けたとしても、EDA及び生体インピーダンスを使用した本明細書で説明する電気的測定値が、同じままである可能性がある。したがって、測定値の非対称性は、また、異常を形成するためにも、使用することもできる。
【0101】
いくつかの実施形態では、図48に示すように、異常な生物学的事象を検出するための方法4800は、高温刺激を印加すること(例えば、図46B図47に示す)S4810と、ユーザの組織内における、高温刺激に応答した、血液量、血流、又は血液灌流、を示す1つ又は複数の信号を受信することS4820と、1つ又は複数の信号に関して、1つ又は複数の特性を抽出することS4830と、ユーザの右側及び左側(例えば、図45に示すように右肢及び左肢)に関して1つ又は複数の特性を比較することS4840と、急性脳卒中分類スコアを計算することS4850と、を含む。さらに、方法4800は、左肢及び右肢の両方について図52に関してより詳細に説明するように、任意選択的に、刺激の適用前と、刺激の適用後と、のベースライン測定値を比較することができる。図45に示すように、左右の四肢を監視するなどの、複数の組織部位を監視する際には、システム500は、上述したシステム400と同じ構成要素をすべて含んでもよい。他の場合には、システム500は、システム400よりも少ない構成要素を含んでもよい。例えば、両システムは、ディスプレイを必要としなくてもよい。これに加えて、システムの一方は、計算能力を含んでもよく、他方は、データを収集して、計算のために、対をなすシステムに対して送信してもよい。したがって、システム400及び500の一方は、ハードウェアプロセッサを含まなくてもよい。したがって、システム400及び500は、マスター-スレーブ構成で動作してもよい。システム400及び500は、Bluetooth又は他の無線プロトコルを介して、無線でペアリングされてもよい。いくつかの実例では、システム400及び500は、患者モニタ、ハブ、又はスマートフォンなどの、外部コンピューティングシステムとペアリングされてもよい。
【0102】
ブロックS4830のいくつかの実施形態では、1つ又は複数の特性は、振幅又は収縮期波又は拡張期波、波形形状、波形の複雑さ、灌流指数(すなわち、PPG信号の脈動(AC)成分と非脈動(DC)成分との関係)、DCオフセット、硬化指数(すなわち、血管樹に沿った前方波及び後方波のピークどうしの間の時間に関して、h/ΔT、ここでhは患者の身長)、反射指数(すなわち、前方波と後方波との高さの比率、B/A×100)、ノッチ位置(すなわち、二股ノッチの位置、例えば、血管収縮に伴い、位置は、収縮期波内において左向きに移動する)、ピーク間位相シフト、温度信号及び/又は血液量信号の勾配開始、温度信号及び/又は血液量信号の勾配減衰、温度信号及び/又は血液量信号の上昇勾配の中点、脳及び/又は心臓の側副状態の指標としての血管拡張応答、等を含むけれども、これらの限定されるものではない。
【0103】
本明細書で説明する任意の実施形態では、異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステム又はデバイスは、システムの第2面上に及び/又は締付可能なバンド上に配置された1つ又は複数の皮膚電気活動センサを含んでもよい。例えば、図41に示すように、皮膚電気センサ424、426は、ウェアラブルシステム400の第2面402上に配置されている。皮膚電気センサ424、426は、各センサの中心点から測定して、約5mm~約10mm、約10mm~約20mm、約20mm~約30mm、約30mm~約40mm、約40mm~約50mm、約50mm~約60mm、約60mm~約70mm、約70mm~約80mm、約80mm~約90mm、約90mm~約100mm、に等しい距離444の分だけ、互いに離間してもよい。さらに、皮膚電気センサ424、426は、センサの中心点から測定して、及び加熱源の中心点から測定して、約10mm~約20mm、約20mm~約30mm、約30mm~約40mm、約40mm~約50mm、約50mm~約60mm、約60mm~約70mm、約70mm~約80mm、約80mm~約90mm、約90mm~約100mm、に等しい距離の分だけ、加熱源から離間してもよい。
【0104】
一例として図56に示すように、ユーザの皮膚表面の皮膚電気活動(EDA)が、経時的に測定されてもよい。左側及び右側の皮膚電気活動は、経時的に測定されてもよく、比較されてもよい。図56は、異常な生物学的事象を示す可能性のある事象(三角形で示されている)を含む左側及び右側の皮膚電気活動を示している。皮膚電気活動センサによって収集された信号は、1つ又は複数の特性を抽出するために処理されてもよい。例えば、図57に示すように、1つ又は複数の特性は、立ち上がり時間(すなわち、SCRの開始から頂点まで)、振幅(すなわち、頂点におけるEDAから、SCRの開始におけるEDAを、差し引いたもの)、皮膚コンダクタンス応答(SCR)幅(すなわち、上昇側の振幅50%と、下降側の振幅50%と、の間)、減衰時間(すなわち、頂点から、振幅50%までの、時間)、曲線下面積(すなわち、SCR幅に振幅を乗じたもの)、SCRの最大微分、及び/又は、頂点値、を含んでもよい。
【0105】
図63は、EDAデータを分析するための方法6300を示しており、図64図65は、代表的なEDAデータを示している。EDAデータを分析するための方法6300は、1つ又は複数のEDAセンサから信号を受信する(例えば、図56に示すように)ことS6310と、1つ若しくは複数のアーティファクトを、検出及び/又は除去する(例えば、図56に示すように)ことS6320と、1つ又は複数の皮膚コンダクタンス応答(SCR)特性を計算又は抽出する(例えば、図57に示すように)ことS6330と、1つ又は複数の特性の平均又は平均値を計算することS6340と、所定時間あたりのSCRを計算することS6350と、を含む。例えば、SCR振幅は、1分間隔に関して、図65においてグラフで示されている。図示のように、この個人に関しては、SCR振幅は、経時的に非対称的に変化する(すなわち、右側応答と左側応答とを比較して)。さらに、図64に示すように、1分間あたりのSCRsを、左側応答と右側応答とに関して比較した場合には、1分間あたりのSCRは、経時的に非対称的に変化する。
【0106】
本明細書で説明する任意の実施形態では、異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステム又はデバイスは、図43に示すように、ウェアラブルシステムが結合された身体部分の移動を測定するように構成された1つ又は複数のモーションセンサ436を含んでもよい。例えば、1つ又は複数のモーションセンサは、6自由度又は9自由度で、加速度を測定してもよい。本明細書の他の場所で説明するように、脳卒中を検出するためのウェアラブルシステム又はデバイスは、熱の印加に応答した血管拡張応答の測定と組み合わせて、右肢及び左肢に関しての、非対称的な移動又は震えを測定してもよい。1つ又は複数のモーションセンサは、ウェアラブルデバイスの任意の場所に配置されてもよい。例えば、一実施形態では、モーションセンサは、第1面内に又は第1面上に、配置される。別の実施形態では、モーションセンサは、第2面内に又は第2面上に、配置される。別の実施形態では、モーションセンサは、第1面と第2面との間に、配置される。別の実施形態では、モーションセンサは、ウェアラブルデバイスの本体の側壁上に、配置される。別の実施形態では、モーションセンサは、図43に示すように、システムの、例えば加熱源によって同心円状に囲まれた血管拡張センサ又は温度センサに隣接して、配置される。
【0107】
ウェアラブルデバイス又はシステム400の加熱源は、加熱サイクルどうしの間に皮膚表面の血管拡張応答がベースラインへと又は実質的にベースラインへと戻ることを確保するために、加熱サイクルどうしの間には、冷却されてもよい。この場合、加熱源は、空気流システム(例えば、ファン)、加熱源を横切って周囲空気を変位させるように又は引っ張るように又は移動させるように構成された真空機構又は振動機構(例えば、ソレノイド及びダイヤフラム、発振圧電素子)、等によって、冷却されてもよい。一実施形態では、図40図43に示すように、異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステム又はデバイスは、第1面404と第2面402との間に空気流を提供するために、それらの間に空洞406を形成する第1面404及び第2面402を含む。第1面404と第2面402とによって形成された空洞406は、加熱源410を、第1面404上に又は第1面404内に配置されたハードウェアプロセッサ409から、物理的に離間させている。ハードウェアプロセッサ409は、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、離散ゲート又はトランジスタロジック、離散ハードウェア構成要素、あるいは、本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せ、を含むことができる。空洞406は、加熱源410を周囲に対して又は環境に対して又は周囲空気に対して露出させることで、加熱源410を、環境内の空気温度又は周囲温度に近づく温度へと、あるいはそのような温度に実質的に等しい温度へと、あるいはそのような温度に等しい温度へと、冷却するように機能する。空洞406は、空虚な空間、間質性の空間、1つ又は複数の構成要素を収容した空間、等であってもよい。いくつかの実施形態では、第1面404及び第2面402によって形成された空洞406は、図40図41に示すように、第1面404と第2面402とを一緒に結合する側壁405どうしが、互いに反対側に位置しており、これにより、空洞406が、両サイドにおいて環境空気に対して開放されているようにして、周囲空気又は環境空気に対して開放されている。代替的には、側壁405は、隣接した側面上で又は接続された側面上で空洞が環境空気に対して開放されているようにして、互いに接続されて隣接している。
【0108】
例えば、いくつかの実施形態では、第1面404及び第2面402によって形成された空洞406は、加熱サイクルどうしの間に加熱源410の冷却を促進するのに充分な容積を有している。代替的に、又は追加的に、空洞406は、温度を下げるために又は加熱源410を冷却するために、空洞406を通過する空気流を促進するための、空気流システム、又は真空機構、又は振動機構、又は他の空気流機構を、さらに含んでもよい。
【0109】
ウェアラブルシステム又はデバイスのいくつかの実施形態では、デバイスは、例えばデバイス内のバッテリ407を充電するために、デバイスを電源に対して電気的に結合するためのポート420を含む。追加的に、又は代替的に、ポート420は、デバイスからデータをダウンロードしたり、システムパラメータをアップロードしたり、ウェアラブルデバイスに対して更新をインストールしたり、するために、ウェアラブルデバイスを、外部コンピューティングデバイス又はリモートコンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ、デスクトップ、サーバ、ワークステーション、等)に対して、電気的に結合する。ウェアラブルデバイスは、デバイスの電源をオン及びオフするために、ユーザ固有の応答又は特徴又は特性を入力するために、ユーザデバイスのインターフェース又は機能をカスタマイズするために、等々のために、1つ又は複数のユーザ入力部材418を、さらに含んでもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、図45に示すように、異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムは、ユーザの左肢上に配置された第1システム又は第1デバイス400と、ユーザの右肢上に配置された第2システム又は第2デバイス500と、を含む。第1デバイス400及び第2デバイス500は、非対称的な生物学的応答を検出するために、パラメータどうし又は特性どうしが経時的に及び/又は事象ごとに比較可能であるようにして、同様のパラメータ又は特性を測定してもよい。例えば、システムの一部としてのハードウェアプロセッサは、又はデバイスに対して通信可能に結合されたハードウェアプロセッサ(例えば、ラップトップ450又はモバイルコンピューティングデバイス46)は、右側の血液量信号(例えば、熱の印加に応答して)を、左側の血液量信号(例えば、熱の印加に応答して)と比較することにより、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、構成されてもよい。右側の血液量信号及び左側の血液量信号は、左側と右側との間に存在し得るあらゆる非対称的なベースライン差を考慮するために、それぞれベースライン右側血液量信号及びベースライン左側血液量信号と比較されてもよい。さらに、ハードウェアプロセッサによって実行される方法は、左肢及び右肢から受信した信号どうしを、時間的に同期させることと、左肢及び右肢からの同期された信号どうしを比較することにより、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定することと、を含んでもよい。
【0111】
ここで、図44を参照すると、異常事象を検出するためのウェアラブルシステムを、ユーザの四肢に対して又は身体部分に対して結合するように構成された結合部材408が、図示されている。例えば、結合部材は、検出システム又はデバイスをユーザの四肢に対して又は身体部分に対して結合するための、締付可能なバンドであってもよい。締付可能なバンドは、伸縮性材料(例えば、シリコーン、ゴム、ライクラ(登録商標)、スパンデックス、エラスタン、ネオプレン、革、布、等)から形成される、あるいは、それらを含む。代替的には、結合部材の一部又はセクション440は、結合部材に様々な程度の張力を印加することによって伸縮性部分又は伸縮性セクション400を伸長又は収縮させ得るよう、伸縮可能であってもよい。したがって、結合部材は、結合部材が身体部分の様々な形状及びサイズに適合するように、調節可能であってもよい。例えば、結合部材は、調節可能な円周を有してもよい。結合部材は、正確なセンサ読取を可能とするために、加熱部材、皮膚温度センサ、血液量センサ、又はこれらの組合せ、の1つ又は複数が皮膚表面に対して充分に結合していることを示すための、視覚的インジケータ438を、さらに含んでもよい。
【0112】
図37を参照すると、脳卒中を検出するためのシステムは、例えば、接触ベースのソース、非接触ベースのソース、及び、応答を刺激した後に応答出力を測定するソース、などの1つ又は複数のソースから、データを収集することを含んでもよい。図37に示すように、システムは、1つ又は複数の測定デバイスのために、メインステーション又はドッキングステーション、並びに/あるいは、測定ステーションを含んでもよい。例えば、心拍数モニタ、非対称的な応答又は効果を測定するためのデバイス(例えば、各手首上に着用する腕時計)、等が、システム内に含まれてもよい。システムは、携帯可能であってもよく、これにより、システムは、脳卒中を迅速に検出するための移動式脳卒中検出ユニット内に配置されてもよい、又は、高リスク患者の自宅内に配置可能であってもよい。
【0113】
例えば、図8に示すように、震え(すなわち、非対称的な手首の移動)を検出するための方法は、個人の2つの四肢(例えば、2つの腕又は2つの脚)に関して、x平面、y平面、及び/又はz平面、内における加速度を測定することと、個人の2つの四肢に関して、x平面、y平面、及び/又はz平面、内における距離を測定することと、個人の他の四肢に対しての、各肢の移動を計算することと、を含む。いくつかの実施形態では、対称的な移動は、健康であって脳卒中ではない移動を示し、非対称的な移動は、震え又は脳卒中事象を示している。例示的な加速度データ(XYZ)が、図9に示されており、距離データ(XYZ)が、図10に示されており、距離(MM/S、移動)データが、図11に示されている。いくつかの実施形態では、時系列的な移動に関する特定のパターンは、個人に固有であり、経時的に収集されたデータに基づいて、震えとして分類される。例えば、震えデータは、覚醒サイクル及び睡眠サイクルを含めて、数時間にわたって収集されてもよい。震えの統計的モデル化は、その場合、各患者に関しての署名となる。署名は、また、各患者に関してベースラインを設定することを、可能とする。この場合にも、このベースライン挙動は、個人に固有のものであってもよく、個人の「覚醒サイクル」及び「睡眠サイクル」にさえ、固有のものであってもよい。
【0114】
図26に示すように、脳卒中を検出するためのシステム又はコンピューティングデバイスの、ハードウェア構成要素上にダウンロード及び/又は格納されるアプリケーションは、例えば加速度計などのセンサによって感知された、加速度データ及び距離データを照合して分析する。ユーザの2つの四肢(例えば、手首)上に配置されたデバイスから得られた2つのデータセット(すなわち、テストラン1及びテストラン2)の比較が、図26に示されている。例えば、コンピューティングデバイス上のアプリケーションは、ユーザの2つの手首上に配置されたデバイスからの、2つの加速度データセット(図27図32)、2つの距離データセット(図28図31)、及び、2つの移動データセット(図29図30)、を比較するように構成されてもよい。図29図30に示すように、コンピューティングデバイス上のアプリケーションは、例えば所定時間(例えば、夜間、震え実例時、等)に収集された全データの部分集合を表示するためのズーム機能を、さらに含んでもよい。
【0115】
震え又は非対称的な移動を検出するためのデバイスのいくつかの実施形態では、デバイスは、例えば、現在の移動パターンが個人に関して以前に特定された震えパターンと一致した時など、しきい値へと到達した時には又はしきい値を超過した時には、あるいは様々な比較基準が満たされた時には、フィードバック機構(例えば、視覚的、触覚的、又は音声的)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、モーションセンサ又はウェアラブルデバイスに対して通信可能に結合されたモバイルコンピューティングデバイスは、2つの信号間の比較が予め規定されたしきい値を超えた場合には、ウェアラブルデバイス内に、センサ内に、及び/又はコンピューティングデバイス内に、振動信号を生成する。
【0116】
脳卒中の検出のためにどの実施形態が最適であるかを決定するに際しては、警告911機能、受動的監視、患者が1人でいることの検出、及び、患者が眠っていることの検出、などの、いくつかの要因を考慮することができる。追加的な要因は、完全なモバイル、患者固有のアルゴリズム、能動的警告後の能動的な患者の関与、認知障害を有する患者に対する検出、脳卒中履歴を有する患者に対する検出、後遺症を含むすべての脳卒中の検出、脳卒中に関するタイプの診断、患者を目覚めさせる受動的監視、及び、脳卒中処置の開始、を含んでもよいけれども、これらに限定されるものではない。例えば、脳卒中の可能性がある事象が検出された場合には、ウェアラブルシステムは、触覚的な、聴覚的な、及び/又は視覚的な、警告を開始してもよく、ユーザが意識を有しているか、意識を失っているか、他の脳卒中症状を経験しているか、等を決定してもよい。患者が所定時間ウィンドウ内に応答しない場合には、介護者、救急サービス、医師、等に対して、脳卒中事象の警告を発出してもよい。ウェアラブルシステムは、臨床医コンピューティングシステムに対して、リンクすることができる。警告は、遠隔医療評価を促進し得る臨床医コンピューティングシステムに対して、直接的に送信されてもよい。臨床医は、警告に応答して、及び/又は、ウェアラブルシステムから受信したデータに応答して、NIH脳卒中スコア評価を作成してもよい。いくつかの実例では、ウェアラブルシステムは、それ自体で又はパーソナルコンピューティングシステムと連携して、FAST(顔面下垂、腕力低下、発話困難、時間)評価を通して、本人を歩行させることによって及び/又は利用可能な目撃者によって、自己評価を可能とすることができる。
【0117】
いくつかの実施態様では、ウェアラブルシステムは、脳卒中事象に関する警告に応答して、ユーザのホームオートメーションシステムに対して、又は少なくとも1つの電子的に有効なドアロックに対して、信号を送信することができ、これにより、少なくとも1つのドアロックを解錠したり、及び/又は、ユーザのホームアラームシステムを無効としたり、することができる。ウェアラブルシステムは、また、ユーザが脳卒中の可能性の指標を得た自宅又は施設内において、入口のアクセスポイントから患者の位置へと通じるフロアプランアクセス経路の送信を開始することができる。患者の位置は、ローカルエリアネットワーク又はディファレンシャルGPSに基づいて、決定することができる。いくつかの実施形態では、脳卒中を検出するためのデバイス又はシステムは、例えば睡眠時に、脳卒中事象が発生したことを、患者又は世話人に対して警告するために可聴アラームを始動させてもよい。可聴アラームは、また、救急サービスが住居内へと入った時に、救急サービスが患者の位置を特定することを可能とすることもできる。これらのすべての措置は、救急サービス又は介護者が患者へと到達するまでの時間を短縮するのに役立つことができる。
【0118】
ホームオートメーションシステムは、また、スマートディスプレイと、スマートスピーカと、を含んでもよい。これらのスマートディスプレイ及びスマートスピーカは、患者がどの薬を服用すべきかの識別などの、また可能であれば、処方された投薬処方を遵守しているかどうかに関する情報などの、情報を、緊急医療対応要員に対して伝えるために、使用することができる。医師の身元、病歴、アレルギー、及び、患者に関連した医療委任状又は事前指示書の存在、などの情報も、また、伝達されてもよい。
【0119】
さらに、救急サービス又は医師に対して警告を発出する時には、病歴を含むデータが、直接的にウェアラブルシステムから、又はウェアラブルシステムからの信号によって開始されることによってリモートメモリから、救急サービス又は医師のコンピューティングシステムへと、直接的に送信されてもよい。警告に加えて、ウェアラブルシステムは、また、特定の脳卒中処置を実施するように又は自動的に活性化するように、ユーザに対して指示することもできる。脳卒中処置は、患者に神経保護剤を提供するために、低体温症を誘発することを含んでもよい。ウェアラブルシステムは、冷却ガスの吸入、冷却ヘルメットの活性化、衣類を分解するための超音波ヘルメットの活性化、あるいは、薬物パッチ若しくは錠剤の摂取又は投与を、始動させることができる。始動は、患者又は医療対応者への指示であってもよい、あるいは、自動的な活性化であってもよい。いくつかの実例では、虚血性脳卒中に関して、ウェアラブルシステムは、血圧を上昇させて、血管を拡張させるように、機構を始動させることができる(上述したような機構のいくつかを介して)。
【0120】
潜在的な脳卒中の検出に対応した処置は、患者が意識及び能力を有している場合には患者によって、あるいは、ホームオートメーションシステムを介して医療対応要員によって、開始することができる。特定の高リスクカテゴリの患者は、潜在的な脳卒中の検出を示す信号に応答して自動的に活性化され得るウェアラブル処置デバイスを、あるいは、ウェアラブルシステムからの警告によって開始された臨床検査に続いて医療従事者によって活性化され得るウェアラブル処置デバイスを、既に着用していてもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、脳卒中を検出するためのデバイス又はシステムは、例えば睡眠時に、脳卒中事象が発生したことを、患者又は介護者に対して警告するために可聴アラームを始動させてもよい。可聴アラームは、また、救急サービスが住居内へと入った時に、救急サービスが患者の位置を特定することを可能とすることもできる。
【0122】
本明細書で説明する任意の実施形態では、脳卒中を検出するためのデバイス又はシステムは、脳卒中事象の発症を記録してもよい、及び/又は、処置の決定を知らせることを補助するための「最後に良好だと知られていた」指標を提供してもよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、脳卒中を検出するためのシステムは、データ処理モジュールを含む。データ処理モジュールは、パターンを抽出するように構成されてもよい。パターンは、実際の脳卒中事象の非常に早い段階で、可能であれば直前に、任意の虚血性又は出血性エピソードを示唆してもよい。いくつかの実施形態では、パターンは、例えば、脳卒中の発症を示すパラメータ及び/又はパターンに関して分析される信号の、集団全体分析に基づいて、コホート分析に基づいて、及び/又は個別分析に基づいて、経験的に決定されてもよい。いくつかの実施形態では、信号処理は、信号処理ツールを採用してもよく、例えば、フィルタリング、抽出、デジタル化、データデコンボリューション、機械学習、及び/又は、当該技術分野で公知の他の手法、を採用してもよい。具体的には、信号処理は、データ内の隠れたパターンを確認するために、高次統計を使用してもよい。キュムラントとして公知の高次統計の使用は、及び、多くの場合にポリスペクトルと称されるそのフーリエスペクトルの使用は、高次の振幅情報(パワースペクトル又は自己相関によって運ばれるもの、など)を明らかとするだけでなく、位相情報を含んでもよい。位相情報は、単純な調和分析では得られないような、データの顕著な特徴を明らかとすることができる。ポリスペクトルの別の重要な特徴点は、ガウシアンプロセスに左右されないことである。その結果、ガウシアンプロセスを自動的に処理することができ、よって、信号雑音比が向上して、新規の検出が可能となる。いくつかの実施形態では、感知された信号内において、例えばBP(t)、ECG(t)、等内において、隠れたパターンを識別するために、多数のスペクトル及びそれらの操作が選択されてもよい。
【0124】
例えば、図53図55に示すように、ウェアラブルシステムは、心電図(ECG)データを収集してもよく、データを前処理してもよく、データ内においてピークを識別してもよく、さらに、データに対して決定ロジックを適用してもよい。図54は、経時的に収集された心電図データを示している。図55は、心電図データから抽出されたR-R間隔を示している(すなわち、拍動どうしの間の時間を、ミリ秒単位で示している)。図53に示す方法5300は、個人の心拍動及び/又は心拍数変動(すなわち、連続した拍動どうしの間の時間における特定の変化)を計算するために使用されてもよい。図53に示すように、ECGデータは、心電図信号におけるQRS群(すなわち、ECG信号内の心室脱分極及びメインスパイク)を検出するための方法5300内へと、入力される。ブロックS5310における前処理は、QRS特性抽出のための信号処理技法を適用することを含む。例えば、前処理は、筋ノイズ、電力線干渉、ベースラインのふらつき、及び/又は、T波干渉、の影響を低減するために、適用されてもよい。ブロックS5320におけるピーク検出は、例えば、適応しきい値を使用したQRSピーク検出を含む。それぞれの潜在的なピークは、ベースライン値と比較される。ベースライン皮膚温度は、所定時間にわたって刺激されていない皮膚を測定することによって、確立される。ベースラインが決定された後には、刺激(例えば、熱の印加)は、時間制限又は温度制限のいずれかへと到達することができる。温度制限は、ベースライン皮膚温度に対して、絶対的又は相対的なものとすることができる。ベースライン値は、検出されたピークの振幅に従って、更新される。ブロックS5330における決定ロジックは、ピーク傾斜を使用して、及び/又はピーク-ピーク間隔を使用して、現在のピークを、QRS、T波、又はエラー拍動、として分類する。
【0125】
図58図62に示すように、心電図データは、様々な特性を抽出したり、1つ又は複数の特性(例えば、心拍数変動、心拍数、合計パワー、等)を計算したり、する等の、いくつかの手法を介して、処理されてもよい。例えば、時間領域分析(図58)、幾何学的分析(図59)、周波数領域分析(図60)、及び/又は、非線形分析(図61)分析、が使用されてもよい。
【0126】
図58に示すように、ECGデータ(例えば、図54)は、方法5800内へと供給される。方法は、ECGを使用してユーザのECGデータを受信することと、ECGデータ内の拍動を検出すること(例えば、ECGデータ内のRピークを検出すること)S5810と、不規則な拍動を識別して修正すること(例えば、欠落した拍動、余分な拍動、及び異所性拍動を識別し、隣接する拍動を使用して、各拍動を修正すること)S5820と、正常なRピークどうしの間の間隔(すなわち、NN間隔時系列(NNIs))を識別することS5830と、データを前処理すること(例えば、NNIsの外れ値を修正すること)S5840と、1つ又は複数の分析を実行することS5850と、を含む。例えば、時間領域分析は、図59に示すように、心拍数(例えば、60を、NNIsの平均値で割ったもの)、NNIsの標準偏差(SDNN)、連続差分の二乗平均平方根(RMSSD)、及び、隣接したNNIsのうち、50msを超えて互いに異なるものの割合(pNN50)、を計算するために使用されてもよい。さらに、例えば、周波数領域分析は、図61に示すように、相対パワー(例えば、各周波数帯の相対パワー(VLF/合計、LF/合計、HF/合計))、正規化パワー(例えば、LF周波数帯及びHF周波数帯の正規化パワー(LF/(LF+HF)、HF/(LF+HF))、LF/HF比率(例えば、LFパワー/HFパワー)、及び、合計パワー(例えば、すべての周波数帯にわたっての合計パワー)、を計算するために使用されてもよい。さらに、例えば、幾何学的分析は、図60に示すように、補間された三角形のベースライン幅(TINN)、及び/又は、NNIの総数とNNIヒストグラム分布の最大値との間の比(すなわち、三角指数)、を計算するために使用されてもよい。さらに、例えば、非線形分析は、図62に示すように、ポアンカレ分析(すなわち、NNIsのポアンカレプロット-SD1、SD2、SD比、楕円面積を分析する)、DFA(トレンド除去変動分析法(すなわち、NNIsの短期変動及び長期変動))、及び/又は、エントロピー分析(すなわち、NNIsの近似エントロピー、サンプルエントロピー、及びファジーエントロピー、を計算する)、を実行するために使用されてもよい。
【0127】
いくつかの実施形態では、データ処理モジュールは、連続的に監視された又は断続的に監視された生理学的信号を使用することにより、健康な「学習された」又は個別化されたベースラインデータからの変化を区別してもよい。例えば、モジュールは、多数の患者から採取された統計的平均値を使用するのではなく、個々の患者に由来する信号を連続的に学習してもよい。カスタム参照信号は、個々の患者に関する生理学的信号の微細な変化を著しく改良してもよい。いくつかの実施形態では、生理学的パラメータは、隠れた高調波、高次導関数の変化、等を含めて、曲線変化の形状を含む、時間の関数として処理されてもよい。
【0128】
図33は、データ処理モジュールに関する様々な構成要素の一実施形態を示している。データ処理モジュールの一実施形態に関するコアエンジンは、高速処理、高度な分析のサポート、リアルタイムストリーム処理、NoSQL及びRDBMSの両方に対しての統合、及び、Hadoopとの統合、というパラメータの、1つ又は複数を含んでもよい。
【0129】
データ処理モジュールは、パターンの特定、パターンの抽出、脳卒中発症を示すパラメータの識別、等のために、様々な機械学習手法を採用してもよい。機械学習は、広義には、データセットに対して適用することでデータ内にパターンを見出し得る任意のコンピュータ対応アルゴリズムの適用として、定義することができる。機械学習アルゴリズムを使用することにより、システムで見出されたすべての挙動を代表する学習データセットを使用して、システムの入力と出力の間の関係が決定される。この学習は、教師ありとも、教師なしとも、することができる。例えば、図34に示すように、多層パーセプトロン(MLP)と称される単純なニューラルネットワークを使用することにより、例えば睡眠時の、個人の様々なパラメータ又はパターンを、モデル化してもよい。各ノードは、非線形活性化関数を使用するニューロンである。このような単純なニューラルネットワークを使用することにより、線形分離可能でないデータを区別してもよい。いくつかの実施形態では、図35に示すように、深層学習ネットワークが使用されてもよい。深層学習ネットワークは、図36に示すように、レバレッジリカレントニューラルネットワーク(RNN)実装を含んでもよい。システムは、相互接続されたネットワークからなる層を生成し、各層は、タイムスライスに対応する。RNNは、時系列データの処理に非常に効果的であることが証明されており、トレーニング入力が時間依存であると仮定すると、時間を通して変化を正確にモデル化/予測することができ、単に範囲を与えるのではなく、データポイントに関する実際の出力値を生成することができ、各タイムスライスは、ユーザが指定した独自のフィードフォワードネットワークである。
【0130】
いくつかの実施形態では、包括的な脳卒中処置を提供するシステムは、人口統計や脳卒中のタイプや併存疾患や投薬等に基づいて患者に合わせた教育リソース;リマインダ(例えば、投薬、リハビリテーションの予約、等)や、共同ケアリソース(例えば、配偶者、医師、理学療法士、世話人、等)や、ウェアラブルを介した継続的なデータ収集による活動度追跡や、フィットネス追跡及びガイド付き瞑想や、脳卒中リスクレベル評価、等の、ライフスタイルの劇的な変化を支援する管理ツール;脳卒中生存者が患者と介護者との両方をつないで支援や励ましを与えたり受けたりすることができるような、グループ内の他の人と「チェックイン」して、彼らが目標に向かって進んでいること及び精神的にうまくやっていることを確認するような、話題を共有するり他の人と関係を持ったりするような、言語療法士又は精神保健カウンセラから遠隔医療/リハビリリソースを受け取るような、初の全国脳卒中生存者ネットワークの一部としての、他の人とコミュニティ;患者のリハビリ及び監視、あるいは他の実現技術;回復目標を設定して進捗状況を追跡しさらに認知を評価する等のツール;脳卒中を検出して、介護者に対して、電話/メッセージ、失語症患者のためのコミュニケーションツール、等を介して、警告を行うこと;の1つ又は複数を含む。
【0131】
実施例1
様々な機能症状、定量マーカー、血液/体液製品について、脳卒中の検出能力をスコア化した。スコア化基準は、科学的根拠に基づいていること、高感度であること(>90%)、偽陽性が非常に少ないこと(<10%)、脳卒中の検出が受動的(自動的)であること、とした。これら各パラメータは、受動的検出を0(能動的検出)~1(受動的検出)というスケールでスコア化した以外は、0~5というスケールでスコア化した。その後、このスコアに、以下の表1に示す加重係数を乗じ、すべての加重係数を合計することにより、合計スコアを得た。
【0132】
以下の表2及び表5に示すように、合計スコアが最も大きな機能症状は、顔面筋力低下、片側筋力低下、視野制限、視線変化、及び発話変化、であった。これらの機能症状のうち、顔面筋力低下、片側筋力低下、及び発話変化、のみは、受動的に検出することができる。
【表2】
【表3】
【0133】
表3及び表5に示すように、合計スコアが最も大きな定量マーカーは、脳血流、EEGの非対称性、頸動脈狭窄、体積インピーダンス分光法、及び四肢の非対称性、であった。これらの定量マーカーのうち、すべてが、受動的に検出可能であると考えられる。
【表4】
【0134】
表4及び表5に示すように、合計スコアが最も大きかった製品は、コーネル大学の製品、SMARTChip、及び、ReST、であった。これらのうち、受動的な検出と考えられるものはなかった。
【表5】
【表6】
【0135】
まとめると、脳卒中を検出するための多変量システムは、脳血流、EEGの非対称性、頸動脈狭窄、体積インピーダンス分光法、四肢の非対称性、顔面筋力低下、片側の筋力低下、及び、発話変化、の1つ又は複数を検出することを、含んでもよい。いくつかの実施形態では、これらの様々なパラメータは、脳卒中の発症、発生、又は影響後、を決定するために、様々な場所で及び/又は様々な時間に、測定されてもよい。
【0136】
実施例2
対称的な及び非対称的な加速度並びに距離を、Apple(登録商標)腕時計を使用して測定し、コンピューティングデバイス上のアプリケーション内においてグラフィック表示によって表示した(図9図11図27図32)。この例では、実装は、また、Apple(登録商標)腕時計の加速度センサの分解能と、既存のAPI機能と、を測定している。
【0137】
この例では、デバイスを、ユーザの手首上に着用した。x軸、y軸、及びz軸の加速度を含めて、手首のあらゆる加速度を、オンボードデータベース内へと、記録して保存した。コンピューティングデバイスは、分析のためのコンピューティングデバイスに対してデータを転送し得る「同期」機能を有している。表6~表8は、ユーザの各手首上に着用したApple(登録商標)腕時計を使用して取得した、加速度データ、距離データ、計算された移動データ(すなわち、移動した距離)を、それぞれ示している。データ値は、図9図11図27図32に示すように、様々な時点で記録した。
【表7】
【表8】
【表9】
【0138】
まとめると、脳卒中を検出するためのシステムは、x軸、y軸、及び/又はz軸の加速度、並びに/あるいは、x軸、y軸、及び/又はz軸の距離、を検出することと、そして、いくつかの実施形態では、脳卒中事象を示す可能性のある非対称的な、四肢移動、歩行、等を決定するための移動距離(すなわち、移動)を計算することと、の1つ又は複数を含んでもよい。
【0139】
好ましい実施形態におけるシステム及び方法並びにその変形例は、少なくとも部分的に、コンピュータ可読命令を格納したコンピュータ可読媒体を受け取るように構成された機械として、具現化及び/又は実装することができる。命令は、好ましくは、好ましくはシステムに対して統合されたコンピュータ実行可能な構成要素によって、並びに、脳卒中を検出するためのデバイス上の及び/又はコンピューティングデバイス上の、ハードウェアプロセッサの1つ又は複数の部分によって、実行される。コンピュータ可読媒体は、RAMs、ROMs、フラッシュメモリ、EEPROMs、光学デバイス(例えば、CD又はDVD)、ハードドライブ、フロッピードライブ、又は任意の適切なデバイス、などの任意の適切なコンピュータ可読媒体上に格納することができる。コンピュータ実行可能な構成要素は、好ましくは、汎用の又はアプリケーション特有のハードウェアプロセッサであるけれども、任意の適切な専用ハードウェア又はハードウェア/ファームウェアの組合せは、代替的に又は追加的に命令を実行することができる。
【0140】
明細書及び特許請求の範囲で使用された際には、「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」という単数形は、文脈が明らかにそうでないことを示していない限り、単数形の参照と、複数形の参照と、の両方を含む。例えば、「信号」という用語は、複数の信号を含んでもよく、また、複数の信号を含むことが想定されている。時として、特許請求の範囲及び開示は、「複数」、「1つ又は複数」、又は「少なくとも1つ」などの用語を含み得るけれども、そのような用語の欠落は、複数が想定されていないことを意味することを意図したものではなく、また、複数が想定されていないことを意味するものとして解釈されるべきではない。
【0141】
「およそ」又は「約」という用語は、数値指定又は範囲(例えば、長さ又は圧力を規定するため)の前で使用された時には、(+)又は(-)5%、(+)又は(-)1%、あるいは(+)又は(-)0.1%、の分だけ変化し得る近似を示している。本明細書で提供するすべての数値範囲は、記載された開始数値及び終了数値を包含する。「実質的に」という用語は、デバイス、物質、又は組成物の大部分(すなわち、50%超)又は本質的にすべてを示している。
【0142】
本明細書で使用された際には、「含む」又は「含んでいる」という用語は、デバイス、システム、及び方法が、言及された要素を含んでいること、そして、任意の他の要素を追加的に含み得ることを意味することが、意図されている。「実質的に~からなる」とは、デバイス、システム、及び方法が、言及された要素を含んでいること、そして、記載された目的のための組合せに対して本質的な意義を有する他の要素を除外することを、意味するものとする。よって、本明細書で規定された際には、本質的に要素からなるシステム又は方法は、請求項の開示における基本的で新規な1つ又は複数の特徴点に対して重大な影響を与えない他の材料、特徴点、又はステップを除外しない。「~からなる」とは、デバイス、システム、及び方法が、記載された要素を含むこと、そして、些細な又は取るに足らない要素やステップ以上のものを排除することを、意味するものとする。これらの経過的用語のそれぞれによって規定される実施形態は、本開示の範囲内である。
【0143】
本明細書内に含まれる実施例及び図示は、例示のためのものであって限定のためのものではなく、主題が実施され得る特定の実施形態を示すものである。他の実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的な及び論理的な置換並びに変更がなされ得るようにして、利用され得るとともに、そこから派生し得る。本発明の主題のそのような実施形態は、本明細書では、単に便宜上、「発明」という用語によって個別的に又は集合的に言及されることがあり、複数の発明が実際に開示されている場合には、本出願の範囲を、任意の単一の発明又は発明概念へと自発的に限定することを意図するものでない。よって、本明細書では特定の実施形態について図示して説明しているけれども、同じ目的を達成するために計算された任意の構成は、提示された特定の実施形態のために置き換えられてもよい。本開示は、様々な実施形態に関しての、あらゆるそしてすべての適応又は変形を網羅することを意図している。上記の実施形態どうしの組合せ、及び本明細書に特に記載されていない他の実施形態は、上記の説明を検討することにより、当業者には明らかであろう。
【0144】
例示的な実施形態
人における異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムであって、
【0145】
人の皮膚表面に対して接触する第2面と、この第2面とは反対側に位置した第1面と、を有する本体と、
【0146】
皮膚表面と連通する加熱源であり、皮膚表面を目標温度に加熱するように構成された加熱源と、
【0147】
第2面上に配置された皮膚温度センサであり、加熱源と接触している皮膚表面の温度を測定するように構成された皮膚温度センサと、
【0148】
第2面上に配置された血液量センサであり、皮膚表面の血液量を測定するように構成された血液量センサと、
【0149】
加熱源と、血液量センサと、皮膚温度センサと、ウェアラブルシステムの周囲の環境温度を測定するように構成された環境温度センサと、に対して通信可能に結合されたハードウェアプロセッサであり、
【0150】
血液量センサからベースライン血液量信号を受信するように、
【0151】
加熱源に対して加熱信号を出力することにより、皮膚表面を目標温度に加熱する加熱サイクルを開始するように、
【0152】
皮膚表面が目標温度へと到達したことに応答して、血液量センサから第2血液量信号を受信するように、
【0153】
第2血液量信号を、ベースライン血液量信号と比較するように、
【0154】
比較に基づいて、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、構成されたハードウェアプロセッサと、の1つ又は複数を含む、ウェアラブルシステム。
【0155】
第2血液量信号は、加熱源による加熱サイクルの、前に、最中に、及び後に、皮膚表面の血液量が繰り返して測定されることのために、一組をなす複数の血液量信号を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0156】
第2血液量信号は、加熱源による加熱サイクルの、前に、最中に、及び後に、皮膚表面の血液量が連続的に測定されることのために、複数の血液量信号を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0157】
ハードウェアプロセッサは、目標温度へと到達した後に、あるいは所定長さの時間が経過した後に、あるいは1つ又は複数の加熱サイクルが終了した後に、第2血液量信号を受信するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0158】
比較は、ベースライン血液量信号に関しての交流(AC)と直流(DC)とのベースライン比率と、第2血液量信号に関してのACとDCとの第2比率と、を計算することと、ベースライン比率を第2比率と比較することと、を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0159】
環境温度センサは、ウェアラブルシステムの本体の第1面上に配置されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0160】
ウェアラブルシステムに対して通信可能に結合されたリモートコンピューティングデバイスであり、環境温度センサを含むリモートコンピューティングデバイスを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0161】
リモートコンピューティングデバイスは、ラップトップ、セルラーデバイス、ワークステーション、サーバ、デスクトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、第2ウェアラブルシステム若しくは第2ウェアラブルデバイス、又は、ネットブック、の1つを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0162】
加熱源は、本体の第2面上に配置されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0163】
ハードウェアプロセッサは、
【0164】
皮膚温度センサから及び環境温度センサからベースライン温度信号を受信するように、
【0165】
ベースライン温度信号に基づいて目標温度を決定するように、
【0166】
目標温度が最高温度値未満であるかどうかを決定するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0167】
ハードウェアプロセッサは、加熱源を周期的に動作させることにより、目標温度を維持するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0168】
第2面上に配置された1つ又は複数の皮膚電気活動センサを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0169】
1つ又は複数の皮膚電気活動センサは、加熱部材から、約0.25インチ~約4インチ(約6.35mm~約101.6mm)の分だけ離間している、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0170】
ウェアラブルシステムが結合された身体部分の移動を測定するように構成された1つ又は複数のモーションセンサを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0171】
第1面及び第2面は、第1面と第2面との間に空気流を提供するために、それらの間に空洞を形成している、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0172】
ハードウェアプロセッサは、第1面上に又は第1面内に位置している、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0173】
第1面及び第2面によって形成された空洞は、加熱源を、第1面上の又は第1面内のハードウェアプロセッサから、物理的に離間させている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0174】
第1面及び第2面によって形成された空洞は、加熱サイクルどうしの間に加熱源の冷却を促進するのに充分な容積を有している、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0175】
異常な生物学的事象は、脳卒中事象を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0176】
ウェアラブルシステムが、ユーザの左肢上に配置され、第2ウェアラブルシステムが、ユーザの右肢上に配置され、第2ウェアラブルシステムは、第2加熱部材と、第2皮膚温度センサと、第2血液量センサと、を含み、ハードウェアプロセッサは、右側の血液量信号を左側の血液量信号と比較することにより、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0177】
ハードウェアプロセッサは、
【0178】
左肢及び右肢から受信した信号どうしを、時間的に同期させるように、
【0179】
左肢及び右肢からの同期させた信号どうしを比較することにより、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0180】
比較に際しては、左肢と右肢との間におけるベースラインの差を考慮する、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0181】
本体に対して結合された締付可能なバンドを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0182】
締付可能なバンドは、正確なセンサ読取を可能とするために、加熱部材、皮膚温度センサ、血液量センサ、又はこれらの組合せ、の1つ又は複数が皮膚表面に対して充分に結合していることを示すための、視覚的インジケータを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0183】
締付可能なバンドの1つ又は複数の端部は、第2面上に配置された1つ又は複数のセンサに対して中心合わせされた位置で、本体に対して結合されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0184】
加熱源は、血液量センサと皮膚温度センサとの一方又は両方のまわりにおいて、同心円状に配置されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0185】
血液量センサは、光電式脈波センサ又はインピーダンス式脈波センサを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0186】
皮膚温度センサは、熱電対、抵抗温度検出器、サーミスタ、又は赤外線温度センサ、を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0187】
加熱源に対して結合された支持構造であり、加熱源を第2面に対して結合するように構成され、さらに、加熱源を空洞に対して少なくとも部分的に露出させるように構成された支持構造を、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0188】
血液量センサは、心拍数、心拍数変動、又は酸素飽和度、の1つ又は複数を測定するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0189】
目標温度は、ユーザに対して個別化される、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0190】
目標温度の個別化は、皮膚表面で感知された温度に関連したユーザ入力を受け取ることを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0191】
目標温度の個別化は、血液量センサから受信した信号に基づいて行われる、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0192】
加熱源は、加熱部材又は環境温度の1つを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0193】
ハードウェアプロセッサは、異常な生物学的事象の決定に応答して、ホームオートメーションシステムを電子的に管理するように構成された第1電子システムに対して、電子メッセージを送信するように構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0194】
ホームオートメーションシステムは、ドアロックを含み、電子メッセージは、第1電子システムに対して、ドアロックの解錠を指示するように構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0195】
ホームオートメーションシステムは、ホームアラームシステムを含み、電子メッセージは、第1電子システムに対して、ホームアラームシステムを無効とするよう指示するように構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0196】
ホームオートメーションシステムは、ディスプレイを含み、電子メッセージは、第1電子システムに対して、ユーザの医療情報を表示するよう指示するように構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0197】
医療情報は、投薬情報及び/又は投薬処方の遵守を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0198】
ホームオートメーションシステムは、ディスプレイを含み、電子メッセージは、第1電子システムに対して、脳卒中処置ユーザインターフェースを表示するよう指示するように構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0199】
ホームオートメーションシステムは、スピーカシステムを含み、電子メッセージは、第1電子システムに対して、スピーカシステムを使用した可聴アラームを始動させるよう指示するように構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0200】
ハードウェアプロセッサは、異常な生物学的事象の決定に応答して、第三者コンピューティングシステムに対して警告を発出するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0201】
第三者コンピューティングシステムは、緊急サービスシステムを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0202】
第三者コンピューティングシステムは、臨床医コンピューティングシステムを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0203】
ハードウェアプロセッサは、異常な生物学的事象の検出に応答して処置プロトコルを開始するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0204】
ウェアラブル処置システムをさらに含み、処置プロトコルは、ウェアラブル処置システムを活性化するように構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0205】
ウェアラブル処置システムは、超音波ヘルメットを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0206】
ウェアラブル処置システムは、冷却ガス供給システムを含む、請求項46に記載のウェアラブルシステム。
【0207】
ウェアラブル処置システムは、冷却ヘルメットを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0208】
人における異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムであって、
【0209】
人の皮膚表面に対して接触する第2面と、この第2面とは反対側に位置した第1面と、を有する本体であり、第1面及び第2面は、第1面と第2面との間に空気流を提供するために、それらの間に空洞を形成している、本体と、
【0210】
第2面上に配置された加熱部材であり、皮膚表面を所定時間にわたって加熱するように構成された加熱部材と、
【0211】
第2面上に配置された皮膚温度センサであり、加熱部材と接触している皮膚表面の温度を測定するように構成された皮膚温度センサと、
【0212】
第2面上に配置された血液量センサであり、皮膚表面の血液量を測定するように構成された血液量センサと、
【0213】
加熱部材と、血液量センサと、皮膚温度センサと、ウェアラブルシステムの周囲の環境温度を測定するように構成された環境温度センサと、に対して通信可能に結合されたハードウェアプロセッサであり、
【0214】
血液量センサからベースライン血液量信号を受信するように、
【0215】
加熱源に対して加熱信号を出力することにより、皮膚表面を目標温度に加熱する加熱サイクルを開始するように、
【0216】
皮膚表面が目標温度へと到達したことに応答して、血液量センサから第2血液量信号を受信するように、
【0217】
第2血液量信号を、ベースライン血液量信号と比較するように、
【0218】
比較に基づいて、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、構成されたハードウェアプロセッサと、の1つ又は複数を含む、ウェアラブルシステム。
【0219】
人における異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムであって、
【0220】
人の皮膚表面に対して接触する第2面と、この第2面とは反対側に位置した第1面と、を有する本体と、
【0221】
皮膚表面と連通する加熱源であり、皮膚表面を目標温度に加熱するように構成された加熱源と、
【0222】
第2面上に配置された皮膚温度センサであり、加熱源と接触している皮膚表面の温度を測定するように構成された皮膚温度センサと、
【0223】
第2面上に配置されたセンサであり、人における関心のあるパラメータを測定するように構成されたセンサと、
【0224】
加熱源と、センサと、皮膚温度センサと、ウェアラブルシステムの周囲の環境温度を測定するように構成された環境温度センサと、に対して通信可能に結合されたハードウェアプロセッサであり、
【0225】
センサからベースラインセンサ信号を受信するように、
【0226】
加熱源に対して加熱信号を出力することにより、皮膚表面を目標温度に加熱する加熱サイクルを開始するように、
【0227】
皮膚表面が目標温度へと到達したことに応答して、センサから第2センサ信号を受信するように、
【0228】
第2センサ信号を、ベースラインセンサ信号と比較するように、
【0229】
比較に基づいて、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、構成されたハードウェアプロセッサと、の1つ又は複数を含む、ウェアラブルシステム。
【0230】
センサは、ストレッチセンサ、皮膚電気活動センサ、心電図センサ、カメラ、又は血液量センサ、からなる群から選択される、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0231】
関心のあるパラメータは、血圧、心拍数、心拍数変動、視線、顔の表情、皮膚コンダクタンス応答、血管拡張応答、又は拡張応答、の1つ又は複数を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0232】
人における異常な生物学的事象を検出するためのウェアラブルシステムであって、
【0233】
人の皮膚表面に対して接触する第2面と、この第2面とは反対側に位置した第1面と、を有する本体と、
【0234】
皮膚表面と連通する刺激源であり、皮膚表面に対して刺激を印加するように構成された刺激源と、
【0235】
第2面上に配置された血液量センサであり、皮膚表面の血液量を測定するように構成された血液量センサと、
【0236】
刺激源と血液量センサとに対して通信可能に結合されたハードウェアプロセッサであり、
【0237】
血液量センサからベースライン血液量信号を受信するように、
【0238】
刺激源に対して刺激信号を出力することにより、刺激サイクルを開始するように、
【0239】
刺激サイクルの開始に応答して、血液量センサから第2血液量信号を受信するように、
【0240】
第2血液量信号を、ベースライン血液量信号と比較するように、
【0241】
比較に基づいて、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、構成されたハードウェアプロセッサと、の1つ又は複数を含む、ウェアラブルシステム。
【0242】
刺激源は、加熱源を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0243】
刺激源は、電源を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0244】
比較は、血管拡張応答の変化を決定することを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0245】
刺激源は、ペルチェ冷却器を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0246】
第2血液量信号は、刺激サイクルの、前に、最中に、及び後に、皮膚表面の血液量が繰り返して測定されることのために、一組をなす複数の血液量信号を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0247】
第2血液量信号は、刺激サイクルの、前に、最中に、及び後に、皮膚表面の血液量が連続的に測定されることのために、複数の血液量信号を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0248】
ハードウェアプロセッサは、目標刺激へと到達した後に、あるいは所定長さの時間が経過した後に、あるいは1つ又は複数の刺激サイクルが終了した後に、第2血液量信号を受信するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0249】
比較は、ベースライン血液量信号に関しての交流(AC)と直流(DC)とのベースライン比率と、第2血液量信号に関してのACとDCとの第2比率と、を計算することと、ベースライン比率を第2比率と比較することと、を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0250】
血液量センサは、ウェアラブルシステムの本体の第1面上に配置されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0251】
ウェアラブルシステムに対して通信可能に結合されたリモートコンピューティングデバイスであり、血液量センサを含むリモートコンピューティングデバイスを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0252】
リモートコンピューティングデバイスは、ラップトップ、セルラーデバイス、ワークステーション、サーバ、デスクトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、第2ウェアラブルシステム若しくは第2ウェアラブルデバイス、又はネットブック、の1つを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0253】
刺激源は、本体の第2面上に配置されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0254】
ハードウェアプロセッサは、
【0255】
血液量センサからベースライン血液量信号を受信するように、
【0256】
ベースライン血液量信号に基づいて目標血液量を決定するように、
【0257】
目標血液量が最大血液量値未満であるかどうかを決定ように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0258】
ハードウェアプロセッサは、刺激源を周期的に動作させることにより、目標血液量を維持するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0259】
第2面上に配置された1つ又は複数の皮膚電気活動センサを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0260】
1つ又は複数の皮膚電気活動センサは、刺激源から、約0.25インチ~約4インチ(約6.35mm~約101.6mm)の分だけ離間している、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0261】
ウェアラブルシステムが結合された身体部分の移動を測定するように構成された1つ又は複数のモーションセンサを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0262】
第1面及び第2面は、第1面と第2面との間に空気流を提供するために、それらの間に空洞を形成している、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0263】
ハードウェアプロセッサは、第1面上に又は第1面内に位置している、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0264】
第1面及び第2面によって形成された空洞は、刺激源を、第1面上の又は第1面内のハードウェアプロセッサから、物理的に離間させている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0265】
第1面及び第2面によって形成された空洞は、刺激サイクルどうしの間に刺激源の冷却を促進するのに充分な容積を有している、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0266】
異常な生物学的事象は、脳卒中事象を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0267】
ウェアラブルシステムが、ユーザの左肢上に配置され、第2ウェアラブルシステムが、ユーザの右肢上に配置され、第2ウェアラブルシステムは、第2刺激源と、第2血液量センサと、を含み、ハードウェアプロセッサは、右側の血液量信号を左側の血液量信号と比較することにより、異常な生物学的事象が発生しているかどうかを決定するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0268】
ハードウェアプロセッサは、
【0269】
左肢及び右肢から受信した信号どうしを、時間的に同期させるように、
【0270】
左肢及び右肢からの同期させた信号どうしを比較することにより、異常な生物学的事象が発生していているかどうかを決定するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0271】
比較に際しては、左肢と右肢との間におけるベースラインの差を考慮する、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0272】
本体に対して結合された締付可能なバンドを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0273】
締付可能なバンドは、正確なセンサ読取を可能とするために、刺激源、血液量センサ、又はこれらの組合せ、の1つ又は複数が皮膚表面に対して充分に結合していることを示すための、視覚的インジケータを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0274】
締付可能なバンドの1つ又は複数の端部は、第2面上に配置された1つ又は複数のセンサに対して中心合わせされた位置で、本体に対して結合されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0275】
刺激源は、血液量センサまわりにおいて同心円状に配置されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0276】
血液量センサは、光電式脈波センサ又はインピーダンス式脈波センサを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0277】
刺激源に対して結合された支持構造であり、刺激源を第2面に対して結合するように構成され、さらに、刺激源を空洞に対して少なくとも部分的に露出させるように構成された支持構造を、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0278】
血液量センサは、心拍数、心拍数変動、又は酸素飽和度、の1つ又は複数を測定するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0279】
刺激サイクルは、ユーザに対して個別化される、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0280】
刺激サイクルの個別化は、皮膚表面で感知された刺激に関連したユーザ入力を受け取ることを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0281】
刺激サイクルの個別化は、血液量センサから受信した信号に基づいて行われる、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0282】
刺激源は、加熱部材又は環境温度の1つを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0283】
ハードウェアプロセッサは、異常な生物学的事象の決定に応答して、ホームオートメーションシステムを電子的に管理するように構成された第1電子システムに対して、電子メッセージを送信するように構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0284】
ホームオートメーションシステムは、ドアロックを含み、電子メッセージは、第1電子システムに対して、ドアロックの解錠を指示するように構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0285】
ホームオートメーションシステムは、ホームアラームシステムを含み、電子メッセージは、第1電子システムに対して、ホームアラームシステムを無効とするよう指示するように構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0286】
ホームオートメーションシステムは、ディスプレイを含み、電子メッセージは、第1電子システムに対して、ユーザの医療情報を表示するよう指示するように構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0287】
医療情報は、投薬情報及び/又は投薬処方の遵守を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0288】
ホームオートメーションシステムは、ディスプレイを含み、電子メッセージは、第1電子システムに対して、脳卒中処置ユーザインターフェースを表示するよう指示するように構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0289】
ホームオートメーションシステムは、スピーカシステムを含み、電子メッセージは、第1電子システムに対して、スピーカシステムを使用した可聴アラームを始動させるよう指示するように構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0290】
ハードウェアプロセッサは、異常な生物学的事象の決定に応答して、第三者コンピューティングシステムに対して警告を発出するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0291】
第三者コンピューティングシステムは、緊急サービスシステムを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0292】
第三者コンピューティングシステムは、臨床医コンピューティングシステムを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0293】
ハードウェアプロセッサは、異常な生物学的事象の検出に応答して処置プロトコルを開始するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0294】
ウェアラブル処置システムをさらに含み、処置プロトコルは、ウェアラブル処置システムを活性化するように構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0295】
ウェアラブル処置システムは、超音波ヘルメットを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0296】
ウェアラブル処置システムは、冷却ガス供給システムを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0297】
ウェアラブル処置システムは、冷却ヘルメットを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0298】
人における異常な生物学的事象を検出するためのシステムであって、
【0299】
人の身体の右側上に位置した第1組織部位を第1時間に刺激するように構成された第1刺激源と、
【0300】
人の身体の左側上に位置した第2組織部位を第2時間に刺激するように構成された第2刺激源と、
【0301】
1つ又は複数のハードウェアプロセッサであり、
【0302】
第1組織部位の刺激に基づいて、第1血管拡張応答を決定するように、
【0303】
第2組織部位の刺激に基づいて、第2血管拡張応答を決定するように、
【0304】
第1血管拡張応答及び第2血管拡張応答に関する1つ又は複数の差を決定するように、
【0305】
第1血管拡張応答及び第2血管拡張応答に関して決定された1つ又は複数の差に基づいて、異常な生物学的事象を検出するように、構成された1つ又は複数のハードウェアプロセッサと、の1つ又は複数を含む、システム。
【0306】
第1刺激源は、加熱源、冷却源、又は電源、の少なくとも1つ又は複数を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるシステム。
【0307】
第2刺激源は、加熱源、冷却源、又は電源、の少なくとも1つ又は複数を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるシステム。
【0308】
第1時間は、第2時間と同期している、本明細書で開示した任意の実施形態におけるシステム。
【0309】
第1血管拡張応答は、第1血液量センサからの測定値に応答したパラメータに基づいて決定される、本明細書で開示した任意の実施形態におけるシステム。
【0310】
第2血管拡張応答は、第2血液量センサからの測定に応答したパラメータに基づいて決定される、本明細書で開示した任意の実施形態におけるシステム。
【0311】
第1血管拡張応答は、電気的活動度センサからの測定値に応答したパラメータに基づいて決定される、本明細書で開示した任意の実施形態におけるシステム。
【0312】
第2血管拡張応答は、電気的活動度センサからの測定に応答したパラメータに基づいて決定される、本明細書で開示した任意の実施形態におけるシステム。
【0313】
1つ又は複数のハードウェアプロセッサは、第1組織部位における刺激の前に、第1ベースライン血管拡張応答を決定するように、そして、第2組織部位における刺激の前に、第2ベースライン血管拡張応答を決定するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるシステム。
【0314】
人における脳卒中事象を検出するためのウェアラブルシステムであって、
【0315】
人の第1皮膚表面に対して接触するように構成され、さらに、人の左肢に対して固定されるように構成された第1ウェアラブルデバイスであり、
【0316】
第1皮膚表面と連通する第1加熱源であり、第1皮膚表面を第1目標温度に加熱するように構成された第1加熱源と、
【0317】
第1皮膚表面の第1温度を測定するように構成された第1皮膚温度センサと、
【0318】
第1皮膚表面に対して近接した第1組織部位における第1血液量を測定するように構成された第1血液量センサと、を含む第1ウェアラブルデバイスと、
【0319】
人の第2皮膚表面に対して接触するように構成され、さらに、人の右肢に対して固定されるように構成された、第2ウェアラブルデバイスであり、
【0320】
第2皮膚表面と連通する第2加熱源であり、第2皮膚表面を第2目標温度に加熱するように構成された第2加熱源と、
【0321】
第2皮膚表面の第2温度を測定するように構成された第2皮膚温度センサと、
【0322】
第2皮膚表面に対して近接した第2組織部位における第2血液量を測定するように構成された第2血液量センサと、を含む第2ウェアラブルデバイスと、
【0323】
1つ又は複数のハードウェアプロセッサであり、
【0324】
第1血液量センサから第1ベースライン血液量信号を受信するように、
【0325】
第2血液量センサから第2ベースライン血液量信号を受信するように、
【0326】
第1加熱源に対して第1加熱信号を出力することにより、第1皮膚表面を第1目標温度に加熱する第1加熱サイクルを開始するように、
【0327】
第1皮膚表面が第1目標温度へと到達したことに応答して、第1血液量センサから第1刺激後血液量信号を受信するように、
【0328】
第2加熱源に対して第2加熱信号を出力することにより、第2皮膚表面を第2目標温度に加熱する第2加熱サイクルを開始するように、
【0329】
第2皮膚表面が第2目標温度へと到達したことに応答して、第2血液量センサから第2刺激後血液量信号を受信するように、
【0330】
第1ベースライン血液量信号と、第2ベースライン血液量信号と、第1刺激後血液量信号と、第2刺激後血液量信号と、に基づいて、脳卒中事象を決定するように、構成された1つ又は複数のハードウェアプロセッサと、の1つ又は複数を含む、ウェアラブルシステム。
【0331】
第2刺激後血液量信号は、第2加熱源による加熱サイクルの、前に、最中に、及び後に、第2皮膚表面の第2血液量が繰り返して測定されることのために、一組をなす複数の血液量信号を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0332】
第2刺激後血液量信号は、第2加熱源による加熱サイクルの、前に、最中に、及び後に、第2皮膚表面の第2血液量が連続的に測定されることのために、複数の血液量信号を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0333】
1つ又は複数のハードウェアプロセッサは、第1ベースライン血液量信号に関しての交流(AC)と直流(DC)との第1ベースライン比率を計算するように、第2血液量信号に関してのACとDCとの第2ベースライン比率を計算するように、第1ベースライン比率を第2ベースライン比率と比較するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0334】
第1ウェアラブルデバイスは、環境温度センサを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0335】
第1ウェアラブルデバイス及び第2ウェアラブルデバイスに対して通信可能に結合されたリモートコンピューティングデバイスを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0336】
リモートコンピューティングデバイスは、ラップトップ、セルラーデバイス、ワークステーション、サーバ、デスクトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、第2ウェアラブルシステム若しくは第2ウェアラブルデバイス、又はネットブック、の1つを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0337】
1つ又は複数の皮膚電気活動センサを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0338】
1つ又は複数の皮膚電気活動センサは、第1加熱源又は第2加熱源の少なくとも1つから、約0.25インチ~約4インチ(約6.35mm~約101.6mm)の分だけ離間している、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0339】
第1ウェアラブルデバイス又は第2ウェアラブルデバイスの少なくとも一方が結合された身体部分の移動を測定するように構成された1つ又は複数のモーションセンサを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0340】
本体に対して結合された少なくとも1つの締付可能なバンドを、さらに含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0341】
第1加熱源は、第1血液量センサと第1皮膚温度センサとの一方又は両方のまわりにおいて、同心円状に配置されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0342】
第2加熱源は、第2血液量センサと第2皮膚温度センサとの一方又は両方のまわりにおいて、同心円状に配置されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0343】
第1血液量センサは、光電式脈波センサ又はインピーダンス式脈波センサを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0344】
第2血液量センサは、光電式脈波センサ又はインピーダンス式脈波センサを含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0345】
第1皮膚温度センサは、熱電対、抵抗温度検出器、サーミスタ、又は赤外線温度センサ、を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0346】
第2皮膚温度センサは、熱電対、抵抗温度検出器、サーミスタ、又は赤外線温度センサ、を含む、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0347】
第1血液量センサは、心拍数、心拍数変動、又は酸素飽和度、の1つ又は複数を測定するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0348】
第2血液量センサは、心拍数、心拍数変動、又は酸素飽和度、の1つ又は複数を測定するように、さらに構成されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。
【0349】
第1目標温度又は第2目標温度の少なくとも一方は、ユーザに対して個別化されている、本明細書で開示した任意の実施形態におけるウェアラブルシステム。

図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46A
図46B
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
図65
【国際調査報告】