(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(54)【発明の名称】ヘリカル神経カフおよび関連するインプランタブルデバイス
(51)【国際特許分類】
A61N 1/05 20060101AFI20221207BHJP
A61N 1/36 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
A61N1/05
A61N1/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523041
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 US2020056161
(87)【国際公開番号】W WO2021077022
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520404344
【氏名又は名称】イオタ バイオサイエンシズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】IOTA BIOSCIENCES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マハービズ, マイケル エム.
(72)【発明者】
【氏名】カルメナ, ホセ エム.
(72)【発明者】
【氏名】モンテロ ガルニエール, ジアナ
(72)【発明者】
【氏名】ニーリイ, ライアン
(72)【発明者】
【氏名】カイ, ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】ボーリング, カール ランス
(72)【発明者】
【氏名】パスウォーターズ, キャスリン マリー
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053CC10
4C053JJ06
4C053JJ11
4C053JJ21
(57)【要約】
ヘリカル神経カフと、ヘリカル神経カフおよび無線通信システムを備える本体を備えるインプランタブルデバイスと、が本明細書に記載される。インプランタブルデバイスは、以下を含みうる:無線通信システムを有する本体と、神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するか、または神経に電気パルスを放出することができる電極と、ヘリカル神経カフとを有する。また、ヘリカル神経カフおよびインプランタブルデバイスを埋め込む方法、ならびにヘリカル神経カフおよびインプランタブルデバイスを作製する方法も記載される。
【選択図】
図19A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプランタブルデバイスであって、
無線通信システムを含む本体と、
神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するか、または前記神経に電気パルスを放出するように構成された、前記無線通信システムと電気的に通信する2つ以上の電極と、
前記2つ以上の電極のうちの少なくとも1つを備えるヘリカル神経カフであって、前記本体は前記ヘリカル神経カフ上にあり、前記ヘリカル神経カフは前記神経を有する線維組織の周りを少なくとも部分的に巻き、前記2つ以上の電極のうちの少なくとも1つを前記神経と電気的につなぐように配置する、ように構成される、ヘリカル神経カフと、
を備えるインプランタブルデバイス。
【請求項2】
前記無線通信システムは、超音波トランスデューサを備える、請求項1に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項3】
前記超音波トランスデューサは、最長寸法において長さが約5mm以下である、請求項2に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項4】
前記無線通信システムは、2つ以上の超音波トランスデューサを備える、請求項2または3に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項5】
前記無線通信システムは、無線周波数アンテナを備える、請求項1に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項6】
前記無線通信システムは超音波または無線周波を受信し、前記超音波または無線周波からのエネルギーを、前記デバイスに給電する電気エネルギーに変換するように構成される、請求項1から5のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項7】
前記ヘリカル神経カフは、少なくとも1回転、前記神経の周りを巻くように構成される、請求項1から6のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項8】
前記ヘリカル神経カフは、約1.3~約1.7回転、前記神経の周りを巻くように構成される、請求項7に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項9】
前記ヘリカル神経カフは、前記ヘリカル神経カフの内側表面、第1の縁部、および第2の縁部、を定義する幅を有し、前記ヘリカル神経カフが弛緩位置にあるとき、前記第1の縁部の少なくとも一部が前記第2の縁部の少なくとも一部に接触する、請求項1から8のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項10】
前記ヘリカル神経カフは、前記ヘリカル神経カフの内側表面、第1の縁部、および第2の縁部、を定義する幅を有し、前記ヘリカル神経カフが弛緩位置にあるとき、前記第1の縁部が前記第2の縁部に接触しない、請求項1から8のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項11】
前記2つ以上の電極のうちの少なくとも1つが、前記ヘリカル神経カフの前記長さに沿って配置される、請求項1から10のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項12】
前記ヘリカル神経カフの前記長さに沿って配置された前記2つ以上の電極のうちの前記少なくとも1つが、前記ヘリカル神経カフの内側表面に配置される、請求項11に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項13】
前記ヘリカル神経カフ上の前記少なくとも1つの電極が、1つ以上の蛇行セグメントを含む、請求項1から12のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項14】
前記ヘリカル神経カフは可撓性であり、(a)前記ヘリカル神経カフを少なくとも部分的に巻き戻すことによる屈曲位置と、(b)弛緩位置と、に構成可能である請求項1から13のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項15】
前記ヘリカル神経カフまたは前記本体に取り付けられたハンドル部をさらに備える、請求項1から14のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項16】
前記ハンドル部がループを含む、請求項15に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項17】
前記ハンドル部がフィラメントを含む、請求項15または16に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項18】
前記ハンドル部は、前記ヘリカル神経カフの端部に近位の位置で前記神経カフに取り付けられる、請求項15から17のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項19】
前記ヘリカル神経カフの第2の端部に近位の位置で前記ヘリカル神経カフに取り付けられる第2のハンドル部をさらに備える、請求項18に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項20】
前記第1のハンドル部は、前記第2のハンドルに取り付けられる、請求項19に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項21】
前記ヘリカル神経カフの前記長さに沿った中間位置に取り付けられる追加のハンドル部分をさらに備える、請求項16から20のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項22】
前記本体および前記ヘリカル神経カフを受容し、それによって前記本体を前記ヘリカル神経カフに取り付けるように構成されたマウントをさらに備える、請求項1から21のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項23】
前記本体は、前記ヘリカル神経カフの外側表面に直接取り付けられる、請求項1から21のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項24】
前記本体は、前記ヘリカル神経カフの端部に取り付けられる、請求項1から23のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項25】
前記本体は、前記ヘリカル神経カフの中間部分に取り付けられる、請求項1から23のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項26】
前記本体は、前記ヘリカル神経カフに取り付けられたアタッチメント端部と、前記アタッチメント端部から延伸する延長端部とを備える、請求項1から25のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項27】
前記ヘリカル神経カフが、右巻きらせん部を含む、請求項1から26のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項28】
前記ヘリカル神経カフが、左巻きらせん部を含む、請求項1から26のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項29】
前記ヘリカル神経カフが、左巻きらせん部に接合された右巻きらせん部を含む、請求項1から28のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項30】
前記本体は、前記右巻きらせん部が前記左巻きらせん部に接合される位置の近位の位置において前記ヘリカル神経カフに取り付けられる、請求項29に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項31】
前記右巻きらせん部が、直線状の接合部を介して左巻きらせん部に接合される、請求項29または30に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項32】
前記ヘリカル神経カフは、前記神経に電気パルスを放出するように構成された1つ以上の電極を含む、請求項1から31のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項33】
前記ヘリカル神経カフは、前記神経によって伝達される前記電気生理学的信号を検出するように構成された1つ以上の電極を備える、請求項1から32のいずれか一項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項34】
前記ヘリカル神経カフは、前記神経によって伝達される前記電気生理学的信号を検出するように構成された2つ以上の電極を備える、請求項33に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項35】
前記神経はヒトの脾神経である、請求項1から34のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項36】
前記本体がハウジングを含む、請求項1から35のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項37】
前記ハウジングは、前記2つ以上の電極のうちの1つとして構成される、請求項36に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項38】
前記ハウジングは、音響窓を含む、請求項36または37に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項39】
前記ハウジングは、音響伝導性材料を含む、請求項36から38のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項40】
前記本体は、前記無線通信システムおよび前記2つ以上の電極に電気的に接続された集積回路を備える、請求項1から39のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項41】
前記集積回路は、キャパシタを備えるエネルギー蓄積回路を備える、請求項40に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項42】
前記本体は、最長寸法における長さが約8mm以下である、請求項1から41のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項43】
前記無線通信システムは、データを送信するように構成される、請求項1から42のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項44】
前記無線通信システムは、前記データを符号化する超音波バックスキャッタまたは無線周波数バックスキャッタを放射するように構成される、請求項43に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項45】
前記データは、検出された電気生理学的信号、測定された生理学的状態、デバイス状態、または放出された電気パルスに関連する情報を含む、請求項43または44に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項46】
前記無線通信システムは、前記インプランタブルデバイスを動作させるための指示を受信するように構成される、請求項1から45のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項47】
前記指示は、超音波または無線周波で符号化される、請求項46に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項48】
前記指示は、前記神経に電気パルスを放出するように前記インプランタブルデバイスを動作させるトリガ信号を含む、請求項46または47に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項49】
前記インプランタブルデバイスが、生理学的状態を検出するように構成されたセンサをさらに備える、請求項1から48のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項50】
前記センサは温度、pH、圧力、歪み、または検体濃度を検出するように構成される、請求項49に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項51】
前記線維組織が血管を含む、請求項1から50のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項52】
請求項1から51のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイスと、前記インプランタブルデバイスの前記無線通信システムと無線通信するように構成された第2の無線通信システムを備えるインテロゲータと、を備えるシステム。
【請求項53】
前記第2の無線通信システムが前記インプランタブル医療デバイスに超音波を送信するように構成された1つ以上の超音波トランスデューサを備え、前記超音波が前記インプランタブル医療デバイスに給電する、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記第2の無線通信システムが、前記インプランタブル医療デバイスに無線周波を送信するように構成された1つ以上の無線周波数アンテナを備え、前記無線周波が前記インプランタブル医療デバイスに給電する、請求項52に記載のシステム。
【請求項55】
前記インテロゲータは、外部から着用されるように構成される、請求項52から54のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項56】
神経カフであって、
神経を含む線維組織の周りを少なくとも部分的に巻くように構成される可撓性ヘリカル基板であって、(a)前記ヘリカル神経カフを少なくとも部分的に巻き戻すことによる屈曲位置と、(b)弛緩位置と、に構成可能である可撓性ヘリカル基板と、
前記ヘリカル基板の長さに沿って配置された1つ以上の電極と、
前記屈曲位置で前記ヘリカル基板を構成する力を加えるように構成された、前記ヘリカル基板に取り付けられたハンドル部と、
を含む神経カフ。
【請求項57】
前記ハンドル部がループを含む、請求項56に記載の神経カフ。
【請求項58】
前記ハンドル部がフィラメントを含む、請求項56または57に記載の神経カフ。
【請求項59】
前記ヘリカル神経カフは、少なくとも1回転、前記神経の周りを巻くように構成される、請求項56から58のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項60】
前記ヘリカル神経カフは、約1.3~約1.7回転、前記神経の周りを巻くように構成される、請求項59に記載の神経カフ。
【請求項61】
前記ハンドル部の一部が、前記基板内に埋め込まれる、請求項56から60のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項62】
前記ハンドル部は、前記ヘリカル神経カフの端部に近位の位置で前記神経カフに取り付けられる、請求項56から61のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項63】
前記ヘリカル神経カフの第2の端部に近位の位置で前記ヘリカル神経カフに取り付けられた第2のハンドル部をさらに備える、請求項62に記載の神経カフ。
【請求項64】
前記第1のハンドル部および前記第2のハンドル部は、らせん軸の周りで約90°~約180°の半径方向角度だけ分離される、請求項63に記載の神経カフ。
【請求項65】
前記第1のハンドル部は、前記第2のハンドル部に取り付けられる、請求項63または64に記載の神経カフ。
【請求項66】
前記ヘリカル神経カフの前記長さに沿った中間位置に取り付けられた追加のハンドル部をさらに備える、請求項56から65のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイス。
【請求項67】
前記基板は、内側表面、前記基板の第1の縁部、および前記基板の第2の縁部を定義する幅を有し、前記神経カフが弛緩位置にあるとき、前記第1の縁部の少なくとも一部は前記第2の縁部の少なくとも一部と接触する、請求項56から66のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項68】
前記基板は、内側表面、前記基板の第1の縁部、および前記基板の第2の縁部を定義する幅を有し、前記神経カフが弛緩位置にあるとき、前記第1の縁部は前記第2の縁部と接触しない、請求項56から66のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項69】
前記1つ以上の電極の少なくとも1つが、前記ヘリカル神経カフの前記長さに沿って配置される、請求項56から68のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項70】
前記ヘリカル神経カフの前記長さに沿って配置された前記1つ以上の電極のうちの前記少なくとも1つが、前記ヘリカル神経カフの内側表面に配置される、請求項69に記載の神経カフ。
【請求項71】
前記1つ以上の電極の前記少なくとも1つが、1つ以上の蛇行セグメントを含む、請求項56から70のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項72】
前記ヘリカル神経カフは、少なくとも1回転、巻き戻されるように構成される、請求項56から71のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項73】
前記ヘリカル神経カフは右巻きらせん部を含む、請求項56から72のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項74】
前記ヘリカル神経カフは左巻きらせん部を含む、請求項56から72のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項75】
前記ヘリカル神経カフは、左巻きらせん部に接合された右巻きらせん部を含む、請求項56から73のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項76】
直線状の接続部材を介して第2のらせん部に接合された第1のらせん部を含む、請求項56から75のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項77】
前記神経カフは、電気パルスを前記神経に放出するように構成された1つ以上の電極を含む、請求項56から76のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項78】
前記神経カフは、前記神経によって伝達される前記電気生理学的信号を検出するように構成された1つ以上の電極を備える、請求項56から77のいずれか一項に記載の神経カフ。
【請求項79】
前記神経カフは、前記神経によって伝達される前記電気生理学的信号を検出するように構成された2つ以上の電極を備える、請求項78に記載の神経カフ。
【請求項80】
前記神経カフは前記神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成された1つ以上の電極と、前記神経に電気パルスを放出するように構成された1つ以上の電極とを含み、前記神経に電気パルスを放出するように構成された前記1つ以上の電極のうちの少なくとも1つは、前記神経によって伝達される前記電気生理学的信号を検出するように構成された前記1つ以上の電極のうちの少なくとも1つよりも幅が広い、請求項56から79のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項81】
本体を受容し、前記ヘリカル基板の前記長さに沿って配置された前記1つ以上の電極を前記本体に電気的に接続する、ように構成された前記ヘリカル基板に取り付けられたマウントをさらに備える、請求項56から80のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項82】
前記本体は、前記1つ以上の電極と直接接続する、請求項81に記載の神経カフ。
【請求項83】
前記マウントは、前記本体を前記1つ以上の電極に電気的に接続するように構成された1つ以上のフィードスルーを含む、請求項81に記載の神経カフ。
【請求項84】
前記神経は脾神経である、請求項56から83のいずれか1項に記載の神経カフ。
【請求項85】
1つ以上の電極を含む、ヘリカル神経カフを埋め込む方法であって、
少なくとも部分的に前記ヘリカル神経カフを巻き戻すことと、
神経を含む線維組織の後方に前記ヘリカル神経カフの端部を通すことと、
前記ヘリカル神経カフを前記線維組織の周りに巻くことと、
を含む、方法。
【請求項86】
前記ヘリカル神経カフは、請求項56から85のいずれか1項に記載の神経カフである、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
1つ以上の電極を備えるヘリカル神経カフに、無線通信システムを備える本体を備えるインプランタブルデバイスを埋め込む方法であって、
少なくとも部分的に前記神経カフを巻き戻すことと、
神経を含む線維組織の後方に前記ヘリカル神経カフの端部を通すことと、
前記ヘリカル神経カフを前記線維組織の周りに巻くことと、
を含む、方法。
【請求項88】
前記ヘリカル神経カフの前記端部が前記線維組織の後方を通るときに、前記本体の移動を制限することを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記本体は、前記本体に近位の位置において前記ヘリカル神経カフに取り付けられるハンドル部、または前記本体に取り付けられるハンドル部、に保持することによって、ほぼ安定した位置に保持される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記インプランタブルデバイスは、請求項1から51のいずれか1項に記載のインプランタブルデバイスである、請求項87から89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
前記線維組織の後方を通る前記ヘリカル神経カフの前記端部を引っ張ることを含む、請求項85から90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項92】
前記ヘリカル神経カフを前記線維組織に実質的に平行に方向づけることを含む、請求項85から91のいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
前記ヘリカル神経カフは、前記線維組織の後方を通る前記ヘリカル神経カフの前記端部を引っ張ることによって少なくとも部分的に巻き戻される、請求項85から92のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
前記ヘリカル神経カフは、前記線維組織の後方を通る前記ヘリカル神経カフの前記端部を引っ張る前に、少なくとも部分的に巻き戻される、請求項85から92のいずれか1項に記載の方法。
【請求項95】
前記ヘリカル神経カフの前記端部は、前記線維組織の下方から前記線維組織の後方を通る、請求項85から94のいずれか1項に記載の方法。
【請求項96】
周辺の組織から前記線維組織を分離することをさらに含む、請求項85から95のいずれか1項に記載の方法。
【請求項97】
前記線維組織は、前記線維組織の一部を円周方向に切開することによって、前記周辺の組織から分離される、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記線維組織の後方を通る前記ヘリカル神経カフの前記端部は、前記ヘリカル神経カフの前記端部に取り付けられたハンドル部を引っ張ることによって引っ張られる、請求項85から97のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
前記線維組織は脾神経を含む、請求項85から98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
インプランタブルデバイスの作製方法であって、
ハウジングへフィードスルーを取り付けることと、
前記ハウジング内の無線通信システムを含むボードアセンブリを位置決めすることと、
前記ハウジングを第1の神経カフレイヤへ取り付けることと、
前記第1の神経カフレイヤを1つ以上の電極を含む第2の神経カフレイヤへ取り付けることと、
前記神経カフの前記1つ以上の電極を、前記フィードスルーを介して前記ボードアセンブリに電気的に接続することと、
を含む、方法。
【請求項101】
前記フィードスルーは、ボードアセンブリが前記ハウジング内に配置される前に、前記ハウジングに取り付けられる、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記フィードスルーは、前記ボードアセンブリが前記ハウジング内に配置される前に、前記ボードアセンブリに取り付けられる、請求項100に記載の方法。
【請求項103】
前記ハウジングを封止することを含む、請求項100から102のいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
音響窓を前記ハウジングに取り付けることを含む、請求項100から103のいずれか1項に記載の方法。
【請求項105】
前記音響窓は前記ボードアセンブリが前記ハウジング内に配置された後に、前記ハウジングの開放上部に取り付けられる、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
箔をフレームに取り付けることによって前記音響窓を組み立てることを含む、請求項104または105に記載の方法。
【請求項107】
前記ハウジングに音響伝導性材料を充填することを含む、請求項100から106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項108】
前記音響伝導性材料は前記ハウジング上のポートを通して前記ハウジング内に充填され、前記方法は前記ポートを封止することを含む、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記無線通信システムを前記ボードアセンブリに取り付けることを含む、請求項100から108のいずれか1項に記載の方法。
【請求項110】
前記無線通信システムは、1つ以上の超音波トランスデューサを備える、請求項100から109のいずれか1項に記載の方法。
【請求項111】
前記ボードアセンブリは、前記無線通信システムに電気的に接続される集積回路を備える、請求項100から110のいずれか1項に記載の方法。
【請求項112】
前記ハウジングは、前記第1の神経カフレイヤに直接取り付けられる、請求項100から111のいずれか1項に記載の方法。
【請求項113】
前記ハウジングを前記第1の神経カフレイヤに取り付けるために、接着剤または留め具が使用される、請求項100から112のいずれか1項に記載の方法。
【請求項114】
前記第1の神経カフレイヤはらせん状である、請求項100から113のいずれか1項に記載の方法。
【請求項115】
1つ以上のハンドル部を前記本体、前記第1の神経カフレイヤ、前記第2の神経カフレイヤ、または前記第1の神経カフレイヤと前記第2の神経カフレイヤとの間、に取り付けることを含む、請求項100から114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
1つ以上の電極を基板材料に埋め込むことによって前記第2の神経カフレイヤを作製することを含む、請求項100から115のいずれか1項に記載の方法。
【請求項117】
軸体の周りに前記第2の神経カフレイヤを巻き付けることと、前記第2の神経カフレイヤが前記軸体の周りに巻き付けられている間に、前記第2の神経カフレイヤを前記第1の神経カフレイヤに取り付けることと、を含む、請求項100から116のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる、2019年10月17日に出願された米国仮出願第62/916,709号に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
[技術分野]
ヘリカル(らせん状)神経カフと、ヘリカル神経カフおよび無線通信システムを備える埋め込み型(インプランタブル)デバイスとが、本明細書に記載される。また、ヘリカル神経カフおよびインプランタブルデバイスを埋め込む方法、ならびにヘリカル神経カフおよびインプランタブルデバイスを作製する方法も記載される。
【背景技術】
【0003】
個体の末梢神経系は、生命維持に必要な器官の活動や生理的恒常性を厳密に制御して働いている。神経を介して伝達される電気パルス(すなわち、活動電位)は、脈拍数、炎症、および膀胱または腸の制御などの様々な生理学的機能を変化させることができる。ある種の医学的状態は、これらの神経信号がターゲット器官に過剰刺激または過少刺激のいずれかを行うことによって身体を適切に制御できない場合に発生し得る。
【0004】
末梢神経系の電気信号を制御することにより、異常な生理的活動を治療するための侵襲的方法が開発されている。そのような方法は、電極の先端がターゲット神経に接触する状態で、患者の体内に電極を埋め込むことを含むことができる。これらの電極は一般に、外部装置に取り付けられる長いリード線を有し、これにより、患者は、電極の感染やまたは変位の実質的な危険にさらされる。さらに、多くの方法は非常に侵襲的であるため、特定の治療は臨床現場に限定され、在宅治療として使用することはできない。完全な埋込み型デバイスはより侵襲性の低い治療のために開発されてきたが、このようなデバイスは体の多くの位置に配置するには大きすぎる。したがって、埋め込まれたデバイスは、位置が変わるまたは破壊され得る長いリードの使用を必要とする。このような埋め込まれたデバイスはまた、迷走神経のような上流神経を刺激するために埋め込まれ、これは、ターゲット外の電気刺激による大きな副作用をもたらす。
【0005】
これまで開発された神経カフは、より大きく、または容易に末梢神経に到達できる。しかしながら、そのような神経カフは、特定の神経に適切ではないか、または容易に埋め込み可能ではない場合がある。
【発明の概要】
【0006】
ヘリカル神経カフ、およびヘリカル神経カフと無線通信システムを備える本体とを備えるインプランタブルデバイス、が本明細書に記載される。本体は、ヘリカル神経カフの外側表面に取り付けることができる。また、ヘリカル神経カフおよびインプランタブルデバイスを埋め込む方法、ならびにヘリカル神経カフおよびインプランタブルデバイスを作製する方法も記載される。
【0007】
インプランタブルデバイスは、無線通信システムを含む本体と、神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するか、または神経に電気パルスを放出するように構成された無線通信システムと電気的に通信する2つ以上の電極と、2つ以上の電極のうちの少なくとも1つを備えるヘリカル神経カフであって、本体はヘリカル神経カフ上にあり、ヘリカル神経カフは神経を有する線維組織の周りを少なくとも部分的に巻き、2つ以上の電極のうちの少なくとも1つを神経と電気的に通信するように配置する、ように構成される、ヘリカル神経カフと、を備えてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、無線通信システムが超音波トランスデューサを備える。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが最長寸法において長さが約5mm以下である。いくつかの実施形態では、無線通信システムが2つ以上の超音波トランスデューサを備える。
【0009】
いくつかの実施形態では、無線通信システムが無線周波数アンテナを備える。
【0010】
いくつかの実施形態では、無線通信システムが超音波または無線周波(radiofrequency)を受信し、超音波または無線周波からのエネルギーを、デバイスに電力を供給する電気エネルギーに変換するように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、少なくとも1回転、神経の周りを巻くように構成される。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフが約1.3~約1.7回転、神経の周りを巻くように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、ヘリカル神経カフの内側表面、第1の縁部、および第2の縁部を定義する幅を有し、ヘリカル神経カフが弛緩位置にあるとき、第1の縁部の少なくとも一部が第2の縁部の少なくとも一部に接触する。
【0013】
いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、ヘリカル神経カフの内側表面、第1の縁部、および第2の縁部を定義する幅を有し、ヘリカル神経カフが弛緩位置にあるとき、第1の縁部は第2の縁部に接触しない。
【0014】
いくつかの実施形態では、2つ以上の電極のうちの少なくとも1つはヘリカル神経カフの長さに沿って配置される。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフの長さに沿って配置された2つ以上の電極のうちの少なくとも1つはヘリカル神経カフの内側表面に配置される。
【0015】
ヘリカル神経カフの電極の少なくとも1つは、1つ以上の蛇行セグメントを含むことができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフが可撓性を有し、(a)ヘリカル神経カフを少なくとも部分的に巻き戻すことによって屈曲位置に、および(b)弛緩位置に構成可能である。
【0017】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスは、ヘリカル神経カフまたは身体に取り付けられた1つ以上のハンドル部をさらに備える。いくつかの実施形態では、ハンドル部はループを含む。いくつかの実施形態では、ハンドル部はフィラメントを含む。いくつかの実施形態では、ハンドル部がヘリカル神経カフの端部に近位の位置で神経カフに取り付けられる。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスは、ヘリカル神経カフの第2の端部に近位の位置でヘリカル神経カフに取り付けられた第2のハンドル部をさらに備える。いくつかの実施形態では、第1のハンドル部が第2のハンドルに取り付けられる。いくつかの実施形態では、デバイスがヘリカル神経カフの長さに沿った中間位置に取り付けられた追加のハンドル部分をさらに備える。
【0018】
インプランタブルデバイスは、本体およびヘリカル神経カフを受け入れ、それによって本体をヘリカル神経カフに取り付けるように構成されたマウントを含むことができる。代替的に、本体はヘリカル神経カフの外側表面などのヘリカル神経カフに直接取り付けられるか、または本体はヘリカル神経カフの端部に取り付けられる。いくつかの実施形態では、本体がヘリカル神経カフの中間部分に取り付けられる。いくつかの実施形態では、本体がヘリカル神経カフに取り付けられるアタッチメント端部と、アタッチメント端部から延在する延長端部とを備える。
【0019】
いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフが右巻きらせん部を含む。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフが左巻きらせん部を含む。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフが左巻きらせん部に接合された右巻きらせん部を含む。いくつかの実施形態では、本体が右巻きらせん部が左巻きらせん部に接合される近位の位置でヘリカル神経カフに取り付けられる。いくつかの実施態様において、右巻きらせん部は、直線状の接合部分を介して左巻きらせん部に接合される。
【0020】
いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフが神経に電気パルスを放出するように構成された1つ以上の電極を備える。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフが神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成された1つ以上の電極を備える。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフが神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成された2つ以上の電極を備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、神経はヒトの脾神経である。いくつかの実施形態では、神経はヒトの内臓神経である。
【0022】
いくつかの実施形態では、本体はハウジングを含む。いくつかの実施形態では、ハウジングが2つ以上の電極のうちの1つとして構成される。いくつかの実施態様において、ハウジングは音響窓を含む。いくつかの実施形態では、ハウジングが音響伝導性材料を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、本体が無線通信システムおよび2つ以上の電極に電気的に接続された集積回路を含む。いくつかの実施形態では、集積回路がキャパシタを含むエネルギー蓄積回路を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、本体が最長寸法で約8mm以下の長さである。
【0025】
ある実施形態では、無線通信システムがデータを送信するように構成される。いくつかの実施形態では、無線通信システムがデータを符号化する超音波後方散乱(バックスキャッタ)または無線周波数バックスキャッタを放出するように構成される。いくつかの実施形態では、データが検出された電気生理学的信号、測定された生理学的状態、デバイス状態、または放出された電気パルスに関連する情報を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、無線通信システムがインプランタブルデバイスを動作させるための指示を受信するように構成される。いくつかの実施形態では、指示が超音波または無線周波で符号化される。いくつかの実施形態では、支持がインプランタブルデバイスを動作させて神経に電気パルスを放出させるトリガ信号を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが生理学的状態を検出するように構成されたセンサをさらに備える。いくつかの実施形態では、センサが温度、pH、圧力、歪み、または検体濃度を検出するように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、線維組織は血管を含む。
【0029】
また、本明細書では、上述のインプランタブルデバイスのうちのいずれか1つを備えるシステムと、インプランタブルデバイスの無線通信システムと無線通信するように構成された第2の無線通信システムを備えるインテロゲータとが説明される。いくつかの実施形態では第2の無線通信システムがインプランタブル医療デバイスに超音波を送信するように構成された1つ以上の超音波トランスデューサを備え、超音波はインプランタブル医療デバイスに電力を供給する。いくつかの実施形態では第2の無線通信システムがインプランタブル医療デバイスに無線周波を送信するように構成された1つ以上の無線周波数アンテナを備え、無線周波はインプランタブル医療デバイスに電力を供給する。いくつかの実施形態では、インテロゲータが外部から着用されるように構成される。
【0030】
さらに、本明細書には、神経カフであって、神経を含む線維組織の周りを少なくとも部分的に巻くように構成される可撓性ヘリカル基板であって、(a)ヘリカル神経カフを少なくとも部分的に巻き戻すことによる屈曲位置と、(b)弛緩位置と、に構成可能である可撓性ヘリカル基板と、ヘリカル基板の長さに沿って配置された1つ以上の電極と、 屈曲位置でヘリカル基板を構成する力を加えるように構成された、ヘリカル基板に取り付けられたハンドル部と、を備える神経カフが記載される。
【0031】
ヘリカル神経カフのいくつかの実施形態では、ハンドル部はループを含む。いくつかの実施形態では、ハンドル部はフィラメントを含む。いくつかの実施形態では、ハンドル部の一部が基板内に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、ハンドル部がヘリカル神経カフの端部に近位の位置で神経カフに取り付けられる。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、ヘリカル神経カフの第2の端部に近位の位置でヘリカル神経カフに取り付けられた第2のハンドル部を備える。いくつかの実施形態では、第1のハンドル部および第2のハンドル部がらせん軸の周りで約90°~約180°の半径方向角度だけ分離される。いくつかの実施形態では、第1のハンドル部は、第2のハンドル部に取り付けられる。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、ヘリカル神経カフの長さに沿った中間位置に取り付けられた追加のハンドル部を含む。
【0032】
ヘリカル神経カフの1つ以上の電極は、1つ以上の蛇行セグメントを含み得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、少なくとも1回転、神経の周りを巻くように構成される。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、約1.3~約1.7回転、神経の周りを巻くように構成される。
【0034】
いくつかの実施形態ではヘリカル神経カフの基板が内側表面、基板の第1の縁部、および基板の第2の縁部を定義する幅を有し、神経カフが弛緩位置にあるとき、第1の縁部の少なくとも一部は第2の縁部の少なくとも一部に接触する。
【0035】
いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフの基板が内側表面、基板の第1の縁部、および基板の第2の縁部を定義する幅を有し、神経カフが弛緩位置にあるとき、第1の縁部は第2の縁部に接触しない。
【0036】
いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフの1つ以上の電極のうちの少なくとも1つはヘリカル神経カフの長さに沿って配置される。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフの長さに沿って配置された1つ以上の電極のうちの少なくとも1つはヘリカル神経カフの内面上に配置される。
【0037】
いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、少なくとも1回転、巻き戻されるように構成される。
【0038】
いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、右巻きらせん部を含む。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、左巻きらせん部を含む。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、左巻きらせん部に接合された右巻きらせん部を含む。いくつかの実施形態では、第1のらせん部は、接続部材を介して第2の部に接合される。いくつかの実施態様において、接続部材は、線形の接続部材である。
【0039】
いくつかの実施形態では、神経カフは、電気パルスを神経に放出するように構成された1つ以上の電極を備える。いくつかの実施形態では、神経カフは、神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成された1つ以上の電極を備える。いくつかの実施形態では、神経カフは、神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成された2つ以上の電極を備える。いくつかの実施形態では、神経カフは、神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成された1つ以上の電極と、神経に電気パルスを放出するように構成された1つ以上の電極と、を備え、神経に電気パルスを放出するように構成された1つ以上の電極のうちの少なくとも1つは、神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成された1つ以上の電極のうちの少なくとも1つよりも幅が広い。
【0040】
ヘリカル神経カフのいくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、脾神経を含む線維組織を少なくとも部分的に巻くように構成される。ヘリカル神経カフのいくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、内臓神経を含む線維組織を少なくとも部分的に巻くように構成される。
【0041】
また、本明細書には、1つ以上の電極を含むヘリカル神経カフを埋め込む方法であって、ヘリカル神経カフを少なくとも部分的に巻き戻すことと、神経を含む線維組織の背後にヘリカル神経カフの端部を通すことと、線維組織の周りにヘリカル神経カフを巻くこととを含む方法が記載される。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、上述のヘリカル神経カフのうちの任意の1つである。
【0042】
さらに、本明細書に記載されるのは1つ以上の電極を備えるヘリカル神経カフに無線通信システムを備える本体を備えるインプランタブルデバイスを埋め込む方法であって、ヘリカル神経カフを少なくとも部分的に巻き戻すことと、神経を備える線維組織の背後にヘリカル神経カフの端部を通すことと、線維組織の周りにヘリカル神経カフを巻くことと、を備える方法が記載される。いくつかの実施形態では、方法がヘリカル神経カフの端部が線維組織の後方を通るときに、本体の動きを制限することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本体がヘリカル神経カフに取り付けられたハンドル部を、本体に近位の位置に、または本体に取り付けられたハンドル部に保持することによって、ほぼ安定した位置に保持される。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスは、上述のインプランタブルデバイスのうちの任意の1つである。
【0043】
ヘリカル神経カフまたはインプランタブルデバイスを埋め込むいくつかの実施形態では、方法は、線維組織の後方を通るヘリカル神経カフの端部を引っ張ることを含む。
【0044】
ヘリカル神経カフまたはインプランタブルデバイスを埋め込むいくつかの実施形態では、方法は、ヘリカル神経カフを線維組織に実質的に平行に配向することを含む。
【0045】
ヘリカル神経カフまたはインプランタブルデバイスを埋め込むいくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフが線維組織の後方を通るヘリカル神経カフの端部を引っ張ることによって、少なくとも部分的に巻き戻される。ヘリカル神経カフまたはインプランタブルデバイスを埋め込むいくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、線維組織の後方を通るヘリカル神経カフの端部を引っ張る前に、少なくとも部分的に巻き戻される。
【0046】
ヘリカル神経カフまたはインプランタブルデバイスを埋め込むいくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフの端部が線維組織の下方から線維組織の後方を通る。
【0047】
ヘリカル神経カフまたはインプランタブルデバイスを埋め込むいくつかの実施形態では、方法は周辺の組織から線維組織を分離することを含む。いくつかの実施形態では、線維組織は、線維組織の一部を円周方向に切開することによって周辺の組織から分離される。
【0048】
ヘリカル神経カフまたはインプランタブルデバイスを埋め込むいくつかの実施形態では、線維組織の後方を通るヘリカル神経カフの端部は、ヘリカル神経カフの端部に取り付けられたハンドル部を引っ張ることによって引っ張られる。
【0049】
ヘリカル神経カフまたはインプランタブルデバイスを埋め込むいくつかの実施形態では、線維組織は脾神経を含む。ヘリカル神経カフまたはインプランタブルデバイスを埋め込むいくつかの実施形態では、線維組織は内臓神経を含む。
【0050】
本明細書にはさらに、インプランタブルデバイスを作製する方法であって、フィードスルーをハウジングに取り付けることと、無線通信システムを備えるボードアセンブリをハウジング内に配置することと、ハウジングを第1の神経カフレイヤに取り付けることと、第1の神経カフレイヤを1つ以上の電極を備える第2の神経カフレイヤに取り付けることと、神経カフの1つ以上の電極を、フィードスルーを介してボードアセンブリに電気的に接続することとを含む、方法が記載される。いくつかの実施形態では、ボードアセンブリがハウジング内に配置される前に、フィードスルーがハウジングに取り付けられる。いくつかの実施形態では、ボードアセンブリがハウジング内に位置決めされる前に、フィードスルーがボードアセンブリに取り付けられる。いくつかの実施形態では、本方法は、ハウジングを封止することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、音響窓をハウジングに取り付けることを含む。いくつかの実施態様では、ボードアセンブリがハウジング内に配置された後に、音響窓がハウジングの開いた上部に取り付けられる。いくつかの実施態様において、本方法は、箔をフレームに取り付けることによって音響窓を組み立てることを含む。いくつかの実施形態では、この方法がハウジングに音響伝導性材料を充填することを含む。いくつかの実施形態では音響伝導性材料がハウジング上のポートを通してハウジング内に充填され、本方法はポートを封止することを含む。いくつかの実施形態では、この方法が無線通信システムをボードアセンブリに取り付けることを含む。いくつかの実施形態では、無線通信システムが1つ以上の超音波トランスデューサを備える。いくつかの実施形態では、ボードアセンブリが無線通信システムに電気的に接続された集積回路を備える。いくつかの実施形態では、ハウジングが第1の神経カフレイヤに直接取り付けられる。いくつかの実施形態では、接着剤またはファスナを使用して、ハウジングを第1の神経カフレイヤに取り付ける。いくつかの実施形態では、第1の神経カフレイヤは螺旋状である。いくつかの実施形態では、本方法は、1つ以上のハンドル部を本体、第1の神経カフレイヤ、第2の神経カフレイヤに、または第1の神経カフレイヤと第2の神経カフレイヤとの間に取り付けることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、基板材料に1つ以上の電極を埋め込むことによって、第2の神経カフレイヤを作製することを含む。いくつかの実施形態では、方法が第2の神経カフレイヤをマンドレル(軸体)の周りに巻くことと、第2の神経カフレイヤがマンドレルの周りに巻かれている間に、第2の神経カフレイヤを第1の神経カフレイヤに取り付けることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1A】本明細書で説明されるインプランタブルデバイスの一部であり得る例示的なヘリカル神経カフを示す。
【
図1C】
図1Aおよび
図1Bに示される神経カフに類似する例示的なヘリカル神経カフを示すが、基板の第1の端部に近接してヘリカル基板に取り付けられた第1のハンドル部と、基板の第2の端部に近接してヘリカル基板に取り付けられた第2のハンドル部とをさらに含む。
【
図1D】ハウジングを有する本体に取り付けられた
図1Aおよび
図1Bのヘリカル神経カフを示す。
【
図1E】ハウジングを有する本体に取り付けられた
図1Aおよび
図1Bのヘリカル神経カフを示す。
【
図1F】ハウジングを有する本体に取り付けられた
図1Cのヘリカル神経カフを示す。
【0052】
【
図2A】ヘリカル神経カフの別の実施形態の前方斜視図を示す。
【
図2B】ヘリカル神経カフの別の実施形態の後方斜視図を示す。
【
図2C】ハウジングを有する本体に取り付けられた
図2Aおよび
図2Bのヘリカル神経カフを示す。
【0053】
【
図3A】ヘリカル神経カフの別の実施形態の正面図を示す。
【
図3B】ヘリカル神経カフの別の実施形態の底面図を示す。
【
図3C】ハウジングを有する本体に取り付けられた
図3Aおよび
図3Bのヘリカル神経カフを示す。
【0054】
【
図4A】ヘリカル神経カフの別の実施形態の底面斜視図を示す。
【
図4B】ヘリカル神経カフの別の実施形態の上面斜視図を示す。
【0055】
【
図5A】ヘリカル神経カフの別の実施形態の底面斜視図を示す。
【
図5B】ヘリカル神経カフの別の実施形態の上面斜視図を示す。
【0056】
【
図6A】屈曲構成の例示的なヘリカル神経カフを示し、ヘリカル部は部分的に巻き戻されている。
【
図6B】
図6Bのヘリカル神経カフを弛緩構成で示しており、ヘリカル部は、屈曲構成からリコイル(反跳)した後に巻かれる。
【0057】
【
図7】インプランタブルデバイス本体のための例示的なボードアセンブリを示し、これは、ハウジング内に封入され、そして神経カフに取り付けられ得る。
【0058】
【
図8】直交して配置された2つの超音波トランスデューサを含むデバイス本体用のボードアセンブリを示す図である。
【0059】
【
図9】留め具を使用して神経カフに取り付けられた例示的な本体のハウジングを示す。
【0060】
【
図10】ハウジングの上部に取り付けることができるアコースティックウィンドウ(音響窓)と、ハウジングを音響伝導性の材料で充填するために使用することができるポートとを備えた例示的なハウジングを示す。
【0061】
【
図11A】ハウジングの底部にフィードスルーポートを有する例示的なハウジングを示す。
【
図11B】ハウジングに取り付けられたフィードスルーを有するハウジングを示す。フィードスルーはフィードスルーポートを通って嵌合し、密封シールを形成するために、ハウジングにろう付け、はんだ付け、または他の方法で取り付けられる。
【
図11C】神経カフに取り付けられたハウジングを有するデバイスの断面図を示す。ハウジングに取り付けられたフィードスルーは、神経カフ上の電極を、ハウジング内に収容されたボードアセンブリに電気的に接続する。
【0062】
【
図12】インプランタブルデバイスと共に使用することができる例示的な質問器(インテロゲータ)を示す。
【0063】
【
図13】インプランタブルデバイスと通信するインテロゲータを示す。インテロゲータは、トリガ信号を符号化することができる超音波を送信することができる。インプランタブルデバイスは、情報を符号化するためにインプランタブルデバイスによって変調され得る超音波バックスキャッタを放出する。
【0064】
【
図14】ヘリカル神経カフを埋め込むための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0065】
【
図15】ヘリカル神経カフを埋め込むための別の例示的な方法のフローチャートを示す。
【0066】
【
図16】ヘリカル神経カフ上に本体を有するインプランタブルデバイスを埋め込むための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0067】
【
図17】ヘリカル神経カフ上に本体を有するインプランタブルデバイスのための別の例示的な方法のフローチャートを示す。
【0068】
【
図18】ヘリカル神経カフ上に本体を有するインプランタブルデバイスを作製する例示的な方法のフローチャートを示す。
【0069】
【
図19A】マウントを介してヘリカル神経カフの基板に取り付けられた本体を含む例示的なインプランタブルデバイスを示す。
【
図19B】マウントの基板受容ポートに係合することができる例示的なヘリカル神経カフを示す。
【
図19C】ヘリカル神経カフの基板の末端を受容するための基板受容ポートと、本体を受容するための本体受容ポートとを含む例示的なマウントを示す。本体および基板の両方がマウントに取り付けられると、本体は、ヘリカル神経カフの1つ以上の電極と電気的に連絡する。
【発明を実施するための形態】
【0070】
神経を刺激し、および/または神経によって伝達される電気生理学的信号(活動電位、または活動電位の非存在など)を検出するための1つ以上の電極を含むヘリカル神経カフが、本明細書に記載される。また、ヘリカル神経カフを動作させるように構成された本体を含む、ヘリカル神経カフを含むインプランタブルデバイスも記載される。身体は無線通信システムを含み、無線通信システムは、別のデバイスから指示を無線で受信するか、または別のデバイスに情報(検出された電気生理学的信号または他の生理学的特徴に関する情報など)を無線で送信することができる。また、ヘリカル神経カフおよびインプランタブルデバイスを埋め込む方法、ならびにヘリカル神経カフおよびインプランタブルデバイスを作製する方法も記載される。
【0071】
神経カフは、神経を含む線維組織の周りを少なくとも部分的に包むように構成されたヘリカル基板と、(例えば、長手に沿って)ヘリカル基板の内側表面上に配置された1つ以上の電極と、を含むことができる。ヘリカル神経カフは電極が神経と電気的に連通するように、被験体に埋め込むことができる。電極は、神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するか、または神経に電気パルスを放出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では神経カフがヘリカル基板に取り付けられたハンドル部を含み、これは神経カフの埋め込みを容易にするために使用されてもよい。ヘリカル神経カフは患者の神経、例えば、脾神経または内臓神経にアクセスするのが困難な小さなおよび/またはそのいずれかに埋め込まれてよく、神経カフのらせん状のデザインにより、より容易な埋め込みが可能になる。
【0072】
インプランタブルデバイスは無線通信システム(例えば、1つ以上の超音波トランスデューサまたは1つ以上の無線周波数(RF)アンテナを含み得る)と、無線通信システムと電気的に通信する2つ以上の電極と、ヘリカル神経カフとを有する本体を含む。2つ以上の電極は神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するか、または神経に電気パルスを放出するように構成され、電極のうちの1つ以上はヘリカル神経カフ上に配置される。本体は導電性ハウジングを含んでもよく、それは、任意選択で電極の1つであってもよい。
【0073】
ヘリカル神経カフは神経(血管、すなわち神経血管束をさらに含んでもよい)を含む線維組織の一部を円周方向に切開し、線維組織の裏側を通して神経カフの端部を通し、ヘリカル神経カフを回転させて、線維組織の周りに神経カフを配置することによって、被験体に埋め込まれ得る。ヘリカル神経カフは、本体に取り付けられてもよく、デバイス本体はカフが線維組織の周辺に配置されるときに、線維組織の正面に配置されてもよい。ヘリカル神経カフが、ヘリカル神経の端部に取り付けられたハンドル部を含む場合、ハンドル部を線維組織の裏側を通して縫い付けて、ヘリカル神経カフの端部を線維組織の裏側を通して導くことができる。
【0074】
ヘリカル神経カフに取り付けられたハンドル部は神経カフが埋め込まれているときに、神経の小さなコンパートメント空間における神経カフの注意深い操作を可能にする。外科用把持ツールを使用して、ハンドル部を把持し、それを円周方向に切開された線維組織の裏側に通すことができる。いくつかの実施形態では、神経カフがヘリカル神経カフの反対側の端部に第2のハンドル部を含む。また、第2ハンドル部は神経カフを所定の位置に誘導し、埋め込み中にヘリックスを巻き戻し、またはヘリカル神経カフを回転させてデバイスを正しく位置決めするために、外科用把持具によって把持することもできる。
【0075】
<定義>
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は文脈が明らかにそわないことを指示しない限り、複数の参照を含む。
【0076】
本明細書における値またはパラメータの「約」または「ほぼ」への基準は、その値またはパラメータ自体に向けられた変動を含む(および記述する)。例えば、「約X」を参照する記述には、「X」の記述が含まれる。
【0077】
本明細書に記載される本発明の態様および変形は、「からなる」および/または「本質的にからなる」態様および変形を含むことが理解される。
【0078】
用語「被験体」および「患者」は、本明細書において、脊椎動物を指すために互換的に使用される。
【0079】
用語「処置する」、「処置すること」、および「処置」は、本明細書中で同義的に使用され、少なくとも1つの症状の軽減、阻害、抑制、または排除による状態の改善、疾患または状態の進行の遅延、疾患または状態の再発の遅延、または疾患または状態の阻害を含む、疾患状態または状態に罹患した被験体に利益を提供する任意のアクションをいう。
【0080】
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各介在値、およびその記載された範囲内の任意の他の記載または介在値は、本開示の範囲内に包含されることが理解されるべきである。記載された範囲が上限または下限を含む場合、それらのいずれかを除外する範囲もまた、本開示に含まれる。
【0081】
本明細書で説明される様々な実施形態の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを組み合わせて、本発明の他の実施形態を形成することができることを理解されたい。本明細書で使用される項目見出しは、構成的な目的のためでしかなく、説明される主題を限定すると解釈すべきではない。
【0082】
「実施形態」に関連して上述した特徴および選好は別個の選好であり、その特定の実施形態のみに限定されるものではなく、技術的に実現可能な他の実施形態からの特徴と自由に組み合わせることができ、特徴の好ましい組み合わせを形成することができる。この説明は当業者が本発明を実施し、使用することを可能にするために提示され、特許出願およびその要件の文脈で提供される。記載された実施形態に対する種々の変形は当業者に容易に明らかであり、本明細書の一般的な原理は、他の実施形態に適用されてもよい。したがって、本発明は、示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に記載された原理および特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0083】
<ヘリカル神経カフ>
ヘリカル神経カフは、神経を含む線維組織の周りを少なくとも部分的に巻くように構成されたヘリカル基板と、ヘリカル基板の長さに沿って配置された1つ以上の電極とを含む。神経カフは任意選択で、1つ以上のハンドル部、例えば、ヘリカル基板の端部に取り付けられたハンドル部を含むことができる。
【0084】
神経カフは、神経を含む線維組織の周りを少なくとも部分的に巻くように構成される。線維組織は神経に加えて、血管(例えば、神経血管束)などの線維組織を含んでもよい。例えば、脾神経は脾動脈と密接に関連付けられ、神経カフは、脾神経と脾動脈の両方を少なくとも部分的に包むように構成されてもよい。ヘリカル神経カフの内径は、被験体の種類、ターゲット神経、または被験体内の他の解剖学的差異(例えば、特定の被験体内の神経のサイズ)に応じて異なり得る線維組織の直径に基づいて選択されてもよい。例として、内径は直径が約1mm~約8mm(例えば、直径が約1mm~約2mm、約2mm~約3mm、約3mm~約4mm、約4mm~約5mm、約5mm~約6mm、約6mm~約7mm、または約7mm~約8mm)であってもよい。
【0085】
ヘリカル神経カフは、少なくとも1回転、神経の周りを巻くように構成されてもよい。例えば、ヘリカル神経カフは、約1~約1.3回転、約1.3~約1.7回転、約1.7~約2回転、約2~約2.5回転、約2.5~約3回転、または約3~約4回転など、約1~約4回転、神経の周りを巻くことができる。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフが約1.5回転、神経の周りを巻くように構成される。
【0086】
神経カフの基板は、らせん形状に巻かれた細長い材料である。ヘリカル基板は、実質的に平坦な内側表面および/または実質的に平坦な外側表面を有してもよい。基板の幅は、実質的に均一であってもよく、任意選択で、テーパ状または丸みを帯びた端部を有してもよい。基板の幅は縁部(エッジ)を定義し、縁部は神経カフが弛緩位置にあるとき、基板がらせん形状に巻かれるにつれて、互いに接触してもよく、または接触しなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ギャップが基板の回転を分離しても分離しなくてもよい。いくつかの実施形態では基板が内側表面、基板の第1の縁部、および基板の第2の縁部を定義する幅を有し、神経カフが弛緩位置にあるとき、第1の縁部の少なくとも一部分は第2の縁部の少なくとも一部分に接触する。いくつかの実施形態では、基板が内側表面、基板の第1の縁部、および基板の第2の縁部を定義する幅を有し、神経カフが弛緩位置にあるとき、第1の縁部は第2の縁部に接触しない。
【0087】
ヘリカル神経カフの基板は、生体適合性および/またはエラストマー材料であり得る絶縁材料から作製される。例示的な基板材料にはシリコーン、シリコーンゴム、ポリジメチルシオロキサン(PDMS)、ウレタンポリマー、ポリ(p-キシリレン)ポリマー(PARYLENE(登録商標)の商品名で販売されているポリ(p-キシリレン)ポリマーなど)、またはポリイミドが含まれるが、これらに限定されない。
【0088】
いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフの基板が同じ材料であっても異なる材料であってもよい2つ以上のレイヤを含んでもよい。レイヤはヘリカル神経カフの内側表面(inner surface)を形成し、線維組織に接触する内側レイヤと、ヘリカル神経カフの外側表面(outer surface)を形成する外側レイヤとを含むことができる。導電性材料は、ヘリカル神経カフの電極を形成することができる内側レイヤと外側レイヤとの間に配置することができる。例えば、内側レイヤは電極を規定する導電性材料を露出させるために、内面上に1つ以上の開口部を含むことができる。別個の内側レイヤ及び外側レイヤは、基板のらせん形状をさらに規定することができる。例えば、内側レイヤはヘリカル神経カフが屈曲構成にあるときに外側レイヤよりも高い張力下にあってもよく、これはヘリカル神経カフが弛緩構成にあるときに基板を内側に強制的にカールさせる。
【0089】
神経カフの幅は神経カフの長さ(すなわち、神経カフの両端間のらせんの中央を走る軸に沿った最大距離)、基板の回転数、基板回転間のギャップの大きさ(もしあれば)に依存することができる。いくつかの実施形態では、神経カフの長さは約4mm~約20mm(例えば、約4mm~約7mm、約7m~約10mm、約10mm~約13mm、約13mm~約16mm、または約16mm~約20mm)である。いくつかの実施形態では、基板の幅(または内側幅)が約2mm~約8mm(例えば、約2mm~約4mm、約4mm~約6mm、または約6mm~約8mm)である。
【0090】
神経カフは、埋め込みの際に神経カフの操作を可能にするために可撓性であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフがヘリカル神経カフを少なくとも部分的に巻き戻すことによって屈曲位置に、およびヘリカル神経カフをヘリカル構成にして弛緩位置に構成することができる。
図6Aは屈曲位置にある例示的なヘリカル神経カフを示し、神経カフの右巻きらせん部および左巻きらせん部の両方が一緒に接合され、右巻きらせん部および左巻きらせん部のいずれかの端部に一方向に取り付けられた第1のハンドル部および第2のハンドル部を引っ張り、接合部材に取り付けられた第3のハンドル部を反対方向に引っ張ることによって部分的に巻き戻される。
図6Bは、弛緩位置にある、
図6Aに示されるのと同じヘリカル神経カフを示す。
【0091】
神経カフには、右巻きらせん部、左巻きらせん部、または両者の右巻きらせん部、左巻きらせん部が含まれることがある。例えば、いくつかの実施形態では、神経カフが直接的に、または接続部材(直線状、湾曲状、またはヒンジ式であってもよい)を介して、左巻きらせん部に接合された右巻きらせん部を含んでもよい。
【0092】
神経カフの1つ以上の電極は神経カフ基板の内側表面上に配置されてもよく、被覆されなくてもよく、または導電性材料(例えば、電極の電気特性を改善するために、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)ポリマーもしくは他の導電性ポリマーまたは金属で電気めっきされてもよい)で被覆されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の電極は点電極である。いくつかの実施形態では、1つ以上の電極が細長くてもよく、例えば、ヘリカル基板の長さに沿って配置されてもよい。電極は、基板の端部の前、基板の端部、または基板の端部を越えて終端することができる。1つ以上の電極はヘリカル神経カフ上のフィードスルーに接続され得、これは電極が基板の外側表面または神経カフの外側表面に取り付けられた本体に電気的に接続されることを可能にする。
【0093】
神経カフは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれ以上の電極のような1個またはそれ以上の電極を含む。いくつかの実施形態では、電極のうちの1つ以上が神経に電気パルスを放出するように構成される。いくつかの実施形態では、神経カフが神経に電気パルスを放出するように構成された1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個以上の電極を含む。いくつかの実施形態では、電極のうちの1つ以上が神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、神経カフが神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成された1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個以上の電極を含む。いくつかの実施形態では1つ以上の電極が神経に電気パルスを放出するように構成され、1つ以上の電極は神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、電気パルスを放出するように構成された電極が電気生理学的信号を検出するように構成された電極よりも幅が広い。(2つ以上の電極を有する)ヘリカル神経カフの電極は、ヘリカル神経カフの長さに沿って、互いに並んで、または異なる方向に配置されてもよい。
【0094】
任意選択で、神経カフ上の1つ以上の電極は蛇行構成、または1つ以上の(例えば、2、3、4、または複数の)蛇行セグメントを有する。
図19Bは、非蛇行セグメント1916によって分離された第1の蛇行セグメント1914aおよび第2の蛇行セグメント1914bを有する電極1908の例を示す。電極の蛇行構成は電極および神経カフの柔軟性を高めることを可能にし、これは、神経カフを埋め込む場合に特に有益である。脾神経などの特定の末梢神経は埋め込みおよび配置の際に神経カフの大幅な操作および屈曲を必要とすることがあるため、蛇行構成により、埋め込みの際の神経カフまたは電極損傷の可能性を低下させることができる。
【0095】
任意のハンドル部は外科用把持ツール(例えば、鉗子、フック、または他の把持または把持器具)によって把持されるように構成され、埋め込み中にヘリカル神経カフを操作するために有用であり得る。ハンドル部はヘリカル基板から延びるか、またはヘリカル基板内に部分的に埋め込まれてもよく、ハンドル部の把持および神経カフの操作を容易にするために、基板よりも可撓性が高いおよび/または薄くてもよい。ハンドル部は、例えばハンドル部内に、またはハンドル部のいずれかの端部が基板に取り付けられることによってループを形成することによって、ループを含んでもよい。いくつかの実施形態ではハンドル部が可撓性フィラメント(糸、紐、コード、縫合糸、またはワイヤなど)を含み、これは対象内に埋め込まれると任意選択で生分解性である。いくつかの実施形態では、ハンドル部がポリグリコリド、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、またはそれらのコポリマーなどの生体吸収性材料を含む。
【0096】
任意のハンドル部は神経カフの端部に近位で(例えば、ヘリカル神経カフの先端で)神経カフに取り付けられてもよい。神経カフは、任意選択で、2つ以上のハンドル部を含む。例えば、ヘリカル部は、ヘリカル基板の反対側の端部に近位の追加のハンドル部、および/またはヘリカル基板の中間部分に近位の追加のハンドル部を含むことができる。ヘリカル神経カフが本体に取り付けられる場合、本明細書でさらに論じられるように、ハンドル部のうちの1つは、本体に近位であっても、本体に遠位であってもよい。例として、いくつかの実施形態では本体がヘリカル神経カフの第1の端部に近位に取り付けられ、ハンドルはヘリカル神経カフの第2の端部に近位に取り付けられる。いくつかの実施形態では本体がヘリカル神経カフの第1の端部の近位に取り付けられ、ハンドル部はヘリカル神経カフの第1の端部の近位に取り付けられる。いくつかの実施形態では本体がヘリカル神経カフの第1の端部の近位に取り付けられ、第1のハンドル部は本体の近位に取り付けられ、第2のハンドル部はヘリカル神経カフの第2の端部の近位に取り付けられる。いくつかの実施形態では本体がヘリカル神経カフの中間部分に取り付けられ、第1のハンドル部はヘリカル神経カフの第1の端部の近位に取り付けられ、第2のハンドル部は本体の近位に取り付けられ、任意選択で、第3のハンドル部はヘリカル神経カフの第2の端部の近位に取り付けられる。
【0097】
任意選択的に、神経カフに取り付けられた2つ以上のハンドル部が互いに接合される。例えば、第1のハンドル部はヘリカル神経カフの第1の端部の近位に取り付けられた第1の端部を含み、第2のハンドル部はヘリカル神経カフの第2の端部の近位に取り付けられた第1の端部を含み、第1のハンドル部の第2の端部および第2のハンドル部の第2の端部は、互いに接合される。第1のハンドル部および第2のハンドル部はらせん軸の周りに約90°~約180°(例えば、約90°~約120°、約120°~約150°、または約150°~約180°)の半径方向角度で分離されたヘリカル神経カフに取り付けられてもよい。
【0098】
図1Aは例示的なヘリカル神経カフを図示し、これは、本明細書中に記載されるインプランタブルデバイスの一部であり得る。
図1Bは、異なる角度からの
図1Aに示される神経カフを示す。神経カフ100は、外側レイヤ104および内側レイヤ106を含むヘリカル基板102を含む。神経カフは約1.5回転だけ神経の周りに巻き付くように構成され、ギャップ114は基板の回転を分離する。基板102は左巻きらせんとして構成されるが、右巻きらせんの基板を有する実施形態も考えられる。細長い電極108は、ヘリカル基板102の内側表面に配置される。細長い電極108はフィードスルーポート110から伸長し、ヘリカル基板102の端部112の前の位置で終わる。電極108は外側レイヤ104と内側レイヤ106との間にあり、内側レイヤ106は、電極108を神経カフ100の内側表面に露出させる細長い切欠きを含む。代替の実施形態では、電極が内側レイヤ106の上部に配置される。
図1Dおよび
図1Eは、ハウジング122を有する本体に取り付けられた
図1Aおよび
図1Bのヘリカル神経カフを示す。ハウジング122は、ヘリカル神経カフ基板102の外側表面に取り付けられる。フィードスルー124は、フィードスルーポート110を通過して、細長い電極108を本体に電気的に接続する。
【0099】
図1Cは
図1Aおよび
図1Bに示される神経カフに類似する例示的なヘリカル神経カフを示すが、基板102の第1の端部112の近位のヘリカル基板102に取り付けられた第1のハンドル部118と、基板102の第2の端部116の近位のヘリカル基板102に取り付けられた第2のハンドル部120とをさらに含む。第1のハンドル部118および第2のハンドル部120はそれぞれ、ループを形成する可撓性フィラメントであり、フィラメントの各端部は、基板102に取り付けられる。フィラメントの端部は、内側レイヤ106と外側レイヤ104との間の基板102内に埋め込まれている。
図1Fは、ハウジング122を有する本体に取り付けられた
図1Cのヘリカル神経カフを示す。ハウジング122は、ヘリカル神経カフ基板102の外側表面に取り付けられる。
【0100】
図2Aおよび
図2Bは、それぞれ、ヘリカル神経カフ200の別の実施形態の前方および後方斜視図を示す。神経カフ200は、接続部材208を介して互いに接合された左巻きヘリカルセグメント204および右巻きヘリカルセグメント206を有する基板202を含む。図示された神経カフ200の接続部材208は、神経の周りを完全に1回転よりもわずかに少なく回転する、基板202の湾曲した細長い部分である。フィードスルーポート210は接続部材208に沿って配置され、これにより、本体を基板の内側表面に配置された電極に電気的に接続することができる。基板202は外側レイヤ212と内側レイヤ214とを含み、外側レイヤ212と内側レイヤ214との間に導電性の中間レイヤ216を挟んで導電性を有する。ヘリカル神経カフは、左巻きヘリカルセグメント204における基板202の内側表面上の神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成された3つの並列な細長い電極(218、220、および222)と、右巻きヘリカルセグメント206における基板202の内側表面上の神経に電気パルスを放出するように構成された第4の細長い電極224とを含む。電極は、内側レイヤ214の開口部によって画定される。図示の実施形態では、第4の細長い電極224が電極218、220、および222よりも幅が広い。
図2Cは、ハウジング226を有する本体に取り付けられた
図2Aおよび
図2Bのヘリカル神経カフを示す。ハウジング226は、接続部材208においてヘリカル神経カフの基板202の外側表面に取り付けられる。フィードスルー228は、電極218、220、222、および224を本体に電気的に接続するところでフィードスルーポート210を通過する。
【0101】
図3Aおよび
図3Bは、それぞれ、ヘリカル神経カフ300の別の実施形態の前方および底面の斜視図を示す。神経カフ300は、接続部材308を介して互いに接合された左巻きヘリカルセグメント304および右巻きヘリカルセグメント306を有する基板302を含む。図示された神経カフ300の接続部材308は基板302の湾曲した細長い部分であり、
図2Aおよび
図2Bに図示された神経カフの接続部材よりもより短い。フィードスルーポート310は接続部材308に沿って配置され、これにより、本体を基板の内側表面に配置された電極に電気的に接続することができる。図示された神経カフ300の基板302は、基板302の内側表面に沿って配置された電極を有する単一層を含む。ヘリカル神経カフは、左巻きのヘリカルセグメント304における基板302の内側表面上の3つの細長い電極(312、314、および316)と、右巻きのヘリカルセグメント306における基板302の内側表面上の第4の細長い電極318とを含む。
図3Cは、ハウジング320を有する本体に取り付けられた
図3Aおよび
図3Bのヘリカル神経カフを示す。ハウジング320は、ヘリカル神経カフ基板302の外側表面に取り付けられる。
【0102】
図4Aおよび
図4Bは、それぞれ、ヘリカル神経カフ400の別の実施形態の下面図および上面図を示す。神経カフ400は、接続部材408を介して互いに接合された左巻きヘリカルセグメント404および右巻きヘリカルセグメント406を有する基板402を含む。図示された神経カフ400の接続部材408は、細長く直線状の接続部材である。フィードスルーポート410は接続部材408に沿って配置され、これにより、本体が、基板の内側表面に配置された電極に電気的に接続されることが可能になる。図示された神経カフ400の基板402は、基板402の内側表面に沿って配置された電極を有する単一層を含む。ヘリカル神経カフは左巻きヘリカルセグメント404における基板402の内面上に3つの並列細長い電極(412、414、および416)を含み、神経カフ400の端部418を越えて延在する。図示の実施形態では電極412、414、および416は接合端420で互いに接合されている。神経カフはさらに、右巻きヘリカルセグメント406において基板402の内側表面に第4の細長い電極422を含み、これは、神経カフ400の反対側の端部424を越えて延在する。
【0103】
図5Aおよび
図5Bは、それぞれ、ヘリカル神経カフ500の別の実施形態の下面図および上面図を示す。神経カフ500は、接続部材508を介して互いに接合された第1の左巻きヘリカルセグメント504および第2の左巻きヘリカルセグメント506を有する基板502を含む。図示された神経カフ500の接続部材508は、細長く直線状の接続部材である。フィードスルーポート510は接続部材508に沿って配置され、これにより、本体が、基板の内側表面に配置された電極に電気的に接続されることが可能になる。図示された神経カフ500の基板502は、基板502の内側表面に沿って配置された電極を有する単一層を含む。ヘリカル神経カフは第1の左巻きヘリカルセグメント504において基板502の内側表面上に3つの並列な細長い電極(512、514、および516)を含み、神経カフ500の端部518を越えて延在する。神経カフはさらに、神経カフ500の反対側の端部522を越えて延在する、第2の左巻きヘリカルセグメント506における基板502の内側表面上の第4の細長い電極520を含む。
【0104】
ヘリカル神経カフは、任意選択で、本体を受容するように構成されたマウントを含むことができる。マウントは本体がヘリカル神経カフから外れないように、デバイスに追加の安定性を提供する。マウントはヘリカル神経カフの基板に、例えばヘリカル神経カフの外側表面に、またはヘリカル神経カフの端部に取り付けることができる。マウントは、ヘリカル神経カフの基板の端部を受容するような大きさおよび形状の基板受容ポートを含むことができる。ヘリカル神経カフの1つ以上の電極は基板自体よりも基板受容ポート内により深く配置され得るように、基板の末端を越えて延在してもよい。マウントはまた、本体を収容する本体またはハウジングを受け入れるような大きさおよび形状にされた本体受容ポートを含むことができる。したがって、マウントは、ヘリカル神経カフの基板への本体の安定した取り付けを提供することができる。本明細書にさらに記載されるように、本体は、ヘリカル神経カフ上の1つ以上の電極を操作するための構成要素を含み得る。したがって、マウントは、本体とヘリカル神経カフの1つ以上の電極との間の電気的接続を提供する。これは、例えば、ヘリカル神経カフの1つ以上の電極と本体との間の直接的な接続を可能にすることによって生じ得る。例えば、マウントは本体と1つ以上の電極との間の電気的接続を可能にするために、基板受容ポートと本体受容ポートとを接続する開口部を含むことができる。あるいは、マウントが本体とヘリカル神経カフ上の1つ以上の電極との間の電気的接続の中間にある1つ以上の電気フィードスルーを含むことができる。
【0105】
マウントは、生体適合性および/またはエラストマー材料とすることができる絶縁材料で作ることができる。マウントのための例示的な材料としてはシリコン、シリコンゴム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリジメチルシオロキサン(PDMS)、ウレタンポリマ、ポリ(p-キシリレン)ポリマ(PARYLENE(登録商標)の商品名で販売されているポリ(p-キシリレン)ポリマーなど)、またはポリイミドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
図19A~19Cは、基板1906に取り付けられた本体1904を受容するように構成されたマウント1902を有する例示的なヘリカル神経カフを示す。基板1906はヘリカル基板の内内側表面上の電極1908が見えるように、透明として示される。
図19Cを参照すると、マウント1902は、基板受容ポート1920および本体受容ポート1918を含む。
図19Bに示されるように、基板1906は、マウント1902の基板受容ポート1920によって受容され得る末端1912を含み得る。電極1908は、基板1906の末端1912を越えて延在する延長部1910を含むことができる。マウントが基板に取り付けられると、電極1908の延長部1910は、末端1912よりも基板受容ポート1920内の深い位置に配置される(
図19A参照)。本体1904を、本体受容ポート1918を通して取り付けることにより、本体1904と電極1908との間の電気的接続が、電極1908の延長部1910を通して可能になる。
【0107】
いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフが被験体に埋め込まれる。被験体は例えば、哺乳動物であり得る。いくつかの実施形態では、被験体はヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、サル、またはげっ歯類(ラットまたはマウスなど)である。ヘリカル神経カフは、これらの動物のいずれか、または他の動物内の線維組織(末梢神経、または神経血管束などの末梢神経を含む線維組織など)の周りを少なくとも部分的に巻くように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフが人間(ヒト)の脾神経、または人間の脾神経血管束などの人間の末梢神経の周りを少なくとも部分的に巻くように構成される。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフがヒトの内臓神経などのヒトの末梢神経の周りを少なくとも部分的に巻くように構成される。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフが自律神経の周りを少なくとも部分的に巻くように構成される。いくつかの実施形態では、神経は交感神経である。いくつかの実施形態において、神経は、迷走神経、腸間膜神経、脾神経、坐骨神経、脛骨神経、陰部神経、腹腔神経節、仙骨神経、またはそれらの任意のブランチである。
【0108】
<インプランタブルデバイス>
神経によって伝達される電気生理学的信号を検出し、神経に電気パルスを放出するために使用することができるインプランタブルデバイスは、ヘリカル神経カフに取り付けられた本体を含むことができる。本体は、本体とヘリカル神経カフとの間を仲介するリードなしで、ヘリカル神経カフに取り付けられる。すなわち、本体は、ヘリカル神経カフの外側表面に直接付着して、本体を神経カフに接合する。本体をヘリカル神経カフに固定することによって、埋め込み時に、神経カフと本体とを同時に位置決めすることができる。本体は、2つ以上の電極に電気的に接続された無線通信システムを含むことができる。2つ以上の電極は神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するか、または神経に電気パルスを放出するように構成され得、電極のうちの少なくとも1つはヘリカル神経カフに含まれる。ヘリカル神経カフは例えば、本明細書でさらに詳細に説明されるようなヘリカル神経カフであってもよい。インプランタブルデバイスは完全に埋め込み可能であり、すなわち、埋め込み後に被験者の体外にワイヤまたはリードが接続されない。
【0109】
装置の2つ以上の電極はヘリカル神経カフ上の1つ以上の電極を含み、無線通信システムに電気的に接続される。デバイスの本体は集積回路をさらに含んでもよく、電極は集積回路を介して無線通信システムに接続される。集積回路は装置本体の無線通信システムを動作させるように構成することができ、インプランタブルデバイスの2つ以上の電極を動作させて、電気生理学的信号を検出し、および/または、電気パルスを発することができる。任意選択で、インプランタブルデバイスは、生理学的状態を検出するように構成された1つ以上のセンサ(温度センサ、酸素センサ、pHセンサ、歪みセンサ、圧力センサ、インピーダンスセンサ、または検体の濃度を検出することができるセンサなど)を含む。
【0110】
インプランタブルデバイスの本体は、別個のデバイス(外部インテロゲータまたは別のインプランタブルデバイスなど)と通信することができる無線通信システムを含む。例えば、無線通信は神経に1つ以上の電気パルスを放出するための指示を受信するように、および/または神経によって送信された検出された電気生理学的信号に関連するデータ、および/または1つ以上の生理学的条件(例えば、検体のパルス、温度、圧力、存在または濃度など)に関連するデータなどの情報を送信するように構成されてもよい。無線通信システムは例えば、1つ以上の超音波トランスデューサ又は1つ以上の無線周波数アンテナを含むことができる。また、無線通信システムは別のデバイスから(例えば、超音波または無線周波数(RF)を介して)エネルギーを受け取るように構成されてもよく、このエネルギーは、インプランタブルデバイスに電力を供給するために使用することができる。
【0111】
検出された電気生理学的信号または生理学的状態に関する情報は、無線通信システムを使用して受信デバイスに送信され得る。例えば、無線通信システムは、超音波後方散乱(バックスキャッタ)波または無線周波数バックスキャッタ波を使用して、検出された電気生理学的信号または生理学的状態に関する情報を符号化するように動作することができる2つ以上の超音波トランスデューサを含むことができる。電気生理学的信号を検出し、検出された電気生理学的信号に関連する情報を符号化することができる例示的なインプランタブルデバイスは、国際公開第2018/009910号パンフレットに記載されている。電気パルスを放出するために超音波を使用して操作され得る例示的なインプランタブルデバイスは、WO 2018/009912 A2に記載される。超音波によって給電され、検出された生理学的状態を符号化する超音波後方散乱を放出することができる例示的なインプランタブルデバイスは、WO 2018/009905 A2およびWO 2018/009911 A2に記載されている。
【0112】
デバイス本体に含まれる集積回路は電極またはセンサと無線通信システム(例えば、1つ以上の超音波トランスデューサまたは1つ以上のRFアンテナ)との間を電気的に接続し、通信することができる。集積回路は無線通信システム(例えば、1つ以上の超音波トランスデューサまたは1つ以上の無線周波数アンテナ)を通って流れる電流を変調して、電流中の情報を符号化する、無線通信システム内の変調回路を含むか、または動作することができる。変調された電流は無線通信システムが放射する後方散乱波(例えば、超音波後方散乱波または無線周波数バックスキャッタ波)に影響を与え、バックスキャッタ波は情報を符号化する。
【0113】
図7は例示的なインプランタブルデバイス本体のボードアセンブリの側面図を示し、これは、ハウジングによって取り囲まれてもよく、ヘリカル神経カフに取り付けられてもよい。本体は無線通信システム(例えば、超音波変換器(超音波トランスデューサ))702および集積回路704を含む。図示の実施形態では、集積回路704がキャパシタ706を含む電力回路を含む。図示の実施形態ではコンデンサが(集積回路チップ上にないという点で)「オフチップ」コンデンサであるが、依然として、回路内に電気的に集積されている。キャパシタは無線通信システムによって受信されたエネルギー(例えば、超音波)から変換された電気エネルギーを一時的に蓄積することができ、エネルギーを蓄積または放出するために集積回路704によって動作させることができる。任意選択で、本体は、生理学的状態を検出するように構成されたセンサ708をさらに含む。超音波トランスデューサ702、集積回路704、キャパシタ706、およびオプションのセンサ708は、プリント回路基板であってもよい回路基板710上に実装される。回路基板710は、回路基板および/または集積回路をヘリカル神経カフの1つ以上の電極に電気的に接続する1つ以上のフィードスルー712a、712b、712c、および712dをさらに含むことができる。無線通信システム702は集積回路704に電気的に接続され、集積回路704はフィードスルー712a、712b、712c、および712dを介して電極に電気的に接続され、それによって、無線通信システム702を電極に電気的に接続する。
【0114】
無線通信システムは、インプランタブルデバイスを動作させるための指示を受信するように構成され得る。指示は例えば、インテロゲータ(質問器)のような別個のデバイスによって送信されてもよい。例として、インプランタブルデバイスによって受信された超音波(例えば、インテロゲータによって送信された超音波)は、インプランタブルデバイスを動作させるための指示を符号化することができる。別の例では、インプランタブルデバイスによって受信されたRF波がインプランタブルデバイスを動作させるための指示を符号化することができる。指示は例えば、インプランタブルデバイスに、デバイスの電極を通して電気パルスを放出するように指示するトリガ信号を含むことができる。トリガ信号は例えば、電気パルスがいつ放出されるべきか、パルス周波数、パルス電力または電圧、パルス形状、および/またはパルス持続時間に関する情報を含むことができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスはまた、無線通信システムを介して、インテロゲータによって受信され得る情報(すなわち、アップリンク通信)を送信するように動作され得る。いくつかの実施形態では、無線通信システムが情報を符号化する通信信号(例えば、超音波または無線周波)を能動的に生成するように構成される。いくつかの実施形態では、無線通信システムがバックスキャッタ波(例えば、超音波バックスキャッタ波またはRFバックスキャッタ波)上で符号化された情報を送信するように構成される。バックスキャッタ通信は情報を送信する低電力方法を提供し、これは、エネルギー問題を最小限に抑えるために小型デバイスにとって特に有益である。例として、無線通信システムは超音波を受信し、インプランタブルデバイスによって送信された情報を符号化することができる超音波バックスキャッタを放出するように構成された1つ以上の超音波トランスデューサを含むことができる。電流は超音波変換器を流れ、これを変調して情報を符号化することができる。電流は例えば、電流を変調するセンサに電流を通すことによって直接的に、または、例えば、検出された生理学的状態または電気生理学的パルスに基づいて変調回路を使用して電流を変調することによって間接的に変調されてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、無線通信システムによって送信される情報が検出された生理学的状態またはインプランタブルデバイスによって検出された電気生理学的パルスに関連しない情報を含む。例えば、情報は、インプランタブルデバイスの状態に関連する情報、または電気パルスが放出されたことを確認する確認信号、電力、周波数、電圧、持続時間、または放出された電気パルスに関連する他の情報、および/またはインプランタブルデバイスの識別コードのうちの1つ以上を含むことができる。任意選択で、集積回路は情報をデジタル化するように構成され、無線通信システムはデジタル化された情報を送信することができる。
【0117】
無線通信システムを用いて無線送信された情報は、インテロゲータによって受信されうる。いくつかの実施形態では、情報がバックスキャッタ(例えば、超音波バックスキャッタまたは無線周波数バックスキャッタ)で符号化されることによって送信される。バックスキャッタは例えば、インテロゲータによって受信され、符号化された情報を判定するために解読されることができる。後方散乱通信に関するさらなる詳細は本明細書で提供され、追加の例はWO 2018/009905、WO 2018/009908、WO 2018/009910、WO 2018/009911、WO 2018/009912、国際特許出願第PCT/US2019/028381号、国際特許出願第PCT/US2019/028385号、および国際特許出願第PCT/2019/048647号で提供され、これらの各々はすべての汎用のために基準により本明細書に組み込まれる。この情報は、変調回路を用いて集積回路により符号化することができる。変調回路は無線通信システムの一部であり、集積回路によって動作させることも、集積回路内に収容することもできる。
【0118】
インテロゲータはエネルギー波(例えば、超音波または無線周波)を送信することができ、エネルギー波はデバイスの無線通信システムによって受信されて、無線通信システムを通って流れる電流を生成する(例えば、超音波トランスデューサまたは無線周波数アンテナを通って流れる電流を生成する)。次いで、流れる電流は、無線通信システムによって放射されるバックスキャッタを発生させることができる。変調回路は、情報を符号化するために無線通信システムを流れる電流を変調するように構成することができる。例えば、変調回路は、インテロゲータから超音波を受信する超音波トランスデューサに電気的に接続されてもよい。受信した超音波によって発生した電流は変調回路を用いて変調して情報を符号化することができ、その結果、超音波トランスデューサによって放射される超音波バックスキャッタ波が情報を符号化する。同様のアプローチは、無線周波を受信する無線周波数アンテナで取り得る。変調回路は、オン/オフスイッチまたは電界効果トランジスタ(FET)などの1つ以上のスイッチを含む。インプランタブルデバイスのいくつかの実施形態と共に使用することができる例示的なFETは、金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である。変調回路は無線通信システムを流れる電流のインピーダンスを変更することができ、無線通信システムを流れる電流の変動は、情報を符号化する。いくつかの実施形態では、バックスキャッタ波に符号化された情報は、神経によって送信された電気生理学的信号、インプランタブルデバイスによって放出された電気パルス、またはインプランタブルデバイスのセンサによって検出された生理学的状態に関連する情報を含む。いくつかの実施形態では、バックスキャッタ波に符号化された情報がインプランタブルデバイスの固有の識別子を含む。これは、例えば、複数のインプランタブルデバイスが被験体に埋め込まれたときに、インテロゲータが正しいインプランタブルデバイスと通信することを確実にするために有用であり得る。いくつかの実施形態では、バックスキャッタ波において符号化された情報がインプランタブルデバイスによって放出された電気パルスを検証する検証信号を含む。いくつかの実施形態では、バックスキャッタ波に符号化された情報がエネルギー蓄積回路(またはエネルギー蓄積回路内の1つ以上のキャパシタ)に記憶されたエネルギー量または電圧を含む。いくつかの実施形態では、バックスキャッタ波において符号化された情報が検出されたインピーダンスを含む。インピーダンス測定値の変化は、瘢痕組織または電極の経時的な劣化を識別することができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、変調回路がデジタル化された信号またはアナログ信号で情報を能動的に符号化することができるデジタル回路または混合信号集積回路(集積回路の一部であってもよい)を使用して動作される。デジタル回路または混合信号集積回路は、メモリと、インプランタブルデバイスを動作させるための1つ以上の回路ブロック、システム、またはプロセッサとを含むことができる。これらのシステムは例えば、オンボードマイクロコントローラまたはプロセッサ、有限ステートマシン実装、またはインプラント上に記憶された、またはインテロゲータとインプランタブルデバイスとの間の超音波通信を介して提供された1つ以上のプログラムを実行することができるデジタル回路を含むことができる。いくつかの実施形態ではデジタル回路または混合信号集積回路がアナログ/デジタル変換器(ADC)を含み、これは信号がデジタル回路または混合信号集積回路によって処理され得るように、インテロゲータから放出された超音波で符号化されたアナログ信号を変換することができる。また、デジタル回路または混合信号集積回路は例えば、組織を刺激するために電気パルスを生成するように電力回路を動作させることができる。いくつかの実施形態では、デジタル回路または混合信号集積回路がインテロゲータによって送信された超音波に符号化されたトリガ信号を受信し、トリガ信号に応答して電気パルスを放電するように電力回路を動作させる。
【0120】
いくつかの実施形態では、無線通信システムが1つ、2つ、または3つ以上の超音波トランスデューサなどの1つ以上の超音波トランスデューサを含む。いくつかの実施形態では無線通信システムが第1の偏波軸を有する第1の超音波トランスデューサと、第2の偏波軸を有する第2の超音波トランスデューサとを含み、第2の超音波トランスデューサは第2の偏波軸が第1の偏波軸に直交するように位置決めされ、第1の超音波トランスデューサおよび第2の超音波トランスデューサはデバイスに電力を供給し、超音波バックスキャッタを放射する超音波を受信するように構成される。いくつかの実施形態では無線通信システムが第1の偏波軸を有する第1の超音波トランスデューサと、第2の偏波軸を有する第2の超音波トランスデューサと、第3の偏波軸を有する第3の超音波トランスデューサとを含み、第2の超音波トランスデューサは第2の偏波軸が第1の偏波軸および第3の偏波軸に直交するように位置決めされ、第3の超音波トランスデューサは第3の偏波軸が第1の偏波および第2の偏波軸に直交するように位置決めされ、第1の超音波トランスデューサおよび第2の超音波トランスデューサはデバイスに電力を供給し、超音波バックスキャッタを放射する超音波を受信するように構成される。
図8は直交して配置された2つの超音波トランスデューサを含むデバイスの本体のボードアセンブリを示す図である。本体は、プリント回路基板などの回路基板802と、コンデンサ806を含む電力回路である集積回路804とを含む。本体は、集積回路804に電気的に接続された第1の超音波トランスデューサ808と、集積回路804に電気的に接続された第2の超音波トランスデューサ810とをさらに含む。第1の超音波トランスデューサ808は第1の偏波軸812を含み、第2の超音波トランスデューサ810は、第2の偏波軸814を含む。第1の超音波トランスデューサ808および第2の超音波トランスデューサは、第1の偏波軸812が第2の偏波軸814に直交するように配置される。
【0121】
超音波トランスデューサは、無線通信システムに含まれる場合、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)または圧電微細加工超音波トランスデューサ(PMUT)などの微細加工超音波トランスデューサであってもよく、またはバルク圧電トランスデューサであってもよい。バルク圧電トランスデューサは、水晶、セラミック、またはポリマーなどの任意の天然または合成材料とすることができる。例示的なバルク圧電トランスデューサ材料は、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZO)、窒化アルミニウム(AlN)、石英、ベルリナイト(AlPO4)、トパズ、ランガサイト(La3Ga5SiO14)、オルトリン酸ガリウム(GaPO4)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、タングステン酸ナトリウム(Na2WO3)、ビスマスフェライト(BiFeO3)、ポリフッ化ビニリデン(ジ)(PVDF)、およびニオブ酸鉛マグネシウム-チタン酸鉛(PMN-PT)を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、バルク圧電トランスデューサがほぼ立方体(すなわち、約1:1:1(長さ:幅:高さ)のアスペクト比)である。いくつかの実施形態では、圧電トランスデューサは約7:5:1以上、または約10:10:1以上など、長さまたは幅の態様のいずれかにおいて約5:5:1以上のアスペクト比を有する板状である。いくつかの実施形態では、バルク圧電トランスデューサが約3:1:1以上のアスペクト比で長く狭く、最長寸法は超音波バックスキャッタ波の方向(すなわち、偏波軸)に整列される。いくつかの実施形態では、バルク圧電トランスデューサの1つの寸法がトランスデューサの駆動周波数又は共振周波数に対応する波長(λ)の1/2に等しい。共振周波数において、トランスデューサのいずれかの面に衝突する超音波は、逆位相に達するために180°の位相シフトを受け、2つの面の間で最大の変位を引き起こす。いくつかの実施形態では、圧電トランスデューサの高さは約10μm~約1000μm(約40μm~約400μm、約100μm~約250μm、約250μm~約500μm、または約500μm~約1000μmなど)である。いくつかの実施形態では、圧電トランスデューサの高さは約5mm以下(約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約400μm以下、250μm以下、約100μm以下、または約40μm以下など)である。いくつかの実施形態では、圧電トランスデューサの高さは長さが約20μm以上(約40μm以上、約100μm以上、約250μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、または約4mm以上など)である。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが最長寸法において、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約400μm以下、250μm以下、約100μm以下、または約40μm以下など、約5mm以下の長さを有する。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが最長寸法において約20μm以上(約40μm以上、約100μm以上、約250μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、または約4mm以上など)の長さを有する。
【0123】
超音波トランスデューサは、無線通信システムに含まれる場合、2つの電極を接続して、集積回路との電気通信を可能にすることができる。第1の電極はトランスデューサの第1の面に取り付けられ、第2の電極はトランスデューサの第2の面に取り付けられ、第1の面および第2の面は1つの寸法に沿って、トランスデューサの対向する側面である。いくつかの実施形態では、電極が銀、金、白金、白金黒、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT))、導電性ポリマー(導電性PDMSまたはポリイミドなど)、またはニッケルを含む。いくつかの実施形態では、トランスデューサの電極間の軸がトランスデューサの運動に直交する。
【0124】
インプランタブルデバイスはエネルギーを無線で受け取り、そのエネルギーを電気エネルギーに変換するように構成されてもよく、この電気エネルギーは、デバイスに給電するために使用されてもよい。無線通信システムはエネルギーを無線受信するために使用されてもよく、または別個のシステムはエネルギーを受信するように構成されてもよい。例えば、超音波トランスデューサ(無線通信システム内に収容される超音波トランスデューサまたは異なる超音波トランスデューサであってもよい)は超音波を受信し、超音波からのエネルギーを電気エネルギーに変換するように構成され得る。いくつかの実施形態では、RFアンテナ(無線通信システム内に収容されるRFアンテナまたは異なるRFアンテナであってもよい)がRF波を受信し、RF波からのエネルギーを電気エネルギーに変換するように構成される。電気エネルギーは、集積回路に伝達されて、デバイスに電力を供給する。電気エネルギーはデバイスに直接電力を供給することができ、又は、集積回路が後に使用するためにエネルギーを蓄積するために電力回路を動作させることができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、集積回路がエネルギー蓄積回路を含むことができる電力回路を含む。エネルギー蓄積回路は、バッテリ、または1つ以上のコンデンサなどの代替エネルギー蓄積デバイスであってもよい。インプランタブルデバイスは好ましくはバッテリーレスであり、代わりに、1つ以上のキャパシタに依存してもよい。一例として、インプランタブルデバイスが(例えば、無線通信システムを通して)受信した超音波または無線周波からのエネルギーは、電流に変換され、エネルギー蓄積回路に蓄積されることができる。エネルギーは、デジタル回路、変調回路、または1つ以上の増幅器に電力を供給するなど、インプランタブルデバイスを動作させるために使用され得るか、または組織を刺激するために使用される電気パルスを生成するために使用され得る。いくつかの実施形態では、電力回路が例えば、整流器および/またはチャージポンプをさらに含む。
【0126】
集積回路は神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するか、または神経に電気パルスを放出するように構成されたデバイスの2つ以上の電極を動作させるように構成されてもよく、電極のうちの少なくとも1つはヘリカル神経カフ上に含まれる。電極はヘリカル神経カフ上、デバイスの本体上、またはその両方に配置されてもよい(例えば、1つ以上の電極がデバイスの本体上にあってもよく、1つ以上の電極がヘリカル神経カフ上にあってもよい)。いくつかの実施形態では、本体のハウジングが電極として動作する。例えば、デバイスはヘリカル神経カフ上に1つ以上の作用電極を含んでもよく、ハウジングは対電極として構成されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、デバイスのハウジングが集積回路に電気的に接続される。ヘリカル神経カフ上の1つ以上の電極は例えば、1つ以上のフィードスルーを介して、集積回路に電気的に接続される。
【0127】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが生理学的状態を検出するように構成された1つ以上のセンサを含む。センサは例えば、デバイスの本体の一部として、またはヘリカル神経カフ上に含まれてもよい。センサは温度、酸素濃度、pH、検体(グルコースなど)、歪み、または圧力などの生理学的状態を検出するように構成される。生理学的条件の変動はインピーダンスを変調し、次に、集積回路に電気的に接続されるか、またはその一部である検出回路を流れる電流を変調する。インプランタブルデバイスは、同じ生理学的状態または異なる生理学的状態を検出することができる1つ以上(2、3、4、5またはそれ以上など)のセンサを備えることができる。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが10、9、8、7、6、または5個以下のセンサを備える。例えば、いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが温度を検出するように構成された第1のセンサと、酸素を検出するように構成された第2のセンサとを備える。両方の生理学的条件の変化は無線通信システムによって発せられるバックスキャッタ波に符号化することができ、バックスキャッタ波は、外部コンピューティングシステム(インテロゲータなど)によって解読することができる。
【0128】
インプランタブルデバイスの本体はヘリカル神経カフに、例えば、ヘリカル神経カフの外側表面に取り付けられる。いくつかの実施形態では、本体がヘリカル神経カフの端部に、またはヘリカル神経カフの中間部分に取り付けられる。任意選択的に、ハンドル部はヘリカル神経カフに取り付けられることができ、身体に近位の位置に取り付けられることができる。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスがヘリカル神経カフに取り付けられた本体に近位の位置でヘリカル神経カフに取り付けられたハンドル部と、ヘリカル神経カフの端部などの遠位の位置でヘリカル神経カフに取り付けられた第2のハンドル部とを含む。ヘリカル神経カフに取り付けられたインプランタブルデバイス本体の例が、
図1D、
図1E、
図1F、
図2C、および
図3Cに示されている。いくつかの実施形態では、ハンドル部がインプランタブルデバイスの本体に取り付けられる。
【0129】
インプランタブルデバイスの本体(またはハウジング)は接着剤(例えば、エポキシ、糊、セメント、はんだ、または他の結着剤)、1つ以上の締結具(例えば、ステープル、ネジ、ボルト、クランプ、リベット、ピン、ロッドなど)、または、埋め込み後に神経カフから分離しないことを確実にするために、本体をヘリカル神経カフにしっかりと取り付けるための任意の他の好適な手段を介して、ヘリカル神経カフに取り付けられてもよい。本体(またはハウジング)を神経カフに直接取り付けることができる。
図9は、留め具(906および908)を使用して神経カフ904に取り付けられた例示的な本体902を示す。いくつかの実施形態では、本体が細長い形状を有し、本体の一端(すなわち、取り付け端部(アタッチメント端部))はヘリカル神経カフに取り付けられ、反対側の端部(すなわち、延長端部)は神経カフから延びる(例えば、
図1Eの神経カフに取り付けられた本体を参照)。
【0130】
本体はハウジングを含むことができ、ハウジングは、ベース(基部)、1つ以上の側壁、および頂部を含むことができる。ハウジングは、任意選択で、導電性材料から作製され、神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するか、または神経に電気パルスを放出するように構成されたインプランタブルデバイスの1つ以上の電極のうちの1つとして構成され得る。例えば、本体のハウジングは対電極として構成されてもよく、ヘリカル神経カフ上の1つ以上の電極は動作電極として構成されてもよい。ハウジングは生体不活性金属(例えば、鋼またはチタン)または生体不活性セラミック(例えば、チタニアまたはアルミナ)などの生体不活性材料から作製される。ハウジングは、好ましくは体液が本体内に入るのを防止するように密封されている。
【0131】
アコースティックウィンドウ(音響窓)は本体のハウジングに、例えばハウジングの上部に含まれることができる(
図10参照)。音響窓は、音響波がインプランタブルデバイスの本体内の1つ以上の超音波トランスデューサによって受信され得るように、音響波がハウジングを貫通することを可能にする、より薄い材料(箔など)である。いくつかの実施形態では、超音波がハウジングを貫通することを可能にするためにハウジング(またはハウジングの音響窓)が薄くてもよく、約75μm以下、約50μm以下、約25μm以下、約15μm以下、または約10μm以下などの厚さが約100マイクロメートル(μm)以下である。いくつかの実施形態では、ハウジング(またはハウジングの音響窓)の厚さは約5μm~約10μm、約10μm~約15μm、約15μm~約25μm、約25μm~約50μm、約50μm~約75μm、または約75μm~約100μmの厚さである。
【0132】
ハウジングは、ポリマーまたはオイル(シリコーンオイルなど)などの音響伝導性材料で充填されてもよい。データはハウジングの外部とハウジング内の組織との間の音響インピーダンス不整合を低減するために、ハウジング内の空きスペースを埋めることができる。したがって、デバイスの本体は、好ましくは空気または真空がない。ハウジングに、例えば、ハウジングの側壁(
図10参照)に、ハウジングを音響伝導性材料で満たすことができるように、ポートを含むことができる。ハウジングが材料で満たされると、埋め込み後の材料の漏れを回避するために、ポートを封止することができる。
【0133】
インプランタブルデバイスのハウジングは比較的小さく、インプランタブルデバイスにしばしば関連する組織の炎症を制限しながら、快適で長期間の埋め込みを可能にする。いくつかの実施形態では、デバイスのハウジングの最長寸法は、長さが約8mm以下、約7mm以下、約6m以下、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約0.5mm以下、約0.3mm以下、約0.1mm以下である。いくつかの実施形態では、デバイスのハウジングの最長寸法は、デバイスの最長寸法において、約0.05mm以上、約0.1mm以上、約0.3mm以上、約0.5mm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上、約6mm以上、または約7mm以上である。いくつかの実施形態では、デバイスのハウジングの最長寸法は、長さが約0.3mm~約8mm、長さが約1mm~約7mm、長さが約2mm~約6mm、または長さが約3mm~約5mmである。いくつかの実施態様において、インプランタブルデバイスのハウジングは約10 mm3以下(例えば、約8 mm3以下、6 mm3以下、4 mm3以下、又は3 mm3以下)の容積を有する。いくつかの実施態様において、インプランタブルデバイスのハウジングは、約0.5mm3~約8mm、約1mm3~約7mm、約2mm3~約6mm、又は約3mm3~約5mmの容積を有する。
【0134】
ハウジング(ハウジングの底部など)は、神経カフのフィードスルーポートと整列させることができるフィードスルーポートを含むことができる。フィードスルーは、神経カフの1つ以上の電極をハウジング内の本体の構成要素に電気的に接続することができる。例えば、フィードスルーは、集積回路および/またはデバイス本体の無線通信システムに電気的に接続されてもよい。
図11Aはフィードスルーポート1104を有するハウジング1102を示し、
図11Bは、本体の構成要素をヘリカル神経カフの1つ以上の電極に電気的に接続するように配置されたフィードスルー1106を有するハウジングを示す。
図11Cは例示的なデバイスの断面図を示し、ここで、フィードスルー1106は、神経カフ上の電極1108を、本体のハウジング1102内に配置された電子回路1110(集積回路、無線通信システムなど)に電気的に接続する。フィードスルーは例えば、金属(銀、銅、金、白金、白金黒、またはニッケルを含む金属など)サファイア、または導電性セラミック(例えば、インジウムスズ酸化物(ITO))とすることができる。電極は、はんだ付け、レーザ溶接、またはフィードスルーを電極に圧着するなどの任意の適切な手段を使用してフィードスルーに接続することができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが被験体に埋め込まれる。被験体は例えば、哺乳動物であり得る。いくつかの実施形態では、被験体がヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、サル、またはげっ歯類(ラットまたはマウスなど)である。ヘリカル神経カフは、これらの動物のいずれか、または他の動物内の線維組織(末梢神経、または神経血管束などの末梢神経を含む線維組織など)の周りを少なくとも部分的に巻くように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフがヒトの脾神経、またはヒトの脾神経血管束などの人間末梢神経の周りを少なくとも部分的に巻くように構成される。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフは、自律神経の周りを少なくとも部分的に巻くように構成される。いくつかの実施形態では、神経は交感神経である。いくつかの実施形態において、神経は、迷走神経、腸間膜神経、脾神経、坐骨神経、脛骨神経、陰部神経、腹腔神経節、仙骨神経、またはそれらの任意のブランチである。
【0136】
<インテロゲータ>
インテロゲータは、インプランタブルデバイスの無線通信システムを使用して、1つ以上のインプランタブルデバイスと無線で通信することができる。無線通信は、インプランタブルデバイスから情報を無線で受信すること、インプランタブルデバイスに指示を無線で送信すること(インプランタブルデバイスに電気パルスを発するように指示するトリガ信号など)、またはその両方を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、インテロゲータは、インプランタブルデバイスに電気パルスを発するように指示するトリガ信号など、デバイスを動作させるための指示を符号化する超音波を送信する。いくつかの実施形態では、インテロゲータは、インプランタブルデバイスによって送信された情報を符号化する、インプランタブルデバイスからの超音波バックスキャッタをさらに受信する。情報は例えば、検出された電気生理学的パルス、インプランタブルデバイスによって放出された電気パルス、および/または測定された生理学的状態に関連する情報を含むことができる。
【0137】
いくつかの実施形態では、インテロゲータは、インプランタブルデバイスに電力を供給するために、エネルギー(超音波または無線周波など)を無線で送信する。例えば、インテロゲータは超音波またはRF波をインプランタブルデバイスに送信することができ、インプランタブルデバイスは受信された波からのエネルギーを、デバイスに給電するために使用される電気エネルギーに、直ちに、または電力回路にエネルギーを蓄積することによって、変換することができる。
【0138】
インテロゲータは送信器および/または受信器(または超音波を代替的に送信または受信するように構成され得る送受信器(トランシーバ))として動作し得る、1つ以上の超音波トランスデューサまたは無線周波数アンテナ(例えば、インプランタブルデバイスが、その無線通信システム内に超音波トランスデューサまたは無線周波数アンテナを含む場合に応じて)を含み得る。1つ以上のトランスデューサはアレイ(例えば、トランスデューサアレイ)として配置することができ、インテロゲータは、任意選択で1つ以上のアレイを含むことができる。いくつかの実施形態では、送信機能が別個のデバイス上の受信機能から分離される。すなわち、任意選択で、インテロゲータは、超音波またはRF波をインプランタブルデバイスに送信する第1のデバイスと、インプランタブルデバイスから超音波またはRFバックスキャッタを受信する第2のデバイスとを備える。いくつかの実施形態では、アレイ内のトランスデューサ又はRFアンテナが規則的な間隔、不規則な間隔を有することができ、又は疎に配置されることができる。いくつかの実施形態では、アレイは可撓性を有する。いくつかの実施形態ではアレイは平面であり、いくつかの実施形態ではアレイは非平面である。
【0139】
例示的なインテロゲータが
図12に示されている。図示されたインテロゲータは、複数の超音波トランスデューサを有するトランスデューサアレイを示す。いくつかの実施形態では、トランスデューサアレイが1個以上、2個以上、3個以上、5個以上、7個以上、10個以上、15個以上、20個以上、25個以上、50個以上、100個以上、250個以上、500個以上、1000個以上、2500個以上、5000個以上、または10,000個以上のトランスデューサを含む。いくつかの実施形態では、トランスデューサアレイが100,000個以下、50,000個以下、25,000個以下、10,000個以下、5000個以下、2500個以下、1000個以下、500個以下、200個以下、150個以下、100個以下、90個以下、80個以下、70個以下、60個以下、50個以下、40個以下、30個以下、25個以下、20個以下、15個以下、10個以下、7個以下、5個以下のトランスデューサを含む。トランスデューサアレイは例えば、50個以上の超音波トランスデューサピクセルを含むチップとすることができる。
【0140】
図12に示されるインテロゲータは単一のトランスデューサアレイを示すが、インテロゲータは1つ以上、2つ以上、または3つ以上の別個のアレイを含むことができる。いくつかの実施形態では、インテロゲータが10個以下のトランスデューサアレイ(例えば、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のトランスデューサアレイ)を含む。別個のアレイは例えば、被験体の異なる地点に配置することができ、同じまたは異なるインプランタブルデバイスと通信することができる。いくつかの実施形態では、アレイがインプランタブルデバイスの反対側に配置される。インテロゲータは特定用途向け集積回路(ASIC)を含むことができ、特定用途向け集積回路(ASIC)は、トランスデューサアレイ内の各トランスデューサのためのチャネルを含む。いくつかの実施形態では、チャネルが(「T/Rx」によって
図10に示される)スイッチを含む。スイッチは代替的に、超音波を送信するかまたは超音波を受信するように、チャネルに接続されたトランスデューサを構成することができる。このスイッチは、超音波受信回路を、より高電圧の超音波送信回路から分離することができる。
【0141】
いくつかの実施形態ではチャネルに接続されたトランスデューサが超音波を受信するためだけに、または超音波を送信するためだけに構成され、スイッチは任意選択でチャネルから省略される。チャネルは、送信された超音波を制御するように動作する遅延制御部を含むことができる。遅延制御は例えば、位相シフト、時間遅延、パルス周波数及び/又は波形(振幅及び波長を含む)を制御することができる。遅延制御は、入力パルスを遅延制御からトランスデューサが超音波を送信するために使用するより高い電圧にシフトするレベルシフタに接続することができる。いくつかの実施形態では、各チャネルの波形および周波数を表すデータが「ウェーブテーブル」に格納することができる。これにより、各チャンネルの送信波形を異ならせることができる。その後、遅延制御およびレベルシフタを使用して、このデータをトランスデューサアレイへの実際の送信信号に「ストリーム・アウト」することができる。いくつかの実施形態では、各チャネルに対する送信波形がマイクロコントローラまたは他のデジタルシステムの高速シリアル出力によって直接生成され、レベルシフタまたは高電圧増幅器を介してトランスデューサ素子に送られることができる。いくつかの実施形態では、ASICは、ASICに供給される第1の電圧を、チャネルに印加されるより高い第2の電圧に変換するために、チャージポンプ(
図12に図示)を含む。チャネルは、遅延制御を動作させるデジタルコントローラなどのコントローラによって制御することができる。
【0142】
超音波受信回路では、受信した超音波はトランスデューサ(受信モードに設定)によって電流に変換され、データ取り込み回路に送信される。いくつかの実施形態では、増幅器、アナログデジタル変換器(ADC)、可変利得増幅器、または組織損失を補償する時間利得制御可変利得増幅器、および/または帯域通過フィルタが受信回路に含まれる。ASICは、バッテリ(インテロゲータの着用可能な実施形態に好ましい)などの電源から電力を引き出すことができる。
図12に示す実施形態ではASICに1.8Vの電源が提供され、これはチャージポンプによって32Vに増加されるが、任意の適切な電圧を使用することができる。ある実施形態では、インテロゲータがプロセッサと、一時的でないコンピュータ可読メモリとを含む。いくつかの実施形態では、上述のチャネルがT/Rxスイッチを含まず、代わりに、良好な飽和回復を有する低雑音増幅器の形態の高電圧Rx(受信器回路)を有する独立したTx(送信)およびRx(受信)を含む。一部の実施形態では、T/Rx回路はサーキュレータを含む。いくつかの実施形態ではトランスデューサアレイがインテロゲータ送信/受信回路内の処理チャネルよりも多くのトランスデューサ素子を含み、マルチプレクサはパルスごとに異なるセットの送信素子を選択する。例えば、3:1マルチプレクサを介して192個の物理トランスデューサ素子に接続された64個の送信受信チャネルであって、64個のトランスデューサ素子のみが所定のパルス上でアクティブである。
【0143】
いくつかの実施形態では、インテロゲータは埋め込み可能である。いくつかの実施形態では、インテロゲータは外部にある(すなわち、埋め込まれていない)。例として、外部インテロゲータは、ストラップまたは接着剤によって身体に固定され得る着用可能であり得る。別の例では、外部インテロゲータはユーザ(医療専門家など)が保持することができるワンドとすることができる。いくつかの実施形態では、インテロゲータが縫合糸、単純な表面張力、布ラップ、スリーブ、弾性バンドなどの衣類ベースの固定デバイスを介して、または皮下固定によって身体に保持することができる。インテロゲータのトランスデューサまたはトランスデューサアレイは、トランスデューサの残りの部分とは別個に配置されてもよい。例えば、トランスデューサアレイは第1の位置(例えば、1つ以上のインプランタブルデバイスの近位)で被験体の皮膚に固定され得、インテロゲータの残りは第2の位置に配置され得、ワイヤはトランスデューサまたはトランスデューサアレイをインテロゲータの残りにつなぐ。
【0144】
トランスデューサアレイの具体的な設計は、アレイ内の個々のトランスデューサの所望の貫通深さ、開口サイズ、およびサイズに依存する。トランスデューサアレイのレイリー距離Rは、次のように計算される:
ここで、Dは開口のサイズであり、λは伝播媒体(すなわち組織)内の超音波の波長である。当技術分野で理解されるように、レイリー距離は、アレイによって放射されるビームが完全に形成される距離である。すなわち、受信電力を最大にするために、圧力場はレイリー距離で自然焦点に収束する。したがって、いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスがトランスデューサアレイからレイリー距離とほぼ同じ距離にある。
【0145】
トランスデューサアレイ内の個々のトランスデューサは、ビームフォーミングまたはビームステアリングのプロセスを通して、レイリー距離およびトランスデューサアレイによって放射される超音波のビームの位置を制御するように変調することができる。線形制約最小分散(LCMV)ビームフォーミングなどの技法を用いて、複数のインプランタブルデバイスを外部の超音波トランシーバ(送受信器)と通信することができる。例えば、Bertrand, et., al, Beamforming Approaches for Untethered、Ultrasonic Neural Dust Motes for Cortical Recording: a Simulation Study、IEEE EMBC(Aug.2014)を参照されたい。いくつかの実施形態では、ビームステアリングは、アレイ内のトランスデューサによって放射される超音波の電力または位相を調整することによって実行される。
【0146】
いくつかの実施形態では、インテロゲータは、1つ以上のトランスデューサを使用して超音波をビームステアリングするための指示、1つ以上のインプランタブルデバイスの相対位置を決定するための指示、1つ以上のインプランタブルデバイスの相対移動を監視するための指示、1つ以上のインプランタブルデバイスの相対移動を記録するための指示、および複数のインプランタブルデバイスからのバックスキャッタリングを逆畳み込みするための指示のうちの1つ以上を含む。
【0147】
任意選択で、インテロゲータはモバイル端末(例えば、スマートフォンまたはタブレット)などの別個のコンピュータシステムを使用して制御される。コンピュータシステムは例えば、ネットワーク接続、無線周波数(RF)接続、またはBluetoothを介して、インテロゲータに無線通信することができる。コンピュータシステムは例えば、インテロゲータをオンまたはオフにするか、またはインテロゲータによって受信された超音波に符号化された情報を分析することができる。
【0148】
<インプランタブルデバイスとインテロゲータとの間の通信>
インプランタブルデバイスとインテロゲータは、例えば超音波または無線周波を使用して、互いに無線で通信する。通信は片方向通信(例えば、インテロゲータがインプランタブルデバイスに情報を送信する、またはインプランタブルデバイスがインテロゲータに情報を送信する)、または双方向通信(例えば、インテロゲータがインプランタブルデバイスに情報を送信する、またはインプランタブルデバイスがインテロゲータに情報を送信する)であってもよい。インプランタブルデバイスからインテロゲータに送信される情報は例えば、バックスキャッタ通信プロトコルに依存し得る。例えば、インテロゲータは、情報を符号化するバックスキャッタ波を放出する超音波またはRF波をインプランタブルデバイスに送信することができる。インテロゲータはバックスキャッタ波を受信し、受信したバックスキャッタ波に符号化された情報を解読することができる。
【0149】
いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイスがインプランタブルデバイス上の1つ以上の超音波トランスデューサまたはRFアンテナを介して、インテロゲータから超音波または無線周波を受信し、受信した波はインプランタブルデバイスを動作させるための指示を符号化することができる。例えば、インプランタブルデバイス上の超音波トランスデューサの振動は、トランスデューサの電気端子間に電圧を発生させ、集積回路を含むデバイスに電流が流れる。電流(例えば、1つ以上の超音波トランスデューサまたはRFアンテナを使用して生成することができる)はエネルギー蓄積回路を充電するために使用することができ、エネルギー蓄積回路は例えば、トリガ信号を受信した後に、電気パルスを放出するために使用されるエネルギーを蓄積することができる。トリガ信号は電気パルスが発せられるべきであるという信号を発するように、インテロゲータからインプランタブルデバイスに送信することができる。いくつかの実施形態では、トリガ信号が周波数、振幅、パルス長、またはパルス形状(例えば、交流、直流、またはパルスパターン)など、放出されるべき電気パルスに関する情報を含む。デジタル回路はトリガ信号を解読し、電極及び電気蓄積回路を動作させてパルスを放出することができる。
【0150】
いくつかの実施形態では、超音波バックスキャッタまたは無線周波数バックスキャッタがインプランタブルデバイスから放出され、インプランタブルデバイス、インプランタブルデバイスによって放出された電気パルス、インプランタブルデバイスによって検出された電気生理学的パルス、または検出された生理学的状態に関する情報を符号化することができる。例えば、バックスキャッタは、電気パルスが放出されたことを検証する検証信号を符号化することができる。いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイスが電気生理学的信号を検出するように構成され、検出された電気生理学的信号に関する情報は超音波バックスキャッタによってインテロゲータに送信することができる。バックスキャッタにおける信号を符号化するために、インプランタブルデバイスの超音波トランスデューサを通って流れる電流は、検出された電気生理学的信号または測定された生理学的状態などの符号化された情報の機能として変調される。いくつかの実施形態では、電流の変調が例えば、検出された電気生理学的信号によって直接変調され得るアナログ信号であり得る。いくつかの実施形態では電流の変調がデジタル化された信号を符号化し、これは集積回路内のデジタル回路によって制御され得る。バックスキャッタは、外部のインテロゲータ(初期に超音波を送信した外部のインテロゲータと同じであっても異なっていてもよい)によって受信される。したがって、電気生理学的信号からの情報は、後方散乱した超音波の振幅、周波数、または位相の変化によって符号化することができる。
【0151】
図13は、インプランタブルデバイスと通信するインテロゲータを示す。外部の超音波トランシーバは、組織を通過することができる超音波(「搬送波」)を放出する。搬送波は超音波トランスデューサ(例えば、バルク圧電トランスデューサ、PUMT、またはCMUT)に機械的振動を生じさせる。超音波トランスデューサの両端に電圧が発生し、これにより、インプランタブルデバイス上の集積回路を流れる電流が付与される。超音波トランスデューサに流れる電流によって、インプランタブルデバイス上のトランスデューサは、バックスキャッタ超音波を放射する。いくつかの実施形態では、集積回路が超音波トランスデューサを流れる電流を変調して情報を符号化し、得られた超音波バックスキャッタ波が情報を符号化する。バックスキャッタ波はインテロゲータによって検出されることができ、超音波バックスキャッタで符号化された情報を解釈するために分析されることができる。
【0152】
インテロゲータとインプランタブルデバイスとの間の通信は、超音波またはRF波を送受信するパルスエコー法を使用することができる。パルスエコー法では、インテロゲータが所定周波数で一連のインテロゲーションパルスを送信し、次いで、埋め込まれたデバイスからバックスキャッタエコーを受信する。いくつかの実施形態では、パルスが正方形、長方形、三角形、鋸歯状、又は正弦波である。一部の実施形態では、出力されるパルスが2レベル(GNDおよびPOS)、3レベル(GND、NEG、POS)、5レベル、または任意の他の複数レベル(例えば、24ビットDACを使用する場合)とすることができる。いくつかの実施形態では、パルスが動作中にインテロゲータによって連続的に送信される。いくつかの実施形態ではパルスがインテロゲータによって連続的に送信されるとき、インテロゲータ上のトランスデューサの一部は超音波を受信するように構成され、インテロゲータ上のトランスデューサの一部は超音波を送信するように構成される。超音波を受信するように構成されたトランスデューサと、超音波を送信するように構成されたトランスデューサとは、同じトランスデューサアレイ上にあってもよいし、インテロゲータの異なるトランスデューサアレイ上にあってもよい。いくつかの実施形態では、インテロゲータ上のトランスデューサは、超音波を代替的に送信または受信するように構成されうる。例えば、トランスデューサは、1つ以上のパルスを送信することと、休止期間との間をサイクルすることができる。トランスデューサは、1つ以上のパルスを送信するときに超音波を送信するように構成され、次いで、休止期間中に受信モードに切り替えることができる。
【0153】
いくつかの実施形態では、バックスキャッタ波がインプランタブルデバイスによってデジタル化される。例えば、インプランタブルデバイスはオシロスコープまたはアナログ-デジタル変換器(ADC)および/またはメモリを含むことができ、これらは、電流(またはインピーダンス)変動における情報をデジタル的に符号化することができる。デジタル化された電流変動は情報を符号化することができ、無線通信システムによって受信され、無線通信システムは、デジタル化された超音波または無線周波を送信する。デジタル化されたデータは、例えば特異値分解(SVD)および最小二乗法に基づく圧縮を使用することによって、アナログデータを圧縮することができる。いくつかの実施形態では、圧縮が相関器またはパターン検出アルゴリズムによって実行される。バックスキャッタ信号は単一の時点で再構成データポイントを生成するために、バックスキャッタ領域の4次のバターワースバンドパスフィルタ整流積分のような一連の非線形変換を経ることができる。このような変換はハードウェア(すなわち、ハードコーディングされた)またはソフトウェアのいずれかで行うことができる。
【0154】
いくつかの実施形態では、デジタル化されたデータが一意の識別子を含むことができる。一意の識別子は例えば、複数のインプランタブルデバイスおよび/または複数の電極対を備えるインプランタブルデバイスを備えるシステムにおいて有用であり得る。例えば、一意の識別子は複数のインプランタブルデバイスからのものであるとき、例えば、インプランタブルデバイスから情報(検証信号など)を送信するときに、起源のインプランタブルデバイスを識別することができる。いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイスが複数の電極対を含み、これらの電極対は単一のインプランタブルデバイスによって同時にまたは代替的に電気パルスを放出することができる。例えば、電極の異なる対は異なる組織(例えば、異なる神経または異なる筋肉)または同じ組織の異なる領域において電気パルスを放出するように構成され得る。デジタル化された回路はどの電極対が電気パルスを放射したかを識別および/または検証するために、一意の識別子を符号化することができる。
【0155】
いくつかの実施形態では、デジタル化された信号がアナログ信号のサイズを圧縮する。ディジタル化された信号のサイズが小さくなることにより、バックスキャッタにおいて符号化された情報のより効率的な報告が可能になる。デジタル化によって送信される情報のサイズを圧縮することによって、潜在的に重なり合う信号を正確に送信することができる。
【0156】
いくつかの実施形態では、インテロゲータが複数のインプランタブルデバイスと通信する。これは、例えば、多入力多出力(MIMO)システム理論を用いて行うことができる。例えば、時分割多重化、空間多重化、または周波数多重化を使用して、インテロゲータと複数のインプランタブルデバイスとの間の通信が行われる。インテロゲータは逆畳み込み(デコンボリューション)することができ、複数のインプランタブルデバイスからの結合されたバックスキャッタを受信することができ、それによって、それぞれのインプランタブルデバイスから情報を抽出する。いくつかの実施形態では、インテロゲータがトランスデューサアレイからビームステアリングを介して特定のインプランタブルデバイスに送信される超音波を集中させる。インテロゲータは送信された超音波を第1のインプランタブルデバイスに集中させ、第1のインプランタブルデバイスからのバックスキャッタを受信し、送信された超音波を第2のインプランタブルデバイスに集中させ、第2のインプランタブルデバイスからのバックスキャッタを受信する。いくつかの実施形態では、インテロゲータが超音波を複数のインプランタブルデバイスに送信し、次いで、複数のインプランタブルデバイスから超音波を受信する。
【0157】
<神経カフおよびデバイスを埋め込む方法>
神経カフ、または神経カフを含むインプランタブルデバイスは、ヘリカル神経カフがデバイスの電極を神経と電気的に連絡するように位置する神経を含む線維組織の周りを少なくとも部分的に巻くように、被験体に埋め込まれる。神経カフまたは神経カフを有するインプランタブルデバイスは、利用可能な外科用ツールを使用して外科手術プロセスで埋め込まれてもよい。被験体内の特定の神経または神経血管束は空間が制限されており、本明細書に記載される埋め込み方法は、小さい外科手術野内のデバイスまたはヘリカル神経カフを埋め込むために有益であり得る。
【0158】
インプランタブルデバイスまたはヘリカル神経カフはヘリカル神経カフを少なくとも部分的に巻き戻し、神経を含む線維組織の後方にヘリカル神経カフの端部を通過させ、線維組織の後方を通過したヘリカル神経カフの端部を引っ張ることによって、被験体に埋め込まれてもよい。ヘリカル神経カフを部分的に巻き戻すと、神経カフが屈曲した状態になり、神経カフが弛緩状態に解放され、ヘリカル神経カフが線維組織の周りを巻きうる。ヘリカル神経カフは例えば、ヘリカル神経カフの末端を線維組織の下または後方に引っ張ることによって、ヘリカル神経カフに一旦巻きつけられるように配置されてもよい。
【0159】
線維組織は例えば、線維組織の一部を円周方向に切開するか、または部分的に円周方向に切開することによって、周囲の組織から線維組織を分離することによって、埋め込むために隔離されてもよい。最初の切開は線維組織にアクセスするためになされ得、これは他の組織によって覆われ得る。線維組織が隔離されると、インプランタブルデバイスまたはヘリカル神経カフは、外科手術野にもたらされてもよい。ヘリカル神経カフまたはインプランタブルデバイスは、ヘリカル神経カフの軸が線維組織に実質的に平行であるように方向づけられてもよい。この方向づけでは、ヘリカル神経カフの端部が(例えば、線維組織の下から)線維組織の後方(裏側)を通ることができる。
【0160】
ヘリカル神経カフの端部は、ヘリカル神経カフの末端を押しつけることによって、最初に線維組織の後方に通すことができる。ハンドル部(例えば、フィラメント、縫合糸、ループなど)はヘリカル神経カフの端部に取り付けられ得、これはヘリカル神経カフを線維組織の後方に通すために引っ張られ得る。
【0161】
いくつかの実施形態では、線維組織の後方を通ったヘリカル神経カフの端部を引っ張る前に、ヘリカル神経カフが少なくとも部分的に巻き戻される。例えば、ヘリカル神経カフの一端又は両端のハンドル部を把持し、ヘリカル神経カフを操作してらせんを半径方向の動きで巻き戻すことができる。ヘリカル神経カフを巻き戻すと、神経カフは屈曲構成になり、神経カフは弛緩構成で反跳し、らせんを巻き戻すことができる。次いで、少なくとも部分的に巻き戻されたらせんの端部は、線維組織の後方を通ることができる(ヘリカル神経カフの端部を引っ張ることを含むことができる)。一度、端部を通すと、屈曲したヘリカル神経カフが解放されることがあり、これにより、ヘリカル神経カフが線維組織に巻きつくように固定される。次に、ヘリカル神経カフ(および/または存在する場合には本体)を再配置して、ヘリカル神経カフの電極と線維組織との間の接触を確実にすることができる。
【0162】
いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフが線維組織の後方を通るヘリカル神経カフの端部を引っ張ることによって、少なくとも部分的に巻き戻される。例えば、ヘリカル神経カフの端部はヘリカル神経カフを弛緩した構成(すなわち、屈曲したらせん)にして、線維組織の後ろを通過させることができる。次いで、線維組織の後ろを通るヘリカル神経カフの端部を引っ張ることができる(例えば、ヘリカル神経カフの端部に取り付けられたハンドル部を引っ張ることによって)。ヘリカル神経カフの端部を引くと、神経カフが線維組織の後方を通る際に部分的に巻き戻される。次に、ヘリカル神経カフ(および/または存在する場合には本体)を再配置して、ヘリカル神経カフの電極と線維組織との間の接触を確実にすることができる。
【0163】
インプランタブルデバイスの本体はヘリカル神経カフの第1の端部またはヘリカル神経カフの中央に取り付けられてもよく、ヘリカル神経カフの第2の端部は線維組織の後方を通るように構成される。任意選択的に、ヘリカル神経カフの端部が線維組織の後方を通るときに、本体をほぼ安定した位置に保持することができる。例えば、インプランタブルデバイスは本体に近位の位置でヘリカル神経カフに取り付けられた、または本体自体に取り付けられたハンドル部を含んでもよく、このハンドル部は本体を安定させるために把持されてもよい。本体にいくらかのわずかな動きがあってもよいが、ヘリカル神経カフが線維組織の後方を通るときに、本体が周辺の組織または線維組織に引っ掛かることを回避するために、本体の動きを制限することができる。インプランタブルデバイスのヘリカル神経カフが線維組織の周りに巻き付けられると、インプランタブルデバイスの本体は、所望の向きに配置されてもよい。
【0164】
インプランタブルデバイスのヘリカル神経カフが線維組織の周りに巻き付けられると、インプランタブルデバイスの本体は、所望の向きに配置されてもよい。例えば、本体が音響窓を含む場合、本体の音響窓は、所望のインテロゲータの位置の方向に向けることができる。
【0165】
インプランタブルデバイスは、哺乳動物の被験体に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、被験体はヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、サル、またはげっ歯類(ラットまたはマウスなど)である。ヘリカル神経カフはこれらの動物のいずれか、または他の動物内の線維組織(末梢神経、または末梢神経を含む線維組織(例えば、神経血管束))の周りに少なくとも部分的に巻き付くように埋め込まれてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフまたはインプランタブルデバイスは、神経カフがヒトの脾神経またはヒトの脾神経血管束などのヒトの末梢神経の周りを少なくとも部分的に巻くように埋め込まれる。いくつかの実施形態では、ヘリカル神経カフまたはインプランタブルデバイスは、神経カフが自律神経の周りを少なくとも部分的に巻くように埋め込まれる。いくつかの実施形態では、神経は交感神経である。いくつかの実施形態において、神経は、迷走神経、腸間膜神経、脾神経、坐骨神経、脛骨神経、陰部神経、腹腔神経節、仙骨神経、またはそれらの任意のブランチである。
【0166】
図14は、被験体にヘリカル神経カフを埋め込む方法を示すフローチャートである。ステップ1402において、ヘリカル神経カフは少なくとも部分的に巻き戻され、これはヘリカル神経カフを屈曲構成に構成する。ステップ1404において、ヘリカル神経カフの端部は、神経を含む線維組織の後方を通る。線維組織は例えば、脾神経および脾動脈などの神経血管束であってもよい。ヘリカル神経カフの端部は線維組織の下に押され得、これは線維組織の反対側のハンドル部を露出する。任意選択で、ハンドル部を引っ張って、線維組織の後方のヘリカル神経カフを通過させることができる。ステップ1406では、ヘリカル神経カフが線維組織の周りに巻き付けられる。ヘリカル神経カフを屈曲させた構成から解放すると、神経カフは弛緩した構成に反跳することができ、これにより、ヘリカル神経カフが線維組織の周りに巻きつくことができる。任意選択で、ヘリカル神経カフはヘリカル神経カフの1つ以上の電極が線維組織に接触することを確実にするために、(例えば、1つ以上のハンドル部を引っ張ることによって)再配置されてもよい。
【0167】
図15は、被験体にヘリカル神経カフを埋め込む別の方法を示すフローチャートである。ステップ1502において、ヘリカル神経カフの端部は、神経を含む線維組織の背後を通過する。線維組織は例えば、脾神経および脾動脈などの神経血管束であってもよい。ヘリカル神経カフの端部は線維組織の下に押され得、これは線維組織の反対側のハンドル部を露出する。ステップ1504では、ヘリカル神経カフの端部を引っ張って(例えば、操作され)、ヘリカル神経カフを線維組織の後方に通し、これにより、ヘリカル神経カフが少なくとも部分的に巻き戻される。ステップ1506では、ヘリカル神経カフが線維組織の周りに巻き付けられる。ヘリカル神経カフを屈曲させた構成から解放すると、神経カフは弛緩した構成に反跳することができ、これにより、ヘリカル神経カフが線維組織の周りに巻きつくことができる。任意選択で、ヘリカル神経カフはヘリカル神経カフの1つ以上の電極が線維組織に接触することを確実にするために、(例えば、1つ以上のハンドル部を引っ張ることによって)再配置されてもよい。
【0168】
図16は、ヘリカル神経カフを含むインプランタブルデバイスを被験体に埋め込む方法を示すフローチャートである。インプランタブルデバイスの本体は、ヘリカル神経カフの第1の端部に取り付けられる。ステップ1602において、インプランタブルデバイスのヘリカル神経カフは、少なくとも部分的に巻き戻され、ヘリカル神経カフを屈曲構成に構成する。ステップ1604では、ヘリカル神経カフの第2の端部が神経を含む線維組織の後方を通過する。線維組織は例えば、脾神経および脾動脈などの神経血管束であってもよい。ヘリカル神経カフの第2の端部は線維組織の下に押され得、これは線維組織の反対側のハンドル部を露出させる。任意選択で、第2の端部に近位のヘリカル神経カフに取り付けられたハンドル部を引っ張って、ヘリカル神経カフを線維組織の後方に通すことができる。ステップ1606では、ヘリカル神経カフが線維組織の周りに巻き付けられる。ヘリカル神経カフを屈曲させた構成から解放すると、神経カフは弛緩した構成に反跳することができ、これにより、ヘリカル神経カフが線維組織の周りに巻きつくことができる。任意選択で、ヘリカル神経カフの1つ以上の電極が線維組織に接触することを確実にするために、ヘリカル神経カフおよび/またはインプランタブルデバイスの本体を(例えば、1つ以上のハンドル部を引っ張ることによって)再配置することができる。
【0169】
図17は、ヘリカル神経カフを含むインプランタブルデバイスを被験体に埋め込む別の方法を示すフローチャートである。インプランタブルデバイスの本体は、ヘリカル神経カフの第1の端部に取り付けられる。ステップ1702では、ヘリカル神経カフの第2の端部が神経を含む線維組織の後方を通る。線維組織は例えば、脾神経および脾動脈などの神経血管束であってもよい。ヘリカル神経カフの端部は線維組織の下に押され得、これは線維組織の反対側のハンドル部を露出させる。ステップ1704では、ヘリカル神経カフの第2の端部が引っ張られて(例えば、ハンドルによって)、ヘリカル神経カフを線維組織の後ろに通し、これにより、ヘリカル神経カフが少なくとも部分的に巻き戻される。ステップ1706では、ヘリカル神経カフが線維組織の周りに巻き付けられる。ヘリカル神経カフを屈曲させた構成から解放すると、神経カフは弛緩した構成に反跳することができ、これにより、ヘリカル神経カフが線維組織の周りに巻きつくことができる。任意選択で、ヘリカル神経カフはヘリカル神経カフの1つ以上の電極が線維組織に接触することを確実にするために、(例えば、1つ以上のハンドル部を引っ張ることによって)再配置されてもよい。
【0170】
<インプランタブルデバイスの作製方法>
インプランタブルデバイスは、デバイス本体をヘリカル神経カフに取り付けることによって、またはデバイス本体上にヘリカル神経カフを組み立てることによって作製することができる。例えば、ヘリカル神経カフは2つ以上の基板レイヤを含んでもよく、第1の基板レイヤは第2の基板レイヤが第1の基板レイヤに取り付けられる前にデバイス本体に取り付けられてもよく、したがってヘリカル神経カフを形成する。
【0171】
図18は、インプランタブルデバイスを作製する例示的な方法のフローチャートを示す。本方法のステップは例示的な順序で説明されるが、ステップの順序は当業者によって理解されるように変更され得ることが理解される。
【0172】
ステップ1802において、フィードスルーがハウジングに取り付けられる。ハウジングは、フィードスルーを受容するように構成されたフィードスルーポートを、例えばハウジングの底部に含むことができる。次いで、フィードスルーは例えば、ハウジングへのフィードスルーを溶接または蒸煮(ブレージング)することによって、フィードスルーポートでハウジングに取り付けることができる。ハウジングのフィードスルーポートにフィードスルーを取り付けることで、フィードスルーポートにおいて封止を設けることができる。
【0173】
ステップ1804では、ボードアセンブリがハウジング内に配置される。基板アセンブリは無線通信システム(例えば、1つ以上の超音波トランスデューサ)、集積回路、および/または本体の他の電子コンポーネントを含み得る。これらの構成要素のうちの1つ以上は例えば、導電性接着剤を使用することによって、および/または構成要素をワイヤボンディングして基板アセンブリを形成することによって、フレックス基板に取り付けることができる。ボードアセンブリはフィードスルーをボードアセンブリに電気的に接続するために、ハウジング内に配置される。あるいは、ボードアセンブリがハウジング内に位置決めされる前に、フィードスルーをボードアセンブリに取り付けることができ、次いで、ボードアセンブリが所定の位置に配置されると、フィードスルーをハウジングに取り付けることができる。
【0174】
ステップ1806では、ハウジングの開口部分が例えば、音響窓のような蓋で閉鎖される。ボードアセンブリは例えば、開口部を通してハウジング内に位置決めされてもよい。蓋は、音響窓を含んでもよい。例えば、ボードアセンブリの無線通信システムが1つ以上の超音波トランスデューサを含む場合、超音波がハウジングを通ることができるように音響窓を含むことができる。音響窓は例えば、箔をフレームに取り付けることによって(例えば、箔をフレームに核酸接合することによって)形成することができる。そして、音響窓は、例えばレーザ溶接によってハウジング開口に取り付けられてもよい。
【0175】
ステップ1808では、音響伝導性材料がハウジング内に充填される。このステップはオプションであり、例えば、無線通信システムが音響ベースの通信システムでない場合には適用されなくてもよい。しかしながら、無線通信システムが1つ以上の超音波トランスデューサを含む場合には、ハウジングを音響伝導性材料で満たすことにより、超音波を使用してより良好な通信を可能にすることができる。音響伝導性材料はポートを使用してハウジング内に充填されてもよく、ポートはハウジングの側面に含まれてもよい。音響伝導性材料中に気泡が存在しないことを確実にするために、任意選択で真空を使用することができる。ハウジングが充填されると、ポートは例えば、プラグをポート内に配置することによって封止することができ、このプラグは、プラグが所定の位置にあるのを封止するためにはんだ付けまたはレーザ溶接することができる。
【0176】
一旦組み立てられると、ハウジングは好ましくは(例えば、開口ハウジング頂部、フィードスルーポート、および/または音響伝導性材料ポートのような、任意のハウジング開口を密封することによって)密封される。
【0177】
ステップ1810において、神経カフのための第1の基板レイヤが形成される。第1の神経カフレイヤは、らせん形状に成形または切断されてもよい。フィードスルーポートはまた、ハウジングに取り付けられたフィードスルーが第1のレイヤのフィードスルーポートを通過することを可能にするように構成される、第1の神経カフレイヤに切断または成形されてもよい。
【0178】
ステップ1812では、第1の基板レイヤ(すなわち、外側レイヤ)がハウジングに取り付けられる。ハウジングはハウジングに取り付けられたフィードスルーが第1の基板レイヤのフィードスルーポートを通過するように、第1の基板レイヤと位置合わせされる。ハウジングは、らせん軸に対して並列または垂直など、らせん軸に対して所望のように位置決めされてもよい。ハウジングを第1の基板レイヤに固定するために、接着剤および/または1つ以上の留具が使用されてもよい。例えば、ハウジングは(例えば、ハウジングを形成した、ハンダ付け、溶接、形成された)取り付けられた1つ以上の留め具を有してもよく、これは、第1の基板を通過させ、ハウジングを第1のレイヤに固定するように操作することができる。
【0179】
ステップ1814において、第2の基板レイヤ(例えば、内側レイヤ)が形成される。1つ以上の電極は(例えば、導電性材料をレーザ切断することによって)成形され、次いで、第2の基板材料内に埋め込まれてもよい。必要であれば、所望の露出を確実にするために、第2の基板材料からフラッシングを除去することができる。
【0180】
ステップ1816では、第2の基板レイヤが第1の基板レイヤに取り付けられる。第2の基板レイヤはフィードスルーを電極と整列させるために、第1の基板レイヤと整列させてもよく、それによって、電極は、フィードスルーを通してボードアセンブリに電気的に接続される。電極は例えば、フィードスルーを電極にはんだ付けすることによって、および/または接着剤を使用することによって、フィードスルーに取り付けることができる。次いで、接着剤を使用して、第2の基板レイヤを第1の基板レイヤに取り付け、それによってヘリカル神経カフを形成することができる。任意選択的に、第2の基板レイヤは軸体(マンドレル)の周りに巻き付けられ、第1の基板レイヤは第2の基板レイヤの周りに巻き付けられ、一方、第2の基板レイヤはマンドレルの周りに巻き付けられる。いくつかの実施形態では、1つ以上のハンドル部が例えば、第1の基板レイヤが第2の基板レイヤに取り付けられるときに、1つ以上のハンドル部をハウジング、第1の基板レイヤ、第2の基板レイヤ、または第1の基板レイヤと第2の基板レイヤとの間に取り付けることによって、デバイスに取り付けられる。
【0181】
<例示的な実施形態>
以下の実施形態は例示的なものであり、本出願の範囲を限定することを意図するものではない:
【0182】
(実施例1) インプランタブルデバイスであって、
無線通信システムを含む本体と、
神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するか、または神経に電気パルスを放出するように構成された、無線通信システムと電気的に通信する2つ以上の電極と、
2つ以上の電極のうちの少なくとも1つを備えるヘリカル神経カフであって、本体はヘリカル神経カフ上にあり、ヘリカル神経カフは神経を有する線維組織の周りを少なくとも部分的に巻き、2つ以上の電極のうちの少なくとも1つを神経と電気的につなぐするように配置する、ように構成される、ヘリカル神経カフと、
を備えるインプランタブルデバイス。
【0183】
(実施例2) 無線通信システムは、超音波トランスデューサを備える、実施例1に記載のインプランタブルデバイス。
【0184】
(実施例3) 超音波トランスデューサは、最長寸法において長さが約5mm以下である、実施例2に記載のインプランタブルデバイス。
【0185】
(実施例4) 無線通信システムは、2つ以上の超音波トランスデューサを備える、実施例2または3に記載のインプランタブルデバイス。
【0186】
(実施例5) 無線通信システムは、無線周波数アンテナを備える、実施例1に記載のインプランタブルデバイス。
【0187】
(実施例6) 無線通信システムは超音波または無線周波を受信し、超音波または無線周波からのエネルギーを、デバイスに給電する電気エネルギーに変換するように構成される、実施例1から5のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0188】
(実施例7) ヘリカル神経カフは、少なくとも1回転、神経の周りを巻くように構成される、実施例1から6のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0189】
(実施例8) ヘリカル神経カフは、約1.3~約1.7回転、神経の周りを巻くように構成される、実施例7に記載のインプランタブルデバイス。
【0190】
(実施例9) ヘリカル神経カフは、ヘリカル神経カフの内側表面、第1の縁部、および第2の縁部、を定義する幅を有し、ヘリカル神経カフが弛緩位置にあるとき、第1の縁部の少なくとも一部が第2の縁部の少なくとも一部に接触する、実施例1から8のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0191】
(実施例10) ヘリカル神経カフは、ヘリカル神経カフの内側表面、第1の縁部、および第2の縁部、を定義する幅を有し、ヘリカル神経カフが弛緩位置にあるとき、第1の縁部が第2の縁部に接触しない、実施例1から8のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0192】
(実施例11) 2つ以上の電極のうちの少なくとも1つが、ヘリカル神経カフの長さに沿って配置される、実施例1から10のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0193】
(実施例12) ヘリカル神経カフの長さに沿って配置された2つ以上の電極のうちの少なくとも1つが、ヘリカル神経カフの内側表面に配置される、実施例11に記載のインプランタブルデバイス。
【0194】
(実施例13) ヘリカル神経カフ上のなくとも1つの電極が、1つ以上の蛇行セグメントを含む、実施例1から12のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0195】
(実施例14) ヘリカル神経カフは可撓性であり、(a)ヘリカル神経カフを少なくとも部分的に巻き戻すことによる屈曲位置と、(b)弛緩位置と、に構成可能である、実施例1から13のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0196】
(実施例15) ヘリカル神経カフまたは本体に取り付けられたハンドル部をさらに備える、実施例1から14のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0197】
(実施例16) ハンドル部がループを含む、実施例15に記載のインプランタブルデバイス。
【0198】
(実施例17) ハンドル部がフィラメントを含む、実施例15または16に記載のインプランタブルデバイス。
【0199】
(実施例18) ハンドル部は、ヘリカル神経カフの端部に近位の位置で神経カフに取り付けられる、実施例15から17のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0200】
(実施例19) ヘリカル神経カフの第2の端部に近位の位置でヘリカル神経カフに取り付けられる第2のハンドル部をさらに備える、実施例18に記載のインプランタブルデバイス。
【0201】
(実施例20) 第1のハンドル部は、第2のハンドルに取り付けられる、実施例19に記載のインプランタブルデバイス。
【0202】
(実施例21) ヘリカル神経カフの長さに沿った中間位置に取り付けられる追加のハンドル部をさらに備える、実施例16から20のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0203】
(実施例22) 本体およびヘリカル神経カフを受け入れ、それによって本体をヘリカル神経カフに取り付けるように構成されたマウントをさらに備える、実施例1から21のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0204】
(実施例23) 本体は、前記ヘリカル神経カフの外側表面に直接取り付けられる、実施例1から21のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0205】
(実施例24) 本体は、前記ヘリカル神経カフの端部に取り付けられる、実施例1から23のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0206】
(実施例25) 本体は、ヘリカル神経カフの中央部分に取り付けられる、実施例1から23のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0207】
(実施例26) 本体は、ヘリカル神経カフに取り付けられたアタッチメント端部と、アタッチメント端部から延伸する延長端部とを備える、実施例1から25のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0208】
(実施例27) ヘリカル神経カフが、右巻きらせん部を含む、実施例1から26のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0209】
(実施例28) ヘリカル神経カフが、左巻きらせん部を含む、実施例1から26のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0210】
(実施例29) ヘリカル神経カフが、左巻きらせん部に接合された右巻きらせん部を含む、実施例1から28のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0211】
(実施例30) 本体は、右巻きらせん部が左巻きらせん部に接合される位置の近位の位置においてヘリカル神経カフに取り付けられる、実施例29に記載のインプランタブルデバイス。
【0212】
(実施例31) 右巻きらせん部が、直線状の接合部を介して左巻きらせん部に接合される、実施例29または30に記載のインプランタブルデバイス。
【0213】
(実施例32) ヘリカル神経カフは、神経に電気パルスを放出するように構成された1つ以上の電極を含む、実施例1から31のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0214】
(実施例33) ヘリカル神経カフは、神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成された1つ以上の電極を備える、実施例1から32のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0215】
(実施例34) ヘリカル神経カフは、神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成された2つ以上の電極を備える、実施例33に記載のインプランタブルデバイス。
【0216】
(実施例35A) 神経はヒトの脾神経である、実施例1から34のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0217】
(実施例35B) 神経はヒトの内臓神経である、実施例1から34のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0218】
(実施例36) 本体がハウジングを含む、実施例1から35Aおよび35Bのいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0219】
(実施例37) ハウジングは、2つ以上の電極のうちの1つとして構成される、実施例36に記載のインプランタブルデバイス。
【0220】
(実施例38) ハウジングは、音響窓を含む、実施例36または37に記載のインプランタブルデバイス。
【0221】
(実施例39) ハウジングは、音響伝導性材料を含む、実施例36から38のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0222】
(実施例40) 本体は、無線通信システムおよび2つ以上の電極に電気的に接続された集積回路を備える、実施例1から39のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0223】
(実施例41) 集積回路は、キャパシタを備えるエネルギー蓄積回路を備える、実施例40に記載のインプランタブルデバイス。
【0224】
(実施例42) 本体は、最長寸法における長さが約8mm以下である、実施例1から41のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0225】
(実施例43) 無線通信システムは、データを送信するように構成される、実施例1から42のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0226】
(実施例44) 無線通信システムは、前記データを符号化する超音波バックスキャッタまたは無線周波数バックスキャッタを放射するように構成される、実施例43に記載のインプランタブルデバイス。
【0227】
(実施例45) データは、検出された電気生理学的信号、測定された生理学的状態、デバイス状態、または放出された電気パルスに関連する情報を含む、実施例43または44に記載のインプランタブルデバイス。
【0228】
(実施例46) 無線通信システムは、インプランタブルデバイスを動作させるための指示を受信するように構成される、実施例1から45のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0229】
(実施例47) 指示は、超音波または無線周波で符号化される、実施例46に記載のインプランタブルデバイス。
【0230】
(実施例48) 指示は、神経に電気パルスを放出するようにインプランタブルデバイスを動作させるトリガ信号を含む、実施例46または47に記載のインプランタブルデバイス。
【0231】
(実施例49) インプランタブルデバイスが、生理学的状態を検出するように構成されたセンサをさらに備える、実施例1から48のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0232】
(実施例50) センサは温度、pH、圧力、歪み、または検体濃度を検出するように構成される、実施例49に記載のインプランタブルデバイス。
【0233】
(実施例51) 線維組織が血管を含む、実施例1から50のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0234】
(実施例52) 実施例1から51のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイスと、インプランタブルデバイスの無線通信システムと無線通信するように構成された第2の無線通信システムを備えるインテロゲータとを備える、システム。
【0235】
(実施例53) 第2の無線通信システムがインプランタブル医療デバイスに超音波を送信するように構成された1つ以上の超音波トランスデューサを備え、超音波がインプランタブル医療デバイスに電力を供給する、実施例52に記載のシステム。
【0236】
(実施例54) 第2の無線通信システムが、インプランタブル医療デバイスに無線周波を送信するように構成された1つ以上の無線周波数アンテナを備え、無線周波がインプランタブル医療デバイスに電力を供給する、実施例52に記載のシステム。
【0237】
(実施例55) インテロゲータは、外部から着用されるように構成される、実施例52から54のいずれか1つに記載のシステム。
【0238】
(実施例56) 神経カフであって、
神経を含む線維組織の周りに少なくとも部分的に巻きつくように構成される可撓性ヘリカル基板であって、(a)前記ヘリカル神経カフを少なくとも部分的に巻き戻すことによる屈曲位置と、(b)弛緩位置と、に構成可能である可撓性ヘリカル基板と、
ヘリカル基板の長さに沿って配置された1つ以上の電極と、
屈曲位置でヘリカル基板を構成する力を加えるように構成された、ヘリカル基板に取り付けられたハンドル部と、
を含む神経カフ。
【0239】
(実施例57) ハンドル部がループを含む、実施例56に記載の神経カフ。
【0240】
(実施例58) ハンドル部がフィラメントを含む、実施例56または57に記載の神経カフ。
【0241】
(実施例59) ヘリカル神経カフは、少なくとも1回転、神経の周りを巻くように構成される、実施例56~58のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0242】
(実施例60) ヘリカル神経カフは、約1.3~約1.7回転、神経の周りを巻くように構成される、実施例59に記載の神経カフ。
【0243】
(実施例61) ハンドル部の一部が、基板内に埋め込まれている、実施例56から60のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0244】
(実施例62) ハンドル部は、ヘリカル神経カフの端部に近位の位置で神経カフに取り付けられる、実施例56から61のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0245】
(実施例63) ヘリカル神経カフの第2の端部に近位の位置でヘリカル神経カフに取り付けられた第2のハンドル部をさらに備える、実施例62に記載の神経カフ。
【0246】
(実施例64) 第1のハンドル部および第2のハンドル部は、らせん軸の周りで約90°~約180°の半径方向角度だけ分離される、実施例63に記載の神経カフ。
【0247】
(実施例65) 第1のハンドル部は、第2のハンドル部に取り付けられる、実施例63または64に記載の神経カフ。
【0248】
(実施例66) ヘリカル神経カフの長さに沿った中間位置に取り付けられた追加のハンドル部をさらに備える、実施例56から65のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイス。
【0249】
(実施例67) 基板は、内側表面、基板の第1の縁部、および基板の第2の縁部を定義する幅を有し、神経カフが弛緩位置にあるとき、第1の縁部の少なくとも一部は第2の縁部の少なくとも一部と接触する、実施例56から66のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0250】
(実施例68) 基板は、内側表面、基板の第1の縁部、および基板の第2の縁部を定義する幅を有し、神経カフが弛緩位置にあるとき、第1の縁部は第2の縁部と接触しない、実施例56から66のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0251】
(実施例69) 1つ以上の電極の少なくとも1つが、ヘリカル神経カフの長さに沿って配置される、実施例56から68のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0252】
(実施例70) ヘリカル神経カフの長さに沿って配置された1つ以上の電極のうちの少なくとも1つが、ヘリカル神経カフの内側表面に配置される、実施例69に記載の神経カフ。
【0253】
(実施例71) 1つ以上の電極の少なくとも1つが、1つ以上の蛇行セグメントを含む、実施例56から70のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0254】
(実施例72) ヘリカル神経カフは、少なくとも1回転、巻き戻されるように構成される、実施例56から71のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0255】
(実施例73) ヘリカル神経カフは右巻きらせん部を含む、実施例56から72のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0256】
(実施例74) ヘリカル神経カフは左巻きらせん部を含む、実施例56から72のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0257】
(実施例75) ヘリカル神経カフは、左巻きらせん部に接合された右巻きらせん部を含む、実施例56から73のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0258】
(実施例76) 直線状の接続部材を介して第2のらせん部に接合された第1のらせん部を含む、実施例56から75のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0259】
(実施例77) 神経カフは、電気パルスを神経に放出するように構成された1つ以上の電極を含む、実施例56から76のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0260】
(実施例78) 神経カフは、神経によって伝達される前記電気生理学的信号を検出するように構成された1つ以上の電極を備える、実施例56から77のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0261】
(実施例79) 神経カフは、神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成された2つ以上の電極を備える、実施例78に記載の神経カフ。
【0262】
(実施例80) 神経カフは神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成された1つ以上の電極と、神経に電気パルスを放出するように構成された1つ以上の電極とを含み、神経に電気パルスを放出するように構成された1つ以上の電極のうちの少なくとも1つは、神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するように構成された1つ以上の電極のうちの少なくとも1つよりも幅が広い、実施例56から79のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0263】
(実施例81) 本体を受容し、ヘリカル基板の前記長さに沿って配置された1つ以上の電極を本体に電気的に接続する、ように構成されたヘリカル基板に取り付けられたマウントをさらに備える、実施例56から80のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0264】
(実施例82) 本体は、1つ以上の電極と直接接続する、実施例81に記載の神経カフ。
【0265】
(実施例83) マウントは、本体を1つ以上の電極に電気的に接続するように構成された1つ以上のフィードスルーを含む、実施例81に記載の神経カフ。
【0266】
(実施例84A) 神経は脾神経である、実施例56から83のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0267】
(実施例84B) 神経は内臓神経である、実施例56から83のいずれか1つに記載の神経カフ。
【0268】
(実施例85) 1つ以上の電極を含む、ヘリカル神経カフを埋め込む方法であって、
少なくとも部分的にヘリカル神経カフを巻き戻すことと、
神経を含む線維組織の後ろにヘリカル神経カフの端部を通すことと、
前記ヘリカル神経カフを前記線維組織の周りに巻くことと、
を含む、方法。
【0269】
(実施例86) ヘリカル神経カフは、実施例56から85のいずれか1つに記載の神経カフである、実施例85に記載の方法。
【0270】
(実施例87) 1つ以上の電極を備えるヘリカル神経カフに、無線通信システムを備える本体を備えるインプランタブルデバイスを埋め込む方法であって、
少なくとも部分的に神経カフを巻き戻すことと、
神経を含む線維組織の後方にヘリカル神経カフの端部を通すことと、
ヘリカル神経カフを線維組織の周りに巻くことと、
を含む、方法。
【0271】
(実施例88) ヘリカル神経カフの端部が線維組織の後方を通るときに、本体の移動を制限することを含む、実施例87に記載の方法。
【0272】
(実施例89) 本体は、本体に近位の位置においてヘリカル神経カフに取り付けられるハンドル部、または本体に取り付けられるハンドル部、に保持することによって、ほぼ安定した位置に保持される、実施例88に記載の方法。
【0273】
(実施例90) インプランタブルデバイスは、実施例1から51のいずれか1つに記載のインプランタブルデバイスである、実施例87から89のいずれか1つに記載の方法。
【0274】
(実施例91) 線維組織の後方を通るヘリカル神経カフの端部を引っ張ることを含む、実施例85から90のいずれか1つに記載の方法。
【0275】
(実施例92) ヘリカル神経カフを線維組織に実質的に平行に方向づけることを含む、実施例85から91のいずれか1つに記載の方法。
【0276】
(実施例93) ヘリカル神経カフは、線維組織の後方を通るヘリカル神経カフの端部を引っ張ることによって少なくとも部分的に巻き戻される、実施例85から92のいずれか1つに記載の方法。
【0277】
(実施例94) ヘリカル神経カフは、線維組織の後方を通るヘリカル神経カフの端部を引っ張る前に、少なくとも部分的に巻き戻される、実施例85から92のいずれか1つに記載の方法。
【0278】
(実施例95) ヘリカル神経カフの端部は、線維組織の下方から線維組織の後方を通る、実施例85から94のいずれか1つに記載の方法。
【0279】
(実施例96) 周辺の組織から線維組織を分離することをさらに含む、実施例85から95のいずれか1つに記載の方法。
【0280】
(実施例97) 線維組織は、線維組織の一部を円周方向に切開することによって、周辺の組織から分離される、実施例96に記載の方法。
【0281】
(実施例98) 線維組織の後方を通るヘリカル神経カフの端部は、ヘリカル神経カフの端部に取り付けられたハンドル部を引っ張ることによって引っ張られる、実施例85から97のいずれか1つに記載の方法。
【0282】
(実施例99A) 線維組織は脾神経を含む、実施例85から98のいずれか1つに記載の方法。
【0283】
(実施例99B) 線維組織は内臓神経を含む、実施例85から98のいずれか1つに記載の方法。
【0284】
(実施例100) インプランタブルデバイスの作製方法であって、
ハウジングへのフィードスルーを取り付けることと、
ハウジング内の無線通信システムを含むボードアセンブリを位置決めすることと、
ハウジングを第1の神経カフレイヤへ取り付けることと、
第1の神経カフレイヤを1つ以上の電極を含む第2の神経カフレイヤへ取り付けることと、
神経カフの1つ以上の電極を、フィードスルーを介してボードアセンブリに電気的に接続することと、
を含む、方法。
【0285】
(実施例101) フィードスルーは、ボードアセンブリがハウジング内に配置される前に、ハウジングに取り付けられる、実施例100に記載の方法。
【0286】
(実施例102) フィードスルーはボードアセンブリがハウジング内に配置される前に、ボードアセンブリに取り付けられる、実施例100に記載の方法。
【0287】
(実施例103) ハウジングを封止することを含む、実施例100から102のいずれか1つに記載の方法。
【0288】
(実施例104) 音響窓をハウジングに取り付けることを含む、実施例100から103のいずれか1つに記載の方法。
【0289】
(実施例105) 音響窓はボードアセンブリがハウジング内に配置された後に、ハウジングの開放上部に取り付けられる、実施例104に記載の方法。
【0290】
(実施例106) 箔をフレームに取り付けることによって音響窓を組み立てることを含む、実施例104または105に記載の方法。
【0291】
(実施例107) ハウジングに音響伝導性材料を充填することを含む、実施例100から106のいずれか1つに記載の方法。
【0292】
(実施例108) 音響伝導性材料はハウジング上のポートを通してハウジング内に充填され、方法はポートを封止することを含む、実施例107に記載の方法。
【0293】
(実施例109) 無線通信システムをボードアセンブリに取り付けることを含む、実施例100から108のいずれか1つに記載の方法。
【0294】
(実施例110) 無線通信システムは、1つ以上の超音波トランスデューサを備える、実施例100から109のいずれか1つに記載の方法。
【0295】
(実施例111) ボードアセンブリは、無線通信システムに電気的に接続された集積回路を備える、実施例100から110のいずれか1つに記載の方法。
【0296】
(実施例112) ハウジングが第1の神経カフレイヤに直接取り付けられる、実施例100から111のいずれか1つに記載の方法。
【0297】
(実施例113) ハウジングを第1の神経カフレイヤに取り付けるために、接着剤または留め具が使用される、実施例100から112のいずれか1つに記載の方法。
【0298】
(実施例114) 第1の神経カフレイヤはらせん状である、実施例100から113のいずれか1つに記載の方法。
【0299】
(実施例115) 1つ以上のハンドル部を本体、第1の神経カフレイヤ、第2の神経カフレイヤ、または第1の神経カフレイヤと第2の神経カフレイヤ、との間に取り付けることを含む、実施例100から114のいずれか1つに記載の方法。
【0300】
(実施例116) 1つ以上の電極を基板材料に埋め込むことによって第2の神経カフレイヤを作製することを含む、実施例100から115のいずれか1つに記載の方法。
【0301】
(実施例117) 軸体の周りに第2の神経カフレイヤを巻き付けることと、第2の神経カフレイヤが軸体の周りに巻き付けられている間に、第2の神経カフレイヤを第1の神経カフレイヤに取り付けることと、を含む、実施例100から116のいずれか1つに記載の方法。
【国際調査報告】