(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】粒子を電子的に濾過するための装置
(51)【国際特許分類】
B03C 3/64 20060101AFI20221208BHJP
B03C 3/40 20060101ALI20221208BHJP
B03C 3/47 20060101ALI20221208BHJP
F24F 8/192 20210101ALI20221208BHJP
【FI】
B03C3/64
B03C3/40 A
B03C3/47
F24F8/192
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519286
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(85)【翻訳文提出日】2022-04-06
(86)【国際出願番号】 FR2020051840
(87)【国際公開番号】W WO2021074534
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522117646
【氏名又は名称】テコイヤ
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギトン,ピエール
(72)【発明者】
【氏名】マルシャン,ルノー
【テーマコード(参考)】
4D054
【Fターム(参考)】
4D054AA11
4D054BA02
4D054BC03
4D054BC24
4D054BC31
4D054EA14
(57)【要約】
本発明は、電子濾過装置(30)の動作中のコロナ効果の発生を制限するために、電位プレート(11)および/またはコレクタプレート(12)が、空隙において電気絶縁体(13)で少なくとも部分的に覆われている、電子濾過装置(30)のコレクタステージ(10)に関する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子粒子濾過装置(30)のコレクタステージ(10)であって、前記コレクタステージ(10)が、少なくとも1つの収集アセンブリ(1)を有し、
-電位アーマチュア(11)、および
-前記電位アーマチュア(11)に向かい合って位置するコレクタアーマチュア(12)であって、各収集アセンブリ(1)が、前記電位アーマチュア(11)と前記コレクタアーマチュア(12)との間に非ゼロ電位差を有する、コレクタアーマチュア(12)を備え、
前記コレクタアーマチュア(12)に向かい合って位置する前記電位アーマチュア(11)の中央コア(111)が、電気絶縁体(13)で覆われていることを特徴とする、コレクタステージ(10)。
【請求項2】
各収集アセンブリ(1)に対して、前記電位アーマチュア(11)および前記コレクタアーマチュア(12)が、各々、導電性リーフを備えるプレートの形態を取る、先行請求項に記載のコレクタステージ(10)。
【請求項3】
各収集アセンブリ(1)の前記電位アーマチュア(11)の前記コア(111)が、前記収集アセンブリ(1)の前記コレクタアーマチュア(12)に向かい合った側面上で、前記電気絶縁体(13)で覆われている、先行請求項のいずれか一項に記載のコレクタステージ(10)。
【請求項4】
各収集アセンブリ(1)の前記電位アーマチュア(11)が、前記コア(111)において周辺マージン(113)を有し、前記周辺マージン(113)が、前記収集アセンブリ(1)の前記コレクタアーマチュア(12)に面する面上および/または前記収集アセンブリ(1)の前記コレクタアーマチュア(12)に向かい合った面上で、前記電気絶縁体(13)で覆われている、先行請求項のいずれか一項に記載のコレクタステージ(10)。
【請求項5】
各収集アセンブリ(1)の前記電位アーマチュア(11)の縁(21)が、前記電気絶縁体(13)によって覆われている、先行請求項のいずれか一項に記載のコレクタステージ(10)。
【請求項6】
前記電位アーマチュア(11)に向かい合って位置する前記コレクタアーマチュア(12)の中央ゾーン(121)が、電気絶縁体(13)で覆われている、先行請求項のいずれか一項に記載のコレクタステージ(10)。
【請求項7】
各収集アセンブリ(1)の前記コレクタアーマチュア(12)の前記中央ゾーン(121)が、前記収集アセンブリ(1)の前記コレクタアーマチュア(12)に向かい合った側面上で、前記電気絶縁体(13)で覆われている、先行請求項に記載のコレクタステージ(10)。
【請求項8】
各収集アセンブリ(1)の前記コレクタアーマチュア(12)が、前記中央ゾーン(121)の周辺にあるゾーン(123)を含み、前記周辺ゾーン(123)が、前記収集アセンブリ(1)の前記電位アーマチュア(11)に向かい合った面上で、かつ/または前記収集アセンブリ(1)の前記電位アーマチュア(11)に向かい合った面上で、前記電気絶縁体(13)で覆われている、請求項6または7に記載のコレクタステージ(10)。
【請求項9】
各収集アセンブリ(1)の前記コレクタアーマチュア(12)の縁(22)が、前記電気絶縁体(13)で覆われている、請求項6~8のいずれか一項に記載のコレクタステージ(10)。
【請求項10】
前記電気絶縁体(13)が、
-前記電気絶縁体(13)によって形成された第1の電気絶縁体(131)であって、前記第1の電気絶縁体(132)が、各収集アセンブリ(1)の前記電位アーマチュア(11)および/または前記コレクタアーマチュア(12)と接触している、前記第1の電気絶縁体(131)と、
-前記第1の電気絶縁体(131)上に重畳された第2の電気絶縁体(132)と、を備える、先行請求項のいずれか一項に記載のコレクタステージ(10)。
【請求項11】
各収集アセンブリ(1)に対して、前記第2の電気絶縁体(132)が、前記電位アーマチュア(11)の前記周辺マージン(113)および/または前記コレクタアーマチュア(12)の前記周辺ゾーン(123)を覆う、請求項8との組み合わせで捉えられる先行請求項のいずれか一項に記載のコレクタステージ(10)。
【請求項12】
各収集アセンブリ(1)に対して、前記第2の電気絶縁体(132)が、前記周辺マージン(113)の近傍に位置する前記電位アーマチュア(11)の前記コア(111)の一部分を覆い、および/または前記第2の電気絶縁体(132)が、前記周辺ゾーン(123)の近傍に位置する前記コレクタアーマチュア(12)の前記中央ゾーン(121)の一部分を覆う、先行請求項に記載のコレクタステージ(10)。
【請求項13】
前記第1の電気絶縁体(131)および前記第2の電気絶縁体(132)が、電気絶縁ワニス、熱可塑性フィルム、プラスチックコーティング、およびプラスチックオーバーモールドから選択される、請求項10~12のいずれか一項に記載のコレクタステージ(10)。
【請求項14】
電子粒子濾過装置(30)であって、
-電源(32)、
-先行請求項のいずれか一項に記載のコレクタステージ(10)であって、前記コレクタステージ(10)の各収集アセンブリ(1)が、前記電源(32)によって分極されている、コレクタステージ(10)、
-前記コレクタステージ(10)が延在する空気脈(35)を形成するチャネル(33)、および
-前記空気脈(33)を通過する粒子を帯電させるように構成された電離ステージ(31)、を備える、電子粒子濾過装置(30)。
【請求項15】
先行請求項に記載の電子濾過装置(30)と、前記空気脈(35)を通る非ゼロ気流を生成する部材と、を備える換気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術的背景は、空気浄化装置、具体的には、粒子濾過装置である。より具体的には、本発明は、電子粒子濾過装置のコレクタステージ、ならびにそのような電子粒子濾過装置に関する。これらの技術は、静電集塵およびエレクトロフィルトレーションの名称でも知られている。
【0002】
空気濾過は、建築設計に広く使用されている技術である。一方、国内の建物では、空気中に存在する懸濁粒子の一部を保持するために機械的フィルタを統合するダブルフロー換気システムを使用することが増えている。一方、特に第三次および工業用の建物では、機械的フィルタで形成された1つ以上の濾過ボックスを備える空気処理ユニットの使用が知られている。
【0003】
加えて、フランスでは、現在の規制により、建物に入る空気は、いわゆる「シングルフロー」換気システムによる従来の機械的濾過を受けることを阻まれている。
【0004】
このような機械的フィルタの使用は最適とは程遠く、特に以下の欠点、
-フィルタの空気圧損失に関連する著しいエネルギー消費、
-特に最微粒子の高効率フィルタの場合の高いメンテナンスコスト、
-介在中の濾過プラントの部分的な停止または換気率の低減を必要とする複雑なメンテナンス、
-生物汚染物質(細菌、ウイルス)の放出または換気ダクト内の細菌の増殖のリスクを有している。
【0005】
これらの欠点を克服するために、電子フィルタは、機械的フィルタと比較して、非常に低い気流損失に起因してフィルタの消費電力を低減することが知られている。また、電子フィルタは消耗品を必要としないためメンテナンスの費用が高くなく、換気ダクトの生物学的汚染のリスクを回避する。
【0006】
既知の電子フィルタの動作原理を
図1に示す。これは、電子フィルタの気流の方向に応じて行われた2つの連続したステップである、
-粒子状汚染物質を静電的に帯電させるために、空気を集中的に電離する上流ステップ、
-荷電粒子を、対になって互いに向かい合う並列アーマチュアのシステムで収集する下流ステップからなる。各アーマチュアをそれらの間に電界を生成させるために、異なる電位にさせる。
【0007】
電子フィルタの第1の既知の欠点は、健康および換気ダクトに有害である二次汚染物質、特にオゾンの排出である。これらの二次汚染物質は、静電放電中に放出され、これは、電子フィルタのアーマチュア間で、かつそれらの間に生成される電場の値が非常に高いために発生し得る。確かに、これらの静電放電が2つのアーマチュアの間で起こると、コロナ効果、オゾンを放出するスパイク効果としても知られている、によってコールドプラズマが生じる。
【0008】
これらの電子フィルタの第2の既知の欠点は、例えば、塵の存在によって、または電子フィルタを通過する空気の湿度によって引き起こされる、アーマチュア間の過渡静電放電によって生成されるノイズである。
【0009】
これらの電子フィルタの第3の既知の欠点は、要素間の電気絶縁距離がコンパクトな装置には適していないため、それらのサイズである。
【0010】
本発明の目的は、少なくとも実質的に上記の問題に対処し、さらに他の利点につながるように、電子粒子濾過装置の新規のコレクタステージを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、そのようなコレクタステージの動作中の汚染物質の排出を制限することである。
【0012】
本発明の別の目的は、そのようなコレクタステージの騒音汚染を低減することである。
【0013】
本発明の別の目的は、人が触れたときの静電放電のあらゆるリスクを回避することによって、そのようなコレクタステージの電気的安全性を改善することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、通常静電フィルタで使用される絶縁距離を低減する、10cm以下ほどの空気通路断面におけるコンパクトな成形を許容することである。
【0015】
本発明の第1の態様によれば、前述の目的のうちの少なくとも1つは、電子粒子濾過装置のコレクタステージで達成され、コレクタステージは、(i)電位アーマチュアと、(ii)電位アーマチュアに向かい合って位置するコレクタアーマチュアと、を備える少なくとも1つの収集アセンブリを備え、各収集アセンブリは、電位アーマチュアとコレクタアーマチュアとの間に非ゼロ電位差を有する。本発明によるコレクタステージでは、コレクタアーマチュアに向かい合って位置する中央コアは、電気絶縁体で覆われている。
【0016】
電子濾過装置は、空気流に包含される粒子の濾過を許容するように構成されている。一般的に言えば、コレクタステージは、そのような電子濾過装置に実装された場合、コレクタステージのアーマチュア間の電位差から生じる、強い電界をコレクタステージのアーマチュア間に発生させることを許容する。このような電界の存在下では、コレクタステージのアーマチュア間を突進する、電子濾過装置の電離ステージによって事前に帯電された粒子は、コレクタアーマチュアに向かって偏向される。
【0017】
第1の実施形態によれば、電位アーマチュアは、コレクタアーマチュアよりも高い電位に引き上げられる。好ましくは、電位アーマチュアは、電位アーマチュアが電気接地に接続されている間に正の電位となり、電位アーマチュアよりも低い電位を有するか、またはゼロである。第2の実施形態によれば、電位アーマチュアは、コレクタアーマチュアよりも低い電位になる。好ましくは、電位アーマチュアは、電位アーマチュアが電気接地に接続されている間に負の電位になり、電気アーマチュアの電位よりも高い電位を有するか、またはゼロである。
【0018】
非限定的な方式では、コレクタアーマチュアおよびコレクタステージの電位アーマチュアは、有利には平面状であり、場合によっては湾曲している。好ましくは、それらはすべて互いに平行である。
【0019】
電位アーマチュアのコアは、コレクタアーマチュアに向かい合って位置する電位プレートの一部分であり、コアは、電位プレートおよびコレクタプレートの少なくとも1つの重なり合った表面によって形成されている。その第1の態様による本発明では、電位アーマチュアのコアの少なくとも一部分は、コレクタアーマチュアに向かい合った電位アーマチュアの面上に位置する電気絶縁体で覆われている。電位アーマチュアのコアは、直接的に導電性であってもよく、または1つ以上の交互の導電層と絶縁層で形成されてもよい。
【0020】
「電気絶縁体」という用語は、誘電体の剛性が5kV/mmより高い材料を意味する。一方、数十ボルト未満の高電圧を必要とせず、ナノアンペアほどの微弱な電流を生じさせる電子の循環が許容される場合、材料は導電性であると考えられる。言い換えると、材料は、その電気抵抗率が105Ω/メートル未満であるとき、導電性である。
【0021】
本発明の第1の態様に従ったコレクタステージは、電位アーマチュアとコレクタアーマチュアとの間で、特に、上述のアーマチュア間の湿気を多く含んだ空気の存在下において、電気アークの発生を制限することを可能にする。さらに、巧妙かつ予期せぬ様式では、この構成は、コレクタステージの濾過効率に悪影響を及ぼさず、濾過効率は、上述のコレクタステージに入る粒子の数に対するコレクタステージを通過する粒子の捕捉率とみなされる。
【0022】
本発明の第1の態様によるコレクタステージは、有利には、以下の改善のうちの少なくとも1つを含み、これらの改善を形成する技術的特徴は、単独で、または組み合わせて捉えることができる。
-各収集アセンブリに対して、電位アーマチュアおよびコレクタアーマチュアは、各々、導電性リーフを備えるプレートの形態を取る。第1の実施形態によれば、電位アーマチュアおよび/またはコレクタアーマチュアを形成するプレートは、導電性リーフおよび電気絶縁リーフの交互の積み重ねによって形成され得る。この第1の実施形態では、導電性材料は、導電性材料が空気と直接接触しないように、かつ/または収集アセンブリの向かい合ったアーマチュアに直接面するように、電気絶縁材料によって大部分覆われている。非限定的な例として、各収集アセンブリの電位アーマチュアおよび/またはコレクタアーマチュアは、各々プリント回路基板から形成されている。第2の実施形態によれば、電位アーマチュアおよび/またはコレクタアーマチュアを形成するプレートは、銅または任意のタイプの金属合金などの導電性材料で形成され得る。この第2の実施形態では、導電性材料は、主に空気と直接接触し、かつ/または収集アセンブリの向かい合ったアーマチュアと直接面しており、
-電位アーマチュアおよび/またはコレクタアーマチュアは、固体または穿孔表面を形成し、
-各収集アセンブリの電位アーマチュアのコアは、上述の収集アセンブリのコレクタアーマチュアに向かい合った面上で、電気絶縁体で覆われる。この有利な構成は、コレクタステージの動作を改善し、電位アーマチュアの電気絶縁を改善する。特に、コレクタステージが複数の収集アセンブリを備える場合、その2つの向かい合った面上の電位アーマチュアのコアの電気絶縁により、コレクタステージに向かい合った2つのアーマチュアによって形成された各空隙に向かい合った電気絶縁を位置させることが可能になり、
-各収集アセンブリの電位アーマチュアは、コアの周辺にマージンを有し、周辺マージンは、上述の収集アセンブリのコレクタアーマチュアに面する側面上、および/または上述の収集アセンブリのコレクタアーマチュアに向かい合った側面上で、電気絶縁体で覆われている。周辺マージンは、コアのすべてまたは一部分の上方に延在する。非限定的な例として、周辺マージンは、電位アーマチュアのコアのすべてまたは一部の周辺の周囲に延在する経路を形成する。この有利な構成により、本発明の第1の態様によるコレクタステージの電位アーマチュアの周辺マージンにおけるスパイク効果の発生を制限することが可能になり、
-各収集アセンブリの電位アーマチュアの縁は、電気絶縁体によって覆われている。この有利な構成は、本発明の第1の態様による、コレクタステージの2つの互いに面するアーマチュア間のスパイク効果の発生を制限することを可能にし、
-電位アーマチュアのコアに類似して、電位アーマチュアに向かい合って位置するコレクタアーマチュアの中心ゾーンは、電気絶縁体で覆われている。電位アーマチュアコア上の電気絶縁体と組み合わせて、この構成は、有利に、コレクタ段の効率を向上させ、その動作中の破壊効果を制限またはさらに防止する。最低限、コレクタアーマチュアのコアゾーンは、電位アーマチュアに向かい合って位置するコレクタアーマチュアの面上で、電気絶縁体で覆われている。
-各収集アセンブリのコレクタアーマチュアの中央ゾーンは、上述の収集アセンブリの電位アーマチュアに向かい合った側面上で、電気絶縁体で覆われている。この有利な構成は、コレクタステージの動作を改善し、コレクタアーマチュアの電気絶縁を改善する。特に、コレクタステージが複数の収集アセンブリを備える場合、その2つの向かい合った面上のコレクタアーマチュアの中央ゾーンの電気絶縁は、コレクタステージに向かい合った2つのアーマチュアによって形成された各空隙に向かい合った電気絶縁を配置することを可能にする。
-各収集アセンブリのコレクタアーマチュアは、中央ゾーンの周辺にあるゾーンを備え、周辺ゾーンは、上述の収集アセンブリの電位アーマチュアに面する面上、かつ/または上述の収集アセンブリの電位アーマチュアに向かい合った面上で、電気絶縁体で覆われている。周辺ゾーンは、コレクタアーマチュアの中央ゾーンのすべてまたは一部分の上方に延在する。非限定的な例として、周辺ゾーンは、コレクタアーマチュアの中央ゾーンのすべてまたは一部の周辺の周りに延在する経路を形成する。この有利な構成により、本発明の第1の態様によるコレクタステージのコレクタアーマチュアの周辺ゾーンにおけるスパイク効果の発生を制限することが可能になり、
-各収集アセンブリのコレクタアーマチュアの縁は、電気絶縁体によって覆われている。この有利な構成は、本発明の第1の態様による、コレクタステージの2つの互いに面するアーマチュア間のスパイク効果の発生を制限することを可能にし、
-電気絶縁体は、(i)電気絶縁体によって形成された第1の電気絶縁体であって、各収集アセンブリの電位アーマチュアおよび/またはコレクタアーマチュアと接触している、第1の電気絶縁体と、(ii)第1の電気絶縁体上に重畳された第2の電気絶縁体と、を備える。2つの電気絶縁体のこの部分的な重畳により、コレクタステージのアーマチュアの電気絶縁を強化することが可能になる。特に、この有利な構成により、絶縁されるアーマチュアのゾーンをより良く画定し、コレクタステージの動作中の故障の影響を制限することが可能になる。したがって、この構成は、コレクタアーマチュアの中央ゾーンおよび/または電位アーマチュアのコアの絶縁を制限し、したがって、本発明の第1の態様によるコレクタステージの濾過性能を過度に低下させることを回避することを可能にする。
-特に、各収集アセンブリに対して、第2の電気絶縁体は、電位アーマチュアの周辺マージンおよび/またはコレクタアーマチュアの周辺ゾーンを覆う。言い換えれば、電位アーマチュアの周辺マージンの電気絶縁は、前述のアーマチュアのコアの電気絶縁に対して強化され、かつ/またはコレクタアーマチュアの周辺ゾーンの電気絶縁は、前述のアーマチュアの中央ゾーンの電気絶縁に対して強化される。任意選択で、電気絶縁体の厚さは、前述のアーマチュアのコアにおいて取られる電気絶縁の厚さに対して、電位アーマチュアの周辺マージンにおいてより大きく、および/または電気絶縁の厚さは、前述のアーマチュアの中心ゾーンにおいて取られる電気絶縁の厚さに対して、コレクタアーマチュアの周辺ゾーンにおいてより大きくなる。
-各収集アセンブリに対して、第2の電気絶縁体は、周辺マージンの近傍に位置する電位アーマチュアのコアの一部分を覆い、かつ/または第2の電気絶縁体は、周辺ゾーンの近傍に位置するコレクタアーマチュアの中央ゾーンの一部分を覆う。言い換えれば、第2の電気絶縁体は、電位アーマチュアの周辺マージンの近位コアの一部分を部分的に覆い、かつ/または第2の電気絶縁体は、コレクタアーマチュアの周辺ゾーンの近位中央ゾーンの一部分を部分的に覆い、
-電位アーマチュアおよび/またはコレクタアーマチュアの断面に従って、コア部分および/または中央ゾーン部分における第2の絶縁体の重なり長さは、0.5mm~5mmである。好ましくは、重なり長さは3mmに等しい。重なり長さは、電位アーマチュアの縁および/またはコレクタアーマチュアの縁に垂直で、電位アーマチュアのコアの外縁および/またはコレクタアーマチュアの中心ゾーンから、前述のコアおよび/または前述の中心ゾーンに向かう方向に取られ、
-第1および第2の電気絶縁体の厚さが、100nm~500μmであり、
-第1の電気絶縁体は、第2の電気絶縁体と同一であるか、または第1の電気絶縁体は、第2の電気絶縁体とは異なり、
-第1の電気絶縁体および第2の電気絶縁体は、電気絶縁ワニス、熱可塑性フィルム、プラスチックコーティングおよびプラスチックオーバーモールドから選択される。任意選択で、第1の電気絶縁体および第2の電気絶縁体はまた、電位アーマチュアおよび/またはコレクタアーマチュアの表面上の陽極酸化の形態を取ることができる。この構成は、電位アーマチュアおよび/またはコレクタアーマチュアがアルミニウムプレートから形成される場合に、それらは、このように処理されたアーマチュアに、電子濾過装置のそのようなコレクタステージのために求められるバイオサイド効果を与えるため、特に有利である。有利には、第1の電気絶縁体は、レジストワニスであり、第2の電気絶縁体は、熱帯向け処理ワニスであり、
本発明の第1の態様によるコレクタステージが複数の収集アセンブリを備える場合、第1の収集アセンブリの電位アーマチュアは、(i)第1の収集アセンブリのコレクタアーマチュアに面して、第1の側面において、(ii)第2の収集アセンブリのコレクタアーマチュアに面して、第1の側面に向かい合った第2の側面において、位置している。言い換えれば、電位アーマチュアとコレクタアーマチュアは、すべて互いに交互に位置し、各コレクタアーマチュアは電位アーマチュアに隣接し、逆もまた同様であり、
-前述の電位アーマチュアのコアの外縁と前述の周辺マージンの自由端との間で取られる電位アーマチュアの周辺マージンの寸法、および/または前述のコレクタアーマチュアの中央ゾーンの外縁と前述の周辺ゾーンの自由端との間で取られるコレクタアーマチュアの周辺ゾーンの寸法は、2mm~4mmである。好ましくは、この寸法は、3mmに等しく、
-電位アーマチュアとコレクタアーマチュアとの間の距離は、2mm~4mmである。好ましくは、2つの連続したアーマチュア間のこの距離は、3mmに等しい。
【0023】
本発明の第2の態様によれば、電子粒子濾過装置が提案され、電子濾過装置は、(i)電源、(ii)本発明の第1の態様またはその改良のうちのいずれかによるコレクタステージであって、コレクタステージの各収集アセンブリが電源によって分極されているコレクタステージ、(iii)コレクタステージが延在する空気脈を形成するチャネル、(iv)空気脈を通る粒子を帯電するように構成された電離ステージを備える。
【0024】
電離ステージは、電子フ濾過装置を通る気流に関連して、コレクタステージの上流に位置する。
【0025】
したがって、本発明の第2の態様による電子濾過装置は、既知の電子濾過装置と比較して高い性能を有する。実際、先に提示されたように、そのコレクタステージを形成するアーマチュアの電気絶縁は、脱調効果の出現を制限し、このような電子濾過装置の騒音公害とオゾンなどの有害な二次汚染物質の産出の両方を減少させることを可能にする。
【0026】
本発明の第2の態様による電子濾過装置は、有利には、以下の改善のうちの少なくとも1つを含み、これらの改善を形成する技術的特徴は、単独で、または組み合わせて捉えることができ、
-電源は、有利には高電圧源のタイプである。第1の実施形態によれば、電源は直流電源のタイプである。第2の実施形態によれば、電源は、交流電源のタイプであり、
-すべての収集セットの電位およびコレクタアーマチュアは、それぞれ、それらの周辺マージンおよび周辺ゾーンにおいてチャネルと一体化したレールによって支持され、
-電位およびコレクタアーマチュアは、楕円形、円形、または多角形であり、
-すべての収集アセンブリの電位およびコレクタアーマチュアは、チャネルの一方の内側面から他方の内側面に延在する。
【0027】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第2の態様またはその改善のうちのいずれかによる電子濾過装置と、空気脈を通る非ゼロ気流を生成する部材と、を備える換気システムが提案される。
【0028】
空気流生成部材は、空気脈に流体的に結合されている。第1の実施形態によれば、空気流生成部材は、チャネルを通して空気を吹き出すように構成されている。非限定的な例として、それは、空気を吹き出すファンまたはタービンであり得る。第2の実施形態によれば、空気流生成部材は、空気チャネルを通して空気を吸い込むように構成されている。非限定的な例として、それは、真空発生タービンまたはポンプであり得る。
【0029】
本発明の様々な実施形態が提供され、これらの任意の組み合わせにおいて、本明細書に示される様々な任意選択の特徴を組み込んでいる。
【0030】
本発明の他の特徴および利点は、一方では以下の説明から、他方では添付の概略図面を参照して指示により、かつ制限なしに与えられるいくつかの実施例から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の第1の態様による、コレクタステージの第1の例示的な実施形態の概略側面および平面図を示す。
【
図2】本発明の第1の態様による、コレクタステージの第2の例示的な実施形態の概略側面および平面図を示す。
【
図3】本発明の第1の態様による、コレクタステージの第3の例示的な実施形態の概略側面および平面図を示す。
【
図4】本発明の第2の態様による、電子濾過装置の概略図を示す。
【
図5】第1の例示的な実施形態による、電子濾過装置の空気脈の断面図を示す。
【
図6】第1の例示的な実施形態による、電子濾過装置の空気脈の断面図を示す。
【
図7】第1の例示的な実施形態による、電子濾過装置の空気脈の断面図を示す。
【0032】
当然のことながら、本発明の特徴、変形例、および異なる実施形態は、それらが相容れない、または相互に排他的でない限り、様々な組み合わせで互いと関連付けることができる。特に、以下に説明する特徴の選択のみを、この特徴の選択が、技術的利点を付与し、または先行技術から本発明を差別化するのに十分である場合には、説明する他の特徴から切り離して含む本発明の変形例を想像することが可能となるであろう。
【0033】
特に、記載される変形例および実施形態のすべては、そのような組み合わせに技術的障害がない場合、互いに組み合わせることができる。
【0034】
図において、いくつかの図に共通する要素は、同じ参照を付している。
【0035】
図1~3は、本発明の第1の態様による、コレクタステージ10の3つの例示的な実施形態の概略図を示す。
【0036】
一般的に言えば、すべての例示的な実施形態に共通して、そのようなコレクタステージ10は、複数の収集アセンブリ1を備え、各収集アセンブリ1は、
-電位アーマチュア11、および
-電位アーマチュア11に向かい合って位置するコレクタアーマチュア12であって、各収集アセンブリ1は、電位アーマチュア11とコレクタアーマチュア12との間に非ゼロの電位差を有する、コレクタアーマチュア12を備える。
【0037】
互いに面するために、コレクタアーマチュア12の側縁2が電位アーマチュア11の側縁2と整列されるように、電位アーマチュア11はコレクタアーマチュアと横方向に整列される。
【0038】
本発明によれば、すべての例示的な実施形態で見られるように、電気絶縁体13は、電位アーマチュア11の少なくとも中央コア111を覆い、コレクタアーマチュア12に向かい合って位置する。より具体的には、所与の収集アセンブリ1に対して、電位アーマチュア11は、コレクタアーマチュア12のアクティブ面122に直接面するアクティブ面112を有し、電気絶縁体によって系統的に覆われたコア111の部分は、電位アーマチュア11のアクティブ面112の側面上に位置する。
【0039】
図1~3において、電気絶縁体13によって覆われた金具の領域は、ハッチングを施した領域として示される。
【0040】
図1~3に見られるように、コア111は、コア111の表面全体がコレクタプレート12の一部分に直接面するように、電位アーマチュア11の中間ゾーンに位置する。
【0041】
図1に示される例示的な実施形態では、電位アーマチュア11のコア111のみが、電気絶縁体13によってすべてまたは一部が覆われている。
【0042】
有利には、コレクタアセンブリ1の電位アーマチュア11およびコレクタアーマチュア12は、各々プレートの形態を取る。プレートは、少なくとも部分的に導電性であり、
-
図1に示す例示的な実施形態では、コレクタアーマチュア12および電位アーマチュア11は、銅などの導電性材料で作られた導電性プレート3で単純に形成されており、
-
図2および
図3に示される例では、コレクタアーマチュア12および電位アーマチュア11は、導電性リーフと電気絶縁性リーフの交互の積層で形成されている。より具体的には、
図2および
図3に示される例では、コレクタアーマチュア12および電位アーマチュア11は、各々、2つの導電性プレート3の間に収容された基板4を備える。例として、このようなアーマチュア11、12は、プリント回路基板から形成され得る。
【0043】
電位アーマチュア11およびコレクタアーマチュア12は、2つずつとみなされる、それらの間にエアギャップを形成するように、すべて互いに平行である。さらに、電位アーマチュア11およびコレクタアーマチュア12は、好ましくはすべて平坦であり、場合によってはすべて湾曲している。一般的に言って、電位アーマチュア11およびコレクタアーマチュア12は、空隙がそれらの間で実質的に一定の長さとなるように、すべて同じ幾何学的形状を有している。
【0044】
図2および3に示される例示的な実施形態では、各収集アセンブリ11の電位アーマチュア11は、電位アーマチュア11のコア111の周辺に位置する周辺マージン113を備える。より具体的には、周辺マージン113は、電位アーマチュア11のコア111を囲む経路を形成する。特に巧妙なことに、周辺マージン113は、電位アーマチュア11の基板4から形成されている。同様に、各収集アセンブリ1のコレクタアーマチュア12は、電位アーマチュア11のコア111に類似した、上述のコレクタアーマチュア12の中央ゾーン121の周囲に位置する周辺ゾーン123を備える。より具体的には、周辺ゾーン123は、電位アーマチュア12の中央ゾーン121を囲む経路を形成する。特に巧妙には、周辺ゾーン123は、コレクタアーマチュア12の基板4から形成されている。
【0045】
上で考察されたように、コレクタステージ10のアーマチュア11、12間のスパイクおよび破壊効果の発生を制限するために、アーマチュア11、12を少なくとも部分的に電気絶縁体13で覆う必要がある。所与の収集アセンブリ1のコレクタアーマチュア12に向かい合って位置する電位アーマチュア11のコア111の部分上の電気絶縁体13の存在に加えて、
図2および
図3に示す例示的な実施形態は、電気絶縁体13で電位11およびコレクタ12のアーマチュアを相補的に覆っていることを示す。より具体的には、コレクタアーマチュア12および電位アーマチュア11は、電気絶縁体13によって完全に覆われている。言い換えれば、電気絶縁体13は、電位アーマチュア11およびコレクタアーマチュア12を完全に取り囲み、アーマチュアの各表面は、電気絶縁体13の非ゼロ厚によって覆われる。
【0046】
したがって、
図2および3に示される例示的な実施形態において、かつコレクタステージ10を形成する各収集アセンブリ1について、電位アーマチュア11は、
-所与の収集アセンブリ10の関連付けられたコレクタフレーム12に対して、アクティブ面112上、かつアクティブ面112に向かい合った面114上で、そのコア111において、かつ
-その周辺マージン113において、
-電位アーマチュア11の側縁2において、かつ周辺マージン113の自由縁23において取られる縁21において、電気絶縁体13によって覆われる。
【0047】
同様に、
図2および
図3に示される例示的な実施形態において、およびコレクタステージ10を形成する各収集アセンブリ1について、コレクタアーマチュア12は、
-所与の収集アセンブリ10の関連付けられたコレクタフレーム11に対して、その中央ゾーン121において、アクティブ面122上、かつアクティブ面121に向かい合った面124上で、および
-その周辺ゾーン123において、
-コレクタアーマチュア12の横方向の縁2において、かつ周辺ゾーン123の自由縁23において取られる縁22において、電気絶縁体13で覆われる。
【0048】
図2に示される例では、電気絶縁体13は、一方ではコレクタアーマチュア12、他方では電位アーマチュア11の全周にわたって一定の厚さである。
【0049】
図3に示される例では、電気絶縁体は、電位アーマチュア11の周辺マージン113において、かつコレクタアーマチュア12の周辺ゾーン123において補強される。この目的のために、電気絶縁体13は、
-コレクタステージ10の各収集アセンブリ1について、一方で電位アーマチュア11と、かつ他方でコレクタアーマチュア12と接触する第1の電気絶縁体131と、
-第1の電気絶縁体131上に重畳された第2の電気絶縁体132と、を備える。
【0050】
特に、各収集アセンブリ1について、第2の電気絶縁体132は、電位アーマチュア11の周辺マージン113を覆い、第2の電気絶縁体132は、コレクタアーマチュア12の周辺ゾーン123を覆う。このため、この構成により、電位アーマチュア11のコア111の電気絶縁体と、コレクタアーマチュア12の中央ゾーン121の電気絶縁体とに対して、それぞれ、一方では電位アーマチュア11の周辺マージン113の、他方ではコレクタアーマチュア12の周辺ゾーン123の電気絶縁体を強化することを可能にする。
【0051】
結果として、
図3に見られるように、電気絶縁体13の厚さは、それぞれ、コア111および中央ゾーン121において取られた電気絶縁体13の厚さに対して、周辺マージン113および周辺ゾーン123においてより大きい。
【0052】
図3に示す例示的な実施形態において、各収集アセンブリ1について、
-第2の電気絶縁体132は、前述の電位アーマチュア11の周辺マージン113の近傍にある電位アーマチュア11のコア111の一部分を覆う。言い換えれば、第2の電気絶縁体132は、電位アーマチュアの周辺マージン113に近位のコア111の一部分を部分的に覆う。したがって、第2の絶縁体132は、周辺マージン113の近傍に直接コア111の一部分の上部で周辺マージン113から突出し、かつ/または、
-第2の電気絶縁体132は、前述のコレクタアーマチュア12の周辺ゾーン123の近傍にあるコレクタアーマチュア12の中央ゾーン121の一部分を覆う。言い換えれば、第2の電気絶縁体132は、コレクタアーマチュア12の周辺ゾーン123に近接する中央ゾーン121の一部分を部分的に覆う。したがって、第2の絶縁体132は、周辺ゾーン123の近傍に直接中央ゾーン121の一部分の上部で周辺ゾーン123から突出する。
【0053】
最適な絶縁効率を許容するために、上記のようなコア部分111上および/または中央ゾーン部分121上の第2の絶縁体132の重なり長さは、所与の収集アセンブリ1のコレクタアーマチュア12と電位アーマチュア11との間の空隙の長さほどである。有利には、コア部分111上および/または中央ゾーン部分121上の第2の絶縁体132の重なり長さは、0.5mm~5mmであり、好ましくは3mmに等しい。重なり長さは、電位アーマチュア11のコア111の外縁および/またはコレクタアーマチュア12の中央ゾーン121の外縁からそれぞれ開始して、電位アーマチュア11の縁21および/またはコレクタアーマチュア12の縁22に垂直な方向で、かつ前述のコア111および/または前述の中央ゾーン121の方向で取られる。
【0054】
第1の電気絶縁体131および第2の電気絶縁体132は、5kV/mmを超える誘電強度を有する。一般的に言えば、第1の電気絶縁体131および第2の電気絶縁体132は、湿潤空気中の電位アーマチュア11とコレクタアーマチュア12との間の破壊を100%の相対湿度まで防止するように構成されている。
【0055】
本発明の文脈では、第1の電気絶縁体131および第2の電気絶縁体132は、電気絶縁ワニス、熱可塑性フィルム、プラスチックコーティングおよびプラスチックオーバーモールドから選択される。好ましくは、第1の電気絶縁体131は、レジストワニスのタイプであり、第2の電気絶縁体132は、熱帯向け処理レジストのタイプである。
【0056】
図4~7を参照すると、本発明はまた、
-好ましくは高電圧源のタイプの電源32と、
-その変形例のいずれかで上述したコレクタステージ10と、
-コレクタステージ10が延在する空気脈35を形成するチャネル33と、
-空気脈35を通過する粒子を帯電するように構成された電離ステージ31と、を備える電子濾過装置30に関する。
【0057】
図4は、本発明の第2の態様による電子濾過装置30の概略プロファイル図を示し、
図4~7は、前述の電子濾過装置30の断面で見られるように、チャネル33によって形成される空気脈35の3つの異なる実施形態を示す。
【0058】
図4では、電子濾過装置30を通過する気流が矢印Fによって図示され、そのような気流は
図4の左から右に向かって電子濾過装置30を通過する。したがって、空気脈35は、電子濾過装置30全体を通って、すなわち、電離ステージ31を通って、かつコレクタステージ10を通って伝播する。
【0059】
電子濾過装置10を通る気流に関連して、電離ステージ31は、コレクタステージ10の上流に位置する。
【0060】
そのような電子濾過装置30では、コレクタステージ10の各収集アセンブリ1は、電源32によって分極される。より詳細には、電気源32は、コレクタステージ10において考慮される空気脈35にわたって、より詳細には互いに直接向かい合う2つアーマチュア11、12間に電界を作り出すために、コレクタステージ10の各電位アーマチュア11および各コレクタアーマチュア12に電気的に接続されている。
【0061】
電子濾過装置30のコレクタステージ10のアーマチュア11、12を空気脈35にわたって支持するために、すべての収集アセンブリ1の電位アーマチュア11およびコレクタアーマチュア12は、それぞれ、それらの周辺マージン113およびそれらの周辺ゾーン123においてチャネル33と一体化されたレール34によって支持される。
【0062】
コレクタステージ10の電位アーマチュア11およびコレクタアーマチュア12は、交互に異なる電位になるように、電源32に接続されている。この構成は、2つの連続したアーマチュア11、12の間の電位差が、電離ステージ31によって電気的に帯電した粒子をコレクタアーマチュア12に向かって駆動するクーロン力を誘導することを許容する。アーマチュア11、12間の電位差は、湿潤空気中の破壊電界の値、すなわち、約106V/mに近い、またはそれ超の電界を誘導する。
【0063】
すべての収集アセンブリ1の電位アーマチュア11およびコレクタアーマチュア12は、空気脈35にわたってチャネル33の両側に延在し、そのため、
図4に示す空気流Fに横切る平面において、電位アーマチュア11とコレクタアーマチュアがまとめてチャネル33の形状を取る。
【0064】
図5に示す実施形態では、コレクタステージ10は、正方形の断面外形を有しており、電位アーマチュア11およびコレクタアーマチュア12は、チャネル33の正方形の断面に合致するようにサイズ決定され、配置されている。
【0065】
図6に示される実施形態では、コレクタステージ10は、円の形状の断面外形を有し、電位アーマチュア11およびコレクタアーマチュア12は、それらがチャネル33の円形断面と一致するような方式でサイズ決定され、配置されている。
【0066】
図7に示された実施形態では、コレクタステージ10は、環状円弧の形状の断面外形を有し、電位アーマチュア11およびコレクタアーマチュア12は、チャネル33の環状断面に一致するように、曲線状にサイズ決定され、配置されている。
【0067】
要約すると、本発明は、電子濾過装置30の動作中のスパイク効果の発生を制限するために、電位プレート11および/またはコレクタアーマチュア12が、空隙において電気絶縁体13で少なくとも部分的に覆われている、電子濾過装置30のコレクタステージ10に関する。
【0068】
当然のことながら、本発明は、先に説明した実施例に限定されず、本発明の範囲を超えることなく、これらの実施例に対して多くの調整を行うことができる。特に、本発明の様々な特徴、形態、変形例および実施形態は、それらに互換性がないか、または互いに排他的でない限りにおいて、様々な組み合わせで互いに組み合わせることができる。特に、上述の変形例および実施形態のすべては、互いに組み合わせることができる。
【国際調査報告】