(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】扁平管、マイクロチャネル熱交換器及び空調
(51)【国際特許分類】
F28F 1/00 20060101AFI20221208BHJP
F28F 9/02 20060101ALI20221208BHJP
F28D 1/047 20060101ALI20221208BHJP
F25B 39/00 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
F28F1/00 E
F28F9/02 301E
F28D1/047 C
F25B39/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515481
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(85)【翻訳文提出日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 CN2020111847
(87)【国際公開番号】W WO2021077895
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】201911001998.6
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】魏 文建
(72)【発明者】
【氏名】馬 文勇
(72)【発明者】
【氏名】梁 新宇
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA01
3L103BB42
3L103CC17
3L103CC18
3L103CC23
3L103DD04
3L103DD32
3L103DD70
3L103DD85
(57)【要約】
扁平管(20)、マイクロチャネル熱交換器(80)及び空調であり、扁平管(20)は2枚の薄板(10)を含み、2枚の薄板(10)が溶接されて扁平管(20)を形成し、扁平管(20)は、互いに接続され且つ同一平面に位置する平坦セグメント(11、13、15)及び遷移セグメント(12、14)を含み、扁平管(20)の平面方向において、平坦セグメント(11、13、15)と遷移セグメント(12、14)との間には夾角を有し、平坦セグメント(11、13、15)及び遷移セグメント(12、14)はプレスにより形成され、マイクロチャネル熱交換器(80)は、複数の並んで設置された扁平管(20)と、扁平管(20)の両端に設置され、且つそれに連通されている集流組立体(30)と、扁平管(20)の両側に設置され且つ形状が扁平管(20)と同じであるフィン(40)と、マイクロチャネル熱交換器(80)の両側に設置され且つ扁平管(20)と形状が同じであるサイドプレート(50)とを含み、空調は、マイクロチャネル熱交換器(80)を含む。扁平管(20)の平坦セグメント(11、13、15)と遷移セグメント(12、14)との間には夾角を有し、扁平管(20)及びマイクロチャネル熱交換器(80)のサイズを減少させ、空調内への取り付けが容易であり、平坦セグメント(11、13、15)及び遷移セグメント(12、14)はプレスにより形成されて、扁平管(20)に対する折り曲げが不要になり、加工が容易であるだけでなく、割れも発生しない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平管であって、
前記扁平管は2枚の薄板(10)を含み、2枚の前記薄板(10)が溶接されて前記扁平管を形成し、前記扁平管は、互いに接続された平坦セグメント及び遷移セグメントを含み、前記平坦セグメントと前記遷移セグメントとは同一平面に位置し、前記扁平管の平面方向において、前記平坦セグメントと前記遷移セグメントとの間には夾角を有し、且つ前記平坦セグメント及び前記遷移セグメントはプレスにより形成される、扁平管。
【請求項2】
前記扁平管は、複数の前記平坦セグメントを有し、前記遷移セグメントは隣接する2つの前記平坦セグメントの間に設置され、且つ前記遷移セグメントの側壁は延伸方向に沿って曲形構造となる、請求項1に記載の扁平管。
【請求項3】
前記扁平管は、順次接続された第1の平坦セグメント(11)、第1の遷移セグメント(12)、第2の平坦セグメント(13)、第2の遷移セグメント(14)及び第3の平坦セグメント(15)を有し、前記第1の平坦セグメント(11)と前記第2の平坦セグメント(13)との間には夾角を有し、前記第2の平坦セグメント(13)と前記第3の平坦セグメント(15)との間には夾角を有し、且つ前記第1の平坦セグメント(11)の自由端と前記第3の平坦セグメント(15)の自由端とが前記第2の平坦セグメント(13)の同じ側に位置する、請求項1に記載の扁平管。
【請求項4】
前記第1の平坦セグメント(11)と前記第2の平坦セグメント(13)との間の夾角はaであり、且つ75°≦a≦105°であり、前記第2の平坦セグメント(13)と前記第3の平坦セグメント(15)との間の夾角はbであり、且つ85°≦b≦135°である、請求項3に記載の扁平管。
【請求項5】
前記薄板(10)には複数の接続カム(16)が設置されており、2枚の前記薄板(10)は前記接続カム(16)を介して接続されて前記扁平管を形成し、前記扁平管は通風機の外側を取り囲んで設置されるために用いられ、前記扁平管は対向して設置された内側と外側とを有し、前記扁平管の内側は前記通風機に近接して設置され、少なくとも一部の前記遷移セグメントにおける前記接続カム(16)のサイズは前記扁平管の内側から前記扁平管の外側に向かって徐々に増加する、請求項1に記載の扁平管。
【請求項6】
前記遷移セグメントの長手方向において、前記遷移セグメントには複数列の前記接続カム(16)が設置されており、少なくとも1列の前記接続カム(16)のサイズは一定に保持され、少なくとも1列の前記接続カム(16)のサイズは前記扁平管の内側から前記扁平管の外側に向かって徐々に増加する、請求項5に記載の扁平管。
【請求項7】
前記扁平管の平面に平行な方向において、少なくとも一部の前記接続カム(16)の断面形状は短冊形状である、請求項5に記載の扁平管。
【請求項8】
マイクロチャネル熱交換器であって、
前記マイクロチャネル熱交換器は、
複数の扁平管(20)であり、複数の扁平管(20)は並んで設置され、前記扁平管(20)は請求項1から7のいずれか1項に記載の扁平管である、複数の扁平管(20)と、
集流組立体(30)であり、前記扁平管(20)の両端に設置され、複数の前記扁平管(20)はいずれも前記集流組立体(30)に連通される、集流組立体(30)と、
フィン(40)であり、前記扁平管(20)の両側のいずれにも前記フィン(40)が設置されており、前記フィン(40)の形状は前記扁平管(20)の形状と同じである、フィン(40)と、
前記マイクロチャネル熱交換器の両側に設置されており、前記扁平管(20)と形状が同じであるサイドプレート(50)と、を含むマイクロチャネル熱交換器。
【請求項9】
前記集流組立体(30)は、
2つの集流管(31)であり、前記集流管(31)には複数の配分口(311)が設置されており、複数の前記配分口(311)と複数の前記扁平管(20)とは一対一に対応して設置され、前記扁平管(20)は前記配分口(311)を介して前記集流管(31)に連通される、2つの集流管(31)と、
前記集流管(31)の端部に設置されるエンドカバー(32)と、
前記エンドカバー(32)に穿設されており、一方の前記集流管(31)に連通されるインレットパイプ(33)と、
前記エンドカバー(32)に穿設されており、他方の前記集流管(31)に連通されるアウトレットパイプ(34)と、を含む、請求項8に記載のマイクロチャネル熱交換器。
【請求項10】
請求項8に記載のマイクロチャネル熱交換器を含む、空調。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年10月21日付で中国国家知的財産庁に提出した、出願番号が201911001998.6であり、発明の名称が「扁平管、マイクロチャネル熱交換器及び空調」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願は空調の技術分野に関し、具体的には、扁平管、マイクロチャネル熱交換器及び空調に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、分離式空調は室内機と室外機とを含む。ここで室内機の熱交換器は、フィンチューブ熱交換器を採用して熱交換を行う。マイクロチャネル熱交換器は、熱交換効率が高く冷媒充填量が低い利点を有し、業務用空調分野においてフィンチューブ熱交換器の代わりにマイクロチャネル熱交換器が大きな成功を得られているので、マイクロチャネル熱交換器を開発して、家庭用空調のフィンチューブ熱交換器の代わりにすることを非常に必要とする。
【0004】
ただし関連技術において、分離式空調の室内機の熱交換器の取り付け空間が非常に制限されているので、取り付け空間及び構造等の要因の制限により、マイクロチャネル熱交換器に対して複数回の折り曲げ処理を行う必要があるが、そのようにマイクロチャネル熱交換器が折り曲げられて割れてしまうので正常に使用できなくなる。従って、関連技術にはマイクロチャネル熱交換器が使用要求を満たすことができないという問題がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、関連技術におけるマイクロチャネル熱交換器が使用要求を満たすことができないという問題を解決するために、扁平管、マイクロチャネル熱交換器及び空調を提供する。
【0006】
本出願の一態様によれば、扁平管を提供し、扁平管は2枚の薄板を含み、2枚の薄板が溶接されて扁平管を形成し、扁平管は、互いに接続された平坦セグメント及び遷移セグメントを含み、平坦セグメントと遷移セグメントとは同一平面に位置し、扁平管の平面方向において、平坦セグメントと遷移セグメントとの間には夾角を有し、且つ平坦セグメント及び遷移セグメントはプレスにより形成される。
【0007】
更に、扁平管は、複数の平坦セグメントを有し、遷移セグメントは隣接する2つの平坦セグメントの間に設置され、且つ遷移セグメントの側壁は延伸方向に沿って曲形構造となる。
【0008】
更に、扁平管は、順次接続された第1の平坦セグメント、第1の遷移セグメント、第2の平坦セグメント、第2の遷移セグメント及び第3の平坦セグメントを有し、第1の平坦セグメントと第2の平坦セグメントとの間には夾角を有し、第2の平坦セグメントと第3の平坦セグメントとの間には夾角を有し、且つ第1の平坦セグメントの自由端と第3の平坦セグメントの自由端とが第2の平坦セグメントの同じ側に位置する。
【0009】
更に、第1の平坦セグメントと第2の平坦セグメントとの間の夾角はaであり、且つ75°≦a≦105°であり、第2の平坦セグメントと第3の平坦セグメントとの間の夾角はbであり、且つ85°≦b≦135°である。
【0010】
更に、薄板には複数の接続カムが設置されており、2枚の薄板は接続カムを介して接続されて扁平管を形成し、扁平管は通風機の外側を取り囲んで設置されるために用いられ、扁平管は対向して設置された内側と外側とを有し、扁平管の内側は通風機に近接して設置され、少なくとも一部の遷移セグメントにおける接続カムのサイズは扁平管の内側から扁平管の外側に向かって徐々に増加する。
【0011】
更に、遷移セグメントの長手方向において、遷移セグメントには複数列の接続カムが設置されており、少なくとも1列の接続カムのサイズは一定に保持され、少なくとも1列の接続カムのサイズは扁平管の内側から扁平管の外側に向かって徐々に増加する。
【0012】
更に、扁平管の平面に平行な方向において、少なくとも一部の接続カムの断面形状は短冊形状である。
【0013】
本出願の別の態様によれば、マイクロチャネル熱交換器を提供し、マイクロチャネル熱交換器は、複数の扁平管であり、複数の扁平管は並んで設置され、扁平管は上記の扁平管である、複数の扁平管と、集流組立体であり、扁平管の両端に設置され、複数の扁平管はいずれも集流組立体に連通される、集流組立体と、フィンであり、扁平管の両側のいずれにもフィンが設置されており、フィンの形状は扁平管の形状と同じである、フィンと、マイクロチャネル熱交換器の両側に設置されており、扁平管と形状が同じであるサイドプレートとを含む。
【0014】
更に、集流組立体は、2つの集流管であり、集流管には複数の配分口が設置されており、複数の配分口と複数の扁平管とは一対一に対応して設置され、扁平管は配分口を介して集流管に連通される、2つの集流管と、集流管の端部に設置されるエンドカバーと、エンドカバーに穿設されており、一方の集流管に連通されるインレットパイプと、エンドカバーに穿設されており、他方の集流管に連通されるアウトレットパイプとを含む。
【0015】
本出願の別の態様によれば、上記のマイクロチャネル熱交換器を含む空調を提供する。
【0016】
本出願の技術スキームを適用すると、扁平管は2枚の薄板を含み、2枚の薄板が溶接されて扁平管を形成する。ここで、扁平管は、互いに接続された平坦セグメント及び遷移セグメントを含み、且つ平坦セグメントと遷移セグメントとは同一平面に位置する。具体的には、扁平管の平面方向において、平坦セグメントと遷移セグメントとの間には夾角を有し、且つ平坦セグメント及び遷移セグメントはプレスにより形成される。上記の構造を採用すると、平坦セグメントと遷移セグメントとの間には夾角を有するので、扁平管の体積が減少され、更に、マイクロチャネル熱交換器のサイズを減少でき、マイクロチャネル熱交換器を空調内部に順調に取り付けることができる。また、平坦セグメント及び遷移セグメントはプレスにより形成されるので、扁平管に対する折り曲げが不要になり、扁平管の加工が容易であるだけでなく、扁平管の割れも発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願の解釈のために用いられ、本出願に対する不当な限定を構成するものではない。
【0018】
【
図1】本出願の実施例により提供される扁平管の構造模式図を示す。
【
図5】本出願の実施例により提供される扁平管の別の構造模式図を示す。
【
図6】本出願の実施例により提供されるマイクロチャネル熱交換器の分解図を示す。
【
図7】本出願の実施例により提供されるマイクロチャネル熱交換器の別の分解図を示す。
【
図8】本出願の実施例により提供されるマイクロチャネル熱交換器の組立図を示す。
【
図9】本出願の実施例により提供される空調の構造模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本出願の実施例における図面と組み合わせて、本出願の実施例における技術態様を明確且つ完全に説明するが、もちろん、説明する実施例は本出願の実施例の一部にすぎず全ての実施例ではない。以下の少なくとも1つの例示的な実施例に対する説明は、実際には単なる説明のためのものであり、本出願及びその適用又は使用に対するいかなる制限をなすものでもない。当業者が本出願における実施例に基づいて創造的な作業なしに得られた全ての実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0020】
図1から
図5に示すように、本出願の実施例は、扁平管を提供し、扁平管は2枚の薄板10を含み、2枚の薄板10を溶接することにより、2枚の薄板10が扁平管を形成することができる。ここで扁平管は、互いに接続された平坦セグメント及び遷移セグメントを含み、且つ平坦セグメントと遷移セグメントとが同一平面に位置し、これにより扁平管と他の部材との組立が容易になり、扁平管の平坦セグメント及び遷移セグメントはいずれも他の部材と貼り合わされるか又は一定の距離を保持することができる。本実施例において、扁平管の平面方向で、平坦セグメントと遷移セグメントとの間には夾角を有し、これにより扁平管のサイズの減少が容易であり、且つ平坦セグメント及び遷移セグメントはプレスにより形成されて、扁平管に対する折り曲げが不要になり、扁平管の構造強度を確保することができる。ここで扁平管は、複数の平坦セグメント及び遷移セグメントを含んでよく、平坦セグメント及び遷移セグメントの数、サイズ及び平坦セグメントと遷移セグメントとの間の角度は、実際の必要に応じて設定することができる。
【0021】
本実施例で提供される扁平管を適用し、平坦セグメントと遷移セグメントとの間に夾角を有するようにすることで、扁平管の体積を減少でき、マイクロチャネル熱交換器のサイズを減少でき、更にマイクロチャネル熱交換器を空調内部に順調に取り付けることができる。平坦セグメント及び遷移セグメントはプレスにより形成されるので、扁平管に対する折り曲げが不要になり、扁平管の加工が容易であるだけでなく、扁平管の割れも発生せず、扁平管の構造強度を向上させることができる。また、扁平管は、2枚の薄板10がプレスされた後に溶接され形成されるので、加工が容易であるという利点を有し、扁平管を各種の形状に加工することで、扁平管の実用性を向上させることができる。
【0022】
本実施例において、扁平管の加工過程は、使用要求及び取り付け要求に応じて、薄板10に対してプレスを行い、平坦セグメントと遷移セグメントとの長さ及び角度を制御することで、薄板10を所定の形状及び所定のサイズにプレスした後、プレス成形された薄板10を溶接して扁平管を形成することを含む。
【0023】
ところが関連技術において、分離式空調の室内機の熱交換器の取り付け空間は非常に限られており、実際に熱交換器のコア部のサイズは通常300mmを超えない。ここで、取り付け空間、構造等の要因の制限により、フィンチューブ熱交換器はいずれも複数ブロックを組み合わせる形態をとっている。本実施例で提供される扁平管を採用すると扁平管に対する折り曲げと分割が不要になり、組立が容易である。
【0024】
ここで、遷移セグメントの側壁は延伸方向に沿って直線構造であっても曲形構造であってもよく、必要に応じて遷移セグメントの側壁構造を設定することができる。本実施例において、扁平管は、複数の平坦セグメントを有し、遷移セグメントは隣接する2つの平坦セグメントの間に設置される。扁平管に対する組立が容易になるように、複数の平坦セグメントはいずれも遷移セグメントの同じ側に位置し、これにより扁平管の体積を更に減少できる。具体的には、遷移セグメントの側壁は延伸方向に沿って曲形構造となるようにして、扁平管に対する組立が容易になり、且つ扁平管と他の部材との干渉を回避することができる。
【0025】
本実施例において、扁平管は、順次に接続された第1の平坦セグメント11、第1の遷移セグメント12、第2の平坦セグメント13、第2の遷移セグメント14及び第3の平坦セグメント15を有し、且つ第1の平坦セグメント11と第2の平坦セグメント13との間には夾角を有し、第2の平坦セグメント13と第3の平坦セグメント15との間には夾角を有し、且つ第1の平坦セグメント11の自由端と第3の平坦セグメント15の自由端とが第2の平坦セグメント13の同じ側に位置する。上記の構造を採用すると、第1の平坦セグメント11、第1の遷移セグメント12、第2の平坦セグメント13、第2の遷移セグメント14及び第3の平坦セグメント15により、フック状の構造を形成でき、組立が容易である。他の実施例において、平坦セグメント及び遷移セグメントの数が増減される。
【0026】
組立が容易になるように、第1の平坦セグメント11と第2の平坦セグメント13との間の夾角はaであり、且つ75°≦a≦105°であり、第2の平坦セグメント13と第3の平坦セグメント15との間の夾角はbであり、且つ85°≦b≦135°である。夾角a及び夾角bを上記の範囲内に設定することで、扁平管及び扁平管より形成されるマイクロチャネル熱交換器を空調の取り付け空間内に取り付けることができる。具体的には、空調の取り付け空間の具体的な構造及びサイズと組み合わせて夾角a及び夾角bを設定することができる。ここで、夾角aは、80°、85°、90°、95°及び100°であってよく、夾角bは、90°、95°、100°、105°、110°、115°、120°、125°及び130°であってよい。
【0027】
具体的には、薄板10には複数の接続カム16が設置されており、2枚の薄板10は接続カム16を介して接続されて扁平管を形成する。2つの薄板10を溶接する際に、対応する2つの接続カム16を溶接すればよいので、溶接が容易である。また、複数の接続カム16は間隔をおいて設置され、媒質が複数の接続カム16の間隔内で流れることができる。ここで、扁平管は通風機の外側を取り囲んで設置されるために用いられ、扁平管は対向して設置された内側と外側とを有し、扁平管の内側は通風機に近接して設置され、複数の平坦セグメントはいずれも扁平管の内側に向かって延伸する。接続強度を向上させるために、一部の遷移セグメントにおける接続カム16のサイズは扁平管の内側から扁平管の外側に向かって徐々に増加する。扁平管の外側が比較的に大きい力を受けるので、薄板10を溶接する際に、扁平管の外側の接続カム16のサイズを比較的に大きくすることで、扁平管全体の構造強度を確保することができる。
【0028】
本実施例において、遷移セグメントの長手方向において、遷移セグメントには複数列の接続カム16が設置されており、少なくとも1列の接続カム16のサイズは一定に保持され、少なくとも1列の接続カム16のサイズは扁平管の内側から扁平管の外側に向かって徐々に増加し、これにより、扁平管の接続強度を確保するとともに、媒質の流れる空間を確保することができる。具体的には、遷移セグメントにおいて、隣接する2列の接続カム16のうちの1列の接続カム16のサイズは一定に保持され、他の1列の接続カム16のサイズは扁平管の内側から扁平管の外側に向かって徐々に増加する。
【0029】
本実施例において、扁平管の平面に平行な方向において、少なくとも一部の接続カム16の断面形状は短冊形状である。また、接続カム16の延伸方向が遷移セグメントの長手方向に沿って延伸し、これにより、接続強度を確保するとともに、サイズアップされた接続カム16が媒質の流れに影響を与えない。具体的には、遷移セグメントにおいて、隣接する2列の接続カム16のうちの1列の接続カム16のサイズは一定に保持され、且つこの列の接続カム16の断面形状は円形であり、他の1列の接続カム16のサイズは扁平管の内側から扁平管の外側に向かって徐々に増加し、且つこの列の接続カム16の断面形状は短冊形状である。
【0030】
図6から
図8に示すように、本出願の別の実施例は、複数の扁平管20、集流組立体30、フィン40及びサイドプレート50を含むマイクロチャネル熱交換器を提供する。ここで、複数の扁平管20は並んで設置され、扁平管20は上記の扁平管であり、これにより、マイクロチャネル熱交換器の体積を減少でき、取り付け空間が比較的に小さい空調内にマイクロチャネル熱交換器を適用することができる。ここで集流組立体30は、扁平管20の両端に設置され、且つ複数の扁平管20はいずれも集流組立体30に連通され、扁平管20の両側にはいずれもフィン40が設置されており、フィン40の形状は扁平管20の形状と同じであり、サイドプレート50はマイクロチャネル熱交換器の両側に設置されており、サイドプレート50と扁平管20との形状は同じである。具体的には、マイクロチャネル熱交換器は全アルミニウムマイクロチャネル熱交換器である。
【0031】
具体的には、集流組立体30は、2つの集流管31、エンドカバー32、インレットパイプ33及びアウトレットパイプ34を含み、各集流管31にはいずれも複数の配分口311が設置されており、複数の配分口311と複数の扁平管20とは一対一に対応して設置され、扁平管20は配分口311を介して集流管31に連通される。ここで、エンドカバー32は集流管31の端部に設置され、インレットパイプ33及びアウトレットパイプ34はいずれもエンドカバー32に穿設されており、インレットパイプ33は一方の集流管31に連通され、アウトレットパイプ34は他方の集流管31に連通されて、媒質はインレットパイプ33を介して集流管31に入り、扁平管20を介して熱交換した後、媒質は他方の集流管31を介してアウトレットパイプ34から流れ出てもよい。
【0032】
ここで、マイクロチャネル熱交換器の両端には、更に水受けトレイ60設置されており、水受けトレイ60を利用して結露水を集めることができ、結露水の他の部材に対する破壊を回避することができる。具体的にはマイクロチャネル熱交換器は通風機70の外周を取り囲んで設置され、これにより熱交換効率を向上させることができる。
【0033】
図9に示すように、本出願の他の実施例は空調を提供し、空調は上記のマイクロチャネル熱交換器80を含む。マイクロチャネル熱交換器を適用することで、熱交換効率を向上させることができ、組立が容易になる。ここで、空調は分離式及び壁掛け式空調を含む。
【0034】
本実施例で提供された装置により、以下の有利な効果を有する。
(1)マイクロチャネル熱交換器の薄板は一体プレスされ、フック状(折り曲げ処理ではない)に一度に成形されるので、マイクロチャネル熱交換器のコア部は折り曲げ処理が不要になり、通常のマイクロチャネル熱交換器を採用して小型サイズの範囲内で複数回折り曲げる問題を回避することができ、製品の信頼性を顕著に向上させることができる。
(2)マイクロチャネル熱交換器のコア部が「フック」状に設計され、構造が小型である利点を有し、取り付け空間との組み合わせが容易になり、空間の節約が可能である。取り付ける際に、集流管31は水平で、扁平管20は垂直であり、結露水が扁平管の壁に沿って水受けトレイ60に流れ込んで排出できるので、排水能力がより高い。
(3)銅管アルミニウムフィンの熱交換器に比べて、本実施例で提供された熱交換器は、全アルミニウムマイクロチャネル熱交換器の共通の利点を有し、高い熱交換効率、低い冷媒充填量、低コスト及び回収し易い等の利点を有する。
(4)通常のマイクロチャネル熱交換器に比べて、本実施例で提供されたマイクロチャネル熱交換器の扁平管は、腐食耐性の高い複数の層の複合アルミニウム箔を採用してプレスにより形成され、熱間押出による多孔扁平管より腐食防止能力がより高い。
【0035】
ここで用いられる用語は具体的な実施形態を説明するためのものにすぎず、本出願による例示的な実施形態を限定することを意図するものではないことに注意すべきである。ここで用いられるように、文脈において別途明確に指摘されていない限り、単数形式も複数形式を含むことを意図し、更に、本明細書において「包含する」及び/又は「含む」という用語が用いられる場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、組立体及び/又はそれらの組み合わせが存在することを意味することも理解すべきである。
【0036】
別途に具体的に説明されていない限り、これらの実施例に記載された部材及びステップの相対的な配置、数式及び数値は、本出願の範囲を限定するものではない。同時に、説明の便宜上、図面に示された各部分の寸法は実際の比率関係で描かれたものではないことは理解すべきである。当業者に既知の技術、方法及び機器については詳細な説明を省略する場合があるが、必要に応じて、この技術、方法及び機器は、承認された明細書の一部としてみなされるべきである。ここで示し且つ説明した全ての例はいずれの具体的な値も例示的なものにすぎず、限定するためのものではないと解釈すべきである。従って、例示的な実施例の他の例は異なる値を有してもよい。類似した符号及び文字は以下の図面において類似したものを表すため、あるものが1つの図面において定義されるとその後の図面においてはそれについて更に説明する必要がないことに注意すべきである。
【0037】
本出願の説明において、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縦方向、垂直、水平」及び「頂、底」等のような方位用語で表される方位又は位置関係は、一般的に図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本出願の説明を容易にし、且つ簡潔にするためのものにすぎず、逆の説明がない場合、これらの方位用語は、示された装置又は素子が必ずしも特定の方位を有するか又は特定の方位で構成し操作されることを示すか、あるいは暗示するものではないため、本出願の保護範囲を限定するものとして理解すべきではなく、「内、外」という方位用語は、各部材自体の輪郭に対する内、外であることは理解すべきである。
【0038】
説明の便宜上、ここでは「…の上に」、「…の上方に」、「…の上面に」、「上側の」等のような空間相対用語を用いて、図面に示すような1つのデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を説明することができる。空間相対用語は、デバイスの図面に記載された方位以外の、使用又は操作中の異なる方位を包含することを意図するものであることは理解すべきである。例えば、図面中のデバイスの上下が倒置されると、「他のデバイス又は構造の上方に」又は「他のデバイス又は構造の上に」と説明されたデバイスは、その後「他のデバイス又は構造の下方に」又は「他のデバイス又は構造の下に」と位置付けられることになる。よって、例示的な用語「…の上方に」は、「…の上方に」及び「…の下方に」の2つの方位を含むことができる。このデバイスは、他の異なる方法で位置付けし(90度回転又は他の方位に位置する)、且つここで用いられる空間の相対的な説明について対応する解釈を行うこともできる。
【0039】
更に、留意すべきこととして、「第1」、「第2」等の用語を用いて部品を限定することは、対応する部品を区別するためのものにすぎず、特に説明がない限り、上記の用語は特別な意味を持たないため、本出願の保護範囲を限定するものとして理解すべきではない。
【0040】
以上の説明は、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を限定するものではない。当業者は、本出願に対して各種の修正及び変更を行ってもよい。本出願の精神と原則内でなされる任意の修正、同等の置き換え、改良等はいずれも本出願の保護範囲に包まれるべきである。
【符号の説明】
【0041】
10 薄板、11 第1の平坦セグメント、12 第1の遷移セグメント、13 第2の平坦セグメント、14 第2の遷移セグメント、15 第3の平坦セグメント、16 接続カム、20 扁平管、30 集流組立体、31 集流管、311 配分口、32 エンドカバー、33 インレットパイプ、34 アウトレットパイプ、40 フィン、50 サイドプレート、60 水受けトレイ、70、通風機、80 マイクロチャネル熱交換器、a 第1の平坦セグメントと第2の平坦セグメントとの間の夾角、b 第2の平坦セグメントと第3の平坦セグメントとの間の夾角。
【国際調査報告】