(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】モノリシックサイクリングシューズのソール
(51)【国際特許分類】
A43B 5/14 20060101AFI20221208BHJP
A43B 13/14 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
A43B5/14
A43B13/14 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509157
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(85)【翻訳文提出日】2022-03-10
(86)【国際出願番号】 EP2020072926
(87)【国際公開番号】W WO2021028586
(87)【国際公開日】2021-02-18
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522056138
【氏名又は名称】ペダリッシム、2020
【氏名又は名称原語表記】PEDALISSIME 2020
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【氏名又は名称】石原 信人
(72)【発明者】
【氏名】パスカル、ノビレ
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BA08
4F050HA55
4F050HA71
4F050JA17
4F050MA90
(57)【要約】
クリップレスペダルと協働するように設計された前部クリート及び後部クリートを有するモノリシックロードサイクリングシューズのソール。その下面に、モノリシックソールは、ペダルとの接触領域(9)の前後に、及びソール(2)の幅の実質的に中央にそれぞれ位置する前部凹部(6)及び後部凹部(7)を備える。後部凹部(7)は、前述のソール(2)の内側に出現する。前部及び後部クリート(4、5)は、ソール(2)から突出しないように前部及び後部凹部(6、7)にそれぞれ配置され、それにより、ユーザは、標準的なクリートを装備した従来のロードサイクリングシューズとは異なり、クリートによって妨げられることなく容易に歩くことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック製又は複合材料製のサイクリングシューズ(1)の剛性モノリシックソール(2)と、クリップレスペダル(3)の前部取り付け装置(10)と協働するように設計された前部連結手段(14)を備える前部クリート(4)と、前記クリップレスペダル(3)の後部取り付け装置(11)と協働するように設計された後部連結手段(15)を備える後部クリート(5)とで構成されたアセンブリであって、前記クリートが前記モノリシックソール(2)の下面に固定され、その下面において、前記モノリシックソール(2)が、前記モノリシックソール(2)の前端と前記クリップレスペダル(3)との前記接触領域(9)との間、及び前記モノリシックソール(2)の幅の実質的に中央に位置する前部凹部(6)と、前記モノリシックソール(2)の長さ及び幅の実質的に中央に位置付けられ、側面の少なくとも1つに出現する後部凹部(7)と、を備え、前記前部凹部(6)及び前記後部凹部(7)は、前記クリップレスペダル(3)の前記前部取り付け装置(10)及び前記後部取り付け装置(11)をそれぞれ受け入れ、前記前部クリート(4)及び前記後部クリート(5)をそれぞれ受け入れるように寸法決めされて、それにより、前記前部クリート(4)及び前記後部クリート(5)は、前記前部及び前記後部凹部(6、7)の深さに完全に一体化されることを特徴とする、アセンブリ。
【請求項2】
前記前部クリート(4)が前記前部凹部(6)の後縁(12)と接触し、前記前部クリート(4)の前記前部連結手段(14)が前記モノリシックソール(2)の前方に向けられていることを特徴とする、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記後部クリート(5)が、前記後部凹部(7)の前縁(13)と接触し、前記後部クリート(5)の前記後部連結手段(15)が、前記モノリシックソール(2)の後方に向けられていることを特徴とする、請求項1から2のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記前部凹部(6)及び前記後部凹部(7)の各々が、前記モノリシックソール(2)の厚さを貫通する少なくとも1つの孔を備え、前記孔が、固定部(16)と協働するように設計されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記後部凹部(7)の前縁が、前記後部凹部(7)内で突出し、前記後部クリート(5)と前記後部凹部(7)が出現する前記モノリシックソール(2)の側面との間に位置する突起(8)を備え、前記突起(8)が、前記シューズ(1)の取り外し局面で前記クリップレスペダル(3)の前記後部取り付け装置(11)を前記モノリシックソール(2)の後方に向かって押すように設計されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記モノリシックソール(2)の前記下面は、ペダリング局面並びに前記シューズ(1)の取り付け及び取り外し局面中に、前記前部凹部(6)、前記後部凹部(7)、及び前記クリップレスペダル(3)と接触する領域を除いて、滑り止めの耐摩耗性コーティング(19)によって覆われていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記前部凹部(6)及び前記後部凹部(7)が、ユーザの足の中足骨に面するように配置されるように設計された前記ソールの中足骨領域(9)によって分離され、前記中足骨領域が前記クリップレスペダル(3)との前記接触領域(9)を形成し、前記中足骨領域が前記前部クリート(6)及び前記後部クリート(7)の固定手段(16)を備えず、前記中足骨領域の厚さが4mm以下であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記前部クリート(4)の底面及び前記後部クリート(5)の底面は、前記ソールの前記下面と同一平面にあるか、又は前記ソールの厚さ内にあり、前記前部クリート(4)及び前記後部クリート(5)は、ユーザの足の中足骨に面するように設計された前記ソールの前記中足骨領域によって分離され、前記中足骨領域は、前記クリップレスペダル(3)との前記接触領域(9)を形成することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記前部凹部(6)が、ユーザの足の中足骨に面するように設計され、前記後部凹部(7)が、ユーザの土踏まずに面するように設計されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記前部凹部(6)及び前記後部凹部(7)が、前記ソールの上面に第1の突起及び第2の突起をそれぞれ形成し、前記第1の突起が、ユーザの足の指骨に面するように設計され、前記第2の突起が、ユーザの土踏まずに面するように設計されることを特徴とする、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記中足骨領域が、前記上面と前記後部凹部(7)の深さ以下の前記下面との間の厚さを呈することを特徴とする、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
クリップレスペダルと、請求項1から11のいずれか一項に記載のアセンブリとを備えるキットであって、前記前部凹部(6)及び後部凹部(7)は、前記クリップレスペダル(3)の前記前部取り付け装置(10)及び前記後部取り付け装置(11)をそれぞれ受け入れ、前記クリップレスペダルは、前記前部取り付け装置(10)と前記後部取り付け装置(11)との間に配置され、前記クリップレスペダル(3)の回転シャフトに面する支持領域を有し、前記接触領域(9)は前記支持領域を押圧する、キット。
【請求項13】
前部取り付け装置(10)と後部取り付け装置(11)との間に配置され、クリップレスペダル(3)の回転シャフトに面する支持領域を有する前記クリップレスペダル(3)を有する請求項1から11のいずれか一項に記載のアセンブリを固定するための方法であって、
前記アセンブリ及び前記クリップレスペダル(3)を設けるステップと、
前記前部クリート(4)を前記前部取り付け装置(10)に固定するステップと、
前記後部クリート(5)を前記後部取り付け装置(11)に固定するステップと、を含み、前記ソール(2)の前記中足骨領域(9)が前記クリップレスペダル(3)の前記支持領域を直接押圧する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、クリップレスペダルと呼ばれる取り付け装置を備えたサイクルペダルと協働するように設計されたサイクリングシューズ用のモノリシックソールを提供することである。クリップレスペダルは、特にペダル式自転車の上向き局面において、シューズからクリップレスペダルに力を効率的に伝達するために、シューズとの取り外し可能な機械的連結を可能にする。ソールの下に固定され、連結手段を備えるクリートは、クリップレスペダルへのシューズの取り付け及びクリップレスペダルからのシューズの取り外しを可能にする。したがって、このクリートはクリップレスペダルとシューズとの間の境界面部分である。
【0002】
前述のモノリシックソールは、プラスチック又は複合材料から作製され、ペダリング動作を受けたときにできる限り変形しないように大きな剛性を提供する。
【0003】
本発明によるモノリシックソールは、ペダリング動作を必要とする任意の装置と共に使用することができるが、ロード及びグラベルサイクリング並びにサイクルツーリングに特に適している。
【背景技術】
【0004】
一般的に、性能が求められる現代のサイクリングの分野では、クリップレスペダルの使用が一般化されており、それらの設計は、ロードサイクリング用のロードペダルとマウンテンバイク用のMTBペダルの2つのタイプに分けることができる。これらのペダルは、同様の動作様式を呈し、すなわち、大抵固定されている前部と、後部を前部に向かって押す傾向がある弾性部材を備える可動後部とを備える少なくとも1つの取り付け装置を備え、こうして2つの部分はグリップを形成する。クリップレスペダルの取り付け装置は、シューズのソールの下の固定クリートに掛止するように設計されており、該クリートは、前部連結手段及び後部連結手段を備える。
【0005】
ロードサイクリング及びマウンテンバイク用のペダル、クリート及びシューズは、いくつかの態様において異なり、以下のように異なる利点及び欠点を提示する。
【0006】
-ロード使用のためのクリップレスペダルは、単一の取り付け装置を備え、ペダリング力が可能な限り最良に伝達及び分配されるようにクリートと接触する大きな表面を有するように設計されている。ロードのクリップレスペダル用のクリートは、一般にプラスチックから作製され、大きなサイズであり、ペダルに固定するための前部連結手段及び後部連結手段を備え、歩行局面中に該連結手段を保護する「歩行パッチ」と呼ばれる突起を備える。これらは、一般に3本のボルトによってシューズのソールの下に固定される。ロードサイクリングシューズは、ペダリング力をシューズからペダルに最適な方法で伝達する目的のため、できるだけ剛性であるようにプラスチック又は複合材料から作製されたソールを備える。ソールの下に固定されたクリートの厚さは、歩行局面における地面への接触がクリートの「歩行パッチ」を形成するパッド上で起こるようなものであるとき、それらは軽量であり、スタッドが設けられていない。
【0007】
-MTBクリップレスペダルは、その表面のそれぞれに取り付け装置を有して、バランスを崩しているユーザがペダルにシューズを固定する時間がわずかしかないことが多い急傾斜地でシューズの取り付け動作をより容易に実施するようにする。MTBクリップレスペダルは、ソール、クリート又はペダルに不純物(泥、石、葉など)が詰まっている場合でも、シューズを取り付けることを可能にするためにクリートと非常に小さな接触面を有する。MTBクリートは、一般に金属製であり、寸法が小さくて薄く、一般に2本のボルトによってシューズのソールの下に固定される。MTBシューズは、ロードシューズよりも剛性が低いソールを備え、その下面は、その表面のほぼ全体にわたって滑り止めの耐摩耗性コーティングによって覆われている。歩行局面中に地面に接触しないように凹部の深さにクリートが収容される前述の滑り止めコーティングには該凹部が存在する。
【0008】
ロードシューズの欠点は、ソールから突出する突起を形成する、中足骨領域内で、主にソールの下に配置されたクリートに起因して、事実上歩行することが不可能であるという事実にある。これらのシューズのユーザは、数メートルしか歩くことができない。ユーザは、より長い距離を歩きたい場合、又は例えば、自分のサイクリング場所に到達するために自分の車を運転したい場合、又は、再び非常に単に、自分のサイクルツーリング活動の一部として歩いているときに快適な靴を履きたい場合、歩行専用の別の1対のシューズに交換することを強いられる。さらに、密着性がほとんどない硬質プラスチッククリートのために滑る危険があるため、ロードシューズで歩くことは危険であり得る。
【0009】
MTBシューズは、歩行がより容易なのでこの欠点を克服することができるが、剛性の欠如及び使用されるクリートは、ロードシューズと同じペダリング力の良好な伝達及び快適性のレベルを提供しない。
【0010】
仏国特許第3016153号明細書は、2つの部分でシューズ及び特定のクリートから構成されるアセンブリを用いて、提起された問題に対する解決策を提案している。この解決策は、クリートの前部取り付け手段と後部取り付け手段との間の中足骨領域内で靴の全幅にわたって弾力的にされるシューズのソールにある。クリートは、2つの別個の部分、すなわち前部クリート及び後部クリートに分割され、その結果、ソールの弾性領域は、屈曲の自由度を維持することができる。さらに、ソールのスタッドに前部及び後部クリートが突出しないように埋め込まれているので、ユーザが歩行しているときにクリートが地面に触れることがない。この解決策の利点は、シューズで得られる足どりが歩行専用のシューズの足どりに近いことであり、これは当該の問題に対する答えを提供する。しかしながら、この解決策は、他方で、以下の欠点を含む。
【0011】
-このようなソールを備えたシューズは、剛性モノリシックソールを備える従来のロードシューズよりも剛性が低く、したがってペダリング局面で力を伝達する効率が低い。
【0012】
-ソールを弾性にする装置は、シューズに追加の重量を加える。
【0013】
したがって、この解決策は、ユーザがロードサイクリングクリップレスペダルを使用する可能性を提供しながら歩行することを可能にするが、ペダリングには効率的ではない。したがって、使用範囲は、むしろ都市環境における通勤サイクリングの範囲である。ロードサイクリング及びサイクルツーリングには、この解決策は適していない。
【0014】
したがって、ロードサイクリング及びサイクルツーリング活動の場合、現時点では、ユーザが容易に、快適に、安全に歩くことを可能にするペダリング局面中に効率的なシューズはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によるモノリシックサイクリングシューズのソールは、クリートが該モノリシックソールの底面から突出していないため、従来のサイクリングシューズを用いて歩き回ることによってもたらされる問題に対する解決策を提供する。したがって、歩行は快適で安全であり、剛性及び重量は現在のロードサイクリングシューズと同一のままである。したがって、本発明によるモノリシックソールを備えたシューズは、ペダリング局面において良好な性能及び快適性を維持する。
【0018】
本発明によれば、この目的は、プラスチック製又は複合材料製のサイクリングシューズの剛性モノリシックソールと、クリップレスペダルの前部取り付け装置と協働するように設計された前部連結手段を備える前部クリートと、該クリップレスペダルの後部取り付け装置と協働するように設計された後部連結手段を備える後部クリートとで構成されたアセンブリによって達成され、該クリートは、該モノリシックソールの下面に固定される。アセンブリは、その下面において、モノリシックソールが、ソールの前端とクリップレスペダルとの接触領域との間、及び該モノリシックソールの幅の実質的に中央に位置する前部凹部と、該モノリシックソールの長さ及び幅の実質的に中央に位置付けられ、該モノリシックソールの側面の少なくとも1つに出現する後部凹部と、を備え、該前部及び後部凹部が、該クリップレスペダルの前部取り付け装置及び後部取り付け装置をそれぞれ受け入れ、前部クリート及び後部クリートをそれぞれ受け入れるように寸法決めされて、それにより、それらが該前部及び後部凹部の深さに完全に一体化されるという点で、注目に値する。
【0019】
本発明の他の特徴によれば、
-前部クリートは、前部凹部の後縁と接触して位置付けられ、該前部クリートの連結手段は、モノリシックソールの前部に向けられ、
-後部クリートは、後部凹部の前縁と接触して位置付けられ、該後部クリートの連結手段は、モノリシックソールの後部に向けられ、
-前部凹部及び後部凹部は各々、モノリシックソールの厚さを貫通する少なくとも1つの孔を備え、該孔は、前部及び後部クリートの固定部と協働するように設計され、
-後部凹部の前縁は、該後部凹部内で突出し、後部クリートと、後部凹部が出現するモノリシックソールの側面との間に位置する突起を備え、該突起は、シューズの取り外し局面においてクリップレスペダルの後部取り付け装置をモノリシックソールの後方に向かって押すように設計され、
-前部凹部の後縁と前縁との間の距離は、クリップレスペダルの前部取り付け装置が該ペダルでのシューズの取り付け局面で通過することを可能にするように寸法設定され、
-前部凹部の側方縁間の距離は、モノリシックソールの前側で、該モノリシックソールの後側よりも大きく、
-モノリシックソールの下面は、ペダリング局面並びにシューズの取り付け及び取り外し局面中に前部凹部、後部凹部、及びクリップレスペダルと接触する領域を除いて、粘着性、耐摩耗性コーティングによって覆われている。
【0020】
代替実施形態によれば、
-前部凹部がソールの前端に出現している。
【0021】
-ソールが、2つの側壁と、つま先を覆う前壁と、かかとを覆う後壁とを備え、アセンブリが単一部品を形成する。
【0022】
本発明の目的はまた、ペダリング局面における足とペダルとの間の力の伝達を容易にするキットを提供することである。
【0023】
本発明によれば、この目的は、クリップレスペダルと、前述の構成のうちの1つによるアセンブリとを備えるキットによって達成され、前部凹部及び後部凹部は、該クリップレスペダルの前部取り付け装置及び後部取り付け装置をそれぞれ受け入れ、クリップレスペダルは、前部取り付け装置と後部取り付け装置との間に配置され、クリップレスペダルの回転シャフトに面する支持領域を有し、接触領域は支持領域を押圧する。
【0024】
本発明のさらなる目的は、前述の構成の1つによるアセンブリとクリップレスペダルとの間に固定して、ペダリング時に力の伝達を向上させる連結を形成するための方法を提供することである。
【0025】
クリップレスペダルを用いて前述の構成のいずれか1つによるアセンブリを固定するための方法は、クリップレスペダルが、前部取り付け装置と後部取り付け装置との間に配置され、クリップレスペダルの回転シャフトに面する支持領域を有している点、及び方法が、
-アセンブリ及びクリップレスペダルを設けるステップと、
-前部クリートを前部取り付け装置に固定するステップと、
-後部クリートを後部取り付け装置に固定するステップと、を含み、ソールの中足骨領域がクリップレスペダルの支持領域を直接押圧する点で、注目に値する。
【0026】
他の利点及び特徴は、非限定的な例示目的のためにのみ与えられ、添付の図面に表される本発明の特定の実施形態及び実装様式の以下の説明からより明確に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】固定手段を備えた前部及び後部クリートを備えた本発明によるモノリシックソールを有するシューズで構成されたアセンブリであって、ペダリング位置でクリップレスペダルに取り付けられているアセンブリの底部及び内側の三次元図を表す。
【
図2】クリップレスペダルの前部及び後部取り付け装置を見ることができるクリップレスペダルの上面の三次元図である。
【
図3】固定手段を備えた前部及び後部クリートを備えた本発明によるモノリシックソールの底部及び外側の三次元図である。ペダル上のソールの接触領域は、一点鎖線によって画定される。
【
図4】固定手段を備えた前部クリートの底面の三次元図である。
【
図5】2つの固定手段を有する後部クリートの底面の三次元図である。
【
図6】後部凹部の領域にわたって拡大された、固定手段を有する後部クリートを備えた本発明によるモノリシックソールの底面図を表す。
【
図7】固定手段を有する前部及び後部クリート並びにクリップレスペダルを備えた本発明によるモノリシックソールを有するシューズから構成されたアセンブリであって、シューズの中間取り外し局面が表されるアセンブリの底部及び外側の三次元図を表す。
【
図8】固定手段を有する前部及び後部クリート並びに後部クリップレスペダルを備えた本発明によるモノリシックソールを有するシューズから構成されるアセンブリであって、クリップレスペダルでのシューズの中間取り付け局面が表されるアセンブリの底部及び内側の三次元図を表す。
【
図9】本発明によるモノリシックソールの上部及び内側の三次元図である。
【
図10】固定手段を備え、ゴムスタッドで部分的にコーティングされた前部及び後部クリートを備えた、本発明によるモノリシックソールの底面及び内側の三次元図を表す。
【
図11】2つの側壁、すなわち前壁及び後壁を備えるモノリシックソールの上面及び内側の三次元で見られる本発明の代替実施形態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明によるモノリシックソール2を備え、前部クリート4及び後部クリート5を備え、アセンブリがクリップレスペダル3に取り付けられているロードサイクリングシューズ1を示す。
【0029】
図1~
図3を参照すると、本発明によるモノリシックソール2は、プラスチック製又は複合材料製であり、その剛性は、ユーザがペダリング動作を行うときにユーザによって加えられる力を受けたときにできる限り変形しないようなものである。前述のモノリシックソール2は、その下面に、
-モノリシックソール2の前端とクリップレスペダル3との接触領域9との間に位置し、該モノリシックソール2の幅の実質的に中央に位置する前部凹部6と、
-前述のモノリシックソール2の長さ及び幅の中央に明らかに位置付けられ、該モノリシックソール2の内部側面に出現する後部凹部7と、を備える。内側は、ユーザがペダリングしているときに自転車のペダルシステムと同じ側に位置するものである。
【0030】
したがって、前部凹部6は、足の指骨の領域に位置し、後部凹部7は、土踏まずの領域に位置する。前述の前部及び後部凹部6、7は、クリップレスペダル3の前部取り付け装置10及び後部取り付け装置11をそれぞれ受け入れ、前部クリート4及び後部クリート5をそれぞれ受け入れるように寸法決めされて、それにより、それらは該前部及び後部凹部6、7の深さ内に完全に一体化される。したがって、前部及び後部クリート4、5は、モノリシックソール2から突出しておらず、これは、ユーザが、該クリート4、5が地面上でのソールの動きを妨げることなく歩くことができることを意味する。
【0031】
図3を参照すると、前部及び後部凹部6、7との間の中足骨領域に位置する領域9は滑らかであり、シューズ1からクリップレスペダル3に力を直接伝達するためにクリップレスペダル3の上面との直接接触専用であり、それによってペダリング局面での性能を向上させる。この直接接触の他の利点は、モノリシックソール2とクリップレスペダル3との間の距離が結果的に0であることであり、これはペダリング時の性能を高めるために求められる特徴(「バイオポジション」と呼ばれる)である。
【0032】
図3~
図5を参照すると、前部クリート4は、前部凹部6の後縁12と接触して配置され、前部連結手段14によってモノリシックソール2の前方に向けられる。後部クリート5は、後部凹部7の前縁13と接触して配置され、後部連結手段15によって該モノリシックソール2の後方に向けられる。
【0033】
前部凹部6は、前部クリート4を固定するため固定手段16を受け入れるように設計されたモノリシックソール2を貫通する孔を備える。後部凹部7は、後部クリート5を固定するため固定手段16を受け入れるように設計されたモノリシックソール2を貫通する2つの孔を備える。固定手段16は、シューズ1の内側に設けられたナットに挿入されるか、又はモノリシックソール2の材料内に沈下される。
【0034】
図6を参照すると、後部凹部7の前縁は、該後部凹部7内に突出する突起8を備える。該突起8は、後部クリート5と、後部凹部7が出現するモノリシックソール2の側面との間に位置する。突起8は、シューズ1の回転運動が自転車の外側に向かって行われるとき、クリップレスペダル3の後部取り付け装置11をモノリシックソール2の後部に向かって押すように設計されている。
【0035】
後部凹部7は、クリップレスペダル3の後部取り付け装置11がシューズ1の取り外し局面中に通過することができるように、モノリシックソールの内部側面に出現する(以下の段落にて説明される)。
【0036】
図7の例によれば、ペダリング位置からのシューズの取り外し局面において、ユーザは足を回転し、かかとが自転車の外側に向かって移動する(大きな矢印によって表される動作)。この移動中、クリップレスペダル3の後部取り付け装置11は、モノリシックソール2の後部凹部7内を移動する。モノリシックソール2に対するこの移動が行われると、後部取り付け装置11は突起8と接触し、突起8は、後部取り付け装置11をモノリシックソール2の後部に向かって押す(小さな矢印で表される移動)。後部取り付け装置11が弾性部材によって予め応力が加えられると、弾性部材の動きにより、シューズ1の取り外しに抵抗する力が生じる。この第1の局面の間、シューズ1はクリップレスペダル3に取り付けられたままであり、足の回転運動を追跡することによって、後部取り付け装置11が後部クリート5から逃げるときにシューズ1が取り外されるようになる。前部取り付け装置10が後部クリート5から取り外されると、後部取り付け装置11は前部クリート4から自然に離れる。
【0037】
図2及び
図3を参照すると、後縁12と前部凹部6の前縁との間の距離は、クリップレスペダル3の前部取り付け装置10が該ペダル3のシューズ1の取り付け局面において通過することを可能にするように寸法設定される(以下の段落にて説明される)。前部凹部6の側方縁間の距離は、後側よりも前側の方が大きい。したがって、前部凹部6は、クリップレスペダル3のシューズ1の取り付け局面において前部取り付け装置10の係合及び案内を容易にするために、後部により狭いチャネルを形成する。
【0038】
図8を参照すると、取り付け動作は、前部クリート4の前部連結手段14が前部取り付け装置10に係合するまで、モノリシックソール2の底面と前部及び後部取り付け装置10、11が位置するクリップレスペダル3の表面との間の接触を維持しながら、ペダルの後部から前部へのクリップレスペダル3に対するシューズ1の相対運動(矢印で示す方向)によって行われ、続いてかかとの下方への移動(小さい矢印で示す)により、該クリップレスペダル3の後部取り付け装置11に後部クリート5が挿入されるようになる。
【0039】
図9は、前部及び後部凹部6、7が、モノリシックソール2の上面に前部膨出部17及び後部膨出部18をそれぞれ形成することを示す。後部膨出部18は、ユーザの土踏まずの自然な凹部のレベルに位置し、前部膨出部17は、ユーザの指骨の自然な凹部に位置する。これにより、足と前部及び後部の膨出部17、18との間の接触は、いかなる不都合も引き起こさず、したがってユーザの快適さを維持する。
【0040】
図10を参照すると、本発明によるモノリシックソール2は、ゴム又は同様のタイプの粘着性、耐摩耗性コーティング19によって部分的に覆われている。ペダリング局面並びにシューズ1の取り付け及び取り外し局面で、モノリシックソール2がクリップレスペダル3を押圧する領域は、コーティング19によって保護される。
【0041】
別の実施形態では、モノリシックソール2の厚さは、その上面が滑らかである。前部及び後部凹部6、7は、該モノリシックソール2の厚さの中に沈下され、したがって、膨出部17、18は、この実施形態ではもはや存在しない。
【0042】
異なる実施形態では、突起8は、後部クリート5、後部連結手段15、及び突起8に一体化され、次いで単一部品を形成する。
【0043】
別の実施形態によれば、後部凹部は出現せず、モノリシックソール2の内部側面の近くで停止し、後部凹部7の2つの側方縁間の距離は、シューズを取り外すことを可能にする程のものである。
【0044】
別の実施形態によれば、前部凹部6は、ソールの前端に出現する。
【0045】
図11に示す実施形態では、本発明によるモノリシックソール2は、2つの側壁20と、つま先を全体的又は部分的に覆う前壁21と、かかとを全体的又は部分的に覆う後壁22とを備え、アセンブリは単一部品である。
【0046】
言及された他の実施形態は、主な実施形態で記載された特定の特徴を組み合わせるか、又は置き換えることができる。
【0047】
記載された発明は、タールマック及び砂利での競争サイクリングに特によく適しており、サイクルツーリングも含む。
【0048】
上記に示すように、クリップレスペダルに関連する可能性があるソール、アセンブリ、及びシューズは、主にタールマック又は砂利でサイクリングすることを意図している。ソールは、サイクリストがペダルに加える力をできるだけ効率的に伝達するように剛性である必要がある。したがって、ソールは、クロスカントリーシューズを除いてマウンテンバイク(MTB)に見られる同等のソールよりも剛性が高い。
【0049】
今日、ロードレース用及びアマチュア愛好者用のサイクリングシューズは、ほとんどすべてが、デルタクリートとも呼ばれる三角形のクリートを固定するための孔である3つ以上の孔をその表面に画定する剛性ソールによって形成されている。この構成は、良好な動力伝達を確保するために十分に剛性であるモノリシックソールを有することを可能にする。クリートは、ソールの下面から突出して嵌合され、ペダルに嵌合する。
【0050】
残念ながら、この構成は最適ではない。サイクリストとペダルシステムとの間の動力伝達の効率を高めるために、ペダルの回転中に最大量の動力が伝達されるように、足とペダルの回転軸線との間の距離を可能な限り小さくすることが特に有利である。
【0051】
したがって、従来技術のソールの構成を変更して、同時にロードサイクリングに使用するのに十分剛性である薄いソールを得ることが特に有利である。
【0052】
ソールの代替実施形態は、ソールの内側にくり抜かれた空洞内に配置された単一の三角形のクリートを使用することを提案する文献米国特許第4,893,420号明細書に開示されている。しかしながら、この実施形態は実施が困難であり、所望の利点を得られないことは明らかである。
【0053】
従来のロードサイクリングシューズでは、三角形のクリートをソールに正確に固定することを確実にするために、ソールの厚さが一般に6mm以上であるように、ナットは実際には中足骨領域の下のソールの厚さに沈下する。文献米国特許第4,893,420号明細書は、クリートの固定ナットの従来の一体化を使用しているので、これにより、足の中足骨領域に面するソールの厚さが従来のシューズの厚さと実質的に等しくなり、ソールがクリートの周り全体で厚くなる。この一体化は、ユーザがいつものように歩くことができるサイクルツーリングには興味深いものであり得るが、足とペダルシステムとの間の動力伝達の効率を向上させることはできない。
【0054】
また、ソールの剛性が高いほど、シューズが曲がりにくく、前部及び後部クリートを形成する三角形のクリートが特に滑りやすく、人が転倒する可能性があるため、歩行が困難になることが明らかである。従来技術のシューズでは、足の中足骨領域の下に嵌合されたクリートが地面とサイクリストとの間の主な接触点を形成し、その結果、ユーザが歩くと、プラスチッククリートがスライドすることができるピボット点を形成する。転倒の危険性を低減するために、ソールの下にスタッドを一体化することが一般的な慣行である。
【0055】
前述のように、サイクリストとペダルとの間の力の伝達を改善するために、足とペダルとの間、具体的にはペダルの回転軸線と足の中足骨領域との間の境界面の厚さを可能な限り減少させることが好ましい。
【0056】
ソールは、ペダルの上面を押圧するように設計された下面を有する。ソールは、下面の反対側にサイクリストの足を受けるように設計された上面を有する。上面は、1つ又は複数の快適層によって覆うことができる。ソールはまた、対向する内面及び外面を有する。
【0057】
ソールは、前部クリート4を受け入れるように設計された前部凹部6と呼ばれる第1の空洞を画定する。ソールは、後部クリート5を受け入れるように設計された後部凹部7と呼ばれる第2の空洞を画定する。前部クリート4及び後部クリート5は、金属又はポリマー材料又は複合材料から作製することができる。
【0058】
図1、
図3、
図5、
図7、
図8及び
図9に示すように、ペダルを押圧する表面がソールによって形成されることが特に有利である。クリートの中足骨領域9は、良好な動力伝達を確実にする接触領域を形成するようにペダルの上面を押圧する。ソールとペダルとの間に広い押圧領域を有し、それによって力の伝達を高めるように、ソールの湾曲がペダルの上面の湾曲と同一又は実質的に同一であることが特に有利である。
【0059】
従来技術の構成は、ソールとペダルとを分離する1つ又は複数の固定クリートによってペダルがソールに固定されることを可能にするが、図示された構成は、ソールの中足骨領域がペダルを直接押圧することを可能にし、すなわちペダリングの下向きの局面でクリートを介して通過するペダルに足によって与えられる力がない。
【0060】
ソールの中足骨領域9は、前部凹部6と後部凹部7との間に位置する。中足骨領域は、優先的にはいかなる固定手段も欠いており、例えば、従来技術のソールで一般的に見られるナットを備えていない。次いで、従来技術よりも薄い厚さ、例えば4mm未満、好ましくは2mm未満の中足骨領域を形成することが可能である。
【0061】
優先的には、前部凹部6及び後部凹部7は、ユーザの足の中足骨に面するように配置されるように設計されたソールの中足骨領域9によって分離され、中足骨領域はクリップレスペダル3との接触領域9を形成する。中足骨領域には、前部クリート4及び後部クリート7の固定手段16がなく、中足骨領域の厚さは4mm以下である。
【0062】
優先的には、中足骨領域は一定の厚さによって形成される。
【0063】
薄くて剛性の中足骨領域を有するためには、従来使用されている位置に対して前部クリート及び後部クリートをシフトさせることが特に有利である。前部クリートが指骨に面するまで足の前方に向かって前部クリートをシフトさせることが有利である。後部クリートを土踏まずに面するように足の後ろに向かってシフトさせることが有利である。
【0064】
足とペダルとの間の距離を短くすることを可能にするので、ソールから突出して取り付けられたクリートを押圧する代わりに中足骨領域9を押圧することは、特に有利である。しかしながら、ソールの薄い厚さ及び軽量を維持することを可能にするソール構成を選択することも有利である。
【0065】
第1の空洞又は前部凹部6を指骨に面するように設け、ソールの上面に第1の突起を形成することが有利である。第1の突起は、指骨に面して、すなわち力伝達局面で足が軽く押圧するだけの領域に配置される。
【0066】
第2の空洞又は後部凹部7が土踏まずに面するように設けることも有利である。ここでも、第2の空洞に連結された第2の突起がソールの上面に形成される場合、第2の突起は、土踏まずによって形成された凹部の一部を占める。第2の空洞は、ソールの内面にのみ出現する。
【0067】
クリートをソールの厚さに一体化することに関連する突起は、ソールの適切な領域に形成される。
【0068】
第1の突起及び/又は第2の突起の高さを低減するために、凹部の周りのソールの隣接する厚さよりも薄い厚さを有する空洞の上壁を形成することが有利である。空洞の上壁は、関連するクリートの機械的強度において大きな役割を果たさないため、上壁の厚さは、凹部の周りのソールの厚さよりも少なくとも30%小さくすることができる。厚さを少なくとも2分の1にすることがさらに有利である。
【0069】
優先的には、ソールは剛性である、すなわち、該ソールを備えるシューズを履いて歩いたときに変形しない。
【0070】
剛性のソール及び軽量を維持するために、ソールの変形が力の伝達を減少させるのを防止するように、ソールがその全幅にわたって穴を開けられないことが好ましい。
【0071】
ペダリング時に良好な力伝達を確保するために、かかとの下に位置する領域が剛性を高めるリブを提示することが有利である。
【0072】
この構造では、足は、ソールによってペダルの上面からのみ分離され、該当する場合には、ソールの上面に配置されたいくつかの快適層によってペダルの上面からのみ分離される。提示された構成は、4mm未満の厚さ、すなわちクリートの固定を実行するナットの従来の厚さよりも実質的に薄い厚さを有する中足骨領域を形成することを可能にする。
【0073】
有利な構成では、中足骨領域9は、必要に応じて、ユーザがソールで歩くときに中足骨領域9を保護するように設計された補強層によって覆われてもよい。補強層は、前部クリートから後部クリートまで延在することができる。補強層はまた、ペダルに対する中足骨領域の滑りを向上させることができる。補強層を、例えばインサート成形によってソールに直接一体化することも可能である。有利には、補強層の厚さは1mm未満である。
【0074】
図1、
図3、
図5、
図7、
図8及び
図9に示すように、ソール2の底面が湾曲しているか、又は実質的に平坦であることが特に有利である。「湾曲」によって意味されるのは、ソールの下面が中足骨領域からソールの前方先端まで上方に湾曲することである。
【0075】
また、前部クリートの底面がソールの下面と同一平面にあるか、ソールの厚さがわずかに凹んでいることも好ましい。また、後部クリートの底面がソールの内側にあること、すなわち、後部クリートがソールの下面から後部凹部の外側に突出しているか、又はさらには埋め込みされていることも有利である。
【0076】
前部クリートは、固定システム、例えばねじによってソール内に固定される。前部クリートは、必ずしも底壁を押圧することなく、第1の空洞の側面、すなわちソールの幅方向を押圧することが好ましい。
【0077】
この構成は、ソール上に突出して嵌合されるクリートよりも機械的に強い。
【0078】
後部クリートは、固定システム、例えばねじによってソール内に固定される。後部クリートが第1の空洞の側面を押圧することが好ましい。
【0079】
図示の構成では、前部及び後部クリートは、空洞の側面を利用してソールによって付与される強度を高め、それによってソールとペダルとの間の分離操作が行われるときに改善された剪断強度を確保する。
【0080】
このようにして、ペダルの一部がソールの厚さに挿入される。ソールの厚さが薄い場合、前部凹部及び/又は後部凹部は、ソールの厚さよりも高さが高くてもよい。この特定の事例では、前部及び/又は後部凹部内のソールの下面は、関連する突起の周りのソールの上面によって画定される平面より上の平面内に位置する。換言すれば、中足骨領域は、上面と後部凹部の深さ以下の下面との間の厚さを呈する。突起は、ソールを補強する。
【0081】
突起の厚さの一部は、足とソールとを分離するためにソールの上面に配置された1つ又は複数の快適層によって補うことができる。
【0082】
前述のように、ソールがモノリシック、すなわち、単一部品で形成されていることは有利である。ソールが前部空洞及び後部空洞のみを備えることも有利である。
【0083】
図示された異なる実施形態では、前部及び後部クリートをソールの厚さに一体化することにより、インサート、クリート又は他の突出部分のない中足骨領域を得ることが可能になる。ソールの中足骨領域は、ペダルとのより大きな接触領域の形成を可能にするために、優先的に平坦又は平面である。
【0084】
一実施形態では、ソールは、全体が複合材料、例えば炭素繊維から作製される。成形ソールを提供することも可能である。
【0085】
ソールは、前部クリートをソールの前方先端に向かって、又はソールのかかとに向かって移動させるように、ソールの長手方向軸に沿った前部クリートの調整手段を備えることができる。ソールは、後部クリートをソールの前方先端に向かって、又はソールのかかとに向かって移動させるように、ソールの長手方向軸に沿って後部クリートの調整手段を備えることができる。
【0086】
ソールは、前部クリート4及び後部クリート5とそれぞれ協働するように設計された前部及び後部取り付け装置10、11を備えるクリップレスペダルと呼ばれるペダルと協働する。ペダルは、自転車に固定されるように設計された回転シャフトを有する本体を有する。本体は、回転シャフトを中心に回転する。
【0087】
本体は、中足骨領域9を受ける支持面を画定する。ペダリング中、中足骨領域9は、ペダルシステムを回転させる支持面を押圧する。前部取り付け装置及び後部取り付け装置は、支持面及び回転シャフトによって分離される。
【0088】
優先的には、ソールの中足骨領域が支持面を押圧し、ソールの前部が本体の前部を押圧する。ソールの後部が本体の後部を押圧することも有利である。
【0089】
有利には、本体は、突出して取り付けられた前部及び後部取り付け装置10、11を備えたクレードルを画定する。本体は、優先的には、ソールの前部の湾曲と同一又は実質的に同一の湾曲で湾曲している。このようにして、ソールがペダルを押圧すると、従来技術の構成よりも広い支持面を有し、回転シャフト、したがってペダルシステムへの大きな力の伝達を促進する。
【0090】
図示の構成は、剛性であると同時に薄くて軽いソールを形成することを可能にする。例えば、ペダルの回転シャフトに面する中足骨領域から170mmの距離で加えられた25Nの力の付与により、10mm以下の変位が生じ、中足骨領域9が埋め込まれる。力及び変位は、ペダリング力を表すために、かかとの方向に170mmで加えられ、測定される。
【0091】
クリップレスペダル並びにソール及び前部及び後部クリートによって形成されたアセンブリは、ペダリング力の伝達を強化するキットを形成する。
【0092】
前部凹部6及び後部凹部7は、クリップレスペダル3の前部取り付け装置10及び後部取り付け装置11をそれぞれ受け入れる。クリップレスペダルは、前部取り付け装置10と後部取り付け装置11との間に配置され、クリップレスペダル3の回転シャフトに面する支持領域を有し、接触領域9が支持領域を押圧する。
【0093】
前部及び後部クリートを有するソールの特定の構成は、クリップレスペダルへの固定の効率を高める。固定運動学は、一般の人々による受け入れを容易にするために従来のままである。本方法は、
アセンブリ及びクリップレスペダルを提供するステップと、
前部クリートを前部取り付け装置に固定するステップと、
後部クリートを後部取り付け装置に固定するステップと、
を含み、ソールの中足骨領域がクリップレスペダルの支持領域を直接押圧する。
【国際調査報告】