(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】基板をアライメントする方法および装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20221208BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H01L21/68 F
H01L21/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506269
(86)(22)【出願日】2019-08-23
(85)【翻訳文提出日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 EP2019072589
(87)【国際公開番号】W WO2021037328
(87)【国際公開日】2021-03-04
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】508333169
【氏名又は名称】エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヴァーゲンライトナー
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト ローリンガー
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131BA60
5F131CA12
5F131CA32
5F131CA45
5F131DA05
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA07
5F131EA17
5F131EA22
5F131EA23
5F131EA24
5F131EA25
5F131EB01
5F131EB02
5F131EB11
5F131EB31
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5F131EB53
5F131EC42
5F131EC62
5F131EC63
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5F131GA03
5F131GA05
5F131GA26
5F131GA32
5F131KA14
5F131KA72
5F131KB12
5F131KB32
5F131KB53
5F131KB54
5F131KB55
(57)【要約】
本発明は、基板のアライメント装置および方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 少なくとも2つのアライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)を有する第1の基板(2o,2u)を収容する第1の基板ホルダ(1o,1o’,1o’’,1o’’’,1u)と、
- 少なくとも2つの他のアライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)を有する第2の基板(2o,2u)を収容する第2の基板ホルダ(1o,1o’,1o’’,1o’’’,1u)と、
- 前記アライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)を検出する少なくとも1つのアライメント光学系(6ol,6or,6ul,6ur)と、
を備えた基板(2o,2u)をアライメントする装置であって、
- 前記装置は、
- 位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)を検出する少なくとも1つの位置決め光学系(7ul,7ur,7uv,7uh)をさらに備え、
前記第1の基板(2o,2u)の前記アライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)および前記第2の基板(2o,2u)の前記他のアライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)は、前記位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)に基づいて互いにアライメント可能である
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのアライメント光学系(6ol,6or,6ul,6ur)に対して、前記第1の基板(2o,2u)の前記少なくとも2つのアライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)のうち1つ以上のアライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)が前記第2の基板(2o,2u)により隠される場合、および/または前記少なくとも1つのアライメント光学系(6ol,6or,6ul,6ur)に対して、前記第2の基板(2o,2u)の前記少なくとも2つの他のアライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)のうちつ以上のアライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)が前記第1の基板(2o,2u)により隠される場合、前記基板(2o,2u)の前記アライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)は、前記位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)によって互いにアライメント可能である請求項1記載の装置。
【請求項3】
位置決めマークフィールド(3ol,3or,3ol’,3or’,3o’’,3ov,3oh)が、特に規則的に配置された前記位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)によって形成されており、特に前記位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)によって形成された前記位置決めマークフィールド(3ol,3or,3ol’,3or’,3o’’,3ov,3oh)における、特に、種々異なる位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)の場所は互いに既知である請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)は、複数の、特に不規則に配置された精確な位置決め要素によって形成されている請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
各位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)は種々異なって形成されており、特に前記位置決めマークは、特に前記位置決め光学系(7ul,7ur,7uv,7uh)により検出可能な特定の情報内容を有する請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)が、以下の表示形式:
- QRコード
- バーコード
- 幾何学的な、特に三次元的な図形
- ストリング、特に文字列および/または数字列、好ましくはバイナリコード
- イメージ
のうちの1つ以上を有する請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つの基板ホルダ(1o,1o’,1o’’,1o’’’,1u)および/または前記少なくとも1つの位置決め光学系(7ul,7ur,7uv,7uh)は、少なくとも2つの方向、特にx方向およびy方向に移動可能である請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)は、前記少なくとも1つの基板(2o,2u)の側方で隣に配置されており、それによって特に、前記少なくとも1つのアライメント光学系(6ol,6or,6ul,6ur)に対して、一方の前記基板(2o,2u)の前記アライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)が他方の前記基板(2o,2u)により隠されている場合に、前記基板(2o,2u)の前記アライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)は互いにアライメント可能である請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
前記位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)は、前記少なくとも1つの基板ホルダ(1o,1o’,1o’’,1o’’’,1u)上に配置されている請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
前記位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)は、少なくとも1つの基板ホルダ面上に配置されている請求項1から9までのいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
前記位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)は、前記少なくとも1つの基板(2o,2u)の基板面と同じ高さに配置されている請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
前記基板(2o,2u)の複数の前記アライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)の位置は、前記基板(2o,2u)の複数の前記アライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)のアライメント時に、特に継続的に前記少なくとも1つの位置決め光学系(7ul,7ur,7uv,7uh)によって互いに検出可能である請求項1から11までのいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
少なくとも以下のステップを特に以下の順序で有する、特に請求項1から12までのいずれか1項記載の装置により2枚の基板(2o,2u)をアライメントする方法:
i)2枚の基板(2o,2u)をそれぞれ1つの基板ホルダ(1o,1o’,1o’’,1o’’’,1u)に固定するステップ、
ii)前記基板(2o,2u)上のアライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)を検出するステップ、
iii)位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)を検出するステップ、
iv)前記基板(2o,2u)の前記アライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)を、前記位置決めマーク(4,4o,4ol,4or,4oh,4ov)に基づいて互いにアライメントするステップ。
【請求項14】
2枚の基板(2o,2u)をアライメントする方法であって、ステップiii)の後に、前記アライメントマーク(5,5ol,5or,5ul,5ur)の位置および/またはそれらの互いの場所を決定することができる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
アライメントシステムは、従来技術において無数に存在する。非常に多くのアライメントシステムは、アライメントマークを測定する測定装置を2枚の基板間に挿入することを基本としている。このようなアライメントシステムの欠点は、基板間に挿入された測定装置が下部基板の基板面を汚染しかねないことである。もう1つのさらに重大な欠点は、測定装置が所定の高さを有することである。そのため、2枚の基板同士が少なくともこの高さだけ離れざるを得ない。測定装置により2枚の基板面を測定してこれを取り外した後、基板間の距離全体にわたって基板同士をなおも接近させる必要がある。この接近の間に基板間の横方向に新たなずれがすでに生じ、以前に測定および調整した基板間の横方向のアライメントが元に戻ってしまうことがある。
【0002】
従来技術のさらなる発展形態には、基板の互いに向かい合う基板面同士が、数ミリメートル、好ましくはさらには数マイクロメートル、最も好ましくはさらには数ナノメートルしか離れていないアライメントシステムが存在する。こうしたわずかな距離では、測定装置を挿入することができない。それでもなおそのアライメントマークにより基板同士をアライメントできるようにするためには、基板同士を横方向にずらす必要がある。そして、横方向にずれた状態で複数の光学系でアライメントマークを測定し、アライメントマークを正確に合わせるために取るべき基板ホルダの位置を算出する。このようなアライメントシステムは、米国特許第6214692号明細書、国際公開第2014202106号、国際公開第2015082020号、国際公開第2011042093号で詳細に扱われている。このようなアライメント装置には、高精度での位置決めが可能な基板ホルダが必須である。さらに、基板ホルダの位置をいつでも正確に測定できることも必要である。
【0003】
従来技術における最大の問題は、基板を基板ホルダにより所定の位置に配置する必要があり、この位置決めは、基板ホルダを制御できる、あるいはその正確な位置を測定できる範囲内でしか行えないことにある。基板ホルダが進む横方向の距離は数ミリメートルないし数センチメートルであるため、マイクロメートルあるいはナノメートル範囲での位置決め、特に再現性のある位置決めを行うことは非常に困難である。非常に精密な位置測定システム、特に干渉計が必要であるが、これらは相応して高価でメンテナンスに手間がかかり、かつ誤差が生じ易い。
【0004】
したがって本発明の課題は、従来技術に列挙された欠点を少なくとも部分的に排除し、特に完全に排除する方法および装置を挙示することである。特に、2枚の基板同士の特に正確なアライメントを行うための改良された方法および装置を挙示することが本発明の課題である。
【0005】
本課題は、独立請求項の特徴により解決される。本発明の有利なさらなる実施の形態は、従属請求項に示されている。明細書、特許請求の範囲および/または図面に示された少なくとも2つの特徴のすべての組み合わせも本発明の範囲に包含される。また、値の範囲が示されている場合には、挙げられている限界の範囲内にある値も限界値として開示されているものとし、任意の組合せでの特許請求が可能であるものとする。
【0006】
したがって本発明は、
- 少なくとも2つのアライメントマークを有する第1の基板を収容する第1の基板ホルダと、
- 少なくとも2つの他のアライメントマークを有する第2の基板を収容する第2の基板ホルダと、
- アライメントマークを検出する少なくとも1つのアライメント光学系と、
を備えた基板をアライメントする装置であって、
- 該装置は、
- 位置決めマークを検出する少なくとも1つの位置決め光学系をさらに備え、
第1の基板のアライメントマークおよび第2の基板の他のアライメントマークは、位置決めマークに基づいて互いにアライメント可能である、位置決め光学系
をさらに備える、装置に関する。
【0007】
基板あるいは基板のアライメントマークのアライメントまたは位置合わせ時に、正確なアライメントを行うために位置決めマークを使用することができる。この場合、アライメントマークの位置を位置決めマークに対して定めることができ、有利には、基準として機能する位置決めマークにより基板ホルダを制御することができる。これにより、有利には、アライメントマークによるアライメントは不要となるため、アライメント光学系がアライメントマークに接近できない場合、特に、基板、ひいてはアライメントマークが互いに非常に接近して配置されている場合にも、アライメントを正確に行うことができる。特に、基板が重ねて配置され、互いに向かい合う基板面同士が、数ミリメートル、特に数ナノメートルしか離間してない場合、基板の、特に基板上に配置されたアライメントマークのアライメント時の位置を決定することができる。さらに有利なことに、従来のアライメントシステムを、本発明による態様によって簡便かつ有利に拡張することができる。さらに有利なことに、アライメント工程で基板を移動させる横方向の距離を最小限に抑えることができる。
【0008】
さらに本発明は、少なくとも以下のステップを特に以下の順序で有する、2枚の基板を、特に基板のアライメント装置によりアライメントする方法に関する:
i)2枚の基板をそれぞれ1つの基板ホルダに固定するステップ、
ii)基板上のアライメントマークを検出するステップ、
iii)位置決めマークを検出するステップ、
iv)基板のアライメントマークを、位置決めマークに応じて互いにアライメントするステップ。
【0009】
アライメントの際には、基板を固定した後に、まずアライメントマークの位置を検出する。その際、またはその後、アライメントマークの位置を、位置決めマークの位置と関連づけるあるいは相関させる。有利には、基準の決定時に基板の相対的な移動は生じない。この場合、有利には、基板あるいは基板上に配置されたアライメントマークのアライメントを位置決めマークにより行うことができる。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態では、少なくとも1つのアライメント光学系に対して、第1の基板の少なくとも2つのアライメントマークのうち1つ以上のアライメントマークが第2の基板により隠されている場合、および/または少なくとも1つのアライメント光学系に対して、第2の基板の少なくとも2つの他のアライメントマークのうち1つ以上のアライメントマークが第1の基板により隠されている場合、基板のアライメントマークは、位置決めマークによって互いにアライメント可能であるようになっている。それにより、有利なことに、隠れた状態であっても、基準として機能する位置決めマークを用いてアライメントを行うことができる。その場合特に、アライメントマークの位置を検出するために、アライメント時に基板を移動させる必要がなくなる。そのため、長距離の相対的な移動を避けることができる。そのため、アライメントを特に正確に行うことができる。
【0011】
本発明の別の好ましい実施の形態では、位置決めマークフィールドは、特に規則的に配置された位置決めマークによって形成されており、特に位置決めマークによって形成された位置決めマークフィールド内での、特に、種々異なる位置決めマークの場所が互いに既知であるようになっている。位置決めマークは、位置決めマークフィールド内に規則的に配置されていることが好ましい。位置決めマークフィールドの位置決めマークは、1つの平面上で隣り合って配置されていることが好ましい。また、装置上にそれぞれ複数の位置決めマークを有する複数の位置決めマークフィールドを形成することも考えられる。この場合、特に、個々の位置決めマークの位置、あるいはフィールド内での個々の位置決めマークの場所は既知である。これにより有利には、各位置決めマークによって、別の位置決めマークの場所を検出することができる。さらに有利なことに、位置決め光学系を位置決めマークフィールドに対して相対的に移動させる必要がない。位置決め光学系を所望の位置にとどめ、基板ホルダを移動させることでアライメントを行うことも可能である。さらに、アライメントマークの基準を、有利には種々異なる位置決めマークに対して設定あるいは相関させることができる。特に、位置決め光学系によりそれぞれ検出された位置決めマークの、別の位置決めマークに対する場所が既知であるため、位置を算出することができる。
【0012】
位置決めマークフィールドの長さは、0.1mm超、好ましくは1mm超、さらに好ましくは10mm超、非常に好ましくは100mm超、最も好ましくは300mm超である。
【0013】
位置決めマークフィールドの幅は、0.1mm超、好ましくは1mm超、さらに好ましくは10mm超、非常に好ましくは100mm超、最も好ましくは300mm超である。
【0014】
さらに有利には、基板ホルダの非常に大きな移動経路をカバーできるようにするために、比較的大きな位置決めマークフィールドを生成するようになっている。大きな位置決めマークフィールドを使用することで、有利に基板ホルダの正確な位置決定をいつでも行うことができる。
【0015】
本発明の別の好ましい実施の形態では、位置決めマークは、複数の、特に不規則に配置された精確な位置決め要素によって形成されているようになっている。この場合、特に、精確な位置決め要素の配置は既知である。これにより有利には、アライメント時に精確な位置決めを精確な位置決め要素により行うことができる。個々の精確な位置決め要素も同様に、位置決め光学系により検出することができる。この場合、特に、精確な位置決めを、位置決めマークの精確な位置決め要素により行うようになっている。特に、位置決めマークが特定の精確な位置決め要素を有し、この特定の精確な位置決め要素を座標原点とみなしてこれを検出することができるようにすることができる。これにより有利には、位置決めマークの特定の精確な位置決め要素に対する個々のすべての精確な位置決め要素の距離あるいは場所を決定することができる。有利なにはまさに、アライメントマークの位置と相関した決定が可能である。さらに有利には、このようにしてアライメントマークあるいは基板同士をアライメントすることができる。
【0016】
本発明の別の好ましい実施の形態では、各位置決めマークが種々異なって形成されており、特に位置決めマークが、特に位置決め光学系による検出が可能な特定の情報内容を有するようになっている。種々異なって形成された位置決めマークにより、各位置決めマークを認識し、位置決めマークフィールド内の場所に割り当てることができる。好ましくは、このことは、異なって配置された精確な位置決め要素によって可能である。特に、精確な位置決め要素の配置、ひいては位置決めマーク自体が、情報内容を有することができる。特に、情報内容は、既知であるかあるいはメモリに格納されている。位置決めマークの検出後、それにより特にマークフィールド内の各位置決めマークの正確な場所がわかる。好ましくは、検出された位置決めマークの、アライメントマークに対する基準設定がすでに行われている場合、これに基づいてすでに基板同士のアライメントを実施することが可能である。
【0017】
本発明の別の好ましい実施の形態では、位置決めマークが、以下の表示形式:
- QRコード
- バーコード
- 幾何学的な、特に三次元的な図形
- ストリング、特に文字列および/または数字列、好ましくはバイナリコード
- イメージ
のうちの1つ以上を有するようになっている。
【0018】
こうした種々異なる表示形式により、位置決めマークには、種々異なる高度の情報内容を格納することができる。好ましくは、QRコードの利用が想定される。この場合、有利には、種々異なるプロセスパラメータで基板同士を正確にアライメントすることができる。
【0019】
本発明の別の好ましい実施の形態では、少なくとも1つの基板ホルダおよび/または少なくとも1つの位置決め光学系が、少なくとも2つの方向、特にx方向およびy方向に移動可能であるようになっている。アライメントマークと位置決めマークとの相関を確立するために、特に、少なくとも1つの基板ホルダおよび/または少なくとも1つの位置決め光学系を、各基板面および/または位置決めマークに対して相対的に移動させることが必要である。この目的のために特に、固定および/または可動光学系が基板ホルダを通じて各マークを検出できるように、基板ホルダに開口部を設けることも可能である。このようにして有利なことに、アライメント時の基板同士の横方向の移動を最小限に抑えることができる。
【0020】
本発明の別の好ましい実施の形態では、位置決めマークは、少なくとも1つの基板の側方で隣に配置されていることによって、特に、少なくとも1つのアライメント光学系に対して、一方の基板のアライメントマークが他方の基板により隠されている場合に、基板の複数のアライメントマークは、互いにアライメント可能であるようになっている。特に、基板が軸線方向にほぼ揃えて重ねて配置されており、かつ合わせる基板面同士が非常に接近して配置されている場合、基板上に配置されたアライメントマークは、それぞれの他方の基板により隠される。位置決めマークは、好ましくは基板の外側に、各基板面により拡張される平面上に配置されているため、隠されていない。このため有利には、基板同士が非常に接近して配置されている場合であっても、位置決めマークによってアライメントを行うことができる。
【0021】
本発明の別の好ましい実施の形態では、位置決めマークは、少なくとも1つの基板ホルダ上に配置されているようになっている。好ましくは、位置決めマークは、各基板ホルダ上に配置されている。これにより有利には、位置決めマークの位置を、各基板ホルダの移動に直接関連づけることができる。特に、位置決め光学系で検出された位置決めマークの移動あるいは場所は、各基板ホルダの移動に直接的に連動している。そのため有利には、アライメントを正確に行うことができる。
【0022】
本発明の別の好ましい実施の形態では、位置決めマークは、少なくとも1つの基板ホルダ面上に配置されているようになっている。好ましくは、位置決めマークは、基板ホルダ面上に配置されている。このようにして、位置決め光学系による位置決めマークの視認が、基板ホルダに配置された別の部品によって妨げられることがないようにしてある。
【0023】
本発明の別の好ましい実施の形態では、位置決めマークは、少なくとも1つの基板の基板面と同じ高さに配置されているようになっている。有利には基板面上に配置されたアライメントマークは、位置決めマークと同じ高さにあることが好ましい。これにより有利には、位置決め光学系およびアライメント光学系のそれぞれ調整される焦点を同じように調整することができる。これは特に、位置決め光学系およびアライメント光学系が同じフォーカシングユニットを使用している場合に該当する。またその場合には、アライメントマークと基準として設定された位置決めマークとは、軸線方向の高さが同じである。これにより、アライメントを行うには、基板ホルダを特にx方向および/またはy方向に移動させるだけで済む。
【0024】
本発明の別の好ましい実施の形態では、基板のアライメントマークの位置は、基板のアライメントマークのアライメント時に、特に継続的に少なくとも1つの位置決め光学系によって互いに検出可能になっている。好ましくは、アライメントマークと位置決めマークとを関連づけた後いつでも、位置決め光学系によって基板の現在の場所を決定することができる。有利には、別のさらなるプロセスステップでも基板の正確な場所情報を利用することができる。また、基板ホルダおよび/または位置決め光学系の移動時に継続的に場所を確認することにより、さらに有利には、特定のあるいは所望の場所からの逸脱を記録することもできる。このようにして、アライメント時のエラーの早期発見が可能となる。
【0025】
本発明は、基板のアライメント方法および装置を説明するものである。2枚の基板同士のアライメントを行うアライメントマークは、互いに向かい合う基板面上に位置する。そのため、特に遅くとも接合時には、各基板のアライメントマークが、それぞれ向かい合う基板により隠される。本思想は、少なくとも1つの位置決めマークフィールド、特にQRフィールドを使用することにより、基板ホルダの、ひいてはその上に固定された基板の位置決め精度の向上が可能となることを説明するものである。この態様により、アライメントマークを観察しなくても、アライメントマークの互いの位置を正確に算出することが可能となる。本思想を、3種類のアライメントシステムについて詳細に説明する。
【0026】
本発明の要旨は特に、2枚の基板のアライメントをそのアライメントマークをもとに光学系システムにより行う装置および方法を挙示することにある。光学系は、従来技術から知られているアライメント光学系であり、これを用いてアライメントマークが改良される。本発明によれば、少なくとも1つの、特に追加の位置決め光学系が使用され、これを用いて少なくとも1つの位置決めマークフィールド、特にQRマークフィールドを光学的に測定することができる。位置決めマークフィールドは、基板ホルダの、ひいては基板の正確な位置を決定できるようにするための基準フィールドとして使用される。
【0027】
本方法および対応する装置では、基板ホルダを横方向にずらすことが依然として必要であるが、基板ホルダの現在の実際の位置は、少なくとも、アライメントマークがアライメント光学系によってもはや視認あるいは検出できない時点で、位置決めマークフィールドの一連の位置決めマーク、特にQRマークによって検出される。位置決めマークは、ソフトウェアおよび/またはハードウェアおよび/またはファームウェアによって読み取りおよび解釈可能である。解釈可能とは、マーク自体に大まかな位置データが符号化されることを意味する。その場合、画素位置により精確な位置決めを行うことができる。
【0028】
本装置および対応する方法により、アライメントマーク自体の測定ではなく、位置決めマークの測定によって、特にアライメントマークがそれぞれの向かい合う基板により隠れた状態において、アライメントマークの正確な位置を継続的に追跡あるいは正確に算出することが可能である。
【0029】
本思想は特に、より高価で、より誤差が生じ易く、よりメンテナンスに手間がかかる位置測定システム、特に干渉計の拡張、好ましくは代替となるものである。
【0030】
さらなる決定的な利点は、本思想が既存のシステムに容易に適用可能であり、またこれを拡張できることにある。そのため、アライメントシステムを全く新規に開発することは、必ずしも必要ではない。
【0031】
本思想は、例えば、米国特許第6214692号明細書、国際公開第2014202106号、国際公開第2015082020号、および国際公開第2011042093号のアライメントシステムに基づくものである。したがって、これらのアライメントシステムの説明については表面的にのみ行うこととするが、本思想の柔軟性を示すために、これらのアライメントシステムに割り当て可能な3つの方法をもとに本思想の詳細を説明する。
【0032】
すべてのアライメントシステム、特に上述の刊行物の各アライメントシステムが、本発明による態様によって拡張可能であることは重要である。したがって本思想は主に、位置決めマークフィールド、特にQRマークフィールドと、少なくとも1つの追加の位置決めマーク光学系とを使用して、位置決めマークフィールドの位置決めマークを所定の時点で測定し、またそれと同時にアライメント光学系により少なくとも1つのアライメントマークの位置を測定するというものである。少なくとも1つの位置決めマーク光学系をアライメント光学系に対してそれ以上移動させないため、アライメントマークが隠れている場合であっても、位置決めマークフィールドの位置決めマークを測定することにより常にアライメントマークの位置を算出することができ、それによりアライメントマークの位置がわかる。
【0033】
マーク
本思想を最良の形態で説明するために、アライメントマークと位置決めマークとが区別される。
【0034】
アライメントマーク
アライメントマークとは、基板上に施与あるいは生成されたマークであり、プロセスにおいて合わせる必要があり、特に互いに正確にアライメントする必要があるものをいう。アライメントマークは、2枚の基板同士を正確に位置決めするために使用される。アライメントマークによる2枚の基板のアライメントは、2枚の基板のアライメントマーク間の距離が小さいほど効果的である。したがって、アライメントマークが基板の裏面上に位置するいわゆるバック・トゥ・バックアライメントは、アライメントマークが合わせられる、特に互いに向かい合う基板面上に位置するいわゆるフェイス・トゥ・フェイスアライメントほど効果的ではない。しかし、フェイス・トゥ・フェイスアライメントの欠点は、アライメントマーク同士がすぐ近くにある場合に、第1の基板の第1の基板面上のアライメントマークがそれぞれ向かい合う第2の基板により隠れてしまうことにある。基板を透過により測定することができない測定方法を選択した場合には、この状態ではアライメントマークを検出することができないため、基板同士を正しくアライメントすることもできない。若干の基板において、基本的には基板同士のアライメントを赤外線測定で行うことができるが、基板が金属で被覆されているためにこの測定方法を用いることができないことが非常に多い。金属は、基本的に赤外線を透過しない。そのため、それぞれ向かい合う基板がずれた状態でアライメントマークを測定し、アライメントマークを測定した後に高精度の位置合わせプロセスにより基板ホルダ同士、ひいては基板同士をアライメントする方法しかない。
【0035】
アライメントマークの正確な形状については、当業界では無数の種類のアライメントマークが存在するため、より詳細な説明は不要である。本明細書の図面では、アライメントマークを簡略化して黒色の十字で示す。
【0036】
位置決めマーク
位置決めマークとは、基板上のアライメントマークがそれぞれ向かい合う基板で隠されて光学的にもはや接近できない場合であっても、基板ホルダの、ひいては基板の正確な位置を決定できるように、追加の光学系である位置決め光学系によって特に継続的に追跡、観察および評価されるマークをいう。
【0037】
位置決めマークは、基板ホルダ上に位置することが好ましい。
【0038】
各位置決めマークは、そこから位置、特に大まかな位置を読み取ることができるように生成されることが好ましい。位置決めマークとして特に適しているのは以下のものである:
- QRコード
- バーコード
- テキスト
- 記号
- その他
【0039】
QR位置決めマークでは、特に大まかな位置がQRコードに直接暗号化されている。本明細書の図面に表示されている位置決めマークは、QRコードである。QRコードを市販のQRスキャナ、例えばスマートフォンのカメラで読み取ることで、本明細書をより理解し易くすることができる。これにより、この本明細書を読んだ当業者にとって大まかな位置決めが理解し易くなる。
【0040】
バーコードの位置決めマークは、大まかな位置を整数として暗号化して保存することができる。例えば、整数101012が大まかな位置(101,012)を表すことが考えられる。N桁のうち最初のn桁がx座標に対応し、最後のN-n桁がy座標に対応することが合意される。
【0041】
位置決めマークとしてテキストを使用する場合、大まかな位置を直接テキストで表示することができる。例えば、「101,12」というテキストフラグメントを使用して、大まかな位置(101,12)を定めることが考えられる。
【0042】
記号の位置決めマークの場合には、特に割り当てテーブルが必要である。大まかな位置(x,y)に、特定の記号が割り当てられる。また、記号の位置決めマークが2つの部分記号からなり、各部分記号が、対応するテーブルに定められた座標に対応することも考えられる。
【0043】
さらに、各位置決めマークは好ましくは精確な位置決め要素を有し、これらの精確な位置決め要素によって、位置決めマークに固有の精確な位置を割り当てることができる。総じて、位置決めマークに暗号化された位置は、精確な位置決めを行うには十分ではない。
【0044】
精確な位置決め要素は、例えば、位置決めマークを囲む枠であることができる。例えば、矩形、特に正方形が考えられる。対称的な八角形や円形も考えられる。精確な位置決め要素は、検出器の画素分解能によってのみ制限される位置決めマークの局所的なゼロ点が得られるように、検出および評価をハードウェアおよび/またはソフトウェアおよび/またはファームウェアにより行うことが可能である。その場合、位置決め光学系の光軸に対するこのゼロ点の相対的なずれにより、微調整が可能となり、したがって特に基板の正確なアライメントが可能となり、あるいはアライメントマークの正確な位置、ひいては特に基板ホルダに固定された基板の正確な位置を決定するための算出が可能となる。また、位置決めマークの個々の特徴、例えば角や辺自体が精確な位置決め要素として機能することも考えられる。
【0045】
位置決めマークフィールド
位置決めマークは、特に位置決めマークフィールドの一部である。位置決めマークは、位置決めマークフィールド内に、特に対称的に、特にグリッドに沿って配置されている。位置決めマークに符号化された位置は、位置決めマークフィールドの座標原点を基準として示される。
【0046】
理想的には、圧力や温度などの物理的なパラメータが変化しても形状がごくわずかにしか変化せず、好ましくは全く変化しない物体の表面上に位置決めマークフィールドを生成することが望ましい。したがって、位置決めマークフィールドを生成する物体は、その係数が可能な限り小さい熱膨張係数テンソルを有することが望ましい。物体が立方晶系の材料で作製されることが好ましく、なぜならばこの場合、熱膨張が常に等方的であるためである。この場合、膨張係数テンソルの代わりに、単に熱膨張係数を用いることができる。
【0047】
物体は、吸着剤に対して可能な限り非感受性であることが望ましく、特に酸化しないか、あるいは層形成を招く他の化学反応を生じないことが望ましい。特に、ナノメートルの薄さの酸化物層は非常に顕著な光学特性を有することがあり、これが位置決めマークの読み取りに悪影響を及ぼす。これには例えば、干渉効果や光の屈折などが挙げられる。
【0048】
非常に特に好ましい実施の形態では、位置決めマークフィールドは、測定されるアライメントマークとほぼ同じ高さに位置し、特にアライメントマークが配置された基板面により拡張される平面上に位置する。
【0049】
さほど好ましくない実施の形態では、位置決めマークフィールドは、基板ホルダ固定面と反対側の基板ホルダ外面上に位置し、したがって、アライメントマークが位置する平面から相対的に遠くに離間している。
【0050】
好ましくは、位置決めマークフィールドに関して、対応するxP軸と、好ましくはそれに直交するyP軸とを有する固有の座標系(位置決めマークフィールド座標系PMFKS)が存在する。位置決めマークの1つは、このPMFKSのゼロ点を定める位置決めマークであることが好ましい。
【0051】
位置決めマークフィールドの生成は、特に常に不正確さを伴う。あらゆる製造品は、常に製造機械の精度および精緻さを伴ってのみ生成することができる。したがって、位置決めマークフィールドは、表面全体にわたって等方的および/または均質に製造されていなくてもよいと述べることが重要である。アライメントマークに関連する位置決めマークがアライメントプロセス時に変化しなければ十分である。
【0052】
好ましくは、当然のことながら、位置決めマークフィールドの領域全体にわたって可能な限り正確で精密な位置決めマークフィールドを生成することが目的であることに変わりはない。
【0053】
光学系
本明細書の以下では、総じてアライメント光学系と位置決め光学系とが区別される。アライメント光学系とは、アライメントマークを検出するすべての光学系をいい、一方で位置決め光学系とは、位置決めマークを測定するすべての光学系をいう。特別な実施の形態では、アライメント光学系と位置決め光学系とを同時に使用する光学系が使用される。この場合、この2つの用語は同義で用いられることがある。しかし本思想の態様は、もともとアライメント光学系を搭載していたアライメントシステムの発展に基づくものであるため、連続性および一貫性を持たせるために、そのような場合には位置決め光学系という用語を用いる。
【0054】
光学系という用語は、本明細書の以下では、総じて非常に複雑な光学系、つまり、画像の記録、特に拡大が可能な一連の光学要素の同義語として用いられる。光学系は、画像では単純な対物レンズで表されている。しかしこの光学系の背後には、プリズム、各種レンズ、光学フィルター、ミラーなどのさらなる光学要素が存在し得る。この光学系は、記録された画像をチップ、特にCMOSチップに投影し、チップは画像を適宜処理し、特にソフトウェアに送信する。
【0055】
いずれの光学系も、総じて並進および/または回転方向に移動させることができる。しかし、光学系を適切にキャリブレーションした後に、光学系をそれ以上移動させないことが好ましい。その場合、光学系と基板ホルダとの間の相対的な移動は、基板ホルダの移動によってのみ行われる。特に、光学系の焦点面あるいは焦点および/または被写界深度範囲も調整可能であり、これらを平面へのキャリブレーション後にそれ以上変更しないことが好ましい。例外として特に、詳細に後述するタイプ3のアライメントシステムの光学系が挙げられ、これは国際公開第2015082020号に詳細に記載されている。このアライメントシステムでは、所望のアライメント結果を得るために、特に光学系を積極的に移動させる必要がある。
【0056】
位置決定
本方法では、位置決めマークフィールドを測定して位置決めマークフィールドの位置を正確に制御することにより、基板ホルダ、ひいては基板を正確に位置決めすることができる。基板ホルダの正確な制御を可能にするためには、位置決めフィールドの位置決めマークから大まかな位置を読み取るだけでは不十分である。なぜならばこれにより、可能な光学分解能の限界をはるかに超えた位置しか示されないためである。位置決めマークフィールドの位置決めマークが位置決め光学系の視野に入り次第、その位置決めマークのゼロ点を測定することができる。そして、位置決め光学系のゼロ点と位置決めマークのゼロ点との距離を測定することにより、基板ホルダの精確な位置決めを行う。この精確な位置決めは、画素分解能が光学分解能より低い場合には検出器の画素分解能により制限され、そうでない場合には光学分解能が分解能の限界となる。したがって、基板ホルダの移動中、位置決め光学系は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアおよび/またはファームウェアと連携して、その視野を通る位置決めマークの読み取りにより基板ホルダの大まかな位置を読み取ることができさえすればよい。所望の大まかな位置に達し次第、画素測定により精確な位置決めを行うことができる。この測定段階では、基板ホルダは、特に全くまたは非常にゆっくりとしか移動しないため、必要なすべての位置決めマークの特徴の測定が可能である。
【0057】
基板ホルダ
基板ホルダは特に、基板ホルダ固定面と、基板ホルダ固定面と反対側の基板ホルダ外面とを有する。
【0058】
基板ホルダは、固定部を備えている。固定部は、基板を把持するためのものである。固定部は、以下のものであってよい:
1.機械的固定部、特に
1.1.クランプ
2.真空固定部、特に
2.1.個別に制御可能な真空トラック
2.2.相互接続された真空トラック
3.電気的固定部、特に
3.1.静電固定部
4.磁性固定部
5.接着固定部、特に
6.ゲルパック固定部
7.接着剤、特に制御可能な表面による固定部
【0059】
固定部は特に、電子的に制御可能である。好ましい固定タイプは、真空固定である。真空固定は、基板ホルダの表面に出ている複数の真空トラックからなることが好ましい。真空トラックは、個別に制御可能であることが好ましい。ある用途では、個別に制御可能であり、したがって排気または浸水可能な複数の真空トラックを組み合わせて真空トラックセグメントが形成されている。特に、各真空セグメントは、他の真空セグメントから独立している。これにより、個別に制御可能な真空セグメントの構築が可能である。真空セグメントは、リング状に構成されていることが好ましい。これにより、基板ホルダの基板を、狙いどおりに放射状に対称的に、特に内側から外側へと固定および/または離脱させることが可能となる。
【0060】
基板ホルダは、国際公開第2017162272号、国際公開第2018028801号および国際公開第2019057286号のいずれかに記載の基板ホルダを本発明による特性によって拡張したものであってよい。特に、基板ホルダは、国際公開第2017162272号の実施の形態による、個別に制御可能なゾーンおよび固定要素を備えた基板ホルダである。
【0061】
位置決めマークフィールドは、基板ホルダ固定面および/または基板ホルダ外面上に位置することができる。
【0062】
特に好ましい実施の形態では、位置決めマークフィールドは、基板ホルダ固定面上に位置する。この実施の形態は、位置決め光学系の被写界深度範囲が、特に位置決め光学系と同じ側に位置するアライメント光学系の被写界深度範囲と同じ高さにあることが利点である。
【0063】
さらに好ましい実施の形態では、位置決めマークフィールドは、接合する基板面と同じ高さにある。基板はある程度の厚みがあるため、位置決めマークフィールドが基板ホルダ固定面に対して隆起していること、あるいは基板ホルダ固定面を基板ホルダ内でわずかに凹ませることが必要である。これは、例えば、平均的な基板の厚さにほぼ等しいフライス深さでフライス加工することにより実現できる。
【0064】
全般的な実施の形態では、装置内の基板ホルダは自由度が6であるため、x、yおよびz方向にずらすことができ、またx、yおよびz軸を中心に回転させることができる。特定の実施の形態では、装置内の基板ホルダは、他の自由度を可能にする装置による誤差の影響を最小限にするために、好ましくは最小数の自由度しか移動することができない。
【0065】
上述のアライメントシステムの中には、光学系を基板のアライメントマークに非常に近くまで移動させる必要があるものがある。したがって、基板ホルダは、光学系が妨げられることなく接近できるように、特に横方向のずれのためのクリアランスをも確保するために、本明細書の以下では開口部という総称で呼ばれる孔、通路、ボア、フライス孔、凹部あるいは突出部を有することができる。特に、開口部には透明な材料を使用することも可能である。これは特に、国際公開第2015082020号に記載のアライメントシステムに該当する。
【0066】
装置
装置は、アライメントシステムである。アライメントシステムの異なる種類は、4つのタイプに分類される。
【0067】
タイプ1は、米国特許第6214692号明細書のアライメント原理に基づくアライメントシステムである。したがって原則的には、2つのアライメントマークを結ぶ線に対して特に垂直でありかつ基板面内にある方向に沿って、少なくとも1つの基板ホルダをずらす。この手法により、基板ホルダが比較的長い経路にわたってずらされる。基板ホルダの相互のずれと、4つのアライメント光学系(そのうちそれぞれ向かい合う2つの光学系は、焦点面内の焦点にキャリブレーションされている)との組み合わせにより、2枚の基板を互いにごくわずかな距離に置いた状態でアライメントすることが可能である。
【0068】
タイプ2は、国際公開第2014202106号のアライメント原理に基づくアライメントシステムである。したがって原則的には、2つのアライメントマークを結ぶ線に対して平行でありかつ基板面内にある方向に沿って、両基板ホルダを交差させるようにずらす。そのため、タイプ1とは対照的に、基板は「横方向」にずらされる。横方向のずれのため、基板ホルダのずれは、タイプ1のアライメントシステムに比べて非常に短い。基板ホルダの相互のずれと、4つのアライメント光学系(そのうちそれぞれ向かい合う2つの光学系は、焦点面内の焦点にキャリブレーションされている)との組み合わせにより、2枚の基板を互いにごくわずかな距離に置いた状態でアライメントすることが可能である。したがって、基板ホルダは、局所的な位置決めマークフィールドが、装填される基板のアライメントマークの隣に位置しているものが好ましく使用される。
【0069】
タイプ3は、国際公開第2015082020号のアライメント原理に基づくアライメントシステムである。したがって原則的には、一方の側、特に下側の光学系は、固定するかまたはz方向に最大1回だけ動くようにし、反対側、特に上側の光学系は、複数の方向、特に少なくともx方向およびy方向に自由に移動可能である。さらに、このタイプのアライメントシステムでは、一方の基板ホルダ、特に下部基板ホルダも一方向、特にz方向にのみ移動可能である。タイプ1および2のアライメントシステムとは対照的に、この場合にはキャリブレーションプロセス後に光学系を非常によく移動させるが、下部基板は、最初は固定されたままで、接合プロセスでは下部基板ホルダによってz方向にのみ移動される。
【0070】
タイプ4は、光学的原理に基づくそれ以外のすべての種類のアライメントシステムである。この場合には原則的に、すべての種類の位置決めマークフィールドを自由に組み合わせて使用することができる。基板ホルダ外面に位置決めマークフィールドが施与されていることの欠点は、位置決めマークフィールドの項で詳細に説明した。したがって、一般的なタイプ4のアライメントシステムについては、本明細書の以下では表面的な説明にとどめることとする。タイプ4のアライメントシステムは、例えば国際公開第2011042093号のアライメントシステムである。この刊行物には,基板ホルダがベース上を非常に長距離にわたって移動可能であり,アライメント光学系がベースおよび/または基板ホルダのいずれかに取り付けられているアライメントシステムなどが記載されている。
【0071】
好ましいのは、本発明による拡張を有する対応するタイプ3のアライメントシステムである。
【0072】
非常に特に好ましい実施の形態では、装置は、少なくとも4つのアライメント光学系と、少なくとも1つの位置決め光学系、しかし好ましくは2つの位置決め光学系とを備える。対称性の観点から、本明細書、特に図面では常に2つの位置決め光学系が使用されているが、1つでも十分である。
【0073】
一実施の形態では、少なくとも1つの基板ホルダは、基板ホルダとして装備されており、すなわち、位置決めマークフィールドを備えている。
【0074】
非常に特に好ましい実施の形態では、両基板ホルダに位置決めマークフィールドが備えられている。それに応じて、各基板ホルダの正確な位置は、対応する位置決め光学系により決定することができる。それに応じて、より多くの位置決め光学系、つまり上部および下部の少なくとも2つの位置決め光学系が必要となる。
【0075】
本装置および本方法は、総じて、上記のいずれのタイプのアライメントシステムにも何ら縛られるものではない。基本的な思想は、アライメントマークと、位置決めマークフィールド内の位置決めマークとを測定してその相関を確立するというものである。それにもかかわらず、様々なタイプの実施の形態の装置およびプロセスが明示的に説明され、図面に示されている。特に本思想は、国際公開第2015082020号のタイプ3のアライメントシステムを拡張することにある。
【0076】
方法
また、拡張される基板ホルダが装置の上側に位置するかまたは下側に位置するかは、重要でない。本明細書の図面との一貫性を保つために、さらなる説明では、基板ホルダが上側の基板ホルダであること、すなわち、位置決めマークフィールドが重力方向で下方を向いていることを仮定している。
【0077】
総じて、本方法の前にキャリブレーションプロセスがある。キャリブレーションプロセスは、光学系が変化した、あるいは位置が変わったと想定できるたびに実施する必要がある。キャリブレーションプロセスは、使用するアライメントシステムのタイプによって異なる。可能なキャリブレーションプロセスは、例えば、国際公開第2014202106号および国際公開第2015082020号に詳細に開示されているため、ここでは詳細に論述しない。
【0078】
各アライメントシステムについて予定されたキャリブレーションプロセスが完了した後、特にアライメントプロセスを開始することができる。
【0079】
本方法は原則的に、特に、(i)2つのアライメントマークを結ぶ線に垂直で、かつ(ii)基板面に対して平行な方向に沿って基板が移動するアライメントシステムに適用可能である。このアライメントシステムは、米国特許第6214692号明細書に記載されており、タイプ1と呼ばれる。この場合、アライメントマークを光学系で視認可能とするためには、基板が比較的長い距離を進む必要がある。ここでは、アライメントマークを準「平行」で測定する。
【0080】
タイプ1のアライメントシステムで2枚の基板をアライメントするための本発明による例示的な方法における第1のプロセスステップでは、第1の基板を、第1の上部基板ホルダに装填して固定する。
【0081】
第2のプロセスステップでは、第1の上部基板ホルダを、第1の上部基板のアライメントマークが下部アライメント光学系の視野に入るまでずらす。特に同時に、下部位置決め光学系により、その視野に位置する、第1の上部基板ホルダ上の上部位置決めマークフィールドの上部位置決めマークを測定する。この時点以降は、第1の上部基板ホルダを全長にわたってずらすことができ、上部位置決めマークを新たに制御することで、同じ位置まで移動させることができる。
【0082】
第3のプロセスステップでは、それまで第1の上部基板ホルダにより隠されていた上部アライメント光学系が下方を自由に視認できるようになるまで第1の上部基板ホルダを移動させる。特に、同時にまたはすでに先のプロセスステップと並行して、第2の基板を第2の下部基板ホルダに装填して固定する。当然のことながら、第2の基板の装填を、すでにはるかに早い時点で、特に上述のプロセスステップのうちの1つと並行して行うことも可能である。
【0083】
第4のプロセスステップでは、第2の下部基板のアライメントマークが上部アライメント光学系の視野に入るまで第2の下部基板ホルダをずらす。その後、第2の下部基板ホルダをそれ以上移動させないことが好ましい。
【0084】
第5のプロセスステップでは、第1の上部基板ホルダを、第2のプロセスステップで決定された位置まで戻す。この場合、下部位置決め光学系のみを使用して、第1の上部基板ホルダの上部位置決めマークフィールドを継続的に測定することで、所望の位置を非常に正確に制御することができる。特に、さらに位置決め光学系により微調整も行うが、これについては本明細書の他の部分でより詳細に扱うこととする。
【0085】
その後、さらなるプロセスステップで、2枚の基板同士を適切なプロセスで接合する。ここでは、接合プロセスについてより詳細には説明しない。2枚の基板のうち一方の基板、特に上部基板を湾曲手段で湾曲させて他方の基板に接触させるフュージョン接合プロセスが考えられる。
【0086】
上記のプロセスに対して考えられる第1の任意の改良形態を、ここでは省略形で示す。上部基板ホルダには開口部があり、そこから上部アライメント光学系が、下部基板ホルダ、ひいては、装填された下部基板を見通すことができる。下部基板ホルダ裏面には、位置決めマークフィールドが存在する。下部基板ホルダに基板を装填し、上部基板ホルダの開口部を通じて下部基板のアライメントマークを上部アライメント光学系により測定する。同時に、下部位置決め光学系により下部基板ホルダ裏面の位置決めマークフィールドを測定する。その後、上部基板を装填する。特に同時に、下部基板ホルダは、下部アライメント光学系が上部基板ホルダ上の上部基板のアライメントマークを測定できるようになるまで移動する。その後、位置決め光学系を使用して、下部基板ホルダを所定の位置まで移動させることができる。
【0087】
上記のプロセスに対して考えられる第2の任意の改良形態を、ここでは省略形で示す。下部基板ホルダには開口部があり、そこから下部アライメント光学系が、上部基板ホルダ、ひいては、装填された上部基板を見通すことができる。上部基板ホルダ裏面には、位置決めマークフィールドが存在する。上部基板ホルダに基板を装填し、下部基板ホルダの開口部を通じて上部基板のアライメントマークを下部アライメント光学系で測定する。同時に、上部位置決め光学系で上部基板ホルダ裏面の位置決めマークフィールドを測定する。その後、下部基板を装填する。特に同時に、上部基板ホルダは、上部アライメント光学系が下部基板ホルダ上の下部基板のアライメントマークを測定できるようになるまで移動する。その後、位置決め光学系を使用して、上部基板ホルダを所定の位置まで移動させることができる。
【0088】
また、上記2つの改良形態を組み合わせることも同様に考えられる。
【0089】
アライメントシステムの改良された実施の形態、ひいては改良された方法の改良された実施の形態も、国際公開第2014202106号に記載されており、タイプ2と呼ばれる。この場合、基板同士をずらすが、ただし2つのアライメントマークを結ぶ線の方向に沿って、すなわち「横方向」にずらすため、常にそれぞれ第1の基板の第1のアライメントマークを第2のアライメント光学系で検出することができ、同時に第2の基板の第2のアライメントマークを第1のアライメント光学系で検出することができる。ここでは、アライメントマークは、擬似的に「交差させて」測定する。それに応じて、処理の流れに若干の変更がある。この場合、特にさらに、タイプ2のアライメントシステムの少なくとも1つの基板ホルダを位置決めマークフィールドの分だけ拡張させる。
【0090】
タイプ2のアライメントシステムで2枚の基板をアライメントするための本発明による例示的な方法における第1のプロセスステップでは、第1の基板を、第1の上部基板ホルダに装填して固定する。特に同時に、第2の基板を、第2の下部基板ホルダに装填して固定する。基板を装填して固定した後、基板ホルダを、上部基板の左側上部アライメントマークが左側下部アライメント光学系の視野に入る位置まで移動させる。そのためには、下部基板ホルダを、左側下部アライメント光学系が左側上部アライメントマークを自由に視認できるようになるまで右側にずらす必要がある。同時に、左側上部位置決めマークが左側下部位置決め光学系の視野に入ることが必要である。これにより、左側上部位置決めマークと左側上部アライメントマークとの相関が確立される。
【0091】
第2のプロセスステップでは、下部基板ホルダが左側に移動することで、右側下部アライメントおよび位置決め光学系が右側上部アライメントおよび位置決めマークを測定できるようにする。これにより、右側上部位置決めマークと右側上部アライメントマークとの相関が確立される。
【0092】
第3のプロセスステップでは、第2の下部基板の左側アライメントマークが左側上部アライメント光学系の視野に入るまで第2の下部基板ホルダをずらす。さらに、特に上部基板ホルダには開口部が設けられていてよい。その後、第2の下部基板ホルダをそれ以上移動させないことが好ましい。目下なおも第1の上部基板ホルダで隠れている下部基板の右側アライメントマークは、この場合、特に、上部基板ホルダが右側下部アライメントマークの視界を解放すると同時に、右側上部アライメント光学系の視野に入る。
【0093】
第4のプロセスステップでは、右側上部アライメント光学系が第1の上部基板ホルダを通じて下部基板の右側下部アライメントマークを視認できるようになるまで反対側の左側に、第1の上部基板ホルダを移動させる。この目的のために、特に同様に上部基板ホルダに開口部が設けられていてもよい。このアライメントマークは、本来であればすでに右側上部アライメント光学系の視野にあるはずである。そうでない場合は、光学系が予め特に誤った距離にキャリブレーションされていることになる。右側上部アライメント光学系は、右側下部アライメントマークを測定する。下部基板ホルダはそれ以上移動させない。
【0094】
第5のプロセスステップでは、左側および右側位置決めマークフィールドの位置決めマークが左側下部および右側下部位置決め光学系の視野に入る位置まで第1の上部基板ホルダを戻す。この場合、下部位置決め光学系のみを使用して、第1の上部基板ホルダの上部位置決めマークフィールドを測定することにより、所望の位置を非常に正確に制御することができる。また、第1の上部基板ホルダの両位置決めマークフィールドが一貫して下部位置決め光学系の視野にある必要はないことを理解することが非常に重要である。位置決めマークフィールドの位置決めマークが下部位置決め光学系の視野に再び現れるとすぐに、まず大まかな位置決めによって所望の位置を正確かつ迅速に制御することができる。特に、さらに位置決め光学系により微調整も行うが、これについては本明細書の他の部分でより詳細に扱うこととする。
【0095】
その後、さらなるプロセスステップで、2枚の基板同士を適切なプロセスで接合する。ここでは、接合プロセスについてより詳細には説明しない。2枚の基板のうち一方の基板、特に上部基板を湾曲手段で湾曲させて他方の基板に接触させるフュージョン接合プロセスが考えられる。
【0096】
次の段落では、タイプ3のアライメントシステムの特に好ましいプロセスを説明する。このタイプのアライメントシステムは、国際公開第2015082020号に記載されている。このアライメントシステムは最新の従来技術を表すものであるため、このタイプのアライメントシステムに本発明による態様を適用することは特に重要である。先に述べたタイプ2と同様に、このアライメントシステムの特徴は、特に、基板ホルダのずらしが非常に短いことである。しかしこの場合には、下部の部品、すなわち下部アライメント光学系および下部基板ホルダは、特にz方向、すなわち高さに沿ってのみ調整できるように設計されており、一方で上部アライメント光学系および上部基板ホルダは、特にx方向およびy方向に最大数の自由度を有している。これによって得られる利点は、国際公開第2015082020号に詳細に記載されている。
【0097】
拡張されたタイプ3のアライメントシステムの本質的な特徴は、位置決めマークフィールドが、後で測定されるアライメントマークを結ぶ線に対して平行でなく、特にこれに対して垂直である線に沿って位置していることにある。
【0098】
タイプ3のアライメントシステムで2枚の基板をアライメントするための本発明による例示的な方法における第1のプロセスステップでは、上部基板ホルダが左側に移動する。特に同時に、左側アライメント光学系は、その視野および被写界深度範囲に上部基板の左側アライメントマークが入るまでz方向上方に移動する。特に同時に、少なくとも1つの位置決め光学系も、位置決めマークフィールドのうちの1つの少なくとも1つの位置決めマークが視認可能となるまで上方に移動する。これにより、少なくとも1つの位置決めマークフィールドの少なくとも1つの位置決めマークを左側アライメントマークと関連づけ、あるいは相関させることが可能となる。
【0099】
第2のプロセスステップでは、上部基板ホルダが右側に移動する。特に同時に、右側アライメント光学系6urは、その視野および被写界深度範囲に上部基板の右側アライメントマークが入るまでz方向上方に移動する。特に同時に、少なくとも1つの位置決め光学系も、位置決めマークフィールドのうちの1つの少なくとも1つの位置決めマークが視認可能となるまで上方に移動する。2つの位置決め光学系が、すでに第1のプロセスステップにより所定の位置にあることが考えられる。また、第1のプロセスステップで左側アライメント光学系に接続された位置決め光学系は1つのみであり、したがって今度は対応する第2の位置決め光学系を所定の位置に配置する必要があることも考えられる。本実施の形態で利用する位置決め光学系が1つのみである場合、これは第1のプロセスステップによりすでに所定の位置にあり、今度は同じ位置決めマークフィールドの第2の位置決めマークを測定する。これにより、少なくとも1つのさらなる位置決めマークを右側アライメントマークと関連づけることが可能になる。
【0100】
第3のプロセスステップでは、下部基板ホルダが上方に移動する。特に同時に、左側上部アライメント光学系は、下部基板の下部アライメントマークを視野および被写界深度範囲に入れるために、総じて複数の方向に移動する。
【0101】
第4のプロセスステップでは、基板ホルダが左側に移動する。特に同時に、右側上部アライメント光学系は、下部基板の下部アライメントマークを視野に入れるために、総じて複数の方向に移動する。
【0102】
第5のプロセスステップでは、上部アライメントマークと下部アライメントマークとが可能な限り一致するように、上部基板ホルダを下部基板ホルダとアライメントする。ここでは、上部基板ホルダの移動を少なくとも1つの位置決め光学系で確認し、その際に少なくとも1つの位置決めマークフィールドを特に継続的に読み取って評価する。特に、画素による精確な位置決めを行う。そのため、アライメントマークがそれぞれ向かい合う基板で隠れて視認不可能であるにもかかわらず、上部基板と下部基板とのアライメントが可能である。
【0103】
本発明による態様によって拡張されたアライメントシステムは、特に、すべてのタイプのアライメントシステムに基づくことができる。ただし、対応する方法は、対応するプロセスステップと若干異なるため、前述の2つのアライメントタイプについて、方法を図面に明示した。
【0104】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、好ましい例示的な実施の形態の以下の説明および図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【
図1】本発明による第1の基板ホルダを示す図である。
【
図2】本発明による第2の基板ホルダを示す図である。
【
図3】本発明による第3の基板ホルダを示す図である。
【
図4】本発明による第4の基板ホルダを示す図である。
【
図5a】本発明による第1のアライメントシステムにおける第1のプロセスステップを示す図である。
【
図5b】第1のアライメントシステムにおける第2のプロセスステップを示す図である。
【
図5c】第1のアライメントシステムにおける第3のプロセスステップを示す図である。
【
図5d】第1のアライメントシステムにおける第4のプロセスステップを示す図である。
【
図5e】第1のアライメントシステムにおける第5のプロセスステップを示す図である。
【
図6a】本発明による第2のアライメントシステムにおける第1のプロセスステップを示す図である。
【
図6b】第2のアライメントシステムにおける第2のプロセスステップを示す図である。
【
図6c】第2のアライメントシステムにおける第3のプロセスステップを示す図である。
【
図6d】第2のアライメントシステムにおける第4のプロセスステップを示す図である。
【
図6e】第2のアライメントシステムにおける第5のプロセスステップを示す図である。
【
図7a】本発明による第3のアライメントシステムにおける第1のプロセスステップを示す図である。
【
図7b】第3のアライメントシステムにおける第2のプロセスステップを示す図である。
【
図7c】第3のアライメントシステムにおける第3のプロセスステップを示す図である。
【
図7d】第3のアライメントシステムにおける第4のプロセスステップを示す図である。
【
図7e】第3のアライメントシステムにおける第5のプロセスステップを示す図である。
【
図8a】精確なアライメントプロセスの第1のプロセスステップを示す図である。
【
図8b】精確なアライメントプロセスの第2のプロセスステップを示す図である。
【0106】
図面中、同一の部品または同一の機能を有する部品には、同一の参照符号を付している。
【0107】
いずれの図面も、部品およびその特徴を、概略的に主に模式的にのみ示したものである。また、図面は縮尺が正しくなく、また部品の特徴も必ずしも図示のとおりに構成されているわけではない。したがって、図は原則的に模式図としてのみ理解され、その特徴はあらゆる状況において機能的に解釈されるべきものである。
【0108】
図1は、第1の基板ホルダ1oを示し、この基板ホルダ1oは、複数の位置決めマーク4ol,4orからなる位置決めマークフィールド3ol,3orを有し、この基板ホルダ1o上には、アライメントマーク5ol,5orを有する基板2oが固定されている。右側の拡大図には、位置決めマーク4orのみ図示されている。これに応じて、左側には位置決めマーク4olが存在しているが、その拡大図は明らかであるため示していない。位置決めマークフィールド3ol,3orは、基板ホルダ固定面、すなわち固定された基板2oと同じ面に位置している。したがって、位置決めマークフィールド3ol,3orは、基板2oの固定領域外にのみ位置することができる。特に、位置決めマークフィールド3ol,3orは、基板ホルダ1の全長に沿った方向、本事例ではx方向に沿って存在する。しかしながらまた、そのような長い位置決めマークフィールド3ol,3orは、タイプ1のアライメントシステムの適合には不要であり、タイプ2のアライメントシステムの拡張における位置決めマークフィールド3ol,3or(
図2参照)と同じサイズを有することができることを再度述べる。ただし、一連の
図4a~
図4fで説明するタイプ1のアライメントシステムの基板ホルダ1oは、長い距離を進むため、位置決めマークフィールド3ol,3orは、x方向全体に沿ってさらに拡張して示されている。この基板ホルダ1oは、タイプ1のアライメントシステムに使用される。基板ホルダ1oは、固定要素8および変形要素10を備えている。これらも本思想に本質的には重要でないため、基本的な言及および説明にとどめることとする。
【0109】
図2は、第2の、さらに好ましい基板ホルダ1o’を示し、この基板ホルダ1o’は、複数の位置決めマーク4ol,4orからなる位置決めマークフィールド3ol’,3or’を有し、この基板ホルダ1o’上には、アライメントマーク5ol,5orを有する基板2oが固定されている。右側の拡大図には、位置決めマーク4orのみ図示されている。これに応じて、左側には位置決めマーク4olが存在しているが、その拡大図は明らかであるため示していない。位置決めマークフィールド3ol’,3or’は、基板ホルダ固定面、すなわち固定された基板2oと同じ面に位置している。したがって、位置決めマークフィールド3ol’,3or’は、基板2oの固定領域外にのみ位置することができる。基板ホルダ1o’は、好ましくは、特に完全に貫通したフライス孔、細長い孔、孔、またはボアである開口部9も有し、これを通じてアライメント光学系5ol,5orが基板ホルダ1o’を見通すことができる。特に、開口部9によって、
図5a~
図5eに示されるプロセスが簡略化される。これによって特に、必要な基板ホルダ1o’,1uの相互のずらしが短くなる。このプロセスは開口部9なしで実現することもできるが、この場合、必要な基板ホルダ1o’,1の相互のずらしが若干長くなるため、効率が悪くなる。したがって、完全性を期すため、開口部9を常に図示することとする。基板ホルダ1o’は、主にタイプ2およびタイプ3のアライメントシステムに使用される。位置決めマークフィールド3ol’,3or’は、
図1の位置決めマークフィールド3ol,3orよりも小さい。基板ホルダ1o’も同様に、固定要素8および変形要素10を備えている。これらも本思想に本質的には重要でないため、基本的な言及および説明にとどめることとする。
【0110】
図3は、第3の、さらに好ましい基板ホルダ1o’’を示し、この基板ホルダ1o’’は、複数の位置決めマーク4oからなる前部および後部位置決めマークフィールド3ov,3ohを有する。位置決めマークフィールド3ov,3oh間を結ぶ線は、2つのアライメントマーク5ol,5or間を結ぶ線に対して平行ではなく、位置決めマークフィールド3ov,3ohは、アライメントマーク5ol,5orに対して90°回転していることがわかる。基板ホルダ1o’’の固有の特徴は、上部基板2oのアライメントマーク5ol,5orと位置決めマークフィールド3ov,3ohとが一列に並んでいないことにあり、したがってこれらには、添え字v(前部(vorne))およびh(後部(hinten))が付されている。この命名法により、さらなる図解での説明が容易になる。基板ホルダ1o’’も同様に、固定要素8および変形要素10を備えている。これらも本思想に本質的には重要でないため、基本的な言及および説明にとどめることとする。第2の基板ホルダ1o’’も同様に開口部9を有し、これにより、アライメント光学系が基板2oの外周に非常に接近することができる。このことは、後述のプロセスにおいて本方法にとって重要となる。
【0111】
図4は、第4の、さほど好ましくない基板ホルダ1o’’’を示し、この基板ホルダ1o’’’は、複数の位置決めマーク4oからなる単一の位置決めマークフィールド3o’’を有し、この基板ホルダ1o’’’上には、アライメントマーク5ol,5orを有する基板2oが固定されている。位置決めマークフィールド3o’’は、基板ホルダ外面上に位置する。したがって、非常に広い面範囲にわたって位置決めマークフィールド3o’’を生成することができる。この基板ホルダ1o’’’は、すべてのタイプのアライメントシステムに使用することができる。本実施の形態の欠点は、特に、使用するアライメント光学系(図示せず)の被写界深度範囲と位置決め光学系(図示せず)の被写界深度範囲とを同じ高さにすることができないことにある。これらの被写界深度範囲は、少なくとも基板ホルダ1o’’’の高さhだけ互いに離間している。その結果、アライメントマーク5ol,5orの焦点面および位置決めマーク4oの焦点面も相応して互いに広く離間している。位置決めマークフィールド3o’’は、当然のことながら、基板ホルダ1o’’’の基板外面全体に広がっている必要はなく、局所的で小さくてもよい。非常に広い面積にわたる拡張は、さらなる実施の形態にすぎない。基板ホルダ1o’’’も同様に、固定要素8および変形要素10を備えている。これらも本思想に本質的には重要でないため、基本的な言及および説明にとどめることとする。
【0112】
以下の図解は、特にタイプ1の装置のプロセスを説明するものである。
【0113】
よりわかりやすくするために、
図5a~
図5eを切断していない。
【0114】
図5aは、第1のプロセスの第1のプロセスステップを側面図(左)および上面図(右)で示したものである。左側に位置決めマークフィールド3ol、右側に位置決めマークフィールド3orを有する上部基板ホルダ1oが装填位置に移動し、基板2oをピックアップして固定する。また、基板ホルダ1oが移動せずに基板2oを基板ホルダ1o上に固定することも考えられる。したがって、基板2oを上部基板ホルダ1oによって固定できる対応する位置まで、基板2oをロボットにより移動させる必要がある。本装置は特に、2つの上部アライメント光学系6ol,6orと、2つの下部アライメント光学系6ul,6urと、2つの下部位置決め光学系7ul,7orとを備えている。上面図では、下部基板ホルダ1u上に固定要素8uが見えるが、この固定要素8uにより下部基板2u(図示せず)が後のプロセスステップで固定される。アライメント光学系6ol,6orは、すでに従来技術の方法にしたがって下部アライメント光学系6ul,6urに対してキャリブレーションされている。
【0115】
図5bは、第1のプロセスの第2のプロセスステップを示す。アライメントマーク5ol,5orがアライメント光学系6ul,6urで検出され、かつ1つの位置決めマークフィールド3ol,3orにつき少なくとも1つの位置決めマーク4ol,4orが位置決め光学系7ul,7urで検出されるまで、基板ホルダ1oがx方向に移動する。この図では、図示を簡略化するため、位置決めマーク4ol,4orは、単に抽象的に矩形として示す。アライメント光学系6ul,6urだけでなく位置決め光学系7ul,7urもそれ以上移動しないため、位置決めマークフィールド3ol,3orの位置決めマーク4ol,4orを測定することで、アライメントマーク5ol,5orが、アライメント光学系6ol,6or,6ul,6urの光軸に対してどの位置にあるのかをいつでも調べることができる。ここで、アライメント光学系6ol,6or,6ul,6urの光軸の被写界深度範囲は、先行するキャリブレーションプロセスで好ましくは焦点面にキャリブレーションされていることを再度述べなければならない。2つの左側アライメント光学系6ol,6ulの被写界深度範囲の交点が、装置の左側のゼロ点を表し、2つの右側アライメント光学系6or,6urの被写界深度範囲の交点が、装置の右側のゼロ点を表す。
【0116】
図5cは、第1のプロセスの第3のプロセスステップを示す。上部基板ホルダ1oは、上部アライメント光学系6ol,6orを妨害しない位置まで移動する。特に同時に、下部基板ホルダ1uが装填位置に移動して下部基板2uを装填する。下部基板ホルダ1uは、下部基板2uを固定する。この場合当然のことながら、下部基板ホルダ1uは移動せず、下部基板2uをロボットで、特に位置決めして載置することも考えられる。また当然のことながら、下部基板2uが、すでに予め下部基板ホルダ1uに装填されていることも考えられる。
【0117】
図5dは、第1のプロセスの第4のプロセスステップを示し、ここでは、下部アライメントマーク5ul,5urが上部アライメント光学系6ol,6orの視野に入るまで下部基板ホルダ1uが移動する。先行するプロセスステップで上部基板ホルダ1oを上部アライメント光学系6ol,6orの視野外に移動させたため、基板2uの基板面を測定することができる。下部基板ホルダ1uは、位置決め後にそれ以上移動させない。
【0118】
図5eは、第1のプロセスの第5のプロセスステップを示し、ここでは、上部基板ホルダ1oをその初期位置に戻し、位置決めマークフィールド3ol,3orの位置決めマーク4ol,4orを測定することで、その間に隠れた上部アライメントマーク5ol,5orの位置が正確にわかる。下部基板ホルダ1uはもはや移動していないため、下部アライメントマーク5ul,5urの位置はまだ既知であるはずである。したがって、位置決めマークフィールド3ol,3orの位置決めマーク4ol,4orを観察して、上部基板ホルダ1oの位置をずらすことで、左側アライメントマーク5ol,5ulと右側アライメントマーク5or,5urとを合わせることができる。したがって、上部基板ホルダ1oは、好ましくは2以上の自由度で移動することができる。その後、さらなるプロセスステップで、基板2o,2uを互いに接近させるとともに、その接合プロセスを行う。これらのプロセスステップは、特に本思想との関連性がないため、これ以上の明示を行わない。
【0119】
以下の図解は、特にタイプ2の装置のプロセスを説明するものである。タイプ2のアライメントシステムの固有の特徴は、基板ホルダ1o,1uが横方向、特に交差して移動することにある。
【0120】
よりわかりやすくするために、
図6a~
図6eを切断していない。
【0121】
図6aは、第2のプロセスの第1のプロセスステップを示し、ここでは、下部基板ホルダ1uを、片側、特に右側にずらす。左側アライメント光学系6ulは、上部基板2oの左側アライメントマーク5olを測定する。同時に、左側位置決め光学系7ulは、左側位置決めマークフィールド3ol’の左側位置決めマーク4olを測定する。
【0122】
図6bは、第2のプロセスの第2のプロセスステップを示し、ここでは、下部基板ホルダ1uを、反対側、特に左側にずらす。右側アライメント光学系6urは、上部基板2oの右側アライメントマーク5orを測定する。同時に、右側位置決め光学系7urは、右側位置決めマークフィールド3or’の右側位置決めマーク4orを測定する。
【0123】
図6cは、第2のプロセスの第3のプロセスステップを示し、ここでは、下部基板ホルダ1uを、その元の初期位置にずらす。特に同時に、上部基板ホルダ1o’は、左側上部アライメント光学系6olが開口部9を通じて下部基板2uの下部アライメントマーク5ulを自由に視認できるようになるまで右側に移動する。左光軸に対する下部アライメントマーク5ulの位置を記憶する。
【0124】
図6dは、第2のプロセスの第4のプロセスステップを示し、ここでは、上部基板ホルダ1o’を、右側上部アライメント光学系6orが開口部9を通じて下部基板2uの下部アライメントマーク5urを自由に視認できるようになるまで左側に移動させる。右光軸に対する下部アライメントマーク5urの位置を記憶する。
【0125】
図5cおよび
図5dのプロセスステップは、下部基板ホルダが、
図5bによる第2のプロセスステップにおいて、2つのアライメントマーク5ul,5urがアライメント光学系6ol,6orの視野に入るように、その元の位置に戻されたことを前提としている。アライメントマーク5ul,5urのうち少なくとも1つについてそうでない場合は、それに応じて下部基板2uを新たに位置決めし、第3および第4のプロセスステップを繰り返す必要がある。
【0126】
このプロセスステップ以降、基板ホルダ2uをそれ以上移動させてはならない。
【0127】
図6eは、第2のプロセスの第5のプロセスステップを示し、ここでは、上部基板ホルダ1o’を、位置決めマークフィールド3ol’,3or’が下部位置決め光学系7ul,7urの視野に現れるまで、再度その元の位置に戻す。この時点以降は、位置決めマーク4ol,4orによる位置測定により自動制御で上部基板ホルダ1o’を正しい位置に送ることによって、上部アライメントマーク5ol,5orを下部アライメントマーク5ul,5urとアライメントすることができる。このプロセスは微調整プロセスであり、これは、
図8aおよび
図8bにおいてすべてのタイプのアライメントシステムに対してより詳細に説明されている。
【0128】
その後、さらなるプロセスステップで、2枚の基板を接近させるとともに、本来の接合プロセスを行う。これらのプロセスステップは、本思想との関連性がないため、これ以上詳細な説明は行わない。
【0129】
図5a~
図6eでタイプ1およびタイプ2について説明したプロセスは、本思想とは無関係に特に、すべてのアライメント光学系を焦点面にキャリブレーションするという原理に基づく。キャリブレーション後、光学系をそれ以上移動させない。
【0130】
タイプ3のアライメントシステムの場合には、状況は全く異なる。この場合、下部アライメント光学系は、z方向にしか移動できず、一方で上部アライメント光学系は、x方向、y方向、および好ましくはz方向にも移動できるように設計されている。さらに、下部基板ホルダはz方向のみの移動性を有し、一方で上部基板ホルダは、x方向、y方向、好ましくはさらにz方向にも自由度を有するとともに、3つの回転軸線周りの自由度も有する。したがって本思想は、この場合にもプロセスステップに影響を及ぼす。
【0131】
以下の図において、各図に、X方向に沿った側面図(左)、およびY方向に沿った正面図(右)を示す。
【0132】
よりわかりやすくするために、今回は
図7a~
図7eを切断している。
【0133】
アライメント光学系6ul,6ur,6ol,6orおよび位置決め光学系7uv,7uhは、すべて互いに独立して、位置決め、回転、および制御が可能であることが好ましい。
【0134】
図7aは、第3のプロセスの第1のプロセスステップを示す。上部基板ホルダ1o’’が左側に移動する。特に同時に、左側アライメント光学系6ulは、その視野および被写界深度範囲に上部基板2oの左側アライメントマーク5olが入るまでz方向上方に移動する。特に同時に、少なくとも1つの位置決め光学系7uv,7uhも、位置決めマークフィールド3ov,3ohのうちの1つの少なくとも1つの位置決めマーク4oが視認可能となるまで上方に移動する。これにより、少なくとも1つの位置決めマークフィールド3ov,3ohの少なくとも1つの位置決めマーク4oを、左側アライメントマーク5olと相関させることが可能となる。なお、被写界深度範囲がすでにアライメントマーク5olおよび位置決めマークフィールド3ov,3ohを検出できるように装置が構成されていれば、当然のことながらアライメント光学系6ulおよび位置決め光学系7uv,7uhの移動は不要である。
【0135】
図7bは、第3のプロセスの第2のプロセスステップを示す。上部基板ホルダ1o’’が右側に移動する。特に同時に、右側アライメント光学系6urは、その視野および被写界深度範囲に上部基板2oの右側アライメントマーク5orが入るまでz方向上方に移動する。特に同時に、少なくとも1つの位置決め光学系7uv,7uhも、位置決めマークフィールド3ov,3ohのうちの1つの少なくとも1つの位置決めマーク4oが視認可能となるまで上方に移動する。2つの位置決め光学系7uv,7uhは、すでに第1のプロセスステップにより所定の位置にあることが考えられる。また、第1のプロセスステップで、位置決め光学系7uh,7uvのうちの一方のみが左側アライメント光学系6ulに接続されており、したがって今度は対応する第2の位置決め光学系を所定の位置に配置する必要があることも考えられる。本実施形態で1つの位置決め光学系7uvまたは7uhのみが利用される場合、これは、第1のプロセスステップによりすでに所定の位置にあり、今度は同じ位置決めマークフィールド3ovまたは3ohの第2の位置決めマーク4oを測定する。これにより、少なくとも1つのさらなる位置決めマーク4oを右側アライメントマーク5orと関連づけることが可能になる。なお、被写界深度範囲がすでにアライメントマーク5orおよび位置決めマークフィールド3ov,3ohを検出できるように装置が構成されていれば、当然のことながらアライメント光学系6urおよび位置決め光学系7uv,7uhの移動は不要である。
【0136】
図7cは、第3のプロセスの第3のプロセスステップを示す。下部基板ホルダ1uが上方に移動する。特に同時に、左側上部アライメント光学系6olは、下部基板2uの下部アライメントマーク5ulを視野および被写界深度範囲に入れるために、総じて複数の方向に移動する。
【0137】
図7dは、第3のプロセスの第4のプロセスステップを示す。上部基板ホルダ1oが左側に移動する。特に同時に、右側上部アライメント光学系6orは、下部基板2uの下部アライメントマーク5urを視野に入れるために、総じて複数の方向に移動する。
【0138】
図7eは、第3のプロセスの第5のプロセスステップを示す。上部アライメントマーク5ol,5orと下部アライメントマーク5ul,5urとが可能な限り一致するように、上部基板ホルダ1oを下部基板ホルダ1uとアライメントし、ここでは、上部基板ホルダ1oの移動を位置決め光学系7uv,7uhの少なくとも1つで確認し、その際に少なくとも1つの位置決めマークフィールド3ov,3ohを継続的に読み取って評価する。特に、画素による精確な位置決めを行うため、アライメントマーク5ul,5ur,5ol,5orがそれぞれ向かい合う基板により隠されて視認不可能であるにもかかわらず、上部基板2oと下部基板2uとのアライメントが可能である。
【0139】
図8aは、位置決め光学系(図示せず)の視野(左図)に位置決めマーク4が視認可能である状態を示す。任意の時点で、アライメントマーク5がアライメント光学系(図示せず)の視野(右図)で測定可能であった。
【0140】
図8bは、位置決め光学系(図示せず)の視野(左図)に位置決めマーク4が視認可能である状態を示す。この位置決めマーク4は、基板ホルダ(図示せず)の相対的なずらしによってアライメントマーク5が所望の位置に来るまでずらしたものである。わかりやすくするために、アライメントマーク5の所望の位置を、アライメント光学系(図示せず)の光軸上に位置するように選択した。位置決めマーク4の測定は、画素により高精度で行うことができるため、精確な位置決めに利用される。
【符号の説明】
【0141】
1o,1o’,1o’’,1o’’’,1u 基板ホルダ
2o,2u 基板
3ol,3or,3ol’,3or’,3o’’,3ov,3oh 位置決めマークフィールド
4,4o,4ol,4or,4oh,4ov 位置決めマーク
5,5ol,5or,5ul,5ur アライメントマーク
6ol,6or,6ul,6ur アライメント光学系
7ul,7ur,7uv,7uh 位置決め光学系
8,8o,8u 固定要素
9 開口部
10 変形要素
【国際調査報告】