(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】ガスタービン発電機における低速を検出するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02P 9/04 20060101AFI20221208BHJP
H02P 103/20 20150101ALN20221208BHJP
H02P 101/25 20150101ALN20221208BHJP
【FI】
H02P9/04 F
H02P103:20
H02P101:25
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519065
(86)(22)【出願日】2020-10-13
(85)【翻訳文提出日】2022-05-23
(86)【国際出願番号】 US2020055367
(87)【国際公開番号】W WO2021080818
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ロッチャ メルカド、ボリス ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】ソリア オルティス、ホルヘ ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】エレーラ、ヘクター ハビエル
(72)【発明者】
【氏名】グエン、ジョン タン
(72)【発明者】
【氏名】トラン、ナム タン
(72)【発明者】
【氏名】トロンブリー、ジョエル キース
(72)【発明者】
【氏名】クリーン、ランドール ジョン
【テーマコード(参考)】
5H590
【Fターム(参考)】
5H590CA08
5H590CC02
5H590CC29
5H590CD01
5H590CD03
5H590CE01
5H590DD64
5H590FC12
5H590FC15
5H590FC22
5H590HA02
5H590HA08
5H590HA09
5H590HA27
5H590HA28
5H590JA02
5H590JB02
(57)【要約】
発電システムの制御システムは、シャフトを介してタービンに結合された発電機を含む。制御システムは、命令を記憶するメモリを含む。制御システムはまた、メモリに結合され、命令を実行するように構成されたプロセッサを含む。命令が実行されると、プロセッサは、自動電圧調整器(AVR)から直流(DC)リンク電圧を受け取り、AVRは、発電機の電圧特性を制御し、DCリンク電圧に基づいて発電機の速度を判定するように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト(13)を介してタービン(12、48)に結合された発電機(14)を備える発電システム(10、40)の制御システムであって、
命令を記憶するメモリ(68)と、
前記メモリ(68)に結合され、前記命令を実行するように構成されたプロセッサ(66)であって、前記命令は、実行されると、前記プロセッサ(66)に、
前記発電機(14)の電圧特性を制御するように構成された自動電圧調整器(AVR)(52)から直流(DC)リンク電圧(70)を受け取らせ、かつ
前記DCリンク電圧(70)に基づいて前記発電機(14)の速度を判定させる、
プロセッサ(66)と
を備える、制御システム。
【請求項2】
前記プロセッサ(66)は、前記命令が実行されると、前記発電機(14)が停止したかどうかを判定するように構成される、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記DCリンク電圧(70)に基づいて前記発電機(14)の前記速度を判定することは、前記シャフト(13)の速度を判定することを含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記プロセッサ(66)は、前記命令が実行されると、数学的モデル(78)又はルックアップテーブル(80)を利用して、前記DCリンク電圧(70)に基づいて前記発電機(14)の前記速度を判定するように構成される、請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記タービン(48)はガスタービン(42)を含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項6】
前記DCリンク電圧(70)は、前記シャフト(13)に結合された永久磁石発電機(50)から前記AVR(52)が受け取った電圧の整流電圧を含む、請求項1に記載の制御システム。
【請求項7】
シャフト(13)を介してタービン(12、48)に結合された発電機(14)を備える発電システム(10、40)の制御システムのプロセッサ(66)によって実行されるように構成された命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、前記プロセッサ(66)に、
前記発電機(14)の電圧特性を制御するように構成された自動電圧調整器(AVR)(52)から直流(DC)リンク電圧(70)を受け取らせ、
前記DCリンク電圧(70)に基づいて前記発電機(14)の速度を判定させる
ように構成された命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記発電機(14)が停止したかどうかを前記プロセッサ(66)に判定させるように構成された命令を含む、請求項7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記DCリンク電圧(70)に基づいて前記発電機(14)の前記速度を判定することが、前記シャフト(13)の速度を判定することを含む、請求項7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記プロセッサ(66)に、数学的モデル(78)又はルックアップテーブル(80)を利用して、前記DCリンク電圧(70)に基づいて前記発電機(14)の前記速度を判定させるように構成された命令を含む、請求項7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記タービン(48)はガスタービン(42)を含む、請求項7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記DCリンク電圧(70)は、前記シャフト(13)に結合された永久磁石発電機(50)から前記AVR(52)が受け取った電圧の整流電圧を含む、請求項7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
タービン(12、48)と、
シャフト(13)を介して前記タービン(12、48)に結合された発電機(14)と、
前記発電機(14)の電圧特性を制御するように構成された自動電圧調整器(AVR)(52)と、
前記AVR(52)から電圧を受け取り、前記電圧に基づいて前記発電機(14)の速度を判定するように構成されたコントローラ(32)と
を備える、発電システム(10)。
【請求項14】
前記AVR(52)は、直流(DC)リンク(58)を介してインバータ(56)に結合されたダイオード整流器(54)と、前記DCリンク(58)に位置するコンデンサ(60)とを備える、請求項13に記載の発電システム(10、40)。
【請求項15】
前記電圧は、前記DCリンク(58)からのDCリンク電圧(70)を含む、請求項14に記載の発電システム(10、40)。
【請求項16】
前記シャフト(13)に結合された永久磁石発電機(50)を備え、前記DCリンク電圧(70)は、前記永久磁石発電機(50)から前記AVR(52)が受け取った電圧の整流電圧を含む、請求項15に記載の発電システム(40)。
【請求項17】
前記タービン(48)がガスタービン(42)を備え、前記発電機(14)が同期発電機を備える、請求項13に記載の発電システム(40)。
【請求項18】
前記コントローラ(32)は、前記発電機(14)が停止したかどうかを判定するように構成される、請求項13に記載の発電システム(10、40)。
【請求項19】
前記コントローラ(32)は、前記電圧に基づいて前記シャフト(13)の速度を決定するように構成される、請求項18に記載の発電システム(10、40)。
【請求項20】
前記コントローラ(32)は、数学的モデル(78)又はルックアップテーブル(80)を利用して、前記電圧に基づいて前記発電機(14)の前記速度を判定するように構成される、請求項13に記載の発電システム(10、40)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書に開示される主題は、ガスタービン発電機に関し、より詳細には、ガスタービン発電機における低速を検出するためのシステム及び方法に関する。
【0002】
発電機は、送電網に電気を供給して、1つ又は複数の負荷に電力を供給するために頻繁に使用される。発電機は、ガスタービン、蒸気タービン、又は別の原動機などのタービンの動作に基づいて、特定の電圧振幅、位相、及び周波数で動作することができる。例えば、タービンは、発電機内で回転するシャフトに回転エネルギーを供給することができる。シャフトは、タービンに入る空気及び燃料の量など、タービンの様々な設定に基づいて回転することができる。送電網に電力をエクスポートするために、発電機によって生成された電力は、送電網上の電力と同期するように制御され、回路遮断器は、発電機を送電網に電気的に結合するために閉じられる。すなわち、発電機によって供給される電圧振幅、位相、及び周波数などの発電機によって生成される電力のパラメータは、回路遮断器を閉じる前に、電圧振幅、位相、及び周波数などの送電網のそれぞれのパラメータの範囲内に入るように制御される場合がある。
【0003】
場合によっては、発電機は運転停止する場合があり、発電機及び/又はタービンの速度を監視して、発電機がいつ停止したかを判定する必要がある。発電機の低速を監視するために追加のハードウェアが必要とされる。例えば、ゼロ速度スイッチ又は速度作動感知スイッチを利用することができる。しかしながら、この追加のハードウェアの利用は、費用対効果が高くない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0296680号明細書
【発明の概要】
【0005】
当初に特許請求する主題の範囲に相応する特定の実施形態を以下に要約する。これらの実施形態は、特許請求している主題の範囲を限定することを意図しておらず、むしろ、これらの実施形態は、実現性のある本主題の形態の概要を提供することのみを意図している。実際、本主題は、以下に記載する実施形態と同様であってもよいし、異なっていてもよい様々な形態を包含することができる。
【0006】
第1の実施形態では、発電システムの制御システムは、シャフトを介してタービンに結合された発電機を含む。制御システムは、命令を記憶するメモリを含む。制御システムはまた、メモリに結合され、命令を実行するように構成されたプロセッサを含む。命令が実行されると、プロセッサは、自動電圧調整器(AVR)から直流(DC)リンク電圧を受け取り、AVRは、発電機の電圧特性を制御し、DCリンク電圧に基づいて発電機の速度を判定するように構成される。
【0007】
第2の実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体が、シャフトを介してタービンに結合された発電機を含む発電システムの制御システムのプロセッサによって実行されるように構成された命令を含む。命令には、プロセッサに、発電機の電圧特性を制御するように構成された自動電圧調整器(AVR)から直流(DC)リンク電圧を受け取らせ、DCリンク電圧に基づいて発電機の速度を判定させるように構成された命令が含まれる。
【0008】
第3の実施形態では、発電システムは、タービンと、シャフトを介してタービンに結合された発電機と、自動電圧調整器(AVR)とを含む。AVRは、発電機の電圧特性を制御するように構成される。発電システムは、AVRから電圧を受け取り、電圧に基づいて発電機の速度を判定するように構成される。
【0009】
本主題のこれらの、並びに他の特徴、態様、及び利点は、添付の図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読解すれば、さらに良好に理解されよう。添付の図面では、すべての図面を通して、類似の符号は類似の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態による発電システム(例えば、AC発電システム)の一実施形態のブロック図である。
【
図2】本実施形態による、自動電圧調整器(AVR)及びコントローラに結合された発電システム(例えば、AC発電システム)の一実施形態の概略図である。
【
図3】本実施形態による、
図1及び
図2のタービン-発電機システムの発電機の速度を監視するための方法の一実施形態の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1つ又は複数の具体的な実施形態が以下に記載される。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実装のすべての特徴が本明細書で説明されているわけではない。そのような実際の実施態様の開発においては、あらゆるエンジニアリング又は設計プロジェクトと同様に、実施態様ごとに異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約条件の遵守など、開発者の特定の目標を達成するために、実施態様ごとに特有の多数の決定を行わなければならないことを、理解すべきである。さらに、このような開発作業は複雑で時間がかかるかもしれないが、それでもなお本開示の利益を得る当業者にとっては、設計、製作、及び製造の日常的な仕事であることを理解されたい。
【0012】
本開示の様々な実施形態の要素を紹介する場合に、冠詞「1つの(a、an)」、「この(the)」、及び「前記(said)」は、その要素が1つ又は複数存在することを意味するように意図される。「備える、含む(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は包括的なものであり、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味するものである。
【0013】
本開示の実施形態は、発電システムにおいて発電機及び/又は発電機を原動機(例えば、タービン)に結合するシャフトの速度を監視するためのシステム及び方法を提供する。実施形態は、発電機の電圧特性を制御する自動電圧調整器(AVR)から電圧(例えば、直流(DC)リンク電圧)を受け取る制御システムを含む。制御システムは、DCリンク電圧から(例えば、DCリンク電圧から直接)、発電機及び/又はシャフトの速度を判定する。特定の実施形態では、制御システムは、発電機及び/又はシャフトの速度を判定するために、モデルアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを利用してもよい。DCリンク電圧の測定値を利用することで、発電機の低速(例えば、50回転/分(RPM)以下)を監視するための追加のハードウェアの必要性が排除されることによって、これらの低速を監視するための費用効果の高い方法が提供される。
【0014】
上記を念頭に置いて、
図1に示す例示的な発電システム10などの発電システムの一実施形態を説明することが有用である場合がある。発電システム10は、タービン12、発電機14(例えば、同期発電機)、及びエキサイタ16などの様々なサブシステムを含んでもよい。タービン12(例えば、ガスタービン、蒸気タービン、水力タービンなど)は、シャフト13を介して発電機14に結合されてもよい。発電機14は、次いで、発電機エキサイタ16に通信可能に結合されてもよい。エキサイタ16は、発電機14の界磁巻線22に直流(DC)を供給することができる。特に、エキサイタ16は、発電機14の磁場を励磁するためのDC磁場電流(例えば、動作のための磁場を確立するために発電機14の界磁巻線22及び/又は他の同期機械によって利用される電流)を供給することができる。例えば、エキサイタ16は、静的(例えば、パワーエレクトロニクス)エキサイタ又は回転(例えば、ブラシ及び/又はブラシレス)エキサイタであってもよい。他の実施形態では、エキサイタ16はバイパスされてもよく、電力出力は発電機14の界磁巻線22を直接励磁してもよい。また図示するように、発電機14の出力端子は、交流(AC)線28を介して大規模商用送電網26に結合されてもよい。あるいは、発電機14の出力端子は、小型の産業用発電プラントに結合されてもよい。
【0015】
発電システム10はまた、励磁システム24を含んでもよく、励磁システム24は、例えば、励磁システム24への1つ又は複数の入力で受け取った測定パラメータ及び/又は測定パラメータの表示に基づいて、発電機14及び/又はエキサイタ16の各々に様々な制御パラメータを提供してもよい。以下により詳細に説明するように、これらの入力のうちの1つは、シャフト13に結合されたブラシレス永久磁石発電機(PMG)によって生成された電圧であってもよい。特定の実施形態では、励磁システム24は、発電機14及びエキサイタ16の励磁制御部として機能してもよい。励磁システム24は、1つ又は複数のコントローラ32及び1つ又は複数の電力変換器34を含んでもよい。電力変換器34は、例えば送電網26などの電源から交流(AC)電力、DC電力、又はそれらの組み合わせを受け取る、シリコン制御整流器(SCR)、サイリスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などの統合パワーエレクトロニクス切替装置のサブシステムを含んでもよい。以下により詳細に説明するように、電力変換器34は、自動電圧調整器(AVR)を含んでもよい。励磁システム24は、バス29を介してこの電力を受け取ることができ、それに基づいてエキサイタ16の界磁巻線30に電力、制御、及び監視を提供することができる。したがって、励磁システム24及びエキサイタ16は、所望の出力(例えば、グリッド電圧、力率、負荷周波数、トルク、速度、加速度など)に従って発電機14を駆動するために集合的に動作してもよい。一例として、一実施形態では、励磁システム24は、ニューヨーク州スケネクタディのゼネラルエレクトリック社から入手可能なEX2100e(商標)レギュレータなどの励磁コントローラシステムであってもよい。以下により詳細に説明するように、AVRから測定されたDCリンク電圧を利用して、発電機14及び/又はシャフト13の低速(例えば、50RPM以下)を監視及び判定することができる。
【0016】
ここで
図2を参照すると、図は、別の発電システム40(例えば、電力同期システム)を示す。全体として、発電システム40は、
図1で説明した通りである。タービン12は、圧縮機44と、燃焼器46と、タービン48とを有するガスタービン42を含む。ガスタービン42は、圧縮機44によって圧縮された空気を受け取ることができる。圧縮空気は燃料と混合され、混合気は燃焼器46で燃焼される。空気と燃料との燃焼混合物を使用して、タービン48の1つ又は複数のブレードを回転させることができる。タービン48のロータは、発電機14に回転エネルギーを供給するためにシャフト13に結合されてもよい。
【0017】
さらに、発電システム40はまた、シャフト13に結合されたブラシレスPMG50を含む。PMG50は、発電システム40のエキサイタ磁場の電源として機能する。さらに、発電システム40は、AVR52(例えば、
図1の励磁システム24の電力変換器34の一例)を備える。AVR52は、発電機14の電圧特性を制御する。具体的には、AVR52は、発電機励磁電圧を(例えば、エキサイタ磁場のコイルに印加される電圧を介して発電機14の磁場を制御することによって)変更する。AVR52は、DCリンク58を介してインバータ56に結合されたダイオード整流器54を含む。DCリンク58は、インバータ56に印加される電圧を低減及び平滑化するためのコンデンサ60を含む。AVR52は、PMG50から出力62(例えば、電圧)を受け取る。AVR52は、PMG50からの電圧を整流し(すなわち、ACからDCに変換し)、電圧64を出力してエキサイタ16のエキサイタ磁場を制御し、次いで発電機ステータ内の電圧を制御する。
【0018】
全体的に図示するように、コントローラ32は、本明細書に記載の技法を実装するのに有用なオペレーティングシステム、ソフトウェアアプリケーション、及びシステムなどをサポートするために集合的に使用され得る、1つ又は複数のプロセッサ66及びメモリ68を含んでもよい。特に、コントローラ32は、非一時的機械可読媒体(例えば、メモリ68及び/又は他の記憶装置)に記憶され、例えば、コントローラ32に含まれ得る1つ又は複数のプロセッサ66によって実行されるコード又は命令を含んでもよい。プロセッサ66は、DCリンク58から測定された電圧70(例えば、DCリンク電圧)を受け取ることができる。プロセッサ66はまた、DCリンク電圧を利用して、シャフト13及び/又は発電機14の速度を判定することができる。PMG50から来る電圧62は、発電機14の動作周波数、したがってシャフト13の速度に応じて変化する。この関係から、発電機14の速度を判定することができる。例えば、特定の実施形態では、プロセッサ66は、アルゴリズムモデル又はルックアップテーブル(例えば、メモリ68に記憶されたもの)を利用して、DCリンク電圧70からシャフト13及び/又は発電機14の動作速度を導出することができる。特定の実施形態では、プロセッサ66は、DCリンク電圧70に基づいて発電機14がいつ停止したかを判定することができる。
【0019】
図3は、
図1及び
図2のタービン-発電機システムの発電機の速度を監視するための方法72の一実施形態の流れ図である。方法72は、上述のコントローラ32によって実行されてもよい。方法72の1つ又は複数のステップは、同時に及び/又は異なる順序で実行されてもよい。方法72は、AVRのDCリンクから直接測定された電圧(例えば、DCリンク電圧)を受け取るステップ(ブロック74)を含み、電圧は、AVRがPMGから受け取った電圧の整流電圧である。方法72はまた、DCリンク電圧に基づいてタービン発電機システムのシャフト及び/又は発電機の速度を判定するステップ(ブロック76)を含む。50RPM以下の速度を検出することができる。例えば、DCリンク電圧と発電機の動作周波数との間の関係を考慮するモデル78又はルックアップテーブル80を利用して、シャフト及び/又は発電機の速度を判定することができる。方法72は、シャフト及び/又は発電機の速度(例えば、RPM)がゼロであるかどうかを判定するステップ(ブロック82)をさらに含む。速度がゼロである場合、方法72は、発電機が停止したと判定するステップ(ブロック84)を含む。速度がゼロでない場合、方法72は、測定されたDCリンク電圧を受け取り続けるステップ(ブロック74)と、シャフト及び/又は発電機の速度を判定するステップ(ブロック76)とを含む。
【0020】
開示された実施形態の技術的効果は、タービン発電機システム内のシャフト及び/又は発電機の低速(例えば、50RPM以下)を検出及び監視するためのシステム及び方法を提供することを含む。特に、AVRから直接測定されたDCリンク電圧を利用して、追加のハードウェアを必要とせずにシャフト及び/又は発電機の速度を判定することができる。
【0021】
本明細書は、開示される主題を最良の態様を含めて開示すると共に、あらゆる装置又はシステムの製作及び使用並びにあらゆる関連の方法の実施を含む開示される主題の実践を当業者にとって可能にするために、実施例を使用している。開示される主題の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文言と実質的に相違しない同等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であるものとする。
【符号の説明】
【0022】
10 発電システム
12 タービン
13 シャフト
14 発電機
16 発電機エキサイタ
22 界磁巻線
24 励磁システム
26 大規模商用送電網
29 バス
30 界磁巻線
32 コントローラ
34 電力変換器
40 発電システム
42 ガスタービン
44 圧縮機
46 燃焼器
48 タービン
50 永久磁石発電機(PMG)、ブラシレスPMG
52 自動電圧調整器(AVR)
54 ダイオード整流器
56 インバータ
58 DCリンク
60 コンデンサ
62 電圧、出力
64 電圧
66 プロセッサ
68 メモリ
70 DCリンク電圧
72 方法
78 モデル
80 ルックアップテーブル
【国際調査報告】