(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】発光ダイオード表示パネル及びその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20221208BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221208BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221208BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221208BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20221208BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20221208BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20221208BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20221208BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 365
G09F9/30 349C
G09F9/30 349B
G09F9/30 330
G09F9/30 310
G09F9/30 309
G09F9/00 338
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/12 E
H05B33/04
H05B33/10
H05B33/12 B
H05B33/22 Z
G02B5/20 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570540
(86)(22)【出願日】2019-08-23
(85)【翻訳文提出日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 CN2019102291
(87)【国際公開番号】W WO2021035403
(87)【国際公開日】2021-03-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ ドンシェン
(72)【発明者】
【氏名】ファン クアンタ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ションジ
(72)【発明者】
【氏名】ル ペンチェン
(72)【発明者】
【氏名】リ ユンロン
(72)【発明者】
【氏名】ワン チン
(72)【発明者】
【氏名】ドン ヨンファ
(72)【発明者】
【氏名】シェン シャオビン
(72)【発明者】
【氏名】トン フイ
(72)【発明者】
【氏名】ユアン ション
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユ
(72)【発明者】
【氏名】チェン シャオチュアン
【テーマコード(参考)】
2H148
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H148BC02
2H148BC12
2H148BD04
2H148BD11
2H148BD14
2H148BE02
2H148BE32
2H148BG06
2H148BH01
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB07
3K107BB08
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3K107EE50
3K107EE59
3K107FF15
3K107HH05
5C094BA27
5C094CA21
5C094DA07
5C094DB01
5C094EA04
5C094EB01
5C094ED03
5C094ED15
5G435BB05
5G435KK05
(57)【要約】
本開示は発光ダイオード表示パネル及びその製造方法、並びに有機発光ダイオード表示装置を提供する。発光ダイオード表示パネルは、表示領域(101)及び表示領域(101)を取り囲む周辺領域(102)を含むベース基板(600)と、表示領域(101)に位置し且つベース基板(600)の一方側に位置する複数のサブ画素と、発光素子(700)とベース基板(600)との間に位置する駆動回路(610)と、第2電極(730)のベース基板(600)から離れる側に位置するカラーレジスト層と、周辺領域に位置し且つ複数のサブ画素を取り囲む環状構造である遮光構造と、を含む。遮光構造は第1遮光構造(220)及び第2遮光構造(320)を含み、第1遮光構造(220)は表示領域(101)から周辺領域(102)に向いた方向に沿って延在する少なくとも1つの間隔(201)を含み、第2遮光構造(320)は少なくとも間隔(201)に十分に充填される。第1遮光構造(220)の形状を非閉環状に設計することにより、表示領域(101)にコーティングされるカラーフィルム層の均一度を高めることができる。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード表示パネルであって、
ベース基板と、複数のサブ画素と、カラーレジスト層と、遮光構造と、を含み、
前記ベース基板は、表示領域及び前記表示領域を取り囲む周辺領域を含み、
前記複数のサブ画素は、前記表示領域に位置し且つ前記ベース基板の一方側に位置し、
前記複数のサブ画素のうちの少なくとも1つは、発光素子と、駆動回路と、を含み、
前記発光素子は、順に積層される第1電極、発光機能層及び第2電極を含み、
前記第1電極は、前記第2電極よりも前記ベース基板に接近し、
前記駆動回路は、前記ベース基板と前記発光素子との間に位置し、駆動トランジスタ及び記憶コンデンサを含み、
前記駆動トランジスタは、ソース、ドレイン及びゲートを含み、前記ソース及び前記ドレインのうちの1つは、前記第1電極に結合され、前記ゲートは、前記記憶コンデンサに結合され、
前記記憶コンデンサは、データ信号を記憶するように配置され、
前記カラーレジスト層は、前記第2電極の前記ベース基板から離れる側に位置し、
前記発光素子が発する光は、前記カラーレジスト層を通過して射出され、
前記遮光構造は、前記周辺領域に位置し、且つ前記複数のサブ画素を取り囲む環状構造であり、
前記遮光構造は、第1遮光構造及び第2遮光構造を含み、
前記第1遮光構造は、前記表示領域から前記周辺領域に向いた方向に沿って延在する少なくとも1つの第1間隔を含み、
前記第2遮光構造は、少なくとも前記第1間隔に十分に充填される、
発光ダイオード表示パネル。
【請求項2】
前記第1間隔の数は複数であり、且つ、
前記複数の第1間隔は、前記環状構造の周方向に沿って均一に分布する、
請求項1に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項3】
前記カラーレジスト層は、前記複数のサブ画素に1対1で対応する複数のサブカラーレジスト層を含み、
隣接する前記複数のサブカラーレジスト層は、少なくとも部分的に重ねられず、
前記複数のサブカラーレジスト層は、複数の第1サブカラーレジスト層を含み、且つ、
前記複数の第1サブカラーレジスト層は、前記第1遮光構造と同一層に設置され且つ材料が同じである、
請求項2に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項4】
前記第1遮光構造の外輪郭は、第1方向に沿って延在する第1辺及び第2方向に沿って延在する第2辺を含み、
前記第1方向は、前記第2方向に交差し、
前記第1辺及び前記第2辺のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの第1間隔を含み、且つ、
前記少なくとも1つの第1間隔が位置する辺の延在方向に沿って、前記少なくとも1つの第1間隔の幅は、前記複数の第1サブカラーレジスト層のうちの1つの幅以上である、
請求項3に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項5】
前記複数のサブカラーレジスト層は、更に複数の第2サブカラーレジスト層を含み、
前記複数の第2サブカラーレジスト層は、前記第2遮光構造と同一層に設置され且つ材料が同じである、
請求項3又は4に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項6】
前記第2遮光構造は、前記表示領域と前記周辺領域の外側の領域とを連通する複数の第2間隔を含み、且つ、
前記複数の第2間隔の前記ベース基板での正投影の少なくとも一部は、前記複数の第1間隔の前記ベース基板での正投影と重ねられる、
請求項3に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項7】
前記遮光構造は、更に第3遮光構造を含み、且つ、
前記第3遮光構造は、少なくとも前記複数の第2間隔に十分に充填される、
請求項6に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項8】
前記第2遮光構造の少なくとも一部は、前記第1遮光構造を被覆し、
前記第3遮光構造の前記ベース基板から離れる側の表面は、前記第1遮光構造上に位置する前記第2遮光構造の前記ベース基板から離れる側の表面と同一平面上にある、
請求項7に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項9】
前記第2遮光構造は、前記少なくとも1つの第1間隔に十分に充填され、且つ、
前記第2遮光構造の前記ベース基板から離れる表面は、前記第1遮光構造の前記ベース基板から離れる表面と同一平面上にある、
請求項3~5のいずれか1項に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項10】
前記遮光構造は、更に第3遮光構造を含み、
前記第3遮光構造は、前記第2遮光構造及び前記第1遮光構造の前記ベース基板から離れる側に位置し、且つ密閉環状を有する、
請求項9に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項11】
前記複数のサブカラーレジスト層は、更に複数の第3サブカラーレジスト層を含み、
前記複数の第3サブカラーレジスト層は、前記第3遮光構造と同一層に設置され且つ材料が同じである、
請求項7、8及び10のいずれか1項に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項12】
前記第1サブカラーレジスト層、第2サブカラーレジスト層及び前記第3サブカラーレジスト層は、異なる色のカラーフィルム層である、
請求項11に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項13】
前記遮光構造は、前記第1遮光構造及び前記第2遮光構造のみを含み、
前記第2遮光構造は、前記少なくとも1つの第1間隔に十分に充填され且つ密閉環状を有し、
前記複数のサブカラーレジスト層は、更に複数の第4サブカラーレジスト層を含み、
前記複数の第4サブカラーレジスト層の材料は、前記第1遮光構造及び前記第2遮光構造の材料とは異なり、且つ、
前記第1サブカラーレジスト層、第2サブカラーレジスト層及び前記第4サブカラーレジスト層は、異なる色のカラーフィルム層である、
請求項3~5のいずれか1項に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項14】
前記第4サブカラーレジスト層は、前記第1サブカラーレジスト層と少なくとも部分的に重なり、
前記第4サブカラーレジスト層と前記第1サブカラーレジスト層とが互いに重なる部分において、前記第4サブカラーレジスト層は、前記第1サブカラーレジスト層の前記ベース基板に接近する側に位置する、
請求項13に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項15】
前記遮光構造は、前記第2電極の一部を被覆する、
請求項1~14のいずれか1項に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項16】
前記第1辺及び前記第2辺は、円弧辺を介して接続され、
前記円弧辺は、前記表示領域から離れる方向へ湾曲する、
請求項4に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項17】
更に前記周辺領域に位置する検知領域を含み、且つ、
前記検知領域の前記ベース基板での正投影は、前記遮光構造の前記ベース基板での正投影内に位置する、
請求項1~16のいずれか1項に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項18】
前記ベース基板は、シリコン基板である、
請求項1~17のいずれか1項に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項19】
前記駆動トランジスタの少なくとも一部は、前記シリコン基板内に位置する、
請求項18に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項20】
前記カラーレジスト層の前記ベース基板に向かう側に第1薄膜封止層が設置され、且つ、
前記カラーレジスト層の前記ベース基板から離れる側に第2薄膜封止層が設置される、
請求項1~19のいずれか1項に記載の発光ダイオード表示パネル。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1項に記載の発光ダイオード表示パネルの製造方法であって、
前記ベース基板を提供することと、
前記ベース基板上の前記表示領域に前記発光素子を形成することと、
前記発光素子に第1カラーレジスト材料をコーティングすることと、
前記第1カラーレジスト材料をパターン化して前記表示領域に第1カラーレジスト層を形成し、前記周辺領域に前記表示領域を取り囲む第1遮光構造を形成することと、
前記第1カラーレジスト層及び前記第1遮光構造に第2カラーレジスト材料をコーティングすることと、
前記第2カラーレジスト材料をパターン化して前記表示領域には前記第1カラーレジスト層と少なくとも部分的に重ねられない第2カラーレジスト層を形成し、前記周辺領域に前記表示領域を取り囲む前記第2遮光構造を形成することと、を含み、
前記第1遮光構造を形成することは、前記第1遮光構造が前記表示領域から前記周辺領域に向いた方向に沿って延在する前記少なくとも1つの第1間隔を含むように、前記第1カラーレジスト材料をパターン化することを含み、
前記第2遮光構造を形成することは、前記第2遮光構造が少なくとも前記第1間隔に十分に充填されるように、前記第2カラーレジスト材料をパターン化することを含む、
製造方法。
【請求項22】
前記第1カラーレジスト層及び前記第1遮光構造に前記第2カラーレジスト材料をコーティングすることは、
前記第1遮光構造の外側の領域に前記第2カラーレジスト材料を提供することと、
前記ベース基板を回転して前記第2カラーレジスト材料を前記表示領域及び前記周辺領域に均一にコーティングさせ、少なくとも一部の前記第2カラーレジスト材料が前記少なくとも1つの第1間隔を通過して前記第1遮光構造の内側に流れることと、を含む、
請求項21に記載の製造方法。
【請求項23】
請求項1~20のいずれか1項に記載の発光ダイオード表示パネルを含む、
有機発光ダイオード表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の少なくとも1つの実施例は発光ダイオード表示パネル及びその製造方法、並びに有機発光ダイオード表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、シリコン系アクティブマトリクス型有機発光ダイオード(AMOLED)のカラー表示は一般的に白色光有機発光ダイオード(WOLED)とカラーフィルタ(CF)との組み合わせ方式により実現される。シリコン系アクティブマトリクス型有機発光ダイオードを含むマイクロディスプレイは市場上の応用の幅が広く、特にヘルメットディスプレイ、立体ディスプレイミラー及びメガネ型ディスプレイ等に適用されることに適する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の少なくとも1つの実施例は発光ダイオード表示パネル及びその製造方法、並びに有機発光ダイオード表示装置を提供する。発光ダイオード表示パネルは、ベース基板と、複数のサブ画素と、カラーレジスト層と、遮光構造とを含み、前記ベース基板は表示領域及び前記表示領域を取り囲む周辺領域を含み、前記複数のサブ画素は前記表示領域に位置し且つ前記ベース基板の一方側に位置し、前記複数のサブ画素のうちの少なくとも1つは発光素子と、駆動回路とを含み、前記発光素子は順に積層される第1電極、発光機能層及び第2電極を含み、前記第1電極は前記第2電極よりも前記ベース基板に接近し、前記駆動回路は前記発光素子と前記ベース基板との間に位置し、駆動トランジスタ及び記憶コンデンサを含み、前記駆動トランジスタはソース、ドレイン及びゲートを含み、前記ソース及び前記ドレインのうちの1つは前記第1電極に結合され、前記ゲートは前記記憶コンデンサに結合され、前記記憶コンデンサはデータ信号を記憶するように配置され、前記カラーレジスト層は前記第2電極の前記ベース基板から離れる側に位置し、前記発光素子が発する光は前記カラーレジスト層を通過して射出され、前記遮光構造は前記周辺領域に位置し、且つ前記複数のサブ画素を取り囲む環状構造である。前記遮光構造は第1遮光構造及び第2遮光構造を含み、前記第1遮光構造は前記表示領域から前記周辺領域に向いた方向に沿って延在する少なくとも1つの第1間隔を含み、前記第2遮光構造は少なくとも前記第1間隔に十分に充填される。
【0004】
いくつかの例では、前記第1間隔の数は複数であり、且つ前記複数の第1間隔は前記環状構造の周方向に沿って均一に分布する。
【0005】
いくつかの例では、前記カラーレジスト層は前記複数のサブ画素に1対1で対応する複数のサブカラーレジスト層を含み、隣接する前記複数のサブカラーレジスト層は少なくとも部分的に重ねられず、前記複数のサブカラーレジスト層は複数の第1サブカラーレジスト層を含み、且つ前記複数の第1サブカラーレジスト層は前記第1遮光構造と同一層に設置され且つ材料が同じである。
【0006】
いくつかの例では、前記第1遮光構造の外輪郭は第1方向に沿って延在する第1辺及び第2方向に沿って延在する第2辺を含み、前記第1方向は前記第2方向に交差し、前記第1辺及び前記第2辺のうちの少なくとも1つは前記少なくとも1つの第1間隔を含み、且つ前記少なくとも1つの第1間隔が位置する辺の延在方向に沿って、前記少なくとも1つの第1間隔の幅は前記複数の第1サブカラーレジスト層のうちの1つの幅以上である。
【0007】
いくつかの例では、前記複数のサブカラーレジスト層は更に複数の第2サブカラーレジスト層を含み、前記複数の第2サブカラーレジスト層は前記第2遮光構造と同一層に設置され且つ材料が同じである。
【0008】
いくつかの例では、前記第2遮光構造は前記表示領域と前記周辺領域の外側の領域とを連通する複数の第2間隔を含み、且つ前記複数の第2間隔の前記ベース基板での正投影の少なくとも一部は前記複数の第1間隔の前記ベース基板での正投影と重ねられる。
【0009】
いくつかの例では、前記遮光構造は更に第3遮光構造を含み、且つ前記第3遮光構造は少なくとも前記複数の第2間隔に十分に充填される。
【0010】
いくつかの例では、前記第2遮光構造の少なくとも一部は前記第1遮光構造を被覆し、前記第3遮光構造の前記ベース基板から離れる側の表面は前記第1遮光構造上に位置する前記第2遮光構造の前記ベース基板から離れる側の表面と同一平面上にある。
【0011】
いくつかの例では、前記第2遮光構造は前記少なくとも1つの第1間隔に十分に充填され且つ前記ベース基板から離れる表面が前記第1遮光構造の前記ベース基板から離れる表面と同一平面上にあり、前記遮光構造は更に第3遮光構造を含み、前記第3遮光構造は前記第2遮光構造及び前記第1遮光構造の前記ベース基板から離れる側に位置し且つ密閉環状を有する。
【0012】
いくつかの例では、前記複数のサブカラーレジスト層は更に複数の第3サブカラーレジスト層を含み、前記複数の第3サブカラーレジスト層は前記第3遮光構造と同一層に設置され且つ材料が同じである。
【0013】
いくつかの例では、前記第1サブカラーレジスト層、前記第2サブカラーレジスト層及び前記第3サブカラーレジスト層は異なる色のカラーフィルム層である。
【0014】
いくつかの例では、前記遮光構造は前記第1遮光構造及び前記第2遮光構造のみを含み、前記第2遮光構造は前記少なくとも1つの第1間隔に十分に充填され且つ密閉環状を有し、前記複数のサブカラーレジスト層は更に複数の第4サブカラーレジスト層を含み、前記複数の第4サブカラーレジスト層の材料は前記第1遮光構造及び前記第2遮光構造の材料とは異なり、且つ前記第1サブカラーレジスト層、前記第2サブカラーレジスト層及び前記第4サブカラーレジスト層は異なる色のカラーフィルム層である。
【0015】
いくつかの例では、前記第4サブカラーレジスト層は前記第1サブカラーレジスト層と少なくとも部分的に重なり、前記第4サブカラーレジスト層と前記第1サブカラーレジスト層とが互いに重なる部分において、前記第4サブカラーレジスト層は前記第1サブカラーレジスト層の前記ベース基板に接近する側に位置する。
【0016】
いくつかの例では、前記遮光構造は前記第2電極の一部を被覆する。
【0017】
いくつかの例では、前記第1辺及び前記第2辺は円弧辺を介して接続され、前記円弧辺は前記表示領域から離れる方向へ湾曲する。
【0018】
いくつかの例では、発光ダイオード表示パネルは更に前記周辺領域に位置する検知領域を含み、且つ前記検知領域の前記ベース基板での正投影は前記遮光構造の前記ベース基板での正投影内に位置する。
【0019】
いくつかの例では、前記ベース基板はシリコン基板である。
【0020】
いくつかの例では、前記駆動トランジスタの少なくとも一部は前記シリコン基板内に位置する。
【0021】
いくつかの例では、前記カラーレジスト層の前記ベース基板に向かう側に第1薄膜封止層が設置され、且つ前記カラーレジスト層の前記ベース基板から離れる側に第2薄膜封止層が設置される。
【0022】
本開示の少なくとも1つの実施例は上記発光ダイオード表示パネルを製造する製造方法を提供し、前記ベース基板を提供することと、前記ベース基板上の前記表示領域に前記発光素子を形成することと、前記発光素子に第1カラーレジスト材料をコーティングすることと、前記第1カラーレジスト材料をパターン化して前記表示領域に第1カラーレジスト層を形成し、前記周辺領域に前記表示領域を取り囲む第1遮光構造を形成することと、前記第1カラーレジスト層及び前記第1遮光構造に第2カラーレジスト材料をコーティングすることと、前記第2カラーレジスト材料をパターン化して前記表示領域には前記第1カラーレジスト層と少なくとも部分的に重ねられない第2カラーレジスト層を形成し、前記周辺領域に前記表示領域を取り囲む前記第2遮光構造を形成することと、を含む。前記第1遮光構造を形成することは、前記第1遮光構造が前記表示領域から前記周辺領域に向いた方向に沿って延在する前記少なくとも1つの第1間隔を含むように、前記第1カラーレジスト材料をパターン化することを含み、前記第2遮光構造を形成することは、前記第2遮光構造が少なくとも前記第1間隔に十分に充填されるように、前記第2カラーレジスト材料をパターン化することを含む。
【0023】
いくつかの例では、前記第1カラーレジスト層及び前記第1遮光構造に前記第2カラーレジスト材料をコーティングすることは、前記第1遮光構造の外側の領域に前記第2カラーレジスト材料を提供することと、前記ベース基板を回転して前記第2カラーレジスト材料を前記表示領域及び前記周辺領域に均一にコーティングさせ、少なくとも一部の前記第2カラーレジスト材料が前記少なくとも1つの第1間隔を通過して前記第1遮光構造の内側に流れることと、を含む。
【0024】
本開示の少なくとも1つの実施例は上記いずれか1つの例に係る発光ダイオード表示パネルを含む有機発光ダイオード表示装置を提供する。
【0025】
本開示の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明し、明らかに、下記説明される図面は本開示のいくつかの実施例に関わるものに過ぎず、本開示を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】シリコン系有機発光ダイオード表示パネルのカラーフィルム構造の局所構造模式図である。
【
図2A】本開示の一実施例の一例に係るカラーフィルム構造の第1カラーフィルム層の平面構造模式図である。
【
図2B】
図2Aに示される第1カラーフィルム層のAA線に沿って切断された断面構造模式図である。
【
図2C】本開示の一実施例の他の例に係る第1カラーフィルム層の平面構造模式図である。
【
図2D】本開示の一実施例の他の例に係る第1カラーフィルム層の平面構造模式図である。
【
図3A】本開示の一実施例の一例に係る第2カラーフィルム層の平面構造模式図である。
【
図3B】
図3Aに示される第2カラーフィルム層のAA線に沿って切断された断面構造模式図である。
【
図4A】本開示の一実施例の他の例に係る第2カラーフィルム層の平面構造模式図である。
【
図4B】
図4Aに示される第2カラーフィルム層のAA線に沿って切断された断面構造模式図である。
【
図5A】本開示の一実施例の他の例に係る第2カラーフィルム層の平面構造模式図である。
【
図5B】
図5Aに示される第2カラーフィルム層のAA線に沿って切断された断面構造模式図である。
【
図6A】本開示の一実施例の一例に係る第3カラーフィルム層の平面構造模式図である。
【
図6B】
図6Aに示される第3カラーフィルム層のAA線に沿って切断された断面構造模式図である。
【
図7A】本開示の一実施例の他の例に係る第3カラーフィルム層の平面構造模式図である。
【
図7B】
図7Aに示される第3カラーフィルム層のAA線に沿って切断された断面構造模式図である。
【
図8A】本開示の他の実施例の一例に係るカラーフィルム構造の模式図である。
【
図8B】本開示の他の実施例の一例に係るカラーフィルム構造の模式図である。
【
図8C】本開示の他の実施例の他の例に係るカラーフィルム構造の断面構造模式図である。
【
図9】本開示の一実施例に係る発光ダイオード表示パネルの局所断面模式図である。
【
図10】本開示の一実施例に係るシリコン系有機発光表示パネルの回路原理模式図である。
【
図11】本開示の一実施例に係る電圧制御回路及び画素回路の回路図である。
【
図12】本開示の一実施例に係る発光ダイオード表示パネルのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら本開示の実施例の技術案を明確且つ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本開示の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。説明される本開示の実施例に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに取得する他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0028】
特に定義しない限り、本開示に使用される技術用語又は科学用語は当業者が理解する一般的な意味であるべきである。本開示に使用される「第1」、「第2」及び類似の用語はいかなる順序、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものである。「含む」又は「包含」等の類似の用語とは、該用語の前に記載された素子又は物品が該用語の後に挙げられる素子又は物品及びそれらの同等物を含み、他の素子又は物品を排除しないことを意味する。
【0029】
本開示の実施例は発光ダイオード表示パネル及びその製造方法、並びに有機発光ダイオード表示装置を提供する。発光ダイオード表示パネルは、ベース基板と、ベース基板上に位置する複数のサブ画素と、複数のサブ画素のベース基板から離れる側に位置するカラーレジスト層及び遮光構造とを含む。ベース基板は表示領域及び表示領域を取り囲む周辺領域を含み、複数のサブ画素は表示領域に位置し、複数のサブ画素のうちの少なくとも1つは、順に積層される第1電極、発光機能層及び第2電極を含み、第1電極が第2電極よりもベース基板に接近する発光素子と、発光素子とベース基板との間に位置し、駆動トランジスタ及び記憶コンデンサを含む駆動回路であって、駆動トランジスタはソース、ドレイン及びゲートを含み、ソース及びドレインのうちの1つは第1電極に結合され、ゲートは記憶コンデンサに結合され、記憶コンデンサはデータ信号を記憶するように配置される駆動回路と、を含み、カラーレジスト層は第2電極のベース基板から離れる側に位置し、発光素子が発する光はカラーレジスト層を通過して射出され、遮光構造は周辺領域に位置し、且つ複数のサブ画素を取り囲む環状構造である。遮光構造は第1遮光構造及び第2遮光構造を含み、第1遮光構造は表示領域から周辺領域に向いた方向に沿って延在する少なくとも1つの第1間隔を含み、第2遮光構造は少なくとも第1間隔に十分に充填される。本開示の実施例は第1遮光構造の形状を非閉環状に設計することにより、後続の他のカラーフィルム層の形成過程において、表示領域にコーティングされるカラーフィルム層の均一度を高めることができ、それにより該発光ダイオード表示パネルを含む表示装置には表示ムラの現象が生じることを防止する。
【0030】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施例に係る発光ダイオード表示パネル及びその製造方法、並びに有機発光ダイオード表示装置について説明する。
【0031】
図1は本開示の一実施例に係るシリコン系有機発光ダイオード表示パネルのカラーフィルム構造の局所構造模式図である。
図1に示すように、有機発光ダイオード表示パネルは表示領域11及び表示領域11を取り囲む周辺領域12を含み、カラーフィルム構造10は表示領域11に位置する画素カラーフィルム(図示せず)及び周辺領域12に位置する環状のフレームカラーフィルム(即ち遮光構造)を含む。フレームカラーフィルムは表示パネルの周辺領域12の構造、例えば、表示パネルの発光素子に接続される陽極配線、画素検知回路等を被覆することに用いられ、それにより周辺領域の光反射又は光漏れを防止する。
【0032】
例えば、シリコン系有機発光ダイオード表示パネルの周辺領域に対して良い遮蔽効果を実現するために、フレームカラーフィルムは一般的に少なくとも2層のカラーフィルム積層を含む。フレームカラーフィルムが2層又は3層のカラーフィルム積層を含む場合、周辺領域のフレームカラーフィルムの厚さは表示領域の画素カラーフィルムの2~3倍であり、表示領域の周辺に全周にわたる遮蔽壁を形成するようになる。
【0033】
図2Aは本開示の一実施例に係るカラーフィルム構造の第1カラーフィルム層の平面構造模式図であり、
図2Bは
図2Aに示される第1カラーフィルム層のAA線に沿って切断された断面構造模式図である。
図2A及び
図2Bに示すように、カラーフィルム構造は透明下層100及び透明下層100上に位置する第1カラーフィルム層200を含む。透明下層100は表示領域101及び表示領域101を取り囲む周辺領域102を含む。例えば、表示領域101は画面を表示するための領域、即ち出光領域であり、周辺領域102は画面を表示しない領域、即ち非出光領域である。
【0034】
図2A及び
図2Bに示すように、第1カラーフィルム層200は表示領域101に位置する第1画素カラーフィルム210及び周辺領域102に位置する第1フレームカラーフィルム220を含む。第1フレームカラーフィルム220は表示領域101を取り囲む環状カラーフィルムであり、上記カラーフィルム構造を含む表示パネルの周辺領域の構造、例えば、発光素子を接続するための配線、及び検知領域に位置し画素の電流を検出するための検知回路構造(該検知回路構造は温度センサに接続されてもよい)等を被覆することに用いられ、それにより周辺領域の光反射又は光漏れを防止する。つまり、本開示の実施例に係る発光ダイオード表示パネルは表示領域101に位置するカラーレジスト層を含み、該カラーレジスト層は複数のサブ画素に1対1で対応する複数のサブカラーレジスト層を含み、隣接する複数のサブカラーレジスト層は少なくとも部分的に重ねられず、複数のサブカラーレジスト層は複数の第1サブカラーレジスト層を含む。本開示の実施例の以下の内容は第1サブカラーレジスト層が第1画素カラーフィルム210であることを例として説明し、発光ダイオード表示パネルに含まれる第1遮光構造が第1フレームカラーフィルム220であることを例として説明する。例えば、複数の第1サブカラーレジスト層は第1遮光構造と同一層に設置され且つ材料が同じであり、即ち第1サブカラーレジスト層及び第1遮光構造はいずれも第1カラーフィルム層200の一部であってもよい。ここで及び後続に出現する「同一層」とは、同一材料が同一ステップ(例えば、1ステップのパターン化プロセス)を経た後に形成される複数のフィルム層間の関係を指す。ここでの「同一層」とは、常に複数のフィルム層の厚さが同じであり、又は複数のフィルム層の断面図での高さが同じであることを意味しない。
【0035】
例えば、各サブカラーレジスト層は各サブ画素が発する光をフィルタリングするように配置され、それにより特定色の光が射出できるように確保し、カラー表示を実現する。サブ画素のより詳細な構造の例については、以下に
図9を参照して説明するものを参照する。
【0036】
図2A及び
図2Bに示すように、第1フレームカラーフィルム220の形状は非閉環状であり、つまり、第1フレームカラーフィルム220は表示領域101と周辺領域102の外側の領域とを連通する第1間隔201、即ち表示領域101から周辺領域102に向いた方向に沿って延在する第1間隔201を少なくとも1つ含む。
図1に示される形状が閉環状であるフレームカラーフィルムに比べて、本開示の少なくとも1つの実施例は第1フレームカラーフィルムの形状を非閉形状に設計することにより、後続の他のカラーフィルム層の形成過程において、第1フレームカラーフィルムの外側に滴注したカラーフィルム材料がスピンコート過程で第1フレームカラーフィルムの第1間隔を流れて表示領域に良くコーティングでき、それにより後続に表示領域にコーティングされるカラーフィルム層の均一度を高め、該カラーフィルム構造を含む表示装置には表示ムラの現象が生じることを防止する。
【0037】
いくつかの例では、
図2A及び
図2Bに示すように、第1フレームカラーフィルム220は表示領域101と周辺領域102の外側の領域とを連通する複数の第1間隔201を含む。
【0038】
実際のプロセスでは、複数の発光ダイオード表示パネルは同時に製造されたものであり、つまり、それぞれ複数の発光ダイオード表示パネルに位置する複数のカラーフィルム構造は同時に製造されたものであり、各カラーフィルム構造が1つのカラーフィルム構造領域に位置することを例とする。本開示の実施例は第1フレームカラーフィルムに複数の第1間隔を設置することにより、後続の他のカラーフィルム層の形成過程において、第1間隔を流れてあるカラーフィルム構造領域の表示領域に入ったカラーフィルム材料がもう1つの第1間隔を通過して該表示領域から流れ出して、隣接するカラーフィルム構造領域の表示領域に流れ込むようにすることができ、それにより複数のカラーフィルム構造領域における表示領域内のカラーフィルム層の均一度が高いように確保し、上記複数のカラーフィルム構造を含む複数の表示装置には表示ムラの現象が生じることを防止する。
【0039】
例えば、
図2Aに示すように、第1フレームカラーフィルム220の外輪(つまり外輪郭)は直角矩形であってもよく、即ち、第1フレームカラーフィルム220の外輪は4つの角がいずれも直角である矩形である。第1フレームカラーフィルム220の外輪が矩形であることとは、環状の第1フレームカラーフィルムの外輪郭が矩形であることを指す。
【0040】
例えば、
図2A及び
図2Bに示すように、表示領域101に位置する第1画素カラーフィルム210はアレイ状に配列される複数の第1サブ画素カラーフィルム(つまり複数の第1サブカラーレジスト層)を含み、且つ隣接する第1サブ画素カラーフィルムの間に一定の間隔を有し、それにより後続の異なる色の画素カラーフィルムを形成する。本開示の実施例では、表示領域に位置する第1画素カラーフィルムは表示パネルのサブ画素に正対するように配置され、それによりサブ画素に含まれる発光素子が発する白色光に対してカラーフィルタリング作用を実現する。
【0041】
例えば、
図2Cは本開示の実施例の一例に係る第1カラーフィルム層の平面構造模式図である。
図2Cに示すように、第1遮光構造220の外輪郭は第1方向(即ちX方向)に沿って延在する2つの第1辺S1及び第2方向(即ちY方向)に沿って延在する2つの第2辺S2を含み、第1方向は第2方向に交差し、且つ第1辺と第2辺は円弧辺S3を介して接続され、円弧辺S3は表示領域101から離れる方向へ湾曲する。例えば、第1方向は第2方向に垂直であってもよい。第1遮光構造220が複数の第1間隔201を含む場合、第1辺S1及び第2辺S2にいずれも第1間隔201が設置されてもよく、それにより、第1辺S1及び第2辺S2は第1間隔201により複数の線分に分割される。
【0042】
例えば、
図2Cに示すように、第1フレームカラーフィルム220の外輪郭は角丸矩形であってもよく、即ち、第1フレームカラーフィルム220の外輪は4つの角がいずれも丸みである矩形である。第1フレームカラーフィルム220の内輪は実際の必要な表示領域101の形状に基づいて決められ、例えば直角矩形であってもよく、即ち、第1フレームカラーフィルム220の内輪は4つの角がいずれも直角である矩形である。
図1に示される外側フレームが鋭い角を含むフレームカラーフィルムに比べて、本開示の実施例は第1フレームカラーフィルムの外輪の形状を角丸矩形に設計することにより、後続の他のカラーフィルム層の形成過程において、第1フレームカラーフィルムの外側に滴注したカラーフィルム材料がスピンコート過程で第1フレームカラーフィルムの外側フレームの鋭い角の影響を受けて発散状を呈する確率を低減させ、それにより表示領域にコーティングされるカラーフィルム層の均一度を更に高め、該カラーフィルム構造を含む表示装置には表示ムラの現象が生じることを防止する。
【0043】
上記例における第1間隔及び第1画素カラーフィルムのサイズは模式的なものに過ぎず、第1間隔及び第1画素カラーフィルムのサイズは実際の必要に応じて設定されてもよい。例えば、
図2Dは本開示の実施例の他の例に係る第1カラーフィルム層の平面構造模式図であり、
図2Dに示すように、第1フレームカラーフィルム220の環状構造の周方向に沿う第1間隔201の幅は第1フレームカラーフィルム220の環状構造の周方向に沿う第1画素カラーフィルム210の幅以上であり、それにより、後続の他のカラーフィルム層の形成過程において、第1フレームカラーフィルムの外側に位置するカラーフィルム材料は第1間隔を流れてカラーフィルム構造領域の表示領域に入りやすい。つまり、環状構造の周方向(第1方向及び第2方向を含む)に沿って、第1間隔201の幅D1は第1サブカラーレジスト層の幅D2以上である。例えば、第1間隔201が第2辺S2に位置する場合、第2辺S2の延在方向(即ちY方向)に沿って、第1間隔201の幅D1は第1サブカラーレジスト層の幅D2以上である。
【0044】
例えば、第1フレームカラーフィルム220の環状の周方向に沿う第1サブカラーレジスト層の幅は10マイクロメートルより小さくてもよく、そうすると、第1フレームカラーフィルム220の環状の周方向に沿う第1間隔201の幅は10マイクロメートル以上であってもよい。
【0045】
例えば、
図2A~
図2Dに示すように、複数の第1間隔201は環状の周方向に沿って均一に分布し、それにより、後続の他のカラーフィルム層の形成過程において、第1フレームカラーフィルムの外側に位置するカラーフィルム材料はより均一に第1間隔を流れてカラーフィルム構造領域の表示領域に入り、且つより均一に表示領域から流れ出す。
【0046】
図3Aは本開示の実施例の一例に係る第2カラーフィルム層の平面構造模式図であり、
図3Bは
図3Aに示される第2カラーフィルム層のAA線に沿って切断された断面構造模式図である。
図3Aは第1カラーフィルム層の外輪が角丸矩形であることを模式的に示すが、これに限定されず、直角矩形であってもよい。
【0047】
図3A及び
図3Bに示すように、カラーフィルム構造は更に第2カラーフィルム層300を含む。第2カラーフィルム層300は表示領域101に位置し且つ第1画素カラーフィルム210と少なくとも部分的に重ねられない第2画素カラーフィルム310と、周辺領域102に位置する第2フレームカラーフィルム320とを含む。つまり、遮光構造は更に第2遮光構造を含み、複数のサブカラーレジスト層は更に複数の第2サブカラーレジスト層を含み、本開示の実施例の以下の内容は第2画素カラーフィルムが第2サブカラーレジスト層であり、第2フレームカラーフィルムが第2遮光構造であることを例として説明する。例えば、複数の第2サブカラーレジスト層は第2遮光構造と同一層に設置され且つ材料が同じである。つまり、第2サブカラーレジスト層及び第2遮光構造は第2カラーレジスト材料に対して同一ステップのパターン化プロセスを行って形成された2つのフィルム層である。
【0048】
本開示の実施例では、第1フレームカラーフィルムに複数の第1間隔を設置することにより、後続の第2カラーフィルム層の形成過程において、第1間隔を流れてあるカラーフィルム構造領域の表示領域に入った第2カラーフィルム材料がもう1つの第1間隔を通過して該表示領域から流れ出して、隣接するカラーフィルム構造領域の表示領域に流れ込むようにすることができ、それにより複数のカラーフィルム構造領域における表示領域内の第2カラーフィルム層の均一度が高いように確保する。
【0049】
図3A及び
図3Bは第2画素カラーフィルム310が第1画素カラーフィルム210に接続されることを模式的に示すが、これに限定されない。例えば、第2画素カラーフィルムは更に第1画素カラーフィルムと部分的に重なってもよく、両者が重なる部分は遮光及び光反射防止の作用を果たすことができ、それによりブラックマトリクスを節約する。例えば、第2画素カラーフィルムは更に第1画素カラーフィルムと互いに分離してもよく、両者間の間隔にブラックマトリクスを設置することによりクロストークの発生を防止する。
【0050】
例えば、
図3A及び
図3Bに示すように、第2画素カラーフィルム310は複数の第2サブ画素カラーフィルム(即ち複数の第2サブカラーレジスト層)を含み、第2サブ画素カラーフィルムは第1サブ画素カラーフィルムと少なくとも部分的に重ねられず、且つ第2サブ画素カラーフィルムの一方側は第1サブ画素カラーフィルムに接続されてもよく、互いに反対する他方側と第1サブ画素カラーフィルムとの間に一定の間隔を有し、それにより第1画素カラーフィルム及び第2画素カラーフィルムの色とは異なる後続の画素カラーフィルムを形成する。当然ながら、本開示の実施例はこれに限定されず、更に第1サブ画素カラーフィルムと第2サブ画素カラーフィルムとが交互に接続されるように設置されてもよい。
【0051】
図3A及び
図3Bに示すように、第2フレームカラーフィルム320は少なくとも複数の第1間隔201に十分に充填され、それにより遮光及び光反射防止の作用を実現する。
【0052】
いくつかの例では、
図3A及び
図3Bに示すように、第2フレームカラーフィルム320は表示領域101と周辺領域102の外側の領域とを連通する複数の第2間隔301を含み、且つ複数の第2間隔301の透明下層100での正投影の少なくとも一部は複数の第1間隔201の透明下層100での正投影と重ねられる。
【0053】
例えば、
図3Bに示される例では、第2フレームカラーフィルム320の透明下層100での正投影は複数の間隔302を含み、且つ第1間隔201の透明下層100での正投影は該間隔302と重ねられず、それにより第2フレームカラーフィルム320が少なくとも複数の第1間隔201に十分に充填されるように確保する。本例では、第2間隔301は第1間隔201及び間隔302からなる。第1フレームカラーフィルム220上に第2フレームカラーフィルム320を形成する過程において、第2フレームカラーフィルム320の一部は第1間隔201に十分に充填されるが、他の部分は第1フレームカラーフィルム220上に位置し、第1フレームカラーフィルム220上に位置する該一部の第2フレームカラーフィルム320は複数のサブ部分を含み、隣接するサブ部分間の隙間は第2間隔301である。且つ、第1フレームカラーフィルム220上に位置する第2フレームカラーフィルム320は第1フレームカラーフィルム220と共同で遮光及び光反射防止の作用を果たす。
【0054】
図4Aは本開示の実施例の他の例に係る第2カラーフィルム層の平面構造模式図であり、
図4Bは
図4Aに示される第2カラーフィルム層のAA線に沿って切断された断面構造模式図である。
図4Aは第2カラーフィルム層の外輪が角丸矩形であることを模式的に示すが、これに限定されず、更に直角矩形であってもよい。
図4Aに示される第2画素カラーフィルムは
図3Aに示される第2画素カラーフィルムの特徴及び効果と同じであり、ここで詳細な説明は省略する。
図4A及び
図4Bに示される第2フレームカラーフィルムと
図3Aに示される例における第2フレームカラーフィルムとの相違点は、本例における第2フレームカラーフィルム320(即ち第2遮光構造)が密閉環状を有することにある。例えば、第2フレームカラーフィルム320の透明下層100での正投影の形状は閉環状であり、即ち、第2フレームカラーフィルム320の透明下層100での正投影に間隔がない。例えば、本例における第1フレームカラーフィルム220の透明下層100での正投影は完全に第2フレームカラーフィルム320の透明下層100での正投影内に位置する。つまり、本例における第2遮光構造は第1遮光構造を完全に被覆する。第2フレームカラーフィルム320は第1間隔201に十分に充填され、且つ第1フレームカラーフィルム220を完全に被覆する。
【0055】
例えば、
図4A及び
図4Bに示すように、第2フレームカラーフィルム320は複数の第2間隔301を含み、且つ第2間隔301の透明下層100での正投影は第1間隔201の透明下層100での正投影と完全に重なる。つまり、第1フレームカラーフィルム220上に第2フレームカラーフィルム320を形成する過程において、第2フレームカラーフィルム320の一部は第1間隔201に十分に充填されるが、他の部分は第1フレームカラーフィルム220上に位置し、第1フレームカラーフィルム220上に位置する該一部の第2フレームカラーフィルム320は複数のサブ部分を含み、隣接するサブ部分間の隙間は第2間隔301である。且つ、第1フレームカラーフィルム220上に位置する第2フレームカラーフィルム320は第1フレームカラーフィルム220と共同で遮光及び光反射防止の作用を果たす。
【0056】
図3A~
図4Bに示される例では、第2フレームカラーフィルムは第2間隔を含む形状に設計されるため、後続の他のカラーフィルム層の形成過程において、第2間隔を流れてあるカラーフィルム構造領域の表示領域に入ったカラーフィルム材料がもう1つの第2間隔を通過して該表示領域から流れ出して、隣接するカラーフィルム構造領域の表示領域に流れ込むようにすることができ、それにより複数のカラーフィルム構造領域における表示領域内のカラーフィルム層の均一度が高いように確保し、それにより、上記複数のカラーフィルム構造を含む複数の表示装置には表示ムラの現象が生じることを防止する。
【0057】
図5Aは本開示の実施例の他の例に係る第2カラーフィルム層の平面構造模式図であり、
図5Bは
図5Aに示される第2カラーフィルム層のAA線に沿って切断された断面構造模式図である。
図5Aは第1カラーフィルム層の外輪が角丸矩形であることを模式的に示すが、これに限定されず、更に直角矩形であってもよい。
図5Aに示される第2画素カラーフィルムは
図3Aに示される第2画素カラーフィルムの特徴及び効果と同じであり、ここで詳細な説明は省略する。
図5A及び
図5Bに示される第2フレームカラーフィルムと
図3Aに示される例における第2フレームカラーフィルムとの相違点は、本例における第2フレームカラーフィルム320(即ち第2遮光構造)が第1間隔201のみに十分に充填され、即ち、第2フレームカラーフィルム320の図形が第1フレームカラーフィルム220の図形と相補するものであることにある。つまり、第2フレームカラーフィルム320は複数の第2間隔301を含み、且つ第1フレームカラーフィルム220は第2間隔301に十分に充填され、それにより形状が閉環状であるフレームカラーフィルムを形成し、遮光及び光反射防止に使用される。
【0058】
例えば、
図5A及び
図5Bに示すように、第2フレームカラーフィルム320の透明下層100から離れる表面は第1フレームカラーフィルム220の透明下層100から離れる表面と同一平面上にあり、それにより平坦な表面を形成する。即ち、第2遮光構造320は第1間隔201に十分に充填され、且つ第2遮光構造320の透明下層100から離れる表面は第1遮光構造220の透明下層100から離れる表面と同一平面上にある。
【0059】
図5A~
図5Bに示される例では、第1フレームカラーフィルム及び第2フレームカラーフィルムが1層のフレームカラーフィルムのみを形成するため、フレームカラーフィルムの厚さを減少させることができ、それにより、後続の他のカラーフィルム層の形成過程において、第1フレームカラーフィルムの外側に滴注したカラーフィルム材料がスピンコート過程で表示領域に均一にコーティングでき、それにより表示領域にコーティングされるカラーフィルム層の均一度を高め、該カラーフィルム構造を含む表示装置には表示ムラの現象が生じることを防止する。
【0060】
図6Aは本開示の実施例の一例に係る第3カラーフィルム層の平面構造模式図であり、
図6Bは
図6Aに示される第3カラーフィルム層のAA線に沿って切断された断面構造模式図である。
図6Aは第3カラーフィルム層の外輪が角丸矩形であることを模式的に示すが、これに限定されず、更に直角矩形であってもよい。
【0061】
図6A及び
図6Bに示すように、カラーフィルム構造は更に第3カラーフィルム層400を含む。第3カラーフィルム層400は表示領域101に位置し且つ第1画素カラーフィルム210及び第2画素カラーフィルム310と少なくとも部分的に重ねられない第3画素カラーフィルム410と、周辺領域102に位置する第3フレームカラーフィルム320とを含む。つまり、遮光構造は更に第3遮光構造を含み、複数のサブカラーレジスト層は更に複数の第3サブカラーレジスト層を含み、本開示の実施例の以下の内容は第3フレームカラーフィルム420が第3遮光構造であり、第3画素カラーフィルム410が第3サブカラーレジスト層であることを例として説明する。例えば、複数の第3サブカラーレジスト層は第3遮光構造と同一層に設置され且つ材料が同じである。つまり、第3サブカラーレジスト層及び第3遮光構造は第3カラーレジスト材料に対して同一ステップのパターン化プロセスを行って形成された2つのフィルム層である。
【0062】
本開示の実施例では、第2フレームカラーフィルムに複数の第2間隔を設置することにより、後続の第3カラーフィルム層の形成過程において、第2間隔を流れてあるカラーフィルム構造領域の表示領域に入った第3カラーフィルム材料がもう1つの第2間隔を通過して該表示領域から流れ出して、隣接するカラーフィルム構造領域の表示領域に流れ込むようにすることができ、それにより複数のカラーフィルム構造領域における表示領域内の第3カラーフィルム層の均一度が高いように確保する。
【0063】
図6A及び
図6Bは第3画素カラーフィルム410が第1画素カラーフィルム210及び第2画素カラーフィルム310に接続されることを模式的に示すが、これに限定されない。例えば、第3画素カラーフィルムは更に第2画素カラーフィルム及び第1画素カラーフィルムと部分的に重なってもよく、上記重なる部分は遮光及び光反射防止の作用を果たすことができ、それによりブラックマトリクスを節約する。例えば、第3画素カラーフィルムは更に第2画素カラーフィルム及び第1画素カラーフィルムと互いに分離してもよく、隣接する画素カラーフィルム間の間隔にブラックマトリクスを設置することによりクロストークの発生を防止する。
【0064】
例えば、
図6A及び
図6Bに示すように、第3画素カラーフィルム410は複数の第3サブ画素カラーフィルム(即ち第3サブカラーレジスト層)を含み、第3サブ画素カラーフィルムは一方側が第1サブ画素カラーフィルムに接続され、他方側が第2サブ画素カラーフィルムに接続されてもよい。
【0065】
例えば、
図6A及び
図6Bは
図3A及び
図3Bに示される例における第2フレームカラーフィルム上に形成された第3フレームカラーフィルムである。
図6A及び
図6Bに示すように、第3フレームカラーフィルム420は少なくとも複数の第2間隔301に十分に充填される。且つ、第1フレームカラーフィルム220の透明下層100での正投影は完全に第2フレームカラーフィルム320及び第3フレームカラーフィルム420の透明下層100での正投影内に位置する。つまり、第2フレームカラーフィルム320及び第3フレームカラーフィルム420は第1フレームカラーフィルム220を完全に被覆する。本開示の実施例では、第1フレームカラーフィルム、第2フレームカラーフィルム及び第3フレームカラーフィルムは共同で遮光及び光反射防止の作用を果たす。
【0066】
例えば、
図6Bに示すように、第3フレームカラーフィルム420は第2間隔301のみに十分に充填され、そうすると、第3フレームカラーフィルム420は複数の第3間隔401を含み、且つ第3間隔401は第2フレームカラーフィルム320により十分に充填される。つまり、第3フレームカラーフィルム420の形状は第1フレームカラーフィルム220上に位置する第2フレームカラーフィルム320の形状と相補する。
【0067】
例えば、
図6A及び
図6Bに示される例では、第3フレームカラーフィルム420は第2間隔301のみに十分に充填され、それにより第3フレームカラーフィルム420の透明下層100から離れる側の表面は第1フレームカラーフィルム220上に位置する第2フレームカラーフィルム320の透明下層100から離れる側の表面と同一平面上にある。つまり、第2フレームカラーフィルムは第1フレームカラーフィルムの第1間隔に充填され、第3フレームカラーフィルムは第2フレームカラーフィルムの第2間隔に充填され、それにより厚さが2層のフレームカラーフィルムが形成され、フレームカラーフィルムの厚さを減少させる。
【0068】
当然ながら、本開示の実施例は第3フレームカラーフィルムが第2間隔のみに充填されることに限定されず、更に第3フレームカラーフィルムの透明下層での正投影は閉環状であってもよく、即ち、第3フレームカラーフィルムは連続したフィルム層であり、且つ第1フレームカラーフィルム及び第2フレームカラーフィルムを完全に被覆し、それにより一部の領域にフレームカラーフィルムの厚さを増加させ、遮光効果をより良く実現する。
【0069】
例えば、
図4A~
図4Bに示される例で第3フレームカラーフィルムを設置する場合、第3フレームカラーフィルムは
図6Bに示されるとおり第2間隔のみに十分に充填されてもよく、第1フレームカラーフィルム及び第2フレームカラーフィルムを完全に被覆する連続したフィルム層であってもよく、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0070】
図7Aは本開示の実施例の他の例に係る第3カラーフィルム層の平面構造模式図であり、
図7Bは
図7Aに示される第3カラーフィルム層のAA線に沿って切断された断面構造模式図である。
図7Aは第3フレームカラーフィルムの外輪が角丸矩形であることを模式的に示すが、これに限定されず、更に直角矩形であってもよい。
図7Aに示される第3画素カラーフィルムは
図6Aに示される第3画素カラーフィルムの特徴及び効果と同じであり、ここで詳細な説明は省略する。
【0071】
図7A及び
図7Bは
図5A及び
図5Bに示される例における第2フレームカラーフィルム上に形成された第3フレームカラーフィルムである。
図7A及び
図7Bに示すように、第3フレームカラーフィルム420は第2フレームカラーフィルム320及び第1フレームカラーフィルム220の透明下層100から離れる側に位置する。第3フレームカラーフィルム420の透明下層100での正投影は密閉環状(閉環状)であり、即ち、第3フレームカラーフィルム420は連続したフィルム層であり、且つ第1フレームカラーフィルム220及び第2フレームカラーフィルム320を完全に被覆し、それにより第1フレームカラーフィルム及び第2フレームカラーフィルムと共同で遮光及び光反射防止の作用を果たす。
【0072】
本例では、第1フレームカラーフィルム及び第2フレームカラーフィルムが1層のフレームカラーフィルムのみを形成するため、フレームカラーフィルムの厚さを減少させることができ、それにより、後続の第3カラーフィルム層の形成過程において、第1フレームカラーフィルムの外側に滴注したカラーフィルム材料がスピンコート過程で表示領域に均一にコーティングでき、それにより表示領域にコーティングされる第3カラーフィルム層の均一度を高め、該カラーフィルム構造を含む表示装置には表示ムラの現象が生じることを防止する。
【0073】
いくつかの例では、
図6A~
図7Bに示すように、第1カラーフィルム層200、第2カラーフィルム層300及び第3カラーフィルム層400は異なる色のカラーフィルム層である。つまり、第1サブカラーレジスト層、第2サブカラーレジスト層及び第3サブカラーレジスト層は異なる色のカラーフィルム層である。例えば、上記第1サブカラーレジスト層、第2サブカラーレジスト層及び第3サブカラーレジスト層はそれぞれ赤色カラーフィルム層、緑色カラーフィルム層及び青色カラーフィルム層であってもよい。
【0074】
図8A及び
図8Bは本開示の他の実施例に係るカラーフィルム構造の模式図である。
図8Aは第1カラーフィルム層、第2カラーフィルム層及び第4カラーフィルム層の平面構造模式図であり、
図8Bは
図8Aに示される第1フレームカラーフィルム及び第2フレームカラーフィルムのBB線に沿って切断された断面構造模式図である。
図3Aは第2カラーフィルム層の外輪が角丸矩形であることを模式的に示すが、これに限定されず、更に直角矩形であってもよい。
図8A及び
図8Bに示すように、カラーフィルム構造は透明下層100及び透明下層100上に位置する第1カラーフィルム層200を含む。透明下層100は表示領域101及び表示領域101を取り囲む周辺領域102を含む。
【0075】
図8A及び
図8Bに示すように、第1カラーフィルム層200は表示領域101に位置する第1画素カラーフィルム210(即ち第1サブカラーレジスト層)及び周辺領域102に位置する第1フレームカラーフィルム220(即ち第1遮光構造)を含む。本開示の実施例の第1フレームカラーフィルムの形状及び効果は
図2A及び
図2Bに示される第1フレームカラーフィルムの形状及び効果と同じであり、ここで詳細な説明は省略する。
【0076】
図8A及び
図8Bに示すように、カラーフィルム構造は更に第4カラーフィルム層500を含み、表示領域101に位置し且つ第1画素カラーフィルム210と少なくとも部分的に重ねられない第4画素カラーフィルム510のみを含む。つまり、第4カラーフィルム層500は周辺領域102に位置するフレームカラーフィルムを含まず、即ち、表示領域101が2種類の色の画素カラーフィルムを含む場合、周辺領域102は1層のカラーフィルム層のみを含み、それにより周辺領域のフレームカラーフィルムの厚さを減少させることができる。つまり、遮光構造は第1遮光構造及び第2遮光構造のみを含み、複数のサブカラーレジスト層は更に複数の第4サブカラーレジスト層を含み、複数の第4サブカラーレジスト層の材料は第1遮光構造及び第2遮光構造の材料とは異なり、且つ第1サブカラーレジスト層、第2サブカラーレジスト層及び第4サブカラーレジスト層は異なる色のカラーフィルム層である。上記第1サブカラーレジスト層、第2サブカラーレジスト層及び第4サブカラーレジスト層はそれぞれ赤色カラーフィルム層、緑色カラーフィルム層及び青色カラーフィルム層であってもよい。本実施例の第1サブカラーレジスト層及び第2サブカラーレジスト層の色は上記実施例の第1サブカラーレジスト層及び第2サブカラーレジスト層の色と同じである。本実施例の第4サブカラーレジスト層の色は上記実施例の第3サブカラーレジスト層の色と同じであってもよく、異なってもよく、本実施例では、第4サブカラーレジスト層の色が上記実施例の第3サブカラーレジスト層の色と同じであることを例として説明する。
【0077】
本開示の実施例では、第4カラーフィルム層を形成した後に第1カラーフィルム層が形成され、第4カラーフィルム層がフレームカラーフィルムを含まない(即ち、遮光構造を含まない)ため、後続に形成される第1カラーフィルム層の均一度に影響を与えず、従って、スピンコート法により形成された表示領域に位置する第1画素カラーフィルムは均一である。
【0078】
図8A及び
図8Bは第4画素カラーフィルム510が第1画素カラーフィルム210に接続されることを模式的に示すが、これに限定されない。
図8Cは本開示の実施例の他の例に係るカラーフィルム構造の
図8Aに示される例におけるDD線に沿って切断された断面構造模式図である。例えば、第4画素カラーフィルム510は更に第1画素カラーフィルム210と部分的に重なってもよく、両者が重なる部分215は遮光及び光反射防止の作用を果たすことができ、それによりブラックマトリクスを節約する。例えば、第4画素カラーフィルム510と第1画素カラーフィルム210とが互いに重なる部分215において、第4画素カラーフィルム510は第1画素カラーフィルム210の透明下層100に接近する側に位置する。つまり、第4サブカラーレジスト層は第1サブカラーレジスト層と少なくとも部分的に重なり、第4サブカラーレジスト層と第1サブカラーレジスト層とが互いに重なる部分において、第4サブカラーレジスト層は第1サブカラーレジスト層の透明下層に接近する側に位置する。本開示の実施例はこれに限定されず、例えば、第4画素カラーフィルムは更に第1画素カラーフィルムと互いに分離してもよく、両者間の間隔にブラックマトリクスを設置することによりクロストークの発生を防止する。
【0079】
例えば、
図8A及び
図8Bに示すように、カラーフィルム構造は更に第2カラーフィルム層300を含む。第2カラーフィルム層300は表示領域101に位置し且つ第1画素カラーフィルム210及び第4画素カラーフィルム510と少なくとも部分的に重ねられない第2画素カラーフィルム310と、周辺領域102に位置する第2フレームカラーフィルム320とを含む。
図8A及び
図8Bは第2画素カラーフィルム310が第1画素カラーフィルム210及び第4画素カラーフィルム510に接続されることを模式的に示すが、これに限定されない。例えば、
図8Cに示すように、第2画素カラーフィルム310は更に第1画素カラーフィルム210及び第4画素カラーフィルム510のうちの少なくとも1つと部分的に重なってもよく、上記重なる部分は遮光及び光反射防止の作用を果たすことができ、それによりブラックマトリクスを節約する。例えば、第2画素カラーフィルムは更に第1画素カラーフィルム及び第4画素カラーフィルムと互いに分離してもよく、隣接する画素カラーフィルム間の間隔にブラックマトリクスを設置することによりクロストークの発生を防止する。
【0080】
例えば、
図8A及び
図8Bに示すように、本開示の実施例の第2フレームカラーフィルム320の特徴、効果及び第1フレームカラーフィルム220との位置関係は
図4A及び
図4Bに示される第2フレームカラーフィルム320の特徴、効果及び第1フレームカラーフィルム220との位置関係と同じであり、ここで詳細な説明は省略する。
【0081】
本開示の他の実施例は発光ダイオード表示パネルを提供する。
図9は本開示の一実施例に係る発光ダイオード表示パネルの局所断面模式図である。
図9が
図6Aに示されるカラーフィルム構造を含むものであることを例とし、
図9は
図6Aに示されるCC線に沿って切断された発光ダイオード表示パネルの断面模式図である。これに限定されず、本開示の実施例に係る発光ダイオード表示パネルは更に上記他の例におけるカラーフィルム構造等であってもよく、第1フレームカラーフィルムの形状は非閉環状であればよい。
【0082】
図9に示すように、発光ダイオード表示パネルはベース基板600、ベース基板600上に位置する複数のサブ画素及びサブ画素表示側に位置するカラーフィルム構造(例えば、カラーレジスト層及び遮光構造)を含み、カラーフィルム構造が
図6Aに示されるカラーフィルム構造であることを例として説明する。
【0083】
図9に示すように、複数のサブ画素は表示領域101に位置し且つベース基板600の一方側に位置し、複数のサブ画素のうちの少なくとも1つは発光素子700及び発光素子700とベース基板600との間に位置する駆動回路610を含む。発光素子700は順に積層される第1電極710、発光機能層720及び第2電極730を含み、第1電極710は第2電極730よりもベース基板600に接近する。駆動回路610は駆動トランジスタ及び記憶コンデンサを含み、駆動トランジスタはソース、ドレイン及びゲートを含み、ソース及びドレインのうちの1つは第1電極710に結合され、ゲートは記憶コンデンサに結合され、記憶コンデンサはデータ信号を記憶するように配置される。カラーレジスト層は第2電極730のベース基板600から離れる側に位置し、発光素子700が発する光はカラーレジスト層を通過して射出される。
【0084】
図9は単に画素回路構造を模式的に示し、より詳細な画素回路構造の例は以下に
図11を参照して説明するものを参照する。
【0085】
図9に示すように、発光ダイオード表示パネルは更に周辺領域102に位置する検知領域103を含み、検知領域103は画素の電流を検出するための検知回路構造を含んでもよく、該検知回路構造は温度センサに接続されてもよく、且つ検知回路はカラーフィルム構造のベース基板600に向かう側に位置する。検知領域103の透明下層100での正投影は第1遮光構造のベース基板600での正投影内に位置する。
【0086】
図9に示すように、表示領域内の発光素子700の第2電極730は検知領域103に延在してもよく、且つ第1フレームカラーフィルム220(第1遮光構造)、第2フレームカラーフィルム320(第2遮光構造)及び第3フレームカラーフィルム420(第3遮光構造)は検知領域まで延在する第2電極に被覆される(
図9に示される断面の遮光構造は第1遮光構造及び第3遮光構造のみを含むが、これに限定されず、他の位置の遮蔽壁構造は第1遮光構造及び第2遮光構造、第2遮光構造及び第3遮光構造、又は第1遮光構造、第2遮光構造及び第3遮光構造を含む可能性がある)。例えば、検知領域103は表示領域の発光素子700と同一層に設置される発光素子700’及び検知回路構造610’を含み、上記第1フレームカラーフィルム220、第2フレームカラーフィルム320及び第3フレームカラーフィルム420は遮光構造として、検知領域の発光素子から射出された光を遮蔽することができる。また、説明する必要がある点として、
図9は単に第1フレームカラーフィルム220及び第3フレームカラーフィルム420が周辺領域に位置する例示的な構造を示すが、本開示に基づく実施例はこれに限定されない。例えば、上記実施例に説明される様々なカラーフィルム構造はいずれも
図9の構造に適用できる。つまり、
図9におけるカラーフィルム構造を上記実施例のいずれか1つのカラーフィルム構造で代替できる。
【0087】
例えば、各サブ画素SPは発光素子700を含み、
図9に示される点線枠に示される。各サブ画素は1つのサブカラーレジスト層、例えばサブカラーレジスト層210、310、410等に対応し、それにより各サブ画素から射出された光が対応するカラーレジスト層によりフィルタリングされて対応する色を表示する。
【0088】
いくつかの例では、
図9に示すように、ベース基板600はシリコン基板600であり、シリコン基板600の発光素子700に向かう側は駆動回路610を含み、駆動回路610は発光素子700に接続される。例えば、シリコン基板600上に駆動回路610の駆動トランジスタのソース及びドレインが集積される。
【0089】
例えば、シリコン基板上に更にゲート駆動回路及びデータ駆動回路(図示せず)が集積されてもよく、シリコン基板の周辺領域にフレキシブル回路基板が設置され、該フレキシブル回路基板はゲート駆動回路、データ駆動回路及び発光素子に電気信号を伝送するように配置される。例えば、該ゲート駆動回路(図示せず)はゲート駆動信号を生成することに用いられ、データ駆動回路(図示せず)はデータ信号を生成することに用いられ、該ゲート駆動回路及びデータ駆動回路は本分野内の通常の回路構造を用いてもよく、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0090】
例えば、駆動回路610はゲート走査信号、データ信号及び電圧信号等の駆動信号の制御下で、発光素子700に駆動電流を提供することに用いられ、それにより発光素子に含まれる有機発光層を発光させる。例えば、駆動回路610は4T1C、4T2C、7T1C、8T2C等の回路構造の画素回路を用いてもよく、その駆動方法は本分野の通常の方法を用いてもよく、ここで詳細な説明は省略する。例えば、画素回路構造はCMOSプロセスによりシリコン基板上に製造されてもよく、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0091】
例えば、
図9に示すように、シリコン基板600は駆動回路610と発光素子700との間に位置する第1絶縁層620及び第2絶縁層650を更に含み、2層の絶縁層にいずれもビア630が設置される。例えば、ビア630はタングステン金属を充填するタングステン孔であってもよく、第1絶縁層620及び第2絶縁層650の厚さがより厚い場合、第1絶縁層620及び第2絶縁層650にタングステンビアを形成することにより導電通路の安定性を確保することができ、且つ、タングステンビアの製造プロセスが成熟したため、得られた第1絶縁層620及び第2絶縁層650の表面平坦度が高く、第1絶縁層620及び第2絶縁層650と発光素子700に含まれる電極との間の接触抵抗の低減に役立つ。
【0092】
例えば、
図9に示すように、2層の絶縁層のビア630の間に金属層640を設置することにより発光素子700と駆動回路610との電気的接続を実現する。
【0093】
例えば、
図9に示すように、発光素子700に含まれる第1電極710は絶縁層内に位置するビア630を介して駆動回路610に電気的に接続され、駆動回路610は発光素子700を発光させるように駆動することに用いられる。発光素子700は複数のサブ発光素子を含み、隣接するサブ発光素子の発光機能層720は画素定義層800により仕切られる。
【0094】
例えば、駆動回路610は少なくとも駆動トランジスタ及びスイッチングトランジスタ(
図9に図示せず、
図11を参照する)を含み、駆動トランジスタと第1電極710は互いに電気的に接続される。それにより、発光素子700を駆動する電気信号は第1電極710に伝送され、それにより発光素子700を発光させるように制御する。例えば、駆動トランジスタはゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を含む。駆動トランジスタのソース電極は第1電極710に電気的に接続される。駆動トランジスタがオン状態にある場合、電源線により提供される電気信号は駆動トランジスタのソース電極を介して第1電極710に伝送され得る。第1電極710と第2電極730との間に電圧差が形成されるため、両者の間に電場が形成され、発光機能層720は該電場の作用下で発光する。
【0095】
例えば、
図9に示すように、発光素子700に含まれる各サブ発光素子はそれぞれ各サブ画素カラーフィルムに1対1で対応する。例えば、発光素子700が発する光は白色光であり、白色光は発光素子700の表示側に位置する異なる色の画素カラーフィルムを通過した後にカラー表示を実現することができる。
【0096】
例えば、
図9に示すように、周辺領域102に位置する検知領域103には表示領域101における発光素子700と同じ発光素子が更に設置され、検知領域103に位置する発光素子は表示に使用されないが、画素発光の減衰程度を検出することに用いられ、従って、周辺領域102に位置するフレームカラーフィルムにより遮光される必要がある。
【0097】
いくつかの例では、
図9に示すように、透明下層100は薄膜封止層であり、且つ薄膜封止層は第1カラーフィルム層200の発光素子700に向かう側に位置する。
【0098】
例えば、上記透明下層100は第1薄膜封止層100であり、カラーフィルム構造の発光素子700から離れる側に更に第2薄膜封止層100’が設置され、第1薄膜封止層100及び第2薄膜封止層100’は発光素子の効果的な封止を実現し、水蒸気、酸素ガス等に対する効果的な遮断を実現し、発光素子を保護し及び発光素子の耐用年数を延ばすという目的を達成することができる。
【0099】
例えば、第2薄膜封止層のカラーフィルム構造から離れる側に更にカバープレート(図示せず)が設置され、第2薄膜封止層及びカバープレートは順にカラーフィルム構造の上に設置され、カラーフィルム構造を保護する機能を実現することができる。例えば、第2薄膜封止層は密封特性が高い有機材料又は無機材料のうちの1つ又は複数の組み合わせを用いて製造されてなり、それにより高い密封作用を達成し、シリコン系OLED表示機器を保護する。例えば、カバープレートは透明材料を用いてもよく、例えば、透明材料はガラス等の無機材料又はポリイミド等の有機材料であってもよく、例えば、本開示の実施例では、高透過率を有するガラスを用いてもよく、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0100】
本開示の実施例に係る発光ダイオード表示パネルの技術的効果は本開示の実施例に係るカラーフィルム構造の技術的効果を参照すればよく、ここで詳細な説明は省略する。
【0101】
図10は本開示のいくつかの実施例に係るシリコン系有機発光表示パネルの回路原理模式図である。該シリコン系有機発光表示パネルは表示領域101(AA領域)に位置する複数の表示機器L(即ち発光素子)及び各表示機器Lに1対1で対応して結合される画素回路110を含み、画素回路110(つまり、
図9における駆動回路610)は駆動トランジスタを含む。且つ、該シリコン系有機発光表示パネルはシリコン系有機発光表示パネルの周辺領域102(シリコン系有機発光表示パネルにおける表示領域101以外の領域)に位置する複数の電圧制御回路120を更に含んでもよい。例えば、1行では少なくとも2つの画素回路110は1つの電圧制御回路120を共用し、且つ1行の画素回路110における駆動トランジスタの第1極は共用する電圧制御回路120に結合され、各駆動トランジスタの第2極は対応する表示機器Lに結合される。電圧制御回路120は、リセット制御信号REに応答し、初期化信号Vinitを駆動トランジスタの第1極に出力して、対応する表示機器Lをリセットさせるように制御し、及び発光制御信号EMに応答し、第1電源信号VDDを駆動トランジスタの第1極に出力して、表示機器Lを駆動して発光させるように配置される。電圧制御回路120を共用することにより、表示領域101における各画素回路の構造を簡素化させ、表示領域101における画素回路の占用面積を減少させることができ、それにより表示領域101により多くの画素回路及び表示機器を設置して、高いPPIの有機発光表示パネルを実現することができる。且つ、電圧制御回路120はリセット制御信号REの制御下で初期化信号Vinitを駆動トランジスタの第1極に出力し、対応する表示機器をリセットさせるように制御することにより、1フレーム前の発光時に表示機器に印加される電圧による次の1フレームの発光への影響を回避することができ、更に焼き付き現象を改善する。
【0102】
例えば、該シリコン系有機発光表示パネルは更に表示領域101に位置する複数の画素ユニットPXを含んでもよく、各画素ユニットPXは複数のサブ画素を含み、各サブ画素はそれぞれ1つの表示機器L及び1つの画素回路110を含む。更に、画素ユニットPXは3つの異なる色のサブ画素を含んでもよい。この3つのサブ画素はそれぞれ赤色サブ画素、緑色サブ画素及び青色サブ画素であってもよい。当然ながら、画素ユニットPXは4つ、5つ、又はそれ以上のサブ画素を含んでもよく、これは実際の応用環境に応じて設計して決める必要があり、ここで限定しない。
【0103】
例えば、同一行の隣接する少なくとも2つのサブ画素の画素回路110が1つの電圧制御回路120を共用するようにさせてもよい。例えば、いくつかの例では、
図10に示すように、同一行のすべての画素回路110が1つの電圧制御回路120を共用するようにさせてもよい。又は、他の例では、同一行の隣接する2つ、3つ、又はそれ以上のサブ画素の画素回路110が1つの電圧制御回路120を共用するようにさせてもよく、ここで限定しない。このように、電圧制御回路120を共用することにより表示領域101における画素回路の占用面積を減少させることができる。
【0104】
図11は本開示のいくつかの実施例に係る表示パネルの電圧制御回路及び画素回路の具体的な実現例の回路図である。例えば、画素回路110(即ち
図9に示される駆動回路610)における駆動トランジスタM0はN型トランジスタであってもよい。且つ、発光素子LはOLEDを含んでもよい。このように、OLEDの陽極は駆動トランジスタM0の第2極Dに電気的に接続され、OLEDの陰極は第2電源端子VSSに電気的に接続される。第2電源端子VSSの電圧は一般的に負電圧又は接地電圧VGND(一般的に0Vである)であり、初期化信号Vinitの電圧は接地電圧VGNDとして設定されてもよく、ここで限定しない。例えば、OLEDをMicro-OLED又はMini-OLEDとして設定してもよく、このように、高いPPIの有機発光表示パネルの実現に更に役立つ。
【0105】
例えば、
図11に示すように、電圧制御回路120は第1スイッチングトランジスタM1及び第2スイッチングトランジスタM2を含んでもよく、画素回路110は駆動トランジスタM0を含む以外に、更に第3スイッチングトランジスタM3、第4スイッチングトランジスタM4、第5スイッチングトランジスタM5、及び記憶コンデンサCstを含んでもよい。
【0106】
例えば、
図11に示すように、第1スイッチングトランジスタM1のゲートはリセット制御信号REを受信することに用いられ、第1スイッチングトランジスタM1の第1極は初期化信号Vinitを受信することに用いられ、第1スイッチングトランジスタM1の第2極は第3スイッチングトランジスタM3の第1極に結合される。第2スイッチングトランジスタM2のゲートは発光制御信号EMを受信することに用いられ、第2スイッチングトランジスタM2の第1極は第1電源信号VDDを受信することに用いられ、第2スイッチングトランジスタM2の第2極は第3スイッチングトランジスタM3の第1極に結合される。
【0107】
例えば、第1スイッチングトランジスタM1及び第2スイッチングトランジスタM2のタイプは異なってもよい。例えば、第1スイッチングトランジスタM1はN型トランジスタであり、第2スイッチングトランジスタM2はP型トランジスタである。又は、第1スイッチングトランジスタM1はP型トランジスタであり、第2スイッチングトランジスタM2はN型トランジスタである。当然ながら、第1スイッチングトランジスタM1及び第2スイッチングトランジスタM2のタイプは同じであってもよい。実際の応用では、実際の応用環境に応じて第1スイッチングトランジスタM1及び第2スイッチングトランジスタM2のタイプを設計する必要があり、ここで制限しない。
【0108】
例えば、
図11に示すように、第3スイッチングトランジスタM3のゲートは伝送制御信号VTを受信することに用いられ、第3スイッチングトランジスタM3の第1極は第1スイッチングトランジスタM1の第2極及び第2スイッチングトランジスタM2の第2極に結合され、第1スイッチングトランジスタM1から伝送された初期化信号Vinit又は第2スイッチングトランジスタM2から伝送された第1電源信号VDDを受信することに用いられ、第3スイッチングトランジスタM3の第2極は駆動トランジスタM0の第1極Sに結合される。例えば、伝送制御信号VTを入力するか否かを制御することにより第3スイッチングトランジスタM3のオン又はオフを制御することができ、それにより発光素子Lの発光時間を制御し、更にPWM(Pulse Width Modulation、パルス幅変調)調光を実現し、このような制御方式は各サブ画素のPWM制御の均一性を確保することに役立つ。
【0109】
例えば、画素回路110は更に第4スイッチングトランジスタM4及び記憶コンデンサCstを含んでもよい。例えば、第4スイッチングトランジスタM4のゲートはゲート走査信号SNを受信することに用いられ、第4スイッチングトランジスタM4の第1極はデータ信号DATAを受信することに用いられ、第4スイッチングトランジスタM4の第2極は駆動トランジスタM0のゲートGに結合される。記憶コンデンサCstの第1端子は駆動トランジスタM0のゲートGに結合され、記憶コンデンサCstの第2端子は第1電圧端子V1に結合される。第1電圧端子V1の電圧は接地電圧VGNDであってもよく、本開示の実施例はこれを含むが、これに限定されない。例えば、記憶コンデンサは書き込まれたデータ信号DATAを記憶することに用いられ、それにより駆動トランジスタM0は記憶されるデータ信号DATAに基づいて発光素子Lを発光させるように駆動する。
【0110】
例えば、画素回路110は更に第5スイッチングトランジスタM5を含んでもよい。例えば、第5スイッチングトランジスタM5のゲートはゲート走査信号SNの逆相信号SN’を受信することに用いられ、第5スイッチングトランジスタM5の第1極はデータ信号DATAを受信することに用いられ、第5スイッチングトランジスタM5の第2極は駆動トランジスタM0のゲートGに結合される。且つ、第5スイッチングトランジスタM5及び第4スイッチングトランジスタM4のタイプは異なる。例えば、いくつかの例では、
図11に示すように、第4スイッチングトランジスタM4はN型トランジスタであり、第5スイッチングトランジスタM5はP型トランジスタであり、又は、他のいくつかの例では、第4スイッチングトランジスタM4はP型トランジスタであり、第5スイッチングトランジスタM5はN型トランジスタである。
【0111】
なお、
図11に示される画素回路構造は例示的なものに過ぎず、本開示に係る実施例は更にいかなる他の画素回路構造を用いてもよい。
【0112】
上記駆動トランジスタM0、第1スイッチングトランジスタM1、第2スイッチングトランジスタM2、第3スイッチングトランジスタM3、第4スイッチングトランジスタM4及び第5スイッチングトランジスタM5はベース基板600(例えば、シリコン系ベース基板)に製造されたMOSトランジスタである。例えば、これらのトランジスタの少なくとも一部はベース基板に位置する。例えば、これらのトランジスタのソース領域及びドレイン領域はベース基板600に位置する。
【0113】
本開示の他の実施例は発光ダイオード表示装置を提供し、上記発光ダイオード表示パネルを含む。本開示の実施例に係る発光ダイオード表示装置は小さなサイズの発光ダイオード表示装置、即ちマイクロ発光ダイオード表示装置である。該発光ダイオード表示装置はテレビ、デジタルカメラ、携帯電話、腕時計、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、ナビゲータ等のいかなる表示機能を持つ製品又は部材に適用されてもよく、特にヘルメットディスプレイ、立体ディスプレイミラー及びメガネ型ディスプレイ等に適用されることに適する。上記マイクロ発光ダイオード表示装置は移動通信ネットワーク、衛星測位等のシステムにアクセスしてもよく、それによりいかなる場所、いかなる時点で正確な画像情報を取得する。
【0114】
本実施例はこれに限定されず、本開示の実施例に係る発光ダイオード表示装置は更に仮想現実デバイス又は拡張現実デバイスに適用されてもよい。
【0115】
本開示の実施例に係る発光ダイオード表示装置の技術的効果は本開示の実施例に係るカラーフィルム構造の技術的効果を参照すればよく、ここで詳細な説明は省略する。
【0116】
本開示の他の実施例は発光ダイオード表示パネルの製造方法を提供する。
図12は本開示の一実施例に係る発光ダイオード表示パネルのフローチャートである。
図2A~
図7B及び
図9~
図12を参照し、製造方法は下記ステップを含む。
【0117】
S101、ベース基板を提供する。
【0118】
例えば、
図9に示すように、ベース基板600はシリコン基板であってもよい。
【0119】
例えば、
図9に示すように、ベース基板600は表示領域101及び表示領域101を取り囲む周辺領域102を含む。シリコン基板600上に駆動回路610、ゲート駆動回路及びデータ駆動回路(図示せず)が集積されている。シリコン基板600の周辺領域102にフレキシブル回路基板が設置されてもよく、該フレキシブル回路基板はゲート駆動回路及びデータ駆動回路等に電気信号を伝送するように配置される。
【0120】
例えば、駆動回路610は4T1C、4T2C、7T1C、8T2C等の回路構造の画素回路を用いてもよく、その駆動方法は本分野の通常の方法を用いてもよく、ここで詳細な説明は省略する。例えば、画素回路構造はCMOSプロセスによりシリコン基板上に製造されてもよく、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0121】
S102、ベース基板上の表示領域に発光素子を形成する。
【0122】
例えば、
図9に示すように、発光素子700を形成することは、順に積層して設置される第1電極710、発光機能層720及び第2電極730を形成することを含み、第1電極710は駆動回路610に電気的に接続され、駆動回路610は発光素子700を発光させるように駆動することに用いられる。
【0123】
S103、発光素子上にスピンコート法により第1カラーレジスト材料をコーティングする。
【0124】
例えば、実際のプロセスでは、シリコン基板上には複数の発光ダイオード表示パネルを形成するための複数の発光ダイオード表示パネル領域が含まれ、各発光ダイオード表示パネル領域に発光素子を形成した後、スピンコート法によりコーティングされた第1カラーフィルム材料層(即ち第1カラーレジスト材料)は各発光ダイオード表示パネル領域を被覆する。当然ながら、本開示の実施例はスピンコート法に限定されず、更に他の方法により第1カラーレジスト材料を塗布してもよい。
【0125】
例えば、スピンコート法とは、ワークが回転する際に生じた遠心力及び重力作用によって、ワークに落下した塗料の液滴をワークの表面に全面的に流すコーティング過程を指す。スピンコート法により第1カラーフィルム材料層をコーティングすることは、シリコン基板の発光ダイオード表示パネル領域以外の位置に第1カラーフィルム材料を滴注し、シリコン基板を回転することにより第1カラーフィルム材料を複数の発光ダイオード表示パネル領域内の発光素子に均一に流して厚さが均一な第1カラーフィルム材料層を形成することを含む。
【0126】
例えば、第1カラーフィルム材料の色は異なり、用いる接着剤塗布速度は異なってもよい。
【0127】
例えば、第1カラーフィルム材料層を形成する前に、発光素子上に透明下層、即ち発光素子を被覆する1層の薄膜封止層を形成することを更に含む。
【0128】
S104、第1カラーレジスト材料をパターン化して表示領域に第1カラーレジスト層を形成し、周辺領域に表示領域を取り囲む第1遮光構造を形成する。
【0129】
例えば、
図2Aに示すように、第1カラーフィルム材料層に対してプレベーク、露光、現像及びポストベークを行った後、表示領域101に第1画素カラーフィルム210(即ち第1カラーレジスト層)を形成し、周辺領域102に第1フレームカラーフィルム220(即ち第1遮光構造)を形成してもよい。形成された第1フレームカラーフィルム220の形状は非閉環状であり、即ち、少なくとも1つの第1間隔を含む。
【0130】
本開示の実施例は第1フレームカラーフィルムの形状を非閉形状に設計することにより、後続の他のカラーフィルム層の形成過程において、第1フレームカラーフィルムの外側に滴注したカラーフィルム材料がスピンコート過程で第1フレームカラーフィルムの第1間隔を流れて表示領域にコーティングでき、それにより表示領域にコーティングされるカラーフィルム層の均一度を高め、該カラーフィルム構造を含む表示装置には表示ムラの現象が生じることを防止する。
【0131】
いくつかの例では、
図2A及び
図2Bに示すように、第1フレームカラーフィルム220を形成することは、第1カラーフィルム材料層をパターン化して表示領域101と周辺領域102の外側の領域とを連通する複数の第1間隔201を形成することを含む。
【0132】
例えば、本開示の実施例で形成された第1画素カラーフィルム及び第1フレームカラーフィルムは
図2A及び
図2Bに示される第1画素カラーフィルム及び第1フレームカラーフィルムと同じ特徴及び効果を有し、ここで詳細な説明は省略する。
【0133】
S105、第1カラーレジスト層及び第1遮光構造上にスピンコート法により第2カラーレジスト材料をコーティングする。
【0134】
例えば、
図3A及び
図3Bに示すように、第1画素カラーフィルム及び第1フレームカラーフィルムを形成した後、製造方法は更に、第1画素カラーフィルム210及び第1フレームカラーフィルム220上にスピンコート法により第2カラーフィルム材料層(即ち第2カラーレジスト材料)をコーティングすることを含む。当然ながら、本開示の実施例はスピンコート法に限定されず、更に他の方法により第2カラーレジスト材料を塗布してもよい。
【0135】
例えば、第1フレームカラーフィルム220の外側の領域に第2カラーフィルム材料を滴注し、その後、シリコン基板600を回転することにより第2カラーフィルム材料を各発光ダイオード表示パネル領域の表示領域101及び周辺領域102に均一にコーティングして、第2カラーフィルム材料層を形成する。第1フレームカラーフィルムに複数の第1間隔が形成されるため、後続の第2カラーフィルム層の形成過程において、第1間隔を流れてあるカラーフィルム構造領域の表示領域に入った第2カラーフィルム材料がもう1つの第1間隔を通過して該表示領域から流れ出して、隣接するカラーフィルム構造領域の表示領域に流れ込むようにすることができ、それにより複数のカラーフィルム構造領域における表示領域内の第2カラーフィルム層の均一度が高いように確保する。
【0136】
S106、第2カラーレジスト材料をパターン化して、表示領域には第1カラーレジスト層と少なくとも部分的に重ねられない第2カラーレジスト層を形成し、周辺領域には表示領域を取り囲む第2遮光構造を形成する。
【0137】
例えば、
図3A及び
図3Bに示すように、第2カラーフィルム材料層をコーティングした後、第2カラーフィルム材料層に対してパターン化、例えば露光及び現像を行って、表示領域101には第1画素カラーフィルム210と少なくとも部分的に重ねられない第2画素カラーフィルム310(即ち第2カラーレジスト層)を形成し、第1フレームカラーフィルム220には表示領域101を取り囲む環状の第2フレームカラーフィルム320(即ち第2遮光構造)を形成し、且つ第2フレームカラーフィルム320は少なくとも複数の第1間隔201に十分に充填される。
【0138】
例えば、第1カラーレジスト層及び第1遮光構造上にスピンコート法により第2カラーレジスト材料をコーティングすることは、第1遮光構造の外側の領域に第2カラーレジスト材料を提供することと、ベース基板を回転することにより第2カラーレジスト材料を表示領域及び周辺領域に均一にコーティングさせ、少なくとも一部の第2カラーレジスト材料が第1間隔を通過して第1遮光構造の内側に流れることと、を含む。
【0139】
例えば、上記方法により形成された第2フレームカラーフィルムは
図3A~
図4Bにおけるいずれか1つの例の構造であってもよく、本開示の実施例に係る製造方法は第2フレームカラーフィルムに第2間隔を形成することにより、後続の他のカラーフィルム層の形成過程において、第2間隔を流れてある発光ダイオード表示パネル領域の表示領域に入ったカラーフィルム材料がもう1つの第2間隔を通過して該表示領域から流れ出して、隣接する発光ダイオード表示パネル領域の表示領域に流れ込むようにすることができ、それにより複数の発光ダイオード表示パネル領域における表示領域内のカラーフィルム層の均一度が高いように確保し、それにより、上記複数のカラーフィルム構造を含む複数の表示装置には表示ムラの現象が生じることを防止する。
【0140】
例えば、
図5A及び
図5Bに示すように、形成された第2フレームカラーフィルム320は第1フレームカラーフィルム220の第1間隔201のみに十分に充填されてもよく、即ち、第2フレームカラーフィルム320の図形は第1フレームカラーフィルム220の図形と相補する。第1フレームカラーフィルム及び第2フレームカラーフィルムにより1層のフレームカラーフィルムのみが形成されるため、フレームカラーフィルムの厚さを減少させることができ、それにより、後続の他のカラーフィルム層の形成過程において、第1フレームカラーフィルムの外側に滴注したカラーフィルム材料がスピンコート過程で表示領域に均一にコーティングでき、それにより表示領域にコーティングされるカラーフィルム層の均一度を高める。
【0141】
いくつかの例では、
図6A及び
図6Bに示すように、第2画素カラーフィルム及び第2フレームカラーフィルムを形成した後、製造方法は更に、第2画素カラーフィルム310及び第2フレームカラーフィルム320上にスピンコート法により第3カラーフィルム材料層をコーティングすることを含む。
【0142】
例えば、第2フレームカラーフィルム320の外側の領域に第3カラーフィルム材料を滴注し、その後、シリコン基板600を回転することにより第3カラーフィルム材料を各発光ダイオード表示パネル領域の表示領域101及び周辺領域102に均一にコーティングして、第3カラーフィルム材料層を形成する。形成された第2フレームカラーフィルムが複数の第2間隔を含むため、後続の第3カラーフィルム層の形成過程において、第2間隔を流れてあるカラーフィルム構造領域の表示領域に入った第3カラーフィルム材料がもう1つの第2間隔を通過して該表示領域から流れ出して、隣接するカラーフィルム構造領域の表示領域に流れ込むようにすることができ、それにより複数のカラーフィルム構造領域における表示領域内の第3カラーフィルム層の均一度が高いように確保する。
【0143】
例えば、
図6A及び
図6Bに示すように、第3カラーフィルム材料層をコーティングした後、第3カラーフィルム材料層に対してパターン化、例えば露光及び現像を行って、表示領域101には第1画素カラーフィルム210及び第2画素カラーフィルム310と少なくとも部分的に重ねられない第3画素カラーフィルム410を形成し、第2フレームカラーフィルム320には表示領域101を取り囲む第3フレームカラーフィルム420を形成し、第3フレームカラーフィルム420は少なくとも複数の第2間隔301に十分に充填される。本開示の実施例で形成された第3画素カラーフィルム及び第3フレームカラーフィルムは
図6A及び
図6Bに示される第3画素カラーフィルム及び第3フレームカラーフィルムと同じ特徴及び効果を有し、ここで詳細な説明は省略する。
【0144】
例えば、
図7A及び
図7Bに示すように、第2画素カラーフィルム及び第2フレームカラーフィルムを形成した後、製造方法は更に、第2画素カラーフィルム310及び第2フレームカラーフィルム320上にスピンコート法により第3カラーフィルム材料層をコーティングすることを含む。
【0145】
例えば、第2フレームカラーフィルム320の外側の領域に第3カラーフィルム材料を滴注し、その後、シリコン基板600を回転することにより第3カラーフィルム材料を各発光ダイオード表示パネル領域の表示領域101及び周辺領域102に均一にコーティングして、第3カラーフィルム材料層を形成する。第1フレームカラーフィルム及び第2フレームカラーフィルムにより1層のフレームカラーフィルムのみが形成されるため、フレームカラーフィルムの厚さを減少させることができ、それにより、後続の第3カラーフィルム層の形成過程において、第1フレームカラーフィルムの外側に滴注した第3カラーフィルム材料がスピンコート過程で表示領域に均一にコーティングでき、それにより表示領域にコーティングされる第3カラーフィルム層の均一度を高める。
【0146】
例えば、
図7A及び
図7Bに示すように、第3カラーフィルム材料層をコーティングした後、第3カラーフィルム材料層に対してパターン化、例えば露光及び現像を行って、表示領域101には第1画素カラーフィルム210及び第2画素カラーフィルム310と少なくとも部分的に重ねられない第3画素カラーフィルム410を形成し、第2フレームカラーフィルム320には表示領域101を取り囲む第3フレームカラーフィルム420を形成し、第3フレームカラーフィルム420の透明下層100での正投影は閉環状であり、即ち、第3フレームカラーフィルム420は連続したフィルム層であり、且つ第1フレームカラーフィルム220及び第2フレームカラーフィルム320を完全に被覆し、それにより第1フレームカラーフィルム及び第2フレームカラーフィルムと共同で遮光及び光反射防止の作用を果たす。
【0147】
本開示の実施例の他の例は発光ダイオード表示パネルの製造方法を提供し、
図8A~
図8Bを参照し、前の例に係る製造方法との相違点は、第1カラーフィルム材料層を形成する前に、発光素子上にスピンコート法により第4カラーフィルム材料層をコーティングすることと、第4カラーフィルム材料層をパターン化して表示領域101のみに第4画素カラーフィルム510を形成することとを含むことである。本例の第4カラーフィルム材料層は前の例の第3カラーフィルム材料層と同じ色のカラーフィルム材料層であってもよいが、本例の第4カラーフィルム材料層は第1カラーフィルム層の前に形成され、且つ周辺領域に第1フレームカラーフィルム及び第2フレームカラーフィルムの2層のカラーフィルム層のみが含まれる。当然ながら、本開示の実施例はこれに限定されず、第4カラーフィルム材料層は前の例の第3カラーフィルム材料層とは異なる色のカラーフィルム材料層であってもよい。
【0148】
例えば、第1カラーフィルム材料層を形成する前に、シリコン基板の発光ダイオード表示パネル領域以外の位置に第4カラーフィルム材料を滴注し、シリコン基板を回転することにより第4カラーフィルム材料を複数の発光ダイオード表示パネル領域における発光素子に均一に流して、厚さが均一な第4カラーフィルム材料層を形成する。その後、第4カラーフィルム材料層に対してプレベーク、露光、現像及びポストベークを行った後、表示領域のみに第4画素カラーフィルムを形成する。
【0149】
例えば、第4画素カラーフィルムを形成した後、第4画素カラーフィルム上にスピンコート法により第1カラーフィルム材料層をコーティングし、即ち、シリコン基板の発光ダイオード表示パネル領域以外の位置に第1カラーフィルム材料を滴注し、シリコン基板を回転することにより第1カラーフィルム材料を複数の発光ダイオード表示パネル領域における周辺領域及び表示領域(第4画素カラーフィルムを含む)に均一に流して、厚さが均一な第1カラーフィルム材料層を形成する。その後、第1カラーフィルム材料層をパターン化して、表示領域には第4画素カラーフィルムと少なくとも部分的に重ねられない第1画素カラーフィルムを形成し、周辺領域には表示領域を取り囲む第1フレームカラーフィルムを形成する。本例で形成された第1画素カラーフィルム及び第1フレームカラーフィルムは前の例に係る製造方法により形成された第1画素カラーフィルム及び第1フレームカラーフィルムと同じ特徴及び効果を有し、ここで詳細な説明は省略する。
【0150】
例えば、本例に係る製造方法により第1画素カラーフィルム及び第1フレームカラーフィルムを形成した後に形成された第2画素カラーフィルムの特徴、効果及び第1フレームカラーフィルムとの位置関係は、形成された
図4A及び
図4Bに示される第2フレームカラーフィルムの特徴、効果及び第1フレームカラーフィルムとの位置関係と同じであり、ここで詳細な説明は省略する。
【0151】
例えば、カラーフィルム構造を形成した後、本開示の実施例に係る製造方法は更に、カラーフィルム構造の発光素子から離れる側に1層の薄膜封止層を形成することを含む。それぞれカラーフィルム構造の両側に位置する2層の薄膜封止層は発光素子の効果的な封止を実現し、水蒸気、酸素ガス等に対する効果的な遮断を実現し、発光素子を保護し及び発光素子の耐用年数を延ばすという目的を実現することができる。
【0152】
例えば、2層の薄膜封止層はいずれも密封特性が高い有機材料又は無機材料のうちの1つ又は複数の組み合わせを用いて製造してなるものであってもよく、それにより、高い密封作用を実現し、シリコン系有機発光ダイオードの発光素子を保護する。
【0153】
例えば、カラーフィルム構造の発光素子から離れる側に1層の薄膜封止層を形成した後、製造方法は更に、薄膜封止層のカラーフィルム構造から離れる側にカバープレートを形成することを含み、それによりカラーフィルム構造を保護する機能を実現する。
【0154】
例えば、カバープレートは透明材料を用いてもよく、例えば、透明材料はガラス等の無機材料又はポリイミド等の有機材料であってもよく、例えば、本開示の実施例では、高透過率を有するマザーガラスを用いてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0155】
本開示の実施例に係る製造方法により製造された発光ダイオード表示パネルの技術的効果は本開示の実施例に係るカラーフィルム構造の技術的効果を参照すればよく、ここで詳細な説明は省略する。
【0156】
以下の点を説明する必要がある。
【0157】
(1)本開示の実施例の図面では、本開示の実施例に係る構造のみに関し、他の構造は通常の設計を参照すればよい。
【0158】
(2)矛盾しない限り、本開示の同一実施例及び異なる実施例の特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0159】
以上は本開示の例示的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲を制限するためのものではなく、本開示の保護範囲は添付の特許請求の範囲により決められる。
【国際調査報告】