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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】送電網復旧システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 11/00 20060101AFI20221208BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20221208BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H02J11/00
H02J3/38 110
H02J3/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505511
(86)(22)【出願日】2019-08-21
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 US2019047579
(87)【国際公開番号】W WO2021034326
(87)【国際公開日】2021-02-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ロディック、ロバート サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】ハエリ フーマニ、マズダク
【テーマコード(参考)】
5G015
5G066
【Fターム(参考)】
5G015JA52
5G015JA68
5G015KA14
5G066HB02
5G066HB09
5G066JA02
5G066JB03
(57)【要約】
送電網復旧システムは、送電網に電力を供給するハイブリッド発電所を含む。ハイブリッド発電所は、電力駆動装置によって電力を生成する発電所を含む。発電所から電力を受け取って貯蔵する電池エネルギー貯蔵システムが、送電網のブロック負荷中に電力を放出する。コントローラが、発電所および電池エネルギー貯蔵システムに結合する。コントローラは、発電所による電池エネルギー貯蔵システムの充電を制御し、ブラックグリッド復旧中に送電網にブロック負荷をかけている間に、電池エネルギー貯蔵システムおよび発電所からの電力のブロック負荷の放出を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送電網復旧システム(48、88、130)であって、
送電網(56、95、135)に電力を供給するように構成されているハイブリッド発電所(10、50、90)を備え、前記ハイブリッド発電所(10、50、90)は、
電力駆動装置(24)によって電力を生成するように構成されている発電所(20、52、92、132)と、
前記発電所(20、52、92、132)から電力を受け取って貯蔵するように構成されている電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)であり、前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)は、前記送電網(56、95、135)のブロック負荷中に前記電力を放出するように構成されている、電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)と、
前記発電所(20、52、92、132)および前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)に結合されているコントローラ(60、98、136)であり、前記コントローラ(60、98、136)は、前記発電所(20、52、92、132)による前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)の充電を制御し、ブラックグリッド復旧中に前記送電網(56、95、135)にブロック負荷をかけている間に、前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)および前記発電所(20、52、92、132)からの第1のブロック負荷の電力の放出を制御するように構成されている、コントローラ(60、98、136)と
を備える、送電網復旧システム(48、88、130)。
【請求項2】
前記発電所(20、52、92、132)は、前記送電網(56、95、135)への前記第1のブロック負荷の前記電力の前記放出の間に、一貫したレベルの発電を維持する、請求項1に記載のシステム(48、88、130)。
【請求項3】
前記コントローラ(60、98、136)は、前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)からの電力の前記放出を同時に低減しながら、前記第1のブロック負荷に実質的に等しい第1の負荷への前記発電所(20、52、92、132)による発電を増加させるように構成される、請求項1に記載のシステム(48、88、130)。
【請求項4】
前記コントローラ(60、98、136)は、前記発電所(20、52、92、132)による第2の負荷への発電を増加させて、前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)を再充電するように構成される、請求項3に記載のシステム(48、88、130)。
【請求項5】
前記コントローラ(60、98、136)は、前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)および前記発電所(20、52、92、132)から第2のブロック負荷の電力を放出するように構成されており、前記第2のブロック負荷は前記第1のブロック負荷よりも大きい、請求項4に記載のシステム(48、88、130)。
【請求項6】
前記電力駆動装置(24)は、ガスタービンおよび/または蒸気タービンを含む、請求項1に記載のシステム(48、88、130)。
【請求項7】
前記電力駆動装置(24)は、往復動エンジンを含む、請求項1に記載のシステム(48、88、130)。
【請求項8】
前記ブラックグリッド復旧中に前記発電所(20、52、92、132)の所内負荷を始動するように構成された補助電源(58、137)を備え、前記コントローラ(60、98、136)は、前記補助電源(58、137)から前記発電所(20、52、92、132)への前記電力の放出を制御するように構成されている、請求項1に記載のシステム(48、88、130)。
【請求項9】
前記補助電源(58、137)が、前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)である、請求項8に記載のシステム(48、88、130)。
【請求項10】
前記発電所(20、52、92、132)および前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)は、同じ相互接続点(70)を介して前記送電網(56、95、135)に電力を送達する、請求項1に記載のシステム(48、88、130)。
【請求項11】
ハイブリッド発電所(10、50、90)を用いたブラックグリッド復旧の方法(170、200)であって、
前記ハイブリッド発電所(10、50、90)の発電所(20、52、92、132)を始動するステップと、
前記発電所(20、52、92、132)からの電力を用いて前記ハイブリッド発電所(10、50、90)の電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)を充電するステップと、
ブラックグリッドの一部分に復電するために、前記発電所(20、52、92、132)および前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)から送電網(56、95、135)に第1のブロック負荷の電力を放出するステップと
を含む、方法(170、200)。
【請求項12】
前記第1のブロック負荷に実質的に等しい第1の負荷まで前記発電所(20、52、92、132)による発電を増加させることを含む、請求項11に記載の方法(170、200)。
【請求項13】
前記発電所(20、52、92、132)による前記第1の負荷への発電を増加させながら、前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)からの電力の前記放出を減少させることを含む、請求項12に記載の方法(170、200)。
【請求項14】
前記発電所(20、52、92、132)および前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)から第2のブロック負荷の電力を放出することを含む、請求項13に記載の方法(170、200)。
【請求項15】
前記発電所(20、52、92、132)による前記第2のブロック負荷に実質的に等しい第2の負荷への発電を増加させるステップを含む、請求項14に記載の方法(170、200)。
【請求項16】
前記発電所(20、52、92、132)による前記第2の負荷への発電を増加させながら、前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)からの電力の前記放出を減少させるステップを含む、請求項15に記載の方法(170、200)。
【請求項17】
システムであって、
ハイブリッド発電所(10、50、90)の発電所(20、52、92、132)および電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)に結合するように構成されているコントローラ(60、98、136)を備え、前記コントローラ(60、98、136)は、前記発電所(20、52、92、132)による前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)の充電を制御し、ブラックグリッド復旧中に送電網(56、95、135)にブロック負荷をかけている間に、前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)および前記発電所(20、52、92、132)からの第1のブロック負荷の電力の放出を制御するように構成されている、システム。
【請求項18】
前記コントローラ(60、98、136)は、前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)からの電力の前記放出を同時に低減しながら、前記第1のブロック負荷に実質的に等しい第1の負荷への前記発電所(20、52、92、132)による発電を増加させるように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラ(60、98、136)は、前記発電所(20、52、92、132)による第2の負荷への発電を増加させるように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記コントローラ(60、98、136)は、前記ブラックグリッド復旧中に前記送電網(56、95、135)にブロック負荷をかけながら前記電池エネルギー貯蔵システム(22、54、94、134)および前記発電所(20、52、92、132)から第2のブロック負荷の電力を放出するように構成されており、前記第2のブロック負荷は前記第1のブロック負荷よりも大きい、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において開示される主題は、発電所に関する。
【背景技術】
【0002】
送電網は、発電所から様々な顧客に電気エネルギーを運ぶ。電気エネルギーを使用する装置は、負荷として参照される。発電所はまた、発電を開始するために電力を使用するときは、負荷と考えることもでき、これは一般に所内負荷として知られている。
【0003】
不都合なことに、機器の障害、天候、技術的問題、および事故により、停電が発生する可能性がある。これらの停電の規模は様々であり得る。場合によっては、停電は大規模になる場合があり、送電網から電力を引き出すことによって発電所が運転を再開することを妨げる可能性がある。この状況では、発電所は、同じ発電所または他の場所に設置された局所的なまたは一時的に利用可能な電源から開始する必要があり得る。この種の再始動は、一般にブラックスタートと呼ばれる。ブラックスタートは、送電網以外の電源から発電所を始動させ、部分的または完全なブラックアウト後にグリッドの区画を復旧するプロセスである。ブラックアウト後のグリッドの区画の復旧は、複数の負荷が同時に電力を引き出すため、相当量の電力を必要とする。例えば、グリッド区画の同時通電は、産業負荷、オフィス負荷、および/または家庭負荷を含み得る。しかしながら、グリッド復旧段階に応じて発電所による発電量を動的に変化させると、機器が摩耗する可能性があり、および/または発電所の能力を超える過剰な電力消費のために発電所を故障させる(すなわち、オフラインにする)可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第109713669号明細書
【発明の概要】
【0005】
出願時に特許請求される発明と同等の範囲の特定の実施形態が、以下で要約される。これらの実施形態は、特許請求される発明の範囲を限定することを意図しておらず、むしろ、これらの実施形態は、本主題の送電網復旧システムの可能な形態の概要を提供することのみを意図している。実際に、本システムは、以下に記載される実施形態に類似してもよく、あるいは異なってもよい様々な形態を含むことができる。
【0006】
第1の実施形態では、送電網復旧システムは、送電網に電力を供給するハイブリッド発電所を含む。ハイブリッド発電所は、電力駆動装置によって電力を生成する発電所を含む。電力を受け取って貯蔵する電池エネルギー貯蔵システムが、送電網のブロック負荷中に電力を放出する。コントローラが、発電所および電池エネルギー貯蔵システムに結合する。コントローラは、発電所による電池エネルギー貯蔵システムの充電を制御し、ブラックグリッド復旧中に送電網にブロック負荷をかけている間に、電池エネルギー貯蔵システムおよび発電所からの電力のブロック負荷の放出を制御する。
【0007】
第2の実施形態では、ハイブリッド発電所を用いたブラックグリッド復旧の方法が提供される。本方法は、発電所を始動するステップを含む。発電所を始動した後、本方法は、発電所からの電力を用いて電池エネルギー貯蔵システムを充電するステップを含む。本方法は、発電所および電池エネルギー貯蔵システムから送電網に電力のブロック負荷を放出するステップを含む。
【0008】
第3の実施形態では、コントローラが、発電所および電池エネルギー貯蔵システムに結合する。コントローラは、発電所による電池エネルギー貯蔵システムの充電を制御し、ブラックグリッド復旧中に送電網にブロック負荷をかけている間に、電池エネルギー貯蔵システムおよび発電所からの電力のブロック負荷の放出を制御する。
【0009】
本送電網復旧システムおよびブラックグリッド事象中に電力を復旧する方法のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読解すればより良好に理解され、添付の図面においては、図面全体を通して同一の符号は同一の部分を表している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態による、送電網の様々な区画に結合されたハイブリッド発電所の概略図である。
図2】本開示の第1の態様による、送電網をブラックスタートさせるように構成された送電網復旧システムの概略図である。
図3】本開示の第2の態様による、送電網をブラックスタートさせるように構成された送電網復旧システムの概略図である。
図4】本開示の第3の態様による、送電網をブラックスタートさせるように構成された送電網復旧システムの概略図である。
図5】本開示の一実施形態による、送電網をブラックスタートさせる第1の例示的な方法を示す図である。
図6】本開示の別の実施形態による、送電網をブラックスタートさせる第2の例示的な方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本送電網復旧システムの1つまたは複数の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供する努力において、実際の実施態様の一部の特徴は、本明細書において説明されないことがある。あらゆるそのような実際の実施態様の開発において、あらゆるエンジニアリングまたは設計プロジェクトと同様に、実施態様ごとに異なり得るシステム関連およびビジネス関連の制約条件の遵守など、開発者の特定の目標を達成するために、多数の実施態様に特有の決定を行わなければならないことを、理解すべきである。さらに、そのような開発の努力は、複雑かつ時間を必要とするものであるかもしれないが、それでもなお本開示の恩恵を被る当業者にとって設計、作製、および製造の日常的な取り組みにすぎないと考えられることを、理解すべきである。
【0012】
本発明のシステムの様々な実施形態の要素を導入するとき、冠詞「1つの(a、an)」、「その(the)」、および「前記(said)」は、要素が1つまたは複数あることを意味することが意図される。「・・・を備える(comprising)」、「・・・を含む(including)」、および「・・・を有する(having)」という用語は、包括的であるように意図され、挙げられた要素以外のさらなる要素が存在してもよいことを意味する。
【0013】
上記で説明したように、送電網はブラックアウトとも呼ばれる著しい停電を経験する可能性がある。1つ以上の発電所による発電量の増加に伴ってグリッドを安定させるために、ブラックアウト後に、測定されたステップでグリッドが復電される。例えば、ある近隣発電所が復電し、後続して別の近隣発電所、工場、街区などが復電し得る。グリッドのこれらの様々な区画への復電は、各区画が通電されると、区画からの電力の同時引き出しが負荷または電力使用のステップ変化を生成するため、負荷ステップと呼ばれる。例えば、グリッドの第1の区画からの負荷(すなわち、様々な電気装置の合計負荷)は、25MWを引き出し得る。グリッドの第2の区画が通電されるとすぐに、合計電力消費は、25MWから45MWまたはグリッドによって要求されかつソリューション容量に向けてサイジングされた任意の他の値にジャンプし得る。
【0014】
本明細書に記載の実施形態は、大きい負荷ステップによってグリッドのブラックスタートを可能にするハイブリッド発電所を含む。負荷ステップが大きい結果として、グリッドは、ハイブリッド発電所の発電所部分に負荷をかける動的に正常外の動作をすることなく、より迅速に復旧することができる。言い換えれば、グリッドの区画の通電に応答して、発電所は、通常の動作限界を超えて電力出力を急速に増加させないことができる。この測定される手法は、ガスタービンなどの発電所の構成要素に対する応力および寿命消費を低減する。
【0015】
図1は、送電網12の様々な区画に結合されたハイブリッド発電所10の概略図である。送電網区画は、符号14、16、および18によってラベル付けされている。ハイブリッド発電所10は、発電所20と、電池エネルギー貯蔵システム(BESS)22とを含む。発電所20は、発電機26に結合する複数の電力駆動装置24(例えば、ガスタービン、蒸気タービン、往復動エンジン)を含むことができる。動作中、電力駆動装置24は、エネルギー変換(例えば、油、合成ガス、蒸気)に応答して回転する。燃料の燃焼は、電力駆動装置24(例えば、ガスタービン、往復動エンジン)内で行われてもよく、または電力駆動装置24は、燃料、蒸気発生器、および/または原子炉の燃焼によって生成される蒸気流を受け取ってもよい。
【0016】
次いで、発電機26によって生成された電気エネルギーは、送電線を介して送電網12の区画(例えば、区画14、16、および18)に伝達される。発電機26からの電力はまた、BESS22に伝送されてもよく、BESS22は、電気エネルギーを電池28のバンク内に化学エネルギーとして貯蔵する。BESS22内のエネルギーは、発電所20によって生成される電力を補うために必要に応じてグリッド12に放出することができる。例えば、BESS22からの電力は、ピーク電力使用中に放出することができる。BESS22からの電力はまた、予期しない需要を満たすために放出することもできる。BESS22は、発電所20によって生成される電力を補うことに加えて、ブラックグリッド復旧を可能にする。
【0017】
上述したように、ブラックグリッド復旧は、ブラックアウト後の送電網12への復電である。1つ以上の発電所による発電量の増加に伴ってグリッド12を安定させるために、ブラックアウト後に、測定されたステップでグリッド12が復電される。例えば、ある近隣発電所が電力を受け取り、後続して別の近隣発電所、工場、街区などが受け取り得る。グリッド12のこれらの様々な区画への復電は、グリッドの区画が通電されると直ちに、その区画内の電気装置からの電力の同時引き出しが電力使用のステップ変化を生成するため、負荷ステップと呼ばれる。例えば、グリッドの第1の区画(例えば、区画14)からの負荷(すなわち、様々な電気装置の合計負荷)は、25MWを引き出し得る。グリッドの第2の区画(例えば、区画16または区画18)が通電されるとすぐに、第2の区画内の電力を使用する装置が直ちに電力を使用し始めるため、合計電力消費は、25MWから45MWまたはグリッドによって要求されかつソリューション容量に向けてサイジングされた任意の他の値にジャンプし得る。
【0018】
本明細書に記載の実施形態は、BESS22を使用した大きい負荷ステップ変化によってブラックグリッド復旧を可能にするハイブリッド発電所10を含む。したがって、グリッド12は、より迅速に柔軟な負荷ステップで復旧することができる。下記に説明するハイブリッド発電所10はまた、ハイブリッド発電所10の発電所20部分からの動的応答を低減することができる。言い換えれば、発電所20は、グリッド12の通電区画に応答して電力出力を急速に増加させる必要がない場合がある。これによって、ガスタービンなどの発電所20の構成要素に対する応力および寿命消費を低減することができる。
【0019】
図2は、本開示の一態様による、ブラックグリッドに復電するハイブリッド発電所50を含む送電網復旧システム48の概略図である。ハイブリッド発電所50は、電池エネルギー貯蔵システム(BESS)54に結合する発電所52を含む。BESS54は、発電所52によって生成された電気エネルギーを受け取り、化学エネルギーとして貯蔵する電池を含む。上述したように、ブラックグリッド復旧中、発電所52は、始動中にグリッド56から電力を受け取ることができない。より具体的には、発電所52は、発電所52をグリッド56に結合する伝送線路を介して電力を受信することができない。代わりに、ハイブリッド発電所50は、始動中に発電所52の所内負荷に電力を供給する補助電源58(例えば、ガスまたはディーゼル発電機またはタービン)を含むことができる。発電所52は、補助電源58からの電力を使用して、発電所52がその所内負荷(例えば、ポンプ、バルブ、制御システム)に電力を供給するのに十分な電力を生成するまで、またはさらにはグリッド復旧が終了するまで、発電所52の始動および動作に必要な発電所52の機器に給電する。発電所52が運転可能になると、ハイブリッド発電所50は、段階的に(すなわち、次にグリッドの区画を復旧することによって)ブラックグリッドに復電し始めることができる。
【0020】
ブラックグリッド復旧のプロセスを制御するために、ハイブリッド発電所50はコントローラ60を含む。コントローラ60は、プロセッサ62およびメモリ64を含む。例えば、プロセッサ62は、ソフトウェアを実行して発電所52、BESS54、および補助電源58の動作を制御するマイクロプロセッサであってもよい。プロセッサ62は、複数のマイクロプロセッサ、1つもしくは複数の「汎用」マイクロプロセッサ、1つもしくは複数の専用マイクロプロセッサ、および/もしくは1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはそれらの組合せを含むことができる。例えば、プロセッサ62は、1つまたは複数の縮小命令セット(RISC)プロセッサを含んでもよい。
【0021】
メモリ64は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、および/または読み取り専用メモリ(ROM)などの不揮発性メモリを含んでもよい。メモリ64は、種々の情報を記憶することができ、様々な目的のために使用することができる。例えば、メモリ64は、プロセッサ62が実行するための、ファームウェアまたはソフトウェアなどの、プロセッサ実行可能命令を記憶することができる。メモリ64は、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または任意の他の適切な光学、磁気、もしくはソリッドステートの記憶媒体、またはそれらの組合せを含んでもよい。メモリ64は、データ、命令、および任意の他の適切なデータを記憶してもよい。
【0022】
発電所52を始動した後、コントローラ60は、BESS54を充電するために必要に応じて、発電所52による発電を増加させる。スイッチの開閉の説明は、電力の流れの理解を容易にするためのものであり、必ずしも電力の流れが実際にどのように制御され得るかを理解するためのものではないことを理解されたい。BESS54を充電するために、スイッチ66が閉じられて、発電所52からBESS54へと電力が流れることが可能になる。BESS54を充電した後、コントローラ60は、スイッチ66を閉じながらスイッチ68を開くことができる。スイッチ68を閉じることにより、発電所52からグリッド56への電力の放出が可能になる。スイッチ68を閉じている間、コントローラ60は同時にBESS54からグリッド56へと電力を放出する。BESS54および発電所52からの電力の合成放出は、第1のブロック負荷(例えば、電力のブロック)である。
【0023】
例えば、発電所52は20MWを放出することができ、BESS54は25MWの電力を放出し、45MWの合成電力出力とすることができる。45MWは、グリッド56の区画(例えば、図1の区画14、16、18)を再通電する。次に、コントローラ60は、BESS54による電力出力を減少させ、同時に発電所52による電力出力を増加させる。
【0024】
上記の例を続けると、コントローラ60は、BESS54の電力出力を25MWから0MWに減少させると同時に、発電所による発電を20MWから45MWに増加させる。このようにして、発電所52は、発電所52の動的負荷(例えば、発電の急速な増加)を低減および/または遮断しながら、発電量を漸進的に増加させることができる。BESS54および/または発電所52による電力出力は、ハイブリッド発電所50の容量/サイズおよびグリッドの電力需要に応じて、説明した例示的な電力出力より大きくてもよく、または小さくてもよいことを理解されたい。
【0025】
第1の電力ブロックまたは負荷ブロックを整合させた後、コントローラ60は、BESS54から電力を再び放出する。第2の電力ブロックは、発電所52からの45MWおよびBESS54からの25MWを含むことができ、合成電力放出は70MWとなる。この第2の電力ブロックの放出は、第1の区画への電力を維持することに加えて、グリッドの第2の区画を再通電する。次に、コントローラ60は、BESS54による電力出力を減少させ、同時に発電所52による電力出力を増加させる。すなわち、BESS54による発電は25MWから0MWに減少し、同時に発電所による発電は45MWから70MWに増加する。このようにして、コントローラ60は、ハイブリッド発電所50からグリッド56への電力のブロック負荷を放出し続けて、追加のグリッド区画(例えば、1、2、3、4、5、10、またはそれ以上の区画)に復電することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、電力のブロック負荷はまた、BESS54によって提供される電力ジャンプに加えて、発電所52によって提供される電力ジャンプを含むことができる。例えば、ハイブリッド発電所は、発電所52から20MWおよびBESS54から25MWによって第1のブロック負荷の電力を放出することができ、合成電力出力は45MWとなる。45MWは、グリッド56の区画(複数可)(例えば、図1の区画14、16、18)を再通電する。次に、コントローラ60は、BESS54による電力出力を減少させ、同時に発電所52による電力出力を増加させる。
【0027】
第1の電力ブロックまたは負荷ブロック(すなわち、45MW)を整合させた後、コントローラ60は、BESS54から電力を再び放出し、同時に発電所52からの追加の電力ジャンプも提供する。例えば、BESS54は再び25MWの電力を放出し、同時に、発電所52は60MWを放出する(すなわち、第1のブロック負荷に等しい45MWに、15MWの電力ジャンプを加えたもの)。したがって、第2の電力ブロックは、合計85MWをグリッド56に送達する。この第2の電力ブロックの放出は、第1の区画への電力を維持することに加えて、グリッドの1つ以上の追加の区画を再通電する。
【0028】
次に、コントローラ60は、BESS54による電力出力を減少させ、同時に発電所52による電力出力を増加させる。すなわち、BESS54による発電は25MWから0MWに減少し、同時に発電所52による発電は60MWから85MWに増加する。このようにして、コントローラ60は、ハイブリッド発電所50からグリッド56への電力のブロック負荷を放出し続けて、追加のグリッド区画(例えば、1、2、3、4、5、10、またはそれ以上の区画)に復電することができる。
【0029】
ハイブリッド発電所50が送電網56にブロック負荷をかけると、BESS54からの電力の放出がBESS54の電池を使い果たす可能性がある。したがって、BESS54による各電力放出間に、または複数回の放出後に、コントローラ60は、スイッチ66を閉じ、発電所52による発電を増加させてBESS54の電池を再充電することができる。BESS54を再充電した後、ブロック負荷の電力を放出するプロセスは継続することができる。
【0030】
図示のように、発電所52およびBESS54は、グリッド56への同じ相互接続点70の背後/上流にある。発電所52およびBESS54を同じ相互接続点70からの背後/上流に配置することにより、発電所52およびBESS54によって放出された電力は、同じ変圧器72(例えば、変圧器のセット)を通って流れる。言い換えれば、ハイブリッド発電所50は、発電所52およびBESS54のための重複する構成要素(例えば、変圧器)を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、BESS54からの電力は変圧器72を通って流れなくてもよく、むしろBESS54は変圧器72のハイ側に接続することができ、そこで、次いで交差点70を通って流れる。
【0031】
図3は、本開示の第2の態様による、ブラックグリッドに復電するハイブリッド発電所90を含む送電網復旧システム88の概略図である。ハイブリッド発電所90は、電池エネルギー貯蔵システム(BESS)94に結合する発電所92を含む。BESS94は、エネルギープラント92によって生成された電気エネルギーを受け取り、化学エネルギーとして貯蔵する電池を含む。上述したように、ブラックグリッド復旧中、発電所92は、始動中にグリッド95から電力を受け取ることができない。したがって、ハイブリッド発電所90は、始動中に異なる電源を使用する。図3において、ハイブリッド発電所90は、BESS94を使用して、始動中に発電所92の所内負荷に電力を供給する。
【0032】
ハイブリッド発電所90の通常運転中、発電所92はBESS94を充電する。したがって、BESS94またはその一部は、発電所92がそれ自体に給電するのに十分な電力を供給するまで、運転および始動に必要な発電所92の機器を始動させるのに十分な電力を含むことができる。いくつかの実施形態では、BESS94の一部分96は、発電所92の再始動または所内負荷の供給に専用であってもよい。この部分96(例えば、この部分96内の電池)の充電は、ブラックグリッド復旧またはブラックスタートの場合に発電所92を再始動するために、ハイブリッド発電所90の運転中に継続的に維持することができる。さらに他の実施形態では、BESS94の異なる部分(例えば、電池)が、発電所92およびそれぞれの所内負荷を再始動するための電力を貯蔵するための専用部分96に交互になってもよい。発電所92の再始動に専用のBESS94の部分を交互にすることにより、BESS94内の電池の均等な消耗を可能にすることができる。
【0033】
ブラックグリッド復旧中、コントローラ98は、スイッチ100を閉じ、BESS94(例えば、部分96)から発電所92へと電力を放出する。発電所92は、このエネルギーを使用して、発電所の始動および運転に必要な様々な機器を始動させる。発電所92は、発電所92がそれ自体に給電するのに十分な電力を生成するまで、またはグリッド復旧まで、この電力を使用し続ける。
【0034】
コントローラ98は、プロセッサ102およびメモリ104を含む。メモリ104は、種々の情報を記憶することができ、様々な目的のために使用することができる。例えば、メモリ104は、プロセッサ102が、(例えば、ブラックグリッド復旧中に)ハイブリッド発電所90を制御するために実行するための、ファームウェアまたはソフトウェアなどの、プロセッサ実行可能命令を記憶することができる。
【0035】
上記で説明したように、発電所92を始動した後、コントローラ98は、BESS94を充電するため、発電所92による発電を増加させ、スイッチ66を閉じる。BESS94を充電した後、コントローラ98は、スイッチ108を閉じながらスイッチ66を開くことができる。スイッチ108を閉じることにより、発電所92からグリッド95への電力の放出が可能になる。スイッチ108を閉じている間、コントローラ98は同時にBESS94からグリッド95へと電力を、合成された第1の電力ブロックまたは負荷ブロックとして放出する。次に、コントローラ98は、BESS94による電力出力を減少させ、同時に発電所92による電力出力を増加させて、BESS94による電力出力の変化を補償する。上記で説明したように、スイッチの開閉の説明は、電力の流れの理解を容易にするためのものであり、必ずしも電力の流れが実際にどのように制御され得るかを理解するためのものではないことを理解されたい。
【0036】
第1の電力ブロックを整合させた後、コントローラ98は、BESS94から電力を再び放出する。この第2の電力ブロックの放出は、発電所92が第1の区画への電力を維持している間に、グリッドの第2の区画を再通電する。次に、コントローラ98は、BESS94による電力出力を再び減少させ、同時に発電所92による電力出力を増加させる。このようにして、コントローラ98は、ハイブリッド発電所90からグリッド95への電力のブロック負荷を放出し続けて、追加のグリッド区画(例えば、1、2、3、4、5、10、またはそれ以上の区画)に復電することができる。
【0037】
ハイブリッド発電所90が送電網95にブロック負荷をかけると、BESS94からの電力の放出がBESS94の電池を使い果たす可能性がある。したがって、グリッド95の各ブロック負荷間に、または複数のブロック負荷の後に、コントローラ98は、スイッチ66を閉じ、発電所92による発電を増加させてBESS94の電池を再充電することができる。BESS94を再充電した後、ブロック負荷の電力を放出するプロセスは継続することができる。電力のブロック負荷が放出されると、それらは変圧器110を通って、グリッド95と同じ交差点112を通って流れる。いくつかの実施形態では、BESS94からの電力は変圧器110を通って流れなくてもよく、むしろBESS94は変圧器110のハイ側に接続することができ、そこから電力は交差点112を通って流れる。
【0038】
図4は、本開示の第3の態様による、ブラックグリッドに復電するために協働する発電所132および電池エネルギー貯蔵システム134(BESS)を含む送電網復旧システム130の概略図である。図示のように、発電所132およびBESS134は、グリッド135との異なる交差点(例えば、それぞれ交差点146および148)を有することができ、同じ場所に配置されなくてもよい。発電所132およびBESS134は、グリッド135に結合された別個のシステムであってもよく、その動作は、ブラックグリッドに復電するためにコントローラ136によって調整される。
【0039】
上述したように、ブラックグリッド復旧中、発電所132は、始動中にグリッド135から電力を受け取ることができない。発電所132は、代わりに、補助電源137を使用して、発電所132がそれ自体に給電するのに十分な電力を供給するまで、またはさらには必要であると考えられる場合にはグリッド復旧が終了するまで、発電所132の始動および動作に必要な発電所の機器に給電することができる。
【0040】
コントローラ136は、補助電源137による電力生成、および発電所132の始動を制御することができる。コントローラ136は、プロセッサ138およびメモリ140を含む。メモリ140は、種々の情報を記憶することができ、様々な目的のために使用することができる。例えば、メモリ140は、プロセッサ138が、(例えば、ブラックグリッド復旧中に)発電所132、補助電源137、およびBESS134を制御するために実行するための、ファームウェアまたはソフトウェアなどの、プロセッサ実行可能命令を記憶することができる。
【0041】
上記で説明したように、発電所132を始動した後、コントローラ136は、発電所132による発電を増加させる。発電を増加させ後、コントローラ136は、発電所132からグリッド135へと電力を放出する。閉スイッチ142を介した発電所132からの電力の放出と同時に、コントローラ136はスイッチ144を閉じてBESS134から電力を放出する。発電所132およびBESS134からの合成電力出力は、グリッド135に入る第1の電力ブロックまたは負荷ブロックを形成する。次に、コントローラ136は、BESS134による電力出力を減少させ、同時に発電所132による電力出力を増加させて、BESS134による電力出力の変化を補償する。このようにして、発電所132は、発電所132の動的負荷(例えば、発電の急速な増加)を低減および/または遮断しながら、発電量を漸進的に増加させることができる。
【0042】
第1の電力ブロックを整合させた後、コントローラ136は、BESS134から電力を再び放出する。この第2の電力ブロックの放出は、発電所132が第1の区画への電力を維持している間に、グリッドの第2の区画を再通電する。次に、コントローラ136は、BESS134による電力出力を再び減少させ、同時に発電所132による電力出力を増加させる。コントローラ136は、追加のグリッド区画が再通電され(例えば、1、2、3、4、5、10、またはそれ以上の区画)、発電所132によって発電が持続されるまで、グリッド135にブロック負荷の電力を放出し続ける。
【0043】
経時的に、BESS134からの電力の放出は、BESS134の電池を使い果たす可能性がある。したがって、発電所132は、その後グリッド135を通って流れ、BESS134の電池を再充電する発電量を増加させることができる。BESS134を再充電した後、ブロック負荷の電力を放出するプロセスは継続することができる。
【0044】
上記で説明したように、発電所132およびBESS134は、同じ場所に配置されなくてもよく、グリッド135との異なる交差点(特に、交差点146および148)を有することができる。送電網復旧システム130は、これらの電源の電圧を増加させるために、複数の変圧器を含むことができる。図示のように、送電網復旧システム130は、発電所132によって送電網135に放出される電気の電圧を増加させる変圧器150を含む。同様に、送電網復旧システム130は、BESS134によって放出される電気の電圧を増加させる変圧器152を含む。
【0045】
図5は、本開示の一態様による、ブラックグリッドに復電する第1の例示的な方法170である。方法170は、ステップ172において、発電所を始動するために補助電力システムから電力を供給することによって開始する。すなわち、補助電力システムは、発電所内負荷に電力を供給するとともに、1つ以上の発電所タービンおよび発電機を始動させることができる。補助電力システムは、ガス発電機、ディーゼル発電機、電池(例えば、電池エネルギー貯蔵システム)であってもよい。発電所は、タービンの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機に結合する1つ以上のガスタービンおよび/または蒸気タービンを含むことができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、発電所を始動した後、ステップ174において、発電所によって生成された電力は、電池エネルギー貯蔵システム(BESS)を充電するために使用される。例えば、BESSは、以前に枯渇している場合があり、電力をグリッドに供給する前に再充電する必要があり得る。
【0047】
BESSを充電した後、ステップ176において、発電所およびBESSからの合成電力が、第1のブロック負荷の電力としてグリッドに放出される。この第1のブロック負荷の電力は、グリッドの一部分または区画を通電する。
【0048】
次いで、ステップ178において、BESSの電力出力を同時に減少させながら、発電所による発電量を増加させて第1のブロック負荷を整合させる。例えば、第1のブロック負荷は、発電所からの15MWおよびBESSからの25MWを含むことができき、合成出力は40MWとなる。移行中、BESSによる発電は、発電所による発電が40MWに増加するにつれてゼロに減少する。
【0049】
次いで、ステップ180において、発電所による発電量は、第2のブロック負荷の電力の放出に備えてBESSを同時に再充電しながら(例えば、必要に応じてBESSを再充電する)、グリッドへの電力を維持するために、第1のブロック負荷を超えて増加させることができる。例えば、発電所出力は50MWに増加し得る。
【0050】
BESSを充電した後、ステップ182において、BESSからの電力がグリッドに放出され、発電所からの電力と組み合わされて第2のブロック負荷の電力を形成する。
【0051】
次いで、ステップ184において、BESSの電力出力を同時に減少させながら、発電所による発電量を増加させて第2のブロック負荷を整合させる。例えば、第2のブロック負荷は、発電所からの50MWおよびBESSからの25MWを含むことができ、合成出力は75MWとなる。移行中、BESSによる発電は、発電所による発電が75MWに増加するにつれてゼロに減少する。
【0052】
次いで、ステップ186において、発電所による発電量は、別のブロック負荷の電力の放出に備えてBESSを同時に再充電しながら(例えば、必要に応じてBESSを再充電する)、グリッドへの電力を維持するために、第2のブロック負荷を超えて増加させることができる。例えば、発電所出力は85MWに増加し得る。
【0053】
発電所による発電を増加させながらBESSを充電および放電することによってブロック負荷の電力を放出するこのプロセスは、ブラックグリッドが復旧するまで継続する(ステップ188)。
【0054】
図6は、本開示の別の態様による、ブラックグリッドに復電する第2の例示的な方法200である。方法200は、ステップ202において、発電所を始動するために補助電力システムから電力を供給することによって開始する。すなわち、補助電力システムは、発電所内負荷に電力を供給するとともに、1つ以上の発電所タービンおよび発電機を始動させることができる。補助電力システムは、ガス発電機、ディーゼル発電機、または電池(例えば、電池エネルギー貯蔵システム)であってもよい。発電所は、タービンの機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機に結合する1つ以上のガスタービンおよび/または蒸気タービンを含むことができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、発電所を始動した後、ステップ204において、発電所によって生成された電力は、電池エネルギー貯蔵システム(BESS)を充電するために使用される。例えば、BESSは、発電所を始動するために使用される補助電力システムであってもよく、またはBESSは以前に枯渇している場合があり、送電網にブロック負荷をかける前に再充電する必要があり得る。
【0056】
BESSを充電した後、ステップ206において、発電所およびBESSからの合成電力が、第1のブロック負荷の電力としてグリッドに放出される。この第1のブロック負荷の電力は、グリッドの一部分または区画を通電する。
【0057】
次いで、ステップ208において、BESSの電力出力を同時に減少させながら、発電所による発電量を増加させて第1のブロック負荷を整合させる。例えば、第1のブロック負荷は、発電所からの25MWおよびBESSからの25MWを含むことができ、合成出力は50MWとなる。移行中、BESSによる発電は、発電所による発電が50MWに増加するにつれてゼロに減少する。
【0058】
発電所による発電を増加した後、ステップ210において、BESSからの電力が再びグリッドに放出され、発電所からの電力と組み合わされて第2のブロック負荷の電力を形成する。
【0059】
次いで、ステップ212において、BESSの電力出力を同時に減少させながら、発電所による発電量を増加させて第2のブロック負荷を整合させる。例えば、第2のブロック負荷は、発電所からの50MWおよびBESSからの25MWを含むことができ、合成出力は75MWとなる。移行中、BESSによる発電は、発電所による発電が75MWに増加するにつれてゼロに減少する。
【0060】
方法200は、ステップ214において、グリッドが復旧するまで発電を増加させながら、ブロック負荷においてBESSから電力を放電するこのプロセスを継続することができる。
【0061】
経時的に、BESSの継続的な放電は、貯蔵されたエネルギーを使い果たす可能性がある。したがって、発電所は、ステップ216において、グリッドの発電を依然としてサポートしながら、BESSを再充電するために発電を増加させることができる。
【0062】
本ハイブリッド発電所の技術的効果は、大きい負荷ステップによって発電所およびグリッドをブラックスタートさせることを可能にする。したがって、グリッドは、ハイブリッド発電所の発電所部分に動的に負荷をかけることなく、より迅速に復旧することができ、ガスタービンなどの発電所の構成要素に対する応力および寿命消費を低減することができる。
【0063】
本明細書は、最良の態様を含む本送電網復旧システムおよび方法を開示するため、およびどのような当業者にも、任意の装置またはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実施を含む本システムおよび方法の実践を可能にするために、実施例を使用している。本技術の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が想到する他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に相違しない同等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であるものとする。
【符号の説明】
【0064】
10 ハイブリッド発電所
12 送電網、グリッド
14 送電網区画、区画
16 送電網区画、区画
18 送電網区画、区画
20 発電所
22 電池エネルギー貯蔵システム(BESS)
24 電力駆動装置
26 発電機
28 電池
48 送電網復旧システム
50 ハイブリッド発電所
52 発電所
54 電池エネルギー貯蔵システム(BESS)
56 グリッド、送電網
58 補助電源
60 コントローラ
62 プロセッサ
64 メモリ
66 スイッチ
68 スイッチ
70 相互接続点、交差点
72 変圧器
88 送電網復旧システム
90 ハイブリッド発電所
92 発電所、エネルギープラント
94 電池エネルギー貯蔵システム(BESS)
95 グリッド、送電網
96 部分
98 コントローラ
100 スイッチ
102 プロセッサ
104 メモリ
108 スイッチ
110 変圧器
112 交差点
130 送電網復旧システム
132 発電所
134 電池エネルギー貯蔵システム(BESS)
135 グリッド、送電網
136 コントローラ
137 補助電源
138 プロセッサ
140 メモリ
142 閉スイッチ
144 スイッチ
146 交差点
148 交差点
150 変圧器
152 変圧器
170 方法
200 方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】