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特表2022-552003脊髄損傷およびALSの治療のための機能的ニューロンの再生
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】脊髄損傷およびALSの治療のための機能的ニューロンの再生
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/17 20060101AFI20221207BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20221207BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20221207BHJP
   A61K 35/761 20150101ALI20221207BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20221207BHJP
   C12N 15/113 20100101ALN20221207BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20221207BHJP
   C12N 15/864 20060101ALN20221207BHJP
【FI】
A61K38/17
A61P25/00 ZNA
A61K48/00
A61K35/761
A61K47/46
C12N15/113 Z
C12N15/12
C12N15/864 100Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522966
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 US2020056108
(87)【国際公開番号】W WO2021076983
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】62/916,713
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/040,989
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】398071440
【氏名又は名称】ザ・ペン・ステイト・リサーチ・ファウンデイション
【氏名又は名称原語表記】The Penn State Research Foundation
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138911
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100218268
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ゴン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4C076BB11
4C076BB13
4C076CC01
4C076EE56
4C076FF02
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA13
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084BA23
4C084CA18
4C084CA23
4C084CA53
4C084MA16
4C084MA17
4C084MA23
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA41
4C084MA43
4C084MA52
4C084MA65
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA021
4C084ZA022
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC83
4C087NA14
4C087ZA02
(57)【要約】
本明細書は、脊髄損傷(SCI)を有する哺乳動物の治療に関与する方法および材料を提供する。例えば、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)を単独で、またはDlx2ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)と組み合わせてコードする外因性核酸を含有する組成物を、SCIを有する哺乳動物に投与するための方法および材料が提供される。本明細書はまた、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を有する哺乳動物の治療に関与する方法および材料を提供する。例えば、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)を単独で、またはIsl1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)と組み合わせてコードする外因性核酸を含有する組成物を、ALSを有する哺乳動物に投与するための方法および材料が提供される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊髄損傷(SCI)を有する哺乳動物を治療するための方法であって、前記方法が、ニューロン分化1(NeuroD1)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、前記哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項2】
脊髄損傷を有する哺乳動物を治療する方法であって、前記方法が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含むアデノ随伴ウイルス粒子を含有する薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を、前記哺乳動物の脊髄に投与することを含む、方法。
【請求項3】
脊髄損傷を有する哺乳動物を治療するための方法であって、前記方法が、mir124をコードする外因性核酸、ISL LIMホメオボックス1(Isl1)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、およびLIMホメオボックス3(Lhx3)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、前記哺乳動物の脊髄に投与することを含む、方法。
【請求項4】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)を有する哺乳動物を治療するための方法であって、前記方法が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、前記哺乳動物の中枢神経系に投与することを含む、方法。
【請求項5】
ALSを有する哺乳動物を治療する方法であって、前記方法が、NeuroD1をコードする核酸を含むアデノ随伴ウイルス粒子を含有する薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を、前記哺乳動物の中枢神経系に投与することを含む、方法。
【請求項6】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)を有する哺乳動物を治療するための方法であって、前記方法が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、前記哺乳動物の中枢神経系に投与することを含む、方法。
【請求項7】
SCIを有し、かつ(1)背側脊髄ニューロンを再生すること、(2)新たなグルタミン酸作動性ニューロンを生成すること、または(3)脊髄における循環を増加させることを必要とする哺乳動物内で、前記(1)、(2)、または(3)を行うための方法であって、前記方法が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、前記哺乳動物に投与することを含み、(a)前記脊髄ニューロンが再生されるか、(b)新たなグルタミン酸作動性ニューロンが生成されるか、または(c)脊髄循環が増加する、方法。
【請求項8】
ALS疾患を有し、かつ(1)運動ニューロンを生成すること、(2)ミクログリアの数を低減させること、または(3)反応性星状細胞の数を低減させることを必要とする哺乳動物内で、前記(1)、(2)、または(3)を行うための方法であって、前記方法が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、前記哺乳動物に投与することを含み、(a)前記運動ニューロンが生成されるか、(b)ミクログリアの数が低減するか、または(c)反応性星状細胞の数が低減する、方法。
【請求項9】
SCIを有し、かつ(1)背側脊髄ニューロンを再生すること、(2)新たなグルタミン酸作動性ニューロンを生成すること、または(3)脊髄における循環を増加させることを必要とする哺乳動物内で、前記(1)、(2)、または(3)を行うための方法であって、前記方法が、NeuroD1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、Isl1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、またはLhx3ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、前記哺乳動物に投与することを含み、(a)前記脊髄ニューロンが再生されるか、(b)新たなグルタミン酸作動性ニューロンが生成されるか、または(c)脊髄循環が増加する、方法。
【請求項10】
脊髄損傷を有する哺乳動物を治療するための方法であって、前記方法が、(a)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、および(b)ディスタルレスホメオボックス2(Dlx2)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、前記哺乳動物の脊髄に投与することを含む、方法。
【請求項11】
SCIを有し、かつ(1)背側脊髄ニューロンを再生すること、(2)新たなニューロンを生成すること、または(3)脊髄における循環を増加させることを必要とする哺乳動物内で、前記(1)、(2)、または(3)を行うための方法であって、前記方法が、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を投与することを含み、(a)前記脊髄ニューロンが再生されるか、(b)新たなニューロンが生成されるか、または(c)脊髄循環が増加する、方法。
【請求項12】
ALSを有する哺乳動物を治療するための方法であって、前記方法が、(a)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、および(b)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、前記哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項13】
脊髄損傷を有する哺乳動物を治療するための方法であって、前記方法が、(a)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、および(b)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、前記哺乳動物の脊髄に投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月17日に出願された米国特許出願第62/916,713号、および2020年6月18日に出願された米国特許出願第63/040,989号の利益を主張する。先行出願の開示は、本出願の開示の一部と見なされる(かつ、参照によりそれに組み込まれる)。
【0002】
政府の支援
本発明は、United States Army/MRMCによって授与された助成金番号W81XWH-16-1-0163の下で政府の支援を受けて行われた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
1.技術分野
本明細書は、脊髄損傷(SCI)を有する哺乳動物の治療に関与する方法および材料に関する。例えば、本明細書は、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする外因性核酸を単独で、またはDlx2ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする外因性核酸と組み合わせて含有する組成物を、SCIを有する哺乳動物に投与するための方法および材料を提供する。本明細書はまた、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を有する哺乳動物の治療に関与する方法および材料に関する。例えば、本明細書は、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする外因性核酸を含有する組成物を、ALSを有する哺乳動物に投与するための方法および材料を提供する。別の例として、本明細書は、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする外因性核酸を単独で、またはIsl1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする外因性核酸と組み合わせて含有する組成物を、ALSを有する哺乳動物に投与するための方法および材料を提供する。
【0004】
2.背景情報
脊髄損傷(SCI)は、破壊的な中枢神経系(CNS)障害であり、多くの場合、損傷部位の下の運動機能および感覚機能の喪失、さらに損傷の重症度によっては麻痺さえももたらす(Adams and Hicks,Spinal Cord,43:577-586(2005))。SCI後の病態生理学的プロセスはかなり複雑であり、ニューロンの喪失、神経炎症、脱髄、および軸索のウォラー変性をもたらす(Norenberg et al.,J.Neurotrauma,21:429-440(2004))。反応性アストログリオーシスは、CNS損傷に共通であり、特にSCI後に重度である。常在星状細胞は、損傷誘導性サイトカインに反応し、星状細胞マーカーのGFAPならびに神経前駆細胞マーカーのネスチンおよびビメンチンなどの多数のタンパク質の発現を劇的に上方調節する(Sofroniew,Trends Neurosci.,32:638-647(2009))。これらの反応性星状細胞はまた、細胞形態において増殖性および肥大性となる。SCIの急性期において、反応性星状細胞は、血液脊髄関門の修復および原発性損傷のサイズの制限において重要な役割を果たす(Herrmann et al.,J.Neurosci.,28:7231-7243(2008)、およびOkada et al.,Nature Med.,12:829-834(2006))。しかしながら、亜急性期または慢性期において、反応性星状細胞は、軸索再生を阻害する密集した組織構造であるグリア瘢痕の主要構成要素を構成する(Silver and Miller,Nat.Rev.Neurosci.,5:146-156(2004))。したがって、何十年もの間、グリア瘢痕を克服し、損傷部位を介して断たれた軸索の再増殖を促進するために実質的な努力がなされている(Filous and Schwab,Am.J.Pathol.,188(1):53-62(2017))。一方、損傷中および損傷後に失われる脊髄ニューロンは、局所的なニューロン回路を再構築するために交換する必要がある。この点で、幹細胞移植は、一定の成功を達成することが報告されている(Lu et al.,J.Clin.Inv.,127:3287-3299(2017)、およびTuszynski et al.,Cell,156:388-389(2014))が、損傷部位における移植細胞の長期的な生存は、未解決の問題のままである(Goldman,Cell Stem Cell,18:174-188(2016))。したがって、脊髄損傷の治療に対する実質的に満たされていない必要性が残っている。
【0005】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、約1/100,000の発症率で運動ニューロンに影響を及ぼす遅発性の致命的な神経変性疾患である。ほとんどのALS症例は散発的であるが、5~10%の症例は家族性ALSである。散発的および家族性ALS(FALS)の両方は、皮質および脊髄運動ニューロンの変性に関連する。ALSの病因は不明のままである。しかしながら、スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)の変異は、FALSの最も一般的な原因として知られている。疾患の病理を引き起こす根底にある機序を研究することに集中した努力がなされているにもかかわらず、ALSの治療に対する実質的に満たされていない必要性が残っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Adams and Hicks,Spinal Cord,43:577-586(2005)
【非特許文献2】Norenberg et al.,J.Neurotrauma,21:429-440(2004)
【非特許文献3】Sofroniew,Trends Neurosci.,32:638-647(2009)
【非特許文献4】Herrmann et al.,J.Neurosci.,28:7231-7243(2008)
【非特許文献5】Okada et al.,Nature Med.,12:829-834(2006)
【非特許文献6】Silver and Miller,Nat.Rev.Neurosci.,5:146-156(2004)
【非特許文献7】Filous and Schwab,Am.J.Pathol.,188(1):53-62(2017)
【非特許文献8】Lu et al.,J.Clin.Inv.,127:3287-3299(2017)
【非特許文献9】Tuszynski et al.,Cell,156:388-389(2014)
【非特許文献10】Goldman,Cell Stem Cell,18:174-188(2016)
【発明の概要】
【0007】
本明細書は、脊髄損傷(SCI)を有する哺乳動物の治療に関与する方法および材料を提供する。例えば、本明細書は、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする外因性核酸を単独で、またはDlx2ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする外因性核酸と組み合わせて含有する組成物を、SCIを有する哺乳動物に投与するための方法および材料を提供する。本明細書はまた、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を有する哺乳動物の治療に関与する方法および材料に関する。例えば、本明細書は、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする外因性核酸を含有する組成物を、ALSを有する哺乳動物に投与するための方法および材料を提供する。本明細書はまた、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする外因性核酸を単独で、またはIsl1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする外因性核酸と組み合わせて含有する組成物を、ALSを有する哺乳動物に投与するための方法および材料を提供する。
【0008】
概して、本文書の一態様は、脊髄損傷(SCI)を有する哺乳動物を治療するための方法を特徴とする。本方法は、ニューロン分化1(NeuroD1)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む(または本質的にそれからなるか、もしくはそれからなる)組成物を、哺乳動物に投与することを含む(または本質的にそれからなるか、もしくはそれからなる)。哺乳動物はヒトであり得る。脊髄損傷は、虚血性脳卒中;出血性脳卒中;身体的損傷;震盪;挫傷;爆発;浸潤;腫瘍;炎症;感染症;外傷性脊髄損傷;虚血性もしくは出血性脊髄症(脊髄梗塞);心停止もしくは重度の低血圧(ショック)によって引き起こされる全身性虚血;低酸素症、低血糖症もしくは貧血によって引き起こされる低酸素性虚血性脳症;感染性心内膜炎もしくは心房粘液腫によって引き起こされるCNS塞栓症;線維軟骨性塞栓性脊髄症;小児白血病によって引き起こされるCNS血栓症;ネフローゼ症候群(腎臓病)、慢性炎症性疾患、妊娠、エストロゲンベースの避妊薬の使用、髄膜炎、脱水症によって引き起こされる脳静脈洞血栓症;またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される状態に起因し得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを脊髄に送達することを含み得る。アデノ随伴ウイルスは、AAV.PHP.eBであり得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み得、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号2またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号4またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号1またはその機能的断片、配列番号3またはその機能的断片、および配列番号2もしくは配列番号4またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む。投与する工程は、脊髄への定位注射を含み得る。投与する工程は、静脈内注射または静脈内注入を含み得る。
【0009】
別の態様では、本明細書は、脊髄損傷を有する哺乳動物を治療する方法を特徴とする。本方法は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含むアデノ随伴ウイルス粒子を含有する薬学的に許容される担体を含む(または本質的にそれからなるか、もしくはそれからなる)薬学的組成物を、哺乳動物の脊髄に投与することを含む(または本質的にそれからなるか、もしくはそれからなる)。薬学的組成物は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む、1010~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mLの担体の濃度でアデノ随伴ウイルスを含有する約1μL~約500μLの薬学的に許容される担体を含み得る。薬学的組成物は、約0.1μL/分~約5μL/分の制御された流速で哺乳動物の脊髄に注射され得る。
【0010】
別の態様では、本明細書は、脊髄損傷を有する哺乳動物を治療するための方法を特徴とする。本方法は、mir124をコードする外因性核酸、ISL LIMホメオボックス1(Isl1)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、およびLIMホメオボックス3(Lhx3)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む(または本質的にそれらからなるか、もしくはそれらからなる)組成物を、哺乳動物の脊髄に投与することを含む(または本質的にそれからなるか、もしくはそれからなる)。哺乳動物はヒトであり得る。投与する工程は、(i)mir124をコードする核酸を含む発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクター、および(iii)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片Lhx3をコードする核酸を含む発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、(i)mir124をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、および(iii)Lhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、(i)mir124をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、および(iii)Lhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、mir124、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、mir124、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、mir124、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、ニューロゲニン2(Ngn2)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、mir218、およびNeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸のうちの1つ以上の治療有効な用量を、mir124、Isl1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片、またはLhx3ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片の任意の組み合わせと組み合わせて、哺乳動物の脊髄に投与することをさらに含み得る。アデノ随伴ウイルスは、AAV.PHP.eBであり得る。
【0011】
別の態様では、本明細書は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を有する哺乳動物を治療するための方法を特徴とする。本方法は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む(または本質的にそれからなるか、もしくはそれからなる)組成物を、哺乳動物の中枢神経系に投与することを含む(または本質的にそれからなるか、もしくはそれからなる)。哺乳動物はヒトであり得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを脳に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを脳に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを脳に送達することを含み得る。アデノ随伴ウイルスは、AAV.PHP.eBであり得る。投与する工程は、NeuroD1タンパク質をコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み得、NeuroD1タンパク質をコードする核酸配列が、配列番号2またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号4またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号1またはその機能的断片、配列番号3またはその機能的断片、および配列番号2もしくは配列番号4またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む。投与する工程は、定位頭蓋内注射を含み得る。投与する工程は、2回以上の定位頭蓋内注射を含み得る。投与する工程は、後眼窩注射を含み得る。
【0012】
別の態様では、本明細書は、ALSを有する哺乳動物を治療する方法を特徴とする。本方法は、NeuroD1をコードする核酸を含むアデノ随伴ウイルス粒子を含有する薬学的に許容される担体を含む(または本質的にそれからなるか、またはそれからなる)薬学的組成物を、哺乳動物の中枢神経系に投与することを含む(または本質的にそれからなるか、またはそれからなる)。薬学的組成物は、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸を含む、1010~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mlの担体の濃度でアデノ随伴ウイルスを含有する約1μL~約500μLの薬学的に許容される担体を含み得る。薬学的組成物は、約0.1μL/分~約5μL/分の制御された流速で哺乳動物の中枢神経系に注射され得る。
【0013】
別の態様では、本明細書は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を有する哺乳動物を治療するための方法を特徴とする。本方法は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む(または本質的にそれらからなるか、もしくはそれらからなる)組成物を、哺乳動物の中枢神経系に投与することを含む(もしくは本質的にそれからなるか、もしくはそれからなる)。哺乳動物はヒトであり得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクター、および(iii)Lhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、哺乳動物の中枢神経系に送達することを含み得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、および(iii)Lhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、哺乳動物の中枢神経系に送達することを含み得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、および(iii)Lhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、哺乳動物の中枢神経系に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、哺乳動物の中枢神経系に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、哺乳動物の中枢神経系に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、哺乳動物の中枢神経系に送達することを含み得る。投与する工程は、Ngn2をコードする外因性核酸、mir218、およびmir124のうちの1つ以上の治療有効な用量を、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片の任意の組み合わせと組み合わせて、哺乳動物の中枢神経系に投与することをさらに含み得る。アデノ随伴ウイルスは、AAV.PHP.eBであり得る。
【0014】
別の態様では、本明細書は、SCIを有し、かつ(1)背側脊髄ニューロンを再生すること、(2)新たなグルタミン酸作動性ニューロンを生成すること、または(3)脊髄における循環を増加させることを必要とする哺乳動物内で、(1)、(2)、または(3)を行うための方法を特徴とする。本方法は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む(または本質的にそれからなるか、もしくはそれからなる)組成物を、哺乳動物に投与することを含み(または本質的にそれからなるか、もしくはそれからなり)、(a)脊髄ニューロンが再生されるか、(b)新たなグルタミン酸作動性ニューロンが生成されるか、または(c)脊髄循環が増加する。哺乳動物はヒトであり得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを脊髄に送達することを含み得る。アデノ随伴ウイルスは、AAV.PHP.eBであり得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み得、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号2またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号4またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号1またはその機能的断片、配列番号3またはその機能的断片、および配列番号2もしくは配列番号4またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む。投与する工程は、脊髄への定位注射を含み得る。投与する工程は、静脈内注射または静脈内注入を含み得る。
【0015】
別の態様では、本明細書は、ALS疾患を有し、かつ(1)運動ニューロンを生成すること、(2)ミクログリアの数を低減させること、または(3)反応性星状細胞の数を低減させることを必要とする哺乳動物内で、(1)、(2)、または(3)を行うための方法を特徴とする。本方法は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む(または本質的にそれからなるか、もしくはそれからなる)組成物を、哺乳動物に投与することを含み(または本質的にそれからなるか、もしくはそれからなり)、(a)運動ニューロンが生成されるか、(b)ミクログリアの数が低減するか、または(c)反応性星状細胞の数が低減する。哺乳動物はヒトであり得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを脊髄に送達することを含み得る。アデノ随伴ウイルスは、AAV.PHP.eBであり得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み得、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号2またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号4またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号1またはその機能的断片、配列番号3またはその機能的断片、および配列番号2もしくは配列番号4またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む。投与する工程は、脊髄への定位注射を含み得る。投与する工程は、静脈内注射または静脈内注入を含み得る。
【0016】
別の態様では、本明細書は、SCIを有し、かつ(1)背側脊髄ニューロンを再生すること、(2)新たなグルタミン酸作動性ニューロンを生成すること、または(3)脊髄における循環を増加させることを必要とする哺乳動物内で、(1)、(2)、または(3)を行うための方法を特徴とする。本方法は、NeuroD1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、Isl1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、またはLhx3ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む(または本質的にそれらからなるか、もしくはそれらからなる)組成物を、哺乳動物に投与することを含み(もしくは本質的にそれからなるか、もしくはそれからなり)、(a)脊髄ニューロンが再生されるか、(b)新たなグルタミン酸作動性ニューロンが生成されるか、または(c)脊髄循環が増加する。哺乳動物はヒトであり得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクター、または(iii)Lhx3ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、哺乳動物の中枢神経系に送達することを含み得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、または(iii)Lhx3ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、哺乳動物の中枢神経系に送達することを含み得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、または(iii)Lhx3ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、哺乳動物の中枢神経系に送達することを含み得る。アデノ随伴ウイルスは、AAV.PHP.eBであり得る。投与する工程は、脊髄への定位注射を含み得る。投与する工程は、静脈内注射または静脈内注入を含み得る。
【0017】
別の態様では、本明細書は、脊髄損傷を有する哺乳動物を治療するための方法を特徴とする。本方法は、(a)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、および(b)ディスタルレスホメオボックス2(Dlx2)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む(または本質的にそれらからなるか、もしくはそれらからなる)組成物を、哺乳動物に投与することを含む(または本質的にそれからなるか、もしくはそれからなる)。哺乳動物はヒトであり得る。投与する工程は、(i)核酸NeuroD1ポリペプチドを含む発現ベクター、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびDlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびDlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびDlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。アデノ随伴ウイルスは、AAV.PHP.eBであり得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み得、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号2またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号4またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号1またはその機能的断片、配列番号3またはその機能的断片、および配列番号2もしくは配列番号4またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む。投与する工程は、Dlx2ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み得、Dlx2ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号11またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号13またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号10またはその機能的断片、配列番号12またはその機能的断片、および配列番号11もしくは配列番号13またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む。投与する工程は、脊髄への定位注射を含み得る。投与する工程は、静脈内注射または静脈内注入を含み得る。アデノ随伴ウイルスは、AAV血清型5であり得る。
【0018】
別の態様では、本明細書は、SCIを有し、かつ(1)背側脊髄ニューロンを再生すること、(2)新たなニューロンを生成すること、または(3)脊髄における循環を増加させることを必要とする哺乳動物内で、(1)、(2)、または(3)を行うための方法を特徴とする。本方法は、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む(または本質的にそれらからなるか、もしくはそれらからなる)組成物を、投与することを含み(もしくは本質的にそれからなるか、もしくはそれからなり)、(a)脊髄ニューロンが再生されるか、(b)新たなニューロンが生成されるか、または(c)脊髄循環が増加する。哺乳動物はヒトであり得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクター、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、哺乳動物の中枢神経系に送達することを含み得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、哺乳動物の中枢神経系に送達することを含み得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、哺乳動物の中枢神経系に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびDlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびDlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびDlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。アデノ随伴ウイルスは、AAV.PHP.eBであり得る。投与する工程は、脊髄への定位注射を含み得る。投与する工程は、静脈内注射または静脈内注入を含み得る。新たなニューロンは、グルタミン酸作動性ニューロンおよびGABA作動性ニューロンからなる群から選択され得る。新たなニューロンは、グルタミン酸作動性ニューロンであり得る。新たなニューロンは、GABA作動性ニューロンであり得る。アデノ随伴ウイルスは、AAV血清型5であり得る。
【0019】
別の態様では、本明細書は、ALSを有する哺乳動物を治療するための方法を特徴とする。本方法は、(a)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、および(b)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、哺乳動物に投与することを含む(または本質的にそれからなるか、もしくはそれからなる)。哺乳動物はヒトであり得る。投与する工程は、(i)核酸NeuroD1ポリペプチドを含む発現ベクター、および(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、哺乳動物に送達することを含み得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、および(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、哺乳動物に送達することを含み得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、および(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびIsl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、哺乳動物に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびIsl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、哺乳動物に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびIsl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、哺乳動物に送達することを含み得る。アデノ随伴ウイルスは、AAV.PHP.eBであり得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み得、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号2またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号4またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号1またはその機能的断片、配列番号3またはその機能的断片、および配列番号2もしくは配列番号4またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む。投与する工程は、Isl1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み得、Isl1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号15またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号17またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号14またはその機能的断片、配列番号16またはその機能的断片、および配列番号15もしくは配列番号17またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む。
【0020】
別の態様では、本明細書は、脊髄損傷を有する哺乳動物を治療するための方法を特徴とする。本方法は、(a)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、および(b)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、哺乳動物の脊髄に投与することを含む(または本質的にそれからなるか、もしくはそれからなる)。哺乳動物はヒトであり得る。投与する工程は、(i)核酸NeuroD1ポリペプチドを含む発現ベクター、および(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、および(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、(i)NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、および(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびIsl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびIsl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびIsl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、哺乳動物の脊髄に送達することを含み得る。アデノ随伴ウイルスは、AAV.PHP.eBであり得る。投与する工程は、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み得、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号2またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号4またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号1またはその機能的断片、配列番号3またはその機能的断片、および配列番号2もしくは配列番号4またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む。投与する工程は、Isl1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み得、Isl1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号15またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号17またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号14またはその機能的断片、配列番号16またはその機能的断片、および配列番号15もしくは配列番号17またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む。
【0021】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が関連する当業者によって通常理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法および材料を使用して本発明を実施または試験することはできるが、好適な方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。矛盾する場合には、定義を含め、本明細書が優先される。加えて、材料、方法、および実施例は、単に例示であり、限定することを意図するものではない。
【0022】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】脊髄の後角における刺損傷後のNeuroD1発現レトロウイルスを使用するニューロン変換。(図1A)実験パラダイム。(図1B)後角損傷および注射の概略図。座標は、中心動脈の外側0.4mmおよび組織表面の下方0.4mmである。32ゲージの針を用いて刺損傷を実施し、続いて、損傷部位で定位注射を実施した。スケールバー500μm。(図1C)レトロGFP注射の1週間後(post viral injection、wpi)の増殖細胞の3つの主要な型:星状細胞、OPC、およびミクログリア。GFAP、Olig2、およびIba1染色は、これらの細胞型のマーカーを示す。矢印は各々の例を示す。スケールバー50μm。(図1D)レトロGFPの1wpiの試料に対する染色に基づく定量化。バーは、3つの複製の平均値および標準偏差を示す。(図1E)レトロND1-GFP注射後の1wpi、3wpi、および6wpiでの後角おける細胞の変換。成熟している細胞は、徐々にNeuNを上方制御し、ニューロンの形態を適応させ、再編成する。矢印は、NeuN+細胞の例を示す。スケールバー500μm。(図1F)レトロND1-GFPの1Wの試料に対する染色に基づく定量化。バーは、3つの複製の平均値および標準偏差を示す。
図2】脊髄の後角における刺損傷(例えば、脊髄の部分的損傷)後のNeuroD1発現AAV9を使用するニューロン変換。(図2A)実験パラダイム。(図2B)AAV9 FLEX-NeuroD1-mCherry/AAV9 GFAP::Cre系(他の箇所ではAAV9 ND1-mChと略記される)。GFAPプロモーターは、感染した細胞を星状細胞に制限する。対照ウイルスは、ND1導入遺伝子を追加のmChで置き換える。(図2C)AAV9 mCh注射後の4wpiでの後角における感染した星状細胞。矢印および挿入図(2×倍率)は、GFAP+細胞の例を示す。スケールバー50μm。(図2D)AAV9-ND1-mChy注射後の4wpiでの後角における変換されたニューロン。矢印および挿入図(2×倍率)は、NeuN+細胞の例を示す。スケールバー50μm。(図2E)AAV9-ND1-mChy注射後の2wpiでの後角における変換している細胞。矢印および挿入図(4×倍率)は、NeuN+/GFAP+細胞の例を示す。スケールバー50μm。(図2F)AAV9 ND1-mChの2wpiおよび4wpi、ならびにAAV9 ND1-GFPまたはAAV9 GFP(対照)の8wpiでの試料に対する染色に基づく定量化。バーは、3つの複製の平均値および標準偏差を示す。2wpiでの感染した細胞は、大部分が移行性で、NeuNおよびGFAPに対して染色が陽性であり、4wpiではほとんどが変換され、NeuNのみに対して染色が陽性である。
図3】脊髄の後角におけるNeuroD1変換されたニューロンの亜型。(図3A)AAV9 ND1-GFP注射後の8wpiでの後角における変換されたニューロンに対するTlx3(グルタミン酸作動性)およびPax2(GABA作動性)亜型染色。Z投影は、Tlx3+ニューロンの例を標的とする。スケールバー50μm。(図3B)レトロND1-GFP注射後の6wpiでの後角における変換されたニューロンのTlx3およびPax2亜型染色。Z投影は、Pax2+ニューロンの例を標的とする。スケールバー50μm。(図3C)AAV9 ND1-GFPの8wpiおよびレトロND1-GFPの6wpiでの試料の亜型染色に基づく24定量化。対照データは、未損傷、未処置組織におけるNeuN+細胞に基づく。バーは、3つの複製の平均値および標準偏差を示す。(図3D)転換されたTlx3+細胞に対するCaMK2の強力な(89.5±5.2%)共標識を伴う4wpiでのAAV9 ND1-mCyおよびCaMK2-GFPの共注射。Z投影は、Tlx3+、CaMK2+ニューロンの例を標的とする。スケールバー50μm。
図4】脳対脊髄におけるNeuroD1変換されたニューロンの領域特異的亜型。(図4A)AAV9 ND1-mCh注射後の4wpiでの皮質における変換されたニューロンに対する亜型染色。矢印は、各亜型に対して陽性の細胞の例を示す。スケールバー50μm。(図4B)AAV9 ND1-mChの4wpiでの試料についての皮質における亜型染色に基づく25定量化。バーは、3つの複製の平均値および標準偏差を示す。(図4C)AAV9 ND1-mChy注射後の4wpiでの脊髄の後角における変換されたニューロンに対する亜型染色。矢印は、各亜型に対して陽性の細胞の例を示す。スケールバー50μm。(図4D)AAV9 ND1-mChの4wpiの試料についての脊髄における亜型染色に基づく定量化。バーは、3つの複製の平均値および標準偏差を示す。
図5】脊髄の後角におけるNeuroD1変換されたニューロンの成熟および機能性。(図5A)パッチクランプされた変換されたニューロンの蛍光/透過光画像。(図5B)変換されたニューロンの試料の活動電位。(図5C)変換されたニューロンの試料のNa+およびK+電流。(図5D)変換されたニューロンの試料のEPSC。(図5E)変換されたニューロンおよび天然ニューロンについてのNa+電流振幅。(図5F)変換されたニューロンおよび天然ニューロンのEPSC振幅および周波数。(図5G)AAV9 ND1-GFP注射後の8wpiでの後角における変換されたニューロンについてのシナプスSV2点およびVGluT1点。矢印および挿入図(4×倍率)は、その細胞体および突起上の目に見える点を有する細胞の例を示す。スケールバー50μm。(図5H)AAV9 ND1-GFP注射後の8wpiでの後角における変換されたニューロンについてのシナプスSV2点およびVGluT2点。矢印および挿入図(4×倍率)は、その細胞体および突起上の目に見える点を有する細胞の例を示す。スケールバー50μm。(図5I)AAV9 ND1-GFP注射後の8wpiでの後角における変換されたニューロンの局所ネットワークへの統合。cFos染色によって示される活性化ニューロンは、すべてのニューロンのサブセットである。
図6】NeuroD1は、挫傷性SCIの後、ウイルス注射の短い遅延で、損傷コアの周囲で反応性星状細胞をニューロンに変換する。(図6A)挫傷性SCI(30Kdyn力)の10日後にGFPレポーター単独またはNeuroD1-GFPのいずれかを発現するAAV9 FLEXを、AAV9 GFAP::Creとともに注射して、反応性星状細胞を標的化した。6wpiに脊髄を分析した。(図6B)28実験パラダイム。(図6C)多くの感染した細胞は、損傷コアの周囲で生存し(*によって示される)、2つの群の間で明確な細胞形態を示した。ニューロンマーカーのGFAPおよびNeuNの免疫染色は、ND1-GFPによる反応性星状細胞からのニューロン変換の成功を示す。スケールバーは低倍率で50μm、高倍率で20μm。(図6D)感染当たりの変換されたニューロンの推定数(1個の背側、1個の中央、および1個の腹側切片から計算され、試料当たりの水平切片の総数を掛けた、水平切片当たりのNeuN+の感染した細胞の平均数(各群についてn=3、*、p<0.01))。(図6E)6wpiでのNeuN取得(各群についてn=3、*、p<0.01)。(図6F)6wpiでのGFAP損失(各群についてn=3、*、p<0.01)。
図7】挫傷性SCI後のウイルス注射の長い遅延でのNeuroD1媒介のニューロン変換。(図7A)挫傷性SCI(30Kdyn力)の16週間後にGFPレポーター単独またはNeuroD1-GFPのいずれかを発現するAAV9 FLEXを、AAV9 GFAP::Creとともに注射して、反応性星状細胞を標的化した。10wpiに脊髄を分析した。(図7B)感染した細胞は、損傷コアの周囲で生存し(*によって示される)、30の2つの群の間で明確な細胞形態を示した。(図7C)対照GFP+細胞における星状細胞マーカーのS100bの共発現。スケールバー50μm。(図7D)ニューロンマーカーのNeuNの免疫染色は、高効率でのND1-GFPによる反応性星状細胞からのニューロン変換の成功を示す。スケールバー50μm。(図7E)10wpiでのNeuN取得(各群についてn=4、***、p<0.005)。(図7F)典型的なニューロン形態を有するND1-GFP+細胞におけるND1タンパク質の共発現。スケールバー20μm。(図7G)ND1-GFP+細胞における成熟ニューロンマーカーのSV2の共発現。(図7H)ND1-GFP+細胞におけるニューロン活性マーカーのcFosの共発現。スケールバー20μm。(図7I)脊髄の後角におけるND1-GFP+ニューロンにおけるグルタミン酸作動性亜型マーカーのTlx3の共発現。矢印はTlx3+細胞の例を示す。スケールバー20μm。
図8】AAV9-ND1-mChyによって感染した細胞は、損傷した脊髄においてND1タンパク質を過剰発現する。(図8A)免疫染色分析により、AAV9 ND1-mChによって感染した細胞が、4wpiに損傷した脊髄の後角において、ニューロン変換を示すニューロンマーカーのNeuNを発現したことが確認された。スケールバー200μm。(図8B)感染した細胞は、4wpiにND1タンパク質を過剰発現した。スケールバー50μm。
図9】NeuroD1媒介のニューロン変換は、アポトーシスを伴わない。TUNELアッセイを実施して、損傷した脊髄において、AAV9 ND1-mChによるニューロン変換の種々の段階でのアポトーシス細胞を検出した。矢印は、NeuN+であるが、TUNEL-である感染した細胞を示す。
図10】CaMK2-GFPウイルスおよびGAD-GFPマウスを使用して、ニューロン亜型を確認することができる。(図10A)CaMK2-GFP(共注射されたAAV9ウイルス由来)は、Tlx3と共染色し、(図10B)GAD-GFP(GAD-GFPトランスジェニックマウス由来)は、Pax2と共染色し、これらのマーカーを使用して、後角におけるグルタミン酸作動性およびGABA作動性亜型を確認し得ることを示す。スケールバー200μm。下に点線の四角の4×倍率。
図11】(図11A)刺損傷およびウイルス感染部位の概略図。(図11B)感染における構築物の概略図。(図11C)感染後の染色は、RFP、NeuNおよびGFAPに対する共染色を示す。(図11D)種々組み合わせの感染後のマーカーのパネル。
図12】(図12A)感染の1週後(weeks post infection、wpi)および感染の3週後(wpi)の対照(mCherry)またはMIL(mir124、Isl1、およびLhx3)での感染後のマーカーのパネル。(図12B)1wpiでのmCherryおよびMILについてのNeuNRFP/RFPのヒストグラム。(図12C)3wpiでのmCherryおよびMILについてのNeuNRFP/RFPのヒストグラム。(図12D)1wpiでのmCherryおよびMILについてのGFAPRFP/RFPのヒストグラム。(図12E)3wpiでのmCherryおよびMILについてのGFAPRFP/RFPのヒストグラム。
図13】mir124、Isl1、およびLhx3についてのNeuN免疫染色。Isl1およびLhx3の両方は、星状細胞を効率的にニューロンに変換することができる。*は、p<0.05を示す。
図14】運動ニューロンマーカーであるChATでの免疫染色は、Isl1が星状細胞を運動ニューロンに変換できることを見出した。
図15】ChAT染色はまた、Lhx3が星状細胞を運動ニューロンに変換することができることを示している。**P<0.01。
図16】これらの結果により、星状細胞においてはCreのGFAP::Cre発現、変換されたニューロンにおいては発現しないことが確認された。
図17】これらの結果は、GFAP::Creトランスジェニックマウスにおいて、NeuroD1はまた、星状細胞をニューロンに変換することができることを示す。
図18】ND1発現は、20週でのキャットウォークアッセイにおけるSOD1-G93Aマウスの足跡面積を増加させる。未処理n=5、EF1a-GFP n=7、およびEF1a-ND1-GFP n=8。*は、p<0.05を示す。
図19】20週でのキャットウォークアッセイによるSOD1-G93Aマウス歩行分析。未処理n=5、EF1a-GFP n=7、およびEF1a-ND1-GFP n=8。
図20】ND1発現は、キャットウォークアッセイによって評価されるように、20週でSOD1-G93Aマウスにおける足振り速度を増加させる。***は、p<0.001を示す。
図21】ND1発現は、キャットウォークアッセイによって評価されるように、20週でSOD1-G93Aマウスにおけるステップサイクルの足振り速度を短縮する。EF1a-GFP n=8、EF1a-ND1-GFP n=9。**はp<0.01を示す。
図22】ND1発現は、24週でSOD1-G93Aマウスにおける移動性および脚の動作を増加させる。EF1a-GFP n=4、EF1a-ND1-GFP n=7。*は、p<0.05を示す。
図23】示されるウイルスに感染したマウスの脊髄(図23A)、後角(図23B)、または前角(図23C)におけるGFP、NeuroD1、およびSOD1の発現。
図24】示されるウイルスに感染したマウスの脊髄(図24A図24C)、前角(図24D図24E)、または大脳、小脳、および前角(図24F)におけるGFP、CHAT(運動ニューロンマーカー)、Iba1、iNOS、および/またはGFAPの発現。
図25】後眼窩注射を介してND1/Isl1/Lhx発現ウイルス(DIL群)または対照ウイルス(Con群)を注射したSOD1マウスの発現解析。DIL群は、以下のウイルスを受けた。AAV.PHP.eB-GFAP-Cre(1.6x1010ゲノムコピー)プラスAAV.PHP.eB-Flex-ND1-GFP(1.9x1010ゲノムコピー)プラスAAV.PHP.eB-Flex-Isl1-mCherry(1.3x1010ゲノムコピー)プラスAAV.PHP.eB-Flex-Lhx31-mCherry(1.5x1010ゲノムコピー)。Con群は、以下のウイルスを受けた。AAV.PHP.eB-GFAP-Cre(1.8x1010ゲノムコピー)プラスAAV.PHP.eB-Flex-GFP(0.8x1010ゲノムコピー)プラスAAV.PHP.eB-Flex-mCherry(3.4x1010ゲノムコピー)。9.4週齢でウイルス注射し、22.1週齢のマウスを屠殺した。雄は、Con群については1匹のマウス、DIL群については2匹のマウスであり、雌は、Con群については1匹のマウス、DIL群については2匹のマウスである。DIL群および対照群由来のマウスの皮質、脳幹、および視床におけるGFP(左パネル)およびRFP(右パネル)の発現。対照群およびDIL群の両方が、広い感染を示した(図25A)。対照群は皮質および脳幹において約30~40%の漏出を示し、視床においては90%以上の漏出を示した。mCherryはGFPよりも少し多くの漏出を示した。DIL群は、すべてのニューロンがGFPおよびRFPシグナルを発現することを実証した。感染した細胞は、脊髄の前角により多く位置していた(図25B)。Creシグナルは、星状細胞において位置し、Con群が大幅に多くのCreシグナルを示した(図25C)。DIL群においては、GFP細胞がND1シグナルを発現し、RFP細胞がIsl1シグナルを発現した(図25D)。Isl1発現の強度は、脳における種々の領域において変化した(図25E)。Tbr1シグナルの分布は、対照(CON)群とDIL群との間でほとんど差異を示さなかった(図25F)。Iba1シグナルは、脳(図25G)および脊髄(図25H)における対照(CON)群において、より高い密度および明るさを有した。DIL群の運動ニューロンは、頸髄、前角に多く存在した(図25I)。運動柱のニューロン損失は、腰部のCON群およびDIL群の両方において深刻であった(図25J)。運動ニューロンは腰髄においては検出するのが困難であり、末期(22.1週)では腰髄において神経変性が重度すぎた。血管は、高倍率画像においては大きな違いを示さなかった(図25K)。血管は、DIL群においてより高い密度および厚さを有した(図25L)。
図26】(図A)AAV5-ND1-mCherry(AAV5-ND1-mCh)およびAAV5-Dlx2-mCherry(AAV5-Dlx2-mCh)での感染後、4wpiでのNeuroD1(ND1)およびDlx2に対する染色。(図B)AAV5-ND1-mChおよびAAV5-Dlx2-mChでの共感染後、4wpiでのマーカー(Tlx3およびPax2)のパネル。(図C)4wpiでのAAV5-ND1単独およびAAV5-ND1-mCh+AAV5-Dlx2-mChについてのTlx3細胞およびPax2細胞のヒストグラム。(図D)AAV5-ND1-mCh+AAV5-Dlx2-mChを用いた4wpiでのGAD-GFPマウスの感染後のPax2の染色。
図27】ALSマウスにおけるNeuroD1媒介の星状細胞からニューロンへの変換。(図27A)mCherryを発現する対照AAV(RFP染色)の脊髄内への注射は、ALSマウスの前角におけるGFAP陽性反応性星状細胞の感染を明らかにした。(図27B)AAV NeuroD1-mCherry感染した細胞は、NeuroD1(ND1)、NeuN(ニューロンマーカー)、およびChAT(運動ニューロンマーカー)に対して免疫陽性であった。いくつかのNeuroD1変換されたニューロンは、脊髄の前角におけるChAT陽性運動ニューロンであった。スケールバー50μm。
図28】ND1+Isl1を発現するように設計されたウイルスおよびND1+Lhx3を発現するように設計されたウイルスの髄腔内注射は、ALSマウスの前角において星状細胞をニューロンに変換する。(図28A)髄腔内注射後、左列のGFP対照群によって示されるように、AAV PHP.eB-GFAP::CreプラスAAV PHP.eB-Flex-GFPは、前角における星状細胞を特異的に標的化とした。しかしながら、ND1-GFP+Isl1-mCherry群(中央列)およびND1-GFP+Lhx3-mCherry群(右列)の両方において、ALSマウスの前角において、GFP陽性細胞はニューロンに変換された。ND1+Isl1群において、変換されたニューロンがより多かった。スケールバー:200μm。ウイルス注射は9週齢のALSマウスであり、免疫染色は21週齢のマウスであった。(図28B)NeuroD1+Isl1群におけるNeuN、ND1、Isl1、GFP、およびRFPの免疫染色。スケールバー:40μm。
図29】ALSマウスにおける脊髄の種々のセグメントにおける遺伝子療法処置後の運動ニューロンの定量化。(図29A)運動ニューロン特異的マーカーであるChATでの免疫染色は、野生型(WT)マウスならびにND1+Isl1、ND1+Lhx3、およびGFP対照群由来のマウスにおける運動ニューロン数を明らかにした。GFP対照群において、運動ニューロンの実質的な低減が観察された。スケールバー:100μm。(図29B)WT、ND1+Isl1、ND1+Lhx3、およびGFP対照群の脊髄の種々のセグメントにおける運動ニューロンの定量分析。
図30】NeuroD1+Isl1のウイルス送達は、ALSマウスにおけるミクログリア媒介の炎症を低減する。(図30A)GFAPの免疫染色は、ND1+Isl1を発現するように設計されたウイルスによって処置された頸髄における抑制されたアストログリア活性化を明らかにした。スケールバー:40μm。(図30B)ALSマウスにおけるND1+Isl1群におけるIba1およびCD11b免疫染色の減少によって、ミクログリア活性化の抑制が観察された。スケールバー:100μm。
図31】NeuroD1+Isl1を発現するように設計されたウイルスの送達後の体重および可動性の部分的な救出。(図31A)ND1+Isl1処置は、ALSマウスにおける体重を部分的に救出した。(図31B)ND1+Lhx3で処置されたALSマウスは、運動ニューロンの数が増加したものの、髄腔内AAV注射後により高い死亡率を示した。(図31C)22週目の脚の伸張測定。(図31D~31F)脚の伸張実験の定量化された結果:脚の伸張の平均距離(図31D)、脚の伸張の数(図31E)、および総移動時間(図31F)。ND1+Isl1を発現するように設計されたウイルスで処置されたALSマウスは、より良好な運動機能を示した。(図31G)ND1+Isl1を発現するように設計されたウイルスで処置されたALSマウスは、吊り下げワイヤ試験においてより長い持続時間を示した。
図32】オープンフィールド試験は、遺伝子療法処置後に中程度の改善を示す。(AおよびB)オープンフィールド試験において、ND1+Isl1を発現するように設計されたウイルスで処置されたALSマウスは、未処置のALSマウスおよびND1+Lhx3を発現するように設計されたウイルスで処置されたALSマウスと比較して、オープンフィールドボックス内を移動する総距離の増加(図32A)および移動時間の増加(図32B)を示した。(図32C)オープンフィールドボックス内のマウスの動作の典型的な痕跡。
図33】キャットウォーク歩行分析は、ND1+Isl1を発現するように設計されたウイルスで処置されたALSマウスにおける運動機能の改善を示した。(図33A)種々の群間のALSマウスのキャットウォーク足跡の図。(図33Bおよび33C)ND1+Isl1を発現するように設計されたウイルスで処置されたALSマウスが、対側(図33B)または同側(図33C)のいずれかの比較において足跡面積の増加を示したことを示す定量化されたデータ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本文書は、SCIを有する哺乳動物を治療するための方法および材料を提供する。例えば、本明細書は、NeuroD1ポリペプチドをコードする外因性核酸を含有する組成物を、SCIを有する哺乳動物に投与するための方法および材料を提供する。別の例では、本明細書は、NeuroD1ポリペプチドおよびDlx2ポリペプチドをコードする外因性核酸を含有する組成物を、SCIを有する哺乳動物に投与するための方法および材料を提供する。別の例では、本明細書は、mir124マイクロRNAをコードする外因性核酸、Isl1ポリペプチドをコードする外因性核酸、および/またはLhx3ポリペプチドをコードする外因性核酸を含有する組成物を、SCIを有する哺乳動物に投与するための方法および材料を提供する。別の例では、本明細書は、NeuroD1をコードする外因性核酸、mir124マイクロRNAをコードする外因性核酸、Isl1ポリペプチドをコードする外因性核酸、および/またはLhx3ポリペプチドをコードする外因性核酸を含有する組成物を、SCIを有する哺乳動物に投与するための方法および材料を提供する。
【0025】
本明細書はまた、ALSを有する哺乳動物の治療に関与する方法および材料を提供する。例えば、本明細書は、NeuroD1ポリペプチドをコードする外因性核酸を含有する組成物を、ALSを有する哺乳動物に投与するための方法および材料を提供する。別の例では、本明細書は、NeuroD1ポリペプチドをコードする外因性核酸、Isl1ポリペプチドをコードする外因性核酸、およびLhx3ポリペプチドをコードする外因性核酸を含有する組成物を、ALSを有する哺乳動物に投与するための方法および材料を提供する。別の例では、本明細書は、NeuroD1ポリペプチドをコードする外因性核酸およびIsl1ポリペプチドをコードする外因性核酸を含有する組成物を、ALSを有する哺乳動物に投与するための方法および材料を提供する。
【0026】
任意の適切な哺乳動物は、脳および/または中枢神経系において神経学的障害(例えば、ALS)を有すると同定され得る。例えば、ヒトおよびサルなどの他の霊長類は、ALSを有していると同定され得る。したがって、脳および/または中枢神経系において神経学的障害(例えば、ALS)を有するヒト、非ヒト霊長類、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウシ、ブタ、およびげっ歯類(例えば、マウスおよびラット)は、本明細書に記載されるように治療され得る。任意の適切な哺乳動物は、脊髄損傷を有すると同定され得る。例えば、ヒトおよびサルなどの他の霊長類は、脊髄損傷を有すると同定され得る。したがって、脊髄損傷を有するヒト、非ヒト霊長類、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウシ、ブタおよびげっ歯類(例えば、マウスおよびラット)は、本明細書に記載されるように治療され得る。
【0027】
いくつかの場合では、治療有効量の(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、またはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を、脳における神経学的障害(例えば、ALS)によって影響を受けた対象に投与することは、反応性星状細胞のグルタミン酸作動性ニューロンへの変換による新たなグルタミン酸作動性ニューロンの生成、反応性星状細胞の数の低減、GABA作動性およびグルタミン酸作動性ニューロンを含む損傷したニューロンの生存、新たな非反応性星状細胞の生成、変換されていない反応性星状細胞の反応性の低減、損傷した領域内への血管の再統合、運動ニューロンの生成、ミクログリアの数の低減、ならびに反応性星状細胞の数の低減を媒介する。
【0028】
いくつかの場合では、治療有効量の(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を、脊髄損傷によって影響を受けた対象に投与することは、反応性星状細胞のグルタミン酸作動性ニューロンへの変換による新たなグルタミン酸作動性ニューロンの生成、反応性星状細胞の数の低減、GABA作動性およびグルタミン酸作動性ニューロンを含む損傷したニューロンの生存、新たな非反応性星状細胞の生成、変換されていない反応性星状細胞の反応性の低減、損傷した領域内への血管の再統合、ならびに背側脊髄ニューロンの再生を媒介する。
【0029】
いくつかの場合では、本明細書で提供される方法または組成物は、背側脊髄ニューロンを再生し、本明細書で提供される組成物の投与後に、背側脊髄ニューロンの数をベースラインレベルから約1%~100%増加させる。いくつかの場合では、本明細書で提供される方法または組成物は、背側脊髄ニューロンを再生し、背側脊髄ニューロンの数をベースラインレベルから約1%~約10%、1%~約20%、1%~約30%、10%~約20%、10%~約30%、約10%~約40%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約100%、約80%~約90%、約80%~約100%、または約90%~約100%増加させる。
【0030】
いくつかの場合では、本明細書で提供される方法または組成物は、新たなグルタミン酸作動性ニューロンを生成し、本明細書で提供される組成物の投与後に、グルタミン酸作動性ニューロンの数をベースラインレベルから約1%~500%増加させる。いくつかの場合では、本明細書で提供される方法または組成物は、新たなグルタミン酸作動性ニューロンを生成し、本明細書で提供される組成物の投与後に、グルタミン酸作動性ニューロンの数をベースラインレベルから約1%~50%、約1%~100%、約1%~150%、約50%~100%、約50%~150%、約50%~200%、約100%~150%、約100%~200%、100%~250%、約150%~200%、約150%~250%、約150%~300%、200%~250%、200%~300%、200%~350%、250%~300%、250%~350%、約250%~400%、約300%~350%、約300%~400%、約300%~450%、約350%~400%、約350%~450%、約350%~500%、約400%~450%、約400%~500%、または約450%~500%増加させる。
【0031】
いくつかの場合では、本明細書で提供される方法または組成物は、本明細書で提供される組成物の投与後に、脊髄における循環を約1%~100%増加させる。いくつかの場合では、本発明で提供する方法または組成物は、本明細書で提供される組成物の投与後に、脊髄における循環を約1%~約10%、1%~約20%、1%~約30%、10%~約20%、10%~約30%、約10%~約40%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約100%、約80%~約90%、約80%~約100%、または約90%~約100%増加させる。
【0032】
いくつかの場合では、本明細書で提供される方法または組成物は、運動ニューロンを生成し、本明細書で提供される組成物の投与後に、運動ニューロンの数をベースラインレベルから約1%~500%増加させる。いくつかの場合では、本明細書で提供される方法または組成物は、運動ニューロンを生成し、本明細書で提供される組成物の投与後に、運動ニューロンの数をベースラインレベルから約1%~50%、約1%~100%、約1%~150%、約50%~100%、約50%~150%、約50%~200%、約100%~150%、約100%~200%、100%~250%、約150%~200%、約150%~250%、約150%~300%、200%~250%、200%~300%、200%~350%、250%~300%、250%~350%、約250%~400%、約300%~350%、約300%~400%、約300%~450%、約350%~400%、約350%~450%、約350%~500%、約400%~450%、約400%~500%、または約450%~500%増加させる。
【0033】
いくつかの場合では、本明細書で提供される方法または組成物は、ミクログリアを低減させ、本明細書で提供される組成物の投与後に、ミクログリアの数をベースラインレベルから約1%~100%低減させる。いくつかの場合では、本発明で提供する方法または組成物は、ミクログリアを低減させ、本明細書で提供される組成物の投与後に、ミクログリアの数をベースラインレベルから約1%~約10%、1%~約20%、1%~約30%、10%~約20%、10%~約30%、約10%~約40%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約100%、約80%~約90%、約80%~約100%、または約90%~約100%の間まで低減させる。
【0034】
いくつかの場合では、本明細書で提供される方法または組成物は、本明細書で提供される組成物の投与後に、反応性星状細胞の数を約1%~100%低減させる。いくつかの場合では、本発明で提供する方法または組成物は、本明細書で提供される組成物の投与後に、反応性星状細胞の数を約1%~約10%、1%~約20%、1%~約30%、10%~約20%、10%~約30%、約10%~約40%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約100%、約80%~約90%、約80%~約100%、または約90%~約100%低減させる。
【0035】
いくつかの場合では、治療有効量の(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を、脳における神経学的障害(例えば、ALS)によって影響を受けた、もしくは脊髄損傷を有する対象に投与することは、損傷部位での炎症の低減、損傷部位での神経阻害の低減、損傷部位での正常なミクログリア形態の再建、損傷部位での神経回路の再建、損傷部位での血管の増加、損傷部位での血液脳関門の再建、損傷部位での正常な組織構造の再建、および正常な血流の途絶による運動欠乏の改善を媒介する。
【0036】
いくつかの場合では、治療有効量の(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218、もしくはそれらのいずれかの組み合わせをコードする外因性核酸を投与して、それを必要とする個々の対象における脳における神経学的障害(例えば、ALS)の影響を改善することは、静止状態の星状細胞へ投与するよりも、反応性星状細胞へ投与した場合に、より大きな有益な効果を有する。いくつかの場合では、治療有効量の(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を投与して、それを必要とする個々の対象における脊髄損傷の影響を改善することは、静止状態の星状細胞へ投与するよりも、反応性星状細胞へ投与した場合に、より大きな有益な効果を有する。
【0037】
いくつかの場合では、脊髄損傷を有する哺乳動物を治療するための方法は、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列およびDlx2ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列を含む、治療有効量の組成物、発現ベクター、またはアデノ随伴発現ベクターを投与することを含み得る。いくつかの場合では、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列およびDlx2ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列は、1つの発現ベクターにサブクローニングされる。いくつかの場合では、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列およびDlx2ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列は、別個の発現ベクターにサブクローニングされる。
【0038】
SCIを有し、かつ(1)背側脊髄ニューロンを再生すること、(2)新たなニューロンを生成すること、および/または(3)脊髄における循環を増加させることを必要とする哺乳動物内で、上述の(1)、(2)、または(3)を行うための方法は、(a)脊髄ニューロンが再生される、(b)新たなグルタミン酸作動性ニューロンが生成される、および/または(c)脊髄循環が増加する条件下で、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする外因性核酸、およびDlx2ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする外因性核酸を含む組成物を投与することを含み得る。いくつかの場合では、新たなニューロンは、グルタミン酸作動性ニューロンおよびGABA作動性ニューロンからなる群から選択される。いくつかの場合では、新たなニューロンは、グルタミン酸作動性ニューロンである。いくつかの場合では、新たなニューロンは、GABA作動性ニューロンである。
【0039】
いくつかの場合では、脊髄損傷を有する哺乳動物を治療するための方法は、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列およびIsl1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列を含む、治療有効量の組成物、発現ベクター、またはアデノ随伴発現ベクターを投与することを含み得る。いくつかの場合では、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列およびIsl1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列は、1つの発現ベクターにサブクローニングされる。いくつかの場合では、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列およびIsl1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列は、別個の発現ベクターにサブクローニングされる。
【0040】
いくつかの場合では、脊髄損傷は、虚血性脳卒中、出血性脳卒中、身体的損傷、震盪、挫傷、爆発、浸潤、腫瘍、炎症、感染症、外傷性脊髄損傷、虚血性または出血性骨髄症(脊髄梗塞)、全身性虚血、低酸素性虚血性脳症、よって引き起こされるCNS塞栓症、線維軟骨性塞栓性骨髄症、CNS血栓症、および脳静脈洞血栓症からなる群から選択される状態に起因し得る。
【0041】
いくつかの場合では、全身性虚血は、心停止または重度の低血圧(ショック)によって引き起こされる。いくつかの場合では、低酸素性虚血性脳症は、低酸素症、低血糖症、または貧血によって引き起こされる。いくつかの場合では、CNS塞栓症は、感染性心内膜炎または心房粘液腫によって引き起こされる。いくつかの場合では、CNS血栓症は、小児白血病によって引き起こされる。いくつかの場合では、脳静脈洞血栓症は、ネフローゼ症候群(腎臓病)、慢性炎症性疾患、妊娠、エストロゲンベースの避妊薬の使用、髄膜炎、または脱水によって引き起こされる。
【0042】
いくつかの場合では、脊髄損傷は、虚血性脳卒中に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、出血性脳卒中に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、身体的損傷に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、震盪に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、挫傷に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、爆発に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、浸潤に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、腫瘍に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、炎症に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、感染症に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、外傷性脊髄損傷に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、虚血性または出血性骨髄症(脊髄梗塞)に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、全身性虚血に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、低酸素性虚血性脳症に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、CNS塞栓症に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、線維軟骨性塞栓性骨髄症に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、CNS血栓症に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、脳静脈洞に起因する。いくつかの場合では、脊髄損傷は、血栓症に起因する。
【0043】
いくつかの場合では、ALSを有する哺乳動物を治療するための方法は、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列およびIsl1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列を含む、治療有効量の組成物、発現ベクター、またはアデノ随伴発現ベクターを投与することを含み得る。いくつかの場合では、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列およびIsl1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列は、1つの発現ベクターにサブクローニングされる。いくつかの場合では、NeuroD1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列およびIsl1ポリペプチド(またはその生物学的に活性な断片)をコードする核酸配列は、別個の発現ベクターにサブクローニングされる。
【0044】
(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸での治療は、磁気共鳴画像法(MRI)によって診断される損傷の領域に投与され得る。電気生理学は、神経細胞死または損傷によって引き起こされる神経発火の機能的変化を評価することができる。神経損傷をアッセイするための非侵襲的な方法には、EEGが含まれる。損傷の点への血流の途絶は、近赤外線分光法および機能的磁気共鳴法(fMRI)を介して非侵襲的にアッセイされ得る。領域内の血流は、動脈瘤に見られるように増加するか、または虚血に見られるように減少するかのいずれかであり得る。血流の途絶によって引き起こされるCNSへの損傷は、さらに、損傷の点の診断に使用され得る組織構造の短期および長期的な変化を引き起こす。短期的には、損傷は局所的な腫れを引き起こす。長期的には、細胞死は組織損失の点を引き起こす。組織死によって引き起こされる構造変化をアッセイするための非侵襲的な方法には、MRI、位置放射断層撮影(PET)スキャン、コンピュータ軸断層撮影(CAT)スキャン、または超音波検査が含まれる。これらの方法を単独で、または任意の組み合わせで使用して、損傷の病巣の位置を正確に示すことができる。
【0045】
上述のように、組織死によって引き起こされる構造変化をアッセイするための非侵襲的方法には、MRI、CATスキャン、または超音波が含まれる。機能的アッセイは、EEG記録を含み得る。
【0046】
本明細書に記載の神経学的障害を治療するための方法のいくつかの実施形態では、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸は、本明細書に記載のポリペプチドまたはmir218および/もしくはmir214のうちのいずれかをコードする核酸配列を含有する発現ベクターとして投与される。
【0047】
本明細書に記載の神経学的障害を治療するための方法のいくつかの実施形態では、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含むウイルスベクター(例えば、AAV)は、定位性頭蓋内注射または後眼窩注射などの対象の脳内への注射によって送達される。いくつかの場合では、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含むアデノ随伴ウイルスを含有する組成物は、脳における同じ位置での2回多い頭蓋内注射を使用して脳に投与される。いくつかの場合では、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含むアデノ随伴ウイルスを含有する組成物は、脳における2つ以上の異なる位置での2回以上の頭蓋内注射を使用して脳に投与される。
【0048】
本明細書に記載の脊髄損傷を治療するための方法のいくつかの実施形態では、ウイルスベクター(例えば、AAV)(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸は、定位注射などの対象の脊髄内への注射によって、または静脈内注入もしくは静脈内注射によって送達される。
【0049】
いくつかの実施形態では、遺伝子送達ベクターは、AAVベクターであり得る。例えば、AAVベクターは、AAV2ベクター、AAV5ベクター、およびAAV8ベクター、AAV1ベクター、AAV7ベクター、AAV9ベクター、AAV3ベクター、AAV6ベクター、AAV10ベクター、およびAAV11ベクターの群から選択され得る。
【0050】
「発現ベクター」という用語は、本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を、インビトロまたはインビボで、核酸が発現して本明細書に記載のポリペプチドを産生する宿主細胞に導入するための組換えビヒクルを指す。
【0051】
特定の実施形態では、配列番号1もしくは3、または実質的に同一の核酸配列を含む発現ベクターを発現して、発現ベクターを含有する細胞においてNeuroD1を産生する。特定の実施形態では、配列番号10もしくは12、または実質的に同一の核酸配列を含む発現ベクターを発現して、発現ベクターを含有する細胞においてDlx2を産生する。「組換え」という用語は、2つ以上の核酸が連結されており、かつ自然界では連結して見出されない核酸構築物を示すために使用される。発現ベクターには、プラスミド、ウイルス、BACおよびYACが含まれるが、これらに限定されない。特定のウイルス発現ベクターとしては、例示的に、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、およびレンチウイルスに由来するものが挙げられる。
【0052】
本明細書は、記載の方法による、神経学的障害(例えば、ALS)または脊髄損傷の治療を必要とする対象における神経学的障害(例えば、ALS)または脊髄損傷を治療するための材料および方法を記載し、それは、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含むウイルスベクターを提供すること、ならびにウイルスベクターを対象の脳または脊髄に送達し、それによって、ウイルスベクターは、それぞれ中枢神経系のグリア細胞に感染し、感染したグリア細胞を産生し、それによって、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸が、感染したグリア細胞において、治療有効なレベルで発現されることを含み、感染した細胞におけるポリペプチドもしくはmiRNA、またはポリペプチドおよびmiRNAの組み合わせの発現が、同じ神経学的状態を有する未治療の対象と比較して、対象においてより多くのニューロンをもたらし、それによって、神経学的障害または脊髄損傷が治療される。新たなニューロンの生成に加えて、反応性グリア細胞の数も低減し、放出される神経阻害因子の減少、神経炎症の減少、均一に分布するより多くの血管がもたらされ、それによって局所環境がニューロン成長または軸索浸透に対してより寛容になり、したがって、神経学的状態を緩和する。
【0053】
いくつかの場合では、アデノ随伴ベクターは、本明細書に記載の方法において使用され得、注射部位で分裂細胞および非分裂細胞の両方に感染する。アデノ随伴ウイルス(AAV)は、パルボウイルス科ファミリーのssDNA動物ウイルスの遍在的で、非細胞障害性で、複製能のないメンバーである。いくつかの場合では、血清型1~11などの様々な組換えアデノ随伴ウイルスのうちのいずれかを、本明細書に記載されるように使用することができる。いくつかの場合では、AAV-PHP.ebを使用して、外因性NeuroD1を投与する。いくつかの場合では、AAV-PHP.ebを使用して、外因性Dlx2を投与する。いくつかの場合では、AAV-PHP.ebを使用して、外因性Isl1を投与する。いくつかの場合では、AAV血清型5を使用して、外因性NeuroD1を投与する。いくつかの場合では、AAV血清型5を使用して、外因性Dlx2を投与する。いくつかの場合では、AAV血清型5を使用して、外因性Isl1を投与する。
【0054】
「FLEX」スイッチアプローチは、本明細書に記載のいくつかの態様による感染した細胞において、例えば、NeuroD1を発現するために使用される。「FLEX」および「フリップ切除(Flip-excision)」という用語は、2対の異型で反平行loxP型の組換え部位が、逆向きNeuroD1コード配列のいずれかの側に配置され、それは最初にコード配列の反転を受け、続いて2つの部位の切除を受け、各直交組換え部位のうちの1つが反対方向に向けられ、さらなる組換えを行うことができず、安定した反転を達成する方法を示すために互換的に使用され、例えば、Schnutgen et al.,Nature Biotechnology,21:562-565(2003)、およびAtasoy et al,J.Neurosci.,28:7025-7030(2008)を参照されたい。グリア細胞特異的プロモーターの制御下にある部位特異的組換え酵素は、反応性星状細胞を含むグリア細胞において強力に発現されるため、NeuroD1は、反応性星状細胞を含むグリア細胞においても発現される。次いで、NeuroD1の前の終止コドンが組換えから除去されるとき、構成的またはニューロン特異的プロモーターは、NeuroD1の高発現を駆動し、反応性星状細胞を機能的ニューロンに変換できるようにする。
【0055】
特定の態様によれば、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸は、それを必要とする対象に、1)GFAPまたはS100bまたはAldh1L1などの星状細胞特異的プロモーターの転写制御下で、部位特異的組換え酵素をコードするDNA配列を含むアデノ随伴ウイルス発現ベクター、ならびに2)遍在的(構成的)プロモーターまたはニューロン特異的プロモーターの転写制御下にある(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含むアデノ随伴ウイルス発現ベクターの投与によって投与され、部位特異的組換え酵素がポリペプチドおよび/またはmiRNAをコードする逆向き核酸配列を逆向きにすることによってポリペプチドおよび/またはmiRNAの発現が可能になるまで、外因性核酸配列をコードする核酸配列は、逆向きであり、ポリペプチドおよびmiRNAの発現に対して誤った方向である。
【0056】
部位特異的組換え酵素およびそれらの認識部位は、例えば、認識部位loxPおよびlox2272部位、もしくはFLP-FRT組換え、またはそれらの組み合わせとともに、Cre組換え酵素が挙げられる。
【0057】
(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含む組成物(例えば、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含むAAVを、哺乳動物への投与のための薬学的組成物に製剤化し得る。例えば、NeuroD1ポリペプチドをコードする外因性核酸(例えば、NeuroD1ポリペプチドをコードするAAV)を含む治療有効量の組成物を、1つ以上の薬学的に許容される担体(添加剤)および/または希釈剤とともに製剤化し得る。いくつかの場合では、Dlx2ポリペプチドをコードする外因性核酸(例えば、Dlx2ポリペプチドをコードするAAV)を含む治療有効量の組成物を、1つ以上の薬学的に許容される担体(添加剤)および/または希釈剤とともに製剤化し得る。NeuroD1ポリペプチドをコードする外因性核酸(例えば、NeuroD1ポリペプチドをコードするAAV)を含む薬学的組成物を、様々な投与経路、例えば、カプセル、液体などとしての経口投与のために製剤化し得る。いくつかの場合では、Dlx2ポリペプチドをコードする外因性核酸(例えば、Dlx2ポリペプチドをコードするAAV)を含む薬学的組成物を、様々な投与経路、例えば、カプセル、液体などとしての経口投与のために製剤化し得る。いくつかの場合では、Isl1ポリペプチドをコードする外因性核酸(例えば、Isl1ポリペプチドをコードするAAV)を含む薬学的組成物を、様々な投与経路、例えば、カプセル、液体などとしての経口投与のために製剤化し得る。いくつかの場合では、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含むウイルスベクター(例えば、AAV)は、非経口的に、好ましくは静脈内注射または静脈内注入によって投与される。投与は、例えば、静脈内注入によって、例えば、60分間、30分間、または15分間であり得る。いくつかの場合では、投与は、1分~60分であり得る。いくつかの場合では、投与は、1分~5分、1分~10分、1分~15分、5分~10分、5分~15分、5分~20分、10分~15分、10分~20分、10分~25分、15分~20分、15分~25分、15分~30分、20分~25分、20分~30分、20分~35分、25分~30分、25分~35分、25分~40分、30分~35分、30分~40分、30分~45分、35分~40分、35分~45分、35分~50分、40分~45分、40分~50分、40分~55分、45分~50分、45分~55分、45分~60分、50分~55分、50分~60分、または55分~60分であり得る。いくつかの場合では、ウイルスベクター{例えば、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含むAAV}は、手術中に脳への注射によって局所的に投与される。注射および/または注入による投与に好適な組成物には、溶液および分散液、ならびに対応する溶液および分散液を調製することができる粉末が含まれる。かかる組成物は、ウイルスベクターおよび少なくとも1つの好適な薬学的に許容される担体を含む。静脈内投与のための好適な薬学的に許容される担体には、バクテリア静止水、リンガー溶液、生理学的生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、およびCremophor EL(商標)が含まれるが、これらに限定されない。注射および/または注入のための滅菌組成物は、必要な量のウイルスベクター{例えば、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含むAAV}を適切な担体内に導入し、次いで濾過によって滅菌することによって調製され得る。注射または注入による投与のための組成物は、それらの調製後、長期間にわたって保管条件下で安定した状態を維持する必要がある。組成物は、この目的のための防腐剤を含有し得る。好適な保存剤には、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸およびチメロサールが含まれるが、これらに限定されない。
【0058】
薬学的組成物は、滅菌溶液、懸濁液、徐放性製剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉剤、および顆粒剤を非限定的に含む、固体または液体形態での投与のために製剤化され得る。製剤は、単位用量または複数回用量の容器、例えば、密封アンプルおよびバイアルで提示することができ、使用の直前に、滅菌液体担体、例えば、注射用水の添加のみを必要とする凍結乾燥された(freeze dried)(凍結乾燥された(lyophilized))状態で保管され得る。即時注射液および懸濁液は、滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。
【0059】
本明細書に記載の医薬組成物に使用され得る薬学的に追加の許容される担体、充填剤、およびビヒクルとしては、非限定的に、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムなどの緩衝物質、飽和植物性脂肪酸、水、塩、または電解質の部分グリセリド混合物、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂が挙げられる。
【0060】
本明細書で使用される場合、「アデノ随伴ウイルス粒子」という用語は、その核酸ゲノムを細胞に伝達するAAVウイルスのパッケージ化されたキャプシド形態を指す。
【0061】
(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含有する組成物の有効量は、哺乳動物(例えば、ヒト)内の神経学的障害の症状を改善し、哺乳動物に対して重度の毒性の産生を伴わない任意の量であり得る。例えば、NeuroD1ポリペプチドをコードするアデノ随伴ウイルスの有効量は、約1010~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mLの濃度であり得る。いくつかの場合では、NeuroD1ポリペプチドをコードするアデノ随伴ウイルスの有効量は、1010個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1011個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1010個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1012個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1010個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1013個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1011個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1012個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1011個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1013個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1011個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1012個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1013個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1012個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、または1013個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mLであり得る。いくつかの場合では、Dlx2ポリペプチドをコードするアデノ随伴ウイルスの有効量は、約1010~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mLの濃度であり得る。いくつかの場合では、Dlx2ポリペプチドをコードするアデノ随伴ウイルスの有効量は、1010個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1011個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1010個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1012個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1010個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1013個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1011個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1012個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1011個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1013個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1011個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1012個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1013個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1012個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、または1013個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mLであり得る。いくつかの場合では、Isl1ポリペプチドをコードするアデノ随伴ウイルスの有効量は、約1010~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mLの濃度であり得る。いくつかの場合では、Isl1ポリペプチドをコードするアデノ随伴ウイルスの有効量は、1010個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1011個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1010個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1012個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1010個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1013個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1011個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1012個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1011個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1013個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1011個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1012個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1013個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、1012個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL、または1013個のアデノ随伴ウイルス粒子/mL~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mLであり得る。特定の哺乳動物が特定の量に応答しない場合、次いでNeuroD1ポリペプチドをコードするAAVの量を増加させ得る。特定の哺乳動物が特定の量に応答しない場合、次いでポリペプチドをコードするAAVの量を増加させ得る。投与されるウイルスベクター(例えば、NeuroD1ポリペプチドをコードするAAV)の量に関連する因子は、例えば、ウイルスベクターの投与経路、疾患の性質および重症度、治療される患者の疾患歴、ならびに治療される患者の年齢、体重、身長および健康である。いくつかの場合では、治療効果、患者の免疫応答、および遺伝子産物の安定性を達成するために必要とされる本明細書に記載のポリペプチドまたはmiRNAの発現レベルは、投与される量に関連する。いくつかの場合では、ウイルスベクター(例えば、NeuroD1ポリペプチドをコードするAAV)の投与は、脳の機能障害もしくは疾患の完全または実質的に完全な治癒をもたらす量で生じる。
【0062】
いくつかの場合では、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含有する組成物の有効量は、約0.1μL/分~約5μL/分の制御された流速で任意に投与され得る。
【0063】
いくつかの場合では、制御された流量は、0.1μL/分~0.2μL/分、0.1μL/分~0.3μL/分、0.1μL/分~0.4μL/分、0.2μL/分~0.3μL/分、0.2μL/分~0.4μL/分、0.2μL/分~0.5μL/分、0.3μL/分~0.4μL/分、0.3μL/分~0.5μL/分、0.3μL/分~0.6μL/分、0.4μL/分~0.5μL/分、0.4μL/分~0.6μL/分、0.4μL/分~0.7μL/分、0.5μL/分~0.6μL/分、0.5μL/分~0.7μL/分、0.5μL/分~0.8μL/分、0.6μL/分~0.7μL/分、0.6μL/分~0.8μL/分、0.6μL/分~0.9μL/分、0.7μL/分~0.8μL/分、0.7μL/分~0.9μL/分、0.7μL/分~1.0μL/分、0.8μL/分~0.9μL/分、0.8μL/分~1.0μL/分、0.8μL/分~1.1μL/分、0.9μL/分~1.0μL/分、0.9μL/分~1.1μL/分、0.9μL/分~1.2μL/分、1.0μL/分~1.1μL/分、1.0μL/分~1.2μL/分、1.0μL/分~1.3μL/分、1.1μL/分~1.2μL/分、1.1μL/分~1.3μL/分、1.1μL/分~1.4μL/分、1.2μL/分~1.3μL/分、1.2μL/分~1.4μL/分、1.2μL/分~1.5μL/分、1.3μL/分~1.4μL/分、1.3μL/分~1.5μL/分、1.3μL/分~1.6μL/分、1.4μL/分~1.5μL/分、1.4μL/分~1.6μL/分、1.4μL/分~1.7μL/分、1.5μL/分~1.6μL/分、1.5μL/分~1.7μL/分、1.5μL/分~1.8μL/分、1.6μL/分~1.7μL/分、1.6μL/分~1.8μL/分、1.6μL/分~1.9μL/分、1.7μL/分~1.8μL/分、1.7μL/分~1.9μL/分、1.7μL/分~2.0μL/分、1.8μL/分~1.9μL/分、1.8μL/分~2.0μL/分、1.8μL/分~2.1μL/分、1.9μL/分~2.0μL/分、1.9μL/分~2.1μL/分、1.9μL/分~2.2μL/分、2.0μL/分~2.1μL/分、2.0μL/分~2.2μL/分、2.0μL/分~2.3μL/分、2.1μL/分~2.2μL/分、2.1μL/分~2.3μL/分、2.1μL/分~2.4μL/分、2.2μL/分~2.3μL/分、2.2μL/分~2.4μL/分、2.2μL/分~2.5μL/分、2.3μL/分~2.4μL/分、2.3μL/分~2.5μL/分、2.3μL/分~2.6μL/分、2.4μL/分~2.5μL/分、2.4μL/分~2.6μL/分、2.4μL/分~2.7μL/分、2.5μL/分~2.6μL/分、2.5μL/分~2.7μL/分、2.5μL/分~2.8μL/分、2.6μL/分~2.7μL/分、2.6μL/分~2.8μL/分、2.6μL/分~2.9μL/分、2.7μL/分~2.8μL/分、2.7μL/分~2.9μL/分、2.7μL/分~3.0μL/分、2.8μL/分~2.9μL/分、2.8μL/分~3.0μL/分、2.8μL/分~3.1μL/分、2.9μL/分~3.0μL/分、2.9μL/分~3.1μL/分、2.9μL/分~3.2μL/分、3.0μL/分~3.1μL/分、3.0μL/分~3.2μL/分、3.0μL/分~3.3μL/分、3.1μL/分~3.2μL/分、3.1μL/分~3.3μL/分、3.1μL/分~3.4μL/分、3.2μL/分~3.3μL/分、3.2μL/分~3.4μL/分、3.2μL/分~3.5μL/分、3.3μL/分~3.4μL/分、3.3μL/分~3.5μL/分、3.3μL/分~3.6μL/分、3.4μL/分~3.5μL/分、3.4μL/分~3.6μL/分、3.4μL/分~3.7μL/分、3.5μL/分~3.6μL/分、3.5μL/分~3.7μL/分、3.5μL/分~3.8μL/分、3.6μL/分~3.7μL/分、3.6μL/分~3.8μL/分、3.6μL/分~3.9μL/分、3.7μL/分~3.8μL/分、3.7μL/分~3.9μL/分、3.7μL/分~4.0μL/分、3.8μL/分~3.9μL/分、3.8μL/分~4.0μL/分、3.8μL/分~4.1μL/分、3.9μL/分~4.0μL/分、3.9μL/分~4.1μL/分、3.9μL/分~4.2μL/分、4.0μL/分~4.1μL/分、4.0μL/分~4.2μL/分、4.0μL/分~4.3μL/分、4.1μL/分~4.2μL/分、4.1μL/分~4.3μL/分、4.1μL/分~4.4μL/分、4.2μL/分~4.3μL/分、4.2μL/分~4.4μL/分、4.2μL/分~4.5μL/分、4.3μL/分~4.4μL/分、4.3μL/分~4.5μL/分、4.3μL/分~4.6μL/分、4.4μL/分~4.5μL/分、4.4μL/分~4.6μL/分、4.4μL/分~4.7μL/分、4.5μL/分~4.6μL/分、4.5μL/分~4.7μL/分、4.5μL/分~4.8μL/分、4.6μL/分~4.7μL/分、4.6μL/分~4.8μL/分、4.6μL/分~4.9μL/分、4.7μL/分~4.8μL/分、4.7μL/分~4.9μL/分、4.7μL/分~5.0μL/分、4.8μL/分~4.9μL/分、4.8μL/分~5.0μL/分、または4.9μL/分~5.0μL/分である。
【0064】
ウイルスベクター{例えば、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含むAAVは、約1.0×1010vg/kg~約1.0×1014vg/kg(kg体重当たりのウイルスゲノム)の範囲のウイルスの用量に対応する量で投与され得る。いくつかの場合では、ウイルスベクター(例えば、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含有するAAV)は、約1.0×1011~約1.0×1012vg/kgの範囲、約5.0×1011~約5.0×1012vg/kgの範囲のウイルス用量に対応する量で投与され得るか、または約1.0×1012~約5.0×1011の範囲がさらに好ましい。いくつかの場合では、ウイルスベクターは、約2.5×1012vg/kgの用量に対応する量で投与される。いくつかの場合では、ウイルスベクター{例えば、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含むAAV}の有効量は、本明細書に記載のvg/kg(kg体重当たりのウイルスゲノム)用量の体積に対応する約1μL~約500μLの体積であり得る。いくつかの場合では、投与されるウイルスベクター{例えば、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含むAAV}の量は、1つ以上の導入遺伝子(例えば、NeuroD1)の発現の強度に従って調整される。
【0065】
いくつかの場合では、ウイルスベクターの有効投与体積は、1μL~25μL、1μL~50μL、1μL~75μL、25μL~50μL、25μL~75μL、25μL~100μL、50μL~75μL、50μL~100μL、50μL~125μL、75μL~100μL、75μL~125μL、75μL~150μL、100μL~125μL、100μL~150μL、100μL~175μL、125μL~150μL、125μL~175μL、125μL~200μL、150μL~175μL、150μL~200μL、150μL~225μL、175μL~200μL、175μL~225μL、175μL~250μL、200μL~225μL、200μL~250μL、200μL~275μL、225μL~250μL、225μL~275μL、225μL~300μL、250μL~275μL、250μL~300μL、250μL~325μL、275μL~300μL、275μL~325μL、275μL~350μL、300μL~325μL、300μL~350μL、300μL~375μL、325μL~350μL、325μL~375μL、325μL~400μL、350μL~375μL、350μL~400μL、350μL~425μL、375μL~400μL、375μL~425μL、375μL~450μL、400μL~425μL、400μL~450μL、400μL~475μL、425μL~450μL、425μL~475μL、425μL~500μL、450μL~475μL、450μL~500μL、または475μL~500μLである。
【0066】
いくつかの場合では、遍在的(構成的)プロモーターまたはニューロン特異的プロモーターの転写制御下にある(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含むアデノ随伴ウイルスベクターは、部位特異的組換え酵素が導入遺伝子をコードする逆向き核酸配列を逆向きにすることによって導入遺伝子の発現が可能になるまで、ポリペプチドおよびmiRNA(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、mir124、Ngn2、およびmir218}をコードする核酸配列は、逆向きであり、導入遺伝子の発現に対して誤った方向であり、さらに部位特異的組換え酵素による組換え酵素活性のための部位を含み、部位特異的組換え酵素をコードするアデノ随伴ウイルスとともに、対象の脳内へ定位注射によって、または対称の脊髄損傷への局所送達を介して送達される。
【0067】
いくつかの場合では、遍在的(構成的)プロモーターまたはニューロン特異的プロモーターの転写制御下にある(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含むアデノ随伴ウイルスベクターは、部位特異的組換え酵素が導入遺伝子をコードする逆向き核酸配列を逆向きにすることによって導入遺伝子の発現が可能になるまで、導入遺伝子をコードする核酸配列は、逆向きであり、導入遺伝子の発現に対して誤った方向であり、さらに部位特異的組換え酵素による組換え酵素活性のための部位を含み、本明細書に記載の方法に従って、部位特異的組換え酵素をコードするアデノ随伴ウイルスとともに、対象の脳内へ定位注射によって、または対称の脊髄への局所送達によって送達される。
【0068】
いくつかの場合では、部位特異的組換え酵素は、Cre組換え酵素であり、組換え酵素活性のための部位は、認識部位loxPおよびlox2272部位である。
【0069】
いくつかの場合では、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を用いて対象の治療は、治療の進行および/または最終転帰を監視するために治療中または治療後に監視される。ニューロン細胞の統合および組織微小環境の回復の成功についての治療後アッセイは、正常な電気生理学、血流、組織構造、および機能の回復またはほぼ回復によって診断され得る。神経機能をアッセイするための非侵襲的な方法には、EEGが含まれる。血流は、近赤外線分光法およびfMRIを介して非侵襲的にアッセイされ得る。組織構造をアッセイするための非侵襲的方法には、MRI、CATスキャン、PETスキャン、または超音波が含まれる。行動アッセイは、脳機能の回復のための非侵襲的アッセイに使用され得る。行動アッセイは、元の脳損傷によって引き起こされる機能の喪失と一致する必要がある。例えば、損傷が麻痺を引き起こした場合、患者の可動性および四肢の器用さをテストする必要がある。損傷が発話の喪失または遅延を引き起こした場合、話し言葉を介した患者のコミュニケーション能力をアッセイする必要がある。NeuroD1治療単独またはDlx2との組み合わせの後の正常な行動の回復は、効果的なニューロン回路の作製および統合に成功したことを示す。神経機能および組織の健康についてアッセイするために、これらの方法を単独で、または任意の組み合わせで使用し得る。治療を評価するためのアッセイは、NeuroD1治療単独またはDlx2との組み合わせの1日後、2日後、3日後、1週間後、2週間後、3週間後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後、またはそれ以降などの任意の時点で実施され得る。かかるアッセイは、必要に応じてベースライン比較を確立するために、NeuroD1治療単独またはDlx2との組み合わせの前に実施され得る。
【0070】
本明細書で使用される科学用語および技術用語は、当業者によって一般に理解される意味を有することを意図している。かかる用語は、例示的に、J.Sambrook and D.W.Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press;3rd Ed.,2001、F.M.Asubel,Ed.,Short Protocols in Molecular Biology,Current Protocols;5th Ed.,2002、B.Alberts et al.,Molecular Biology of the Cell,4th Ed.,Garland,2002、D.L.Nelson and M.M.Cox,Lehninger Principles of Biochemistry,4th Ed.,W.H.Freeman&Company,2004、Engelke,D.R.,RNA Interference(RNAi):Nuts and Bolts of RNAi Technology,DNA Press LLC,Eagleville,PA,2003、Herdewijn,p.(Ed.),Oligonucleotide Synthesis:Methods and Applications,Methods in Molecular Biology,Humana Press,2004、A.Nagy,M.Gertsenstein,K.Vintersten,R.Behringer,Manipulating the Mouse Embryo:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,3rd Ed.;December 15,2002,ISBN-10:0879695919、Kursad Turksen(Ed.),Embryonic Stem Cells:Methods and Protocols in Methods in Molecular Biology,2002、185,Human Press:Current Protocols in Stem Cell Biology,ISBN:9780470151808を含む様々な標準的な参考文献の文脈で定義され使用されていることが見出される。
【0071】
本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」という用語は、明確に別途示されない限り、または文脈が明確に別途示さない限り、限定することを意図せず、複数の指示対象を含む。
【0072】
本明細書で使用される場合、「NeuroD1タンパク質」という用語は、胎児の脳発達および成人の神経新生に関与するbHLH前神経転写因子を指し、Cho et al.,Mol.Neurobiol.,30:35-47(2004)、Kuwabara et al.,Nature Neurosci.,12:1097-1105(2009)、およびGao et al.,Nature Neurosci.,12:1090-1092(2009)を参照されたい。NeuroD1は、主に神経系において発生の後期に発現し、ニューロンの分化、成熟、および生存に関与する。
【0073】
本明細書で使用される場合、「Dlx2タンパク質」という用語は、前脳および頭蓋顔面の発達に役割を有するディスタルレスホメオボックス2転写因子を指す。ヒトDlx2ポリペプチドの例としては、NCBI参照配列:NP_004396.1またはその生物学的に活性な断片が挙げられるが、これに限定されない。
【0074】
いくつかの実施形態では、Dlx2ポリペプチドは、野生型Dlx2ポリペプチド(例えば、NCBI参照配列:NP_004396.1)と比較して、変異したDlx2の活性の増加をもたらすアミノ酸置換、挿入、または欠失を含む。
【0075】
本明細書で使用される場合、「Isl1」という用語は、インスリン遺伝子発現の調節に関与し、運動ニューロン生成に必要とされるISL LIMホメオボックス1転写因子を指す。ヒトIsl1ポリペプチドの例としては、NCBI参照配列:NP_002193.2またはその生物学的に活性な断片が挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、Isl1ポリペプチドは、野生型Isl1ポリペプチド(例えば、NCBI参照配列:NP_002193.2)と比較して、変異したIsl1の活性の増加をもたらすアミノ酸置換、挿入、または欠失を含む。
【0076】
「NeuroD1タンパク質」または「外因性NeuroD1」という用語は、配列番号2としてここで同定されるヒトNeuroD1タンパク質および配列番号4としてここで同定されるマウスNeuroD1タンパク質を包含する。配列番号2および配列番号4のNeuroD1タンパク質に加えて、「NeuroD1タンパク質」という用語は、本明細書に記載の方法に含まれ得る配列番号2および配列番号4のバリアントなどのNeuroD1タンパク質のバリアントを包含する。
【0077】
「Dlx2タンパク質」または「外因性Dlx2」という用語は、配列番号11としてここで同定されるヒトDlx2タンパク質および配列番号13としてここで同定されるマウスDlx2タンパク質を包含する。配列番号11および配列番号13のDlx2タンパク質に加えて、「Dlx2タンパク質」という用語は、本明細書に記載の方法に含まれ得る配列番号11および配列番号13のバリアントなどのDlx2タンパク質のバリアントを包含する。
【0078】
「Isl1タンパク質」または「外因性Isl1」という用語は、配列番号15としてここで同定されるヒトIsl1タンパク質および配列番号17としてここで同定されるマウスIsl1タンパク質を包含する。配列番号15および配列番号17のIsl1タンパク質に加えて、「Isl1タンパク質」という用語は、本明細書に記載の方法に含まれ得る配列番号15および配列番号17のバリアントなどのIsl1タンパク質のバリアントを包含する。いくつかの場合、Isl1タンパク質は、GenBankアクセッション番号EAW54861、NP_002193.2、またはAAH31213.1に記載される配列を含み得る。
【0079】
本明細書で使用する場合、「バリアント」という用語は、天然に生じる遺伝的バリエーションおよび組換え調製されたバリエーションを指し、その各々は、配列番号2または配列番号4などの参照NeuroD1タンパク質と比較して、そのアミノ酸配列の1つ以上の変化を含む。いくつかの場合、「バリアント」という用語は、天然に生じる遺伝的バリエーションおよび組換え調製されたバリエーションを指し、その各々は、配列番号11または配列番号13などの参照Dlx2タンパク質と比較して、そのアミノ酸配列の1つ以上の変化を含む。いくつかの場合、「バリアント」という用語は、天然に生じる遺伝的バリエーションおよび組換え調製されたバリエーションを指し、その各々は、配列番号15または配列番号17などの参照Isl1タンパク質と比較して、そのアミノ酸配列の1つ以上の変化を含む。かかる変化には、1つ以上のアミノ酸残基がアミノ酸置換、付加または欠失によって修飾されているものが含まれる。「バリアント」という用語は、例えば、これらに限定されないが非ヒト霊長類、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウシ、ブタ、トリ、家禽、ならびにマウスおよびラットを含むがこれらに限定されないげっ歯類由来のNeuroD1オーソログなど、哺乳動物およびトリNeuroD1を含むヒトNeuroD1オーソログを包含する。非限定的な例では、アミノ酸配列番号4として本明細書に例示されるマウスNeuroD1は、ヒトNeuroD1のオーソログである。いくつかの場合では、好ましいバリアントは、配列番号2または配列番号4と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。
【0080】
いくつかの場合では、「バリアント」という用語は、例えば、これらに限定されないが非ヒト霊長類、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウシ、ブタ、トリ、家禽、ならびにマウスおよびラットを含むがこれらに限定されないげっ歯類由来のDlx2オーソログなど、哺乳動物およびトリDlx2を含むヒトDlx2オーソログを包含する。非限定的な例では、アミノ酸配列番号13として本明細書に例示されるマウスDlx2は、ヒトDlx2のオーソログである。いくつかの場合では、好ましいバリアントは、配列番号11または配列番号13と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。
【0081】
変異は、部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発などの標準の分子生物学の技法を使用して導入され得る。当業者は、NeuroD1タンパク質、Dlx2タンパク質、またはIsl1タンパク質の機能的特性を変化させることなく、1つ以上のアミノ酸変異が導入され得ることを認識するであろう。例えば、配列番号2または4のNeuroD1タンパク質の機能的特性を変化させることなく、1つ以上のアミノ酸置換、付加、または欠失を行うことができる。いくつかの場合では、配列番号11または13のDlx2タンパク質の機能的特性を変化させることなく、1つ以上のアミノ酸置換、付加、または欠失を行うことができる。いくつかの場合では、配列番号15または17のIsl1タンパク質の機能的特性を変化させることなく、1つ以上のアミノ酸置換、付加、または欠失を行うことができる。
【0082】
NeuroD1タンパク質バリアントを産生するために保存的アミノ酸置換がNeuroD1タンパク質において行われ得る。いくつかの場合では、Dlx2タンパク質バリアントを産生するために保存的アミノ酸置換がDlx2タンパク質において行われ得る。いくつかの場合では、Isl1タンパク質バリアントを産生するために保存的アミノ酸置換がIsl1タンパク質において行われ得る。保存的アミノ酸置換は、類似の特徴を有する別のアミノ酸に対する1つのアミノ酸の技術分野で認められた置換である。例えば、各アミノ酸は、正電荷、負電荷、脂肪族、芳香族、極性、疎水性、および親水性のうちの1つ以上の特徴を有すると説明され得る。保存的置換は、同じ特徴を有する別のアミノ酸に対する特定の構造的または機能的特徴を有する1つのアミノ酸の置換である。酸性アミノ酸には、アスパラギン酸、グルタミン酸が含まれ、塩基性アミノ酸には、ヒスチジン、リジン、アルギニンが含まれ、脂肪族アミノ酸には、イソロイシン、ロイシン、およびバリンが含まれ、芳香族アミノ酸には、フェニルアラニン、グリシン、チロシン、およびトリプトファンが含まれ、極性アミノ酸には、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、およびチロシンが含まれ、疎水性アミノ酸には、アラニン、システイン、フェニルアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、バリン、およびトリプトファンが含まれ、保存的置換には、各群内のアミノ酸間の置換が含まれる。アミノ酸はまた、相対サイズの観点から記載されてもよく、アラニン、システイン、アスパラギン酸塩、グリシン、アスパラギン、プロリン、スレオニン、セリン、バリンはすべて、通常は小さいと考えられる。
【0083】
NeuroD1バリアントは、合成アミノ酸類似体、アミノ酸誘導体、および/または非標準アミノ酸を含み得、例示的に、α-アミノ酪酸、シトルリン、カナバニン、シアノアラニン、ジアミノ酪酸、ジアミノピメリン酸、ジヒドロキシ-フェニルアラニン、ジエンコル酸、ホモアルギニン、ヒドロキシプロリン、ノルロイシン、ノルバリン、3-ホスホセリン、ホモセリン、5-ヒドロキシトリプトファン、1-メチルヒスチジン、3-メチルヒスチジン、およびオルニチンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの場合では、Dlx2バリアントは、合成アミノ酸類似体、アミノ酸誘導体、および/または非標準アミノ酸を含み得、例示的に、α-アミノ酪酸、シトルリン、カナバニン、シアノアラニン、ジアミノ酪酸、ジアミノピメリン酸、ジヒドロキシ-フェニルアラニン、ジエンコル酸、ホモアルギニン、ヒドロキシプロリン、ノルロイシン、ノルバリン、3-ホスホセリン、ホモセリン、5-ヒドロキシトリプトファン、1-メチルヒスチジン、3-メチルヒスチジン、およびオルニチンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの場合では、Isl1バリアントは、合成アミノ酸類似体、アミノ酸誘導体、および/または非標準アミノ酸を含み得、例示的に、α-アミノ酪酸、シトルリン、カナバニン、シアノアラニン、ジアミノ酪酸、ジアミノピメリン酸、ジヒドロキシ-フェニルアラニン、ジエンコル酸、ホモアルギニン、ヒドロキシプロリン、ノルロイシン、ノルバリン、3-ホスホセリン、ホモセリン、5-ヒドロキシトリプトファン、1-メチルヒスチジン、3-メチルヒスチジン、およびオルニチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
2つのアミノ酸配列または2つの核酸配列の同一性のパーセントを決定するために、配列が最適な比較の目的のためにアライメントされる(例えば、第2のアミノ酸または核酸配列との最適アライメントのために第1のアミノ酸または核酸配列の配列にギャップが導入され得る)。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置でアミノ酸残基またはヌクレオチドが比較される。第1の配列における位置が第2の配列における対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドによって占有されている場合、分子はその位置で同一である。2つの配列間の同一性のパーセントは、配列によって共有される同一の位置の数の関数である(すなわち、同一性%=同一の重複した位置の数/位置の総数X100%)。一実施形態では、2つの配列は、同じ長さである。
【0085】
2つの配列間の同一性のパーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成され得る。2つの配列の比較に利用される数学的アルゴリズムの好ましい非限定的な例は、Karlin and Altschul,PNAS,90:5873-5877(1993)のように修正されたKarlin and Altschul,PNAS,87:2264-2268(1990)のアルゴリズムである。かかるアルゴリズムは、Altschul et al.,J.Mol.Biol.,215:403(1990)のNBLASTおよびXBLASTプログラムに組み込まれている。本明細書に記載の核酸分子と相同なヌクレオチド配列を得るために、例えば、スコア=100、ワード長=12にセットされたNBLASTヌクレオチドプログラムパラメータを用いて、BLASTヌクレオチド検索が実施される。
【0086】
本発明のタンパク質分子と相同なアミノ酸配列を得るために、例えば、スコア=50、ワード長=3にセットされたXBLASTプログラムパラメータを用いて、BLASTタンパク質検索が実施される。比較の目的ためのギャップ付きのアライメントを得るために、Altschul et al.(Nucleic Acids Res.,25:3389-3402(1997))に記載のギャップ付きBLASTを利用する。あるいは、PSI BLASTを使用して、分子間の距離関係を検出する反復検索を実施する。BLAST、ギャップ付きBLAST、およびPSI BLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLASTの)の既定値パラメータが使用される(例えば、NCBIウェブサイトを参照されたい)。
【0087】
配列の比較に利用される数学的アルゴリズムの別の好ましい非限定的な例は、Myers and Miller,CABIOS,4:11-17(1988)のアルゴリズムである。かかるアルゴリズムは、GCG配列アライメントソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。アミノ酸配列を比較するためにALIGNプログラムを利用する場合、PAM120重量残基表、12のギャップ長ペナルティ、および4のギャップペナルティが使用される。
【0088】
2つの配列間の同一性のパーセントは、ギャップを許容してまたはギャップを許容することなく、上述の技法と同様の技法を使用して決定される。同一性のパーセントを計算する際、典型的には、正確な一致のみが計数される。
【0089】
「NeuroD1タンパク質」という用語は、本明細書に記載の方法または組成物で作動可能な、配列番号2および4の断片などのNeuroD1タンパク質の断片、ならびにそれらのバリアントを包含する。
【0090】
「Dlx2タンパク質」という用語は、本明細書に記載の方法または組成物で作動可能な、配列番号11および13の断片などのDlx2タンパク質の断片、ならびにそれらのバリアントを包含する。
【0091】
「Isl1タンパク質」という用語は、本明細書に記載の方法または組成物で作動可能な、配列番号15および17の断片などのIsl1タンパク質の断片、ならびにそれらのバリアントを包含する。
【0092】
NeuroD1タンパク質および核酸は、NeuroD1を発現する生物の脳または細胞株の細胞などの天然供給源から単離され得る。あるいは、NeuroD1タンパク質または核酸は、発現構築物を使用した発現などによって、インビトロまたはインビボで組み換えて生成され得る。NeuroD1タンパク質および核酸はまた、周知の方法によって合成され得る。いくつかの場合では、Dlx2タンパク質および核酸は、Dlx2を発現する生物の脳または細胞株の細胞などの天然供給源から単離され得る。あるいは、Dlx2タンパク質または核酸は、発現構築物を使用した発現などによって、インビトロまたはインビボで組み換えて生成され得る。Dlx2タンパク質および核酸はまた、周知の方法によって合成され得る。いくつかの場合では、Isl1タンパク質および核酸は、Isl1を発現する生物の脳または細胞株の細胞などの天然供給源から単離され得る。あるいは、Isl1タンパク質または核酸は、発現構築物を使用した発現などによって、インビトロまたはインビボで組み換えて生成され得る。Isl1タンパク質および核酸はまた、周知の方法によって合成され得る。
【0093】
本明細書に記載の方法または組成物に含まれるNeuroD1は、組換え核酸技術を使用して産生され得る。組換えNeuroD1の産生は、NeuroD1をコードするDNA配列を包含する組換え発現ベクターを宿主細胞内に導入することを含む。いくつかの場合では、本明細書に記載の方法または組成物に含まれるDlx2は、組換え核酸技術を使用して産生され得る。組換えDlx2の産生は、Dlx2をコードするDNA配列を包含する組換え発現ベクターを宿主細胞内に導入することを含む。いくつかの場合では、本明細書に記載の方法または組成物に含まれるIsl1は、組換え核酸技術を使用して産生され得る。組換えIsl1の産生は、Isl1をコードするDNA配列を包含する組換え発現ベクターを宿主細胞内に導入することを含む。
【0094】
いくつかの場合では、NeuroD1を産生するために宿主細胞内に導入されるNeuroD1をコードする核酸配列は、配列番号2、配列番号4、またはそれらのバリアントをコードし得る。
【0095】
いくつかの場合では、Dlx2を産生するために宿主細胞内に導入されるDlx2をコードする核酸配列は、配列番号11、配列番号13、またはそれらのバリアントをコードし得る。
【0096】
いくつかの場合では、Isl1を産生するために宿主細胞内に導入されるIsl1をコードする核酸配列は、配列番号15、配列番号17、またはそれらのバリアントをコードし得る。
【0097】
いくつかの場合では、配列番号1として本明細書で同定される核酸配列は、配列番号2をコードし、発現ベクターに含まれ、発現してNeuroD1を産生する。いくつかの場合では、配列番号10として本明細書で同定される核酸配列は、配列番号11をコードし、発現ベクターに含まれ、発現してDlx2を産生する。いくつかの場合では、配列番号14として本明細書で同定される核酸配列は、配列番号15をコードし、発現ベクターに含まれ、発現してIsl1を産生する。いくつかの場合では、配列番号3として本明細書で同定される核酸配列は、配列番号4をコードし、発現ベクターに含まれ、発現してNeuroD1を産生する。いくつかの場合では、配列番号12として本明細書で同定される核酸配列は、配列番号13をコードし、発現ベクターに含まれ、発現してDlx2を産生する。いくつかの場合では、配列番号16として本明細書で同定される核酸配列は、配列番号17をコードし、発現ベクターに含まれ、発現してIsl1を産生する。
【0098】
遺伝子コードの縮重性質により、配列番号1および3と実質的に同一の核酸配列は、NeuroD1およびNeuroD1のバリアントをコードし、かかる代替の核酸は、発現ベクターに含まれ得、発現してNeuroD1およびNeuroD1のバリアントを産生し得ることが理解される。いくつかの場合では、配列番号10および12と実質的に同一の核酸配列は、Dlx2およびDlx2のバリアントをコードし、かかる代替の核酸は、発現ベクターに含まれ得、発現してDlx2およびDlx2のバリアントを産生し得る。いくつかの場合では、配列番号14および16と実質的に同一の核酸配列は、Isl1およびIsl1のバリアントをコードし、かかる代替の核酸は、発現ベクターに含まれ得、発現してIsl1およびIsl1のバリアントを産生し得る。当業者は、NeuroD1タンパク質をコードする核酸の断片を使用して、NeuroD1タンパク質の断片を産生し得ることを理解するであろう。いくつかの場合では、当業者は、Dlx2タンパク質をコードする核酸の断片を使用して、Dlx2タンパク質の断片を産生し得ることを理解するであろう。いくつかの場合では、当業者は、Isl1タンパク質をコードする核酸の断片を使用して、Isl1タンパク質の断片を産生し得ることを理解するであろう。
【0099】
本明細書で使用される場合、「Lhx3」という用語は、下垂体発達および運動ニューロン仕様に関与するLIMホメオボックス3転写因子を指す。ヒトLhx3ポリペプチドの例としては、NCBI参照配列:NP_001350675.1またはその生物学的に活性な断片が挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、Lhx3ポリペプチドは、野生型Lhx3ポリペプチド(例えば、NCBI参照配列:NP_001350675.1)と比較して、変異したLhx3の活性の増加をもたらすアミノ酸置換、挿入、または欠失を含む。
【0100】
本明細書で使用される場合、「mir124」という用語は、マイクロRNA124を指す。マイクロRNA(miRNA)は、mRNAの安定性および翻訳の両方に影響を与えることによって、多細胞生物における遺伝子発現の転写後調節に関与する短い(20~24nt)非コードRNAである。
【0101】
本明細書で使用される場合、「mir218」という用語は、マイクロRNA218を指す。マイクロRNA(miRNA)は、mRNAの安定性および翻訳の両方に影響を与えることによって、多細胞生物における遺伝子発現の転写後調節に関与する短い(20~24nt)非コードRNAである。
【0102】
本明細書で使用される場合、「Ngn2」という用語は、外胚葉細胞上のニューロン運命を指定することができ、発達中の中枢および末梢神経系内の神経前駆細胞において発現される神経特異的塩基性ヘリックスループヘリックス(bHLH)転写因子を指す。ヒトNgn2ポリペプチドの例としては、NCBI参照配列:NP_076924.1またはその生物学的に活性な断片が挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、Ngn2ポリペプチドは、野生型Ngn2ポリペプチド(例えば、NCBI参照配列:NP_076924.1)と比較して、変異したNgn2の活性の増加をもたらすアミノ酸置換、挿入、または欠失を含む。
【0103】
発現ベクターは、目的のポリペプチドをコードするセグメントの転写を提供する1つ以上の調節要素に作動可能に連結された目的のポリペプチドをコードするセグメントを含む核酸を含有する。本明細書で使用される場合、「作動可能に連結された」という用語は、第2の核酸との機能的関係にある核酸を指す。「作動可能に連結された」という用語は、転写される核酸および調節要素などの2つ以上の核酸分子の機能的連結を包含する。本明細書で使用される場合、「調節要素」という用語は、作動可能に連結された核酸の発現のいくつかの態様を制御するヌクレオチド配列を指す。例示的な調節要素としては、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節要素(WPRE)、内部リボソーム進入部位(IRES)または2Aドメインなどであるがこれらに限定されないエンハンサー、イントロン、複製起点、ポリアデニル化シグナル(pA)、プロモーター、転写終結配列、および上流調節ドメインが挙げられ、これらは、作動可能に連結された核酸配列の複製、転写、転写後プロセシングに寄与する。当業者であれば、日常的な実験のみで発現ベクターにおいて、これらおよび他の調節要素を選択および使用することができる。
【0104】
本明細書で使用される場合、「プロモーター」という用語は、NeuroD1をコードする核酸配列などの転写される核酸配列に作動可能に連結されたDNA配列を指す。プロモーターは、概して、転写される核酸配列の上流に位置付けられ、RNAポリメラーゼおよび他の転写因子による特異的結合のための部位を提供する。具体的な実施形態では、プロモーターは、概して、所望の分子を産生するために転写される核酸配列の上流に配置され、RNAポリメラーゼおよび他の転写因子による特異的結合のための部位を提供する。
【0105】
当業者によって認識されるように、遺伝子の5’非コード領域を単離し、作動可能に連結された核酸の発現を駆動するために、その全体をプロモーターとして使用することができる。あるいは、5’非コード領域の一部分を単離し、作動可能に連結された核酸の発現を駆動するために使用することができる。概して、作動可能に連結された核酸の発現を駆動するために、遺伝子の5’非コード領域の約500~6000bpを使用する。任意選択で、作動可能に連結された核酸の発現を駆動するのに必要な最小量の5’非コード領域を含有する遺伝子の5’非コード領域の一部分を使用する。遺伝子の5’非コード領域の指定された部分の作動可能に連結された核酸の発現を駆動する能力を決定するためのアッセイは、当技術分野で周知である。
【0106】
本明細書に記載の方法に従って(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸の発現を駆動するために使用される特定のプロモーターは、発現ベクターが移入される生物の多くの、ほとんどの、またはすべての細胞型における発現を駆動する「遍在的」または「構成的」プロモーターである。(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸の発現に使用され得る遍在的プロモーターの非限定的な例としては、サイトメガロウイルスプロモーター、シミアンウイルス40(SV40)初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、アデノウイルス主要後期プロモーター、ベータアクチンプロモーター、グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコース調節タンパク質78プロモーター、グルコース調節タンパク質94プロモーター、熱ショックタンパク質70プロモーター、ベータキネシンプロモーター、ROSAプロモーター、ユビキチンBプロモーター、真核生物開始因子4A1プロモーター、および伸長因子Iプロモーターであり、これらはすべて当技術分野で周知であり、日常的な方法論を使用して一次供給源から単離することができるか、または商業的供給源から得られる。プロモーターは、単一の遺伝子に完全に由来し得るか、または1つより多い遺伝子に由来する部分を有するキメラであり得る。
【0107】
調節配列の組み合わせは、発現ベクターに含まれ得、NeuroD1の発現を駆動するために使用され得る。NeuroD1の発現を駆動するための発現ベクターに含まれる非限定的な例は、サイトメガロウイルスCMV初期エンハンサー要素およびニワトリベータアクチンプロモーターを組み合わせたCAGプロモーターである。
【0108】
本明細書に記載の方法に従って、NeuroD1(または任意の他の(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)本明細書に記載のmir124およびmir218をコードする外因性核酸の発現を駆動するために使用される特定のプロモーターは、グリア細胞、特に星状細胞および/またはNG2細胞において優先的に発現を駆動するものである。かかるプロモーターは、「星状細胞特異的」および/または「NG2細胞特異的」プロモーターと称される。
【0109】
星状細胞特異的プロモーターの非限定的な例は、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターおよびアルデヒドデヒドロゲナーゼ1ファミリー、メンバーL1(Aldh1L1)プロモーターである。ヒトGFAPプロモーターは、配列番号6として本明細書に示されている。マウスAldh1L1プロモーターは、配列番号7として本明細書に示されている。
【0110】
NG2細胞特異的プロモーターの非限定的な例は、ニューロングリア抗原2(NG2)としても知られているコンドロイチン硫酸プロテオグリカン4遺伝子のプロモーターである。ヒトNG2プロモーターは、配列番号8として本明細書に示されている。
【0111】
本明細書に記載の方法によるNeuroD1の発現を駆動するために使用される特定のプロモーターは、反応性グリア細胞、特に反応性星状細胞および/または反応性NG2細胞において優先的に発現を駆動するものである。かかるプロモーターは、「反応性星状細胞特異的」および/または「反応性NG2細胞特異的」プロモーターと称される。
【0112】
本明細書に記載の方法によるDlx2の発現を駆動するために使用される特定のプロモーターは、反応性グリア細胞、特に反応性星状細胞および/または反応性NG2細胞において優先的に発現を駆動するものである。かかるプロモーターは、「反応性星状細胞特異的」および/または「反応性NG2細胞特異的」プロモーターと称される。
【0113】
「反応性星状細胞特異的」プロモーターの非限定的な例は、リポカリン2(lcn2)遺伝子のプロモーターである。マウスlcn2プロモーターは、配列番号5として本明細書に示されている。
【0114】
遍在的および細胞型特異的プロモーターの相同体およびバリアントを、NeuroD1の発現に使用し得る。
【0115】
いくつかの場合では、プロモーター相同体およびプロモーターバリアントは、NeuroD1を発現するための発現ベクターに含まれ得る。いくつかの場合では、プロモーター相同体およびプロモーターバリアントは、Dlx2を発現するための発現ベクターに含まれ得る。いくつかの場合では、プロモーター相同体およびプロモーターバリアントは、Isl1を発現するための発現ベクターに含まれ得る。「プロモーター相同体」および「プロモーターバリアント」という用語は、本明細書に開示されるものと比較して、NeuroD1をコードする作動可能に連結した核酸上でNeuroD1の細胞型特異的発現、またはNeuroD1の遍在的発現など、所望の型の発現を付与するために実質的に類似した機能的特性を有するプロモーターを指す。例えば、プロモーター相同体またはバリアントは、GFAP、S100b、Aldh1L1、NG2、lcn2およびCAGプロモーターと比較して、NeuroD1をコードする作動可能に連結した核酸に対して細胞型特異的発現を付与するための実質的に類似した機能的特性を有する。
【0116】
当業者は、所与のプロモーターの機能的特性を変更することなく、1つ以上の核酸変異を導入することができることを認識するであろう。変異は、部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発などの標準の分子生物学の技法を使用して導入され、プロモーターバリアントを産生し得る。本明細書で使用される場合、「プロモーターバリアント」という用語は、単離された天然に生じるか、またはGFAP、S100b、Aldh1L1、NG2、lcn2およびpCAGプロモーターなどであるがこれらに限定されない、参照プロモーターの組換え調製されたバリアントのいずれかを指す。
【0117】
他の種由来のプロモーターが機能的であることが当技術分野で既知であり、例えば、マウスAldh1L1プロモーターは、ヒト細胞において機能的である。他の種由来の相同体および相同プロモーターは、当技術分野で既知のバイオインフォマティクスツールを使用して同定することができ、例えば、Xuan et al.,Genome Biol.,6:R72(2005)、Zhao et al.,Nucl.Acid Res.,33:D103-107(2005)、およびHalees et al.,Nucl.Acids.Res.,31:3554-3559(2003)を参照されたい。
【0118】
構造的に、NeuroD1の細胞型特異的プロモーターまたはおよび/または遍在的プロモーターの相同体およびバリアントは、参照の発達的に調節された、および/または遍在的プロモーターと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の核酸配列同一性を有し、RNAポリメラーゼの結合部位、および任意選択で、転写因子のための1つ以上の結合部位を含む。
【0119】
配列番号1または配列番号3と実質的に同一である核酸配列は、高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列番号1または配列番号3にハイブリダイゼーション可能な相補的な核酸配列を有するとして特徴付けられる。
【0120】
NeuroD1をコードする1つ以上の核酸に加えて、追加のタンパク質をコードする1つ以上の核酸配列が、発現ベクターに含まれ得る。例えば、かかる追加のタンパク質には、ベータガラクトシダーゼ、緑色蛍光タンパク質および抗生物質耐性レポーターを含むが、これらに限定されない、レポーターなどの非NeuroD1タンパク質が含まれる。
【0121】
特定の実施形態では、組換え発現ベクターは、少なくとも配列番号2のNeuroD1、配列番号2と少なくとも95%の同一性を有するタンパク質、または配列番号1と実質的に同一の核酸配列によってコードされるタンパク質をコードする。
【0122】
特定の実施形態では、組換え発現ベクターは、少なくとも配列番号4のNeuroD1、配列番号4と少なくとも95%の同一性を有するタンパク質、または配列番号2と実質的に同一の核酸配列によってコードされるタンパク質をコードする。
【0123】
配列番号9は、NeuroD1をコードする核酸に作動可能に連結されたCAGプロモーターを含む核酸の例であり、EGFPをコードする核酸配列およびエンハンサーWPREをさらに含む。IRESは、NeuroD1をコードする核酸およびEGFPをコードする核酸を分離する。配列番号9は、NeuroD1およびレポーター遺伝子EGFPの発現のための発現ベクター内に挿入される。任意選択で、IRESおよびEGFPをコードする核酸を除去し、残りのCAGプロモーターおよびNeuroD1をコードする作動可能に連結した核酸を、NeuroD1の発現のための発現ベクター内に挿入する。WPREまたは別のエンハンサーは、任意選択で含まれる。
【0124】
任意選択で、レポーター遺伝子は、NeuroD1をコードする組換え発現ベクターに含まれる。レポーター遺伝子は、組換え発現ベクターからのNeuroD1の発現のための代理マーカーとして機能するペプチドまたはタンパク質を産生するために含まれ得る。いくつかの場合では、レポーター遺伝子は、Dlx2をコードする組換え発現ベクターに含まれる。いくつかの場合では、レポーター遺伝子は、Isl1をコードする組換え発現ベクターに含まれる。レポーター遺伝子は、組換え発現ベクターからのDlx2の発現のための代理マーカーとして機能するペプチドまたはタンパク質を産生するために含まれ得る。本明細書で使用される場合、「レポーター遺伝子」という用語は、発現した場合、例えば、化学発光、蛍光、比色反応、抗体結合、誘導性マーカーおよび/またはリガンド結合アッセイによって容易に検出可能な遺伝子を指す。例示的なレポーター遺伝子としては、緑色蛍光タンパク質(GFP)、増強緑色蛍光タンパク質(eGFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、増強黄色蛍光タンパク質(eYFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、増強シアン蛍光タンパク質(eCFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)、増強青色蛍光タンパク質(eBFP)、MmGFP(Zernicka-Goetz et al.,Development,124:1133-1137(1997))、dsRed、ルシフェラーゼおよびベータガラクトシダーゼ(lacZ)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0125】
宿主細胞における遺伝物質によってコードされる所望のタンパク質の一過性または安定的な発現などの遺伝物質をレシピエント宿主細胞内に導入するプロセスは、「トランスフェクション」と称される。トランスフェクション技法は、当技術分野で周知であり、エレクトロポレーション、「遺伝子銃」技術としても知られる粒子加速形質転換、リポソーム媒介トランスフェクション、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈殿媒介トランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、マイクロインジェクション、ポリエチレングリコール媒介トランスフェクション、熱ショック媒介トランスフェクションおよびウイルス媒介トランスフェクションが含まれるが、これらに限定されない。本明細書に記載されるように、ウイルス媒介トランスフェクションは、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、およびレンチウイルスに由来するものなどのウイルスベクターを使用して達成され得る。
【0126】
任意選択で、宿主細胞は、エクスビボでトランスフェクションされ、次いで宿主生物内に再導入される。例えば、細胞または組織を対象から取り出し、NeuroD1をコードする発現ベクターでトランスフェクションし、次いで対象に戻すことができる。いくつかの場合では、細胞または組織を対象から取り出し、NeuroD1およびDlx2をコードする発現ベクターでトランスフェクションし、次いで対象に戻すことができる。いくつかの場合では、細胞または組織を対象から取り出し、NeuroD1をコードする発現ベクターおよびDlx2をコードする発現ベクターでトランスフェクションし、次いで対象に戻すことができる。いくつかの場合では、細胞または組織を対象から取り出し、NeuroD1およびIsl1をコードする発現ベクターでトランスフェクションし、次いで対象に戻すことができる。いくつかの場合では、細胞または組織を対象から取り出し、NeuroD1をコードする発現ベクターおよびIsl1をコードする発現ベクターでトランスフェクションし、次いで対象に戻すことができる。
【0127】
宿主グリア細胞において外因性NeuroD1を発現してグリア細胞をニューロンに変換するための、NeuroD1またはその機能的断片をコードする核酸を含む組換え発現ベクターのインビトロまたはインビボでの宿主グリア細胞内への導入は、様々なトランスフェクション方法論のうちのいずれかによって達成される。いくつかの場合では、宿主グリア細胞において外因性Dlx2を発現してグリア細胞をニューロンに変換するための、Dlx2またはその機能的断片をコードする核酸を含む組換え発現ベクターのインビトロまたはインビボでの宿主グリア細胞内への導入は、様々なトランスフェクション方法論のうちのいずれかによって達成される。いくつかの場合では、宿主グリア細胞において外因性Isl1を発現してグリア細胞をニューロンに変換するための、Isl1またはその機能的断片をコードする核酸を含む組換え発現ベクターのインビトロまたはインビボでの宿主グリア細胞内への導入は、様々なトランスフェクション方法論のうちのいずれかによって達成される。
【0128】
グリア細胞をニューロンに変換するための、宿主グリア細胞における(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸の発現は、任意選択で、インビトロまたはインビボで、NeuroD1(または本明細書に記載の任意の他のポリペプチド)またはその機能的断片をコードするmRNAを宿主グリア細胞に導入することによって達成される。
【0129】
グリア細胞をニューロンに変換するための、宿主グリア細胞における(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸の発現は、任意選択で、インビトロまたはインビボで、ポリペプチドを宿主グリア細胞に導入することによって達成される。これらおよび他の技法の詳細は、例えば、J.Sambrook and D.W.Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press;3rd Ed.,2001、F.M.Ausubel,Ed.,Short Protocols in Molecular Biology,Current Protocols;5th Ed.,2002、およびEngelke,D.R.,RNA Interference(RNAi):Nuts and Bolts of RNAi Technology,DNA Press LLC,Eagleville,PA,2003に記載されているように、当技術分野で既知である。
【0130】
(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218もしくはその機能的断片をコードする外因性核酸、ポリペプチドもしくはその機能的断片をコードするmRNA、全長もしくはその機能的断片を含む発現ベクターは、任意選択で、インビトロまたはインビボで宿主細胞内に導入するための担体と会合する。
【0131】
特定の態様では、担体は、リポソーム、ミセル、単層、もしくは多層小胞を含む脂質粒子、ヒドロゲル粒子、ポリグリコール酸粒子、もしくはポリ乳酸粒子などのポリマー粒子、例えば、米国特許第5,648,097号に記載されるようなリン酸カルシウム粒子などの無機粒子、および例えば、米国特許第6,630,486号に記載されるような無機/有機粒子状担体などの粒子状担体である。
【0132】
粒子状担体は、脂質粒子、ポリマー粒子、無機粒子、および無機/有機粒子の中から選択され得る。粒子の種類の混合物はまた、粒子状の薬学的に許容可能な担体として含まれ得る。
【0133】
粒子状担体は、典型的には、粒子が約1nm~10ミクロンの範囲の平均粒径を有するように製剤化される。特定の態様では、粒子状担体は、粒子が約1nm~100nmの範囲の平均粒径を有するように製剤化される。
【0134】
リポソームのさらなる説明およびそれらの調製および使用に関連する方法は、Liposomes:A Practical Approach(The Practical Approach Series,264),V.P.Torchilin and V.Weissig(Eds.),Oxford University Press;2nd ed.,2003に見出され得る。ナノ粒子のさらなる態様は、S.M.Moghimi et al.,FASEB J.2005,19,311-30に記載されている。
【0135】
組換え発現ベクターを使用した(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸の発現は、昆虫細胞、哺乳動物細胞、酵母細胞、細菌細胞、または当技術分野で認識される任意の他の単一もしくは多細胞生物などの真核または原核宿主細胞発現系に発現ベクターを導入することによって達成される。宿主細胞は、任意選択で、初代細胞または不死化誘導体細胞である。不死化細胞は、少なくとも5回の複製継代の間、インビトロで維持することができるものである。
【0136】
組換え発現ベクターを含有する宿主細胞は、NeuroD1が産生される条件下で維持される。いくつかの場合では、組換え発現ベクターを含有する宿主細胞は、Dlx2が産生される条件下で維持される。宿主細胞は、Celis,Julio,ed.,1994,Cell Biology Laboratory Handbook,Academic Press,N.Y.に記載されているような既知の細胞培養技法を使用して培養および維持され得る。特定の栄養素、酸素、張力、二酸化炭素および低減した血清レベルに関する培地製剤を含む、これらの細胞の様々な培養条件を、当業者によって選択および最適化することができる。
【0137】
いくつかの場合では、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含む組換え発現ベクターを、対象のグリア細胞内に導入する。グリア細胞における(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸の発現は、グリア細胞をニューロンに「変換する」。
【0138】
いくつかの場合では、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含む組換え発現ベクターを、対象の星状細胞内に導入する。グリア細胞における(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸の発現は、星状細胞をニューロンに「変換する」。
【0139】
いくつかの場合では、組換え発現ベクター(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を、対象の反応性星状細胞内に導入する。反応性星状細胞における(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸の発現は、反応性星状細胞をニューロンに「変換する」。
【0140】
いくつかの場合では、(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を含む組換え発現ベクターを、対象のNG2細胞内に導入する。NG2細胞における外因性(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸の発現は、NG2細胞をニューロンに「変換する」。
【0141】
(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸をコードする核酸を含む組換え発現ベクターの導入後の(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸の発現の検出は、免疫アッセイ、核酸検出アッセイ、および外因性核酸と共発現するレポーター遺伝子の検出を含むが、これらに限定されない、様々な標準的な方法論のうちのいずれかを使用して達成される。
【0142】
「変換する」および「変換された」という用語は、本明細書では、グリア細胞、星状細胞または反応性星状細胞の表現型のニューロン表現型への変化をもたらす、NeuroD1もしくはその機能的断片単独での、またはDlx2もしくはその機能的断片と組み合わせた発現の効果を説明するために使用される。同様に、「NeuroD1変換されたニューロン」、「NeuroD1およびDlx2変換されたニューロン」、ならびに「変換されたニューロン」という語句は、本明細書では、結果として生じるニューロン表現型を有する、外因性NeuroD1タンパク質またはその機能的断片を単独で、または外因性Dlx2タンパク質もしくはその機能的断片と組み合わせて含む細胞を指定するために使用される。
【0143】
「表現型」という用語は、本明細書で言及される細胞の周知の検出可能な特徴を指す。ニューロン表現型は、ニューロンの形態、1つ以上のニューロンマーカーの発現、ニューロンの電気生理学的特徴、シナプス形成、および神経伝達物質の放出のうちの1つ以上であり得るが、これらに限定されない。例えば、ニューロン表現型は、樹状突起、軸索および樹状突起棘の存在などのニューロンの特徴的な形態学的態様、シナプス点におけるシナプスタンパク質の存在、樹状突起におけるMAP2の存在などの特徴的なニューロンタンパク質の発現および分布、ならびに自発的および誘発されるシナプス事象などの特徴的な電気生理学的徴候を包含するが、これらに限定されない。
【0144】
さらなる例では、星状細胞表現型および反応性星状細胞表現型などのグリア表現型は、概して「星の形状」の形態などの星状細胞および反応性星状細胞の特徴的な形態学的態様、ならびにグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)の存在などの特徴的な星状細胞および反応性星状細胞のタンパク質発現を包含するが、これらに限定されない。
【0145】
「核酸」という用語は、一本鎖、二本鎖、オリゴヌクレオチド、またはポリヌクレオチドを含む任意の形態で1つを超えるのヌクレオチドを有するRNAまたはDNA分子を指す。「ヌクレオチド配列」という用語は、核酸の一本鎖形態におけるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド中のヌクレオチドの順序を指す。
【0146】
「NeuroD1核酸」という用語は、単離されたNeuroD1核酸分子を指し、配列番号1もしくは配列番号3に記載のDNA配列、もしくはその相補体、もしくはその断片と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する単離されたNeuroD1核酸、または高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1もしくは配列番号3に記載の核酸、もしくはその相補体、もしくはその断片とハイブリダイゼーションする配列を有する単離されたDNA分子を包含する。
【0147】
配列番号3の核酸は、高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列番号1に記載の核酸にハイブリダイゼーションする配列を有する単離されたDNA分子の例である。NeuroD1核酸の断片は、NeuroD1核酸を含む、本明細書に記載の態様において作動可能なNeuroD1核酸の任意の断片である。
【0148】
標的NeuroD1 mRNAまたはcDNAにハイブリダイゼーションすることができる核酸プローブまたはプライマーは、NeuroD1タンパク質をコードするmRNAまたはcDNAの検出および/または定量化に使用され得る。核酸プローブは、少なくとも10、15、30、50、または100ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドであり、ストリンジェントな条件下で、NeuroD1 mRNAもしくはcDNAまたはその相補配列に特異的にハイブリダイゼーションするのに十分であり得る。核酸プローブは、少なくとも、10、15または20ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドであり、ストリンジェントな条件下で、mRNAもしくはcDNAまたはその相補配列に特異的にハイブリダイゼーションするのに十分であり得る。
【0149】
「相補体」および「相補的」という用語は、ヌクレオチド間のワトソン-クリック塩基対合を指し、具体的には、2つの水素結合によるアデニン残基に連結されたチミンまたはウラシル残基、ならびに3つの水素結合によって連結されたシトシンおよびグアニン残基での互いに水素結合されたヌクレオチドを指す。概して、核酸は、特定の第2のヌクレオチド配列に対して、ある「パーセントの相補性」を有すると記載されるヌクレオチド配列を含む。例えば、ヌクレオチド配列は、特定の第2のヌクレオチド配列に対して80%、90%、または100%の相補性を有し得、これは、配列の10個のヌクレオチドのうち8個、10個のヌクレオチドのうち9個、または10個のヌクレオチドのうち10個が、特定の第2のヌクレオチド配列に対して相補的であることを示す。例えば、ヌクレオチド配列3’-TCGA-5’は、ヌクレオチド配列5’-AGCT-3’に100%相補的である。さらに、ヌクレオチド配列3’-TCGA-は、ヌクレオチド配列5’-TTAGCTGG-3’の領域に100%相補的である。
【0150】
「ハイブリダイゼーション」および「ハイブリダイゼーションする」という用語は、相補的核酸の対合および結合を指す。ハイブリダイゼーションは、当技術分野で周知であるように、核酸の相補性の程度、核酸の融解温度、Tm、およびハイブリダイゼーション条件のストリンジェントさなどの要因に応じて、2つの核酸間で様々な程度に生じる。「ハイブリダイゼーション条件のストリンジェントさ」という用語は、ホルムアミドおよびデンハルト溶液などの特定の一般的な添加剤に関する、ハイブリダイゼーション媒体の温度、イオン強度、および組成の条件を指す。
【0151】
特定の核酸に関する特定のハイブリダイゼーション条件の決定は、日常的であり、例えば、J.Sambrook and D.W.Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press;3rd Ed.,2001、およびF.M.Ausubel,Ed.,Short Protocols in Molecular Biology,Current Protocols;5th Ed.,2002に記載されているように、当技術分野で周知である。高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、実質的に相補的な核酸のハイブリダイゼーションのみを可能にする条件である。典型的には、約85~100%の相補性を有する核酸は、高度に相補的であると考えられ、高ストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションする。中間ストリンジェントな条件は、中間の相補性である、約50~84%の相補性、および高い相補性を有する核酸がハイブリダイゼーションする条件によって例示される。対照的に、低ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、相補性の程度が低い核酸がハイブリダイゼーションする条件である。
【0152】
「特異的ハイブリダイゼーション」および「特異的にハイブリダイゼーションする」という用語は、試料中の標的核酸以外の核酸への実質的なハイブリダイゼーションを伴わない、特定の核酸の標的核酸へのハイブリダイゼーションを指す。
【0153】
ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件のストリンジェントさは、当業者に周知のように、プローブおよび標的のTmならびにハイブリダイゼーションおよび洗浄条件のイオン強度を含むいくつかの要因に依存する。所望のハイブリダイゼーションのストリンジェントさを達成するためのハイブリダイゼーションおよび条件は、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,2001、およびAusubel,F.et al.,(Eds.),Short Protocols in Molecular Biology,Wiley,2002に記載されている。
【0154】
高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、37℃で、6×SSC、5×デンハルト溶液、30%ホルムアミド、および100マイクログラム/mlの変性サーモン精子を含有する溶液中での約100ヌクレオチド長にわたる核酸のハイブリダイゼーション、それに続く60℃で15分間、0.1×SSCおよび0.1%SDSの溶液中の洗浄である。SSCは、0.15MのNaCl/0.015Mのクエン酸ナトリウムである。デンハルト溶液は、0.02%のウシ血清アルブミン/0.02%のフィコール/0.02%のポリビニルピロリドンである。高ストリンジェントな条件下で、配列番号1および配列番号3は、実質的に同一の標的の相補体にハイブリダイゼーションし、無関係な配列にはハイブリダイゼーションしない。
【0155】
神経学的状態の治療を必要とする対象において神経学的状態を治療する方法は、本開示の態様に従って提供され、それは、治療有効な(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸を対象の中枢神経系または末梢神経系のグリア細胞に送達することを含み、グリア細胞における治療有効量の(i)本明細書に記載(例えば、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Dlx2、およびNgn2)のポリペプチドのうちのいずれか、もしくはポリペプチドの任意の組み合わせをコードする外因性核酸、ならびに/または(ii)mir124およびmir218をコードする外因性核酸は、同じ神経学的状態を有する未治療の対象と比較して、対象においてより多くのニューロンをもたらし、それによって神経学的状態が治療される。
【0156】
また、反応性グリア細胞のニューロンへの変換は、反応性グリア細胞に関連する神経炎症および神経阻害因子を低減し、それによって、神経学的状態が緩和されるように、グリア瘢痕組織をニューロン成長に対してより寛容にする。
【0157】
本明細書で使用される場合、「神経学的状態」または「神経学的障害」という用語は、追加のニューロンによって緩和、改善または予防される対象の中枢神経系の任意の状態を指す。ニューロンの喪失もしくは阻害、および/またはニューロン機能の喪失もしくは阻害をもたらす損傷または疾患は、本明細書に記載の方法による治療のための神経学的状態である。
【0158】
グルタミン酸作動性ニューロンの損失もしくは阻害、および/またはグルタミン酸作動性ニューロン機能の損失もしくは阻害をもたらす損傷または疾患は、本明細書に記載されるように治療され得る神経学的状態である。GABA作動性、コリン作動性、ドーパミン作動性、ノルエピネフリン作動性、またはセロトニン作動性ニューロンなどの他の型のニューロンの喪失または阻害は、同様の方法で治療され得る。
【0159】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、治療される神経学的状態の症状または徴候を緩和、改善、または予防するのに有効な本発明の組成物の量を意味することを意図している。特定の実施形態では、治療有効量は、神経学的状態の徴候および/または症状を有する対象において有益な効果を有する量である。
【0160】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療」、「治療すること」、「NeuroD1治療」、ならびに「NeuroD1およびDlx2治療」という用語、または文法的同等物は、神経学的状態、神経学的状態の症状または徴候を緩和、阻害または改善すること、および神経学的状態の症状または徴候を予防することを指し、治療的処置および/または予防的処置を含むが、これらに限定されない。
【0161】
神経学的状態の徴候および症状は、かかる徴候および症状の検出および評価方法とともに当技術分野で周知である。
【0162】
いくつかの場合では、対象の神経学的状態のための療法の組み合わせを施すことができる。
【0163】
特定の態様によれば、それを必要とする個々の対象におけるCNSにおける正常な血流の途絶の影響を治療するために、対象に投与される追加の薬剤または治療的処置には、血栓の除去、血流の促進、1つ以上の抗炎症剤の投与、1つ以上の抗酸化剤の投与、および興奮毒性を低減するのに有効な1つ以上の薬剤の投与などの治療が含まれるが、これらに限定されない。
【0164】
「対象」という用語は、ヒトを指し、非ヒト霊長類、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウシ、ブタならびにマウスおよびラットを含むがこれらに限定されないげっ歯類などであるがこれらに限定されない非ヒト哺乳動物、ならびに鳥類、家禽、爬虫類、両生類などであるがこれらに限定されない非哺乳類動物も指す。
【0165】
本発明の組成物および方法の実施形態は、以下の実施例において例示される。これらの実施例は、例示目的で提供されており、本発明の組成物および方法の範囲に対する限定とは見なされない。
【実施例
【0166】
材料および方法
動物の使用
GAD-GFPマウス(Tg[Gad1-EGFP]94Agmo/J)および野生型C57BL/6マウスをJackson Laboratoryから購入し、社内で繁殖させた。2~4ヶ月齢のマウス(雄および雌の両方)を使用した。マウスを12時間の明/暗サイクルで飼育し、十分な食物および水を供給した。すべての動物使用および研究は、Pennsylvania State UniversityのInstitutional Animal Care and Use Committee(IACUC)によって承認された。すべての手順は、National Institute of Health(NIH)の承認されたプロトコルおよび指針に従って実施された。
【0167】
レトロウイルスおよびAAVの産生
CAGプロモーター(pCAG)下でGFPおよびNeuroD1-GFPを発現するレトロウイルスベクターを以前に記載した(Guo et al.,Cell Stem Cell,14:188-202(2014))。レトロウイルスパッケージング、精製、および力価化を、前述のように行った(Guo et al.,Cell Stem Cell,14:188-202(2014))。AAV媒介遺伝子発現のために、Cre-Flex系を、ヒトGFAP(hGFAP)プロモーターを使用して、反応性星状細胞に特異的な標的導入遺伝子発現に適用した。pAAV-hGFAP::Creベクターを生成するために、まず、hGFAPプロモーターをPCRによってpDRIVE-hGFAPプラスミド(InvivoGen)から増幅し、pAAV-MCS(Cell Biolab)のMluI部位とSacII部位との間に挿入して、CMVプロモーターを置き換えた。次いで、Cre遺伝子コード断片を同様にphGFAP-Cre(Addgeneプラスミド#40591)からサブクローニングし、pAA VMCSのEcoRI部位とSalI部位との間に挿入した。導入遺伝子を発現するpAAV-FLEXベクターを構築するために、NeuroD1、mCherryまたはGFPのコード配列を、対応するレトロウイルス構築物からのPCRによって増幅した。NeuroD1断片をP2A-mCherryまたはP2A-GFPのいずれかと融合させ、pAAV-FLEX-GFPベクター(Addgeneプラスミド#28304)のKpnI部位とXhoI部位との間にサブクローニングした。すべてのプラスミド構築物を、配列決定によって確認した。AAV-CamKII-GFPプラスミドをAddgene(#64545)から購入した。AAV産生のために、HEK293T細胞を、pAAV発現ベクター、pAAV9-RCベクター(Cell Biolab)、およびpHelperベクター(Cell Biolab)でトランスフェクションし、導入遺伝子を担持するAAV粒子を産生した。トランスフェクションの3日後、細胞を培地中で削り取り、遠心分離した。次いで、上清を廃棄し、細胞ペレットを4回凍結融解し、不連続なイオジキサノール勾配で再懸濁させ、54,000rpmで2時間遠心分離した。最後に、ウイルス含有層を抽出し、Millipore Amicon Ultra Centrifugal Filtersを使用してウイルスを濃縮した。ウイルス力価を、QuickTiter(商標)AAV Quantitation Kit(Cell Biolabs)を使用して決定し、次いで注射用に1×1010ゲノムコピー(GC)/mLの最終濃度まで希釈した。
【0168】
椎弓切除術、損傷、および定位ウイルス注射
マウスを、ケタミン/キシラジン(80~120mg/kgのケタミン、10~16mg/kgのキシラジン)の腹腔内注射によって麻酔した。その後、T11~T12椎骨で椎弓切除術を実施して、脊髄の背面表面を露出させ、刺損傷または挫傷損傷を実施した。刺損傷は、露出した表面の中心で、0.4mmの深さで中心動脈の0.4mmの外側で、31ゲージの針を用いて実施され、挫傷損傷は、露出した表面の中心で直接Infinite Horizon Impactor(IH-0400、Precision Systems and Instrumentation)を用いて45kdynの力で生成された。損傷の直後または指定された遅延のいずれかで、1.0μLの濃縮されたウイルスを、0.05μL/分の速度で、34ゲージの注射針を備える50μLのハミルトンシリンジを使用して、刺損傷については同じ座標で、または挫傷損傷に対しては1mm離れた座標で注射した。次いで、注射後、針を所定の位置に3分間保持し、引き抜き中にウイルスを引き抜くことを防止した。次いで、抗生物質軟膏で手術区域を処置し、皮膚を1週間クリップして、皮膚を再縫合した。マウスを加熱パッド上に保持し、手術当日に皮下注射(5mg/kg)、および手術後3日間、飲料水(10mg/kg)を介して痛みを緩和するためにカルプロフェンで処置し、より健康を完全に回復させるために1週間緊密に監視した。
【0169】
電気生理学
2.5%アベルチンによる麻酔および断頭によって、規定された時点でマウスを屠殺した。次に、脊髄セグメントを脊椎から氷上の切断溶液(125mMのNaCl、2.5mMのKCl、1.3のMgSO、26mMのNaHCO、1.25mMのNaHPO、2.0mMのCaClおよび10mMのグルコースはpH7.4および295mOsm/Lに調整され、95%のO/5%のCOで1時間バブリングされた)に移し、アガロースマトリックス(Sigma)に封入し、VT3000バイブラトーム(Leica)を使用して300μmの厚さのスライスに切断した。次いで、スライスを保持溶液(92mMのNaCl、2.5mMのKCl、1.25mMのNaHPO、30mMのNaHCO、20mMのHEPES、15mMのグルコース、12mMのN-アセチル-L-システイン、5mMのアスコルビン酸ナトリウム、2mMのチオ尿素、3mMのピルビン酸ナトリウム、2mMのMgSO、および2mMのCaCl、pH7.4および295mOsm/Lに調整され、95%のO/5%のCOで連続的にバブリングされた)中で室温で1時間インキュベーションした後、標準ACSF(125mMのNaCl、2.5mMのKCl、1.25mMのNaHPO、26mMのNaHCO、1.3mMのMgSO、2.5mMのCaCl、および10mMのグルコースをpH7.4および295mOsm/Lに調整し、95%のO/5%のCOで1時間バブリングした)中でパッチクランプ記録した。天然および変換された細胞の両方を、膜電位が-70mVで保持された標準的な内部溶液(135mMのK-グルコネート、10mMのKCl、5mMのナホスホクレアチン、10mMのHEPES、2mMのEGTA、4mMのMgATP、および0.5mMのNaGTP、pH7.4および295mOsm/Lに調整された)を使用して、全細胞記録によって記録した。ピペットおよび総直列抵抗についての典型的な値は、それぞれ2~10MΩおよび20~60MΩであった。10kHzでサンプリングし、1kHzでフィルタリングすることによって、pClamp9ソフトウェア(Molecular Devices)を使用してデータを収集した。次いで、データを分析し、Clampfit9.0ソフトウェア(Molecular Devices)でプロットした。
【0170】
免疫組織化学、免疫細胞化学、および顕微鏡法
灌流後、脊髄の標的領域(長さ約0.5cm)を外科的に解離し、PBS中4%のパラホルムアルデヒド(PFA)中で1日間固定し、30%のスクロース溶液中で1日間脱水し、Leica CM1950クライオスタットを使用して30μmの冠状または水平スライスに切片化した。スライスは、損傷部位からの距離が後で確認できるように、24ウェルプレート中に連続的に収集された。次いで、試料をPBS中0.02%のアジ化ナトリウム(NaN)中で4℃で保存して、細菌分解を防止した。蛍光顕微鏡下で貯蔵溶液中のレポータータンパク質(mCherryまたはGFP)を検査することにより、後角の感染に基づく免疫組織化学のために脊髄スライスを選択した。刺損傷実験の場合では、組織の完全性を確保するために、損傷部位から少なくとも100μm離れた冠状スライスを選択するように注意した。染色の初日に、試料を、1回の洗浄当たり5分間、PBS中で3回洗浄し、PBS中2%のTritonX-100で、20分間、透過させ、PBS中5%の正常ロバ血清(NDS)および0.1%のTriton-Xを使用して、2時間ブロッキングし、抗体の非特異的結合を低減させた。次いで、試料を、4℃で、同じブロッキング緩衝液中に希釈した一次抗体で二晩インキュベーションし、抗体の完全に浸透させた。3日目に、試料を室温に戻し、1回の洗浄当たり5分間、PBS中で3回洗浄し、ブロッキング緩衝液中に希釈した二次抗体で1時間インキュベーションした。最後に、試料を、1回の洗浄当たり10分間、PBS中で3回洗浄し、退色防止封入溶液(Invitrogen)を使用して、カバースリップを備えるガラススライド上に封入した。免疫染色した試料を検査し、Olympu FV1200およびZeiss LSM800レーザー共焦点顕微鏡を使用して撮像した。試料の全厚さについてのインビボ画像のためにZスタックを収集し、最大強度およびZスタック投影を、画像調製および分析に使用した。
【0171】
定量およびデータ分析
上記の慎重に選択された注射座標の結果として、感染した細胞は、脊髄の後角、レクセド層1~6((Rexed,J.Comp.Neurol.,100:297-379(1954))において大部分に見出された。細胞変換およびNeuN取得を含む定量化の大部分について、細胞がこの領域の任意の部分に現れた場合、細胞の数を数えた。細胞亜型(図3および4)に基づく定量化のために、細胞は、小さな興奮性介在ニューロンによって支配され、その高い細胞密度により容易に区切られる領域である実体ゼラチン質を中心としたレクセド層1~3に現れた場合にのみ、数を数えた(Santos et al.,J.Physiol.,581:241-254(2007))。この領域は、区切りが容易であり、ニューロン亜型の一貫した局所集団が試料ごとに予測され得るように選択された。ガイドとしてのZスタックされた画像および層状スタックを使用して収集された画像に対して定量化を実施し、垂直方向の寸法を確認した。陽性シグナルの厳密なバックグラウンドカットオフを、関連組織および抗体の平均バックグラウンド強度の3倍として各チャネルについて計算した。感染した細胞を同定するためにウイルスフルオロフォア(mCherryまたはGFP)を、数を数えるための各細胞を確認するためにDAPIを使用し、問題の各マーカーの存在(すなわち、バックグラウンドカットオフより上)または非存在(すなわち、バックグラウンドカットオフより下)によって細胞をビニングした。発明者らの挫傷実験について感染当たりの変換されたニューロンの総数を推定するために、1個の背側、1個の中央、および1個の腹側切片から計算された水平切片当たりのNeuN+の感染した細胞の平均数に、試料当たりの水平切片の総数を掛けた。すべての定量化は、データポイントごとに3つの生物学的複製に対して実施され、3つの複製の平均および標準偏差として報告される。
【0172】
実施例1-NeuroD1は、損傷された脊髄において反応性星状細胞をニューロンにリプログラミングする
SCIは何十年間も研究されているが、SCI患者を治療するための療法はまだ限られている。軸索変性に加えて、SCIに続くニューロン損失は、機能回復のための主要な障害である。以前に、脳損傷後の反応性星状細胞においてNeuroD1を発現することは、星状細胞をニューロンに直接変換することができることを実証した(Guo et al.,Cell Stem Cell,14:188-202(2014))。本研究では、かかるインビボ直接変換技術を使用して、損傷した脊髄における機能的な新たなニューロンを再生することができるかどうかを調査した。損傷後の分裂反応性星状細胞を標的とするために、主に分裂細胞において異所性遺伝子を発現するが、分裂できないニューロンにおいては発現しないレトロウイルスを用いた。多くの分裂反応性星状細胞が検出された刺損傷の4日後(dpi)(Chen et al.,J.Neurosci.,28:10983-10989(2008)、およびHong et al.,Glia,62:2044-2060(2014))にNeuroD1発現レトロウイルスを注射し、注射の1週間後、3週間後、および6週間後(wpi)に試料を分析した(図1A)。本研究では、脊髄の後角は、興奮性ニューロンおよび阻害性ニューロンの両方で構成されており、求心性の感覚情報処理に重要であるため、主要な目的の領域として選択した(図1B)。脊髄の前角における運動ニューロンの再生を別々に研究した。まず、発明者らの対照CAG::GFPレトロウイルスによって感染した細胞型を探索した。1wpiにおいて、対照GFPレトロウイルスは、反応性星状細胞(GFAP+およびいくつかのGFAP+/Olig2+)、乏突起膠細胞前駆細胞(OPC)(Olig2+)、およびミクログリア(Iba1+)を含むグリア細胞型の混合物に感染した(図1Cおよび1D)が、NeuN+ニューロンには感染しなかった(図1D)ことが見出された。対照的に、CAG::NeuroD1-GFPレトロウイルスによって感染した細胞は、ニューロン形態を有するNeuN+細胞の数が経時的に増加することを示し(図1E)、6wpiで高効率である93.5%に定量的に到達し(図1F)、損傷した脊髄における成功裏なグリアからニューロンへの変換を示した。
【0173】
レトロウイルスは反応性グリア細胞を標的にすることができるが、ウイルス感染時の分裂グリア細胞の数は制限され得る。導入遺伝子発現が星状細胞特異的GFAPプロモーターによって制御されるAAV遺伝子送達系を採用した(図2A)。具体的には、2つのAAVベクターを含有するCre-Flex遺伝子発現系を使用し、一方はGFAP-Creをコードし、他方は二重LoxP部位に隣接する逆の形態で導入遺伝子をコードした(FLEXベクター)(Atasoy et al.,J.Neurosci.,28:7025-7030(2008)、Chen et al.,BioRxiv,Apr.4,2018、doi:http://dx.doi.org/10.1101/294967)、およびLiu et al.,J.Neurosci.,35:9336-9355(2015))。したがって、2つのAAVを脊髄に共注射する場合、Cre組換え酵素は、感染した反応性星状細胞において発現され、導入遺伝子配列を転写のための正しい形態にフリップさせることによって、FLEXベクターにおける導入遺伝子発現をオンにする(図2B)。まず、AAV GFAP::CreおよびAAV FLEXCAG::mCherry(または::GFP)を刺損傷した後角内に共注射することによって、脊髄におけるCre-Flex AAV系の特異性を確認した。対照のウイルス感染した細胞は、4wpiで、大部分がGFAP+、NeuN-星状細胞であった(図2C)。次に、AAV FLEX-CAG::NeuroD1-P2A-mCherryとともにAAV GFAP::Creを刺損傷した後角に共注射した。対照AAVとは対照的に、NeuroD1-mCherry感染した細胞は、4wpiで、大部分が明確なニューロン形態を有するNeuN+/GFAP-ニューロンであった(図2D)。感染した細胞におけるNeuroD1の過剰発現を、免疫染色によって確認した(図8)。興味深いことに、NeuN+/GFAP変換されたニューロンに加えて、2wpiでGFAP+およびNeuN+の両方の共免疫染色を伴う多くのNeuroD1-AAV感染した細胞を観察し(図2E)、星状細胞-ニューロン変換の間の潜在的な中間段階を示唆した。星状細胞におけるNeuroD1発現によって誘導されたこれらのGFAP+/NeuN+細胞を、「AtN遷移細胞」と称した。損傷後の対照mCherry感染脊髄において、かかる遷移細胞は観察されず、AtN変換は神経損傷後には起こらないが、NeuroD1などの転写因子の異所性発現によって誘導され得ることが示唆された。定量分析は、対照のAAV感染した細胞が、8wpiまでGFAP+星状細胞が大部分であることを明らかにした(図2F、左バー)が、NeuroD1 AAV感染した細胞は、ニューロンのパーセンテージが2~8wpiで漸進的に増加し(NeuN+/GFAP-、図2Fの右バー)、8wpiで約95%に達したことを示した(図2F、最右バー)。2wpiにおいて、NeuroD1感染した細胞の60%超が、GFAP+/NeuN+遷移細胞(図2Fの中央バー)であり、これは、NeuroD1感染した細胞集団中のGFAP+星状細胞(図2Fの左バー)の減少とともに、4wpiおよび8wpiにおいて徐々に減少した。さらなる分析は、遷移細胞も変換されたニューロンも、顕著な細胞死を示さないことを示し、アポトーシスが、NeuroD1媒介の細胞変換プロセス中に顕著な役割を果たさないことを示唆した(図9)。Ngn2媒介またはAscl1媒介のAtN変換(Gascon et al.,Cell Stem Cell,18:396-409(2016))と比較すると、NeuroD1媒介の変換プロセス中に、アポトーシスの検出がより少なく、これは、異なる転写因子が異なるシグナル伝達経路および代謝経路を介して作用して細胞変換を行うことを示唆する可能性がある。
【0174】
実施例2-NeuroD1は、背側脊髄の星状細胞をTlx3+グルタミン酸作動性ニューロンに変換する
脊髄における星状細胞からニューロンへの変換を実証した後、次に、どの亜型のニューロンがNeuroD1媒介の変換を介して生成されたかを調査した。脊髄の後角は、2つの主要なニューロン亜型:グルタミン酸作動性およびGABA作動性ニューロンを含有する(Abraira and Ginty,Neuron,79:618-639(2013)。脊髄の発達の間、2つの転写因子、Tlx3およびPax2は、後角における細胞の運命の仕様を決定するのに役割を果たしているようである(Cheng et al.,Nature Neurosci.,8:1510-1515(2005)、およびHuang et al.,Dev.Biol.,322:394-405(2008))。興味深いことに、8wpiに後角におけるAAV NeuroD1-GFP感染した細胞を調べることにより、NeuroD1変換されたニューロンの大部分がTlx3+(62.6±3.3%)であることを見出し、大部分のグルタミン酸作動性ニューロン亜型を示唆した(図3A)。対照的に、後角におけるNeuroD1変換されたニューロンの僅かなパーセンテージが、Pax2+(8.8±1.3%)であり、少数のGABA作動性ニューロン亜型を示唆した(図3A)。AAVは、僅かな割合のニューロン(図2F、対照)に感染する可能性があるため、さらに、6wpiで後角におけるレトロウイルスNeuroD1-GFP感染した細胞を検査し、発明者らのAAV実験と同様に、レトロウイルスNeuroD1変換されたニューロンが主にTlx3+であることを見出した(図3B)。対照として、未損傷および未治療のマウスの脊髄の後角におけるTlx3+およびPax2+ニューロンの割合を定量化し、Tlx3+およびPax2+細胞の天然の割合が、それぞれ62.0±6.4%および14.2±2.0%であることを見出した(図3C、左の2つのバー)。比較すると、AAV NeuroD1変換されたニューロン中のTlx3+およびPax2+ニューロンの割合は、それぞれ、62.6±3.3%および8.8±1.3%であり(図3C、中央の2つのバー)、レトロウイルスNeuroD1変換されたニューロン中のTlx3+およびPax2+ニューロンの割合は、50.3±17.0%および16.4±4.3%であった(図3C、右の2つのバー)。これらの結果は、脊髄の後角におけるNeuroD1変換されたニューロンの大部分がTlx3+ニューロンであり、僅かな割合がPax2+ニューロンであることを示唆している。
【0175】
グルタミン酸作動性ニューロンを同定するためにAAV CaMKII-GFPを使用し、GABA作動性ニューロンを同定するためにGAD-GFPトランスジェニックマウスを使用して、NeuroD1変換後のニューロン亜型をさらに確認した。AAV GFAP::CreおよびFlex-NeuroD1-mCherryをAAV CaMKII::GFPとともに共注射した場合(Dittgen et al.,PNAS,101:18206-18211(2004))、Tlx3+を共発現するGFP+細胞を89.5±5.2%(n=3)観察し、これらのTlx3+ニューロンが実際にグルタミン酸作動性であることを確認した(図3D)。多くのNeuroD1-mCherry変換されたニューロンもCaMKII-GFPと共局在し(図3D)、それらがグルタミン酸作動性ニューロンであることを示唆した。GABA作動性ニューロンがGFPで遺伝的に標識されているGAD-GFPマウス(n=3)にAAV GFAP::CreおよびFlex-NeuroD1-mCherryを注射する場合、Tlx3+とのGAD-GFPの共発現は、予想されるようには観察されなかった。実際には、CaMKIIおよびGADマーカーは、内因性Tlx3+およびPax2+ニューロンとも同様に一致して共染色され、これは、未損傷の未処置マウスにおける脊髄の後角において観察された(図10)。したがって、脊髄の後角におけるNeuroD1変換されたニューロンの大部分は、マウス皮質における発明者らの発見(Chen et al.,BioRxiv,Apr.4,2018;doi:http://dx.doi.org/10.1101/294967)と一致するグルタミン酸作動性ニューロンである。
【0176】
実施例3-NeuroD1変換されたニューロンは、領域特異的ニューロン亜型マーカーを発現する
NeuroD1変換されたニューロンは、マウス皮質および脊髄の両方において主にグルタミン酸作動性ニューロンであるようであるが、さらに、それらが同じ型のグルタミン酸作動性ニューロンであるかどうかを調査した。この目的のために、同じAAV GFAP::CreおよびAAV FLEX-NeuroD1-mCherryをマウスM1運動皮質内および脊髄内に注射し、次いで、4wpiに皮質ニューロンマーカー(FoxG1およびTbr1)および脊髄ニューロンマーカー(Tlx3およびPax2)の両方を使用して連続免疫染色を実施した(図4)。NeuroD1感染した細胞の大部分は、4wpiで脳および脊髄の両方においてニューロンに変換された(図4Aおよび4C)。顕著なことに、脊髄に対して脳におけるNeuroD1媒介の変換から生じるニューロン亜型を並べて比較したところ、明確なパターンが現れた。マウス皮質における変換されたニューロンは、FoxG1(66.1±14.3%)およびTbr1(17.1±1.9%)などの皮質ニューロンマーカーを獲得したが、Tlx3(0%)またはPax2(0%)などの脊髄ニューロンマーカーは獲得しなかった(図4Aおよび4B)。対照的に、脊髄における変換されたニューロンは、脊髄ニューロンマーカーのTlx3(46.4±2.2%)およびPax2(4.2±0.3%)を獲得したが、皮質ニューロンマーカーのFoxG1(0%)またはTbr1(0.6±0.5%)は獲得しなかった(図4Cおよび4D)。形態学的に、脳における変換されたニューロンは、より大きな細胞体を有する皮質錐体ニューロンに似ており(図4A)、脊髄におけるものは、より小さな細胞体を有する後角介在ニューロンに似ていた(図4C)。皮質における変換されたニューロン中のTbr1+細胞の割合の相対的な低さは、新たに変換されたニューロンが、4wpiでは十分に成熟しておらず、それらのニューロン同一性を完全に獲得するのにより長い時間を要する可能性があることを示唆する。脊髄に対して脳における同じ転写因子による変換後のニューロン同一性のこれらの明確な違いは、グリア細胞系統、ここでは皮質系統対脊髄系統、および局所環境が、変換されたニューロンの結果として生じる亜型に重要な影響を及ぼす可能性があることを示唆している。
【0177】
実施例4-NeuroD1変換されたニューロンは、生理学的に機能している
NeuroD1変換されたニューロンの機能および回路統合を試験するために、8~10wpiで屠殺されたマウス由来の脊髄スライス上の天然ニューロンおよび変換されたニューロンのパッチクランプ電気生理学的記録を実施した(図5A)。変換されたニューロンは、反復活動電位を生成し(図5B)、大きなNa+およびK+電流を示し得る(図5C)。さらに、NeuroD1変換されたニューロンから堅牢な自発的EPSCを検出した(図5D)。定量的に、NeuroD1変換されたニューロンが、隣接する天然ニューロンと同様のレベルのNa+電流(図5E)および自発的EPSCを示したことを見出した(図5F)。SV2およびVGlut1/VGlut2を含む一連のシナプスマーカーでの免疫染色により、NeuroD1変換されたニューロンが多数のシナプス点に囲まれており、それらの多くがニューロン細胞体および樹状突起を直接支配していることがさらに確認された(図5Gおよび5H、シアン色および黄色の点)。最後に、機能的タスク中にニューロン活性によって典型的に活性化される前早期遺伝子であるcFosは、NeuroD1変換されたニューロンのうちのいくつかにおいて明らかに検出され、それらが局所脊髄回路において機能的に活性であることを示した(図5I)。これらの結果は、NeuroD1が、損傷された脊髄の後角において反応性星状細胞を機能的ニューロンにリプログラミングすることができることを実証している。
【0178】
実施例5-挫傷性SCIモデルにおけるNeuroD1媒介の細胞変換
臨床的状況により近づけるために、挫傷性SCIモデルにおけるNeuroD1媒介のニューロン変換を評価した。刺損傷と比較して、挫傷性損傷(例えば、ピストン駆動の金属棒を使用して区域を打撃することによって生じる挫傷性損傷)は、はるかに重度の損傷環境を作り出し、それはニューロン変換の効率および変換されたニューロンの生存に影響を与える可能性がある。したがって、挫傷性SCIの後に発明者らのAAV GFAP::CreおよびFlex-NeuroD1-GFP系を試験するための2つの実験を実施した。1つは、急性損傷に対する応答としての発明者らの処置を試験するための短い遅延の注射(図6)、および1つは、慢性損傷に対する応答としての発明者らの処置を試験するための長い遅延の注射(図7)。短い遅延の実験の利点は、反応性星状細胞の損傷後増殖を利用することによって感染率を最大化することであり、長い遅延の実験の利点は、損傷誘導性神経炎症を次第に下げ、挫傷損傷の二次的な影響を最小限に抑えることによって、変換後のニューロンの生存を最大化することである。短い遅延の実験では、ウイルス注射は、挫傷性損傷の10日後に行われ、組織は、ウイルス感染の6週間後に収集された(図6A)。損傷コアを回避するために、挫傷部位から1mm離れてウイルス注射を実施した(図6B)。損傷コアは、挫傷後に明らかであり、NeuN+ニューロン細胞体の喪失によって特徴付けられる(図6C、*で標識される)。挫傷の10日後のウイルス注射は、対照GFP群およびNeuroD1-GFP群の両方において損傷コアにお周りを囲む多くのGFP+細胞をもたらし(図6C)、挫傷性SCIモデルにおける良好な感染率およびAAV感染した細胞の生存を示した。一方、AAV NeuroD1-GFP感染した細胞は、対照GFP群と劇的な形態学的差異を示した(図6C)。図6Cの拡大画像に示されるように、対照群におけるGFP感染した細胞は、典型的な星状細胞形態を示し、GFAPシグナル(マゼンタ色に染色)との共局在を示したが、ニューロンマーカーのNeuN(赤色に染色)とのどんな共局在も示すことはほとんどなかった。対照的に、NeuroD1-GFP感染した細胞は、多くの場合、NeuNと共局在化したが、GFAPと共局在化することはほとんどなく(図6C)、ニューロンの変換に成功したことを示した。定量的に、変換されたニューロンの総数を数え、病変コア区域の周りを囲む約2,600個の細胞であった(図6D)。NeuN免疫反応性によって測定した短い遅延の実験におけるNeuroD1媒介のニューロン変換の効率は約55%であった(図6E)が、残りの細胞は大部分がGFAP+であった(図6F)。対照的に、GFP感染した細胞は、大部分がGFAP+星状細胞であり、NeuN+ニューロンはほとんどなかった(GFP群では、NeuN+が3.9%のみであった)(図6Eおよび6F)。
【0179】
発明者らの長い遅延の実験では、挫傷後にグリア瘢痕が良好に形成されている挫傷性損傷の4ヶ月後にウイルス注射を実施し、ウイルス感染の10週間後に組織を収集した(図7A)。図7Bは、GFP、NeuN、およびGFAPの免疫染色を伴う脊髄の全体的な形態を示す。短い遅延の実験と同様に、病変コア(*で標識)もNeuN+ニューロンを欠いていた。対照のAAV GFP単独群では、ウイルス感染した細胞は主にS100b+星状細胞であった(図7C)が、どんなNeuN+シグナルも示すことはほとんどなかった(図7D、上段)。対照的に、NeuroD1-GFP感染した細胞の大部分は、NeuN+ニューロンに変換された(図7D、下段、図7Eにおいて定量化)。NeuroD1媒介の変換効率は>95%と非常に高い効率に達した(図7E)。免疫染色により、NeuroD1-GFP感染した細胞におけるNeuroD1の過剰発現を確認した(図7F)。さらに、10wpiでのNeuroD1変換されたニューロンは、多くのシナプス点(SV2)によって周りを囲まれ、それらのいくつかは、細胞体および樹状突起を直接支配している(図7G、黄色の点)。また、局所的な脊髄機能回路に統合されることができることを示すNeuroD1変換されたニューロン中のc-Fos+細胞を同定した(図7H)。最後に、10wpiでの挫傷性SCIモデルにおけるNeuroD1変換されたニューロンのうちのいくつかは、発明者らの刺損傷モデルと一致する、後角におけるTlx3の発現を介したグルタミン酸作動性亜型を示した(図7I)。総じて、これらの結果は、NeuroD1の過剰発現が、急性および慢性の両方の治療条件下で、挫傷性SCIの後に、反応性星状細胞を機能的ニューロンにリプログラミングすることができ、グリア瘢痕形成の後に、より高い変換効率が達成されることを示している。この臨床的に関連するモデルは、インビボでの細胞変換技術を使用してSCI後の機能改善をさらに試験するために、将来の研究で使用することができる。
【0180】
実施例6-星状細胞からニューロンへの変換
Mir124、NeuroD1、Isl1、Lhx3、Ngn2、またはそれらの組み合わせの核酸駆動発現をマウスの前角に導入し、星状細胞をニューロンへ変換することが見出され、変換されたニューロンのいくつかは、典型的な運動ニューロンマーカーであるChATの免疫染色陽性によって運動ニューロンの特性を示す(図11~16)。
【0181】
実施例7-NeuroD1およびDlx2媒介の細胞変換
以下を実施し、NeuroD1と他の転写因子とを組み合わせることにより、GABA作動性ニューロンの割合を増加させることが可能であるかどうかを調査した。1:1の比率のAAV5 FLEX-NeuroD1-mCherryおよびAAV5 FLEX-Dlx2-mCherryを、AAV5-GFAP-Creと組み合わせて(図26、n=3)注射に使用した。まず、ウイルス感染後の免疫染色で、NeuroD1およびDlx2の共発現を確認した(図26A)。免疫染色実験は、多くのNeuroD1+Dlx2変換されたニューロンがTlx3またはPax2ニューロンであることを実証した(図26B)。定量分析により、32.5±2.1%のNeuroD1+Dlx2変換されたニューロンがPax2ニューロンであったことが明らかになり(図26C)、NeuroD1単独で生成されたニューロンと比較して5倍の増加であった(6.3%、p=0.05、クラスカル・ウォリスH-検定)。NeuroD1+Dlx2によって生成されたTlx3ニューロンの割合は、56.2±3.4%であった(図26C)。NeuroD1+Dlx2変換されたニューロンのGABA作動性同一性を、さらにGAD-GFPマウスにおいて確認し、NeuroD1+Dlx2変換されたニューロンは、Pax2およびGAD-GFP+の両方で陽性であった(図26D、n=3、4wpi)。これらの結果は、脊髄の後角における新たに変換されたTlx3対Pax2ニューロンの比率が、NeuroD1およびDlx2転写因子の組み合わせを介して決定され得ることを実証している。
【0182】
実施例8-ALSの治療
ALSのマウスモデル(SOD1*G93A)を使用して、脊髄における運動ニューロンを再生し、ALSマウスにおける運動機能を回復するためにインビボの星状細胞からニューロンへの変換技術を使用して、遺伝子療法処置を調査した。
【0183】
対照実験として、AAV9-GFAP-Cre+AAV9-Flex-mCherryを使用して星状細胞に感染させた。AAV9-GFAP-Cre+AAV9-Flex-NeuroD1-mCherry、またはAAV9-GFAP-Cre+AAV9-Flex-NeuroD1-GFP+AAV9-Flex-Isl1-mCherry、またはAAV9-GFAP-Cre+AAV9-Flex-NeuroD1-GFP+AAV9-Flex-Lhx3-mCherryを用いて、脊髄内注射または髄腔内注射を介して、脊髄における星状細胞をニューロンに変換した。
【0184】
脊髄の前角にNeuroD1、またはNeuroD1+Isl1、またはNeuroD1+Lhx3を発現するAAV9の注射はすべて、ALSマウスにおいてChAT+運動ニューロンを生成したが、対照のmCherry単独のAAV感染した細胞は、星状細胞のままであった(図27~29)。
【0185】
NeuroD1+Isl1を発現するAAV9での処置もまた、Iba1およびCD11bシグナルの低減として示されるように、神経炎症を低減した(図30)。
【0186】
さらに、NeuroD1+Isl1を発現するAAV9での処置は、ALSマウスの体重、脚の伸張能力、吊り下げワイヤ持続時間、およびオープンフィールド可動性も部分的に救出した。キャットウォーク試験はさらに、NeuroD1+Isl1を発現するAAV9での処置が、ALSマウスにおける後足の足跡面積を増加させたことを見出した(図31~33)。図17~25も参照されたい。これらの結果は、少し多くの運動ニューロンが頸髄に現れたことを実証している。運動ニューロンは、対照群およびNeuroD1-Isl1-Lhx3(DIL)群の両方において、腰髄において深刻に変性した。Iba1シグナルは、対照群におけるより多くのミクログリアを明らかにし、CD31およびLy6C染色により、血管において大きな差はなかったことが明らかになった。また、マクロファージマーカーのCD11bを、NeuroD1+Isl1およびNeuroD1+Lhx3を含む因子の組み合わせで検査した。これらの組み合わせのうち、NeuroD1+Isl1は、NeuroD1+Lhx3群またはGFP対照群と比較して、CD11bシグナルのより大きな低減をもたらした。
【0187】
まとめると、これらの結果により、遺伝子療法処置が星状細胞をニューロンに著しく変換し得、再生された運動ニューロンがALSマウスの運動機能を改善し得ることが確認された。図17~25も参照されたい。
【0188】
動物の使用
この実施例では、B6.Cg-Tg(SOD1*G93A)dl1Gur/Jマウス(The Jackson Laboratory)をC57BL/6J雌(The Jackson Laboratory)と交配させ、純粋な背景のマウスを得た。マウスを離乳後(P21-27)にヒトSOD1に対するPCRにより遺伝子型決定し、変異のない同腹子を正常マウスとして使用した。マウスを12時間の明/暗サイクルで飼育し、十分な食物および水を供給した。
【0189】
椎弓切除術、損傷、および定位ウイルス注射
SOD1G93Aマウスを、ケタミン/キシラジン(80~120mg/kgのケタミン、10~16mg/kgのキシラジン)の腹腔内注射によって麻酔し、続いて背面の毛皮を刈り、定位的設定に配置した。保護の目的のために、人工眼用軟膏を塗布して眼をカバーした。次いで、T11~L1椎骨で椎弓切除術を実施し、脊髄を露出させた。1.0μLのAAV9-GFAP-Cre+AAV9-Flex-NeuroD1-mCherryまたはAAV9-GFAP-Cre+AAV9-Flex-mCherryを、0.05μL/分の速度で、34ゲージの注射針を備える50μLのハミルトン注射器を介して脊髄の前角内(0.9mmの深さで中心動脈に対して0.45mm外側)に注射した。注射後、針を所定の位置に3分間保持して、ウイルスを引き抜くことを防止し、次いで、ゆっくりと引き抜いた。次いで、手術区域を抗生物質軟膏で処置した。マウスを加熱パッド上に保持し、手術当日に皮下注射(5mg/kg)、および手術後3日間、飲料水(10mg/kg)を介して痛みを緩和するためにカルプロフェンで処置し、より健康を完全に回復させるために1週間緊密に監視した。
【0190】
髄腔内注射
髄腔内注射については、9週齢のマウスにイソフルランを使用して麻酔をした。10マイクロリットルのAAV-PHP.eB-GFAP-Cre+AAV-PHP.eB-Flex-TFs-GFP/mCherryまたは+AAV-PHP.eB-Flex-GFP/mCherryを、31ゲージ注射針を備える25μLのハミルトン注射器を使用して、マウス腰部の髄腔内に注射した。簡潔には、3%のイソフルランでマウスを麻酔し、針挿入中のバッターの可視化を容易にするために、尾の近くの動物の後端で2*2cmの毛皮を剃った。腹臥位での処置中、イソフルラン投与を継続するためにマウスを鼻円錐に置いて、イソフルランを1.5%に低減した。保護の目的のために、人工眼用軟膏を塗布して眼をカバーした。針を、L5およびL6の椎骨の溝の間に注意深く挿入し、腰椎槽への侵入に成功した兆候として、マウスの尾のフリックを観察した。尾のフリックが観察されると、シリンジは安定化され、注射をゆっくりと進行した。この注射を24時間ごとに2回繰り返して、ウイルスの最適量(マウス当たり総2×1010ゲノムコピーウイルス)を達成した。すべての注射は、一定の注射速度を達成するためにタイマーで行われ、2分で10mLを注射した。CSFおよびベクター漏出を最小限に抑えるため、1分後にシリンジを取り外した。マウスを同じ位置でさらに5分間維持した。手術後、動物をケージに収容し、エンドポイントまで食料および水に自由に摂取させた。
【0191】
体重
各マウスの体重は、70日目から126日目までの8週間、8日ごとに記録した。
【0192】
動物の行動
オープンフィールド試験
オープンフィールド試験は、不透明なオープンアクリルボックス(40×40×40cm)内で、明るく照らされた部屋で実施した。試験前にマウスを試験室で試験環境に1時間慣らした。各個々のマウスを、赤色光のある暗い部屋の箱の1つの隅に無作為に配置した。ビデオカメラは、マウスの水平移動を10分間記録した。移動距離の合計および移動時間は、Noldus EthoVision XTソフトウェアによって測定された。オープンフィールド装置を、各痕跡の間に70%エタノールで洗浄した。
【0193】
キャットウォークテスト
試験前にマウスを試験室で1時間慣らした。キャットウォークは、Noldus CatWalk XTシステムで実施した。各個々のマウスは、動きをギルドするために直線の通路の入り口に配置された。マウスは通路を自由に移動した。マウスが一定の速度で移動することは、成功した痕跡である。照らし出された足跡技術で3つの痕跡を記録した。足跡面積、振り速度、およびステップサイクルを、CatWalk XTソフトウェアによって測定した。キャットウォーク装置を、各痕跡の間に70%エタノールで洗浄した。
【0194】
ワイヤ吊り下げ試験
筋力を試験するため、ワイヤ吊り下げ試験を実施した。各個々のマウスをワイヤメッシュ上に置いた。マウスが動かなくなるまで、メッシュをそっと回転させた。マウスが柔らかい表面上に落下する時間を測定した。
【0195】
脚の伸張試験
エンドポイント(22週)で、各個々の体マウスを、レバーから尾によって約30秒間吊り下げさせた。ビデオカメラは脚の動きを記録した。脚の伸張頻度、距離、および動きの持続時間を測定した。
【0196】
実施例9-追加の実施形態
実施形態1.脊髄損傷(SCI)を有する哺乳動物を治療するための方法であって、上述の方法が、ニューロン分化1(NeuroD1)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、上述の哺乳動物に投与することを含む、方法。
【0197】
実施形態2.上述の哺乳動物が、ヒトである、実施形態1に記載の方法。
【0198】
実施形態3.脊髄損傷が、虚血性脳卒中;出血性脳卒中;身体的損傷;震盪;挫傷;爆発;浸潤;腫瘍;炎症;感染症;外傷性脊髄損傷;虚血性もしくは出血性脊髄症(脊髄梗塞);心停止もしくは重度の低血圧(ショック)によって引き起こされる全身性虚血;低酸素症、低血糖症もしくは貧血によって引き起こされる低酸素性虚血性脳症;感染性心内膜炎もしくは心房粘液腫によって引き起こされるCNS塞栓症;線維軟骨性塞栓性脊髄症;小児白血病によって引き起こされるCNS血栓症;ネフローゼ症候群(腎臓病)、慢性炎症性疾患、妊娠、エストロゲンベースの避妊薬の使用、髄膜炎、脱水症によって引き起こされる脳静脈洞血栓症;またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される状態に起因する、実施形態1に記載の方法。
【0199】
実施形態4.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを脊髄に送達することを含む、実施形態1に記載の方法。
【0200】
実施形態5.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、脊髄に送達することを含む、実施形態1に記載の方法。
【0201】
実施形態6.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、脊髄に送達することを含む、実施形態1に記載の方法。
【0202】
実施形態7.アデノ随伴ウイルスが、AAV.PHP.eBである、実施形態6に記載の方法。
【0203】
実施形態8.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号2またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号4またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号1またはその機能的断片、配列番号3またはその機能的断片、および配列番号2もしくは配列番号4またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0204】
実施形態9.上述の投与する工程が、脊髄への定位注射を含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0205】
実施形態10.上述の投与する工程が、静脈内注射または静脈内注入を含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0206】
実施形態11.脊髄損傷を有する哺乳動物を治療する方法であって、上述の方法が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含むアデノ随伴ウイルス粒子を含有する薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を、上述の哺乳動物の脊髄に投与することを含む、方法。
【0207】
実施形態12.薬学的組成物が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む、1010~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mLの担体の濃度でアデノ随伴ウイルスを含有する約1μL~約500μLの薬学的に許容される担体を含む、実施形態11に記載の方法。
【0208】
実施形態13.薬学的組成物が、約0.1μL/分~約5μL/分の制御された流速で上述の哺乳動物の脊髄に注射される、実施形態11または12に記載の方法。
【0209】
実施形態14.脊髄損傷を有する哺乳動物を治療するための方法であって、上述の方法が、mir124をコードする外因性核酸、ISL LIMホメオボックス1(Isl1)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、およびLIMホメオボックス3(Lhx3)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、上述の哺乳動物の脊髄に投与することを含む、方法。
【0210】
実施形態15.上述の哺乳動物が、ヒトである、実施形態14に記載の方法。
【0211】
実施形態16.上述の投与する工程が、(i)mir124をコードする核酸を含む発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクター、および(iii)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片Lhx3をコードする核酸を含む発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態14に記載の方法。
【0212】
実施形態17.上述の投与する工程が、(i)mir124をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、および(iii)Lhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態14に記載の方法。
【0213】
実施形態18.上述の投与する工程が、(i)mir124をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、および(iii)Lhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態14に記載の方法。
【0214】
実施形態19.上述の投与する工程が、mir124、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態14に記載の方法。
【0215】
実施形態20.上述の投与する工程が、mir124、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態14に記載の方法。
【0216】
実施形態21.上述の投与する工程が、mir124、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態14に記載の方法。
【0217】
実施形態22.上述の投与する工程が、ニューロゲニン2(Ngn2)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、mir218、およびNeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸のうちの1つ以上の治療有効な用量を、mir124、Isl1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片、またはLhx3ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片の任意の組み合わせと組み合わせて、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態14に記載の方法。
【0218】
実施形態23.アデノ随伴ウイルスが、AAV.PHP.eBである、実施形態18または21に記載の方法。
【0219】
実施形態24.筋萎縮性側索硬化症(ALS)を有する哺乳動物を治療するための方法であって、方法は、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、哺乳動物の中枢神経系に投与することを含む。
【0220】
実施形態25.上述の哺乳動物が、ヒトである、実施形態24に記載の方法。
【0221】
実施形態26.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを脳に送達することを含む、実施形態24に記載の方法。
【0222】
実施形態27.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、脳に送達することを含む、実施形態24に記載の方法。
【0223】
実施形態28.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、脳に送達することを含む、実施形態24に記載の方法。
【0224】
実施形態29.アデノ随伴ウイルスが、AAV.PHP.eBである、実施形態28に記載の方法。
【0225】
実施形態30.上述の投与する工程が、NeuroD1タンパク質をコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み、NeuroD1タンパク質をコードする核酸配列が、配列番号2またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号4またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号1またはその機能的断片、配列番号3またはその機能的断片、および配列番号2もしくは配列番号4またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む、実施形態24~29のいずれか1つに記載の方法。
【0226】
実施形態31.上述の投与する工程が、定位頭蓋内注射を含む、実施形態24~30のいずれか1つに記載の方法。
【0227】
実施形態32.上述の投与する工程が、2回以上の定位頭蓋内注射を含む、実施形態31に記載の方法。
【0228】
実施形態33.上述の投与する工程が、後眼窩注射を含む、実施形態24~30のいずれか1つに記載の方法。
【0229】
実施形態34.ALSを有する哺乳動物を治療する方法であって、上述の方法が、NeuroD1をコードする核酸を含むアデノ随伴ウイルス粒子を含有する薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を、上述の哺乳動物の中枢神経系に投与することを含む、方法。
【0230】
実施形態35.薬学的組成物が、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸を含む、1010~1014個のアデノ随伴ウイルス粒子/mlの担体の濃度でアデノ随伴ウイルスを含有する約1μL~約500μLの薬学的に許容される担体を含む、実施形態34に記載の方法。
【0231】
実施形態36.薬学的組成物が、約0.1μL/分~約5μL/分の制御された流速で上述の哺乳動物の中枢神経系に注射される、実施形態34または35に記載の方法。
【0232】
実施形態37.筋萎縮性側索硬化症(ALS)を有する哺乳動物を治療するための方法であって、上述の方法が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、上述の哺乳動物の中枢神経系に投与することを含む、方法。
【0233】
実施形態38.上述の哺乳動物が、ヒトである、実施形態37に記載の方法。
【0234】
実施形態39.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクター、および(iii)Lhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、上述の哺乳動物の中枢神経系に送達することを含む、実施形態37に記載の方法。
【0235】
実施形態40.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、および(iii)Lhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の中枢神経系に送達することを含む、実施形態37に記載の方法。
【0236】
実施形態41.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、および(iii)Lhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の中枢神経系に送達することを含む、実施形態37に記載の方法。
【0237】
実施形態42.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、上述の哺乳動物の中枢神経系に送達することを含む、実施形態37に記載の方法。
【0238】
実施形態43.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の中枢神経系に送達することを含む、実施形態37に記載の方法。
【0239】
実施形態44.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の中枢神経系に送達することを含む、実施形態37に記載の方法。
【0240】
実施形態45.上述の投与する工程が、Ngn2をコードする外因性核酸、mir218、およびmir124のうちの1つ以上の治療有効な用量を、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびLhx3ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片の任意の組み合わせと組み合わせて、上述の哺乳動物の中枢神経系に送達することを含む、実施形態37に記載の方法。
【0241】
実施形態46.アデノ随伴ウイルスが、AAV.PHP.eBである、実施形態41または44に記載の方法。
【0242】
実施形態47.SCIを有し、かつ(1)背側脊髄ニューロンを再生すること、(2)新たなグルタミン酸作動性ニューロンを生成すること、または(3)脊髄における循環を増加させることを必要とする哺乳動物内で、上述の(1)、(2)、または(3)を行うための方法であって、上述の方法が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、上述の哺乳動物に投与することを含み、(a)上述の脊髄ニューロンが再生されるか、(b)新たなグルタミン酸作動性ニューロンが生成されるか、または(c)脊髄循環が増加する、方法。
【0243】
実施形態48.上述の哺乳動物が、ヒトである、実施形態47に記載の方法。
【0244】
実施形態49.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを脊髄に送達することを含む、実施形態47に記載の方法。
【0245】
実施形態50.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、脊髄に送達することを含む、実施形態47に記載の方法。
【0246】
実施形態51.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、脊髄に送達することを含む、実施形態47に記載の方法。
【0247】
実施形態52.アデノ随伴ウイルスが、AAV.PHP.eBである、実施形態51に記載の方法。
【0248】
実施形態53.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号2またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号4またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号1またはその機能的断片、配列番号3またはその機能的断片、および配列番号2もしくは配列番号4またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む、実施形態47~52のいずれか1つに記載の方法。
【0249】
実施形態54.上述の投与する工程が、脊髄への定位注射を含む、実施形態47~53のいずれか1つに記載の方法。
【0250】
実施形態55.上述の投与する工程が、静脈内注射または静脈内注入を含む、実施形態47~54のいずれか1つに記載の方法。
【0251】
実施形態56.ALS疾患を有し、かつ(1)運動ニューロンを生成すること、(2)ミクログリアの数を低減させること、または(3)反応性星状細胞の数を低減させることを必要とする哺乳動物内で、上述の(1)、(2)、または(3)を行うための方法であって、上述の方法が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、上述の哺乳動物に投与することを含み、(a)上述の運動ニューロンが生成されるか、(b)ミクログリアの数が低減するか、または(c)反応性星状細胞の数が低減する、方法。
【0252】
実施形態57.上述の哺乳動物が、ヒトである、実施形態56に記載の方法。
【0253】
実施形態58.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを脊髄に送達することを含む、実施形態56に記載の方法。
【0254】
実施形態59.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、脊髄に送達することを含む、実施形態56に記載の方法。
【0255】
実施形態60.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、脊髄に送達することを含む、実施形態56に記載の方法。
【0256】
実施形態61.アデノ随伴ウイルスが、AAV.PHP.eBである、実施形態60に記載の方法。
【0257】
実施形態62.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号2またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号4またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号1またはその機能的断片、配列番号3またはその機能的断片、および配列番号2もしくは配列番号4またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む、実施形態56~61のいずれか1つに記載の方法。
【0258】
実施形態63.上述の投与する工程が、脊髄への定位注射を含む、実施形態56~62のいずれか1つに記載の方法。
【0259】
実施形態64.上述の投与する工程が、静脈内注射または静脈内注入を含む、実施形態56~63のいずれか1つに記載の方法。
【0260】
実施形態65.SCIを有し、かつ(1)背側脊髄ニューロンを再生すること、(2)新たなグルタミン酸作動性ニューロンを生成すること、または(3)脊髄における循環を増加させることを必要とする哺乳動物内で、上述の(1)、(2)、または(3)を行うための方法であって、上述の方法が、NeuroD1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、Isl1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、またはLhx3ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、上述の哺乳動物に投与することを含み、(a)上述の脊髄ニューロンが再生されるか、(b)新たなグルタミン酸作動性ニューロンが生成されるか、または(c)脊髄循環が増加する、方法。
【0261】
実施形態66.上述の哺乳動物が、ヒトである、実施形態65に記載の方法。
【0262】
実施形態67.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクター、または(iii)Lhx3ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、上述の哺乳動物の中枢神経系に送達することを含む、実施形態66に記載の方法。
【0263】
実施形態68.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、または(iii)Lhx3ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の中枢神経系に送達することを含む、実施形態66に記載の方法。
【0264】
実施形態69.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、(ii)Isl1ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、または(iii)Lhx3ポリペプチドもしくはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の中枢神経系に送達することを含む、実施形態66に記載の方法。
【0265】
実施形態70.アデノ随伴ウイルスが、AAV.PHP.eBである、実施形態69に記載の方法。
【0266】
実施形態71.上述の投与する工程が、脊髄への定位注射を含む、実施形態65~70のいずれか1つに記載の方法。
【0267】
実施形態72.上述の投与する工程が、静脈内注射または静脈内注入を含む、実施形態65~71のいずれか1つに記載の方法。
【0268】
実施形態73.脊髄損傷を有する哺乳動物を治療するための方法であって、上述の方法が、(a)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、および(b)ディスタルレスホメオボックス2(Dlx2)ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、上述の哺乳動物の脊髄に投与することを含む、方法。
【0269】
実施形態74.上述の哺乳動物が、ヒトである、実施形態73に記載の方法。
【0270】
実施形態75.上述の投与する工程が、(i)核酸NeuroD1ポリペプチドを含む発現ベクター、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態73に記載の方法。
【0271】
実施形態76.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態73に記載の方法。
【0272】
実施形態77.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態73に記載の方法。
【0273】
実施形態78.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびDlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態73に記載の方法。
【0274】
実施形態79.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびDlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態73に記載の方法。
【0275】
実施形態80.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびDlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態73に記載の方法。
【0276】
実施形態81.アデノ随伴ウイルスが、AAV.PHP.eBである、実施形態77または80に記載の方法。
【0277】
実施形態82.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号2またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号4またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号1またはその機能的断片、配列番号3またはその機能的断片、および配列番号2もしくは配列番号4またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む、実施形態73~81のいずれか1つに記載の方法。
【0278】
実施形態83.上述の投与する工程が、Dlx2ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み、Dlx2ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号11またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号13またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号10またはその機能的断片、配列番号12またはその機能的断片、および配列番号11もしくは配列番号13またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む、実施形態73~82のいずれか1つに記載の方法。
【0279】
実施形態84.SCIを有し、かつ(1)背側脊髄ニューロンを再生すること、(2)新たなニューロンを生成すること、または(3)脊髄における循環を増加させることを必要とする哺乳動物内で、上述の(1)、(2)、または(3)を行うための方法であって、上述の方法が、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を投与することを含み、(a)上述の脊髄ニューロンが再生されるか、(b)新たなグルタミン酸作動性ニューロンが生成されるか、または(c)脊髄循環が増加する、方法。
【0280】
実施形態85.上述の哺乳動物が、ヒトである、実施形態84に記載の方法。
【0281】
実施形態86.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクター、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、上述の哺乳動物の中枢神経系に送達することを含む、実施形態84に記載の方法。
【0282】
実施形態87.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の中枢神経系に送達することを含む、実施形態84に記載の方法。
【0283】
実施形態88.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、および(ii)Dlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の中枢神経系に送達することを含む、実施形態84に記載の方法。
【0284】
実施形態89.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびDlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態84に記載の方法。
【0285】
実施形態90.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびDlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態84に記載の方法。
【0286】
実施形態91.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびDlx2ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態84に記載の方法。
【0287】
実施形態92.アデノ随伴ウイルスが、AAV.PHP.eBである、実施形態88または91に記載の方法。
【0288】
実施形態93.上述の投与する工程が、脊髄への定位注射を含む、実施形態73~92のいずれか1つに記載の方法。
【0289】
実施形態94.上述の投与する工程が、静脈内注射または静脈内注入を含む、実施形態73~93のいずれか1つに記載の方法。
【0290】
実施形態95.上述の新たなニューロンが、グルタミン酸作動性ニューロンおよびGABA作動性ニューロンからなる群から選択される、実施形態84に記載の方法。
【0291】
実施形態96.上述の新たなニューロンが、グルタミン酸作動性ニューロンある、実施形態95に記載の方法。
【0292】
実施形態97.上述の新たなニューロンが、GABA作動性ニューロンである、実施形態95に記載の方法。
【0293】
実施形態98.アデノ随伴ウイルスが、AAV血清型5である、実施形態77または80に記載の方法。
【0294】
実施形態99.アデノ随伴ウイルスが、AAV血清型5である、実施形態88または91に記載の方法。
【0295】
実施形態100.ALSを有する哺乳動物を治療するための方法であって、上述の方法が、(a)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、および(b)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、上述の哺乳動物に投与することを含む、方法。
【0296】
実施形態101.上述の哺乳動物が、ヒトである、実施形態100に記載の方法。
【0297】
実施形態102.上述の投与する工程が、(i)核酸NeuroD1ポリペプチドを含む発現ベクター、および(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、上述の哺乳動物に送達することを含む、実施形態100に記載の方法。
【0298】
実施形態103.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、および(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物に送達することを含む、実施形態100に記載の方法。
【0299】
実施形態104.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、および(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態100に記載の方法。
【0300】
実施形態105.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびIsl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、上述の哺乳動物に送達することを含む、実施形態100に記載の方法。
【0301】
実施形態106.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびIsl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物に送達することを含む、実施形態100に記載の方法。
【0302】
実施形態107.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびIsl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物に送達することを含む、実施形態100に記載の方法。
【0303】
実施形態108.上述のアデノ随伴ウイルスが、AAV.PHP.eBである、実施形態104または107に記載の方法。
【0304】
実施形態109.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号2またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号4またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号1またはその機能的断片、配列番号3またはその機能的断片、および配列番号2もしくは配列番号4またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む、実施形態100~108のいずれか1つに記載の方法。
【0305】
実施形態110.上述の投与する工程が、Isl1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み、Isl1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号15またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号17またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号14またはその機能的断片、配列番号16またはその機能的断片、および配列番号15もしくは配列番号17またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む、実施形態100~109のいずれか1つに記載の方法。
【0306】
実施形態111.脊髄損傷を有する哺乳動物を治療するための方法であって、上述の方法が、(a)NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸、および(b)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする外因性核酸を含む組成物を、上述の哺乳動物の脊髄に投与することを含む、方法。
【0307】
実施形態112.上述の哺乳動物が、ヒトである、実施形態111に記載の方法。
【0308】
実施形態113.上述の投与する工程が、(i)核酸NeuroD1ポリペプチドを含む発現ベクター、および(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態111に記載の方法。
【0309】
実施形態114.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクター、および(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態111に記載の方法。
【0310】
実施形態115.上述の投与する工程が、(i)NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクター、および(ii)Isl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態111に記載の方法。
【0311】
実施形態116.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびIsl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態111に記載の方法。
【0312】
実施形態117.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびIsl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態111に記載の方法。
【0313】
実施形態118.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片、およびIsl1ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス発現ベクターを、上述の哺乳動物の脊髄に送達することを含む、実施形態111に記載の方法。
【0314】
実施形態119.アデノ随伴ウイルスが、AAV.PHP.eBである、実施形態115または118に記載の方法。
【0315】
実施形態120.上述の投与する工程が、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み、NeuroD1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号2またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号4またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号1またはその機能的断片、配列番号3またはその機能的断片、および配列番号2もしくは配列番号4またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む、実施形態111~119のいずれか1つに記載の方法。
【0316】
実施形態121.上述の投与する工程が、Isl1ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターを投与することを含み、上述のIsl1ポリペプチドをコードする核酸配列が、配列番号15またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号17またはその機能的断片をコードする核酸配列、配列番号14またはその機能的断片、配列番号16またはその機能的断片、および配列番号15もしくは配列番号17またはそれらの機能的断片と70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性を有するタンパク質をコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む、実施形態111~120のいずれか1つに記載の方法。
【0317】
配列
配列番号1-ヒトNeuroD1タンパク質をコードするヒトNeuroD1核酸配列-1071ヌクレオチド、終止コドンを含む
ATGACCAAATCGTACAGCGAGAGTGGGCTGATGGGCGAGCCTCAGCCCCAAGGTCCTCCAAGCTGGACAGACGAGTGTCTCAGTTCTCAGGACGAGGAGCACGAGGCAGACAAGAAGGAGGACGACCTCGAAGCCATGAACGCAGAGGAGGACTCACTGAGGAACGGGGGAGAGGAGGAGGACGAAGATGAGGACCTGGAAGAGGAGGAAGAAGAGGAAGAGGAGGATGACGATCAAAAGCCCAAGAGACGCGGCCCCAAAAAGAAGAAGATGACTAAGGCTCGCCTGGAGCGTTTTAAATTGAGACGCATGAAGGCTAACGCCCGGGAGCGGAACCGCATGCACGGACTGAACGCGGCGCTAGACAACCTGCGCAAGGTGGTGCCTTGCTATTCTAAGACGCAGAAGCTGTCCAAAATCGAGACTCTGCGCTTGGCCAAGAACTACATCTGGGCTCTGTCGGAGATCCTGCGCTCAGGCAAAAGCCCAGACCTGGTCTCCTTCGTTCAGACGCTTTGCAAGGGCTTATCCCAACCCACCACCAACCTGGTTGCGGGCTGCCTGCAACTCAATCCTCGGACTTTTCTGCCTGAGCAGAACCAGGACATGCCCCCCCACCTGCCGACGGCCAGCGCTTCCTTCCCTGTACACCCCTACTCCTACCAGTCGCCTGGGCTGCCCAGTCCGCCTTACGGTACCATGGACAGCTCCCATGTCTTCCACGTTAAGCCTCCGCCGCACGCCTACAGCGCAGCGCTGGAGCCCTTCTTTGAAAGCCCTCTGACTGATTGCACCAGCCCTTCCTTTGATGGACCCCTCAGCCCGCCGCTCAGCATCAATGGCAACTTCTCTTTCAAACACGAACCGTCCGCCGAGTTTGAGAAAAATTATGCCTTTACCATGCACTATCCTGCAGCGACACTGGCAGGGGCCCAAAGCCACGGATCAATCTTCTCAGGCACCGCTGCCCCTCGCTGCGAGATCCCCATAGACAATATTATGTCCTTCGATAGCCATTCACATCATGAGCGAGTCATGAGTGCCCAGCTCAATGCCATATTTCATGATTAG
【0318】
配列番号2-配列番号1によってコードされるヒトNeuroD1アミノ酸配列-356アミノ酸
MTKSYSESGLMGEPQPQGPPSWTDECLSSQDEEHEADKKEDDLEAMNAEEDSLRNGGEEEDEDEDLEEEEEEEEEDDDQKPKRRGPKKKKMTKARLERFKLRRMKANARERNRMHGLNAALDNLRKVVPCYSKTQKLSKIETLRLAKNYIWALSEILRSGKSPDLVSFVQTLCKGLSQPTTNLVAGCLQLNPRTFLPEQNQDMPPHLPTASASFPVHPYSYQSPGLPSPPYGTMDSSHVFHVKPPPHAYSAALEPFFESPLTDCTSPSFDGPLSPPLSINGNFSFKHEPSAEFEKNYAFTMHYPAATLAGAQSHGSIFSGTAAPRCEIPIDNIMSFDSHSHHERVMSAQLNAIFHD
【0319】
配列番号3-マウスNeuroD1タンパク質をコードするマウスNeuroD1核酸配列-1074ヌクレオチド、終止コドンを含む
ATGACCAAATCATACAGCGAGAGCGGGCTGATGGGCGAGCCTCAGCCCCAAGGTCCCCCAAGCTGGACAGATGAGTGTCTCAGTTCTCAGGACGAGGAACACGAGGCAGACAAGAAAGAGGACGAGCTTGAAGCCATGAATGCAGAGGAGGACTCTCTGAGAAACGGGGGAGAGGAGGAGGAGGAAGATGAGGATCTAGAGGAAGAGGAGGAAGAAGAAGAGGAGGAGGAGGATCAAAAGCCCAAGAGACGGGGTCCCAAAAAGAAAAAGATGACCAAGGCGCGCCTAGAACGTTTTAAATTAAGGCGCATGAAGGCCAACGCCCGCGAGCGGAACCGCATGCACGGGCTGAACGCGGCGCTGGACAACCTGCGCAAGGTGGTACCTTGCTACTCCAAGACCCAGAAACTGTCTAAAATAGAGACACTGCGCTTGGCCAAGAACTACATCTGGGCTCTGTCAGAGATCCTGCGCTCAGGCAAAAGCCCTGATCTGGTCTCCTTCGTACAGACGCTCTGCAAAGGTTTGTCCCAGCCCACTACCAATTTGGTCGCCGGCTGCCTGCAGCTCAACCCTCGGACTTTCTTGCCTGAGCAGAACCCGGACATGCCCCCGCATCTGCCAACCGCCAGCGCTTCCTTCCCGGTGCATCCCTACTCCTACCAGTCCCCTGGACTGCCCAGCCCGCCCTACGGCACCATGGACAGCTCCCACGTCTTCCACGTCAAGCCGCCGCCACACGCCTACAGCGCAGCTCTGGAGCCCTTCTTTGAAAGCCCCCTAACTGACTGCACCAGCCCTTCCTTTGACGGACCCCTCAGCCCGCCGCTCAGCATCAATGGCAACTTCTCTTTCAAACACGAACCATCCGCCGAGTTTGAAAAAAATTATGCCTTTACCATGCACTACCCTGCAGCGACGCTGGCAGGGCCCCAAAGCCACGGATCAATCTTCTCTTCCGGTGCCGCTGCCCCTCGCTGCGAGATCCCCATAGACAACATTATGTCTTTCGATAGCCATTCGCATCATGAGCGAGTCATGAGTGCCCAGCTTAATGCCATCTTTCACGATTAG
【0320】
配列番号4:配列番号3によってコードされるマウスNeuroD1アミノ酸配列-357アミノ酸
MTKSYSESGLMGEPQPQGPPSWTDECLSSQDEEHEADKKEDELEAMNAEEDSLRNGGEEEEEDEDLEEEEEEEEEEEDQKPKRRGPKKKKMTKARLERFKLRRMKANARERNRMHGLNAALDNLRKVVPCYSKTQKLSKIETLRLAKNYIWALSEILRSGKSPDLVSFVQTLCKGLSQPTTNLVAGCLQLNPRTFLPEQNPDMPPHLPTASASFPVHPYSYQSPGLPSPPYGTMDSSHVFHVKPPPHAYSAALEPFFESPLTDCTSPSFDGPLSPPLSINGNFSFKHEPSAEFEKNYAFTMHYPAATLAGPQSHGSIFSSGAAAPRCEIPIDNIMSFDSHSHHERVMSAQLNAIFHD
【0321】
マウスLCN2プロモーター-配列番号5
GCAGTGTGGAGACACACCCACTTTCCCCAAGGGCTCCTGCTCCCCCAAGTGATCCCCTTATCCTCCGTGCTAAGATGACACCGAGGTTGCAGTCCTTACCTTTGAAAGCAGCCACAAGGGCGTGGGGGTGCACACCTTTAATCCCAGCACTCGGGAGGCAGAGGCAGGCAGATTTCTGAGTTCGAGACCAGCCTGGTCTACAAAGTGAATTCCAGGACAGCCAGGGCTATACAGAGAAACCCTGTCTTGAAAAAAAAAGAGAAAGAAAAAAGAAAAAAAAAAATGAAAGCAGCCACATCTAAGGACTACGTGGCACAGGAGAGGGTGAGTCCCTGAGAGTTCAGCTGCTGCCCTGTCTGTTCCTGTAAATGGCAGTGGGGTCATGGGAAAGTGAAGGGGCTCAAGGTATTGGACACTTCCAGGATAATCTTTTGGACGCCTCACCCTGTGCCAGGACCAAGGCTGAGCTTGGCAGGCTCAGAACAGGGTGTCCTGTTCTTCCCTGTCTAAAACATTCACTCTCAGCTTGCTCACCCTTCCCCAGACAAGGAAGCTGCACAGGGTCTGGTGTTCAGATGGCTTTGGCTTACAGCAGGTGTGGGTGTGGGGTAGGAGGCAGGGGGTAGGGGTGGGGGAAGCCTGTACTATACTCACTATCCTGTTTCTGACCCTCTAGGACTCCTACAGGGTTATGGGAGTGGACAGGCAGTCCAGATCTGAGCTGCTGACCCACAAGCAGTGCCCTGTGCCTGCCAGAATCCAAAGCCCTGGGAATGTCCCTCTGGTCCCCCTCTGTCCCCTGCAGCCCTTCCTGTTGCTCAACCTTGCACAGTTCCGACCTGGGGGAGAGAGGGACAGAAATCTTGCCAAGTATTTCAACAGAATGTACTGGCAATTACTTCATGGCTTCCTGGACTTGGTAAAGGATGGACTACCCCGCCCAACAGGGGGGCTGGCAGCCAGGTAGGCCCATAAAAAGCCCGCTGGGGAGTCCTCCTCACTCTCTGCTCTTCCTCCTCCAGCACACATCAGACCTAGTAGCTGTGGAAACCA
【0322】
ヒトGFAPプロモーター-配列番号6
GTCTGCAAGCAGACCTGGCAGCATTGGGCTGGCCGCCCCCCAGGGCCTCCTCTTCATGCCCAGTGAATGACTCACCTTGGCACAGACACAATGTTCGGGGTGGGCACAGTGCCTGCTTCCCGCCGCACCCCAGCCCCCCTCAAATGCCTTCCGAGAAGCCCATTGAGTAGGGGGCTTGCATTGCACCCCAGCCTGACAGCCTGGCATCTTGGGATAAAAGCAGCACAGCCCCCTAGGGGCTGCCCTTGCTGTGTGGCGCCACCGGCGGTGGAGAACAAGGCTCTATTCAGCCTGTGCCCAGGAAAGGGGATCAGGGGATGCCCAGGCATGGACAGTGGGTGGCAGGGGGGGAGAGGAGGGCTGTCTGCTTCCCAGAAGTCCAAGGACACAAATGGGTGAGGGGACTGGGCAGGGTTCTGACCCTGTGGGACCAGAGTGGAGGGCGTAGATGGACCTGAAGTCTCCAGGGACAACAGGGCCCAGGTCTCAGGCTCCTAGTTGGGCCCAGTGGCTCCAGCGTTTCCAAACCCATCCATCCCCAGAGGTTCTTCCCATCTCTCCAGGCTGATGTGTGGGAACTCGAGGAAATAAATCTCCAGTGGGAGACGGAGGGGTGGCCAGGGAAACGGGGCGCTGCAGGAATAAAGACGAGCCAGCACAGCCAGCTCATGCGTAACGGCTTTGTGGAGCTGTCAAGGCCTGGTCTCTGGGAGAGAGGCACAGGGAGGCCAGACAAGGAAGGGGTGACCTGGAGGGACAGATCCAGGGGCTAAAGTCCTGATAAGGCAAGAGAGTGCCGGCCCCCTCTTGCCCTATCAGGACCTCCACTGCCACATAGAGGCCATGATTGACCCTTAGACAAAGGGCTGGTGTCCAATCCCAGCCCCCAGCCCCAGAACTCCAGGGAATGAATGGGCAGAGAGCAGGAATGTGGGACATCTGTGTTCAAGGGAAGGACTCCAGGAGTCTGCTGGGAATGAGGCCTAGTAGGAAATGAGGTGGCCCTTGAGGGTACAGAACAGGTTCATTCTTCGCCAAATTCCCAGCACCTTGCAGGCACTTACAGCTGAGTGAGATAATGCCTGGGTTATGAAATCAAAAAGTTGGAAAGCAGGTCAGAGGTCATCTGGTACAGCCCTTCCTTCCCTTTTTTTTTTTTTTTTTTTGTGAGACAAGGTCTCTCTCTGTTGCCCAGGCTGGAGTGGCGCAAACACAGCTCACTGCAGCCTCAACCTACTGGGCTCAAGCAATCCTCCAGCCTCAGCCTCCCAAAGTGCTGGGATTACAAGCATGAGCCACCCCACTCAGCCCTTTCCTTCCTTTTTAATTGATGCATAATAATTGTAAGTATTCATCATGGTCCAACCAACCCTTTCTTGACCCACCTTCCTAGAGAGAGGGTCCTCTTGATTCAGCGGTCAGGGCCCCAGACCCATGGTCTGGCTCCAGGTACCACCTGCCTCATGCAGGAGTTGGCGTGCCCAGGAAGCTCTGCCTCTGGGCACAGTGACCTCAGTGGGGTGAGGGGAGCTCTCCCCATAGCTGGGCTGCGGCCCAACCCCACCCCCTCAGGCTATGCCAGGGGGTGTTGCCAGGGGCACCCGGGCATCGCCAGTCTAGCCCACTCCTTCATAAAGCCCTCGCATCCCAGGAGCGAGCAGAGCCAGAGCAT
【0323】
マウスAldh1L1プロモーター-配列番号7
AACTGAGAGTGGAGGGGCACAGAAGAGCCCAAGAGGCTCCTTAGGTTGTGTGGAGGGTACAATATGTTTGGGCTGAGCAACCCAGAGCCAGACTTTGTCTGGCTGGTAAGAGACAGAGGTGCCTGCTATCACAATCCAAGGGTCTGCTTGAGGCAGAGCCAGTGCAAAGGATGTGGTTAGAGCCAGCCTGGTGTACTGAAGAGGGGCGAAGAGCTTGAGTAAGGAGTCTCAGCGGTGGTTTGAGAGGCAGGGTGGTTAATGGAGTAGCTGCAGGGGAGAATCCTTGGGAGGGAGCCTGCAGGACAGAGCTTTGGTCAGGAAGTGATGGGCATGTCACTGGACCCTGTATTGTCTCTGACTTTTCTCAAGTAGGACAATGACTCTGCCCAGGGAGGGGGTCTGTGACAAGGTGGAAGGGCCAGAGGAGAACTTCTGAGAAGAAAACCAGAGGCCGTGAAGAGGTGGGAAGGGCATGGGATTCAGAACCTCAGGCCCACCAGGACACAACCCCAGGTCCACAGCAGATGGGTGACCTTGCATGTCTCAGTCACCAGCATTGTGCTCCTTGCTTATCACGCTTGGGTGAAGGAAATGACCCAAATAGCATAAAGCCTGAAGGCCGGGACTAGGCCAGCTAGGGCTTGCCCTTCCCTTCCCAGCTGCACTTTCCATAGGTCCCACCTTCAGCAGATTAGACCCGCCTCCTGCTTCCTGCCTCCTTGCCTCCTCACTCATGGGTCTATGCCCACCTCCAGTCTCGGGACTGAGGCTCACTGAAGTCCCATCGAGGTCTGGTCTGGTGAATCAGCGGCTGGCTCTGGGCCCTGGGCGACCAGTTAGGTTCCGGGCATGCTAGGCAATGAACTCTACCCGGAATTGGGGGTGCGGGGAGGCGGGGAGGTCTCCAACCCAGCCTTTTGAGGACGTGCCTGTCGCTGCACGGTGCTTTTTATAGACGATGGTGGCCCATTTTGCAGAAGGGAAAGCCGGAGCCCTCTGGGGAGCAAGGTCCCCGCAAATGGACGGATGACCTGAGCTTGGTTCTGCCAGTCCACTTCCCAAATCCCTCACCCCATTCTAGGGACTAGGGAAAGATCTCCTGATTGGTCATATCTGGGGGCCTGGCCGGAGGGCCTCCTATGATTGGAGAGATCTAGGCTGGGCGGGCCCTAGAGCCCGCCTCTTCTCTGCCTGGAGGAGGAGCACTGACCCTAACCCTCTCTGCACAAGACCCGAGCTTGTGCGCCCTTCTGGGAGCTTGCTGCCCCTGTGCTGACTGCTGACAGCTGACTGACGCTCGCAGCTAGCAGGTACTTCTGGGTTGCTAGCCCAGAGCCCTGGGCCGGTGACCCTGTTTTCCCTACTTCCCGTCTTTGACCTTGGGTAAGTTTCTTTTTCTTTTGTTTTTGAGAGAGGCACCCAGATCCTCTCCACTACAGGCAGCCGCTGAACCTTGGATCCTCAGCTCCTGCCCTGGGAACTACAGTTCCTGCCCTTTTTTTCCCACCTTGAGGGAGGTTTTCCCTGAGTAGCTTCGACTATCCTGGAACAAGCTTTGTAGACCAGCCTGGGTCTCCGGAGAGTTGGGATTAAAGGCGTGCACCACCACC
【0324】
ヒトNG2プロモーター-配列番号8
CTCTGGTTTCAAGACCAATACTCATAACCCCCACATGGACCAGGCACCATCACACCTGAGCACTGCACTTAGGGTCAAAGACCTGGCCCCACATCTCAGCAGCTATGTAGACTAGCTCCAGTCCCTTAATCTCTCTCAGCCTCAGTTTCTTCATCTGCAAAACAGGTCTCAGTTTCGTTGCAAAGTATGAAGTGCTGGGCTGTTACTGGTCAAAGGGAAGAGCTGGGAAGAGGGTGCAAGGTGGGGTTGGGCTGGAGATGGGCTGGAGCAGATAGATGGAGGGACCTGAATGGAGGAAGTAAACCAAGGCCCGGTAACATTGGGACTGGACAGAGAACACGCAGATCCTCTAGGCACCGGAAGCTAAGTAACATTGCCCTTTCTCCTCCTGTTTGGGACTAGGCTGATGTTGCTGCCTGGAAGGGAGCCAGCAGAAGGGCCCCAGCCTGAAGCTGTTAGGTAGAAGCCAAATCCAGGGCCAGATTTCCAGGAGGCAGCCTCGGGAAGTTGAAACACCCGGATTCAGGGGTCAGGAGGCCTGGGCTTCTGGCACCAAACGGCCAGGGACCTACTTTCCACCTGGAGTCTTGTAAGAGCCACTTTCAGCTTGAGCTGCACTTTCGTCCTCCATGAAATGGGGGAGGGGATGCTCCTCACCCACCTTGCAAGGTTATTTTGAGGCAAATGTCATGGCGGGACTGAGAATTCTTCTGCCCTGCGAGGAAATCCAGACATCTCTCCCTTACAGACAGGGAGACTGAGGTGAGGCCCTTCCAGGCAGAGAAGGTCACTGTTGCAGCCATGGGCAGTGCCCCACAGGACCTCGGGTGGTGCCTCTGGAGTCTGGAGAAGTTCCTAGGGGACCTCCGAGGCAAAGCAGCCCAAAAGCCGCCTGTGAGGGTGGCTGGTGTCTGTCCTTCCTCCTAAGGCTGGAGTGTGCCTGTGGAGGGGTCTCCTGAACTCCCGCAAAGGCAGAAAGGAGGGAAGTAGGGGCTGGGACAGTTCATGCCTCCTCCCTGAGGGGGTCTCCCGGGCTCGGCTCTTGGGGCCAGAGTTCAGGGTGTCTGGGCCTCTCTATGACTTTGTTCTAAGTCTTTAGGGTGGGGCTGGGGTCTGGCCCAGCTGCAAGGGCCCCCTCACCCCTGCCCCAGAGAGGAACAGCCCCGCACGGGCCCTTTAAGAAGGTTGAGGGTGGGGGCAGGTGGGGGAGTCCAAGCCTGAAACCCGAGCGGGCGCGCGGGTCTGCGCCTGCCCCGCCCCCGGAGTTAAGTGCGCGGACACCCGGAGCCGGCCCGCGCCCAGGAGCAGAGCCGCGCTCGCTCCACTCAGCTCCCAGCTCCCAGGACTCCGCTGGCTCCTCGCAAGTCCTGCCGCCCAGCCCGCCGGG
【0325】
CAG::NeuroD1-IRES-GFP-配列番号9
GATCCGGCCATTAGCCATATTATTCATTGGTTATATAGCATAAATCAATATTGGCTATTGGCCATTGCATACGTTGTATCCATATCATAATATGTACATTTATATTGGCTCATGTCCAACATTACCGCCATGTTGACATTGATTATTGACTAGTTATTAATAGTAATCAATTACGGGGTCATTAGTTCATAGCCCATATATGGAGTTCCGCGTTACATAACTTACGGTAAATGGCCCGCCTGGCTGACCGCCCAACGACCCCCGCCCATTGACGTCAATAATGACGTATGTTCCCATAGTAACGCCAATAGGGACTTTCCATTGACGTCAATGGGTGGAGTATTTACGGTAAACTGCCCACTTGGCAGTACATCAAGTGTATCATATGCCAAGTACGCCCCCTATTGACGTCAATGACGGTAAATGGCCCGCCTGGCATTATGCCCAGTACATGACCTTATGGGACTTTCCTACTTGGCAGTACATCTACGTATTAGTCATCGCTATTACCATGGTGATGCGGTTTTGGCAGTACATCAATGGGCGTGGATAGCGGTTTGACTCACGGGGATTTCCAAGTCTCCACCCCATTGACGTCAATGGGAGTTTGTTTTGGCACCAAAATCAACGGGACTTTCCAAAATGTCGTAACAACTCCGCCCCATTGACGCAAATGGGCGGTAGGCATGTACGGTGGGAGGTCTATATAAGCAGAGCTCAATAAAAGAGCCCACAACCCCTCACTCGGGGCGCCAGTCCTCCGATTGACTGAGTCGCCCGGGTACCCGTATTCCCAATAAAGCCTCTTGCTGTTTGCATCCGAATCGTGGTCTCGCTGTTCCTTGGGAGGGTCTCCTCTGAGTGATTGACTACCCACGACGGGGGTCTTTCATTTGGGGGCTCGTCCGGGATTTGGAGACCCCTGCCCAGGGACCACCGACCCACCACCGGGAGGTAAGCTGGCCAGCAACTTATCTGTGTCTGTCCGATTGTCTAGTGTCTATGTTTGATGTTATGCGCCTGCGTCTGTACTAGTTAGCTAACTAGCTCTGTATCTGGCGGACCCGTGGTGGAACTGACGAGTTCTGAACACCCGGCCGCAACCCTGGGAGACGTCCCAGGGACTTTGGGGGCCGTTTTTGTGGCCCGACCTGAGGAAGGGAGTCGATGTGGAATCCGACCCCGTCAGGATATGTGGTTCTGGTAGGAGACGAGAACCTAAAACAGTTCCCGCCTCCGTCTGAATTTTTGCTTTCGGTTTGGAACCGAAGCCGCGCGTCTTGTCTGCTGCAGCGCTGCAGCATCGTTCTGTGTTGTCTCTGTCTGACTGTGTTTCTGTATTTGTCTGAAAATTAGGGCCAGACTGTTACCACTCCCTTAAGTTTGACCTTAGGTCACTGGAAAGATGTCGAGCGGATCGCTCACAACCAGTCGGTAGATGTCAAGAAGAGACGTTGGGTTACCTTCTGCTCTGCAGAATGGCCAACCTTTAACGTCGGATGGCCGCGAGACGGCACCTTTAACCGAGACCTCATCACCCAGGTTAAGATCAAGGTCTTTTCACCTGGCCCGCATGGACACCCAGACCAGGTCCCCTACATCGTGACCTGGGAAGCCTTGGCTTTTGACCCCCCTCCCTGGGTCAAGCCCTTTGTACACCCTAAGCCTCCGCCTCCTCTTCCTCCATCCGCCCCGTCTCTCCCCCTTGAACCTCCTCGTTCGACCCCGCCTCGATCCTCCCTTTATCCAGCCCTCACTCCTTCTCTAGGCGCCGGAATTCGATGTCGACATTGATTATTGACTAGTTATTAATAGTAATCAATTACGGGGTCATTAGTTCATAGCCCATATATGGAGTTCCGCGTTACATAACTTACGGTAAATGGCCCGCCTGGCTGACCGCCCAACGACCCCCGCCCATTGACGTCAATAATGACGTATGTTCCCATAGTAACGCCAATAGGGACTTTCCATTGACGTCAATGGGTGGACTATTTACGGTAAACTGCCCACTTGGCAGTACATCAAGTGTATCATATGCCAAGTACGCCCCCTATTGACGTCAATGACGGTAAATGGCCCGCCTGGCATTATGCCCAGTACATGACCTTATGGGACTTTCCTACTTGGCAGTACATCTACGTATTAGTCATCGCTATTACCATGGGTCGAGGTGAGCCCCACGTTCTGCTTCACTCTCCCCATCTCCCCCCCCTCCCCACCCCCAATTTTGTATTTATTTATTTTTTAATTATTTTGTGCAGCGATGGGGGCGGGGGG
GGGGGGGGCGCGCGCCAGGCGGGGCGGGGCGGGGCGAGGGGCGGGGCGGGGCGAGGCGGAGAGGTGCGGCGGCAGCCAATCAGAGCGGCGCGCTCCGAAAGTTTCCTTTTATGGCGAGGCGGCGGCGGCGGCGGCCCTATAAAAAGCGAAGCGCGCGGCGGGCGGGAGTCGCTGCGTTGCCTTCGCCCCGTGCCCCGCTCCGCGCCGCCTCGCGCCGCCCGCCCCGGCTCTGACTGACCGCGTTACTCCCACAGGTGAGCGGGCGGGACGGCCCTTCTCCTCCGGGCTGTAATTAGCGCTTGGTTTAATGACGGCTCGTTTCTTTTCTGTGGCTGCGTGAAAGCCTTAAAGGGCTCCGGGAGGGCCCTTTGTGCGGGGGGGAGCGGCTCGGGGGGTGCGTGCGTGTGTGTGTGCGTGGGGAGCGCCGCGTGCGGCCCGCGCTGCCCGGCGGCTGTGAGCGCTGCGGGCGCGGCGCGGGGCTTTGTGCGCTCCGCGTGTGCGCGAGGGGAGCGCGGCCGGGGGCGGTGCCCCGCGGTGCGGGGGGGCTGCGAGGGGAACAAAGGCTGCGTGCGGGGTGTGTGCGTGGGGGGGTGAGCAGGGGGTGTGGGCGCGGCGGTCGGGCTGTAACCCCCCCCTGCACCCCCCTCCCCGAGTTGCTGAGCACGGCCCGGCTTCGGGTGCGGGGCTCCGTGCGGGGCGTGGCGCGGGGCTCGCCGTGCCGGGCGGGGGGTGGCGGCAGGTGGGGGTGCCGGGCGGGGCGGGGCCGCCTCGGGCCGGGGAGGGCTCGGGGGAGGGGCGCGGCGGCCCCGGAGCGCCGGCGGCTGTCGAGGCGCGGCGAGCCGCAGCCATTGCCTTTTATGGTAATCGTGCGAGAGGGCGCAGGGACTTCCTTTGTCCCAAATCTGGCGGAGCCGAAATCTGGGAGGCGCCGCCGCACCCCCTCTAGCGGGCGCGGGCGAAGCGGTGCGGCGCCGGCAGGAAGGAAATGGGCGGGGAGGGCCTTCGTGCGTCGCCGCGCCGCCGTCCCCTTCTCCATCTCCAGCCTCGGGGCTGCCGCAGGGGGACGGCTGCCTTCGGGGGGGACGGGGCAGGGCGGGGTTCGGCTTCTGGCGTGTGACCGGCGGCTCTAGAGCCTCTGCTAACCATGTTCATGCCTTCTTCTTTTTCCTACAGCTCCTGGGCAACGTGCTGGTTGTTGTGCTGTCTCATCATTTTGGCAAAGAATTCGCTAGCGGATCCGGCCGCCTCGGCCACCGGTCGCCACCATCGCCACCATGACCAAATCATACAGCGAGAGCGGGCTGATGGGCGAGCCTCAGCCCCAAGGTCCCCCAAGCTGGACAGATGAGTGTCTCAGTTCTCAGGACGAGGAACACGAGGCAGACAAGAAAGAGGACGAGCTTGAAGCCATGAATGCAGAGGAGGACTCTCTGAGAAACGGGGGAGAGGAGGAGGAGGAAGATGAGGATCTAGAGGAAGAGGAGGAAGAAGAAGAGGAGGAGGAGGATCAAAAGCCCAAGAGACGGGGTCCCAAAAAGAAAAAGATGACCAAGGCGCGCCTAGAACGTTTTAAATTAAGGCGCATGAAGGCCAACGCCCGCGAGCGGAACCGCATGCACGGGCTGAACGCGGCGCTGGACAACCTGCGCAAGGTGGTACCTTGCTACTCCAAGACCCAGAAACTGTCTAAAATAGAGACACTGCGCTTGGCCAAGAACTACATCTGGGCTCTGTCAGAGATCCTGCGCTCAGGCAAAAGCCCTGATCTGGTCTCCTTCGTACAGACGCTCTGCAAAGGTTTGTCCCAGCCCACTACCAATTTGGTCGCCGGCTGCCTGCAGCTCAACCCTCGGACTTTCTTGCCTGAGCAGAACCCGGACATGCCCCCGCATCTGCCAACCGCCAGCGCTTCCTTCCCGGTGCATCCCTACTCCTACCAGTCCCCTGGACTGCCCAGCCCGCCCTACGGCACCATGGACAGCTCCCACGTCTTCCACGTC
AAGCCGCCGCCACACGCCTACAGCGCAGCTCTGGAGCCCTTCTTTGAAAGCCCCCTAACTGACTGCACCAGCCCTTCCTTTGACGGACCCCTCAGCCCGCCGCTCAGCATCAATGGCAACTTCTCTTTCAAACACGAACCATCCGCCGAGTTTGAAAAAAATTATGCCTTTACCATGCACTACCCTGCAGCGACGCTGGCAGGGCCCCAAAGCCACGGATCAATCTTCTCTTCCGGTGCCGCTGCCCCTCGCTGCGAGATCCCCATAGACAACATTATGTCTTTCGATAGCCATTCGCATCATGAGCGAGTCATGAGTGCCCAGCTTAATGCCATCTTTCACGATTAGGTTTAAACGCGGCCGCGCCCCTCTCCCTCCCCCCCCCCTAACGTTACTGGCCGAAGCCGCTTGGAATAAGGCCGGTGTGCGTTTGTCTATATGTTATTTTCCACCATATTGCCGTCTTTTGGCAATGTGAGGGCCCGGAAACCTGGCCCTGTCTTCTTGACGAGCATTCCTAGGGGTCTTTCCCCTCTCGCCAAAGGAATGCAAGGTCTGTTGAATGTCGTGAAGGAAGCAGTTCCTCTGGAAGCTTCTTGAAGACAAACAACGTCTGTAGCGACCCTTTGCAGGCAGCGGAACCCCCCACCTGGCGACAGGTGCCTCTGCGGCCAAAAGCCACGTGTATAAGATACACCTGCAAAGGCGGCACAACCCCAGTGCCACGTTGTGAGTTGGATAGTTGTGGAAAGAGTCAAATGGCTCTCCTCAAGCGTATTCAACAAGGGGCTGAAGGATGCCCAGAAGGTACCCCATTGTATGGGATCTGATCTGGGGCCTCGGTGCACATGCTTTACATGTGTTTAGTCGAGGTTAAAAAAACGTCTAGGCCCCCCGAACCACGGGGACGTGGTTTTCCTTTGAAAAACACGATGATAATATGGCCACAACCATGGTGAGCAAGGGCGAGGAGCTGTTCACCGGGGTGGTGCCCATCCTGGTCGAGCTGGACGGCGACGTAAACGGCCACAAGTTCAGCGTGTCCGGCGAGGGCGAGGGCGATGCCACCTACGGCAAGCTGACCCTGAAGTTCATCTGCACCACCGGCAAGCTGCCCGTGCCCTGGCCCACCCTCGTGACCACCCTGACCTACGGCGTGCAGTGCTTCAGCCGCTACCCCGACCACATGAAGCAGCACGACTTCTTCAAGTCCGCCATGCCCGAAGGCTACGTCCAGGAGCGCACCATCTTCTTCAAGGACGACGGCAACTACAAGACCCGCGCCGAGGTGAAGTTCGAGGGCGACACCCTGGTGAACCGCATCGAGCTGAAGGGCATCGACTTCAAGGAGGACGGCAACATCCTGGGGCACAAGCTGGAGTACAACTACAACAGCCACAACGTCTATATCATGGCCGACAAGCAGAAGAACGGCATCAAGGTGAACTTCAAGATCCGCCACAACATCGAGGACGGCAGCGTGCAGCTCGCCGACCACTACCAGCAGAACACCCCCATCGGCGACGGCCCCGTGCTGCTGCCCGACAACCACTACCTGAGCACCCAGTCCGCCCTGAGCAAAGACCCCAACGAGAAGCGCGATCACATGGTCCTGCTGGAGTTCGTGACCGCCGCCGGGATCACTCTCGGCATGGACGAGCTGTACAAGTAAGTCGACAATCAACCTCTGGATTACAAAATTTGTGAAAGATTGACTGGTATTCTTAACTATGTTGCTCCTTTTACGCTATGTGGATACGCTGCTTTAATGCCTTTGTATCATGCTATTGCTTCCCGTATGGCTTTCATTTTCTCCTCCTTGTATAAATCCTGGTTGCTGTCTCTTTATGAGGAGTTGTGGCCCGTTGTCAGGCAACGTGGCGTGGTGTGCACTGTGTTTGCTGACGCAACCCCCACTGGTTGGGGCATTGCCACCACCTGTCAGCTCCTTTCCGGGACTTTCGCTTTCCCCCTCCCTATTGCCACGGCGGAACTCATCG
CCGCCTGCCTTGCCCGCTGCTGGACAGGGGCTCGGCTGTTGGGCACTGACAATTCCGTGGTGTTGTCGGGGAAGCTGACGTCCTTTCCATGGCTGCTCGCCTGTGTTGCCACCTGGATTCTGCGCGGGACGTCCTTCTGCTACGTCCCTTCGGCCCTCAATCCAGCGGACCTTCCTTCCCGCGGCCTGCTGCCGGCTCTGCGGCCTCTTCCGCGTCTTCGCCTTCGCCCTCAGACGAGTCGGATCTCCCTTTGGGCCGCCTCCCCGCCTGGAATTCGAGCTCGAGCTTGTTAACATCGATAAAATAAAAGATTTTATTTAGTCTCCAGAAAAAGGGGGGAATGAAAGACCCCACCTGTAGGTTTGGCAAGCTAGCTTAAGTAACGCCATTTTGCAAGGCATGGAAAAATACATAACTGAGAATAGAGAAGTTCAGATCAAGGTCAGGAACAGATGGAACAGCTGAATATGGGCCAAACAGGATATCTGTGGTAAGCAGTTCCTGCCCCGGCTCAGGGCCAAGAACAGATGGAACAGCTGAATATGGGCCAAACAGGATATCTGTGGTAAGCAGTTCCTGCCCCGGCTCAGGGCCAAGAACAGATGGTCCCCAGATGCGGTCCAGCCCTCAGCAGTTTCTAGAGAACCATCAGATGTTTCCAGGGTGCCCCAAGGACCTGAAATGACCCTGTGCCTTATTTGAACTAACCAATCAGTTCGCTTCTCGCTTCTGTTCGCGCGCTTCTGCTCCCCGAGCTCAATAAAAGAGCCCACAACCCCTCACTCGGGGCGCCAGTCCTCCGATTGACTGAGTCGCCCGGGTACCCGTGTATCCAATAAACCCTCTTGCAGTTGCATCCGACTTGTGGTCTCGCTGTTCCTTGGGAGGGTCTCCTCTGAGTGATTGACTACCCGTCAGCGGGGGTCTTTCATTTCCGACTTGTGGTCTCGCTGCCTTGGGAGGGTCTCCTCTGAGTGATTGACTACCCGTCAGCGGGGGTCTTCACATGCAGCATGTATCAAAATTAATTTGGTTTTTTTTCTTAAGTATTTACATTAAATGGCCATAGTTGCATTAATGAATCGGCCAACGCGCGGGGAGAGGCGGTTTGCGTATTGGCGCTCTTCCGCTTCCTCGCTCACTGACTCGCTGCGCTCGGTCGTTCGGCTGCGGCGAGCGGTATCAGCTCACTCAAAGGCGGTAATACGGTTATCCACAGAATCAGGGGATAACGCAGGAAAGAACATGTGAGCAAAAGGCCAGCAAAAGGCCAGGAACCGTAAAAAGGCCGCGTTGCTGGCGTTTTTCCATAGGCTCCGCCCCCCTGACGAGCATCACAAAAATCGACGCTCAAGTCAGAGGTGGCGAAACCCGACAGGACTATAAAGATACCAGGCGTTTCCCCCTGGAAGCTCCCTCGTGCGCTCTCCTGTTCCGACCCTGCCGCTTACCGGATACCTGTCCGCCTTTCTCCCTTCGGGAAGCGTGGCGCTTTCTCATAGCTCACGCTGTAGGTATCTCAGTTCGGTGTAGGTCGTTCGCTCCAAGCTGGGCTGTGTGCACGAACCCCCCGTTCAGCCCGACCGCTGCGCCTTATCCGGTAACTATCGTCTTGAGTCCAACCCGGTAAGACACGACTTATCGCCACTGGCAGCAGCCACTGGTAACAGGATTAGCAGAGCGAGGTATGTAGGCGGTGCTACAGAGTTCTTGAAGTGGTGGCCTAACTACGGCTACACTAGAAGGACAGTATTTGGTATCTGCGCTCTGCTGAAGCCAGTTACCTTCGGAAAAAGAGTTGGTAGCTCTTGATCCGGCAAACAAACCACCGCTGGTAGCGGTGGTTTTTTTGTTTGCAAGCAGCAGATTACGCGCAGAAAAAAAGGATCTCAAGAAGATCCTTTGATCTTTTCTACGGGGTCTGACGCTCAGTGGAACGAAAACTCACGTTAAGGGATTTTGGTCATGAGATTATCAAAAAGGATCTTCACCTAGATCCT
TTTAAATTAAAAATGAAGTTTGCGGCCGGCCGCAAATCAATCTAAAGTATATATGAGTAAACTTGGTCTGACAGTTACCAATGCTTAATCAGTGAGGCACCTATCTCAGCGATCTGTCTATTTCGTTCATCCATAGTTGCCTGACTCCCCGTCGTGTAGATAACTACGATACGGGAGGGCTTACCATCTGGCCCCAGTGCTGCAATGATACCGCGAGACCCACGCTCACCGGCTCCAGATTTATCAGCAATAAACCAGCCAGCCGGAAGGGCCGAGCGCAGAAGTGGTCCTGCAACTTTATCCGCCTCCATCCAGTCTATTAATTGTTGCCGGGAAGCTAGAGTAAGTAGTTCGCCAGTTAATAGTTTGCGCAACGTTGTTGCCATTGCTACAGGCATCGTGGTGTCACGCTCGTCGTTTGGTATGGCTTCATTCAGCTCCGGTTCCCAACGATCAAGGCGAGTTACATGATCCCCCATGTTGTGCAAAAAAGCGGTTAGCTCCTTCGGTCCTCCGATCGTTGTCAGAAGTAAGTTGGCCGCAGTGTTATCACTCATGGTTATGGCAGCACTGCATAATTCTCTTACTGTCATGCCATCCGTAAGATGCTTTTCTGTGACTGGTGAGTACTCAACCAAGTCATTCTGAGAATAGTGTATGCGGCGACCGAGTTGCTCTTGCCCGGCGTCAACACGGGATAATACCGCGCCACATAGCAGAACTTTAAAAGTGCTCATCATTGGAAAACGTTCTTCGGGGCGAAAACTCTCAAGGATCTTACCGCTGTTGAGATCCAGTTCGATGTAACCCACTCGTGCACCCAACTGATCTTCAGCATCTTTTACTTTCACCAGCGTTTCTGGGTGAGCAAAAACAGGAAGGCAAAATGCCGCAAAAAAGGGAATAAGGGCGACACGGAAATGTTGAATACTCATACTCTTCCTTTTTCAAT
【0326】
配列番号10-ヒトDlx2タンパク質をコードするヒトDlx2核酸配列
ATGACTGGAGTCTTTGACAGTCTAGTGGCTGATATGCACTCGACCCAGATCGCCGCCTCCAGCACGTACCACCAGCACCAGCAGCCCCCGAGCGGCGGCGGCGCCGGCCCGGGTGGCAACAGCAGCAGCAGCAGCAGCCTCCACAAGCCCCAGGAGTCGCCCACCCTTCCGGTGTCCACCGCCACCGACAGCAGCTACTACACCAACCAGCAGCACCCGGCGGGCGGCGGCGGCGGCGGGGGCTCGCCCTACGCGCACATGGGTTCCTACCAGTACCAAGCCAGCGGCCTCAACAACGTCCCTTACTCCGCCAAGAGCAGCTATGACCTGGGCTACACCGCCGCCTACACCTCCTACGCTCCCTATGGAACCAGTTCGTCCCCAGCCAACAACGAGCCTGAGAAGGAGGACCTTGAGCCTGAAATTCGGATAGTGAACGGGAAGCCAAAGAAAGTCCGGAAACCCCGCACCATCTACTCCAGTTTCCAGCTGGCGGCTCTTCAGCGGCGTTTCCAAAAGACTCAATACTTGGCCTTGCCGGAGCGAGCCGAGCTGGCGGCCTCTCTGGGCCTCACCCAGACTCAGGTCAAAATCTGGTTCCAGAACCGCCGGTCCAAGTTCAAGAAGATGTGGAAAAGTGGTGAGATCCCCTCGGAGCAGCACCCTGGGGCCAGCGCTTCTCCACCTTGTGCTTCGCCGCCAGTCTCAGCGCCGGCCTCCTGGGACTTTGGTGTGCCGCAGCGGATGGCGGGCGGCGGTGGTCCGGGCAGTGGCGGCAGCGGCGCCGGCAGCTCGGGCTCCAGCCCGAGCAGCGCGGCCTCGGCTTTTCTGGGCAACTACCCCTGGTACCACCAGACCTCGGGATCCGCCTCACACCTGCAGGCCACGGCGCCGCTGCTGCACCCCACTCAGACCCCGCAGCCGCATCACCACCACCACCATCACGGCGGCGGGGGCGCCCCGGTGAGCGCGGGGACGATTTTCTAA
【0327】
配列番号11--配列番号10によってコードされるヒトDlx2アミノ酸配列
MTGVFDSLVADMHSTQIAASSTYHQHQQPPSGGGAGPGGNSSSSSSLHKPQESPTLPVSTATDSSYYTNQQHPAGGGGGGGSPYAHMGSYQYQASGLNNVPYSAKSSYDLGYTAAYTSYAPYGTSSSPANNEPEKEDLEPEIRIVNGKPKKVRKPRTIYSSFQLAALQRRFQKTQYLALPERAELAASLGLTQTQVKIWFQNRRSKFKKMWKSGEIPSEQHPGASASPPCASPPVSAPASWDFGVPQRMAGGGGPGSGGSGAGSSGSSPSSAASAFLGNYPWYHQTSGSASHLQATAPLLHPTQTPQPHHHHHHHGGGGAPVSAGTIF
【0328】
配列番号12-マウスDlx2タンパク質をコードするマウスDlx2核酸配列
ATGACTGGAGTCTTTGACAGTCTGGTGGCTGATATGCACTCGACCCAGATCACCGCCTCCAGCACGTACCACCAGCACCAGCAGCCCCCGAGCGGTGCGGGCGCCGGCCCTGGCGGCAACAGCAACAGCAGCAGCAGCAACAGCAGCCTGCACAAGCCCCAGGAGTCGCCAACCCTCCCGGTGTCCACGGCTACGGACAGCAGCTACTACACCAACCAGCAGCACCCGGCGGGCGGCGGCGGCGGGGGGGCCTCGCCCTACGCGCACATGGGCTCCTACCAGTACCACGCCAGCGGCCTCAACAATGTCTCCTACTCCGCCAAAAGCAGCTACGACCTGGGCTACACCGCCGCGTACACCTCCTACGCGCCCTACGGCACCAGTTCGTCTCCGGTCAACAACGAGCCGGACAAGGAAGACCTTGAGCCTGAAATCCGAATAGTGAACGGGAAGCCAAAGAAAGTCCGGAAACCACGCACCATCTACTCCAGTTTCCAGCTGGCGGCCCTTCAACGACGCTTCCAGAAGACCCAGTATCTGGCCCTGCCAGAGCGAGCCGAGCTGGCGGCGTCCCTGGGCCTCACCCAAACTCAGGTCAAAATCTGGTTCCAGAACCGCCGATCCAAGTTCAAGAAGATGTGGAAAAGCGGCGAGATACCCACCGAGCAGCACCCTGGAGCCAGCGCTTCTCCTCCTTGTGCCTCCCCGCCGGTCTCGGCGCCAGCATCCTGGGACTTCGGCGCGCCGCAGCGGATGGCTGGCGGCGGCCCGGGCAGCGGAGGCGGCGGTGCGGGCAGCTCTGGCTCCAGCCCGAGCAGCGCCGCCTCGGCCTTTCTGGGAAACTACCCGTGGTACCACCAGGCTTCGGGCTCCGCTTCACACCTGCAGGCCACAGCGCCACTTCTGCATCCTTCGCAGACTCCGCAGGCGCACCATCACCACCATCACCACCACCACGCAGGCGGGGGCGCCCCGGTGAGCGCGGGGACGATTTTCTAA
【0329】
配列番号13-配列番号12によってコードされるマウスDlx2アミノ酸配列
MTGVFDSLVADMHSTQITASSTYHQHQQPPSGAGAGPGGNSNSSSSNSSLHKPQESPTLPVSTATDSSYYTNQQHPAGGGGGGASPYAHMGSYQYHASGLNNVSYSAKSSYDLGYTAAYTSYAPYGTSSSPVNNEPDKEDLEPEIRIVNGKPKKVRKPRTIYSSFQLAALQRRFQKTQYLALPERAELAASLGLTQTQVKIWFQNRRSKFKKMWKSGEIPTEQHPGASASPPCASPPVSAPASWDFGAPQRMAGGGPGSGGGGAGSSGSSPSSAASAFLGNYPWYHQASGSASHLQATAPLLHPSQTPQAHHHHHHHHHAGGGAPVSAGTIF
【0330】
配列番号14-ヒトIsl1タンパク質をコードするヒトIsl1核酸配列

【0331】
配列番号15--配列番号14によってコードされるヒトIsl1アミノ酸配列
MGDMGDPPKKKRLISLCVGCGNQIHDQYILRVSPDLEWHAACLKCAECNQYLDESCTCFVRDGKTYCKRDYIRLYGIKCAKCSIGFSKNDFVMRARSKVYHIECFRCVACSRQLIPGDEFALREDGLFCRADHDVVERASLGAGDPLSPLHPARPLQMAAEPISARQPALRPHVHKQPEKTTRVRTVLNEKQLHTLRTCYAANPRPDALMKEQLVEMTGLSPRVIRVWFQNKRCKDKKRSIMMKQLQQQQPNDKTNIQGMTGTPMVAASPERHDGGLQANPVEVQSYQPPWKVLSDFALQSDIDQPAFQQLVNFSEGGPGSNSTGSEVASMSSQLPDTPNSMVASPIEA
【0332】
配列番号16-マウスIsl1タンパク質をコードするマウスIsl1核酸配列
【0333】
配列番号17-配列番号16によってコードされるマウスIsl1アミノ酸配列
MGDMGDPPKKKRLISLCVGCGNQIHDQYILRVSPDLEWHAACLKCAECNQYLDESCTCFVRDGKTYCKRDYIRLYGIKCAKCSIGFSKNDFVMRARSKVYHIECFRCVACSRQLIPGDEFALREDGLFCRADHDVVERASLGAGDPLSPLHPARPLQMAAEPISARQPALRPHVHKQPEKTTRVRTVLNEKQLHTLRTCYAANPRPDALMKEQLVEMTGLSPRVIRVWFQNKRCKDKKRSIMMKQLQQQQPNDKTNIQGMTGTPMVAASPERHDGGLQANPVEVQSYQPPWKVLSDFALQSDIDQPAFQQLVNFSEGGPGSNSTGSEVASMSSQLPDTPNSMVASPIEA
【0334】
その他の実施形態
本発明をその詳細な説明とともに記載してきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示するものであり、それを限定することは意図していないことを理解されたい。他の態様、利点、および変形は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13-1】
図13-2】
図13-3】
図13-4】
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図23C
図24A
図24B
図24C
図24D
図24E
図24F
図25A
図25B
図25C
図25D
図25E
図25F
図25G
図25H
図25I
図25J
図25K
図25L
図26A
図26B
図26C
図26D
図27A
図27B
図28A
図28B
図29A
図29B
図30A
図30B
図31A
図31B
図31C
図31D
図31E
図31F
図31G
図32A
図32B
図32C
図33A
図33B
図33C
【配列表】
2022552003000001.app
【国際調査報告】